JP2017155190A - インクジェットインク - Google Patents
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Abstract
Description
また近年、上記光硬化性のインクジェットインクを用いて、例えば真空成型法等による熱成形が可能なフィルムの表面に絵柄や文字等を印刷して光硬化させたのち、当該フィルムを所定の立体形状に熱成形したり(加飾成形)、曲げ伸ばしが容易な柔軟な基材の表面に印刷して光硬化させることで、絵柄や文字等を、上記基材の曲げ伸ばしに良好に追従できるようにしたりする技術が実用化されつつある。
そこで光硬化後の絵柄や文字等の延伸性を向上するべく、光硬化性のインクジェットインクの組成について種々検討されている。
また同様の目的で、例えば特許文献2ではラジカル重合性成分としてフェノキシエチルアクリレートと特定の単官能モノマとを併用することが、また特許文献3では特定の単官能モノマと2官能モノマとを所定の割合で併用することが、それぞれ提案されている。
式(1):
で表されるアルコキシエチレングリコールアクリレート、および
式(2):
を、質量比(1)/(2)で表して0.7以上、2.3以下の割合で、かつ両者を合計で、前記単官能モノマの総量の70質量%以上の割合で含んでいるインクジェットインクである。
すなわち光重合開始剤が多いと、かかる多量の光重合開始剤は、見た目はモノマに溶けているものの、インクジェットインクの凝集力を低下させるため、ノズルから吐出される際に、インク滴を構成するインクジェットインクが飛び散りやすくなって、インク滴の直進性が低下しやすくなる。
これに対し本発明によれば、上記のようにラジカル重合性成分の総量の70質量%以上を単官能モノマとすることで、光硬化後の絵柄や文字等の延伸性を確保できる。
また上記単官能モノマとして、本来的にノズルの内面等に対する親和性が低い(1)のAEGAを選択して用いることでインク滴の直進性を確保できるとともに、単官能モノマの中では良好な光硬化性を有し、例えばLED等からの波長域の狭い光に対しても良好な硬化性を有する(2)のACMOを併用することで高い光硬化性を確保し、それによって光重合開始剤の量を少なくしてインク滴の直進性をさらに向上できる。
したがって本発明によれば、光硬化性や光硬化後の絵柄や文字等の延伸性に優れるだけでなく、特に低ドロップボリュームでの印刷時等にもインク滴の直進性が良くチリの不良を生じにくい上、光硬化後に黄変が抜けやすく本来の正しい色調を表示できるインクジェットインクを提供できる。
すなわち、この範囲より(1)のAEGAの割合が少ない場合には、当該AEGAを選択して用いることによる、インク滴の直進性を向上する効果が得られない。
一方、上記範囲より(2)のACMOの割合が少ない場合には、当該ACMOを選択して用いることによる、インクジェットインクに良好な光硬化性を付与し、それによって光重合開始剤の量を少なくしてインク滴の直進性を向上する効果が十分に得られない。
これに対し、(1)のAEGAと(2)のACMOの質量比(1)/(2)を上記の範囲とすることにより、上述したようにインクジェットインクの良好な光硬化性を確保ししながらインク滴の直進性を向上して、特に低ドロップボリュームでの印刷時等にもチリの不良を生じにくくできる。
また本発明において、上記(1)のAEGAと(2)のACMOの合計の配合割合が、単官能モノマの総量の70質量%以上に限定されるのは、合計の配合割合がこの範囲未満では、上述した2種のモノマを併用することによる効果が十分に得られないためである。
これに対し、上記(1)(2)の2種のモノマの合計の配合割合を上記の範囲とすることにより、上述したようにインクジェットインクの良好な光硬化性を確保し、かつ光硬化後の黄変を抜けやすくしながら、さらにインク滴の直進性を向上して、特に低ドロップボリュームでの印刷時等にもチリの不良を生じにくくできる。
また(1)(2)の2種のモノマの合計の配合割合の上限は特に限定されず、100質量%、すなわち単官能モノマの全量が2種のモノマであってもよい。
また本発明において、上記単官能モノマの配合割合が、ラジカル重合性成分の総量の70質量%以上に限定されるのは、前述したように光硬化後の絵柄や文字等の延伸性を確保するためでる。
これに対し、単官能モノマの配合割合を上記の範囲とすることにより、光硬化後の絵柄や文字等の延伸性を確保できる。
単官能モノマの配合割合の上限は特に限定されないものの、光硬化後の絵柄や文字等の定着性を向上して、フィルムの熱成形や基材の曲げ伸ばし等にさらに良好に追従してひび割れなどを生じにくくするためには、ラジカル重合性成分として、2官能以上の多官能のモノマを併用するのが好ましい。
なお特許文献1には、単官能モノマの具体例として上記AEGAのうちエトキシジエチレングリコールアクリレートと、ACMOが例示されている。しかし特許文献1には、単官能モノマとしてこの2種のみを所定の割合で、単官能モノマの総量の70質量%以上の割合で配合することについては記載されていない。
〈単官能モノマ〉
(AEGA:アルコキシエチレングリコールアクリレート)
単官能モノマのうちAEGAとしては、式(1):
で表される種々の化合物が挙げられる。
かかるAEGAの具体例としては、例えば式(1)中のnが2、mが2である、式(4):
中でも特に(4)のEC−Aが好ましい。EC−Aは、MTG−Aに比べて粘度が低く流動性が高いため、インク滴の直進性をより一層向上できる。
(ACMO:4−アクリロイルモルホリン)
単官能モノマのうちACMOは、式(2):
かかる(2)のACMOを(1)のAEGAと併用することにより、前述したようにインクジェットインクの良好な光硬化性を確保し、かつ光硬化後の黄変を抜けやすくしながら光重合開始剤の量を少なくしてインク滴の直進性を向上して、特に低ドロップボリュームでの印刷時等にもチリの不良を生じにくくできる。
