JP5733911B2 - 活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物およびインクジェットインク用樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物およびインクジェットインク用樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物に関し、更に詳しくは低粘度でありかつ硬化性に優れる活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物に関するものである。
従来より、紫外線硬化型のインクを用いて、インクジェット記録方式等により印刷を行う技術は広く知られており、例えば特許文献1においては、色材、ウレタン系オリゴマー、三官能以上の反応基を有するモノマーおよび水性溶媒を含有する光硬化型インクジェット記録用インク組成物が記載されている。
かかる紫外線硬化型インク組成物は、紫外線を照射することにより高分子化する成分を含んでなるインク組成物であり、インク組成物を記録媒体に付着させた後、紫外線を照射することにより、インク組成物中の光重合開始剤がラジカル等を生成し、これによって、オリゴマー、モノマーが重合して硬化するため、インク組成物中の色材が記録媒体上に固着するものである。
日本国特開2000−336295号公報
しかしながら、紫外線硬化成分としてオリゴマー成分を用いると、インク組成物の粘度が上昇したり、保存安定性が低下する傾向があるため、例えばインクジェット記録方式での印刷においては、かかる紫外線硬化型インク組成物をインクジェット記録装置の記録ヘッドに充填し、目詰まり等が発生せず安定した吐出により、インク組成物の小滴を飛翔させることは難しいものであり、粘度と物性のバランスのとれた紫外線硬化型インクジェット用インク組成物の開発が求められていた。
そこで、本発明は、このような背景下において、低粘度であり、かつ硬化性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、インク組成物中のオリゴマー成分として、ポリオール成分由来の構造部位を含有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物と、ポリオール成分由来の構造部位を有さないウレタン(メタ)アクリレート系化合物を併用し、ポリオール成分由来の構造部位を含有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物と、ポリオール成分由来の構造部位を有さないウレタン(メタ)アクリレート系化合物の含有割合(重量比)を、90:10〜60:40とすることにより、低粘度であり、かつ硬化性に優れた活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の要旨は、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)及びポリオール系化合物(但し、化合物(a1)を除く)(a3)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)及び多価イソシアネート系化合物(b2)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、色材(C)を含有し、該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)と該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合(重量比)が、(A):(B)=90:10〜60:40であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物に関するものである。
また、本発明においては、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)及びポリオール系化合物(但し、化合物(a1)を除く)(a3)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、及び、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)及び多価イソシアネート系化合物(b2)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、を含有し、該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)と該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合(重量比)が、(A):(B)=90:10〜60:40であるインクジェットインク用樹脂組成物をも提供するものである。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、低粘度であって、かつ硬化性、強度、伸びに優れるものであり、また、保存安定性、耐薬品性にも優れるものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクリロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)は、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)及びポリオール系化合物(但し、化合物(a1)を除く)(a3)を反応させて得られるものであり、その構造中にポリオール(a3)由来の構造部位を有することを特徴とするものである。
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、硬化収縮を抑えることができインク組成物として使用し易くなる点でヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく用いられ、更に好ましくは2−ヒドロキシエチルアクリレートである。
また、これらは1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
多価イソシアネート系化合物(a2)としては、例えば、芳香族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネート、脂環式系ポリイソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。
具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等のポリイソシアネート、前記ポリイソシアネートの3量体化合物、前記ポリイソシアネートの多量体化合物が挙げられる。また、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、日本ポリウレタン工業(株)製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等の水分散型ポリイソシアネート、等も挙げられる。
これらの中でも、脂肪族ポリイソシアネート系化合物が硬化塗膜の黄変が少ない点や、硬化収縮が小さい点で好ましく、更に好ましくは、イソホロンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネートである。
