JP5483726B2 - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の被記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
また、従来のインクジェット記録方法及びインクジェット記録方法に使用されるインク組成物としては、以下のものが知られている。
特許文献1には、活性光線照射で硬化するインクを記録媒体上に射出する画像形成方法において、インク射出後、照射タイミング、照射強度、分光波長、照射時間のうち少なくとも1つを異にする2以上の照射手段により活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法が記載されている。
特許文献2には、記録材料面に放射線硬化型インクを射出した後、着弾したインクを硬化させる放射線のエネルギー量を制御することにより画像形成部の光沢度を調整することを特徴とするインクジェット記録方法が記載されている。
また、特許文献3には、活性光線硬化型インクをインクジェット記録により記録材料上に吐出する画像形成方法において、該活性光線硬化型インクが該記録材料上に着弾後、2つ以上の照射手段により活性光線を照射し、かつ、着弾後最初に照射する第一の活性光線による該活性光線硬化型インクの硬化度(該活性光線硬化型インク中の光重合性化合物の転化率)が6〜70%であることを特徴とする画像形成方法が記載されている。
また、特許文献4には、(a)オリゴ/樹脂成分と;(b)(i)ペンダントアルコキシル化官能性を含み、主鎖アルコキシル化官能性を含まない1つ以上の複素環式放射線硬化性モノマーおよび/またはアルコキシル化モノマーを含む、0.1〜50重量パーセントの接着促進放射線硬化性成分と、(ii)主鎖アルコキシル化官能性を含む、約10重量パーセント以下の任意選択のアルコキシル化放射線硬化性モノマーとを含む放射線硬化性反応性希釈剤と、を含むインクジェット可能な放射線硬化性インクジェットインク組成物が記載されている。
特開2003−191593号公報 特開2003−211651号公報 特開2004−216681号公報 特開2009−102644号公報
本発明の目的は、画像の色彩度及び反射色濃度が高く、筋ムラが目立たず、光沢性、硬化性及び柔軟性に優れた印刷物を得ることができるインクジェット記録方法を提供することである。
本発明の上記課題は下記の<1>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<13>と共に以下に記載する。
<1>シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインクを少なくとも含むインクセットを用い、前記シアンインクがフタロシアニン顔料を少なくとも含有し、前記マゼンタインクが、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122若しくは202、又はC.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料を少なくとも含有し、前記イエローインクが、C.I.ピグメントイエロー120、150、151、155、180、又は213を少なくとも含有し、前記ブラックインクがカーボンブラックを少なくとも含有し、各色のインクがそれぞれ、(成分A)重合性化合物及び(成分B)重合開始剤を含有し、各色のインクがそれぞれ、成分Aとして、環状単官能重合性化合物をインク全体の45〜85重量%含有し、各色のインクがそれぞれ、成分Bとして、(成分B−1)アシルホスフィン化合物を少なくとも含有し、さらに、各色のインクがそれぞれ、成分B−1として、少なくともビスアシルホスフィン化合物を含有するか、又は、成分Bとして、(成分B−2)チオキサントン化合物及びチオクロマノン化合物のうちの少なくとも1種の化合物を含有し、同一エリアにおいて、インクの吐出を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行い、(1)インクをインクジェットヘッドから吐出する工程、(2)インクの吐出後0〜1.0秒の間に、照度50mW/cm2以上500mW/cm2未満の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が40mJ/cm2以下で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程、及び、(3)インクの吐出後1.0秒以上経過した後に、照度500mW/cm2以上の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が20〜250mJ/cm2で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程、を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法、
<2>同一エリアにおいて、前記(1)〜(3)の工程を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行う、上記<1>に記載のインクジェット記録方法、
<3>各色のインクがそれぞれ、成分Aとして、N−ビニルラクタム類を含有する、上記<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法、
<4>各色のインクがそれぞれ、成分Aとして、式(1)で表される化合物を含有する、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
Figure 0005483726
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、X1は単結合又は二価の連結基を表す。)
<5>各色のインクがそれぞれ、成分Aとして、炭素数5〜12の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート化合物を含有する、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<6>前記イエローインクが、C.I.ピグメントイエロー150、155、又は180を少なくとも含有する、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<7>各色のインクがそれぞれ、成分Bとして、α−ヒドロキシケトン化合物又はα−アミノケトン化合物を更に含有する、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<8>インクジェットヘッドユニットの両側に少なくとも1つの露光手段を備えた機構を用いて行う、上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<9>各色のインクジェットヘッドがそれぞれ、1色につき2〜4個である、上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<10>前記インクを吐出したエリアにおいて、最初のインクを吐出後1.0秒以上経過した後から画像形成が終了するまでの時間の波長240〜400nmの領域の総積算露光量が、300〜1,500mJ/cm2である、上記<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<11>前記各色のインクの表面張力がそれぞれ、32.0〜39.0mN/mである、上記<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<12>前記各色のインクにおける多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量がそれぞれ、5〜20重量%である、上記<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<13>前記(2)の工程及び前記(3)の工程において使用される光源が、同じ発光スペクトルを有する光源である、上記<1>〜<12>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、画像の色彩度及び反射色濃度が高く、筋ムラが目立たず、光沢性、硬化性及び柔軟性に優れた印刷物を得ることができるインクジェット記録方法を提供することができた。
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構(ランプ付きインクジェットヘッド)の一例の模式図である。 図1に示すインクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構(ランプ付きインクジェットヘッド)を紙面右方向に動作させる場合における模式図である。 図1に示すインクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構(ランプ付きインクジェットヘッド)を紙面左方向に動作させる場合における模式図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、明細書中、数値範囲を表す「A〜B」の記載は「A以上B以下」と同義である。また、「(成分A)重合性化合物」等を単に「成分A」等ともいう。また、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」と、「アクリル」、「メタクリル」の双方あるいはいずれかを指す場合「(メタ)アクリル」と、それぞれ記載することがある。
(インクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録方法は、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインクを少なくとも含むインクセットを用い、前記シアンインクがフタロシアニン顔料を少なくとも含有し、前記マゼンタインクが、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122若しくは202、又はC.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料を少なくとも含有し、前記イエローインクが、C.I.ピグメントイエロー120、150、151、155、180、又は213を少なくとも含有し、前記ブラックインクがカーボンブラックを少なくとも含有し、各色のインクがそれぞれ、(成分A)重合性化合物及び(成分B)重合開始剤を含有し、各色のインクがそれぞれ、成分Aとして、環状単官能重合性化合物をインク全体の45〜85重量%含有し、各色のインクがそれぞれ、成分Bとして、(成分B−1)アシルホスフィン化合物を少なくとも含有し、さらに、各色のインクがそれぞれ、成分B−1として、少なくともビスアシルホスフィン化合物を含有するか、又は、成分Bとして、(成分B−2)チオキサントン化合物及びチオクロマノン化合物のうちの少なくとも1種の化合物を含有し、同一エリアにおいて、インクの吐出を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行い、(1)インクをインクジェットヘッドから吐出する工程、(2)インクの吐出後0〜1.0秒の間に、照度50mW/cm2以上500mW/cm2未満の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が40mJ/cm2以下で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程、及び、(3)インクの吐出後1.0秒以上経過した後に、照度500mW/cm2以上の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が20〜250mJ/cm2以下で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程、を少なくとも含むことを特徴とする。
活性放射線硬化型のインクジェット印刷により得た印刷物は、水性インクジェット、溶剤インクジェットにより得た印刷物に比べ、硬化膜の光沢性が低く、筋ムラが目立つといわれている。これは、インクジェット着弾直後に打滴が活性放射線によって硬化されることで、打滴の着弾形状が保存されることが1つの要因と考えられる。
一方、本発明に用いることができるインク組成物は、高色彩度を有し、画像反射濃度が高く、印刷物の光沢性に優れ、筋ムラの少ないインクジェット画像を提供する。理由は定かではないが、重合開始剤として成分B−1及び成分B−2を含むインク組成物は、着弾直後の活性放射線照射によって、打滴の内部から硬化する。
特に、インクの吐出後0〜1.0秒の間に照度50〜500mW/cm2、波長240〜400nmの領域(UVA、UVB、及びUVCの領域)の積算露光量が40mJ/cm2以下の照度で活性放射線を吐出されたインクに対して照射することで、酸素重合阻害をうけやすい打滴の最表面が長時間液状に保たれ、打滴最表面が濡れ広がり、合一が促進される。その結果、より平滑な平面が形成され、高度な光沢性を有し、筋ムラの目立たない画像が得られると推定される。同一部分を重ね打ちにより印刷するマルチパスモードでの印刷では、重ね打ち時に先に打滴された液滴上に打滴が重なるケースが発生する。この際、先に打滴されたインク膜の最表面が液状であると、後に打たれた打滴の濡れ広がりが大きくなり、より高い光沢度が得られる。
さらに、インクの吐出後1.0秒以上経過した後に500mW/cm2以上の照度で、複数回パスの照射によって、波長240〜400nmの領域の積算露光量が20〜250mJ/cm2となるよう活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程によって、画像が完全硬化され、印刷物が完成する。
打滴の硬化状態のコントロールにあたっては、打滴のごく最表面のみが液状態を保持することが重要である。打滴内部までもが液状態を長時間保持してしまうと最終的に印刷物がべとついたり、重ね打ち時に後から着弾した打滴が膜の内部に入り込み、印刷物にクレーター状のくぼみを形成してしまう。その結果、逆に印刷物表面の平滑性を失うことになりかねない。また、打滴後長時間露光を行わなかったり、内部の硬化性が低いと、着弾後の打滴干渉(打滴の重なりにより打滴位置がずれる)を生じさせることで、筋ムラを目立たせてしまうことも考えられる。重合開始剤として成分B−1及び成分B−2を含有するインクの吐出後0〜1.0秒の間に照度50〜500mW/cm2、波長240〜400nmの領域の積算露光量が40mJ/cm2以下の照度で活性放射線を吐出されたインクに対して照射し、さらに、インクの吐出後1.0秒以上経過した後に500mW/cm2以上の照度で、複数回パスの照射によって、波長240〜400nmの領域の積算露光量が20〜250mJ/cm2となるよう活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程によって、高い内部の硬化性を保持できると推定される。
加えて、画像濃度の高い2次色(R、G、B、4カラーブラック等)の光沢発現には、特に顔料の選択が重要になる。透明性が低く、光の散乱を起こしやすい顔料であると、光が膜の底部まで届かず、膜の底部で硬化不良を起こす結果、皺が発生し、画像の光沢を極端に低下させることになりかねない。
