JP2021115780A - 隠蔽層用塗剤、記録シートとその製造方法、記録物とその製造方法、ならびに画像記録用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】新たな表現が可能な記録シートを製造する隠蔽層用塗剤、隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層を含む記録シートとその製造方法、記録シートに画像が記録された記録物とその製造方法、並びに画像の記録に用いる画像記録用インクを提供する。【解決手段】隠蔽層用塗剤は、高Tg多官能モノマーを30質量%以上の割合で含む多官能モノマーと単官能モノマーとを含むラジカル重合性成分、着色剤、揮発性溶剤、光ラジカル重合開始剤を含み、単官能モノマーの割合はラジカル重合性成分の総量の5〜70質量%、揮発性溶剤の割合はラジカル重合性成分の総量に対して50〜400質量%である。記録シートは、隠蔽層用塗剤を塗布して形成された隠蔽層を含む。記録物は、記録シートに画像を記録する。画像記録用インクは、無色または有色で、かつ透明ないし半透明である。【選択図】なし

Description

本発明は隠蔽層用塗剤、当該隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層を含む記録シートとその製造方法、当該記録シートに画像が記録された記録物とその製造方法、並びに上記画像の記録に用いる画像記録用インクに関するものである。
インクジェット印刷法によって画像を記録するため、基材シートの表面に隠蔽層を形成した記録シートを用いる場合がある(特許文献1等参照)。
従来の隠蔽層は、インクジェットインクによって記録される画像の発色、および鮮明性を高めるため、無機フィラー等の白色顔料を含み、隠蔽性の高い状態とされるのが一般的である。
しかし、かかる隠蔽層を備えた従来の記録シートに記録される画像では、平面的で平板な表現しかできない。
そのため近時、インクジェット印刷法によるさらなる新たな表現が可能な記録シートが求められつつある。
特開2008−290378号公報
本発明の目的は、従来の記録シートでは実現すること不可能であった新たな表現が可能な記録シートを製造するための隠蔽層用塗剤、および当該隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層を含む記録シートとその製造方法を提供することにある。
また本発明の目的は、当該記録シートに画像が記録された記録物とその製造方法、並びに上記画像の記録に用いる画像記録用インクを提供することにある。
本発明は、2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含むラジカル重合性成分、揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を含み、多官能モノマーは、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを、当該多官能モノマーの総量中に30質量%以上の割合で含み、単官能モノマーの割合は、ラジカル重合性成分の総量中の5質量%以上、70質量%以下、揮発性溶剤の割合は、ラジカル重合性成分の総量に対して50質量%以上、400質量%以下である隠蔽層用塗剤である。
また本発明は、基材シートと、当該基材シートの表面に設けられた、上記隠蔽層用塗剤の硬化物からなる隠蔽層とを含む記録シートである。
かかる記録シートは、基材シートの表面に、上記隠蔽層用塗剤を塗布したのち、紫外線の露光によって硬化反応させて隠蔽層を形成する工程を含む、本発明の製造方法によって製造することができる。
本発明は、上記記録シートの隠蔽層に、透明ないし半透明の画像が記録された記録物である。
かかる記録物は、上記隠蔽層に、無色または有色で、かつ透明ないし半透明の画像記録用インクを用いて、インクジェット印刷法によって画像を記録する工程を含む、本発明の製造方法によって製造することができる。
さらに本発明は、無色または有色で、かつ透明ないし半透明であり、上記記録物の製造方法に用いる画像記録用インクである。
本発明によれば、従来の記録シートでは実現すること不可能であった新たな表現が可能な記録シートを製造するための隠蔽層用塗剤、および当該隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層を含む記録シートとその製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、当該記録シートに画像が記録された記録物とその製造方法、並びに上記画像の記録に用いる画像記録用インクを提供することができる。
上述したように、本発明の隠蔽層用塗剤は、2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含むラジカル重合性成分、揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を含み、多官能モノマーは、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを、当該多官能モノマーの総量中に30質量%以上の割合で含み、単官能モノマーの割合は、ラジカル重合性成分の総量中の5質量%以上、70質量%以下、揮発性溶剤の割合は、ラジカル重合性成分の総量に対して50質量%以上、400質量%以下であることを特徴とするものである。
また本発明の記録シートは、基材シートと、当該基材シートの表面に設けられた、上記隠蔽層用塗剤の硬化物からなる隠蔽層とを含むことを特徴とするものである。
かかる記録シートは、基材シートの表面に、上記隠蔽層用塗剤を塗布したのち、紫外線の露光によって硬化反応させて隠蔽層を形成する工程を含む、本発明の製造方法によって製造することができる。
なお本発明では、高Tg多官能モノマーを含む多官能モノマー、および単官能モノマーのガラス転移温度Tg(℃)を、下記の方法によって測定した結果から求めた値でもって表すこととする。
すなわち、まずガラス転移温度Tg(℃)を求めるモノマーを単独で重合させて、当該モノマーのホモポリマーからなる測定用のサンプルを作製する。
具体的にはモノマーを、300W/inchの中圧水銀アークランプを用いてUV処理速度:25ft/min、積算照射量:1.5J/cmの条件で紫外線を照射することで重合させて、サンプルを作製する。
この際、積算照射量は、International Light Technologies社製のIL390B放射計を用いて測定する。
次いで、作製したサンプルを用いて、示差走査熱量測定(DSC)、またはモノマーの種類によっては動的粘弾性測定(DMA)による測定結果から、ガラス転移温度Tg(℃)を求める。
上記測定方法は、多官能モノマー、単官能モノマーのメーカーであるARKEMA(アルケマ)社のカタログに記載の測定方法に準拠したものである。
上記本発明の隠蔽層用塗剤を基材シートの表面に塗布したのち、紫外線などで露光すると、光ラジカル重合開始剤の機能によってラジカル重合性成分がラジカル重合反応して、主に多官能モノマーの機能によって三次元網目状構造が形成される。
すなわち、ラジカル重合性成分が硬化反応して、基材シートの表面に、隠蔽層を形成する硬化物が生成される。
また、この硬化反応と前後して揮発性溶剤が揮発して硬化物が多孔質構造化されるため、当該硬化物中で光の乱反射を生じて、隠蔽層に隠蔽性を付与することができる。
しかも本発明によれば、多官能モノマーとして、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを選択して用いることによって、硬化物の多孔質構造化による隠蔽層の隠蔽性を、さらに高めることができる。
そのため白色顔料を用いることなしに、隠蔽層の隠蔽性を、当該白色顔料を含む場合と同等程度まで向上できる。
かかる隠蔽層を含む記録シートの隠蔽層上に、無色または有色で、かつ透明ないし半透明の画像記録用インクを用いて画像を記録すると、隠蔽層のうち画像を記録した領域の隠蔽性が選択的に低下して、透明ないし半透明の状態になる。
すなわち画像記録用インクが、隠蔽層を形成する硬化物の多孔質構造中に浸透し、当該多孔質構造の孔内を充てんして、上述した光の乱反射が抑えられる結果、画像を記録した領域の隠蔽性が選択的に低下する。
そして画像を記録した領域は、隠蔽性の低下によって透明ないし半透明の状態となり、それ以外の領域が隠蔽性の高い半透明ないし不透明の状態を維持していることと相まって、従来の記録シートでは実現することが不可能であった新たな表現が可能となる。
具体的には、たとえば、下記のような様々な表現形態の1種または2種以上を組み合わせた画像を記録することができる。
(1) 基材シートとして透明ないし半透明のシートを用いて、画像を記録しない領域は半透明ないし不透明の状態を維持しながら、画像を記録した領域を、基材シートも含めて透明ないし半透明の状態とする。
(2) 基材シートとして、任意の色味に着色したり、あらかじめ模様を印刷したりしたシートを用いて、画像を記録した領域で選択的に、当該基材シートの色味や模様が見えるようにする。この場合、基材シートは透明、半透明、不透明のいずれの状態でもよい。
(3) 隠蔽層を任意の色味に着色して、記録した画像の色味との差や、当該画像を記録した領域で透過した基材シートの色味との差をつける。
(4) 上記(1)〜(3)の場合、画像記録用インクとしては、たとえば無色で透明ないし半透明のインクを用いてもよいし、任意の色味に着色した、有色で透明ないし半透明のインクを用いてもよい。後者の場合は、画像を記録した領域を、かかる色味を付加した透明ないし半透明の状態とすることができる。また、とくに画像記録用インクとして、たとえばシアン、マゼンタ、イエロー等に着色された複数種のインクを用いて、フルカラーで、かつ透明ないし半透明の画像を記録することもできる。
《隠蔽層用塗剤》
隠蔽層のもとになる本発明の隠蔽層用塗剤は、2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含むラジカル重合性成分、揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を含み、多官能モノマーは、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを、当該多官能モノマーの総量中に30質量%以上の割合で含み、単官能モノマーの割合は、ラジカル重合性成分の総量中の5質量%以上、70質量%以下、揮発性溶剤の割合は、ラジカル重合性成分の総量に対して50質量%以上、400質量%以下であることを特徴とするものである。
〈白色度評価〉
着色していない隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層の隠蔽性は、下記の方法で求めた白色度によって評価することとする。
すなわち、着色していない隠蔽層用塗剤を、常温(5〜35℃)で、PETフィルムの表面に、硬化後の膜厚が3〜10μmになるように塗布し、塗布から0.15秒以内に、LED硬化ランプを用いて露光して硬化反応させる。
ついで、塗布面のL値を、ハンディー測色計〔ビデオジェット・エックスライト株式会社製のX−rite(登録商標)eXact〕を用いて測定して、下記の基準で白色度を評価する。
○○○:L値は70以上であった。
○○:L値は60以上、70未満であった。
○:L値は50以上、60未満であった。
△:L値は40以上、50未満であった。
×:L値は40未満であった。
隠蔽層用塗剤をPETフィルムの表面に塗布するには、インクジェットプリンタを用いベタ印刷や、あるいはバーコート法、スプレーコート法等の塗布方法などが採用される。インクジェットプリンタを用いたベタ印刷では、たとえば、印刷の解像度を600×600dpiとすると、硬化後の膜厚を上記の範囲とすることができる。
〈隠蔽率評価〉
また、着色した隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層の隠蔽性は、常温(5〜35℃)環境下、日本産業規格JIS K5600−4−1:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)」所載の「方法B(隠ぺい率試験紙)」に準拠して測定した隠蔽率によって評価することとする。
すなわち、上記規格に準拠する隠ぺい率試験紙の、白黒色分けされた表面に、隠蔽層用塗剤を、硬化後の膜厚が3〜10μmになるように塗布し、塗布から0.15秒以内にUVランプを用いて露光して硬化反応させた後、その白部上および黒部上の各々5箇所で三刺激値を測定して、平均の三刺激値YとYを求める。
隠蔽率試験紙の表面に隠蔽層用塗剤を塗布するには、インクジェットプリンタを用いたベタ印刷や、あるいはバーコート法、スプレーコート法等の塗布方法などが採用できる。
そして、求めた平均の三刺激値Y、Yから、隠蔽率Y/Yを、百分率で算出する。
当該隠蔽率は、45%以上とするのが好ましい。
隠蔽層用塗剤の隠蔽率がこの範囲より小さい場合には、隠蔽層の隠蔽性が不足し、画像を記録した領域との隠蔽性の差が小さくなって、上述したような様々な表現形態の画像を、より鮮明に記録できない場合がある。
これに対し、隠蔽層用塗剤の隠蔽率を上記の範囲とすることにより、隠蔽層の隠蔽性を向上し、画像を記録した領域との隠蔽性の差を大きくして、上述したような様々な表現形態の画像を、より鮮明に記録することができる。
硬化物をより確実に多孔質化して、隠蔽層の隠蔽性をさらに向上するためには、硬化反応の進行から遅れて揮発性溶剤が揮発するのが好ましく、とくに硬化反応がほぼ終了した後に揮発性溶剤が揮発するのが好ましい。
そのためには、たとえば、ラジカル重合性成分の種類と組み合わせ、ならびに揮発性溶剤の種類と組み合わせを適宜選択すればよい。
なお隠蔽層用塗剤は、その色味によって、発色の具合と隠蔽力との間の関係が異なることが知られている。
たとえば、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の3色の場合、隠蔽率の下限は、上述した範囲内でも、それぞれ下記の範囲とするのが、より高い隠蔽性を有する隠蔽層を形成する上で好ましい。
シアン:50%以上、中でも60%以上、とくに75%以上。
マゼンタ:50%以上、中でも55%以上、とくに65%以上。
イエロー:50%以上、中でも55%以上、とくに60%以上。
ただし、1回の印刷で隠蔽率が低くても、2回、3回と重ねて印刷することで、隠蔽率を向上することは可能である。
また本発明では、多官能モノマーとともに単官能モノマーを併用することで、隠蔽層を形成する硬化物に適度の柔軟性を付与することができる。
そのため、たとえばPET、PE、PP等の屈曲可能なフィルムやシートからなる基材シートの表面に積層した隠蔽層の、当該基材シートの屈曲に対する追従性を高めて、基材シートを屈曲した際に隠蔽層が剥離したりするのを抑制することもできる。
また、単官能モノマーは一般に、多官能モノマーに比べて硬化反応の速度が高いため、単官能モノマーを併用することで、ラジカル重合性成分の全体での硬化反応の速度を高めて、上述したように硬化反応がほぼ終了した後に揮発性溶剤を揮発させることもできる。
その結果、硬化物をより確実に多孔質化して、隠蔽層の隠蔽性をさらに向上することができる。
その上、単官能モノマーは一般に、多官能モノマーに比べて低粘度であるため、同様に粘度低下に寄与する揮発性溶剤とともに併用することで、隠蔽層用塗剤の粘度が高くなるのを抑制することもできる。
とくに、インクジェット印刷法によって隠蔽層用塗剤を印刷する場合は、その粘度を、インクジェットプリンタのノズルからの吐出に適した範囲に調整することができる。
なお本発明において、前述したように、多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合(以下「Rmh」の符号を付する場合がある。)が30質量%以上に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、高Tg多官能モノマーの割合Rmhがこの範囲未満では、当該高Tg多官能モノマーを選択して用いることによる、隠蔽層の隠蔽性を向上する効果が得られない場合がある。
これに対し、高Tg多官能モノマーの割合Rmhを上記の範囲とすることにより、隠蔽層の隠蔽性を向上し、画像を記録した領域との隠蔽性の差を大きくして、前述したような様々な表現形態の画像を、より鮮明に記録することが可能となる。
