JP2007162003A - インクジェット用インク、インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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正好 山内
Yoshinori Tsubaki
義徳 椿
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正樹 中村
Kenichi Okubo
賢一 大久保
Kumiko Furuno
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Abstract

【課題】インク吸収性の少ないあるいはインク吸収性に乏しい記録媒体に対し、ビーディングやカラーブリードの発生がなく、耐水性、記録媒体との定着性が改良された画像が得られるインクジェット用インク、インクセット及びインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】少なくとも(a)色剤と、(b)水と、(c)ポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物とを含有することを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク吸収性の少ないあるいはインク吸収性を持たない記録媒体に対し、ビーディングやカラーブリードの発生がなく、耐水性、記録媒体との定着性が改良された画像が得られるインクジェット用インク、インクセット及びインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。しかしながら、インクジェットプリンタにおいて、その性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクの吸収性に乏しいコート紙やアート紙、もしくはインク吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こす、いわゆるブリード等の課題があり、インクジェット記録で記録媒体に多様性を持たせる上で課題となっていた。
上記課題に対し、室温において固体状ワックス等を素材とするホットメルト型インク組成物を用い、加熱等により液化し、何らかのエネルギーを加えて噴射させ、記録媒体上に付着しつつ冷却固化して記録ドットを形成するホットメルト型インクジェット記録方法が提案されている(特許文献1、2参照。)。このホットメルト型インクは、室温で固体であるために取り扱い時に汚れることが無く、また、溶融時のインク蒸発量が実質無いため、ノズルの目詰まりを起こすことがない。更に、付着後直ちに固化するため色にじみも少なく、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物であるといわれている。しかしながら、このような方法で記録された画像は、インクドットが柔らかいワックス状であるため、ドットの盛り上がりに起因する品質の劣化や、擦過性能の不足等の課題があった。
一方、活性エネルギー線を照射することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(特許文献3参照。)。また、色材として顔料を含有し、かつ重合性材料として三官能以上のポリアクリレートを含有し、ケトン、アルコールを主溶剤とする、いわゆる非水系インクが提案されている(特許文献4参照。)。また、水系の紫外線重合モノマーを用いたインクが提案されている(特許文献5参照。)。
これらの方法では、インク自身を硬化成分により硬化させるため、非吸収性記録媒体に対しても記録が可能となったが、色材以外の硬化成分を多量に含有し、かつそれらが揮発しないため、記録画像面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせる課題を抱えている。
更に、従来公知の硬化成分では、安全上の懸念点があり、たとえ安全性をクリアしたとしても、それに適合する化合物選択範囲に制限があり、化合物及び物性の両面で自由な設計を行うことができないという課題があった。
一方、光架橋性の懸垂基を有したポリビニルアルコールを含有するインクジェットインクが開示されている(特許文献6参照。)。このようなインクを用いることにより上記課題は解決できるが、形成する画像によっては、耐水性や記録で用いた記録媒体との定着性が不十分であることが判明した。
米国特許第4,391,369号明細書 米国特許第4,484,948号明細書 米国特許第4,228,438号明細書 特公平5−64667号公報 特開平7−224241号公報 WO2005/012448
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インク吸収性の少ないあるいはインク吸収性を持たない記録媒体に対し、ビーディングやカラーブリードの発生がなく、耐水性、記録媒体との定着性が改良された画像が得られるインクジェット用インク、インクセット及びインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも(a)色剤と、(b)水と、(c)ポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物とを含有することを特徴とするインクジェット用インク。
2.前記熱反応性側鎖が、アセトアセチル基及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基からなることを特徴とする前記1に記載のインクジェット用インク。
3.前記熱反応性側鎖と反応する架橋剤を含有することを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット用インク。
4.アセトアセチル基及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基と反応する架橋剤を含有することを特徴とする前記2に記載のインクジェット用インク。
5.前記架橋剤が、ヒドラジン化合物、アミン化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物及び2価以上の金属塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記3または4に記載のインクジェット用インク。
6.前記高分子化合物の含有量が、インク全質量に対して0.8質量%以上、5.0質量%以下であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
7.前記高分子化合物の主鎖の重合度が200以上、4000以下、ケン化度が77%以上、99%以下であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
8.前記高分子化合物の主鎖に対する前記光架橋性側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
9.水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
10.2種以上のインクジェット用インクから構成され、該インクジェット用インクの少なくとも1種が、前記1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット用インクセット。
11.前記1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
