JP7354502B2 - 光硬化型インクジェット印刷用インク組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2に記載のように、TPO-Lを6質量部とIrgacure819を1質量部、さらにN-ビニルカプロラクタム、イソボルニルアクリレート、イソデシルアクリレートを含有する光硬化型インクジェット用インク組成物は公知である。
特許文献3に記載のように、TPO-Lを2質量部とIrgacure819を6質量部、さらにN-ビニルカプロラクタム、イソボルニルアクリレートを含有するインクジェット用インク組成物、TPO-Lを4質量部とIrgacure819を2質量部、さらに重合性化合物を含有する光硬化型インクジェット用インク組成物は公知である。
特許文献4に記載のように、TPO-Lを4.1~13.5重量部とIrgacure819を1.4~6.4重量部、さらにN-ビニルカプロラクタム、イソボルニルアクリレートを含有する光硬化型インクジェット用インク組成物は公知である。
それに加えて、最近では、印刷幅が2,000mm以上の超ワイドフォーマットのインクジェットプリンターも登場し、これまで貼り合わせで対応してきた大判の印刷物が、一挙に印刷可能となるなど、ますます簡単に看板の製作ができるようになっている。
一般に、看板広告に用いられるポリマーシートとしてはターポリンがよく利用される。なお、ターポリンはポリエステルやポリアミドを芯材として、表裏にポリ塩化ビニルやエチレン-酢酸ビニル系共重合体等のビニル系重合体を積層した複合シートである。
そして、上記の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物によっては、これらの高度な要求を満足することができなかった。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.下記A~Fの要件を全て満たす光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
A:ビニルメチルオキサゾリジノン、N,N-ジメチルアクリルアミド、ベンジルアクリレート、及びN-ビニルカプロラクタムから選ばれた1種以上の化合物の合計の含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中30.0質量%以上
B:炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有単官能モノマー、及び炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有多官能モノマーから選ばれた1種以上の化合物の合計の含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中15.0質量%以上
C:ビス(2,4,6-トリメチルべンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドの含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中2.5質量%以下
D:エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドの含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中6.5~13.0質量%
E:アミン変性オリゴマーの含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中0.5~15.0質量%
F:着色剤として白色顔料を光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中17.0質量%以下、または全く含まない
2.Aの要件で示される化合物としてベンジルアクリレートを16.0質量%以上含有する1に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
3.G.光硬化後の塗膜の表面の明度が7.0以上である1または2に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
4.H.光硬化後の塗膜の表面の光の透過率が70.0%以上である1~3のいずれかに記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
<要件A>
要件Aは、ビニルメチルオキサゾリジノン(5-メチル-3-ビニルオキサゾリジン-2-オン)(以下「VMOX」と記載することがある。)、N,N-ジメチルアクリルアミド、ベンジルアクリレート、及びN-ビニルカプロラクタム(以下「VCAP」と記載することがある。)から選ばれた1種以上の化合物の合計の含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中30.0質量%以上である。30.0質量%未満であると、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物からなる塗膜は、一部基材に対する密着性が低下する。
これらの化合物は常温で比較的低粘度の液体であり、優れたインクジェット印刷適性を示す。また、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中のその他の成分を、溶解又は分散させることができる。そして下記に示す光重合開始剤の溶解性に優れる性質を有する。さらに人体への安全性に優れるので、取り扱い性が良好となり、硬化後の塗膜は低臭気性、高硬化性及び高耐水性を示す。
さらに光硬化型インクジェット印刷用インク組成物にベンジルアクリレートを含有させることが好ましく、その際の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中のベンジルアクリレートの含有量は、16.0質量%以上が好ましく、18.0質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25.0質量%以上が最も好ましい。また50.0質量%以下が好ましく、40.0質量%以下がより好ましく、35.0質量%以下がさらに好ましく、30.0質量%以下が最も好ましい。