先に説明したようにインクジェットインクの粘度を調整したり、光硬化後の絵柄や文字等の延伸性をさらに向上したり、光硬化後の絵柄や文字等に良好な耐水性を付与したりするために併用してもよい他の単官能モノマとしては、(1)(2)の単官能モノマとともに光硬化可能な種々の単官能モノマが使用可能である。
上記他の単官能モノマの配合割合は、基本的に(1)(2)の2種のモノマの残量、すなわち単官能モノマの総量の30質量%以下の範囲で任意に設定できる。
特に、例えばインクジェットインクの色味に応じて配合される顔料等の着色剤の光透過性、反射性、遮蔽性等、あるいは着色剤の種類等によって変化する光硬化後の絵柄や文字等の延伸性、耐水性その他の要因に応じて、他の単官能モノマの種類と配合割合を適宜設定するのが好ましい。
ただし、前述したように単官能モノマの全量を(1)(2)の2種のモノマとして、他の単官能モノマは省略してもよい。
単官能モノマと併用してもよい、2官能以上の多官能モノマとしては、上記単官能モノマとともに光硬化可能な種々の多官能モノマが使用可能である。
特に式(3):
で表される2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートとしては、例えば式(3)中のRが水素原子である、式(8):
上記VEEAやVEEM(以下「VEEA等」と総称する場合がある。)等は組み合わせる単官能モノマを選び、例えばN−ビニルカプロラクタム等と併用すると凝集して、インク滴の吐出性や直進性を低下させるおそれがある。
多官能モノマの配合割合は、基本的に単官能モノマの残量、すなわちラジカル重合性成分の総量の30質量%以下、特に25質量%以下の範囲で任意に設定できる。
ただし多官能モノマを併用することによる、光硬化後の絵柄や文字等の定着性を向上して、フィルムの熱成形や基材の曲げ伸ばし等にさらに良好に追従してひび割れなどを生じにくくする効果をより一層向上することを考慮すると、多官能モノマの配合割合は、上記の範囲でもラジカル重合性成分の総量の8質量%以上、特に12質量%以上であるのが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、紫外線等の任意の波長の光の照射によってラジカルを発生して、ラジカル重合性成分を光硬化反応できる種々の化合物が使用可能である。
かかる光ラジカル重合開始剤としては、例えば下記化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類。
ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類。
光ラジカル重合開始剤の配合割合は任意に設定できるものの、ラジカル重合性成分の総量に対する質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)で表して17以上、50以下の範囲に設定するのが好ましい。
一方、光ラジカル重合開始剤の配合割合が上記の範囲を超える場合には、過剰の光ラジカル重合開始剤が前述したようにインク滴の直進性を阻害するため、特に低ドロップボリュームでの印刷時等にチリの不良を生じやすくなる。
これに対し、光ラジカル重合開始剤の配合割合を上記の範囲とすることにより、光照射による良好な光硬化性を確保しながら、なおかつインク滴の直進性を向上して、特に低ドロップボリュームでの印刷時等にチリの不良を生じにくくできる。
例えばこれに限定されるものではないが、着色剤として顔料を使用する系では、上記質量比が、白:27〜45、シアン:20〜30、マゼンタ:27〜45、イエロー:27〜45、ブラック:17〜25となるように、光ラジカル重合開始剤の配合割合を設定するのが好ましい。
本発明のインクジェットインクには、さらに増感剤、ラジカル重合禁止剤、着色剤、界面活性剤等を含有させてもよい。
〈増感剤〉
上記のうち増感剤は、光照射によって励起状態となり、光ラジカル重合開始剤と相互作用して、当該光ラジカル重合開始剤におけるラジカルの発生を助けるために機能する。
増感剤としては、先に説明した光ラジカル重合開始剤のうちチオキサントン類またはその塩、中でも2,4−ジエチルチオキサントンが好適に使用される。
増感剤の割合は、良好な増感効果を得ることを考慮すると、インクジェットインクの総量の0.01質量%以上、特に0.3質量%以上であるのが好ましく、6質量%以下、特に4質量%以下であるのが好ましい。
ラジカル重合禁止剤は、特にインクジェットインクをサーマル方式のインクジェットプリンタに使用して、インク滴吐出のために加熱された際などに、ラジカル重合性成分がラジカル重合反応して、パドリングによる吐出不良を生じるのを防止するために機能する。
パドリングとは、ノズルを通してインク滴が吐出される際に、当該インク滴から分離してノズル側に残ったインクジェットインクが、ノズルの形成されたノズルプレートの、ノズルの出口の周囲に濡れ拡がってインク溜まり(パドル)を形成する現象である。
またラジカル重合禁止剤は、インクジェットインクを貯蔵中、あるいはパッケージに封入して保管中に、ラジカル重合性成分がラジカル重合反応してゲル化するのを防止するためにも機能する。
ラジカル重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン類、カテコール類、ヒンダードアミン類、フェノール類、フェノチアジン類、縮合芳香族環のキノン類等の1種または2種以上が挙げられる。
またカテコール類としては、例えばカテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール等の1種または2種以上が挙げられる。
