JP2015083684A - インク組成物 - Google Patents

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佐野 強
Tsuyoshi Sano
強 佐野
彰雄 伊藤
Akio Ito
彰雄 伊藤
慶政 田村
Yoshimasa Tamura
慶政 田村
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Abstract

【課題】耐擦性に優れ、特にインクジェット記録方式に好適なインク組成物を提供する。【解決手段】金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、スルホン酸基含有重合体と、を含有するインク組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物に関する。
従来から、白色色材として中空ポリマー微粒子を含有させた白色インク組成物が知られ
ている(例えば、特許文献1、2参照)。この中空ポリマー微粒子は、その内部に空洞を
有しており、その外殻が液体透過性の樹脂から形成されている。この様な構造により、イ
ンク組成物中では、中空樹脂粒子の内部空洞は溶媒によって満たされて中空樹脂粒子の比
重とインク組成物の比重とが実質的に同一になるため、中空樹脂粒子はインク組成物中に
安定に分散することができる。そして、このインク組成物を用いて記録媒体上に画像を形
成すると、乾燥時に中空樹脂粒子の内部空間が空気で置換されるため、中空樹脂粒子は、
その外殻と空洞の間における光の屈折率の差により生じる光散乱によって隠蔽効果を発揮
する(即ち、白色を呈する。)。一般的に、中空樹脂粒子自体はアクリル等の透明樹脂に
より形成されている。また、一方で、白色色材として金属酸化物等を含有させた白色イン
ク組成物も知られている。
また、白色インク組成物あるいは着色インク組成物の噴射安定性や保存安定性の向上を
図る技術が、例えば特許文献3〜5に開示されている。
米国特許第4,880,465号明細書 特許第3562754号明細書 特開2000−103995号公報 特開2000−239585号公報 特開2006−56990号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示された白色インク組成物は、記録媒体上における
定着性に優れず、耐擦性が不十分である。また、特許文献3〜5に開示された技術はいず
れも耐擦性や印字特性の点で改善の余地がある。
そこで、本発明は、耐擦性に優れ、特にインクジェット記録方式に好適なインク組成物
を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、中空樹脂を含有してな
る白インクが特定の重合体を含んでなることにより、耐擦性及び間欠印字特性に優れ、ま
た、カラー画像に当該白インクをオーバーコートすることにより、カラー画像の明度の低
下を抑制させることができることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の通りである。
(1)
金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、スルホン酸基含有
重合体と、を含有する、インク組成物。
(2)
前記スルホン酸基含有重合体が溶媒中に粒子として分散している、(1)に記載のイン
ク組成物。
(3)
前記スルホン酸基含有重合体は、ジエン系スルホン酸基含有重合体及び/又は非ジエン
系スルホン酸基含有重合体である、(1)又は(2)に記載のインク組成物。
(4)
前記非ジエン系スルホン酸基含有重合体がアクリル系スルホン酸基含有重合体である、
(3)に記載のインク組成物。
(5)
前記スルホン酸基含有重合体の酸価が100以上である、(1)〜(4)のいずれかに
記載のインク組成物。
(6)
前記中空樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmである、(1)〜(5)のいずれ
かに記載のインク組成物。
(7)
前記中空樹脂粒子の含有量が5〜20質量%である、(1)〜(6)のいずれかに記載
のインク組成物。
(8)
アルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、
(1)〜(7)のいずれかに記載のインク組成物。
(9)
アセチレングリコール系界面活性剤又はポリシロキサン系界面活性剤を含有する、(1
)〜(8)のいずれかに記載のインク組成物。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の
実施の形態に制限されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが
できる。
まず、本発明の一実施形態に係るインク組成物について説明する。本実施形態のインク
組成物は、金属化合物又は中空樹脂粒子を白色色材として含む白色インク組成物に好まし
く適用できるが、金属化合物や中空樹脂粒子は白色以外の色を呈していてもよい。また、
白色色材としての金属化合物及び/又は中空樹脂粒子とともに他の色材を併用することに
より、インク組成物自体を白以外の色とすることも可能である。
[インク組成物]
本実施形態のインク組成物は、金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1
