JP5623933B2 - インクジェット記録方法及び印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方法及び印刷物に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の被記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
特許文献1には、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマルアクリレートを50重量%以上含み、更に、フリーラジカル光開始剤を含み、揮発性化合物を実質的に含有しないラジカル重合性インクジェットインクが開示されている。
特許文献2には、(A)顔料、(B)重合性モノマー、(C)重合開始剤、及び、(D)分散剤を含有するインク組成物であって、顔料の含有量がインク組成物全体の1重量%以下であり、インク組成物中における顔料Aと分散剤Dとの重量比(D/A)が0.5<D/A≦15の関係を満たすことを特徴とするインク組成物が開示されている。
国際公開2009−045703号明細書 特開2008−208190号公報
本発明の目的は、光沢性が高く、画像濃度の濃淡差によらず画像全体の光沢が均一であり、粒状感の低い画像が得られるインクジェット記録方法を提供することである。更に、前記インクジェット記録方法により得られる印刷物を提供することである。
本発明の前記課題は、以下の<1>及び<14>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<13>と共に以下に記載する。
<1> (1)インクセットを構成するインク組成物を、被記録媒体上に吐出し画像を形成する画像形成工程、及び、(2)吐出された前記インク組成物に活性放射線を照射して硬化する硬化工程を含み、前記インクセットが、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色、ライトシアン色、及び、ライトマゼンタ色のインク組成物を含み、前記インクセットを構成するインク組成物はそれぞれ、(成分A−1)下記式(I)で表される重合性モノマー、(成分B)重合開始剤、及び、(成分C)分散剤を含有し、前記インクセットを構成するインク組成物は全て、25℃における表面張力が31.0〜39.0mN/mであり、ライトシアン色のインク組成物は、シアン色のインク組成物の含有する着色剤の5〜25重量%の着色剤を含有し、ライトマゼンタ色のインク組成物は、マゼンタ色のインク組成物の含有する着色剤の5〜25重量%の着色剤を含有し、前記画像形成工程は、インク組成物の打滴サイズを6pL以上100pL以下で3段階〜8段階に変化させて複数の異なる打滴サイズを組み合わせてインクジェットヘッドから吐出する工程であることを特徴とするインクジェット記録方法、
Figure 0005623933
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表す。)
<2> 前記インク組成物が(成分A−2)N−ビニルラクタム類を更に含有する、<1>に記載のインクジェット記録方法、
<3> 前記インク組成物が(成分A−3)炭素数5〜10の炭化水素のジオールジアクリレートを更に含有する、<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法、
<4> 前記インク組成物が(成分A−4)芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートを更に含有する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<5> シアン色のインク組成物及びライトシアン色のインク組成物がそれぞれフタロシアニン顔料を含有し、マゼンタ色のインク組成物及びライトマゼンタ色のインク組成物がそれぞれC.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202の混晶顔料、及び、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の混晶顔料よりなる群から選択される少なくとも1つの顔料を含有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<6> ライトシアン色のインク組成物及びライトマゼンタ色のインク組成物が成分Cとして塩基性分散剤を含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<7> 前記画像形成工程におけるインク組成物の打滴のサイズが7pL以上40pL以下である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<8> 前記画像形成工程における吐出周波数が15kHz以上80kHz以下である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<9> 前記画像形成工程におけるインク組成物の打滴サイズが7pL以上35pL以下である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<10> 前記画像形成工程におけるインク組成物の最小打滴サイズが8pL以上13pL以下であり、最大打滴サイズが28pL以上35pL以下である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<11> 前記画像形成工程における画像形成が、双方向シャトルスキャン方式で行われる、<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<12> 前記硬化工程における活性放射線の照度が500mW/cm2以上である、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<13> 前記硬化工程における活性放射線の照度が700mW/cm2以上である、<1>〜<12>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<14> <1>〜<13>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
本発明によれば、光沢性が高く、画像濃度の濃淡差によらず画像全体の光沢が均一であり、粒状感の低い画像が得られるインクジェット記録方法を提供することができた。更に、前記インクジェット記録方法により得られる印刷物を提供することができた。
本発明のインクジェット記録方法は、(1)インクセットを構成するインク組成物を、被記録媒体上に吐出し画像を形成する画像形成工程、及び、(2)吐出された前記インク組成物に活性放射線を照射して硬化する硬化工程を含み、前記インクセットが、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色、ライトシアン色、及び、ライトマゼンタ色のインク組成物を含み、前記インクセットを構成するインク組成物はそれぞれ、(成分A−1)下記式(I)で表される重合性モノマー、(成分B)重合開始剤、及び、(成分C)分散剤を含有し、前記インクセットを構成するインク組成物は全て、25℃における表面張力が31.0〜39.0mN/mであり、ライトシアン色のインク組成物は、シアン色のインク組成物の含有する着色剤の5〜25重量%の着色剤を含有し、ライトマゼンタ色のインク組成物は、マゼンタ色のインク組成物の含有する着色剤の5〜25重量%の着色剤を含有し、前記画像形成工程は、インク組成物の打滴サイズを6pL以上100pL以下で3段階〜8段階に変化させて複数の異なる打滴サイズを組み合わせてインクジェットヘッドから吐出する工程であることを特徴とする。なお、明細書中、数値範囲を表す「X〜Y」(但し、X<Y)の記載は「X以上Y以下」と同義であり、「A〜B」(但し、A>B)は、「A以下B以上」と同義である。
Figure 0005623933
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表す。)
本発明においてインク組成物は、活性放射線により硬化可能な油性のインク組成物である。「活性放射線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
また、活性放射線硬化型のインク組成物は、インク組成物を被記録媒体上に吐出後硬化させるため、高揮発性溶剤を含まず、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に高揮発性溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する高揮発性溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。
一般に、活性放射線硬化型のインクジェット記録方法により得た印刷物は、水性インクジェット、溶剤インクジェットにより得た印刷物に比べ、硬化膜の光沢性が低い。これは、インクジェット着弾直後に打滴が活性放射線によって硬化されることで、打滴の着弾形状が保存されることが1つの要因と考えられる。
一方、本発明に使用されるインク組成物は、光沢性に優れた印刷物を得ることができる。理由は定かではないが、吐出された成分A−1及び成分Bを含むインク組成物は、着弾直後の活性放射線照射によって、打滴の内部から硬化するためであると推定される。
酸素溶存量が比較的高いと推定される成分A−1の存在により、硬化膜の最表面が酸素重合阻害をうけ、初期反応速度(硬化速度)を低下させることで、打滴の最表面が長時間液状に保たれ、打滴最表面が濡れ広がり、打滴同士の合一が促進されると推定される。その結果、より平滑な平面が形成され、高度な光沢性を有する画像が得られると推定される。
特に、同一部分を重ね打ちにより印刷するマルチパスモードでの印刷では、重ね打ちの際に先に打滴された液滴上に打滴が重なるケースが発生する。この際、先に打滴されたインク膜の最表面が液状であると、後に打たれた打滴の濡れ広がりが大きくなり、より高い光沢度が得られる。
打滴の硬化状態のコントロールにあたっては、打滴のごく最表面のみが液状態を保持することが重要である。打滴内部までもが液状態を長時間保持してしまうと最終的に印刷物の表面がべとついたり、重ね打ち時に後から着弾した打滴が膜の内部に入り込み、印刷物にクレーター状のくぼみを形成してしまう。その結果、逆に印刷物表面の平滑性を失うことになりかねない。成分A−1及び成分Bの組み合わせにより、高い内部の硬化性を保持できると推定される。
本発明によれば、成分A−1及び成分Bの組み合わせにより、打滴内部の硬化性を強く促進しつつ、硬化膜最表面のみを選択的に長時間液状に保つことが実現でき、光沢性が高い画像が得られたものと推定される。
