JP2002241654A - 紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物およびこれを用いるカラー画像の形成方法 - Google Patents
紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物およびこれを用いるカラー画像の形成方法Info
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Abstract
出安定性に優れた紫外線硬化型インクジェット記録用イ
ンク組成物を提供する。また、インク非吸収材料面へ
の、高精細な印刷を可能にするインクジェット方式によ
るカラー画像形成方法を提供する。 【解決手段】 着色剤と、紫外線硬化組成物と、光重合
開始剤と、紫外線硬化組成物を溶解する有機溶剤とを含
有するインクジェット記録用インク組成物において、有
機溶剤の沸点を一定値範囲とすると共に、インク組成物
中の紫外線硬化性組成物と有機溶剤との質量比率と、紫
外線硬化性組成物の含有量をそれぞれ一定値以上に規定
した紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。
あるいは該インク組成物を用いたインクジェットプリン
ターによる画像形成方法。
Description
クジェット記録用インク組成物に関するものであり、更
に詳しくは、金属、プラスチック、ガラス等のインク非
吸収材料へのカラー印刷に適した紫外線硬化型インクジ
ェット記録用油性インク組成物に関するものである。さ
らにまた、該インク組成物を用いたインクジェット方式
による、インク非吸収材料面へのカラー画像の形成方法
に関するものである。
ノズルよりインクを噴射し被記録材に付着せしめる方式
であり、該ノズルと被記録材が非接触状態にあるため、
曲面や凹凸した不規則な形状を有する表面に対して、良
好な印刷を行うことができる。このため、産業用途で広
範囲にわたる利用分野が期待されている印刷方式であ
る。
イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック4色のインキを
1色づつ印刷してカラー画像を形成するのに対し、一般
的なインクジェット記録装置は、4色をまとめて印刷す
る方式である。このため、非吸収材料面へ印刷した場
合、異なる色のインキが混じり合い鮮明なカラー画像を
得る事はできない。したがって、非吸収材料への印刷を
インクジェット記録方式で行うためには、特開平7−2
24241号公報に記載されているように、4色のイン
クを1色づつ順次に印刷する必要があり、1色目のイン
クを乾燥させた後2色目を印刷する必要がある。このた
め、高速印刷を実現するためには被印刷材料に着弾した
インクの乾燥速度を高くする必要がある。また、硬化性
のよい被膜を得るためにも、被膜に溶剤が残らないよう
インク中の溶剤の速やかな蒸発が必要である。また一
方、良好な吐出安定性を得るためにはノズル端面でのイ
ンクの乾燥を防止する必要があり、これらの要求を満足
するインクとして紫外線等の活性エネルギー線で硬化乾
燥する油性、水性の紫外線硬化型インクジェット記録用
インク組成物(以下、「紫外線硬化型ジェットインク」
との略記を併用する。)が数多く提案されている。
被膜の耐久性等の要求性能を全て満足するには、インク
の乾燥速度に対して相反する要請を満たさねばならな
い。従って、これらすべての条件を満たす紫外線硬化型
ジェットインクは得られていないのが現状であり、吐出
安定性が良好で硬化性に優れ、かつ硬化被膜の耐久性に
優れる紫外線硬化型ジェットインクが強く求められてい
る。さらにまた、インク非吸収材料面に高精細な画像
を、インクジェット方式で形成する方法が求められてい
る。
性、硬化被膜の耐久性等に優れ、かつ吐出安定性に優れ
た紫外線硬化型インクジェット記録用インク組成物を提
供することにある。またさらに本発明の他の目的は、イ
ンク非吸収材料面への、高精細な印刷を可能とするイン
クジェット方式によるカラー画像形成方法を提供するこ
とである。
を解決するために、(1)着色剤と、(2)紫外線硬化
性組成物と、(3)光重合開始剤と、(4)前記紫外線
硬化性組成物を溶解する有機溶剤、とを含有するインク
ジェット記録用インク組成物であって、該有機溶剤の沸
点が120〜180℃であり、該インク組成物中の紫外
線硬化性組成物と該有機溶剤の質量比率(紫外線硬化性
組成物/有機溶剤)が1/2以上であり、かつ前記紫外
線硬化性組成物の含有量が30質量%以上である事を特
徴とする紫外線硬化型インクジェット記録用インキ組成
物を提供する。さらに、少なくともイエロー、シアン、
マゼンタ、ブラックの4色の紫外線硬化型インクジェッ
ト記録用インク組成物を、インクジェットプリンターで
インク非吸収材料面に印刷し、印刷被膜を紫外線照射し
て硬化するカラー画像の形成方法において、前記インク
ジェット記録用インク組成物を用いることを特徴とする
カラー画像の形成方法を提供する。なお、本発明におけ
る沸点は、1気圧(760mmHg、1.013×10