また本発明において、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合(以下「Rs」の符号を付する場合がある。)が5質量%以上、70質量%以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち単官能モノマーの割合Rsがこの範囲未満では、当該単官能モノマーを併用することによる、硬化物に適度の柔軟性を付与したり、硬化反応の速度を高めたり、隠蔽層用塗剤の全体の粘度が高くなるのを抑制したりする効果が得られない場合がある。
そして、とくにアクリル板やガラス板等の、硬質の基材シートの表面に形成した隠蔽層の耐傷性が低下して、当該隠蔽層の表面に傷がつきやすくなる場合がある。
隠蔽層は、基材シートの表面にベタ印刷することが基本であるため、たとえ小さな傷でも目立って、記録した画像の美観を損なう場合がある。
一方、単官能モノマーの割合Rsが上記の範囲を超える場合には、相対的に、三次元網目状構造のもとになる多官能モノマーが不足し、形成される三次元網目状構造が粗になって、硬化物の強靭性や隠蔽層の耐擦過性が不足する場合がある。
これに対し、単官能モノマーの割合Rsを上記の範囲とすることで、当該単官能モノマーを併用することによる効果を維持しながら、なおかつ硬化物の強靭性とそれに伴う隠蔽層の耐擦過性や、当該隠蔽層の耐傷性が不足するのを抑制することが可能となる。
さらに本発明において、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合(以下「Rv」の符号を付する場合がある。)が、50質量%以上、400質量%以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、硬化物を多孔質化するもとになる揮発性溶剤の割合Rvがこの範囲未満では、当該硬化物を多孔質化して隠蔽層の隠蔽性を向上する効果が得られない場合がある。
また、粘度低下に寄与する揮発性溶剤の割合が不足して、全体の粘度が、インクジェット印刷法によって隠蔽層溶剤を印刷するのに適した範囲を超えてしまい、インクジェットプリンタのノズルから良好に吐出できない不良(吐出不良)を生じる場合もある。
一方、揮発性溶剤の割合Rvが上記の範囲を超える場合には、隠蔽層用塗剤中の固形分濃度が不足する結果、基材シートの表面に、十分な厚みを有し、耐擦過性や耐傷性に優れた隠蔽層を形成できない場合がある。
これに対し、揮発性溶剤の割合Rvを上記の範囲とすれば、隠蔽層用塗剤の全体の粘度を、インクジェットプリンタのノズルからの吐出に適した範囲に調整して、吐出不良の発生を抑えることができる。
しかも十分な厚みを有し、耐擦過性や耐傷性に優れる上、隠蔽性の高い隠蔽層を形成することもできる。
これらのことは、後述する実施例、比較例の結果からも明らかである。
〔ラジカル重合性成分〕
〈高Tg多官能モノマー〉
高Tg多官能モノマーとしては、1分子中にラジカル重合性基を2つ以上有する、すなわち2官能以上で、かつガラス転移温度Tgが40℃以上の種々のモノマーを用いることができる。
高Tg多官能モノマーの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
(2官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMER(サートマー、登録商標)シリーズのうち、SR213〔1,4−ブタンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:45℃〕、SR238F〔1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:43℃〕、SR238NS〔1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:43℃〕、SR272〔トリエチレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:48℃〕、SR9209〔アルコキシ化脂肪酸ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:48℃〕、SR212〔1,3−ブチレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:101℃〕、SR230〔ジエチレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:100℃〕、SR247〔ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:107℃〕、SR306H〔トリプロピレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、SR306NS〔トリプロピレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、SR349〔エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:67℃〕、SR349NS〔エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:67℃〕、SR508〔ジプロピレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:104℃〕、SR508NS〔ジプロピレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:104℃〕、CD595〔ドデカンジアクリレート、ガラス転移温度Tg:91℃〕、SR601〔エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:60℃〕、SR601NS〔エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:60℃〕、SR833〔トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:186℃〕、SR833NS〔トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:186℃〕、
日本化薬(株)製のKAYARAD(カヤラッド、登録商標)シリーズのうち、NPGDA〔ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:107℃〕。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATE(ライトアクリレート、登録商標)シリーズのうち、NP−A〔ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:107℃〕。
(2官能メタクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR206NS〔エチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:58℃〕、SR214NS〔1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:55℃〕、CD541〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:54℃〕、SR541〔エトキシ化(6)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:54℃〕、SR101〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:122℃〕、SR231〔ジエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:66℃〕、SR231NS〔ジエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:66℃〕、SR297〔1,3−ブチレンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:85℃〕、CD540〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:108℃〕、SR540〔エトキシ化(4)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:108℃〕。
(3官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR368〔トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:272℃〕、SR368NS〔トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:272℃〕、SR444〔ペンタエリスリトールトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、SR444NS〔ペンタエリスリトールトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、SR351〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、SR351S〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、SR351NS〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕。
日本化薬(株)製のKAYARADシリーズのうち、TMPTA〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATEシリーズのうち、TMP−A〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、PE−3A〔ペンタエリスリトールトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕。
新中村化学工業(株)製のA−TMPT〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕。
(4官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR295〔ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、SR295NS〔ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、SR355〔ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:98℃〕、SR355NS〔ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:98℃〕。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATEシリーズのうち、PE−4A〔ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕。
新中村化学工業(株)製のA−TMMT〔ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、AD−TMP〔ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:98℃〕。
(5官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR399〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ガラス転移温度Tg:90℃〕、SR399NS〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ガラス転移温度Tg:90℃〕、SR9041〔ペンタアクリレートエステル、ガラス転移温度Tg:102℃〕。
なお、前述した効果をさらに向上することを考慮すると、高Tg多官能モノマーとしては、上記例示の中から3官能以上である化合物、中でも3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが90℃以上である化合物を選択して用いるのが好ましい。
とくに3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが200℃以上、300℃以下である化合物、あるいは4官能以上で、かつガラス転移温度Tgが100℃以上、200℃未満である化合物等を選択して用いるのがより一層好ましい。
〈単官能モノマー〉
単官能モノマーとしては、上記高Tg多官能モノマーと共重合可能な、1分子中にラジカル重合性基を1つのみ有する種々のモノマーを用いることができる。
単官能モノマーの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
(N−ビニルラクタムモノマー)
式(1)
Figure 2021115780
〔式中nは1〜7を示す。〕
で表されるN−ビニルラクタムモノマー。
N−ビニルラクタムモノマーの具体例としては、たとえば、式(1)中のnが3である、式(1−1):
Figure 2021115780
で表されるN−ビニル−2−ピロリドン、および式(1)中のnが5である、式(1−2):
Figure 2021115780
で表されるN−ビニル−ε−カプロラクタム(以下「VCAP」と略記する場合がある。)等の少なくとも1種を用いることができる。
N−ビニルラクタムモノマーは、隠蔽層を形成する硬化物の、基材シートの表面に対する定着性と、それに伴う隠蔽層の耐擦過性とを高める効果に優れている。
そのため、前述した屈曲可能な基材シートの表面に形成した隠蔽層の、当該基材シートの屈曲に対する追従性をさらに向上して、基材シートを屈曲した際に隠蔽層が剥離したりするのをより一層良好に抑制することができる。
またN−ビニルラクタムモノマーは、光ラジカル重合開始剤の増感剤として、隠蔽層用塗剤の光感度を向上して、硬化反応の速度を高める効果をも有している。
とくに式(1−2)のVCAPは、これらの効果に優れており、単官能モノマーとして好適に用いることができる。
(他の単官能モノマー)
単官能モノマーとしては、N−ビニルラクタムモノマーとともに、あるいはN−ビニルラクタムモノマーに代えて、他の単官能モノマーを用いることもできる。
他の単官能モノマーとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸やその塩またはエステル、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレンまたはその誘導体、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタン、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物、単官能(メタ)アクリレート化合物、単官能ビニルエーテル化合物、単官能(メタ)アクリルアミド化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