本発明では、特定種の顔料を組み合わせたインクセット、すなわち、シアン顔料としてフタロシアニン顔料、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122若しくは202、又はC.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料(特に、C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料、C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド122混晶顔料)、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー120、150、151、155、180、又は213、ブラック顔料としてカーボンブラックを用いることで、画像濃度の高い2次色においても、高い光沢を発現することを見出した。上述した、膜表面の液状コントロールに加え、画像濃度の高い2次色においても膜底部の硬化性を高く維持させた結果実現したものと推定している。
また、本発明のインクセットは、高反射色濃度、高色彩度を有する。一般的に高反射色濃度、高色彩度を有する画像を得るには、高発色の顔料を用いることが好ましい。本発明では、シアン顔料としてフタロシアニン顔料、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122若しくは202、又はC.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料(特に、C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料、C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド122混晶顔料)、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー120、150、151、155、180、又は213、ブラック顔料としてカーボンブラックを用いることで、特に高反射色濃度、高色彩度が得られることが確認できた。
しかし、いくら高発色顔料を用いても、画像の表面の凹凸が顕著であると、画像表面の光散乱により、曇った、低反射色濃度、低色彩な画像が得られてしまう。本発明においては、上述のとおり、高光沢で画像表面が平滑な画像が得られる結果、高発色な顔料、重合開始剤としての成分B−1及び成分B−2、並びに、特定の露光条件の組み合わせにより顕著に高反射色濃度を有し、高色彩な画像を得ることに成功したと推定される。
なお、本発明における「画像」とは、文字や記号や図形等、個々に意味を有するものだけでなく、模様や全面着色等、意味を持たないものも含むものである。
本発明における「波長240〜400nmの領域の積算露光量」とは、1回の露光において、波長240〜400nmの領域の露光量を積算した値を表す。
また、本発明における「波長240〜400nmの領域の総積算露光量」とは、規定した時間内における全ての露光に関し、各露光毎の前記波長240〜400nmの領域の積算露光量を総和した値を表す。
<インクセット>
本発明のインクジェット記録方法は、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインクを少なくとも含むインクセットを用いる。
本発明に用いることができるインクセットは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインク以外にも、他の色のインクを有していてもよいし、同じ色のインクを2種以上有していてもよい。他の色のインクとしては、特に制限はないが、例えば、ホワイトインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、グレーインク、メタリックインク等が挙げられる。
まず、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクセットを構成するシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインクの各色のインクが含有する顔料について説明する。
シアンインクは、青あるいはシアン色を呈する顔料であるシアン顔料として、フタロシアニン顔料を少なくとも含有する。フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1、75、79等が挙げられる。
シアンインクにおけるフタロシアニン顔料の含有量は、シアンインクの全重量に対し、1.8〜3重量%であることが好ましく、2.0〜2.8重量%であることがより好ましい。
マゼンタインクは、赤あるいはマゼンタ色を呈する顔料であるマゼンタ顔料として、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122若しくは202、又はC.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料を少なくとも含有する。
中でも、マゼンタインクは、C.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料、C.I.ピグメントバイオレット19、又はC.I.ピグメントレッド122を含有することが好ましく、C.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料を含有することがより好ましい。
C.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料、C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド122混晶顔料等が挙げられる。
マゼンタインクにおけるC.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122若しくは202、又はC.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料の含有量は、マゼンタインクの全重量に対し、4.0〜6.0重量%であることが好ましく、4.2〜5.5重量%であることがより好ましい。
イエローインクは、イエロー色を呈する顔料であるイエロー顔料として、C.I.ピグメントイエロー120、150、151、155、180、又は213を少なくとも含有する。
中でも、イエローインクは、C.I.ピグメントイエロー150、155、又は180を含有することが好ましく、C.I.ピグメントイエロー155又は180を含有することがより好ましく、C.I.ピグメントイエロー155を含有することが更に好ましい。
イエローインクにおけるC.I.ピグメントイエロー120、150、151、155、180、又は213の含有量は、イエローインクの全重量に対し、2.0〜4.0重量%であることが好ましく、2.1〜3.8重量%であることがより好ましい。
ブラックインクは、ブラック色を呈する顔料であるブラック顔料として、カーボンブラックを少なくとも含有する。
ブラックインクにおけるカーボンブラックの含有量は、ブラックインクの全重量に対し、2.0〜3.5重量%であることが好ましく、2.2〜3.2重量%であることがより好ましい。
前記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、などの分散装置を好適に使用することができる。
本発明においては、前記顔料の分散を行う際に、後述する分散剤を添加することが特に好ましい。
また、前記顔料の分散の際に、必要に応じて、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを添加してもよい。前記分散助剤の前記インクにおける含有量としては、前記顔料100重量部に対し、1〜50重量部が好ましい。
前記顔料を前記インクに分散させる際に使用する分散媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、低分子量である前記重合性化合物を該分散媒としてもよいし、溶媒を該分散媒としてもよい。ただし、本発明のインクセットを構成する各色のインクは、放射線硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、前記溶媒を含まず無溶剤であることが好ましい。無溶剤であると、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留せず、耐溶剤性が十分得られ、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じることを防ぐことができる。このため、前記分散媒として、重合性化合物を用い、その中でも、最も粘度が低い重合性化合物を選択することが、分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の点で好ましい。
前記顔料の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微細なほど発色性に優れるため、0.01〜0.4μm程度が好ましく、0.02〜0.2μmがより好ましい。また、前記顔料の最大粒径としては、3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。前記顔料の粒径は、前記顔料、分散剤、分散媒体の選択、分散条件、ろ過条件の設定などにより調整することができ、前記顔料の粒径を制御することにより、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、透明性及び硬化感度を維持することができる。本発明においては、分散性、安定性に優れた高分子分散剤を含むため、粒子の前記各種顔料を用いた場合でも、均一で安定なインクとすることができる。
なお、前記顔料の前記インクにおける粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができる。
本発明のインクジェット記録方法に用いるインクセットを構成するシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインクはそれぞれ、(成分A)重合性化合物及び(成分B)重合開始剤を含有し、成分Aとして、環状単官能重合性化合物をインク全体の45〜85重量%含有し、成分Bとして、(成分B−1)アシルホスフィン化合物を少なくとも含有し、さらに、成分B−1として、少なくともビスアシルホスフィン化合物を含有するか、又は、成分Bとして、(成分B−2)チオキサントン化合物及びチオクロマノン化合物のうちの少なくとも1種の化合物を含有する。
なお、本発明に用いることができるインクセットが有するシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインク以外の他のインクは、上記インクの各要件を満たしていても、満たしていなくともよいが、満たしていることが好ましい。
以下、本発明のインクジェット記録方法に用いるインクセットを構成するシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインク(以下、これらをまとめて単に「インク組成物」ともいう。)が共通して含有する成分等について、詳細に説明する。
本発明に用いることができるインク組成物は、活性放射線により硬化可能な油性のインク組成物である。「活性放射線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、紫外線及び電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
(成分A)重合性化合物
本発明に用いることができるインク組成物は、(成分A)重合性化合物を含有し、成分Aとして、環状単官能重合性化合物をインク全体の45〜85重量%含有する。本発明において、環状単官能重合性化合物とは、芳香族基又は脂環式炭化水素基を有する単官能重合性化合物であり、前記芳香族基及び脂環炭化水素基の環状構造は、単環であっても多環であってもよく、O、N、S等のヘテロ原子を含んでいてもよい。前記環状単官能重合性化合物は、重合性のあるエチレン性不飽和結合を1つのみ有する化合物であることが好ましく、単官能(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。
前記環状単官能重合性化合物としては、ヘテロ原子としてN若しくはOを含む単環の脂環式炭化水素基、フェニル基、又は橋状の炭素鎖を有する橋かけ環炭化水素基を有する単官能重合性化合物が挙げられ、以下に述べる成分A−1〜A−4が好ましく挙げられる。
(成分A−1)N−ビニルラクタム類
本発明に用いることができるインク組成物は、(成分A−1)N−ビニルラクタム類を含有することが好ましい。
N−ビニルラクタム類としては、式(N)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005483726
式(N)中、nは2〜6の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、被記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、nは3〜5の整数であることが好ましく、nが3又は5であることがより好ましく、nが5である、すなわちN−ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N−ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、及び硬化膜の被記録媒体への密着性が得られるので好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上にアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和又は不飽和環構造を連結していてもよい。
成分A−1は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
N−ビニルラクタム類の含有量は、インク組成物の全重量に対し、5〜35重量%であることが好ましく、8〜24重量%であることがより好ましく、9〜20重量%であることが更に好ましく、10〜18重量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、印刷物内部の硬化性を強く促進しつつ、硬化膜最表面のみを選択的に長時間液状を保つ硬化プロファイルが促進され、光沢性が高く、筋ムラの目立たない印刷物が得られる。
(成分A−2)式(1)で表される化合物
本発明に用いることができるインク組成物は、式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0005483726
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、X1は単結合又は二価の連結基を表す。)
式(1)におけるR1は、水素原子又はメチル基を表し、硬化速度の点で、水素原子が好ましい。
式(1)におけるX1としては、アルキレン基、又は、1以上のアルキレン基とエーテル結合、エステル結合、ウレタン結合及びウレア結合よりなる群から選ばれた1以上の結合とを組み合わせた基が好ましく例示でき、アルキレン基、アルキレンオキシ基、又はポリアルキレンオキシ基がより好ましく例示でき、アルキレン基が特に好ましく例示できる。
前記アルキレン基は、炭素数2〜10であることが好ましく、炭素数2〜4であることがより好ましく、炭素数2であることが特に好ましい。また、前記アルキレン基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等が例示できる。
これらの中でも、式(1)で表される化合物としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、フェノキシエチルアクリレートが特に好ましい。