また、ビニルメチルオキサゾリジノン、N,N-ジメチルアクリルアミド、及びN-ビニルカプロラクタムから選ばれた1種を合計しても、ベンジルアクリレートの含有量よりも少ない含有量となるように含有させることがより好ましい。
要件Bは、炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有単官能モノマー、及び炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有多官能モノマーから選ばれた1種以上の化合物の合計の含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中15.0質量%以上である。飽和炭化水素基は、炭素数が6以上のアルキル基、アルキレン基、環状構造を有する基のいずれでも良い。15.0質量%以下であると、硬化性、耐擦過性、耐水性、耐アルコール性、及びバンディング性に劣ることになる。
このような炭素数が6以上の飽和炭化水素基の中でも、炭素数は20以下が好ましく、15以下がより好ましく、12以下がさらに好ましい。
炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有単官能モノマー及び炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有多官能モノマーは、合計で、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に、16.0質量%以上が好ましく、18.0質量%以上がより好ましい。また、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中30.0質量%以下が好ましく、25.0質量%以下がより好ましい。
なお、炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有単(多)官能モノマーの炭素数が6以上とは、これらのモノマーの飽和炭化水素基のみの炭素数である。
炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有単官能モノマーとして、イソオクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソテトラデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等を使用できる。中でもイソボルニルアクリレートが好ましい。
炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有多官能モノマーとして、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等を使用できる。中でもヘキサンジオールジアクリレートが好ましい。
要件Cは、ビス(2,4,6-トリメチルべンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドの含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中2.5質量%以下である。そして、2.0質量%以下が好ましく、1.2質量%以下がより好ましく、1.0質量%以下がさらに好ましい。また、含有しなくても良い。
ビス(2,4,6-トリメチルべンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドの含有量が、2.5質量%を超えると、硬化後に塗膜が黄変し、塗膜が白色であったりクリアであったり、明度が高い場合には、黄変した色が塗膜に反映する可能生がある。
要件Dは、エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドの含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中6.5~13.0質量%である。
エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド/ビス(2,4,6-トリメチルべンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドは、4.0以上がより好ましく、5.0以上がさらに好ましく、10.0以上が最も好ましく、12.0以上がより優れる。
なお、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイドを使用しなくても良い。
要件Eとしては、アミン変性オリゴマーの含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中0.5~15.0質量%である。
アミン変性オリゴマーとしては、分子内に2個の光重合性官能基及び2個のアミノ基を有するアクリル化アミン化合物のオリゴマーであるCN371、CN373、CN383、CN386(サートマー社製)等のアクリル化アミン化合物である。
光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中のアミン変性オリゴマーの含有量が0.5質量%未満であると、硬化性、密着性、耐折り曲げ性、耐擦過性及びバンディング性に劣ることになり、15.0質量%を超えると光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度が高すぎたり、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の性質のバランスを毀損する可能性がある。
アミン変性オリゴマーの光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中の含有量は、1.0質量%以上が好ましく、2.0質量%以上がより好ましく、3.0質量%以上がさらに好ましく、4.0質量%以上が最も好ましい。また、12.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下がさらに好ましく、8.0質量%以下がより好ましく、7.0質量%以下が最も好ましい。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物には、上記のモノマーの他にその他の単官能または多官能の光重合性モノマーを含有できる。但し、その他の光重合性モノマーは、本発明の効果を毀損しない範囲で使用できる。