フェノール類としては、例えばフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ピロガロール、没食子酸アルキルエステル、ヒンダードフェノール類等の1種または2種以上が挙げられる。
さらに縮合芳香族環のキノン類としては、例えばナフトキノン等が挙げられる。
中でもラジカル重合禁止剤としては、重合禁止効果の効率に優れ、ラジカル重合性成分のラジカル重合反応を効率よく禁止できる、ヒンダードアミン類およびヒンダードフェノール類からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
〈着色剤〉
着色剤としては、種々の顔料、染料等が挙げられる。着色剤としては、インクジェットインクの色味に応じた各色の着色剤がいずれも使用可能である。特に画像の耐光性、耐候性等を向上することを考慮すると、種々の無機顔料および/または有機顔料が好ましい。
また有機顔料としては、例えばアゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えばフタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
また顔料は、インクジェットインク中での分散安定性を向上するために表面を処理してもよい。
ラジカル重合性成分としては、例えばEC−A等の単官能モノマが挙げられる。また顔料分散液には、顔料を良好に分散させるために分散剤等を添加してもよい。
酸化チタンは、インクジェットインク中への分散性を向上することと、絵柄や文字等に高い隠蔽性を付与することとを併せ考慮すると、平均粒子径が0.15μm以上、特に0.2μm以上であるのが好ましく、0.4μm以下、特に0.3μm以下であるのが好ましい。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
着色剤の割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上、特に1質量%以上であるのが好ましく、12質量%以下、特に10質量%以下であるのが好ましい。
〈界面活性剤〉
界面活性剤は、インクジェットインクの表面張力を調整し、それによって当該インクジェットインクの、インクジェットプリンタのノズルに対する濡れ性を調整し、吐出性を改善して絵柄や文字等の鮮明性を向上したり、前述したパドリングの発生を抑制したりするために機能する。
界面活性剤の割合は、インクジェットインクの総量の0.01質量%以上、特に0.1質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下、特に1質量%以下であるのが好ましい。
以上で説明した各成分を配合することにより、本発明によれば、光硬化性や光硬化後の絵柄や文字等の延伸性に優れるだけでなく、特に低ドロップボリュームでの印刷時等にもインク滴の直進性が良くチリの不良を生じにくい上、光硬化後に黄変が抜けやすいため、上記絵柄や文字等を、本来の正しい色調で表示しうるインクジェットインクを提供できる。
(顔料分散液の調製)
下記の各成分を配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて顔料分散液を調製した。
酸化チタン〔テイカ(株)製のJR707、ルチル型〕:8.7質量部
分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース(登録商標)32000〕:1.0質量部
EC−A〔共栄社化学(株)製のライトアクリレート(登録商標)EC−A〕:12.6質量部
(インクジェットインクの調製)
下記の各成分を、表1に示す割合で混合して十分に溶解するまで撹拌し、次いで先に調製した顔料分散液を表1に示す割合で加えてさらに撹拌したのち、5μmのメンプランフィルタを用いてろ過して白のインクジェットインクを調製した。
EC−A:共栄社化学(株)製のライトアクリレート(登録商標)EC−A
ACMO:KJケミカルズ(株)製
(多官能モノマ)
VEEA:(株)日本触媒製
(光ラジカル重合開始剤)
イルガキュア(登録商標)819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製
(ラジカル重合禁止剤)
イルガスタブUV22、BASF社製
またVEEAを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は82.9質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は35.0であった。
EC−Aに代えて同量のMTG−Aを配合するとともに、顔料分散液中のEC−Aを同量のMTG−Aで置き換えたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
顔料分散液中のMTG−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのMTG−Aの量は42.6質量部、上記MTG−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は1.4、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈実施例3〉
VEEAに代えて同量のVEEMを配合したこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
またVEEMを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は82.9質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は35.0であった。
