JP2007161847A - インクジェット白色インク組成物被膜及びそれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インク吸収性のない透明な基材に対しても視認性が高く、かつ画像品質、特にカラーブリードが防止された画像を形成するためのインクジェット白色インク組成物被膜、及びそれを用いたインクジェット記録方法を提供することである。
【解決手段】少なくとも白色顔料と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有しかつ活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する、インクジェット白色インク組成物により形成され、波長が400〜800nmの可視光領域での平均光透過率が0.5%以下であり、光波長190〜400nmの紫外線領域における平均透過率が、該可視光領域よりも高い光透過率を有することを特徴とするインクジェット白色インク組成物被膜。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも白色顔料と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有しかつ活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する、インクジェット白色インク組成物により形成され、波長が400〜800nmの可視光領域での平均光透過率が0.5%以下であり、光波長190〜400nmの紫外線領域における平均透過率が、該可視光領域よりも高い光透過率を有することを特徴とするインクジェット白色インク組成物被膜。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェット白色インク組成物被膜及びそれを用いたインクジェット記録方法に関するものであり、特に、インク吸収性のない透明な基材に対して良好な視認性を持たせることが出来るインクジェット白色インク組成物被膜、及びそれを用いたインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいてその性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクの吸収性があまり無い印刷用コート紙やアート紙、もしくは吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こすいわゆるブリード等が起こり、インクジェット記録方法に記録媒体の多様性をもたせる上で課題となっていた。
上記の課題を解決するために、紫外線を露光することにより硬化するインクジェット記録用インクが開発されている(特許文献1参照)。また、顔料を含有し、かつ重合性材料として三官能以上のポリアクリレートを含み、かつ、ケトン、アルコールを主溶剤とするいわゆる非水系インクが提案されている(特許文献2参照)。又、水系溶媒を用いる紫外線重合モノマーを用いたインクが提案されている(特許文献3参照)。
これらの方法は、インク樹脂中に含有されている硬化成分により硬化させるため、非吸収性の媒体に対しても記録が可能となったが、インク組成物中の色材以外の構成成分比率が高く、かつ揮発しないため記録面のインクドット部分が盛り上がり、画質、特に紙面の光沢度合いが不自然さを伴うものとなった。
又、軟包装用の透明フイルムや、明度の低い媒体に記録する場合、画像のコントラストが十分得られず、鮮明な色彩を持つカラー画像を得ることができなかった。
従来、このような場合には、酸化チタン等の白色顔料を用いて視認性をあげることが行われている(特許文献4参照)。しかしながら、カラー画像のドット部分はインク層が厚くなり、白色層を介した活性エネルギー線照射による硬化が十分進まず、カラーインク層の硬化不良によるカラーブリード等が発生する要因となっていた。
さらに、従来公知の硬化成分に対しては環境安全性上の懸念があり、安全性を確保しようとすると素材選択の幅が狭く、その結果、物性の自由な設計を行えないといった課題があった。
米国特許第4,228,438号明細書
特公平5−64667号公報
特開平7−224241号公報
特公平2−45663号公報
従って、本発明の目的は、インク吸収性のない透明な基材に対しても視認性が高く、かつ画像品質、特にカラーブリードが防止された画像を形成するためのインクジェット白色インク組成物被膜、及びそれを用いたインクジェット記録方法を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明の目的は下記構成を採ることにより、達成されることがわかった。
1.
少なくとも白色顔料と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有しかつ活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する、インクジェット白色インク組成物により形成され、波長が400〜800nmの可視光領域での平均光透過率が0.5%以下であり、光波長190〜400nmの紫外線領域における平均透過率が、該可視光領域よりも高い光透過率を有することを特徴とするインクジェット白色インク組成物被膜。
少なくとも白色顔料と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有しかつ活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する、インクジェット白色インク組成物により形成され、波長が400〜800nmの可視光領域での平均光透過率が0.5%以下であり、光波長190〜400nmの紫外線領域における平均透過率が、該可視光領域よりも高い光透過率を有することを特徴とするインクジェット白色インク組成物被膜。
2.
