JP6828273B2 - 光造形用硬化性組成物、光硬化物、及び成形品の製造方法 - Google Patents

光造形用硬化性組成物、光硬化物、及び成形品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学的立体造形法(光造形法)により造形される成形品の製造に好適な光造形用硬化性組成物、及び該硬化性組成物を光硬化させた成形品に関する。
液状の光硬化性組成物に光エネルギーを供給して一定のパターンに硬化させた薄層を形成し、その上に更に液状の光硬化性組成物を供給した後に同様の光エネルギーを照射し、この工程を繰り返すことにより、所望の立体形状を有する硬化物を造形する光造形法が広く知られている(例えば特許文献1参照)。
このような光造形法としては、薄膜上に塗布した液状の光硬化性組成物にレーザー光を一定のパターンで走査して該薄膜の一部を所望のパターンに硬化させて硬化薄膜を形成する方法、レーザー光ではなく紫外線ランプ等の光を所定の形状パターンのマスクを介して照射することにより液状の光硬化性組成物を硬化させて硬化薄膜を調整する方法や、インクジェット方式により液状の光硬化性組成物の微小液滴をノズルから所定の形状パターンを描画するよう吐出してから紫外線を照射して硬化薄膜を形成するインクジェット方式による光造形法(以下、「インクジェット光造形法」という。)(特許文献2参照)が提案されている。
インクジェット光造形法に使用される光硬化性組成物としては、吐出性、取り扱い性、造形速度、造形精度などの点から、低粘度の液状物であること、硬化時の体積収縮が小さいこと、光硬化して得られる立体造形物の力学的特性が良好であること等が必要とされている。(例えば特許文献3参照)また主成分としては(メタ)アクリレート、特にウレタン(メタ)アクリレートを使用することが、特許文献3〜5には記載されている。
特開平5−24119号公報 特開2002−067174号公報 特開2001−310918号公報 特開2015−38166号公報 特開2015−232080号公報
本発明の目的は、吐出性や取り扱い性に優れ、光硬化して得られる硬化物の力学的特性のうち、引っ張り破壊伸びに特に優れる光造形用硬化性組成物、及び該硬化性組成物を光硬化させる成形品の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、ウレタン(メタ)アクリレートと、活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する重合性化合物と、特定の活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物とを特定の範囲で配合することで、前記課題を解決した。
即ち本発明は、活性エネルギー線重合性化合物及び光重合開始剤を含有する光造形用硬化性組成物であって、活性エネルギー線重合性化合物全重量に対し、ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)を5〜40重量%、活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する重合性化合物(B)を0.05〜4重量%、且つ前記活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C)を50〜90重量%含んでおり、前記単官能活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C)としてフェノキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1つの重合性化合物を含有する光造形用硬化性組成物を提供する。
また本発明は、前期記載の光造形用光造形用硬化性組成物の光硬化物であって、25℃における貯蔵弾性率が、10〜150MPaであり、かつ100℃における貯蔵弾性率が0.1〜2MPaの範囲である光硬化物を提供する。
また本発明は、前期記載の光造形用硬化性組成物を光硬化させる成形品の製造方法を提供する。
本発明により、吐出性や取り扱い性に優れ、光硬化して得られる硬化物の力学的特性のうち、引っ張り破壊伸びに特に優れる光造形用硬化性組成物を得ることができる。
本発明の光造形用硬化性組成物を光硬化させた硬化物は特に高い引っ張り破壊伸びを示すので、柔軟度の高い成形品として特に有用である。
(ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)
本発明で使用するポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)は、ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートの反応物であり、特に限定はされないが、より柔軟性の高い硬化物を与えることから、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定される重量平均分子量が2000〜10000、好ましくは4000〜8000の範囲であることが好ましい。
なお本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、下記の条件により求められる重量平均分子量である。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製 TSKガードカラム SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ 4000
+東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ 3000
+東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ 2000
+東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ 1000
検出器 ; RI(屈折率)、UV(紫外、モニター波長254nm)
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/min(Sample側)、0.175ml/min(Ref側)
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(注入量10μl)
(ポリエステルポリオール)
