JP6738190B2 - 光硬化性インクジェットインク - Google Patents

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Description

本発明は、光硬化性を有するインクジェットインクに関するものである。
インクジェット印刷法によって形成した被膜の、各種溶剤に対する耐性、すなわち耐溶剤性を向上するために、インクジェットインクとして、ラジカル重合性のオリゴマーやモノマーに光ラジカル重合開始剤を配合した光硬化性インクジェットインクを用い、印刷後の被膜に光を照射して上記オリゴマー等を光硬化反応(重合、架橋)させることが提案されている。
ラジカル重合性のオリゴマーとしては、例えばウレタンアクリレートオリゴマーやウレタンメタクリレートオリゴマー〔以下「ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー」と総称する場合がある。〕が主として用いられる(特許文献1、2等)。
発明者の検討によると、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを用いた光硬化性インクジェットインクを印刷後に光硬化反応させることで、例えばクロロホルム等のハロゲン化アルキル系の溶剤などの、各種溶剤に対する耐溶剤性に優れた被膜を形成できる。
しかしウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、分子中でアミド結合を構成するC=O基の酸素原子とN−H基の水素原子とが、同一分子中もしくは異なる分子間で水素結合を生じやすいため、当該ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを単体で使用したのでは、光硬化性インクジェットインクの粘度が高くなりすぎてインクジェット印刷に使用できないおそれがある。
そこでウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとともに、反応性希釈剤として機能する各種のラジカル重合性のモノマーを併用するのが一般的である。
例えば特許文献1では、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとともに、単官能もしくは2官能以上の多官能の各種のモノマーを併用することが提案されている。
しかし、粘度が低いため反応性希釈剤として良好に機能しうる単官能モノマーのみを使用した場合には、その配合割合を多くするほど光硬化反応後の架橋密度が小さくなって、被膜の耐溶剤性や強度が低下する傾向がある。
これに対し、2官能以上の多官能モノマーを用いると光硬化反応後の架橋密度を十分に大きくして、被膜の耐溶剤性や強度を向上できる。
特に発明者の検討によると、例えば被膜に接触する可能性のある溶剤の種類や組み合わせに応じて上記多官能モノマーの種類や組み合わせを使い分けることにより、特定の溶剤に特化して耐溶剤性が向上された被膜や、2種以上の異なる系統の溶剤に対する耐溶剤性がいずれも向上された被膜等を形成することが可能となる。
しかし、多官能モノマーは単官能モノマーより粘度が高いため、反応性希釈剤としては十分に機能しえない。
そこで、光硬化性インクジェットインクの粘度をインクジェット印刷に適した範囲に調整するべく、さらにアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類や、メタノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)等のアルコール類などの非反応性希釈剤を配合することが考えられる。
ところが発明者の検討によると、これら従来の非反応性希釈剤を含む光硬化性インクジェットインクは貯蔵安定性が不十分であり、例えば高温で長期間に亘って保管すると暗所
でもラジカル重合反応が促進され、粘度が上昇してインクジェットプリンタのノズルで目詰まり等を生じたり、ひどい場合には保管中に固化してしまったりするといった問題がある。
また、例えばMEKやメタノール、エタノール、IPA等は蒸発速度が速すぎるため、保管中の粘度上昇があまり大きくなかった場合でも、インクジェット印刷に使用した際に、インクジェットプリンタのノズルで目詰まり等を生じやすいという問題もある。
さらにアセトンやMEKはプラスチック等に対する溶解性が強すぎるため、インクジェットプリンタのヘッドのプラスチック部品等を溶解したり、溶解したプラスチック等の混入によって光硬化性インクジェットインクが汚染される、いわゆるコンタミネーションを生じたりしやすいといった問題もある。
また特許文献1では、ポリウレタン(メタ)アクリレート自体の改質によって光硬化性インクジェットインクの吐出性を向上したり、被膜の耐溶剤性を改善したりすることが検討されているが、ポリウレタン(メタ)アクリレートの改質だけでは上記の特性を改善する効果に限界がある。
しかも発明者の検討によると、上記従来の光硬化性インクジェットインクからなる被膜は温湯に対する耐性、すなわち耐湯性が十分でないという問題もある。
また上記光硬化性インクジェットインクを用いて、例えばアクリル樹脂やアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、ポリアセタール樹脂(POM)等の比較的硬質の表面に形成した被膜は、金属等との接触によって剥離しやすく、いわゆる耐スクラッチ性が十分でないという問題もある。
特開2002−167537号公報 特表2013−502480号公報 特開2008−069231号公報
本発明の目的は、貯蔵安定性に優れるとともにインクジェットプリンタのノズルでの目詰まりやコンタミネーション等を生じにくく、かつ各種の溶剤に対する耐溶剤性や強度に優れる上、さらに耐湯性、耐スクラッチ性にも優れた被膜を形成しうる光硬化性インクジェットインクを提供することにある。
本発明は、ラジカル重合性の5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ラジカル重合性のモノマー、光ラジカル重合開始剤、および非反応性希釈剤として少なくとも式(1):
Figure 0006738190
〔式中、nは1〜3、mは1〜3の数を示す。〕
で表されるグリコールエーテル類を含む光硬化性インクジェットインクであって、
前記モノマーは、式(2):
Figure 0006738190
で表されるプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、および式(3):
Figure 0006738190
で表されるプロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートの2種を合計で、前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の8質量%以上、24質量%以下の割合で含み、かつ前記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの配合割合は、前記光硬化性インクジェットインクの総量の10質量%以上、20質量%以下、前記式(1)で表されるグリコールエーテル類を含む非反応性希釈剤の配合割合は、前記光硬化性インクジェットインクの総量の35質量%以上、45質量%以下である光硬化性インクジェットインクである。
本発明によれば、貯蔵安定性に優れるとともにインクジェットプリンタのノズルでの目詰まりやコンタミネーション等を生じにくく、かつ各種の溶剤に対する耐溶剤性や強度に優れる上、さらに耐湯性、耐スクラッチ性にも優れた被膜を形成しうる光硬化性インクジェットインクを提供できる。
本発明の光硬化性インクジェットインクは、上述したようにラジカル重合性の5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ラジカル重合性のモノマー、光ラジカル重合開始剤、および非反応性希釈剤として少なくとも式(1)で表されるグリコールエーテル類を含み、かつ上記モノマーは、式(2)で表されるプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、および式(3)で表されるプロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートの2種を含むものである
