JP6043259B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録基材に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し被記録基材上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
このようなインクジェット方式による画像形成装置(以下、「インクジェット装置」ともいう。)は、インクタンクからインク供給路を介して圧力室にインクを供給し、画像データに応じた電気信号を圧電素子に付与して圧電素子を駆動することにより、圧力室の一部を構成する振動板を変形させて、圧力室の容積を減少させ、圧力室内のインクを吐出口から液滴として吐出するようになっている。
上記のようなインクジェット装置においては、吐出口から吐出されたインクによって形成されるドットを組み合わせることによって被記録基材上に1つの画像が形成される。近年、インクジェットプリンタにおいても写真プリント並みの高画質な画像を形成することが望まれている。これに対して、吐出口の径を小さくして吐出口から吐出されるインク液滴を小さくすると共に、吐出口を高密度に配列して1画像あたりの画素数を多くすることによって高画質を実現することが考えられている。このような吐出口の配列を高密度化する方法として、従来、吐出口を2次元マトリクス状に配置することが提案されている。
また、インクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)としては、シャトル方式とライン方式(シングルパス方式)がある。
シャトル方式とは、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを基材の幅方向に走査させながら記録を行う方式である。この方式によれば、必要な吐出口の数が少なく、ヘッドを小さくできるため、低価格で装置を提供できるという利点があるが、装置の生産性が低いという欠点がある。
シングルパス方式とは、基材の全域をカバーするフルラインヘッドを用いて、上記フルラインヘッドと基材とを相対的に一回だけ移動させる動作で、基材の全面に画像を形成する方式である。この方式によれば、上記シャトル方式による装置と比較して装置が高価格になるという欠点があるが、装置の生産性が高いという利点がある。
特許文献1には、ヘッド主走査方向に対して一定角度傾いた複数の行と、ヘッド主走査方向と直交する複数の列とにより構成された格子状に複数の吐出口を配列し、各吐出口に対応して設けられた圧力室の一面を形成する振動板の平面形状を概略正方形あるいは菱形とすることにより、圧力室の吐出効率を向上させると共に、吐出口を高密度に配置するようにした画像形成装置が記載されている。
また特許文献2には、吐出口を2次元マトリクス状に配置したヘッドをシングルパス方式のヘッドとして使用する画像形成装置が記載されており、液滴を吐出する複数のノズルが二次元配列された吐出面を有する液体吐出ヘッド、又は液滴を吐出する複数のノズルを備えた複数個のヘッドモジュールが千鳥状に配置された液体吐出ヘッドと、上記液体吐出ヘッドの上記ノズルから吐出された液滴を付着させる記録媒体を搬送する搬送手段と、上記搬送手段を支持する本体フレームと、上記本体フレームに対して上記液体吐出ヘッドを移動可能に支持するヘッド移動手段と、上記移動可能な上記液体吐出ヘッドを上記記録媒体への液滴吐出位置で上記本体フレームに固定するヘッド固定手段と、を備え、上記ヘッド固定手段は、上記搬送手段による上記記録媒体の搬送方向に対して直交する上記記録媒体の幅方向に上記液体吐出ヘッドを付勢するヘッド固定用の与圧付与手段を有し、上記ヘッド固定用の与圧付与手段のばね定数と上記液体吐出ヘッドの質量から規定される共振周波数が、上記液体吐出ヘッドのノズル配列における上記搬送方向のノズル間距離のうち、上記記録媒体上の上記幅方向に隣接するドットを形成するノズル並びの繋ぎ部に該当するノズル対の上記搬送方向の空間距離と、上記記録媒体の搬送時における上記搬送手段と上記液体吐出ヘッドの上記幅方向の相対振動周波数と、上記搬送手段による上記記録媒体の搬送速度と、に依存する振動ピッチの周波数成分と異なるように構成されることを特徴とする画像形成装置が記載されている。
特開2001−334661号公報 特開2012−71473号公報
特許文献1に記載の画像形成装置によれば、体積が異なる数種の液滴を使い分けることにより、非浸透媒体上に粒状性が低減された画像が得られる。
しかし、上記画像形成方法によれば、特に、小さな液滴を吐出する際に、液滴のサイズが吐出口間でばらつくことによって、画像中に周期的なスジ状のムラ(以下、単に「スジムラ」ともいう。)が発生するという問題点がある。
そこで、液滴のサイズを揃えるため、比較的大きな液滴のみを用いて画像を形成した場合、スジムラの発生は抑えられるが、画像の粒状性が強くなってしまう。
以上のように、マトリックスヘッドを用い、非浸透媒体上に画像を形成する場合、粒状性の低減とスジムラの低減を両立するのは困難である。
本発明が解決しようとする課題は、非浸透媒体の上に、シングルパス方式のマトリックスヘッドを使用して、画像中の粒状性が低減され、かつ、スジムラの発生を抑えた画像を形成することができる画像形成方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の解決手段<1>により解決された。好ましい実施形態である<2>〜<9>と共に列記する。
<1>非浸透媒体上に、2以上のインクジェットヘッドから、それぞれ色相の異なる紫外線硬化型インク組成物を吐出する吐出工程と、吐出された上記インク組成物を、各色のインク組成物の吐出終了ごとに紫外線照射により半硬化する工程と、酸素濃度1体積%以下の雰囲気において紫外線を照射して上記インク組成物を完全硬化する工程と、をこの順で含み、上記インクジェットヘッドは、複数の吐出口を有するノズルプレートを備え、上記複数の吐出口が、上記非浸透媒体の進行方向に対して4×4以上の2次元マトリックス状に配列され、配列された上記複数の吐出口の密度は600npi以上であり、上記インクジェットヘッドはシングルパス方式であり、吐出される上記インク組成物の液量が10pl〜20plであり、上記吐出工程において、少なくともマゼンタインク、ライトマゼンタインク、シアンインク、及び、ライトシアンインクの4色のインク組成物を吐出することを特徴とする画像形成方法、
<2>印刷速度が20m/min以上である、<1>に記載の画像形成方法、
<3>上記非浸透媒体上に下塗り液を付与する下塗り工程と、上記下塗り液を紫外線照射により半硬化させる下塗り液半硬化工程と、半硬化された上記下塗り液上に上記インク組成物を吐出する吐出工程と、をこの順で含む、<1>又は<2>に記載の画像形成方法、
<4>上記非浸透媒体が、全膜厚が10μm〜90μmであり、かつ、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びナイロンフィルムよりなる群から選択された1又は2以上の樹脂フィルムを含む、単層又は積層の基材である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の画像形成方法、
<5>パッケージ印刷用である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の画像形成方法、
<6>上記インク組成物を完全硬化する工程における紫外線光源が、UV−LED、及び/又は、UV−LDである、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の画像形成方法、
<7>上記インクジェットヘッドは、上記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、上記複数の圧力室のそれぞれにインク組成物を供給する複数のインク供給口と、上記複数のインク供給口にインク組成物を供給する共通液室と、上記複数の圧力室のそれぞれを変形する複数の圧力発生手段と、を備える<1>〜<6>のいずれか1つに記載の画像形成方法、
<8>上記インクジェットヘッドが、上記共通液室を貫通するように配設され、かつ、上記圧力発生手段に駆動信号を供給する電気配線を更に備える、<7>に記載の画像形成方法、
<9>上記インクジェットヘッドが備える、上記圧力室及び上記共通液室が、上記圧力発生手段の反対側に配置されている、<7>又は<8>に記載の画像形成方法。
本発明によれば、非浸透媒体の上に、シングルパス方式のマトリックスヘッドを用いて、画像中の粒状性が低減され、かつ、スジムラの発生を抑えた画像を形成することができる画像形成方法を提供することができる。
インクジェットヘッドの内部構造の一例を示す概略断面図である。 ノズルプレートの吐出口配列の一例を示す概略図である。 ヘッド構造の一例を示す平面透視図である。 図3の一部を拡大して示す拡大図である。 図3及び図4A−A線断面図である。 ヘッド構造の一例を一部拡大して示す斜視透視図である。 ヘッド構造の一例を一部拡大して示す平面透視図である。 図7の9−9線断面図である。 画像形成装置の一例を示す概略図である。 窒素パージ露光機の一例を示す概略図である。 比較ヘッドの構造を示す平面透視図である。 比較ヘッドを使用した画像形成装置を示す概略図である。
本発明の画像形成方法は、必須の工程として、非浸透媒体(以下、単に「基材」ともいう。)上に、2以上のインクジェットヘッドから、それぞれ色相の異なる紫外線硬化型インク組成物を吐出する吐出工程(以下、「インク吐出工程」ともいう。)と、吐出された上記インク組成物を、各色のインク組成物の吐出終了ごとに紫外線照射により半硬化する工程(以下、「ピニング工程」ともいう。)と、酸素濃度1体積%以下の雰囲気において紫外線を照射して上記インク組成物を完全硬化する工程(以下、「硬化工程」ともいう。)とをこの順で含む構成としたものであり、必要に応じて、更にその他の工程を設けて構成することができる。
また、本発明の画像形成方法において、上記インクジェットヘッドは、複数の吐出口を有するノズルプレートを備え、上記複数の吐出口が、上記非浸透媒体の進行方向に対して4×4以上の2次元マトリックス状に配列され、配列された上記複数の吐出口の密度は600npi以上であり、上記インクジェットヘッドはシングルパス方式であり、吐出される上記インク組成物の液量が10pl〜20plであり、上記吐出工程において、少なくともマゼンタインク、ライトマゼンタインク、シアンインク、及び、ライトシアンインクの4色のインク組成物を吐出することを特徴とする(以下、ライトマゼンタインク及びライトシアンインクをまとめて、単に「ライトインク」ともいう。)。
以下、本発明の画像形成方法において必須の工程である、「インク吐出工程」、「ピニング工程」及び「硬化工程」について説明する。なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
(インク吐出工程)
インク吐出工程では、非浸透媒体上に、2以上のインクジェットヘッドから、それぞれ色相の異なる紫外線硬化型インク組成物(以下、単に「インク」、「インク組成物」ともいう。)を吐出して画像を形成する。本工程では、非浸透媒体上に画像状にインク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。
<非浸透媒体>
本発明における非浸透媒体とは、実質的に液滴が浸透しない基材をいう。「実質的に液滴が浸透しない」とは、例えば、1分後の液滴の浸透率が5%以下であることをいう。
上記非浸透媒体としては、公知の基材を制限なく使用することができ、合成樹脂、ゴム、樹脂コート紙、金属等が挙げられ、中でも合成樹脂を使用することが好ましい。また、これらの基材は、単層構成でもよく、2層以上の積層構成でもよい。
上記合成樹脂としては、公知の合成樹脂を制限なく使用することができるが、例えば、ポリ塩化ビニル;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリエチレン、及び、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、及び、ポリブタジエンテレフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;並びに、アクリル樹脂、ポリカーボネート、及び、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等や、ジアセテート、トリアセテート、ポリイミド、セロハン、及び、セルロイド等が挙げられる。
また、これら合成樹脂は透明であってもよいし、不透明であってもよい。上記合成樹脂の使用形態としては、いわゆる軟包装に用いられるフィルム状で用いることが好ましく、各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができる。各種プラスチック製のフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、及び、トリアセチルセルロースフィルムが例示でき、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、及び、ナイロンフィルムよりなる群から選択された1又は2以上の樹脂フィルムを含む、単層又は積層の基材が好適である。また、上記フィルムは、必要に応じて2軸延伸されていてもよい。
