JP2007136707A - インクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像記録速度の異なる複数の記録モードにより画像を形成しても、カラーブリード、画像光沢及び記録媒体との光沢違和感の少ない、色再現性に優れた画像を安定して得られるインクジェット記録方法を提供することにある。
【解決手段】インクジェットインクとインクジェット記録装置を用いるインクジェット記録方法において、前記インクジェットインクは少なくとも色剤と、水と、紫外線で架橋結合可能な高分子化合物とを含有し、前記インクジェット記録装置は画像を形成する手段と、紫外線を照射する手段とを有し、かつ、画像記録速度の異なる複数の記録モードを有し、前記画像記録速度に応じて照射する紫外線の照射条件を任意に変更可能であり、インクジェットインク液滴に照射するエネルギーが35〜350mJであることを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像記録速度の異なる複数の記録モードにより画像を形成しても、優れた画像を安定して得られるインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいてその性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。インクの吸収性があまりない印刷用コート紙やアート紙、または吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こす、いわゆるブリード等の課題があり、インクジェットに対して記録媒体の多様性をもたせる上で課題となっていた。
上記の課題において、紫外線を露光することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(特許文献1参照)。また、顔料が必須に含有され、かつ重合性材料として三官能以上のポリアクリレートが必須とされ、かつ、ケトン、アルコールを主溶剤とするいわゆる非水系インクが提案されている(特許文献2参照)。また、水系の紫外線重合モノマーを用いたインクが提案されている(特許文献3参照)。
これらの方法では、インク自身を硬化成分により硬化させるため、非吸収性の媒体に対しても記録が可能となったが、色剤以外の硬化成分を多量に含有し、かつ揮発しないため記録面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせた。
上記光沢違和感は、カラーブリードが問題にならない程度までに紫外線を照射するタイミングを遅延することにより、インク液滴レベリングを起こし凹凸感が緩和されると共に、インクドットの広がりを制御せしめ色再現性を向上させることも可能となった。すなわち、形成する画像特性を調整するには、インク出射から紫外線照射までのタイミング、及び照射強度を最適な条件に調整することが有効であるといえる。
しかしながら、従来提案されているインクでは、上記方法により画像部の光沢違和感を改善したとしても、インクの盛り上がりに起因する基材表面と画像部との違和感は改善されなかった。
米国特許第4,228,438号明細書 特公平5−64667号公報 特開平7−224241号公報
本発明は、画像記録速度の異なる複数の記録モードにより画像を形成しても、カラーブリード、画像光沢及び記録媒体との光沢違和感の少ない、色再現性に優れた画像を安定して得られるインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成された。
1.インクジェットインクを、インクジェット記録装置を用いて記録媒体上に出射して画像を形成するインクジェット記録方法において、前記インクジェットインクは少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、紫外線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有し、前記インクジェット記録装置はインクジェットヘッドにより記録媒体上に前記インクジェットインクを出射して画像を形成する手段と、記録画像に紫外線を照射する手段とを有し、かつ、画像記録速度の異なる複数の記録モードを有し、前記画像記録速度に応じて照射する紫外線の照射条件を任意に変更可能であり、インクジェットインク液滴に照射するエネルギーが35〜350mJであることを特徴とするインクジェット記録方法。
2.前記画像記録速度の異なる複数の記録モードは、記録媒体に対するインクジェットヘッドの相対速度、記録解像度、インターリーブ方式のパス数の少なくとも一つであることを特徴とする1に記載のインクジェット記録方法。
3.前記紫外線の照射条件を制御する手段が、紫外線の照射範囲を変更する手段、または紫外線の強度を変更する手段の少なくとも一つであることを特徴とする1または2に記載のインクジェット記録方法。
4.記録媒体の単位面積当たりに照射される紫外線の積算エネルギー量を一定に制御することを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、画像記録速度の異なる複数の記録モードにより画像を形成しても、カラーブリード、画像光沢及び記録媒体との光沢違和感の少ない、色再現性に優れた画像を安定して得られるインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明者は上記課題に対し、少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、紫外線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクジェットインクを用い、照射条件を最適な条件にすることで上記課題を解決するに至った。
以下、最適な条件についてインクジェット記録ヘッドを搭載したキャリッジの両端に紫外線照射源を設置し、シリアルプリント方式で描画する場合を例に、図1を用いて説明する。
図1に記載のように、シリアルプリント方式で双方向で印刷を行い、計4パス(2往復)でインクジェット画像を形成する際、最終の4パス目で記録媒体のインクが着弾した箇所の状況としては、以下のケースが生じる。
