JP2011079896A - インク組成物 - Google Patents

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強 佐野
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Abstract

【課題】耐擦性に優れ、特にインクジェット記録方式に好適なインク組成物を提供する。
【解決手段】金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、変性ポリオレフィンエマルジョンと、を含有するインク組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物に関する。
従来から、白色色材として中空ポリマー微粒子を含有させた白色インク組成物が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。この中空ポリマー微粒子は、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性の樹脂から形成されている。この様な構造により、インク組成物中では、中空樹脂粒子の内部空洞は溶媒によって満たされて中空樹脂粒子の比重とインク組成物の比重とが実質的に同一になるため、中空樹脂粒子はインク組成物中に安定に分散することができる。そして、このインク組成物を用いて記録媒体上に画像を形成すると、乾燥時に中空樹脂粒子の内部空間が空気で置換されるため、中空樹脂粒子は、その外殻と空洞の間における光の屈折率の差により生じる光散乱によって隠蔽効果を発揮する(即ち、白色を呈する。)。一般的に、中空樹脂粒子自体はアクリル等の透明樹脂により形成されている。また、一方で、白色色材として金属酸化物等を含有させた白色インク組成物も知られている。
また、白色インク組成物あるいは着色インク組成物の噴射安定性や保存安定性の向上を図る技術が、例えば特許文献3〜5に開示されている。
米国特許第4,880,465号明細書 特許第3562754号明細書 特開2000−103995号公報 特開2000−239585号公報 特開2006−56990号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された白色インク組成物は、記録媒体上における定着性に優れず、耐擦性が不十分である。また、特許文献3〜5に開示された技術はいずれも耐擦性や印字特性の点で改善の余地がある。
そこで、本発明は、耐擦性に優れ、特にインクジェット記録方式に好適なインク組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、中空樹脂を含有してなる白インクが特定の樹脂を含んでなることにより、耐擦性及び間欠印字特性に優れ、また、カラー画像に当該白インクをオーバーコートすることにより、カラー画像の明度の低下を抑制させることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の通りである。
(1)
金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、変性ポリオレフィンエマルジョンと、を含有する、インク組成物。
(2)
前記変性ポリオレフィンエマルジョンが、変性ポリエチレンエマルジョン又は変性ポリプロピレンエマルジョンである、(1)に記載のインク組成物。
(3)
前記変性ポリオレフィンエマルジョンは、重量平均分子量が1000以上50000以下のポリオレフィンを不飽和カルボン酸又はその無水物で変性させた後、これを塩基性化合物及び乳化剤の存在下で水中に分散させることにより得られる、(1)又は(2)に記載のインク組成物。
(4)
前記変性ポリオレフィンエマルジョンの含有量が、0.5〜10質量%である、(1)〜(3)のいずれかに記載のインク組成物。
(5)
前記中空樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmである、(1)〜(4)のいずれかに記載のインク組成物。
(6)
前記中空樹脂粒子の含有量が5〜20質量%である、(1)〜(5)のいずれかに記載のインク組成物。
(7)
アルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、(1)〜(6)のいずれかに記載のインク組成物。
(8)
アセチレングリコール系界面活性剤又はポリシロキサン系界面活性剤を含有する、(1)〜(7)のいずれかに記載のインク組成物。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るインク組成物について詳細に説明する。本実施形態のインク組成物は、金属化合物又は中空樹脂粒子を白色色材として含む白色インク組成物に好ましく適用できるが、金属化合物や中空樹脂粒子は白色以外の色を呈していてもよい。また、白色色材としての金属化合物及び/又は中空樹脂粒子とともに他の色材を併用することにより、インク組成物自体を白以外の色とすることも可能である。
[インク組成物]
本実施形態のインク組成物は、金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、変性ポリオレフィンエマルジョンと、を含有するインク組成物である。
(1.金属化合物、中空樹脂粒子)
本実施形態のインク組成物は、色材として金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種を含有する。
本実施形態における金属化合物としては、顔料として使用可能な金属原子含有化合物であれば特に限定されることがない。好ましくは、従来から白色顔料として用いられている金属酸化物、硫酸バリウムや炭酸カルシウムである。金属酸化物としては、特に制限されないが、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙げられる。本実施形態における金属化合物としては、二酸化チタン、アルミナが好ましい。