ポリエチレンテレフタレートフィルムは炭化水素系の有機化合物に対するバリア性が高いため、ナイロンフィルムは強度、耐熱性、耐寒性、及び、耐ピンホール性などに優れているため、また、ポリエチレンフィルム、及び、二軸延伸ポリプロピレンフィルムはヒートシール性が高いため、それぞれ好適である。また、上記フィルムを基材に積層することにより、基材にこれらの特性を与えることも可能である。
上記非浸透媒体の全膜厚は5μm〜90μmであることが好ましく、10μm〜80μmであることがより好ましい。なお、全膜圧とは、単層の基材であればその基材の膜圧をいい、積層の基材であれば、積層した基材の膜圧の合計値をいう。
樹脂フィルムの積層方法としては、公知の方法を特に制限なく使用することができ、ドライラミネ−ション、押出コーティング、共押出コーティングが例示できる。
また、上述したように、本発明の効果は、画像中の粒状性の低減とスジムラの減少である。上記効果により、印刷中に粒状性やスジムラを補正する必要がなくなり、結果として印刷時間を短縮することができる。そのため、本発明の画像形成方法は、高い生産性が要求されるパッケージ印刷用として好適であり、特に食品包装用のパッケージ印刷用として好適である。
<インクジェットヘッド>
本発明で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でもよい。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)が例示できるが、いずれの吐出方式を用いてもよい。なお、上記インクジェット法により記録を行う際に使用する吐出口等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
また、本発明における画像形成方法では2以上のインクジェットヘッドを使用する。
〔ノズルプレート〕
本発明における画像形成方法に用いられるインクジェットヘッドは、複数の吐出口を有するノズルプレートを備える。図1は、インクジェットヘッドの内部構造の一例を示す概略断面図である。
図1に示す例では、インクジェットヘッド200は、吐出口(ノズル)を有するノズルプレート11と、ノズルプレートの吐出方向と反対側に設けられたインク供給ユニット20とを備えている。ノズルプレート11には、インクを吐出する複数の吐出口12が設けられている。
本発明で用いるインクジェットヘッドが備えるノズルプレートには、複数の吐出口が、媒体の進行方向に対して4×4以上の2次元マトリックス状に配列されており、8×8以上であることが好ましく、32×32以上であることがより好ましい。
また、配列された上記複数の吐出口の密度は600npi以上であり、1,200npi以上であることが好ましい。なお、本発明でいうnpiとは、2.54cmあたりのノズル数を表す。
図2は、2次元マトリックス状に配列されたノズルプレートの配置の一例を示す概略図である。ノズルプレートは、例えば、図2に示すように、32×64個の吐出口が2次元マトリックス状に配置された構成を採用することができる。また、このノズルプレートの一部又は全部はシリコンで形成されている。ノズル口内及びインク吐出方向側の表面にはシリコンが露出した構造になっていてもよく、金属(シリコンを含む)の酸化物及び窒化物、並びに金属(シリコンを除く)の群から選ばれる少なくとも一種を含有する膜により被覆されていることが好ましい。
また、吐出口が2次元マトリックス状に配置されたノズルプレートを備えるインクジェットヘッドの構成例を図3〜図4を参照して説明する。
図3は、ヘッド構造の一例を示す平面透視図であり、図4はその一部を拡大して示す拡大図である。
図3に示したように、インクジェットヘッド550は、インク吐出口であるノズル551、各ノズルに対応する圧力室552、及び、インク供給口553からなる複数のインク室ユニット554を2次元マトリックス状に配置させた構造を有している。また、図中の424は基材である。
図4に示したように、主走査方向Mに対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿ってインク室ユニットを配置することにより、主走査方向に沿って並ぶように投影(正射影)される実質的なノズル間隔Pは、副走査方向の隣接ノズル間隔をLsとするとき、P=Ls/tanθで表すことができる。すなわち、インク室ユニットを2次元マトリックス状に配置することにより、実質的な吐出口の密度を高密度化することができる。本発明における吐出口の密度とは、上記の実質的な吐出口の密度をいう。
〔シングルパス方式〕
また、本発明で用いるインクジェットヘッドはシングルパス方式である。インクジェットヘッドとしては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを基材の幅方向に走査させながら記録を行うシャトル方式と、基材の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式(シングルパス方式)とがあるが、本発明ではシングルパス方式のインクジェットヘッドを使用する。シングルパス方式とは、基材の全域をカバーするフルラインヘッドを用いて、上記フルラインヘッドと基材とを相対的に一回だけ移動させる動作で、基材の全面に画像を形成する態様である。このようなシングルパス方式の例としては、特開2005−96443号公報、特開2005−280346号公報に記載がある。つまり、シングルパス方式では、フルラインヘッドの素子配列方向と直交する方向に基材を走査させることで基材の全面に画像記録を行うことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と基材との複雑な走査制御が不要になり、基材だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。本発明の画像形成方法は、これらのいずれにも適用可能である。
〔圧力室、インク供給口、共通液室、圧力発生手段〕
本発明におけるインクジェットヘッドは、複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、上記複数の圧力室のそれぞれにインク組成物を供給する複数のインク供給口と、上記複数のインク供給口にインク組成物を供給する共通液室と、上記複数の圧力室のそれぞれを変形する複数の圧力発生手段とを備えることが好ましい。
図1において、インク供給ユニット20は、ノズルプレート11の複数の吐出口12のそれぞれとノズル連通路22を介して連通する複数の圧力室21と、複数の圧力室21のそれぞれにインクを供給する複数のインク供給流路23と、複数のインク供給流路23にインクを供給する共通液室25と、複数の圧力室21のそれぞれを変形する圧力発生手段30とを備えている。
インク供給流路23は、インク供給ユニット20とノズルプレート11との間に形成されており、共通液室25に供給されたインクが送液されるようになっている。このインク供給流路23には、圧力室21との間を繋ぐ供給調整路24の一端が接続されており、インク供給流路23から供給されるインク量を所要量に絞って圧力室21に送液することができる。供給調整路24は、インク供給流路23に複数設けられ、このインク供給流路23を介して圧力発生手段30に隣接して設けられた圧力室21にインクが供給される。
このように、複数の吐出口にインクを多量に供給することが可能である
圧力発生手段30は、圧力室21側から振動板31、接着層32、下部電極33、圧電体層34、上部電極35を順に積み重ねて構成されたアクチュエータ(圧電素子)であり、外部から駆動信号を供給する電気配線が接続されて駆動されるようになっている。圧力室21の天面を構成している振動板(加圧板)31に圧電体層34が電極と共に接合されており、電極に電圧印加することにより画像信号に応じてアクチュエータが変形し、インクがノズル連通路を介してノズルから吐出される。インクが吐出されると、共通液室25からインク供給流路23を通って新しいインクが圧力室21に供給される。
また、吐出口12の近傍には、循環絞り41が設けられており、常時インクが循環路42へ回収されるようになっている。これにより、非吐出時の吐出口近傍のインクの増粘を防止することができる。
図5は、図3及び図4のA−A線断面図であり、上記圧力室、インク供給口、供給流路、圧力発生手段の配置の一例を示す概略断面図である。
図5に示すように、インクジェットヘッド550は、ノズル551が形成されたノズルプレート551Aと圧力室552や共通液室555等の流路が形成された流路板552P等を積層接合した構造からなる。ノズルプレート551Aは、インクジェットヘッド550のノズル面(インク吐出面)550Aを構成し、各圧力室552にそれぞれ連通する複数のノズル551が2次元的に形成されている。
流路板552Pは、圧力室552の側壁部を構成すると共に、共通液室555から圧力室552にインクを導く個別供給路の絞り部(最狭窄部)としてのインク供給口553を形成する流路形成部材である。なお、説明の便宜上、図5では簡略的に図示しているが、流路板552Pは一枚又は複数の基板を積層した構造である。
ノズルプレート551A及び流路板552Pは、シリコンを材料として半導体製造プロセスによって所要の形状に加工することが可能である。
共通液室555はインク供給源であるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通液室555を介して各圧力室552に供給される。
圧力室552の一部の面(図5において天面)を構成する振動板556には、個別電極557を備えたピエゾアクチュエータ558が接合されている。本例の振動板556は、圧電素子558の下部電極に相当する電極パッド559として機能するニッケル(Ni)導電層付きのシリコン(Si)からなり、各圧力室552に対応して配置されるピエゾアクチュエータ558の共通電極を兼ねる。なお、樹脂などの非導電性材料によって振動板を形成する態様も可能であり、この場合は、振動板部材の表面に金属などの導電材料による共通電極層が形成される。また、ステンレス鋼(SUS)など、金属(導電性材料)によって共通電極を兼ねる振動板を構成してもよい。
個別電極557に駆動電圧を印加することによってピエゾアクチュエータ558が変形して圧力室552の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル551からインクが吐出される。インク吐出後、ピエゾアクチュエータ558が元の状態に戻る際、共通液室555からインク供給口553を通って新しいインクが圧力室552に再充填される。
なお、インクジェットヘッドにおける各ノズルから液滴を吐出させるための吐出用の圧力(吐出エネルギー)を発生させる手段は、ピエゾアクチュエータ(圧電素子)に限らず、サーマル方式(ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させる方式)におけるヒータ(加熱素子)や他の方式による各種アクチュエータなど様々な圧力発生素子(エネルギー発生素子)を適用し得る。ヘッドの吐出方式に応じて、相応のエネルギー発生素子が流路構造体に設けられる。
〔ノズルの高密度化〕
また、本発明におけるインクジェットヘッドは、上記共通液室を貫通するように配設され、かつ、上記圧力発生手段に駆動信号を供給する電気配線を更に備えることが好ましい。
吐出口密度の高密度化のため、圧力室を変形する圧力発生手段の電極(個別電極)に駆動信号を供給する電気配線を、各個別電極から垂直に立ち上げて共通液室中を貫通するようにして上部のフレキシブルケーブル等の配線へと接続することができる。
図6に、このような吐出口密度が高密度化されたインクジェットヘッドの一例を、簡単化して斜視透視図で示す。
図6に示すインクジェットヘッド550は、ノズル551とインク供給口553を有する圧力室552の上側に、圧力室552の上面を形成する振動板556が配置され、振動板556上の各圧力室552に対応する部分に上下を電極で挟んだピエゾ等の圧電体で構成される圧力発生手段としての圧電素子558(圧電アクチュエータ)が配置され、圧電素子558はその上面に個別電極557を有している。
そして、この個別電極557の端面から外側へ電極接続部としての電極パッド559が引き出されて形成され、電極パッド559上に共通液室555を貫通する電気配線190が圧電素子558(圧力発生手段)を含む面に略垂直に立ち上がって形成されている。また、その製造工程において、電気配線190は図6に示すようにテーパ状に形成されることが好ましい。
この電気配線190の上には多層フレキシブルケーブル192が配置され、これらの配線を介して駆動信号を圧電素子558の個別電極557に供給することができる。
また、図6では図示を省略したが、共通液室555はインクで満たされるため、共通電極としての振動板556、個別電極557、電気配線190及び多層フレキシブルケーブル192のインクと接触する面はそれぞれ絶縁性の保護膜で覆われることが好ましい。
図7に、図6に示した圧力室552の一部を、拡大した平面透視図で示す。各圧力室552は略正方形状であり、その対角線の両隅にノズル551及びインク供給口553が形成され、ノズル551側に電極パッド559を引き出して、その上に電気配線190が形成されている。
また、本発明におけるインクジェットヘッドが備える、上記圧力室及び上記共通液室が、上記圧力発生手段の反対側に配置されていることが好ましい。
上記構成の一例を、図7中の一点鎖線、9−9線に沿った断面図として図8に記載した。