5Pa)下における値を示すものとする。
用インク組成物が良好な吐出安定性と硬化性を示す理由
は、沸点が特定の範囲にある有機溶剤と紫外線硬化性組
成物とを特定の比率で混合する事により、粘度を低下さ
せ、かつノズル端面での溶剤蒸発による粘度上昇を抑え
ることが可能になるとともに、かつインク着弾時の溶剤
の素早い蒸発(塗膜中の紫外線硬化組成物濃度の増加)
により、溶剤の残留による硬化性の低下がおこらないこ
とによるものである。
される有機溶剤の沸点は120℃〜180℃の範囲であ
る。沸点が120℃以下となると、ノズル端面での有機
溶剤の蒸発量が多くなり、インクの粘度上昇により良好
な吐出安定性が得られない。また、有機溶剤の沸点が1
80℃以上となると、インク中の有機溶剤含有量にもよ
るが、インク着弾後の溶剤蒸発量が少ないため紫外線硬
化組成物中の反応基(不飽和二重結合を有する基等)の
接近が不十分となり、良好な硬化性を得ることができな
い。加えて本発明においては紫外線硬化組成物の含有量
を30質量%以上、かつ有機溶剤との質量比(紫外線硬
化組成物/有機溶剤)を1/2以上と規定することによ
り、優れた硬化性、硬化後の被膜の耐久性を確保してい
る。
組成物のインク中の含有量は、45質量%以上がより好
ましく、60%以上であればさらに好ましい。さらにま
た、被膜の硬化性の点で、有機溶剤のインク中の含有量
は50質量%以下である事が好ましい。本発明のジェッ
トインク組成物では、上記のように、有機溶剤量を一定
比率以下に規定しているのに加えて、その沸点を規定し
た溶剤の素早い蒸発のため、紫外線照射前の溶剤の蒸発
乾燥工程を必要としない。このため、着弾したドットの
拡がりを抑えることができ、高精細な印刷画像を得るこ
とができる。さらにこのような組成をもつジェットイン
ク組成物で、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの
4色のインクを構成して、それらインクをインクジェッ
トプリンターで、一色ずつ順次に印刷するカラー画像形
成方法を行うことによって、非吸収材料面への印刷であ
っても、異なる色のインキが混じり合うことなく、硬化
被膜の耐久性に優れた画像を形成することができる。
ともに、本発明を更に詳細に説明する。前述した通り本
発明においての課題は、相反する性能であるインクの吐
出安定性と硬化性の両者を満足するインクを提供するこ
とである。一般的にインクジェット記録用インクの粘度
は、25℃で20mPa・s以下、好ましくは10mP
a・s以下と低粘度でなければ良好な吐出安定性は得ら
れない。また、硬化性の良好な紫外線硬化性組成物とし
てこの低粘度条件を満たそうとすると、低粘度な(メ
タ)アクリレートを使用する事で目的は達成できるが、
一般的に低粘度の(メタ)アクリレートは官能基数が少
ないため、硬化性が低下し、硬化被膜の耐久性も不十分
であるという問題がある。インクの低粘度化には、(メ
タ)アクリレートの低粘度化よりもむしろ紫外線硬化成
分を溶解する有機溶剤を添加するほうが有効であり、着
色剤の溶解、分散、また硬化皮膜の耐久性の観点からも
有利である。
0℃〜180℃であり、本発明に使用する紫外線硬化成
分を溶解するするものであれば全て使用できるが、紫外
線硬化性組成物の溶解性、着色剤の溶解、分散等の点か
ら、エステル系溶剤を使用することが好ましい。具体的
には、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、
メトキシブチルアセテート、酢酸−sec−ヘキシル、
2−エチルブチルアセテート、酢酸シクロヘキシル、エ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルアセテート等の酢酸エステル
類、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、
エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピオン酸エチル等のプロピオン酸エステル類、
酪酸エチル、酪酸ブチル等の酪酸エステル類等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではなく、2種類以上
組み合わせて使用することもできる。
れた硬化性を付与するためには、紫外線硬化性組成物の
選定も重要である。このためには、紫外線硬化性組成物
中にポリウレタン(メタ)アクリレートを含有させるこ
とが好ましい。ポリウレタン(メタ)アクリレートを含
有する紫外線硬化性組成物が良好な硬化性を示す理由
は、一般的な(メタ)アクリレートの末端二重結合に比
べて、ポリウレタン(メタ)アクリレートの末端二重結
合は近傍にウレタン結合が在るために開裂しやすいため
であると考えられる。また、ポリウレタンの特性に由来
して耐摩耗性が良好となる。
タン(メタ)アクリレートは、低粘度であるか、または
結晶性等でポリウレタン(メタ)アクリレート自体の粘
度は高くとも、(メタ)アクリレートや有機溶剤で希釈