上記本発明の光硬化性インクジェットインクによれば、式(1)のグリコールエーテル類(以下「グリコールエーテル類(1)」と略記する場合がある。)が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーや各種のモノマー、さらには顔料、分散剤その他、光硬化性インクジェットインクを構成する各成分に対していずれも適度の溶解性や分散性を有しているため、当該光硬化性インクジェットインクの貯蔵安定性を向上して、例えば長期間に亘って高温で保管しても粘度上昇したり固化したりしにくくできる。
また上記グリコールエーテル類(1)はMEKやIPAに比べて蒸発速度が遅く、光硬化性インクジェットインク用の非反応性希釈剤として適度の蒸発速度(酢酸ブチルの蒸発速度を1とした相対評価で0.1〜1程度)を有するため、上記のように粘度上昇を生じに
くいことと相まって、本発明の光硬化性インクジェットインクをインクジェット印刷に使用した際に、インクジェットプリンタのノズルでの目詰まり等を生じにくくできる。
さらにグリコールエーテル類(1)はプラスチック等に対する溶解性がアセトンやMEKのように強くないため、インクジェットプリンタのヘッドのプラスチック部品等を溶解したり、溶解したプラスチック等の混入による光硬化性インクジェットインクのコンタミネーションを生じたりしにくくできる。
また本発明の光硬化性インクジェットインクによれば、ラジカル重合性のモノマーとして、式(2)で表されるプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、および式(3)で表されるプロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートの2種(以下、上記2種のモノマーを「モノマー(2)」と総称する場合がある。)を用いるとともに、当該モノマー(2)を含むラジカル重合性のモノマーや、あるいは5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの種類や組み合わせ等を調整することで、従来同様に強度に優れる上、各種の溶剤に対する耐溶剤性に優れ、しかも温湯に対する耐湯性や、金属等と接触した際に簡単に剥離したりしない耐スクラッチ性にも優れた被膜を形成できる。
すなわち上記モノマー(2)は、2個または3個のプロピレンオキサイド基を分子中に不連続に配置した構造を有するため、上記プロピレンオキサイド基を分子中で2個以上連続させたもの(親水性)や、プロピレンオキサイド基に代えてエチレンオキサイド基(親水性)、もしくはアルキル基(疎水性)を有するもの等に比べて、親水性と疎水性とのバランスに優れた被膜を形成でき、当該被膜に、各種の溶剤に対する良好な耐溶剤性と、温湯に対する高い耐湯性とを付与できる。
またプロピレンオキサイド基はエチレンオキサイド基やアルキル基に比べて結晶性が低いため、上記モノマー(2)によれば、柔軟性に優れ、金属等と接触した際に簡単に剥離したりしない耐スクラッチ性に優れた被膜を形成することもできる。
なお特許文献1には、非反応性希釈剤として、グリコールエーテル類(1)を含む広い概念としてのエーテルが記載されている。同様に、特許文献2、3にはそれぞれグリコールエーテルの記載がある。
しかし、多種あるエーテルのうち特に式(1)に該当するグリコールエーテル類(1)を少なくとも選択して、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマー(2)と組み合わせて使用すること、それによって上記特有の作用効果が得られることは、特許文献1〜3のいずれにも一切記載されていない。
〈ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー〉
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、例えばポリエステル系もしくはポリエーテル系のベース樹脂に(メタ)アクリルモノマーをウレタン結合してなり、分子中に上記(メタ)アクリルモノマーの残基である(メタ)アクロイルオキシ基を官能基として有する、5官能以上の種々のオリゴマーが使用可能である。
特に、光硬化によって耐溶剤性や強度に優れた被膜を形成することを考慮すると、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、分子中に官能基としての(メタ)アクロイルオキシ基を6つ有する6官能程度のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましい。
またウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、光硬化性インクジェットインクの粘度上昇を抑制するために、それ自体の粘度ができるだけ小さいものを用いることも好ましい。
かかる、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの具体例としては、例えばいずれもサートマー(SARTOMER)社製の脂肪族ウレタンアクリレートであるCN968〔ポリエステル系、6官能、粘度(60℃):0.350Pa・s〕等、あるいは同社製の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーであるCN975〔6官能、粘度(60℃):0.500Pa・s〕等の1種または2種以上が挙げられる。
N968、CN975は官能基数が多い上、低粘度であるため好適に使用される。
5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの配合割合は、光硬化性インクジェットインクの総量の10質量%以上、20質量%以下である必要があり、中でも12質量%以上、特に13質量%以上であるのが好ましく、18質量%以下、特に17質量%以下であるのが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの配合割合がこの範囲未満では、前述したハロゲン化アルキル系の溶剤などの各種の溶剤に対する耐溶剤性や、あるいは強度に優れた被膜を形成できないおそれがある。
一方、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの配合割合が上記の範囲を超える場合には、光硬化性インクジェットインクの粘度が高くなりすぎて、インクジェット印刷に使用できないおそれがある。
これに対し、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの配合割合が上記の範囲であれば、光硬化性インクジェットインクの粘度の上昇を抑えてインクジェット印刷に使用可能な状態を維持しながら、各種の溶剤に対する耐溶剤性や強度に優れた被膜を形成できる。
〈ラジカル重合性のモノマー〉
ラジカル重合性のモノマーの少なくとも一部としては、前述したように式(2):
Figure 0006738190
で表されるプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、および式(3):
Figure 0006738190
で表されるプロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートの2種を用いる。
このうち、式(2)のプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレートの具体例としては、例えばサートマー社製のSR9003等が挙げられる。
また式(3)のプロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートの具体例としては、例えばサートマー社製のSR492等が挙げられる。
