JP2014046479A - インクジェット記録方法、及び、印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクを吐出するN個(N≧4)のインク毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向について、ノズルがP/Nずつずらして配置されているインクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置を準備する準備工程を含み、前記インクのうち、ブラック以外の少なくとも1種のインクがN−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】図1
Description
このようなノズル配置をUV硬化インク(紫外線硬化型インク)を用いたインクジェット記録装置に適用した場合、1回の主走査で同一ライン上に全色のインクのドットが並ぶため、このインクのドットが主走査方向に着弾干渉を起こし、凹凸の大きなライン状の表面形状を形成するという課題があった。この凹凸のわずかな形状差によって、光沢ムラが見え易くなる。
また、特許文献2には、被記録部材に対して相対的に主走査方向と上記主走査方向と直交する副走査方向に移動されるインクジェットプリンタのヘッド装置において、それぞれN個のノズルを有し、上記N個のノズルは上記副走査方向に所定の解像度におけるK画素間隔でK/Nが既約分数となる値で配されている複数のプリントヘッドを備え、上記各プリントヘッドは、吐出するインクの色に応じて上記主走査方向に上記ノズルが沿うように配されるとともに、互いに上記副走査方向にL画素ずれて配されている、インクジェットプリンタのヘッド装置が開示されている。
更に、特許文献4には、高解像度での高速記録と、色調豊かな記録とを両立させることを目的として、一定のノズルピッチで穿設された複数のノズル開口からなるノズル列を複数条横並びに配設してノズル列群を構成し、ノズル列毎にインクの種類を設定して吐出させるように構成したインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記ノズル列群を、ノズル開口の穿設位置をそれぞれ1/N(Nは4以上の自然数)ピッチずつノズル列方向にずらしたN条の高解像度ノズル列群によって構成したことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドが開示されている。
<1> 活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクを吐出するN個(N≧4)のインク毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向について、ノズルがずらして配置されているインクジェットヘッドと、前記ノズルから吐出され、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴に前記活性エネルギーを付与する活性エネルギー付与手段と、前記インクジェットヘッドと前記活性エネルギー付与手段とを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置して保持する保持手段と、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第2の方向に相対的に走査させる走査手段と、前記走査手段による走査毎に、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第1の方向に相対的に移動させる移動手段と、前記保持手段により保持された前記インクジェットヘッド及び前記活性エネルギー付与手段を前記記録媒体の各領域に対して所定の回数だけ相対的に走査させながら前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、を備えたインクジェット記録装置を準備する準備工程、記録媒体上に、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから少なくとも1種の前記インクを吐出する吐出工程、及び、前記活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを付与して、吐出された前記インクを硬化する硬化工程、を含み、前記インクのうち、ブラック以外の少なくとも1種のインクがN−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録方法、
<3> 前記インクのうち、少なくとも1種のインクが波長300nm〜450nmに増感作用を有する化合物を更に含有する、<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法、
<4> 前記N−オキシル化合物が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル基を有する化合物である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<5> 前記インクのうち、ブラック以外の少なくとも1種のインクが、N−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物を合計して、0.1質量%〜1質量%含有する、<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法、
<6> 前記各インクが、いずれもオキシルフリーラジカル系化合物及び/又はフェノール系化合物を含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<7> 前記各インクが、いずれも単官能ラジカル重合性モノマーを60質量%以上含有する、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<8> 前記各インクが、いずれも多官能ラジカル重合性化合物を0質量%〜30質量%含有する、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<9> 前記インクジェットヘッドのノズル密度が100npi以下であり、かつ吐出周波数が10kHz以上である、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<10> 前記吐出工程におけるインクジェットジェットのスキャンスピードが0.9m/s以上である、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<11> 前記各ノズル列が、第1の方向について、ノズルがP/Nずつずらして配置されている、<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<12> <1>〜<11>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
なお、本明細書中、「xx〜yy」の記載は、xx及びyyを含む数値範囲を表す。
「(メタ)アクリレート」等は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」等と同義であり、以下同様とする。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
本発明のインクジェット記録方法は、活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクを吐出するN個(N≧4)のインク毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向について、ノズルがずらして配置されているインクジェットヘッドと、
前記ノズルから吐出され、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴に前記活性エネルギーを付与する活性エネルギー付与手段と、
前記インクジェットヘッドと前記活性エネルギー付与手段とを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置して保持する保持手段と、
前記保持手段と前記記録媒体とを前記第2の方向に相対的に走査させる走査手段と、
前記走査手段による走査毎に、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第1の方向に相対的に移動させる移動手段と、
前記保持手段により保持された前記インクジェットヘッド及び前記活性エネルギー付与手段を前記記録媒体の各領域に対して所定の回数だけ相対的に走査させながら前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、を備えたインクジェット記録装置を準備する準備工程、
記録媒体上に、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから少なくとも1種の前記インクを吐出する吐出工程、及び、
前記活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを付与して、吐出された前記インクを硬化する硬化工程、を含み、
