JP2008280427A - 紫外線硬化インク、及び画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化性、耐擦過性に優れ、インクジェットインクとして用いたとき、インク出射性に優れる紫外線硬化インク、及びそれを用いた画像記録方法を提供する。
【解決手段】少なくとも水、水溶性溶媒、エチレン性不飽和基を有する化合物、及び光開始剤として下記一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物または下記一般式(2)で表されるチオキサントン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化インク。
Figure 2008280427

(一般式(1)、(2)中、W1、W2、W3、W4は置換基を表す。Xはアルキレン基を表す。m、nは0以上の整数、p、qは2以上の自然数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線硬化インク、及びそれを用いた画像記録方法に関するものである。
光硬化反応を利用するUV硬化システムは、溶媒を使用しないクリーンな硬化方法として、また極めて短時間に硬化反応が終了するために高速な硬化方法として注目を浴びている。そのために、高精細を要求されるレジストの製造、高速化を要求される印刷等にUV硬化インクとして色んな分野に使われている。また、最近ではインクジェットの分野でも、高速で乾燥不要な印刷方法として普及してきた。
また、UV光源も従来の高圧水銀灯、低圧水銀灯の他に光の波長365nmの発光ダイオード(LED)が実用されつつあり、大きな発展を遂げようとしている。
UV印刷インク、紫外線硬化インクでは、高速化、乾燥なしを特徴と生かすために溶媒を使用せず、光重合/架橋性のモノマー/オリゴマー/ポリマーと光開始剤を基本材料とする硬化システムが実用化されている。しかしながら、近年の環境意識の高まりとともに、水を溶媒に用いて感作性等が懸念される光重合/架橋性のモノマー/オリゴマーの使用量を減らした水性の光硬化システムの必要性が高まっており、様々な提案がされている。しかしながら、ほとんどの光開始剤は油溶性のものであり、水溶性が足らず、十分な感度が得られていない。
それを克服するために、水溶性の光開始剤もいろいろ提案されている。ヒドロキシエトキシ基を2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、またはベンゾフェノンに導入した光開始剤(例えば、特許文献1参照)、ポリアルキレンオキシド基をα位に置換したアルキルフェノン誘導体(例えば、特許文献2参照)、ハロメチル−1,3,5−トリアジン陰イオンの光重合開始剤(例えば、特許文献3参照)、シクロアルカノール構造を有する水溶性光開始剤(例えば、特許文献4参照)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンのエチレンオキシド付加物(例えば、特許文献5参照)等が開示されている。
しかしながら、高圧水銀灯のメイン発光であり、LEDの発光波長でもあるλ365nmの光吸収が少ないためにいずれの光源を用いても硬化が不十分になってしまい、高速印刷を行えなかった。λ365nmの光吸収の高く水溶性の高い光開始剤として、アシル水溶性ホスフィン化合物が記載されている(例えば、特許文献6参照)が、アシル水溶性ホスフィン化合物はλ420nmまで光吸収があるために蛍光灯下でも硬化してしまい、光重合/架橋性組成物として取り扱いが難しく、更にエームズ試験が陽性等安全性で懸念があるため、広く用いることができなかった。
特開平6−228218号公報 特開2003−192712号公報 特開2001−525887号公報 特開2000−273110号公報 特開2000−186242号公報 特開2005−307199号公報
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、硬化性、耐擦過性に優れ、インクジェットインクとして用いたとき、インク出射性に優れる紫外線硬化インク、及びそれを用いた画像記録方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.少なくとも水、水溶性溶媒、エチレン性不飽和基を有する化合物、及び光開始剤として下記一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物または下記一般式(2)で表されるチオキサントン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化インク。
Figure 2008280427
(一般式(1)、(2)中、W1、W2、W3、W4は置換基を表す。Xはアルキレン基を表す。m、nは0以上の整数、p、qは2以上の自然数を表す。)
2.前記一般式(1)、(2)において、アルキレン基の隣り合う炭素それぞれに少なくとも1つの−OHを有することを特徴とする前記1に記載の紫外線硬化インク。
3.下記一般式(3)で表される光開始剤を更に含有することを特徴とする前記1または2に記載の紫外線硬化インク。
Figure 2008280427
(一般式(3)中、Vは水素原子または置換基を表す。R1、R2は各々水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。)
4.前記エチレン性不飽和基を有する化合物の少なくとも1つが分子量6000以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化インク。
5.前記エチレン性不飽和基を有する化合物の少なくとも1つが親水性主鎖に複数の側鎖を有し、側鎖にエチレン性不飽和基を有する高分子化合物であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の紫外線硬化インク。
6.前記1〜6のいずれか1項に記載の紫外線硬化インクを記録媒体上に記録後、紫外線を照射し、画像を形成することを特徴とする画像記録方法。
7.前記紫外線の光源として、λ365nmの中心発光波長を有するLEDを用いることを特徴とする前記6に記載の画像記録方法。
本発明により、硬化性、耐擦過性に優れ、インクジェットインクとして用いたとき、インク出射性に優れる紫外線硬化インク、及びそれを用いた画像記録方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