1)記録媒体表面そのままで、全く印字がなされていないインク面
2)同一走査内で出射された他のインク画像で、紫外線がまだ照射されていないインク面
3)紫外線が既に2回照射された画像を有するインク面
4)紫外線が既に4回照射された画像を有するインク面
5)紫外線が既に6回照射された画像を有するインク面
さらに、2)〜5)までの各ケースが重なり合った状態で、種々の状況の異なる画像が存在することになる。また、上記方法で4パス目の印字及び紫外線照射を行った画像においては、紫外線照射された回数として1〜7回と多岐にわたるインク印字部が混在して、画像を形成することになる。
以上は、双方向印刷で4パス(2往復)でインクジェット画像を形成する場合を例に説明したが、実際には、求める解像度、印字方法(双方向、片方向印字)あるいはパス数の違いにより、それに応じて生じるケースの数も異なってくる。例えば、片方向印刷でも、インターリーブが3で、12パスによる画像形成を行う場合には、インクが着弾した時点での記録媒体の状況としては、紫外線照射された回数としては0〜19回までのさまざまなインク画像が同時に存在することになる。
さらに、複数色の組合せがあることも考慮すると、そのケースの数も非常に多くなり、それぞれについて個々に最適条件を制御することが不可能になってくる。
一般に、インク液滴の着弾径は、下地となる記録媒体、またはインクの紫外線照射履歴に大きく依存するが、従来開示されている事例では、どのような紫外線照射履歴を有するインクを照準にして、最適条件を設定することが好ましい条件であるかという記載は、全くなされていない。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、紫外線により硬化可能なインクを、インクジェット記録ヘッドにより記録媒体上に出射してインクジェット画像を形成する手段と、該記録媒体上に形成されたインク画像に、紫外線を照射する手段とを有するインクジェット記録装置において、画像記録速度の異なる複数の記録モードを有し、かつ該インクに照射する紫外線の強度を任意に変更可能であるインクジェット記録装置を用い、画像記録速度に応じて、紫外線照射強度を任意に調整することにより、画像記録速度の異なる複数の記録モードにより画像形成しても、カラーブリード、光沢感及び色再現性に優れた画像を安定して得ることのできるインクジェット記録方法を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
さらに、画像記録速度は、記録媒体に対するインクジェットノズルの相対速度を変更する手段、解像度を変更する手段またはインターリーブ方式のパス数を変更する手段により設定すること、紫外線の照射強度を制御する手段が、紫外線の照射範囲を変更する手段、または紫外線の照度を変更する手段のいずれかであること、画像記録速度にかかわらず、記録媒体の単位面積当たりに照射される紫外線のエネルギー量をほぼ一定にする制御手段を有することにより、本発明の上記効果がより一層発揮できるものである。
以下本発明を詳細に説明する。
〔インクジェット記録方法〕
はじめに、本発明に用いられるインクジェット記録装置(以下、単に記録装置ともいう)について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、図面の記録装置はあくまでも本発明に用いられるインクジェット記録装置の一態様であり、本発明に用いられるインクジェット記録装置はこの図面に限定されない。
図2は、本発明に用いられるインクジェット記録装置で、シリアルプリント方式で用いる要部の構成を示す正面図である。インクジェット記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。このインクジェット記録装置1は、記録媒体Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録媒体Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録媒体Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図2における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録媒体Pの上側に設置され、記録媒体P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図2におけるY方向に往復自在な形態でインクジェット記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
なお、図2ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された紫外線硬化型インクを、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録媒体Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるインクは、紫外線の照射を受けることで増粘する性質を有する。
記録ヘッド3は記録媒体Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図2におけるY方向に記録媒体Pの他端まで移動するという走査の間に、記録媒体Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して紫外線硬化型インクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けて紫外線硬化型インクの吐出を行なった後、搬送手段で記録媒体Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図2における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対して紫外線硬化型インクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3から紫外線硬化型インクを吐出することにより、記録媒体P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましく、特に、本発明に係る照明手段4で用いる線源としては、適宜照射強度(mW)が調整できるものが好ましい。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によって紫外線硬化型インクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(紫外線照射インクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