図8に示すように、インクジェットヘッド550は、複数の薄膜等が積層されて形成されることが好ましい。例えば、ノズル551が形成されたノズルプレート194の上に、圧力室552、インク供給口553及び圧力室552とノズル551を結ぶノズル流路551a等が形成された流路プレート196が積層される。図では流路プレート196は、1枚のプレートのように表されているが、実際は、流路プレート196は更に複数のプレートが積層されて形成されてもよい。
流路プレート196の上には、圧力室552の天面を形成する振動板556が積層される。振動板556は個別電極557と共に後述する圧電素子558を駆動するための共通電極をも兼ねていることが好ましい。また、振動板556には圧力室552のインク供給口553に対応する開口部が設けられ、これにより圧力室552と振動板556の上側に形成される共通液室555とが直接連通する。
振動板556上の圧力室552上面の略全面に対応する部分に圧電体558aが形成され、圧電体558aの上面には個別電極557が形成される。このようにしてその上下を共通電極(振動板556)と個別電極557で挟まれた圧電体558aは、共通電極(振動板556)と個別電極557によって電圧が印加されると変形して圧力室552の体積を減少させ、ノズル551からインクを吐出させる圧電素子558を構成する。
個別電極557のノズル551側端部は、外側へ引き出され電極接続部としての電極パッド559が形成される。そして、この電極パッド559の上に垂直に柱状の電気配線190が共通液室555を貫通するように形成される。
電気配線190の上部には、多層フレキシブルケーブル192が形成され、多層フレキシブルケーブル192に形成される図示を省略した各配線が各電気配線190に電極パッド190aで接続し、各圧電素子558を駆動するための駆動信号がそれぞれの電気配線190を通じて供給されるようになっている。
また、振動板556と多層フレキシブルケーブル192との間の柱状の電気配線190(エレキ柱)が林立する空間は圧力室552に供給するためのインクをプールする共通液室555となっており、ここにはインクが充満するため、振動板556、個別電極557、圧電体558a及び電気配線190、更に多層フレキシブルケーブル192のインクに接する表面部分には絶縁・保護膜198が形成される。
このように、圧力発生手段に関して圧力室と同じ側にあった共通液室を、振動板の上側に持って行き、圧力室とは圧力発生手段を挟んで反対側に配置するようにすることにより、従来必要であった共通液室から圧力室にインクを導くための配管等が不要となり、ノズルの高密度化を達成することができる。また、共通液室のサイズを大きくすることができるためインクの供給が安定し、高密度化した場合においても高周波での駆動が可能となる。
<紫外線硬化型インク組成物>
本発明で用いられる紫外線硬化型インク組成物としては、特に限定されず、公知の紫外線硬化型インク組成物を使用することができる。
本発明で用いられる紫外線硬化型インク組成物としては、重合性化合物、重合開始剤、界面活性剤、重合禁止剤、着色剤、分散剤を含むことが好ましい。
〔重合性化合物〕
本発明のインク組成物は、重合性化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる重合性化合物は、付加重合性化合物であることが好ましく、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物であることがより好ましい。
また、本発明に用いることができる重合性化合物は、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよく、また、例えば、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを併用してもよい。これらの中でも、ラジカル重合性化合物を使用することが好ましい。
本発明に用いることができるラジカル重合性化合物としては、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に制限はなく、公知のラジカル重合性化合物を用いることができる。
ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−80675号等の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料が知られている。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は目的とする特性を向上させるために任意の比率で1種を含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
本発明に用いることができるラジカル重合性化合物としては、ビニル基、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基、及び、N−ビニル基よりなる群から選択されたエチレン性不飽和二重結合基を有するラジカル重合性モノマーを好ましく例示できる。
本発明において、ラジカル重合性化合物として、(メタ)アクリレート化合物が好ましく例示できる。以下、詳述する。
≪(メタ)アクリレート化合物≫
本発明のインク組成物は、硬化性の観点から(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
(メタ)アクリレート化合物は、分子量が1,000以下の低分子であることが好ましく、分子量200〜750であることが好ましい。
(メタ)アクリレート化合物は、メタクリレート化合物及び/又はアクリレート化合物を意味し、アクリレート化合物であることがより好ましい。
(メタ)アクリレート化合物は、多官能(メタ)アクリレート化合物及び単官能(メタ)アクリレート化合物のいずれでもよく、特に限定されないが、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
≪多官能(メタ)アクリレート化合物≫
本発明に使用するインク組成物は、重合性化合物として、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる多官能(メタ)アクリレート化合物は、アクリルオキシ基及びメタクリルオキシ基よりなる群から選択される基を2つ以上有する多官能モノマーである。多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することで、硬化性に優れ、高い硬化膜強度を有するインク組成物が得られる。
本発明において、インク組成物は、多官能(メタ)アクリレート化合物を含有することが好ましい。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド2モル付加物をジ(メタ)アクリレート化した化合物、以下、「エチレンオキサイド」を「EO」ともいう。)、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド2モル付加物をジ(メタ)アクリレート化した化合物)、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が例示され、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましく、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、3−メチルペンタンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
多官能(メタ)アクリレート化合物のインク組成物の総量に対する含有量は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。また、上記インク組成物が実質的に多官能アクリレート化合物のみで構成されていることが更に好ましい。「実質的に多官能アクリレート化合物のみで構成されている」とは、多官能アクリレート化合物のインク組成物の総量に対する含有量が95質量%以上であることをいう。多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量が上記範囲であると、低酸素濃度下で硬化した場合に残存モノマーを極めて少なくでき、また臭気を極めて少なくできるため好ましい。
≪単官能(メタ)アクリレート化合物≫
本発明のインク組成物は、単官能(メタ)アクリレート化合物を使用してもよい。単官能(メタ)アクリレート化合物としては、特開2009−221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009−209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009−191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が例示できる。
単官能(メタ)アクリレート化合物として、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、5−(メタ)アクリロイルオキシメチル−5−エチル−1,3−ジオキサシクロヘキサン、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、2−α−ナフチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−β−ナフチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−アントリル(メタ)アクリレート、9−アントリル(メタ)アクリレート、1−フェナントリル(メタ)アクリレート、2−フェナントリル(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−クミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−フリル(メタ)アクリレート、2−フルフリル(メタ)アクリレート、2−チエニル(メタ)アクリレート、2−テニル(メタ)アクリレート、1−ピロリル(メタ)アクリレート、2−ピリジル(メタ)アクリレート、2−キノリル(メタ)アクリレート等が例示される。
中でも、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、イソボロニルアクリレート、ラウリルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートが特に好ましい。
≪その他の重合性化合物≫
本発明のインク組成物は、上記成分(メタ)アクリレートモノマーの他に、その他の重合性化合物を含有してもよく、上記その他の重合性化合物として、(メタ)アクリルアミド類、N−ビニルラクタム類、ラジカル重合性オリゴマーが例示される。
−(メタ)アクリルアミド類−
本発明のインク組成物は、重合性化合物として、(メタ)アクリルアミド類を含有してもよい。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドなどが例示でき、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−2−フェニル)エチル(メタ)アクリルアミド、N−ジフェニルメチル(メタ)アクリルアミド、N−フタルイミドメチル(メタ)アクリルアミド、N−(1,1’−ジメチル−3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル))プロピル(メタ)アクリルアミド等用いることが好ましくN,N−ジメチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドを用いることが更に好ましい。
〔重合開始剤〕
本発明に用いられるインク組成物は、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、及び、カチオン重合開始剤が挙げられるが、ラジカル重合開始剤を含有することがより好ましい。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤を使用することができる。本発明に用いることができる重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカル重合開始剤とカチオン重合開始剤とを併用してもよい。
本発明に用いることのできる重合開始剤は、紫外線を吸収して重合開始種を生成する化合物が好ましい。
本発明に用いることができる重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、及び(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独若しくは組み合わせて使用してもよい。上記重合開始剤の詳細については、当業者に公知であり、例えば、特開2009−185186号公報に記載されている。
本発明における重合開始剤は1種単独又は2種以上の併用によって好適に用いられるが、2種以上を併用することが好ましい。
重合開始剤としては、ビスアシルホスフィン化合物、モノアシルホスフィン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、チオキサントン化合物、及び、チオクロマノン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を使用することが好ましく、ビスアシルホスフィン化合物、モノアシルホスフィン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、チオキサントン化合物、及び、チオクロマノン化合物よりなる群から選ばれた少なくとも2種の化合物を使用することがより好ましい。