打滴量の多い高画像濃度部分はインクが一度に多量に打滴されるため、インクが濡れ広がりやすくなり、高い光沢度が得られる。一方、低画像濃度部分は打滴量が少なく、打滴同士の重なりが小さい結果、濡れ広がりが遅く、高画像濃度部分に比べ、低い光沢となる。すなわち、成分A−1及び成分Bの組み合わせにより、高いレベルの光沢が得られる結果、このような高画像濃度部分と低画像濃度部分の光沢差が大きくなるという問題が新たに生じる。
同問題を解決するために、成分A−1、及び、成分Bを含有し、少なくともライトシアンインク、ライトマゼンタインクを含む6色インクセットを用いることで、成分A−1、及び、成分Bによって、インクの濡れ広がりを促進し、更に、淡色部分のインク載積量をライトインクによって嵩上げし、打滴量を印刷物全体で均一化する結果、濃淡によらず光沢が均一な画像が得られることが見出された。
また、濃色インクセットで印刷される画像の低濃度部分の画像は、濃色打滴部分と白抜け部分が混在する結果、全体として打滴部分が粒状の画像に見えてしまい質感を損なってしまう(粒状感)。成分A−1、及び、成分Bを用いたインクでできるだけインクの濡れ広がりを促進しようとしても、白抜け部分をなくすことはできず、印刷物の粒状感は十分に除くことができない。
同問題を解決するために、成分A−1、及び、Bを含有し、少なくともライトシアンインク、及びライトマゼンタインクを含む6色インクセットを用いて画像形成することで、成分A−1、及び、成分Bを含む打滴の濡れ広がりを促進しつつ、更に、同じ色濃度比較で、淡色インクを用いると、濃色に比べ広い面積で打滴する結果、粒状感がなくなり、低画像濃度部分の質感の高い印刷物が得られる。
すなわち、本発明によれば、成分A−1及び成分Bを有し、少なくともライトシアンインク、ライトマゼンタインクを有するインクセットを用いることで、光沢性が高く、かつ、画像全体の光沢性が均一で、低画像濃度部分の粒状感のない印刷物が得られることが見出された。
インクの表面張力も高画質な印刷物を得るための重要な因子である。インクの表面張力が低すぎると、マルチパス印刷において、先に打たれた打滴の表面張力が低くなることから、重ねてその上に打たれる打滴の接触角が大きくなり、結果として画像の凹凸が大きくなり、光沢性の低い画像となる。また、インクの表面張力が高すぎると、打滴が被記録媒体(支持体)上へ濡れ広がりにくくなることから、結果として画像の凹凸が大きくなり、光沢性の低い画像となる。本発明においては、表面張力を31〜39mN/mの範囲に制御することで、支持体上に打たれた打滴、及び、先に打たれた打滴上に重ね打ちされた打滴共に濡れ広がりやすくすることができ、光沢が高い印刷物が得られると推定される。
また、高い生産性を有しながら、粒状感の少ない画像を得るには、打滴サイズを3段階〜8段階の異なるサイズに可変させ、組み合わせてインクジェットヘッドから吐出することが好ましい。すなわち、単一の打滴サイズであると、打滴サイズを小さくした場合、粒状性が見えにくい画像が得られるが、高濃度部分の描画に非常に時間がかかり、また、打滴同士のつながりが悪くなることから、白抜けが生じ、最大色濃度の低い画像が得られてしまう。一方、打滴サイズを大きくすると、低濃度画像を描画した際、打滴の形状が目視され、粒状感の高い画像になってしまう。そこで、打滴サイズを異なるサイズに可変させ吐出する。すなわち、高濃度画像を描画する際は大きいサイズの打滴を吐出し、低濃度画像を描画する際は小さいサイズの打滴を吐出することで、粒状感の低い画像を得ることができると推定される。
I.インクセット及びインク組成物
以下、本発明で使用されるインクセット(以下、「本発明のインクセット」ともいう。)及び、該インクセットを構成するインク組成物(以下、「本発明のインク組成物」ともいう。)について説明する。
本発明において使用されるインクセットは、少なくともシアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色、ライトシアン色、及び、ライトマゼンタ色のインク組成物を含む。なお、以下の説明において、シアン色のインク組成物をシアンインク、マゼンタ色のインク組成物をマゼンタインク等ともいう。
インクセットを構成するインク組成物は、上記の6色のインク組成物には限定されず、ホワイト色のインク組成物を含むものでもよい。また、ライトイエロー色、ライトブラック色等を含むものでもよく、特に限定されない。
前記インクセットを構成するインク組成物は、それぞれ、(成分A−1)下記式(I)で表される重合性モノマー、(成分B)重合開始剤、及び、(成分C)分散剤を含有する。すなわち、インクセットを構成するインク組成物の少なくとも6色の全色が、前記成分A−1〜成分Cを含有する。また、本発明のインクセットが、上記の6色以外のインク組成物を含む場合には、その他の色を含む全色が、前記成分A−1〜成分Cを含有することが好ましい。
本発明において、インクセットを構成するインク組成物は、それぞれ、25℃における表面張力が、31.0〜39.0mN/mであり、33.0〜39.0mN/mであることが好ましく、35.5〜39.0mN/mであることがより好ましい。上記範囲であると、光沢性に優れた画像が得られる。25℃における表面張力が39.0mN/mを超えると、支持体への濡れ広がりが不良であり、31.0mN/m未満であると、特にマルチパス描画の際先に描画された打滴上に重ね打ちされた打滴の濡れ広がりが不良であると推定される。
インク組成物の表面張力の測定方法としては、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定する方法が例示できる。
インク組成物の25℃における表面張力を31.0〜39.0mN/mの範囲とするためには、インク組成物が、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の総含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.01重量%未満であることが好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、0.005重量%以下であることがより好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないことが特に好ましい。
また、本発明のインク組成物は、シリコーン鎖を有する化合物及びパーフルオロアルキル鎖を有する化合物を含有しないか、又は、シリコーン鎖を有する化合物及びパーフルオロアルキル鎖を有する化合物の総含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.01重量%未満であることが好ましく、シリコーン鎖を有する化合物及びパーフルオロアルキル鎖を有する化合物を含有しないか、又は、0.005重量%以下であることがより好ましく、シリコーン鎖を有する化合物及びパーフルオロアルキル鎖を有する化合物を含有しないことが特に好ましい。
なお、シリコーン鎖とは、連続した2以上のシロキサン結合のことであり、また、パーフルオロアルキル鎖とは、炭素数2以上のパーフルオロアルキル基のことである。
(成分A−1)式(1)で表される化合物
本発明において、インク組成物は、(成分A−1)式(1)で表される化合物を含有し、インク組成物における成分A−1の含有量は、インク組成物の全重量に対し、5〜70重量%であることが好ましく、10〜60重量%であることがより好ましく、15〜55重量%であることが更に好ましく、20〜50重量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、印刷物内部の硬化性を強く促進しつつ、硬化膜最表面のみを選択的に長時間液状を保つ硬化プロファイルが促進され、光沢性が高く、粒状感のない印刷物が得られる。
Figure 0005623933
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表す。)
前記式(1)で表される化合物は、アクリレート化合物であっても、メタクリレート化合物であってもよいが、アクリレート化合物、すなわち、R1が水素原子であることが好ましい。
式(1)のXにおける二価の連結基としては、本発明の効果を大きく損なうものでない限り特に制限はないが、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、二価の炭化水素基、ポリ(アルキレンオキシ)基、又は、ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であることがより好ましい。また、前記二価の連結基の炭素原子数は、1〜60であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。
式(1)におけるXとしては、単結合、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、炭素原子数1〜20の二価の炭化水素基であることがより好ましく、炭素原子数1〜8の二価の炭化水素基であることが更に好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。
式(1)で表される化合物の具体例としては、以下に示す化合物(A−1−1)〜(A−1−4)を好ましく例示できるが、これらに限定されるものではないことは言うまでもない。
Figure 0005623933
これらの中でも、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート(Cyclic trimethylolpropane formal acrylate、A−1−1)及びサイクリックトリメチロールプロパンフォーマルメタクリレート(A−1−2)が好ましく、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート(A−1−1)が特に好ましい。
(成分B)重合開始剤
本発明のインク組成物は、(成分B)重合開始剤を含有する。
重合開始剤は、前記活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることができる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく挙げられ、光ラジカル重合開始剤がより好ましく挙げられ、アシルフォスフィン化合物、芳香族ケトン類、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、及び、炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
上記重合開始剤の詳細については、当業者に公知であり、例えば、特開2009−185186号公報の段落0090〜0116に記載されている。