また、本発明に係る紫外線照射方法として、全てのインクを記録媒体上に着弾させた後、二次露光を施して反応を促進する方法も有効な手段の一つである。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録媒体Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録媒体Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録媒体Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。また、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にするとさらに好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプまたはフィルターを交換することで適宜変更することができる。
以上のように、図2においては、シリアルプリント方式を例として説明したが、その他にも、図3に示すような各インクジェット印字方式のインクジェット記録装置を用いることができる。
図3において、図3の(a)は、記録ヘッド19を記録媒体20の幅手方向に配置し、記録媒体を搬送しながら印字及び照射手段24より紫外線を照射する方法(ラインヘッド方式)であり、図3の(b)は、記録ヘッド19が副走査方向に移動しながら印字し、さらに照射手段24より紫外線を照射する方法(フラットヘッド方式)であり、図3の(c)は、上記説明した記録ヘッド24が記録媒体上の幅手方向を走査しながら印字し、さらに両端に設けた照射手段24より紫外線を照射する方法(シリアルプリント方式)であり、いずれの方式も用いることができる。
本発明のインクジェット記録方法においては、紫外線により硬化可能なインクを、インクジェット記録ヘッドにより記録媒体上に出射してインクジェット画像を形成する手段と、該記録媒体上に形成されたインク画像に、紫外線を照射する手段とを有するインクジェット記録装置において、画像記録速度の異なる複数の記録モードを有し、かつ該インクに照射する紫外線の強度を任意に変更可能であることが特徴である。
通常、画像記録速度が変化することにより、単位時間当たり、あるいは単位面積当たりの紫外線の照射エネルギー量がそれに対応して変化するが、本発明においては、画像記録速度に応じて、最適の単位時間当たりの紫外線照射エネルギー量、あるいは単位面積当たりの紫外線照射エネルギー量を任意に制御することにより、安定した画像形成を行うことができ、その結果、カラーブリード、光沢感及び色再現性に優れた画像を安定して得ることのできるものである。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、画像記録速度を、記録媒体に対するインクジェットノズルの相対速度を変更する手段、記録解像度を変更する手段またはインターリーブ方式のパス数を変更する手段により設定することが好ましい。本発明においては、記録媒体に対する記録ヘッドに設けたインクジェットノズルとの相対速度を変更することにより、安定した画像形成を行うことができ、その結果、カラーブリード、光沢感及び色再現性に優れた画像を安定して得ることのできるものである。
上記方法は、前述のシリアルプリンター、ラインプリンター、ドラム方式、いずれの方式でも対応することができる。
また、インターリーブ方式のパス数を変更する方法としては、片方向での1パス画像記録を除き、シリアルプリンター、ラインプリンター、ドラム方式にて対応が可能である。シリアルプリント方式の場合は、片方向/双方向、解像度、インターリーブ数、キャリッジ速度を適宜調整することにより、所望の画像記録速度を変更することができる。画像記録速度の単位としては、単位時間当たりの最大描画面積(cm2/秒)として表すことができる。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、紫外線の照射強度を制御する手段が、紫外線の照射範囲を変更する手段、または紫外線の照度を変更する手段のいずれかであることが好ましい。
本発明でいう紫外線の照射強度は、mWで表すことができ、これは紫外線照射装置が、単位時間(1秒間)に記録媒体へ照射しうる実効紫外線エネルギーを表す。
本発明において、紫外線の照射エネルギーは、照射範囲を変更する、点灯する照射光源数を変化させる、あるいは照射光源への供給電力量を変化させる等の方法を適宜組み合わせることにより、所望の条件を設定することができる。
また、本発明のインクジェット記録方法においては、画像記録速度にかかわらず、記録媒体の単位面積当たりに照射される紫外線のエネルギー量をほぼ一定にする制御手段を有することが好ましい。
一般に、インクは着弾した後、紫外線の照射回数が増えると共に、その上に着弾するインクの濡れ性が変化する。シリアルプリント方式等で、パス数を増やしていくと、紫外線照射回数の差が大きくなるため、すでに形成された画像上に印字されたインクが、十分レベリングする領域と、レベリングせずに盛り上がったまま凹凸構造となって硬化してしまう箇所との差が大きくなる。
