JP2007137964A - インクジェット用インク - Google Patents
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Abstract
【課題】インクの保存安定性、吐出安定性に優れ、記録媒体への多様性を備え、ブリード耐性、耐擦過性、耐水性及び光沢感に優れた画像が得られるインクジェット用インクを提供する。
【解決手段】少なくとも1)色剤、2)水、3)親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物及び4)水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも1)色剤、2)水、3)親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物及び4)水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし
Description
本発明は、活性エネルギー線照射により架橋結合可能な高分子化合物を含むインクジェット用インクに関するものである。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクジェット用インクが使用される。
特に、近年では記録速度の大幅な向上が図られており、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいて、その性能を引き出すためにはインクジェット用インクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクジェット用インクの吸収能をあまり備えていない印刷用コート紙やアート紙、もしくは吸収能を全く持たないプラスチックフイルムに記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こす、いわゆるカラーブリード等の課題があり、インクジェット記録方式で、記録媒体の多様性を付与させる観点で大きな障害となっていた。
上記課題に対し、紫外線を照射することにより硬化するインクジェット用インクが開示されている(特許文献1参照)。また、顔料及び重合性化合物として三官能以上のポリアクリレートを含有し、かつケトン、アルコールを主溶剤とするいわゆる非水系インクが提案されている(特許文献2参照)。また、水系の紫外線重合性モノマーを用いたインクジェット用インクが提案されている(特許文献3参照)。
これらの方法では、インク自身を硬化成分により硬化させるため、非吸収性記録媒体に対しても記録が可能となったが、色材以外の硬化成分を多量に含有し、かつそれらが揮発しないため、記録画像面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせる課題を抱えている。
この様な違和感をなくすため、例えば、上記特許文献3には、水系の紫外線重合モノマーと親水性樹脂を用いたインクが記載されている。インク中の効果成分を揮発可能な水で置き換えるため、インクドットの盛り上がりは押さえられ質感は向上するが、硬化成分の密度が下がるため、感度が不足し、また硬化成分と開始剤の水への相溶性がよくなくインクの保存性が悪いという課題があった。
更に、従来公知の硬化成分では、安全上の懸念点があり、たとえ安全性をクリアしたとしても、それに適合する化合物選択範囲に制限があり、化合物及び物性の両面で自由な設計を行うことができないという課題があった。
米国特許第4,228,438号明細書
特公平5−64667号公報
特開平7−224241号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インクの保存安定性、吐出安定性に優れ、記録媒体への多様性を備え、ブリード耐性、耐擦過性、耐水性及び光沢感に優れた画像が得られるインクジェット用インクを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも1)色剤、2)水、3)親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物及び4)水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
2.前記水溶性光重合開始剤が、下記化合物(a)、(b)及び(c)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット用インク。
3.前記色剤がアニオン性であり、かつ前記高分子化合物の側鎖がノニオン性またはアニオン性であることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット用インク。
4.前記高分子化合物の親水性主鎖がポリ酢酸ビニルケン化物であり、重合度が200以上、1000以下、ケン化度が70%以上、99%以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
5.前記高分子化合物の主鎖に対する側鎖の変性率が、0.6モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
本発明により、インクの保存安定性、吐出安定性に優れ、記録媒体への多様性を備え、ブリード耐性、耐擦過性、耐水性及び光沢感に優れた画像が得られるインクジェット用インクを提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも1)色剤、2)水、3)親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物及び4)水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とするインクジェット用インクにより、インクの保存安定性、吐出安定性に優れ、記録媒体への多様性を備え、ブリード耐性、耐擦過性、耐水性及び光沢感に優れた画像が得られるインクジェット用インクを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
本発明のインクジェット用インク(以下、単にインクともいう)では、少なくとも1)色材と、2)水と、3)親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物(以下、活性エネルギー線架橋性高分子化合物ともいう)と、4)水溶性光重合開始剤とを含有する。
《活性エネルギー線架橋性高分子化合物》
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