本発明は、少なくとも水、水溶性溶媒、エチレン性不飽和基を有する化合物、及び光開始剤として前記一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物または前記一般式(2)で表されるチオキサントン化合物を含有する紫外線硬化インクに関する。エチレン性不飽和基を有する化合物としては、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、側鎖にエチレン性不飽和基を有する高分子化合物(以下、活性エネルギー線架橋性高分子化合物と称する。)であることが好ましい。更に、前記一般式(3)で表される光開始剤を併用することも好ましい。
本発明の紫外線硬化インクは少ない光量で硬化させることができる結果、高速に印刷しても、液の滲み、液のよれによる画質の低下を来すことはない。
何故、本発明のインクを用いると画質が向上するのか明確ではないが、水溶性のエチレン性不飽和結合を有する化合物の分子内には、カルボン酸、水酸基など水素結合を形成できる部位が存在し、その部位と一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物、または一般式(2)で表されるチオキサントン化合物の2つの水酸基が水素結合で固定され、紫外線照射によって生じるラジカルが、速やかに反応部位のエチレン性不飽和結合部に移動できることが原因ではないかを考えている。
前記一般式(1)、(2)において、W1、W2、W3、W4は置換基を表す。具体的には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基)、アルケニル基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基)、カルボキル基、水酸基が挙げられる。
Xはアルキレン基を表し、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等を表す。このXと2つ以上の水酸基で構成させる好ましい基とは、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2,4−ジヒドロキシブチル、またはグルコブチル基等が挙げられる。更に好ましくは、アルキレン基の隣り合う炭素それぞれに少なくとも1つの−OHを有する場合であり、2,3−ジヒドロキシプロピル基、グルコブチル基等が挙げられる。
m、nは0以上の整数、p、qは2以上の自然数を表す。
以下、一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物、前記一般式(2)で表されるチオキサントン化合物の具体的化合物を示す。
Figure 2008280427
Figure 2008280427
前記一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物、前記一般式(2)で表されるチオキサントン化合物とともに、前記一般式(3)で表される光開始剤を用いると更に高感度で用いることができる。
前記一般式(3)において、R1、R2は各々水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。Vは水素原子または置換基を表し、置換基としてはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基)アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基)が用いることができるが、好ましくはVの末端等に水溶性基を設けて、水溶性にしたものである。好ましいVで表される置換基は、ヒドロキシエトキシ基、ヒドロキシブトキシ基、カルボキシエトキシ基、カルボキシブトキシ基、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基等である。
1、R2は各々水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、互いに結合して環を形成していてもよく、環形成としてはシクロヘキサン環を形成する光開始剤が好ましい。
何故、一般式(3)で表される光開始剤を用いれば感度が得られるかについては、従来から知られているエネルギー移動による効果とともに、α位にある水酸基がエチレン性不飽和基を有する化合物中に存在するカルボン酸、水酸基、アミド基等の水素結合させる基と水素結合を形成して、固定化されるためベンゾフェノン化合物、チオキサントン化合物と一般式(3)で表される光開始剤との間で、更にエネルギー移動が起きやすくなったためと考えている。
本発明で用いるベンゾフェノン化合物、チオキサントン化合物の量は紫外線硬化インク中0.1〜10%であり、好ましくは0.3〜5%である。この範囲ならば、インク出射性を損なわずに紫外線硬化インクでも十分に硬化させることができる。
更に好ましくは、ベンゾフェノン化合物、チオキサントン化合物と一般式(3)で表される光開始剤の組み合わせの場合は、加えた量がインク全体の0.1%から10%の範囲内で、ベンゾフェノン化合物、チオキサントン化合物に対して、一般式(3)で表される光開始剤が0.5〜5%の範囲で用いることができる。この範囲で組み合わせて用いることにより、更に本発明の性能を発揮することができる。
本発明に係る光開始剤とともに用いるエチレン性不飽和基を有する化合物の溶解性は水溶性が好ましいが、水溶性でなくても少量ならば水性の重合性組成物に溶解するため、化合物としては特に制限されない。エチレン性不飽和基を有する化合物のイオン性は、本発明に係る光開始剤がアニオン性なので、光重合/架橋性組成物中での凝集を引き起こさないためにノニオン性、アニオン性が好ましいが、カチオン性の化合物でも凝集を起こさない量ならば用いることができる。
《エチレン性不飽和基を有する化合物》
エチレン性不飽和基を有する化合物とは、化合物中に1個以上のエチレン性不飽和基を持つ化合物である。具体的にはスチレン基、アクリル基、メタクリル基、アリル基、クロトン酸基、マレイン酸基、イタコン酸基を少なくとも1つ以上分子中に有する化合物を言う。好ましくはアクリル基、メタクリル基を1つ以上分子中に有する化合物である。
スチレン基を有する化合物の例をしては、スチレン、スチレンスルホン酸が挙げられる。