12.前記10に記載のインクジェット用インクセットを構成するインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明により、インク吸収性の少ないあるいはインク吸収性を持たない記録媒体に対し、ビーディングやカラーブリードの発生がなく、耐水性、記録媒体との定着性が改良された画像が得られるインクジェット用インク、インクセット及びインクジェット記録方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも(a)色剤と、(b)水と、(c)ポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物とを含有することを特徴とするインクジェット用インクにより、インク吸収性の少ないあるいはインク吸収性を持たない記録媒体に対し、ビーディングやカラーブリードの発生がなく、耐水性、記録媒体との定着性に優れた画像が得られるインクジェット用インクを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、本発明のインクジェット用インク(以下、単にインクともいう)は、ポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に活性エネルギー線を照射することで架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物(以下、架橋性高分子化合物ともいう)をインク中に含有している。本発明のインクジェットインクを記録媒体に印字した後、活性エネルギー線を照射することにより、架橋性高分子化合物の光架橋性側鎖同士が架橋してインクの粘度が上昇し、隣接した位置に着弾した色材の異なるインク同士の色混じり(カラーブリード)やインクあふれによるまだら(ビーディング)の発生を抑制することができる。したがって、インク吸収能を保持していない記録媒体に直接印字することが可能となった。
従来も、このような活性エネルギー線で硬化する成分を含むインクを用いた画像形成技術はあったが、硬化する成分がモノマーであり、エネルギー効率が悪く、インク中にかなりの量を添加しないと、非吸収性記録媒体にそのまま印字することができなかった。そのため、画像部の盛り上がりが大きくなり、高い平滑感を有する画像を得ることができなかった。本発明では、硬化成分が少量で済み、インク中の総固形分量を10%程度に抑えることができるので、揮発成分が揮発した後の画像部の盛り上がりを極めて低く抑えることができる。そのため、印刷用紙のような吸収性の低いあるいは吸収性のない記録媒体に、高画質で平滑性の高い画像をそのまま印字することできる。
さらに、本発明のインクに含まれる架橋性高分子化合物は、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖を有している。熱反応性側鎖と反応する架橋剤をインク中に添加するか、もしくは記録媒体上で本発明のインクと架橋剤を混合することにより、活性エネルギー線照射時に受ける熱、もしくは乾燥過程で受ける熱により、架橋性高分子化合物の熱反応性側鎖が架橋剤と反応して架橋点を形成する。前記の活性エネルギー線による架橋反応の後、熱反応性側鎖の架橋反応がやや遅れて生じることにより、架橋性高分子化合物の構造が強固に固定され、優れた画像耐水性と基材定着性が発現するものと考えられる。
本発明のインクに含まれる架橋性高分子化合物は、同一分子内に光架橋性の側鎖と熱反応性の側鎖を有しており、前記のように二段階の架橋反応により強固な架橋構造を形成することができるため、単に光架橋性の側鎖を有する高分子化合物と熱反応性側鎖を有する高分子化合物の両方を含有するインクよりも、優れた画像耐久性を示すインクとすることができる。
以下、本発明の詳細について説明する。
〈架橋性高分子化合物〉
本発明に係るポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物は、ポリ酢酸ビニルのケン化物またはその誘導体に、光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基からなる光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを導入したものである。光架橋性側鎖の変性基としては、光重合型の変性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
主鎖の重合度は200以上、4000以下が好ましく、200以上、2000以下がハンドリングの観点からより好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は0.3モル%以上、4モル%以下が好ましく、0.8モル%以上、4モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%以上であると、架橋性高分子化合物が十分な架橋性を示し、本発明の効果が大きくなりやすく、4モル%以下であると適度な架橋密度の画像になり、脆さの無い画像が得られやすい。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましい。これらの変性基は、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載されている。
特開昭60−129742号公報には、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基であるカチオン性の変性基を導入した下記一般式(1)で表される化合物が記載されている。
Figure 2007162003
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造の側鎖、または下記一般式(3)で表され4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造の側鎖を有する樹脂組成物である。
Figure 2007162003
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2007162003
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基として、例えば、特開2000−181062号公報、特開2004−189841号公報に示される下記一般式(5)で表される変性基が、反応性の観点から好ましい。
Figure 2007162003
式中、R2はメチル基または水素原子を、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−、Yは芳香族環または単結合、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される化合物を用いて側鎖を導入することも好ましい。
Figure 2007162003
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
本発明に係る架橋性高分子化合物において、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖は、架橋剤に対し活性な反応部位を持つ置換基からなり、このような置換基としてはアセトアセチル基、カルボキシル基、スルホキシル基などが挙げられる。中でもアセトアセチル基、カルボキシル基が好ましい。
本発明に係る架橋性高分子化合物の合成法としては、これに限定されるものではないが、前記熱反応性側鎖を有するポリ酢酸ビニルのケン化物に対し、前記の光架橋性側鎖を導入する方法が挙げられる。熱反応性側鎖を有するポリ酢酸ビニルのケン化物の具体例としては、ゴーセファイマーZシリーズ(日本合成化学工業社製)等のアセトアセチル基で変性されたポリビニルアルコール、クラレKポリマーシリーズ(クラレ社製)等のアニオン性ポリビニルアルコール、Dポリマーシリーズ(日本酢ビ・ポバール社製)等の高反応性カルボニル基で変性されたポリビニルアルコール等が挙げられる。
このような架橋性高分子化合物は、インク全質量に対して0.8〜5.0質量%の範囲で含有することが好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディング耐性やカラーブリード耐性がより好ましくなる。5.0質量%未満であれば、インク物性やインクヘッド内の状態に影響を受けることが無く、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