色材のイオン性と高分子化合物の側鎖のイオン性の間には、好ましい組合せが存在する。色材にアニオン性を選択し、側鎖にはノニオン性またはアニオン性を組み合わせることで、画像堅牢性およびインクの保存性、連続出射性の観点で優れていることがわかった。側鎖としてはノニオン性が最も好ましい。理由は定かではないが、上記イオンの組合せの場合は、インク組成物の分解やインク組成物同士の会合などが少なくなり、このことが、上記効果に影響している可能性がある。
本発明に係る活性エネルギー線架橋性高分子化合物の親水性主鎖と側鎖の部分構造が、下記一般式(A)で表されるものが好ましい。
一般式(A)
P−{(X)m−(B)p−(Y)n}
式中、Pは親水性主鎖を表す。ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体が好ましい。
P−{(X)m−(B)p−(Y)n}
式中、Pは親水性主鎖を表す。ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体が好ましい。
{ }は側鎖を表す。側鎖中、Xは2価の連結基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、イミノ基、エステル基、アミド基、スルホニル基などが挙げられ、又、これらが組み合わさって一つの2価以上の基を形成してもよい。好ましくは、アルキレンオキシド、芳香族基が少なくとも組み合わさっている2価以上の連結基が挙げられる。
Bは、架橋基を表し、具体的には、二重結合、三重結合を含有する基であり、例えば、アクリル基、メタクリル基、ビニル基、アリル基、ジアゾ基、アジド基を表す。好ましくは、アクリル基、メタクリル基である。
Yは、水素原子または置換基を表す。置換基とは具体的にはハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えば、メチル、エチル、ブチル、ペンジル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル等)、アリール基(例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、i−プロポキシカルボニル等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ブチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−トリルチオ等)、アルキルウレイド基(例えば、メチルウレイド、エチルウレイド、メトキシエチルウレイド、ジメチルウレイド等)、アリールウレイド基(例えば、フェニルウレイド等)、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、2,2,2−トリフルオロエチルスルホンアミド等)、アリールスルホンアミド基(例えば、フェニルスルホンアミド、トリルスルホンアミド等)、アルキルアミノスルホニルアミノ基(例えば、メチルアミノスルホニルアミノ、エチルアミノスルホニルアミノ等)、アリールアミノスルホニルアミノ基(例えば、フェニルアミノスルホニルアミノ等)、ヒドロキシ基、複素環基(例えば、ピリジル、ピラゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル等)などが挙げられ、更にこれらは置換基を有していても良い。
mは0または1を表し、nは0または1を表し、pは1または2を表す。
親水性主鎖Pとしては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルケン化物が好ましく、その重合度は200以上、1000以下がハンドリングの観点から好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は0.3モル%以上、4モル%以下が好ましく、0.6モル%以上、4.0モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
本発明に係る活性エネルギー線架橋性高分子化合物として更にに好ましい構造は、下記一般式(1)〜(9)に記載の化合物が挙げられる。
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基であるカチオン性の側鎖を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造(ノニオン性)の側鎖、または下記一般式(3)で表され4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造(ノニオン性)の側鎖、を有する樹脂組成物である。
また、下記一般式(4)で表される変性基(アニオン性)の側鎖も好ましく用いられる。
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基として、例えば、特開2000−181062号公報、特開2004−189841号公報に示される下記一般式(5)で表される樹脂(ノニオン性)が反応性との観点から好ましい。
式中、R2はメチル基または水素原子を、nは1または2を表し、Xは−(CH2)m−COO−または−O−、Yは芳香族環または単結合、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基(ノニオン性)を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
下記一般式(7)乃至(9)で表される変性基も好ましく用いることができる。
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂は、インク全質量に対して0.5〜5.0質量%の範囲で含有することが好ましい。0.5質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディング耐性やカラーブリード耐性がより好ましくなる。5.0質量%未満であれば、インク物性やインクヘッド内の状態に影響を受けることが無く、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