アクリル基、メタクリル基(以後、2つあわせて(メタ)アクリル基を記する)の例をしては、以下が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノまたはジ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールのモノ、ジまたはトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有するポリオールポリ(メタ)アクリレート。エチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、及びプロピレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート。ヘキサンジオール、ノナンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、トリシクロデカンジメチロール及びジペンタエリスリトール等のポリオールのエチレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート。
(メタ)アクリロニトリル並びにビニルアセテート、カチオン性不飽和化合物としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩。
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩。
エチレン性不飽和基を有する化合物は、オリゴマーまたは重合体でもよい。イオン性基としては、カルボキシル基及びスルホン酸等の酸性基の塩、並びにアルキレンオキサイド基、水酸基等が挙げられる。
より具体的には、(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体であるカルボキシル基含有共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させて得られる重合体及びその塩、脂肪酸及びアルキレングリコールモノグリシジルエーテルのエステルに(メタ)アクリル酸を付加させたもの、末端にエチレン性二重結合を持ちアルコール部分にポリアルキレンオキシドを用いたポリウレタン(メタ)アクリレートまたはポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートを連結基で介して結合されたポリビニルアルコールポリマー等が挙げられる。
ポリウレタン(メタ)アクリレートの例をしては、多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールやエチレングリコールアジペート、ブタンジオールアジペート、ブタンジオールフタレート及びヘキサンジオールフタレート等のポリエステルジオールが挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及び水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、ポリエステル型の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応物を挙げることができる。
ポリエステル型の多価アルコールとしては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びトリメリット酸等の多塩基酸、並びにその無水物等が挙げられる。アルコール成分としては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド、またはプロピレンオキサイド付加物のトリオール、グリセリンのエチレンオキサイド、またはプロピレンオキサイド付加物のトリオール、及びペンタエリスリトールのエチレンオキサイド、またはプロピレンオキサイド付加物のテトラオール等を反応させたポリエステルアルコール等が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有する化合物は1種でもよいが、2種以上を併用して使用することもできる。
(メタ)アクリレートを連結基を介して結合されたポリビニルアルコールポリマーの例としては、特開2000−181062号公報、特開2004−189841号公報記載のように、メタ(アクリル基)を末端に他の末端にアルデヒド基を持つ化合物をポリビニルアルコールの水酸基にアセタール化して結合したポリマーが挙げられる。例えば、特開2000−181062号公報、特開2004−189841号公報に示される下記一般式(4)で表される樹脂(ノニオン性)が反応性の観点から好ましい。
Figure 2008280427
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−、Yは芳香族環または単結合、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(5)で表される変性基(ノニオン性)を従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2008280427
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
エチレン性不飽和基を有する化合物の内、好ましくは分子量6000以上であり、更に好ましくは親水性主鎖に複数の側鎖を有し、側鎖にエチレン性不飽和基を有する高分子で分子量6000以上のものが好ましい。分子量6000以上が好ましい理由としては、分子量が6000以上になるとビーディング、ブリードが効率的に防止できるからである。
そのメカニズムは推測の域を出ないが、分子量6000以上大きくなると分子内にあるエチレン不飽和基が極一部重合/架橋しても、飛躍的に分子量が増大するために見かけの粘度が増大し、ビーディングやブリードが短時間で抑えられると考えている。
更に好ましくは、側鎖にエチレン性不飽和基を有する高分子である。その理由としては、側鎖に複数の架橋基があるため側鎖間で2箇所の結合が起きれば、立体的に固定されてしまうために、更に短時間で硬化できるためと考えている。
本発明の紫外線硬化インクに用いるエチレン性不飽和基を有する化合物の量は、硬化できる量であるならば特に制限されない。
《光開始剤、光増感剤》
本発明においては、本発明に係る光開始剤の他に必要に応じて他の光開始剤や光増感剤を添加してもよい。
添加してもよい他の光開始剤としては下記が挙げられる。
1)ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、及びそれらの塩
2)チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、及びそれらの塩
3)エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類
4)アセトフェノン類
5)ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類