VEEAに代えて同量のDDAを配合したこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は42.6質量部、上記EC−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は1.4、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈実施例5〉
EC−Aの量を23.7質量部、ACMOの量を36.3質量部としたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
またVEEAを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は82.9質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は35.0であった。
EC−Aの量を35.8質量部、ACMOの量を24.2質量部としたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は48.4質量部、上記EC−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は2.0、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈実施例7〉
EC−Aの量を17.3質量部、ACMOの量を42.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
またVEEAを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は82.9質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は35.0であった。
EC−Aの量を38.0質量部、ACMOの量を22.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は50.6質量部、上記EC−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は2.3、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈実施例9〉
EC−Aの量を19.2質量部、ACMOの量を22.8質量部とし、さらにFA−THFA〔日立化成(株)製のFANCRYL(登録商標)FA−THFA〕9.0質量部、およびIBXA〔共栄社化学(株)製のライトアクリレートIB−XA〕9.0質量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
またVEEAを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は82.9質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は35.0であった。
EC−Aの量を17.0質量部、ACMOの量を21.2質量部、FA−THFAの量を10.9質量部、IBXAの量を10.9質量部としたこと以外は実施例9と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は29.6質量部、上記EC−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は1.4、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は70質量%であった。
〈実施例11〉
VEEAの量を15.5質量部、光ラジカル重合開始剤の量を2.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
またVEEAを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は82.4質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は44.1であった。
VEEAの量を16.0質量部、光ラジカル重合開始剤の量を1.5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は42.6質量部、上記EC−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は1.4、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈実施例13〉
(顔料分散液の調製)
下記の各成分を配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて顔料分散液を調製した。
分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース(登録商標)32000〕:1.0質量部
EC−A〔共栄社化学(株)製のライトアクリレート(登録商標)EC−A〕:10.0質量部
(インクジェットインクの調製)
下記の各成分を、表2に示す割合で混合して十分に溶解するまで撹拌し、次いで先に調製した顔料分散液を表2に示す割合で加えてさらに撹拌したのち、5μmのメンプランフィルタを用いてろ過してブラックのインクジェットインクを調製した。
EC−A:共栄社化学(株)製のライトアクリレートEC−A
ACMO:KJケミカルズ(株)製
(多官能モノマ)
VEEA:(株)日本触媒製
(光ラジカル重合開始剤)
イルガキュア819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製
(ラジカル重合禁止剤)
イルガスタブUV22、BASF社製