本発明に係る活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては、架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。これに対し、本発明に係る活性エネルギー線架橋型の樹脂は、架橋点の数は親水性主鎖の長さと側鎖の導入量とで完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクが、色剤以外のほぼ全量が硬化成分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に係る活性エネルギー線架橋型の樹脂は必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため、乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
《光重合開始剤》
本発明のインクおいては、水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明のインクおいては、水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明に係る水溶性光重合開始剤は、溶媒に溶解または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
本発明に係る水溶性光重合開始剤としては、特に制限はないが、水系溶媒への混合性及び樹脂との相溶性という観点から、前記化合物(a)、(b)及び(c)から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、他の適用可能な水溶性光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの水溶性光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されているものも好ましい。
水溶性光重合開始剤は、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物に対し、0.5〜200質量%含有することが好ましい。
《色剤》
本発明のインクジェット用インクに用いられる色剤としては、インクジェットで公知の各種染料または顔料を用いることができるが、活性エネルギー線架橋型の樹脂の側鎖のイオン性との組合せから、アニオン性であることが好ましい。
本発明のインクジェット用インクに用いられる色剤としては、インクジェットで公知の各種染料または顔料を用いることができるが、活性エネルギー線架橋型の樹脂の側鎖のイオン性との組合せから、アニオン性であることが好ましい。
〔染料〕
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられ、好ましいのはアニオン性染料である。
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられ、好ましいのはアニオン性染料である。
(水溶性染料)
本発明で用いることのできるアニオン性の水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物を以下に示す。ただし、これら例示した化合物に限定されるものではない。
本発明で用いることのできるアニオン性の水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができ、その具体的化合物を以下に示す。ただし、これら例示した化合物に限定されるものではない。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
〔顔料〕
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられるが、アニオン性顔料であることが好ましい。
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できる。例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられるが、アニオン性顔料であることが好ましい。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
(分散剤)
上記顔料をインク中に安定に分散するための水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。
上記顔料をインク中に安定に分散するための水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。
水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような水溶性樹脂である。
水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。
これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
(アニオン性顔料)
本発明に好ましく用いられるアニオン性顔料の形態としては、上記顔料をアニオン性高分子分散剤により分散された顔料、またはアニオン変性自己分散顔料であることが分散安定性の点から好ましい。
本発明に好ましく用いられるアニオン性顔料の形態としては、上記顔料をアニオン性高分子分散剤により分散された顔料、またはアニオン変性自己分散顔料であることが分散安定性の点から好ましい。
アニオン性高分子分散剤とは、分子内に酸性基を有しており、これを塩基性化合物により中和して得られるアニオン性基を有した分散剤を指す。この時に用いる塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等のアミン類が挙げられるが、本発明においてはアミン類が特に好ましい。
本発明に好まし用いられるアニオン性高分子分散剤としては、分子量が1000以上であれば特に制限はなく、例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸や、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩などの共重合体あるいは樹脂が、例えば、カルボン酸、スルホン酸またはホスホン酸の官能性を持つホモポリマー、コポリマー、ターポリマーを含むものである。酸の官能性を与えるモノマーは、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸、ビニル酢酸、アクリルオキシプロピオン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、ビニルホスホン酸及びビニルスルホン酸等である。
本発明に好ましく用いられるアニオン変性自己分散顔料とは、表面にアニオン性基を有し、分散剤なしで分散が可能な顔料を指す。アニオン性の自己分散顔料は、顔料に酸性基が修飾されており、これを塩基性化合物により中和しアニオン性基として、分散剤が無くとも水への分散を可能とした顔料を指す。
