JP2009138078A - 白色インク組成物およびこれを用いた記録物 - Google Patents

白色インク組成物およびこれを用いた記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐擦性に優れ、かつクリアな白色画像を得ることができる、白色インク組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る白色インク組成物は、中空樹脂粒子と、樹脂粒子と、を含有する白色インク組成物であって、前記樹脂粒子は、前記中空樹脂粒子以上の平均粒子径を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、白色インク組成物およびこれを用いた記録物に関する。
従来から、白色顔料として中空ポリマー微粒子を含有させた白色インク組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。この中空ポリマー微粒子は、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性の樹脂から形成されている。この中空ポリマー微粒子は、その外殻と空洞の間における光の屈折率の差により光散乱が起こり、隠蔽効果を発揮することができる。
しかしながら、上記白色インク組成物は、顔料として一般的な顔料よりも粒子径の大きな中空ポリマー粒子を含有しているため、記録媒体上における定着性に優れず、耐擦性が不十分であった。
また、粒子径の大きい中空ポリマー粒子をインク組成物に添加すると、白色画像を得ることはできるが、クリアな画像が得られにくいという問題があった。
米国特許第4,880,465号明細書
本発明の目的は、耐擦性に優れ、かつクリアな白色画像を得ることができる、白色インク組成物を提供することにある。
本発明に係る白色インク組成物は、中空樹脂粒子と、樹脂粒子と、を含有する白色インク組成物であって、前記樹脂粒子は、前記中空樹脂粒子以上の平均粒子径を有することを特徴とする。
上記白色インク組成物によれば、前記樹脂粒子の塗膜の保護作用により、耐擦性に優れ、かつクリアな白色画像を得ることができる。
本発明に係る白色インク組成物において、前記樹脂粒子は、前記中空樹脂粒子の1〜3.5倍の平均粒子径を有することができる。
本発明に係る白色インク組成物において、前記中空樹脂粒子の平均粒子径は、0.2〜1.0μmであることができる。
本発明に係る白色インク組成物において、前記中空樹脂粒子の含有量は、5〜20重量%であることができる。
本発明に係る白色インク組成物において、さらに、アルカンジオールおよびグリコールエステルから選択される少なくとも1種を含有することができる。
本発明に係る白色インク組成物において、さらに、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することができる。
本発明に係る白色インク組成物は、インクジェット記録方式に適用されることができる。
本発明に係る記録物は、上記の白色インク組成物によって、画像が形成されたことを特徴とする。
以下本実施形態に係る白色インク組成物の作用効果について、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態に係る白色インク組成物を記録媒体へ吐出させて形成された塗膜を模式的に示す断面図である。図2は、図1の塗膜表面に外的負荷が加えられた後の塗膜を模式的に示す断面図である。
上記白色インク組成物を記録媒体上へ吐出させて形成された塗膜10は、樹脂粒子12の平均粒子径が中空樹脂粒子14の平均粒子径と同等以上であるため、図1に示すような樹脂粒子12の一部が突出した状態となる。塗膜10の表面に摩耗などの外的負荷が加えられると、図2に示すように樹脂粒子12の突出部が塗膜の表面に拡がるように変形する。この結果、塗膜10はその表面を樹脂粒子12の変形層によって保護されるため、耐擦性を備えることができるようになる。さらに、樹脂粒子12の添加された塗膜10は、中空樹脂粒子14の定着性が増すことによって、よりクリアな白色画像を形成することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
1.白色インク組成物
本発明に係る白色インク組成物は、中空樹脂粒子と、樹脂粒子と、を含有する白色インク組成物であって、前記樹脂粒子は、前記中空樹脂粒子以上の平均粒子径を有することを特徴とする。
1.1 中空樹脂粒子
本実施形態に係る白色インク組成物は、白色有機顔料として中空樹脂粒子を含有している。この中空樹脂粒子は、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されている。したがって、該中空樹脂粒子が水性インク組成物中に存在する場合には、内部の空洞は水性媒質で満たされることになる。水性媒質で満たされた粒子は、外部の水性媒質とほぼ等しい比重を有するため、水性インク組成物中で沈降することなく分散安定性を保つことができる。これにより、白色インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性を高めることができる。
また、本実施形態に係る白色インク組成物を、紙その他の記録媒体上に吐出させると、粒子の内部の水性媒質が乾燥時に抜けることにより空洞となる。粒子が内部に空気を含有することにより、粒子は屈折率の異なる樹脂層および空気層を形成し、入射光を効果的に散乱させるため、白色を呈することができる。
本実施形態で用いられる中空樹脂粒子は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。例えば、米国特許第4,880,465号や特許第3,562,754号などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を好ましく用いることができる。
中空樹脂粒子の平均粒子径(外径)は、好ましくは0.2〜1.0μmであり、より好ましくは0.4〜0.8μmである。外径が1.0μmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、外径が0.2μm未満であると、白色度が不足する傾向にある。また、内径は、0.1〜0.8μm程度が適当である。