上記金属化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1.0〜20.0質量%であり、より好ましくは5.0〜10.0質量%である。金属酸化物の含有量が20.0質量%以下である場合、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりを防止する等の信頼性向上に寄与する。一方、1.0質量%以上である場合、白色度等の色濃度が充足する傾向にある。
金属化合物の平均粒子径(外径)は、好ましくは30〜600nmであり、より好ましくは200〜400nmである。外径が600nm以下である場合、粒子の沈降を防止するなどして分散安定性を向上させることができ、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりを防止する等の信頼性向上に寄与する。一方、外径が30nm以上である場合、白色度等の色濃度が充足する傾向にある。
金属化合物の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
前記色材は、特に、上記の中空樹脂粒子を含むことが好ましい。
本実施形態における中空樹脂粒子としては、その内部に空洞を有しており、その外殻が液体透過性を有する樹脂から形成されていることが好ましい。かかる構成により、中空樹脂粒子が水性インク組成物中に存在する場合には、内部の空洞は水性媒質で満たされることになる。水性媒質で満たされた粒子は、外部の水性媒質とほぼ等しい比重を有するため、水性インク組成物中で沈降することなく分散安定性を保つことができる。これにより、インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性を高めることができる。
また、本実施形態のインク組成物を、紙その他の記録媒体上に吐出させると、粒子の内部の水性媒質が乾燥時に抜けることにより空洞となる。粒子が内部に空気を含有することにより、粒子は屈折率の異なる樹脂層及び空気層を形成し、入射光を効果的に散乱させるため、白色を呈することができる。なお、中空樹脂粒子を形成する樹脂層を、光透過性を残した状態で着色することで、白色以外の色を呈することも可能である。
本実施形態で用いられる中空樹脂粒子は、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。例えば、米国特許第4,880,465号や特許第3,562,754号などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を好ましく用いることができる。
中空樹脂粒子の平均粒子径(外径)は、好ましくは0.2〜1.0μmであり、より好ましくは0.4〜0.8μmである。外径が1.0μm以下である場合、粒子の沈降を防止するなどして分散安定性を向上させることができ、またインクジェット式記録ヘッドの目詰まりを防止する等の信頼性向上に寄与する。一方、外径が0.2μm以上である場合、白色度等の色濃度が充足する傾向にある。また、内径は、0.1〜0.8μm程度が適当である。
中空樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)を用いることができる。
上記中空樹脂粒子の含有量(固形分)は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは5〜20質量%であり、より好ましくは8〜15質量%である。中空樹脂粒子の含有量(固形分)が20質量%以下である場合、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりを防止するなど信頼性を向上させることができる。一方、5質量%以上である場合、白色度等の色濃度が充足する傾向にある。
上記中空樹脂粒子の調製方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を適用することができる。中空樹脂粒子の調製方法として、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、重合開始剤、及び水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌することにより中空樹脂粒子エマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法を適用することができる。
ビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられる。例えば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ビニルモノマーとして、二官能性ビニルモノマーを用いることもできる。二官能性ビニルモノマーとして、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。上記単官能性ビニルモノマーと上記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
界面活性剤としては、水中でミセルなどの分子集合体を形成するものであればよく、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
重合開始剤としては、水に可溶な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水素、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