また、このうち単官能アクリレート化合物の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR217NS〔4−tert−ブチルシクロヘキサノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR256〔2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−54℃〕、SR257〔ステアリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:35℃〕、SR285〔テトラヒドロフルフリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−15℃〕、SR335〔ラウリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−30℃〕、SR339A〔2−フェノキシエチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:5℃〕、SR339NS〔2−フェノキシエチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:5℃〕、SR395〔イソデシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−60℃〕、SR395NS〔イソデシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−60℃〕、SR420NS〔3,3,5−トリメチルシクロヘキサノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:29℃〕、SR440〔イソオクチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−54℃〕、SR484〔オクチル/デシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−57℃〕、SR489〔トリデシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−55℃〕、SR489D〔トリデシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−55℃〕、SR495〔カプロラクトンアクリレート、ガラス転移温度Tg:−53℃〕、SR495NS〔カプロラクトンアクリレート、ガラス転移温度Tg:−53℃〕、SR504〔エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR504NS〔エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:−27℃〕、SR506〔イソボルニルアクリレート、ガラス転移温度Tg:88℃〕、SR506NS〔イソボルニルアクリレート、ガラス転移温度Tg:88℃〕、SR531〔環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ガラス転移温度Tg:32℃〕、SR551〔メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレート、ガラス転移温度Tg:−57℃〕、SR611〔アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−51℃〕、CD614〔アルコキシ化ノニルフェニルアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、CD9075〔アルコキシ化ラウリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−45℃〕、SR9087〔アルコキシ化フェノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:−24℃〕、CD9087〔アルコキシ化2−フェノキシエチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:−23.5℃〕。
単官能メタクリレートの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR203〔テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:23℃〕、SR242〔イソデシルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR313〔ラウリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−65℃〕、SR313NS〔ラウリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−28℃〕、SR324〔ステアリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:38℃〕、SR324NS〔ステアリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:38℃〕、SR340〔2−フェノキシエチルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:54℃〕、CD421〔3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:145℃〕、SR423〔イソボルニルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:110℃〕、SR423NS〔イソボルニルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:110℃〕、SR493〔トリデシルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−32℃〕、SR493D〔トリデシルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−40℃〕、CD535〔ジシクロペンタジエニルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:91℃〕、CD545〔ジエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:57℃〕、SR550〔メトキシポリエチレングリコール(350)モノメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−62℃〕、CD550〔メトキシポリエチレングリコール(350)モノメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−62℃〕、CD552〔メトキシポリエチレングリコール(550)モノメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−65℃〕、SR604〔ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、CD730〔トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−7℃〕。
単官能(メタ)アクリレートのさらに他の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、エポキシアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマールアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性アクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラクトン変性アクリレート等のアクリレート化合物;メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート等のメタクリレート化合物。
単官能ビニルエーテル化合物の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−オクタデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート。
さらに単官能(メタ)アクリルアミド化合物の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−sec−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、1−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)(メタ)アクリルアミド、4−(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド。
〈他のラジカル重合性成分〉
高Tg多官能モノマー、単官能モノマーと併用してもよい他のラジカル重合性成分としては、たとえば、1分子中にラジカル重合性基を2つ以上有する2官能以上で、かつガラス転移温度Tgが40℃未満の多官能モノマーや、オリゴマー等が挙げられる。
このうち2官能以上で、かつガラス転移温度Tgが40℃未満の他の多官能モノマーの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
(2官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR259〔ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:13℃〕、SR268〔テトラエチレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:23℃〕、SR344〔ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:3℃〕、SR344NS〔ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:−25℃〕、CD406〔シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:21℃〕、CD560〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:1.5℃〕、CD561〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:−38℃〕、SR562〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:37℃〕、CD563〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:14℃〕、CD564〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:14℃〕、SR602〔エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:2℃〕、SR602NS〔エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:2℃〕、SR610〔ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:−42℃〕、SR610NS〔ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:−42℃〕、SR833S〔トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR9003〔プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:32℃〕、SR9003NS〔プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:32℃〕、SR9038〔エトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:−42℃〕、CD9043〔アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:−35℃〕、SR9045〔アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕。
日本化薬(株)製のKAYARADシリーズのうち、PEG400DA〔ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート〕、FM−400〔ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート〕、R−167、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−604、R−684。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATEシリーズのうち、3EG−A〔トリエチレングリコールジアクリレート〕、4EG−A〔PEG200#ジアクリレート〕、9EG−A〔PEG400#ジアクリレート〕、14−EG−A〔PEG600#ジアクリレート〕、PTMGA−250〔ポリテトラメチレングリコ―ルジアクリレート〕、MPD−A〔3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート〕、1.6HX−A〔1,6−ヘキサンジオールジアクリレート〕、1.9ND−A〔1,9−ノナンジオールジアクリレート〕、DCP−A〔ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート〕、BP−4EAL〔ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート〕、BP-4PA〔ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート〕、HPP−A〔ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリル酸付加物〕。
(2官能メタクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR150〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR205〔トリエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR205NS〔トリエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−8℃〕、SR206〔エチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR209〔テトラエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−8℃〕、SR210〔ポリエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR210NS〔ポリエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR214〔1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR239NS〔1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:30℃〕、SR248〔ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR252〔ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR252NS〔ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−39℃〕、SR262〔1,12−ドデカンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−37℃〕、SR348〔エトキシ化(2)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR348NS〔エトキシ化(2)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:6℃〕、SR480〔エトキシ化(10)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−1℃〕、SR480NS〔エトキシ化(10)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−1℃〕、CD542〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR603〔ポリエチレングリコール(400)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−21℃〕、SR644〔ポリプロピレングリコール(400)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−5℃〕、SR740〔ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−118℃〕、SR9036〔エトキシ化(30)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−43℃〕。
(アクリレート/メタクリレート(2官能))