前記インクのうち、ブラック以外の少なくとも1種のインクがN−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物を含有することを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクを吐出するN個(N≧4)のインク毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向について、ノズルがずらして配置されているインクジェットヘッドと、前記ノズルから吐出され、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴に前記活性エネルギーを付与する活性エネルギー付与手段と、前記インクジェットヘッドと前記活性エネルギー付与手段とを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置して保持する保持手段と、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第2の方向に相対的に走査させる走査手段と、前記走査手段による走査毎に、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第1の方向に相対的に移動させる移動手段と、前記保持手段により保持された前記インクジェットヘッド及び前記活性エネルギー付与手段を前記記録媒体の各領域に対して所定の回数だけ相対的に走査させながら前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、を備えたインクジェット記録装置を準備する準備工程を含む。
以下に本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置について、説明する。なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック等の各色インクについては、後述する。
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクを吐出するN個(N≧4)のインク毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向について、ノズルがずらして配置されているインクジェットヘッドを備えている。各ノズル列は、前記第1の方向について、ノズルがP/Nずつずらして配置されていることが好ましい。
前記第1の方向は、記録媒体の搬送方向(副走査方向)であることが好ましい。
前記インクジェットヘッドは、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクを吐出するN個(N≧4)のインク毎のノズル列を有しており、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクと、少なくとも1色の淡インクとを吐出するN個(N≧5)のインク毎のノズル列を有していることが好ましく、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン及びライトマゼンタの6色のインクを吐出するN個(N≧6)のインク毎のノズル列を有していることがより好ましい。
ピッチPは、特に制限はなく、所望のピッチであればよいが、50dpi以上(約508μm以下)600dpi以下(約42μm以上)であることが好ましい。
また、前記インクジェットヘッドの各ノズル列は、前記第1の方向について、ノズルがずらして配置されているインクジェットヘッドを備えている。
前記各ノズル列のずらし方は、各ノズル列がずらされていれば特に制限はなく、P/Nずつずらされていることが好ましい。P/Nずつずらす場合、階段状に各ノズルをずらしてもよいし、隣接するノズル列のずれがP/Nのものでなく、P/Nの整数倍であってもよい。例えば、4色のノズル列の場合は、図1又は図2に示すようなずらし方が挙げられる。中でも、隣接するノズル列のずれができるだけP/Nでないようなずらし方が好ましく、5色以上のノズル列の場合は、隣接するノズル列のずれがいずれも(2×P/N)以上であるずらし方が特に好ましい。
前記インクジェットヘッドの各ノズル列は、第1の方向において、インクジェットヘッドに対する記録媒体の相対移動最上流側から、4色の場合、ブラックインク用ノズル列、イエローインク用ノズル列、シアンインク用ノズル列、マゼンタインク用ノズル列の順でずらして配置されていることが好ましい。また、4色並びにライトシアン及びライトマゼンタの計6色の場合、ブラックインク用ノズル列、イエローインク用ノズル列、ライトマゼンタインク用ノズル列、シアンインク用ノズル列、ライトシアンインク用ノズル列、マゼンタインク用ノズル列の順でずらして配置されていることが好ましい。
前記4色のインクのうち、最も硬化感度の低いインクは、ブラックインクである場合が多く、2番目に硬化感度の低いインクはイエローインクである場合が多い。
また、前記インクジェットヘッドは、淡インクとしてライトシアン及びライトマゼンタのインクをそれぞれ吐出するノズル列を有し、インクジェットヘッドの各ノズル列は、第1の方向にノズルがP/6ずつずらして配置され、かつシアンのノズルとマゼンタのノズルとの間、マゼンタのノズルとイエローのノズルとの間、又は、イエローのノズルとシアンのノズルとの間に、ライトシアン又はライトマゼンタのノズルが配置されていることが好ましい。
また、ホワイトインク用ノズル列、及び/又は、クリアインク用ノズル列は、前記シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック(好ましくは、更にライトシアン及び/又はライトマゼンタ)の各色のインクを吐出するN個のインク毎のノズル列の第2の方向における両側にそれぞれ1種ずつ配置されていることが好ましい。具体的には、例えば、後述する図9に示す配置などが挙げられる。
インク供給系は、例えば、インクを含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pL、より好ましくは3〜42pL、更に好ましくは8〜30pLのマルチサイズドットを、好ましくは300×300〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
本発明の収容体としてより好ましくは、フィルムにより形成された袋状体と、当該袋状体からインクを導出可能な供給部とを備える収容体である。ここで、フィルムにより形成された袋状体と、当該袋状体からインクを導出可能な供給部とを備える収容体を、「パック」ともいう。インクパックとしては、特開2009−83133号公報、特開2007−302010号公報が例示される。
ピッチPで配置されたノズル列を有するノズルプレートとしては、公知のものを用いることができるが、例えば、米国特許第7,011,396号明細書、米国特許出願公開第2009/0290000号明細書等に記載されたインクジェットヘッドを好ましく用いることができる。ノズル解像度は150npi(npiとは2.54cmあたりのノズル数を表す。)以下が好ましく、100npi以下が特に好ましい。このような低密度にヘッドを用いることにより、ヘッドをずらす効果がより効力を発揮する。このようなノズルプレートは、例えば、FUJIFILM Dimatix社製のピエゾ駆動方式によるオンデマンド・インクジェットヘッドに搭載されている。その具体例として、S−class、Q−class Sapphireが挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、前記ノズルから吐出され、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴に前記活性エネルギーを付与する活性エネルギー付与手段を備えている。
前記活性エネルギー付与手段は、走査手段による1回の走査において、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴を不完全に硬化させる程度の活性エネルギーを付与することが好ましい。上記態様であると、光沢性を増すことができる。
本発明に用いられるインクジェット記録装置は、前記活性エネルギー付与手段によって活性エネルギーが付与されたインク滴に対して更に活性エネルギーを付与することでインク滴を本硬化させる第2の活性エネルギー付与手段を備えることが好ましい。上記態様であると、適切にインクを硬化させることができる。
UV−LEDとして、例えば、日亜化学工業(株)が、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。
前記活性エネルギー付与手段における紫外線の発光ピーク波長は、硬化性の観点から、増感剤の吸収特性にもよるが、300〜420nmであることが好ましく、350〜420nmがより好ましく、380〜420nmが更に好ましい。
このように、稼働部に設けられる活性エネルギー源として小型かつ軽量のUV−LEDを用いることにより、インクジェット記録装置の小型化及び省エネルギー化を図ることができ、高い生産性で画像を形成することができる。また、UV−LEDは、露光条件の可変性に優れているため、インクに応じて好適な露光条件を設定することができ、高い生産性で画像を形成することができる。
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、前記インクジェットヘッドと前記活性エネルギー付与手段とを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置して保持する保持手段を備えている。
前記第2の方向は、記録媒体の搬送方向に直交するインクジェットヘッド走査方向(主走査方向)であることが好ましい。また、前記第2の方向は、記録媒体の記録面に略平行であることが好ましい。
前記保持手段としては、特に制限はなく、例えば、インクジェットヘッドと活性エネルギー付与手段とを共に備えた部材であっても、インクジェットヘッドと活性エネルギー付与手段とを共に駆動させる機構であってもよい。
前記保持手段としては、前記のように、インクジェットヘッドと活性エネルギー付与手段との配置を保持する手段であれば特に制限はないが、少なくとも1つのインクジェットヘッドと少なくとも2つの活性エネルギー付与手段を保持する手段であることが好ましく、インクジェットヘッドの第2の方向における両隣に活性エネルギー付与手段を保持する手段であることがより好ましい。上記態様であると、インクを不完全に硬化させることが容易である。