6)2,4,6−トリハロメチルトリアジン類。
7)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類
8)ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類。
9)9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体
10)ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
11)4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、及びこれらのエチレンオキシド付加物。
また、インクに加える形態は必要に応じて溶解物、または分散物として加えることができる。
光増感剤の例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
(光源)
紫外線光源として、光波長300〜370nmにかけての発光があれば特に制限されない。具体的には、低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知のものが用いられる。しかしながら、本発明に係る光開始剤の性能を最大限発揮することから、光波長365nmの発光強度が高いほうが好ましく、その観点から発光波長365nmのLEDが好ましい。
《色剤》
本発明の紫外線硬化インクに用いられる色剤としては、インクジェットで公知の各種染料または顔料を用いることができる。しかしながら、紫外線を照射すること、画像保存性の観点から顔料を使用することが好ましい。
〈染料〉
本発明で用いることのできる染料としては特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。この中では、アニオン性染料が好ましい。
〈水溶性染料〉
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物を以下に示す。但し、これら例示した化合物に限定されるものではない。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126。
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95。
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169
〈C.I.ベイシックイエロー〉
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91
〈C.I.ベイシックオレンジ〉
2、21、22
〈C.I.ベイシックレッド〉
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109
〈C.I.ベイシックバイオレット〉
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39。
〈C.I.ベイシックブルー〉
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151
〈C.I.ベイシックグリーン〉
1、4
〈C.I.ベイシックブラウン〉

〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235。
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38。
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39
〈C.I.フードブラック〉
1、2。
〈顔料〉
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられるが、アニオン性顔料が好ましい。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
〈分散剤〉
上記顔料をインク中に安定に分散するための水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。
水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような水溶性樹脂である。
水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは0.3〜5質量%である。
これらの水溶性樹脂は2種以上併用することも可能である。
〈アニオン性顔料〉
本発明に用いられるアニオン性顔料の形態としては、上記顔料をアニオン性高分子分散剤により分散された顔料、またはアニオン変性自己分散顔料であることが分散安定性の点から好ましい。
アニオン性高分子分散剤とは分子内に酸性基を有しており、これを塩基性化合物により中和して得られるアニオン性基を有した分散剤を指す。この時に用いる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等のアミン類が挙げられるが、本発明においてはアミン類が特に好ましい。
本発明に好ましく用いられるアニオン性高分子分散剤としては、分子量が1000以上であれば特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸や、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩等の共重合体あるいは樹脂が、例えば、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸の官能性を持つホモポリマー、コポリマー、ターポリマーを含むものである。
酸の官能性を与えるモノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、ビニル酢酸、アクリルオキシプロピオン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸及びビニルスルホン酸等である。
本発明に好ましく用いられるアニオン変性自己分散顔料とは、表面にアニオン性基を有し、分散剤なしで分散が可能な顔料を指す。アニオン性の自己分散顔料は顔料に酸性基が修飾されており、これを塩基性化合物により中和しアニオン性基として、分散剤が無くとも水への分散を可能とした顔料を指す。
表面に酸性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接酸性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接に、またはジョイントを介して酸性基が結合しているものを言う。