前記白色顔料の平均体積粒径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする1に記載のインクジェット白色インク組成物被膜。
前記白色顔料の平均体積粒径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする1に記載のインクジェット白色インク組成物被膜。
3.
少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する、インクジェットインク組成物により画像を形成後、該画像の上に1又は2に記載のインクジェット白色インク組成物被膜を形成して後に、その上から活性エネルギー線を照射することを特徴とするインクジェット記録方法。
少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する、インクジェットインク組成物により画像を形成後、該画像の上に1又は2に記載のインクジェット白色インク組成物被膜を形成して後に、その上から活性エネルギー線を照射することを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明における可視光領域での平均透過率とは、波長400〜800nmにおける平均透過率であり、分光光度計を用い、波長400〜800nmにおける透過率の積分値を400で割った透過率をいう。
紫外領域における平均透過率とは、同様に波長190〜400nmでの透過率測定値の積分値を210で割った値をいう。
本発明においては、分光光度計として紫外可視分光硬度計、U−3010(日立ハイテク製)を用いて測定を行った。
又、上記の白色顔料については後記する。
本発明により、インク吸収性のない透明な基材に対しても視認性が高く、かつ画像品質、特にカラーブリードが防止されたインクジェット用白色インク組成物、及びそれを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
即ち、種々の記録メディアへの記録が可能であり、フェザリング、ブリードが防止され、インクの保存安定性が高く印字品質の高いインクジェット用白色インク組成物、及びそれを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明に用いられる化合物、インクの構成、画像形成方法等につきさらに説明する。
〈活性エネルギー線照射により側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物〉
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を架橋結合可能な基として導入したものである。中でも光重合型の架橋性基が、感度、形成される画像の性能の観点から望ましい。
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を架橋結合可能な基として導入したものである。中でも光重合型の架橋性基が、感度、形成される画像の性能の観点から望ましい。
色材のイオン性と、前記高分子化合物の側鎖のイオン性の間には、好ましい組合せが存在する。色材にアニオン性基を有するものを選択し、側鎖がノニオン性またはアニオン性基であるものを組み合わせると、画像堅牢性およびインクの保存性、連続出射性の観点で優れていることがわかった。側鎖としてはノニオン性が最も好ましい。理由は定かではないが、上記イオンの組合せの場合は、インク組成物の分解やインク組成物同士の会合などが少なくなり、このことが、上記効果によい影響を与えているものと考えられる。
本発明の活性エネルギー線架橋性高分子化合物の親水性主鎖と側鎖の部分構造が下記一般式(A)で表されるものが好ましい。
一般式(A)
Poly−{(X1)m−〔B−(Y1)n〕p}
式中、Polyは親水性主鎖を表す。又、{ }は側鎖を表す。
Poly−{(X1)m−〔B−(Y1)n〕p}
式中、Polyは親水性主鎖を表す。又、{ }は側鎖を表す。
例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体が好ましい。
側鎖中、X1は(p+1)価の連結基を表す。pは正の整数を表し、好ましくは1〜5の整数である。具体的には、p=1のとき、X1が2価の連結基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、イミノ基、エステル基、アミド基、スルホニル基などが挙げられ、又、これらが組み合わさって一つの2価以上の基を形成してもよい。またp=2以上のとき、後述する複数のB及びYは同一であっても異なっていてもよい。
X1は、好ましくは、アルキレンオキシド、芳香族基が少なくとも組み合わさっている2価以上の連結基が挙げられる。
Bは、架橋基を表す。具体的には、二重結合、三重結合を含有する基であり、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、ジアゾ基、アジド基を表す。好ましくは、アクリル基、メタクリル基である。
Y1は、水素原子または置換基を表す。置換基とは具体的にはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンジル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル等)、アリール基(例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ブチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−トリルチオ等)、アルキルウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、メトキシエチルウレイド、ジメチルウレイド等)、アリールウレイド基(例えば、フェニルウレイド等)、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、2,2,2−トリフルオロエチルスルホンアミド等)、アリールスルホンアミド基(例えば、フェニルスルホンアミド、トリルスルホンアミド等)、アルキルアミノスルホニルアミノ基(例えば、メチルアミノスルホニルアミノ、エチルアミノスルホニルアミノ等)、アリールアミノスルホニルアミノ基(例えば、フェニルアミノスルホニルアミノ等)、ヒドロキシ基、複素環基(例えば、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル等)などが挙げられ、更にこれらは置換基を有していてもよい。