かかる2種の併用系では、式(1)のプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレートの質量 (1) と、式(2)のプロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートの質量 (2) との質量比 (1) /W (2) が0.8以上であるのが好ましく、1.2以下であるのが好ましい。
(他のモノマー)
ラジカル重合性のモノマーとしては、上記モノマー(2)の2種のみを用いることも考えられるが、前述した被膜の強度や耐溶剤性、耐湯性、あるいは耐スクラッチ性をさらに調整すること等を考慮すると、モノマー(2)やウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと共重合しうる、単官能ないし多官能の種々の、他のモノマーを併用してもよい。特にアクリレートモノマーやメタクリレートモノマー〔以下「(メタ)アクリレートモノマー」と総称する場合がある。〕を併用するのが好ましい。
上記他のモノマーのうち単官能の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また2官能の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、1モルのビスフェノールAに2モルのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA1モルに4モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たジオールのジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアネート、トリス(2ーヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート、プロポキシ化グリセリルトリメタクリレート、トリメチロールプロパン1モルに3モル以上のエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得たトリオールのトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに4官能以上の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えばジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールの(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ(メタ)アクリレートエステル、ジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルキル化リン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、例えば下記の各製品が挙げられる。
日本化薬(株)製のKAYARAD(登録商標)シリーズのうちTC−110S、R−128H、R−526、NPGDA、PEG400DA、MANDA、R−167、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−604、R−684、GPO、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、PET−30、RP−1040、T−1420、DPHA、DPHA−2C、D−310、D−330、DPCA
−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475。
日本化薬(株)製のKAYAMER(登録商標)シリーズのうちPM−2、PM−21、KSシリーズのうちHDDA、TPGDA、TMPTA、SRシリーズのうち256、257、285、335、339A、395、440、495、504、111、212、213、230、259、268、272、344、349、601、602、610、368、415、444、454、499、502、9035、295、355、399E494、9041203、208、242、313、604、205、206、209、210、214、231E239、248、252、297、348、365C、480、9036、350。
荒川化学工業(株)製のビームセット(登録商標)770。
サートマー社製のSRシリーズのうち212、213、238、247、259、268、272、306、344、349、508、601、602、606、610、833、9038、9043、9045、9209、351、368、415、444、454、499、502、9035、295、355、494、399、203、242、313、324、340、423、493、550、101、150、205、206、210、214、231、239、248、252、297、348、480、540、541、603、644、740、9036、350。
サートマー社製のDPHA、CDシリーズのうち9075、9087、9088、406、536、560、561、562、563、564、595、9038、9043、501、9021、421、535、545、552、612、730、401、542。
これら単官能ないし多官能の(メタ)アクリレートモノマーの1種または2種以上を、先に説明したモノマー(2)の2種とともに、ラジカル重合性のモノマーとして併用することができる。
中でも1,6−ヘキサンジオールジアクリレート〔2官能、サートマー社製のSR238等〕、1,9−ノナンジオールジアクリレート(2官能)、ネオペンチルグリコールジアクリレート〔〔2官能、サートマー社製のSR247等〕、ジプロピレングリコールジアクリレート〔2官能、サートマー社製のSR508等〕、トリプロピレングリコールジアクリレート〔2官能、サートマー社製のSR306等〕、エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート〔2官能、サートマー社製のSR601〕、エトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレート〔2官能、サートマー社製のCD9038等〕、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート〔3官能、サートマー社製のSR368〕、エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート〔3官能、サートマー社製のSR454等〕、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート〔5官能、サートマー社製のSR399等〕、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔6官能、サートマー社製のDPHA等〕等が、他のモノマーとして好適に使用される。
特に、
(a) 2官能ないし3官能でかつ分子中に疎水性のアルキル基を有し、モノマー(2)とともに被膜の耐湯性を向上する働きをするモノマー〔以下「モノマー(a)」と略記する場合がある。〕、
(b) 2官能ないし3官能でかつ分子中にプロピレンオキサイド基を有し、モノマー(2)による良好な耐スクラッチ性や耐溶剤性を維持する働きをするモノマー〔以下「モノマー(b)」と略記する場合がある。〕、および
(c) 5官能以上で、光硬化反応後の架橋密度を大きくして被膜の耐溶剤性や強度を向上する働きをするモノマー〔以下「モノマー(c)」と略記する場合がある。〕
を組み合わせるのが好ましい。
上記のうちモノマー(a)としては、例えば上記例示のうち1,6−ヘキサンジオールジアクリレート〔2官能、サートマー社製のSR238等〕、1,9−ノナンジオールジアクリレート(2官能)等が挙げられる。
またモノマー(b)としては、例えばジプロピレングリコールジアクリレート〔2官能、サートマー社製のSR508等〕、トリプロピレングリコールジアクリレート〔2官能、サートマー社製のSR306等〕等が挙げられる。
さらにモノマー(c)としては、例えばジペンタエリスリトールペンタアクリレート〔5官能、サートマー社製のSR399等〕、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔6官能、サートマー社製のDPHA等〕等が挙げられる。