前記ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料であるポリエステルポリオールは、特に限定はなく、例えば、多価アルコール又はポリエーテルポリオールと、多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ブチルエチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ポリカプロラクトン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール等が挙げられる。ポリブタジエンポリオールとは、2個以上の水酸基を有するポリブタジエンをいい、例えば、両末端に水酸基を有するポリブタジエンをいう。水素化ポリブタジエンポリオールとは、2個以上の水酸基を有する水素化ポリブタジエンをいい、例えば、両末端に水酸基を有する水素化ポリブタジエンをいう。ポリエーテルポリオールとは、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合の少なくとも1種の構造を有するポリエーテルポリオール等が挙げられる。多価アルコール又はポリエーテルポリオールの中では、ポリエーテルポリオールが好ましく、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、水素化ポリブタジエンポリオールからなる群のうちの1種又は2種以上が好ましい。多塩基酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等が挙げられる。多塩基酸の中では、アジピン酸が好ましい。
(ポリイソシアネート)
前記ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料であるポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロペンタジエンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられる。なかでも、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートは皮膜強度に優れるため好ましい。
(水酸基含有(メタ)アクリレート)
前記ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)の原料である水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、各種エポキシアクリレート等が挙げられる。なかでも、2−ヒドロキシエチルアクリレートは反応性が高いため好ましい。
(ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)の製造方法)
前記ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)は、例えば、ポリエステルポリオールと、ポリイソシアネートとを、ポリエステルポリオール中の水酸基に対しポリイソシアネート中のイソシアネート基が過剰となる条件で反応させ、得られた反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られる。
(活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する重合性化合物(B))
本発明で使用する活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する重合性化合物(B)は、特に限定なく公知のものを使用することができる。
例えば、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等の(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基とを有する重合性化合物や、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸ジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、脂環式構造を有する(メタ)アクリレートとしては、脂環式の二官能(メタ)アクリレートとして、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジエタノールにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド2モル付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等を使用できる。また、3官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−アクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシプロピル)ヒドロキシプロピルイソシアヌレート、ビス(2−メタクリロイルオキシブチル)ヒドロキシブチルイソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−アクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−メタクリロイルオキシブチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ又はトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート等を使用できる。
これらの活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する重合性化合物(B)としては、吐出安定性の観点から粘度の低い重合性化合物を使用することが好ましい。また、活性エネルギー線重合性基が3つ以上の重合性化合物は使用量が多すぎると接着性に劣るおそれがあることから、使用量は10質量%未満とすることが好ましい。
(活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C))
本発明で使用する活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C)は、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1つの重合性化合物を含有することが必須である。
本発明において、フェノキシエチル(メタ)アクリレートは得られる光硬化物の柔軟性に寄与する。従ってより柔軟性を要求される用途においては、フェノキシエチル(メタ)アクリレートを含有することがより好ましい。またN−ビニルカプロラクタムは本発明の光造形用硬化性組成物の硬化性に寄与しテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートは低粘度化に寄与する。これらは少なくとも1つ含有することが必須であるが、より好ましくは2つ以上含有することが好ましく、3つ全て含有することも好ましい。