種の色材と、スルホン酸基含有重合体と、を含有するインク組成物である。
(1.金属化合物、中空樹脂粒子)
本実施形態のインク組成物は、色材として金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少
なくとも1種を含有する。
本実施形態における金属化合物としては、顔料として使用可能な金属原子含有化合物で
あれば特に限定されることがない。好ましくは、従来から白色顔料として用いられている
金属酸化物、硫酸バリウムや炭酸カルシウムである。金属酸化物としては、特に制限され
ないが、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等が挙
げられる。本実施形態における金属化合物としては、二酸化チタン、アルミナが好ましい
上記金属化合物の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1.0〜20
.0質量%であり、より好ましくは5.0〜10.0質量%である。金属酸化物の含有量
が20.0質量%以下である場合、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりを防止する等
の信頼性向上に寄与する。一方、1.0質量%以上である場合、白色度等の色濃度が充足
する傾向にある。
金属化合物の平均粒子径(外径)は、好ましくは30〜600nmであり、より好まし
くは200〜400nmである。外径が600nm以下である場合、粒子の沈降を防止す
るなどして分散安定性を向上させることができ、またインクジェット式記録ヘッドの目詰
まりを防止する等の信頼性向上に寄与する。一方、外径が30nm以上である場合、白色
度等の色濃度が充足する傾向にある。
金属化合物の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置に
より測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光散
乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社
製)を用いることができる。
前記色材は、特に、上記の中空樹脂粒子を含むことが好ましい。
本実施形態における中空樹脂粒子としては、その内部に空洞を有しており、その外殻が
液体透過性を有する樹脂から形成されていることが好ましい。かかる構成により、中空樹
脂粒子が水性インク組成物中に存在する場合には、内部の空洞は水性媒質で満たされるこ
とになる。水性媒質で満たされた粒子は、外部の水性媒質とほぼ等しい比重を有するため
、水性インク組成物中で沈降することなく分散安定性を保つことができる。これにより、
インク組成物の貯蔵安定性や吐出安定性を高めることができる。
また、本実施形態のインク組成物を、紙その他の記録媒体上に吐出させると、粒子の内
部の水性媒質が乾燥時に抜けることにより空洞となる。粒子が内部に空気を含有すること
により、粒子は屈折率の異なる樹脂層及び空気層を形成し、入射光を効果的に散乱させる
ため、白色を呈することができる。なお、中空樹脂粒子を形成する樹脂層を、光透過性を
残した状態で着色することで、白色以外の色を呈することも可能である。
本実施形態で用いられる中空樹脂粒子は、特に限定されるものではなく、公知のものを
用いることができる。例えば、米国特許第4,880,465号や特許第3,562,7
54号などの明細書に記載されている中空樹脂粒子を好ましく用いることができる。
中空樹脂粒子の平均粒子径(外径)は、好ましくは0.2〜1.0μmであり、より好
ましくは0.4〜0.8μmである。外径が1.0μm以下である場合、粒子の沈降を防
止するなどして分散安定性を向上させることができ、またインクジェット式記録ヘッドの
目詰まりを防止する等の信頼性向上に寄与する。一方、外径が0.2μm以上である場合
、白色度等の色濃度が充足する傾向にある。また、内径は、0.1〜0.8μm程度が適
当である。
中空樹脂粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置
により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、動的光
散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会
社製)を用いることができる。
上記中空樹脂粒子の含有量(固形分)は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは
5〜20質量%であり、より好ましくは8〜15質量%である。中空樹脂粒子の含有量(
固形分)が20質量%以下である場合、インクジェット式記録ヘッドの目詰まりを防止す
るなど信頼性を向上させることができる。一方、5質量%以上である場合、白色度等の色
濃度が充足する傾向にある。
上記中空樹脂粒子の調製方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を適用する
ことができる。中空樹脂粒子の調製方法として、例えば、ビニルモノマー、界面活性剤、
重合開始剤、及び水系分散媒を窒素雰囲気下で加熱しながら撹拌することにより中空樹脂
粒子エマルジョンを形成する、いわゆる乳化重合法を適用することができる。