〈配合割合〉
2種のモノマー(2)の合計の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の8質量%以上、24質量%以下である必要があり、特に10質量%以上であるのが好ましく、20質量%以下であるのが好ましい。
モノマー(2)の配合割合がこの範囲未満では、当該モノマー(2)を配合することによる前述した効果が十分に得られず、特に前述したモノマー(a)〜(c)との併用系では、例えば相対的にモノマー(a)の割合が多くなって、耐溶剤性や耐スクラッチ性に優れた被膜を形成できないおそれがある。
またモノマー(2)の減少分として、例えば分子中に親水性でかつ結晶性の高いエチレンオキサイド基を有するモノマーを配合すると、上記被膜の耐湯性や耐スクラッチ性がより一層低下するおそれもある。
一方、モノマー(2)の配合割合が上記の範囲を超える場合には、例えば相対的にモノマー(a)の割合が少なくなって、却って耐湯性に優れた被膜を形成できないおそれがある。
これに対し、モノマー(2)の配合割合を上記の範囲とすることにより耐溶剤性や耐湯性、耐スクラッチ性のいずれにも優れた被膜を形成できる。
またモノマー(2)やモノマー(a)(b)を含む、2官能ないし3官能のモノマーの合計の質量Wと、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーやモノマー(c)等の合計の質量Wとの質量比W/Wは0.4以上、特に0.5以上であるのが好ましく、2.5以下、特に2以下であるのが好ましい。
質量比W/Wがこの範囲未満では、架橋点が多いため架橋時の収縮量が大きくなり、光硬化反応後の被膜の、下地に対する接着性が低下して、当該被膜の耐スクラッチ性が低下するおそれがある。
また質量比W/Wが上記の範囲を超える場合には、光硬化反応後の架橋密度が小さくなって、耐溶剤性や強度に優れた被膜を形成できないおそれがある。
これに対し、質量比W/Wを上記の範囲とすることにより耐溶剤性や強度、耐スクラッチ性のいずれにも優れた被膜を形成できる。
なお、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして2官能ないし3官能のものを含む場合、当該ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、2官能ないし3官能のモノマーの質量Wに加えて質量比W/Wを求めることとする。
さらに前述したモノマー(a)〜(c)との併用系では、モノマー(a)(c)の合計の配合割合が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の23質量%以上、特に24質量%以上であるのが好ましく、39質量%以下、特に38質量%以下であるのが好ましい。
モノマー(a)(c)の合計の配合割合が上記の範囲未満では、耐湯性に優れた被膜を形成できないおそれがある。
一方、モノマー(a)(c)の合計の配合割合が上記の範囲を超える場合には、耐溶剤性や耐スクラッチ性に優れた被膜を形成できないおそれがある。
これに対し、モノマー(a)(c)の合計の配合割合を上記の範囲とすることにより耐溶剤性や耐湯性、耐スクラッチ性のいずれにも優れた被膜を形成できる。
〈非反応性希釈剤〉
(グリコールエーテル類(1))
非反応性希釈剤としては、前述したように式(1):
Figure 0006738190
〔式中、nは1〜3、mは1〜3の数を示す。〕
で表されるグリコールエーテル類(1)を少なくとも用いる。
かかるグリコールエーテル類(1)としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル(n=1、m=1)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(n=1、m=2)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(n=1、m=3)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(n=3、m=1)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(n=3、m=2)等の1種または2種以上が挙げられる。
特に光硬化性インクジェットインクを構成する各成分に対する溶解性や分散性、蒸発速度、あるいはプラスチック等に対する溶解性等の点で、式(1)中のn=1、m=1であるプロピレングリコールモノメチルエーテル(別名:1−メトキシ−2−プロパノール)が好ましい。
(他の非反応性希釈剤)
非反応性希釈剤としては、前述したグリコールエーテル類(1)を使用することによる効果をできるだけ良好に発現させるために、当該グリコールエーテル類(1)のみを単独(2種以上のグリコールエーテル類(1)を併用する場合を含む。以下同様。)で使用するのが好ましい。
ただし上記効果を阻害しない範囲で、他の非反応性希釈剤を併用してもよい。かかる他の非反応性希釈剤としては、例えば前述したケトン類やアルコール類、さらには水等が挙げられる。
また、アクリル樹脂やABSの表面であれば、以上で説明したいずれかの構成で、耐スクラッチ性に優れた被膜を形成できるが、特にPOMの表面に耐スクラッチ性に優れた被膜を形成するためには、他の非反応性希釈剤として、シクロヘキサノンを選択して用いるのが好ましい。
シクロヘキサノンはPOMに対する浸透乾燥性に優れるため、非反応性希釈剤としてグリコールエーテル類(1)のみを単独で使用する場合やシクロヘキサノン以外の他の非反応性希釈剤を併用する場合と比べて、上記POMの表面に、特に耐スクラッチ性に優れた被膜を形成できる。
かかる併用系においては、グリコールエーテル類(1)の質量Wと、シクロヘキサノンの質量Wとの質量比W/Wが3以上、特に4以上であるのが好ましく、20以下、特に15以下であるのが好ましい。
この範囲よりシクロヘキサノンが少ない場合には、上述した、POMの表面に耐スクラッチ性に優れた被膜を形成する効果が十分に得られないおそれがある。
また上記の範囲よりシクロヘキサノンが多い場合には、当該シクロヘキサノンが、上述したように浸透乾燥性には優れるものの揮発乾燥性が低いため光硬化反応後の被膜中に残留しやすく、かかる残留によって被膜の耐溶剤性や耐湯性、あるいは強度が低下するおそれがある。
またシクロヘキサノンはプラスチック等に対する溶解性が強いため、インクジェットプリンタのヘッドのプラスチック部品等を溶解したり、溶解したプラスチック等の混入による光硬化性インクジェットインクのコンタミネーションを生じたりやすくなるおそれもある。
これに対し質量比W/Wを上記の範囲とすることにより、光硬化性インクジェットインクのコンタミネーションを生じることなしに耐溶剤性、耐湯性、強度、さらにはPOMに対する耐スクラッチ性に優れた被膜を形成できる。
ちなみに特許文献2には、シクロヘキサノンと同様にPOMに対する浸透乾燥性の良い非反応性希釈剤であるγ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネートが記載されている。
しかし、これら2種の非反応性希釈剤はいずれもシクロヘキサノンより揮発乾燥性が低いため、少量の配合でも光硬化反応後の被膜中に残留しやすく、浸透乾燥による耐スクラッチ性を向上する効果が十分に得られない範囲の配合でも、残留による被膜の耐溶剤性等の低下を生じてしまうおそれがある。
(配合割合)
非反応性希釈剤の配合割合は、基本的に他の成分の残量である。すなわちウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーその他の各成分を所定の割合で配合し、さらに非反応性希釈剤を加えた総量が100質量%となるように、当該非反応性希釈剤の配合割合を設定すればよい。
ただし非反応性希釈剤の配合割合は、光硬化性インクジェットインクの総量の35質量%以上、45質量%以下である必要がある
非反応性希釈剤の配合割合がこの範囲未満では、光硬化性インクジェットインクの粘度が高くなり、インクジェットプリンタのノズルからの吐出性が低下して吐出不良を生じやすくなるおそれがある。