表面に酸性基を有する顔料粒子とは、顔料粒子表面に直接酸性基で修飾させた顔料、あるいは有機顔料母核を有する有機物で直接にまたはジョイントを介して酸性基が結合しているものをいう。
酸性基(極性基ともいう)としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基、硼酸基、水酸基が挙げられるが、好ましくはスルホン酸基、カルボン酸基であり、更に好ましくは、スルホン酸基である。
酸性基の修飾剤としては、硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、クロロ硫酸、フルオロ硫酸、アミド硫酸、スルホン化ピリジン塩、スルファミン酸等の硫黄原子を含有する処理剤、顔料粒子表面を酸化させてカルボン酸基を導入する次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カリウム等のカルボキシル化剤が挙げられる。中でも、三酸化硫黄,スルホン化ピリジン塩またはスルファミン酸等のスルホン化剤、もしくはカルボキシル化剤が好ましい。酸性基を中和する塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、アルキルアミン、アルカノールアミン等のアミン類が挙げられるが、本発明においてはアミン類が特に好ましい。
表面に極性基を有する顔料粒子を得る方法としては、例えば、WO97/48769号パンフレット、特開平10−110129号公報、特開平11−246807号公報、特開平11−57458号公報、同11−189739号公報、特開平11−323232号公報、特開2000−265094号公報等に記載の顔料粒子表面を適当な酸化剤で酸化させることにより、顔料表面の少なくとも一部に、スルホン酸基もしくはその塩といった極性基を導入する方法が挙げられる。具体的には、カーボンブラックを濃硝酸で酸化したり、カラー顔料の場合は、スルフォランやN−メチル−2−ピロリドン中で、スルファミン酸、スルフォン化ピリジン塩、アミド硫酸等で酸化することにより調製することができる。これらの反応で、酸化が進みすぎ、水溶性となってしまった物は除去、精製することにより、顔料分散体を得ることができる。また、酸化によりスルフォン酸基を表面に導入した場合は、酸性基を必要に応じて、塩基性化合物を用いて中和してもよい。
そのほかの方法としては、特開平11−49974号公報、特開2000−273383号公報、同2000−303014号公報等に記載の顔料誘導体をミリング等の処理で顔料粒子表面に吸着させる方法、特開2002−179977号、同2002−201401号公報等に記載の顔料を顔料誘導体と共に溶媒で溶解した後、貧溶媒中で晶析させる方法等を挙げることができ、いずれの方法でも容易に、表面に極性基を有する顔料粒子を得ることができる。
本発明においては、極性基は、フリーでも塩の状態でもよいし、あるいはカウンター塩を有していてもよい。カウンター塩としては、例えば、無機塩(リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ニッケル、アンモニウム)、有機塩(トリエチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ピリジニウム、トリエタノールアンモニウム等)が挙げられ、好ましくは1価の価数を有するカウンター塩である。
本発明のインクジェット用インクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下がより好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
本発明のインクジェット用インクに用いる水に分散あるいは溶解可能な色剤の含有量は、インク全質量に対して、1〜10質量%であるのが好ましい。
《水溶性溶媒》
本発明のインクに適用可能な溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
本発明のインクに適用可能な溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
《界面活性剤》
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることが出来、特にアニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
《各種添加剤》
本発明のインクにおいては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
本発明のインクにおいては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
《記録媒体》
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法に適用可能な記録媒体としては、様々な種類の記録媒体を使用することができ、例えば、紙、プラスチック、金属、布、ゴムなどを挙げることができる。これらのうち一般的に画像を形成する用途としてのインクジェット記録媒体として好ましいのは、紙、プラスチックフィルムである。
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法に適用可能な記録媒体としては、様々な種類の記録媒体を使用することができ、例えば、紙、プラスチック、金属、布、ゴムなどを挙げることができる。これらのうち一般的に画像を形成する用途としてのインクジェット記録媒体として好ましいのは、紙、プラスチックフィルムである。
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編、などに詳細に記載されている。
普通紙とは、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
〈各種フィルム〉
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
《インクジェット記録方法》
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法では、本発明のインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射してインクを硬化させる。
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法では、本発明のインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射してインクを硬化させる。