共栄社化学(株)製のライトエステルG−201P〔2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:−118℃〕、SR9036〔エトキシ化(30)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕。
(3官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR415〔エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:38℃〕、SR454〔エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−40℃〕、SR454NS〔エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−40℃〕、SR492〔プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−15℃〕、SR492TFN〔プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−15℃〕、SR499〔エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−8℃〕、SR499NS〔エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−8℃〕、CD501〔プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−2℃〕、SR502〔エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−19℃〕、SR502NS〔エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−19℃〕、SR9020〔プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:18℃〕、SR9020NS〔プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:18℃〕、CD9021〔高プロポキシ化(5.5)グリセリルトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−11℃〕、SR9035〔エトキシ化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:−32℃〕。
日本化薬(株)製のKAYARADシリーズのうち、GPO−303、PET−30。
(3官能メタクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR350〔トリメチロールプロパントリメタクリレート、ガラス転移温度Tg:27℃〕、SR350NS〔トリメチロールプロパントリメタクリレート、ガラス転移温度Tg:27℃〕。
(4官能以上のアクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR494〔エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能、ガラス転移温度Tg:2℃〕、SR494NS〔アルコキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能、ガラス転移温度Tg:2℃〕、DPHA NS〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能、ガラス転移温度Tg:なし〕。
日本化薬(株)製のKAYARADシリーズのうち、T−1420(T)〔ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能〕、RP−1040〔エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能〕、DPHA〔4官能と6官能の混合物〕、DPEA−12〔6官能〕、D−310〔5官能〕、DPCA−20〔6官能〕、DPCA−30〔6官能〕、DPCA−60〔6官能〕、DPCA−120〔6官能〕。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATEシリーズのうち、DPE−6A〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能〕。
新中村化学工業(株)製のA−DHP〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能〕。
〈ラジカル重合性成分の割合〉
前述したように、多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、30質量%以上に限定される。
この理由は、先に説明したとおりである。
すなわち、高Tg多官能モノマーの割合Rmhを上記の範囲とすることにより、硬化物の多孔質化による隠蔽層の隠蔽性を向上することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、上記の範囲でも、50質量%以上であるのが好ましい。
また、高Tg多官能モノマーの割合Rmhの上限はとくに限定されず、多官能モノマーの全量が高Tg多官能モノマーであってもよい。
つまり、多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、100質量%であってもよい。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhを、多官能モノマーの総量中の100質量%とすれば、硬化物の多孔質化による隠蔽層の隠蔽性を、より一層向上することが可能となる。
高Tg多官能モノマー以外の他の多官能モノマーの、多官能モノマーの総量中の割合は、高Tg多官能モノマーの残量である。
すなわち、高Tg多官能モノマーの割合Rmhを上記範囲内の所定値に設定した際に、多官能モノマーの総量が100質量%となるように、他の多官能モノマーの割合を設定すればよい。
つまり、他の多官能モノマーの割合は、多官能モノマーの総量中の0質量%以上であるのが好ましく、70質量%以下、とくに50質量%以下であるのが好ましい。
また、隠蔽層用塗剤の総量中の高Tg多官能モノマーの割合は、8質量%以上であるのが好ましく、42.5質量%以下であるのが好ましい。
高Tg多官能モノマーの割合がこの範囲未満では、前述した、当該高Tg多官能モノマーを選択して用いることによる、隠蔽層の隠蔽性を向上する効果が得られない場合がある。
一方、高Tg多官能モノマーの割合が上記の範囲を超える場合には、単官能モノマーの割合にもよるが、柔軟性が低下して硬化物が硬もろくなって、当該硬化物からなる隠蔽層の耐傷性が不足する場合がある。
これに対し、高Tg多官能モノマーの割合を上記の範囲とすることにより、隠蔽層の耐傷性が不足するのを抑制しながら、当該隠蔽層の隠蔽性をさらに向上することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、隠蔽層用塗剤の総量中の高Tg多官能モノマーの割合は、上記の範囲でも、11質量%以上であるのが好ましく、40質量%以下であるのが好ましい。
また、隠蔽層用塗剤の総量中の他の多官能モノマーの割合は、17質量%以下、とくに13質量%以下であるのが好ましい。
他の多官能モノマーの割合がこの範囲を超える場合には、相対的に、高Tg多官能モノマーの割合が少なくなって、隠蔽層の隠蔽性を向上する効果が得られない場合がある。
また、相対的に単官能モノマーの割合が少なくなって、硬化物に適度の柔軟性を付与したり、硬化反応の速度を高めたり、隠蔽層用塗剤の粘度が高くなるのを抑制したりする効果が得られない場合もある。
さらに、隠蔽層の耐傷性が低下する場合もある。
なお、他の多官能モノマーの割合の下限はとくに限定されず、前述したように、多官能モノマーの全量が高Tg多官能モノマーであって、他の多官能モノマーは含まない(除く)ことも可能である。
すなわち、他の多官能モノマーの割合は、隠蔽層用塗剤の総量中の0質量%であってもよい。
ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは、5質量%以上、70質量%以下に限定される。
この理由も、先に説明したとおりである。
すなわち、単官能モノマーの割合Rsを上記の範囲とすることで、当該単官能モノマーを併用することによる効果を維持しながら、なおかつ硬化物の強靭性とそれに伴う隠蔽層の耐擦過性や、当該隠蔽層の耐傷性が不足するのを抑制することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは、上記の範囲でも、10質量%以上であるのが好ましく、65質量%以下であるのが好ましい。
また、隠蔽層用塗剤の総量中の単官能モノマーの割合は、2.3質量%以上であるのが好ましく、32質量%以下であるのが好ましい。
単官能モノマーの割合がこの範囲未満では、多官能モノマーの割合にもよるが、前述した、当該単官能モノマーを併用することによる効果が得られない場合がある。
すなわち、硬化物に適度の柔軟性を付与したり、硬化反応の速度を高めたり、隠蔽層用塗剤の粘度が高くなるのを抑制したりする効果が得られないことがある。
また、隠蔽層の耐傷性が低下する場合もある。
一方、単官能モノマーの割合が上記の範囲を超える場合には、三次元網目状構造のもとになる多官能モノマーが不足し、形成される三次元網目状構造が粗になって、硬化物の強靭性や隠蔽層の耐擦過性が不足する場合がある。
また、高Tg多官能モノマーが不足して、隠蔽層の隠蔽性を向上する効果が十分に得られない場合もある。
これに対し、単官能モノマーの割合を上記の範囲とすることにより、当該単官能モノマーを併用することによる効果を維持し、なおかつ硬化物の強靭性とそれに伴う隠蔽層の耐擦過性や、当該や隠蔽層の耐傷性が不足するのを抑制しながら、当該隠蔽層の隠蔽性をさらに向上できる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、隠蔽層用塗剤の総量中の単官能モノマーの割合は、上記の範囲でも、3.3質量%以上であるのが好ましく、30質量%以下であるのが好ましい。
〔着色剤〕
隠蔽層は、前述したメカニズムによる隠蔽性を有する無色半透明ないし無色不透明の層、すなわち略白色の層であってもよいし、前述したように任意の色味に着色された、着色半透明ないし着色不透明の層であってもよい。
隠蔽層を着色するには、隠蔽層用塗剤に、任意の色味の着色剤を配合すればよい。
着色剤としては白以外の(白を除く)各色の、種々の顔料、染料等を用いることができる。
とくに隠蔽層の色味の耐光性や、あるいは記録シートが水や溶剤などで濡れたりしても色落ちしたり色移りしたりしない堅牢性等を向上することを考慮すると、種々の無機顔料および/または有機顔料が好ましい。
このうち無機顔料としては、たとえば、酸化鉄(ベンガラ、鉄黒等)、酸化クロムグリーン、水酸化アルミニウム等の金属化合物や、黒鉛、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造された中性、酸性、塩基性等の種々のカーボンブラックが挙げられる。
また有機顔料としては、たとえば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、ベンズイミダゾロン顔料、多環式顔料(たとえば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、インダンスロン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(たとえば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等が挙げられる。
顔料の具体例としては、下記の各種顔料が挙げられる。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、42、73、74、75、81、83、86、87、93、94、95、97、98、108、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、184、185、213、214
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、52、53:1、57、57:1、63:1、97、101、102、112、122、123、144、146、149、168、177、178、179、180、184、185、190、202、206、207、209、224、242、254、255、270
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、27、29、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
顔料は、隠蔽層の色味に応じて、1種または2種以上を用いることができる。
顔料は、隠蔽層用塗剤中での分散安定性を向上するために、表面を処理してもよい。
また顔料は、前述した単官能モノマーや、後述する揮発性溶剤などを分散媒として用いて、当該分散媒中に分散させた顔料分散液の状態で、隠蔽層用塗剤の製造に用いてもよい。
顔料分散液には、顔料を良好に分散させるために、分散剤等を添加してもよい。
分散剤としては、たとえば、高分子系分散剤、界面活性剤等の種々の分散剤が、いずれも使用可能である。
顔料等の着色剤の割合は、当該着色剤の種類や隠蔽層の色味等に応じて、任意に設定することができる。
ただし着色剤の割合は、ラジカル重合性成分の総量に対して4.8質量%以上であるのが好ましく、18質量%以下であるのが好ましい。
着色剤の割合がこの範囲未満では、前述した、ラジカル重合性成分の硬化物に起因する隠蔽力に対して着色剤の着色力が弱すぎて、十分な色濃度を有する隠蔽層を形成できない場合がある。
一方、着色剤の割合が上記の範囲を超える場合には、とくに顔料の場合、隠蔽層用塗剤の全体の粘度が高くなりすぎたり、過剰の顔料が隠蔽層用塗剤中で凝集したりしやすくなる。
そのため、とくにインクジェット印刷法によって隠蔽層用塗剤を印刷する場合に、吐出不良を生じやすくなる場合がある。
また、隠蔽層用塗剤の硬化が阻害されて、硬化物の多孔質化による隠蔽層の隠蔽性を向上する効果が十分に得られなかったり、基材シートの表面に、定着性や耐擦過性に優れた隠蔽層を形成できなかったりする場合もある。
これに対し、着色剤の割合を上記の範囲とすることにより、隠蔽層用塗剤の全体の粘度を、インクジェットプリンタのノズルからの吐出に適した範囲に調整して、吐出不良の発生を抑えることができる。
その上、定着性や耐擦過性に優れる上、隠蔽性が高く、しかも十分な色濃度を有する隠蔽層を形成することもできる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、着色剤の割合は、上記の範囲でも、ラジカル重合性成分の総量に対して6.5質量%以上、とくに7.5質量%以上であるのが好ましく、15質量%以下であるのが好ましい。
なお、着色剤として顔料分散液を用いる場合、上記着色剤の割合は、顔料分散液中の有効成分である顔料自体の、ラジカル重合性成分の総量に対する割合とする。
〔バインダ樹脂〕
本発明の隠蔽層用塗剤には、基材シートの表面に対する隠蔽層の定着性と、それに伴う隠蔽層の耐擦過性とを高めるために、バインダ樹脂を配合してもよい。
バインダ樹脂としては、揮発性溶剤やラジカル重合性成分に良好に溶解または分散しうる種々のバインダ樹脂を用いることができる。
かかるバインダ樹脂としては、特に揮発性溶剤への溶解性に優れた各種の、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、およびフェノール樹脂が挙げられる。
これらのバインダ樹脂等の、1種または2種以上を用いることができる。
〈ポリアミド樹脂〉
ポリアミド樹脂としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種ポリアミド樹脂等の1種または2種以上を用いることができる。
BASFジャパン(株)製のバーサミド(登録商標)シリーズのうち725、744、756、759、エアープロダクツジャパン(株)製のサンマイドシリーズのうち615A、640、(株)ティーアンドケイ東華製のトーマイド(登録商標)シリーズのうち90、92、391、394−N、395、TXC−135−G。
〈アクリル樹脂〉
アクリル樹脂としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種アクリル樹脂等の1種または2種以上を用いることができる。
