JP7216494B2 - インクジェットインク、インクセット、および印刷方法 - Google Patents
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かかる印刷方法では、まず被印刷面に、光硬化性のクリアインクを用いて、未硬化の下地層を印刷した上に、光硬化性の着色インクを用いて、未硬化の着色層を重ねて印刷したのち、紫外線等の光を照射して両層を硬化させる。
上記印刷方法においては、クリアインクと着色インクの組み合わせ(インクセット)について、種々検討されている。
また特許文献2では、逆に光アニオン重合開始剤を含むアニオン重合性のクリアインクと、光ラジカル重合開始剤を含むラジカル重合性の着色インクとを組み合わせている。
ところが、特許文献1、2に記載の従来のインクセットでは、とくにアニオン重合性のインクの硬化開始速度が遅いため、印刷したインクを、重合反応の立ち上がり時に加熱等する必要があり、印刷の工程が複雑化するといった課題がある。
・ 硬化開始速度は速いものの硬化速度が遅く、最終的に完全硬化するまでに長時間を要する場合がある、
・ 完全硬化したあとも、耐溶剤性や、被印刷面に対する密着性、定着性などが不足する場合がある、
といった課題を有している。
また本発明の目的は、上記の特性に優れたクリアインクと着色インクとを組み合わせたインクセットを提供することにある。
(1) 2官能以上の多官能の窒素含有複素環式(メタ)アクリレート、
(2) エチレンオキサイド付加型多官能(メタ)アクリレート、およびプロピレンオキサイド付加型多官能(メタ)アクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレート、ならびに
(3) 窒素含有複素環式ビニル化合物
を含み、前記ラジカル重合性成分の総量中の、前記(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートの割合は27質量%以上、54質量%以下、前記(2)の多官能(メタ)アクリレートの割合は5.5質量%以上、27質量%以下、前記(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物の割合は5.5質量%以上、27質量%以下で、かつ前記(1)~(3)の3種のラジカル重合性成分の合計の割合は54質量%以上であるインクジェットインクである。
さらに本発明は、上記本発明のインクセットのうちクリアインクを用いて、インクジェット印刷法によって、未硬化の下地層を形成する工程、形成した下地層の上に、インクセットのうち着色インクを用いて、インクジェット印刷法によって、未硬化の着色層を形成する工程、および形成した下地層と着色層とを、光の照射によって硬化させる工程を含む印刷方法である。
また本発明によれば、上記の特性に優れたクリアインクと着色インクとを組み合わせたインクセットを提供することができる。
本発明のインクジェットインクは、上述したようにラジカル重合性成分と光ラジカル重合開始剤とを含み、ラジカル重合性成分は、
(1) 2官能以上の多官能の窒素含有複素環式(メタ)アクリレート、
(2) エチレンオキサイド付加型多官能(メタ)アクリレート、およびプロピレンオキサイド付加型多官能(メタ)アクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレート、ならびに
(3) 窒素含有複素環式ビニル化合物
を含み、上記ラジカル重合性成分の総量中の、(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートの割合は27質量%以上、54質量%以下、(2)の多官能(メタ)アクリレートの割合は5.5質量%以上、27質量%以下、(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物の割合は5.5質量%以上、27質量%以下で、かつ(1)~(3)の3種のラジカル重合性成分の合計の割合は54質量%以上であることを特徴とするものである。
また(2)の多官能(メタ)アクリレートは、変性されたEO基および/またはPO基の機能によって、酸素阻害の影響を受けにくい。
そのため、重合反応がラジカル重合反応であることとも相まって、本発明のインクジェットインクは、従来のもの比べて、硬化開始速度や硬化速度を向上することができる。
形成される網目状の構造は、(2)の多官能(メタ)アクリレートがEO変性および/またはPO変性されているため、未変性の多官能(メタ)アクリレート、たとえば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等からなるものに比べて鎖状結合が長くなる。
また(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレート、および(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物が、(2)の多官能(メタ)アクリレートとともにラジカル重合反応して、上記網目状の構造中に、窒素含有複素環が導入される。