水系分散媒としては、例えば、水や、水と親水性有機溶媒との混合液などが挙げられる。
(2.変性ポリオレフィンエマルジョン)
本実施形態に係るインク組成物は、変性ポリオレフィンエマルジョンを含有する。
一方、本発明者らは、特定の場合、得られる記録物は、長時間保存下あるいは高湿度環境下におかれると、カラー色味の低下やカラー画像と白色画像との境界が透明化するなどの現象を生じることがあることを知見した。前記特定の場合とは、中空樹脂粒子を含むインク組成物と保湿剤を含む他のインク組成物とを組み合わせて画像を形成する場合、例えば中空樹脂粒子を含む白色インク組成物と保湿剤を含む白色以外のカラーインク組成物とを組み合わせて画像を形成する場合である。これは、記録物が長時間保存下あるいは高湿度環境下におかれると、カラーインク組成物中に残存する前記保湿剤が、空気中の水分を吸収して白色画像に滲み出したり、あるいは水分を保持したまま白色画像中に移動する。これにより、白色画像を構成する中空樹脂粒子の空洞内に入り込むことにより生じるものと考えられる。即ち、中空樹脂粒子はその外殻と空洞の間における光の屈折率の差による光散乱により隠蔽効果を発揮しており、空洞に水分を保有する保湿剤が入り込むことによって隠蔽効果による白色を呈することができないためである。
本実施形態における変性ポリオレフィンエマルジョンとしては、溶媒中に粒子状で分散されたエマルジョンタイプ、溶媒中に溶解した状態で存在している溶液タイプのいずれのタイプを用いてもよい。また、エマルジョンタイプは、その乳化方法によって強制乳化型と自己乳化型に分類することができ、本実施形態においてはいずれの型式でも用いることができるが、好ましくは自己乳化型である。自己乳化型のディスパージョンは、強制乳化型に比べ、造膜性や耐水性に優れるため、水に強い膜を表面に形成し、カラーインク画像から中空樹脂粒子が形成する白色画像への水分を含んだ保湿剤の浸入を防ぐことができる。
上記変性ポリオレフィンエマルジョンの含有量(固形分)は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。変性ポリオレフィンエマルジョンの含有量が10質量%以下である場合、インクの信頼性(目詰まり防止や吐出安定性など)を向上させることができ、インクとしての適切な物性(粘度など)を得ることができる。一方、0.5質量%以上である場合、記録媒体上におけるインクの定着性に優れ、耐擦性に優れた画像を形成することができる。
前記変性ポリオレフィンエマルジョンは、光沢性向上及び画像の耐擦性向上の観点から、好ましくは、重量平均分子量(Mw)が1000以上50000以下のポリオレフィンを不飽和カルボン酸又はその無水物で変性させる。その後、これを塩基性化合物及び乳化剤の存在下で水中に分散させて得たものである。
また、前記不飽和カルボン酸は、マレイン酸及び/又は無水マレイン酸であることが好ましい。
本実施形態の変性ポリオレフィンエマルジョンとしては、低分子量ポリオレフィンを、加熱反応又は有機過酸化物を用いた公知の方法等で変性して得られたものが挙げられる。例えば、不活性ガス雰囲気中、低分子量ポリオレフィンを、芳香族系溶剤又は塩素系溶剤の存在下で、又はパーオキシド類ラジカル発生触媒の存在下で加熱溶解し、不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフトさせて変性して得られる。
上記の変性ポリオレフィンエマルジョンとしては、特に限定されないが、例えば、変性ポリエチレンエマルジョン、変性ポリプロピレンエマルジョンが挙げられる。中でも変性ポリエチレンエマルジョン又は変性ポリプロピレンエマルジョンであることが好ましい。
(3.浸透性有機溶剤)
本実施形態のインク組成物は、アルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。なぜなら、アルカンジオールやグリコールエーテルは、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができるからである。
アルカンジオールとしては、記録媒体への浸透性の観点から、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどの炭素数が4〜8の1,2−アルカンジオールであることが好ましい。この中でも炭素数が6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いため、より好ましい。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。この中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
これらのアルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1〜20質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
(4.界面活性剤)
本実施形態のインク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤又はポリシロキサン系界面活性剤を含有することが好ましい。なぜなら、アセチレングリコール系界面活性剤又はポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることができるからである。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、本実施形態のインク組成物は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
