JP2010188597A - 画像形成方法および記録物 - Google Patents

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Abstract

【課題】柔軟性および堅牢性に優れた画像を布帛に対して形成可能な画像記録方法を提供すること。特に、柔軟性および堅牢性に優れた画像を布帛に対して形成可能で、且つ、インクジェット記録方式にも対応可能な画像記録方法を提供すること。
【解決手段】布帛に対し、中空樹脂粒子および金属化合物粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、ガラス転移温度が65℃以下のポリウレタン樹脂とを含有するインク組成物で印刷することを特徴とする画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、柔軟性および堅牢性に優れた画像を布帛に対して形成可能な画像記録方法に関する。特に、本発明は、柔軟性および堅牢性に優れた画像を布帛に対して形成可能で、且つ、インクジェット記録方式にも対応可能な画像記録方法に関する。更に、本発明は当該画像記録方法によって得られる記録物に関する。
特許文献1には、顔料と樹脂エマルジョンとを含む布帛印刷用インクであって、前記顔料と前記樹脂エマルジョン(樹脂固形分)との質量比が、1:0.7〜1:3.0の範囲にあり、前記樹脂エマルジョンが、−25℃以上18℃以下のガラス転移点と4以上54以下の酸価とを有する樹脂を含有することを特徴とする布帛印刷用インクが開示されている。特許文献1に記載された布帛印刷用インクによれば、洗濯堅牢性が高く、布帛の感触、吸汗性、外観等において優れた布帛印刷用インクおよび印刷製造方法が提供できるとされている。しかしながら、特許文献1では顔料としてカーボンブラック、モノアゾイエロー、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等の天然無機顔料や有機顔料を記載するのみである。また、前記樹脂エマルジョンのガラス転移温度及び酸価の開示は、アクリル樹脂エマルジョンのみで、ウレタン樹脂エマルジョンについては開示がされていなかった。
一方、白色色材として金属化合物あるいは中空樹脂粒子を含有させたインク組成物が知られている。白色色材として使用される中空樹脂粒子は、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性の樹脂から形成されている。この中空樹脂粒子は、その外殻と空洞の間における光の屈折率の差により生じる光散乱によって隠蔽効果を発揮することができる。中空樹脂粒子を形成する樹脂が透明の場合には、白色を呈することができる(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、特に、色材としての中空樹脂粒子は一般的な顔料よりも粒子径が大きいため、記録媒体上における定着性に劣るため堅牢性が悪いという問題がある。さらに、十分な白色を得るために白色色材を多めにインクに含有させる必要があるため、布帛のような柔軟な記録媒体に対して定着性、堅牢性が悪くなるという問題がある。
特開2006−348256号公報 米国特許第4,880,465号明細書
本発明は、柔軟性および堅牢性に優れた画像を布帛に対して形成可能な画像記録方法を提供することを目的とする。特に、本発明は、柔軟性および堅牢性に優れた白色画像を布帛に対して形成可能な画像記録方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
(1) 布帛に対し、中空樹脂粒子および金属化合物粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、ガラス転移温度が65℃以下のポリウレタン樹脂とを含有するインク組成物で印刷することを特徴とする画像形成方法。
(2) 前記インク組成物中、前記ポリウレタン樹脂が溶媒中に粒子として分散していることを特徴とする上記(1)に記載の画像形成方法。
(3) 前記インク組成物中の前記ポリウレタン樹脂の含有量が0.5〜10質量%であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の画像形成方法。
(4) 前記インク組成物中、前記色材の含有量が5〜20質量%であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の画像形成方法。
(5) 前記色材が中空樹脂粒子であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の画像形成方法。
(6) 前記中空樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成方法。
(7) 前記インク組成物中、前記中空樹脂粒子の含有量が5〜20質量%であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成方法。
(8) 前記インク組成物が、さらに、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成方法。
(9) 前記インク組成物が、さらに、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成方法。
(10) インクジェット記録方式に適用されることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の画像記録方法。
(11) 上記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の画像記録方法により得られる記録物。
本発明によれば、布帛に対して柔軟性および堅牢性に優れた画像を形成でき、且つインクジェット記録方式にも適用可能な画像形成方法が提供される。本発明の画像形成方法は、白色色材として使用される中空樹脂粒子や金属化合物粒子をインク組成物に使用するため、布帛に対して白色画像を形成する際に好適である。
本発明の画像形成方法は、布帛に対し、中空樹脂粒子および金属化合物粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、ガラス転移温度が65℃以下のポリウレタン樹脂とを含有するインク組成物で印刷することを特徴とする。以下、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
1.インク組成物
本発明におけるインク組成物は、色材として中空樹脂粒子および金属化合物粒子から選ばれる少なくとも1種と、ガラス転移温度が65℃以下のポリウレタン樹脂とを含有することを特徴とする。
1.1 中空樹脂粒子
