JP2007070604A - インクジェット用インク、インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低吸収性記録媒体、非吸収性記録媒体に対するカラーブリード耐性、ビーディング耐性、また普通紙に対するフェザリング耐性を備えると共に、耐擦過性、耐水性、光沢に優れた画像が得られ、かつ吐出安定性、保存安定性に優れたインクジェット用インク、インクジェット用インクセットと、それを用いたインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】水、顔料、高分子化合物A及び高分子化合物Bを含有し、該高分子化合物Aは親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であり、該高分子化合物Bはアミン系化合物で中和されたカルボン酸含有モノマーと該顔料への吸着能を備えた疎水部とを有する非イオン性モノマーから得られる共重合体で、重量平均分子量が5000〜100000で、かつ酸価が50〜500mgKOH/gであることを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性エネルギー線照射により架橋結合可能な高分子化合物を含むインクジェット用インク、インクジェット用インクセットとそれらを用いたインクジェット記録方法に関するものである。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。しかしながら、インクジェットプリンタにおいて、その性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクの吸収性をあまり持たないコート紙やアート紙、もしくはインク吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こす、いわゆるブリード等の課題があり、インクジェット記録で記録媒体に多様性を持たせる上で課題となっていた。
上記課題に対し、室温において固体状ワックス等を素材とするホットメルト型インク組成物を用い、加熱等により液化し、何らかのエネルギーを付与して噴射させ、記録媒体上に付着し、同時に冷却固化して記録ドットを形成するホットメルト型インクジェット記録方法が提案されている(特許文献1、2参照。)。このホットメルト型インクは、室温で固体であるため、取り扱い時に汚れることが無く、また、溶融時のインク蒸発量が実質無いため、ノズルの目詰まりを起こすことがない特徴を備えている。更に、付着後直ちに固化するため、色にじみも少なく、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物であるといわれている。しかしながら、このような方法で記録された画像は、インクドットが柔らかいワックス状であるため、ドットの盛り上がりに起因する品質の劣化や、耐擦性の不足等の課題があった。
一方、活性エネルギー線を照射することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(特許文献3参照。)。また、色材として顔料を含有し、かつ重合性材料として三官能以上のポリアクリレートを含有し、ケトン、アルコールを主溶剤とする、いわゆる非水系インクが提案されている(特許文献4参照。)。また、活性エネルギー線硬化性不飽和二重結合を有する基を含有するポリウレタン化合物、塩基性化合物、着色剤、水溶性有機溶剤及び水を含有する水系の活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インク組成物が提案されている(特許文献5参照。)。更には、顔料粒子の表面に1種以上の親水性基が結合している自己分散型顔料と、ビニル化合物からなる紫外線硬化型モノマーと光重合開始剤と水とを含む水系のインクジェット用インクが提案されている(特許文献6参照。)。
これら提案されている活性エネルギー線反応性インクは、インク自身を硬化成分により硬化させるため、非吸収性記録媒体に対しても記録が可能となったが、画像定着に十分な量含有すると、インクジェットインク中の固形分含有率が高くなり、ドットの盛り上がり等の印字物の質感、特に光沢感に課題があった。
また、耐水性の向上を目的として、インクにスチレン系共重合体を含有する方法(特許文献7参照。)が提案されているが、紫外線を照射することにより硬化する高分子化合物の使用に関しては、一切の言及がなされていない。
米国特許第4,391,369号明細書 米国特許第4,484,948号明細書 米国特許第4,228,438号明細書 特公平5−64667号公報 特開2002−80767号公報 特開2002−275404号公報 特開平8−231906号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、低吸収性記録媒体、非吸収性記録媒体に対するカラーブリード耐性、ビーディング耐性、また普通紙に対するフェザリング耐性を備えると共に、耐擦過性、耐水性、光沢に優れた画像が得られ、かつ吐出安定性、保存安定性に優れたインクジェット用インク、インクジェット用インクセットと、それを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも水、顔料、高分子化合物A及び高分子化合物Bを含有し、該高分子化合物Aは親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であり、該高分子化合物Bはアミン系化合物で中和されたカルボン酸含有モノマーと該顔料への吸着能を備えた疎水部とを有する非イオン性モノマーから得られる共重合体で、重量平均分子量が5000以上、100000以下で、かつ酸価が50mgKOH/g以上、500mgKOH/g以下であることを特徴とするインクジェット用インク。
2.前記高分子化合物Aの側鎖が、ノニオン性またはアニオン性であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット用インク。
3.前記側鎖が、下記一般式(A)で表されることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット用インク。
一般式(A)
P−{(X)m−(B)p−(Y)n
〔式中、Pは親水性主鎖、{ }内は側鎖を表す。Xは2価以上の連結基を、Bは架橋性基を、Yは水素原子または置換基を表す。m、nはそれぞれ0または1の整数を表し、pは1または2の自然数を表す。〕
4.前記高分子化合物Aの親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、ケン化度が77%以上、99%以下で、かつ重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
5.前記高分子化合物Aの親水性主鎖に対する側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
6.前記高分子化合物Bの含有量が、前記顔料の5%質量以上、200質量%未満であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
7.水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