そのような光重合性モノマーの中でも、単官能の光重合性モノマーとしては、ベンジルメタアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-メトキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性コハク酸(メタ)アクリレート等、単官能の(メタ)アクリレートを挙げられる。
その他に、アクリロイルモルフォリン、アクリロニトリル、アクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、スチレン、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
ビニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びそのエチレンオキサイド変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート及びそのエチレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びそのエチレンオキサイド変性物、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びそのエチレンオキサイド変性物、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、カプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
このようなその他の光重合性モノマーである多官能の光重合性化合物を、必ずしも含有させる必要はないが、含有させる場合には、その含有量は、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中1.0~10.0質量%である。
一例として、三菱ケミカル社製のBR-60(Tg:75℃)、BR-64(Tg:55℃)、BR-75(Tg:90℃)、BR-77(Tg:80℃)、BR-83(Tg:105℃)、BR-87(Tg:105℃)、BR-88(Tg:105℃)、BR-90(Tg:65℃)、BR-93(Tg:50℃)、BR-95(Tg:80℃)、BR-105(Tg:50℃)、BR-106(Tg:50℃)、BR-107(Tg:50℃)、BR-108(Tg:90℃)、BR-113(Tg:75℃)、BR-115(Tg:50℃)及びBR-116(Tg:50℃)等が挙げられる。
アクリル系樹脂を含有させる場合において、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物全量に対するアクリル系樹脂の含有量は、1.0~5.0質量%が好ましく、1.5~4.0質量%がより好ましく、2.0~3.0質量%がさらに好ましい。
要件Fとして本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に含有される着色剤としては、従来から光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に使用されている公知の有機着色顔料及び無機着色顔料から、選択して使用することが好ましい。なかでも酸化チタン、亜鉛華、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の白色顔料、下記の白色顔料以外の着色顔料である。
本発明による黄変等の変色防止効果をより発揮させるために、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、上記白色顔料を含有する白色インク組成物であることが好ましい。白色インク組成物にする際には、白色顔料の含有量は光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中に5~17.0質量%が好ましい。また、着色顔料や染料を含有せず、必要に応じて体質顔料を含有するクリアインク組成物であることも好ましい。また着色していても隠蔽性が小さい塗膜を形成するものや、塗膜の明度が高いもの等、黄変による発色の変化を受けやすい塗膜を形成する光硬化型インクジェット印刷用インク組成物でもよい。
有機着色顔料の具体例としては、アゾ系、アゾメチン系、ポリアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、アンスラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、キノフタロン系、ベンツイミダゾロン系、イソインドリン系、イソインドリノン系等の有機顔料が挙げられ、具体的な例をカラーインデックスで示すと、ピグメントブラック7、ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、60、ピグメントグリーン7、36、ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、122、149、168、177、178、179、206、207、209、242、254、255、ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50、ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、94、95、109、110、117、120、125、128、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74等が挙げられる。
本発明のインク組成物中に有機着色顔料を含有させなくてもよいが、させる際の含有量は、求める発色の程度に応じて、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中0.1~10.0質量%が好ましい。
その他の無機着色顔料又は体質顔料としては、リトポン、酸化鉄、二酸化ケイ素、カオリナイト、モンモリロナイト、タルク、硫酸バリウム、シリカ、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、クロムバーミリオン、モリブデートオレンジ、黄鉛、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、コバルトグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、群青、ウルトラマリンブルー、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、マイカ等が例示できる。