本発明においては、最も紫外線照射回数の多くなる箇所の紫外線照射量を記録速度によらず、ほぼ一定とすることによって、画質の均質化を行うことができるものである。紫外線照射量を一定にする目安としては、インク硬化後の表面エネルギー、インク液の表面張力や前進接触角等、目標とするレベリング性により一様ではないが、複数からなる画像記録モードのうち、基準となる一つの画像記録モードの最終的に与える単位面積当たりの照射エネルギーを100として、その他のモードを50〜250とすることが好ましく、より好ましくは70〜150である。50より小さい紫外線の照射エネルギー量では、レベリング性は良好となるものの、インク間での滲みが生じて画像が乱れ、その結果、解像力が劣化してしまう問題がある。一方、250より大きいと、形成した画像上に形成するインクのレベリングが不十分となるため、凹凸感、盛り上がり感の劣化や、光沢、彩度、色再現の劣化が生じるため好ましくない。
〔インクジェットインク〕
次に、本発明に用いられるインクジェットインクについて説明する。
本発明に用いられるインクジェットインクは少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、紫外線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有することが特徴である。
(紫外線架橋性高分子化合物)
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、紫外線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
色材のイオン性と前記高分子化合物の側鎖のイオン性の間には、好ましい組合せが存在する。色材にアニオン性を選択し、側鎖にはノニオン性またはアニオン性を組み合わせることで、画像堅牢性及びインクの保存性、連続出射性の観点で優れていることがわかった。側鎖としてはノニオン性が最も好ましい。理由は定かではないが、上記イオンの組合せの場合は、インク組成物の分解やインク組成物同士の会合等が少なくなり、このことが、上記効果に影響している可能性がある。
本発明に係る紫外線架橋性高分子化合物の親水性主鎖と側鎖の部分構造が下記一般式(A)で表されるものが好ましい。
一般式(A) Poly−{(X1m−〔B−(Y1np
式中、Polyは親水性主鎖を表す。ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体が好ましい。
{ }は側鎖を表す。側鎖中、X1は(p+1)価の連結基を表す。pは正の整数を表し、好ましくは1〜5の整数である。具体的には、p=1のとき、X1が2価の連結基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、イミノ基、エステル基、アミド基、スルホニル基等が挙げられ、また、これらが組み合わさって一つの2価以上の基を形成してもよい。またp=2以上のとき、後述する複数のB及びYは同一であっても異なっていてもよい。
1は、好ましくは、アルキレンオキシド、芳香族基が少なくとも組み合わさっている2価以上の連結基が挙げられる。
Bは、架橋基を表す。具体的には、二重結合、三重結合を含有する基であり、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、ジアゾ基、アジド基を表す。好ましくは、アクリル基、メタクリル基である。
1は、水素原子または置換基を表す。置換基とは具体的にはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンジル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル等)、アリール基(例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ブチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−トリルチオ等)、アルキルウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、メトキシエチルウレイド、ジメチルウレイド等)、アリールウレイド基(例えば、フェニルウレイド等)、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、2,2,2−トリフルオロエチルスルホンアミド等)、アリールスルホンアミド基(例えば、フェニルスルホンアミド、トリルスルホンアミド等)、アルキルアミノスルホニルアミノ基(例えば、メチルアミノスルホニルアミノ、エチルアミノスルホニルアミノ等)、アリールアミノスルホニルアミノ基(例えば、フェニルアミノスルホニルアミノ等)、ヒドロキシ基、複素環基(例えば、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル等)等が挙げられ、さらにこれらは置換基を有していてもよい。
mは、0または1を表す。
nは、0または1を表す。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、その重合度は200〜4000が好ましく、300〜1000がハンドリングの観点からより好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は0.6〜4モル%が好ましく、1〜3モル%が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
本発明に係る紫外線架橋性高分子化合物において、さらに好ましい構造としては、特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂で、これは、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(1)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造(ノニオン性)の側鎖、または、下記一般式(2)で表され4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造(ノニオン性)の側鎖を有する樹脂組成物である。
Figure 2007136707
また、下記一般式(3)で表される変性基(アニオン性)の側鎖も好ましく用いられる。