上記界面活性剤の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
(5.多価アルコール)
本実施形態のインク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。なぜなら、多価アルコールは、本実施形態のインク組成物をインクジェット式記録装置に適用した場合に、インクの乾燥を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰まりを防止することができるからである。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
上記多価アルコールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%である。
(6.第三級アミン)
本実施形態のインク組成物は、第三級アミンを含有することが好ましい。第三級アミンは、pH調整剤としての機能を有し、インク組成物のpHを容易に調整することができる。
第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
上記第三級アミンの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。
(7.溶剤及び添加剤)
本実施形態のインク組成物は、通常、溶媒として水を含有する。水は、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水又は超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を紫外線照射又は過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
本実施形態のインク組成物は、必要に応じて、水溶性ロジンなどの定着剤、安息香酸ナトリウムなどの防黴剤・防腐剤、アロハネート類などの酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤などの添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本実施形態のインク組成物には、上記金属化合物や中空樹脂粒子の他に、他の色材を含んでいても良い。他の色材としては、汎用の顔料や染料を使用することができる。
(8.調整方法)
本実施形態のインク組成物は、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミルなどを使用して、従来の顔料インクと同様に調製することができる。調製に際しては、メンブランフィルターやメッシュフィルターなどを用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
本実施形態のインク組成物は、各種記録媒体に塗布することにより画像を形成することができる。記録媒体としては、例えば、紙、厚紙、繊維製品、シート又はフィルム、プラスチック、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、その用途は特に限定されないが、各種インクジェット記録方式に適用することができる。インクジェット記録方式としては、例えば、サーマルジェット式インクジェット、ピエゾ式インクジェット、連続インクジェット、ローラーアプリケーション、スプレーアプリケーションなどが挙げられる。
このように、本発明のインク組成物は、色材として金属化合物又は中空樹脂粒子を含む。特に、色材としての中空樹脂粒子は、他の色材である金属酸化物等の金属化合物よりも粒径が大きく、且つ中空構造であることから、記録媒体上への定着性が困難で耐擦性に劣ることが知られている。これに対し、本発明ではかかる色材を定着するための樹脂として変性ポリオレフィンエマルジョンを用いたことにより、耐擦性に優れた画像を形成できるインク組成物を提供できたものである。
更に、本実施形態のインク組成物は画像保存性にも優れる。即ち、特定の場合、得られる記録物(後述)は、長時間保存下あるいは高湿度環境下におかれても中空樹脂粒子の透明化が生じず、長期に亘って高品位な画像を維持することが可能である。前記特定の場合とは、中空樹脂粒子を含むインク組成物と保湿剤を含む他のインク組成物とを組み合わせて画像を形成する場合である。かかる具体例として、中空樹脂粒子を含む本実施形態の白色インク組成物と保湿剤を含む白色以外のカラーインク組成物とを組み合わせて画像を形成する場合が挙げられる。
[記録物]
本発明の他の実施形態は、記録物に係る。本実施形態はまた、上述したインク組成物によって、耐擦性に優れた画像が形成された、記録物を提供することができる。特に、色材として中空樹脂粒子を含むインク組成物によって画像が形成された本実施形態の記録物は、長時間保存下あるいは高湿度環境下におかれても中空樹脂粒子の透明化が生じず、長期に亘って高品位な画像を維持することが可能である。
[記録方法、記録装置]
本発明の他の実施形態は、記録方法に係る。本実施形態はまた、上述したインク組成物を用いて記録媒体に画像記録を行う記録方法を提供することができる。
この記録方法としては特に限定されず、凸版印刷方式、凹版印刷方式、平版印刷方式、孔版印刷方式、電子写真記録方式、熱転写記録方式、インクジェット記録方式等が挙げられ、中でも好ましくはインクジェット記録方式による記録方法である。
インクジェット記録方式として、従来公知の方式はいずれも使用できる。中でも圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法により、優れた画像記録を行うことが可能となる。
また、本発明の他の実施形態は、記録装置に係る。本実施形態は、前述した実施形態の記録方法により画像を記録する記録装置を提供することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、実施例は、下記の[I]〜[III]に大別して説明する。