ビニルモノマーとしては、非イオン性モノエチレン不飽和モノマーが挙げられる。例え
ば、スチレン、ビニルトルエン、エチレン、ビニルアセテート、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステルなどが
挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチルアクリレート、メチルメタク
リレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、パルミチ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、ビニルモノマーとして、二官能性ビニルモノマーを用いることもできる。二官能
性ビニルモノマーとして、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、1,3−ブタン−ジオールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げら
れる。上記単官能性ビニルモノマーと上記二官能性ビニルモノマーとを共重合させて高度
に架橋することにより、光散乱特性だけでなく、耐熱性、耐溶剤性、溶剤分散性などの特
性を備えた中空樹脂粒子を得ることができる。
界面活性剤としては、水中でミセルなどの分子集合体を形成するものであればよく、例
えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面
活性剤などが挙げられる。
重合開始剤としては、水に可溶な公知の化合物を用いることができ、例えば、過酸化水
素、過硫酸カリウムなどが挙げられる。
水系分散媒としては、例えば、水や、水と親水性有機溶媒との混合液などが挙げられる
(2.スルホン酸基含有重合体)
本実施形態に係るインク組成物は、スルホン酸基含有重合体を含有する。
前記スルホン酸基含有重合体は、ジエン系スルホン酸基含有重合体及び/又は非ジエン
系スルホン酸基含有重合体であることが好ましい。
前記スルホン酸基含有重合体は、以下のモノマーを単独又は共重合して得た重合体又は
共重合体をスルホン化処理して得たもの(特開平11−217525号公報を参照)、又
は、スルホン化されたモノマーを単独又は共重合して得た重合体であり、ジエン系モノマ
ーを必須成分とするジエン系スルホン酸基含有重合体とジエンモノマーを必須成分としな
い非ジエン系スルホン酸基含有重合体とがある。
前記ジエン系スルホン酸基含有重合体を得るために使用されるモノマーとしては、ジエ
ン系モノマーと、ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとがある。
ジエン系モノマーとしては、炭素数が4〜10のジエン系化合物で、例えば、1,3−
ブタジエン、1,2−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,2−ペンタジエン、2,
3−ペンタジエン、イソプレン、1,2−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,4
−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,3−ヘキサジエン、2,4−ヘキサジエン
、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,2−
ヘプタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、
1,6−ヘプタジエン、2,3−ヘプタジエン、2,5−ヘプタジエン、3,4−ヘプタ
ジエン、3,5−ヘプタジエン、シクロヘプタジエン等を挙げることができる。これらの
ジエン系モノマーは1種又は2種以上を併用して用いることができる。
ジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチル
スチレン、O−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、ビニルナフ
タレンなどの芳香族モノマー、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリ
ル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等のモノ或いはジカルボン酸又はジカルボン
酸の無水物、(メタ)アクリロニトリルなどのビニルシアン化合物、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、ビニルメチルエチルケトン、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)
アクリル酸グリシジルなどの不飽和化合物が挙げられる。これらの他のモノマーは1種又
は2種以上を併用して用いることができる。
これらの他のモノマーを併用する場合には、ジエン系モノマーの使用量は、好ましくは
0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、更に好ましくは5重量%以上である。
上記のジエン系モノマー又はジエン系モノマーと併用できる他のモノマーとを共重合し
て得られるジエン系共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共