ここにおいて、mは、0または1を表す。また、nは、0または1を表す。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、その重合度は300以上4000以下が好ましく、500以上2000以下がハンドリングの観点からより好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は0.3モル%以上4モル%以下が好ましく0.5モル%以上1.5モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、これまた本発明の効果が小さくなる。
本発明の活性エネルギー線架橋性高分子化合物において、さらに好ましい構造としては、特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(1)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造(ノニオン性)の側鎖、又は、下記一般式(2)で表され4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造(ノニオン性)の側鎖、を有する樹脂組成物である。
また、下記一般式(3)で表される変性基(アニオン性)の側鎖も好ましく用いられる。
式中、Rはアルキレン基又は芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(4)で表される樹脂(ノニオン性)が反応性の観点から好ましい。
式中、R2はH又はCH3を表し、nは1又は2を表し、Xは−(CH2)m−COO−又は−O−、Yは芳香族環又は単結合、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号に記載されている光重合型の下記一般式(5)で表される変性基(ノニオン性)を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
式中、R3はH又はCH3を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
更に、下記一般式(6)乃至(8)で表される変性基(ノニオン性)も好ましく用いられる。
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂は、インク全質量に対して0.5質量%から5.0質量%含有することが好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディングやカラーブリードがより好ましくなる。5.0質量%以下の場合は、インク物性やインクヘッド内状態に悪影響しにくくなり、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
本発明の活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して、光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては、架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に用いられる樹脂においては架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクが色剤以外のほぼ全量が硬化性分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる樹脂においては必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性もよい。
〈光重合開始剤、増感剤〉
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はないが、水溶性の物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(9)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
〈活性エネルギー線、照射方法〉
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が上げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が上げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として例えば0.1kPaから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知のものが用いられる。
(インク着弾後の光照射条件)
活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
(ランプの設置)
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
〈色材〉
本発明のインクジェット用インクに用いられる色材としては、インクジェットで公知の各種染料又は顔料を用いることができるが、活性エネルギー線架橋型の樹脂の側鎖のイオン性との組合せから、アニオン性である。
本発明のインクジェット用インクに用いられる色材としては、インクジェットで公知の各種染料又は顔料を用いることができるが、活性エネルギー線架橋型の樹脂の側鎖のイオン性との組合せから、アニオン性である。
(顔料)
例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
〈白色顔料〉
本発明で用いられる白色顔料は、波長400〜800nmでの可視光領域における平均透過率が0.5%以下であるときに、波長190〜400nmでの紫外光領域における平均透過率がそれよりも大きいことを特徴とし、このような特性を持つ白色顔料においては白色および隠蔽性を示しながらもカラーインクが架橋するに十分な活性エネルギー線を透過させることができる。
本発明で用いられる白色顔料は、波長400〜800nmでの可視光領域における平均透過率が0.5%以下であるときに、波長190〜400nmでの紫外光領域における平均透過率がそれよりも大きいことを特徴とし、このような特性を持つ白色顔料においては白色および隠蔽性を示しながらもカラーインクが架橋するに十分な活性エネルギー線を透過させることができる。
このような性質を示す、白色顔料としてはたとえば特開平11−129613号に示される有機化合物円や、特開平11−140365号及び特開2001−234093号に示されるアルキレンビスメラミン誘導体があげられる。