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート以外の活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C)としては特に限定はなく、公知の活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C)を使用することができる。例えば、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチルテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタンアダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチルビシクロヘプタンアダマンチル(メタ)アクリレート等、ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド等が挙げられ、これらは単独で使用しても二種類以上を併用しても良い。
本発明においては、活性エネルギー線重合性化合物全重量に対し、前記ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)を5〜40重量%含有し、且つ活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する重合性化合物(B)を0.05〜4重量%含有し、且つ前記活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C)を50〜90重量%含有することが好ましい。この範囲においてより軟質の光硬化物を得ることができる。
なお、より好ましくは、前記ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)を5〜25重量%含有し、且つ活性エネルギー線重合性基を2つ以上有する重合性化合物(B)を0.05〜2重量%含有し、且つ前記活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C)を70〜90重量%含有することが好ましい。
(光重合開始剤)
本発明に使用できる光重合開始剤(B)としては、例えば、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−1−{4−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル)−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等の分子開裂型や、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等の水素引き抜き型の光重合開始剤等が挙げられ、これらは単独で使用しても二種類以上を併用しても良い。
特にLEDを使用する場合には、LEDの発光ピーク波長を加味して光重合開始剤を選択することが好ましい。例えばUV−LEDを使用する場合に適した光重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン)、ビス(2、4、6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等、及びこの組み合わせが挙げられる。また分子開裂型の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等の組み合わせてもよい。
前記光重合開始剤の配合比率は、前記活性エネルギー線重合性化合物全重量に対し、0.5重量%〜10重量%の範囲で使用することが好ましく、0.5重量%〜5重量%の範囲で使用することがなお好ましい。0.5重量%〜2.5重量%の範囲で使用するまた2種以上を混合して使用すると更に好ましい。場合は、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンと2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドの組み合わせの場合は、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.1重量%〜1.25重量%、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを0.1重量%〜1.25重量%使用することが好ましい。
また上記光重合開始剤に対し、増感剤として例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミンおよび4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こさないアミン類を併用することもできる。
本発明の光造形用硬化性組成物には、インクの保存安定性を高めるため、ハイドロキノン、メトキノン、ジ−t−ブチルハイドロキノン、P−メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等の重合禁止剤をインク中に0.01〜2質量%の範囲で添加しても良い。
(着色剤)
本願の光造形用硬化性組成物は、色材を含まないニスのようなインクにも適用可能である。一方目的に応じて着色剤を使用してもよい。使用する着色剤としては染料、顔料のいずれであってもよいが、印刷物の耐久性の点から顔料を使用することが好ましい。
本発明で使用する染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各種染料が挙げられる。
本発明で使用する顔料としては、無機顔料あるいは有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタンや酸化鉄、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等が、キャボット社製のRegal400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、ColorBlack S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19等が挙げられる。
また、シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。
前記顔料の平均粒径は、10〜200nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜150nm程度のものである。また前記着色剤の添加量、十分な画像濃度や印刷画像の耐光性を得るため、インク全量の1〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
また、前記光造形用硬化性組成物が着色剤を含有する場合、該着色剤を含有する組成物は、各色毎の複数有するものであっても良い。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本4色に加えて、それぞれの色毎に同系列の濃色や淡色を加える場合、マゼンタに加えて淡色のライトマゼンタ、濃色のレッド、シアンに加えて淡色のライトシアン、濃色のブルー、ブラックに加えて淡色であるグレイ、ライトブラック、濃色であるマットブラックが挙げられる。