第2の活性エネルギー付与手段における記録媒体表面における最高照度は、前記(第1の)活性エネルギー付与手段における記録媒体表面における最高照度より大きいことが好ましい。また、第2の活性エネルギー付与手段における記録媒体表面における積算光量は、前記(第1の)活性エネルギー付与手段における記録媒体表面における積算光量より大きいことが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第2の方向に相対的に走査させる走査手段と、前記走査手段による走査毎に、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第1の方向に相対的に移動させる移動手段とを備えている。
走査手段及び移動手段は、特に制限はなく、公知の手段を用いることができる。
走査手段としては、例えば、ガイドレール、駆動機構、駆動用モータ、及び、制御回路などが挙げられる。
移動手段としては、例えば、ニップローラ、プラテン、駆動機構、駆動用モータ、及び、制御回路などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、前記保持手段により保持された前記インクジェットヘッド及び前記活性エネルギー付与手段を前記記録媒体の各領域に対して所定の回数だけ相対的に走査させながら前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段を備えている。
制御手段としては、特に制限はなく、公知の手段を用いることができ、例えば、中央演算処理装置(CPU)を備えたコンピュータ等の制御装置が挙げられる。
制御装置には、例えば、記録媒体搬送制御部、キャリッジ駆動制御部、光源制御部、画像処理部、吐出制御部が挙げられ、これらの各部は、ハードウェア回路若しくはソフトウェア、又は、これらの組合せが挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置は、必要に応じ、前記以外の公知の手段を備えていてもよい。例えば、インクジェット記録装置を操作する操作パネルや形成する画像を入力するインターフェース等の入力装置、インクジェット記録装置の現在の状態や入力操作や入力画像等を表示する表示装置などが挙げられる。
図3は、インクジェット記録装置100の構成の概要を説明するための説明図である。また、図4は、インクジェット記録装置100のシステム構成図である。
ここで、Kインク、Cインク、Mインク、Yインク、LCインク、LMインクの6色のインクのうち、硬化光源116R、116Lから照射される紫外線の波長(例えば385nm)に対して、Kインクの硬化感度が最も低く、Yインクの硬化感度が2番目に低い。更に、LMインク、Cインク、LCインク、Mインクの順に硬化感度が低い。
各色ヘッド112は、主走査方向左から112LM、112K、112C、112M、112Y、112LCの順に配置されている。
また、副走査方向には、記録媒体搬送方向の最上流側にノズル114Kが配置され、下流側に向かって114K、114Y、114LM、114C、114LC、114Mの順に等間隔で(600dpi(254μm÷6=約42μm)の間隔で)並ぶように各色ヘッド112がずらして配置されている。ここで、印字に使用されるノズル(有効ノズル)のうち最も上流側に配置されるノズルがノズル114Kであればよく、印字に使用されることのないノズル(無効ノズル)がノズル114Kよりも上流側に配置されていてもよい。
なお、硬化光源116R、116Lの照射光量と本硬化光源の照射光量は別個に設定することができる。前述のように、半硬化時の照射光量を低減することで、記録画像の光沢性を増加させることができる。
図5に示すように、副走査方向の各色ヘッド112(のノズル114)の位置がずらして配置されているため、ハーフトーン画像データとしては、ずれた位置のハーフトーンデータがラスター毎に切取られ、各色ヘッド112に転送されて、打滴されていく。
図7は、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができる他のインクジェット記録装置の外観斜視図である。このインクジェット記録装置10は、紫外線硬化型インク(UV硬化インク)を用いて記録媒体12上にカラー画像を形成するワイドフォーマットプリンタである。ワイドフォーマットプリンタとは、大型ポスターや商業用壁面広告など、広い描画範囲を記録するのに好適な装置である。ここでは、A3ノビ以上に対応するものを「ワイドフォーマット」と呼ぶ。
図8は、インクジェット記録装置10における記録媒体搬送路を模式的に示す説明図である。図8に示すように、プラテン26は逆樋状に形成され、その上面が記録媒体12の支持面(「媒体支持面」という。)となる。プラテン26の近傍における記録媒体搬送方向(X方向)の上流側には、記録媒体12を間欠搬送するための記録媒体搬送手段である一対のニップローラ40が配設される。このニップローラ40は記録媒体12をプラテン26上でX方向へ移動させる。
図9は、キャリッジ30上に配置されるインクジェットヘッド24と仮硬化光源32A、32B及び本硬化光源34A、34Bの配置形態の例を示す平面透視図である。
図9に示したように、インクジェットヘッド24の走査方向(Y方向)の左右両脇に、仮硬化光源32A、32Bが配置される。さらに、インクジェットヘッド24の記録媒体搬送方向(X方向)の下流側に本硬化光源34A、34Bが配置されている。
インクジェットヘッド24のノズルから吐出されて記録媒体12上に着弾したインク滴には、その直後にその上を通過する仮硬化光源32A(又は32B)によって仮硬化のための紫外線が照射される。また、記録媒体12の間欠搬送に伴ってインクジェットヘッド24の印字領域を通過した記録媒体12上のインク滴には、本硬化光源34A、34Bにより本硬化のための紫外線が照射される。
なお、仮硬化光源32A、32B、本硬化光源34A、34Bは、インクジェット記録装置10の印刷動作中は常時点灯していてもよいし、必要に応じて適宜点灯と消灯を制御してもよい。
図9に示したように、仮硬化光源32A、32Bは、それぞれ複数個のUV−LED素子33が並べられた構造を有している。2つの仮硬化光源32A、32Bは、共通の構成である。本例では、仮硬化光源32A、32Bとして、X方向に沿って6個のUV−LED素子33が1列に並べたLED素子配列を例示したが、LED素子数及びその配列形態はこの例に限定されない。例えば、複数個のLED素子をX/Y方向にマトリクス状に配置した構成も可能である。
この6個のUV−LED素子33は、インクジェットヘッド24のノズル列幅Lwと同じ幅の領域に対して一度にUV照射を行うことができるように並べられている。
図9に示したように、本硬化光源34A、34Bは、それぞれ複数個のUV−LED素子35が並べられた構造を有している。2つの本硬化光源34A、34Bは、共通の構成である。図9の例では、本硬化光源34A、34Bとして、Y方向に6個、X方向に2個のUV−LED素子35がマトリクス状に配置されたLED素子配列(6×2)を例示している。
上記のごとく構成されたインクジェット記録装置10は、マルチパス方式の描画制御が適用され、印字パス数の変更によって印字解像度を変更することが可能である。例えば、高生産モード、標準モード、高画質モードの3種類の作画モードが用意され、各モードでそれぞれ印字解像度が異なる。印刷目的や用途に応じて作画モードを選択することができる。
一方、副走査方向については、ノズルピッチが100dpiであり、1回の主走査(1パス)により副走査方向に100dpiの解像度でドットが形成される。したがって、4パス印字(4回の走査又は5回の走査)により補間印字を行うことで400dpi又は500dpiの解像度が実現される。
なお、本明細書では、主走査方向のパス数と副走査方向のパス数との積を、その作画モードにおけるパス数と呼ぶ。したがって、高生産モードのパス数は、主走査2パス印字×副走査4パス印字又は5パス印字=8パス又は10パス印字となる。
また、高画質モードでは、1,200×1,200dpiの解像度で印字が実行され、主走査方向は4パス、副走査方向は12パスによりこの解像度を得ている。すなわち、高画質モードのパス数は、主走査4パス印字×副走査12パス印字=48パスとなる。
図10は、インクジェット記録装置10のインク供給系の構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクカートリッジ36に収容されているインクは、供給ポンプ70によって吸引され、サブタンク72を介してインクジェットヘッド24に送られる。サブタンク72には、内部のインクの圧力を調整するための圧力調整部74が設けられている。
圧力調整部74は、バルブ76を介してサブタンク72と連通される加減圧用ポンプ77と、バルブ76と加減圧用ポンプ77との間に設けられる圧力計78と、を具備している。
通常の印字時は、加減圧用ポンプ77がサブタンク72内のインクを吸引する方向に動作し、サブタンク72の内部圧力及びインクジェットヘッド24の内部圧力が負圧に維持される。一方、インクジェットヘッド24のメンテナンス時は、加減圧用ポンプ77がサブタンク72内のインクを加圧する方向に動作し、サブタンク72の内部及びインクジェットヘッド24の内部が強制的に加圧され、インクジェットヘッド24内のインクがノズルを介して排出される。インクジェットヘッド24から強制的に排出されたインクは、上述したキャップ(図示せず)のインク受けに収容される。
図11はインクジェット記録装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、制御手段としての制御装置202が設けられている。制御装置202としては、例えば、中央演算処理装置(CPU)を備えたコンピュータ等を用いることができる。制御装置202は、図4に示した制御部138に該当し、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。制御装置202には、記録媒体搬送制御部204、キャリッジ駆動制御部206、光源制御部208、画像処理部210、吐出制御部212が含まれる。これらの各部は、ハードウェア回路又はソフトウェア、若しくはこれらの組合せによって実現される。