されることによって容易に低粘度化することが必要であ
る。
ような長鎖ポリエーテル、ポリエステル等のポリオール
を使用せず、ポリイソシアネートとモノヒドロキシ(メ
タ)アクリレートを反応させたポリウレタン(メタ)ア
クリレートまたは、分子量が800未満のポリオールに
(メタ)アクリロイロキシイソシアネートを反応させた
ポリウレタン(メタ)アクリレートを用いることが望ま
しい。
ては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイ
ソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4、4−ジイ
ソシアネート、ジフェニルメタン−4、4−ジイソシア
ネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールモノアクリレート、2−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、1、4−シクロヘキサンジメタノー
ルモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−
3フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
としては、2−(メタ)アクリロイロキシエチルイソシ
アネート等が挙げられる。
ル、分子量800未満のポリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、分子量800未満のポリプロピレン
グリコール、1、4−ブタンジオール、2、3−ブタン
ジオール、1、3−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、メチルペンタンジオール、1、6−ヘキサンジ
オール、トリメチルヘキサメチレンジオール、2−メチ
ルオクタンジオール、1、9−ノナンジオール、1、4
−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメ
タノール、分子量800未満のポリカプロラクトンジオ
ール、分子量800未満のポリカーボネートジオール、
グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロール
オクタン、ペンタエリスルトール、分子量800未満の
ポリテトラメチレングリコール等が挙げられるが、本発
明の範囲はこれに限定されるものではない。また、ポリ
イソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートの組
み合わせ、ポリオールと(メタ)アクリロイロキシイソ
シアネートの組み合わせであれば任意の組み合わせで良
く、本明細書に記載の合成例に限定されるものではな
い。
ェットインク組成物の粘度、硬化性の点から、紫外線硬
化性組成物の総量に対して、5〜80%の範囲で用いる
ことが好ましい。
希釈性の観点から、紫外線硬化性組成物に(メタ)アク
リレートを添加する事が好ましい。(メタ)アクリレー
トとしては、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メ
タ)アクリレートがあり、これらは各々、単独または2
種類以上併用して用いる事ができる。
レートとして例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、アミル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、
ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、シクロヘキシ
ル、ベンジル、メトキシエチル、ブトキシエチル、フェ
ノキシエチル、ノニルフェノキシエチル、グリシジル、
ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、イソボ
ルニル、ジシクロペンタニル、ジシクロペンテニル、ジ
シクロペンテニロキシエチル等の置換基を有する(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
は例えば、1、3−ブチレングリコール、1、4−ブタ
ンジオール、1、5−ペンタンジオール、3−メチル−
1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1、8−オクタンジオー
ル、1、9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタ
ノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール
等のジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシ
エチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレン
オキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得
たジオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール
A1モルに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピ
レンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以
上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド
を付加して得たトリオールのジまたはトリ(メタ)アク
リレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチ
レンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加し
て得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性アルキルリン酸(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。
紫外線硬化性化合物が硬化できる公知慣用のものがいず
れも使用できる。光重合開始剤としては、分子開裂型ま
たは水素引き抜き型のものが本発明に好適である。
ンゾインイソブチルエーテル、2、4−ジエチルチオキ
サントン、2−イソプロピルチオキサントン、ベンジ
ル、2、4、6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォ
スフィンオキシド6−トリメチルベンゾイルジフェニル
フォスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルア
ミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1
−オン、ビス(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2、
4、4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が
好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のもの
として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロ
パン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−
2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンおよび
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モ
ルフォリノプロパン−1−オン等を併用しても良いし、
さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェ
ノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノ
ン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフ
ィド等も併用できる。
て例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセト
フェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジ
メチルアミノ安息香酸イソアミル、N、N−ジメチルベ
ンジルアミンおよび4、4'−ビス(ジエチルアミノ)
ベンゾフェノン等の、前述重合性成分と付加反応を起こ
さないアミン類を併用することもできる。もちろん、上
記光重合開始剤や増感剤は、紫外線硬化性化合物への溶
解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して
用いることが好ましい
物総量に対して0.1〜20質量%、好ましくは、7〜
14質量%の範囲で用いる。
に使用されている染料、顔料を使用することができる。
例えば染料としてはアゾ染料、フタロシニン染料、アン
トラキノン系等が挙げられる。また、顔料としては、ア
ゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料及びキレート
アゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラ
キノン顔料、ペリレン顔料、キナクドリン顔料、イソイ
ンドリン顔料、チオインジゴ顔料、ジオキサジン顔料、
キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レー
キ及び酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔
料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料な