また非反応性希釈剤の配合割合が上記の範囲を超える場合には、ノズルから吐出される液滴中に含まれるウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーやモノマーの割合が少なくなって、被膜の耐溶剤性や耐湯性、あるいは強度が低下するおそれがある。
これに対し、非反応性希釈剤の配合割合を上記の範囲とすることにより、光硬化性インクジェットインクの吐出性を良好に維持しながら耐溶剤性、耐湯性、強度のいずれにも優れた被膜を形成できる。
なお配合割合は、非反応性希釈剤としてグリコールエーテル類(1)のみを単独で使用する場合は、当該グリコールエーテル類(1)の配合割合であり、非反応性希釈剤としてグリコールエーテル類(1)と他の非反応性希釈剤とを併用する場合は、両者の合計の配合割合である。
〈光ラジカル重合開始剤〉
光ラジカル重合開始剤としては、任意の波長の光の照射によってラジカルを発生させて、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとモノマーとをラジカル重合反応させることができる種々の化合物がいずれも使用可能である。
かかる光ラジカル重合開始剤としては、例えば下記化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、特開2008−280427号公報の一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物等のベンゾフェノン類またはその塩。
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン、特開2008−280427号公報の一般式(2)で表されるチオキサントン化合物等のチオキサントン類またはその塩。
エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。
アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン、4′−ジメチルアミノアセトフェノン、ジメチルヒドロキシアセトフェノン等のアセトフェノン類。
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類。
ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ‐1‐(4−モルホリノフェニルブタン)−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、9,10−フェナンスレンキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル等のベンゾイン類。
9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体。
ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類。
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モル
フォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリハロメチルトリアジン、ベンジル、メチルベンゾイル、ベンゾイル蟻酸メチル、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルフォリノブチロフェノン等。
光ラジカル重合開始剤の配合割合は任意に設定できるものの、光硬化性インクジェットインクに良好な光硬化性を付与することを考慮すると、当該光硬化性インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、特に8質量%以下であるのが好ましい。
〈増感剤〉
本発明の光硬化性インクジェットインクには、必要に応じて増感剤を配合してもよい。
増感剤は、紫外線の照射によって励起状態となって光ラジカル重合開始剤と相互作用して、当該光ラジカル重合開始剤におけるラジカルの発生を助けるために機能する。
例えば光源としてLEDを使用する場合にはその波長域が狭いことから、光硬化性インクジェットインクが感度を有する波長域を広げて感度を向上する、すなわち増感するために増感剤を配合するのが好ましい。
増感剤としては、上述した光ラジカル重合開始剤のうち、例えば2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンと4−イソプロピルチオキサントンの混合物などのチオキサントン類またはその塩や、ベンゾフェノンと2,3−および4−メチルベンゾフェノンの共晶混合物、メチル−2−ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルフェニルサルファイド、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン類またはその塩、2−エチルアントラキノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)などが挙げられる。
またその他の増感剤としては、例えばエチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−エチル−4−(ジメチルアミノベンゾエート)等のベンゾエート化合物、ナフタレンベンゾオキサゾリル誘導体、チオフェンベンゾオキサゾリル誘導体、スチルベンベンゾオキサゾリル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、スチルベン誘導体、ベンゼン及びビフェニルのスチリル誘導体、ビス(ベンザゾールー2−イル)誘導体、カルボスチリル、ナフタルイミド、ジベンゾチオフェン−5,5’−ジオキシドの誘導体、ピレン誘導体、ピリドトリアゾール、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
増感剤としては、以上で説明した各種の増感剤の中から、光源からの光の波長域、および光ラジカル重合開始剤の吸収波長域に応じて増感に適した吸収波長域を有するものをそれぞれ1種単独で使用できる他、2種以上を併用してもよい。
増感剤の配合割合は任意に設定できるものの、良好な増感効果を得ることを考慮すると、光硬化性インクジェットインクの総量の0.01質量%以上、特に0.5質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下、特に4質量%以下であるのが好ましい。
〈着色剤〉
本発明の光硬化性インクジェットインクには着色剤を配合してもよい。
着色剤としては、種々の顔料、染料等が挙げられる。着色剤としては、光硬化性インクジェットインクの色味に応じた各色の着色剤がいずれも使用可能である。特に印刷の耐光
性、耐候性等を向上することを考慮すると、種々の無機顔料、および/または有機顔料が好ましい。
このうち無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造された中性、酸性、塩基性等の種々のカーボンブラックの1種または2種以上が挙げられる。
また有機顔料としては、例えばアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
顔料は、光硬化性インクジェットインクの色目に応じて1種または2種以上を用いることができる。また顔料は、光硬化性インクジェットインク中での分散安定性を向上するために表面を処理してもよい。
顔料の具体例としては、下記の各種顔料が挙げられる。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
着色剤の配合割合は、当該着色剤の種類、および光硬化性インクジェットインクの色味に応じて任意に設定できる。
〈分散剤〉
着色剤が顔料である場合、光硬化性インクジェットインクには、上記顔料の分散性を向上するべく任意の分散剤を配合してもよい。
分散剤としては、特にポリアリルアミン/ポリカプロラクトン系分散剤が好ましい。