したがって、上記(1)~(3)の3種のラジカル重合性成分を併用した本発明のインクジェットインクによれば、現状よりも硬化開始速度や硬化速度を向上できる上、耐溶剤性や、密着性、定着性等に優れた文字などを被印刷面に印刷することが可能となる。
その上、(2)の多官能(メタ)アクリレートは、未変性の多官能(メタ)アクリレートに比べて低粘度であるため、インクジェットインクの粘度上昇にともなう、インクジェットプリンタのノズルからの吐出不良等が生じるのを抑制することもできる。
(4) アミン変性(メタ)アクリレート
を含んでいてもよい。
(4)のアミン変性(メタ)アクリレートは、とくに(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートや(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物との相性が良い上、分子中のアミノ基が、酸素阻害の要因となるヒドロキシペルオキシラジカルを捕捉する機能を有する。
とくにインクジェットインクは、インクジェットプリンタのノズルからスムースに吐出させるために低粘度とする必要があるため、たとえば製造時や貯蔵時などに酸素が溶け込んだり拡散したりしやすい。
そして、インクジェットインク中に酸素が溶け込んでヒドロキシペルオキシラジカルが生成されると、先に説明した(1)~(3)のラジカル重合性成分の重合反応が阻害されやすくなる。
すなわち、インクジェットインクの硬化開始速度や硬化速度を向上したり、耐溶剤性や、密着性、定着性等に優れた文字などを被印刷面に印刷したりできない場合を生じる。
また、とくにインクジェットインクの貯蔵中に酸素阻害が発生して、当該インクジェットインクの硬化特性が初期値から低下する、すなわち貯蔵安定性が低下する場合もある。
そのため、3種のラジカル重合性成分を併用することによる、上述した本発明の効果をより一層向上したり、インクジェットインクの貯蔵安定性を向上したりすることができる。
(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートとしては、窒素含有複素環と、1分子中に2つ以上の、官能基としてのアクリル基および/またはメタクリル基とを有する多官能の、ラジカル重合可能な種々の化合物を用いることができる。
そのため、硬化後の下地層や着色層などの耐溶剤性をさらに向上したり、耐擦過性を向上したりできる。
(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、いずれも窒素含有複素環式アクリレートである、イソシアヌル酸ジアクリレート(2官能)、イソシアヌル酸トリアクリレート(3官能)、トリアジントリアクリレート(3官能)、N-アクリルオキシスクシンイミド(単官能)、N-アクリルオキシフタルイミド(単官能)等の1種または2種以上を用いることができ、とくにイソシアヌル酸トリアクリレート(3官能)が好ましい。
(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートの割合がこの範囲未満では、当該窒素含有複素環式(メタ)アクリレートを配合することによる前述した効果が不十分になって、硬化後の下地層や着色層などの耐溶剤性、耐擦過性等が低下する場合がある。
また、相対的に(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物の割合が少なくなって、インクジェットインクの硬化開始速度や硬化速度を向上する効果が得られない場合がある。
〈(2) 多官能(メタ)アクリレート〉
(2)の多官能(メタ)アクリレートとしては、EO付加型多官能(メタ)アクリレート、およびPO付加型多官能(メタ)アクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種の、ラジカル重合可能な種々の化合物を用いることができる。
(2)の多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、いずれも多官能アクリレートである、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(EO変性、3官能)、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(EO変性、4官能)、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(PO変性、3官能)、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート(PO変性、3官能)等の1種または2種以上を用いることができ、とくにエトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(EO変性、4官能)が好ましい。
(2)の多官能(メタ)アクリレートの割合がこの範囲未満では、当該多官能(メタ)アクリレートを配合することによる前述した効果が不十分になって、硬化後の下地層や着色層などの、被印刷面に対する密着性、定着性が低下する場合がある。