この他に、本発明の課題を損なわず、且つ吐出安定性を損なわない範囲において、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することが出来る。
前記顔料は、前記光造形用硬化性組成物に対する分散安定性を高める目的で顔料分散剤を用いることが好ましい。具体的には、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB817、アビシア社製のソルスパーズ24000GR、32000、33000、39000、楠本化成社製のディスパロンDA−703−50、DA−705、DA−725等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、顔料分散剤の使用量は、顔料に対して10〜80質量%の範囲が好ましく、特に20〜60質量%の範囲が好ましい。使用量が10質量%未満の場合には分散安定性が不十分となる傾向にあり、80質量%を超える場合にはインクの粘度が高くなる傾向にあり、吐出安定性が低下しやすい傾向にある。
また、本発明の光造形用硬化性組成物には、被印刷基材に対する接着性の付与等を目的に、本発明の効果を損なわない範囲においてアクリル樹脂、エポキシ樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジンエステル等の非反応性樹脂等を配合することができる。
更に必要に応じて、添加剤として、界面活性剤、レベリング剤、接着性、密着性を改善するシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の助剤、或いは濡れ性や表面平滑性を改善する助剤を公知任意の量加えることができる。
本発明の光造形用硬化性組成物は、無溶剤であっても塗工に適した低粘度を示すものであるが、必要に応じて有機溶剤を添加してもよく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族類、カルビトール、セロソルブ、メタノール、トルエン、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類が挙げられ、これらは単独で使用しても二種類以上を併用しても良い。
本発明の光造形用硬化性組成物の製造は、顔料を含む場合は顔料、及び活性エネルギー線重合性化合物、必要に応じ顔料分散剤、樹脂を加えた混合物をビーズミル等の通常の分散機を用いて顔料を分散した後、光重合開始剤を加え、さらに必要に応じ表面張力調整剤等の添加剤を加えて攪拌、溶解することで調製できる。予め、ビーズミル等の通常の分散機を用いて高濃度の顔料分散液(ミルベース)を作製後、光重合開始剤を溶解した活性エネルギー線重合性化合物、添加剤等を攪拌、混合して調製することもできる。
顔料を分散させるための攪拌・分散装置としては、ビーズミルの他、たとえば超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザーなど、公知慣用の各種分散機を使用することができる。
本発明の光造形用硬化性組成物は、活性エネルギー線、好ましくは紫外線等の光照射をすることにより硬化反応を行う。紫外線等の光源としては、通常UV硬化性インクジェットインクに使用する光源、例えばメタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等であれば問題なく硬化させることができる。例えばFusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
本発明の光造形用硬化性組成物は感度がよいことから、UV−LEDや、紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により硬化が可能である。具体的には、光造形用硬化性組成物を被記録材に吐出することにより画像を印字する工程と、LEDランプを用いて波長ピークが365〜420nmの範囲にある活性エネルギー線を照射することにより前記画像を硬化させることで、画像を形成させることが可能である。
(光造形法)
本発明の光造形用硬化性組成物は、公知の光造形法用の組成物に適用できる。
例えば、光学的立体造形法の具体的態様の一例として、レーザー光造形法が挙げられる。レーザー光造形法は光エネルギー吸収剤を含有する液状の光硬化性組成物に所望のパターンを有する硬化層が得られるように活性エネルギー光線を選択的に照射して硬化層を形成し、次いでその硬化層に未硬化液状の光硬化性組成物を供給し、同様に活性エネルギー光線を照射して前記の硬化層と連続した硬化層を新たに形成する積層する操作を繰り返すことによって最終的に目的とする立体的造形物を得る方法であり、用いるレーザー光線はエネルギーレベルを高めて造形時間を短縮することが可能であり、しかもレーザー光線の良好な集光性を利用して、造形精度の高い立体造形物を得ることができる。
また、インクジェット光造形法も好ましい具体的態様である。インクジェット光造形法では、光造形用硬化性組成物の微小液滴を、ノズルから所定の形状パターンを描画するよう吐出してから、紫外線を照射して硬化薄膜を形成する方式である。具体的態様の一例を簡単に説明する。インクジェット光造形法に用いる光造形装置は、目的とする立体造形物を光造形するための平面ステージと、平面ステージに対して少なくとも平行な平面上に移動可能なインクジェットノズルを少なくとも1個と、光造形用硬化性組成物の硬化光を照射するための光源とを有している。CADデータ等に基づいて目的とする立体造形物の形状を、複数の断面形状に分割した断面形状データに応じた所望のパターンで、インクジェットノズルから光造形用硬化性組成物を吐出して、光造形用硬化性組成物からなる樹脂薄層(光硬化性液状樹脂組成物層)を形成した後、光源から光を照射して該樹脂薄層を硬化させる。次いで、該硬化させた樹脂薄層の上に、次の断面形状に応じてインクジェットノズルから光造形用硬化性組成物を供給する。以上を繰り返すことにより、各断面形状に相当する光硬化層を積層した光硬化物である成形品を得る。
本発明の光造形用硬化性組成物の光硬化物は、100℃における貯蔵弾性率が0.1〜2MPaの範囲であることが好ましい。本発明において貯蔵弾性率は、次の条件により得た光硬化物を測定した弾性率である。
(貯蔵弾性率の測定方法)
光硬化物は次のように作成した。10cm×10cmのガラス板上に、本発明の光造形用硬化性組成物を、硬化後の膜厚が80〜120ミクロンになるよう調製し、窒素雰囲気下中、アイグラフィックス社製のメタルハライドランプにて0.5J/cmにて硬化させたものを光硬化物のサンプルとした。
貯蔵弾性率は、前記光硬化物をダンベルカッターでJIS K 7127の試験片タイプ5の形状に打ち抜き試験片とし、この試験片を用いて、レオメトリックス社製の動的粘弾性測定装置RSA−III(周波数3.5Hz、昇温速度3℃/分)により、室温から昇温し25℃、50℃、75℃、及び100℃の貯蔵弾性率E‘を測定した。