どの有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系及びカーボンブラ
ック系等の無機顔料が挙げられる。これらの染料及び顔
料は併用しても良いが、耐光性の点で顔料を用いること
が好ましい。
%、好ましくは、2〜15質量%の範囲で用いる。
用インク組成物を用いて、少なくともイエロー、シア
ン、マゼンタ、ブラックの4色のインクを一色ずつ順次
にインクジェットプリンターで、インク非吸収材料面に
印刷するカラー画像の形成方法に用いるときには、例え
ば上記例示の如くの顔料、染料を用いて各色用のインク
組成物を作製しこれらを組み合わせて用いることができ
る。このように本発明の紫外線硬化型ジェットインクを
用いて、インク非吸収材料面に印刷した印刷被膜を、紫
外線照射して硬化する画像形成方法を用いることによ
り、非吸収材料面上に高精細な画像を形成することがで
きる。
クの各色を一色ずつ順次に印刷するとは、必ずしも一つ
の画像を一色ずつ、単色用のヘッドで順次印刷すること
を意味するものではなく、多色用のヘッドあるいは、単
色用の多ヘッドで各色の印字時間をずらせながら印字す
る場合も含むものとする。
明するが、本発明の範囲にかかる実施例に限定されるも
のではない。なお、以下の実施例中、部は質量部を表
す。
成例) (合成例1)撹拌装置、温度計、コンデンサー、滴下ロ
ートを付けた1L四つ口フラスコにカプロラクトン変性
ヒドロキシエチルアクリレート(プラクセルFA−1;
ダイセル化学製)606.7gを入れ、撹拌しながら反
応液温が70℃を越えないように注意し滴下ロートより
トリレンジイソシアネート227.7gを滴下する。滴
下終了後、反応液温を70℃前後に保ちながら撹拌を続
け、1時間後にジラウリン酸ジブチル錫0.1gを添加
してさらに攪拌攪拌を続ける。約10時間後、未反応の
イソシアネート基が無いことを確認し取り出す。
サー、滴下ロートを付けた1L四つ口フラスコに2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート394gを入れ、撹拌し
ながら反応液温が70℃を越えないように注意し滴下ロ
ートよりトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート3
15.5gを滴下する。滴下終了後、反応液温を70℃
前後に保ちながら撹拌を続け、30分後にジラウリン酸
ジブチル錫0.1gを添加してさらに撹拌を続ける。約
15時間後、未反応のイソシアネート基が無いことを確
認し取り出す。
共に250mlのポリ瓶に入れ密栓し、ペイントコンデ
ィショナーで2時間分散処理して、ミルベースを作製し
た。得られたミルベース20部に合成例1で得られたポ
リウレタンアクリレート10部、エチレンオキサイド付
加トリメチロールプロパントリアクリレート21部、ジ
プロピレングリコールジアクリレート18部、ヒドロキ
シエチルメタアクリレート1部、酢酸ブチル29部、光
重合開始剤として、イルガキュア369(チバ・スペシ
ャリティー・ケミカルズ製)3部、ジエチルチオキサン
トン0.5部、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル2部
を加え、十分に攪拌、溶解した後、1.2μmのメンブ
ランフィルターを用いてろ過する事によりジェットプリ
ンター用黒色インク(紫外線硬化性組成物/有機溶剤=
1.1/1、紫外線組成物含有量:46質量%)を得
た。
ス20部に合成例2で得られたポリウレタンアクリレー
ト10部、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロ
パントリアクリレート20部、ジプロピレングリコール
ジアクリレート25部、ヒドロキシエチルメタアクリレ
ート10部、酢酸ブチル15部、光重合開始剤として、
イルガキュア369(チバ・スペシャリティー・ケミカ
ルズ製)3部、ジエチルチオキサントン0.5部、4−
ジメチルアミノ安息香酸エチル2部を加え、十分に攪
拌、溶解した後、1.2μmのメンブランフィルターを
用いてろ過する事によりジェットプリンター用黒色イン
ク(紫外線硬化性組成物/有機溶剤=2.2/1、紫外
線組成物含有量:62質量%)を得た。
共に250mlのポリ瓶に入れ密栓し、ペイントコンデ
ィショナーで2時間分散処理して、ミルベースを作製し
た。得られたミルベース20部に合成例1で得られたポ
リウレタンアクリレート15部、エチレンオキサイド付
加トリメチロールプロパントリアクリレート5部、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート20部、ヒドロキシ
エチルメタアクリレート1部、メトキシブチルアセテー
ト40部、光重合開始剤として、イルガキュア369
(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ製)3部、ジエ
チルチオキサントン0.5部、4−ジメチルアミノ安息
香酸エチル2部を加え、十分に攪拌、溶解した後、1.