ポリオール系化合物(a3)としては、例えば、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、(メタ)アクリル系ポリオール、ポリシロキサン系ポリオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオールが、生成するウレタン(メタ)アクリレート系化合物の粘度が低くなる点で好ましい。
前記ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等のアルキレン構造含有ポリエーテル系ポリオールや、これらポリアルキレングリコールのランダム或いはブロック共重合体が挙げられる。
前記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、(i)多価アルコールと多価カルボン酸との縮合重合物、(ii)環状エステル(ラクトン)の開環重合物、(iii)多価アルコール、多価カルボン酸及び環状エステルの3種類の成分による反応物などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,3−テトラメチレンジオール、2−メチル−1,3−トリメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、3−メチル−1,5−ペンタメチレンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、シクロヘキサンジオール類(1,4−シクロヘキサンジオールなど)、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)などが挙げられる。
前記多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸等の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
前記環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
前記ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、(i)多価アルコールとホスゲンとの反応物、(ii)アルキレンカーボネート等の環状炭酸エステルの開環重合物などが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、前記ポリエステル系ポリオールの説明中で例示の多価アルコール等が挙げられ、前記アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネートなどが挙げられる。
なお、ポリカーボネート系ポリオールは、分子内にカーボネート結合を有し、末端がヒドロキシル基である化合物であればよく、カーボネート結合とともにエステル結合を有していてもよい。
前記ポリオレフィン系ポリオールとしては、飽和炭化水素骨格としてエチレン、プロピレン、ブテン等のホモポリマーまたはコポリマーを有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。
ポリブタジエン系ポリオールとしては、炭化水素骨格としてブタジエンの共重合体を有し、その分子末端に水酸基を有するものが挙げられる。
ポリブタジエン系ポリオールは、その構造中に含まれるエチレン性不飽和基の全部または一部が水素化された水添化ポリブタジエンポリオールであってもよい。
前記(メタ)アクリル系ポリオールとしては、(メタ)アクリル酸エステルの重合体又は共重合体の分子内にヒドロキシル基を少なくとも2つ有しているものが挙げられる。かかる(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられ、好ましくはアルキル基の炭素数が1〜20、特に好ましくは1〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
前記ポリシロキサン系ポリオールとしては、例えば、ジメチルポリシロキサンポリオールやメチルフェニルポリシロキサンポリオール等が挙げられる。
ポリオール系化合物(a3)の分子量としては、200〜6000が好ましく、より好ましくは500〜4000、更に好ましくは1000〜3000である。
ポリオール系化合物(a3)の分子量が大きすぎると粘度が高くなる傾向があり、インク組成物とした場合、ヘッドの目詰まりの原因や安定に吐出できなくなる傾向がある。小さすぎると硬化の際の収縮が大きくなる傾向があり、密着性が低下したり、印刷面が割れたりする傾向がある。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の製造法は、公知一般の方法に従い製造すればよく、通常、上記水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)、ポリオール系化合物(a3)を、反応器に一括又は別々に仕込み反応させればよい。
特には、ポリオール系化合物(a3)と多価イソシアネート系化合物(a2)とを予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有反応生成物に、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)を反応させるのが、反応の安定性や副生成物の低減等の点で有用であり好ましい。
ポリオール系化合物(a3)と多価イソシアネート系化合物(a2)との反応は、公知の反応手段を用いて反応させることができる。その際、例えば、多価イソシアネート系化合物(a2)中のイソシアネート基:ポリオール系化合物(a3)中の水酸基とのモル比を通常2n:(2n−2)(nは2以上の整数)程度にすることにより、イソシアネート基を残存させ、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)との付加反応を可能にする。
前記ポリオール系化合物(a3)と多価イソシアネート系化合物(a2)とを予め反応させて得られる末端イソシアネート基含有反応生成物と、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)との付加反応も、公知の反応手段を用いて反応させればよい。
末端イソシアネート基含有反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)との反応モル比は、例えば、末端イソシアネート基含有反応生成物のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)の水酸基が1個である場合は、通常、末端イソシアネート基含有反応生成物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)が1:2程度であり、末端イソシアネート基含有反応生成物のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)の水酸基が1個である場合は、通常、末端イソシアネート基含有反応生成物:水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)が1:3程度である。
この末端イソシアネート基含有反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が、通常0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)を得ることができる。