8.2種以上のインクジェット用インクから構成され、該インクジェット用インクの少なくとも1種が、前記1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット用インクセット。
9.前記1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを記録媒体に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
10.前記8に記載のインクジェット用インクセットを構成するインクジェット用インクを記録媒体に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
11.前記記録媒体が、インクの低吸収性記録媒体であることを特徴とする前記9または10に記載のインクジェット記録方法。
12.前記記録媒体が、インクの非吸収性記録媒体であることを特徴とする前記9または10に記載のインクジェット記録方法。
13.前記記録媒体が、普通紙であることを特徴とする前記9または10に記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、低吸収性記録媒体、非吸収性記録媒体に対するカラーブリード耐性、ビーディング耐性、また普通紙に対するフェザリング耐性を損なうことなく、耐擦過性、耐水性、光沢に優れた画像が得られ、かつ吐出安定性、保存安定性に優れたインクジェット用インク、インクジェット用インクセットと、それを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも水、顔料、高分子化合物A及び高分子化合物Bを含有し、該高分子化合物Aは親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であり、該高分子化合物Bはアミン系化合物で中和されたカルボン酸含有モノマーと該顔料への吸着能を備えた疎水部を有する非イオン性モノマーとから得られる共重合体で、重量平均分子量が5000以上、100000以下で、かつ酸価が50mgKOH/g以上、500mgKOH/g以下であることを特徴とするインクジェット用インクにより、低吸収性記録媒体、非吸収性記録媒体に対するカラーブリード耐性、ビーディング耐性、あるいは普通紙に対するフェザリング耐性を損なうことなく、耐擦過性、耐水性、光沢に優れた画像が得られ、かつ吐出安定性、保存安定性に優れたインクジェット用インクを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
前述の特許文献6に記載された水系の紫外線硬化型インクのように、紫外線によりインク中のモノマーが重合するタイプのインクでは、インク中の不揮発性硬化成分が非常に多く、プリント後の画像が盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせるという課題があった。本発明者らが検討を進めた結果、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、紫外線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物Aを用いることで、前述の紫外線硬化型インクの課題を解決するに至った。すなわち、本発明に係る高分子化合物Aを含有することで、プリント後の紫外線照射によりインクがゲル化して不溶になり、ブリード及びフェザリングが抑制され、平滑性に優れた画像を形成することができる水系インクジェットインクを得ることができた。しかしながら、本発明に係る高分子化合物Aの主鎖が親水性であるため、高分子化合物Aを単独で用いたインクにより形成した画像では、耐水性が不十分であった。
本発明では、本発明に係る高分子化合物Aと共に、アミン系化合物で中和されたカルボン酸含有モノマーと、顔料への吸着能を備えた疎水部を有する非イオン性モノマーから得られる共重合体で、重量平均分子量5000以上、100000以下、酸価50mgKOH/g以上、500mgKOH/g以下である高分子化合物Bを併用することにより、インクで印字した後、アミン系化合物が揮発することにより、残った高分子化合物Bが共存する顔料及び高分子化合物Aと共に強固に固化することで、印字箇所の耐水性が飛躍的に向上することを見出し、本発明に係る高分子化合物Aに起因する画像の耐水性を顕著に改良することができたものである。更にこれにより、印字後の塗膜の基材への密着性が向上し、非吸収性媒体への良好な定着性が実現できた。その上、本発明に係る高分子化合物Bは、インク中の揮発成分が揮発した後に存在する高分子化合物Aとの相溶性が良好であるという特徴を備えているため、プリント画像の質感、例えば光沢が非常に良好であるという効果を併せもつものである。
以下、本発明の詳細について説明する。
《高分子化合物A》
本発明のインクジェット用インク(以下、単にインクともいう)では、高分子化合物の一つとして、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物Aを含有することを特徴とし、該高分子化合物Aを含有せしめることにより、様々な種類の記録媒体への安定した印字適性を付与でき、形成した画像のフェザリング耐性、ビーディング耐性、ブリード耐性に優れた印字品質の高いインクジェット用インクとすることができた。
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、並びにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入することができ、光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
また、顔料のイオン性と前記高分子化合物Aの側鎖のイオン性の間には、好ましい組合せが存在する。特に、顔料にアニオン性を選択し、側鎖にはノニオン性またはアニオン性を組み合わせることで、画像堅牢性およびインクの保存性、連続出射性の観点から好ましい。側鎖としてはノニオン性が最も好ましい。理由は定かではないが、上記イオンの組合せの場合は、インク組成物の分解やインク組成物同士の会合などが少なくなり、このことが、上記効果に影響している可能性がある。
本発明に係る高分子化合物Aの親水性主鎖と側鎖との間の構造は、下記一般式(A)で表されるものが好ましい。
一般式(A)
P−{(X)m−(B)p−(Y)n
式中、Pは親水性主鎖を表し、例えば、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体が好ましい。
Xは2価以上の連結基を表し、具体的には、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、イミノ基、エステル基、アミド基、スルホニル基などが挙げられ、又、これらが組み合わさって一つの2価以上の基を形成してもよい。好ましくは、アルキレンオキシド、芳香族基が少なくとも組み合わさっている2価以上の連結基が挙げられる。
Bは、架橋基を表し、具体的には、二重結合、三重結合を含有する基であり、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、ジアゾ基、アジド基を表す。好ましくは、アクリル基、メタクリル基である。