また、相対的に(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートの割合が少なくなって、硬化後の下地層や着色層などの耐溶剤性、耐擦過性等が低下する場合がある。
これに対し、(2)の多官能(メタ)アクリレートの割合を上記の範囲に設定することにより、上記他の2種のラジカル重合性成分との相乗効果によって、前述した本発明の効果をさらに向上することができる。
(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物としては、窒素含有複素環とビニル基とを有する、ラジカル重合可能な種々の化合物を用いることができる。
(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、N-ビニルピロリドン、N-ビニルイミダゾール、2-メチル-1-ビニルイミダゾール、N-ビニルピリジン、N-メチル-2-ビニルピロール、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピリミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルオキサゾール、N-ビニルカプロラクタム等の1種または2種以上を用いることができ、とくにN-ビニルカプロラクタムおよび/またはN-ビニルピリジンが好ましい。
(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物の割合がこの範囲未満では、当該窒素含有複素環式ビニル化合物を配合することによる、前述した、インクジェットインクの硬化開始速度や硬化速度を向上する効果が十分に得られない場合がある。
また、相対的に(2)の多官能(メタ)アクリレートの割合が少なくなって、硬化後の下地層や着色層などの、被印刷面に対する密着性、定着性が低下する場合もある。
〈(4) アミン変性(メタ)アクリレート〉
(4)のアミン変性(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリレートのモノマないしオリゴマをアミノ基で変性した構造を有する、ラジカル重合可能な種々の化合物を用いることができる。
(4)のアミン変性(メタ)アクリレートの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、いずれもアミン変性アクリレートである、サートマー社製のCN371、CN373、CN383、CN386等の1種または2種以上を用いることができ、とくにCN371が好ましい。
(4)のアミン変性(メタ)アクリレートの割合がこの範囲未満では、当該アミン変性(メタ)アクリレート中のアミノ基による、酸素阻害が発生するのを抑制する効果が十分に得られない場合がある。
一方、(4)のアミン変性(メタ)アクリレートの割合が上記の範囲を超える場合には、相対的に(1)~(3)の3種のラジカル重合性成分の割合が少なくなる。
これに対し、(4)のアミン変性(メタ)アクリレートの割合を上記の範囲に設定することにより、上記3種のラジカル重合性成分を併用することによる本発明の効果をより一層向上したり、インクジェットインクの貯蔵安定性を向上したりすることができる。
本発明のインクジェットインクは、ラジカル重合性成分として、さらに(5)のシリコン変性ポリエーテル(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。
(5)のシリコン変性ポリエーテル(メタ)アクリレートは界面活性剤としても機能して、インクジェットインクの表面張力を調整し、それによって当該インクジェットインクの、インクジェットプリンタのノズルに対する濡れ性を調整する。
パドリングとは、ノズルを通してインク滴が吐出される際に当該インク滴から分離してノズル側に残ったインクジェットインクが、ノズルが形成されたノズルプレートのノズルの出口の周囲に濡れ拡がってインク溜まり(パドル)を形成する現象である。
これに対し、(5)のシリコン変性ポリエーテル(メタ)アクリレートを配合してパドリングの発生を抑制すると、良好な文字等を連続的に印刷できる枚数を増加させる、すなわち連続印刷性を向上させることができる。
(5)のシリコン変性ポリエーテル(メタ)アクリレートの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、いずれもシリコン変性ポリエーテルアクリレートである、エボニック インダストリーズ社製のTEGO(登録商標)Radシリーズのうち2010、2011、2100、2300等の1種または2種以上を用いることができる。
〈(6) 他のラジカル重合性成分〉
本発明のインクジェットインクには、上記各種のラジカル重合性成分に加えて、さらに、インクジェットインクの粘度や流動性等を調整するための反応性希釈剤などとして機能する、(6)の他のラジカル重合性成分を配合してもよい。
(2官能アクリレート)
1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、アルコキシ化脂肪族ジアクリレート。
トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3-ブチレンジオールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール(400)ジメタクリレート。
トリメチロールプロパントリメタクリレート
(6)の他のラジカル重合性成分を配合する場合、その割合は、各種のラジカル重合性成分の残量とする。
すなわち、先に説明した各種ラジカル重合性成分の割合を、それぞれ所定の範囲に設定し、さらに(6)の他のラジカル重合性成分を加えた総量が100質量%となるように、当該他のラジカル重合性成分の割合を設定すればよい。
(1)~(3)の3種のラジカル重合性成分の合計の割合は、ラジカル重合性成分の総量中の54質量%以上である必要がある。
合計の割合がこの範囲未満では、(1)~(3)の3種のラジカル重合性成分を併用することによる本発明の効果が十分に得られない場合がある。
すなわち、現状よりもインクジェットインクの硬化開始速度や硬化速度を向上できる上、耐溶剤性や、密着性、定着性等に優れた文字などを被印刷面に印刷することが可能となる。
ラジカル重合性成分は、その全量、つまり100質量%が、(1)~(3)の3種のラジカル重合性成分であってもよい。
ただし、ラジカル重合性成分としては、先に説明したように、(4)のアミン変性(メタ)アクリレート、(5)のシリコン変性ポリエーテル(メタ)アクリレート、あるいは(6)の他のラジカル重合性成分を併用してもよい。
〈光ラジカル重合開始剤〉
光ラジカル重合開始剤としては、紫外線等の任意の波長の光の照射によってラジカルを発生して、上述したラジカル重合性成分をラジカル重合反応させ、それによってインクジェットインクを硬化させることができる種々の化合物が使用可能である。
ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、4,4′-ジクロロベンゾフェノン、4,4′-ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4′-ビスジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4-メトキシ-4′-ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類またはその塩。
エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。
2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-ジ(p-メトキシフェニル)-5-フェニルイミダゾール2量体、2-(2,4-ジメトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5-トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類。
ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類。
光ラジカル重合開始剤の割合は任意に設定できるものの、インクジェットインクに良好な光硬化性を付与することを考慮すると、当該インクジェットインクの総量中の1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下であるのが好ましい。
そのためには、上記光ラジカル重合開始剤とともに、LEDピークシフト用の光ラジカル重合開始剤を併用すればよい。
LEDピークシフト用の光ラジカル重合開始剤の割合も任意に設定できるものの、インクジェットインクの総量中の0.5質量%以上であるのが好ましく、2質量%以下であるのが好ましい。
本発明のインクジェットインクには、光ラジカル重合開始剤とともに、増感剤を配合してもよい。
増感剤は、光の照射によって励起状態となって光ラジカル重合開始剤と相互作用して、当該光ラジカル重合開始剤におけるラジカルの発生を助けるために機能する。
増感剤としては、先に説明した光ラジカル重合開始剤のうちチオキサントン類またはその塩、中でも2-イソプロピルチオキサントン〔ランブソンジャパン(株)製のSpeedcure(登録商標)2-ITX〕が好適に使用される。
増感剤の割合は、任意に設定できるものの、良好な増感効果を得ることを考慮すると、インクジェットインクの総量中の0.1質量%以上であるのが好ましく、1質量%以下であるのが好ましい。
インクジェットインクが、クリアインクと併用して、あるいは単独で使用される着色インクである場合、当該インクジェットインクには、顔料、染料等の着色剤が配合される。
着色剤としては、インクジェットインクの色味に応じた各色の着色剤がいずれも使用可能である。
このうち無機顔料としては、たとえば、酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造された中性、酸性、塩基性等の種々のカーボンブラックの1種または2種以上を用いることができる。
たとえば、カーボンブラックで黒色を表現する場合には、より青黒く見せるために、シアン顔料を添加してもよい。
また顔料は、インクジェットインク中での分散安定性を向上するために表面を処理してもよい。