またVEEAを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は86.8質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は15.1であった。
EC−Aの量を40.3質量部、光ラジカル重合開始剤の量を4.5質量部としたこと以外は実施例11と同様にしてブラックのインクジェットインクを調製した。
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は50.3質量部、上記EC−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は1.7、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈実施例15〉
(顔料分散液の調製)
下記の各成分を配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて顔料分散液を調製した。
分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース(登録商標)32000〕:1.0質量部
EC−A〔共栄社化学(株)製のライトアクリレート(登録商標)EC−A〕:10.0質量部
(インクジェットインクの調製)
下記の各成分を、表3に示す割合で混合して十分に溶解するまで撹拌し、次いで先に調製した顔料分散液を表3に示す割合で加えてさらに撹拌したのち、5μmのメンプランフィルタを用いてろ過してシアンのインクジェットインクを調製した。
EC−A:共栄社化学(株)製のライトアクリレートEC−A
ACMO:KJケミカルズ(株)製
(多官能モノマ)
VEEA:(株)日本触媒製
(光ラジカル重合開始剤)
イルガキュア819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製
(ラジカル重合禁止剤)
イルガスタブUV22、BASF社製
またVEEAを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は83.8質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は23.2であった。
VEEAの量を15.0質量部、光ラジカル重合開始剤の量を3.0質量部とするとともに、下記の各成分を配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて調製した顔料分散液13質量部を加えたこと以外は実施例13と同様にして、マゼンタのインクジェットインクを調製した。
分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース(登録商標)32000〕:1.0質量部
EC−A〔共栄社化学(株)製のライトアクリレート(登録商標)EC−A〕:10.0質量部
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は48.8質量部、上記EC−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は1.6、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈実施例17〉
VEEAの量を15.0質量部、光ラジカル重合開始剤の量を3.0質量部とするとともに、下記の各成分を配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて調製した顔料分散液13質量部を加えたこと以外は実施例13と同様にして、マゼンタのインクジェットインクを調製した。
分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製のソルスパース(登録商標)32000〕:1.0質量部
EC−A〔共栄社化学(株)製のライトアクリレート(登録商標)EC−A〕:10.0質量部
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は48.8質量部、上記EC−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は1.6、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈比較例1〉
EC−Aの量を11.6質量部、ACMOの量を48.4質量部としたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
またVEEAを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は82.9質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は35.0であった。
EC−Aの量を39.3質量部、ACMOの量を20.7質量部としたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は51.9質量部、上記EC−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比(1)/(2)は2.5、単官能モノマの総量に占める(1)(2)の単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈比較例3〉
EC−Aの量を20.4質量部、ACMOの量を23.6質量部とし、さらにFA−THFA15.5質量部、およびIBXA15.5質量部を加えたこと以外は実施例1と同様にして白のインクジェットインクを調製した。