Yは、水素原子または置換基を表す。置換基とは、具体的にはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンジル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル等の各基)、アリール基(例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等の各基)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等の各基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等の各基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等の各基)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等の各基)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ブチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等の各基)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等の各基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等の各基)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−トリルチオ等の各基)、アルキルウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、メトキシエチルウレイド、ジメチルウレイド等の各基)、アリールウレイド基(例えば、フェニルウレイド等の各基)、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、2,2,2−トリフルオロエチルスルホンアミド等の各基)、アリールスルホンアミド基(例えば、フェニルスルホンアミド、トリルスルホンアミド等の各基)、アルキルアミノスルホニルアミノ基(例えば、メチルアミノスルホニルアミノ、エチルアミノスルホニルアミノ等の各基)、アリールアミノスルホニルアミノ基(例えば、フェニルアミノスルホニルアミノ等の各基)、ヒドロキシ基、複素環基(例えば、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル等の各基)などが挙げられ、更にこれらは置換基を有していても良い。
{ }内は側鎖を表す。m、nはそれぞれ0または1の整数を表し、pは1または2の自然数を表す。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、ケン化度は77%以上、99%以下であることが好ましい。また、重合度は200以上、4000以下であることが好ましく、200以上、2000以下がハンドリングの観点からより好ましく、200以上、500以下であることが吐出安定性の観点から好ましい。重合度が200以上であれば、架橋による増粘効果が適度に認められ、ブリード耐性、フェザリング耐性が十分である。また重合度が4000以下であれば、連続出射におけるノズル目詰まり性が良好である。
親水性主鎖に対する側鎖の変性率は0.8モル%以上、4.0モル%以下であることが好ましく、1.0モル%以上、3.5モル%以下であることが反応性の観点からより好ましい。0.8モル%以上であれば十分な架橋性を有し、4.0モル%以下であれば架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾリウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾリウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2007070604
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、を有する樹脂組成物である。
Figure 2007070604
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2007070604
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2007070604
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007070604
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はないが、水溶性の物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
更に、高分子化合物Aとの相溶性の観点から、下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007070604
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には、例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類;エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類;アセトフェノン類;ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類;2,4,6−トリハロメチルトリアジン類;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;ビスアシルフォスフィンオキサイド;及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に用いられる高分子化合物Aにおいては、架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。更に、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクは、色剤以外のほぼ全量が硬化成分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる高分子化合物Aにおいては必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
《高分子化合物B》
本発明に係る高分子化合物Bは、アミン系化合物で中和されたカルボン酸含有モノマーと顔料への吸着能を備えた疎水部を有する非イオン性モノマーとから得られる共重合体で、重量平均分子量が5000以上、100000以下で、酸価が50mgKOH/g以上、500mgKOH/g以下であることを特徴とする。
本発明のインクジェット用インクにおいては、本発明に係る高分子化合物Bを含有することにより、インクを記録媒体上に印字した後、アミン系化合物が揮発することにより、形成した画像部に残留した高分子化合物Bの高分子化合物部分が、共存する顔料及び本発明に係る高分子化合物Aと共に強固に固化することにより、印字画像の耐水性及び基材への密着性が向上する。更に、高分子化合物Bには、インク中の揮発成分が揮発、あるいはインク中の浸透成分が記録媒体に浸透した後に存在する高分子化合物Aとの相溶性が良好であるという特徴をもつために、プリント画像の質感、例えば、光沢性が非常に良好であるという効果を併せもつものである。