本発明に係る架橋性高分子化合物を活性エネルギー線により架橋させる際、その架橋点は、同一分子の側鎖間の分子内反応により形成される場合と、二つ以上の分子の側鎖間の分子間反応により形成される場合が考えられる。しかし、架橋点の多くは分子間反応により形成されると考えられ、それにより架橋性高分子化合物の分子量は著しく増大することとなる。さらに、本発明における架橋性高分子化合物は、架橋前にある程度の分子量を有しているため、連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の一般的な低分子量のモノマーに対して、光子一つ当たりの分子量増加効果も著しく大きい。
また、従来公知の活性エネルギー線硬化型のモノマーにおいては、架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜物性を調節することができず、硬くてもろい膜となりやすい。これに対し、本発明に係る架橋性高分子化合物は、架橋点の数が主鎖の長さと光架橋性側鎖の導入量で制御できるため、印字する記録媒体やその使用用途に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型のモノマーを用いたインクが、色剤以外のほぼ全量が硬化成分であり、硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に係る架橋性高分子化合物は添加量が少量でも十分な記録特性が得られるため、多くの乾燥成分を含むインクとすることができ、乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
《光重合開始剤、増感剤》
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは架橋性高分子化合物に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができるが、水溶性の光重合開始剤、光増感剤が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007162003
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
これらの光重合開始剤は架橋性高分子化合物に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
《架橋剤》
本発明のインクにおいては、熱反応性側鎖と反応可能な架橋剤を含有することが好ましい。本発明に熱反応性側鎖と反応可能な架橋剤としては、アルデヒド化合物、N−メチロール化合物、ホルムアミド基含有化合物、ヒドラジン化合物、アミン化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、2価以上の金属塩などが挙げられ、これらのなかでも、反応性などの点から、ヒドラジン化合物、アミン化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、2価以上の金属塩が好ましい。
ヒドラジン化合物としては、例えば、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラード、ヒドラジンの塩酸、硝酸等の無機塩類及びギ酸、シュウ酸等の有機塩類、ヒドラジンのメチル、エチル、プロピル、ブチル、アリル、フェニル等の一置換体、1,1−ジメチル、1,1−ジエチル等の非対称二置換体並びに1,2−ジメチル、1,2−ジエチル等の対称二置換体、プロピオン酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド、セバシン酸ヒドラジド、イソフタル酸ヒドラジド等のヒドラジド化合物、ベンゾフェノンヒドラゾン等のヒドラゾン化合物等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリアミノプロパン、アミノ基を有する重合体(例えばポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン)等が挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジレート、o−フタル酸ジグリシジレート、p−フタル酸ジグリシジレート、ハイドロキノンキグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
アジリジン化合物としては、例えば、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジルジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボサミド)、N,N′−ヘキサメチレン−1,6′−ビス(1−アジリジンカルボキサミド)、N,N′−トルエン−2,4′−ビス(1−アジリジンカルボサミド)等が挙げられる。
オキサゾリン化合物としては、例えば、1,2−ジオキサゾリニルエタン、1,4−ジオキサゾリニルブタン、1,4−ジオキサゾリニルベンゼン、N,N′−ジオキサゾリニルエチレンジアミン、オキサゾリニル基を有するビニル重合体等が挙げられる。
2価以上の金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、4塩化チタン、乳酸チタン、テトライソプロピルチタネート、酢酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、クロムミョウバン、カリウムミョウバン、塩基性ポリ水酸化アルミニウム、塩化コバルト、塩化第1鉄、硫酸第1鉄、塩化第2鉄、酢酸クロム、酢酸バリウム等が挙げられる。
これら架橋剤の添加量は、架橋剤の種類や熱反応性側鎖の変性率等に依存するが、概ね架橋性高分子化合物の0.1〜40質量%の範囲で用いるのが好ましく、さらに好ましくは1〜20質量%の範囲である。
《色剤》
本発明のインクジェット用インクに用いられる色剤としては、インクジェットで公知の各種染料または顔料を用いることができる。
〔染料〕
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられ、好ましいのはアニオン性染料である。
(水溶性染料)
本発明で用いることのできるアニオン性の水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物を以下に示す。ただし、これら例示した化合物に限定されるものではない。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.ベイシックイエロー〉
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91、
〈C.I.ベイシックオレンジ〉
2、21、22、
〈C.I.ベイシックレッド〉
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109、
〈C.I.ベイシックバイオレット〉
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39、
〈C.I.ベイシックブルー〉
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151、
〈C.I.ベイシックグリーン〉
1、4、
〈C.I.ベイシックブラウン〉
1、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
更に、染料として、下記一般式(8)で表される化合物または一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007162003
上記一般式(8)において、R1は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはフェニルカルボニル基が好ましい。R2は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子が好ましい。R3は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましい。R4は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子、アリールオキシ基が好ましい。R5は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、スルホン酸基が好ましい。nは1〜4の整数を表し、mは1〜5の整数を表す。