また、紫外光透過性に影響しない範囲で無機白色顔料や白色中空ポリマー粒子を添加することができる。
白色顔料の粒径としては、0.5μmから80nmが好ましく、0.5μmより大きいと、インクの吐出製を取り崩し、80nmより小さいと遮蔽性に劣る。
無機白色顔料としてはアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、微粉ケイ酸、合成珪酸塩、等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。
中空ポリマー微粒子としては、米国特許第4,089,800号明細書に記載されている、有機重合体により作製された熱可塑性を示す微粒子などが挙げられる。
〈分散剤〉
上記顔料をインク中に安定に分散するための水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。
上記顔料をインク中に安定に分散するための水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。
水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような水溶性樹脂である。
水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。
これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
本発明のインクジェット用インクに使用する顔料分散体の平均粒径は0.1〜1.0μmであり、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることがさらに好ましく、10nm以上、150nm以下が最も好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になると顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
本発明のインクジェット用インクに用いる水に分散あるいは溶解可能な色材の含有量は、インク全質量に対して1〜10質量%であるのが好ましい。
〈水溶性溶媒〉
本発明に係る溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
本発明に係る溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
〈界面活性剤〉
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤が挙げられる。
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることが出来る。
界面活性剤が電荷を持つことは、活性剤が本発明で用いる側鎖間で架橋可能な高分子化合物へ作用して反応効率を落とすだけでなく、同様の理由でインク保存安定性を阻害する上で好ましくない。
このような問題は、本発明で用いる高分子化合物を用いる上で顕著であり、従来にはなかった課題である。
また、ノニオン性界面活性剤においては、逆にある特定の使用量で反応効率とインクの保存安定性を向上せしめる。この効果は本発明で用いる高分子化合物を用いる上で顕著であり、好ましい使用量はインク中に0.1%〜3%、より好ましくは0.4%〜1.5%である。
〈各種添加剤〉
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
〈各種フィルム〉
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。特に透明であるか明度の低い樹脂フイルム等に対して効果が顕著である。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。特に透明であるか明度の低い樹脂フイルム等に対して効果が顕著である。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、文中で「部」とは「質量部」を表し、「%」は、特に断りのない限り「質量%」を表す。
〈高分子化合物1の合成〉
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間撹拌した。
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間撹拌した。
次に、重合度300、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物20gと重合度500、ケン化率99%のポリ酢酸ビニルケン化物25gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをPVAに対して変性率が3モル%になる様に加え、90℃で6時間撹拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え1時間撹拌した。その後イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、チバスペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア2959を15%水溶液100gに対して2.0gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して10%の高分子化合物1の水溶液を得た。
なお、必要に応じてポリ酢酸ビニルケン化物の重合度、ケン化度を変え、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの仕込量を変えて変性率を調整した。
〈インクジェットインクの作製〉
(マゼンダ顔料分散液の調製)
Cabot社製のマゼンダ自己分散物cabo−jet260をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のマゼンダ顔料分散液を調製した。得られたマゼンダ顔料分散液に含まれるのマゼンダ顔料粒子の平均粒径は180nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
(マゼンダ顔料分散液の調製)
Cabot社製のマゼンダ自己分散物cabo−jet260をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のマゼンダ顔料分散液を調製した。得られたマゼンダ顔料分散液に含まれるのマゼンダ顔料粒子の平均粒径は180nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