重合開始剤として、アシルホスフィンオキサイド化合物、チオキサントン化合物、チオクロマノン化合物、及びα−アミノアルキルケトン類よりなる群から選択される重合開始剤を少なくとも1種含有することが好ましく、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物、チオキサントン化合物、チオクロマノン化合物、及びα−アミノアルキルケトン類よりなる群から選択される重合開始剤を少なくとも1種含有することがより好ましい。
本発明において、インク組成物は、好ましくは(成分B−1)α−アミノアルキルケトン化合物、(成分B−2)アシルフォスフィン化合物、並びに、(成分B−3)チオキサントン化合物及び/又はチオクロマノン化合物の少なくとも1種を含有することが好ましく、成分B−1〜成分B−3の複数種類を組み合わせて含有することがより好ましい。更に好ましくはビスアシルホスフィンオキサイド化合物及びチオキサントン化合物よりなる群から選択される重合開始剤を少なくとも1種含有することが好ましく、特に好ましくはビスアシルホスフィンオキサイド化合物を含有することである。
以下、成分B−1〜成分B−3について説明する。
(成分B−1)α−アミノアルキルケトン化合物
本発明において、インク組成物は、好ましくは(成分B−1)α−アミノアルキルケトン化合物を含有する。成分B−1は、式(b−1−1)で表されるα−アミノアルキルフェノン化合物であることが好ましい。
Figure 0005623933
式(b−1−1)中、R1、R2、及びR3は、それぞれ独立にヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、置換基を有していてもよいアミノ基を表し、少なくとも1つはアミノ基を表す。Xは、水素原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。なお、R1、R2、R3、及びXの少なくとも1つがアミノ基である場合、互いに結合して複素環基を形成してもよい。
成分B−1としては、式(b−1−2)及び式(b−1−3)のいずれかで表される化合物が好ましい。
Figure 0005623933
式(b−1−2)中、R4、R5、R6、及びR7は、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R4とR5、及びR6とR7のいずれかが互いに結合して複素環基を形成してもよい。R1、R2、及び、置換基は、式(b−1−1)におけるものと同義である。
Figure 0005623933
式(b−1−3)中、R8は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表す。
1、R2は、式(b−1−1)におけるR1、R2と同義であり、R4及びR5は、式(b−1−2)におけるR4及びR5と同義である。
4及びR5が互いに結合して複素環基を形成する場合、特に制限はなく適宜選択することができるが、例えば、モルホリノ基が好ましい。
α−アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、市販品として、IRGACURE369(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、IRGACURE907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などが好適に挙げられる。
(成分B−1)α−アミノアルキルフェノン化合物の含有量は、インク組成物中の0.1〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましく、1〜5重量%が更に好ましい。
(成分B−2)アシルフォスフィン化合物
本発明のインク組成物は、好ましくは(成分B−2)アシルフォスフィン化合物を含有する。
(成分B−2)アシルフォスフィン化合物としては、特開2009−096985号公報の段落0080〜0098に記載のアシルフォスフィンオキサイド化合物が好ましく挙げられ、中でも、化合物の構造中に式(b−2−1)で表されるモノアシルホスフィンオキサイド、又は式(b−2−2)で表されるビスアシルホスフィンオキサイド構造を有するものが好ましく、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物がより好ましい。
Figure 0005623933
特に、アシルフォスフィンオキサイド化合物としては、式(b−2−3)又は式(b−2−4)の化学構造を有するものが好ましく、式(b−2−4)の化学構造を有するビスアシルホスフィンオキサイド化合物がより好ましい。
Figure 0005623933
(式(b−2−3)中、R6、R7、R8はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
式(b−2−3)で表されるモノアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、R6〜R8が、置換基としてメチル基を有していてもよいフェニル基であることが好ましく、R7及びR8がフェニル基であり、R6が1〜3個のメチル基を有するフェニル基であることがより好ましい。
中でも、式(b−2−3)で表されるモノアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(DAROCUR TPO:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、LUCIRIN TPO:BASF社製)が好ましい。
Figure 0005623933
(式(b−2−4)中、R9、R10、R11はメチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
式(b−2−4)で表されるビスアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、R9〜R11が、置換基としてメチル基を有していてもよいフェニル基であることが好ましく、R11がフェニル基であり、R9及びR10が1〜3個のメチル基を有するフェニル基であることがより好ましい。
中でも、式(b−2−4)で表されるビスアシルフォスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE819、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)がより好ましい。
インク組成物中における(成分B−2)アシルフォスフィン化合物の含有量は、0.1〜15重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましく、1〜5重量%が更に好ましい。
(成分B−3)チオキサントン化合物及び/又はチオクロマノン化合物
本発明のインク組成物は、好ましくは(成分B−3)チオキサントン化合物及び/又はチオクロマノン化合物を含有する。
<チオキサントン化合物>
チオキサントン化合物は、式(b−3−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005623933
(式(b−3−1)中、R1〜R8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基(一置換及び二置換の場合を含む。)、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。)
前記アルキル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、及び、アシル基におけるアルキル部分の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましい。
1〜R8は、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基を更に有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基が挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
チオキサントン化合物としては、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチルチオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、n−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、n−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリドが例示できる。
これらの中でも、入手容易性や硬化性の観点から、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントンがより好ましく、市販品としては、例えば、SPEEDCURE ITX(LAMBSON社製)が挙げられる。
<チオクロマノン化合物>
チオクロマノン化合物としては、式(b−3−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005623933
式(b−3−2)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。上記アルキル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、及び、アシル基におけるアルキル部分の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましい。
1、R2、R3及びR4は、それぞれ隣接する2つが互いに連結、例えば、縮合して環を形成していてもよい。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基を更に有していてもよい。置換基としては、式(b−3−1)で前述したものが挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
また、チオクロマノン化合物は、チオクロマノンの環構造上に少なくとも1つの置換基(アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基等)を有する化合物であることが好ましい。上記置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基及びアシルオキシ基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基及びハロゲン原子がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基及びハロゲン原子が更に好ましい。
また、チオクロマノン化合物は、芳香環上、及び、複素環上のそれぞれに、少なくとも1つの置換基を有する化合物であることがより好ましい。