上記一般式(9)において、Xはフェニル基またはナフチル基を表し、置換可能な置換基で置換されていてもよく、スルホン酸基またはカルボキシル基で置換されていることが好ましい。Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表す。R6は異なってもよく水素原子またはナフタレン環に置換可能な置換基を表す。qは1または2を表す。pは1〜4の整数を表す。ただし、q+p=5である。Zは置換可能な置換基を表し、カルボニル基、スルホニル基または下記一般式(10)で表される基を表し、特に、下記一般式(10)で表される基が好ましい。
Figure 2007162003
上記一般式(10)において、W1、W2はそれぞれ異なっていてもよいハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表し、ハロゲン原子、水酸基またはアルキルアミノ基が好ましい。
(分散染料)
また、分散染料としては、アゾ系分散染料、キノン系分散染料、アントラキノン系分散染料、キノフタロン系分散染料等種々の分散染料を用いることができ、以下にその具体的化合物を挙げる。
〈C.I.Disperse Yellow〉
3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232、
〈C.I.Disperse Orange〉
1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142、
〈C.I.Disperse Red〉
1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、
〈C.I.Disperse Violet〉
1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、
〈C.I.Disperse Green〉
9、
〈C.I.Disperse Brown〉
1、2、4、9、13、19、
〈C.I.Disperse Blue〉
3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、
〈C.I.Disperse Black〉
1、3、10、24
等が挙げられる。
これら上記列挙した染料は、「染色ノート第21版」(出版;色染社)等に記載されている。
〔顔料〕
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
本発明のインクにおいては、顔料表面にスルホン酸、カルボン酸等の極性基をペンダントした自己分散顔料、あるいは高分子分散剤を用いて分散した顔料も好ましく用いることができる。
本発明に適用可能な高分子分散剤としては、特に制限はなく、水溶性樹脂または非水溶性樹脂が用いられる。これらの高分子としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた単一の単量体からなる重合体、あるいは2種以上の単量体からなる共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。またポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ゼラチン、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子も用いることができる。
これら水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。また、これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
本発明のインクジェット用インクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下がより好ましい。顔料分散体の平均粒径が10nm以上、500nm以下であると、良好な分散安定性のインクが得られやすい。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
《水溶性溶媒》
本発明のインクに適用可能な溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
《界面活性剤》
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることが出来、特にアニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
《各種添加剤》
本発明のインクにおいては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
《インクの物性》
(粘度)
本発明のインクジェット用インクの粘度は、特に制限はないが、25℃における2mPa・s以上、15mPa・s以下であることが好ましい。また、本発明のインクジェット用インクの粘度は、シェアレート依存性がない方が好ましい。
本発明でいうインク粘度(mPa・s)は、JIS Z 8809に規定されている粘度計校正用標準液で検定されたものであれば特に制限はなく、公知の方法に従って25℃で測定した粘度値であり、粘度測定装置としては、回転式、振動式や細管式の粘度計を用いることができ、例えば、Saybolt粘度計、Redwood粘度計等で測定でき、例えば、トキメック社製、円錐平板型E型粘度計、東機産業社製のE Type Viscometer(回転粘度計)、東京計器社製のB型粘度計BL、山一電機社製のFVM−80A、Nametore工業社製のViscoliner、山一電気社製のVISCO MATE MODEL VM−1A、同DD−1等を挙げることができる。
(表面張力)
また、本発明のインクジェット用インクにおいては、表面張力が35mN/m以下であることが好ましく、より好ましくは20〜35mN/mである。
本発明でいうインクの表面張力(mN/m)は、25℃で測定した表面張力の値であり、その測定法は一般的な界面化学、コロイド化学の参考書等において述べられている。例えば、新実験化学講座第18巻(界面とコロイド)、日本化学会編、丸善株式会社発行:P.68〜117を参照することができ、具体的には、輪環法(デュヌーイ法)、白金プレート法(ウィルヘルミー法)を用いて求めることができる。本発明においては、白金プレート法により測定した表面張力値(mN/m)で表し、例えば、協和界面科学製の表面張力計CBVP−Zを使用して測定できる。
(脱気処理)
本発明のインクジェット用インク中の溶存酸素濃度は、2ppm以下であることが好ましく、より好ましくは1ppm以下である。インクジェットインク中の溶存酸素濃度が2ppm以下であると、インク吐出時にキャビテーションが発生しにくくなり、良好な出射性のインクとしやすい。
溶存酸素濃度を調節する方法に関しては特に制限はないが、インクジェットインクを減圧下で脱気する方法、超音波を照射して脱気する方法、特開平11−209670に記載のごとく、脱気用中空糸膜による脱気方法等が挙げられる。特に脱気用中空糸膜による脱気が好ましい。
《記録媒体》
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法に適用可能な記録媒体としては、様々な種類の記録媒体を使用することができ、例えば、紙、プラスチック、金属、布、ゴムなどを挙げることができる。これらのうち一般的に画像を形成する用途としてのインクジェット記録媒体として好ましいのは、紙、プラスチックフィルムである。
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編、などに詳細に記載されている。
普通紙とは、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
〈各種フィルム〉
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
〈各種インクジェット用記録媒体〉
各種インクジェット用記録媒体としては、基材に吸収性支持体や非吸収性支持体を用いて、表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。
膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は2次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
近年は、基材に、紙基材の両面をオレフィン樹脂で被覆したRCペーパーを用いて上記微細空隙層を設けたインクジェット記録媒体が、写真画像の面で好んで用いられている。
《インクジェット記録方法》
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法では、本発明のインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射してインクを硬化させる。
以下、インクジェット用インクへの活性エネルギー線照射方法について説明する。
〔活性エネルギー線照射〕
(活性エネルギー線)
本発明でいう活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mrad以下とすることにより支持体等を劣化させる可能性が少なくなる。
紫外線を用いる場合は、光源として、例えば、数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
(インク着弾後の光照射条件)
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
(活性エネルギー線の照射方法)
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明のインクジェット記録方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性エネルギー線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射し、更に活性エネルギー線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
(プリンター部材)
本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクジェットプリンターで用いる部材としては、活性光線、例えば、紫外線の乱反射によるヘッド面への照射を防ぐために、活性エネルギー線に対する透過率や反射率が低い物が好ましい。
また、照射ユニットに対してはシャッターが搭載されている物が好ましく、例えば、紫外線を用いる時、シャッター開閉時の照度の比がシャッター開/シャッター閉=10以上であることが好ましく100以上がより好ましく、10000以上が更に好ましい。
次いで、本発明のインクジェット画像記録方法で用いるインクジェットプリンターについて説明する。
〔インクジェットプリンター〕
本発明で用いることのできるインクジェットプリンターとしては、例えば、画像形成が水平に配設され、上面で所定範囲の記録媒体の裏面(画像形成面の側と反対側となる面)を吸引装置の駆動により吸引して支持するプラテンと、記録媒体に向けてインクをノズルの吐出口から吐出する記録ヘッドと、これら記録ヘッドと活性光線を備えた照射手段を搭載し、画像形成時に走査方向に移動するキャリッジと、キャリッジに搭載されるとともに当該キャリッジを駆動するための駆動回路基板と、走査方向に沿って延在してキャリッジの移動を案内する案内部材と、走査方向に沿って延在し、その長手方向に、光学パターンが配設されたリニアスケールと、キャリッジに搭載されるとともにリニアスケールに配設された光学パターンを読み取ってクロック信号として出力するリニアエンコーダセンサとを備えて構成されている装置が挙げられる。
(記録ヘッド)
使用する記録ヘッド(インクジェットプリントヘッド)は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができる。好ましくは電気−機械変換方式であるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《高分子化合物の合成》
〔高分子化合物1の合成〕
グリシジルメタクリレートを56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを48g、ピリジンを2g及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩を1g、それぞれ反応容器に入れ、80度の湯浴中で8時間攪拌した。室温まで冷却した後、5質量%炭酸ナトリウム水溶液100gを加えて1時間攪拌し、酢酸エチルにより抽出した。酢酸エチルをエバポレーターにより留去し、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを得た。
次に、ケン化度99mol%のアセトアセチル変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製 Z200)の30gをイオン交換水225gに溶解した後、この溶液にリン酸を4.5gと上記反応で得られた光架橋性側鎖の前駆体であるp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを、変性率が3.0モル%になる条件で添加し、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂を30g加えて1時間攪拌した。次いで、イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を、上記水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後、イオン交換水にて希釈して、高分子化合物1の10%水溶液を得た。高分子化合物1はポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物である。
〔高分子化合物2の合成〕
上記高分子化合物1の合成において、ポリ酢酸ビニルケン化物の光架橋性側鎖の変性率を0.4モル%に変更した以外は同様にして、高分子化合物2の10%水溶液を得た。高分子化合物2はポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物である。
〔高分子化合物3の合成〕
上記高分子化合物1の合成において、ポリ酢酸ビニルケン化物の光架橋性側鎖の変性率を4.5モル%に変更した以外は同様にして、高分子化合物3の10%水溶液を得た。高分子化合物3はポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物である。
〔高分子化合物4の合成〕
上記高分子化合物1の合成において、ケン化度85〜90mol%アセトアセチル変性ポリビニルアルコールを、アニオン性ポリビニルアルコール(クラレ社製 PVA KL318)に変更した以外は同様にして、高分子化合物4の10%水溶液を得た。高分子化合物4はポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物である。
〔高分子化合物5の合成〕
上記高分子化合物1の合成において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールを、ジアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(ユニチカ社製 D700)に変更した以外は同様にして、高分子化合物5の10%水溶液を得た。高分子化合物5はポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物である。
〔モノマー1〕
エチレンオキシド付加1,6ヘキサンジオールアクリレートを、モノマー1とした。
〔モノマー2〕
3−メトキシブチルアクリレートを、モノマー2とした。
〔高分子化合物6の合成〕
上記高分子化合物1の合成において、アセトアセチル変性ポリビニルアルコールを、重合度500、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物に変更した以外は同様にして、高分子化合物6の10%水溶液を得た。高分子化合物6はポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖を有する高分子化合物である。