かかるポリオール系化合物(a3)と多価イソシアネート系化合物(a2)との反応、更にその末端イソシアネート基含有反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)との反応においては、反応を促進する目的で触媒を用いることも好ましい。
かかる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、トリメチル錫ヒドロキシド、テトラ−n−ブチル錫等の有機金属化合物、オクトエ酸亜鉛、オクトエ酸錫、ナフテン酸コバルト、塩化第1錫、塩化第2錫等の金属塩、トリエチルアミン、ベンジルジエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N−エチルモルホリン等のアミン系触媒、硝酸ビスマス、臭化ビスマス、ヨウ化ビスマス、硫化ビスマス等の他、ジブチルビスマスジラウレート、ジオクチルビスマスジラウレート等の有機ビスマス化合物や、2−エチルヘキサン酸ビスマス塩、ナフテン酸ビスマス塩、イソデカン酸ビスマス塩、ネオデカン酸ビスマス塩、ラウリル酸ビスマス塩、マレイン酸ビスマス塩、ステアリン酸ビスマス塩、オレイン酸ビスマス塩、リノール酸ビスマス塩、酢酸ビスマス塩、ビスマスリビスネオデカノエート、ジサリチル酸ビスマス塩、ジ没食子酸ビスマス塩等の有機酸ビスマス塩等のビスマス系触媒等が挙げられる。これらの中でも、ジブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセンが好適である。
またポリオール系化合物(a3)と多価イソシアネート系化合物(a2)との反応、更にその末端イソシアネート基含有反応生成物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)との反応においては、イソシアネート基に対して反応する官能基を有しない有機溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等の有機溶剤を用いることができる。
また、反応温度は、通常30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は、通常2〜10時間、好ましくは3〜8時間である。
得られたウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量平均分子量としては、500〜50000であることが好ましく、更には1000〜30000であることが好ましい。かかる重量平均分子量が小さすぎると硬化塗膜が脆くなり、印刷面に割れが発生する傾向があり、大きすぎると高粘度となりノズルから安定的に吐出できにくくなる傾向がある。
尚、前記の重量平均分子量とは、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10 7 、分離範囲:100〜2×10 7 、理論段数:10、000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定される。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の60℃における粘度が100,000mPa・s以下であることが好ましく、特には70,000mPa・s以下、更には50,000mPa・s以下であることが好ましい。かかる粘度が前記範囲外では塗工性が低下する場合があり好ましくない。なお、かかる粘度の下限としては、通常100mPa・sである。
ここで、前記の粘度の測定法はE型粘度計によるものである。
本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)及び多価イソシアネート系化合物(b2)を反応させて得られるものであり、該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、ポリオール成分由来の構造部位を有さないものである。
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)としては、前記水酸基含有(メタ)アクリル酸系化合物(a1)で例示したものと同様のものが挙げられる。例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、脂肪酸変性−グリシジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイル−オキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、1個のエチレン性不飽和基を含有する化合物を用いることが、ウレタン(メタ)アクリレートの粘度が低くなる点で好ましい。
多価イソシアネート系化合物(b2)としては、前記多価イソシアネート系化合物(a2)で例示したものと同様のものが挙げられ、例えば、芳香族系ポリイソシアネート、脂肪族系ポリイソシアネート、脂環式系ポリイソシアネート等のポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリフェニルメタンポリイソシアネート、変性ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、フェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等のポリイソシアネート、前記ポリイソシアネートの3量体化合物、前記ポリイソシアネートの多量体化合物が挙げられる。
また、アロファネート型ポリイソシアネート、ビュレット型ポリイソシアネート、日本ポリウレタン工業(株)製の「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」等の水分散型ポリイソシアネート等も挙げられる。
これらの中でも、脂肪族多価イソシアネート系化合物が好ましく、更に好ましくは、硬化塗膜の黄変が少ない点や、硬化収縮が小さい点で、イソホロンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、水添化キシリレンジイソシアネートである。
なお、エチレン性不飽和基の個数を調整するためには、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)と、多価イソシアネート系化合物(b2)とを、適宜選択して用いればよい。
例えば、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)として1個のエチレン性不飽和基を有するものを用いて、多価イソシアネート化合物(b2)として、トリイソシアネート化合物を用いる場合には、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)中のエチレン性不飽和基数は3個となる。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の製造方法については、特に限定される
ものではなく、前記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の製造方法に準じて製造すればよい。