光硬化性インクジェットインクには、水性分散剤のような親水性基と疎水性基とを併せ持った分散剤は使用できず、通常はカーボンブラック等の顔料に酸化処理をしたものを、塩基性基を有する分散剤と組み合わせて分散させるのが一般的である。また塩基性基としては専らアミド、イミド等が用いられる。
分散剤には、光硬化性インクジェットインクを形成する非反応性希釈剤に対して中溶、すなわち適度に溶解することが求められる。
しかし本発明で非反応性希釈剤として使用している式(1)のグリコールエーテル類に対して中溶である分散剤は少なく、多くの分散剤は分散剤として十分に機能できないため、顔料が短期間で析出したり凝集したりしやすいという問題がある。しかもアミド、イミドが遊離してちょうど増感剤等と同様の機能をして、光硬化性インクジェットインクを早期に粘度上昇させたりするおそれもある。
これに対しポリアリルアミン/ポリカプロラクトン系分散剤は式(1)のグリコールエーテル類に対して中溶で、顔料を光硬化性インクジェットインク中に長期に亘って良好に分散させることができる上、アミドを遊離させないため当該光硬化性インクジェットインクを早期に粘度上昇させたりするおそれもない。
かかるポリアリルアミン/ポリカプロラクトン系分散剤としては、例えば味の素ファインテクノ(株)製のアジスパー(登録商標)シリーズの分散剤のうちPB821〔酸価:15〜18mgKOH/g、アミン価:8〜11mgKOH/g〕、PB822〔酸価:12〜15mgKOH/g、アミン価:12〜19mgKOH/g〕、PB881〔酸価:15〜18mgKOH/g、アミン価:12〜19mgKOH/g〕等の1種または2種以上が挙げられる。
分散剤の配合割合は、顔料の量の0.2倍以上であるのが好ましく、0.8倍以下であるのが好ましい。
以上で説明したように本発明によれば、グリコールエーテル類(1)、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマー(2)を少なくとも含むモノマーを併用することにより、貯蔵安定性に優れるとともにインクジェットプリンタのノズルでの目詰まりやコンタミネーション等を生じにくく、かつ各種の溶剤に対する耐溶剤性や強度に優れる上、さらに耐湯性、耐スクラッチ性にも優れた被膜を形成しうる光硬化性インクジェットインクを提供できる。
〈実施例1〉
(顔料分散液の調製)
下記の各成分を配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて顔料分散液を調製した。
カーボンブラック〔LFF、三菱化学(株)製のMA8〕:2質量部
分散剤〔ポリアリルアミン/ポリカプロラクトン系分散剤、味の素ファインテクノ(株)製のアジスパーPB821、酸価:15〜18mgKOH/g、アミン価:8〜11mgKOH/g〕:1質量部
ジプロピレングリコールジアクリレート〔モノマー(b)、2官能、サートマー社製のSR508〕:10質量部
(インクジェットインクの調製)
下記の各成分を、表1に示す割合で混合して十分に溶解するまで撹拌し、次いで先に調製した顔料分散液を表1に示す割合で加えてさら撹拌したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過して光硬化性インクジェットインクを調製した。
ウレタンアクリレートオリゴマー〔サートマー社製の脂肪族ウレタンアクリレート、CN968、ポリエステル系、6官能、粘度(60℃):0.350Pa・s〕
・ ラジカル重合性のモノマー
プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート〔モノマー(2)、2官能、サートマー社製のSR9003〕
プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート〔モノマー(2)、3官能、サートマー社製のSR492〕
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート〔モノマー(a)、2官能、サートマー社製のSR238〕
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート〔モノマー(c)、5官能、サートマー社製のSR399〕
・ 非反応性希釈剤
プロピレングリコールモノメチルエーテル〔n=1、m=1、グリコールエーテル類(1)、PGME〕
・ 光重合開始剤
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド〔ランブソンジャパン(株)製のSpeedCureTPO〕
Figure 0006738190
モノマー(2)の配合割合は、顔料分散液中のモノマー(b)(SR508)を加えた、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の17.0質量%であった。またモノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%であった。
さらに2官能ないし3官能のモノマーの質量Wと、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマーの質量Wとの質量比W/Wは0.88、2種のモノマー(2)のうちSR9003の質量 (1) とSR492の質量 (2) との質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例2〉
モノマー(2)のうちSR9003の量を2.4質量部、SR492の量を2.4質量部とし、かつモノマー(a)としてのSR238の量を7.2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の10.2質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の36.6質量%であった。また質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例3〉
モノマー(2)のうちSR9003の量を4.7質量部、SR492の量を4.7質量部とし、かつモノマー(a)としてのSR238の量を2.6質量部としたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の20.0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の26.8質量%であった。また質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例4〉
モノマー(2)のうちSR9003の量を2質量部、SR492の量を2質量部とし、かつモノマー(a)としてのSR238の量を8質量部としたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の8.5質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の38.3質量%であった。また質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例5〉
モノマー(2)のうちSR9003の量を2質量部、SR492の量を2質量部とし、さらに分子中にエチレンオキサイド基を有するモノマーとしてのエトキシ化(3)メチロールプロパントリアクリレート〔3官能、サートマー社製のSR454〕4質量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の8.5質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%であった。また質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例6〉
モノマー(2)のうちSR9003の量を5.5質量部、SR492の量を5.5質量部とし、かつモノマー(a)としてのSR238の量を1質量部としたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の23.4質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の23.4質量%であった。また質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例7〉