重合体であっても良い。
好ましい重合体としては、例えば、イソプレン単独重合体、ブタジエン単独重合体、イ
ソプレン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレン三元ブロック共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合
体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体、エチレン−プロピレ
ン−ジエン三元ブロック共重合体等が挙げられる。より好ましい共重合体としては、例え
ば、イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン三元ブロ
ック共重合体、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン三元ブロック共重合体等が挙げら
れる。
本発明で使用されるジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記のジエン系重合体及び/
又はその前駆モノマーに基づく残存二重結合の一部又は全部を水添して得られる重合体を
、公知のスルホン化方法、例えば、日本化学会編集、新実験化学講座(14巻III.1
773頁)又は特開平2−227403号公報等に記載された方法によってスルホン化さ
れたものであってもよい。
スルホン化剤としては、無水硫酸、硫酸、クロルスルホン酸、発煙硫酸、亜硫酸水素塩
(Li塩,Na塩,K塩,Rb塩,Cs塩等)等が挙げられる。スルホン化剤の量は、上
記重合体1モルに対して、好ましくは無水硫酸換算で0.005〜1.5モル、より好ま
しくは0.010〜1.0モルである。
前記ジエン系スルホン酸基含有重合体は、次に、上記のようにしてスルホン化された生
成物に水及び/又は塩基性化合物を作用させて得られた状態で使用されるのが好ましい。
塩基性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のアルコキシド、アルカ
リ金属の炭酸塩、アンモニア水、有機金属化合物、アミン類などが挙げられる。塩基性化
合物は、1種又は2種以上を併用して用いることができる。塩基性化合物の使用量は、使
用したスルホン化剤1モルに対して、好ましくは2モル以下、より好ましくは1.3モル
以下である。
非ジエン系スルホン酸基含有重合体を得るために使用されるモノマーとしては、例えば
、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、又はイソブチレンと三酸化イオウとを反応させ
て得られるメタクリルスルホン酸等のビニルモノマー、あるいはp−スチレンスルホン酸
ナトリウム等のスチレン系単量体(例えば、東ソ(株)製、スピロマー)、あるいは一般
式CH2=C(CH3)−COO(AO)nSO3Na(A:低級アルキレン基)で表わされ
るメタクリル酸エステル系単量体(例えば、三洋化成(株)製、エレミノール RS−3
0)のようなスルホニル基を有するモノマー、及び前記モノマーのナトリウム塩、カリウ
ム塩、リチウム塩等が挙げられる。
非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記スルホン酸基を有するモノマーにスルホン
酸基を含有しないモノマーを共重合させることによっても得られる。
共重合可能な他のモノマーとしては、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルス
チレン、フルオロスチレン、ビニルピリン等の芳香族モノビニル化合物、ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジエ
ンフタレート、N,N'−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステルモ
ノマー、2−エチルヘキシルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレ
ート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、ブチルメタクリレート、N,N'−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、シリコン変性モノマー、マクロモノマー
等を挙げることができる。更に、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合化合物や酢
酸ビニル等のビニルエステル化合物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィ
ン化合物が挙げられる。共重合可能なモノマーのうちでは、スチレン、メチルメタクリレ
ート、アクリロニトリルが好ましい。
共重合可能なモノマーの使用量は、重合性モノマーの通常1〜93重量%であり、好ま
しくは5〜80重量%である。
非ジエン系スルホン酸基含有重合体は、上記のスルホン酸基含有モノマー又は、スルホ
ン酸基含有モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、例えば、水あるいは有機溶媒など
の重合用溶媒の中で、ラジカル重合開始剤、連鎖移動剤等を使用してラジカル重合する。