なお、多価イソシアネート系化合物(b2)と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)との反応モル比は、例えば、多価イソシアネート系化合物(b2)のイソシアネート基が2個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)の水酸基が1個である場合は、通常、多価イソシアネート系化合物(b2):水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)が1:2程度であり、多価イソシアネート系化合物(b2)のイソシアネート基が3個で、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)の水酸基が1個である場合は、通常、多価イソシアネート系化合物(b2):水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)が1:3程度である。
この多価イソシアネート系化合物(b2)と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)との付加反応においては、反応系の残存イソシアネート基含有率が通常0.5重量%以下になる時点で反応を終了させることにより、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)を得ることができる。
得られたウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の重量平均分子量としては3000以下であることが好ましく、更には1500以下であることが好ましい。かかる重量平均分子量が大きすぎると樹脂粘度が高くなる傾向がある。なお、重量平均分子量の下限としては、通常150であり、好ましくは200である。
ここで、前記の重量平均分子量は、ウレタン(メタ)アクリレート(A)での測定方法と同様にして測定される。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の60℃における粘度が10,000mPa・s以下であることが好ましく、特には7,000Pa・s以下、更には5,000mPa・s以下であることが好ましい。
かかる粘度が前記範囲外では塗工性が悪くなる場合があり好ましくなく、かかる粘度の下限としては、通常100mPa・sである。
ここで、前記の粘度の測定法はE型粘度計によるものである。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)を含有するものであるが、この場合、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)とをそれぞれ別々に製造したうえで混合してもよいし、また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の原料を一括仕込みして同時に反応させることによりウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の混合物としてもよい。
また、本発明におけるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)を構成する多価イソシアネート系化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物に関しては、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)それぞれ同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。特には、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)が、同じ多価イソシアネート系化合物および水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物からなる場合が、製造効率がよい点で好ましい。
具体的には、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の原料を一括して仕込み反応させて、(A)と(B)の混合物を製造する場合の原料の反応モル比としては、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物:多価イソシアネート系化合物:ポリオール系化合物=1〜1.5:1:0.2〜0.5であることが好ましい。
活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物中のウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量((A)と(B)の和)としては、後述の色材(C)及び重合性モノマー(D)を含む場合において、(A)〜(D)成分の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、特に好ましくは1〜17重量部、殊に好ましくは3〜15重量部である。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有量が少なすぎると、硬化性が低下し強度が低下する傾向があり、多すぎると粘度が高くなり塗工適正が低下する傾向がある。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合(重量比)は、(A):(B)=9010〜60:40である。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の含有割合が多すぎると、粘度が高くなり塗工性が低下する傾向があり、少なすぎると硬化収縮が大きくなり塗膜が割れやすくなる傾向がある。
本発明における色材(C)とは、染料、顔料のいずれであってもよいが、印刷物の耐久性の点で顔料の方が好ましい。
前記染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各種染料を使用することができる。
前記顔料としては、特に限定されるものではなく、無機顔料、有機顔料のどちらを用いてもよい。
かかる無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラック等を使用することができる。
また、かかる有機顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等の多環式顔料、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等の染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等を使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、C.I.ピグメントブラック7;三菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等;、コロンビア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同700等;、キャボット社製のRegal 400R、同330R、同660R、Mogul L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同1100、同1300、同1400等;デグサ社製のColor Black FW1、同FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、Color Black S150、同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Special Black 6、同5、同4A、同4等;が挙げられる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180、185、213等が挙げられる。