顔料分散液は、たとえば、インクジェットインクを構成するラジカル重合性成分や有機溶剤との相溶性に優れ、しかも顔料を良好に分散させることができる任意の有機溶剤、もしくは低粘度のラジカル重合性成分(反応性希釈剤)中に分散させて調製できる。
また顔料分散液には、顔料を良好に分散させるために分散剤等を添加してもよい。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、73、74、75、83、86、93、94、95、97、98、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、185、213、214
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、48(Ca)、48(Mn)、49、52、53、57(Ca)、57:1、97、112、122、123、149、168、177、178、179、184、202、206、207、209、242、254、255
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:3、15:4、15:6、15:34、16、22、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
着色剤の割合は、インクジェットインクの総量中の1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下であるのが好ましい。
また2種以上の顔料を併用する場合は、その総量を上記の範囲に設定すればよい。
〈有機溶剤〉
たとえば、インクジェットインクを加熱して気泡を発生させて、その体積増加分のインクジェットインクをノズルからインク滴として吐出させるサーマル方式のインクジェットプリンタに用いるインクジェットインクには、気泡のもとになる有機溶剤が配合される。
有機溶剤としては、たとえば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコール等のアルコールの1種または2種以上を用いることができる。
アセトンの割合は、インクジェットインクの総量中の5質量%以上であるのが好ましく、15質量%以下であるのが好ましい。
すなわち、先に説明した各成分の割合を、それぞれ所定の範囲に設定し、さらにアルコールを加えた総量が100質量%となるように、当該アルコールの割合を設定すればよい。
たとえば、クリアインクと併用して、あるいは単独で使用される着色インクの場合は、ラジカル重合性成分、光ラジカル重合開始剤、増感剤、着色剤、アセトン、分散剤等の割合を、それぞれ所定の範囲に設定し、さらにアルコールを加えた総量が100質量%となるように、当該アルコールの割合を設定すればよい。
《インクセット》
本発明のインクセットは、いずれも上記本発明のインクジェットインクである、着色剤を含まない無着色のクリアインクと、着色剤によって着色された着色インクとを含むことを特徴とするものである。
着色インクは単色であってもよいし、2色以上を併用してもよい。
2色以上の着色インクとしては、たとえば、フルカラーの印刷に適した、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色や、さらにブラック(K)を加えた4色、あるいはそれ以上の色の着色インクを組み合わせてもよい。
本発明の印刷方法は、上記本発明のインクセットのうちクリアインクを用いて、インクジェット印刷法によって、未硬化の下地層を形成する工程、形成した下地層の上に、インクセットのうち着色インクを用いて、インクジェット印刷法によって、未硬化の着色層を形成する工程、および形成した下地層と着色層とを、光の照射によって硬化させる工程を含むことを特徴とするものである。
そうすると上記被印刷面を、先に印刷したクリアインクからなる透明な下地層によって被覆した上に、着色インクによって文字などの着色層を印刷できるため、当該着色層を、できるだけ滲みが抑制された、鮮明な状態とすることができる。
そのため、たとえば、フロスト加工したガラス表面などの、インクが滲みやすい被印刷面に、インクジェット印刷法によって、前述した各特性に優れる上、滲みが抑制された鮮明な文字などを印刷することができる。
なお本発明では、先に説明したように、インクセットのうち着色インクのみをインクジェットインクとして単独で使用して、とくに非吸収性の被印刷面に、耐溶剤性や、密着性、定着性等に優れた文字などを印刷することもできる。
非吸収性の被印刷面としては、たとえば、アルミニウム箔などの金属表面や、コロナ処理延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)の表面などが挙げられる。
〈実施例1-1〉
下記の各成分を配合したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを調製した。
(1) SR368
イソシアヌル酸トリアクリレート〔3官能、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート〕、窒素含有複素環式アクリレート、サートマー社製のSR368