記録媒体搬送制御部204は、記録媒体12(図7参照)の搬送を行うための搬送駆動部214を制御する。搬送駆動部214は、図4に示した記録媒体搬送機構132に該当し、図8に示すニップローラ40を駆動する駆動用モータ、及びその駆動回路が含まれる。プラテン26(図7参照)上に搬送された記録媒体12は、インクジェットヘッド24による主走査方向の往復走査(印刷パスの動き)に合わせて、スワス幅単位で副走査方向へ間欠送りされる。
光源制御部208は、LED駆動回路218を介して仮硬化光源32A、32BのUV−LED素子33の発光量を調整するとともに、LED駆動回路219を介して本硬化光源34A、34BのUV−LED素子35の発光量を調整する制御手段である。
LED駆動回路218は、光源制御部208からの指令に応じた電圧値の電圧を出力して、UV−LED素子33の発光量を調整する。また、LED駆動回路219は、光源制御部208からの指令に応じた電圧値の電圧を出力して、UV−LED素子35の発光量を調整する。LEDの発光量の調整は、電圧を変更するのではなく、PWM(Pulse Width Modulation)を用いて駆動波形のDuty比を変更することによって行ってもよいし、電圧値とDuty比の両方を変更してもよい。
入力装置220は、手動による外部操作信号を制御装置202へ入力する手段であり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、操作ボタンなど各種形態を採用し得る。表示装置222には、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTなど、各種形態を採用し得る。オペレータは、入力装置220を操作することにより、作画モードの選択、印刷条件の入力や付属情報の入力・編集などを行うことができ、入力内容や検索結果等の各種情報は、表示装置222の表示を通じて確認することができる。
画像入力インターフェース226を介して入力された画像データは、画像処理部210にて印刷用のデータ(ドットデータ)に変換される。このドットデータは、一般に、多階調の画像データに対して色変換処理、ハーフトーン処理を行って生成される。
こうして得られた2値又は多値の画像データ(ドットデータ)は、各ノズルの駆動(オン)/非駆動(オフ)、さらに、多値の場合には液滴量(ドットサイズ)を制御するインク吐出データ(打滴制御データ)として利用される。
駆動電圧信号の波形データは、予め情報記憶部224に格納されており、必要に応じて使用する波形データが出力される。駆動波形生成部から出力された信号(駆動波形)は、ヘッド駆動回路228に供給される。なお、駆動波形生成部から出力される信号はデジタル波形データであってもよいし、アナログ電圧信号であってもよい。
ヘッド駆動回路228を介してインクジェットヘッド24の各吐出エネルギー発生素子に対して、共通の駆動電圧信号が印加され、各ノズルの吐出タイミングに応じて各エネルギー発生素子の個別電極に接続されたスイッチ素子(不図示)のオンオフを切り換えることで、対応するノズルからインクが吐出される。
本発明のインクジェット記録方法は、記録媒体上に、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから少なくとも1種の前記インクを吐出する吐出工程を含む。
前記吐出工程は、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから少なくとも2種の前記インクを吐出する工程であることが好ましく、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色の前記インクを吐出する工程であることがより好ましい。上記態様であると、本発明の効果をより発揮できる。
また、前記吐出工程におけるインクジェットヘッドのスキャンスピードは、0.5m/s以上であることが好ましく、0.7m/s以上であることがより好ましく、0.9m/s以上であることが更に好ましい。また、3.5m/s以下であることが好ましく、3.0m/s以下であることがより好ましく、2.5m/s以下であることが更に好ましい。上記態様であると、画像における光沢ムラがより生じやすい態様であり、本発明の効果をより発揮することができる。
放射線硬化型インクは、概して通常インクジェット記録用インクで使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インクの粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインクの温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、インクの温度の制御幅は、設定温度の±5℃であることが好ましく、設定温度の±2℃であることがより好ましく、設定温度±1℃であることが更に好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、前記活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを照射して、吐出された前記インクを硬化する硬化工程を含む。
記録媒体上に吐出されたインクは、活性エネルギーを照射することによって硬化する。
前記活性エネルギー付与手段による記録媒体表面における最高照度は、画質及び生産性の観点から、10〜3,000mW/cm2であることが好ましく、50〜2,100mW/cm2がより好ましく、100〜1,600mW/cm2が更に好ましい。
前記活性エネルギー付与手段の前記発光ダイオードにより付与するエネルギー、すなわち紫外線の照射により記録媒体上のインクに付与するエネルギー(積算光量)は、100〜1,000mJ/cm2が好ましく、150〜800mJ/cm2がより好ましく、200〜700mJ/cm2が更に好ましい。上記範囲であると、生産性と硬化性を両立できる。
活性エネルギーの照射は、インクの着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることが好ましい。このようにインクの着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、記録媒体に着弾したインクが硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な記録媒体に対しても光源の届かない深部までインクが浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができる。
また、前記硬化工程が、前記活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを照射して、吐出された前記インクを不完全に硬化する(「半硬化」ともいう。)仮硬化工程、及び、前記仮硬化工程において不完全に硬化している前記インクを前記第2の活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを照射して完全に硬化する本硬化工程を含むことが好ましい。
なお、本発明における「完全硬化」とは、インクの内部及び表面が完全に硬化した状態をいう。具体的には、普通紙などの浸透媒体を押し当てて、浸透媒体にインクが転写したかどうかによって判断することができる。好ましくは、普通紙を押しあてて転写するインクが、打滴したインクの10質量%〜90質量%であることを半硬化といい、打滴したインクの30質量%〜80質量%が転写されることがより好ましい。すなわち、全く転写しない場合を完全に硬化した状態という。
また、本発明における「半硬化」とは、インクが硬化を開始してから完全硬化に至るまでの間の状態をいう。
また、前記仮硬化工程においては、インクの吐出後0〜1.0秒の間に前記活性エネルギー付与手段により、吐出されたインクに活性エネルギーを照射することが好ましく、インクの吐出後0〜0.7秒の間に照射することがより好ましく、インクの吐出後0〜0.5秒の間に照射することが更に好ましく、インクの吐出後0〜0.4秒の間に照射することが特に好ましい。
前記第2の活性エネルギー付与手段の照度は、生産性/即乾性と、打滴の濡れ広がりとのバランスの観点から、600〜3,000mW/cm2が好ましく、700〜2,100mW/cm2がより好ましく、800〜1,800mW/cm2が特に好ましい。
本発明のインクジェット記録方法には、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクを使用する。
また、本発明のインクジェット記録方法には、前記4色のインクだけでなく、他のインクを使用してもよく、例えば、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク等の淡色インク、ホワイトインク、クリアインク、オレンジインク、グリーンインク、バイオレットインク等が挙げられる。
中でも、本発明のインクジェット記録方法は、前記4色のインクに加え、少なくとも1種の淡色インクを使用することが好ましく、前記4色のインクに加え、ライトシアンインク及びライトマゼンタインクを使用することがより好ましい。
なお、ライトシアンインクとは、前記シアンインクよりも着色剤濃度が低いシアンインクであればよく、ライトマゼンタインクとは、前記マゼンタインクよりも着色剤濃度が低いマゼンタインクであればよい。また、淡色インクは、着色剤の含有量がインク組成物全体の2質量%以下のインクであることが好ましい。
また、クリアインクとは、実質的に着色剤を含有せず、透明なインク組成物である。クリアインクは、本発明のインクジェット記録方法において、下塗り層の形成に使用してもよく、また、オーバーコート層(保護層)の形成に使用してもよい。