ビスアシルホスフィン化合物及びモノアシルホスフィン化合物としては、特開2009−096985号公報の段落0080〜0098に記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物及びモノアシルホスフィン化合物が好ましく挙げられる。
中でも、ビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
また、モノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが好ましい。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
α−アミノケトン化合物としては、2−メチル−1−フェニル−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(ヘキシル)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−エチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
チオキサントン化合物としては、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、及び、4−イソプロピルチオキサントンが好ましく挙げられる。
チオクロマノン化合物としては、下記(I−1)〜(I−31)が好ましく挙げられ、(I−14)、(I−17)、及び、(I−19)がより好ましく挙げられ、(I−14)が特に好ましく挙げられる。
Figure 0006043259
Figure 0006043259
≪増感剤≫
本発明における重合開始剤には、特定の紫外線を吸収して重合開始剤の分解を促進させるため、増感剤として機能する化合物(以下、単に「増感剤」ともいう。)を含んでもよい。
増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)、ベンゾフェノン類(例えば、ベンゾフェノン等)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン等)、チオクロマノン類(例えば、チオクロマノン等)等が挙げられる。
中でも、増感剤としては、チオキサントン類が好ましく、イソプロピルチオキサントンがより好ましい。
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることができるインク組成物は、増感剤として下記式(1)又は式(2)で表される化合物を少なくとも含むことが好ましい。式(1)又は式(2)で表される化合物を用いることにより、膜中成分の外部への溶出量(マイグレーション)が少なく、印刷物の臭気がより抑制され、硬化性及び耐ブロッキング性に優れるインクジェットインク組成物が得られる。
また、本発明に用いることができる下塗り液は、下記式(1)又は式(2)で表される化合物を含んでいてもよい。
Figure 0006043259
(式(1)及び式(2)中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、x及びyはそれぞれ独立に、2〜4の整数を表し、j及びmはそれぞれ独立に、0〜4の整数を表し、k及びnはそれぞれ独立に、0〜3の整数を表し、j、k、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X1は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むx価の連結基を表し、X2は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むy価の連結基を表す。)
−式(1)で表される化合物−
上記インク組成物は、増感剤として、式(1)で表される化合物を含有することが好ましい。
式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、上記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、また、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示され、塩素原子であることが好ましい。
これらの中でも、R1及びR2はそれぞれ独立にエチル基、イソプロピル基又は塩素原子であることが特に好ましい。
式(1)中、jは0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。jが2以上の整数の場合、複数存在するR1は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、kは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。kが2以上の整数の場合、複数存在するR2は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、xは2〜4の整数を表し、3又は4であることが好ましく、4であることがより好ましい。
式(1)中、X1はエーテル結合(−O−)及び/又はエステル結合(−(C=O)−O−)を含んでいてもよい炭素数2〜300のx価の炭化水素鎖からなる、x価の連結基を表す。
なお、式(1)において、連結基であるX1を除いたチオキサントン構造(式(1)中、[ ]内に表された構造)を複数(x個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物において、チオキサントンへの置換位置を以下のように表すこととする。
Figure 0006043259
1の置換位置が1〜4位であるとした場合、X1の置換位置は、2位、3位又は4位であることが好ましく、2位又は4位であることがより好ましく、4位であることが更に好ましい。
1の置換位置は、特に限定されないが、6位又は7位であることが好ましく、6位であることがより好ましい。
また、R2の置換位置は、特に限定されないが、1位、2位又は3位であることが好ましく、1位であることがより好ましい。
式(1)で表される化合物は、下記式(1’)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006043259
式(1’)におけるR1、R2、j及びkは、式(1)におけるR1、R2、j及びkとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(1’)中、R11はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(1’)中、rはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、rが2以上のとき、複数存在するR11はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
x’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
1は少なくともx’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、x’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(x’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からx’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
式(1’)中、A1は下記(i)〜(iii)よりなる群から選択される基を表す。
Figure 0006043259
(式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、zは1〜20の整数を表し、*はカルボニル炭素との結合位置を表し、**はY1との結合位置を表す。)
1は、式(i)で表される基であることが好ましく、*−(OCH2CH2z−**、*−(OCH2CH2CH2CH2z−**、又は、*−O(CH(CH3)CH2z−**であることがより好ましい。この場合、zは3〜10の整数であることがより好ましい。
式(1)で表される化合物の分子量は、500〜3,000であることが好ましく、800〜2,500であることがより好ましく、1,000〜2,000であることが更に好ましい。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、式(1)で表される化合物が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
以下に式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 0006043259
Figure 0006043259
これらの中でも化合物(I−A)又は(I−E)が好ましく、化合物(I−E)がより好ましい。
式(1)で表される化合物として、上市されている化合物を使用することもできる。具体的には、SPEEDCURE 7010(1,3-di({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)])oxy)-2,2-bis({α-[1-chloro-9-oxo-9H-thioxanthen-4-yl]oxy}acetylpoly[oxy(1-methylethylene)])oxymethyl)propane、CAS No. 1003567-83-6)、OMNIPOL TX(Polybutyleneglycol bis(9-oxo-9H-thioxanthenyloxy)acetate、CAS No. 813452-37-8)が例示される。
式(1)で表される化合物は、公知の反応により製造することができ、特に限定されないが、例えば、上記式(1’)で表される化合物は、下記式(1−1)で表される化合物と、下記式(1−2)で表される化合物とを反応させることにより調製することができる。
Figure 0006043259
式(1−1)及び式(1−2)におけるR1、R2、R11、A1、Y1、j、k、r及びx’は、式(1’)におけるR1、R2、R11、A1、Y1、j、k、r及びx’と同義であり、好ましい範囲も同様である。
上記の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましく、適当な溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示される。
また、触媒下で行うことが好ましく、触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
反応終了後、反応混合物から公知の手段によって単離し、必要に応じて洗浄し、乾燥することによって、生成物を分離することができる。
−式(2)で表される化合物−
上記インク組成物は、増感剤として、式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006043259
(式(2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、mは0〜4の整数を表し、nは0〜3の整数を表し、yは2〜4の整数を表し、m及びnが2以上の整数のとき、複数存在するR3及びR4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、X2は炭化水素鎖、エーテル結合、エステル結合のいずれかを少なくとも含むy価の連結基を表す。)
式(2)中、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、又は、ハロゲン原子を表し、上記炭素数1〜5のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましく、また、炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、炭素数2又は3のアルキル基であることがより好ましく、エチル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が例示され、塩素原子であることが好ましい。R3及びR4は、エチル基、イソプロピル基又は塩素原子であることが特に好ましい。
式(2)中、mは0〜4の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。mが2以上の整数の場合、複数存在するR3は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、nは0〜3の整数を表し、0〜2であることが好ましく、0又は1であることがより好ましく、0であることが更に好ましい。nが2以上の整数の場合、複数存在するR4は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(2)中、yは2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることがより好ましい。
式(2)中、X2は炭化水素鎖、エーテル結合(−O−)及びエステル結合(−(C=O)−O−)よりなる群から選択された少なくとも1つを含むy価の連結基を表す。