インク中の揮発成分が揮発した後における本発明に係る高分子化合物Aと本発明に係る高分子化合物Bとの相溶性の観点から、鋭意検討した結果、本発明に用いられる高分子化合物Bは、下記の特性を備えている。
重量平均分子量は5000以上、100000以下であることを特徴とし、好ましくは10000以上、60000以下である。重量平均分子量が5000以上であれば、形成した画像の質感、例えば、光沢性が良好になり、重量平均分子量が100000以下であれば、良好な吐出安定性を得ることができる。
酸価は50mgKOH/g以上、500mgKOH/g以下であることを特徴とし、更には100mgKOH/g以上、250mgKOH/g以下であることが好ましい。酸価が50mgKOH/g以上、500mgKOH/以下であれば、インクの保存安定性が良好になり、更に酸価が250mgKOH/g以下であれば、十分な耐水性が得られる。
本発明に係る高分子化合物Bを構成するカルボン酸含有モノマーは、付加重合性ビニル基を有することが望ましく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ステアリル酸などが挙げられる。カルボン酸含有モノマーは1種類を使用してもよく、複数組み合わせても良い。
本発明に用いられる顔料に対する吸着能を備えた疎水部を有する非イオン性モノマーは付加重合ビニル基を有する。本発明でいう顔料に対する吸着能を備えた疎水部とは、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルタフタレン誘導体、アクリル二トリルなどが挙げられる。非イオン性モノマーは1種類を使用してもよく、複数組み合わせても良い。
本発明に係る高分子化合物Bの構造としては、例えば、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は2種類以上併用することも可能である。
本発明に係る高分子化合物Bは、顔料分散時に顔料をインク中に安定に分散するための水溶性高分子分散剤としても好ましく用いられることができる。
本発明に係る高分子化合物Bの固形分含有量は、顔料の10質量%以上、200質量%以下であることが好ましい。高分子化合物Bの含有量が顔料に対して10質量%以上であれば十分な耐擦過性、耐水性を得ることができ、また200質量%以下であれば、一定時間吐出休止後の吐出性、いわゆる間欠吐出性が良好である。
本発明に係る高分子化合物Bは、全酸価の60%以上が中和されていることが好ましい。
本発明に係る高分子化合物Bに用いられるアミン系化合物は、例えば、アルコールアミン系化合物、脂肪族アミン系化合物が挙げられる。アルコールアミン系化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジブチルエタノールアミンなどが挙げられる。脂肪族アミン系化合物としては、例えば、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンなどが挙げられる。
インクが記録媒体に着弾後、アミン系化合物が揮発することで形成した画像に更なる耐水性、定着性、光沢性を付与できることから、アミン系化合物の沸点は200℃以下であることが好ましい。この観点から、アンモニア、N,N−ジメチルエタノールアミン、メチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンが特に好ましい。
《顔料》
本発明のインクジェット用インクには、着色剤(以下、色材ともいう)として顔料を用いることを特徴とする。
本発明で用いることのできる顔料としては、従来公知の有機あるいは無機顔料を挙げることができる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
マゼンタまたはレッド用の顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー180等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料は、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、本発明のインクジェット用インクでは、着色剤として自己分散顔料を用いることもできる。自己分散顔料とは、分散剤なしで分散が可能な顔料を指し、特に好ましくは、表面に極性基を有している顔料粒子である。
表面に極性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接極性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接にまたはジョイントを介して極性基が結合しているもの(以下、顔料誘導体という)をいう。
極性基としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくは、耐水性の観点からカルボン酸基である。
本発明において、表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、例えば、WO97/48769号、特開平10−110129号公報、特開平11−246807号公報、特開平11−57458号公報、同11−189739号公報、特開平11−323232号公報、特開2000−265094号公報等に記載の顔料粒子表面を適当な酸化剤でさせることにより、顔料表面の少なくとも一部に、スルホン酸基もしくはその塩といった極性基を導入する方法が挙げられる。具体的には、カーボンブラックを濃硝酸で酸化したり、カラー顔料の場合は、スルフォランやN−メチル−2−ピロリドン中で、スルファミン酸、スルホン化ピリジン塩、アミド硫酸などで酸化することにより調製することができる。これらの反応で、酸化が進みすぎ、水溶性となってしまった物は除去、精製することにより、顔料分散体を得ることができる。また、酸化により酸性基を表面に導入した場合は、酸性基を必要に応じて、塩基性化合物を用いて中和してもよい。
そのほかの方法としては、特開平11−49974号公報、特開2000−273383号公報、同2000−303014号公報等に記載の顔料誘導体をミリングなどの処理で顔料粒子表面に吸着させる方法、特開2002−179977号、同2002−201401号等に記載の顔料を顔料誘導体と共に溶媒で溶解した後、貧溶媒中で晶析させる方法等を挙げることができ、いずれの方法でも容易に、表面に極性基を有する顔料粒子を得ることができる。
極性基は、フリーでも塩の状態でも良いし、あるいはカウンター塩を有していても良い。カウンター塩としては、例えば、無機塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ニッケル)、有機塩(例えば、アンモニア、トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ピリジニウム、トリエタノールアンモニウム等)が挙げられ、好ましくは1価の価数を有するカウンター塩である。
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
顔料は、通常、分散剤を用いて公知の分散手段により分散されるが、適用可能な分散剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、または水溶性高分子分散剤を挙げることができる。