以下、インクジェット用インクへの活性エネルギー線照射方法について説明する。
〔活性エネルギー線照射〕
(活性エネルギー線)
本発明でいう活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
(活性エネルギー線)
本発明でいう活性エネルギー線としては、例えば、電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。本発明では特に紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として、例えば、数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
(インク着弾後の光照射条件)
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
活性エネルギー線の照射条件としては、記録媒体上にインクが着弾した後、0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
(活性エネルギー線の照射方法)
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明のインクジェット記録方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明のインクジェット記録方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性エネルギー線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射し、更に活性エネルギー線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
(プリンター部材)
本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクジェットプリンターで用いる部材としては、活性光線、例えば、紫外線の乱反射によるヘッド面への照射を防ぐために、活性エネルギー線に対する透過率や反射率が低い物が好ましい。
本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクジェットプリンターで用いる部材としては、活性光線、例えば、紫外線の乱反射によるヘッド面への照射を防ぐために、活性エネルギー線に対する透過率や反射率が低い物が好ましい。
また、照射ユニットに対してはシャッターが搭載されている物が好ましく、例えば、紫外線を用いる時、シャッター開閉時の照度の比がシャッター開/シャッター閉=10以上であることが好ましく100以上がより好ましく、10000以上が更に好ましい。
次いで、本発明のインクジェット画像記録方法で用いるインクジェットプリンターについて説明する。
〔インクジェットプリンター〕
本発明で用いることのできるインクジェットプリンターとしては、例えば、画像形成が水平に配設され、上面で所定範囲の記録媒体の裏面(画像形成面の側と反対側となる面)を吸引装置の駆動により吸引して支持するプラテンと、記録媒体に向けてインクをノズルの吐出口から吐出する記録ヘッドと、これら記録ヘッドと活性光線を備えた照射手段を搭載し、画像形成時に走査方向に移動するキャリッジと、キャリッジに搭載されるとともに当該キャリッジを駆動するための駆動回路基板と、走査方向に沿って延在してキャリッジの移動を案内する案内部材と、走査方向に沿って延在し、その長手方向に、光学パターンが配設されたリニアスケールと、キャリッジに搭載されるとともにリニアスケールに配設された光学パターンを読み取ってクロック信号として出力するリニアエンコーダセンサとを備えて構成されている装置が挙げられる。
本発明で用いることのできるインクジェットプリンターとしては、例えば、画像形成が水平に配設され、上面で所定範囲の記録媒体の裏面(画像形成面の側と反対側となる面)を吸引装置の駆動により吸引して支持するプラテンと、記録媒体に向けてインクをノズルの吐出口から吐出する記録ヘッドと、これら記録ヘッドと活性光線を備えた照射手段を搭載し、画像形成時に走査方向に移動するキャリッジと、キャリッジに搭載されるとともに当該キャリッジを駆動するための駆動回路基板と、走査方向に沿って延在してキャリッジの移動を案内する案内部材と、走査方向に沿って延在し、その長手方向に、光学パターンが配設されたリニアスケールと、キャリッジに搭載されるとともにリニアスケールに配設された光学パターンを読み取ってクロック信号として出力するリニアエンコーダセンサとを備えて構成されている装置が挙げられる。
(記録ヘッド)
使用する記録ヘッド(インクジェットプリントヘッド)は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができる。好ましくは電気−機械変換方式であるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
使用する記録ヘッド(インクジェットプリントヘッド)は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができる。好ましくは電気−機械変換方式であるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《高分子化合物水溶液の調製》
〔高分子化合物水溶液1の調製〕
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、80度の湯浴中で8時間攪拌した。
《高分子化合物水溶液の調製》
〔高分子化合物水溶液1の調製〕
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、80度の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度500、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物の45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドを、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルケン化物)に対して変性率が1.0モル%になる様に加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過し、ここに水溶性光重合開始剤として、本発明に係る式(a)で表される化合物(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1)、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製))を、上記15%水溶液の100gに対して5gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して、10%の高分子化合物水溶液1を得た。