なお、式(2)において、連結基であるX2を除いたベンゾフェノン構造(式(2)中、[ ]内に表された構造)を複数(y個)有するが、それらは互いに同一でも異なっていてもよく特に限定されない。合成上の観点からは、同一であることが好ましい。
上記式(2)で表される化合物において、ベンゾフェノンへの置換位置を以下のように表すこととする。
Figure 0006043259
2の置換位置が1〜5位であるとした場合、X2の置換位置は、2位又は3位であることが好ましく、3位であることがより好ましい。
3の置換位置は、特に限定されないが、2’位又は3’位であることが好ましく、3’位であることがより好ましい。
また、R4の置換位置は、特に限定されないが、2位、3位又は4位であることが好ましい。
式(2)で表される化合物は、下記式(2’)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006043259
式(2’)におけるR3、R4、m及びnは、式(2)におけるR3、R4、m及びnとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
式(2’)中、R21はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
式(2’)中、tはそれぞれ独立に1〜6の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、tが2以上のとき、複数存在するR21はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
y’は2〜4の整数を表し、2又は3であることが好ましく、2であることが更に好ましい。
2は少なくともy’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基を表し、y’個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物から全て(y’個)のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールよりなる群から選択されたポリヒドロキシ化合物からy’個のヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましく、また、全てのヒドロキシ基の水素原子を除いた残基であることが好ましい。
式(2’)中、A2は下記式(i)〜式(iii)よりなる群から選択される基を表す。
Figure 0006043259
(式(i)〜式(iii)中、R12及びR13のいずれか一方は水素原子を表し、他方は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、aは1又は2の整数を表し、bは4又は5の整数を表し、zは1〜20の整数を表す。なお、*はカルボニル炭素との結合位置を示し、**はY2との結合位置を示す。)
2は、式(i)で表される基であることが好ましく、*−(OCH2CH2z−**、*−(OCH2CH2CH2CH2z−**、又は、*−O(CH(CH3)CH2z−**であることがより好ましい。この場合、zは3〜10の整数であることがより好ましい。
式(2)で表される化合物の分子量は、500〜3,000であることが好ましく、800〜2,500であることがより好ましく、1,000〜2,000であることが更に好ましい。
分子量が500以上であると、硬化膜からの化合物の溶出が抑制され、マイグレーション、臭気及びブロッキングが抑制されたインク組成物が得られる。一方、3,000以下であると、分子の立体障害が少なく、また、分子の液/膜中での自由度が維持され、高い感度が得られる。
なお、式(2)で表される化合物が、炭素数等が異なる複数の化合物の混合物である場合、重量平均分子量が上記の範囲であることが好ましい。
以下に式(2)で表される化合物の具体例を示すが、本発明は以下の化合物に限定されるものではない。
Figure 0006043259
Figure 0006043259
式(2)で表される化合物として、上市されている化合物を使用することもできる。具体的には、OMNIPOL BP(Polybutyleneglycol bis(4-benzoylphenoxy)acetate、CAS No. 515136-48-8)が例示される。
式(2)で表される化合物は、公知の反応により製造することができ、特に限定されないが、例えば、上記の式(2’)で表される化合物は、下記式(2−1)で表される化合物と、下記式(2−2)で表される化合物とを反応させることにより調製することができる。
Figure 0006043259
(式(2−1)及び式(2−2)におけるR3、R4、R21、A2、Y2、m、n、t及びy’は式(2’)におけるR3、R4、R21、A2、Y2、m、n、t及びy’とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。)
上記の反応は溶媒の存在下で行うことが好ましく、適当な溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素が例示される。
また、触媒下で行うことが好ましく、触媒としては、スルホン酸(例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸)、無機酸(例えば、硫酸、塩酸、リン酸)、ルイス酸(塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オルガノチタネート)等が例示できる。
反応温度及び反応時間は特に限定されない。
反応終了後、反応混合物から公知の手段によって単離し、必要に応じて洗浄し、乾燥することによって、生成物を分離することができる。
式(2)で表される化合物の含有量は、高感度化、並びに、マイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制する観点から、インク組成物全体の1〜5質量%であることが好ましく、2〜4質量%であることが更に好ましい。
また、式(2)で表される化合物としては、式(2−1)で表される化合物がより好ましい。
式(1)又は式(2)で表される化合物の含有量は、インク組成物全体の0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜8.0質量%であることがより好ましく、0.1〜5.0質量%であることが更に好ましく、0.1〜2.4質量%であることが特に好ましい。上記範囲内であると、硬化性に優れる。
重合開始剤の総含有量は、インク組成物全体の1.0〜15.0質量%であることが好ましく、1.5〜10.0質量%であることがより好ましく、3.0〜8.0質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、硬化性に優れる。
また、重合開始剤と、それらと併用される重合性化合物との含有比(質量比)としては、それぞれ、重合開始剤:重合性化合物=0.5:100〜30:100であることが好ましく、1:100〜15:100であることがより好ましく、2:100〜15:100であることが更に好ましい。
本発明におけるインク組成物は、マイグレーション、臭気及びブロッキングを抑制する観点から、分子量が340未満の重合開始剤を含有しないか、又は、その含有量がインク組成物全体の0質量%を超え1.0質量%以下であることが好ましく、含有しないか、又は、0質量%を超え0.5質量%以下であることがより好ましく、含有しないか、又は、0質量%を超え0.3質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。
〔界面活性剤〕
本発明に用いられるインク組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。
上記界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤又はアセチレングリコール系界面活性剤が好ましく、シリコン系界面活性剤又はアセチレングリコール系界面活性剤のいずれか一方を含有していても、両方を含有していてもよい。
また、本発明のインク組成物は、表面張力調整剤を1種単独で含有していても、2種以上含有していてもよい。
シリコン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコン系界面活性剤、メチルスチレン変性シリコン系界面活性剤、オレフィン変性シリコン系界面活性剤、アルコール変性シリコン系界面活性剤、アルキル変性シリコン系界面活性剤、ポリジアルキルシロキサン類などが挙げられる。
また、シリコン系界面活性剤としては、広く市販品が使用でき、例えばBYK307、322、323、331、333、347、348、349、377、378、UV3510、3570、(ビックケミー社製)、KF351、352、353、354、355、412、413、414、618、945、8012、865、6001、6002(信越シリコン(株)製)、TSF4440、4460、4700、4701、4421(GE東芝シリコン(株)製)、などが挙げられる。
上記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキシド付加物等を挙げることができ、これから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの化合物の市販品としては例えば、日信化学工業社のオルフィンE1010などのEシリーズを挙げることができる。
界面活性剤(表面張力調整剤)をインク組成物に含有する場合、界面活性剤はインクジェット方式によりインク組成物の吐出を良好に行う観点から、インク組成物の表面張力を20〜60mN/mに調整できる範囲の量を含有することが好ましく、表面張力の点からはより好ましくは20〜45mN/mであり、更に好ましくは25〜40mN/mである。
インク組成物中における界面活性剤の具体的な量としては、上記表面張力となる範囲が好ましいこと以外は特に制限はなく、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%であり、更に好ましくは0.1〜3質量%である。
〔重合禁止剤〕
また、本発明のラジカル重合性組成物は、保存性、及び、ヘッド詰まりの抑制という観点から、重合禁止剤を含有することが好ましい。
重合禁止剤の含有量は、インク組成物の全質量に対し、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
また、本発明のインク組成物は、重合禁止剤を1種単独で含有していても、2種以上含有していてもよい。
重合禁止剤としては、ニトロソ系重合禁止剤や、ヒンダードアミン系重合禁止剤、ハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl等が挙げられる。これらの中でも、ニトロソ系重合禁止剤が好ましく、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、ニトロソベンゼン、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミン)アンモニウム塩等が挙げられ、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミン)アンモニウム塩が特に好適である。
〔着色剤〕
また、本発明のインク組成物を着色インク組成物として使用する場合には、以下の着色剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。本発明において好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
≪顔料≫
本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、
青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17−1,22,27,28,29,36,60、
緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、
黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、
黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、
白色顔料としては、PigmentWhite 6,18,21
などが目的に応じて使用できる。
≪油溶性染料≫
以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。したがって、油溶性染料とは、いわゆる水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明に使用可能な上記油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明に使用可能な上記油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料;等を挙げることができる。
本発明に適用可能な上記油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料あるいはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料;等を挙げることができる。