中空樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
上記中空樹脂粒子の含有量(固形分)は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは5〜20重量%であり、より好ましくは8〜15重量%である。中空樹脂粒子の含有量(固形分)が20重量%を超えると、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、5重量%未満であると、白色度が不足する傾向にある。
上記中空樹脂粒子の調製方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を適用することができる。中空樹脂粒子の調製方法として、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、重合開始剤、および水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌することにより中空樹脂粒子エマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法を適用することができる。
ビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられ、例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ビニルモノマーとして、二官能性ビニルモノマーを用いることもできる。二官能性ビニルモノマーとして、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。上記単官能性ビニルモノマーと上記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
界面活性剤としては、水中でミセルなどの分子集合体を形成するものであればよく、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
重合開始剤としては、水に可溶な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
水系分散媒としては、例えば、水、親水性有機溶媒を含有する水などが挙げられる。
1.2 樹脂粒子
本実施形態に係る白色インク組成物は、樹脂粒子を含有している。そして、本実施形態に用いられる樹脂粒子は、上述した中空樹脂粒子と同等以上の平均粒子径を有することを特徴とする。
樹脂粒子の平均粒子径は、上記中空樹脂粒子の平均粒子径と同等以上である必要があるが、上記中空樹脂粒子の平均粒子径よりも大きいことが好ましい。これにより、樹脂粒子の塗膜の保護作用が発現し、耐擦性に優れ、かつクリアな白色画像を得ることができる。
樹脂粒子の平均粒子径は、上記中空樹脂粒子の平均粒子径と同等以上であれば、特に制限されることはないが、好ましくは0.4〜3μmであり、より好ましくは0.6〜2.5μmである。樹脂粒子の平均粒子径が3μmを超えると、粒子が沈降するなどして分散安定性を損なうことがあり、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりなど信頼性を損なうことがある。一方、樹脂粒子の平均粒子径が0.4μm未満であると、耐擦性に優れた記録画像が得られない場合がある。また、樹脂粒子は、中空樹脂粒子の1〜15倍の平均粒子径を有することが好ましく、より好ましくは1〜4倍であり、さらに好ましくは1〜3倍である。なお、本明細書において、樹脂粒子の平均粒子径とは、マイクロトラック法で測定した粒子直径(平均値)をいう。
樹脂粒子は、インクの被記録面へ固着した膜に粒子として残留しやすい点で、その融点若しくは環球法軟化点(JIS K 2207)が110℃以上、特に110〜150℃であることが好ましい。
また、樹脂粒子は、その針入度法硬度(JIS K 2207)が1以上であることが好ましく、より好ましくは2以上15以下である。
樹脂粒子としては、インク組成物を被記録面へ吐着させた際に形成される膜(記録画像等の塗膜)中において所定粒径の粒子の状態を保持し得る限り特に制限されるものではなく、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのオレフィンまたはその誘導体から製造されたワックスおよびそのコポリマーを用いることができる。具体的には、それらを水中に分散させたポリエチレン型水系エマルジョン、ポリプロピレン型水系エマルジョン、ポリブチレン型水系エマルジョンなどが挙げられる。これらは1種単独で用いることができるが、もちろん2種以上組み合わせて用いることもできる。
また、ポリオレフィン型水系エマルジョンとしては、市販されているものを利用することも可能であり、その具体例として、「ケミパール(登録商標)W401」(ポリプロピレン型水系エマルジョン、粒径1μm、環球法軟化点110℃、針入度硬度4、固形分40%、三井化学社製)、「ケミパール(登録商標)W500」(ポリプロピレン型水系エマルジョン、粒径2.5μm、環球法軟化点113℃、針入度硬度10、固形分40%、三井化学社製)などのケミパール(登録商標)シリーズを好ましく用いることができる。
上記樹脂粒子の含有量は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.05〜1重量%である。
1.3 浸透性有機溶剤
本実施形態に係る白色インク組成物は、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。アルカンジオールやグリコールエーテルは、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アルカンジオールとしては、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどの炭素数が4〜8の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。この中でも炭素数が6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いため、より好ましい。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。この中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
これらのアルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種の含有量は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは1〜20重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。
1.4 界面活性剤
本実施形態に係る白色インク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、本実施形態に係る白色インク組成物は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
上記界面活性剤の含有量は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは0.01〜5重量%であり、より好ましくは0.1〜0.5重量%である。
1.5 多価アルコール
本実施形態に係る白色インク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは、本実施形態に係る白色インク組成物をインクジェット式記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
上記多価アルコールの含有量は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは0.1〜3.0重量%であり、より好ましくは0.5〜20重量%である。
1.6 第三級アミン
本実施形態に係る白色インク組成物は、第三級アミンを含有することが好ましい。第三級アミンは、pH調整剤としての機能を有し、白色インク組成物のpHを容易に調整することができる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
上記第三級アミンの含有量は、インク組成物の全重量に対して、好ましくは0.01〜10重量%であり、より好ましくは0.1〜2重量%である。
1.7 その他の成分
本実施形態に係る白色インク組成物は、通常溶媒として水を含有する。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射または過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
本実施形態に係る白色インク組成物は、必要に応じて、水溶性ロジンなどの定着剤、安息香酸ナトリウムなどの防黴剤・防腐剤、アロハネート類などの酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤などの添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、もちろん2種以上組み合わせて用いることもできる。
1.8 その他
本実施形態に係る白色インク組成物は、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミルなどを使用して、従来の顔料インクと同様に調製することができる。調製に際しては、メンブランフィルターやメッシュフィルターなどを用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
本実施形態に係る白色インク組成物は、各種記録媒体に塗布することにより白色画像を形成することができる。記録媒体としては、例えば、紙、厚紙、繊維製品、シートまたはフィルム、プラスチック、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。
本実施形態に係る白色インク組成物は、その用途は特に限定されないが、各種インクジェット記録方式に適用することができる。インクジェット記録方式としては、例えば、サーマルジェット式インクジェット、ピエゾ式インクジェット、連続インクジェット、ローラーアプリケーション、スプレーアプリケーションなどが挙げられる。
本発明はまた、上述した白色インク組成物によって、画像が形成された、記録物を提供することができる。本発明に係る記録物によれば、耐擦性に優れ、かつクリアな白色画像を備えた記録物を得ることができる。
2.実施例
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではない。
2.1 白色インク組成物の調製
表1に示す配合量で、中空樹脂粒子、樹脂粒子、有機溶剤、多価アルコール、第三級アミン、界面活性剤、およびイオン交換水を混合撹拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、実施例1〜4およびその比較例1〜2の各インク組成物を得た。なお、表1の実施例および比較例に記載されている数値の単位は、重量%である。
中空樹脂粒子は、表1に記載の市販品「SX8782(D)」または「SX866(B)」(以上、JSR株式会社製)を用いた。SX8782(D)は、外径1.0μm・内径0.8μmの水分散タイプであり、固形分濃度が28%である。SX866(B)(JSR株式会社製)は、外径0.3μm・内径0.2μmの水分散タイプであり、固形分濃度が20%である。
樹脂粒子は、表1に記載の市販品「ケミパール W401」または「ケミパール W500」(以上、三井化学株式会社製)を用いた。「ケミパール W401」は、粒子径1μm、環球法軟化点110℃、針入度硬度4のポリプロピレン型水系エマルジョンであり、固形分濃度が40%である。「ケミパール W500」は、粒子径2.5μm、環球法軟化点113℃、針入度硬度10のポリプロピレン型水系エマルジョンであり、固形分濃度が40%である。
「BYK−348」(ビックケミー・ジャパン株式会社製)は、ポリシロキサン系界面活性剤である。
2.2 評価方法
2.2.1 耐擦性の評価
表1に記載の白色インク組成物をインクジェットプリンター(「PX−G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンターに装着し、印刷試験を行った。ブラック以外のインクカートリッジはそれぞれ市販のものを装着した。これは、ダミーとして用いるもので、本実施例の評価では用いないので、効果には関与しない。