チオクロマノン化合物の具体例としては、下記(I−1)〜(I−31)が好ましく例示できる。これらの中でも、(I−14)、(I−17)、及び、(I−19)がより好ましく、(I−14)が特に好ましい。
Figure 0005623933
Figure 0005623933
本発明のインク組成物中におけるチオクロマノン化合物の総含有量は、0.05〜10重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましく、1〜8重量%が更に好ましい。また、インク組成物中におけるチオキサントン化合物の総含有量は、0.05〜8重量%が好ましく、0.5〜6重量%がより好ましく、1〜4重量%が更に好ましい。
本発明における(成分B)重合開始剤は、前記活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物だけでなく、特定の活性エネルギー線を吸収して重合開始剤の分解を促進させる化合物(いわゆる、増感剤)も含まれる。
本発明においてインク組成物は、特定の活性エネルギー線を吸収して重合開始剤の分解を促進させるため、増感剤を含有することが好ましい。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)等が挙げられる。
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、インク組成物における重合開始剤の総含有量は、硬化性、硬化膜内での硬化度の均一性の観点から、インク組成物全体の1〜30重量%であることが好ましく、3〜25重量%であることがより好ましく、5〜20重量%であることが更に好ましい。また、重合開始剤の総含有量は、重合性化合物の総含有量に対して、0.01〜40重量%が好ましく、0.1〜30重量%がより好ましく、1.0〜25重量%が更に好ましい。
(成分A−2)N−ビニルラクタム類
本発明のインク組成物は、(成分A−2)N−ビニルラクタム類を更に含有することが好ましい。
成分A−2としては、式(A−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005623933
式(A−2)中、nは2〜6の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、被記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、nは3〜5の整数であることが好ましく、nが3又は5であることがより好ましく、nが5である、すなわちN−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、及び硬化膜の被記録媒体への密着性が得られるので好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上にアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和又は不飽和環構造を連結していてもよい。
成分A−2は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
成分A−2の含有量は、インク組成物の全重量に対し、5重量%以上40重量%以下であることが好ましく、10重量%以上35重量%以下であることがより好ましく、12重量%以上30重量%以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、印刷物内部の硬化性を強く促進しつつ、硬化膜最表面のみを選択的に長時間液状を保つ硬化プロファイルが促進され、光沢性が高い印刷物が得られる。また、基材密着性に優れるインク組成物が得られる。
(成分A−3)炭素数5〜10の炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレート
本発明のインク組成物は、(成分A−3)炭素数5〜10の炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートを更に含有することが好ましい。
成分A−3における炭素数5〜10の炭化水素ジオールは、直鎖炭化水素ジオールであっても、分岐構造を有する炭化水素ジオールであっても、環構造を有する炭化水素ジオールであってもよいが、直鎖炭化水素ジオール又は分岐構造を有する炭化水素ジオールであることが好ましく、分岐構造を有する炭化水素ジオールであることがより好ましい。
また、成分A−3における炭化水素ジオールの炭素数は、5〜10であり、5〜9であることが好ましく、5又は6であることがより好ましく、6であることが特に好ましい。
また、成分A−3としては、炭素数5〜9の炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数5又は6の炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートがより好ましく、炭素数5又は6で分岐構造を有する炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートが更に好ましく、炭素数6で分岐構造を有する炭化水素ジオールのジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
なお、本発明においては、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方又はいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
成分A−3は、アクリレート化合物であっても、メタクリレート化合物であってもよいが、アクリレート化合物であることが好ましい。
成分A−3の具体例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、及び、デカンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましく挙げられる。
これらの中でも、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートがより好ましく、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが更に好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明のインク組成物における成分A−3の含有量は、インク組成物の全重量に対し、1〜30重量%であることが好ましく、1.5〜25重量%であることがより好ましく、5〜20重量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、印刷物内部の硬化性を強く促進しつつ、硬化膜最表面のみを選択的に長時間液状を保つ硬化プロファイルが促進され、光沢性が高く、筋ムラの目立たない印刷物が得られる。
(成分A−4)芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレート
本発明のインク組成物は、(成分A−4)芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。成分A−4を含有すると、吐出安定性、及び、硬化性に優れる。成分A−4としては、分子量が500以下のものが好ましく、分子量が300以下のものがより好ましい。
成分A−4として、特開2009−096985号公報の段落0048〜0063に記載された、芳香族単官能ラジカル重合性モノマーが挙げられる。本発明においては、芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、式(a−4−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005623933
(式(a−4−1)中、R1は水素原子、又は、メチル基を表し、X1は二価の連結基を表し、Arは芳香族炭化水素基を表し、R5は置換基を表し、uは0〜5の整数を表し、また、u個存在するR5はそれぞれ同じであっても、異なっていてもよい。)
式(a−4−1)中、R1として好ましくは、水素原子である。
1は二価の連結基を表し、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(O)O−若しくは−OC(O)−)、アミド結合(−C(O)NR’−若しくは−NR’C(O)−)、カルボニル基(−C(O)−)、イミノ基(−NR’−)、置換基を有していてもよい炭素数1〜15のアルキレン基、又は、これらを2以上組み合わせた二価の基であることが好ましい。なお、R’は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状アルキル基、又は、炭素数6〜20のアリール基を表す。置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
1及びX1を含む部分(H2C=C(R1)−C(O)O−X1−)は、芳香族炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。
また、着色剤との親和性を向上させるという観点から、X1の芳香族炭化水素基と結合する端部は、酸素原子であることが好ましく、エーテル性酸素原子であることがより好ましい。式(a−4−1)におけるX1は、*−(LO)q−であることが好ましい。ここで、*は、式(a−4−1)のカルボン酸エステル結合との結合位置を示し、qは0〜10の整数であり、Lは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。qは0〜4の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましい。(LO)qは、エチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖であることが好ましい。
Arは芳香族炭化水素基を表す。芳香族炭化水素基としては、1〜4つの環を有する単環又は多環芳香族炭化水素基が挙げられ、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、1H−インデン、9H−フルオレン、1H−フェナレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、ナフタセン、テトラフェニレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、クリセン、プレイアンデン等から1つ以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
中でも本発明においては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、単環芳香族炭化水素基、すなわちフェニル基がより好ましい。