また、マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19等が挙げられる。
さらに、シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、60、16、22が挙げられる。
かかる顔料の平均粒径については、10〜200nmであることが好ましく、より好ま
しくは50〜150nmである。
また、金、銀、銅、アルミニウム、真鍮、チタニウム等の金属単体及び/又はそれらの合金による金属顔料や中空白色樹脂エマルジョン顔料を色材として用いる事も可能であり、この場合には、平均粒子径が100nm〜5μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは300nm〜3μm程度である。
インク組成物における色材(C)の含有量は、後述の重合性モノマー(D)を含む場合において、(A)〜(D)成分の合計100重量部に対して、0.1〜25重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜15重量部である。
本発明の好ましい態様によれば、これらの顔料は、分散剤または界面活性剤でモノマー媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインク組成物とすることができる。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤(ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミンなど)を使用することができる。
また、インク組成物が色材を含有する場合、その色材を含有するインク組成物は、各色毎の複数有するものであっても良い。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本4色に加えて、それぞれの色毎に同系列の濃色や淡色を加える場合、マゼンタに加えて淡色のライトマゼンタ、濃色のレッド、シアンに加えて淡色のライトシアン、濃色のブルー、ブラックに加えて淡色であるグレイ、ライトブラック、濃色であるマットブラックが挙げられる。
本発明のインクジェット用インク組成物は、前記(A)〜(C)成分の他に、重合性モノマー(D)、光重合開始剤(E)を用いることができる。
前記重合性モノマー(D)としては、ラジカル重合型モノマーとカチオン重合性モノマー等を用いることが可能であるが、硬化乾燥速度の速いインクが得られる点で、ラジカル重合性モノマーを用いることが好ましく、特に好ましくはエチレン性不飽和モノマーを用いることが好ましい。
かかるエチレン性不飽和モノマーとしては、1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基を有するエチレン性不飽和モノマー、例えば、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能以上のモノマーが挙げられる。
単官能モノマーとしては、エチレン性不飽和基を1つ含有するモノマーであればよく、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフエステル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートモノエステル等が挙げられる。
また、前記の単官能モノマーの他にアクリル酸のミカエル付加物あるいは2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルも挙げられ、アクリル酸のミカエル付加物としては、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸トリマー、メタクリル酸トリマー、アクリル酸テトラマー、メタクリル酸テトラマー等が挙げられる。また、特定の置換基をもつカルボン酸である2−アクリロイルオキシエチルジカルボン酸モノエステルとしては、例えば2−アクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸モノエステル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル、2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸モノエステル等が挙げられる。更に、オリゴエステルアクリレートも挙げられる。
2官能モノマーとしては、エチレン性不飽和基を2つ含有するモノマーであればよく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールエチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートジエステル等が挙げられる。
3官能以上のモノマーとしては、エチレン性不飽和基を3個以上含有するモノマーであればよく、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
かかる重合性モノマー(D)の含有量は、(A)〜(D)成分の合計100重量部に対して、5〜95重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜90重量部である。
前記光重合開始剤(E)としては、特に限定されるものではなく、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー等のアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等のベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド等のチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフォンオキサイド類;等があげられる。なお、これら光重合開始剤(E)は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
これらの中でもα−アミノアルキルフェノン等のα−アミノケトン系光重合開始剤、α−ヒドロキシアルキルフェノン等のα−ヒドロキシケトン系光重合開始剤、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が好ましく用いられ、特には、α−ヒドロキシアルキルフェノン、ビスアシルフォスフィンオキサイドが、光硬化を目的にインク組成物へ照射された波長の光を吸収してラジカルが発生し、硬化反応効率的に行なうことが可能となる点で好ましい。
また、これらの助剤として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等を併用することも可能である。