[I]
(1.白色インク組成物の調製)
表1に示す配合量で、金属酸化物、中空樹脂粒子、定着樹脂としての変性ポリオレフィンエマルジョン粒子、有機溶剤、多価アルコール、第三級アミン、界面活性剤、及びイオン交換水を混合撹拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をして、実施例1〜4及び比較例1〜4の各インク組成物を得た。なお、表1の実施例1〜4及び比較例1〜4に記載されている数値の単位は質量%であり、金属酸化物、中空樹脂粒子、変性ポリオレフィンエマルジョン粒子についてはいずれも固形分換算である。
金属酸化物は、表1に記載の市販品「NanoTek (R) Slurry」(シーアイ化成株式会社製)を用いた。NanoTek (R) Slurryは、平均粒子径36nmの二酸化チタンを固形分として15%の割合で含むスラリーである。
中空樹脂粒子は、表1に記載の市販品「SX8782(D)」(JSR株式会社製)を用いた。SX8782(D)は、外径1.0μm・内径0.8μmの水分散タイプであり、固形分濃度が20.5%である。
定着樹脂は以下の変性ポリオレフィンエマルジョンを用いた。
変性ポリエチレンエマルジョン:「AQUACER513」(ビックケミー・ジャパン(株)製)
変性ポリプロピレンエマルジョン:「AQUACER593」(ビックケミー・ジャパン(株)製)
「BYK−348」(ビックケミー・ジャパン株式会社製)は、ポリシロキサン系界面活性剤である。
(2.評価方法)
(2−1.耐擦性の評価)
表1に記載の白色インク組成物を、インクジェットプリンタ(「PX−G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンタに装着し、印刷試験を行った。ブラック以外のインクカートリッジはそれぞれ市販のものを装着した。これは、ダミーとして用いるもので、本実施例の評価では用いないので、効果には関与しない。
次いで、出力はインクジェット用専用記録用紙(「OHPシート」セイコーエプソン株式会社製)に対して、720×720dpiの解像度で行った。印刷パターンは、100%dutyベタパターンとした。
本明細書において、「duty」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」及び「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。100%dutyとは、画素に対する単色の最大インク質量を意味する。)
次いで、白色インク組成物により印刷されたOHPシートを1時間、室温において乾燥させた。乾燥後、試験担当者の「爪による擦り試験」と「不織布による擦り試験」の二通りの試験を行った。爪による擦り試験は、爪で印刷面を2,3回はじくように擦る試験方法である。また不織布による擦り試験とは、不織布(ベンコット ラボ(旭化成せんい社製))に200g相当の荷重をかけた状態で、印刷面を擦る試験方法である。評価基準は、以下の通りである。
<爪による擦り試験>
A:印刷面に変化が認められない。
B:印刷面に擦った跡が認められるが、剥がれるには至らない。
C:印刷面が剥がれる。
D:軽く触れただけで印刷面が剥がれる。
<不織布による擦り試験>
A:印刷面に変化が認められない。
B:印刷面に擦った跡が認められるが、剥がれるには至らない。
C:印刷面が剥がれる。
D:軽く触れただけで印刷面が剥がれる。
(2−2.間欠印字特性の評価)
インクジェットプリンタPX−20000(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて間欠印字試験をおこなった。このプリンタ用のカートリッジに実施例1〜4及び比較例1〜4の白色インク組成物をそれぞれ充填し、上記プリンタに装着し、温度32℃湿度20%の環境下で、すべてのノズルが正常に吐出していることを確認し、44インチ幅の連続印字を30分行った後、全ノズルからの吐出を行い、インク滴の飛行曲がり、ノズル抜け(ドット抜け)が生じていないかを評価した。上記の評価を30分で1セットとし、3回繰り返し評価を行った。評価基準は、以下の通りである。
AA:30分×3までノズル抜けなし、及び飛行曲がりなし。
A :30分×2までノズル抜けなし、及び飛行曲がりなし。
B :30分×1までノズル抜けなし、及び飛行曲がりなし。
C :30分でノズル抜ける、もしくは飛行曲がりが有る。
(2−3.白+カラー印刷後のカラー色味変化の評価)
白の印刷には、表1に記載の白色インク組成物を、インクジェットプリンタ(「PX−G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンタに装着し、印刷試験を行った。一方、カラーの印刷には、市販のインクジェットプリンタ(「PX−G5500」セイコーエプソン株式会社製)及びインクセット(EPSON IC9CL3337 フォトブラック、マットブラック、グレー、ライトグレー、イエロー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ)を用いて、印刷試験を行った。
次いで、出力はインクジェット用専用記録用紙(「OHPシート」セイコーエプソン株式会社製)に対して、720×720dpiの解像度で行った。印刷パターンは、白、カラーともに100%dutyベタパターンとした。
印刷は、メディア上に白色以外のカラーインク組成物によるカラー画像層を形成した後、前記カラー画像層上に白色インク組成物を用いて白色画像層を形成することにより行なった。
得られた印刷物の高湿度条件下によるカラー色味変化の評価を行なった。評価基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