u個存在するR5は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、カルボキシ基、炭素数1〜10のアシル基、ヒドロキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、チオール基、シロキサン基、又は、更に置換基を有していてもよい総炭素数30以下の炭化水素基若しくは複素環基であることが好ましい。置換基としては、ヒドロキシ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基が挙げられる。
uは、0〜5の整数を表し、0であることが好ましい。
成分A−4の具体例として[L−1]〜[L−65]が好ましく挙げられるが、下記に限定されるものではない。
Figure 0005623933
Figure 0005623933
Figure 0005623933
Figure 0005623933
Figure 0005623933
Figure 0005623933
Figure 0005623933
本発明においては、式(a−4−1)で表される化合物としては、フェニル基を有する化合物が好ましく、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートがより好ましく、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートが更に好ましく、2−フェノキシエチルアクリレートが特に好ましい。
インクジェット吐出性、柔軟性の観点から、成分A−4の含有量は、インク組成物の総重量に対して5〜45重量%が好ましく、10〜35重量%がより好ましく、15〜30重量%が更に好ましい。
<他の重合性化合物>
本発明において、インク組成物は、成分A−1〜A−4以外の、他の重合性化合物を含有していてもよい。
他の重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましい。
他の重合性化合物としては、公知の重合性化合物を用いることができ、成分A−1〜A−4以外の(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が例示できる。例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
他の重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アクリレート化合物であることがより好ましい。
他の重合性化合物の具体例としては、イソボルニルアクリレート等が好ましく挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、その他の重合性化合物として、多官能重合性化合物を含有することが好ましく、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましい。
他の重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
他の重合性化合物として具体的には、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられる。
更に具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、(株)シーエムシー出版);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
他の重合性化合物の分子量は、80〜2,000であることが好ましく、80〜1,000であることがより好ましく、80〜800であることが更に好ましい。
他の重合性化合物として、単官能ビニルエーテル化合物を用いることができる。
好適に用いられる単官能ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。
本発明のインク組成物は、他の重合性化合物として多官能ビニルエーテル化合物を含有することも好ましい。なお、「多官能」とは、2官能以上を意味する。2〜4官能ビニルエーテル化合物であることが好ましく、2官能ビニルエーテル化合物であることがより好ましい。
多官能ビニルエーテル化合物として、ジ又はトリビニルエーテル化合物を以下に例示する。
好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物が例示できる。
特にエチレングリコール鎖を有する2官能ビニルエーテル化合物が好ましく、この場合、硬化膜の柔軟性、画像の光沢性に優れる。ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテルが好ましく例示でき、トリエチレングリコールジビニルエーテルがより好ましく例示できる。
本発明において、インク組成物における多官能ビニルエーテル化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、1〜15重量%が好ましく、1.5〜10重量%がより好ましく、2〜8重量%が更に好ましく、2.5〜5重量%が特に好ましい。上記範囲であると、硬化性、画像の光沢性に優れるインク組成物が得られる。
(成分C)分散剤
本発明において、インク組成物は、分散剤を含有する。顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有する。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−111、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(Noveon社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123((株)ADEKA製)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜15重量%であることが好ましい。
本発明において、特に、ライトシアンインク組成物、及び、ライトマゼンタインク組成物は、共に、塩基性分散剤を含有することが好ましい。より好ましくは、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタの全色のインク組成物が、塩基性分散剤を含有することである。塩基性分散剤を用いることで、保存安定性に優れ、画像の光沢性に優れるインク組成物が得られる。
塩基性分散剤の好適な具体的例として、DISPERBYK−168、Solsperse32000、TEGO Disperse685などが挙げられる。
ライトシアン、ライトマゼンタインクが含有する顔料と分散剤の比率は、1:1〜1:10であることが好ましく、1:1.5〜1:8であることが更に好ましく、1:3〜1:7であることが更に好ましい。上記範囲にて、保存安定性に優れ、画像の光沢性に優れるインク組成物が得られる。
濃色インクと淡色インクが含有する分散剤の比率(濃色:淡色、重量%比)は、1:0.4〜1:3.0が好ましく、1:0.6〜1:2.0がより好ましい。上記範囲にて、濃色部分と淡色部分の光沢の均一性に優れる画像が得られる。
また、ライトシアンインク組成物、及び、ライトマゼンタインク組成物において、分散剤がインク組成物全体に占める割合は、0.4重量%以上5重量%以下が好ましく、0.7重量%以上4重量%以下が更に好ましく、0.8重量%以上3重量%以下が特に好ましい。上記範囲にて、保存安定性に優れ、画像の光沢性に優れるインク組成物が得られる。
本発明において、インク組成物は、上記の(成分A)〜(成分C)に加えて、各種の公知の成分を含有することができ、特に限定されない。例えば、着色剤、界面活性剤、オリゴマーが挙げられる。
<着色剤>
本発明において、インク組成物は、形成された画像部の視認性を向上させるため、好ましくは着色剤を含有する。着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用できる。着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点から、重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、白色顔料としては、Pigment White 6,18,21などが目的に応じて使用できる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット
33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
これらの中でも、本発明において、シアンインク組成物、及び、ライトシアンインク組成物は、それぞれ、着色剤としてフタロシアニン顔料を含有することが好ましい。着色剤としてフタロシアニン顔料を使用すると、顔料の分散安定性に優れ、高彩度な印刷物が得られるので好ましい。
また、マゼンタインク、及び、ライトマゼンタインクは、それぞれ、着色剤として、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、又は、C.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料(特に、C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料、又は、C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド122混晶顔料)を少なくとも含有することが好ましい。マゼンタ顔料として上記の顔料を使用すると、顔料の分散安定性に優れ、高彩度な印刷物が得られるので好ましい。
イエローインク、必要に応じてライトイエローインクは、着色剤として、C.I.ピグメントイエロー120、150、151、155、180、又は213を含有することが好ましい。ブラックインク、必要に応じてライトブラックインクは、着色剤としてカーボンブラックを含有することが好ましい。
なお、濃色インクと淡色インクでは同じ顔料を用いることが好ましい。
着色剤は、インク組成物に添加された後、適度に当該インク組成物内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分と共に直接添加してもよい。また、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又は本発明に使用する重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散又は溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化、及び、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、インク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.01〜30重量%であることが好ましい。