光重合開始剤(E)の含有量としては、(A)、(B)および(D)成分の合計を100重量部としたときに、0.1〜30重量部であることが好ましい。光重合開始剤(E)の含有量が少なすぎると、酸素阻害の影響が大きくなり、硬化が不足する傾向があり、多すぎると耐久性が低下する傾向がある。
また、本発明のインクジェット用インク組成物は、不溶性の蛍光色材、蛍光増白剤、蛍光色材を含有する微粒子を含んでいてもよい。これら微粒子を含むことにより、これら色材がある波長の光を吸収しより長波長側である青色の可視光を放出する特性を有しているため、補色である黄色をマスキングし、より白さを際立たせる効果があるため好ましい。
また、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インクに使用し得る、公知公用のその他の成分として、湿潤剤、浸透溶剤、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を添加しても良い。
この他にも、必要に応じてレベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を使用することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、活性エネルギー線を照射することにより硬化反応を行う。
活性エネルギー線を照射するに当たっては、活性エネルギー線として、遠紫外線、紫外線、近紫外線、赤外線等の光線、X線、γ線等の電磁波の他、電子線、プロトン線、中性子線等が利用できるが、硬化速度、照射装置の入手のし易さ、価格等から紫外線照射による硬化が有利である。
紫外線照射には、150〜450nm波長域の光を発する高圧水銀ランプ、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、無電極放電ランプ等を用いることができる。
また、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子により、紫外線照射を行うことができる。
本発明において、活性エネルギー線の照射量としては、通常10〜20,000mJ/cm2であり、好ましくは50〜15000mJ/cm2、特に好ましくは、100〜10000mJ/cm2である。
本発明にかかる活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物の記録方法としては、インクジェットであり、膜強度に優れるとともに、硬化性にも優れ、鮮明な画像を形成することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物をインクジェット記録方式で使用する場合には、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物の粘度は、25℃で15mPa・s以下であることが好ましく、特に好ましくは10mPa・s以下、更に好ましくは5mPa・s以下である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、1液型のインク組成物として用いてもよいし、2液型のインク組成物として用いてもよい。
2液型インク組成物として用いる場合には、色材を含有する組成物と、光重合開始剤を含有する組成物に分けることが、インク組成物の硬化性能に優れ、耐擦性や印字信頼性に優れる点で好ましい。
また、2液型のインク組成物として用いる場合は、あらかじめ2液を混合してから記録媒体上に付着させる形態でもよいし、2液を混合せずに、それぞれを同時または複数回に分け記録媒体上の同位置に付着させる形態で用いてもよい。
かくして本発明では、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)及び色材(C)を含有する活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を得ることができ、低粘度でかつ硬化性に優れた効果を有するものとなる。
また、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)を含有する樹脂組成物は、インクジェットインク用樹脂組成物として有用である。該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)は、上述した活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物に含有されるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)と同様である。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)および(B)を以下の製造例に従い製造した。
<製造例1>
攪拌機を備えた反応容器に、ポリオキシプロピレングリコール(三洋化成工業(株)製、「サンニックス PP−2000」)63.7部、イソホロンジイソシアネートを21.2部を入れ、温度80℃で3時間撹拌した。ジブチル錫ジウラレート40ppmを添加し、更に2時間撹拌した後に60℃まで温度を下げ、2−ヒドロキシエチルアクリレート15.1部、MEHQ(モノメチルエ−テルハイドロキノン)400ppmを加え更に60℃にて撹拌し、イソシアネート残基が0.3%を下回った時点で反応を止め、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−1)および(B−1)の混合物[UA−1]100部を得た。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[UA−1]が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−1)および(B−1)の混合物であることは、前述の重量平均分子量の測定時と同様の測定方法によりGPCを測定した際に、分子量の異なる二つのピークが得られていることから判断した。ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−1)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−1)の理論含有量は、(A−1)=77.97部、(B−1)=21.66部である。
<製造例2>
製造例1において、ポリオキシプロピレングリコールの代わりに、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学工業(株)製、「PTG−650SN」)36.3部を用い、イソホロンジイソシアネートの使用量を37.1部、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を26.5部とした以外は製造例1と同様にして、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−2)および(B−2)の混合物[UA−2]100部を得た。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[UA−2]が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−2)および(B−2)の混合物であることは、前述の重量平均分子量の測定時と同様の測定方法によりGPCを測定した際に、分子量の異なる二つのピークが得られていることから判断した。ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−2)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−2)の理論含有量は、(A−2)=61.38部、(B−2)=37.97部である。