中空樹脂粒子は、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されている。したがって、該中空樹脂粒子が水性インク組成物中に存在する場合には、内部の空洞は水性媒質で満たされることになる。水性媒質で満たされた粒子は、外部の水性媒質とほぼ等しい比重を有するため、水性インク組成物中で沈降することなく分散安定性を保つことができる。これにより、インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性を高めることができる。
このインク組成物を記録媒体上に吐出させると、粒子の内部の水性媒質が乾燥時に抜けることにより空洞となる。粒子が内部に空気を含有することにより、粒子は屈折率の異なる樹脂層および空気層を形成し、入射光を効果的に散乱させるため、中空樹脂粒子を構成する樹脂が透明の場合には白色を呈する。この中空樹脂粒子を構成する樹脂は他の色に着色されたものであってもよく(但し、この場合には、中空樹脂粒子の樹脂は光透過性を有したまま着色されていることが必要である)、白色以外を呈していてもよい。
本発明における中空樹脂粒子は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。例えば、米国特許第4,880,465号や特許第3,562,7 54号などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を好ましく用いることができる。
中空樹脂粒子の平均粒子径(外径)は、好ましくは0.2〜1.0μmであり、より好ましくは0.4〜0.8μmである。外径が1.0μmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、外径が0.2μm未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向にある。また、内径は、0.1〜0.8μm程度が適当である。
中空樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
上記中空樹脂粒子の含有量(固形分)は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは5〜20質量%であり、特に好ましくは8〜15質量%である。中空樹脂粒子の含有量(固形分)が20質量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、5質量%未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向にある。
上記中空樹脂粒子の調製方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を適用することができる。中空樹脂粒子の調製方法として、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、重合開始剤、および水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌することにより中空樹脂粒子エマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法を適用することができる。
ビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられ、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2− エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ビニルモノマーとして、二官能性ビニルモノマーを用いることもできる。二官能性ビニルモノマーとして、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。上記単官能性ビニルモノマーと上記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
界面活性剤としては、水中でミセルなどの分子集合体を形成するものであればよく、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
重合開始剤としては、水に可溶な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
水系分散媒としては、例えば、水、親水性有機溶媒を含有する水などが挙げられる。
1.2 金属化合物粒子
本発明における金属化合物粒子としては、従来から顔料として用いられている金属酸化物、硫酸バリウムや炭酸カルシウムである。金属酸化物としては、特に制限されないが、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。本発明における金属化合物粒子としては、二酸化チタン、アルミナが好ましい。また、上記で挙げた白色以外の金属化合物粒子も使用可能である。
上記金属化合物粒子の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは5〜20質量%であり、特に好ましくは5〜10質量%である。金属化合物粒子の含有量が20質量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、1質量%未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向にある。
金属化合物粒子の平均粒子径(外径)は、好ましくは30〜600nmであり、より好ましくは200〜400nmである。外径が600nmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、外径30nm未満であると、白色度等の色濃度が不足する傾向にある。
金属化合物粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
1.3 ポリウレタン樹脂
本発明におけるポリウレタン樹脂としては、溶媒中に粒子状で分散させたエマルジョンタイプ、溶媒中に溶解した状態で存在している溶液タイプのいずれのタイプを用いてもよい。また、エマルジョンタイプは、その乳化方法によって強制乳化型と自己乳化型に分類することができるが、本実施形態においてはいずれの型式でも用いることができる。