(2) RP-1040
エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート(EO変性、4官能)、多官能アクリレート、日本化薬(株)製のKAYARAD(登録商標)RP-1040
(3) V-Cap
N-ビニルカプロラクタム、窒素含有複素環式ビニル化合物、アシュランド・ジャパン(株)製のV-Cap
(4) CN371
アミン変性アクリレート、サートマー社製のCN371
(5) Rad 2300
シリコン変性ポリエーテルアクリレート、エボニック インダストリーズ社製のTEGO Rad 2300
(6) NP-A
ネオペンチルグリコールジアクリレート、他のラジカル重合性成分、共栄社化学(株)製のライトアクリレート(登録商標)NP-A
・ 光ラジカル重合開始剤TPO
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、IGM Resin社製のOmnirad TPO
・ 光ラジカル重合開始剤819
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、LEDピークシフト用、IGM Resin社製のOmnirad 819
・ 増感剤
2-イソプロピルチオキサントン、ランブソンジャパン(株)製のSpeedcure 2-ITX
・ 顔料分散液
顔料分散液としては、下記の各成分を配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させたものを用いた。
顔料:カーボンブラックLFF、三菱化学(株)製のMA8
分散剤:ポリアリルアミン/ポリカプロラクトン系分散剤、味の素ファインテクノ(株)製のアジスパーPB821
ラジカル重合性成分の総量中の、(1)~(6)のラジカル重合性成分の割合は、それぞれ下記の通りであった。
〈実施例1-2~1-8、比較例1-1~1-7〉
ラジカル重合性成分の総量中の、(1)~(6)のラジカル重合性成分の割合、および(1)~(3)の3種のラジカル重合性成分の合計の割合を、それぞれ表4~表6に示す値としたこと以外は実施例1-1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
(4)のアミン変性アクリレートを配合せず、(6)の他のラジカル重合性成分としてのNP-Aの量を12.5質量部、ラジカル重合性成分の総量中の32.3質量%としたこと以外は実施例1-1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例1-8〉
(1)の窒素含有複素環式アクリレートとして、単官能のN-アクリルオキシスクシンイミド〔N-AOSc、東京化成工業(株)製〕を同量配合したこと以外は実施例1-1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
(2)の多官能アクリレートとして、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート〔PO変性、3官能、サートマー社製のSR492〕を同量配合したこと以外は実施例1-1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈実施例1-11〉
(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物として、N-ビニルピリジン〔N-VPd、東京化成工業(株)製〕を同量配合したこと以外は実施例1-1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
(1)の窒素含有複素環式アクリレートに代えて、複素環を含まない窒素含有アクリレートであるジメチルアミノエチルアクリレート〔N-Ac、東亞合成(株)製製のアロン(登録商標)DA〕を同量配合したこと以外は実施例1-1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
(2)の多官能アクリレートに代えて、未変性の多官能(メタ)アクリレートであるペンタエリスリトールテトラアクリレート〔新中村化学(株)製のA-TMMT〕を同量配合したこと以外は実施例1-1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
〈比較例1-11〉
(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物に代えて、複素環状モノマであるテトラヒドロフルフリルアクリレート〔THFA、大阪有機化学工業(株)製のビスコート#150〕を同量配合したこと以外は実施例1-1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
オンデマンド型のサーマル方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array〕を使用して、実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、OPPの表面に、300×300dpiの解像度で約8.5ポイントの文字を印刷した。