本発明に用いられるインク組成物は、油性のインク組成物であることが好ましく、また、活性エネルギー硬化性インク組成物であることが好ましい。
また、本発明に用いられるインク組成物は、高揮発性溶剤を含まず、無溶剤であることが好ましい。水を含む溶剤の含有量は5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。
本発明でいう「活性エネルギー」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本発明に用いられるインク組成物としては、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物が好ましい。
以下、本発明のインクジェット記録方法に用いることができる各色インク組成物が含有する成分について説明する。なお、特に断りのない限り、「インク」とは、各インクのいずれもを指す総称である。
本発明に用いられるインクは、(成分A)重合性化合物を含有することが好ましい。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物、及び、カチオン重合性化合物が挙げられるが、ラジカル重合性化合物を含有することがより好ましい。
本発明において、各インクは、いずれも(成分A)重合性化合物として(成分A−1)単官能ラジカル重合性モノマーを含有することが好ましい。
本発明において、インクは、(成分A)重合性化合物として、(成分A−1)単官能ラジカル重合性モノマーを含有することが好ましく、後述するように、成分A−1をインク全体の70質量%以上含有することが好ましい。
(成分A−1)として、N−ビニル化合物と、下記式(I)で表される化合物とを含むことが好ましい。
ここで、単官能ラジカル重合性モノマーとは、ラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を1つのみ有し、分子量が500以下の化合物を意味する。
ラジカル重合性のエチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルアミド基、ビニルオキシ基、アリルオキシ基、及び、N−ビニル基を好ましく例示できる。
成分A−1はインク全体の60〜95質量%であることがより好ましく、70〜92質量%であることが更に好ましく、75〜90質量%であることが特に好ましい。
本発明においてインクは、(成分A−1)単官能ラジカル重合性モノマーとして、(成分A−1−1)N−ビニル化合物を含有することが好ましい。
N−ビニル化合物としては、N−ビニルラクタム類が好ましく、式(N)で表される化合物がより好ましい。
また、上記N−ビニルラクタム類は、ラクタム環上にアルキル基、アリール基等の置換基を有していてもよく、飽和又は不飽和環構造を連結していてもよい。
N−ビニル化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられるインクは、(成分A−1)単官能ラジカル重合性モノマーとして、(成分A−1−2)式(a−2)で表される化合物を含有することが好ましい。
R2及びR3としては、それぞれ独立に水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましく、R2及びR3が共に水素原子であることが更に好ましい。
X2における二価の連結基としては、本発明の効果を大きく損なうものでない限り特に制限はないが、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、二価の炭化水素基、ポリ(アルキレンオキシ)基、又は、ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であることがより好ましい。また、前記二価の連結基の炭素原子数は、1〜60であることが好ましく、1〜20であることがより好ましい。
X2としては、単結合、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、炭素原子数1〜20の二価の炭化水素基であることがより好ましく、炭素原子数1〜8の二価の炭化水素基であることが更に好ましく、メチレン基であることが特に好ましい。
本発明に用いられるインクは、(成分A−1)単官能ラジカル重合性モノマーとして、(成分A−1−3)芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートが好ましく例示できる。
芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、分子量が500以下であり、分子量が300以下のものがより好ましい。
芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートとして、特開2009−096985号公報の段落0048〜0063に記載された、芳香族単官能ラジカル重合性モノマーが挙げられる。本発明においては、芳香族炭化水素基を有する単官能(メタ)アクリレートとしては、式(a−4)で表される化合物が好ましい。
X1は二価の連結基を表し、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(O)O−若しくは−OC(O)−)、アミド結合(−C(O)NR’−若しくは−NR’C(O)−)、カルボニル基(−C(O)−)、イミノ基(−NR’−)、置換基を有していてもよい炭素数1〜15のアルキレン基、又は、これらを2以上組み合わせた二価の基であることが好ましい。なお、R’は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状アルキル基、又は、炭素数6〜20のアリール基を表す。置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
R1及びX1を含む部分(H2C=C(R1)−C(O)O−X1−)は、芳香族炭化水素構造上の任意の位置で結合することができる。また、着色剤との親和性を向上させるという観点から、X1の芳香族炭化水素基と結合する端部は、酸素原子であることが好ましく、エーテル性酸素原子であることがより好ましい。式(a−4)におけるX1は、*−(LO)q−であることが好ましい。ここで、*は、式(a−4)のカルボン酸エステル結合との結合位置を示し、qは0〜10の整数であり、Lは炭素数2〜4のアルキレン基を表す。qは0〜4の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、1又は2であることが更に好ましい。(LO)qは、エチレンオキシド鎖又はプロピレンオキシド鎖であることが好ましい。
中でも本発明においては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、単環芳香族炭化水素基、すなわちフェニル基がより好ましい。
uは、0〜5の整数を表し、0であることが好ましい。
本発明のインク組成物は、(成分A−1)単官能ラジカル重合性モノマーとして、上記の成分A−1−1〜A−1−3の他に、(成分A−1−4)その他の単官能ラジカル重合性モノマーを含有していてもよい。
その他の単官能ラジカル重合性モノマーとして、炭素数8〜13の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレートモノマーを含有してもよい。前記鎖状炭化水素基は、直鎖状炭化水素基であっても、分岐鎖状炭化水素基であってもよい。
炭素数8〜13の鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリレート化合物は、炭素数8〜13の鎖状炭化水素モノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましく、炭素数10〜13の鎖状炭化水素モノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルであることがより好ましい。
具体的には、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、及び、トリデシル(メタ)アクリレート等が例示できる。
本発明に用いられるインクは、(成分A−2)多官能ラジカル重合性化合物を含有してもよい。成分A−2のインク全体に対する含有量は、30質量%以下、すなわち、0〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましく、8〜18質量%であることが更に好ましい。なお、インクは、成分A−2を含有していなくてもよく、含有しない場合の含有量を0質量%で表している。
本発明において、インクは(成分A−2−1)多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。インクが多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することにより、高い硬化性が得られる。なお、マゼンタインクを除く各色インクが成分A−2−1を含有することがより好ましい。マゼンタインクは他色のインクに比べて、硬化性が高いため、マゼンタインクを除く各色が成分A−2−1を含有することが好ましい。
これらの中でも、アルコキシ化多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましく、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明に用いられるインクは、成分A−2として、(成分A−2−2)多官能オリゴマーを含有することが好ましい。
この「オリゴマー」とは、一般に有限個(一般的には5〜100個)のモノマーに基づく構成単位を有する重合体である。オリゴマーの重量平均分子量は400〜10,000が好ましく、500〜5,000がより好ましい。