本発明のインクにおける色材含有量としては、インク全量に対して1〜20質量%で好ましく用いられる。
本発明に係る顔料分散体の平均二次粒径は出射安定性の観点から500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましい。
〔インクジェット用インクセット〕
本発明のインクジェット用インクセットは、2種以上のインクジェット用インクから構成され、該インクジェット用インクの少なくとも1種が本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物Aと、本発明に係るアミン系化合物で中和されたカルボン酸含有モノマーと該顔料への吸着能を備えた疎水部を有する非イオン性モノマーとから得られる共重合体で、重量平均分子量が5000以上、100000以下で、かつ酸価が50mgKOH/g以上、500mgKOH/g以下であることを特徴とする高分子化合物Bとを含有するインクジェット用インクであることを特徴とする。
本発明のインクジェット用インクセットを構成する色相の異なるインクとしては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のインクジェット用インクから構成されているインクセットを用いることが好ましい。
更に前記4色のインクに加えて、淡色シアンインク、淡色マゼンタインク、濃色イエローインク、淡色黒インク(グレーインク)を用いてもよい。また、ブルー、レッド、グリーン、オレンジ、バイオレット等のいわゆる特色インクを使用することも可能である。
《水溶性有機溶媒》
本発明のインクジェット用インクにおいては、水溶性有機溶媒を用いることが好ましい。本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。
水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併用しても良い。水溶性有機溶媒のインク中の添加量としては、総量で5〜80質量%であり、好ましくは10〜50質量%である。5質量%以上であれば良好な出射性を保つことができ、80質量%以下であれば非吸収性記録媒体においても活性エネルギー線照射後の画像のべたつきが小さい画像を得ることができる。
《インクジェット用インクのその他の添加剤》
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば、蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤等である。
(架橋剤)
本発明のインクジェット用インクには、架橋剤を含有させてもよい。架橋剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5,−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬、ホウ酸またはその塩等が挙げられる。
(界面活性剤)
本発明のインクジェット用インクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
《記録媒体》
本発明のインクジェット用インクの記録方法で適用できる記録媒体としては、普通紙、上質紙等の吸収性支持体、あるいはアート紙またはコート紙等の低吸収性記録媒体、またはフィルム等の非吸収性媒体、インクジェット用記録媒体が広く用いることができるが、
記録媒体として低吸収性記録媒体、非吸収性媒体または普通紙を用いた記録方法に、本発明のインクジェット用インクを適用することにより、本発明のインクジェット用インクの効果をいかんなく発揮することができる。
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、『最新紙加工便覧』紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、『印刷工学便覧』日本印刷学会編、などに詳細に記載されている。
普通紙とは、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。
上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユト+9リロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
各種インクジェット用記録媒体としては、基材に吸収性支持体や非吸収性支持体を用いて、表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。
膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は2次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
近年は、基材に、紙基材の両面をオレフィン樹脂で被覆したRCペーパーを用いて上記微細空隙層を設けたインクジェット記録媒体が、写真画像の面で好んで用いられている。
《インクジェット記録方法》
本発明のインクジェット画像記録方法では、本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物Aを含有するインクジェット用インク、あるいはインクジェット用インクセットを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射してインクを硬化させた後、乾燥を行うことを特徴とする。
以下、インクジェット用インクへの活性エネルギー線照射方法について説明する。
〔活性エネルギー線照射〕
(活性エネルギー線)
本発明でいう活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として、例えば、数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
(インク着弾後の光照射条件)
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
(活性エネルギー線の照射方法)
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明のインクジェット記録方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性エネルギー線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射し、更に活性エネルギー線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
(硬化処理後の乾燥)
本発明のインクジェット記録方法では、記録媒体上へ吐出したインクジェット用インクに活性エネルギー線を照射して硬化させた後、不要の水溶性有機溶媒等を除去する目的で乾燥を行う。
インクの乾燥手段としては、特に制限はないが、例えば、記録媒体の裏面を加熱ローラあるいはフラットヒータ等に接触させて乾燥させる方法や印字面にドライヤー等で温風を吹き付ける手段、あるいは減圧処理により揮発成分を除去する方法、または遠赤外放射源乾燥装置及びマイクロ波乾燥装置などを用いる方法等を適宜選択あるいは組み合わせて用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《高分子化合物Aの合成》
