JP2017159648A - インクジェット記録方法、インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルプレートへのインク組成物の付着汚れが生じにくく、クリーニング頻度が少なく、隠蔽性に優れた画像を印刷でき、印刷速度及び乾燥速度に優れる、インクジェット記録方法を提供する。【解決手段】第一のノズル列Wと、第一のノズル列Wに沿って配列された第二のノズル列Wとを有し、第一のノズル列Wと第二のノズル列Wの間の距離L1は15mm以上であり、第一のノズル列Wのノズル密度L2及び第二のノズル列Wのノズル密度L2はそれぞれ600dpi以上である、インクジェットヘッドを用い、インクジェットヘッドを、被記録媒体に対して、第一のノズル列W及び第二のノズル列Wの列方向と交差する方向に相対的な位置を変化させながら、第一のノズル列W及び第二のノズル列Wにおけるノズルから、周波数12kHz以上でインク組成物を吐出する走査を行うことで、インク組成物を被記録媒体へ付着させる。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法に関する。
従来、紙などの被記録媒体に、画像データ信号に基づき画像を形成する記録方法として、種々の方式が利用されている。このうち、インクジェット方式は、安価な装置で、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率良く使用でき、ランニングコストが安い。さらに、インクジェット方式は騒音が小さいため、記録方法として優れている。
近年、インクジェット記録方式を布帛の染色(捺染)に適用することが検討されている。例えば、洗濯に対する耐久性及び色堅牢度をインクジェット印刷された織物に提供するために、水性ビヒクル、着色剤及び架橋済みポリウレタン分散体を含むインクジェットインキ組成物であって、着色剤が水性ビヒクルに可溶性又は分散性であり、架橋済みポリウレタン対着色剤の重量比が少なくとも約1.0であるインクジェットインク組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、褪色や滲みの問題を解消し、長期間に渡って輝度の高い発光を有し、ブラックライト等の特殊な励起光を照射すると可視光下で視認されるものとは別の色や画像を表現するインクジェット捺染用蛍光インクを提供するために、無機蛍光体粒子を含有するインクジェット捺染用蛍光インクが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特表2007−522285号公報 特開2003−96340号公報
布帛に対して印刷する場合に、隠蔽性の良いカラー画像を形成するために、カラーのベタ画像を記録することがある。また、色の濃い布帛に対して印刷する場合に、布帛を隠蔽してカラー画像の見栄えをよくするために予め布帛に白画像をベタ画像として記録したり、あるいは、布帛へ隠蔽性の良い白い画像を記録するために白いベタ画像を記録することがある。しかしながら、上記従来の方法では、ノズルプレートへのインク組成物の付着汚れが生じ、クリーニング頻度が増大するという問題がある。また、画像の隠蔽性も悪く、印刷速度、乾燥速度にも劣るという問題もある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、ノズルプレートへのインク組成物の付着汚れが生じにくく、クリーニング頻度が少なく、隠蔽性に優れた画像を印刷でき、印刷速度に優れる、インクジェット記録方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した。インク組成物が被記録媒体に着弾するとインクミスト(以下、単に「ミスト」ともいう。)が生じる。通常、インクミストはインクジェット記録装置内全体に拡散でき、ファンで拡散したミストを回収するためノズルへの付着は少ない。しかしながら、全ノズルから所定の吐出周波数でインク組成物を吐出すると、特に、ミストによるノズル周囲の汚れが多い現象が見られた。ノズル列の全ノズルから吐出するインク滴に伴う空気の流れによりノズル列の並びに沿ってエアカーテンと呼ばれる空気の流れによる空気層が形成されることがある。この場合に、ヘッドと被記録媒体の間のインクミストはエアカーテンを超えて移動できず、ミストがノズル周囲に滞留したと推測する。
このような現象は、隠蔽性を良くするためにインク付着量の大きい画像を記録する場合に多くみられる。上記のようにベタ画像を記録する場合、印刷速度が遅くなったりしないように全ノズルから所定の吐出周波数でインク組成物を吐出する。そうすると、ノズル列の全ノズルから吐出するインク滴に伴う空気の流れによりノズル列の並びに沿ってエアカーテンと呼ばれる空気の流れによる空気層が形成され、インクミストが滞留したと推測する。
上記のようにインクミストが滞留するとノズル列の間のノズルプレートへのインク組成物の付着量が増大する。特に、ノズルの周囲へのミストの付着も増大するため、吐出不良(不吐出や飛行曲がり)を起こすノズルが増え、ノズルをワイパで拭きインク組成物の汚れを除去するクリーニングの頻度を増やす必要があった。
また、インクミストの発生はインク滴の大きさにもよることが分かった。インクミストはインク滴自身が被記録媒体へ着弾できなかったもの、あるいはサテライトと呼ばれるインク滴本体から分離したより小さなインク滴からなる。そのためインク滴が大きい場合、空気抵抗が少なく、インク滴が被記録媒体へ全て着弾することができミストが発生しにくい。しかし、インク滴が大きいと、被記録媒体へ着弾したインク量が増えたり、その厚さが厚くなったりしてインク乾燥速度が遅くなる。そこで、インク滴を小さくすることで、着弾したインク量を少なくしたり、その厚さを薄くしたりしてインクの乾燥時間を早くでき、白画像の上にカラー画像を記録するまでの時間を短縮しようと試みる。ところが、この場合にインクミストが生じやすい。そこで、本発明者らはノズル列同士の間隔を広くし、所定の印刷条件としたところ、上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
第一のノズル列と、該第一のノズル列に沿って配列された第二のノズル列とを有し、前記第一のノズル列と前記第二のノズル列の間の距離は15mm以上であり、前記第一のノズル列のノズル密度及び前記第二のノズル列のノズル密度はそれぞれ600dpi以上である、インクジェットヘッドを用い、
該インクジェットヘッドを、被記録媒体に対して、前記第一のノズル列及び前記第二のノズル列の列方向と交差する方向に相対的な位置を変化させながら、前記第一のノズル列及び前記第二のノズル列におけるノズルから、周波数12kHz以上でインク組成物を吐出する走査を行うことで、
該インク組成物を前記被記録媒体へ付着させる、
インクジェット記録方法。
〔2〕
前記被記録媒体に対する前記インクの付着量が、150mg/inch2以上である、前項〔1〕に記載のインクジェット記録方法。
〔3〕
前記インク組成物が、12質量%以上の固形分を含む、前項〔1〕又は〔2〕に記載のインクジェット記録方法。
〔4〕
前記インク組成物が、色材、樹脂エマルジョン、及び水溶性溶剤を含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔5〕
前記インク組成物が、酸化チタンを含む白インク組成物である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔6〕
前記走査を複数回行うことで記録を行う、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔7〕
前記被記録媒体が、布帛である、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔8〕
前記被記録媒体が、被記録媒体の前記インクジェットヘッドに対向する側の反対側から、樹脂製の表面を有する被記録媒体支持部に支持されている、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔9〕
1ノズルから吐出する前記インク組成物の1回の吐出のインク量が、10ng以下である、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔10〕
前記インクジェットヘッドは、前記第一のノズル列の前記第二のノズル列とは反対側、及び、前記第二のノズル列の前記第一のノズル列とは反対側の少なくとも一方に、前記インク組成物とは異なる他のインク組成物を吐出する他のノズル列を有する、前項〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
〔11〕
前項〔1〕〜〔10〕のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法で記録を行う、インクジェット記録装置。
第一のノズル列及び第二のノズル列の配列を示す模式図である。 駆動信号の一例を示す図である。 インクジェット記録装置(全体)の全体構成のブロック図の一例である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[インクジェット記録方法]