式(1)で表される化合物の含有量は、インク組成物全体の重量に対して、5〜60重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましく、15〜45重量%であることが更に好ましく、18〜40重量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、印刷物内部の硬化性を強く促進しつつ、硬化膜最表面のみを選択的に長時間液状を保つ硬化プロファイルが促進され、高彩度で、高反射色濃度を有し、光沢性に優れ、筋ムラの少ない画像が得られる。
(成分A−3)式(2)で表される化合物
本発明に用いることができるインク組成物は、(成分A−3)式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。式(2)で表される化合物を含有することにより、光沢性に優れ、筋ムラの少ない画像が得られる。
Figure 0005483726
(式(2)中、R2は水素原子又はメチル基を表し、X2は単結合又は二価の連結基を表す。)
前記式(2)で表される化合物は、アクリレート化合物であっても、メタクリレート化合物であってもよいが、アクリレート化合物、すなわち、R2が水素原子であることが好ましい。
式(2)のX2における二価の連結基としては、本発明の効果を大きく損なうものでない限り特に制限はないが、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、二価の炭化水素基、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシアルキル基、ポリ(アルキレンオキシ)基、又は、ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であることがより好ましい。また、前記二価の連結基の炭素原子数は、1〜60であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。
式(2)におけるX2としては、単結合、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、炭素原子数1〜20の二価の炭化水素基であることがより好ましく、炭素原子数1〜8の二価の炭化水素基であることが更に好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。
式(2)で表される化合物の具体例としては、以下に示す化合物(A−3−1)〜(A−3−4)を好ましく例示できるが、これらに限定されるものではないことは言うまでもない。
Figure 0005483726
これらの中でも、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート(A−3−1)及びサイクリックトリメチロールプロパンフォーマルメタクリレート(A−3−2)が好ましく、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート(A−3−1)が特に好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物における式(2)で表される化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、5〜60重量%であることが好ましく、10〜50重量%であることがより好ましく、15〜45重量%であることが更に好ましく、18〜40重量%であることが特に好ましい。
(成分A−4)式(3)で表される化合物
本発明に用いることができるインク組成物は、(成分A−4)式(3)で表される化合物を含有することが好ましい。式(3)で表される化合物を含有することにより、高彩度で、光沢性に優れ、筋ムラの少ない画像が得られる。
Figure 0005483726
(式(3)中、R3は水素原子又はメチル基を表し、X3は単結合又は二価の連結基を表し、R4〜R14はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。)
前記式(3)で表される化合物は、アクリレート化合物であっても、メタクリレート化合物であってもよいが、アクリレート化合物、すなわち、R3が水素原子であることが好ましい。
式(3)のX3における二価の連結基としては、本発明の効果を大きく損なうものでない限り特に制限はないが、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、二価の炭化水素基、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシアルキル基、ポリ(アルキレンオキシ)基、又は、ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であることがより好ましい。また、前記二価の連結基の炭素原子数は、1〜60であることが好ましく、1〜40であることがより好ましい。
式(3)におけるX3としては、単結合、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、単結合、又は、二価の炭化水素基であることがより好ましく、単結合であることが特に好ましい。
式(3)のR4〜R14におけるアルキル基としては、炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。また、R4〜R14におけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐を有していてもよく、環構造を有していてもよい。
式(3)におけるR4〜R14としてはそれぞれ独立に、水素原子、又は、炭素原子数1〜8のアルキル基であることが好ましく、水素原子、又は、炭素原子数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、水素原子、又は、メチル基であることが更に好ましい。
また、式(3)におけるR4〜R14としては、全てが水素原子であるか、又は、R5〜R7がメチル基であり、かつR4及びR8〜R14が水素原子であることが特に好ましく、R5〜R7がメチル基であり、かつR4及びR8〜R14が水素原子であることが最も好ましい。
式(3)で表される化合物の具体例としては、以下に示す化合物(A−4−1)〜(A−4−6)を好ましく例示できるが、これらに限定されるものではないことは言うまでもない。
Figure 0005483726
これらの中でも、イソボロニルアクリレート(A−4−1)、イソボロニルメタクリレート(A−4−2)、ノルボルニルアクリレート(A−4−3)及びノルボルニルメタクリレート(A−4−4)が好ましく、イソボロニルアクリレート(A−4−1)及びイソボロニルメタクリレート(A−4−2)がより好ましく、イソボロニルアクリレート(A−4−1)が特に好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物における式(3)で表される化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、5〜40重量%であることが好ましく、8〜35重量%であることがより好ましく、10〜30重量%であることが更に好ましい。
(成分A−5)炭素数5〜10の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート化合物
本発明に用いることができるインク組成物は、炭素数5〜10の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましく、炭素数5〜8の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましく、炭素数5又は6の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが更に好ましい。
炭化水素鎖は、直鎖状であっても、分岐状であっても、環状構造を有していてもよいが、分枝状であることが好ましい。
炭素数5〜10の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート化合物としては、より好ましくは、炭素数5〜10の炭化水素ジオールの(メタ)アクリル酸エステル化合物であり、更に好ましくは、炭素数5〜8の炭化水素ジオールの(メタ)アクリル酸エステル化合物であり、特に好ましくは、炭素数5又は6の炭化水素ジオールの(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
炭素数5〜10の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート化合物として、具体的には、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリデカンジオールジ(メタ)アクリレート、オクタデカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチルー1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等が好ましく挙げられ、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが更に好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
炭素数5〜10の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、3〜30重量%であることが好ましく、4〜25重量%であることがより好ましく、5〜20重量%であることが更に好ましい。
(成分A−6)その他の重合性化合物
本発明に用いることができるインク組成物は、成分A−1〜A−5以外の、他の重合性化合物を含有していてもよい。
他の重合性化合物としては、エチレン性不飽和化合物が好ましい。
他の重合性化合物としては、公知の重合性化合物を用いることができ、成分A−1〜A−5以外の(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が例示できる。例えば、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
他の重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物であることが好ましく、アクリレート化合物であることがより好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物は、印刷物の光沢性向上の観点で、炭素数8〜13の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
前記鎖状炭化水素基は、直鎖状炭化水素基であっても、分岐鎖状炭化水素基であってもよい。
炭素数8〜13の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート化合物は、炭素数8〜13の鎖状炭化水素モノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましく、炭素数10〜13の鎖状炭化水素モノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルであることがより好ましい。
炭素数8〜13の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート化合物は、アクリレート化合物であっても、メタクリレート化合物であってもよいが、アクリレート化合物であることが好ましい。
炭素数8〜13の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート化合物として具体的には、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及び、トリデシル(メタ)アクリレート等が例示できる。これらの中でも、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及び、トリデシル(メタ)アクリレートが好ましく、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、及び、トリデシル(メタ)アクリレートがより好ましく、イソデシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物における炭素数8〜13の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、3〜25重量%が好ましい。上記範囲であると、硬化膜のべたつきが少なく、印刷物の光沢性に優れるインク組成物が得られる。
本発明に用いることができるインク組成物は、その他の重合性化合物として、多官能重合性化合物を含有することが好ましく、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することがより好ましい。
成分A−5以外の多官能重合性化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、PO変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性テトラメチロールメタンテトラアクリレート及びPO変性テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、多官能重合性化合物としては、2官能モノマー又は3官能モノマーを用いることが好ましく、2官能モノマーを用いることがより好ましい。
また、本発明に用いることができるインク組成物は、成分A−5を含む2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物(多官能重合性化合物)の含有量が、インク組成物全体の0〜30重量%であることが好ましく、3〜25重量%であることがより好ましく、5〜20重量%であることが更に好ましい。更に、本発明に用いることができるインク組成物は、成分A−5を含む多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が、インク組成物全体の3〜25重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることが特に好ましい。
多官能重合性化合物としては、成分A−5を含む2官能(メタ)アクリレート化合物、及び/又は、2官能ビニルエーテル化合物を含有することが好ましく、炭素数5以上の分岐を有していてもよい、炭化水素鎖を有する2官能(メタ)アクリレート化合物、及び/又は、エチレングリコール鎖を有するジビニルエーテル化合物を含有することが特に好ましい。上記態様であると、硬化性、印刷物の耐ブロッキング性、柔軟性に優れる。
また、他の重合性化合物としては、成分A−2以外の芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物の芳香族基の環状構造には、O、N、S等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
成分A−2以外の芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物が有していてもよい芳香環構造としては、ナフタレン、アントラセン、インデン、フルオレン、1H−フェナレン、フェナントレン、トリフェニレン、ピレン、ナフタセン、テトラフェン、ビフェニル、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、クリセン、プレイアデン、フラン、チオフェン、ピロリン、ピラゾリン、イミダゾリン、イソオキサゾリン、イソチアゾリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール及びテトラゾールよりなる群から選ばれた環構造が好ましく例示できる。