多官能オリゴマーは、官能基として、重合性基を有しているものが好ましく、エチレン性不飽和基を有しているものがより好ましく、(メタ)アクリロイル基を有するものが特に好ましい。
多官能オリゴマーに含まれる官能基数は、柔軟性と硬化性のバランスの観点から、1分子あたり2〜15が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜4が更に好ましく、2が特に好ましい。
アミン変性ポリエステルオリゴマーとして、ダイセル・サイテック(株)製のEB524、EB80、EB81、サートマー・ジャパン(株)製のCN550、CN501、CN551、Rahn A.G.社製のGENOMER5275が挙げられる。
本発明に用いられるインクは、(成分B)重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、及び、カチオン重合開始剤が挙げられるが、ラジカル重合開始剤を含有することがより好ましい。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤を使用することができる。本発明に用いることができる重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを併用してもよい。
本発明に用いることのできる重合開始剤は、外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合を開始するために使用される外部エネルギーは、熱及び活性エネルギー線に大別され、それぞれ、熱重合開始剤及び光重合開始剤が使用される。活性エネルギー線としては、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
本発明における重合開始剤は1種単独又は2種以上の併用によって好適に用いられるが、2種以上を併用することが好ましく、3種以上を併用することがより好ましく、3〜5種併用することが更に好ましい。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)、チオキサントン化合物、チオクロマノン化合物等が挙げられる。
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
また、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
α−アミノケトン化合物としては、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
チオキサントン化合物としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントンが好ましく挙げられる。
チオクロマノン化合物としては、下記(I−1)〜(I−31)が好ましく挙げられ、(I−14)、(I−17)、及び、(I−19)がより好ましく挙げられ、(I−14)が特に好ましく挙げられる。
また、重合開始剤と、それらと併用される重合性化合物との含有比(質量比)としては、それぞれ、重合開始剤:重合性化合物=0.5:100〜30:100であることが好ましく、1:100〜15:100であることがより好ましく、2:100〜10:100であることが更に好ましい。
また、重合開始剤と、増感剤との含有比(質量比)としては、それぞれ、重合開始剤:増感剤=40:1〜1:2であることが好ましく、30:1〜1:1であることがより好ましく、20:1〜2:1であることが更に好ましい。
本発明に用いられるインクは、各色に応じて、(成分C)着色剤を含有することが好ましい。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の顔料、染料を適宜選択して用いることができる。中でも、着色剤としては特に耐光性に優れるとの観点から顔料であることが好ましい。
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。更に、市販の顔料分散体や表面処理された顔料、例えば、顔料を分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等も、本発明の効果を損なわない限りにおいて用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
着色剤の分散を行う際には、界面活性剤等の分散剤を添加することができる。
また、着色剤を添加するにあたっては、必要に応じて、分散助剤として、各種着色剤に応じたシナージストを用いることも可能である。分散助剤は、着色剤100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
着色剤の粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができる。本発明においては、レーザー回折・散乱法を用いた測定により得られた値を採用する。
本発明において、インクのうちブラック以外の少なくとも1種のインクがN−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物を含有する。ブラック以外の各インクがいずれもN−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物を含有することがより好ましく、N−オキシル化合物を含有することが更に好ましい。なお、ブラックを含む各インクがいずれもN−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物をしてもよい。
なお、ブラックインクは、経時による粘度等の変化が少ないため、成分Dを添加することによる効果が低い。従って、ブラックインク以外のインクに成分Dを添加することが好ましい。
本発明者等は、特定の重合禁止作用を有する化合物をインクに添加することにより、経時後のインクを使用した場合でも光沢ムラの発生が抑制されることを見出した。
以下、(成分D−1)N−オキシル化合物、及び、(成分D−2)フェノール化合物について、それぞれ説明する。
本発明において、インクは、(成分D−1)N−オキシル化合物を含有することが好ましい。N−オキシル化合物は、N−オキシル基(>N−O●)を有し、重合禁止作用を有する化合物であれば特に限定されない。本発明において、成分D−1は、以下の式(D−1−1)で表される化合物であることが好ましい。
前記アリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリール基であることがより好ましい。
前記アルコキシ基は、炭素数1〜16のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルコキシ基であることがより好ましい。
前記アリールオキシ基は、炭素数6〜20のアリールオキシ基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリールオキシ基であることがより好ましい。
置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウム基、ジメチルスルホニウム基、トリフェニルフェナシルホスホニウム基等が挙げられる。
式(D−1−2)中、R13及びR14は、水素原子、ヒドロキシル基、−NR1R2(R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)、アルキル基(炭素数1〜10)、アリール基(炭素数6〜10)、アルコキシ基(炭素数1〜10)、アリールオキシ基、−O(C=O)R3、−NH(C=O)R4(R3及びR4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を表す。)、又は、R13及びR14がこれらが結合する炭素と共に1個のカルボニル基を形成していることが好ましい。
本発明において、フェノール化合物とはフェノール基を有する化合物を指し、この他に何ら限定されるものではない。フェノール化合物としては公知のものを用いることができ限定されるものではないが、式(D−2−1)に示す化合物であることが好ましい。
R21で表される基は導入可能な炭素原子に置換基を有していてもよい。導入することができる置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基及び(メタ)アクリロイル基等が例示できる。
X21はmが2以上である場合にm価の連結基を表し、具体的には単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、ホスホン酸エステル基、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、アミノ基、水素原子をm個除いた炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基、水素原子をm個除いたm価の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、トリアジン及びジオキサン等の複素環から水素原子をm個除いた6〜12員環の複素環基、並びに、これらの連結基の組合せ等が挙げられ、導入可能な炭素原子にR21と同じく前記置換基を有していてもよい。
炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基が好ましく、炭素数3〜8個のシクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が好ましい。中でもR23及びR25で表される基としては、水素原子、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、シクロヘキシル基であることが好ましく、水素原子、tert−ブチル基、tert−ペンチル基であることが更に好ましい。R23及びR25で表される基がこれらの嵩高い構造を有することにより、長期間の保存安定性に優れたインク組成物が得られるため好ましい。