上記の非ジエン系モノマーを共重合して得られる非ジエン系スルホン酸基含有重合体は
、ランダム共重合体、ブロック共重合体を含め如何なる共重合体であっても良い。
非ジエン系スルホン酸基含有重合体としては、特に、アクリル系スルホン酸基含有重合
体が好ましい。
前記スルホン酸基含有重合体は、光沢性向上及び画像の耐擦性向上の観点から、酸価が
100以上であることが好ましい。
前記スルホン酸基含有重合体は、光沢性向上及び画像の耐擦性向上の観点から、重量平
均分子量(Mw)が好ましくは8000以上2万以下である。また、ガラス転移温度(T
g;JIS K6900に従い測定)が好ましくは5℃以上50℃以下である。
前記スルホン酸基含有重合体の最低造膜温度(MFT)は、光沢性向上及び画像の耐擦
性向上の観点から、好ましくは20℃以下である。
一方、本発明者らは、特定の場合、得られる記録物は、長時間保存下あるいは高湿度環
境下におかれると、カラー色味の低下やカラー画像と白色画像との境界が透明化するなど
の現象を生じることがあることを知見した。前記特定の場合とは、中空樹脂粒子を含むイ
ンク組成物と保湿剤を含む他のインク組成物とを組み合わせて画像を形成する場合、例え
ば中空樹脂粒子を含む白色インク組成物と保湿剤を含む白色以外のカラーインク組成物と
を組み合わせて画像を形成する場合である。これは、記録物が長時間保存下あるいは高湿
度環境下におかれると、カラーインク組成物中に残存する前記保湿剤が、空気中の水分を
吸収して白色画像に滲み出したり、あるいは水分を保持したまま白色画像中に移動する。
これにより、白色画像を構成する中空樹脂粒子の空洞内に入り込むことにより生じるもの
と考えられる。即ち、中空樹脂粒子はその外殻と空洞の間における光の屈折率の差による
光散乱により隠蔽効果を発揮しており、空洞に水分を保有する保湿剤が入り込むことによ
って隠蔽効果による白色を呈することができないためである。
本実施形態におけるスルホン酸基含有重合体としては、溶媒中に粒子状で分散されたエ
マルジョンタイプ、溶媒中に溶解した状態で存在している溶液タイプのいずれのタイプを
用いてもよい。中でも、スルホン酸基含有重合体として、溶媒中に粒子状で分散されたエ
マルジョンタイプを用いることが好ましい。
また、エマルジョンタイプは、その乳化方法によって強制乳化型と自己乳化型に分類す
ることができ、本実施形態においてはいずれの型式でも用いることができる。好ましくは
自己乳化型である。自己乳化型のディスパージョンは、強制乳化型に比べ、造膜性や耐水
性に優れるため、水に強い膜を表面に形成し、カラーインク画像から中空樹脂粒子が形成
する白色画像への水分を含んだ保湿剤の浸入を防ぐことができる。
上記スルホン酸基含有重合体の平均粒子径は70nm以下であることが好ましい。より
好ましくは20nm以上70nm以下である。スルホン酸基含有重合体の平均粒子径が上
記範囲内であると、水中においてスルホン酸基含有重合体がエマルジョンを形成し易くな
り、高品位な記録画像が得られる。
上記スルホン酸基含有重合体の含有量(固形分)は、インク組成物の全質量に対して、
好ましくは0.5〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。スルホ
ン酸基含有重合体の含有量が10質量%以下である場合、インクの信頼性(目詰まり防止
や吐出安定性など)を向上させることができ、インクとしての適切な物性(粘度など)を
得ることができる。一方、0.5質量%以上である場合、記録媒体上におけるインクの定
着性に優れ、耐擦性に優れた画像を形成することができる。
(3.浸透性有機溶剤)
本実施形態のインク組成物は、アルカンジオール及びグリコールエーテルから選択され
る少なくとも1種を含有することが好ましい。なぜなら、アルカンジオールやグリコール
エーテルは、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高めることが
できるからである。
アルカンジオールとしては、記録媒体への浸透性の観点から、1,2−ブタンジオール
、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、
1,2−オクタンジオールなどの炭素数が4〜8の1,2−アルカンジオールであること
が好ましい。この中でも炭素数が6〜8の1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタン
ジオール、1,2−オクタンジオールは、記録媒体への浸透性が特に高いため、より好ま
しい。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの
多価アルコールの低級アルキルエーテルを挙げることができる。この中でも、トリエチレ
ングリコールモノブチルエーテルを用いると良好な記録品質を得ることができる。
これらのアルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種の含
有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは1〜20質量%であり、より好まし
くは1〜10質量%である。
(4.界面活性剤)
本実施形態のインク組成物は、アセチレングリコール系界面活性剤又はポリシロキサン
系界面活性剤を含有することが好ましい。なぜなら、アセチレングリコール系界面活性剤
又はポリシロキサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインク
の浸透性を高めることができるからである。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル
−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール
、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3
−オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用
することもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、
サーフィノール104、82、465、485、TG(以上、Air Products
and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK
−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、本実施形態のインク組成物は、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤
、両性界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
上記界面活性剤の含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜5
質量%であり、より好ましくは0.1〜0.5質量%である。
(5.多価アルコール)
本実施形態のインク組成物は、多価アルコールを含有することが好ましい。なぜなら、
多価アルコールは、本実施形態のインク組成物をインクジェット式記録装置に適用した場
合に、インクの乾燥を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクの目詰ま
りを防止することができるからである。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、
ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンな
どが挙げられる。
上記多価アルコールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.1〜
30質量%であり、より好ましくは0.5〜20質量%である。
(6.第三級アミン)
本実施形態のインク組成物は、第三級アミンを含有することが好ましい。第三級アミン
は、pH調整剤としての機能を有し、インク組成物のpHを容易に調整することができる

第三級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
上記第三級アミンの含有量は、インク組成物の全質量に対して、好ましくは0.01〜
10質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%である。
(7.溶剤及び添加剤)
本実施形態のインク組成物は、通常、溶媒として水を含有する。水は、イオン交換水、
限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水又は超純水を用いることが好ましい。特に、こ
れらの水を紫外線照射又は過酸化水素添加などにより滅菌処理した水は、長期間に亘りカ
ビやバクテリアの発生を抑制することができるので好ましい。
本実施形態のインク組成物は、必要に応じて、水溶性ロジンなどの定着剤、安息香酸ナ
トリウムなどの防黴剤・防腐剤、アロハネート類などの酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレ
ート剤、酸素吸収剤などの添加剤を含有させることができる。これらの添加剤は、1種単
独で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、本実施形態のインク組成物には、上記金属化合物や中空樹脂粒子の他に、他の色
材を含んでいても良い。他の色材としては、汎用の顔料や染料を使用することができる。
(8.調整方法)
本実施形態のインク組成物は、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、ア
トライター、バスケットミル、ロールミルなどを使用して、従来の顔料インクと同様に調
製することができる。調製に際しては、メンブランフィルターやメッシュフィルターなど
を用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
本実施形態のインク組成物は、各種記録媒体に塗布することにより画像を形成すること
ができる。記録媒体としては、例えば、紙、厚紙、繊維製品、シート又はフィルム、プラ
スチック、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。
本実施形態のインク組成物は、その用途は特に限定されないが、各種インクジェット記
録方式に適用することができる。インクジェット記録方式としては、例えば、サーマルジ
ェット式インクジェット、ピエゾ式インクジェット、連続インクジェット、ローラーアプ