また、ライトシアンン色のインク組成物は、シアン色のインク組成物の含有する着色剤の5〜20重量%の着色剤を含有し、ライトマゼンタ色のインク組成物は、マゼンタ色のインク組成物の含有する着色剤の5〜20重量%の着色剤を含有する。ライトシアンン色のインク組成物が含有する着色剤の量が、シアン色のインク組成物が含有する着色剤の5重量%未満であると、インク量を増やしても色濃度があがらず、中間調のコントラストがつけにくくなる。また、インクの消費量が上がり、コストアップとなる。また、20重量%を超えると、濃色インクとのコントラストが小さくなり、低濃度画像の粒状感が高くなる。また同様に、ライトマゼンタ色のインク組成物の含有する着色剤の量が、マゼンタ色のインク組成物が含有する着色剤の5重量%未満であると、インク量を増やしても色濃度があがらず、中間調のコントラストがつけにくくなる。また、インクの消費量が上がり、コストアップとなる。また、20重量%を超えると、濃色インクとのコントラストが小さくなり、低濃度画像の粒状感が高くなる。
淡色インクの含有する着色剤の量は、対応する濃色インクの含有する着色剤の量の5〜20重量%であることが好ましく、7〜18重量%であることがより好ましく、9〜16重量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、粒状感の少ない、鮮やかなフルカラー画像が得られる。
<界面活性剤>
本発明のインク組成物には、長時間安定した吐出性を付与するため、界面活性剤を添加してもよい。
ただし、光沢性の観点から、前述したように、本発明において、インク組成物は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の総含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.01重量%未満であることが好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、0.005重量%以下であることがより好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないことが特に好ましい。
なお、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤以外の界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
また、本発明のインク組成物は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤以外の界面活性剤も、含有しないか、又は、その含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.01重量%未満であることが好ましく、含有しないか、又は、その含有量が、0.005重量%以下であることがより好ましく、含有しないことが特に好ましい。
<オリゴマー>
本発明において、インク組成物は、オリゴマーを含有することができる。
オリゴマーは、一般に有限個(一般的には5〜100個)のモノマーが結合した重合体であり、オリゴマーと称される公知の化合物を任意に選択可能であるが、本発明においては、重量平均分子量が400〜10,000(より好ましくは500〜5,000)の重合体を選択することが好ましい。
前記オリゴマーは、ラジカル重合性基を有していてもよい。前記ラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
本発明におけるオリゴマーとしては、いかなるオリゴマーでもよいが、例えば、オレフィン系(エチレンオリゴマー、プロピレンオリゴマーブテンオリゴマー等)、ビニル系(スチレンオリゴマー、ビニルアルコールオリゴマー、ビニルピロリドンオリゴマーアクリレートオリゴマー、メタクリレートオリゴマー等)、ジエン系(ブタジエンオリゴマー、クロロプレンゴム、ペンタジエンオリゴマー等)、開環重合系(ジ−,トリ−,テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチルイミン等)、重付加系(オリゴエステルアクリレート、ポリアミドオリゴマー、ポリイソシアネートオリゴマー)、付加縮合オリゴマー(フェノール樹脂、アミノ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等)等を挙げることができる。この中で、オリゴエステル(メタ)アクリレートが好ましく、その中では、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートが更に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、基材の密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
オリゴマーについて、オリゴマーハンドブック(古川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
また、オリゴマーの市販品としては、以下に示すものが例示できる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、第一工業製薬(株)製のR1204、R1211、R1213、R1217、R1218、R1301、R1302、R1303、R1304、R1306、R1308、R1901、R1150等や、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL230、270、4858、8402、8804、8807、8803、9260、1290、1290K、5129、4842、8210、210、4827、6700、4450、220)、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−4HA、U−6HA、U−15HA、U−108A、U200AX等、東亞合成(株)製のアロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
オリゴマーは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、インク組成物におけるオリゴマーの含有量としては、インク組成物の全重量に対して、0.1〜50重量%であることが好ましく、0.5〜20重量%であることがより好ましく、1〜10重量%であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明において、インク組成物は、必要に応じて、前記各成分以外に、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を含んでいてもよい。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
また、本発明においてインク組成物は、保存性、及び、ヘッド詰まりの抑制という観点から、重合禁止剤を含有することが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、インク組成物の全重量に対し、200〜20,000ppmであることが好ましい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
<インク物性>
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明においてインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体(支持体)を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。更にインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
II.インクジェット記録方法
本発明のインクジェット記録方法は、(1)インクセットを構成するインク組成物を、被記録媒体上に吐出し画像を形成する画像形成工程、及び、(2)吐出された前記インク組成物に活性放射線を照射して硬化する硬化工程を含み、前記画像形成工程は、インク組成物の打滴サイズを6pL以上100pL以下で3段階〜8段階に変化させて複数の異なる打滴サイズを組み合わせてインクジェットヘッドから吐出する工程であることを特徴とする。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物である。
<(a)工程:画像形成工程>
インクセットを構成するインク組成物を、被記録媒体上に吐出し画像を形成する工程(画像形成工程)について説明する。
本発明に使用される被記録媒体としては、特に限定されず、公知の被記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。
本発明における被記録媒体としては、非吸収性被記録媒体が好ましく、中でもプラスチックフィルム、紙がより好ましい。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク組成物供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。
本発明において、インクジェットヘッドにより吐出されたインク組成物の体積(打滴サイズ)は、6pL以上100pL以下であり、7〜40pLであることが好ましく、7〜35pLであることがより好ましい。打滴サイズが6pL未満であると、生産性が低下する。また、100pLを超えると、解像度が低下する。
また、インクジェットヘッドは、好ましくは300×300〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpiの解像度で吐出できるよう駆動する。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
該インクジェットヘッドは200ng*kHz以上の生産性を有することが好ましい。
生産性は、インク組成物1ドットあたりの重量×ノズル数×周波数により算出され、1秒あたりに吐出されるインク組成物の重量を意味する。
本発明のインク組成物は、硬化感度が高く、短時間で硬化させることができるため、200ng*kHz以上の生産性を有する画像形成装置を用いたとしても、画質を低下させることなく画像を形成することが可能である。生産性は、200〜800ng*kHzがより好ましく、300〜600ng*kHzが更に好ましい。
なお、吐出周波数は、8〜80kHzが好ましく、10〜80kHzがより好ましく、15〜80kHzが更に好ましい。
1つのノズルプレートに形成されるノズル数は、10〜500個が好ましく、50〜400個がより好ましく、100〜300個が更に好ましい。