本実施形態のインクジェット記録方法は、
第一のノズル列と、該第一のノズル列に沿って配列された第二のノズル列とを有し、第一のノズル列と第二のノズル列の間の距離L1は15mm以上であり、第一のノズル列のノズル密度L2及び第二のノズル列のノズル密度L2はそれぞれ600dpi以上である、インクジェットヘッドを用い、
該インクジェットヘッドを、被記録媒体に対して、第一のノズル列及び第二のノズル列の列方向と交差する方向に相対的な位置を変化させながら、第一のノズル列及び第二のノズル列から、周波数12kHz以上でインク組成物を吐出する走査を行なうことで、
該インク組成物を被記録媒体へ付着させる。
〔1.インクジェットヘッド〕
本実施形態のインクジェット記録方法は、第一のノズル列と、該第一のノズル列に沿って配列された第二のノズル列とを有し、第一のノズル列と第二のノズル列の間の距離L1は15mm以上であり、第一のノズル列及び第二のノズル列のノズル密度は600dpi以上である、インクジェットヘッドを用いる。図1は、第一ノズル列及び第二ノズル列の配列を説明するための模式図であり、各黒点がノズルのノズル開口の位置を示す。図1は、ヘッドのノズルプレートを被記録媒体側から見た図であり、左右方向が走査方向になる。
(1−1.第一のノズル列と第二のノズル列の間の距離L1)
第一のノズル列と第二のノズル列の間の距離L1は15mm以上であり、18mm以上がより好ましく、19mm以上がさらに好ましい。上記範囲となるようにノズル列同士の間隔をあけることにより、又はそれらのノズル列の間にあるノズル列を使用しないことで距離L1を15mm以上とすることにより、ヘッドが有するノズルプレートへのインク組成物の付着汚れが生じにくく、クリーニング頻度が少なくなる。また、吐出安定性が良好になる傾向もある。また、第一のノズル列と第二のノズル列の間の距離L1は、100mm以下が好ましく、50mm以下がより好ましく、30mm以下がさらに好ましく、25mm以下が特に好ましい。距離L1が上記範囲であることにより、ヘッドをより小型化することができる。
(1−2.ノズル密度L2)
第一のノズル列及び第二のノズル列のノズル密度L2は、600dpi以上であり、720dpi以上が好ましく、1000dpi以上がさらに好ましい。ノズル密度L2が上記範囲であることにより、隠蔽性が向上する。また、第一のノズル列及び第二のノズル列のノズル密度は、2000dpi以下が好ましく、1500dpi以下がより好ましい。ノズル密度L2が上記範囲であることにより、ヘッドの製造コストがより低くなる傾向にある。
図1において、各色のノズル列は、左からY(イエロー)、M(マゼンタ)、W(ホワイト)、W(ホワイト)、C(シアン)、K(ブラック)の順でノズル列が並んでいる。第一のノズル列(W)と第二のノズル列(W)は、ノズルが並んで列を形成していれば特に制限されず、ノズルが1直線状に並ぶ列でも、ノズルが列幅を有するように並ぶ列でもよい。図1に示すWのように、千鳥配置でノズルが並んだ列(図1破線の囲み部分)であってもよい。ノズルが列幅を有するように並ぶことによりノズルに連通する圧力室などを設けるスペースをより広く確保することができる。なおノズルが列幅を有するように並んだ列の場合の列幅、つまり図1で言えばレーンαとレーンβとの距離(列幅L3)は、5mm以下が好ましく3mm以下がより好ましい。列幅の下限は1mm以上が好ましく2mm以上がより好ましい。ノズル列が列幅を有する場合、第一のノズル列と第二のノズル列の間の距離L1は、第一のノズル列のノズルのうち図1の左右方向において第二のノズル列に最も近いノズルと、第二のノズル列のノズルのうち図1の左右方向において第一のノズル列に最も近いノズルとの距離である。
また、図1に示すように、ヘッドは、第一のノズル列の第二のノズル列とは反対側、及び、第二のノズル列の第一のノズル列とは反対側の少なくとも一方(以下、単に「第一及び第二ノズル列の外側」という。)に、インク組成物と異なる他のインク組成物を吐出する他のノズル列を有することが好ましい。図1においては第一及び第二ノズル列(W)の外側に他のノズル列としてY、M、C、Kのカラーインク組成物のノズル列が示されている。MとW、CとWのノズル列の間隔は、距離L1の1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがより好ましい。第一のノズル列と他のノズル列の間隔、又は第二のノズル列と他のノズル列の間隔が上記範囲であることにより、ヘッドをより小型化することができる傾向にある。
第一ノズル列と第二ノズル列の間に他のインク組成物を吐出するノズル列がないことで、ノズルプレートにおいて、第一のノズル列と第二のノズル列のノズル開口間にある部位が所定の色のインク組成物で汚れても他の色のノズルへの影響が少ない傾向にある。他のインク組成物は、第一及び第二ノズル列から吐出するインクとは組成が異なるインクであって例えば色材の種類が異なるインクである。
〔2.走査方法〕
本実施形態のインクジェット記録方法では、上記ヘッドを、被記録媒体に対して、第一のノズル列及び第二のノズル列の列方向と交差する方向(以下、「主走査方向」ともいう。)、好ましくは直行する方向に、相対的な位置を変化させながら第一のノズル列及び第二のノズル列におけるノズルから、周波数12kHz以上でインク組成物を吐出する走査をおこなう。ヘッドは、被記録媒体に対して複数回(2回以上)の走査をすることで記録を行うシリアルプリンタとすることが好ましい。この場合、画像のドット形成密度を高くすることや画像全体のインク量を多くすることができ、白インク組成物を用いる場合においては、隠蔽性がより確保される傾向にあり、カラーインク組成物を用いる場合においては、より高精彩な画像が得られる傾向にある。一方、被記録媒体に対するヘッドの走査を1回行うことで記録を行うラインプリンタのような構成としてもよい。
〔3.吐出方法〕
本実施形態のインクジェット記録方法では、第一のノズル列及び第二のノズル列から、周波数12kHz以上でインク組成物を吐出する。吐出周波数は、12kHz以上であり、20kHz以上が好ましく、30kHz以上がより好ましく、40kHz以上がさらに好ましい。吐出周波数が上記範囲であることにより、印刷速度がより優れる傾向にある。なお、吐出周波数の上限は、特に限定されないが、150kHz以下が好ましく、100kHz以下がより好ましく、50kHz以下がさらに好ましい。吐出周波数が上記範囲であることにより、乾燥速度がより優れる傾向にある。上記吐出周波数は、後述する吐出機構により制御することができる。
1ノズルから吐出する1回の吐出のインク組成物の一滴のインク量は、17ng以下であることが好ましく、10ng以下であることがより好ましく、9ng以下であることがさらに好ましい。インク量が上記範囲であることにより、乾燥速度がより優れる傾向にある。また、1ノズルから吐出するインク組成物の一滴のインク量は、1ng以上であることが好ましく、3ng以上であることがより好ましく、5ng以上であることがさらに好ましい。インク量が上記範囲であることにより、乾燥速度が優れ、印刷速度が優れながら高いドット形成密度でドット形成ができる。1ノズルから吐出するインク組成物の一滴のインク量は、後述する吐出機構により制御することができる。
(吐出機構)
インクジェット記録装置は、ヘッドを主走査方向に沿って移動させ、この移動に連動してヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、被記録媒体上に画像を記録する。このインク滴の吐出は、例えば、ノズル開口に連通した圧力発生室を膨張及び収縮させることで行われる。
圧力発生室の膨張及び収縮は、例えば、圧電振動子の変形を利用して行われる。このようなヘッドでは、供給される駆動パルスに応じて圧電振動子が変形し、これにより圧力室の容積が変化し、この容積変化によって圧力室内のインク組成物に圧力変動が生じて、ノズル開口からインク滴が吐出される。
このようなインクジェット記録装置では、複数の駆動パルスを一連に接続してなる駆動信号が生成される。一方、階調情報を含む印字データがヘッドに送信される。そして、当該送信された印字データに基づいて、必要な駆動パルスのみが上記駆動信号から選択されて圧電振動子に供給される。これにより、ノズル開口から吐出させるインク滴の量を、階調情報に応じて変化させている。
より具体的には、例えば、非記録の印字データ、小ドットの印字データ、中ドットの印字データ、及び、大ドットの印字データからなる4階調を設定したインクジェット記録装置においては、それぞれの階調に応じて、インク量の異なるインク滴が吐出される。
上記のような4階調の記録を実現するためには、例えば図2に示すような駆動信号が用いられ得る。図2に示すように、この駆動信号は、期間PAT1に配置された第1パルス信号PAPS1と、期間PAT2に配置された第2パルス信号PAPS2と、期間PAT3に配置された第3パルス信号PAPS3と、期間PAT4に配置された第4パルス信号PAPS4と、期間PAT5に配置された第5パルス信号PAPS5と、期間PAT6に配置された第6パルス信号PAPS6とを一連に接続してあり、記録周期PATAで繰り返し発生するパルス列波形信号である。