これら顔料は、本発明による効果を毀損しない範囲において、1種もしくは2種以上を混合して用いることができ、使用するときの使用量は、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物全量に対して0.5~10.0質量%であり、2.0~7.0質量%がより好ましい。顔料の使用量が0.5質量%より少ないと着色力が充分でない傾向があり、一方10.0質量%より多くなると粘度が上昇し、インクの流動性が低下する傾向がある。
なお、特に酸化チタン等の白色顔料は、他の着色顔料と共に使用することができるが、その際には、本発明の効果を損なわないことが必要である。また酸化チタン、又は酸化チタン等の白色顔料を含有しなくても良い。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物が顔料を有する際に含有しても良い顔料分散剤としては、イオン性または非イオン性の界面活性剤や、アニオン性、カチオン性またはノニオン性の高分子化合物等である。
中でも高分子化合物であるものが好ましく、例えば、特開2004-083872号公報、国際公開WO2003/076527号公報、国際公開WO2004/000950号公報に記載されているカルボジイミド系化合物、塩基性官能基含有共重合物であるアジスパーPB821、822(味の素ファインテクノ社製)(酸価及びアミン価が共に10~20mgKOH/g)、ソルスパース56000(ルーブリゾール社製)、ソルスパース32000(ルーブリゾール社製)、ソルスパース39000(ルーブリゾール社製)、DISPERBYK(ビックケミー・ジャパン社製)等が好ましい。これら顔料分散剤は1種または2種以上を混合して使用できる。
中でもアミン価が10~40mgKOH/gの塩基性官能基含有共重合物が好ましい。
なお、上記顔料分散剤は、顔料の種類、使用する有機溶剤の種類に応じて適宜選択して使用する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物によりベタ印刷されて得た塗膜は、通常の程度の着色のインク組成物であれば効果を発揮する。しかしながら、より優れた効果を発揮するために、その表面の明度は4.0以上が好ましく、7.0以上がより好ましく、8.5以上がさらに好ましい。
このように明度が高いほど、塗膜の色は、着色剤以外の成分による経時的な着色や変色の影響を受けやすい。
そのため、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の組成、特に要件CとDを採用したことによる効果をより顕著に発揮できる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物によりベタ印刷されて得た塗膜は、通常の程度の透明度のインク組成物であれば効果を発揮する。しかしながら、より優れた効果を発揮するのは、その塗膜の透明度が50.0%以上が好ましく、80.0%以上がより好ましく、90.0%以上がさらに好ましい。このときの塗膜は有色でも無色でも良い。
塗膜の透明度は、透明ガラス上に形成した硬化前に膜厚100μmであった硬化後の塗膜をサンプルとし、その塗膜表面に強度I0の白色光を垂直に照射して得た透過光の強度Iを測定して下記の式により光透過度として求める。
透明度(光の透過率)=(I/I0)×100
このように透明度が高いほど、塗膜の色は、着色剤以外の成分による経時的な着色や変色の影響を受けやすい。
そのため、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の組成、特に要件CとDを採用したことによる効果をより顕著に発揮できる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、全ての液体成分が硬化反応されて固化するいわゆる無溶剤型でも良く、印刷後の塗膜を乾燥して溶媒を除去したのちに硬化させる溶剤型でも良い。但し、溶媒として水を使用しない。
以下本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に有機溶剤を含有させた場合について記載する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物に含有しても良い有機溶剤は、プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールジアルキルエーテル及びジプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート等である。
ジプロピレングリコールアルキルエーテルアセテートとしては、好ましくは炭素数6以下のアルキル基であるもの、更に好ましくは炭素数3以下のアルキル基であるもの、より好ましくは炭素数2以下のアルキル基であるものを採用できる。
このような引火点50~150℃のアルキレングリコール誘導体としては、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の(ポリ)エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル等の(ポリ)プロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の(ポリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等の(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテルモノアルキルエステル、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジアセテート等の(ポリ)エチレングリコールジエステル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の(ポリ)エチレングリコールモノエーテルモノエステル等が例示できる。
引火点50~150℃のアルキレングリコール誘導体の内で、まず、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルが挙げられる。