ウレタンアクリレートオリゴマーとしてのCN968の量を17質量部、モノマー(2)のうちSR9003の量を3質量部、SR492の量を3質量部、モノマー(c)としてのSR399の量を14質量部として、モノマー(a)としてのSR238を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の12.8質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%であった。また質量比W/Wは0.52、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例8〉
モノマー(a)としてのSR238の量を12質量部、モノマー(c)としてのSR399の量を2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の17.0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%であった。また質量比W/Wは1.8、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例9〉
ウレタンアクリレートオリゴマーとしてのCN968の量を18質量部、モノマー(2)のうちSR9003の量を2.5質量部、SR492の量を2.5質量部、モノマー(c)としてのSR399の量を14質量部として、モノマー(a)としてのSR238を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の10.6質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%であった。また質量比W/Wは0.47、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例10〉
ウレタンアクリレートオリゴマーとしてのCN968の量を14質量部、モノマー(2)のうちSR9003の量を4.5質量部、SR492の量を4.5質量部、モノマー(a)としてのSR238の量を14質量部として、モノマー(c)としてのSR399を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の19.1質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%であった。また質量比W/Wは2.4、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例11〉
分散剤として、ポリアリルアミン/ポリカプロラクトン系分散剤に代えてポリエチレンイミン系分散剤〔ルーブリゾール社製のソルスパース24000〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の17.0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%であった。また質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈比較例1〉
ウレタンアクリレートオリゴマーとしてのCN968を配合せず、かつモノマー(c)としてのSR399の量を25質量部としたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の17.0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の61.7質量%であった。また質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈比較例2〉
分子中にエチレンオキサイド基を有するモノマーとしてのエトキシ化(3)メチロールプロパントリアクリレート〔3官能、サートマー社製のSR454〕8質量部を加えて、モノマー(2)としてのSR9003、およびSR492をいずれも配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%、質量比W/Wは0.88であった。
〈比較例3〉
モノマー(a)としてのSR238の量を12質量部として、モノマー(2)としてのSR9003、およびSR492をいずれも配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の46.8質量%、質量比W/Wは0.88であった。
〈比較例4〉
PGMEに代えて、グリコールエーテル類(1)に含まれないプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)42質量部を非反応性希釈剤として配合したこと以外は実施例と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の17.0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%であった。また質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈サンプルの作製〉
各実施例、比較例で調製した光硬化性インクジェットインクを用いてABSの表面に印刷をし、紫外線を照射して光硬化反応させてサンプルを作製した。
〈耐溶剤性評価〉
上記サンプルを溶剤としてのクロロホルム中に23±2℃で24時間浸漬したのち引き上げ、さらにクロロホルムを染み込ませたキムワイプで上記表面を3往復擦過させた後、下記の基準で耐溶剤性を評価した。
○:印刷に変化は見られなかった。
△:印刷にわずかな欠けが見られた。
×:印刷が半分以上取れてしまった。
〈耐湯性評価〉
上記サンプルを40℃に保持した温湯中に1時間浸漬したのち引き上げ、さらに水を染み込ませたキムワイプで上記表面を3往復擦過させた後、下記の基準で耐溶剤性を評価した。
○:印刷に変化は見られなかった。
△:印刷にわずかな欠けが見られた。
×:印刷が半分以上取れてしまった。
〈耐スクラッチ性評価〉
上記サンプルの表面に、直径4mmの鉄球を900gf(≒8.8N)の荷重をかけて圧接させた状態で往復させて、下記の基準で耐スクラッチ性を評価した。
○:鉄球を5往復させても印刷は剥離しなかった。
△:3往復までは剥離しなかったが、5往復までに、鉄球の軌跡に沿って局部的に印刷が剥離した。
×:3往復までに、鉄球の軌跡に沿って印刷が局部的に剥離した。
〈高温での貯蔵安定性評価〉
各実施例、比較例で調製した光硬化性インクジェットインクを密閉容器に入れ、暗所で45℃に保温して1週間後、および1か月後にそれぞれろ過した後の残渣の有無を確認した。そして下記の基準で高温での貯蔵安定性を評価した。
○:1か月後も残渣は見られなかった。
△:1週間後は残渣が見られなかったが1か月後には残渣が見られた。
×:1週間後に残渣が見られた。
以上の結果を表2〜表4に示す。
Figure 0006738190
Figure 0006738190
Figure 0006738190
表2〜表4の実施例1〜11、比較例1〜4の結果より、グリコールエーテル類(1)、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマー(2)を少なくとも含むモノマーを併用することにより、貯蔵安定性に優れるとともにインクジェットプリンタのノズルでの目詰まりやコンタミネーション等を生じにくく、かつ各種の溶剤に対する耐溶剤性や強度に優れる上、さらに耐湯性、耐スクラッチ性にも優れた被膜を形成しうる光硬化性インクジェットインクが得られることが判った。
また実施例1〜6の結果より、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、モノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の8質量%以上、特に10質量%以上であるのが好ましく、24質量%以下、特に20質量%以下であるのが好ましいことが判った。