Figure 2007136707
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば特開2000−181062号公報、特開2004−189841号公報に示される下記一般式(4)で表される樹脂(ノニオン性)が反応性の観点から好ましい。
Figure 2007136707
式中、R2はMeまたはH、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−、Yは芳香族環または単結合、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(5)で表される変性基(ノニオン性)を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007136707
式中、R3はMeまたはHを表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
さらに、下記一般式(6)〜(8)で表される変性基(ノニオン性)も好ましく用いられる。
Figure 2007136707
このような紫外線架橋型の樹脂は、インク全質量に対して0.5〜5.0質量%含有することが好ましい。0.5質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディングやカラーブリードがより好ましくなる。5.0質量%以下の場合は、インク物性やインクヘッド内状態に悪影響しにくくなり、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
本発明に係る紫外線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する紫外線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の紫外線硬化型の樹脂においては架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に用いられる樹脂においては架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の紫外線硬化型インクが色剤以外のほぼ全量が硬化性分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる樹脂においては必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性もよい。
(光重合開始剤、増感剤)
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はないが、水溶性の物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(9)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007136707
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
(色剤)
本発明のインクジェットインクに用いられる色剤としては、インクジェットで公知の各種染料または顔料を用いることができるが、紫外線架橋型の樹脂の側鎖のイオン性との組合せからアニオン性であることが好ましい。
〈染料〉
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられ、好ましいのはアニオン性染料である。
〈水溶性染料〉
本発明で用いることのできるアニオン性の水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物を以下に示す。ただし、これら例示した化合物に限定されるものではない。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
〈顔料〉
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できるが、アニオン性顔料である。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
〈分散剤〉
上記顔料をインク中に安定に分散するための水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。
水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような水溶性樹脂である。
水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.3〜5質量%である。
これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
(アニオン性顔料)
本発明に用いられるアニオン性顔料の形態としては、上記顔料をアニオン性高分子分散剤により分散された顔料、またはアニオン変性自己分散顔料であることが分散安定性の点から好ましい。
アニオン性高分子分散剤とは、分子内に酸性基を有しており、これを塩基性化合物により中和して得られるアニオン性基を有した分散剤を指す。この時に用いる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等のアミン類が挙げられるが、本発明においてはアミン類が特に好ましい。
本発明に好まし用いられるアニオン性高分子分散剤としては、分子量が1000以上であれば特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸や、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等の酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩等の共重合体あるいは樹脂が、例えば、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸の官能性を持つホモポリマー、コポリマー、ターポリマーを含むものである。酸の官能性を与えるモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、ビニル酢酸、アクリルオキシプロピオン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸及びビニルスルホン酸等である。