この場合、第1パルス信号PAPS1が第1の駆動パルスPADP1であり、第2パルス信号PAPS2が第2の駆動パルスPADP2であり、第3パルス信号PAPS3が第3の駆動パルスPADP3であり、第4パルス信号PAPS4が第1の駆動パルスPADP4であり、第5パルス信号PAPS5が第5の駆動パルスPADP5であり、第6パルス信号PAPS6が第6の駆動パルスPADP6である。
これらの駆動パルスPADP1〜PADP6は、何れも同じ波形形状であり、それぞれ単独でインク滴を吐出可能な信号である。すなわち、これらの各駆動パルスが圧電振動子に供給されることにより、小ドットを形成し得る量のインク滴がノズル開口から吐出される。
この場合、圧電振動子に供給する駆動パルスの数を増減することによって、階調制御を行うことができる。例えば、駆動パルスを1つ供給することで小ドットの記録を行い、駆動パルスを2つ供給することで中ドットの記録を行い、駆動パルスを3つ供給することで大ドットの記録を行うことができる。
ここで、図2に示す中間電位VMは、バイアス電圧と呼ばれるものである。圧電振動子には常時、このバイアス電圧が供給されている。つまり、圧電振動子の電位は、最低電位VLと最高電位VHとの間の中間状態に保たれている。このような中間状態を駆動開始時の状態としておくことにより、容積変化を膨張側にも収縮側にも生じさせることが可能である。
例えば、1記録周期の駆動周波数を7.2kHzとすると、1つの駆動パルスの周波数は43.2KHzとなる。よって、1記録周期において6個の駆動パルスを圧電素子に印加することで6個のインク滴を吐出させることができ、この場合の吐出周波数は43.2kHZとなる。また、1記録周期の駆動周波数を7.2KHzとする場合に、吐出周波数を21.6kHzとしたいときは、6つの駆動パルスPAPSのうちから1個おきに3個の駆動パルスのみを圧電素子に印加することでインク組成物を吐出すればよい。同様に、吐出周波数を14.4KHzとしたいときは、6個の駆動パルスから2個おきに2個のパルスのみを圧電素子に印加することでインク組成物を吐出すればよい。
また、電圧VLとVHの電位差を調整することで1インク滴あたりのインク量の若干の調整も可能である。なお、1記録周期は記録解像度に対応するものであり、1画素に対し1記録周期で記録する。
〔4.付着〕
本実施形態のインクジェット記録方法では、吐出されたインク組成物を被記録媒体へ付着させ画像を形成する。付着させたあと、インク組成物が付着した被記録媒体を加熱処理する加熱工程をさらに含んでもよい。この加熱処理により、インク組成物に含まれ得る樹脂(ポリマー)を被記録媒体の表面に融着させ、かつ、水分を蒸発させることができる。その結果、耐擦性により優れる傾向にある。
上記加熱処理としては、以下に限定されないが、例えば、ヒートプレス法、常圧スチーム法、高圧スチーム法、及びサーモフィックス法が挙げられる。また、加熱の熱源としては、以下に限定されないが、例えば赤外線(ランプ)が挙げられる。また、加熱処理時の温度は、インク組成物に含まれ得る樹脂(ポリマー)を融着し、かつ、水分を蒸発させることができればよく、150〜200℃程度であることが好ましい。
上記加熱工程後は、被記録媒体を水洗し、乾燥してもよい。このとき、必要に応じてソーピング処理、即ち未固着の顔料を熱石鹸液などで洗い落とす処理を行ってもよい。
このようにして、布帛などの被記録媒体上に、上記実施形態のインク組成物に由来する画像が形成された記録物を得ることができる。当該記録物は、ひび割れ、凹凸、及び汚れ等の発生を防ぐことができるため発色性に優れ、かつ、インク組成物の定着性(密着性)が良好なため、耐擦性にも優れる。
(4−1.インク組成物の付着量)
被記録媒体に対するインク組成物の付着量は、50mg/inch2以上であることが好ましく、150mg/inch2以上であることがより好ましく、200mg/inch2以上であることがさらに好ましい。付着量が上記範囲であることにより、隠蔽性により優れる傾向にある。また、付着量は、400mg/inch2以下であることが好ましく、300mg/inch2以下であることがより好ましい。付着量が上記範囲であることにより、印刷速度、乾燥速度により優れる傾向にある。
(4−2.ドット形成密度)
「ドット形成密度」とは、吐き出される1つ1つのインク滴の被記録媒体上への形成密度をいい、被記録媒体の横方向(主走査方向、幅方向)×被記録媒体の縦方向(副走査方向、搬送方向)(各dpi)で表される。一方で、「記録解像度」とは、印刷データに基づいて階調の制御が可能な最小記録単位(画素)の密度をいう。ドット形成密度は記録解像度と同じ場合もあるが必ずしも同じではない。本実施形態におけるドット形成密度は、特に限定されないが、主走査方向、副走査方向とも、1440dpi以上8640dpi以下、さらに1440dpi以上2880dpi以下とすることができる。
〔5.被記録媒体支持部〕
被記録媒体は、被記録媒体の前記インクジェットヘッドに対抗する側の反対側から、樹脂製の表面を有する被記録媒体支持部に支持されていることが好ましい。被記録媒体支持部が樹脂製の表面であれば軽く、支持部搬送装置のモーターを強力なものとする必要がない。また、支持部が透明な樹脂製であれば被記録媒体を固定する際の位置決めの作業性がよくなる。また、被記録媒体支持部の表面が樹脂製の場合、支持部に被記録媒体をセットする際に被記録媒体との摩擦などにより静電気が発生しやすい。静電気が発生すると、ミストが発生しやすい。そのため、樹脂製の表面を有する被記録媒体支持部の場合、特に本発明を適用して問題を解決する必要性が大きい。
また、被記録媒体が、金属製の表面を有する被記録媒体支持部に支持されていることも好ましい。金属製の表面を有する被記録媒体支持部を用いる場合には、ミストの発生が少なくなることによりノズルプレートへのインク組成物の付着汚れが抑制され、クリーニング頻度がより少なくなる傾向にある。この原因は、被記録媒体を被記録媒体支持部にセットする際に、両者が擦れて静電気が発生することがあるが、金属製の場合、擦れても静電気の発生がなく、静電気によってインク滴が被記録媒体に届くことが妨害されてミストの原因となることがないためと推測するが原因はこれに限られるものではない。
〔6.プリンター〕
図3は本実施形態のインクジェット記録方法で記録を行うインクジェット記録装置(全体)の全体構成のブロック図の一例である。インクジェットプリンター1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、センサ群50、コントローラー60を有する。表示装置120を有するコンピュータ110から印刷信号PRTを受信したインクジェットプリンター1は、コントローラー60によって各ユニットを制御し被記録媒体に記録を行う。コントローラー60は、ユニット制御回路64、CPU62、メモリ63、インターフェース部61を有する。ヘッドユニット40は前述のヘッド、吐出機構を有し、記録の際の吐出周波数、インク量などは、コントローラー60によるヘッドユニット40の制御により行われる。キャリッジユニットはヘッドを主走査方向に沿って移動させる。搬送ユニットは被記録媒体を搬送方向へ搬送する。
[インク組成物]
本実施形態において、インク組成物としては特に限定されず、例えば、水系インク、非水系インク(溶剤系インク等)が挙げられる。インク組成物は、特に限定されないが、色材、樹脂エマルジョン、及び水溶性溶剤を含むことが好ましい。以下、上記インク組成物に含まれるか、又は含まれ得る添加剤(成分)について詳細に説明する。なお、第一のノズル列から吐出するインク組成物と第二のノズル列から吐出するインク組成物はお互いに同一組成(成分及びその含有量が同じ)であるインク組成物であっても、異なる組成であるインク組成物であってもよいが、2つのノズル列を用いて1つの画像(例えば白画像)の形成を行う場合は、少なくとも色材の種類を同じとするインク組成物を用いることが好ましく同一成分であるインクがより好ましい。
インク組成物は、質量基準で固形分の含有量の下限として、7%以上含むことが好ましく、12%以上含むことがより好ましく、15%以上含むことがさらに好ましく、16%以上含むことがさらに好ましい。固形分が上記範囲であることにより、記録物の隠蔽性に優れる傾向にある。また、固形分の含有量の上限は、40%以下が好ましく、35%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましく、25%以下が特に好ましい。固形分が上記範囲であることにより、付着汚れとなる成分が相対的に少なくなるため、ノズルプレートへのインク組成物の付着汚れがより生じにくく、クリーニング頻度がより少なくなる傾向や、吐出安定性に優れる傾向にある。固形分はインクに含まれインクの乾燥によって揮発せず、インクの乾燥後、常温で固体として記録媒体に長期にわたり残る成分であり、水、有機溶剤などを除く成分であって、主に色材、樹脂などが該当する。
〔1.色材〕
(1−1.白色顔料)
第一のノズル列と第二のノズル列から吐出されるインク組成物は、白色顔料を含むことが好ましい。白色顔料を含む白インク組成物は、白画像により色の濃い布帛を隠蔽して、白画像の上に記録するカラー画像の見栄えをよくするためにベタ画像として記録する。この際、印刷速度が遅くならないように全ノズルから比較的高い吐出周波数でインク組成物を吐出する。そうすると、エアカーテンが特に形成されやすく、ノズルプレートの付着汚れが増大し、吐出不良(不吐出や飛行曲がり)を起こすノズルが増え、ノズルのクリーニングの頻度を増やすことが必要である。そのため、白色インク組成物を構成する白色顔料の場合、特に本発明を適用して問題を解決する必要性が大きい。