酸性基(極性基とも言う)としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基、硼酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくはスルホン酸基である。
酸性基の修飾剤としては、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸、スルホン化ピリジン塩、スルファミン酸等の硫黄原子を含有する処理剤、顔料粒子表面を酸化させてカルボン酸基を導入する次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウム等のカルボキシル化剤が挙げられる。中でも、三酸化硫黄,スルホン化ピリジン塩またはスルファミン酸等のスルホン化剤、もしくはカルボキシル化剤が好ましい。
酸性基を中和する塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等のアミン類が挙げられるが、本発明においてはアミン類が特に好ましい。
表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、例えば、国際公開第97/48769号パンフレット、特開平10−110129号、同11−246807号、同11−57458号、同11−189739号、同11−323232号、特開2000−265094号の各公報等に記載の顔料粒子表面を適当な酸化剤で酸化させることにより、顔料表面の少なくとも一部にスルホン酸基、もしくはその塩と言った極性基を導入する方法が挙げられる。
具体的にはカーボンブラックを濃硝酸で酸化したり、カラー顔料の場合はスルフォランやN−メチル−2−ピロリドン中で、スルファミン酸、スルフォン化ピリジン塩、アミド硫酸等で酸化することにより調製することができる。これらの反応で酸化が進みすぎ、水溶性となってしまったものは除去、精製することにより、顔料分散体を得ることができる。また、酸化によりスルフォン酸基を表面に導入した場合は、酸性基を必要に応じて塩基性化合物を用いて中和してもよい。
その他の方法としては、特開平11−49974号、特開2000−273383号、同2000−303014号の各公報等に記載の顔料誘導体をミリング等の処理で顔料粒子表面に吸着させる方法、特開2002−179977号、同2002−201401号の各公報に記載の顔料を顔料誘導体と共に溶媒で溶解した後、貧溶媒中で晶析させる方法等を挙げることができ、いずれの方法でも容易に表面に極性基を有する顔料粒子を得ることができる。
本発明の紫外線硬化インクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下がより好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
本発明の紫外線硬化インクに用いる水に分散あるいは溶解可能な色剤の含有量は、インク全質量に対して1〜10質量%であるのが好ましい。
《水溶性溶媒》
本発明に係る溶媒としては水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。
好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
〈界面活性剤〉
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることができ、特にアニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
〈各種添加剤〉
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば、蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
〈記録用紙〉
紙には塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙等を挙げることができる。
非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙等を挙げることができる。更に詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編等に詳細に記載されている。
普通紙とは非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。
上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙製)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)、OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙製)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙製)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙製)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙製)、しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙製)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ製)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ製)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
〈各種フィルム〉
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム等がある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙等も使用できる。
〈各種インクジェット用記録媒体〉
各種インクジェット用記録媒体としては、基材に吸収性支持体や非吸収性支持体を用いて、表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は2次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