(株)日本触媒製のポリメント(登録商標)シリーズのうちNK-350、NK-380、Rohm & Haas(ローム アンド ハース)社製のPARALOID(パラロイド、登録商標)シリーズのうちB−67、DSM(ディーエスエム)社製のネオクリル(登録商標)シリーズのうちB−813、B−817、B−818。
〈フェノール樹脂〉
フェノール樹脂としては、とくに熱可塑性樹脂であるノボラック樹脂が好ましく、ノボラック樹脂としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種ノボラック樹脂等の1種または2種以上を用いることができる。
DIC(株)製のフェノライト(登録商標)シリーズのうちTD−2131、TD−2106、TD−2093、TD−2093Y、TD−2090、TD−2091、アイカ工業(株)製のショウノール(登録商標)シリーズのうちBRG−555、BRG−564、CKM−2432。
バインダ樹脂の割合は、隠蔽層用塗剤の総量中の1質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下であるのが好ましい。
バインダ樹脂の割合がこの範囲未満では、当該バインダ樹脂を配合することによる、基材シートの表面に対する隠蔽層の定着性と、それに伴う隠蔽層の耐擦過性とを高める効果が十分に得られない場合がある。
一方、バインダ樹脂の割合が上記の範囲を超える場合には、とくに隠蔽層用塗剤をサーマル方式のインクジェットプリンタに使用した際に、いわゆるコゲーションを生じる場合がある。
これに対し、バインダ樹脂の割合を上記の範囲とすることにより、コゲーションの発生を抑制しながら、基材シートの表面に対する隠蔽層の定着性と、それに伴う隠蔽層の耐擦過性とを十分に高めることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、バインダ樹脂の割合は、上記の範囲でも、隠蔽層用塗剤の総量中の1.5質量%以上であるのが好ましく、8質量%以下であるのが好ましい。
〔揮発性溶剤〕
揮発性溶剤としては、ラジカル重合性成分やバインダ樹脂を良好に溶解または分散できる上、揮発性を有する種々の揮発性溶剤を用いることができる。
とくに、基材シートの表面に塗布後、好ましくはラジカル重合性成分の硬化反応の進行から遅れて、とくに硬化反応がほぼ終了した後に揮発しうる揮発性溶剤が好ましい。
かかる揮発性溶剤としては、たとえば、各種のアルコール、ケトン、エーテル、エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
〈炭素数1〜3のアルコール〉
とくに揮発性溶剤としては、上述した適度の揮発性を有する上、インクジェットプリンタのヘッドにダメージを及ぼしたりしにくい、炭素数1〜3のアルコールが好ましい。
炭素数1〜3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノールおよび2−プロパノールのうちの1種または2種以上が挙げられる。
〈他の揮発性溶剤〉
また揮発性溶剤としては、炭素数1〜3のアルコールとともに、炭素数4以上のアルコール、ケトン、エーテル、エステル等の他の揮発性溶剤の少なくとも1種を併用してもよい。
これら他の揮発性溶剤は、いずれもラジカル重合性成分やバインダ樹脂の溶解性に優れているため、炭素数1〜3のアルコールによるこれらの成分の溶解を補助して、その溶解性を任意に制御することができる。
上記他の揮発性溶剤のうち炭素数4以上のアルコールとしては、1ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、およびtert−ブチルアルコール等の1種または2種以上を用いることができる。
ケトンの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種ケトン等の1種または2種以上を用いることができる。
2−ブタノン〔メチルエチルケトン(MEK)〕、アセトン〔ジメチルケトン〕、2−ペンタノン〔メチルプロピルケトン(MPK)〕、3−ペンタノン〔ジエチルケトン(DEK)〕、3−メチル−2−ブタノン〔メチルイソプロピルケトン(MIPK)〕、2−メチル−4−ペンタノン〔メチルイソブチルケトン(MIBK)〕、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン〔ジイソブチルケトン(DIBK)〕、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンタン−2−オン〔ジアセトンアルコール〕。
エーテルの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種エーテル等の1種または2種以上を用いることができる。
1,4−ジオキサン〔ジオキサン〕、1,1−ジメチルジエチルエーテル〔ジイソプロピルエーテル〕、2−エトキシエタノール〔エチルセロソルブ(EGMEE)〕、2−ブトキシエタノール〔ブチルセロソルブ(EGMBE)〕、tert−ブチルメチルエーテル〔MTBE〕。
またエーテルとしては、グリコールエーテルを用いることもできる。
グリコールエーテルの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種グリコールエーテル等の1種または2種以上を用いることができる。
1−メトキシ−2−プロパノール〔プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)〕、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール〔メチルカルビトール〕、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール〔エチルカルビトール〕、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール〔ブチルカルビトール〕、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール〔メチルトリグリコール〕、1−ブトキシ−2−プロパノール〔プロピレングリコール−1−モノブチルエーテル(PNB)〕、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール〔メチルメトキシブタノール(MMB)〕、2−[2−(ヘキシルオキシ)エトキシ]エタノール〔ヘキシルジグリコール〕、1−(メトキシメチル)エチル=プロピオナート〔メトテート〕、1または2−(メトキシメチルエトキシ)プロパノール〔ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、異性体混合物〕。
エステルの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種エステル等の1種または2種以上を用いることができる。
酢酸エチル〔エチルアセテート〕、酢酸メチル〔メチルアセテート〕、酢酸n−ブチル〔n−ブチルアセテート〕、酢酸sec−ブチル〔sec−ブチルアセテート〕、3−メトキシブチルアセテート〔酢酸3−メトキシブチル〕、エタン酸ペンチル〔酢酸アミル〕、酢酸プロピル〔酢酸n−プロピル〕、エタン酸イソプロピル〔酢酸イソプロピル〕、エチル(R)−2−ヒドロキシプロパノエート〔乳酸エチル〕、メチル−2−ヒドロキシプロパノエート〔乳酸メチル〕、ブチル−2−ヒドロキシプロパノエート〔乳酸ブチル〕。
またエステルとしては、グリコールエステルを用いることもできる。
グリコールエステルの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種グリコールエステル等の1種または2種以上を用いることができる。
1−アセトキシ−2−エトキシエタン〔エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート〕、1−メトキシ−2−プロパニルアセテート〔プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)〕、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート〔ブチルカルビトールアセテート〕、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート〔エチルカルビトールアセテート〕。
なお揮発性溶剤としては、高Tg多官能モノマーとの屈折率の差ができるだけ大きいものを選択して用いるのが好ましい。
具体的には、高Tg多官能モノマーの屈折率に対する屈折率の差ΔRが±0.03以上である揮発性溶剤を、選択して用いるのが好ましい。
差ΔRが±0.03未満である揮発性溶剤を用いると、硬化物中に残留する揮発性溶剤の影響で、とくに基材シートの表面に隠蔽層用塗剤を塗布し、ラジカル重合性成分を硬化反応させて形成した直後の隠蔽層の隠蔽性が低下する傾向がある。
これに対し、差ΔRが±0.03以上である揮発性溶剤を選択して用いることにより、隠蔽層の隠蔽性が低下するのを抑制して、形成直後から、当該隠蔽層に高い隠蔽性を付与することができる。
高Tg多官能モノマーの屈折率を、本発明では、ガラス転移温度Tgと同様に、当該高Tg多官能モノマーを単独で重合させて作製した、当該高Tg多官能モノマーのホモポリマーからなる測定用のサンプルを用いて測定した値でもって表すこととする。
また、高Tg多官能モノマー、および揮発性溶剤の屈折率は、いずれも温度20±0.2℃の環境下で測定した値でもって表すこととする。
なお、高Tg多官能モノマーとして2種以上を併用する場合は、その70質量%以上を占める主モノマーとしての1種の高Tg多官能モノマーの屈折率を高Tgモノマーの屈折率として、揮発性溶剤の屈折率との差ΔRを求めることとする。
また、揮発性溶剤として2種以上を併用する場合は、その70質量%以上を占める主溶剤としての1種の揮発性溶剤の屈折率を揮発性溶剤の屈折率として、高Tgモノマーの屈折率との差ΔRを求めることとする。
〈揮発性溶剤の割合〉
前述したように、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、50質量%以上、400質量%以下に限定される。
この理由は、先に説明したとおりである。
すなわち、揮発性溶剤の割合Rvを上記の範囲とすれば、隠蔽層用塗剤の全体の粘度を吐出に適した範囲に抑制して吐出不良の発生を抑えつつ、十分な厚みを有し耐傷性に優れる上、隠蔽性の高い隠蔽層を形成することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、上記の範囲でも、70質量%以上であるのが好ましく、370質量%以下であるのが好ましい。
また、隠蔽層用塗剤の総量中の揮発性溶剤の割合は、30質量%以上、とくに40質量%以上であるのが好ましく、75質量%以下、とくに72質量%以下であるのが好ましい。
揮発性溶剤の割合がこの範囲未満では、前述した、硬化物を多孔質化して隠蔽層の隠蔽性を向上する効果が得られない場合がある。
また、粘度低下に寄与する揮発性溶剤の割合が不足して、隠蔽層用塗剤の粘度が、インクジェットプリンタのノズルからの吐出に適した範囲を超えてしまい、吐出不良を生じる場合もある。
一方、揮発性溶剤の割合が上記の範囲を超える場合には、隠蔽層用塗剤中の固形分濃度が不足する結果、基材シートの表面に、十分な厚みを有し、耐傷性に優れた隠蔽層を形成できない場合がある。
これに対し、揮発性溶剤の割合を上記の範囲とすれば、隠蔽層用塗剤の全体の粘度を吐出に適した範囲に抑制して吐出不良の発生を抑えつつ、十分な厚みを有し耐傷性に優れる上、隠蔽性の高い隠蔽層を形成することができる。
上記揮発性溶剤の割合は、いずれの場合も、当該揮発性溶剤として、炭素数1〜3のアルコールのみを用いる場合は、当該炭素数1〜3のアルコールの割合であり、炭素数1〜3のアルコールと他の揮発性溶剤とを併用する場合は、その合計の割合である。
また、他の揮発性溶剤の割合は、揮発性溶剤の総量中の15質量%以下であるのが好ましい。
他の揮発性溶剤の割合がこの範囲を超える場合には、溶解性が強くなりすぎて、たとえば、インクジェットプリンタのヘッドにダメージを及ぼしたりするおそれがある。
これに対し、他の揮発性溶剤の割合を上記の範囲とすることにより、インクジェットプリンタのヘッドにダメージを及ぼすことなしに、炭素数1〜3のアルコールによるラジカル重合性成分やバインダ樹脂の溶解を補助して、その溶解性を任意に制御することができる。
なお、上述したそれぞれの揮発性溶剤の割合はいずれも、たとえば、着色剤として前述した顔料分散液等を使用する場合には、当該顔料分散液中に含まれる揮発性溶剤をも含めた割合とする。
〔光ラジカル重合開始剤〕
光ラジカル重合開始剤としては、任意の波長の光の照射によってラジカルを発生させて、ラジカル重合性成分をラジカル重合反応させることができる種々の化合物が、いずれも使用可能である。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、特開2008−280427号公報の一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物等のベンゾフェノン類またはその塩。
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン、特開2008−280427号公報の一般式(2)で表されるチオキサントン化合物等のチオキサントン類またはその塩。
エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。
アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシフェニルアセトフェノン、4′−ジメチルアミノアセトフェノン、ジメチルヒドロキシアセトフェノン等のアセトフェノン類。
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類。
ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ‐1‐(4−モルホリノフェニルブタン)−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、9,10−フェナンスレンキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル等のベンゾイン類。
9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体。
ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類。
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}2−メチルプロパン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリハロメチルトリアジン、ベンジル、メチルベンゾイル、ベンゾイル蟻酸メチル、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルフォリノブチロフェノン等。
光ラジカル重合開始剤の割合は、任意に設定することができる。
ただし、隠蔽層用塗剤に良好な光硬化性を付与することを考慮すると、光ラジカル重合開始剤の割合は、当該隠蔽層用塗剤の総量の0.1質量%以上であるのが好ましく、12質量%以下であるのが好ましい。
2種以上の光ラジカル重合開始剤を併用する場合は、その合計の割合を、上記の範囲とすればよい。
〔その他の成分〕
隠蔽層用塗剤には、上記各成分に加えて、さらに各種の添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、たとえば、増感剤、ラジカル重合禁止剤、界面活性剤、粘着付与剤、着色剤等が挙げられる。
〈増感剤〉
増感剤は、紫外線の照射によって励起状態となり、光ラジカル重合開始剤と相互作用して、当該光ラジカル重合開始剤におけるラジカルの発生を助けるために機能する。
とくに、光源としてLED硬化ランプを使用する場合には、その波長域が狭いことから、隠蔽層用塗剤が感度を有する波長域を広げて感度を向上する、すなわち増感するために増感剤を配合するのが好ましい。