そして下記の基準で、インクジェットインクの硬化速度を評価した。
×:ライン速度10m/分で欠けが生じたか、またはライン速度10m/分では欠けは生じなかったが、ライン速度20m/分で欠けが生じた。
〈耐溶剤性評価〉
硬化速度評価で使用したのと同じインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、OPPの表面に、300×300dpiの解像度で約8.5ポイントの文字を印刷した。
そして下記の基準で、印刷の耐溶剤性を評価した。
×:文字が全部消えてしまうか、または文字の一部に欠けや伸びが見られた。
〈密着性評価〉
硬化速度評価で使用したのと同じインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、厚み50μmのPETフィルムの表面に、300×300dpiの解像度で約8.5ポイントの文字を印刷した。
そして下記の基準で、印刷の密着性を評価した。
×:折り曲げ始めた時点で既に文字にクラックが生じていたか、または折り曲げ始めた時点では文字にクラックは生じなかったが、半分に折り曲げてしまうとクラックが生じた。
〈連続印刷性評価〉
硬化速度評価で使用したのと同じインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、普通紙の表面に、300×300dpiの解像度で約8.5ポイントの文字を1000枚に亘って連続印刷した。
そして下記の基準で、連続印刷性を評価した。
×:800枚未満で、パドリングによる不良が生じた。
△:800枚以上、1000枚未満の間に、パドリングによる不良が生じた。
○:1000枚まで、パドリングによる不良は生じなかった。
硬化速度評価で使用したのと同じインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例で調製したインクジェットインクにより、OPPの表面に、インクジェットプリンタのドライバソフトに含まれるノズルチェックパターンを印刷した。
次いで、印刷を観察して、吐出が不安定になってノズルからインク滴が吐出されなかったことによるノズル抜けの不良の有無を確認した。
×:印刷のほぼ全体、または一部にノズル抜けの不良が見られた。
○:ノズル抜けの不良は全く見られなかった。
〈貯蔵安定性評価〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクをスクリュー管瓶に入れて45℃で1か月間静置した後、再び硬化速度評価を実施した。
○:硬化速度評価が、貯蔵前と後とで同じであった。すなわち「○」→「○」、または「△」→「△」であった。
△:硬化速度評価が、貯蔵前は「○」で貯蔵後は「△」であった。
以上の結果を表4~表8に示す。
実施例1-1~1-3、比較例1-1、1-2の結果より、(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートの割合は、ラジカル重合性成分の総量中の27質量%以上、54質量%以下である必要があることが判った。
実施例1-1、1-6、1-7、比較例1-5、1-6の結果より(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物の割合は、ラジカル重合性成分の総量中の5.5質量%以上、27質量%以下である必要があることが判った。
実施例1-1、1-9、比較例1-8の結果より、ラジカル重合性成分は、さらに(4)のアミン変性(メタ)アクリレートを含んでいるのが好ましいこと、(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートは、多官能である必要があることが判った。
〈実施例2-1〉
(クリアインク)
顔料分散液を配合せず、かつエタノールの量を46.1質量部としたこと以外は実施例1-1と同様にして、クリアインクを調製した。
実施例1-1のインクジェットインクを着色インクとして、上記クリアインクと組み合わせてインクセットを構成した。
〈実施例2-2~2-7、比較例2-1~2-9〉
実施例1-2~1-7、比較例1-1~1-6、1-9~1-11のインクジェットインクをもとにしたこと以外は実施例2-1と同様にしてクリアインクを調製し、それぞれ実施例1-2~1-7、比較例1-1~1-6、1-9~1-11のインクジェットインクを着色インクとして組み合わせてインクセットを構成した。
硬化速度評価で使用したのと同じインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例で調製したクリアインクにより、フロスト加工したガラス表面に、300×300dpiの解像度で約8.5ポイントの文字の下地層を印刷した。
次いで同じインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例で組み合わせた着色インクにより、上記下地層の上に重ねて、300×300dpiの解像度で約8.5ポイントの文字の着色層を印刷した。
そして下記の基準で、印刷の耐溶剤性を評価した。