(高分子化合物A1の合成)
ポリアクリル酸(重量平均分子量80万)の100gを、750gのメタノールに加熱溶解させた後、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルの16gと触媒としてピリジンの11gを加え、60℃に保ちながら24時間攪拌した、更に、系の温度を95℃に上げ、水を滴下しながらメタノールを溜去した後、イオン交換樹脂(三菱化学製:PK−216H)処理を行い、ピリジンを除去して不揮発性分濃度15%の水溶液を得た。この水溶液に、光重合開始剤として、前記一般式(7)のn=1のIRGACURE2959(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)を、15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して、10%の高分子化合物A1の水溶液を得た。
(高分子化合物A2の合成)
グリシジルメタクリレートの56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドの48g、ピリジンの2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩の1gを、それぞれ反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。次いで、重合度2200、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物の45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸の4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを、ポリビニルアルコールに対して変性率が3.0モル%になる様に加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤としてIRGACURE2959(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)を、15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水で希釈して、10%の高分子化合物A2の水溶液を得た。
(高分子化合物A3〜A7の合成)
上記高分子化合物A2の合成において、表1に記載のポリ酢酸ビニルケン化物の重合度となる様に調整し、更にp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの添加量を変更して、表1に記載の変性率に調整した以外は同様にして、10%の高分子化合物A3〜A7の水溶液を合成した。
(高分子化合物A8)
前記一般式(4)において、Rがp−フェニレン基で表される化合物(東洋合成工業社製、主鎖PVA重合度500、ケン化度88%、変性率3.0mol%)を、イオン交換水で希釈して10%の高分子化合物A8の水溶液を得た。
(高分子化合物A9)
水性紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂エマルジョン(固形分40%、大成化工社製、商品名:WBR−839)をイオン交換水で希釈して、10%の高分子化合物A9の水溶液を得た。
《高分子化合物Bの合成》
(高分子化合物B1の合成)
滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、攪拌装置及び還流冷却管の付いた3リットルの四つ口フラスコに、メチルエチルケトンの700gを添加し、攪拌下で窒素置換しながら70℃まで昇温した。フラスコ内の温度を同温度に保ち、アクリル酸の200g、α−メチルスチレンの100g、スチレンの500g、メタクリル酸エチルの100g及びAIBN(アゾビスイソブチルニトリル)の10gの混合物を3時間かけて添加し、反応させた。添加終了後、5時間後及び8時間後にAIBNをそれぞれ2g、また12時間後及び16時間後にAIBNをそれぞれ1gを加えた。また、モノマー添加物の添加終了4時間後に、300gのメチルエチルケトンを加えた。モノマー混合物の添加終了24時間後にフラスコ内の温度を下げ、反応を終了させ、高分子化合物B1のメチルエチルケトン溶液を得た。
この高分子化合物B1のメチルエチルケトン溶液を大量のメタノール中に注いで、攪拌した。メタノール中で沈殿した高分子化合物B1を、ガラスフィルターを用いて溶剤と分離し、更にメタノールで洗浄して加熱減圧乾燥機で乾燥した。得られた高分子化合物B1の酸価は150mgKOH/gであり、GPCで測定した重量平均分子量はポリスチレン換算で20000であった。20gの高分子化合物B1を2%のアンモニア水溶液100gに溶解して、高分子化合物B1の18%水溶液を得た。
(高分子化合物B2〜B5の合成)
上記高分子化合物B1の合成において、モノマーの構成比率と反応液中のモノマー濃度を変更した以外は同様にして、表1に記載の重量平均分子量、酸価である高分子化合物B2〜B5の18%水溶液を得た。
(高分子化合物B6の合成)
上記高分子化合物B1の合成において、2%のアンモニア水溶液100gを、5%のジエタノールアミン水溶液130gに変更した以外は同様にして、高分子化合物B6の18%水溶液を得た。
(高分子化合物B7の合成)
上記高分子化合物B1の合成において、2%のアンモニア水溶液100gを、2.5%のNaOH水溶液110gに変更した以外は同様にして、高分子化合物B7の18%水溶液を得た。
(高分子化合物B8の合成)
上記高分子化合物B1の合成において、アクリル酸をビニルスルホン酸に変更し、モノマー構成比率と反応液中のモノマー濃度を変更し、分子量20000、酸価が150mgKOH/gである高分子化合物B9の18%水溶液を得た。
《インクセットの調製》
下記の様にして、インクセット1〜14を調製した。
〔インクセット1〜14の調製〕
(顔料分散液の調製)
〈マゼンダ顔料分散液の調製〉
以下の各添加剤を混合し、0.6mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼンタ顔料の含有量が15%のマゼンダ顔料分散液を調製した。このマゼンタ顔料分散液に含まれるマゼンタ顔料粒子の平均粒径は90nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
C.Iピグメントレッド122 15部
ジョンクリル61(スチレンアクリル系樹脂分散剤、ジョンソン社製、固形分量30%) 10部
グリセリン 15部
イオン交換水 67部
〈ブラック顔料分散液の調製〉
Cabot社製のカーボンブラック自己分散物 cabojet300をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が15%のブラック顔料分散液を調製した。得られたブラック顔料分散液に含まれるカーボンブラック粒子の平均粒径は、148nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
(インクセット1の調製)
下記の方法によりマゼンタ顔料インク1及びブラック顔料インク1を調製し、これをインクセット1とした。