他の重合性化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
他の重合性化合物として具体的には、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられる。
更に具体的には、山下晋三編「架橋剤ハンドブック」(1981年、大成社);加藤清視編「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編「UV・EB硬化技術の応用と市場」79頁(1989年、(株)シーエムシー出版);滝山栄一郎著「ポリエステル樹脂ハンドブック」(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品又は業界で公知のラジカル重合性又は架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
他の重合性化合物の分子量は、80〜2,000であることが好ましく、80〜1,000であることがより好ましく、80〜800であることが更に好ましい。
他の重合性化合物として、ビニルエーテル化合物を用いることも好ましく、モノビニルエーテル化合物及びジ又はトリビニルエーテル化合物に大別できる。
好適に用いられるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物;エチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
インク組成物が他の重合性化合物を含有する場合、インク組成物における他の重合性化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、1〜30重量%が好ましく、3〜25重量%がより好ましく、5〜20重量%が特に好ましい。
なお、本発明に用いることができるインク組成物は、成分A−1〜成分A−4を含む環状単官能重合性化合物の含有量がインク組成物全体の45〜85重量%であり、53〜85重量%であることが好ましく、55〜80重量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、画像の色彩度及び反射色濃度が高く、筋ムラが目立たず、光沢性、硬化性及び柔軟性に優れた印刷物を得ることができる。
本発明に用いることができるインク組成物は、成分A−1〜成分A−4以外の環状単官能重合性化合物を含有してよい。成分A−1〜成分A−4以外の環状単官能重合性化合物としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、EO変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、シクロペンタジエニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(成分B)重合開始剤
本発明に用いることができるインク組成物は、(成分B)重合開始剤を含有する。
本発明に用いることができるインク組成物は、成分Bとして、(成分B−1)アシルホスフィン化合物を少なくとも含有し、さらに、成分B−1として、少なくともビスアシルホスフィン化合物を含有するか、又は、成分Bとして、(成分B−2)チオキサントン化合物及びチオクロマノン化合物のうちの少なくとも1種の化合物を含有する。
(成分B−1)アシルホスフィン化合物
アシルホスフィン化合物としては、特開2008−208190号公報に記載のアシルホスフィンオキサイド化合物が好ましく挙げられ、中でもビスアシルホスフィンオキサイド化合物がより好ましい。
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、下記式(B−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005483726
(式(B−1−1)中、R1H、R2H及びR3Hはそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、公知のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が使用できる。例えば、特開平3−101686号公報、特開平5−345790号公報、特開平6−298818号公報に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。
具体例としては、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−クロロフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,4−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)デシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロロ−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メトキシ−1−ナフトイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−クロロ−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819:チバスペシャルティーケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフェニルホスフィンオキサイドなどが好ましい。
アシルホスフィン化合物として、モノアシルホスフィンオキサイド化合物を用いてもよい。モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、イソブチリルメチルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2−エチルヘキサノイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、p−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、o−トルイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2,4−ジメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、p−t−ブチルベンゾイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、アクリロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、イソブチリルジフェニルホスフィンオキサイド、2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、o−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−t−ブチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、3−ピリジルカルボニルジフェニルホスフィンオキサイド、アクリロイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸ビニルエステル、アジポイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルジフェニルホスフィンオキサイド、p−トルイルジフェニルホスフィンオキサイド、4−(t−ブチル)ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、テレフタロイルビスジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、バーサトイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−2−エチルヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−メチル−シクロヘキサノイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
アシルホスフィン化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、3〜12重量%であることが好ましく、4〜10重量%であることがより好ましい。
ビスアシルホスフィン化合物を用いる場合、ビスアシルホスフィン化合物の含有量は、2〜6重量%であることが好ましく、2.5〜5重量%であることがより好ましい。
(成分B−2)チオキサントン化合物及びチオクロマノン化合物のうちの少なくとも1種の化合物
チオキサントン化合物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、下記式(B−2−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005483726
前記式(B−2−1)において、R1F、R2F、R3F、R4F、R5F、R6F、R7F及びR8Fはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基(一置換及び二置換の場合を含む。なお、以下においても同様である。)、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。上記アルキル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、及び、アシル基におけるアルキル部分の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましい。
1F、R2F、R3F、R4F、R5F、R6F、R7F及びR8Fは、それぞれ隣接する2つが互いに連結して環を形成していてもよい。これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基を更に有していてもよい。置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基が挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
チオキサントン化合物としては、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチルチオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、n−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、n−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)チオキサントン−3,4−ジカルボキシイミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリドが例示できる。これらの中でも、入手容易性や硬化性の観点から、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,3−ジエチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン、4−シクロヘキシルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントンが好ましく、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントンがより好ましい。
チオクロマノン化合物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、下記式(B−2−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005483726
式(B−2−2)において、R1G、R2G、R3G、R4G、R5G、R6G、R7G及びR8Gはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基又はスルホ基を表す。上記アルキル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、及び、アシル基におけるアルキル部分の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜8であることがより好ましく、1〜4であることが更に好ましい。
1G、R2G、R3G及びR4Gは、それぞれ隣接する2つが互いに連結、例えば、縮合、して環を形成していてもよい。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。これらの環構造は置換基を更に有していてもよい。置換基としては、式(B−2−1)で前述したものが挙げられる。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O、及びSを挙げることができる。
また、チオクロマノン化合物は、チオクロマノンの環構造上に少なくとも1つの置換基(アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、カルボキシ基及びスルホ基等)を有する化合物であることが好ましい。上記置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基及びアシルオキシ基が好ましく、炭素数1〜20のアルキル基及びハロゲン原子がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基及びハロゲン原子が更に好ましい。
また、チオクロマノン化合物は、芳香環上、及び、シクロヘキサノン環上のそれぞれに、少なくとも1つの置換基を有する化合物であることがより好ましい。
チオクロマノン化合物の具体例としては、下記(I−1)〜(I−31)が好ましく例示できる。これらの中でも、(I−14)、(I−17)、及び、(I−19)がより好ましく、(I−14)が特に好ましい。
Figure 0005483726
Figure 0005483726
チオキサントン化合物を用いる場合、チオキサントン化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、0.3〜2.0重量%であることが好ましく、0.5〜1.5重量%であることがより好ましい。
チオクロマノン化合物を用いる場合、チオクロマノン化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、2.0〜6.0重量%であることが好ましく、3.0〜5.0重量%であることがより好ましい。
(成分B−3)α−ヒドロキシケトン化合物
本発明に用いることができるインク組成物は、成分Bとして、(成分B−3)α−ヒドロキシケトン化合物を含有してもよい。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられ、中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物が好ましい。なお、本発明において、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン化合物には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが任意の置換基で置換された化合物も含まれる。置換基としては、ラジカル重合開始剤としての能力を発揮し得る範囲で任意に選択することができ、具体的には炭素数1〜4のアルキル基が例示できる。