(ブラック顔料分散液の調製)
Cabot社製のカーボンブラック自己分散物cabo−jet300をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のブラック顔料分散液を調製した。得られたブラック顔料分散液に含まれるカーボンブラック粒子の平均粒径は111nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
Cabot社製のカーボンブラック自己分散物cabo−jet300をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のブラック顔料分散液を調製した。得られたブラック顔料分散液に含まれるカーボンブラック粒子の平均粒径は111nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
(ホワイト顔料分散液)
以下の処方により白色顔料分散液1を得た。
以下の処方により白色顔料分散液1を得た。
有機白色顔料(ShigenoxOWP:ハッコーケミカル社製) 10部
ジョンクリル70(ジョンソン社製) 2部
界面活性剤 スルホコハク酸ビス(エチルヘキシル)エステル 0.01部
以上をイオン交換水にて仕上げ顔料含有量10%のホワイト顔料分散液を得た。
ジョンクリル70(ジョンソン社製) 2部
界面活性剤 スルホコハク酸ビス(エチルヘキシル)エステル 0.01部
以上をイオン交換水にて仕上げ顔料含有量10%のホワイト顔料分散液を得た。
白色分散液2
有機白色顔料を平均粒径0.13μmに分散されたゲル法シリカ(日本シリカ社製:ニップシル200)に変えた以外は同様にして白色顔料分散液2を得た。
有機白色顔料を平均粒径0.13μmに分散されたゲル法シリカ(日本シリカ社製:ニップシル200)に変えた以外は同様にして白色顔料分散液2を得た。
白色分散液3
有機白色顔料を平均粒径0.15μmの酸化チタンに変えた以外は同様にして白色顔料分散液3を得た。
有機白色顔料を平均粒径0.15μmの酸化チタンに変えた以外は同様にして白色顔料分散液3を得た。
白色分散液4
有機白色顔料を平均粒径0.08μmの酸化チタンに変えた以外は同様にして白色顔料分散液4を得た。
有機白色顔料を平均粒径0.08μmの酸化チタンに変えた以外は同様にして白色顔料分散液4を得た。
白色分散液5
有機白色顔料を平均粒径0.06μmの酸化亜鉛に変えた以外は同様にして白色顔料分散液5を得た。
有機白色顔料を平均粒径0.06μmの酸化亜鉛に変えた以外は同様にして白色顔料分散液5を得た。
〈インクの作製〉
インクセットの作製
以下によりインク、及びインクセット1を作製した。
インクセットの作製
以下によりインク、及びインクセット1を作製した。
マゼンダ顔料分散液 5部
高分子化合物1 28部
2−ピロリドン 12部
エチレングリコール 20部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.6部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、マゼンダインクを得た。
高分子化合物1 28部
2−ピロリドン 12部
エチレングリコール 20部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.6部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、マゼンダインクを得た。
マゼンダ顔料分散液の代わりにブラック顔料分散液、ホワイト顔料分散液を用いてインクセット1を得た。
ホワイト分散液1をホワイト分散液2〜4にすることにより同様にしてインクセット2〜5を得た。
なお、各ホワイトインクの紫外光部と可視光部の平均透過率を下記表1に示す。
〈インクジェット画像の形成及び評価〉
(カラーブリード耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度150dpi(以下、dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度1440×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、100μm透明ポリエチレンテレフタラートフイルムにマゼンダベタ地をさらに、その上に巾100μmの黒細線をプリントし、その上からさらにホワイトベタ画像をプリントした後、フイルム側から目視観察し、下記の基準に従ってカラーブリード耐性の評価を行った。
(カラーブリード耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度150dpi(以下、dpiは2.54cm当たりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度1440×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、100μm透明ポリエチレンテレフタラートフイルムにマゼンダベタ地をさらに、その上に巾100μmの黒細線をプリントし、その上からさらにホワイトベタ画像をプリントした後、フイルム側から目視観察し、下記の基準に従ってカラーブリード耐性の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:細線とベタの境界線がはっきりしている
○:わずかに境界がにじんでいる箇所があるが、実用上問題のない品質である
△:境界部ににじみが認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問 題となる品質である
××:細線とベタ部の境界が不明瞭な品質であり、ブリード耐性が極めて乏しい
(画像光沢違和感評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、透明100μmのポリエチレンテレフタラートフイルムに10cm×1cmの黒線を1センチ間隔でストライプ画像をプリントし、その上から白ベタ画像をプリントした。その後目視観察し、下記の基準に従って光沢感の評価を行った。
○:わずかに境界がにじんでいる箇所があるが、実用上問題のない品質である
△:境界部ににじみが認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問 題となる品質である
××:細線とベタ部の境界が不明瞭な品質であり、ブリード耐性が極めて乏しい