〈マゼンタ顔料インク1の調製〉
マゼンタ顔料分散液(固形分量15%) 20部
高分子化合物A1水溶液(固形分量10%) 28部
高分子化合物B1水溶液(固形分量18%) 25部
エチレングリコール 15部
1,2−ヘキサンジオール 5部
オルフィンE1010(日信化学社製) 1部
イオン交換水を加えて、100部に仕上げた。
〈ブラック顔料インク1の調製〉
上記マゼンタ顔料インク1の調製において、マゼンタ顔料分散液に代えてブラック顔料分散液を用いた以外は同様にして、ブラック顔料インク1を得た。
(インクセット2〜14の調製)
上記インクセット1の調製において、高分子化合物Aの種類、高分子化合物Bの種類及び顔料に対する固形分添加量(質量%)を、表1に記載の様に変更した以外は同様にして、インクセット2〜14を調製した。
Figure 2007070604
《インクジェット画像の形成及び評価》
(連続吐出性の評価)
20℃、50%RHの環境下で、ノズル孔径20μm、駆動周波数10kHz、ノズル数128のピエゾ型ヘッドを備えたインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、1滴あたり12plを吐出する条件で、クリーニングをせずに1時間連続して吐出を続けた後の状態を目視観察し、下記に示す基準に従って吐出安定性を評価した。
◎:全ノズルから正常に出射
○:1〜3ノズルに目詰まりが見られるが、ノズル面からの吸引クリーニングにより回復
△:4ノズル以上に目詰まりが発生し、吸引クリーニングにより回復不可能な目詰まりが1ノズル発生するが、実用上許容できる範囲にある
×:7ノズル以上に目詰まりが発生し、吸引クリーニングにより回復不可能な目詰まりが2ノズル発生
××:10ノズル以上に目詰まりが発生し、吸引クリーニングにより回復不可能な目詰まりが3ノズル以上発生
(間欠吐出性の評価)
20℃、50%RHの環境下で、ノズル孔径20μm、駆動周波数10kHz、ノズル数128のピエゾ型ヘッドを備えたインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、1滴あたり12plを吐出する条件で、10秒間連続吐出→一定時間休止→連続吐出の間欠動作を行った。この際、吐出休止後の最初で吐出方向の乱れが発生するか否かは休止時間の長さで決まるので、吐出休止時間の長さを段階的に変えることにより、間欠吐出の安定性を測定し、以下の基準で評価した。
◎:30秒から40秒間休止しても安定に吐出した
○:20秒から29秒間休止しても安定に吐出した
△:10秒から19秒間休止しても安定に吐出した
×:5秒から9秒間休止しても安定に吐出した
××:4秒以下しか安定吐出しなかった
(カラーブリード耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に、マゼンタのベタ画像上に印字ポイントを変化させた黒文字を配した画像パターンを出力した。本発明でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す。次いで、各インクを連続吐出し、記録媒体上に着弾した0.01秒後に、200mW/cm2のメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
以上により得られた画像について、色混ざりの有無を目視観察し、下記の基準に従ってカラーブリード耐性の評価を行った。
◎:色混ざりの発生が全くなし
○:色混ざりが少しあるが、5ポイント文字が確認できる
△:色混ざりがややあるが、7ポイント文字が確認でき、実用上許容できる範囲にある
×:色混ざりがひどく、9ポイント文字のみ確認できた
××:色混ざりがかなりひどく、9ポイント文字でも確認が不可能
(フェザリング耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、普通紙(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製 First Class紙)に、巾100μmの黒細線をプリントした。
なお、連続吐出し、着弾した0.01秒後に、200mW/cm2のメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。以上により得られた細線画像のにじみの有無を目視観察し、下記の基準に従ってフェザリング耐性の評価を行った。
◎:細線がはっきり確認できる
○:わずかににじみが確認されるが、細線画像への影響は小さい
△:ややにじみの発生が認められるが、実用上許容できる範囲にある
×:にじみの発生がひどく、実用上許容範囲外の品質である
××:にじみの発生が激しく、細線の境界が不明瞭であり、実用に耐えない
(耐擦過性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に10cm×10cmのマゼンタのベタをプリントした。
なお、インクを連続吐出し、着弾した0.01秒後に、200mW/cm2のメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射し、評価画像サンプルを作成した。
以上により形成した画像サンプルを消しゴム(MONOトンボ鉛筆社製)で10回擦った後、プリント部分の汚れの発生の有無を目視観察し、下記の基準に従って耐擦過性の評価を行った。
◎:印字画像に全く変化なし
○:詳細に観察すると、わずかに印字画像に汚れが観察される
△:やや印刷画像に汚れが観察されるが、実用上許容できる範囲にある
×:印字画像の汚れが明確に観察され、実用上許容範囲外の品質である
××:印字画像がかなり汚れており、実用に耐えない
(密着性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、PET(ポリエチレンテレフタレート)に10cm×10cmのマゼンタのベタをプリントした。
なお、インクを連続吐出し、着弾した0.01秒後に、200mW/cm2メタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射し、評価画像サンプルを作成した。
以上により形成した画像サンプルを、JIS D0202−1988に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行った。セロハンテープ(「CT24」、ニチバン(株)製)を用い、指の腹でフィルムに密着させた後剥離した。判定は100マスの内、剥離しないマス目の数で表し、画像が剥離しない場合を100/100、完全に剥離する場合を0/100として表し、下記の基準に従って非吸収性媒体への密着性の評価を行った。
◎:80/100以上である
○:60/100以上、79/100以下である
△:40/100以上、59/100以下で、実用上許容できる範囲にある
×:10/100以上、39/100以下で、実用上許容範囲外の品質である
××:9/100以下で実用に耐えない
(耐水性の評価)
上記耐擦過性の評価と同様にして、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)とPET(ポリエチレンテレフタレート)に評価用画像を作成した。評価用画像表面を、水を含ませたキムワイプS−200(クレシア製)で5回こすり、画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準に従って耐水性の評価を行った。