近年は、紙基材の両面をオレフィン樹脂で被覆したRCペーパーを用いて上記微細空隙層を設けたインクジェット記録媒体が、写真画像の記録媒体として好んで用いられている。
(活性エネルギー線架橋性高分子化合物の合成法)
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、80度の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度500、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをポリビニルアルコールに対して変性率が3モル%になるように加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え1時間攪拌した。
その後、イオン交換樹脂をろ過し、イオン交換水にて希釈して濃度10%の活性エネルギー線架橋性高分子化合物(A)を得た。また、重合度300、ケン化率98%のポリ酢酸ビニルケン化物を用いた他は同様にして、濃度10%の活性エネルギー線架橋性高分子化合物(B)を得た。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り質量%を表す。
実施例1(UV印刷インクの例)
(ブラック顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、イオン交換水で希釈してブラック顔料の含有量が15%のブラック顔料分散液を調製した。このブラック顔料分散液に含まれるブラック顔料粒子の平均粒径は138nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
カーボンブラック 15部
高分子分散剤(スチレン/アクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、Tg70℃、数平均分子量10500)
4部
グリセリン 18部
イオン交換水を加えて、100部とした。
《ブラック印刷インク1−1〜1−8の調製》
表1に記載の光開始剤を用いて、下記組成のブラック印刷インク1−1〜1−8を調製した。
ブラック顔料分散液 30部
A−400(新中村化学製) 20部
TO−1343(東亞合成製、アクリロイル基を2個以上有する水溶性ポリエステル系アクリルオリゴマー) 5部
ジョンクリル537J(ジョンソンポリマー製、固形分濃度46%) 8部
一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物または一般式(2)で表されるチオキサントン化合物 2部
一般式(1)で表される化合物 0部または2部
ジエチレングリコール 20部
純水を加えて100部とし、超音波分散を行った後、0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、ブラック印刷インク1−1〜1−8を得た。
《ブラック印刷インク2−1〜2−8の調製》
表2に記載の光開始剤を用いて、下記組成のブラック印刷インク2−1〜2−8を調製した。
ブラック顔料分散液 30部
活性エネルギー線架橋性高分子化合物(A)(重合度500、変性率3%、濃度10%) 45部
ジョンクリル537J(ジョンソンポリマー製、固形分濃度46%) 8部
一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物または一般式(2)で表されるチオキサントン化合物 2部
一般式(1)で表される化合物 0部または2部
ジエチレングリコール 15部
純水を加えて100部とし、超音波分散を行った後、0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、ブラック印刷インク2−1〜2−8を得た。
〔評価〕
(硬化性)
アート紙上に得られた組成物をワイヤーバーを用いてWet膜厚10μmで塗布し、λ365nmのLEDランプ(日亜化学工業製)で100mJ/cm2の光量になるように照射し、照射後の状態を目視で観察した。
○:流動性がない
△:一部に流動性がある
×:流動性がある。
(耐擦過性)
硬化性評価に用いた各ベタ画像をドライヤーにより1分間温風乾燥した後、24時間自然乾燥し、プラスチック消しゴムで印字部を5回こすり、濃度低下の程度で耐擦過性の評価を行った。
◎:色落ちが全くなし
○:若干の色落ちは見られるが、画像としては気にならない
△:色落ちが確認でき、画質が低下
×:色落ちが大きく、画質への影響が大。
Figure 2008280427
Figure 2008280427
この結果、本発明のインクを用いると、黒インクも硬化することができるとともに、耐擦過性も優れることが分かる。
実施例2(インクジェットインクの例)
(ブラック顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、水で希釈してブラック顔料の含有量が15%のブラック顔料分散液を調製した。このブラック顔料分散液に含まれるブラック顔料粒子の平均粒径は106nmであった。なお、粒径測定はマルバーン製ゼータサイザ1000HSにより行った。
カーボンブラック 15部
高分子分散剤(スチレン/アクリル酸/2−エチルヘキシルアクリレート/2−ヒドロキシエチルメタアクリレートの共重合体、重量平均分子量12500、ガラス転移点75℃) 4部
グリセリン 15部
イオン交換水を加えて、100部とした。
《ブラックインクジェットインク3−1〜3−8の調製》
表3に記載の光開始剤を用いて、下記組成のブラックインクジェットインク3−1〜3−8を調製した。
ブラック顔料分散液 20部
A−400(新中村化学製) 10部
TO−1343(東亞合成製、アクリロイル基を2個以上有する水溶性ポリエステル系アクリルオリゴマー) 5部
ジエチレングリコール 20部
一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物または一般式(2)で表されるチオキサントン化合物 0.7部
一般式(1)で表される化合物 0部または0.8部
オルフィンE1010(日信化学製) 0.3部
純水を加えて100部とし、超音波分散を行った後、0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、ブラックインクジェットインク3−1〜3−8を得た。
《ブラックインクジェットインク4−1〜4−8の調製》
表4に記載の光開始剤を用いて、下記組成のブラックインクジェットインク4−1〜4−8を調製した。
ブラック顔料分散液 20部
活性エネルギー線架橋性高分子化合物(B)(重合度300、変性率3%、濃度10%) 30部