<製造例3>
製造例1において、ポリオキシプロピレングリコールの代わりに、ポリエステルポリオール((株)ADEKA製、「アデカニューエース V14−90」)64.5部を用い、イソホロンジイソシアネートの使用量を20.7部、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を14.8部とした以外は製造例1と同様にして、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−3)および(B−3)の混合物[UA−3]100部を得た。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[UA−3]が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−3)および(B−3)の混合物であることは、前述の重量平均分子量の測定時と同様の測定方法によりGPCを測定した際に、分子量の異なる二つのピークが得られていることから判断した。ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−3)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−3)の理論含有量は、(A−3)=78.47部、(B−3)=21.17部である。
<製造例4>
製造例3において、各成分の使用量を、ポリエステルポリオール69.6部、イソホロンジイソシアネート18.6部、2−ヒドロキシエチルアクリレート11.9部にした以外は製造例3と同様にして、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−4)および(B−4)の混合物[UA−4]100部を得た。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[UA−4]が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−4)および(B−4)の混合物であることは、前述の重量平均分子量の測定時と同様の測定方法によりGPCを測定した際に、分子量の異なる二つのピークが得られていることから判断した。ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−4)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−4)の理論含有量は、(A−4)=84.59部、(B−4)=15.21部である。
<製造例5>
製造例1において、ポリオキシプロピレングリコールの代わりに、ポリアルキレンカーボネートジオール(旭化成ケミカルズ(株)製、「PCDL T5650J」)40.1部を用い、イソホロンジイソシアネートの使用量を35.0部、2−ヒドロキシエチルアクリレートの使用量を25.0部とした以外は製造例1と同様にして、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−5)および(B−5)の混合物[UA−5]100部を得た。
なお、上記ウレタン(メタ)アクリレート系化合物[UA−5]が、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−5)および(B−5)の混合物であることは、前述の重量平均分子量の測定時と同様の測定方法によりGPCを測定した際に、分子量の異なる二つのピークが得られていることから判断した。ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A−5)とウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B−5)の理論含有量は、(A−5)=63.65部、(B−5)=35.74部である。
前記製造例1〜5で得られたウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用いて、鉛筆硬度、ヤング率、強度、伸度等の塗膜物性を測定すると良好な結果が得られると予測される。
なお、ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の混合物[UA−1]〜[UA−5]の分子量および粘度を以下の方法で測定した。測定結果は下記表1の通りである。
重量平均分子量は、標準ポリスチレン分子量換算による重量平均分子量であり、高速液体クロマトグラフィー(日本Waters社製、「Waters 2695(本体)」と「Waters 2414(検出器)」)に、カラム:Shodex GPC KF−806L(排除限界分子量:2×10 7 、分離範囲:100〜2×10 7 、理論段数:10,000段/本、充填剤材質:スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、充填剤粒径:10μm)の3本直列を用いることにより測定されるものであり、数平均分子量も同様の方法で用いることができる。また分散度は重量平均分子量と数平均分子量より求められる。
活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物の粘度は、60℃において、E型粘度計にて測定した。
Figure 0005733911
上記製造例1〜5で製造したウレタン(メタ)アクリレート系化合物を用いて、下記実施例1〜5における活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を製造した。
<実施例1>
ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)およびウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)として、製造例1で得られた[UA−1]を13部、(C)成分として御国色素社製:「ハイミクロンK ブルー6227」を4部、(D)成分としてイソオクチルアクリレート13部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート37部、トリプロピレングリコールジアクリレート33部、光重合開始剤(E)としてチバ・ジャパン社製:「イルガキュア907」を10部、ゲル化防止剤としてチバ・ジャパン社製:「チヌビン123」を0.5部配合し、ガラスビーズと共にディスパーを用いて混合し、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
<実施例2>
実施例1において、[UA−1]の代わりに、前記製造例2で得られた[UA−2]を用いた以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
<実施例3>
実施例1において、[UA−1]の代わりに、前記製造例3で得られた[UA−3]を用いた以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
<実施例4>
実施例1において、[UA−1]の代わりに、前記製造例4で得られた[UA−4]を用いた以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