本発明におけるポリウレタン樹脂のガラス転移温度(Tg)は65℃以下であることが必要であり、20℃程度であることが好ましい。詳細な理由は明らかではないが、65℃以下のガラス転移温度をもつポリウレタン樹脂が記録媒体上で広がるようにしながら画像を形成するため、色材である中空樹脂粒子または金属化合物粒子を記録媒体上により強固に定着させることができる。これにより、優れた堅牢性を有する画像を得ることができる。特に、色材としての中空樹脂粒子は一般的な顔料よりも粒子径が大きいため記録媒体上におけるインクの定着性が弱く、また内部が空洞であるため外部衝撃に弱いが、ガラス転移温度が65℃以下のポリウレタン樹脂を用いることで顕著に堅牢性を向上させることが可能となる。また、このようなガラス転移温度とするので印刷物を加熱することなく定着させることが可能となる。更に、このようなポリウレタン樹脂を用いることで柔軟性に優れた画像を形成することが可能であるため、洗濯時にひび等が入りにくい。
ポリウレタン樹脂として上記のエマルジョンタイプを適用した場合、ポリウレタン樹脂の平均粒子径は、好ましくは50〜200nmであり、より好ましくは60〜200nmである。ポリウレタン樹脂の平均粒子径が上記範囲内にあると、インク組成物中においてポリウレタン樹脂粒子を均一に分散させることができる。
上記ポリウレタン樹脂の含有量(固形分)は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%であり、特に好ましくは1〜3質量%である。ポリウレタン樹脂の含有量が10質量%を超えると、インクの信頼性(目詰まりや吐出安定性など)を損なうことがあり、インクとしての適正な物性(粘度など)が得られないことがある。一方、0.5質量%未満であると、記録媒体上におけるインクの定着性に優れず、堅牢性に優れた画像を形成することができない。
本発明で用いられるポリウレタン樹脂としては、例えば、「タケラック(登録商標)W−6061」(三井化学社製)などの強制乳化型ポリウレタンエマルジョン、「タケラック(登録商標)W−6021」(三井化学社製)、「WBR−2019」、「WBR−022U」(以上、大成ファインケミカル社製)などの自己乳化型ポリウレタンエマルジョンなどが挙げられる。
このようなポリウレタン樹脂の製造方法としては、公知の方法を適用することができ、例えば、ポリイソシアネート、ポリオール、および鎖延長剤を触媒の存在下または非存在下において反応させることにより製造することができる。
1.4 浸透性有機溶剤
本発明におけるインク組成物は、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。アルカンジオールやグリコールエーテルは、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどの炭素数が4〜8の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。この中でも炭素数が6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いため、より好ましい。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。この中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
これらのアルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
1.5 界面活性剤
本発明におけるインク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体の被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、本発明におけるインク組成物は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
上記界面活性剤の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
1.6 多価アルコール
本発明におけるインク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、かかるインク組成物をインクジェット式記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
上記多価アルコールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%である。
1.7 第三級アミン
本発明におけるインク組成物は、第三級アミンを含有することが好ましい。第三級アミンは、pH調整剤としての機能を有し、白色インク組成物のpHを容易に調整することができる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
上記第三級アミンの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。
1.8 その他の成分
本発明におけるインク組成物は、通常溶媒として水を含有する。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
本発明におけるインク組成物は、必要に応じて、水溶性ロジンなどの定着剤、安息香酸ナトリウムなどの防黴剤・防腐剤、アロハネート類などの酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤などの添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、もちろん2種以上組み合わせて用いることもできる。
1.9 その他
本発明におけるインク組成物は、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミルなどを使用して、従来の顔料インクと同様に調製することができる。調製に際しては、メンブランフィルターやメッシュフィルターなどを用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
2. 画像形成方法
本発明におけるインク組成物は、各種インクジェット記録方式に適用することができる。インクジェット記録方式としては、例えば、サーマルジェット式インクジェット、ピエゾ式インクジェット、連続インクジェット、ローラーアプリケーション、スプレーアプリケーションなどが挙げられる。
本発明におけるインク組成物は、各種記録媒体に塗布することにより画像を形成することができる。本発明においては記録媒体として布帛を用いる。布帛としては、織物、編み物、不織布を挙げることができる。布帛の構成繊維においては特に制限はなく、綿(例えば天竺等)、絹、麻、羊毛等の天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、アクリル等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の再生、半合成繊維、あるいはこれらの混紡繊維等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