(画像光沢違和感評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、透明100μmのポリエチレンテレフタラートフイルムに10cm×1cmの黒線を1センチ間隔でストライプ画像をプリントし、その上から白ベタ画像をプリントした。その後目視観察し、下記の基準に従って光沢感の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:記録面と下地の光沢度差がほとんど無く自然である
○:記録面と下地の光沢度が少し異なるが、許容できるレベル
△:記録面と下地の光沢度が少し異なることが目視で観察できる
×:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察できる
××:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ、その差が大 きいため、不自然な感じを与える
(画像視認性評価)
上記光沢違和感評価にて作成した画像を、フイルム側から画像を観察してストライプ画像の視認性を目視にて評価した。
○:記録面と下地の光沢度が少し異なるが、許容できるレベル
△:記録面と下地の光沢度が少し異なることが目視で観察できる
×:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察できる
××:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ、その差が大 きいため、不自然な感じを与える
(画像視認性評価)
上記光沢違和感評価にて作成した画像を、フイルム側から画像を観察してストライプ画像の視認性を目視にて評価した。
◎:3m離れたところから黒のストライプがはっきり確認できる
○:1mはなれたところから黒のストライプが確認できる
△:50cm離れたところから黒のストライプが確認できる
×:25cmに近づいてみないと黒のストライプが確認できない
××:白地とストライプが確認できない
上記において×以下は製品として許容されないレベルである。
○:1mはなれたところから黒のストライプが確認できる
△:50cm離れたところから黒のストライプが確認できる
×:25cmに近づいてみないと黒のストライプが確認できない
××:白地とストライプが確認できない
上記において×以下は製品として許容されないレベルである。
(画像擦過性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度150dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度1440×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にブラック地の上に白ベタ地をプリントした後、乾燥後3分後に画像を指で5往復擦って、下記の基準に従って耐擦過性の評価を行った。
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度150dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度1440×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にブラック地の上に白ベタ地をプリントした後、乾燥後3分後に画像を指で5往復擦って、下記の基準に従って耐擦過性の評価を行った。
◎:印画画像に全く変化なし
○:詳細に観察すると、わずかに擦り傷が認められるが、実用上問題のない品質である
△:少量の擦り傷が認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:擦り傷の発生に伴い画像濃度が低下し、実用上問題となる品質である
××:形成した黒細線画像が記録紙から剥離し、全く許容されない品質である
上記評価により得られた結果を表2に示す。
○:詳細に観察すると、わずかに擦り傷が認められるが、実用上問題のない品質である
△:少量の擦り傷が認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:擦り傷の発生に伴い画像濃度が低下し、実用上問題となる品質である
××:形成した黒細線画像が記録紙から剥離し、全く許容されない品質である
上記評価により得られた結果を表2に示す。
本発明の構成であるインクセット1のみはいずれの評価項目も良好な結果を示すことがわかる。
Claims (3)
- 少なくとも白色顔料と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有しかつ活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する、インクジェット白色インク組成物により形成され、波長が400〜800nmの可視光領域での平均光透過率が0.5%以下であり、光波長190〜400nmの紫外線領域における平均透過率が、該可視光領域よりも高い光透過率を有することを特徴とするインクジェット白色インク組成物被膜。
- 前記白色顔料の平均体積粒径が0.1〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット白色インク組成物被膜。
- 少なくとも色材と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有する、インクジェットインク組成物により画像を形成後、該画像の上に請求項1又は2に記載のインクジェット白色インク組成物被膜を形成して後に、その上から活性エネルギー線を照射することを特徴とするインクジェット記録方法。
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US8355130B2 (en) | 2009-07-08 | 2013-01-15 | Seiko Epson Corporation | Method for evaluating white color shielding degree, method for manufacturing white ink, support apparatus for manufacturing white ink, and method for manufacturing white color printed material |
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2005
- 2005-12-13 JP JP2005358916A patent/JP2007161847A/ja active Pending
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