以上により得られた各高分子化合物の詳細を、表1に示す。
Figure 2007162003
なお、表1に略称で記載した熱反応性側鎖の詳細は、以下の通りである。
AA基:アセトアセチル基
CB基:カルボキシル基
RC基:反応性カルボニル基
《顔料分散液の調製》
(イエロー顔料分散液)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、イエロー顔料の含有量が10%のイエロー顔料分散液を調製した。
C.I.ピグメントイエロー74 95g
デモールC(花王社製) 65g
エチレングリコール 100g
イオン交換水 120g
(マゼンタ顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼンタ顔料の含有量が10%のマゼンダ顔料分散液を調製した。
C.I.ピグメントレッド122 10g
ジョンクリル61(アクリルスチレン系樹脂分散剤、ジョンソン社製) 3g
グリセリン 15g
イオン交換水 72g
(シアン顔料分散液)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、シアン顔料の含有量が10%のシアン顔料分散液を調製した。
C.I.ピグメントブルー15:3 100g
デモールC(前出) 68g
ジエチレングリコール 100g
イオン交換水 125g
(ブラック顔料分散液)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、ブラック顔料の含有量が10%のブラック顔料分散液を調製した。
トーカブラック #8500(東海カーボン社製) 120g
ジョンクリル62(ジョンソンポリマー社製) 59g
レベノールWX(花王社製) 3g
ジエチレングリコール 100g
イオン交換水 300g
《インクセットの調製》
上記調製した各高分子化合物及び各顔料分散液を用いて、下記の方法に従って顔料タイプのインクセット1〜10を調製した。
〔インクセット1の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY1、マゼンタインクM1、シアンインクC1、ブラックインクK1からなるインクセット1を調製した。
(イエローインクY1の作製)
イエロー顔料分散液 30部
高分子化合物1の10%の水溶液 20部
アジピン酸ヒドラジド 0.1部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY1を調製した。
(マゼンタインクM1の調製)
上記イエローインクY1の調製において、イエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外は同様にして、マゼンダインクM1を調製した。
(シアンインクC1の調製)
上記イエローインクY1の調製において、イエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外は同様にしてシアンインクC1を調製した。
(ブラックーインクK1の調製)
ブラック顔料分散液 30部
高分子化合物1の10%の水溶液 20部
アジピン酸ヒドラジド 0.1部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、ブラックインクK1を調製した。
〔インクセット2の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY2、マゼンタインクM2、シアンインクC2、ブラックインクK2からなるインクセット2を調製した。
(イエローインクY2の調製)
上記イエローインクY1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物2の10%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY2を調製した。
(マゼンタインクM2の調製)
上記マゼンタインクM1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物2の10%水溶液を用いた以外は同様にして、マゼンタインクM2を調製した。
(シアンインクC2の調製)
上記シアンインクC1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物2の10%水溶液を用いた以外は同様にして、シアンインクC2を調製した。
(ブラックーインクK2の調製)
上記ブラックインクK1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物2の10%水溶液を用いた以外は同様にして、ブラックインクK2を調製した。
〔インクセット3の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY3、マゼンタインクM3、シアンインクC3、ブラックインクK3からなるインクセット3を調製した。
(イエローインクY3の調製)
上記イエローインクY1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物3の10%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY3を調製した。
(マゼンタインクM3の調製)
上記マゼンタインクM1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物3の10%水溶液を用いた以外は同様にして、マゼンタインクM3を調製した。
(シアンインクC3の調製)
上記シアンインクC1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物3の10%水溶液を用いた以外は同様にして、シアンインクC3を調製した。
(ブラックーインクK3の調製)
上記ブラックインクK1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物3の10%水溶液を用いた以外は同様にして、ブラックインクK3を調製した。
〔インクセット4の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY4、マゼンタインクM4、シアンインクC4、ブラックインクK4からなるインクセット4を調製した。
(イエローインクY4の調製)
イエロー顔料分散液 30部
高分子化合物4の10%の水溶液 20部
ポリアリルアミン(日東紡製PAA−10C)の10%水溶液 1部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY4を調製した。
(マゼンタインクM4の調製)
イエローインクY4の調製において、イエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外は同様にして、マゼンダインクM4を調製した。
(シアンインクC4の調製)
イエローインクY4の調製において、イエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外は同様にして、シアンインクC4を調製した。
(ブラックーインクK4の調製)
ブラック顔料分散液 30部
高分子化合物4の10%の水溶液 20部
ポリアリルアミン(日東紡製PAA−10C)の10%水溶液 1部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、ブラックインクK4を調製した。
〔インクセット5の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY5、マゼンタインクM5、シアンインクC5、ブラックインクK5からなるインクセット5を調製した。
(イエローインクY5の調製)
上記イエローインクY1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物5の10%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY5を調製した。
(マゼンタインクM5の調製)