本発明に好ましく用いられるアニオン変性自己分散顔料とは、表面にアニオン性基を有し、分散剤なしで分散が可能な顔料を指す。アニオン性の自己分散顔料は、顔料に酸性基が修飾されており、これを塩基性化合物により中和しアニオン性基として、分散剤がなくとも水への分散を可能とした顔料を指す。
表面に酸性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接酸性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接にまたはジョイントを介して酸性基が結合しているものをいう。
酸性基(極性基ともいう)としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、さらに好ましくは、スルホン酸基である。
酸性基の修飾剤としては、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸、スルホン化ピリジン塩、スルファミン酸等の硫黄原子を含有する処理剤、顔料粒子表面を酸化させてカルボン酸基を導入する次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウム等のカルボキシル化剤が挙げられる。中でも、三酸化硫黄,スルホン化ピリジン塩またはスルファミン酸等のスルホン化剤、もしくはカルボキシル化剤が好ましい。酸性基を中和する塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等のアミン類が挙げられるが、本発明においてはアミン類が特に好ましい。
表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、例えば、国際公開第97/48769号パンフレット、特開平10−110129号公報、同11−246807号公報、同11−57458号公報、同11−189739号公報、同11−323232号公報、特開2000−265094公報等に記載の顔料粒子表面を適当な酸化剤で酸化させることにより、顔料表面の少なくとも一部に、スルホン酸基もしくはその塩といった極性基を導入する方法が挙げられる。具体的には、カーボンブラックを濃硝酸で酸化したり、カラー顔料の場合は、スルフォランやN−メチル−2−ピロリドン中で、スルファミン酸、スルフォン化ピリジン塩、アミド硫酸等で酸化することにより調製することができる。これらの反応で、酸化が進みすぎ、水溶性となってしまった物は除去、精製することにより、顔料分散体を得ることができる。また、酸化によりスルフォン酸基を表面に導入した場合は、酸性基を必要に応じて、塩基性化合物を用いて中和してもよい。
その他の方法としては、特開平11−49974号公報、特開2000−273383号公報、同2000−303014号公報等に記載の顔料誘導体をミリング等の処理で顔料粒子表面に吸着させる方法、特開2002−179977号公報、同2002−201401号公報に記載の顔料を顔料誘導体と共に溶媒で溶解した後、貧溶媒中で晶析させる方法等を挙げることができ、いずれの方法でも容易に、表面に極性基を有する顔料粒子を得ることができる。
本発明においては、極性基は、フリーでも塩の状態でもよいし、あるいはカウンター塩を有していてもよい。カウンター塩としては、例えば、無機塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ニッケル、アンモニウム)、有機塩(トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ピリジニウム、トリエタノールアンモニウム等)が挙げられ、好ましくは1価の価数を有するカウンター塩である。
本発明に用いられるインクジェットインクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10〜200nmであることが好ましく、10〜150nmがより好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり、また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができる。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
本発明に用いられるインクジェットインクに用いる水に分散あるいは溶解可能な色剤の含有量は、インク全質量に対して、1〜10質量%であるのが好ましい。
〈水溶性溶媒〉
本発明に係る溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒がさらに好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
(界面活性剤)
本発明に用いられるインクジェットインクに好ましく使用される界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることができる。
界面活性剤が電荷を持つことは、活性剤が本発明で用いる開始剤、側鎖間で架橋可能な高分子化合物へ作用して反応効率を落とすだけでなく、同様の理由でインク保存安定性を阻害する上で好ましくない。
このような問題は、本発明で用いる高分子化合物と開始剤を用いる構成上顕著であり、従来にはなかった課題である。
また、ノニオン性界面活性剤においては、逆にある特定の使用量で反応効率とインクの保存安定性を向上せしめる。この効果は本発明で用いる高分子化合物を用いる上で顕著であり、好ましい使用量はインク中に0.1〜3質量%、より好ましくは0.4〜1.5質量%である。
(各種添加剤)
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