なお、L*値の測定は、市販の黒が基板となっている測色機、例えばGretag Macbeth Spetroscan及びSpectrolino(X−Rite社製)を用いた。
A:27℃35%の環境に24時間保持した後、27℃65%の環境に24時間保持したとき、白+カラー部分のカラーインクのL*値の低下が5未満、
B:27℃35%の環境に24時間保持した後、27℃65%の環境に24時間保持したとき、白+カラー部分のカラーインクのL*値の低下が5以上10未満、
C:27℃35%の環境に24時間保持した後、27℃65%の環境に24時間保持したとき、白+カラー部分のカラーインクのL*値の低下が10以上。
(2−4.白+カラー印刷後の白色画像領域側の境界部分での透明化の評価)
白の印刷には表1に記載の白色インク組成物を、インクジェットプリンタ(「PX−G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンタに装着し、印刷試験を行った。カラーの印刷には市販のインクジェットプリンタ(「PX−G5500」セイコーエプソン株式会社製)及びインクセット(EPSON IC9CL3337 フォトブラック、マットブラック、グレー、ライトグレー、イエロー、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ)を用いて、印刷試験を行った。
次いで、出力はインクジェット用専用記録用紙(「OHPシート」セイコーエプソン株式会社製)に対して、720×720dpiの解像度で行った。印刷パターンは、白、カラーともに100%dutyベタパターンとした。
印刷方法としては、メディア上に、白色画像領域とカラー画像領域とを、各領域境界が接するように画像を記録し、室温下での経時後による白色画像領域側の境界部分での透明化の評価を行った。評価基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
なお、白、カラーともに印刷面積は100mm×100mm(横×縦)とした。また、透明化の測定方法は、市販の黒が基板となっている測色機、例えばGretag Macbeth Spetroscan及びSpectrolino(X−Rite社製)を用いて、L*値を測定し、初期状態からL*値が30以上低下している箇所を透明化が起こっている箇所とした。
A:1ヶ月放置後の透明化が境界から0.5mm未満で起こっている、
B:1ヶ月放置後の透明化が境界から0.5mm以上5mm未満で起こっている、
C:1ヶ月放置後の透明化が境界から5mm以上で起こっている。
Figure 2011079896
実施例1〜4は、定着樹脂として変性ポリオレフィンエマルジョンを使用したため、耐擦性がいずれもA評価であり、また、間欠印字特性にも優れていることを確認した。
また、白色色材として中空樹脂粒子を含む実施例1、3の白色インク組成物と、保湿剤を含む白色以外のカラーインク組成物とを組み合わせた記録物は、長時間保存下あるいは高湿度環境下におかれても中空樹脂粒子の透明化がほぼ抑制されているため、長期に亘って高品位の画像を維持できることが判った。
変性ポリオレフィンエマルジョンを使用しない比較例1〜4では、耐擦性が爪試験及び布試験のいずれにおいてもC評価であった。また、間欠印字特性にも劣る結果となった。
更に、白色色材として中空樹脂粒子を含む比較例1、3の白色インク組成物と、保湿剤を含む白色以外のカラーインク組成物とを組み合わせた記録物は、長時間保存下又は高湿度環境下において、中空樹脂粒子の透明化に起因するカラー色味変化や白色画像領域側の境界部分での透明化が観測された。
[II]
<インクの調製>
下記の各組成物からなる白色インク及びカラーインクを調製した。なお、以下において、AQUACER513は上述のとおり、ビックケミー・ジャパン(株)製の変性ポリエチレンエマルジョンであり、ジョンクリル61Jはジョンソンポリマー(株)製のスチレンアクリル樹脂(樹脂成分30.5%)であり、MA−100Bは三菱化学製のカーボンブラックである。
(白色インク)
AQUACER513(固形分換算) 1.0質量%
グリセリン 18質量%
エチレングリコール 8.0質量%
オルフィンE1010 1.0質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0質量%
純水 残量
合計 100質量%
(イエローインク)
顔料(PY74) 3.5質量%
分散剤(ジョンクリル61J)(固形分換算) 1.8質量%
グリセリン 13質量%
エチレングリコール 3.0質量%
オルフィンE1010 0.7質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0質量%
純水 残量
合計 100質量%
(マゼンタインク)
顔料(PR202) 3.0質量%
分散剤(ジョンクリル61J)(固形分換算) 1.5質量%
グリセリン 13質量%
エチレングリコール 3.0質量%
オルフィンE1010 0.6質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0質量%
純水 残量
合計 100質量%
(シアンインク)
顔料(PB15:3) 2.5質量%
分散剤(ジョンクリル61J)(固形分換算) 1.2質量%
グリセリン 15質量%
エチレングリコール 3.0質量%
オルフィンE1010 0.7質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0質量%
純水 残量
合計 100質量%
(ブラックインク)
顔料(カーボンブラックMA−100B) 3.0質量%
分散剤(ジョンクリル61J)(固形分換算) 1.5質量%
グリセリン 12質量%