上記マゼンタインクM1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物5の10%水溶液を用いた以外は同様にして、マゼンタインクM5を調製した。
(シアンインクC5の調製)
上記シアンインクC1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物5の10%水溶液を用いた以外は同様にして、シアンインクC5を調製した。
(ブラックーインクK5の調製)
上記ブラックインクK1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物5の10%水溶液を用いた以外は同様にして、ブラックインクK5を調製した。
〔インクセット6の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY6、マゼンタインクM6、シアンインクC6、ブラックインクK6からなるインクセット6を調製した。
(イエローインクY6の調製)
イエロー顔料分散液 30部
高分子化合物1の10%の水溶液 5部
アジピン酸ヒドラジド 0.02部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY6を調製した。
(マゼンタインクM6の調製)
上記イエローインクY6の調製において、イエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外は同様にして、マゼンダインクM6を調製した。
(シアンインクC6の調製)
上記イエローインクY6の調製において、イエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外は同様にして、シアンインクC6を調製した。
(ブラックーインクK6の調製)
上記イエローインクY6の調製において、イエロー顔料分散液をブラック顔料分散液に変更した以外は同様にして、ブラックインクK6を調製した。
〔インクセット7の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY7、マゼンタインクM7、シアンインクC7、ブラックインクK7からなるインクセット7を調製した。
(イエローインクY7の調製)
イエロー顔料分散液 30部
高分子化合物1の12%の水溶液(濃縮した) 43部
アジピン酸ヒドラジド 0.2部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY7を調製した。
(マゼンタインクM7の調製)
上記イエローインクY7の調製において、イエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外は同様にして、マゼンダインクM7を調製した。
(シアンインクC7の調製)
上記イエローインクY7の調製において、イエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外は同様にして、シアンインクC7を調製した。
(ブラックインクK7の調製)
上記イエローインクY7の調製において、イエロー顔料分散液をブラック顔料分散液に変更した以外は同様にして、ブラックインクK7を調製した。
〔インクセット8の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY8、マゼンタインクM8、シアンインクC8、ブラックインクK8からなる染料タイプのインクセット8を調製した。
(イエローインクY8の調製)
C.I.Acid Yellow23 3部
高分子化合物1の10%の水溶液 20部
アジピン酸ヒドラジド 0.1部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインクY8を調製した。
(マゼンタインクM8の調製)
上記イエローインクY8の調製において、C.I.Acid Yellow23をC.I.Direct Red227に変更した以外は同様にして、マゼンダインクM8を調製した。
(シアンインクC8の調製)
上記イエローインクY8の調製において、C.I.Acid Yellow23をC.I.Direct Blue199に変更した以外は同様にして、シアンインクC8を調製した。
(ブラックインクK8の調製)
C.I.Food Black2 4部
高分子化合物1の10%の水溶液 20部
アジピン酸ヒドラジド 0.1部
グリセリン 7部
エチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、ブラックインクK8を調製した。
〔インクセット9の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY9、マゼンタインクM9、シアンインクC9、ブラックインクK9からなるインクセット9を調製した。
(イエローインクY9の調製)
C.I.ピグメントイエロー74 10部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製) 3部
アロニックスM5700(東亞合成社製) 7部
モノマー1:エチレンオキシド付加1,6ヘキサンジオールアクリレート 72部
モノマー2:3−メトキシブチルアクリレート 8部
イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製) 5部
上記の各組成物を混合、攪拌した後、得られた溶液をフィルターでろ過して、活性光線硬化型のイエローインクY9を調製した。
(マゼンタインクM9の調製)
C.I.ピグメントRed122 10部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製) 3部
アロニックスM5700(東亞合成社製) 7部
モノマー1:エチレンオキシド付加1,6ヘキサンジオールアクリレート 72部
モノマー2:3−メトキシブチルアクリレート 8部
イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製) 5部
上記の各組成物を混合、攪拌した後、得られた溶液をフィルターでろ過して、活性光線硬化型のマゼンタインクM9を調製した。
(シアンインクC9の調製)
C.I.ピグメントブルー15:3 10部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製) 3部
アロニックスM5700(東亞合成社製) 7部
モノマー1:エチレンオキシド付加1,6ヘキサンジオールアクリレート 72部
モノマー2:3−メトキシブチルアクリレート 8部
イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製) 5部
上記の各組成物を混合、攪拌した後、得られた溶液をフィルターでろ過して、活性光線硬化型のシアンインクC9を調製した。
(ブラックインクK9の調製)
カーボンブラック(三菱化学社製、MA−7) 10部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製) 3部
アロニックスM5700(東亞合成社製) 7部
モノマー1:エチレンオキシド付加1,6ヘキサンジオールアクリレート 72部
モノマー2:3−メトキシブチルアクリレート 8部
イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製) 5部
上記の各組成物を混合、攪拌した後、得られた溶液をフィルターでろ過して、活性光線硬化型のブラックインクK9を調製した。
〔インクセット10の調製〕
以下の手順に従って、イエローインクY10、マゼンタインクM10、シアンインクC10、ブラックインクK10からなるインクセット10を調製した。
(イエローインクY10の調製)
上記イエローインクY1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物6の10%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY10を調製した。
(マゼンタインクM10の調製)
上記マゼンタインクM1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物6の10%水溶液を用いた以外は同様にして、マゼンタインクM10を調製した。