ジエチレングリコール 20部
一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物または一般式(2)で表されるチオキサントン化合物 0.7部
一般式(1)で表される化合物 0部または0.8部
オルフィンE1010(日信化学製) 0.3部
純水を加えて100部とし、超音波分散を行った後、0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、ブラックインクジェットインク4−1〜4−8を得た。
《ブラックインクジェットインク5−1〜5−8の調製》
表5に記載の光開始剤を用いて、下記組成のブラックインクジェットインク5−1〜5−8を調製した。
ブラック顔料分散液 20部
活性エネルギー線架橋性高分子化合物(A)(重合度500、変性率3%、濃度10%) 30部
ジエチレングリコール 20部
一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物または一般式(2)で表されるチオキサントン化合物 0.7部
一般式(1)で表される化合物 0部または0.8部
オルフィンE1010(日信化学製) 0.3部
純水を加えて100部とし、超音波分散を行った後、0.8μmのメンブランフィルターでろ過し、ブラックインクジェットインク5−1〜5−8を得た。
〔画像形成〕
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(dpiは2.54cmあたりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを搭載し、ピエゾ型ヘッドの両端に発光波長365nmのLED(日亜化学製)を配置し、最大記録密度が720×720dpiであるオンデマンド型インクジェットプリンターを用意した。光量110mJ/cm2になるように照射しながら、アート紙上に黒のベタ画像を作成し、ドライヤーにより1分間温風乾燥した後、24時間自然乾燥した。
〔画像評価〕
(出射性)
上記、インクジェット画像の形成条件により、40℃、30%RH、及び20℃、70%RHの環境下でそれぞれアート紙に線画、及びベタ画像を間隔を空けて、連続9枚プリントを行い、10分間印字を停止した後、10枚目のプリントを行った。10枚目のプリント時のノズルの出射状態を目視観察し、下記の基準によりインク出射安定性の評価を行った。
◎:全ノズル共に出射状態に変化が見られない
○:1、2個数%のノズルで斜め出射が見られるが、インク欠がない
△:インク欠が3〜10個数%未満のノズルで発生
×:インク欠が10個数%以上のノズルで発生。
(硬化性)
実施例1と同様に行った。
(耐擦過性)
実施例1と同様に行った。
Figure 2008280427
Figure 2008280427
Figure 2008280427
表3、4、5より、本発明の紫外線硬化インクを用いればインク出射性が良好で、硬化性、耐擦過性の良好な画像が得られることが分かる。
実施例3
本実施例は、本発明に係るインクジェットインクに適するエチレン性不飽和基を有する化合物を示すことにある。
実施例1のブラック顔料分散液(濃度15%)を用い、表6の組成のブラックインク1〜8を調製した。表6に使用する材料は以下の通りである。
Figure 2008280427
A−400:新中村化学製、ポリエチレンオキシドジアクリレート、分子量500
A−900:新中村化学製、ポリエチレンオキシドジアクリレート、分子量1000
A−Gly−9E:新中村化学製、エトキシ化グリセリントリアクリレート、分子量5000
A−Gly−20E:新中村化学製、エトキシ化グリセリントリアクリレート、分子量10000
アクリル基含有PVA:アクリル基含有ポリビニルアルコール
UA−W2A:新中村化学製、水溶性ウレタンアクリレートオリゴマー
DEG:ジエチレングリコール
オルフィンE−1010:日信化学製。
評価は実施例2に記載の方法と同じ方法を用いて行った。結果を表7に示す。
Figure 2008280427
表7より、本発明のインクジェットインクに用いるエチレン性不飽和基を有する化合物は、分子量6000を超えると硬化性が向上するとともに、更に側鎖にエチレン性不飽和基を有する高分子を用いると、更に一段と硬化性が向上することが分かる。

Claims (7)

  1. 少なくとも水、水溶性溶媒、エチレン性不飽和基を有する化合物、及び光開始剤として下記一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物または下記一般式(2)で表されるチオキサントン化合物を含有することを特徴とする紫外線硬化インク。
    Figure 2008280427
    (一般式(1)、(2)中、W1、W2、W3、W4は置換基を表す。Xはアルキレン基を表す。m、nは0以上の整数、p、qは2以上の自然数を表す。)
  2. 前記一般式(1)、(2)において、アルキレン基の隣り合う炭素それぞれに少なくとも1つの−OHを有することを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化インク。
  3. 下記一般式(3)で表される光開始剤を更に含有することを特徴とする請求項1または2に記載の紫外線硬化インク。
    Figure 2008280427
    (一般式(3)中、Vは水素原子または置換基を表す。R1、R2は各々水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、互いに結合して環を形成していてもよい。)
  4. 前記エチレン性不飽和基を有する化合物の少なくとも1つが分子量6000以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線硬化インク。
  5. 前記エチレン性不飽和基を有する化合物の少なくとも1つが親水性主鎖に複数の側鎖を有し、側鎖にエチレン性不飽和基を有する高分子化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外線硬化インク。
  6. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の紫外線硬化インクを記録媒体上に記録後、紫外線を照射し、画像を形成することを特徴とする画像記録方法。
  7. 前記紫外線の光源として、λ365nmの中心発光波長を有するLEDを用いることを特徴とする請求項6に記載の画像記録方法。
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