α−ヒドロキシケトン化合物を用いる場合、α−ヒドロキシケトン化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、1.0〜5.0重量%であることが好ましく、1.5〜4.0重量%であることがより好ましい。
(成分B−4)α−アミノケトン化合物
本発明に用いることができるインク組成物は、成分Bとして、(成分B−4)α−アミノケトン化合物を含有してもよい。
α−アミノケトン化合物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、以下の式(B−4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0005483726
前記式(B−4)中、Arは、−SR13あるいは−N(R7E)(R8E)で置換されているフェニル基を表し、R13は水素原子又はアルキル基を表し、R1D及びR2Dはそれぞれ独立に、炭素数1〜8のアルキル基を表し、R3D及びR4Dはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ置換された炭素数2〜4のアルキル基又は炭素数3〜5のアルケニル基を表す。R1DとR2Dとは互いに結合して炭素数2〜9のアルキレン基を構成してもよい。R3DとR4Dとは互いに結合して炭素数3〜7のアルキレン基を形成してもよく、そのアルキレン基は、アルキレン鎖中に−O−又は−N(R12)−を含むものであってもよい。R12は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。R7E及びR8Eはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ置換された炭素数2〜4のアルキル基又は炭素数3〜5のアルケニル基を表す。R7EとR8Eとは互いに結合して炭素数3〜7のアルキレン基を形成してもよく、そのアルキレン基は、アルキレン鎖中に−O−又は−N(R12)−を含むものであってもよい。ここで、R12は前記したものと同義である。
前記α−アミノケトン化合物の例としては、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。また、チバガイギー社製IRGACURE907、IRGACURE369、IRGACURE379等の如き市販品も好ましく例示できる。
α−アミノケトン化合物を用いる場合、α−アミノケトン化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、0.1〜2.0重量%であることが好ましく、0.3〜1.5重量%であることがより好ましく、0.4〜1.0重量%であることが更に好ましい。
本発明において、成分Bの総使用量は、硬化性、硬化膜内での硬化度の均一性の観点から、重合性化合物の総含有量に対して、好ましくは3.0〜25.0重量%、より好ましくは3.5〜20.0重量%、更に好ましくは5.0〜17.0重量%の範囲である。
また、チオキサントン化合物及び/又はチオクロマノン化合物を用いる場合、重合開始剤の総含有量Iは、チオキサントン化合物及び/又はチオクロマノン化合物の総含有量Sに対して、重量比で、好ましくはI:S=2:1〜1:50、より好ましくは1:1〜1:40、更に好ましくは1:2〜1:30の範囲である。
本発明のインク組成物における成分A−1〜A−4及び成分Bの総含有量は、光沢性の向上、筋ムラの抑制の観点から、インク組成物の全重量に対し、50重量%以上が好ましく、60〜98重量%がより好ましく、70〜95重量%が更に好ましい。
(成分C)オリゴマー
本発明に用いることができるインク組成物は、(成分C)オリゴマーを含有することが好ましい。
オリゴマーは、一般に有限個(一般的には5〜100個)のモノマーが結合した重合体であり、オリゴマーと称される公知の化合物を任意に選択可能であるが、本発明においては、重量平均分子量が400〜10,000(より好ましくは500〜5,000)の重合体を選択することが好ましい。
前記オリゴマーは、ラジカル重合性基を有していてもよい。前記ラジカル重合性基としては、エチレン性不飽和基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基がより好ましい。
本発明におけるオリゴマーとしては、いかなるオリゴマーでもよいが、例えば、オレフィン系(エチレンオリゴマー、プロピレンオリゴマーブテンオリゴマー等)、ビニル系(スチレンオリゴマー、ビニルアルコールオリゴマー、ビニルピロリドンオリゴマーアクリレートオリゴマー、メタクリレートオリゴマー等)、ジエン系(ブタジエンオリゴマー、クロロプレンゴム、ペンタジエンオリゴマー等)、開環重合系(ジ−,トリ−,テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチルイミン等)、重付加系(オリゴエステルアクリレート、ポリアミドオリゴマー、ポリイソシアネートオリゴマー)、付加縮合オリゴマー(フェノール樹脂、アミノ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等)等を挙げることができる。この中で、オリゴエステル(メタ)アクリレートが好ましく、その中では、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートが更に好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。
また、ウレタン(メタ)アクリレートは、4官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能以下のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、基材の密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
オリゴマーについて、オリゴマーハンドブック(吉川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
また、オリゴマーの市販品としては、以下に示すものが例示できる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、第一工業製薬(株)製のR1204、R1211、R1213、R1217、R1218、R1301、R1302、R1303、R1304、R1306、R1308、R1901、R1150等や、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL230、270、4858、8402、8804、8807、8803、9260、1290、1290K、5129、4842、8210、210、4827、6700、4450、220)、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU−4HA、U−6HA、U−15HA、U−108A、U200AX等、東亞合成(株)製のアロニックスM−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−1960等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM−6100、M−6200、M−6250、M−6500、M−7100、M−8030、M−8060、M−8100、M−8530、M−8560、M−9050等が挙げられる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
オリゴマーは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることができるインク組成物におけるオリゴマーの含有量としては、インク組成物の全重量に対して、0.1〜50重量%であることが好ましく、0.5〜20重量%であることがより好ましく、1〜10重量%であることが更に好ましい。
(成分D)界面活性剤
本発明に用いることができるインク組成物には、(成分D)界面活性剤を添加してもよい。
本発明に用いることができるインク組成物は、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤を含有しないか、又は、0重量%を超え0.1重量%未満含有することが好ましく、含有しないか、又は、0重量%を超え0.05重量%未満含有することがより好ましく、含有しないか、又は、0重量%を超え0.03重量%未満含有することが更に好ましく、含有しないか、又は、0重量%を超え0.01重量%未満含有することが特に好ましく、含有しないことが最も好ましい。
理由は定かではないが、硬化膜の表面エネルギーを低下させる界面活性剤である、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤は、特にマルチパスモードで描画を行った場合、先に打滴され、硬化又は半硬化された液滴の上に重ね描きされた打滴の接触角を大きく増大させる傾向があり、添加量が少ないほど、画像の光沢性に優れると推定される。上記範囲であると、高彩度で、高反射色濃度を有し、光沢性に優れ、筋ムラの少ない画像が得られる。
なお、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤以外の界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
(成分E)分散剤
本発明に用いることができるインク組成物は、(成分E)分散剤を含有することが好ましい。特に顔料を使用する場合において、顔料をインク組成物中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−111、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(Noveon社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123((株)ADEKA製)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜15重量%であることが好ましい。
〔その他の成分〕
本発明に用いることができるインク組成物には、必要に応じて、前記各成分以外に、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物等を含む。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
また、本発明に用いることができるインク組成物は、保存性、及び、ヘッド詰まりの抑制という観点から、重合禁止剤を含有することが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、インク組成物の全重量に対し、200〜20,000ppmであることが好ましい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードフェノール系重合禁止剤、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。
<インク物性>
本発明においては、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であるインク組成物を使用することが好ましい。より好ましくは5〜40mPa・s、更に好ましくは7〜30mPa・sである。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明に用いることができるインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体(支持体)を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。さらにインク組成物の液滴着弾時のインク滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明に用いることができるインク組成物の25℃における表面張力は、32.0〜39.0mN/mの範囲内であることが好ましく、33.0〜38.5mN/mの範囲内であることがより好ましく、34.0〜38.0mN/mの範囲内であることが更に好ましく、34.5〜37.5mN/mの範囲内であることが特に好ましい。理由は定かではないが、インクの表面エネルギーが上記より低くなると、特にマルチパスモードで描画を行った際、先に打滴され、硬化又は半硬化された液滴の上に重ね描きされた打滴の接触角を大きく増大させる結果、表面の凹凸が大きくなり、光沢性が低下、筋ムラの目立つ傾向となり、上記より高くなると、印刷物に着弾着弾した打滴が支持体、又は、先打滴上にぬれ広がる速度が遅くなる結果、表面の凹凸が大きくなり、光沢性が低下、筋ムラの目立つ傾向となると考えられる。表面張力が上記範囲であると、高彩度で、高反射色濃度を有し、光沢性に優れ、筋ムラの少ない画像が得られる。
<インクジェット記録方法の各工程>
本発明のインクジェット記録方法は、同一エリアにおいて、インクの吐出を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行い、(1)インクをインクジェットヘッドから吐出する工程(以下、「吐出工程」ともいう。)、(2)インクの吐出後0〜1.0秒の間に、照度50mW/cm2以上500mW/cm2未満の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が40mJ/cm2以下で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程(以下、「第一の露光工程」ともいう。)、及び、(3)インクの吐出後1.0秒以上経過した後に、照度500mW/cm2以上の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が20〜250mJ/cm2で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程(以下、「第二の露光工程」ともいう。)、を少なくとも含む。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物である。
本発明のインクジェット記録方法は、同一エリアにおいて、インクの吐出を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行う。本発明のインクジェット記録方法における画像を形成する方法として、具体的には、インクジェットヘッドを被記録媒体の搬送方向と垂直に移動させてスキャンし、そのスキャン幅に応じた複数のパスを繰り返すことでドットを形成し画像を作成するマルチパス方式が例示できる。
本発明のインクジェット記録方法は、同一エリアにおいて、インクの吐出を4〜8回繰り返すことにより、画像形成を行うことが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法は、同一エリアにおいて、前記(1)〜(3)の工程を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行うことが好ましく、前記(1)〜(3)の工程を4〜8回繰り返すことにより、画像形成を行うことがより好ましい。
〔吐出工程〕
本発明のインクジェット記録方法は、(1)インクをインクジェットヘッドから吐出する工程(吐出工程)を含む。
本発明のインクジェット記録方法における吐出工程には、以下に詳述するインクジェット記録装置が用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の吐出工程における被記録媒体へのインクの吐出を実施することができる。
本発明で用いることができるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性エネルギー線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが好ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