またVEEAを含むラジカル重合性成分の総量に占める単官能モノマの割合は85.4質量%、質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)は41.0であった。
EC−Aに代えて同量の式(12):
顔料分散液中のPO−Aを加えたPO−Aの量は42.6質量部、上記PO−Aと、(2)の単官能モノマとしてのACMOの質量比は1.4、単官能モノマの総量に占める両単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈比較例5〉
ACMOに代えて同量の式(13):
顔料分散液中のEC−Aを加えた、(1)の単官能モノマとしてのEC−Aの量は42.6質量部、上記EC−AとV−CAPの質量比は1.4、単官能モノマの総量に占める両単官能モノマの割合は100質量%であった。
〈インク滴の直進性評価〉
上記各実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、軟質塩化ピニルフィルムの表面に、インクジェット印刷によって罫線(ノズルチェックパターン)を形成し、形成した罫線を観察して、下記の基準でインク滴の直進性を評価した。
△:罫線の直線部分において若干の乱れはあったものの、罫線を形成できた。通常レベル。
×:インク滴が飛び散って罫線の直線部分に大きな乱れを生じたり、全く直線にならなかったりした。不良。
上記各実施例、比較例で調製した白のインクジェットインクにより、白色の軟質塩化ピニルフィルムの表面に、インクジェット印刷によってベタ画像を形成したのち、LEDランプ〔フォセオンテクノロジー(Phoseon Technology)社製のFire JetFJ200〕を用いて、出力:8W、実測ピーク照度:7.2W/cm2、積算光量:2J/cm2の条件で紫外線を照射して上記ベタ画像を光硬化させた。
○:ΔEは3未満であった。黄変の抜け良好。
×:ΔEは6以上であった。黄変の抜け不良。
〈延伸性評価〉
上記各実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、熱成形が可能な軟質塩化ピニルフィルムの表面に、インクジェット印刷によってベタ画像を形成したのち、同じLEDランプを用いて、出力:8W、実測ピーク照度:7.2W/cm2、積算光量:2J/cm2の条件で紫外線を照射して上記ベタ画像を光硬化させた。
○:延伸率200%でもベタ画像にひひ割れは生じなかった。良好。
△:延伸率200%でひび割れを生じたが、150%ではひひ割れを生じなかった。通常レベル。
〈光硬化性評価〉
上記各実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、延伸性評価と同じ軟質塩化ピニルフィルムの表面に、インクジェット印刷によってベタ画像を形成したのち、同じLEDランプを用いて、出力:8W、実測ピーク照度:7.2W/cm2、積算光量:1J/cm2の条件で紫外線を照射して上記ベタ画像を光硬化させた。
○:タック感はなく、ベタ画像にも指紋はつかなかった。良好。
△:タック感はあったが、ベタ画像には指紋はつかなかった。通常レベル。
×:タック感があり、ベタ画像にも指紋がついた。不良。
上記各実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、延伸性評価と同じ軟質塩化ピニルフィルムの表面に、インクジェット印刷によってベタ画像を形成したのち、同じLEDランプを用いて、出力:8W、実測ピーク照度:7.2W/cm2、積算光量:1J/cm2の条件で紫外線を照射して上記ベタ画像を光硬化させた。
○:ベタ画像には擦れは見られず、ペーパーウエスにも汚れは見られなかった。良好。
△:ベタ画像には擦れは見られなかったが、ペーパーウエスにはわずかに汚れが見られた。通常レベル。
以上の結果を表4〜表7に示す。
また実施例1、5〜8の結果より、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、両単官能モノマの質量比(1)/(2)は、上記の範囲でも1.0以上であるのが好ましく2.0以下であるのが好ましいことが判った。
実施例1、2の結果より、(1)のAEGAとしてはMTG−AよりもEC−Aの方が、インク滴の直進性を向上する上で好ましいことが判った。
実施例1、9、10の結果より、(1)(2)の単官能モノマに加えて、他の単官能モノマとしてのFA−THFAやIBXAを併用してもよいこと、ただしその場合、(1)(2)の単官能モノマを合計で、単官能モノマの総量の75質量%以上の割合で含んでいるのが、インク滴の直進性を向上したり、光硬化後に黄変が抜けやすく本来の正しい色調を表示できるようにしたりする上で好ましいことが判った。
さらに実施例13〜17の結果より、上記質量比を、ブラックのインクジェットインクでは17〜25、シアンのインクジェットインクでは20〜30、マゼンタのインクジェットインクでは27〜45、そしてイエローのインクジェットインクでは27〜45の範囲とするのが好ましいことが判った。
Claims (4)
- 前記ラジカル重合性成分は、さらにテトラヒドロフルフリルアクリレート、およびイソボルニルアクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種を含んでいる請求項1または2に記載のインクジェットインク。
- 前記光ラジカル重合開始剤を、前記ラジカル重合性成分の総量に対して質量比(ラジカル重合性成分の総量)/(光ラジカル重合開始剤)で表して17以上、50以下の割合で含んでいる請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
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