〔高分子化合物水溶液2の調製〕
上記高分子化合物水溶液1の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を180に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液2を得た。
上記高分子化合物水溶液1の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を180に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液2を得た。
〔高分子化合物水溶液3の調製〕
上記高分子化合物水溶液1の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を1200に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液3を得た。
上記高分子化合物水溶液1の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物の重合度を1200に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液3を得た。
〔高分子化合物水溶液4の調製〕
上記高分子化合物水溶液1の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物のケン化率を60%に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液4を得た。
上記高分子化合物水溶液1の調製において、ポリ酢酸ビニルケン化物のケン化率を60%に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液4を得た。
〔高分子化合物水溶液5の調製〕
上記高分子化合物水溶液1の調製において、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの仕込量を変えることにより、変性率を1.5モル%に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液5を調製した。
上記高分子化合物水溶液1の調製において、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの仕込量を変えることにより、変性率を1.5モル%に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液5を調製した。
〔高分子化合物水溶液6の調製〕
上記高分子化合物水溶液1の調製において、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの仕込量を変えることにより、変性率を0.5モル%に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液6を調製した。
上記高分子化合物水溶液1の調製において、p−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの仕込量を変えることにより、変性率を0.5モル%に変更した以外は同様にして、10%の高分子化合物水溶液6を調製した。
〔高分子化合物7〕
ポリエチレングリコール(PEG400E20)を、高分子化合物7とした。
ポリエチレングリコール(PEG400E20)を、高分子化合物7とした。
《インクセットの調製》
(インクセット1の調製)
以下に記載の手順に従って調製したマゼンタインク1及びブラックインク1から構成されるインクセット1を調製した。
(インクセット1の調製)
以下に記載の手順に従って調製したマゼンタインク1及びブラックインク1から構成されるインクセット1を調製した。
〈マゼンタインク1〉
Cabot社製のマゼンダ自己分散物cabo−jet260(顔料濃度10%)
30部
高分子化合物水溶液1(固形分量10%) 20部
エチレングリコール 20部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5部
オルフィンe1010(日信化学社製、ノニオン性界面活性剤) 0.5部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、マゼンダインク1を調製した。
Cabot社製のマゼンダ自己分散物cabo−jet260(顔料濃度10%)
30部
高分子化合物水溶液1(固形分量10%) 20部
エチレングリコール 20部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5部
オルフィンe1010(日信化学社製、ノニオン性界面活性剤) 0.5部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、マゼンダインク1を調製した。
〈ブラックインク1〉
上記マゼンタインク1の調製において、Cabot社製のマゼンダ自己分散物cabo−jet260(顔料濃度10%)に代えて、Cabot社製のカーボンブラック自己分散物cabo−jet300(顔料濃度10%)を用いた以外は同様にして、ブラックインク1を調製した。
上記マゼンタインク1の調製において、Cabot社製のマゼンダ自己分散物cabo−jet260(顔料濃度10%)に代えて、Cabot社製のカーボンブラック自己分散物cabo−jet300(顔料濃度10%)を用いた以外は同様にして、ブラックインク1を調製した。
(インクセット2〜4の調製)
上記インクセット1の各色インクの調製において、高分子化合物水溶液1を、それぞれ高分子化合物水溶液2〜4に変更した以外は同様にして、インクセット2〜4を調製した。
上記インクセット1の各色インクの調製において、高分子化合物水溶液1を、それぞれ高分子化合物水溶液2〜4に変更した以外は同様にして、インクセット2〜4を調製した。
(インクセット5の調製)
上記インクセット1の各色インクの調製において、水溶性光重合開始剤として、本発明に係る式(a)で表される化合物(イルガキュア2959)に代えて、本発明に係る式(b)で表される化合物(日本化薬製、カヤキュアQTX)を用いた以外は同様にして、インクセット5を調製した。