〔記録媒体〕
本発明のインクジェット記録方法に用いられる記録媒体としては、特に限定されないが、記録用紙や各種フィルムを用いることができる。
(記録用紙)
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2当たりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2当たりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2当たりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙等を挙げることができる。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙等を挙げることができる。さらに詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編、等に詳細に記載されている。
普通紙とは、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
(各種フィルム)
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものは全て使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム等がある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙等も使用できる。
以下、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。
実施例
(高分子化合物1の合成)
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度300、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物40gと重合度500、ケン化率99%のポリ酢酸ビニルケン化物5gをイオン交換水230gに分散した後、この溶液にリン酸5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをポリ酢酸ビニルケン化物に対して変性率が3.2モル%になるように加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え1時間攪拌した。その後イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、請求項一般式(a)を15%水溶液100gに対して4.0gの割合で混合しその後イオン交換水にて希釈して10%の高分子化合物1の水溶液を得た。
なお、必要に応じてポリ酢酸ビニルケン化物の重合度、ケン化度を変え、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの仕込量を変えて変性率を調整した。
〔インクジェットインクの調製〕
(顔料分散液の調製)
Y、M、C、K各色顔料分散液を以下のように調製した。
〈Y顔料分散液〉
Cabot社製のイエロー自己分散物cabo−jet250をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のマゼンダ顔料分散液を調製した。得られたマゼンダ顔料分散液に含まれるマゼンダ顔料粒子の平均粒径は220nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
〈M顔料分散液〉
Cabot社製のマゼンダ自己分散物cabo−jet260をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のマゼンダ顔料分散液を調製した。得られたマゼンダ顔料分散液に含まれるのマゼンダ顔料粒子の平均粒径は181nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
〈C顔料分散液〉
Cabot社製のシアン自己分散物cabo−jet270をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のマゼンダ顔料分散液を調製した。得られたマゼンダ顔料分散液に含まれるのマゼンダ顔料粒子の平均粒径は153nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
〈ブラック顔料分散液〉
Cabot社製のカーボンブラック自己分散物cabo−jet300をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のブラック顔料分散液を調製した。得られたブラック顔料分散液に含まれるカーボンブラック粒子の平均粒径は111nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
(インクの調製)
インク、マゼンダ、シアン、ブラック各インクを以下のように調製した。
〈イエローインク1の調製〉
Y顔料分散液 30部
高分子化合物1 28部
2−ピロリドン 12部
エチレングリコール 20部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.6部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、イエローインク1を得た。
イエローインク1の調製において、Y顔料分散液を、M顔料分散液、C顔料分散液、ブラック顔料分散液に代え、それぞれマゼンダインク1、シアンインク1、ブラックインク1を得た。
(インクセット1の調製)
イエローインク1、マゼンダインク1、シアンインク1、ブラックインク1から構成されるインクセット1を調製した。
〔インクジェット画像の形成及び評価〕
図1に記載の構成からなるシリアルプリント方式のインクジェット記録装置を用いて、上記調製した4色のインクセット1をキャリッジに充填し、キャリッジの両端に紫外線照射装置を設けた。