増感剤としては、前述した光ラジカル重合開始剤のうち、たとえば、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンと4−イソプロピルチオキサントンの混合物などのチオキサントン類またはその塩や、ベンゾフェノンと2,3−および4−メチルベンゾフェノンの共晶混合物、メチル−2−ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルフェニルサルファイド、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン類またはその塩、2−エチルアントラキノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)などが挙げられる。
また、その他の増感剤としては、たとえば、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−エチル−4−(ジメチルアミノベンゾエート)等のベンゾエート化合物、ナフタレンベンゾオキサゾリル誘導体、チオフェンベンゾオキサゾリル誘導体、スチルベンベンゾオキサゾリル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、スチルベン誘導体、ベンゼン及びビフェニルのスチリル誘導体、ビス(ベンザゾールー2−イル)誘導体、カルボスチリル、ナフタルイミド、ジベンゾチオフェン−5,5’−ジオキシドの誘導体、ピレン誘導体、ピリドトリアゾール、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
増感剤としては、以上で説明した各種の増感剤の中から、光源からの光の波長域、および光ラジカル重合開始剤の吸収波長域に応じて増感に適した吸収波長域を有する化合物を、それぞれ1種または2種以上用いることができる。
増感剤の割合は、任意に設定することができる。
〈ラジカル重合禁止剤〉
ラジカル重合禁止剤は、隠蔽層用塗剤を貯蔵中、あるいはパッケージに封入して保管中などに、ラジカル重合性成分がラジカル重合反応して隠蔽層用塗剤がゲル化するのを防止するために機能する。
ラジカル重合禁止剤としては、上記の機能を有する種々の化合物がいずれも使用可能である。
ラジカル重合禁止剤としては、たとえば、ニトロソアミン系化合物、ハイドロキノン類、カテコール類、ヒンダードアミン類、フェノール類、フェノチアジン類、縮合芳香族環のキノン類、あるいはジ−2−エチルヘキシルマレエート等の1種または2種以上が挙げられる。
このうち、ニトロソアミン系化合物としては、たとえば、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩(アンモニウム−N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩(アルミニウム−N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン)等の1種または2種以上が挙げられる。
ハイドロキノン類としては、たとえば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1−o−2,3,5−トリメチロールハイドロキノン、2−tert−ブチルハイドロキノン等の1種または2種以上が挙げられる。
カテコール類としては、たとえば、カテコール、4−メチルカテコール、4−tert−ブチルカテコール等の1種または2種以上が挙げられる。
ヒンダードアミン類としては、重合禁止効果を有する任意のヒンダードアミン類の1種または2種以上が好ましい。
フェノール類としては、たとえば、フェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ピロガロール、没食子酸アルキルエステル、ヒンダードフェノール類等の1種または2種以上が挙げられる。
フェノチアジン類としては、たとえば、フェノチアジン等が挙げられる。
さらに縮合芳香族環のキノン類としては、たとえば、ナフトキノン等が挙げられる。
ラジカル重合禁止剤の割合は、隠蔽層用塗剤の総量の0.01質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下であるのが好ましい。
〈界面活性剤〉
界面活性剤としては、たとえば、シリコーンアクリレート系界面活性剤を用いることができる。
シリコーンアクリレート系界面活性剤によれば、揮発性溶剤が基材シートの表面で面方向に濡れ拡がるのを抑えて、膜厚の均一な隠蔽層を形成することができる。
シリコーンアクリレート系界面活性剤等の界面活性剤の割合は、当該界面活性剤中の有効成分量換算で、隠蔽層用塗剤の総量の0.1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下であるのが好ましい。
《記録シートおよびその製造方法》
〔記録シート〕
本発明の記録シートは、基材シートと、当該基材シートの表面に設けられた、上記本発明の隠蔽層用塗剤の硬化物からなり、隠蔽性を有する隠蔽層とを含むことを特徴とするものである。
隠蔽層は、基材シートの片面のみに形成してもよいし、当該基材シートの両面に形成してもよい。
〈基材シート〉
基材シートとしては、前述したようにPET、PE、PP等の屈曲可能なフィルムやシート、あるいはアクリル板やガラス板等の硬質の基材シート等の、各種のシートを用いることができる。
基材シートは、先に説明した各種の表現形態に応じて、たとえば無色または有色で、かつ透明、半透明ないし不透明のいずれの状態であってもよい。
また、基材シートの表面、とくに隠蔽層を形成する表面は任意の色味に着色したり、当該表面に、あらかじめ模様を印刷したりしてもよい。
基材シートの厚みや大きさ等は、表現形態や記録シートの用途に応じて、任意とすることができる。
基材シートの、隠蔽層を形成する表面には、隠蔽層の密着性を高めるために、各種の下地処理を施してもよい。
〈隠蔽層〉
隠蔽層の厚みは、とくに限定されないが、1μm以上、とくに3μm以上であるのが好ましく、20μm以下、とくに15μm以下であるのが好ましい。
厚みがこの範囲未満では、隠蔽層に、十分な隠蔽性を付与できない場合がある。
また、隠蔽層の耐擦過性が不十分になる場合もある。
一方、厚みが上記の範囲を超える場合には、たとえば、前述した屈曲可能な基材シートの表面に形成した隠蔽層の追従性が低下して、当該基材シートの屈曲により隠蔽層が剥離したりしやすくなる場合がある。
また、とくに画像記録用インクの吐出量が少ない場合に、形成した画像を十分に透明化できない場合もある。
これに対し、厚みを上記の範囲とすることにより、隠蔽層に、基材シートに対する良好な追従性を付与したり、インクの吐出量が少なくても、形成した画像を十分に透明化したりすることができる。
しかも隠蔽層に、高い耐擦過性や隠蔽性等を付与することもできる。
とくに、隠蔽層の厚みを上記の範囲でも大きくするほど、当該隠蔽層の隠蔽性を向上することができる。
〔記録シートの製造方法〕
本発明の記録シートの製造方法は、基材シートの表面に隠蔽層用塗剤を塗布したのち、紫外線の露光によって硬化反応させて隠蔽層を形成する工程を含むことを特徴とするものである。
基材シートの表面に隠蔽層用塗剤を塗布する方法はとくに限定されず、たとえばバーコート法、スプレーコート法等の種々の塗布方法を採用することができる。
ただし、厚みが均一でかつ薄い隠蔽層を形成するためには、たとえばオンデマンド型の、サーマル方式やピエゾ方式のインクジェットプリンタを用いたインクジェット印刷法によって、基材シートの表面に、隠蔽層用塗剤を印刷するのが好ましい。
かかるインクジェット印刷法によれば、隠蔽層を、基材シートの表面にベタ一面に形成できるだけでなく、たとえば、任意の平面形状に形成することも可能である。
インクジェット印刷法によって隠蔽層を印刷する場合、印刷の解像度は、これに限定されないが、300×300dpi以上に設定するのが好ましい。
ドット密度がこの範囲未満では、ドットの数が少なすぎて、基材シートの表面に形成される隠蔽層の厚みが不足し、当該隠蔽層の隠蔽性が低下して、前述したような様々な表現形態の画像を、より鮮明に記録できない場合がある。
これに対し、ドット密度を上記の範囲とすることにより、基材シートの表面に、十分な厚みを有し、隠蔽性に優れた隠蔽層を形成して、前述したような様々な表現形態の画像を、より鮮明に記録することができる。
また、他の塗布方法によって隠蔽層を形成する場合、隠蔽層用塗剤の塗布厚みは1μm以上であるのが好ましく、20μm以下であるのが好ましい。
塗布厚みが上記の範囲未満では、やはり基材シートの表面に形成される隠蔽層の厚みが不足し、当該隠蔽層の隠蔽性が低下して、前述したような様々な表現形態の画像を、より鮮明に記録できない場合がある。
一方、塗布厚みが上記の範囲を超える場合には、基材シートの表面に形成される隠蔽層の厚みが大きすぎて、画像を記録した領域の隠蔽性を十分に低下させるために、画像記録用インクの吐出量を多くしなければならない。
そのため、記録した画像の鮮明性が低下する等の不良を生じる場合がある。
これに対し、塗布厚みを上記の範囲とすることにより、十分な隠蔽性を有し、しかも少量の画像記録用インクの吐出によって、画像を記録した領域の隠蔽性を良好に低下させて、様々な表現形態の画像を、より鮮明に記録できる隠蔽層を形成することができる。
塗布した隠蔽層を露光するためには、たとえばLED硬化ランプやUVランプなどを用いることができる。
これにより、先に説明したメカニズムによって、硬化後の隠蔽層に高い隠蔽性を付与することができる。
《記録物とその製造方法、ならびに画像記録用インク》
〔記録物とその製造方法〕
本発明の記録物は、上記本発明の記録シートの隠蔽層に、透明ないし半透明の画像が記録されたことを特徴とするものである。
かかる本発明の記録物は、隠蔽層に、無色または有色で、かつ透明ないし半透明の画像記録用インクを用いて、インクジェット印刷法によって画像を記録する工程を含む、本発明の製造方法によって製造することができる。
インクジェット印刷法による画像の記録には、たとえば、コンティニュアス型のインクジェットプリンタや、あるいはオンデマンド型のインクジェットプリンタなど、各種方式のンクジェットプリンタを用いることができる。
〔画像記録用インク〕
画像記録用インクとしては、上記各種のインクジェットプリンタを用いたインクジェット印刷法による画像の記録が可能で、しかも先述したメカニズムにより、隠蔽層の、画像を記録した領域の隠蔽性を選択的に低下できる種々のインクを用いることができる。
すなわち画像記録用インクとしては、隠蔽層の孔内を充填して光の乱反射を抑えることができる透明ないし半透明のバインダ樹脂や、その前駆体を含む無色の、あるいはさらに染料、顔料等で着色した有色の、透明ないし半透明のインクを用いることができる。
また画像記録用インクとしては、記録後に、乾燥によって固化されて隠蔽層に定着される乾燥固化型のインク、および光硬化性を有し、記録後に、紫外線等の露光によって硬化反応させることができる光硬化性インクのいずれを用いることもできる。
とくに、光硬化性インクが好ましい。
画像記録用インクとして光硬化性インクを用いることにより、画像記録後の隠蔽層の強靭性や耐擦過性を向上することができる。
また、たとえば記録物が水や溶剤などで濡れたりしても記録が滲んだり掠れたりしないため、記録の堅牢性を高めることもできる。
光硬化性インクとしては、バインダ樹脂の前駆体としてのモノマーやオリゴマーを含む、無溶剤系、水系ないし溶剤系等の各種インクが挙げられる。
このうち無溶剤系の光硬化性インクは、たとえば、オンデマンド型の、ピエゾ方式のインクジェットプリンタなどに好適に用いることができる。
一方、水系ないし溶剤系の光硬化性インクは低粘度化が容易である上、水や溶剤が、加熱による気泡形成の材料ともなるため、ピエゾ方式だけでなく、サーマル方式などの各種のインクジェットプリンタにも好適に用いることができる。
とくにインクの乾燥性等を考慮すると、水系よりも溶剤系の光硬化性インクが好ましい。
溶剤系の光硬化性インクとしては、これに限定されないが、たとえば2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含むラジカル重合性成分、揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を含み、前記多官能モノマーは、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを除くか、または高Tg多官能モノマーを、多官能モノマーの総量中に30質量%未満の割合で含むインクが挙げられる。
かかる溶剤系の光硬化性インクのうちラジカル重合性成分としては、隠蔽層用塗剤において使用しているのと同様の、各種モノマー、オリゴマーを用いることができる。
また、揮発性溶剤、光ラジカル重合開始剤としても、隠蔽層用塗剤において使用しているのと同様の揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を用いることができる。
その他の成分についても同様である。
また上記光硬化性インクには、上記各成分に加えて、たとえば、増感剤、ラジカル重合禁止剤、界面活性剤、粘着付与剤、着色剤等の添加剤を配合してもよい。
これらの添加剤としても、隠蔽層用塗剤において使用しているのと同様の成分を用いることができる。
かかる光硬化性インクは、隠蔽層用塗剤と違って、高Tg多官能モノマーを除くか、または高Tg多官能モノマーを30質量%未満の割合(Rmh)でしか含まないことにより、硬化反応時に、先に説明したメカニズムによる多孔質構造が形成されるのを抑制することができる。
そのため、硬化物を透明ないし半透明として、隠蔽層の、画像を記録した領域の隠蔽性を選択的、かつ良好に低下させることができる。
高Tg多官能モノマー以外の他の多官能モノマーの、多官能モノマーの総量中の割合は、高Tg多官能モノマーの残量である。
すなわち、高Tg多官能モノマーの割合Rmhを上記範囲内の所定値に設定した際に、多官能モノマーの総量が100質量%となるように、他の多官能モノマーの割合を設定すればよい。
つまり、他の多官能モノマーの割合は、多官能モノマーの総量中の70質量%を超え、100質量%以下であるのが好ましい。
単官能モノマーは、先に説明したように、硬化物に適度の柔軟性を付与したり、硬化反応の速度を高めたり、光硬化性インクの全体の粘度が高くなるのを抑制したりするために機能する。
ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは、5質量%以上、とくに10質量%以上であるのが好ましく、70質量%以下、とくに60質量%以下であるのが好ましい。
単官能モノマーの割合Rsがこの範囲未満では、当該単官能モノマーを用いることによる上記の機能が十分に得られない場合がある。
また、とくにアクリル板やガラス板等の、硬質の基材シートの表面に形成した隠蔽層の、画像を記録した領域の耐傷性が低下して、当該領域の表面に傷がつきやすくなる場合もある。
一方、単官能モノマーの割合Rsが上記の範囲を超える場合には、相対的に、三次元網目状構造のもとになる多官能モノマーが不足し、形成される三次元網目状構造が粗になって、硬化物の強靭性が不足する場合がある。
これに対し、単官能モノマーの割合Rsを上記の範囲とすることで、当該単官能モノマーを併用することによる効果を維持しながら、なおかつ硬化物の強靭性や、隠蔽層の、画像を記録した領域の耐擦過性や耐傷性が不足するのを抑制することが可能となる。
揮発性溶剤の割合Rvは、20質量%以上、とくに30質量%以上であるのが好ましく、400質量%以下、とくに350質量%以下であるのが好ましい。
粘度低下に寄与する揮発性溶剤の割合Rvがこの範囲未満では、光硬化性インクの全体の粘度が、インクジェット印刷法に適した範囲を超えてしまい、吐出不良を生じる場合がある。
一方、揮発性溶剤の割合Rvが上記の範囲を超える場合には、光硬化性インク中の固形分濃度が不足する結果、隠蔽層の、画像を記録した領域の隠蔽性を十分に低下させることができない場合がある。
これに対し、揮発性溶剤の割合Rvを上記の範囲とすれば、光硬化性インクの全体の粘度を、インクジェットプリンタのノズルからの吐出に適した範囲に調整して、吐出不良の発生を抑えることができる。
しかも隠蔽層の、画像を記録した領域の隠蔽性を十分に低下させて、前述したような様々な表現形態の画像を、より鮮明に記録することもできる。
上記各成分を含む光硬化性インクなどの、本発明の画像記録用インクは、前述した各種のインクジェットプリンタに、広く好適に使用することができる。
また、隠蔽層の表面に記録した画像を露光するためには、たとえばLED硬化ランプやUVランプなどを用いることができる。
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらの例に限定されるものではない。
《隠蔽層用塗剤》
〈実施例1〉