また、溶媒全体の引火点を大きく変更しない範囲において、引火点が50~150℃の範囲内ではない、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等を併用しても良い。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物には、さらに、発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線に対する硬化性を促進するために、主に400nm以上の紫外線の波長域で光吸収特性を有し、その範囲の波長の光により硬化反応の増感機能が発現する光増感剤(化合物)を、重合開始剤と共に併用することができる。
そのような増感剤としては、アントラセン系増感剤、チオキサントン系増感剤等で、好ましくは、チオキサントン系増感剤である。これらは単独又は2種以上を併用できる。
具体的には、9,10-ジブトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジプロポキシアントラセン、9,10-ビス(2-エチルヘキシルオキシ)アントラセン等のアントラセン系増感剤、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系増感剤を挙げることができる。市販品の代表例としては、アントラセン系増感剤では、DBA、DEA(川崎化成工業社製)、チオキサントン系増感剤では、DETX、ITX(Lambson社製)等が例示できる。
増感剤の含有量は、好ましくは光重合性成分の総質量に対して0~8.0質量%である。8.0質量%を超えても効果の向上が見られず、過剰添加となり好ましくない。
なお、増感剤として、チオキサントン系増感剤を使用した場合は、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を黄色に変色させる傾向があるため、顔料等に基づく色(本来の色相)より黄味がかった色相になるので、色毎に、チオキサントン系増感剤の含有量を適宜決めることが好ましい。
具体的には、色味の変化の影響を受けやすい白色インク組成物及びクリアインク組成物では、増感剤として、チオキサントン化合物は含まないようにすることが好ましい。また、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物では、色相の変化が問題となるので、色相に問題が生じない範囲で使用することが好ましい。また、ブラックインク組成物、及びイエローインク組成物は、変色があっても色相に影響しないこと、光重合性が他の色相より乏しいことから、増感剤として、チオキサントン系化合物を併用することが好ましい。
さらに、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物には、必要に応じて、界面活性剤、可塑剤、重合禁止剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤等の種々の添加剤を使用することができる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、25℃における粘度が30.0mPa・s以下が好ましく、20.0mPa・s以下がより好ましく、10.0mPa・s以下がさらに好ましく、8.0mPa・s以下が最も好ましい。30mPa・sを超えるとインクジェット印刷用ノズルからのインク組成物の吐出が困難になる可能性がある。
なお、その粘度は、E型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を用いて、25℃、20rpmの条件で測定した粘度である。
次に、これらの材料を用いて本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を製造する方法について説明する。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、例えば、湿式サーキュレーションミル、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、DCPミル、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー、ジーナスPY、DeBEE2000等)、パールミル等の分散機を使用して分散混合し、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の粘度が2~10mPa・sとなるように調整することによって得ることができる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中における全有機溶剤の含有量は、インク組成物全量から、各固形分、必要により使用するその他の添加剤の合計量を差し引いた量であるが、インク粘度が前記範囲内になるように適宜変更するのが好ましい。
このようにして得られた本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、少なくとも表面層が紙や塩化ビニル系重合体やエチレン-酢酸ビニル系共重合体等の樹脂からなる基材に、インクジェット用プリンターを用いて使用できる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物は、紙基材を含む周知の用途に使用することができるが、中でも特に耐擦過性が要求され、かつ非吸収性材料からなる基材の表面層に対して使用する場合に適している。非吸収性材料としては金属、樹脂、セラミック等の材質を問わないが、中でも樹脂を基材とする表面層に対して使用すること、さらに、該樹脂として塩化ビニル系重合体またはエチレン-酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等からなる表面層を対象にして使用することが、耐水性等の点において好ましい。また、該樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート、ターポリン、アクリル系樹脂等からなる表面層を対象にして使用することが、密着性等の点において好ましい。