式(D−2−2)において、R23が水素原子以外を表す場合、2位及び/又は5位が置換されていることが好ましく、2位及び5位が置換されていることが好ましい。
また、式(D−2−3)において、R25が水素原子以外を表す場合、4位及び/又は5位が置換されていることが好ましく、4位が置換されていることがより好ましい。
またR23及びR25で表される基は導入可能な炭素原子に式(D−2−1)のR21と同様に前記置換基を有していてもよい。
アルキル基としては、炭素数1〜16の鎖状又は環状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましく、炭素数1〜6であることが更に好ましい。該アルキル基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、アリール基が例示される。該アルキル基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、アリール基が例示される。
また、アリール基は、炭素数6〜20であることが好ましく、炭素数6〜15であることがより好ましく、炭素数6〜10であることが更に好ましい。
アルコキシ基のアルキル基の部分は、炭素数1〜16の鎖状又は環状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましく、炭素数1〜6であることが更に好ましい。該アルキル基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、アリール基が例示される。
アリールオキシ基のアリール基の部分は、炭素数6〜20であることが好ましく、炭素数6〜15であることがより好ましく、炭素数6〜10であることが更に好ましい。
X22は式(D−2−1)のX21と同義であるが、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、中でもメチレン基であることがより好ましい。X22は導入可能な炭素原子に前記置換基を有していてもよく、前記アルキレン基の炭素原子に置換基として炭素数1〜3のアルキル基を有することが好ましい。
X23は2価の連結基を表し、式(D−2−1)におけるX21と同義であるが、中でも炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、オキシ基、チオ基、ホスホン酸エステル基、リン酸エステル基、ジオキサン等の複素環から水素原子を2個除いた基及びこれらの連結基の組合せが挙げられ、導入可能な炭素原子に式(B−2−1)におけるR21と同様に置換基を有していてもよく、2つの置換基が結合して環を形成してもよい。これらの中でも、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、中でもメチレン基であることがより好ましい。X23は導入可能な炭素原子に前記置換基を有していてもよく、前記アルキレン基の炭素原子に置換基として炭素数1〜3のアルキル基を有することが好ましい。
R37は、水素原子又はメチル基を表す。
mは3又は4を表す。
X24は、2価の連結基を表し、単結合、炭素数1〜3のアルキレン基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基及びこれらの組合せよりなる2価の連結基を表す。
ヒンダードアミン系重合禁止剤の市販品としてTINUVIN292、TINUVIN770DF、TINUVIN765、TINUVIN123が挙げられる。
また、重合禁止剤としては、クペロンAl(トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩、FIRSTCURE ST−1)が例示される。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。また、前記界面活性剤としてフッ素系界面活性剤(例えば、有機フルオロ化合物等)やシリコーン系界面活性剤(例えば、ポリシロキサン化合物等)を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。前記ポリシロキサン化合物としては、ジメチルポリシロキサンのメチル基の一部に有機基を導入した変性ポリシロキサン化合物であることが好ましい。変性の例として、ポリエーテル変性、メチルスチレン変性、アルコール変性、アルキル変性、アラルキル変性、脂肪酸エステル変性、エポキシ変性、アミン変性、アミノ変性、メルカプト変性などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらの変性の方法は組み合わせて用いられてもかまわない。また、中でもポリエーテル変性ポリシロキサン化合物がインクジェットにおける吐出安定性改良の観点で好ましい。ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物の例としては、例えば、SILWET L−7604、SILWET L−7607N、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2161(日本ユニカー(株)製)、BYK306、BYK307、BYK331、BYK333、BYK347、BYK348等(BYK Chemie社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−6191、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
これらの中でも、シリコーン系界面活性剤が好ましく挙げられる。
界面活性剤の含有量、特にフッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤の総含有量は使用目的により適宜選択されるが、光沢性、筋ムラを抑制する観点から、界面活性剤を含有しないか、又は、界面活性剤の総含有量が、インク組成物の全質量に対し、0質量%を超え2質量%以下が好ましく、界面活性剤を含有しないか、又は、界面活性剤の総含有量が、インク組成物の全質量に対し、0質量%を超え0.4質量%以下がより好ましい。
・イエロー顔料:NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製)
30質量部
・SR9003(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート(ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、サートマー・ジャパン(株)製) 30質量部
・BYK168(分散剤、BYK Chemie社製) 40質量部
上記の成分を撹拌し、イエローミルベースを得た。なお、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散することにより行った。
・マゼンタ顔料:CINQUASIA MAGENTA RT−355D(BASF・ジャパン(株)製) 30質量部
・SR9003 30質量部
・BYK168 40質量部
上記の成分を、イエローミルベースの調製と同様の分散条件で撹拌し、マゼンタミルベースを得た。
・シアン顔料:IRGALITE BLUE GLVO(BASF・ジャパン(株)製)
30質量部
・SR9003 30質量部
・BYK168 40質量部
上記の成分を、イエローミルベースの調製と同様の分散条件で撹拌し、シアンミルベースを得た。
・ブラック顔料:SPECIAL BLACK 250(BASF・ジャパン(株)製)
30質量部
・SR9003 30質量部
・BYK168 40質量部
上記の成分を、イエローミルベースの調製と同様の分散条件で撹拌し、ブラックミルベースを得た。
表1〜表3に記載の素材を混合、撹拌することで、各インク組成物を得た。なお、表中の数値は各成分の配合量(質量部)を表す。なお、表中「−」は、該当する成分を含有していないことを意味する。撹拌は、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて室温(25℃)で5,000回転/分にて20分の条件で行った。
−装置構成−
図9に示すように各色インクジェットヘッドを配置した装置を使用した。また、各部の詳細は、以下の通りである。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタの各色ヘッドはそれぞれ、ピエゾ型インクジェットヘッドQ−class Sapphire QS−256/10(FUJIFILM DIMATIX社製、ノズル数256個(100npi(nozzle per inch)、最小液滴量10pL、30kHz)を使用した。
光源は、仮硬化光源として図9に示されるように発光ダイオード(UV−LED、日亜化学工業(株)製NC4U134、波長385nm)を配置した光源を2個具備し、照度780mW/cm2であるものを使用し、本硬化光源として発光ダイオード(UV−LED、日亜化学工業(株)製NC4U134、波長385nm)を10個配置した光源を2個具備し、照度1,500mW/cm2であるものを使用した。
インク供給系は、インクパック、供給配管、脱気フィルターSEPAREL EF−G2(DIC(株)製)、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、脱気フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなり、脱気フィルター部分では0.5気圧まで減圧した。
上記構成の装置を用い、画像形成を実施した。
描画条件は、以下の条件で行った。
インクジェットヘッドのスキャンスピード:1m/s
基材:UVグロスコート157(157g/cm2、UVGC760、グロス紙、桜井(株)製、厚さ150μm)
描画モード:1,200dpi×1,200dpi、12パス