下記の各成分を、表1に示す割合で配合して十分に溶解するまで撹拌したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過して隠蔽層用塗剤を調製した。
(ラジカル重合性成分)
高Tg多官能モノマー:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートトリアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR368NS、3官能、ガラス転移温度Tg:272℃、屈折率:1.449〕
単官能モノマー:N−ビニル−ε−カプロラクタム(VCAP)
・ 揮発性溶剤
エタノール〔屈折率:1.361〕
・ 光ラジカル重合開始剤
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド〔ランブソンジャパン(Lambson Japan)(株)製のSpeedCure(スピードキュア、登録商標)TPO〕
・ その他
増感剤:2−イソプロピルチオキサントン〔ランブソンジャパン(株)製のスピードキュア2−ITX〕
ラジカル重合禁止剤:Kroachem(クロマケム)社製のFlorstab UV−5
界面活性剤:シリコーンアクリレート系界面活性剤
Figure 2021115780
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは50質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例2〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、ペンタエリスリトールテトラアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR295NS、4官能、ガラス転移温度Tg:103℃、屈折率:1.478〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR295NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.117であった。
〈実施例3〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、ペンタエリスリトールトリアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR444NS、3官能、ガラス転移温度Tg:103℃、屈折率:1.480〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR444NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.119であった。
〈実施例4〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR399NS、5官能、ガラス転移温度Tg:90℃、屈折率:1.489〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR399NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.128であった。
〈実施例5〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、トリメチロールプロパントリアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR351NS、3官能、ガラス転移温度Tg:62℃、屈折率:1.472〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR351NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.111であった。
〈実施例6〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR833NS、2官能、ガラス転移温度Tg:186℃、屈折率:1.505〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR833NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.144であった。
〈実施例7〉
(シアン顔料分散液の調製)
下記の各成分を、表2に示す割合で配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させてシアン顔料分散液(以下分散液の種類として「B−01」と記載する場合がある。)を調製した。
顔料:C.I.ピグメントブルー15:4
分散剤:ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK(登録商標)−145(固形分:100%)
分散媒:エタノール
Figure 2021115780
(隠蔽層用塗剤の調製)
下記の各成分を、表3に示す割合で配合して十分に溶解するまで撹拌し、次いで先に調製した顔料分散液B−01を、表3に示す割合で加えてさらに撹拌したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過して隠蔽層用塗剤を調製した。
・ ラジカル重合性成分
高Tg多官能モノマー:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR238NS、2官能、ガラス転移温度Tg:43℃、屈折率:1.456〕
単官能モノマー:前出のVCAP
・ 揮発性溶剤
エタノール〔屈折率:1.361〕
・ 光ラジカル重合開始剤
前出のTPO
・ その他
増感剤:前出の2−ITX
ラジカル重合禁止剤:前出のUV−5
界面活性剤:前出のシリコーンアクリレート系界面活性剤
Figure 2021115780
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは50質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR238NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.095であった。
〈比較例1〉
高Tg多官能モノマーとしてのSR238NSに代えて、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR415、3官能、ガラス転移温度Tg:38℃〕を同量配合したこと以外は実施例7と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは0質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは50質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
〈比較例2〉
高Tg多官能モノマーとしてのSR238NSに代えて、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR9003NS、2官能、ガラス転移温度Tg:32℃〕を同量配合したこと以外は実施例7と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは0質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは50質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
〈実施例8〉
揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、隠蔽層用塗剤の総量中の58質量%として、さらに1−ブタノール〔屈折率:1.399〕を、隠蔽層用塗剤の総量中の5質量%の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤のうち主溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例9〉
揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、隠蔽層用塗剤の総量中の58質量%として、さらにアセトン〔屈折率:1.359〕を、隠蔽層用塗剤の総量中の5質量%の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
てのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例10〉
揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、隠蔽層用塗剤の総量中の58質量%として、さらに酢酸エチル〔屈折率:1.372〕を、隠蔽層用塗剤の総量中の5質量%の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤のうち主溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例11〉
揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、隠蔽層用塗剤の総量中の58質量%として、さらにシクロヘキサノン〔屈折率:1.426〕を、隠蔽層用塗剤の総量中の5質量%の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤のうち主溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例12〉
揮発性溶剤として、エタノールに代えて、シクロヘキサノン〔屈折率:1.426〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、多官能モノマーの総量中の100質量%、単官能モノマーの割合Rsは、ラジカル重合性成分の総量中の50質量%、揮発性溶剤の割合Rvは、ラジカル重合性成分の総量に対して210質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのシクロヘキサノンとの屈折率の差ΔRは0.023であった。
〈実施例13〉
バインダ樹脂としてのポリアミド樹脂〔BASFジャパン(株)製のバーサミド725〕を、隠蔽層用塗剤の総量中の3質量%の割合で配合し、なおかつ単官能モノマーとして、VCAPに代えて、エトキシ化フェニルアクリレート〔ダイセル・オルネクス(株)製のEBECRYL(登録商標)110、EO 2mol〕を同量配合するとともに、揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、隠蔽層用塗剤の総量中の60質量%としたこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは50質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは200質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例14〉
バインダ樹脂として、ポリアミド樹脂に代えて、アクリル樹脂〔DSM社製のネオクリルB−813〕を同量配合したこと以外は実施例13と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは50質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは200質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例15〉
バインダ樹脂として、ポリアミド樹脂に代えて、フェノール樹脂〔DIC(株)製のフェノライトTD−2106〕を同量配合したこと以外は実施例13と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは50質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは200質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例16〜20、比較例3、4〉
高Tg多官能モノマーとしてのSR368NS、単官能モノマーとしてのVCAP、および揮発性溶剤としてのエタノールの、隠蔽層用塗剤の総量中の割合を、それぞれ表4に示す値としたこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmh、単官能モノマーの割合Rs、およびラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、それぞれ表4に示したとおりであった。
Figure 2021115780
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは、いずれも0.088であった。
〈実施例21〜24、比較例5〉
実施例7で調製したのと同じ顔料分散液B−01を、隠蔽層用塗剤の総量中の20質量%の割合で配合し、なおかつ高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSの、隠蔽層用塗剤の総量中の割合を、それぞれ表5に示す値とし、さらに他の多官能モノマーとしてのプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR9003NS、2官能、ガラス転移温度Tg:32℃〕を、同表中に示す割合で配合するとともに、隠蔽層用塗剤の総量中の割合を、単官能モノマーとしてのVCAP:5質量%、揮発性溶剤としてのエタノール:43質量%としたこと以外は実施例1と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmh、単官能モノマーの割合Rs、および顔料分散液中に含まれるエタノールも含めた揮発性溶剤の割合Rvは、それぞれ表5に示したとおりであった。
Figure 2021115780
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは、いずれも0.088であった。
〈実施例25〜28、比較例6、7〉
高Tg多官能モノマーとしてのSR368NS、および単官能モノマーとしてのVCAPの、隠蔽層用塗剤の総量中の割合を、それぞれ表6に示す値とするとともに、揮発性溶剤としてのエタノールの、隠蔽層用塗剤の総量中の割合を28質量%としたこと以外は実施例24と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmh、単官能モノマーの割合Rs、および顔料分散液中に含まれるエタノールも含めた揮発性溶剤の割合Rvは、それぞれ表6に示したとおりであった。
Figure 2021115780
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは、いずれも0.088であった。
〈実施例29〉
顔料分散液B−01に代えて、下記の各成分を、表7に示す割合で配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて調製したマゼンタ顔料分散液(以下分散液の種類として「R−01」と記載する場合がある。)を同量配合したこと以外は実施例24と同様にして隠蔽層用塗剤を調製した。
顔料:C.I.ピグメントバイオレット19
分散剤:ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK(登録商標)−145(固形分:100%)
分散媒:エタノール
Figure 2021115780
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
《記録シートの製造》
各実施例、比較例で調製した隠蔽層用塗剤をインクジェットプリンタに使用して、常温(5〜35℃)環境下で基材シートの片面に印刷をし、印刷から0.15秒以内に、LED硬化ランプを用いて露光して硬化反応させて記録シートを製造した。
基材シートとしては、厚み3μmの透明PEフィルムを用い、印刷の解像度は300×600dpiとした。
また、実施例1で調製した隠蔽層用塗剤を、同じ基材シートの片面に、バーコート法によって塗布し、印刷から0.15秒以内に、LED硬化ランプを用いて露光して硬化反応させて製造した記録シートを実施例30とした。
バーコート法による隠蔽層用塗剤の塗布厚みは10μmとした。
〈隠蔽性評価〉
(無着色)