2μmのメンブランフィルターを用いてろ過する事によ
りジェットプリンター用シアン色インク(紫外線硬化性
組成物/有機溶剤=1/1.4、紫外線硬化性組成物含
有量:38質量%)を得た。
りにメチルエチルケトン(沸点:79.6℃/760mmHg)を
使用して、実施例1と同様な方法でジェットプリンター
用黒色インクを得た。
りにジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト(沸点:217.7℃/760mmHg)を使用して、実施例1と
同様な方法でジェットプリンター用黒色インクを得た。
ス20部に合成例1で得られたポリウレタンアクリレー
ト16部、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロ
パントリアクリレート5部、ジプロピレングリコールジ
アクリレート5部、ヒドロキシエチルメタアクリレート
1部、プロピレングリコールモノメチルアセテート53
部、光重合開始剤として、イルガキュア369(チバ・
スペシャリティー・ケミカルズ製)3部、ジエチルチオ
キサントン0.5部、4−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル2部を加え、十分に攪拌、溶解した後、1.2μmの
メンブランフィルターを用いてろ過する事によりジェッ
トプリンター用黒色インク(紫外線硬化性組成物/有機
溶剤=1/2.5、紫外線組成物含有量:25.6質量
%)を得た
ンクジェットプリンターでPETフィルム、塩ビシート
にそれぞれ印刷した結果、比較例1のインクは吐出しな
かった。次に、実施例1〜3、比較例2、3の印刷物を
コンベア式UV照射装置により、120W/cmのメタ
ルハライドランプ、0.5J/cm2の条件で紫外線照
射し、印刷被膜の硬化状態を下記の方法で評価した。評
価結果を表1に示す。
る、指へのインク付着の有無を目視で評価する。 ○:指に付着しない ×:指に付着する (メタノールラビング評価)メタノールを含ませた綿棒
を印刷物上に押しあて、左右に擦りつけて印刷被膜の剥
離、薄化等の破壊がおこるまでの綿棒の通過した回数を
計測する。
性、印刷皮膜の硬化性共に良好であるのに対し、沸点が
120℃以下の有機溶剤を使用した比較例1のインクは
吐出不良が発生し、沸点が180℃以上の有機溶剤を使
用した比較例2のインクと紫外線硬化性成分/有機溶剤
比率が1/2以下の比較例3のインクは、吐出安定性は
良好であるが硬化性は不十分であった。また、実施例1
〜3の硬化被膜の比較結果より、メタノールラビング性
は、紫外線硬化性組成物/有機溶剤比が大きく、沸点の
低い溶剤を用いたインクがより良好であった。
録用インク組成物は、印刷後の硬化被膜の強度、耐久性
に優れ、かつ印刷時の吐出安定性に優れている。また、
該インク組成物を用いて、インクジェット記録方式で印
刷を行うことにより、インク非吸収材料面上に精細なカ
ラー画像を形成することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 (1)着色剤と、(2)紫外線硬化性組
成物と、(3)光重合開始剤と、(4)該紫外線硬化性
組成物を溶解する有機溶剤、とを含有するインクジェッ
ト記録用インク組成物であって、該有機溶剤の沸点が1
20〜180℃であり、該インク組成物中の紫外線硬化
性組成物と有機溶剤との質量比率(紫外線硬化組成物/
有機溶剤)が1/2以上であり、かつ該紫外線硬化性組
成物の含有量が30質量%以上である事を特徴とする紫
外線硬化型インクジェット記録用インク組成物。 - 【請求項2】 有機溶剤がエステル系溶剤である請求項
1に記載の紫外線硬化型インクジェット記録用インク組
成物 - 【請求項3】 紫外線硬化性組成物が不飽和二重結合を
有する化合物からなる組成物であり、該組成物中にポリ
ウレタン(メタ)アクリレートを含有する請求項1、2
のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット記
録用インク組成物。 - 【請求項4】 ポリウレタン(メタ)アクリレートが、
ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレート
から合成されるポリウレタン(メタ)アクリレート、ま
たは(および)分子量が800未満であるポリオールと
(メタ)アクリロイロキシイソシアネートから合成され
るポリウレタン(メタ)アクリレートである請求項1〜
3のいずれか1項に記載の紫外線硬化型インクジェット
記録用インク組成物。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のインク
ジェット記録用インク組成物が、インク非吸収材料面へ
のカラー画像形成用インクジェットプリンターに使用さ
れるものであることを特徴とする、紫外線硬化型インク
ジェット記録用インク組成物。 - 【請求項6】 少なくともイエロー、シアン、マゼン
タ、ブラックの4色の紫外線硬化型インクジェット記録
用インク組成物を、インクジェットプリンターでインク
非吸収材料面に印刷し、印刷被膜を紫外線照射して硬化
するカラー画像の形成方法において、請求項1〜4のい
ずれか1項に記載のインクを用いる事を特徴とするカラ
ー画像の形成方法。
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