白色インク組成物に含まれる白色顔料としては、以下に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化アンチモン、及び酸化ジルコニウム等の白色無機顔料が挙げられる。当該白色無機顔料以外に、白色の中空樹脂粒子及び高分子粒子などの白色有機顔料を使用することもできる。
白色顔料のカラーインデックス(C.I.)としては、以下に限定されないが、例えば、C.I.Pigment White 1(塩基性炭酸鉛),4(酸化亜鉛),5(硫化亜鉛と硫酸バリウムの混合物),6(酸化チタン),6:1(他の金属酸化物を含有する酸化チタン),7(硫化亜鉛),18(炭酸カルシウム),19(クレー),20(雲母チタン),21(硫酸バリウム),22(天然硫酸バリウム),23(グロスホワイト),24(アルミナホワイト),25(石膏),26(酸化マグネシウム・酸化ケイ素),27(シリカ),28(無水ケイ酸カルシウム)が挙げられる。
これらの中でも、発色性、隠蔽性、及び分散粒径に優れ、かつ、良好な視認性(明度)が得られるため、酸化チタンが好ましい。
上記酸化チタンの中でも、白色顔料として一般的なルチル型の酸化チタンが好ましい。このルチル型の酸化チタンは、自ら製造したものであってもよく、市販されているものであってもよい。ルチル型の酸化チタン(粉末状)を自ら製造する場合の工業的製造方法として、従来公知の硫酸法及び塩素法が挙げられる。
ルチル型の酸化チタンの市販品としては、例えば、Tipaque(登録商標) CR−60−2、CR−67、R−980、R−780、R−850、R−980、R−630、R−670、PF−736(以上、石原産業社(ISHIHARA SANGYO KAISHA, LTD.)製商品名)が挙げられる。
酸化チタンの50%平均粒子径(以下、「D50」ともいう。)は、50〜500nmが好ましく、150〜350nmがより好ましい。D50が上記の範囲内にあると、記録物の耐擦性及び画像の視認性が優れたものとなるため、高画質の画像を形成することができる。
ここで、本明細書における「酸化チタンの50%平均粒子径」は、インク組成物を調製する前における酸化チタンのD50でなく、インク組成物中に存在する酸化チタンのD50を意味する。また、本明細書における「50%平均粒子径」とは、動的光散乱法による球換算50%平均粒子径を意味し、以下のようにして得られる値である。
分散媒中の粒子に光を照射し、この分散媒の前方・側方・後方に配置された検出器によって、発生する回折散乱光を測定する。得られた測定値を利用して、本来は不定形である粒子を、球形であると仮定し、当該粒子の体積と等しい球に換算された粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その際の累積値が50%となる点を、「動的光散乱法による球換算50%平均粒子径」とする。
白色顔料として酸化チタンを使用する場合は、光触媒作用を抑制するために、アルミナシリカで表面処理されたものが好ましい。その際の表面処理量(アルミナシリカの量)は、表面処理された白色顔料の総質量(100質量%)に対して、5〜20質量%程度であるとよい。
また、白色顔料の含有量は、使用する顔料種により異なるが、良好な発色性を確保することなどから、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、1〜30質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましい。中でも、酸化チタンの含有量は、沈降し難いとともに、特に黒地の布帛上での隠蔽性及び色再現性に優れるため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、1〜20質量%が好ましく、5〜13質量%がより好ましい。上記の白色顔料はそれぞれ、1種単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(1−2.その他の色材)
本実施形態で用いるインク組成物には、以下に例示するその他の色材も特に限定されず用いることができる。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びチャンネルブラック(C.I.ピグメントブラック7)が挙げられる。また、カーボンブラックの市販品として、例えば、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B(以上全て商品名、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250(以上全て商品名、デグサ社(Degussa AG)製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700(以上全て商品名、コロンビアカーボン社(Columbian Carbon Japan Ltd)製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12(以上全て商品名、キャボット社(Cabot Corporation)製)等が挙げられる。無機顔料は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機顔料としては、特に限定されないが、例えば、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、及びアゾ系顔料等が挙げられる。有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、60、65、66、C.I.バットブルー4、60等が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントブルー15:3及び15:4のうち少なくともいずれかが好ましい。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。中でも、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される一種以上が好ましい。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、155、167、172、180、185、213等が挙げられる。中でもC.I.ピグメントイエロー74、155、及び213からなる群から選択される一種以上が好ましい。
なお、グリーンインクやオレンジインク等、上記以外の色のインクに用いられる顔料としては、従来公知のものが挙げられる。色材を含まないクリアインクとしてもよい。
〔2.顔料分散体〕
上記の顔料は、インク組成物中で分散された状態として、即ち顔料分散体として存在するとよい。ここで、本明細書における顔料分散体は、顔料分散液、及び顔料のスラリー(低粘度水性分散体)を包含する意味である。
白色顔料の分散体のD50は、100〜600nmがより好ましく、200〜500nmがさらに好ましい。当該D50が100nm以上であると、隠蔽性及び発色性が共に良好なものとなる。当該D50が1μm以下であると、インクの定着性及び吐出安定性が共に良好となる。
顔料分散体としては、以下に限定されないが、例えば、自己分散型顔料及びポリマー分散型顔料が挙げられる。
(2−1.自己分散型顔料)
上記の自己分散型顔料は、分散剤なしに水性媒体中に分散又は溶解することが可能な顔料である。ここで「分散剤なしに水性媒体中に分散又は溶解する」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても、その表面の親水基により、水性媒体中に安定に存在している状態を言う。そのため、分散剤に起因する消泡性の低下による発泡がほとんど無く、吐出安定性に優れるインクが調製しやすい。また、分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えられるため、顔料をより多く含有することが可能となり印字濃度を十分に高めることが可能になる等、取り扱いが容易である。
上記の親水基は、−OM、−COOM、−CO−、−SO3M、−SO2M、−SO2NH2、−RSO2M、−PO3HM、−PO32、−SO2NHCOR、−NH3、及び−NR3からなる群から選択される一以上の親水基であることが好ましい。
なお、これらの化学式中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、置換基を有していてもよいフェニル基、又は有機アンモニウムを表し、Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。また、上記のM及びRは、それぞれ互いに独立して選択される。
自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、前記親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造される。当該物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また、当該化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