着色していない隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層の隠蔽性は、前述した白色度(L値)の測定結果に基づいて評価した。評価基準を下記に再記する。
○○○:L値は70以上であった。
○○:L値は60以上、70未満であった。
○:L値は50以上、60未満であった。
△:L値は40以上、50未満であった。
×:L値は40未満であった。
また、着色した隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層の隠蔽性は、前述した隠蔽率の測定結果から、それぞれの色の隠蔽層ごとに、下記の基準によって評価した。
(シアン)
○○○:75%以上
○○:60%以上、75%未満
○:50%以上、60%未満
△:45%以上、50%未満
×:45%未満
(マゼンタ)
○○○:65%以上
○○:55%以上、65%未満
○:50%以上、55%未満
△:45%以上、50%未満
×:45%未満
〈耐擦過性評価〉
製造した記録シートの隠蔽層の表面を綿棒で3回擦った際の状態を観察して、下記の基準で耐擦過性を評価した。
○:隠蔽層は全く取れなかった。
△:隠蔽層がごく僅かに取れた。
×:隠蔽層が広い面積に亘って取れた。
〈追従性評価〉
厚み5μmのPETフィルムの表面に、記録シートの製造と同条件で、隠蔽層のモデルとしてバーコードを形成した。
次いでPETフィルムを、形成したバーコードの細線と直交方向に折り畳んだのち再度拡げた際の、細線の状態を観察するとともに、バーコードリーダーで読み取りをして、下記の基準で追従性を評価した。
○:細線に割れや欠けは見られず、バーコードリーダーで読み取りをすることもできた。
△:細線に僅かに割れや欠けは見られたものの、バーコードリーダーで読み取りをすることはできた。
×:細線に大きな割れや欠けが見られ、バーコードリーダーで読み取りをすることもできなかった。
《画像記録用インク》
〈インクi(光硬化性クリアインク)〉
下記の各成分を、表8に示す割合で配合して十分に溶解するまで撹拌したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクiを調製した。
(ラジカル重合性成分)
多官能モノマー:プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR9003NS、2官能、ガラス転移温度Tg:32℃〕
単官能モノマー:前出のVCAP
・ 揮発性溶剤
エタノール
・ 光ラジカル重合開始剤
前出のTPO
・ その他
増感剤:前出の2−ITX
ラジカル重合禁止剤:前出のUV−5
界面活性剤:前出のシリコーンアクリレート系界面活性剤
Figure 2021115780
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは0質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは50質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは210質量%であった。
《記録物の製造と評価(その1)》
〈記録物の製造〉
光硬化性クリアインクであるインクiをインクジェットプリンタに用いて、先に製造した記録シートの、各実施例、比較例の隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層に、着色されていない画像を記録した。記録の解像度は600×600dpiとした。
そして、LED硬化ランプを用いて露光してインクiを硬化反応させて、記録物を製造した。
〈堅牢性(耐水性)評価〉
記録物の全体を1分間に亘って水に浸漬し、乾燥させたのち画像を観察して、下記の基準で堅牢性を評価した。
○:画像に変化は見られなかった。
△:画像の透明性が若干低下した。
×:画像の透明性が大きく損なわれた。
〈画像の透明性評価〉
製造した記録物の、画像を記録した領域の光の透過濃度を、透過濃度計〔グレタグマクベス社製のマクベスTD904〕とビジュアルフィルターとを用いて測定して、それぞれの色の隠蔽層ごとに、下記の基準で画像の透明性を評価した。
(無着色)
○:透過濃度0.15未満
△:透過濃度0.15以上、0.25未満
×:透過濃度0.25以上
(シアン)
○:透過濃度0.35未満
△:透過濃度0.35以上、0.45未満
×:透過濃度0.45以上
(マゼンタ)
○:透過濃度1.1未満
△:透過濃度1.1以上、1.2未満
×:透過濃度1.2以上
以上の結果を表9〜表16に示す。なお各表中、隠蔽層用塗剤の塗布方法の欄の符号は、下記のとおり。
IJ:インクジェット印刷法
BC:バーコート法
Figure 2021115780
Figure 2021115780
Figure 2021115780
Figure 2021115780
Figure 2021115780
Figure 2021115780
Figure 2021115780
Figure 2021115780
表9〜表16の実施例1〜30、比較例1、2の結果より、本発明の隠蔽層用塗剤は、
・ ラジカル重合性成分、揮発性成分、および光ラジカル重合開始剤を含んでいる必要があること、
・ このうちラジカル重合性成分としては、2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含み、なおかつ多官能モノマーは、ガラス転移温度が40℃以上である高Tg多官能モノマーを含んでいる必要があること、
・ これらの構成により、十分な隠蔽性を有し、しかも透明ないし半透明の画像記録用インクによって透明ないし半透明の画像を記録できる隠蔽層を備えた記録シートが得られること、
が判った。
また、とくに実施例1、21〜23、比較例5の結果より、多官能モノマーの総量中の、高Tg多官能モノマーの割合Rmhは30質量%以上である必要があり、とくに50質量%以上であるのが好ましいことが判った。
実施例1、25〜28、比較例6、7の結果より、ラジカル重合性成分の総量中の、単官能モノマーの割合Rsは5質量%以上、70質量%以下である必要があり、とくに10質量%以上であるのが好ましく、65質量%以下であるのが好ましいことが判った。
実施例1、16〜20、比較例3、4の結果より、ラジカル重合性成分の総量に対する、揮発性溶剤の割合Rvは50質量%以上、400質量%以下である必要があり、とくに70質量%以上であるのが好ましく、370質量%以下であるのが好ましいことが判った。
実施例1〜7の結果より、高Tg多官能モノマーとしては、
・ 3官能以上である化合物、中でも3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが90℃以上である化合物を選択して用いるのが好ましいこと、
・ とくに3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが200℃以上、300℃以下である化合物、あるいは4官能以上で、かつガラス転移温度Tgが100℃以上、200℃未満である化合物等を選択して用いるのがより一層好ましいこと、
が判った。
実施例1、8〜12の結果より、揮発性溶剤としては、
・ 炭素数1〜3のアルコールを単独で用いてもよいし、炭素数1〜3のアルコールと、他の揮発性溶剤としての、炭素数4以上のアルコール、ケトン、エステル、またはエーテルとを併用してもよいこと、
・ 併用する場合、他の揮発性溶剤の割合は、揮発性溶剤の総量中の15質量%以下であるのが好ましいこと、
が判った。
また実施例1、8〜12の結果より、揮発性溶剤としては、高Tg多官能モノマーの屈折率に対する屈折率の差ΔRが±0.03以上である揮発性溶剤を、選択して用いるのが好ましいことが判った。
実施例1、13〜15の結果より、インクジェットインクは、単官能モノマーとしてビニルカプロラクタムを含んでいる、および/またはバインダ樹脂を含んでいるのが好ましいことが判った。
また実施例13〜15の結果より、バインダ樹脂としては、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などが使用可能であることが判った。
また実施例1、7、21〜29の結果より、隠蔽層は、無色半透明ないし無色不透明の層、すなわち略白色の層であってもよいし、任意の色味に着色された、着色半透明ないし着色不透明の層であってもよいことが判った。
さらに実施例1、30の結果より、隠蔽層は、インクジェット印刷法の他、バーコート法などの塗布方法によっても形成できることが判った。
《画像記録用インク》
〈インクii(光硬化性シアンインク)〉
実施例7で調製したのと同じ顔料分散液B−01を、インクの総量中の20質量%の割合で配合し、なおかつ隠蔽層用塗剤の総量中の割合を、多官能モノマーとしてのSR9003NS:25質量%、単官能モノマーとしてのVCAP:5質量%、揮発性溶剤としてのエタノール:43質量%としたこと以外はインクiと同様にしてインクiiを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは0質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
〈インクiii(光硬化性マゼンタインク)〉
実施例29で調製したのと同じ顔料分散液R−01を同量配合したこと以外はインクiiと同様にしてインクiiiを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは0質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
〈インクiv(光硬化性イエローインク)〉
顔料分散液B−01に代えて、下記の各成分を、表17に示す割合で配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて調製したイエロー顔料分散液(以下分散液の種類として「Y−01」と記載する場合がある。)を同量配合したこと以外はインクiiと同様にしてインクivを調製した。
顔料:C.I.ピグメントイエロー139
分散剤:ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK(登録商標)−145(固形分:100%)
分散媒:エタノール
Figure 2021115780
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは0質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
〈インクv(光硬化性クリアインク)〉
多官能モノマーとして、SR9003NSに代えて、高Tg多官能モノマーであるトリシクロデカンジメタノールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR833NS、2官能、ガラス転移温度Tg:186℃、屈折率:1.505〕を同量配合したこと以外はインクiと同様にしてインクvを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは50質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは210質量%であった。
〈インクvi(水性クリアインク)〉
バインダ樹脂としてのポリビニルピロリドン〔東京化成工業(株)製のPVP K15〕12質量%をイオン交換水88質量%溶解して、水性クリアインクであるインクviを調製した。
《記録物の製造と評価(その2)》
〈実施例31〜35〉
〈記録物の製造〉
調製したインクii〜viをインクジェットプリンタに用いて、先に製造した、実施例1の隠蔽層用塗剤からなる隠蔽層を有する記録シートの、当該隠蔽層に画像を記録した。記録の解像度は600×600dpiとした。
そして、光硬化性を有するインクii〜vはLED硬化ランプを用いて露光して硬化反応させて、また光硬化性を有しないインクviは印刷後に乾燥させて、記録物を製造した。
製造した記録物の、隠蔽層に記録した画像について、先に説明した堅牢性および透明性を評価した。結果を、インクiを用いた実施例1の結果と併せて表18、表19に示す。なお両表中、画像記録用インクの種類の欄の符号は、下記のとおり。
UV:光硬化性インク
水性:水性インク
Figure 2021115780
Figure 2021115780
表18、表19の実施例1、31〜35の結果より、本発明の記録シートの、隠蔽性の隠蔽層に、無色または有色で透明ないし半透明の画像記録用インクを用いて画像を記録すると、隠蔽層の、画像を記録した領域の隠蔽性を選択的に低下させて、透明ないし半透明の画像を記録できることが判った。
ただし画像記録用インクとしては、水性のインクよりも光硬化性インクを用いるのが、記録した画像の堅牢性を向上する上で有効であることが判った。
また光硬化性インクとしては、とくに前述した各成分を含む溶剤系の光硬化性インクであって、なおかつラジカル重合性成分として高Tg多官能モノマーを除くか、または高Tg多官能モノマーを30質量%未満の割合で含むインクを用いるのが、画像を記録した領域の隠蔽性を低下させる効果の点で、好ましいことが判った。

Claims (15)

  1. 2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含むラジカル重合性成分、揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を含み、前記多官能モノマーは、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを、前記多官能モノマーの総量中に30質量%以上の割合で含み、前記単官能モノマーの割合は、前記ラジカル重合性成分の総量中の5質量%以上、70質量%以下、前記揮発性溶剤の割合は、前記ラジカル重合性成分の総量に対して50質量%以上、400質量%以下である隠蔽層用塗剤。
  2. 前記高Tg多官能モノマーは、3官能以上である請求項1に記載の隠蔽層用塗剤。
  3. 前記高Tg多官能モノマーは、3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが90℃以上である請求項1に記載の隠蔽層用塗剤。
  4. 前記単官能モノマーは、ビニルカプロラクタムを少なくとも含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の隠蔽層用塗剤。
  5. さらに、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、およびフェノール樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種のバインダ樹脂を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の隠蔽層用塗剤。
  6. さらに着色剤を含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の隠蔽層用塗剤。
  7. 基材シートと、前記基材シートの表面に設けられた、前記請求項1ないし6のいずれか1項に記載の隠蔽層用塗剤の硬化物からなる隠蔽層とを含む記録シート。
  8. 前記基材シートは、透明ないし半透明のシートである請求項7に記載の記録シート。
  9. 前記請求項7または8に記載の記録シートの製造方法であって、前記基材シートの表面に、前記隠蔽層用塗剤を塗布したのち、紫外線の露光によって硬化反応させて前記隠蔽層を形成する工程を含む記録シートの製造方法。
  10. 前記隠蔽層を形成する工程は、前記隠蔽層用塗剤を、前記基材シートの表面に、インクジェット印刷法によって印刷する工程を含む請求項9に記載の記録シートの製造方法。
  11. 前記請求項7または8に記載の記録シートの前記隠蔽層に、透明ないし半透明の画像が記録された記録物。
  12. 前記請求項11に記載の記録物の製造方法であって、前記隠蔽層に、無色または有色で、かつ透明ないし半透明の画像記録用インクを用いて、インクジェット印刷法によって前記画像を記録する工程を含む記録物の製造方法。
  13. 前記画像を記録する工程は、前記画像記録用インクとして光硬化性を有するインクを用い、前記記録後に、紫外線の露光によって前記インクを硬化反応させる工程を含む請求項12に記載の記録物の製造方法。
  14. 前記請求項12または13に記載の記録物の製造方法に用いる前記画像記録用インクであって、無色または有色で、かつ透明ないし半透明である画像記録用インク。
  15. 光硬化性を有する請求項14に記載の画像記録用インク。
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