上記のインクジェット記録装置を用いて、インク組成物の吐出は、インク組成物を、好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明に用いることができるインク組成物として、25℃におけるインク粘度が50mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明に用いることができるインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インクより粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インクの温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
〔第一の露光工程〕
本発明のインクジェット記録方法は、(2)インクの吐出後0〜1.0秒の間に、照度50mW/cm2以上500mW/cm2未満の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が40mJ/cm2以下で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程(第一の露光工程)を含む。
なお、照度、及び、積算露光量は、画像を形成する被記録媒体上における照度、及び、積算露光量である。また、波長240〜400nmの領域とは、一般に、UVA、UVB及びUVCの領域に対応する波長領域である。
第一の露光工程における露光手段の照度は、50mW/cm2以上500mW/cm2未満であり、100〜400mW/cm2であることが好ましい。上記範囲であると、打滴の濡れ広がりが特に促進され、光沢性に優れる印刷物が得られ、また、打滴干渉を起しにくく、筋ムラの目立たない印刷物が得られる。
また、第一の露光工程における露光手段による波長240〜400nmの領域の積算露光量は、40mJ/cm2以下であり、5〜28mJ/cm2以下であることが好ましく、10〜25mJ/cm2以下であることがより好ましい。
また、前記第一の露光工程においては、インクの吐出後0〜1.0秒の間に前記露光手段により吐出されたインクを露光するが、吐出後0〜0.7秒の間に露光することが好ましく、吐出後0〜0.5秒の間に露光することがより好ましく、インクの吐出後0〜0.4秒の間に露光することが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録方法の1パスでのインクジェット描画及びインクの硬化において、露光手段による露光は、各色のインクジェットヘッド間に光源を設け、各色の画像ごとに硬化を行うよりは、全色のインクを吐出した後に、露光手段により露光するほうが、インク打滴同士の重なりが大きく、被記録媒体上での濡れ広がりが促進される結果、光沢性の高い画像が得られるため好ましい。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、活性エネルギー線を照射することによって硬化する。これは、インク組成物に含まれる重合開始剤が活性エネルギー線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能に重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物において重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が活性エネルギー線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
第一の露光工程における露光手段(光源)に関しては、特に制限されないが、水銀ランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード(LED)などが使用できる。これらの中でも、水銀ランプ又はメタルハライドランプを用いることが好ましい。
光源の設置場所については特に制限されないが、後述する図2及び図3に示すようなヘッド走査型シャトルスキャン方式の場合、例えば、インクジェットヘッドの脇に設置することで、インクの吐出から1.0秒以内での初期露光が可能になる。両方向印刷の場合は、インクジェットヘッドの両サイドにランプを設置することで、露光の均一性が保たれるため、好ましい。
また、被記録媒体を搬送させる機構を有する場合は、固定型の幅広ランプを用いることも好ましい。固定型の幅広ランプと、インクジェットヘッドの脇に設置するシャトルスキャンとを組み合わせて使用することも好ましい。
〔第二の露光工程〕
本発明のインクジェット記録方法は、(3)インクの吐出後1.0秒以上経過した後に、照度500mW/cm2以上の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が20〜250mJ/cm2で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程(第二の露光工程)を含む。インクの吐出後1.0秒以上経過させることにより、打滴の濡れ広がりが十分になされ、光沢性に優れる印刷物が得られる。
インクの吐出後から第二の露光工程における露光までの経過時間の上限については、厳密に規定されることはないが、空気中の埃付着などのコンタミネーションを抑制するなどの観点で、1分以内が好ましく、30秒以内がより好ましく、10秒以内が特に好ましい。
第二の露光工程における露光手段の照度は、生産性/即乾性と、打滴の濡れ広がりとのバランスの観点から、600〜3,000mW/cm2が好ましく、700〜2,100mW/cm2がより好ましく、800〜1,500mW/cm2が特に好ましい。
また、第二の露光工程における露光手段による波長240〜400nmの領域の積算露光量は、20〜250mJ/cm2であり、30〜100mJ/cm2が好ましく、40〜80mJ/cm2がより好ましい。
第二の露光工程における露光手段としては、第一の露光工程における露光手段で例示した光源を好適に用いることができる。
また、重合開始剤光吸収特性とのマッチングの観点から、第一のランプと第二のランプとは、同じ発光スペクトルを有するものであることが好ましく、同一のランプを用いることがより好ましい。出力パワーを変化させて、所定の照度、積算露光量に調整することが好ましい。露光手段の出力パワーや照度、積算露光量を変化させる方法としては、特に制限はなく、公知の方法により行うことができる。
また、本発明のインクジェット記録方法において、吐出されたインクは、吐出後最初に行われる第一の露光工程及び第二の露光工程により完全硬化していることが好ましい。なお、本発明における「完全硬化」とは、インクの内部及び表面が完全に硬化した状態をいう。具体的には、普通紙などの浸透媒体を押し当てて、浸透媒体にインクが転写したかどうかによって判断することができる。すなわち、全く転写しない場合を完全に硬化した状態という。
また、本発明のインクジェット記録方法は、前記(1)〜(3)の工程を行った後、インクの吐出を行わず、前記第一の露光工程で使用した露光手段、前記第二の露光工程で使用した露光手段、及び/又は、他の露光手段により、更に露光(いわゆる、ポストキュア)を行ってもよい。
ポストキュアにおける露光手段の照度は、特に制限はないが、600〜3,000mW/cm2が好ましく、1,000〜3,000mW/cm2がより好ましい。
また、ポストキュアにおける露光手段による波長240〜400nmの領域の積算露光量は、20〜250mJ/cm2であり、30〜100mJ/cm2が好ましく、40〜80mJ/cm2がより好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法は、前記ポストキュアを行わないことが好ましい。
また、前記インクを吐出したエリアにおいて、最初のインクを吐出後1.0秒以上経過した後から画像形成が終了するまでの時間の波長240〜400nmの領域の総積算露光量は、300mJ/cm2以上が好ましく、400mJ/cm2以上がより好ましく、500mJ/cm2以上が特に好ましく、また、1,500mJ/cm2以下が好ましく、1,000mJ/cm2以下がより好ましい。上記範囲であると、光沢性に優れ、筋ムラの目立たない印刷物が得られる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。
本発明のインクジェット記録方法において、吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の低い着色インク組成物から被記録媒体に付与することが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。また、これにホワイトを加えて使用する場合にはホワイト→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。さらに、本発明はこれに限定されず、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、シアン、マゼンタ、グレー、ブラック、ホワイトのインク組成物との計8色が少なくとも含まれるインクセットを好ましく使用することもでき、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→グレー→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
本発明において、被記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の被記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における被記録媒体として、非吸収性被記録媒体が好適に使用することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、図1〜図3に示すようなインクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構(「ランプ付きインクジェットヘッド」ともいう。)を使用することが好ましい。
図1は、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構(ランプ付きインクジェットヘッド)の一例の模式図である。
図1に示すインクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構10(ランプ付きインクジェットヘッド10)は、中央にインクジェットヘッドユニット12を有し、インクジェットヘッドユニット12の両側にそれぞれ1つずつ露光手段14,16を有している。インクジェットヘッドユニット12内には、各色2つずつの計8つのインクジェットヘッド(イエローインクジェットヘッド18Y,20Y、マゼンタインクジェットヘッド18M,20M、シアンインクジェットヘッド18C,20C、ブラックインクジェットヘッド18K,20K)が備えられている。
図2及び図3は、図1に示すインクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構(ランプ付きインクジェットヘッド)を各印刷方向に動作させる場合における模式図である。
図2は、ランプ付きインクジェットヘッド10の印刷方向が紙面右側である場合を表す。図2に示す場合は、インクジェットヘッドユニット12に対し、印刷方向の後方に位置する露光手段16が、第一の露光工程における露光手段(「トレーリングランプ」ともいう。)として機能し、インクジェットヘッドユニット12に対し、印刷方向の前方に位置する露光手段14が、第二の露光工程における露光手段(「リーディングランプ」ともいう。)として機能する。
一方、図3は、ランプ付きインクジェットヘッド10の印刷方向が紙面左側である場合を表す。図3に示す場合は、インクジェットヘッドユニット12に対し、印刷方向の後方に位置する露光手段14が、第一の露光工程における露光手段(トレーリングランプ)として機能し、インクジェットヘッドユニット12に対し、印刷方向の前方に位置する露光手段16が、第二の露光工程における露光手段(リーディングランプ)として機能する。
すなわち、インクジェットヘッドユニット12から吐出されたインクは、インクジェットヘッドユニット12に対し印刷方向の後方に位置する露光手段14又は露光手段16(トレーリングランプ)により、第一の露光工程が行われる。その後、ランプ付きインクジェットヘッド10が先ほどとは逆の印刷方向で動作する際に、第一の露光工程が行われた前記吐出されたインクは、インクジェットヘッドユニット12に対し印刷方向の前方に位置する露光手段16又は露光手段14(リーディングランプ)により、第二の露光工程が行われる。
更に、続いてインクジェットヘッドユニット12よりインクの吐出(吐出工程)、第一の露光工程及び第二の露光工程を繰り返すことにより、同一エリアにおいて、インクの吐出を2〜16回繰り返し、画像形成が行うことができる。
インクジェットヘッドユニット12の両側に露光手段14,16は、トレーリングランプ及びリーディングランプとして作用するため、それぞれ照射する活性光線の照度を変更する機構(不図示)を備えている。
また、図1に示すランプ付きインクジェットヘッド10のように、インクジェットヘッドユニット12の左右に1つずつ露光手段を設けた態様だけでなく、必要に応じて、例えば、どちらか一方に露光手段を2つ以上設けた態様や、インクジェットヘッドユニットの左右に2つずつ露光手段を設けた態様等であってもよい。
また、図1に示すインクジェットヘッドユニット12のように、各色用のインクジェットヘッドを2つずつ有する態様だけでなく、必要に応じて、例えば、各色用のインクジェットヘッドを1つずつ有する態様や、1色用のインクジェットヘッドのみを有する態様等であってもよい。更に、インクジェットヘッドユニットに1色用のインクジェットヘッドのみを有する態様の場合、各色用のインクジェットヘッドユニットを備えた画像記録装置が好ましく例示できる。
これらの中でも、本発明のインクジェット記録方法は、インクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構を用いて行う方法が好ましい。また、漏れ光により、待機時にインクジェットノズル表面のインクが硬化するトラブルを起さずに吐出から1.0秒以内の照射を行う観点から、ランプ等の露光手段と前記露光手段に最近接のインクジェットヘッドとの距離は、2cm以上30cm以下であることが好ましく、5cm以上20cm以下であることがより好ましい。
また、本発明に用いることができる画像記録装置は、インクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構を有していることが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録方法は、インクジェットヘッドユニット及び露光手段を備えた機構を、被記録媒体の面上、かつ、被記録媒体の進行方向に対して垂直方向に走査可能であることが好ましい。また、インクジェットによる画像形成の過程において、支持体等の被記録媒体を固定し、インクジェットヘッドユニットを操作する場合、又は、インクジェットヘッドを固定し、被記録媒体を操作する場合のいずれにおいても、インクジェットヘッドユニット又は被記録媒体の操作速度は、0.5m/sec以上3.5m/sec以下であることが好ましく、0.7m/sec以上3.0m/sec以下であることがより好ましく、0.9m/sec以上2.5m/sec以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、良好な生産性と、インクの吐出から1.0秒以内の第一の露光における良好な吐出安定性とのバランスの取れたシステムとなる。