上記インクセット1の各色インクの調製において、水溶性光重合開始剤として、本発明に係る式(a)で表される化合物(イルガキュア2959)に代えて、本発明に係る式(b)で表される化合物(日本化薬製、カヤキュアQTX)を用いた以外は同様にして、インクセット5を調製した。
(インクセット6の調製)
上記インクセット1の各色インクの調製において、高分子化合物水溶液1(変性率:1.0モル%)に代えて、高分子化合物水溶液5(変性率:1.5モル%)を用いた以外は同様にして、インクセット6を調製した。
上記インクセット1の各色インクの調製において、高分子化合物水溶液1(変性率:1.0モル%)に代えて、高分子化合物水溶液5(変性率:1.5モル%)を用いた以外は同様にして、インクセット6を調製した。
(インクセット7の調製)
上記インクセット1の各色インクの調製において、高分子化合物水溶液1(変性率:1.0モル%)に代えて、高分子化合物水溶液6(変性率:0.5モル%)を用いた以外は同様にして、インクセット7を調製した。
上記インクセット1の各色インクの調製において、高分子化合物水溶液1(変性率:1.0モル%)に代えて、高分子化合物水溶液6(変性率:0.5モル%)を用いた以外は同様にして、インクセット7を調製した。
(インクセット8の調製)
上記インクセット1の各色インクの調製において、水溶性光重合開始剤である本発明に係る式(a)で表される化合物(イルガキュア2959)に代えて、非水溶性光重合開始剤であるフェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシドの水分散体(チバ・スペシャリティケミカルズ製、イルガキュア819DW)を用いた以外は同様にして、インクセット8を調製した。
上記インクセット1の各色インクの調製において、水溶性光重合開始剤である本発明に係る式(a)で表される化合物(イルガキュア2959)に代えて、非水溶性光重合開始剤であるフェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシドの水分散体(チバ・スペシャリティケミカルズ製、イルガキュア819DW)を用いた以外は同様にして、インクセット8を調製した。
(インクセット9の調製)
上記インクセット1の各色インクの調製において、高分子化合物水溶液1(変性率:1.0モル%)に代えて、高分子化合物7(PEG400E20)を固形分量として同量用いた以外は同様にして、インクセット9を調製した。
上記インクセット1の各色インクの調製において、高分子化合物水溶液1(変性率:1.0モル%)に代えて、高分子化合物7(PEG400E20)を固形分量として同量用いた以外は同様にして、インクセット9を調製した。
《インクジェット画像の形成及び評価》
(カラーブリード耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度150dpi(dpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度1440×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にマゼンダベタ画像上に巾100μmの黒細線をプリントした後、目視観察し、下記の基準に従ってカラーブリード耐性の評価を行った。
(カラーブリード耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度150dpi(dpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す)であるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度1440×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にマゼンダベタ画像上に巾100μmの黒細線をプリントした後、目視観察し、下記の基準に従ってカラーブリード耐性の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:細線とベタの境界線がはっきりしている
○:わずかに境界がにじんでいる箇所があるが、実用上問題のない品質である
△:境界部ににじみが認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問題となる品質である
××:細線とベタ部の境界が不明瞭な品質であり、ブリード耐性が極めて乏しい
(耐擦過性の評価)
上記ブリード耐性の評価と同様にして、各記録媒体上に巾100μmの黒細線をプリントし、3分後に黒細線画像を指で5往復擦って、下記の基準に従って耐擦過性の評価を行った。
○:わずかに境界がにじんでいる箇所があるが、実用上問題のない品質である
△:境界部ににじみが認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問題となる品質である
××:細線とベタ部の境界が不明瞭な品質であり、ブリード耐性が極めて乏しい
(耐擦過性の評価)
上記ブリード耐性の評価と同様にして、各記録媒体上に巾100μmの黒細線をプリントし、3分後に黒細線画像を指で5往復擦って、下記の基準に従って耐擦過性の評価を行った。
◎:印画画像に、全く変化が認められない
○:詳細に観察すると、わずかに擦り傷の発生が認められるが、ほぼ良好な品質である
△:弱い擦り傷の発生が認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:擦り傷の発生に伴い画像濃度が低下し、実用上問題となる品質である
××:形成した黒細線画像が記録媒体から剥離し、全く許容されない品質である
(耐水性の評価)
上記ブリード耐性の評価と同様にして、各記録媒体上に巾100μmの黒細線をプリントし、3分後に純水を滴下し、更に15秒後に黒細線画像を指で5往復擦って、下記の基準に従って耐水性の評価を行った。
○:詳細に観察すると、わずかに擦り傷の発生が認められるが、ほぼ良好な品質である
△:弱い擦り傷の発生が認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:擦り傷の発生に伴い画像濃度が低下し、実用上問題となる品質である
××:形成した黒細線画像が記録媒体から剥離し、全く許容されない品質である
(耐水性の評価)
上記ブリード耐性の評価と同様にして、各記録媒体上に巾100μmの黒細線をプリントし、3分後に純水を滴下し、更に15秒後に黒細線画像を指で5往復擦って、下記の基準に従って耐水性の評価を行った。
◎:印画画像に全く変化が認められない
○:詳細に観察すると、わずかに擦り傷の発生が認められるが、ほぼ良好な品質である