上記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2;等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
本発明においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。
また、着色剤として油溶性染料を使用する際、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色剤を併用することもできる。
本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
本発明に使用することができる着色剤は、インク組成物に添加された後、適度に上記インク組成物内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、あらかじめ溶剤又は本発明に使用するラジカル重合性化合物のような分散基材に添加し、均一分散あるいは溶解させた後、配合することもできる。
本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、ラジカル重合性化合物のような分散基材にあらかじめ添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
これらの着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
なお、インク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、更に好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散基材の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
本発明において、インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.01〜30質量%であることが好ましい。
〔分散剤〕
本発明のインク組成物は、着色剤の分散性を向上させる目的で、分散剤を含有することが好ましい。
分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、質量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤としては、DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、DISPERBYK−111、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、DISPERBYK−182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(Noveon社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123((株)ADEKA製)、イオネットS−20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS−860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.05〜15質量%であることが好ましい。
〔その他の成分〕
本発明のインク組成物には、必要に応じて、上記各成分以外に、有機溶剤、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、高分子化合物、塩基性化合物、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を含んでいてもよい。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009−221416号公報に記載されているものが挙げられる。
≪有機溶剤≫
本発明のインク組成物には、基材との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加してもよい。
本発明のインク組成物に用いることができる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶剤などが挙げられる。
また、本発明におけるインク組成物が有機溶剤を含有する場合は、インク吐出工程と硬化工程の間に乾燥工程を設けることが好ましい。
有機溶剤を含有する場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3重量%の範囲である。
<インク吐出工程>
本発明の画像形成方法におけるインク吐出工程においては、2以上のインクジェットヘッドから、それぞれ色相の異なる紫外線硬化型インク組成物を吐出する。
具体的には、上述のインクジェットヘッドが備えるノズルプレートに配列された吐出口から、上述の紫外線硬化型インク組成物を、基材上にインクジェット法で付与する。本工程では、基材上に画像状にインク組成物を付与でき、所望の可視画像を形成できる。
上記ノズルプレートに配列された吐出口から吐出される液適量は10pl〜20plであり、10pl〜15plであることが好ましい。
また、上記インク組成物を吐出する吐出工程においては、少なくともマゼンタインク、ライトマゼンタインク、シアンインク、及び、ライトシアンインクの4色のインク組成物を吐出する。
上述のように、上記インク吐出工程においては、少なくともマゼンタインク、ライトマゼンタインク、シアンインク、及び、ライトシアンインクの4色を使用するが、他色のインク組成物を更に使用してもよい。
具体的には、ブラック、イエロー、及び、ホワイトのインク組成物を更に含有することも好ましく、この場合、インク組成物は、ブラックインク、イエローインク、ホワイトインク、マゼンタインク、シアンインク、ライトシアンインク、及び、ライトマゼンタインクの計7色で構成される。
本発明における「ライトシアンインク」とは、着色剤の含有量が「シアンインク」の1/3〜1/10となっているインク組成物をいい、上記含有量が1/5〜1/10であることが好ましい。
本発明における「ライトマゼンタインク」とは、着色剤の含有量が「マゼンタインク」の1/3〜1/10となっているインク組成物をいい、上記含有量が1/3〜1/5であることが好ましい。
吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の低い着色インク組成物から吐出することが好ましく、インク組成物として、ブラックインク、イエローインク、ホワイトインク、マゼンタインク、シアンインク、ライトシアンインク、及び、ライトマゼンタインクの計7色のインク組成物を使用する場合には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイトの順で支持体上に付与することが好ましい。明度の低いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できるためである。
(ピニング工程)
本発明の画像形成方法は、吐出された上記インク組成物を、各色のインク組成物の吐出終了ごとに紫外線照射により半硬化する工程を含む。
<半硬化>
本発明において、「半硬化」とは、部分的な硬化(partially cured; partial curing)を意味し、インク組成物が部分的に硬化しているが完全には硬化していない状態をいう。具体的には、普通紙などの浸透媒体を硬化後のインク組成物に押し当て、インク組成物の10質量%〜90質量%が転写される状態を半硬化といい、打滴したインクの30質量%〜80質量%が転写されることが好ましい。また、全く転写しない状態を完全硬化という。
なお、基材上に付与されたインク組成物が半硬化している場合、インク組成物の深さ方向における硬化の程度は不均一であってもよく、インク組成物は深さ方向に硬化が進んでいることが好ましい。
例えば、空気中、又は、部分的に不活性ガスで置換した空気中で、ラジカル重合性のインク組成物を硬化させると、酸素のラジカル重合抑制作用のために、インク組成物の表面においてラジカル重合が阻害される傾向がある。この結果、深さ方向における硬化の程度は不均一となり、インク組成物の内部でより硬化が進行し、表面の硬化が遅れる傾向となる。
以上のように、本発明の実施形態の一例として、ラジカル光重合性のインク組成物を、ラジカル重合抑制的な酸素の共存下で使用して、部分的に光硬化することで、インク組成物の硬化度は外部よりも内部の方を高くすることができる。
ここで、使用される紫外光のピーク波長は、重合開始剤及び増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜400nmであることが好ましく、300〜400nmであることがより好ましく、350〜400nmであることが更に好ましい。
<紫外線光源>
ピニング工程における紫外線光源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。
また、紫外発光ダイオード(UV−LED)及び/又は紫外レーザーダイオード(LD)を紫外線光源として用いることが好ましい。UV−LED、UV−LDは小型、長寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。更に一層短い波長が必要とされる場合、LEDとして、米国特許番号第6,084,250号明細書に開示されている300nmと370nmとの間に中心付けされた紫外光を放出し得るLEDが例示できる。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる波長の紫外光を照射することができる。本発明で特に好ましい紫外線光源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの基材上での最高照度は10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
<紫外線照射方法>
ピニング工程において、インク組成物は、このような紫外光を、好ましくは0.01〜15秒、より好ましくは0.05〜10秒照射されることが適当である。
紫外光の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、紫外光の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、支持体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。
また、上述のインク組成物における重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
<記録装置の一例>
図9は、本発明の画像形成方法に好適に用いることができるインクジェット記録装置の一例を示す概略図である。以下、ピニング工程の実行方法について、図9を参照しながら詳説する。
基材は、送り出しローラー201及び巻き取りローラー202により搬送され、図9では、左から右方向に搬送されている。搬送方向の最初の部分には、塗布ローラー211、及び、UV−LED光源221が配置されている。これらは、後述する、基材上に下塗り液を付与する工程、及び、下塗り液を紫外線照射により半硬化させる工程でそれぞれ使用される。
7つのインクジェットヘッド241〜247は、基材搬送方向の順にそれぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイトの7色に対応している。
インクジェットヘッド241〜247の間には、それぞれUV−LED光源222〜227が配置されており、各色の吐出終了ごとに紫外線を照射し、吐出されたインク組成物を半硬化させる。
ホワイトに対応するインクジェットヘッド247の、更に基材搬送方向側には、後述する硬化工程を行うための窒素パージ露光機231が配置されている。
本配置例のように、各インクジェットヘッド間に、紫外線光源を配置し、各記録ヘッドにより基材上に吐出させたインク組成物の液滴、つまり画像を半硬化させることにより、近接した位置に着弾した、異なる色のインク組成物液滴が重なることや、着弾したインク組成物液滴が移動することを防止できる。
また、本画像形成方法における、上記基材の搬送速度、すなわち印刷速度は、20m/min〜300m/minであることが好ましく、25m/min〜200m/minであることがより好ましく、30m/min〜100m/minであることが更に好ましい。
(硬化工程)
本発明の画像形成方法は、酸素濃度1体積%以下の雰囲気において紫外線を照射して上記インク組成物を完全硬化する工程を含む。
<紫外線光源>
硬化工程において使用できる紫外線光源は、上記ピニング工程で使用できる紫外線光源と同様である。
<紫外線照射方法>
また、本発明においては、酸素濃度1体積%以下の雰囲気において紫外線を照射して上記インク組成物を完全硬化する。硬化雰囲気の酸素濃度を抑えることにより、硬化に必要な活性線のエネルギーを小さくすることができ、またパッケージ印刷物特性として重要な、マイグレーション、臭気、シュリンクの改良にも効果的である、
一般的にラジカル重合系のインク組成物は特に空気と接する表面が酸素重合阻害を受けやすく、特に表面の硬化不良が起きやすい。この表面の硬化性劣化により、モノマーが膜中に残留したり、多官能モノマーによる膜の架橋構造形成により、低分子成分を膜中にとどめる性能が不十分となり、マイグレーション、臭気を著しく劣化させる。しかし、酸素濃度の低い環境下で露光することで、上記の酸素重合阻害の程度を低減させ、マイグレーション、臭気が改良されると推定される。