本発明のインクジェット記録方法に用いることができる画像形成装置は、各色のインクジェットヘッドをそれぞれ、1色につき2〜32個有していることが好ましく、1色につき2〜16個有していることがより好ましく、1色につき2〜4個有していることが特に好ましい。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「重量部」を示すものとする。
本発明で使用した素材は下記に示す通りである。
・Irgalite GLVO(フタロシアニン顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・Cinquasia Magenta RT355D(C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・Cromophtal Jet Magenta 2BC(C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・Irgazine Magenta 2012(C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド122混晶顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・Hostaperm RED E5B02(C.I.ピグメントバイオレット19顔料、クラリアント社製)
・Inkjet Magenta E02(C.I.ピグメントレッド122顔料、クラリアント社製)
・Cinquasia Magenta RT343D(C.I.ピグメントレッド202顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・Cromophtal Red A3B(C.I.ピグメントレッド179顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・Novoperm Bordeaux HF3R(C.I.ピグメントバイオレット32顔料、クラリアント社製)
・Novoperm Yellow H2G(C.I.ピグメントイエロー120顔料、クラリアント社製)
・Novoperm Yellow PHG(C.I.ピグメントイエロー180顔料、クラリアント社製)
・Novoperm Yellow HN4G(C.I.ピグメントイエロー150顔料、クラリアント社製)
・Hostaperm Yellow H4G(C.I.ピグメントイエロー151顔料、クラリアント社製)
・Novoperm Yellow 4G01(C.I.ピグメントイエロー155顔料、クラリアント社製)
・Novoperm Yellow H5G(C.I.ピグメントイエロー213顔料、クラリアント社製)
・Cromophtal Yellow 8GN(C.I.ピグメントイエロー128顔料、クラリアント社製、比較例)
・Hostaperm Yellow H3G(C.I.ピグメントイエロー154顔料、クラリアント社製)
・Special Black 250(カーボンブラック顔料、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・SOLSPERSE32000(分散剤、Noveon社)
・V−CAP(N−ビニルカプロラクタム、ISP社製)
・SR339(フェノキシエチルアクリレート、Sartomer社製)
・SR9003(プロピレングリコール変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(PG変性NPGDA)、Sartomer社製)
・SR341(3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、Sartomer社製)
・SR247(ネオペンチルグリコールジアクリレート、Sartomer社製)
・SR506(イソボロニルアクリレート、Sartomer社製)
・SR531(サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート(CTFA)、Sartomer社製)
・CN964 A85(2官能脂肪族ウレタンアクリレート・15重量%トリプロピレングリコールジアクリレート含有、Sartomer社製)
・FIRSTCURE ST−1(重合禁止剤、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミン)アルミニウム塩(10重量%)とフェノキシエチルアクリレート(90重量%)との混合物、Chem First社製)
・LUCIRIN TPO(光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、BASF社製)
・IRGACURE819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、チバスペシャルティーケミカルズ社製)
・IRGACURE184(光重合開始剤、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チバガイギー社製)
・SpeedcureITX(光重合開始剤、イソプロピルチオキサントン、LAMBSON社製)
・化合物(I−14)(光重合開始剤、下記化合物)
Figure 0005483726
・TEGORAD2100(シリコーン系界面活性剤、デグサ社製)
(シアンミルベースCM(フタロシアニン顔料含有)の調製)
Irgalite Blue GLVOを300重量部と、SR9003を620重量部と、SOLSPERSE32000を80重量部とを撹拌混合し、シアンミルベースCMを得た。なお、シアンミルベースCMの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
(マゼンタミルベースMM1(C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料含有)の調製)
Cinquasia Magenta RT355Dを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースMM1を得た。なお、マゼンタミルベースMM1の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(マゼンタミルベースMM2(C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料含有)の調製)
Cromophtal Jet Magenta 2BCを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースMM2を得た。なお、マゼンタミルベースMM2の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(マゼンタミルベースMM3(C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド122混晶顔料含有)の調製)
Irgazine Magenta 2012を300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースMM3を得た。なお、マゼンタミルベースMM3の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(マゼンタミルベースMM4(C.I.ピグメントバイオレット19含有)の調製)
Hostaperm RED E5B02を300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースMM4を得た。なお、マゼンタミルベースMM4の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(マゼンタミルベースMM5(C.I.ピグメントレッド122含有)の調製)
Inkjet Magenta E02を300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースMM5を得た。なお、マゼンタミルベースMM5の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(マゼンタミルベースMM6(C.I.ピグメントレッド202含有)の調製)
Cinquasia Magenta RT343Dを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースMM6を得た。なお、マゼンタミルベースMM6の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(マゼンタミルベースMM7(C.I.ピグメントバイオレット32含有)の調製)
Novoperm Bordeaux HF3Rを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースMM7を得た。なお、マゼンタミルベースMM7の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(マゼンタミルベースMM8(C.I.ピグメントレッド179含有)の調製)
Cromophtal Red A3Bを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、マゼンタミルベースMM8を得た。なお、マゼンタミルベースMM8の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(イエローミルベースYM1(C.I.ピグメントイエロー155含有)の調製)
Novoperm Yellow 4G01を300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、イエローミルベースYM1を得た。なお、イエローミルベースYM1の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで5時間分散を行った。
(イエローミルベースYM2(C.I.ピグメントイエロー180含有)の調製)
Novoperm Yellow PHGを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、イエローミルベースYM2を得た。なお、イエローミルベースYM2の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(イエローミルベースYM3(C.I.ピグメントイエロー150含有)の調製)
Novoperm Yellow HN4Gを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、イエローミルベースYM3を得た。なお、イエローミルベースYM3の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで5時間分散を行った。
(イエローミルベースYM4(C.I.ピグメントイエロー151含有)の調製)
Hostaperm Yellow H4Gを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、イエローミルベースYM4を得た。なお、イエローミルベースYM4の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで5時間分散を行った。
(イエローミルベースYM5(C.I.ピグメントイエロー120)含有の調製)
Novoperm Yellow H2Gを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、イエローミルベースYM5を得た。なお、イエローミルベースYM5の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで10時間分散を行った。
(イエローミルベースYM6(C.I.ピグメントイエロー213含有)の調製)
Novoperm Yellow H5Gを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、イエローミルベースYM6を得た。なお、イエローミルベースYM6の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで5時間分散を行った。
(イエローミルベースYM7(C.I.ピグメントイエロー128含有)の調製)
Cromophtal Yellow 8GNを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、イエローミルベースYM7を得た。なお、イエローミルベースYM7の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで5時間分散を行った。
(イエローミルベースYM8(C.I.ピグメントイエロー154含有)の調製)
Hostaperm Yellow H3Gを300重量部と、SR9003を600重量部と、SOLSPERSE32000を100重量部とを撹拌混合し、イエローミルベースYM8を得た。なお、イエローミルベースYM8の調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで5時間分散を行った。
(ブラックミルベースKM(カーボンブラック含有)の調製)
SPECIAL BLACK 250を300重量部と、SR9003を620重量部と、SOLSPERSE32000を80重量部とを撹拌混合し、ブラックミルベースKMを得た。なお、ブラックミルベースKMの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで7時間分散を行った。
<インクの作製方法>
表1〜表4に記載の素材を混合、撹拌することで、シアンインクC1〜C16、マゼンタインクM1〜M23、イエローインクY1〜Y23、及びブラックインクK1〜K16を得た。なお、顔料の添加には、前記ミルベースCM、MM1〜MM8、YM1〜YM8、及びKMをそれぞれ用いた。
Figure 0005483726
Figure 0005483726
Figure 0005483726
Figure 0005483726
なお、表1〜表4における各使用成分の数値の単位は重量部である。
また、表1〜表4における略号の詳細は、以下に示す通りである。
・PV19/PR202:C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド202混晶顔料
・PV19/PR122:C.I.ピグメントバイオレット19/C.I.ピグメントレッド122混晶顔料
・PV19:C.I.ピグメントバイオレット19顔料
・PR122:C.I.ピグメントレッド122顔料
・PR202:C.I.ピグメントレッド202顔料
・PV32:C.I.ピグメントバイオレット32顔料
・PR179:C.I.ピグメントレッド179顔料
・PY155:C.I.ピグメントイエロー155顔料
・PY120:C.I.ピグメントイエロー120顔料
・PY180:C.I.ピグメントイエロー180顔料
・PY150:C.I.ピグメントイエロー150顔料
・PY151:C.I.ピグメントイエロー151顔料
・PY213:C.I.ピグメントイエロー213顔料
・PY128:C.I.ピグメントイエロー128顔料
・PY154:C.I.ピグメントイエロー154顔料
<インクジェット記録方法>