(2−2.ポリマー分散型顔料)
上記のポリマー分散型顔料は、ポリマー分散によって分散可能とした顔料である。ポリマー分散型顔料に用いられるポリマーとしては、以下に限定されないが、例えば、顔料の分散に用いられる分散ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、55℃以下であることが好ましく、50℃以下がより好ましい。当該Tgが55℃以下であると、インクの定着性を良好なものとすることができる。
また、上記ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量は、10,000以上200,000以下であることが好ましい。これにより、インクの保存安定性が一層良好となる。ここで、本明細書における重量平均分子量(Mw)は、日立製作所社(Hitachi, Ltd.)製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量として測定することができる。
上記ポリマーとしては、インクの定着性及び光沢性に一層優れるため、その構成成分のうち70質量%以上が(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸の共重合によるポリマーが好ましい。炭素数1〜24のアルキル(メタ)アクリレート及び炭素数3〜24の環状アルキル(メタ)アクリレートのうち少なくとも一方が70質量%以上のモノマー成分から重合されたものであることが好ましい。当該モノマー成分の具体例としては、以下に限定されないが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、その他の重合用モノマー成分として、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有するヒドロキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、並びにエポキシ(メタ)アクリレートを用いることもできる。
(2−3.ポリマーに被覆された顔料)
また、インクの定着性、光沢性、及び色再現性に優れるため、上記ポリマー分散型顔料の中でもポリマーに被覆された顔料、即ちマイクロカプセル化顔料が好適に用いられる。
当該ポリマーに被覆された顔料は、転相乳化法により得られるものである。つまり、上記のポリマーをメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、及びジブチルエーテル等の有機溶媒に溶解させる。得られた溶液に顔料を添加し、次いで中和剤及び水を添加して混練・分散処理を行うことにより水中油滴型の分散体を調整する。そして、得られた分散体から有機溶媒を除去することによって、水分散体としてポリマーに被覆された顔料を得ることができる。混練・分散処理は、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、及び高速攪拌型分散機などを用いることができる。
中和剤としては、エチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びアンモニア等が好ましい。得られる水分散体のpHは6〜10であることが好ましい。
顔料を被覆するポリマーとしては、GPCによる重量平均分子量が10,000〜150,000程度のものが、顔料を安定的に分散させる点で好ましい。
ポリマーに被覆された顔料の中でも、ポリマーに被覆されたカラー顔料が好ましい。このカラー顔料を用いることで、記録物の発色性が優れたものとなる。
〔3.樹脂エマルジョン〕
本実施形態で用いるインク組成物は、樹脂エマルジョンをさらに含むことが好ましい。当該樹脂エマルジョンは、インクの乾燥に伴い、樹脂同士と、樹脂及び顔料と、がそれぞれ互いに融着して顔料を被記録媒体に固着させるため、記録物の画像部分の耐擦性及び洗濯堅牢性を一層良好にすることができる。樹脂エマルジョンの中でもウレタン樹脂エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョンが好ましく、ウレタン樹脂エマルジョンがより好ましい。これにより、インクの定着性が優れたものとなるため、記録物の耐擦性及び洗濯堅牢性が共に優れたものとなる。
樹脂エマルジョンがインク組成物に含まれる場合、当該樹脂エマルジョンは、被記録媒体上に樹脂被膜を形成することで、インク組成物を被記録媒体上に十分定着させて記録物の耐擦性を優れたものとする。そのため、樹脂エマルジョンは熱可塑性樹脂であることが好ましい。特に、ウレタン樹脂エマルジョンは、設計の自由度が高いため、所望の被膜物性を得やすい。
上記のウレタン樹脂エマルジョンは、分子中にウレタン結合を有する樹脂エマルジョンである。さらに、ウレタン樹脂エマルジョンとしては、上記のウレタン結合に加えて、主鎖にエーテル結合を含むポリエーテル型ウレタン樹脂、主鎖にエステル結合を含むポリエステル型ウレタン樹脂、及び主鎖にカーボネート結合を含むポリカーボネート型ウレタン樹脂なども使用可能である。アクリル樹脂エマルジョンは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系単量体を重合させたものや、(メタ)アクリル系単量体と他の単量体とを共重合させたものがあげられる。
以下、樹脂エマルジョンの好ましい物性について説明する。まず、一般的にインクジェット記録が行われる温度範囲(15〜35℃)において、当該樹脂エマルジョンは造膜性を有することが好ましいため、そのTgは、0℃以下であることが好ましく、−10℃以下であることがより好ましく、−15℃以下であることがさらに好ましい。樹脂エマルジョンのTgが上記範囲内である場合、記録物に付着したインクの定着性が一層優れたものとなる結果、記録物の耐擦性が一層優れたものとなる。なお、Tgの下限は特に限定されないが、−70℃以上、さらに−50℃以上であるとよい。
また、樹脂エマルジョンの酸価は、10〜100mgKOH/gであることが好ましく、15〜50mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が100mgKOH/g以下であると、記録物の洗濯堅牢性を良好に維持することができる。また、酸価が10mgKOH/g以上であると、インクの保存安定性、並びに被記録媒体上でのインクの発色性及び定着性が優れたものとなる。なお、本明細書における酸価は、京都電子工業社(Kyoto Electronics Manufacturing Co.,Ltd.)製のAT610を用いて測定を行い、以下の数式に数値をあてはめて算出した値を採用するものとする。
酸価(mg/g)=(EP1−BL1)×FA1×C1×K1/SIZE
上記の数式中、EP1は滴定量(mL)、BL1はブランク値(0.0mL)、FA1は滴定液のファクター(1.00)、C1は濃度換算値(5.611mg/mL)(0.1mo1/L KOH 1mLの水酸化カリウム相当量)、K1は係数(1)、SIZEは試料採取量(g)をそれぞれ表す。
また、樹脂エマルジョンは、被記録媒体の中でも伸縮しやすい布帛に対して、画像、即ちインク層の破断やひび割れを防ぎ、記録物の洗濯堅牢性及び耐擦性が優れたものとなるため、破断点伸度が500〜1200%、さらに600〜1200%、特に700〜1200%、弾性率は20〜400MPaであることが好ましい。
ここで、本明細書における破断点伸度は、約60μmの厚さのフィルムを作成し、引張試験ゲージ長20mm及び引っ張り速度100mm/分の条件下で測定することができる。また、本明細書における弾性率は、約60μmの厚さのフィルムを作成し、平行部幅10mm及び長さ40mmの引張試験ダンベルに成形し、JIS K7161:1994に準拠して引張試験を行い、引っ張り弾性率を測定することができる。
なお、上記JIS K7161:1994について具体的に説明すると、対応国際規格がISO 527−1:1993であり、標題がプラスチック−引張特性の試験方法であり、かつ、規格の概要は、定められた条件下でのプラスチック及びプラスチック複合材の引張特性を測定するための一般原則について規定したものである。
樹脂エマルジョンのD50は、30〜300nmが好ましく、80〜300nmがより好ましい。D50が上記範囲内であると、インク組成物中で樹脂エマルジョン粒子を均一に分散させることができる。また、記録物の耐擦性が一層優れたものとなるため、D50の下限値は100nmであるとさらに好ましい。