×:文字が全部消えてしまうか、または文字の一部に欠けや伸びが見られた。
〈定着性評価〉
硬化速度評価で使用したのと同じインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例で調製したクリアインクにより、フロスト加工したガラス表面に、300×300dpiの解像度で約8.5ポイントの文字の下地層を印刷した。
次いで、印刷直後の文字を、LEDランプ出力:8W/cm2、ライン速度:10m/分の条件で紫外線を照射して光硬化反応させたのち、セロハンテープ剥離試験を実施して文字の状態を観察した。
×:文字の一部または全部が剥離してしまった。
○:文字は全く剥離しなかった。
〈印刷鮮明性評価〉
硬化速度評価で使用したのと同じインクジェットプリンタを使用して、実施例、比較例で調製したクリアインクにより、フロスト加工したガラス表面と、フロスト加工していないガラス表面とに、それぞれ300×300dpiの解像度で約8.5ポイントの線状の下地層を印刷した。
次いで、印刷直後の文字を、LEDランプ出力:8W/cm2、ライン速度:10m/分の条件で紫外線を照射して光硬化反応させたのち、線幅を測定した。
×:フロスト加工したガラス表面と、フロスト加工していないガラス表面のどちらも、線幅が±10%を超える範囲で増減していた。
△:フロスト加工したガラス表面では、線幅の増減は±10%を超えていたが、フロスト加工していないガラス表面では±10%以内であった。
以上の結果を、実施例2-1のインクセットのうちクリアインクを使用せずに着色インクのみを用いて直接に、ガラス表面に着色層を印刷した参考例1の結果、ならびに先の実施例1-1~1-7、比較例1-1~1-6、1-9~1-11における硬化速度評価、吐出安定性評価の結果と併せて表9~表12に示す。
また実施例2-1~2-7、比較例2-1~2-9の結果より、クリアインク、着色インクに用いるラジカル重合性成分として、(1)~(3)の3種を併用することにより、現状よりも硬化開始速度や硬化速度を向上できる上、耐溶剤性や、被印刷面に対する密着性、定着性等に優れた文字などを印刷できることが判った。
実施例2-1、2-4、2-5、比較例2-3、2-4の結果より、(2)の多官能(メタ)アクリレートの割合は、ラジカル重合性成分の総量中の5.5質量%以上、27質量%以下である必要があることが判った。
Claims (6)
- ラジカル重合性成分と光ラジカル重合開始剤とを含み、前記ラジカル重合性成分は、
(1) 2官能以上の多官能の窒素含有複素環式(メタ)アクリレート、
(2) エチレンオキサイド付加型多官能(メタ)アクリレート、およびプロピレンオキサイド付加型多官能(メタ)アクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種の多官能(メタ)アクリレート、ならびに
(3) 窒素含有複素環式ビニル化合物
を含み、前記ラジカル重合性成分の総量中の、前記(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートの割合は27質量%以上、54質量%以下、前記(2)の多官能(メタ)アクリレートの割合は5.5質量%以上、27質量%以下、前記(3)の窒素含有複素環式ビニル化合物の割合は5.5質量%以上、27質量%以下で、かつ前記(1)~(3)の3種のラジカル重合性成分の合計の割合は54質量%以上であるインクジェットインク。 - 前記(1)の窒素含有複素環式(メタ)アクリレートは、イソシアヌル酸ジアクリレート、イソシアヌル酸トリアクリレート、トリアジントリアクリレート、N-アクリルオキシスクシンイミド、およびN-アクリルオキシフタルイミドからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載のインクジェットインク。
- 前記(2)の多官能(メタ)アクリレートは、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、およびプロポキシ化グリセリルトリアクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1または2に記載のインクジェットインク。
- 前記ラジカル重合性成分は、さらに
(4) アミン変性(メタ)アクリレート
を含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。 - いずれも前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェットインクである、無着色のクリアインクと、着色された着色インクとを含むインクセット。
- 印刷方法であって、前記請求項5に記載のインクセットのうち前記クリアインクを用いて、インクジェット印刷法によって、未硬化の下地層を形成する工程、形成した前記下地層の上に、前記インクセットのうち前記着色インクを用いて、インクジェット印刷法によって、未硬化の着色層を形成する工程、および形成した前記下地層と前記着色層とを、光の照射によって硬化させる工程を含む印刷方法。
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