画像A:4カラー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)にて300%の網パーセントのグレー
画像B:100%の網パーセントの各色
仮硬化照度条件:500mW/cm2
各色のヘッド位置の相対関係A:走査の同一ライン上に各色ヘッドのノズルを並べた配列
各色のヘッド位置の相対関係B:図5に示す各色ヘッドのノズル配置
−光沢バンディング(光沢ムラ)の評価−
画像Aの条件を出力し、50cmの距離からの印刷物を観察し、光沢バンディングの有無を評価した。なお、評価人数は10名とし、評価点数は10人の平均とした。なお、光沢バンディングとは、画像に筋状の光沢ムラが生じていることである。
評価基準は以下の通りである。
5:光沢バンディングが認められない
4:光沢バンディングがわずかに認められるが気にならない
3:光沢バンディングが認められるが許容できる
2:光沢バンディングが気になる
1:光沢バンディングが非常に気になる
評価点3以上が許容範囲である。
なお、「直後」とは、インクをパックした後1日以内のインクを用いて上記の評価を行ったものである。また、「室温6ヶ月後」とは、インクをパックした後6ヵ月後のインクを用いて上記の評価を行ったものである。
基材との密着性評価方法としてクロスハッチテスト(JIS K 5600−5−6)を行った。上記インクジェット画像記録方法に従い描画した各々の画像Bの印画物に対して、クロスハッチテストを実施した。なお、評価は、JIS K5600−5−6に従い、0〜5の6段階評価とした。ここで、評価0がカットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にも剥がれがないことを意味する。0〜3が、実用上問題のない範囲である。
基材は塩化ビニルからなる白色の光沢シート(製品名:LAGマウント P−280RW(リンテック(株)製))を使用した。
画像Bの条件を出力し、白抜けの程度で印画濃度を評価した。
評価基準は以下の通りである。
5:白抜けがまったくなく、完全なベタ画像が得られる。
4:印刷物に1%以内の抜けがあるが、気にならない。
3:印刷物に1%を超え2%以内の抜けがあるが、許容できる。
2:印刷物に2%を超え5%以内の抜けがあるが、気になる。
1:印刷物に5%を超え10%以内の抜けがあるが、気になる。
評価点3以上が許容範囲である。
各色のベタ画像を印画し、光沢度計IG−410(HORIBA社製)を用いて、JIS K 5600で規定されている60度光沢度でグロス感を評価した。
評価基準は以下の通りである。
5:光沢度が20%以上あり、光沢感を感じる。
4:光沢度15以上20%未満で、光沢感を感じる。
3:光沢度10以上15%未満で、光沢感を許容できる。
2:光沢度が5%以上10%未満で光沢感をあまり感じない。
1:光沢度が5%未満で光沢感を感じない。
評価点3以上が許容範囲である。
・NVC:N−ビニルカプロラクタム(V−CAP、ISP社製)
・SR454(エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート(トリメチロールプロパンエチレンオキサイド3モル付加物をトリアクリレート化した化合物)、サートマー・ジャパン(株)製)
・CTFA:95質量%トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、5質量%トリメチロールプロパントリアクリレート(SR531、サートマー・ジャパン(株)製)
・PEA(フェノキシエチルアクリレート、共栄社化学(株)製)
・SR285(テトラヒドロフルフリルアクリレート、サートマー・ジャパン(株)製)
・CN964 A85(ウレタンアクリレートオリゴマー、平均官能基数2、サートマー・ジャパン(株)製)
・IRGACURE 819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819、BASF・ジャパン(株)製)
・TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、DAROCUR TPO、BASF・ジャパン(株)製)
・ITX:イソプロピルチオキサントン(LAMBSON社製)
・IRGACURE 184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF・ジャパン(株)製)
・UV−12:Tris(N−Nitroso−N−Phenylhydroxylamine)Almium Salt(Kroma Chem社製)
・OH−TEMPO:4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシ((株)ADEKA製)
・IRGANOX 1010:フェノール系化合物(d−2−20に該当)(BASF・ジャパン製)
・Tinuvin 770DF:ヒンダードアミン系化合物(BASF・ジャパン製)
100:インクジェット記録装置、110:インクジェットヘッド、112:ヘッド、114:ノズル、116:硬化光源、118:キャリッジ、119:ガイド、120:記録媒体、130:キャリッジ走査機構、132:記録媒体搬送機構、134:画像入力インターフェース、136:画像処理部、138:制御部、
202:制御装置、204:記録媒体搬送制御部、206:キャリッジ駆動制御部、208:光源制御部、210:画像処理部、212:吐出制御部、214:搬送駆動部、216:主走査駆動部、218,219:LED駆動回路、220:入力装置、222:表示装置、224:情報記憶部、226:画像入力インターフェース、228:ヘッド駆動回路、230:エンコーダ、232:センサ
Claims (12)
- 活性エネルギーの付与により硬化する硬化性インクを吐出するノズルが第1の方向に所定のピッチPで配置されたノズル列であり、かつ、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクを吐出するN個(N≧4)のインク毎のノズル列を有し、前記各ノズル列は、前記第1の方向について、ノズルがずらして配置されているインクジェットヘッドと、
前記ノズルから吐出され、記録媒体の記録面に打滴されたインク滴に前記活性エネルギーを付与する活性エネルギー付与手段と、
前記インクジェットヘッドと前記活性エネルギー付与手段とを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って配置して保持する保持手段と、
前記保持手段と前記記録媒体とを前記第2の方向に相対的に走査させる走査手段と、
前記走査手段による走査毎に、前記保持手段と前記記録媒体とを前記第1の方向に相対的に移動させる移動手段と、
前記保持手段により保持された前記インクジェットヘッド及び前記活性エネルギー付与手段を前記記録媒体の各領域に対して所定の回数だけ相対的に走査させながら前記記録媒体の記録面に画像を形成させる制御手段と、を備えたインクジェット記録装置を準備する準備工程、
記録媒体上に、前記インクジェット記録装置のインクジェットヘッドから少なくとも1種の前記インクを吐出する吐出工程、及び、
前記活性エネルギー付与手段から活性エネルギーを付与して、吐出された前記インクを硬化する硬化工程、を含み、
前記インクのうち、ブラック以外の少なくとも1種のインクがN−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物を含有することを特徴とする
インクジェット記録方法。 - 前記インクのうち、ブラック以外の各インクがいずれもN−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物を含有する、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクのうち、少なくとも1種のインクが波長300nm〜450nmに増感作用を有する化合物を更に含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記N−オキシル化合物が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−N−オキシル基を有する化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクのうち、ブラック以外の少なくとも1種のインクが、N−オキシル化合物及び/又はフェノール化合物を合計して、0.1質量%〜1質量%含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記各インクが、いずれもオキシルフリーラジカル系化合物及び/又はフェノール系化合物を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記各インクが、いずれも単官能ラジカル重合性モノマーを60質量%以上含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記各インクが、いずれも多官能ラジカル重合性化合物を0質量%〜30質量%含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクジェットヘッドのノズル密度が100npi以下であり、かつ吐出周波数が10kHz以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記吐出工程におけるインクジェットジェットのスキャンスピードが0.9m/s以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記各ノズル列が、第1の方向について、ノズルがP/Nずつずらして配置されている、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
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