◎:色落ちの発生が全く認められない
○:若干の色落ちが見られるが、画像としては気にならない
△:色落ちがやや確認でき、画質の低下も僅かに認められるが、実用上許容できる範囲にある
×:色落ちが大きく、画質への影響が大で、実用上許容範囲外の品質である
××:色落ちがかなり大きく、画像が激しく汚れ、実用に耐えない
(光沢性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に10cm×10cmのマゼンタのベタをプリントした。
なお、インクを連続吐出し、着弾した0.01秒後に、200mW/cm2のメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射し、評価画像サンプルを作成した。
評価画像サンプルの光沢感を目視観察し、下記の基準に従って評価を行った。
◎:記録面と下地の光沢度差がほとんど無く自然である
○:記録面と下地の光沢度がわずかに異なる
△:記録面と下地の光沢度が異なることが目視で観察できるが、実用上許容できる範囲にある
×:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が下地より低い
××:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が下地より著しく低い。
(インク保存安定性)
各インクセットをそれぞれガラス瓶に充填、密栓し、60℃の環境下で10日間保存した後、各インクの状態を目視観察し、下記の基準に従ってインク保存安定性を評価した。
◎:10日保存後に、ブラック顔料インク及びマゼンダ顔料インクのいずれも、沈殿を起こしていない
○:10日保存後に、ブラック顔料インクまたはマゼンダ顔料インクのいずれかで沈殿を起こしている
△:5日保存後に、ブラック顔料インクまたはマゼンダ顔料インクのいずれかで沈殿を起こしている
×:5日保存後に、ブラック顔料インク及びマゼンダ顔料インクの双方で沈殿を起こしている
××:3日保存後に、ブラック顔料インク及びマゼンダ顔料インクの双方で沈殿を起こしている
(ビーディング耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)とPET(ポリエチレンテレフタレート)に10cm×10cmのマゼンダベタをプリントし、その画像を目視観察し、下記の基準に従ってビーディング耐性の評価を行った。
なお、インクを連続吐出し、着弾した0.01秒後に、200mW/cm2のメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:均一な画像である
○:よく見るとわかるまだら状のノイズが6箇所未満存在する
△:よく見るとわかるまだら状のノイズが12箇所未満存在する
×:はっきりとしたまだら状のノイズが12箇所以上存在する
××:まだら状のノイズが20箇所以上存在する
以上の各評価では、評価ランクが×、××であると実用上問題となる品質であると判断した。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2007070604
表2に記載の結果より明らかな様に、本発明で規定する高分子化合物A及び高分子化合物Bを含むインクジェット用インクから構成される本発明のインクセットは、比較例に対し、低吸収性記録媒体であるアート紙、非吸収性記録媒体であるポリエチレンテレフタレートに対するカラーブリード耐性、ビーディング耐性、また普通紙に対するフェザリング耐性が良好で、耐擦過性、耐水性、光沢性に優れた画像が得られ、かつ吐出安定性、保存安定性が良好であることが分かる。

Claims (13)

  1. 少なくとも水、顔料、高分子化合物A及び高分子化合物Bを含有し、該高分子化合物Aは親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物であり、該高分子化合物Bはアミン系化合物で中和されたカルボン酸含有モノマーと該顔料への吸着能を備えた疎水部とを有する非イオン性モノマーから得られる共重合体で、重量平均分子量が5000以上、100000以下で、かつ酸価が50mgKOH/g以上、500mgKOH/g以下であることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記高分子化合物Aの側鎖が、ノニオン性またはアニオン性であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記側鎖が、下記一般式(A)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
    一般式(A)
    P−{(X)m−(B)p−(Y)n
    〔式中、Pは親水性主鎖、{ }内は側鎖を表す。Xは2価以上の連結基を、Bは架橋性基を、Yは水素原子または置換基を表す。m、nはそれぞれ0または1の整数を表し、pは1または2の自然数を表す。〕
  4. 前記高分子化合物Aの親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、ケン化度が77%以上、99%以下で、かつ重合度が200以上、4000以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  5. 前記高分子化合物Aの親水性主鎖に対する側鎖の変性率が、0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  6. 前記高分子化合物Bの含有量が、前記顔料の5%質量以上、200質量%未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  7. 水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  8. 2種以上のインクジェット用インクから構成され、該インクジェット用インクの少なくとも1種が、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット用インクセット。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを記録媒体に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射した後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 請求項8に記載のインクジェット用インクセットを構成するインクジェット用インクを記録媒体に吐出し、該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 前記記録媒体が、インクの低吸収性記録媒体であることを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記記録媒体が、インクの非吸収性記録媒体であることを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記記録媒体が、普通紙であることを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録方法。
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