インクジェットヘッドは、ノズルピッチ360dpi、液滴サイズ4〜28plの範囲で可変のピエゾ型ヘッドを用いた。またこのヘッドを一色に付き二つ用いて720dpiのヘッドもモジュールを作製し、360dpiでは1画素当たり4〜28plの液滴サイズ、720dpiでは1画素当たり4〜8plの液滴サイズを用いた。なお、本発明でいうdpiとは1インチ(2.54cm)当たりのドット数を示す。
キャリッジ両端に配置した紫外線ランプには、365nmに発光主波長を持つ高圧水銀灯を用い、照射強度の調整は入力電力量を適時調整して行った。
画像形成方法を表1に示す。
Figure 2007136707
(カラーブリード耐性)
アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にマゼンタベタ地の上に巾100μmの黒細線をプリントした後、目視観察し、下記の基準に従ってカラーブリード耐性の評価を行った。
◎:細線とベタの境界線がはっきりしている
○:わずかに境界がにじんでいる箇所があるが、実用上問題のない品質である
△:境界部ににじみが認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問題となる品質である
××:細線とベタ部の境界が不明瞭な品質であり、ブリード耐性が極めて乏しい
(画像部光沢違和感)
アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)10cm×10cmの黒ベタプリント後、目視観察し、下記の基準に従って白地との光沢違和感の評価を行った。
◎:画像部の光沢が一様である
○:画像部の光沢がわずかに乱れるが、許容できるレベル
△:画像部の光沢が少し乱れるが、許容できるレベル
×:画像部の光沢が乱れ、肉眼でもはっきりと確認でき、許容されないレベル
××:画像部の光沢がドット盛り上がりにより完全に乱れ、完全に許容されないレベル
×以下は商品として許容されないレベル。
(白地部光沢違和感)
アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)5mm×10cmの黒線を5mm間隔で10本プリントし、目視観察し、下記の基準に従って白地との光沢違和感の評価を行った。
◎:記録面と下地の光沢度差がほとんどなく自然である
○:記録面と下地の光沢度が少し異なるが、許容できるレベル
△:記録面と下地の光沢度が少し異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が著しく下地より高い
×:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が著しく下地より高い
××:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が著しく下地より低い
×以下は商品として許容されないレベル。
(濃度)
アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)10cm×10cmの各色ベタプリント後、各色濃度を反射濃度計(X−Rite社:X−Rite)により測定し各色の平均値を求め、以下の基準に沿って評価した。
◎:4色平均濃度が1.5以上
○:黒濃度が1.2以上1.5未満
△:黒濃度が1.0以上1.2未満
×:黒濃度が0.8以上1.0未満
××:黒濃度が0.8未満
評価の結果を表2に示す。
Figure 2007136707
表2より、本発明のインクジェット記録方法では、画像記録速度の異なる複数の記録モードにより画像を形成しても、カラーブリード、画像部及び白地部の光沢違和感の少ない、色再現性に優れた画像を安定して得られることが分かる。
シリアルプリント方式で双方向で印刷を行い、計4パスで画像を形成する際、4パス目で記録媒体のインクが着弾した箇所の状況を示す図である。 本発明に用いられるインクジェット記録装置で、シリアルプリント方式で用いる要部の構成を示す正面図である。 各インクジェット印字方式のインクジェット記録装置の概略図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3、19 記録ヘッド
4、24 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
20 記録媒体
P 記録媒体

Claims (4)

  1. インクジェットインクを、インクジェット記録装置を用いて記録媒体上に出射して画像を形成するインクジェット記録方法において、前記インクジェットインクは少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、紫外線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有し、前記インクジェット記録装置はインクジェットヘッドにより記録媒体上に前記インクジェットインクを出射して画像を形成する手段と、記録画像に紫外線を照射する手段とを有し、かつ、画像記録速度の異なる複数の記録モードを有し、前記画像記録速度に応じて照射する紫外線の照射条件を任意に変更可能であり、インクジェットインク液滴に照射するエネルギーが35〜350mJであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 前記画像記録速度の異なる複数の記録モードは、記録媒体に対するインクジェットヘッドの相対速度、記録解像度、インターリーブ方式のパス数の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記紫外線の照射条件を制御する手段が、紫外線の照射範囲を変更する手段、または紫外線の強度を変更する手段の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 記録媒体の単位面積当たりに照射される紫外線の積算エネルギー量を一定に制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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