また、吐出されるインク組成物の体積に応じて、周波数を調整することが好ましい。具体的には、インク組成物の体積(打滴サイズ)が7pL以上20pL以下の場合には、周波数は25kHz以上、80kHz以下が好ましい。
インク組成物の体積が20pLを超え、40pL以下の場合には、周波数は15kHz以上、40kHz未満が好ましい。
インク組成物の体積が40pLを超え、70pL以下の場合には、周波数は10kHz以上、25kHz未満が好ましい。
インク組成物の体積が70pLを超え、100pL以下の場合には、周波数は8kHz以上、15kHz未満が好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、複数の異なるサイズの液滴を混合して吐出するグレースケールモードで吐出する。本発明において、3段階〜8段階の異なるサイズで吐出する。好ましくは、3段階〜7段階であり、より好ましくは、3段階〜4段階であり、特に好ましくは3段階である。上記範囲にて、特にグラデーション、及び、淡色部分における粒状感が少なく、スムースな画像が得られ、かつ高い生産性を保持することができる。
本発明において、最小打滴サイズは、4〜32pLであることが好ましく、6〜15pLであることがより好ましく、8〜13pLであることが更に好ましい。また、最大打滴サイズは、20〜100pLであることが好ましく、25〜60pLであることがより好ましく、28〜40pLであることが更に好ましい。最小打滴サイズ及び最大打滴サイズが上記範囲内であると、粒状感が抑制される。
濃色インクと淡色インクの印刷方法において、濃度の薄い画像部分については、淡色インクの比率を増大させ、できるだけ単位面積あたりの吐出量が濃度間で同じになるよう調整することで光沢ムラの少ない画像が得られる。
本発明のインクジェット記録方法は、同一エリアにおいて、インクの吐出を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行うことが好ましい。本発明のインクジェット記録方法における画像を形成する方法として、具体的には、インクジェットヘッドを被記録媒体の搬送方向と垂直に移動させてスキャンし、そのスキャン幅に応じた複数のパスを繰り返すことでドットを形成し画像を作成するマルチパス方式が例示できる。これらの中でも、本発明において、記録ヘッドを、記録媒体の搬送方向と略直交する方向において、双方向走査させながら、片方向又は双方向で画像記録を行う、シャトルスキャン方式が好ましく、双方向で画像記録を行う双方向シャトルスキャン方式がより好ましい。双方向シャトルスキャン方式では、画像記録速度が速く、高い生産性が得られ、最小限のヘッド数で所望の面積の描画を高い生産性で描画できるので好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、同一エリアにおいて、インクの吐出を4〜8回繰り返すことにより、画像形成を行うことが好ましい。
本発明において、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが好ましいことから、インク組成物供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる画像形成装置が好ましく使用される。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク組成物供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断又は断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、又は、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物として使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、設定温度の±5℃であることが好ましく、設定温度の±2℃であることがより好ましく、設定温度の±1℃であることが更に好ましい。
<(b)工程:硬化工程>
次に、(b)工程について説明する。
支持体上に吐出されたインク組成物は、活性放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が活性放射線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性放射線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることが更に好ましい。
また、本発明のインク組成物の、光重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度(照度)が、好ましくは100〜3,000mW/cm2、より好ましくは500〜2,000mW/cm2、更に好ましくは700〜1,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV−LED)、LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、LEDとして、米国特許番号第6,084,250号明細書に開示されている、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDが例示できる。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.01〜90秒、更に好ましくは0.01〜10秒照射されることが適当である。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、インク組成物を吐出した後0.01〜10秒の間に、2,000mW/cm2以下の露光面照度で活性放射線を照射し、前記インク組成物を硬化させることが好ましい。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、支持体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な支持体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録方法は、同一エリアにおいて、インクジェット記録後、0.01〜1秒の間に少なくとも1回の活性線照射を行うことが好ましい。また、本発明のインクジェット記録方法は、同一エリアにおいて、インクジェット記録後、0.01〜1秒の間に少なくとも1回の活性線照射を行う工程を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行うことが好ましく、4〜8回繰り返すことにより、画像形成を行うことがより好ましい。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な支持体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
本発明のインクジェット記録方法には、シアン色、マゼンタ色、ブラック色、ライトシアン色、及び、ライトマゼンタ色のインク組成物を少なくとも含むインクセットを好適に使用することができる。吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の低い着色インク組成物から被記録媒体に付与することが好ましい。前記6色のインク組成物を使用する場合には、ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
また、上記の6色に加えて、ホワイトのインク組成物を使用する場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
また、上記の6色に加えて、ライトイエロー及びライトブラックのインク組成物を使用する場合には、ライトイエロー→ライトシアン→ライトマゼンタ→ライトブラック→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
このようにして、本発明において、インク組成物が活性放射線の照射により高感度で硬化することで、支持体表面に画像を形成することができる。
本発明のインク組成物を複数色そろえ、インクセットとして用いる場合、本発明のインク組成物を少なくとも1つ含み、本発明のインク組成物又は本発明以外のインク組成物とを組み合わせた2種以上のインク組成物を有するインクセットであれば、特に制限はないが、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ホワイト、ライトマゼンタ、及び、ライトシアンよりなる群から選択される色の本発明のインク組成物を少なくとも1つ含むことが好ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。
本発明で使用した素材は下記に示す通りである。
・IRGALITTE BLUE GLVO(シアン顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・NOVOPERM YELLOW 4G01(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・SOLSPERSE32000(Noveon社製分散剤)
・V−CAP(N−ビニルカプロラクタム、ISP社製)
・SR9003(プロピレングリコール変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、Sartomer社製)
・SR531(サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート、Sartomer社製)
・SR339(フェノキシエチルアクリレート、Sartomer社製)
・DVE−3(トリエチレングリコールジビニルエーテル、ISP社製)
・SR341(3−メチルペンタンジオールジアクリレート、Sartomer社製)
・FIRSTCURE ST−1(重合禁止剤、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミン)アルミニウム塩(10重量%)とフェノキシエチルアクリレート(90重量%)との混合物、Chem First社製)
・LUCIRIN TPO(光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、BASF社製)
・IRGACURE819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
・IRGACURE184(光重合開始剤、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバガイギー社製)
・SpeedcureITX(光重合開始剤、イソプロピルチオキサントン、LAMBSON社製)
(シアンミルベースAの調製)