以上で説明した樹脂エマルジョンの物性の観点より、上記ウレタン樹脂エマルジョンの市販品として、以下に限定されないが、例えば、サンキュアー2710(日本ルーブリゾール社(The Lubrizol Corporation)製商品名)、パーマリンUA−150(三洋化成工業社(Sanyo Chemical Industries, Ltd.)製商品名)、スーパーフレックス 460,470,610,700(以上、第一工業製薬社(Dai-ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd.)製商品名)、NeoRez R−9660,R−9637,R−940(以上、楠本化成社(Kusumoto Chemicals,Ltd.)製商品名)、アデカボンタイター HUX−380,290K(以上、アデカ(Adeka)社製商品名)、タケラック(登録商標) W−605,W−635,WS−6021(以上、三井化学社(Mitsui Chemicals, Inc.)商品名)、ポリエーテル(大成ファインケミカル社(TAISEI FINECHEMICAL CO,.LTD)商品名、Tg=20℃)が好ましく挙げられる。
ウレタン樹脂エマルジョンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態で用いるインク組成物は、ウレタン樹脂エマルジョン以外の樹脂エマルジョンを含んでもよい。そのような樹脂エマルジョンの中でも、樹脂の凝集を効果的に防止できるため、アニオン性の樹脂エマルジョンが好ましい。当該アニオン性の樹脂エマルジョンとしては、以下に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体、フッ素樹脂、及び天然樹脂が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかが好ましく、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル酸共重合体系樹脂のうち少なくともいずれかがより好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体系樹脂がさらに好ましい。なお、上記の共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体のうちいずれの形態であってもよい。
ウレタン樹脂エマルジョン以外の樹脂エマルジョンとしては、公知の材料及び製造方法により得られるものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。当該市販品としては、以下に限定されないが、例えば、モビニール966A(日本合成化学社(Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd.)製商品名、アクリル樹脂エマルジョン)、マイクロジェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上商品名、日本ペイント社(Nippon Paint Co., Ltd)製)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上商品名、DIC社製)、SAE1014(商品名、日本ゼオン社(Zeon Corporation)製)、サイビノールSK−200(商品名、サイデン化学社(SAIDEN CHEMICAL INDUSTRY CO.,LTD.)製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョンクリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンクリル7610(以上商品名、BASF社製)、NKバインダー R−5HN(新中村化学社製商品名、アクリル樹脂エマルジョン、固形分44%)が挙げられる。これらの中でも、上述した樹脂エマルジョンの好ましい物性を十分に満たすため、アクリル樹脂エマルジョンであるモビニール966Aが好ましい。
樹脂エマルジョンは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂エマルジョンの樹脂の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して3〜15質量%の範囲であることが好ましく、7〜14質量%であることがより好ましく、8〜13質量%であることがさらに好ましい。上記範囲内であると、記録物の洗濯堅牢性及び耐擦性が優れたものとなる傾向にあり、インク組成物の長期安定性に優れ、特にインク組成物を低粘度化することができる傾向にある。
〔4.環状アミド化合物〕
本実施形態で用いるインク組成物は、環状アミド化合物をさらに含むことが好ましい。当該環状アミド化合物は、乳酸エステル化合物の水への溶解性を良好にする機能を有する。そこで、インク組成物が上記の乳酸エステル化合物と共に環状アミド化合物も含むことにより、ウレタン樹脂(エマルジョン)の溶解力が一層強くなり、上述のような異物の析出を一層効果的に防止できるため、保存安定性、特に高温下での保存安定性が一層優れたものとなる。
また、環状アミド化合物は、保湿性能も有するため、ウレタン樹脂(エマルジョン)その他の樹脂(ポリマー)及び顔料などの水分がインクの保管時に蒸発し得ることに起因して、凝集し固化するのを防止することができる。これにより、インクジェット記録時にヘッドのノズル近傍における目詰まりを防止し、インク組成物の吐出安定性が良好なものとなる。
環状アミド化合物の具体例としては、以下に限定されないが、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN−エチル−2−ピロリドンが挙げられる。中でも、樹脂(ポリマー)に対する溶解力がさらに一層強くなり、保存安定性、特に高温下での保存安定性がさらに一層優れたものとなるため、2−ピロリドンが好ましい。
環状アミド化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状アミド化合物の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対して、0.5〜5質量%であることが好ましく、1〜3質量%であることがより好ましい。当該含有量が上記範囲内であると、インクの長期保存安定性及び吐出安定性、並びにインクの優れた定着性に起因する記録物の耐擦性及び洗濯堅牢性が、いずれも一層優れたものとなる。
〔5.水溶性溶剤〕
本実施形態で用いるインク組成物は、水溶性溶剤を含むことができ、水を含むことが好ましい。当該水性溶媒としては、水及び水溶性有機溶剤が挙げられる。水としては、特に制限されることなく、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。水の含有量は、特に制限されることなく必要に応じて適宜決定すればよいが、インク組成物の粘度を好適な範囲に調整するため、インク組成物の総質量(100質量%)に対して20〜80質量%含まれているとよい。
なお、以下で説明する各種の添加剤(成分)は、重複を避けるため、上述した環状アミド化合物を含まないものとする。
〔6.浸透剤〕
本実施形態で用いるインク組成物は、その構成成分である水性溶媒が被記録媒体に浸透することを一層促進するため、浸透剤をさらに含有するとよい。上記水性溶媒が被記録媒体に素早く浸透することによって、画像の滲みが少ない記録物を得ることができる。
このような浸透剤としては、多価アルコールのアルキルエーテル(グリコールエーテル類)及び1、2−アルキルジオールが好ましく挙げられる。当該グリコールエーテル類としては、以下に限定されないが、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。また、上記1、2−アルキルジオールとしては、以下に限定されないが、例えば、1、2−ペンタンジオール及び1、2−ヘキサンジオールが挙げられる。これらの他に、1、3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール、1、5−ペンタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、1、7−ヘプタンジオール、及び1、8−オクタンジオール等の直鎖炭化水素のジオール類も挙げることができる。
浸透剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
浸透剤の含有量は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。含有量が0.1質量%以上であると、インク組成物の被記録媒体への浸透度を増大させることができる。一方、含有量が20質量%以下であると、画像に滲みが発生することを防止でき、またインク組成物の粘度が高くならないようにすることができる。
〔7.保湿剤〕
本実施形態で用いるインク組成物は、保湿剤(湿潤剤)をさらに含んでもよい。保湿剤としては、一般にインクジェットインクに用いられるものであれば特に制限されることなく使用可能である。好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上の沸点を有する高沸点の保湿剤を用いるとよい。沸点が上記範囲内である場合、インク組成物に良好な保水性及び湿潤性を付与することができる。
高沸点の保湿剤の具体例として、以下に限定されないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1、4−ジオール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、2−メチル−2、4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、数平均分子量2000以下のポリエチレングリコール、1、3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、及びペンタエリスリトールが挙げられる。