次いで、出力はインクジェット用専用記録用紙(「OHPシート」セイコーエプソン株式会社製)に対して、720×720dpiの解像度で行った。印刷パターンは、100%dutyベタパターンとした。
本明細書において、「duty」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」および「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。100%dutyとは、画素に対する単色の最大インク重量を意味する。)
次いで、白色インク組成物により印刷されたOHPシートを1時間、室温において乾燥させた。乾燥後、試験担当者の「爪による擦り試験」と「布による擦り試験」の二通りの試験を行った。評価基準は、以下のとおりである。
<爪による擦り試験>
AA:印刷面に変化が認められない。
A :印刷面に若干の擦り傷が認められる。
B :印刷面に擦った跡が認められるが、剥がれるには至らない。
C :印刷面が剥がれる。
<布による擦り試験>
AA:印刷面に変化が認められない。
A :印刷面に1〜2箇所の擦った跡が認められるが、印刷物としての品質差はほとんどわからない。
B :印刷面に擦った跡が3箇所以上認められるが、剥がれるには至らない。
C :印刷面が剥がれる。
実施例1および2の結果より、樹脂粒子の粒子径が中空樹脂粒子の粒子径の1倍である場合には、樹脂粒子の添加量の多い方(実施例2)が耐擦性に優れていることがわかる。
実施例3および4の結果より、樹脂粒子の粒子径が中空樹脂粒子の粒子径よりも大きい場合(実施例3では2.5倍、実施例4では3.3倍)には、上記実施例1および2のような樹脂粒子の粒子径が中空樹脂粒子の粒子径の1倍である場合よりも耐擦性に優れていることがわかる。
また、比較例1および2の結果より、樹脂粒子が添加されていなければ、印刷面が容易に剥がれてしまうことがわかる。
2.2.2 白色度の評価
表1に記載の白色インク組成物をインクジェットプリンター(「PX−G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンターに装着し、印刷試験を行った。ブラック以外のインクカートリッジはそれぞれ市販のものを装着した。これは、ダミーとして用いるもので、本実施例の評価では用いないので、効果には関与しない。
次いで、出力はインクジェット用専用記録用紙(「OHPシート」セイコーエプソン株式会社製)に対して、720×720dpiの解像度で行った。印刷パターンは、100%dutyベタパターンとした。
次いで、白色インク組成物により印刷されたOHPシートを1時間、室温において乾燥させた。乾燥後、印刷物を測定用の標準黒色色紙の上に乗せて、「938 Spectrodensitometer」(X−rite社製)を用いて色を測定した。なお、光源はD50とした。このとき得られた明度(L*)を白色度の指標とした。白色度の評価基準は、以下のとおりである。
<白色度の評価基準>
AA:L*が75以上
A :L*が72以上75未満
B :L*が68以上72未満
C :L*が65以上68未満
D :L*が65未満
実施例3および比較例1の結果より、白色インク組成物に樹脂粒子を添加すると明らかにL*値が高くなることがわかる。
実施例4および比較例2の結果からも、白色インク組成物に樹脂粒子を添加するとL*値が高くなることがわかる。
また、実施例1ないし4の結果より、粒子径のより大きい中空樹脂粒子と粒子径のより大きい樹脂粒子を組み合わせることにより、より高いL*値を有することがわかる。
2.2.3 まとめ
以上より、本発明の白色インクは、樹脂粒子を含んでなることにより、良好な耐擦性および白色度が実現できる。さらに、平均粒子径のより大きい中空樹脂粒子と平均粒子径のより大きい樹脂粒子とを組み合わせ、かつ樹脂粒子の平均粒子径が中空樹脂粒子の平均粒子径の1倍以上である場合には、耐擦性および白色度の双方においてより優れた効果を奏することができる。
Figure 2009138078
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
本実施形態に係る白色インク組成物を記録媒体へ吐出させて形成された塗膜を模式的に示す断面図。 図1の塗膜表面に外的負荷が加えられた後の塗膜を模式的に示す断面図。
符号の説明
10…塗膜、12…樹脂粒子、14…中空樹脂粒子

Claims (8)

  1. 中空樹脂粒子と、
    樹脂粒子と、
    を含有する白色インク組成物であって、
    前記樹脂粒子は、前記中空樹脂粒子以上の平均粒子径を有する、白色インク組成物。
  2. 請求項1において、
    前記樹脂粒子は、前記中空樹脂粒子の1〜3.5倍の平均粒子径を有する、白色インク組成物。
  3. 請求項1または2において、
    前記中空樹脂粒子の平均粒子径は、0.2〜1.0μmである、白色インク組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記中空樹脂粒子の含有量は、5〜20重量%である、白色インク組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    さらに、アルカンジオールおよびグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、白色インク組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    さらに、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界面活性剤を含有する、白色インク組成物。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    インクジェット記録方式に適用される、白色インク組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の白色インク組成物によって、画像が形成された、記録物。
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