(シアンインクC10の調製)
上記シアンインクC1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物6の10%水溶液を用いた以外は同様にして、シアンインクC10を調製した。
(ブラックインクK10の調製)
上記ブラックインクK1の調製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物6の10%水溶液を用いた以外は同様にして、ブラックインクK10を調製した。
なお、表2に略称で記載の架橋剤の詳細は、以下の通りである。
AH:アジピン酸ヒドラジド
PAA:ポリアリルアミン(日東紡製PAA−10C)
《画像形成及び評価》
上記調製したインクセット1〜10を用いて、下記の各評価を行った。
(ビーディング耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)のオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に5cm×5cmのマゼンタベタをプリントし、形成した画像を目視観察し、下記の基準に従ってビーディング耐性の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:均一な画像である
○:よく見るとわかるまだら状のノイズが5箇所未満存在する
△:よく見るとわかるまだら状のノイズが5個以上、10箇所未満存在する
×:はっきりとしたまだら状のノイズが10箇所以上存在する
××:まだら状のノイズが20箇所以上存在する
このうち、×、××は製品として問題があるレベルである。
(ブリード耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にマゼンダベタ地の上に巾200μmの黒細線をプリントした後、この黒細線を目視観察し、下記の基準に従ってブリード耐性の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:細線とベタの境界線がはっきりしている
○:わずかに境界がにじんでいる箇所があるが、実用上問題のない品質である
△:境界部ににじみが認められるが、実用上やや気になる品質である
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問題となる品質である
××:細線とベタ部の境界が不明瞭な品質であり、ブリード耐性が極めて乏しい
このうち、×、××は製品として問題があるレベルである。
(画像平滑感の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にJIS X 9201−1995準拠の高精細カラーデジタル標準画像のN3「果物かご」をプリントし、形成画像を目視観察し、下記の基準に従って画像平滑感の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:記録画像面と未印字部の平滑感の差がほとんど無く、自然な画像である
○:記録画像面と未印字部の平滑感が少し異なるが、ほぼ良好な品質である
△:記録画像表面に、多少ざらざら感を感じ、実用上やや気になる品質である
×:記録画像表面がざらざらするように観察され、明らかに平滑性がない
××:目視のみならず触診しても大きなざらざら感が感じられる
(定着性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に10cm×10cmのシアンのベタをプリントした。
なお、インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射し、評価画像サンプルを作成した。
以上により作成した画像サンプルを消しゴム(ぺんてる社製HI−POLYMER消しゴム)で10回擦った後、プリント部分の汚れの発生の有無を目視観察し、下記の基準に従って耐擦過性の評価を行った。
◎:印字画像に全く変化なし
○:詳細に観察すると、わずかに印字画像に汚れが観察される
△:印刷画像に汚れが観察され、実用上やや気になる品質である
×:印字画像の汚れが明確に観察され、実用上許容範囲外の品質である
××:印字画像がかなり汚れており、実用に耐えない
(耐水性の評価)
上記定着性の評価と同様にして、評価用画像を作成し、この評価用画像表面を学振型摩擦試験で30往復擦った。試験後の画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準に従って耐水性の評価を行った。
◎:色落ちの発生が全く認められない
○:若干の色落ちが見られるが、画像としては気にならない
△:色落ちがやや確認でき、画質の低下も認められ、実用上やや気になる品質である
×:色落ちが大きく、画質への影響が大で、実用上許容範囲外の品質である
××:色落ちがかなり大きく、画像が激しく汚れ、実用に耐えない
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2007162003
表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定するインクから構成されるインクセットを用いて形成した画像は、比較例に対し、カラーブリード耐性、ビーディング耐性を損なうことなく、画像平滑性、耐水性及び定着性に優れていることが分かる。

Claims (12)

  1. 少なくとも(a)色剤と、(b)水と、(c)ポリ酢酸ビニルのケン化物の主鎖に、活性エネルギー線の照射により側鎖間で架橋結合可能な光架橋性側鎖と、架橋剤と反応可能な熱反応性側鎖とを有する高分子化合物とを含有することを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記熱反応性側鎖が、アセトアセチル基及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基からなることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記熱反応性側鎖と反応する架橋剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
  4. アセトアセチル基及びカルボキシル基から選ばれる少なくとも1つの基と反応する架橋剤を含有することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット用インク。
  5. 前記架橋剤が、ヒドラジン化合物、アミン化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物及び2価以上の金属塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット用インク。
  6. 前記高分子化合物の含有量が、インク全質量に対して0.8質量%以上、5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  7. 前記高分子化合物の主鎖の重合度が200以上、4000以下、ケン化度が77%以上、99%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  8. 前記高分子化合物の主鎖に対する前記光架橋性側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  9. 水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  10. 2種以上のインクジェット用インクから構成され、該インクジェット用インクの少なくとも1種が、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット用インクセット。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 請求項10に記載のインクジェット用インクセットを構成するインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
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