保湿剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。インク組成物が高沸点の保湿剤を含むことにより、開放状態で顔料インクが空気に触れている状態で放置しても、流動性及び再分散性を長時間維持できるインク組成物を得ることができる。さらに、このようなインク組成物は、インクジェット記録装置を用いた捺染の途中又は中断後の再起動時に、ノズルの目詰まりが生じにくくなるため、インク組成物の吐出安定性が優れたものとなる。上記保湿剤の含有量は特に限定されず、必要に応じて適宜決定すればよい。
なお、上述のとおり、インク組成物が環状アミド化合物を含む場合、環状アミド化合物は保湿性能を有するため、環状アミド化合物を保湿剤として用いればよい。
〔8.界面活性剤〕
本実施形態で用いるインク組成物は、界面活性剤を含んでもよい。当該界面活性剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、及びポリシロキサン系界面活性剤のうち少なくともいずれかが好ましい。インク組成物がこれらの界面活性剤を含むことにより、被記録媒体に付着したインク組成物の乾燥性が一層良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。
これらの中でも、インクへの溶解度が大きくなり異物が一層発生し難くなるため、ポリシロキサン系界面活性剤がより好ましい。
上記のアセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤としては、以下に限定されないが、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール及び2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキシド付加物、並びに2,4−ジメチル−5−デシン−4−オール及び2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキサイド付加物から選択される一種以上が好ましい。これらは、オルフィン104シリーズやオルフィンE1010等のEシリーズ(エアプロダクツ社(Air Products Japan, Inc.)製商品名)、サーフィノール465やサーフィノール61(日信化学工業社(Nissin Chemical Industry CO.,Ltd.)製商品名)等の市販品として入手可能である。
また、ポリシロキサン系界面活性剤としては、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社(BYK Japan KK)製商品名)などが挙げられる。
上記の界面活性剤は、インク組成物の総質量(100質量%)に対し、0.1〜3質量%であることが好ましい。
〔9.その他の成分〕
本実施形態で用いるインク組成物は、その保存安定性及びヘッドからの吐出安定性を良好に維持するため、目詰まり改善のため、又はインクの劣化を防止するため、保湿剤、溶解助剤、浸透制御剤、粘度調整剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、腐食防止剤、及び分散に影響を与える金属イオンを捕獲するためのキレート化剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。本実施形態で用いるインク組成物は、揮発性成分中、水を最も多く含む水系インク組成物とすることが、安全性の点で好ましい。
[被記録媒体]
次に、本実施形態の被記録媒体について説明する。本実施形態の記録方法に用いられる被記録媒体は、特に限定されないが、例えば、布帛、紙である。布帛としては、以下に限定されないが、例えば、絹、綿、羊毛、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の天然繊維又は合成繊維が挙げられる。これらのうち、高温下でのインク組成物の定着に耐えられるため、綿が好ましい。
被記録媒体が布帛の場合、布帛表面の毛羽立ちによってインク滴が一旦トラップされて布帛表面に届くことができず、かつトラップされたインク滴が、その後、布帛から離れて空気中に浮遊してミストとなることがある。よって紙のような被記録媒体と比べてミストが発生しやすい。そのため、布帛の場合、特に本発明を適用して問題を解決する必要性が大きい。
[インクジェット記録装置]
本実施形態のインクジェット記録装置は、上記インクジェット記録方法で記録を行うものであれば特に限定されず、上述の構成を有する他は、従来と同様の構成であってもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
[1.インク組成物用の材料]
下記の実施例及び比較例において使用したインク組成物用の主な材料は、以下の通りである。
〔色材〕
・二酸化チタン(シーアイ化成社製 製品名:Nano tek slurry、酸化チタン固形分濃度15% 平均粒径250nm)
〔樹脂エマルジョン〕
・タケラックWS−6021(三井化学ポリウレタン社製製品名、固形分30%、ウレタン樹脂)
〔分散剤〕
・デモールNL(花王ケミカル社製製品名、固形分41%)
〔有機溶剤〕
・グリセリン
・トリエチレングリコール
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル
〔シリコン系界面活性剤〕
・BYK−348(BYK社製商品名)
[2.白色インクの調製]
下記の表1に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、インク組成物1、2を得た。表1中、タケラックWS−6021と分散剤デモールNLは固形分以外の溶媒成分も含めた使用量であり、二酸化チタンは固形分の量であり、固形分(%)はインク中の固形分の量である。
Figure 2017159648
[3.被記録媒体]
被記録媒体としては、綿100%のTシャツ布帛(HANES社製のヘビーウェイト 黒色生地)と、普通紙(ゼロックスP)を用いた。
[4.インクジェット記録装置]
プリンターGS6000(セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製)を改造したもの(以下、「GS6000改造機」という。)を用いた。改造部分は、以下のヘッドと、吐出機構と、被記録媒体支持部材質とを備えた点である。
ヘッドとしては、第一ノズル列及び第二ノズル列が図1に示すような千鳥配置でノズルが並んだ列を有するものを用意した。具体的には、(1)ノズル列同士の距離L1を19.5mm、ノズル密度L2を720dpiとしたもの、(2)ノズル列同士の距離L1を12mm、ノズル密度L2を720dpiとしたもの、(3)ノズル列同士の距離L1を19.5mm、ノズル密度L2を360dpiとしたもの、(4)ノズル列同士の距離L1を12mm、ノズル密度L2を360dpiとしたものを、それぞれ用意した。ノズル密度L2を360dpiとしたものは、ノズル密度L2を720dpiとしたものにおいてノズル列中のノズルを1個おきに使用することで構成したため、ノズル数(使用ノズル数)は、半分になっており、ノズル数は(1)(2)は720個、(3)(4)は360個とし、ノズル列の方向のノズル列の長さは(1)〜(4)で同じとした。
吐出機構としては、1記録周期の駆動周波数7.2kHz、駆動パルスの周波数43.2kHzで吐出周波数を制御でき、電圧VLとVHの電位差を調整することで1インク滴あたりのインク量を7〜14ngの範囲で調整できるものを用意した。ただし、14ngの場合は、1インク滴当たりのインク量が多い為、ノズル径及び圧力室の容積の大きな別のヘッドを用意することで調整した。具体的な吐出周波数の制御は、吐出周波数21.6kHzの場合は、6つの駆動パルスPAPSのうちから1個おきに3個の駆動パルスのみを圧電素子に印加することで吐出を行い、14.4kHzの場合は、6個の駆動パルスから2個おきに2個のパルスのみを圧電素子に印加することで吐出を行い、7.2kHzの場合は、6個の駆動パルスから5個おきに1個のパルスのみを圧電素子に印加することで吐出を行った。
被記録媒体支持部材質としては、表面の材質がアクリル板とアルミ板のものを用意した。
[6.インクジェット記録方法(実施例1〜7,比較例1〜10)]
布帛に対して、前記改造機を用いて、インクジェット法により、上記で調製したインク組成物1又は2を被記録媒体に付着させた。より具体的には、第一のノズル列及び第二のノズル列から、所定の吐出の周波数、所定のインク量でインク組成物を吐出し、インク組成物を被記録媒体へ付着させた。ドット形成密度は所定の値とし、記録媒体をA4サイズとし、ベタパターン画像を記録した。吐出の周波数、インク量及びドット形成密度は表2、3に示すとおりである。
なお、本明細書における「ベタパターン画像」とは、記録解像度で規定される最小記録単位領域である画素の全ての画素に対してドットを記録し記録媒体の画像を意味する。