エチレングリコール 4.0質量%
オルフィンE1010 0.5質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0質量%
純水 残量
合計 100質量%
PM−800C(セイコーエプソン(株)製)のカラーインクカートリッジに上記のYMCKの4色インクを充填し、ブラックインクカートリッジに白色インクを充填し、インクジェット専用紙(セイコーエプソン株式会社製;PM写真用紙)に印刷した。
記録パターンは、YMCK及び白色インクの単色、並びにYMCKの2種混合色(R(Y+M)、G(Y+C)、B(M+C))を、合計の記録dutyが0%(非印字部)、10%(2種混合の場合には各5%)、20%(2種混合の場合には各10%)、・・・100%(2種混合の場合には各50%)と、10%刻みとなるようにした。
また、それぞれの記録パターンは50×50mmの領域で印刷し、印字方法としてはプリンタドライバでPM写真用紙における推奨設定の「きれい」モードを用いて記録した。
<光沢度比>
各色の各dutyの60°の光沢度を光沢度計PG−1M(日本電色工業株式会社製)で測定した。また、各色における最大と最小の光沢度比を算出し、以下の基準により、各色のduty差による光沢ばらつきの度合いを判断した。
A:光沢度比が1.0以上1.3未満、
B:光沢度比が1.3以上1.5未満、
C:光沢度比が1.5以上。
<白色インク自体の光沢度>
白色インクの100%、40%duty部の60°の光沢度を、光沢度計PG−1M(日本電色工業株式会社製)で測定し、以下の基準で判断した。
A:光沢度が80以上、
B:光沢度が50以上80未満、
C:光沢度が50未満。
<印字安定性>
PM−800C(セイコーエプソン製)のブラックインクカートリッジに白色インクを充填し、キャラクターパターンを連続で印刷した。その際に、印字開始から10時間経過した時点における、ドット抜け及びインクの飛び散りの有無を観察した。その結果を以下の基準で判断した。
A:ドット抜け及びインクの飛び散り回数が、5回以下であり、ドット抜け及びインクの飛び散りがクリーニングで回復した。
B:ドット抜け及びインクの飛び散り回数が、6〜10回であり、ドット抜け及びインクの飛び散りがクリーニングで回復した。
C:ドット抜け及びインクの飛び散り回数が、6〜10回であり、ドット抜け及びインクの飛び散りがクリーニングで回復しなかった。
上記評価基準にて評価した結果を表2に示す。
Figure 2011079896
表2に示すように、実施例5においては比較例5に比べて光沢度及び印字安定性が向上した。また、実施例5では、印字dutyによる光沢度のムラが一層低減された。このように、実施例5では、印字dutyによる光沢度のムラを低減でき、また、低dutyでも光沢度が高いのでインクの打ち込み量を減らすことができることが明らかとなった。
また、実施例5では、印字安定性も良好であることを確認した。
[III]
<白色インクの調製>
下記の組成物からなる白色インクを調製した。
顔料(カーボンブラックMA−100B) 0.08質量%
AQUACER513(固形分換算) 1.0質量%
分散剤(ジョンクリル61J)(固形分換算) 0.04質量%
グリセリン 18質量%
エチレングリコール 8.0質量%
オルフィンE1010 1.0質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5.0質量%
純水 残量
合計 100質量%
<評価方法>
上記[II]に記載のYMCKの4色インク、及び白色インクを、PM−800C(セイコーエプソン(株)製)のカートリッジにそれぞれ充填し、上記[II]と同様にして印刷し、評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2011079896
表3に示すように、ごく微量のカーボンブラックを含む白色インクを用いた実施例6では、印字dutyによる光沢度のムラが一層低減され、印字安定性にも優れることを明らかにした。

Claims (8)

  1. 金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、変性ポリオレフィンエマルジョンと、を含有する、インク組成物。
  2. 前記変性ポリオレフィンエマルジョンが、変性ポリエチレンエマルジョン又は変性ポリプロピレンエマルジョンである、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記変性ポリオレフィンエマルジョンは、重量平均分子量が1000以上50000以下のポリオレフィンを不飽和カルボン酸又はその無水物で変性させた後、これを塩基性化合物及び乳化剤の存在下で水中に分散させることにより得られる、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記変性ポリオレフィンエマルジョンの含有量が、0.5〜10質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記中空樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記中空樹脂粒子の含有量が5〜20質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物。
  7. アルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. アセチレングリコール系界面活性剤又はポリシロキサン系界面活性剤を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
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