また、選択的に硬化膜表面のみが、酸素重合阻害を受けることで、良好な硬化性が得られる膜内部との硬化性の差が生じ、体積収縮率に分布ができてしまう結果、パッケージ用の薄い支持体がシュリンクを起こしやすくなってしまう。これに関しても、酸素濃度の低い環境下で露光することで、膜表面と内部の体積収縮率を均一化させ、シュリンクを改良することができると推定される。
通常、大気(1気圧)下では酸素濃度は21体積%であるので、酸素濃度を1体積%以下に下げるためには、(a)露光時の大気を減圧して0.047気圧以下にするか、(b)空気と酸素以外の気体(例えば、窒素やアルゴン等の不活性ガス)を空気に対して95.3体積%以上混合することにより達成できる。
本発明における貧酸素雰囲気については、特に限定されず上記いずれの方法も用いることができる。
上記酸素濃度は、0.8体積%以下が好ましく、0.5体積%以下がより好ましく、0.1体積%以下が特に好ましい。
酸素分圧の下限には特に制限はない。真空又は雰囲気を空気以外の気体(例えば窒素)で置換することにより酸素分圧を事実上0にすることができるが、これも好ましい方法である。
図10は、図9に示された窒素パージ露光機231の一例を示す図である。
図10に示すように、LED光源ユニット1は、不活性ガスブランケット2に囲まれており、不活性ガス配管3を介して不活性ガス発生装置4に接続している。不活性ガスブランケット2内の雰囲気を貧酸素雰囲気とする手段である不活性ガス発生装置4は、不活性ガス発生配管3を介して不活性ガスブランケット2の内部に不活性ガスを供給するもので、初期状態では、不活性ガスブランケット2内雰囲気は空気であるが、不活性ガス発生装置4を稼働させると、不活性ガスブランケット2内の空気は不活性ガスに置換される。なお、図中の5は基材を表している。不活性ガスは、既述の通り、N2などを利用することができる。
硬化工程において、インク組成物は、このような紫外光を、好ましくは0.01〜15秒、より好ましくは0.05〜10秒照射されることが適当である。
また、上述のインク組成物における重合開始系は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは100〜4,0000mW/cm2、より好ましくは200〜2,5000mW/cm2で硬化させることが適当である。
(その他工程)
本発明における画像形成方法は、上記の必須工程に加えて、任意の工程として、非浸透媒体上に下塗り液を付与する下塗り工程と、下塗り液を紫外線照射により半硬化させる下塗り液半硬化工程と、半硬化された下塗り液上にインク組成物を吐出する吐出工程と、をこの順に含むことが好ましい。
また、その他工程として、本発明における画像形成方法は、任意の工程として、乾燥工程、ラミネート加工工程、を含むことが好ましい。
<非浸透媒体上に下塗り液を付与する下塗り工程>
〔下塗り液〕
本発明における下塗り液は、少なくとも重合性化合物及び光重合開始剤を含有する。また、下塗り液としては、着色剤を含有しないか、又は、白色の着色剤を含有する上記紫外線硬化型インク組成物を使用することが好ましい。
また、下塗り液は、粘度を10mPa・s以上2,000mPa・s以下とすることが好ましく、50mPa・s以上1,200mPa・s以下とすることがより好ましい。
下塗り液の粘度を、10mPa・s以上、より好ましくは、50mPa・s以上とすることにより、液体が付着しにくい基材にも下塗り液を付与することが可能となる。
また、下塗り液の粘度を、2,000mPa・s以下、より好ましくは、1,200mPa・s以下とすることで、基材上に形成する下塗り層の表面粗さをより確実に小さくすることができる。
下塗り液の25℃における表面張力は、20mN/m以上40mN/m以下であることが好ましく、20.5mN/m以上35.0mN/m以下であることがより好ましく、21mN/m以上30.0mN/m以下であることが更に好ましく、21.5mN/m以上28.0mN/m以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、耐ブロッキング性に優れる印刷物が得られる。
なお、下塗り液の25℃における表面張力の測定方法としては、公知の方法を用いることができるが、吊輪法、又は、ウィルヘルミー法で測定することが好ましい。例えば、協和界面科学(株)製自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定する方法、又は、KSV INSTRUMENTS LTD社製 SIGMA702を用いて測定する方法が好ましく挙げられる。
また、下塗り液の表面張力は、インク組成物の表面張力以下であることが好ましく、下記の条件(A)、(B)及び(C)の全てを満たすことがより好ましい。
(A)下塗り液の表面張力は、いずれかのインク組成物の表面張力よりも小さい。
(B)下塗り液に含まれる界面活性剤のうち少なくとも1種類は、
γs(0)−γs(飽和)>0(mN/m)
の関係を満たす。
(C)下塗り液の表面張力は、
γs<(γs(0)+γs(飽和)最大)/2
の関係を満たす。
ここで、γsは、下塗り液の表面張力の値である。γs(0)は、下塗り液の組成のうち全ての界面活性剤を除いた液の表面張力の値である。γs(飽和)は、下塗り液に含まれる界面活性剤のうち1種類の界面活性剤を上記「全ての界面活性剤を除いた液」に添加し、上記界面活性剤の濃度を増加させたときに表面張力が飽和した上記液の表面張力の値である。γs(飽和)最大は、下塗り液に含まれる界面活性剤のうち、上記条件(B)を満たす全ての界面活性剤に対して求めたγs(飽和)のうちの最大値である。
また、条件(A)は、全てのインク組成物について満たすことが好ましい。
本発明において、前述の通り、記録媒体上に目的の大きさのインクドットを形成するためには、下塗り液の表面張力γsを、いずれかのインクの表面張力γkよりも小さくすることが好ましい。
更に、着滴から露光までの間のインクドットの拡大をより効果的に防ぐ観点から、γs<γk−3(mN/m)であることがより好ましく、γs<γk−5(mN/m)であることが特に好ましい。
〔下塗り液の付与〕
非浸透媒体上に下塗り液を付与する下塗り工程において、下塗り液は、基材上に着色液の液滴の吐出によって形成される画像と同一領域若しくは上記画像より広い領域に付与することが好ましい。
また、下塗り液の付与量(単位面積あたりの重量比)としては、上記インク組成物の最大吐出量(1色あたり)を1とした場合に、0.05〜5の範囲内であることが好ましく、0.07〜4の範囲内がより好ましく、0.1〜3の範囲内が特に好ましい。
基材上に下塗り液を付与する方法としては、公知の液体付与方法を特に制限なく用いることができ、スプレー塗布、塗布ローラー等による塗布、インクジェット方式による付与、浸漬などの任意の方法を選択することができる。
具体的には、例えば、ホリゾンタルサイズプレス法、ロールコーター法、カレンダーサイズプレス法などに代表されるサイズプレス法;エアーナイフコーター法などに代表されるナイフコーター法;ゲートロールコーター法などのトランスファーロールコーター法、ダイレクトロールコーター法、リバースロールコーター法、スクイズロールコーター法などに代表されるロールコーター法;ビルブレードコーター法、ショートデュエルコーター法;ツーストリームコーター法などに代表されるブレードコーター法;ロッドバーコーター法などに代表されるバーコーター法;キャストコーター法;グラビアコーター法;カーテンコーター法;ダイコーター法;ブラシコーター法;転写法などが挙げられる。
また、特開平10−230201号公報に記載の塗布装置のように、液量制限部材を備えた塗布装置を用いることで塗布量を制御して塗布する方法であってもよい。
下塗り液を付与する領域は、基材全体に付与する全面付与であっても、インク吐出工程でインクジェット記録等の画像形成が行われる領域に部分的に付与する部分付与であってもよい。本発明においては、下塗り液の付与量を均一に調整し、細線や微細な画像部分等を均質に記録し、画像ムラ等の濃度ムラを抑える観点から、塗布ローラー等を用いた塗布によって塗工紙全体に付与する全面付与が好ましい。
下塗り液の付与量を上記範囲に制御して塗布する方法としては、例えば、アニロックスローラーを用いた方法が挙げられる。アニロックスローラーとは、セラミックが溶射されたローラー表面をレーザーで加工しピラミッド型や斜線、亀甲型などの形状を付したローラーである。このローラー表面に付けられた凹みの部分に下塗り液が入り込み、紙面と接触すると転写されて、アニロックスローラーの凹みで制御された塗布量にて塗布される。
下塗り液が基材上に付与されて形成される下塗り液層及びこれを硬化した下塗り層の厚みは、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、0.2μm以上10μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上8μm以下であることが更に好ましい。
上記下塗り液層及び下塗り層の厚さが上記範囲内であると、硬化画像の柔軟性、密着性が良好に保持できることから好ましい。
<下塗り液を紫外線照射により半硬化させる下塗り液半硬化工程>
本発明における画像形成方法は、下塗り液を紫外線照射により半硬化させる下塗り液半硬化工程を含むことが好ましい。
本発明において、「下塗り液の半硬化」とは、インク組成物の場合と同様に、部分的な硬化(partially cured; partial curing)を意味し、下塗り液が部分的に硬化しているが完全には硬化していない状態をいう。具体的には、普通紙などの浸透媒体を硬化後の下塗り液に押し当て、下塗り液の10質量%〜90質量%が転写される状態を半硬化といい、打滴した下塗り液の30質量%〜80質量%が転写されることが好ましい。また、全く転写しない状態を完全硬化という。なお、下塗り液が半硬化している場合、硬化の程度は不均一であってもよく、下塗り液は深さ方向に硬化が進んでいることが好ましい。
また、下塗り液の半硬化、及び、半硬化に用いる紫外線光源についての好ましい態様は、上記インク組成物の半硬化、及び、半硬化に用いる紫外線光源についての好ましい態様と同様である。
<半硬化された下塗り液上にインク組成物を吐出する吐出工程>
本発明における画像形成方法は、半硬化された下塗り液上にインク組成物を吐出する吐出工程を含むことが好ましい。
上記吐出工程は、上記インク吐出工程と同様である。すなわち、「半硬化された上記下塗り液上に上記インク組成物を吐出する工程」とは、半硬化された下塗り液の層にインク吐出工程を行うことを意味している。
図9はインクジェット装置の構成例を示しており、図9中の塗布ローラー211により、非浸透媒体上に下塗り液を付与する工程を、UV−LED光源221により下塗り液を紫外線照射により半硬化させる工程を、それぞれ行うことができる。
<乾燥工程>
本発明の画像形成方法においては、基材上に付与又は吐出されたインク組成物から、加熱手段により水及び必要に応じて併用される水溶性有機溶剤を蒸発させる乾燥工程を含むことができる。
上記乾燥工程は、本発明の画像形成方法においてはインク吐出工程と硬化工程との間に行うことが好ましい。
また、本発明におけるインク組成物が有機溶剤を含有する場合は、インク吐出工程と硬化工程の間に乾燥工程を設けることが好ましい。
以下、本発明の画像形成方法により付与されたインク組成物に熱を加え、定着する工程について説明する。
乾燥手段としては、水及び必要に応じて併用される水溶性有機溶剤を乾燥させることができればよく、限定されないが、ヒートドラム、温風、赤外線ランプ、熱オーブン、ヒート版加熱などの加熱乾燥処理を使用することができる。
加熱温度は、インク組成物中に存在する水、及び、必要に応じて併用される水溶性有機溶剤が蒸発し、皮膜を形成することができれば特に制限はないが、40℃以上であればその効果が得られるので好ましく、40℃〜150℃がより好ましく、40℃〜80℃が更に好ましい。
なお、乾燥/加熱時間は、インク組成物中に存在する水及び必要に応じて併用される水溶性有機溶剤が蒸発し、かつ樹脂剤の皮膜を形成することができれば特に制限はなく、用いるインク組成物の組成・印刷速度を加味して適宜設定することができる。
<ラミネート加工工程>
また、本発明の印刷方法では、硬化工程を行った後、ラミネートフィルムを用いて、完全硬化したインク組成物の上をラミネート加工することが好ましい。
ラミネート加工により、印刷物からのインク成分の溶出、ブロッキング、臭気を抑制でき、特に食品パッケージ用として、好ましく使用できるためである。
ラミネートフィルムとしては、樹脂フィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、トリアセチルセルロースフィルムが例示できる。また、それらのフィルムは2軸延伸されていてもよい。
ラミネート加工の方法としては、特に制限なく公知の方法が使用できるが、ドライラミネ−ションが例示できる。
基材に樹脂フィルムを用いた場合、選択するラミネート加工の方法にもよるが、基材のラミネート加工が行われる面に使用されている樹脂フィルムと接着性が高い樹脂フィルムを使用することが好ましい。
また、ポリプロピレンフィルムはヒートシール性が高いため、本工程において好適に使用できる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示すものとする。
(使用素材)
本発明で使用した素材は下記に示す通りである。
<着色剤>