IRGALITTE BLUE GLVO(フタロシアニン顔料)を300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、シアンミルベースAを得た。なお、シアンミルベースAの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
(マゼンタミルベースBの調製)
CINQUASIA MAGENTA RT−335 D(PR202とPV19の混晶顔料)を300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースBを得た。なお、マゼンタミルベースBの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(イエローミルベースCの調製)
NOVOPERM YELLOW H2Gを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合しを撹拌混合し、イエローミルベースCを得た。なお、イエローミルベースCの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(ブラックミルベースDの調製)
SPECIAL BLACK 250を400重量部と、SR9003を500重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、ブラックミルベースDを得た。なお、ブラックミルベースDの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで7時間分散を行った。
<インク組成物の作製方法>
表1及び表2に記載の素材を混合、撹拌することで、インク組成物を得た。
Figure 0005623933
Figure 0005623933
<インクジェット記録方法1>
ピエゾ型ノズルプレートを有するインクジェットヘッドQ−class Sapphire QS−256/10(FUJIFILM DIMATIX製、ノズル数256個、液滴量(打滴サイズ)10pL〜30pL(3段階可変10pL、20pL、30pL)、周波数15kHz〜50kHz)を使用した。
各色用に1つずつ計8つ有するヘッド走査型のインクジェット記録実験装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、インクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、10〜30plのマルチサイズドット(10pL、20pL、30pLの3段階可変)を450×450dpiの解像度で両方向印刷できるよう駆動した。紫外線ランプにはIntegration Technology社製SUB ZERO 085 H bulbランプユニットをヘッド走査ユニットの両端に設置した。インクジェットヘッドの中心間の距離は、8個とも、3.2cm間隔に配置し、ランプユニットの中心と最近接のインクジェットヘッドの中心との間の距離は、15cmに配置した。
両ランプとも、被記録媒体上にインク着弾から0.7秒以内に照射が始まるよう同ランプの照度がランプ位置、主走査速度、及び、射出周波数を調整し、照射強度を750mW/cm2になるよう集光した。
画像は、単色のサイズ10cm×10cmのグラデーションブロック画像(シアン網点面積10%、20%、40%、60%、80%、100%、マゼンタ網点面積10%、20%、40%、60%、80%、100%、イエロー網点面積10%、20%、40%、60%、80%、100%、レッド網点面積10%、20%、40%、60%、80%、100、グリーン網点面積10%、20%、40%、60%、80%、100%、ブルー網点面積10%、20%、40%、60%、80%、100%、4色ブラック網点面積10%、20%、40%、60%、80%、100%)を描画した。
露面照度、積算露光量は、UV power Map(EIT instrumentation&Technology社製)を用い、いずれも、UVA、UVB及びUVC領域(波長240〜400nmの領域)の総和をそれぞれ露面照度、積算露光量とした。
淡色インクを用いる場合、シアン、マゼンタ、イエローについては、網点面積10%、20%画像部分を淡色インク100%で画像形成するよう、打滴量調整を行った。以後、40%部分、60%部分、80%部分は、それぞれ、濃色インクのみで画像形成した場合と同じ色濃度が出るよう、濃色インクと淡色インクの比率を混合し、画像形成を行った。100%画像部分は濃色インク100%で画像形成を行った。
グリーン、ブルー、レッド、4色ブラックの2次色については、インクセットとして含まれる淡色インクの寄与する部分について、網点面積10%、20%画像部分を淡色インク100%で画像形成するよう、打滴量調整を行った。以後、シアン、マゼンタ、イエローと同様に画像形成を行った。
<光沢性評価>
上記インクジェット記録方法によって得られた画像を用い、JIS Z8741に基づき、Sheen Instruments社製光沢度計を用い、測定角60°で測定を行った。
<粒状感評価>
上記インクジェット画像記録方法によって得られた画像の筋ムラを目視で評価した。評価基準は、以下の通りである。
3:粒状感が全くない
2:僅かに粒状感が見られる
1:顕著に粒状感が見られる
結果を以下の表に示す。
Figure 0005623933
Figure 0005623933
Figure 0005623933

Claims (15)

  1. (1)インクセットを構成するインク組成物を、被記録媒体上に吐出し画像を形成する画像形成工程、及び、
    (2)吐出された前記インク組成物に活性放射線を照射して硬化する硬化工程
    を含み、
    前記インクセットが、シアン色、マゼンタ色、イエロー色、ブラック色、ライトシアン色、及び、ライトマゼンタ色のインク組成物を含み、
    前記インクセットを構成するインク組成物はそれぞれ、(成分A−1)下記式(I)で表される重合性モノマー、(成分B)重合開始剤、及び、(成分C)分散剤を含有し、
    前記インクセットを構成するインク組成物は全て、25℃における表面張力が31.0〜39.0mN/mであり、
    前記インクセットを構成するインク組成物はそれぞれ、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤の総含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.01重量%未満であり、かつ、シリコーン鎖を有する化合物及びパーフルオロアルキル鎖を有する化合物を含有しないか、又は、シリコーン鎖を有する化合物及びパーフルオロアルキル鎖を有する化合物の総含有量が、インク組成物の全重量に対し、0.01重量%未満であり、
    ライトシアン色のインク組成物は、シアン色のインク組成物の含有する着色剤の5〜25重量%の着色剤を含有し、
    ライトマゼンタ色のインク組成物は、マゼンタ色のインク組成物の含有する着色剤の5〜25重量%の着色剤を含有し、
    前記画像形成工程は、インク組成物の打滴サイズを6pL以上100pL以下で3段階〜8段階に変化させて複数の異なる打滴サイズを組み合わせてインクジェットヘッドから吐出する工程であることを特徴とする
    インクジェット記録方法。
    Figure 0005623933
    (式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表す。)
  2. 前記インク組成物が(成分A−2)N−ビニルラクタム類を更に含有する、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インク組成物が(成分A−3)炭素数5〜10の炭化水素のジオールジアクリレートを更に含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記成分A−3が、炭素数5〜10の分岐構造を有する炭化水素ジオールジアクリレートである、請求項3に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インク組成物が(成分A−4)芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートを更に含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. シアン色のインク組成物及びライトシアン色のインク組成物がそれぞれフタロシアニン顔料を含有し、マゼンタ色のインク組成物及びライトマゼンタ色のインク組成物がそれぞれC.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド202の混晶顔料、及び、C.I.ピグメントバイオレット19とC.I.ピグメントレッド122の混晶顔料よりなる群から選択される少なくとも1つの顔料を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. ライトシアン色のインク組成物及びライトマゼンタ色のインク組成物が成分Cとして塩基性分散剤を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記画像形成工程におけるインク組成物の打滴のサイズが7pL以上40pL以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記画像形成工程における吐出周波数が15kHz以上80kHz以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記画像形成工程におけるインク組成物の打滴サイズが7pL以上35pL以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記画像形成工程におけるインク組成物の最小打滴サイズが8pL以上13pL以下であり、最大打滴サイズが28pL以上35pL以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記画像形成工程における画像形成が、双方向シャトルスキャン方式で行われる、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記硬化工程における活性放射線の照度が500mW/cm2以上である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  14. 前記硬化工程における活性放射線の照度が700mW/cm2以上である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記成分A−1のインク組成物中の含有量が20〜50重量%である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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