25℃に到達したときの貯蔵弾性率E‘を、25℃における貯蔵弾性率とし、100℃に到達した時の貯蔵弾性率E‘を、100℃における貯蔵弾性率とした。
25℃における貯蔵弾性率が、10〜150MPaであり、かつ100℃における貯蔵弾性率が0.1〜2MPaの範囲である本発明の光硬化物は、柔軟性に優れる。中でも25℃における貯蔵弾性率が貯蔵弾性率が10〜50MPaの範囲であることがなお好ましく、10〜20MPaの範囲であることが最も好ましい。また100℃における貯蔵弾性率が0.1〜1MPaの範囲であることがなお好ましく、0.1〜0.5MPaの範囲であることが最も好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本説明をより具体的に説明する。
(合成例1(ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A−1)の合成))
1,4−ブタンジオール152.2部、エチレングリコール104.7部、アジピン酸454.5部を、不活性ガスの存在下で210℃で12時間反応させ、固形分酸価が0.5で、かつ、数平均分子量が2000のポリエステル樹脂(a)を得た。
次いで、新たに攪拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた1リットルのフラスコに、イソホロンジイソシアネート99.3部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン1.2部、メトキシハイドロキノン0.1部、ジブチル錫ジアセテート0.1部を加え、70℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート51.9部を2時間にわたって滴下した。そのまま継続して70℃で3時間反応させた後、前記ポリエステル樹脂(a)447.4部を添加し、イソシアネート基を示す2250cm-1の赤外吸収スペクトルが消失するまで70℃で反応を行い、ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A−1)を得た。ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A−1)の重量平均分子量は、8500であった。
(合成例2(ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A−2)の合成)
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた1リットルのフラスコにイソホロンジイソシアネート81.4部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン1.2部、メトキシハイドロキノン0.1部、ジブチル錫ジアセテート0.1部を加え、70℃に昇温し、2−ヒドロキシエチルアクリレート28.4部を2時間にわたって滴下した。そのまま継続して70℃で3時間反応させた後、前記ポリエステル樹脂(a)488.8部を添加し、イソシアネート基を示す2250cm-1の赤外吸収スペクトルが消失するまで70℃で反応を行い、ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A−2)を得た。ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A−2)の重量平均分子量は、14000であった。
(合成比較例1(ウレタン(メタ)アクリレート(H1)の合成)
攪拌機、ガス導入管、コンデンサー、及び温度計を備えた1リットルのフラスコにヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート(スミジュールN3300;住化バイエルウレタン(株)製)213.6部、ターシャリブチルヒドロキシトルエン1.2部、メトキシハイドロキノン0.1部、ジブチル錫ジアセテート0.1部を加え、70℃に昇温し、ε−カプロラクトン2モル付加2−ヒドロキシエチルアクリレート(プラクセルFA2D;ダイセル(株)製)384.9部を2時間にわたって滴下した。そのまま継続して70℃で3時間反応させた後、イソシアネート基を示す2250cm-1の赤外吸収スペクトルが消失するまで70℃で反応を行い、ウレタン(メタ)アクリレート(H1)を得た。ウレタン(メタ)アクリレート(H1)の重量平均分子量は、1200であった。
(固形分酸価の測定方法)
固形分酸価は、試料1g中に含有する遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数でJISK0070−1992で示された下記の測定方法で求めた。
(1)試薬は、次のとおりとする。
・0.1mol/l塩酸JISK 8001の4.5(5.5)[0.1mol/l塩酸(3.646gHCl/l)]による。
・0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液JISK8574に規定する水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、JISK8102に規定するエタノール(95)を加えて1lとし、二酸化炭素をさえぎって、2〜3日間放置した後、上澄みを取るか又はろ過して耐アルカリ性の瓶に保存する。標定は、0.1mol/l塩酸25mlを全量ピペットを用いて三角フラスコに取り、フェノールフタレイン溶液を加え、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、中和に要した量からファクターを求める。
・フェノールフタレイン溶液JISK8001の4.3(指示薬)による。
・溶剤JISK8103に規定するジエチルエーテルとJISK8101に規定するエタノール(99.5)を体積比で1 :1又は2 :1で混合したもの。
これらは、使用直前にフェノールフタレイン溶液を指示薬として数滴加え、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で中和する。
(2)装置及び器具装置及び器具は、次のとおりとする。
・三角フラスコ300ml
・ビュレット25ml
・水浴又は熱板
(3)操作は、次のとおり行う。
・試料を適量三角フラスコに量り取る。
・溶剤100ml及び指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴加え、水浴上で試料が完全に溶けるまで十分に振り混ぜる。
・0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬のうすい紅色が30秒間続いたときを終点とする。
(4)計算酸価は、次の式によって算出する。
A=(B×f×5.611)/S
ここで、
A:酸価
B:滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)