インク組成物1又は2が付着した布帛を、ヒートプレス機を用いて160℃で1分間加熱処理を行い、インク組成物1又は2を布帛に定着させた。このようにして、布帛に画像が形成された(インクが印捺された)記録物を製造した。このとき、得られた記録物に対して、以下の評価をした。
[7.評価項目]
〔インク付着量(mg/inch2)〕
インク付着量は、下記式に従い、ドット形成密度から求めた。なお「×2」としたのは第一のノズル列と第二のノズル列とでそれぞれ同様にインクを付着させているためである。つまり、記録媒体上における第一のノズル列によるドット形成位置と第二のノズル列によるドット形成位置及びインク付着量は全く同じであるとし、第一のノズル列によるドット形成と、第一のノズル列と第二のノズル列とを合わせた全体のドット形成とを比較した場合、ドット形成密度は同じであり、インク付着量は前者に対し後者を2倍とした。
インク付着量(mg/inch2)=インク滴のインク量(ng)×横方向のドット形成密度(dpi)×縦方向のドット形成密度(dpi)×2×10-6
〔ノズルプレートへのインクの付着汚れ〕
前記改造機を用い、表1に示すインク組成物1又は2を用いて、約A4サイズの大きさにした綿100%のTシャツ布帛(HANES社製のヘビーウェイト 黒色生地)に20×20cmのベタ画像を印刷した。50枚印刷した後のノズルプレートの2本のノズル列の間のインクの汚れを目視で観察した。ノズルプレートへのインクの付着汚れの評価基準を以下に示す。なお、いずれの例も第一及び第二ノズル列の外側にはインクの汚れはほとんど見られなかった。
(評価基準)
◎:ノズルの汚れが見えない。
○:ノズル列間に若干のインクの付着が見えるがノズルの周囲のインクの付着は少ない。
△:ノズルの周囲にもインクの付着が見える。
×:ノズルプレートがほとんどインクで埋まっている。
〔クリーニング頻度〕
前記改造機を用い、表1に示すインク組成物1又は2を用いて、ノズルプレートへのインク付着汚れ評価と同じ布帛へ同じ条件でベタ画像の印刷を行い、1枚印刷するごとに不吐出ノズルの有無のノズル検査を行った。全使用ノズル数に対する0.3%以上の個数のノズルが不吐出になった時点でクリーニングが必要と判断した。クリーニングが必要と判断した時点の印刷枚数に基づいて、クリーニング頻度を以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
◎:81枚以上
○:51〜80枚
△:21〜50枚
×:20枚以下
〔画像の隠蔽性〕
ノズルプレートへのインクの付着汚れの評価における、1枚目の印刷物を評価した。具体的には、測色器(商品名「Gretag Macbeth Spectrolino」、X−RITE社製)によりL*値を測定し、得られたL*値に基づいて画像の隠蔽性を以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
◎:90以上
○:80〜90未満
△:70〜80未満
×:70未満
〔印刷速度〕
前記改造機を用い、表1に示すインク組成物1又は2を用いて、約A4サイズの大きさにした綿100%のTシャツ布帛(HANES社製のヘビーウェイト 黒色生地)に20×20cmのベタ画像を印刷した。印刷速度は以下の評価基準で評価した。
(評価基準)
○:実施例1と同じ
×:実施例1と比べてパス数(主走査数)が2倍以上必要だった。
〔乾燥速度〕
前記改造機を用い、表1に示すインク組成物を用いて、ノズルプレートへのインク付着汚れの評価と同じ方法で1枚の白ベタ画像を印刷した後、直ちに、図1のCノズルレーンを用いて、シアンインクを用いて白ベタ画像よりも内側に10×10cmのベタ画像(インク滴7ng、ドット密度4320×720dpi)を重ねて印刷した。白画像とカラー画像の境界の滲みを目視で観察した。シアンインクは白インク組成物2で二酸化チタンを含む代わりにシアン顔料ピグメントブルー15:3(クラリアント製)を4質量%含ませたものを調整して用いた。白ベタ画像とシアン画像の境界部を目視で観察した。
(評価基準)
○:滲みなし
×:滲みあり
Figure 2017159648
Figure 2017159648
上記結果より本発明の構成要件を満たすインクジェット記録方法を用いた場合には、ノズルプレートへのインク組成物の付着汚れが生じにくく、クリーニング頻度が少なく、隠蔽性に優れた画像を印刷でき、印刷速度及に優れることが示された。一方、第一列及び第二列のノズルの距離が近い比較例1、2、8〜10は、ノズルプレートへのインク組成物の付着汚れが生じ、クリーニング頻度も高いことが分かった。
比較例3、4は、ノズル密度が低いためノズル数(使用ノズル数)が少なく所定のインク付着量とするためにパス数を増やす必要が生じ、パス数が多いことはパス間の副走査も多くなり印刷速度低下への影響が大きい。なお、比較例3、4において、ノズル密度を360dpiとしながらノズル列の副走査方向の長さを2倍としてノズル数も2倍として、ノズル数を実施例1と同じにすることも考えられるが、この場合、ヘッドの副走査方向の長さが大きくなり記録装置の小型化の点で好ましくない。
比較例5、7は、吐出の周波数が低いがパス数は実施例1と同じとしたため、印刷速度は低下しなかったが、ドット形成密度が低くインク付着量が少なくなり、画像の隠蔽性が低下した。比較例6は、比較例7に比して、パス数を2倍にすることで、ドット形成密度とインク付着量を多くしたものだが、印刷速度が低下した。
なお、実施例3、比較例8は、記録媒体を普通紙としたものであるが、インク付着量が多いことにより記録媒体に変形が見られた。
さらに、インク滴のインク量が大きい場合、インク汚れ、クリーニング頻度は比較的向上するものの乾燥速度が低下する傾向が見られた。一方、インク滴のインク量が小さい場合、乾燥速度が優れることに加え、印刷速度を低下することなく高いドット形成密度でドット形成が可能であり、このことは画像の高精細化の点で有利なものであり、その反面、インク汚れ、クリーニング頻度が悪化する傾向が見られたことから、本発明が特に有用であることがわかった。
本発明のインクジェット記録方法は、被記録媒体、特に布帛に対して、インク組成物を記録する方法として産業上の利用可能性を有する。
1…インクジェットプリンター、20…搬送ユニット、30…キャリッジユニット、40…ヘッドユニット、50…センサ群、60…コントローラー、61…インターフェース部、62…CPU、63…メモリ、64…ユニット制御回路、110…コンピュータ、120…表示装置。

Claims (11)

  1. 第一のノズル列と、該第一のノズル列に沿って配列された第二のノズル列とを有し、前記第一のノズル列と前記第二のノズル列の間の距離は15mm以上であり、前記第一のノズル列のノズル密度及び前記第二のノズル列のノズル密度はそれぞれ600dpi以上である、インクジェットヘッドを用い、
    該インクジェットヘッドを、被記録媒体に対して、前記第一のノズル列及び前記第二のノズル列の列方向と交差する方向に相対的な位置を変化させながら、前記第一のノズル列及び前記第二のノズル列におけるノズルから、周波数12kHz以上でインク組成物を吐出する走査を行うことで、
    該インク組成物を前記被記録媒体へ付着させる、
    インクジェット記録方法。
  2. 前記被記録媒体に対する前記インクの付着量が、150mg/inch2以上である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インク組成物が、12質量%以上の固形分を含む、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記インク組成物が、色材、樹脂エマルジョン、及び水溶性溶剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記インク組成物が、酸化チタンを含む白インク組成物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記走査を複数回行うことで記録を行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記被記録媒体が、布帛である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記被記録媒体が、被記録媒体の前記インクジェットヘッドに対向する側の反対側から、樹脂製の表面を有する被記録媒体支持部に支持されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  9. 1ノズルから吐出する前記インク組成物の1回の吐出のインク量が、10ng以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記インクジェットヘッドは、前記第一のノズル列の前記第二のノズル列とは反対側、及び、前記第二のノズル列の前記第一のノズル列とは反対側の少なくとも一方に、前記インク組成物とは異なる他のインク組成物を吐出する他のノズル列を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法で記録を行う、インクジェット記録装置。
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