例えば、基材への吐出(画像の印字)は、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をインクジェット記録用プリンターの低粘度対応のプリンタヘッドに供給し、基材に対して塗膜の膜厚が、例えば、1~60μmとなるように該インク組成物をプリンタヘッドから吐出することにより行うことができる。また、光での露光、硬化(画像の硬化)は、画像として基材に塗布された本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の塗膜に光を照射することにより行うことができる。
本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を印字するインクジェット記録方式用プリンター装置としては、従来から使用されているインクジェット記録方式用プリンター装置が利用できる。なお、コンティニュアスタイプのインクジェット記録方式用プリンター装置を用いる場合は、本発明の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物にさらに導電性付与剤を加え電導度の調節をする。
上記塗膜の硬化における光源としては、紫外線(UVランプ)、紫外線(発光ダイオード(LED))、電子線、可視光線等を挙げることができ、環境面から好ましくは発光ピーク波長が350~420nmの範囲の紫外線を発生する発光ダイオード(LED)である。
発光ダイオード(LED)を光源とした紫外線とは、「発光ピーク波長が350~420nmの範囲である紫外線を発生する、発光ダイオードから照射される光」とする。
以下の実施例、比較例で使用した材料は次の通りである。表中の顔料、分散剤、樹脂、溶剤及び合計に関する欄の数値の単位は「質量%」である。
また表中の光重合性化合物Aは本発明中の要件Aに対応して配合される化合物であり、同様に光重合性化合物Bは本発明中の要件Bに対応して配合される化合物である。
CN371(Sartomer社製)
(光重合開始剤)
TPOL:エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド
Omnirad 819:ビス(2,4,6-トリメチルべンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド
TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド(Lambson社製)
(増感剤)
DETX:ジエチルチオキサントン(Lambson社製)
UV-5:マレイン酸ジオクチル(クロマケム社製)
(表面調整剤)
BYK-315N:ポリエステル変性ポリメチルアルキルシロキサン界面活性剤、固形分25質量%、溶剤成分:メトキシプロピルアセテートとフェノキシエタノールの質量比1/1の混合物(ビックケミー社製)
(色材(顔料))
P.W.6:ピグメントホワイト6
(顔料分散剤)
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)
<光硬化型インクジェット印刷用インク組成物の製造>
表1の配合(各材料の配合比率は質量%である)に従い、各材料を撹拌混合して実施例及び比較例の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を得た。
表1に記載の評価基材は以下の通りである。
PET:ポリエチレンテレフタレート(ルミラー、東レ社製)
PC:ポリカーボネート(ユーピロン・シートFE2000、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製)
PVC:ポリ塩化ビニル(PVC80、リンテック社製)
実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をE型粘度計(商品名:RE100L型粘度計、東機産業社製)を使用して、温度25℃、ローター回転速度20rpmの条件で、粘度を測定した。
PVCフィルムの表面に実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を市販のインクジェットプリンターを用いて印刷し、1500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化塗膜を得た。
得られた塗膜についてSpectroEye(X-Rite社製)を用いて、光源D50、観察視野2°の条件で測色し、b値を下記評価基準に従って評価した。
〇:2未満
△:2以上3未満
×:3以上
PVCフィルムの表面に実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を市販のインクジェットプリンターを用いて印刷し、1500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化塗膜を得た。
得られた塗膜を綿棒で擦り、跡残りと指触により、硬化性を下記評価基準に従って評価した。
〇:跡残りもべたつきもない
△:跡残りはないが、少しべたつきがある
×:跡残りがあり、べたつきが大きい
各種基材(PET、PC、PVC)の表面に実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をバーコーターNo.4を用いて塗布し、実施例では1500mJ/cm2の紫外線を照射し、比較例では完全硬化するまで紫外線を照射して硬化塗膜を得た。
得られた塗膜に対し、セロテープ(登録商標)密着性を下記評価基準に従って評価した。
〇:剥がれなし
×:剥がれあり
PVCフィルムの片面に実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をバーコーターNo.12を用いて塗布し、実施例では1500mJ/cm2の紫外線を照射し、比較例では完全硬化するまで紫外線を照射して硬化塗膜を得た。
得られた塗膜が外面となるようにPVCフィルムを180度折り曲げた時の塗膜状態を目視により下記評価基準に従って評価した。
〇:塗膜の割れなし
×:塗膜の割れあり
PVCフィルムの表面に実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をバーコーターNo.6を用いて塗布し、実施例では1500mJ/cm2の紫外線を照射し、比較例では完全硬化するまで紫外線を照射して硬化塗膜を得た。
得られた塗膜に対し、学振堅牢度試験機にて荷重500g、速度60rpmにて展色塗膜と黒さらし布を100回擦った際の、塗膜の剥がれ具合及び黒さらし布への色移り具合を下記評価基準に従って評価した。