<実施例5>
実施例1において、[UA−1]の代わりに、前記製造例5で得られた[UA−5]を用いた以外は実施例1と同様にして、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を得た。
上記実施例1〜5で得られた活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物について、下記の硬化膜特性試験を行ない、硬度および耐薬品性を評価した。評価結果は下記表2に記す。
<硬化膜特性試験>
活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物をPETフィルム上にバーコーターにより2μmで塗布し、365nm波長の紫外線を、照射強度200mW/cm2、積算光量150mJ/cm2になるような条件で照射し、該インク組成物を硬化させることにより、以下の膜特性を評価する。
・硬度
表面を爪でこすり、表面状態の目視評価をおこなった。
○:指または爪にインクが付着せず、塗膜にも傷がない
△:インクの付着はないが、塗膜に傷がいく
×:指にインクがつく
・耐薬品性
メタノールを含ませた綿棒を硬化膜に押しあて、左右に擦りつけて硬化膜の剥離、薄化等の破壊が起るかを確認した。
○:25往復で、硬化膜の剥離、薄化が見られない
△:10〜25往復で硬化膜の剥離、薄化を確認
×:10往復未満で硬化膜の剥離、薄化を確認
Figure 0005733911
実施例1〜5で用いた活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、含有するウレタン(メタ)アクリレート系化合物が低粘度であるために、インク組成物としての粘度も低く、インクジェット用インクとして用いた際に、ノズルからの吐出性等の物性に優れるものである
更に活性エネルギー線を照射して硬化させた際の物性にも優れるものであるため、活性エネルギー線硬化型のインクジェット用インクとしても優れた性能を発揮できるものである。
また、前記活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、下記測定方法により評価される、粘度、保存安定性、硬化後の弾性率、強度、伸びに優れるものと予測される。
<粘度>
25℃において、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物の粘度を、E型粘度計にて測定する。
<保存安定性試験>
活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を60℃×7日の環境下に放置して、初期粘度(mPa・s)と放置後の粘度をE型粘度計で測定し、粘度の変化率(%)を評価する。
<弾性率、強度、伸び>
活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物を離型紙上に100μのアプリケーターで塗布し、80W/cm出力の中圧水銀灯で3秒間照射し約100μの塗膜を得る。この塗膜をダンベル3号で打抜いて試験片を採取し、オートグラフにて引張強度100mm/minで抗張力を測定することによって、弾性率(kg/cm2)、強度(kg/cm2)、伸び(%)を評価する。
本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物は、低粘度であり、かつ硬化性に優れため、活性エネルギー線硬化型インクジェット用インクとして有用である。


Claims (7)

  1. 水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)及びポリオール系化合物(但し、化合物(a1)を除く)(a3)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、
    水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)及び多価イソシアネート系化合物(b2)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、及び、
    色材(C)、
    を含有し、該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)と該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合(重量比)が、(A):(B)=90:10〜60:40であることを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
  2. ポリオール系化合物(a3)の分子量が、200〜6000である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
  3. ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)の重量平均分子量が、500〜50000である請求項1または2記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
  4. ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の重量平均分子量が、3000以下である請求項1〜3いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
  5. 重合性モノマー(D)を含有する請求項1〜4いずれか記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
  6. 活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物中におけるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)及びウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の合計の含有量が、(A)〜(D)成分の合計100重量部に対して、0.1〜20重量部である請求項5記載の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物。
  7. 水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(a1)、多価イソシアネート系化合物(a2)及びポリオール系化合物(但し、化合物(a1)を除く)(a3)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)、及び、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物(b1)及び多価イソシアネート系化合物(b2)を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)、を含有し、該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(A)と該ウレタン(メタ)アクリレート系化合物(B)の含有割合(重量比)が、(A):(B)=90:10〜60:40であるインクジェットインク用樹脂組成物。
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