f:0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S:試料の質量(g)
5.611:水酸化カリウムの式量56.11×1/10
(重量平均分子量の測定方法)
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、下記の条件により求められる重量平均分子量である。
測定装置 ; 東ソー株式会社製 HLC−8220
カラム ; 東ソー株式会社製 TSKガードカラム SuperHZ−L
+東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ 4000
+東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ 3000
+東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ 2000
+東ソー株式会社製 TSKgel SuperHZ 1000
検出器 ; RI(屈折率)、UV(紫外、モニター波長254nm)
測定条件: カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/min(Sample側)、0.175ml/min(Ref側)
標準 ;ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.5重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(注入量10μl)
(実施例、比較例)
表1及び表2に示した組成で配合した組成物を、60℃で3時間加熱、溶解して、実施例1〜6及び比較例1の各実施例及び比較例の光造形用硬化性組成物を調製した。得られた光造形用硬化性組成物について、各評価を行った。得られた評価結果を表1及び表2に示す。なお表中の組成の数値は重量%を表す。
(評価方法)
東機産業社製粘度測定器:TVE−20Lにて、25℃における粘度を測定した。測定回転数は、20rpm/mimとした。なお、本発明の実施例で使用したインクジェット印刷評価装置にて安定に印刷する為にインクの粘度を14〜16mPa・secの間に調整した。
(貯蔵弾性率の測定方法)
光硬化物は次のように作成した。10cm×10cmのガラス板上に、実施例または比較例の光造形用硬化性組成物を、硬化後の膜厚が80〜120ミクロンになるよう調製し、窒素雰囲気下中、アイグラフィックス社製のメタルハライドランプにて0.5J/cmにて硬化させたものを光硬化物のサンプルとした。
貯蔵弾性率は、前記光硬化物をダンベルカッターでJIS K 7127の試験片タイプ5の形状に打ち抜き試験片とし、この試験片を用いて、レオメトリックス社製の動的粘弾性測定装置RSA−III(周波数3.5Hz、昇温速度3℃/分)により、室温から昇温し25℃、50℃、75℃、及び100℃の貯蔵弾性率E‘を測定した。
25℃に到達したときの貯蔵弾性率E‘を、25℃における貯蔵弾性率とし、100℃に到達した時の貯蔵弾性率E‘を、100℃における貯蔵弾性率とした。
(Tg(℃)、及びTanδmaxの測定方法)
貯蔵弾性率の測定方法と同様の作成した光硬化物のサンプルを、レオメトリックス社製の動的粘弾性測定装置RSA−III(周波数3.5Hz、昇温速度3℃/分)により室温から昇温し、Tg及びTanδmaxを測定した。
(光硬化物の反り)
光硬化物は次のように作成した。5cm×5cmのガラス板上に、実施例または比較例の光造形用硬化性組成物を、硬化後の膜厚が80〜120ミクロンになるよう調製し、窒素雰囲気下中アイグラフィックス社製のメタルハライドランプにて0.5J/cmにて硬化させたものを光硬化物のサンプルとした。サンプルの端面から2mm部分をカットし、平らな面に置き、フィルムの反りを確認した。
判定
〇:4隅と中心部が全て平らな面に接触する。
×:4隅と中心部のどれかが平らな面から離れている。
(貯蔵弾性率の測定方法)
光硬化物は次のように作成した。10cm×10cmのガラス板上に、実施例または比較例の光造形用硬化性組成物を、硬化後の膜厚が80〜120ミクロンになるよう調製し、窒素雰囲気下中、アイグラフィックス社製のメタルハライドランプにて0.5J/cmにて硬化させたものを光硬化物のサンプルとした。
(引張破壊強さと引張破壊伸びの測定方法)
引張破壊強さと引張破壊伸びは、前記光硬化物をダンベルカッターでJIS K 7127の試験片タイプ5の形状に打ち抜き試験片とし、この試験片を用いて、A&D社製 テンシロンRTG−1225(ロードセル100N ヘッドスピード50mm/min 試験片幅25mm)により、塗膜が破断した時の力と試験片幅からそれぞれ引張破壊強さと引張破壊伸びを算出した。
Figure 0006828273
Figure 0006828273


表1、2中、略語は以下の通りである。
トリメチロールプロパンEO変性(3mol)トリアクリレート:トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性(3mol)トリアクリレート
KF−351:シリコン系添加剤
この結果、ポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)を使用しない比較例1は、光硬化物の反りが大きくなることが確認された。

Claims (2)

  1. 活性エネルギー線重合性化合物及び光重合開始剤を含有する光造形用硬化性組成物であって、活性エネルギー線重合性化合物全重量に対し、重量平均分子量4000〜14000のポリエステルポリオールウレタン(メタ)アクリレート(A)を5〜40重量%、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドを付加して得たトリ(メタ)アクリレート(B)を0.05〜4重量%、且つ前記活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C)を50〜90重量%含んでおり、前記活性エネルギー線重合性基を1つ有する重合性化合物(C)がフェノキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクタム、及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートであることを特徴とするインクジェット光造形用硬化性組成物。
  2. インクジェットノズルから請求項1に記載の光造形用硬化性組成物を吐出して前記光造形用硬化性組成物からなる光硬化性液状樹脂組成物層を形成した後、光を照射して硬化させ、前記硬化した層の上に、インクジェットノズルから光造形用硬化性組成物を供給する工程を有し、前記工程を繰り返すことにより光硬化物である成形品を製造する方法。
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