1.白色インク組成物の調製
表1に示す配合量で、中空樹脂粒子、樹脂エマルジョン、有機溶剤、多価アルコール、第三級アミン、界面活性剤、およびイオン交換水を混合撹拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、実施例1〜5およびその比較例1〜2の各インク組成物を得た。なお、表1の実施例および比較例に記載されている数値の単位は、質量%である。
以下、表1に記載されている各成分について説明する。
中空樹脂粒子は、表1に記載の市販品「SX8782(D)」(JSR社製)を用いた。SX8782(D)は、外径1.0μm・内径0.8μmの水分散タイプであり、固形分濃度が28%である。
ポリウレタン樹脂として、表1に記載の市販品「タケラックW−6061」、「タケラックW−6021」、「タケラックWS−5000」(以上、三井化学社製)、「WBR−2019」、「WBR−022U」(以上、大成ファインケミカル社製)のエマルジョンタイプを用いた。
「タケラックW−6061」は、固形分30%、平均粒子径100nm、ガラス転移温度25℃の強制乳化型ポリウレタンエマルジョンである。
「タケラックW−6021」は、固形分30%、平均粒子径90nm、ガラス転移温度−60℃の自己乳化型ポリウレタンエマルジョンである。
「タケラックWS−5000」は、固形分30%、平均粒子径70nm、ガラス転移温度65℃の自己乳化型ポリウレタンエマルジョンである。
「WBR−2019」は、固形分32.5%、ガラス転移温度45℃の自己乳化型ポリウレタンエマルジョンである。
「WBR−022U」は、固形分31%、ガラス転移温度20℃の自己乳化型ポリウレタンエマルジョンである。
「SE−909E」は、固形分40.5%、ガラス転移温度20℃のアニオンアクリル系エマルジョンである。
「3MF−574」は、固形分45.5%、ガラス転移温度70℃のアクリル酸共重合体エマルジョンである。
「BYK−348」(ビックケミー・ジャパン株式会社製)は、ポリシロキサン系界面活性剤である。
2.柔軟性および堅牢性の評価
表1に記載の白色インク組成物をインクジェットプリンター(「PX−G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。
このようにして作製されたインクカートリッジをプリンターに装着し、印刷試験を行った。ブラック以外のインクカートリッジはそれぞれ市販のものを装着した。これは、ダミーとして用いるもので、本実施例の評価では用いないので、効果には関与しない。
次いで、出力は綿100%の布帛に対して、720×720dpiの解像度で行った。印刷パターンは、100%dutyベタパターンとした。
本明細書において、「duty」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。100%dutyとは、画素に対する単色の最大インク質量を意味する。)
次いで、白色インク組成物により印刷された布帛を1時間、室温において乾燥させた。乾燥後、試験担当者の「爪による擦り試験」と「布による擦り試験」の二通りの試験を行った。
<爪による擦り試験>
AA:印刷面に変化が認められない。
A :印刷面に若干の擦り傷が認められる。
B :印刷面に擦った跡が認められるが、剥がれるには至らない。
C :印刷面が剥がれる。
<布による擦り試験>
AA:印刷面に変化が認められない。
A :印刷面に1〜2箇所の擦った跡が認められるが、印刷物としての品質差はほとんどわからない。
B :印刷面に擦った跡が3箇所以上認められるが、剥がれるには至らない。
C :印刷面が剥がれる。
また、白色インク組成物により印刷された布帛に対して、家庭用洗濯機での洗濯(通常モード:洗濯、脱水、乾燥)を3回実施することにより、柔軟性の試験を行なった。評価基準は、以下の通りである。
<柔軟性試験>
◎ :洗濯後の印刷面にひびが入っていない
○ :洗濯後の印刷面に若干ひびが入るが実用上問題ない。
× :洗濯後の印刷面にひびが入る、印刷面が剥がれるため実用上問題がある。
Figure 2010188597
実施例1〜5の結果より、ガラス転移温度が65℃以下のポリウレタンエマルジョンを添加した場合には、堅牢性および柔軟性に優れていることがわかる。
比較例1および比較例2の結果より、ポリウレタン樹脂以外の樹脂を添加しても、堅牢性および柔軟性効果が得られないことがわかる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (11)

  1. 布帛に対し、中空樹脂粒子および金属化合物粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、ガラス転移温度が65℃以下のポリウレタン樹脂とを含有するインク組成物で印刷することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記インク組成物中、前記ポリウレタン樹脂が溶媒中に粒子として分散していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記インク組成物中の前記ポリウレタン樹脂の含有量が0.5〜10質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記インク組成物中、前記色材の含有量が5〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 前記色材が中空樹脂粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  6. 前記中空樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 前記インク組成物中、前記中空樹脂粒子の含有量が5〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. 前記インク組成物が、さらに、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 前記インク組成物が、さらに、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像形成方法。
  10. インクジェット記録方式に適用されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像記録方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像記録方法により得られる記録物。
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