〇:色移りが発生しなかったか、または布面積の5%未満の色移りが発生した
△:布面積の5%以上70%未満の色移りが発生した
×:布面積の70%以上の色移りが発生した
PVCフィルムの表面に実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をバーコーターNo.6を用いて塗布し、実施例では1500mJ/cm2の紫外線を照射し、比較例では完全硬化するまで紫外線を照射して硬化塗膜を得た。
得られた塗膜に対し、学振堅牢度試験機にて荷重500g、速度30rpmにて展色塗膜と水5滴を含む黒さらし布を100回擦った際の、塗膜の剥がれ具合及び黒さらし布への色移り具合を下記評価基準に従って評価した。
〇:色移りが発生しなかったか、または布面積の5%未満の色移りが発生した
△:布面積の5%以上70%未満の色移りが発生した
×:布面積の70%以上の色移りが発生した
PVCフィルムの表面に実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物をバーコーターNo.6を用いて塗布し、実施例では1500mJ/cm2の紫外線を照射し、比較例では完全硬化するまで紫外線を照射して硬化塗膜を得た。
得られた塗膜に対し、学振堅牢度試験機にて荷重200g、速度30rpmにて展色塗膜と70%エタノール水溶液5滴を含む黒さらし布を10回擦った際の、塗膜の剥がれ具合及び黒さらし布への色移り具合を下記評価基準に従って評価した。
〇:色移りが発生しなかったか、または布面積の30%未満の色移りが発生した
△:布面積の30%以上70%未満の色移りが発生した
×:布面積の70%以上の色移りが発生した
PVCフィルムの表面に実施例及び比較例で得られた光硬化型インクジェット印刷用インク組成物を市販のインクジェットプリンターを用いて印刷し、1500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化塗膜を得た。
得られた塗膜を変角光沢計(商品名:GrossMeter VG7000、日本電色製)を用いて測定角度60°のときの光沢度を測定し、下記評価基準に従って評価した。
〇:測定値が15.0以上
△:測定値が10.0以上15.0未満
×:測定値が10.0未満
これに対し、要件Aを満たさない(光重合性化合物Aの総量が少ない)比較例1によれば、ポリカーボネート基材への密着性に劣り、要件Bを満たさない(光重合性化合物Bの総量が少ない)比較例2によれば、硬化性、耐擦過性、耐水性、耐エタノール性、バンディング性に劣っていた。
要件Cを満たさず、ビス(2,4,6-トリメチルべンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドを過剰に配合した比較例3によれば、塗膜の黄変を防止できず、バンディング性に劣っていた。
要件Dを満たさず、エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドの含有量が少ない比較例4によれば、硬化性、基材への塗膜の密着性、耐擦過性、耐水性、耐エタノール性、バンディング性に劣っていた。
要件Dを満たさず、エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドの含有量が過剰である比較例5によれば、塗膜の黄変を防止できず、耐擦過性、バンディング性に劣っていた。
要件Dを満たさず、エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドを含有しない比較例6によれば、たとえTPOを使用してもバンディング性に劣っていた。
要件Eを満たさず、アミン変性オリゴマーを含有しない比較例7によると、硬化性、一部基材への密着性、折り曲げ耐性、耐擦過性、バンディング性に劣っていた。
Claims (4)
- 下記A~Fの要件を全て満たす光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
A:ビニルメチルオキサゾリジノン、N,N-ジメチルアクリルアミド、ベンジルアクリレート、及びN-ビニルカプロラクタムから選ばれた1種以上の化合物の合計の含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中30.0質量%以上
B:炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有単官能モノマー、及び炭素数が6以上の飽和炭化水素基含有多官能モノマーから選ばれた1種以上の化合物の合計の含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中15.0質量%以上
C:ビス(2,4,6-トリメチルべンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドの含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中2.5質量%以下
D:エトキシ(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドの含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中6.5~13.0質量%
E:アミン変性オリゴマーの含有量が、光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中0.5~15.0質量%
F:着色剤として白色顔料を光硬化型インクジェット印刷用インク組成物中17.0質量%以下、または全く含まない - Aの要件で示される化合物としてベンジルアクリレートを16.0質量%以上含有する請求項1に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
- G.光硬化後の塗膜の表面の明度が7.0以上である請求項1または2に記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
- H.光硬化後の塗膜の表面の光の透過率が70.0%以上である請求項1~3のいずれかに記載の光硬化型インクジェット印刷用インク組成物。
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