ピエゾ型グレースケールヘッドCA4(東芝テック(株)製)をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)各色用に2つずつ計8つ有するヘッド走査型のインクジェット記録実験装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、インクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、6〜42plのマルチサイズドットを300×450dpi又は600×450dpiの解像度で両方向印刷できるよう駆動した。紫外線ランプにはIntegration Technology社製SUB ZERO 085 H bulbランプユニットをヘッド走査ユニットの両端に設置した。インクジェットヘッドの中心間の距離は、8個とも、3.2cm間隔に配置し、ランプユニットの中心と最近接のインクジェットヘッドの中心との間の距離は、15cmに配置した。
両端に設置したランプのうち、走査方向に対して後方に位置するランプ(トレーリングランプ)が、着弾インクジェット滴に最初に露光するランプとなるが、同ランプが被記録媒体上にインク着弾から0.7秒以内に照射が始まるよう同ランプの照度がランプ位置、主走査速度、及び、射出周波数を調整し、照射強度を50〜500mW/cm2、総積算露光量が40mJ/cm2以下になるよう集光した。着弾から最初のランプ照射(トレーリングランプ)までの時間はシャトルスキャン速度により調整可能である。次の露光は、走査方向(逆向き)に対して前方のランプ(リーディングランプ)となるが、同ランプの照度が500〜1,500mW/cm2の路面照度となるよう集光した。このとき積算露光量は25〜70mJ/cm2の範囲内であった。300dpiの場合、総ヘッドパス数が4回(双方向印刷)、600dpiの場合、総ヘッドパス数が8回(双方向印刷)でベタ画像が描画できるように設定を行った。ヘッドには、2つのランプが設置されているため、トータルのランプパス回数は、300dpiの場合、リーディングランプ4回、トレーリングランプ4回であり、600dpiの場合、リーディングランプ8回、トレーリングランプ8回となる。各パス照射時の積算露光量をすべて足した値を総積算露光量として算出した。また、場合により、ポストキュアとして、印刷終了後に追加で露光スキャン(インクを吐出せず、ランプのみスキャン)することも実施した。
画像は、コート紙(王子製紙(株)製)上に、サイズ10cm×10cmで、シアン100%ベタ画像、マゼンタ100%ベタ画像、イエロー100%ベタ画像、単色ブラック100%ベタ画像、ブルー画像(シアン100%ベタ画像+マゼンタ100%ベタ画像)、レッド画像(イエロー100%ベタ画像+マゼンタ100%ベタ画像)、グリーン画像(シアン100%ベタ画像+イエロー100%ベタ画像)、4色ブラック(シアン100%ベタ画像+イエロー100%ベタ画像+マゼンタ100%ベタ画像+単色ブラック100%ベタ画像)の計8種類の印刷画像を作成した。
路面照度、積算露光量は、UV power Map (EIT instrumentation & Technology社製)を用い、いずれも、UVA、UVB及びUVC領域(波長240〜400nmの領域)の総和をそれぞれ路面照度、積算露光量とした。
<色彩度評価>
上記インクジェット記録方法によって得られた画像を用い、SpectroEye(Gretag社製)で色相測定(D65光源、視野角2°)を行った。測定は印刷から24時間後に行った。色彩度を相対的に比較する指標として、((a*)2+(b*)21/2の値を算出した。値が大きいほど、高色彩度である。
<画像反射色濃度評価>
上記インクジェット記録方法によって得られた画像を用い、SpectroEye(Gretag社製)で反射色濃度測定(D65光源、視野角2°)を行った。測定は印刷から24時間後に行った。
<光沢度評価>
上記インクジェット記録方法によって得られた画像を用い、Sheen Instruments社製光沢度計を用い、測定角60°で測定を行った。測定は印刷から24時間後に行った。評価基準は、以下の通りである。
6:光沢度60以上
5:光沢度50以上60未満
4:光沢度40以上50未満
3:光沢度30以上40未満
2:光沢度20以上30未満
1:光沢度20未満
<筋ムラ評価>
上記インクジェット画像記録方法によって得られた画像の筋ムラを画像から2m離れた地点から目視で評価した。評価基準は、以下の通りである。観察は印刷から24時間後に行った。
3:筋ムラが目視でははっきりと見えない。
2:筋ムラが目視でわずかに確認できる。
1:筋ムラが目視ではっきり確認できる。
<硬化性評価>
上記インクジェット記録方法にて得られた画像を触診により、画像のべとつきの程度を以下の基準で評価した。触診は印刷直後に行った。
3:画像にべとつきなし。
2:画像がややべとついているが、未硬化のインク組成物又は硬化膜は手に転写しない。
1:画像がべとついており、未硬化のインク組成物又は硬化膜の一部が手に転写した。
<柔軟性評価方法:折り曲げテスト>
本実施例では、硬化膜の柔軟性を評価する方法として、折り曲げテストを実施した。
前記インクジェット記録方法にて、100%、200%のベタ画像を作成し、以下の基準で評価を行った。試験は印刷から24時間後に行った。
3:100%、200%のサンプルでは割れが発生しない
2:100%のサンプルでは割れが発生しないが、平均膜厚200%のサンプルで、画像部の折り曲げた部分に割れが入る。
1: 平均膜厚100%、200%いずれのサンプルでも、画像部の折り曲げた部分に割れが入る。
(実施例1〜17、比較例1〜6)
表5〜表7に示す各インクセットを使用し、トレーリングランプ、リーディングランプ、及び、パス回数を以下の条件に設定し、前記インクジェット記録方法に従い各画像を形成した。評価結果を表5〜表7に示す。
トレーリングランプ:1パスの被記録媒体上の照射強度(路面照度)を153mW/cm2、積算露光量が19mJ/cm2以下になるよう集光した。インクの吐出から、ランプの照射までの時間は0.2秒に設定した。
リーディングランプ:1パスの被記録媒体上の照射強度(路面照度)を1,202mW/cm2、積算露光量が49mJ/cm2となるよう集光した。
同一部分を6パスで描画できるよう、描画を行った。各トレーリングランプ、リーディングランプとも、同一部分に6回ずつの照射を行うため、最初のインクの吐出から1.0秒後以降の総積算露光量は、389mJ/cm2となった。
Figure 0005483726
Figure 0005483726
Figure 0005483726
なお、表5〜表7の顔料の欄における略号は、Phc及びCBを除き、上記表1〜表4における略号と同様である。Phc及びCBの詳細は、それぞれ以下に示す通りである。
・Phc:フタロシアニン顔料
・CB:カーボンブラック
また、表5〜表7の重合開始剤における略号の詳細は、以下に示す通りである。
・TPO:LUCIRIN TPO
・Irg819:IRGACURE819
・ITX:SpeedcureITX
・I−14:化合物(I−14)
・Irg184:IRGACURE184
(実施例18〜30、及び、比較例7〜12)
表8に示す各インクセットを使用し、パス回数、各色のインクジェットヘッド数、ヘッド操作速度、トレーリングランプ、リーディングランプ、及び、ポストキュアを表8に示す条件に設定し、前記インクジェット記録方法に従い各画像を形成した。評価結果を表9〜表11に示す。
なお、ポストキュアは、トレーリングランプ及びリーディングランプを往復させ表8に示す露光量を照射することにより行った。また、ポストキュアを行っている間は、インクの吐出は行わなかった。なお、実施例32においては、ポストキュアが前記(3)の工程に該当する。
Figure 0005483726
Figure 0005483726
Figure 0005483726
Figure 0005483726
以上に示したように、実施例1〜30においては、高色彩度、高反射色濃度を有し、高光沢で筋ムラが目立たず、硬化性、柔軟性に優れる印刷物が得られた。
比較例1については、高色彩度、高反射色濃度を有し、高光沢で筋ムラが目立たない印刷物が得られたものの、著しく柔軟性が低下した。
比較例2及び3においては、色彩度、反射色濃度、光沢が低く、また、筋ムラが目立った。画像の表面に皺のような模様が生成しており、光散乱による色彩度、反射色濃度、光沢の低下が推定された。インクの内部硬化性が低下した結果、表面と内部の硬度の差を生じ、表面に皺が生成したと推定される。
比較例4及び5においては、色彩度、反射色濃度、光沢が低く、筋ムラが目立った。顔料の発色が低いことに加え、顔料の透明性が低く、内部硬化性が劣化した結果、印刷物表面に細かい皺の生成し、光散乱による色彩度、反射色濃度、光沢の低下が推定された。
比較例6については、色彩度、反射色濃度、光沢が低く、筋ムラが目立ち、インク感度が低下した。開始剤が少なすぎることが原因で硬化不良を生じ膜がべとついたと推定される。また、特に膜の内部の硬化不良が生じ、表面と内部との硬化性の差を生じた結果、膜表面に皺が生成し、色彩度、反射色濃度、光沢の低下、筋ムラが生じたと推定される。
比較例7及び8においては、色彩度、反射色濃度、光沢は良好であったが、筋ムラが目立った。前記(2)の工程における露光照度が50mW/cm2以下と低く、打滴の支持体上での固定がうまくされなかった結果、打滴干渉を生じ、筋ムラの目立つ画像が得られたと推定される。
比較例9においては、打滴から硬化までの時間が1.0秒以上で、打滴が長時間液状を保ち、打滴の支持体上での固定がうまくされなかった結果、打滴干渉を生じ、筋ムラの目立つ画像が得られたと推定される。
比較例10及び11においては、インク感度、膜の柔軟性は良好であったが、色彩度、反射色濃度、光沢が低く、筋ムラが目立った。前記(2)の工程における露光照度が500mW/cm2以上と高く、打滴の濡れ広がりが促進されなかったと推定される。
比較例12においては、前記(3)の工程における露光手段の照度が500mW/cm2未満であり、十分な硬化がなされなかったため、印刷物がべとついていた。また、色彩度、反射色濃度、光沢が低い結果となった。経時で序々に印刷物に皺が生成することが確認されたことから、これは、十分な露光がなされなかった結果、内部硬化不良状態が維持されたことが要因と推定される。
10:インクジェットヘッドユニットの両側に露光手段を備えた機構(ランプ付きインクジェットヘッド)
12:インクジェットヘッドユニット
14,16:露光手段
18Y,20Y:イエローインクジェットヘッド
18M,20M:マゼンタインクジェットヘッド
18C,20C:シアンインクジェットヘッド
18K,20K:ブラックインクジェットヘッド

Claims (13)

  1. シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、及び、ブラックインクを少なくとも含むインクセットを用い、
    前記シアンインクがフタロシアニン顔料を少なくとも含有し、
    前記マゼンタインクが、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122若しくは202、又はC.I.ピグメントバイオレット19を含む混晶顔料を少なくとも含有し、
    前記イエローインクが、C.I.ピグメントイエロー120、150、151、155、180、又は213を少なくとも含有し、
    前記ブラックインクがカーボンブラックを少なくとも含有し、
    各色のインクがそれぞれ、(成分A)重合性化合物及び(成分B)重合開始剤を含有し、
    各色のインクがそれぞれ、成分Aとして、環状単官能重合性化合物をインク全体の45〜85重量%含有し、
    各色のインクがそれぞれ、成分Bとして、(成分B−1)アシルホスフィン化合物を少なくとも含有し、
    さらに、各色のインクがそれぞれ、成分B−1として、少なくともビスアシルホスフィン化合物を含有するか、又は、成分Bとして、(成分B−2)チオキサントン化合物及びチオクロマノン化合物のうちの少なくとも1種の化合物を含有し、
    同一エリアにおいて、インクの吐出を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行い、
    (1)インクをインクジェットヘッドから吐出する工程、
    (2)インクの吐出後0〜1.0秒の間に、照度50mW/cm2以上500mW/cm2未満の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が40mJ/cm2以下で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程、及び、
    (3)インクの吐出後1.0秒以上経過した後に、照度500mW/cm2以上の露光手段により、波長240〜400nmの領域の積算露光量が20〜250mJ/cm2で活性放射線を吐出されたインクに対して照射する工程、を少なくとも含むことを特徴とする
    インクジェット記録方法。
  2. 同一エリアにおいて、前記(1)〜(3)の工程を2〜16回繰り返すことにより、画像形成を行う、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 各色のインクがそれぞれ、成分Aとして、N−ビニルラクタム類を含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 各色のインクがそれぞれ、成分Aとして、式(1)で表される化合物を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
    Figure 0005483726
    (式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、X1は単結合又は二価の連結基を表す。)
  5. 各色のインクがそれぞれ、成分Aとして、炭素数5〜12の炭化水素鎖を分子内に有する2官能(メタ)アクリレート化合物を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記イエローインクが、C.I.ピグメントイエロー150、155、又は180を少なくとも含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 各色のインクがそれぞれ、成分Bとして、α−ヒドロキシケトン化合物又はα−アミノケトン化合物を更に含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. インクジェットヘッドユニットの両側に少なくとも1つの露光手段を備えた機構を用いて行う、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 各色のインクジェットヘッドがそれぞれ、1色につき2〜4個である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記インクを吐出したエリアにおいて、最初のインクを吐出後1.0秒以上経過した後から画像形成が終了するまでの時間の波長240〜400nmの領域の総積算露光量が、300〜1,500mJ/cm2である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記各色のインクの表面張力がそれぞれ、32.0〜39.0mN/mである、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記各色のインクにおける多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量がそれぞれ、5〜20重量%である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記(2)の工程及び前記(3)の工程において使用される光源が、同じ発光スペクトルを有する光源である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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