また上記モノマー(2)と併用するモノマー(a)(c)の配合割合は、上記総量の23質量%以上、特に24質量%以上であるのが好ましく、39質量%以下、特に38質量%以下であるのが好ましいことも判った。
また実施例1、7〜10の結果より、上記の効果をより一層向上することを考慮すると、モノマー(2)やモノマー(a)(b)を含む、2官能ないし3官能のモノマーの合計の質量Wと、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーやモノマー(c)等の合計の質量Wとの質量比W/Wは0.4以上、特に0.5以上であるのが好ましく、2.5以下、特に2以下であるのが好ましいことが判った。
実施例1、11の結果より、分散剤としてはポリアリルアミン/ポリカプロラクトン系分散剤を用いるのが好ましいことが判った。
さらに実施例1〜11の結果より、モノマー(2)として式(1)のプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレートと式(2)のプロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートの2種を併用する場合、両者の質量比 (1) /W (2) は0.8以上であるのが好ましく、1.2以下であるのが好ましいことが判った。
〈実施例12〉
非反応性希釈剤としてのPGMEの量を39質量部として、さらにシクロヘキサノン3質量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
PGMEの質量Wとシクロヘキサノンの質量Wとの質量比W/Wは13であった。
またモノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の17.0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%、質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例13〉
非反応性希釈剤としてのPGMEの量を34質量部として、さらにシクロヘキサノン8質量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
PGMEの質量Wとシクロヘキサノンの質量Wとの質量比W/Wは4.3であった。
またモノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の17.0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%、質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例14〉
非反応性希釈剤としてのPGMEの量を40質量部として、さらにシクロヘキサノン2質量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
PGMEの質量Wとシクロヘキサノンの質量Wとの質量比W/Wは20であった。
またモノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の17.0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%、質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈実施例15〉
非反応性希釈剤としてのPGMEの量を32質量部として、さらにシクロヘキサノン10質量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして光硬化性インクジェットインクを調製した。
PGMEの質量Wとシクロヘキサノンの質量Wとの質量比W/Wは3.2であった。
またモノマー(2)の配合割合は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の17.0質量%、モノマー(a)(c)の合計の配合割合は、上記総量の29.8質量%、質量比W/Wは0.88、質量比 (1) /W (2) は1であった。
〈サンプルの作製〉
各実施例、比較例で調製した光硬化性インクジェットインクを用いてPOMの表面に印刷をし、紫外線を照射して光硬化反応させてサンプルを作製した。
そして、かかるサンプルを用いたこと以外は先の各評価と同様にして耐溶剤性、耐湯性および耐スクラッチ性を評価した。また先の場合と同条件で貯蔵安定性を評価した。
以上の結果を表5に示す。
Figure 0006738190
表5の実施例12〜15の結果よりPOMの表面に印刷をする場合は、非反応性希釈剤として、PGME等のグリコールエーテル類(1)とともに、POMに対する浸透乾燥性に優れたシクロヘキサノンを併用するのが好ましいことが判った。
またかかる併用系においては、PGMEの質量Wとシクロヘキサノンの質量Wとの質量比W/Wが3以上、特に4以上であるのが好ましく、20以下、特に15以下であるのが好ましいことも判った。

Claims (5)

  1. ラジカル重合性の5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ラジカル重合性のモノマー、光ラジカル重合開始剤、および非反応性希釈剤として少なくとも式(1):
    Figure 0006738190
    〔式中、nは1〜3、mは1〜3の数を示す。〕
    で表されるグリコールエーテル類を含む光硬化性インクジェットインクであって、
    前記モノマーは、式(2):
    Figure 0006738190
    で表されるプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、および式(3):
    Figure 0006738190
    で表されるプロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートの2種を合計で、前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の8質量%以上、24質量%以下の割合で含み、かつ前記5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの配合割合は、前記光硬化性インクジェットインクの総量の10質量%以上、20質量%以下、前記式(1)で表されるグリコールエーテル類を含む非反応性希釈剤の配合割合は、前記光硬化性インクジェットインクの総量の35質量%以上、45質量%以下である光硬化性インクジェットインク。
  2. 前記式(2)、および式(3)のモノマーの合計の配合割合は、前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、およびモノマーの総量の10質量%以上、20質量%以下である請求項1に記載の光硬化性インクジェットインク。
  3. さらに、5官能以上のモノマーを含むとともに、前記式(2)、および式(3)のモノマーを少なくとも含む2官能ないし3官能のモノマーの合計の質量Wと、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、および前記5官能以上のモノマーの合計の質量Wとの質量比W/Wが0.5以上、2以下である請求項1または2に記載の光硬化性インクジェットインク。
  4. さらにシクロヘキサノンを含むとともに、前記グリコールエーテル類の質量Wと、前記シクロヘキサノンの質量Wとの質量比W/Wが4以上、15以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光硬化性インクジェットインク。
  5. ポリアリルアミン/ポリカプロラクトン系分散剤を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光硬化性インクジェットインク。
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