・IRGALITE BLUE GLVO(シアン顔料、BASFジャパン社製)
・CINQUASIA MAGENTA RT−355−D(マゼンタ顔料、BASFジャパン社製)
・NOVOPERM YELLOW H2G(イエロー顔料、クラリアント社製)
・SPECIAL BLACK 250(ブラック顔料、BASFジャパン社製)
・タイペークCR60−2(ホワイト顔料、石原産業(株)製)
<分散剤>
・SOLSPERSE32000(Noveon社製分散剤)
<(成分A)重合性化合物>
・SR9003(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、Sartomer社製)
・3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート(SR341、Sartomer社製)
・ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA、SR344、Sartomer社製)
<(成分B)重合開始剤>
・IRGACURE 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、BASF社製、分子量419)
・Speedcure7010(前述した化合物I−B、Lambson社製、分子量1,899)
<重合禁止剤>
・UV−12(FLORSTAB UV12、ニトロソ系重合禁止剤、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)アルミニウム塩、Kromachem社製)
<界面活性剤>
・BYK307(シリコン系界面活性剤、BYK Chemie社製)
(各ミルベースの調製)
<シアンミルベースAの調製>
IRGALITE BLUE GLVOを300質量部と、SR9003を620質量部と、SOLSPERSE32000を80質量部とを撹拌混合し、シアンミルベースAを得た。なお、シアンミルベースAの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
<マゼンタミルベースB、イエローミルベースC、ブラックミルベースD及びホワイトミルベースEの調製>
シアンミルベースAと同様にして、表1に示す組成、分散条件でマゼンタミルベースB、イエローミルベースC、ブラックミルベースD及びホワイトミルベースEを調製した。なお、表中の数字は各素材の使用した質量部を表している。
Figure 0006043259
(インク組成物の調製)
表2に示す割合で各素材をミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて室温で5,000回転/分にて20分撹拌混合し、シアンインクC−1、マゼンタインクM−1、イエローインクY−1、ブラックインクK−1、ライトシアンインクLc−1、ライトマゼンタインクLm−1、ホワイトインクW−1、下塗り液U−1を調製した。なお、表中の数字は各素材の使用した質量部を表している。
Figure 0006043259
(実施例1)
<装置の構成>
図9に示すインクジェット装置において、インクジェットヘッド241〜247として富士フイルムDIMATIX社製Samba1200ヘッドを各色1つずつ、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、ホワイトインクの順に配置した。また、各色のインクジェットヘッドの間に、紫外線光源221〜227としてピーク波長385nmのLED光源ユニット(LEDZero Solidcure、Integration Technology社製)を配置した。上記LED光源ユニットの光量は、各インクが半硬化状態に保てるように調整した。
打滴サイズは13plと設定した。描画速度は30m/minに設定し、吐出周波数は上記速度で1,200dpiの画像が形成できるように設定した。なお、Samba1200ヘッドの吐出口密度は1,200npiである。
なお、実施例1としては塗布ローラー211による下塗り液U−1の塗布、及び、LED光源221による下塗り液の半硬化は行わなかった。
紫外線光源として、ピーク波長385nmのLED光源ユニット(LEDZero Solidcure、Integration Technology社製)を不活性ガスブランケット内に配置し、不活性ガス源として、コンプレッサー付きN2ガス発生装置Maxi−Flow30(Inhouse Gas社製)を0.2MPa・sの圧力で接続し、ブランケット内の酸素濃度が1%になるよう、10L/分の流量でN2をフローさせた。
基材としては、上から、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(25μm)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、ナイロンフィルム(15μm)が積層されている3層構造の樹脂フィルムを使用し、OPPフィルムの上に画像を形成した。なお、()内の数字は各樹脂フィルムの厚さを表している。
<画像形成方法>
上記構成の印刷装置を用い、基材に、網%を0%(網%)から300%(網%)まで30%刻みで変化させ、上にホワイトインクを100%(網%)で重ねた3.5×10cmのカラーパッチを作成し、以下に示す諸性能のテストを行った。なお、300%(網%)とは、ブラックインク100%(網%)の上に、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク及びライトマゼンタインクを合計200%になるように重ねた状態をいう。
(実施例2)
図9に示すインクジェット装置において、塗布ローラー211による下塗り液U−1の塗布、及び、UV−LED光源221による下塗り液の半硬化を行った以外は、実施例1と同様に画像形成を行い、以下に示す諸性能のテストを行った。下塗り層の厚さは1μmとした。
(比較例1〜7)
液滴サイズ、使用ヘッド、ライトインク使用の有無を表3の記載に従って変更した以外は、実施例1と同様に画像形成を行い、以下に示す諸性能のテストを行った。なお、2種類以上の滴サイズを設定している比較例3、4、6、7については、ハイライト部から、中間濃度部(網%で25%)にかけて小滴を使用し、中間濃度部から、シャドー部にかけて徐々に大滴を増やし、ソリッド部では大滴のみを使用するという設定とした。この時、階調のつながりを考慮し、トーンジャンプが発生しないように設定した。
比較ヘッドの詳細を、図11及び図12に示す。
図11に示すように、ノズルを備えるインク室ユニット602を1次元(1列)に配置し、実質的な吐出口密度が150npiである以外は、上述のSamba1200ヘッドと同様のインクジェットヘッド601を作成した。図12は、比較ヘッドを使用した場合のインクジェット装置の一部を表している。1,200dpiの画像を形成するため、図12に示すように、作成したインクジェットヘッド601を基材搬送方向Sと垂直な方向に20μmずつずらして8本配置し、実質的な吐出口密度を1,200npiとした比較ヘッド604を作成した。比較ヘッドを使用した場合のインクジェット装置としては、図9中のインクジェットヘッド241〜247をそれぞれ比較ヘッド604に置換した構成をとる。606は半硬化工程用の紫外線光源である。
なお、比較例としては塗布ローラー605による下塗り液U−1の塗布、及び、紫外線光源603による下塗り液の半硬化は行わなかった。
<粒状性の評価>
上記条件により作成したカラーパッチを50cmの距離から観察し、ハイライト部(30%(網%))と中濃度部(90%(網%))の画像の粒状性を、それぞれ下記のように5段階で評価した。なお、評価人数は10名とし、10名の評価点数の平均値を四捨五入して評価値とし、表3に記載した。
5:ザラツキが認識できない。
4:ザラツキがわずかに認識できるが気にならない。
3:ザラツキが認められるが許容できる。
2:ザラツキが気になる。
1:ザラツキが非常に気になる。
評価点3以上が許容範囲である。
<スジムラの評価>
上記条件により作成したカラーパッチを50cmの距離から観察し、周期的なスジ状のムラの有無を下記のように5段階で評価した。なお、評価人数は10名とし、10名の評価点数の平均値を四捨五入して評価値とし、表3に記載した。
5:スジ状のムラが認められない。
4:スジ状のムラがわずかに認められるが気にならない。
3:スジ状のムラが認められるが許容できる。
2:スジ状のムラが気になる。
1:スジ状のムラが非常に気になる。
評価点3以上が許容範囲である。
Figure 0006043259
1 LED光源ユニット
2 不活性ガスブランケット
3 不活性ガス配管
4 不活性ガス発生装置
5 基材
11 ノズルプレート
12 吐出口
20 インク供給ユニット
21 圧力室
22 ノズル連通路
23 インク供給流路
24 供給調整路
25 共通液室
30 圧力発生手段
31 振動板
32 接着層
33 下部電極
34 圧電体層
35 上部電極
41 循環絞り
42 循環路
190 電気配線
190a 電極パッド
192 多層フレキシブルケーブル
194 ノズルプレート
196 流路プレート
198 絶縁・保護膜
200 インクジェットヘッド
201 送り出しローラー
202 巻き取りローラー
211 塗布ローラー
221〜227 UV−LED光源
231 窒素パージ露光機
241〜247 インクジェットヘッド
424 基材
550 インクジェットヘッド
550A インク吐出面
551 ノズル
551A ノズルプレート
551a ノズル流路
552 圧力室
552P 流路板
553 インク供給口
554 インク室ユニット
555 共通液室
556 振動板
557 個別電極
558 圧電素子(ピアゾアクチュエータ、圧電アクチュエータ)
558a 圧電体
559 電極パッド
601 インクジェットヘッド
602 インク室ユニット
603、606 紫外線光源
604 比較ヘッド
605 塗布ローラー
607 送り出しローラー
M 主走査方向
S 基材搬送方向
θ 主走査方向に対するインク室ユニットの配置角度
P 実質的なノズル間隔
Ls 副走査方向の隣接ノズル間隔

Claims (9)

  1. 非浸透媒体上に、2以上のインクジェットヘッドから、それぞれ色相の異なる紫外線硬化型インク組成物を吐出する吐出工程と、
    吐出された前記インク組成物を、各色のインク組成物の吐出終了ごとに紫外線照射により半硬化する工程と、
    酸素濃度1体積%以下の雰囲気において紫外線を照射して前記インク組成物を完全硬化する工程と、をこの順で含み、
    前記インクジェットヘッドは、複数の吐出口を有するノズルプレートを備え、
    前記複数の吐出口が、前記非浸透媒体の進行方向に対して4×4以上の2次元マトリックス状に配列され、
    配列された前記複数の吐出口の密度は1,200npi以上であり、
    前記インクジェットヘッドはシングルパス方式であり、
    吐出される前記インク組成物の液量が10pl〜20plであり、
    前記吐出工程において、少なくともマゼンタインク、ライトマゼンタインク、シアンインク、及び、ライトシアンインクの4色のインク組成物を吐出することを特徴とする
    画像形成方法。
  2. 印刷速度が20m/min以上である、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記非浸透媒体上に下塗り液を付与する下塗り工程と、
    前記下塗り液を紫外線照射により半硬化させる下塗り液半硬化工程と、
    半硬化された前記下塗り液上に前記インク組成物を吐出する吐出工程と、をこの順で含む、請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 前記非浸透媒体が、全膜厚が10μm〜90μmであり、かつ、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びナイロンフィルムよりなる群から選択された1又は2以上の樹脂フィルムを含む、単層又は積層の基材である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. パッケージ印刷用である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 前記インク組成物を完全硬化する工程における紫外線光源が、UV−LED、及び/又は、UV−LDである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記インクジェットヘッドは、前記複数の吐出口のそれぞれと連通する複数の圧力室と、
    前記複数の圧力室のそれぞれにインク組成物を供給する複数のインク供給口と、
    前記複数のインク供給口にインク組成物を供給する共通液室と、
    前記複数の圧力室のそれぞれを変形する複数の圧力発生手段と、を備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記インクジェットヘッドが、前記共通液室を貫通するように配設され、かつ、前記圧力発生手段に駆動信号を供給する電気配線を更に備える、請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 前記インクジェットヘッドが備える、前記圧力室及び前記共通液室が、前記圧力発生手段の反対側に配置されている、請求項7又は8に記載の画像形成方法。
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