△:弱い擦り傷の発生が認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:擦り傷の発生に伴い画像濃度が低下し、実用上問題となる品質である
××:形成した黒細線画像が記録媒体から剥離し、全く許容されない品質である
(光沢感の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金剛N)に10cm×10cmの黒ベタをプリントして、そのベタ画像を目視観察し、下記の基準に従って光沢感の評価を行った。
○:詳細に観察すると、わずかに擦り傷の発生が認められるが、ほぼ良好な品質である
△:弱い擦り傷の発生が認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:擦り傷の発生に伴い画像濃度が低下し、実用上問題となる品質である
××:形成した黒細線画像が記録媒体から剥離し、全く許容されない品質である
(光沢感の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金剛N)に10cm×10cmの黒ベタをプリントして、そのベタ画像を目視観察し、下記の基準に従って光沢感の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:ベタ画像部と未印字部との光沢度差がほとんど無く自然である
○:ベタ画像部と未印字部との光沢度が多少異なるが、ほぼ良好な光沢感である
△:ベタ画像部と未印字部との光沢度の差異を目視で確認でき、かつベタ画像部の光沢度が、未印字部よりやや高いが、実用上許容限界内である
×:ベタ画像部と未印字部との光沢度の差異を目視で確認でき、かつベタ画像部の光沢度が、未印字部より高く、実用的には違和感のある画質である
××:ベタ画像部と未印字部との光沢度の差異を明確に目視確認でき、かつベタ画像部の光沢度が、未印字部より著しく高く、実用的には極めて違和感のある画質である
(インク保存性の評価)
各インクセットを、それぞれ60℃の環境下で保存した後、以下の基準に従ってインク保存性を評価した。
○:ベタ画像部と未印字部との光沢度が多少異なるが、ほぼ良好な光沢感である
△:ベタ画像部と未印字部との光沢度の差異を目視で確認でき、かつベタ画像部の光沢度が、未印字部よりやや高いが、実用上許容限界内である
×:ベタ画像部と未印字部との光沢度の差異を目視で確認でき、かつベタ画像部の光沢度が、未印字部より高く、実用的には違和感のある画質である
××:ベタ画像部と未印字部との光沢度の差異を明確に目視確認でき、かつベタ画像部の光沢度が、未印字部より著しく高く、実用的には極めて違和感のある画質である
(インク保存性の評価)
各インクセットを、それぞれ60℃の環境下で保存した後、以下の基準に従ってインク保存性を評価した。
◎:2週間後、ブラックインク、マゼンダインクのいずれも、沈殿物の発生は認められない
○:2週間後、ブラックインクまたはマゼンダインクのいずれか一方で、僅かな沈殿物の発生が認められる
△:1週間後、ブラックインクまたはマゼンダインクのいずれか一方で、沈殿物の発生が認められる
×:1週間後、ブラックインク及びマゼンダインクで、沈殿物の発生が認められる
××:3日後、ブラックインク及びマゼンダインクで、沈殿物の発生が認められる
(連続出射性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度150dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、連続出射12時間出射した後のノズル欠数を計測し、以下の基準でインク出射性を評価した。
○:2週間後、ブラックインクまたはマゼンダインクのいずれか一方で、僅かな沈殿物の発生が認められる
△:1週間後、ブラックインクまたはマゼンダインクのいずれか一方で、沈殿物の発生が認められる
×:1週間後、ブラックインク及びマゼンダインクで、沈殿物の発生が認められる
××:3日後、ブラックインク及びマゼンダインクで、沈殿物の発生が認められる
(連続出射性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度150dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、連続出射12時間出射した後のノズル欠数を計測し、以下の基準でインク出射性を評価した。
◎:連続出射12時間後のノズル欠数は、0である
○:連続出射12時間後のノズル欠数が、1以上、5以下
△:連続出射12時間後のノズル欠数が、6以上、10以下
×:連続出射12時間後のノズル欠数が、11以上、50以下
××:連続出射12時間後のノズル欠数が、51以上
以上により得られた結果を、表1に示す。
○:連続出射12時間後のノズル欠数が、1以上、5以下
△:連続出射12時間後のノズル欠数が、6以上、10以下
×:連続出射12時間後のノズル欠数が、11以上、50以下
××:連続出射12時間後のノズル欠数が、51以上
以上により得られた結果を、表1に示す。
表1に記載の結果より明らかなように、表1に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなるインクジェット用インク及びインクセットは、比較例に対し、インク保存性、連続吐出性が良好で、カラーブリード耐性、耐擦過性、耐水性及び光沢感に優れていることが分かる。
Claims (5)
- 少なくとも1)色剤、2)水、3)親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物及び4)水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とするインクジェット用インク。
- 前記色剤がアニオン性であり、かつ前記高分子化合物の側鎖がノニオン性またはアニオン性であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
- 前記高分子化合物の親水性主鎖がポリ酢酸ビニルケン化物であり、重合度が200以上、1000以下、ケン化度が70%以上、99%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
- 前記高分子化合物の主鎖に対する側鎖の変性率が、0.6モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
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-
2005
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