リケーション、スプレーアプリケーションなどが挙げられる。
このように、本実施形態のインク組成物は、色材として金属化合物又は中空樹脂粒子を
含む。特に、色材としての中空樹脂粒子は、他の色材である金属酸化物等の金属化合物よ
りも粒径が大きく、且つ中空構造であることから、記録媒体上への定着性が困難で耐擦性
に劣ることが知られている。これに対し、本実施形態ではかかる色材を定着するための樹
脂としてスルホン酸基含有重合体を用いたことにより、耐擦性に優れた画像を形成できる
インク組成物を提供できたものである。
更に、本実施形態のインク組成物は画像保存性にも優れる。即ち、特定の場合、得られ
る記録物(後述)は、長時間保存下あるいは高湿度環境下におかれても中空樹脂粒子の透
明化が生じず、長期に亘って高品位な画像を維持することが可能である。前記特定の場合
とは、中空樹脂粒子を含むインク組成物と保湿剤を含む他のインク組成物とを組み合わせ
て画像を形成する場合である。かかる具体例として、中空樹脂粒子を含む本実施形態の白
色インク組成物と保湿剤を含む白色以外のカラーインク組成物とを組み合わせて画像を形
成する場合が挙げられる。
[記録物]
本発明の他の実施形態は、記録物に係る。本実施形態はまた、上述したインク組成物に
よって、耐擦性に優れた画像が形成された、記録物を提供することができる。特に、色材
として中空樹脂粒子を含むインク組成物によって画像が形成された本実施形態の記録物は
、長時間保存下あるいは高湿度環境下におかれても中空樹脂粒子の透明化が生じず、長期
に亘って高品位な画像を維持することが可能である。
[記録方法、記録装置]
本発明の他の実施形態は、記録方法に係る。本実施形態はまた、上述したインク組成物
を用いて記録媒体に画像記録を行う記録方法を提供することができる。
この記録方法としては特に限定されず、凸版印刷方式、凹版印刷方式、平版印刷方式、
孔版印刷方式、電子写真記録方式、熱転写記録方式、インクジェット記録方式等が挙げら
れ、中でも好ましくはインクジェット記録方式による記録方法である。
インクジェット記録方式として、従来公知の方式はいずれも使用できる。中でも圧電素
子の振動を利用して液滴を吐出させる方法(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成
するインクジェットヘッドを用いた記録方法)や熱エネルギーを利用する方法により、優
れた画像記録を行うことが可能となる。
また、本発明の他の実施形態は、記録装置に係る。本実施形態は、前述した実施形態の
記録方法により画像を記録する記録装置を提供することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定され
るものではない。
(1.白色インク組成物の調製)
表1に示す配合量で、金属酸化物、中空樹脂粒子、定着樹脂としてのスルホン酸基含有
重合体粒子、有機溶剤、多価アルコール、第三級アミン、界面活性剤、及びイオン交換水
を混合撹拌し、孔径5μmの金属フィルターにてろ過、真空ポンプを用いて脱気処理をし
て、実施例1〜2及び比較例1〜2の各インク組成物を得た。なお、表1の実施例1〜2
及び比較例1〜2に記載されている数値の単位は、質量%であり、金属酸化物、中空樹脂
粒子やスルホン酸基含有重合体粒子についてはいずれも固形分換算である。
金属酸化物は、表1に記載の市販品「NanoTek (R) Slurry」(シー
アイ化成株式会社製)を用いた。NanoTek (R) Slurryは、平均粒子径
36nmの二酸化チタンを固形分として15%の割合で含むスラリーである。
中空樹脂粒子は、表1に記載の市販品「SX8782(D)」(JSR株式会社製)を
用いた。SX8782(D)は、外径1.0μm・内径0.8μmの水分散タイプであり
、固形分濃度が20.5%である。
定着樹脂は以下のスルホン酸基含有重合体を用いた。
(1)ガラス製反応容器にジオキサン100gを入れ、これに無水硫酸11.8gを、
内温を25℃に保ちながら添加し、2時間攪拌して、無水硫酸−ジオキサン錯体を得た。
(2)次に、スチレン/イソプレン/スチレン3元ブロック共重合体(10/80/1
0重量比、Mw=100000)100gのTHF溶液(濃度=15%)中に上記(1)
で得られた錯体全量を、内温を25℃に保ちながら添加し、さらに2時間攪拌を続けた。
(3)水1200g、水酸化ナトリウム7.1g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム1gをフラスコに入れ、内温を40℃に保った。この中に、(2)の溶液全量を40
℃に内温を保ちつつ1時間で滴下した。滴下後、40℃で2時間攪拌した後、減圧蒸留に
より、水を残しつつ溶剤を除去し、濃度15%のスルホン化ポリマーエマルジョンを得た
。固形分中のスルホン酸含量は1.2mmo1/gであった。
「BYK−348」(ビックケミー・ジャパン株式会社製)は、ポリシロキサン系界面
活性剤である。
(2.評価方法)
(2−1.耐擦性の評価)
表1に記載の白色インク組成物を、インクジェットプリンタ(「PX−G930」セイ
コーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞれ充填した。
このようにして作製されたインクカートリッジをプリンタに装着し、印刷試験を行った。
ブラック以外のインクカートリッジはそれぞれ市販のものを装着した。これは、ダミーと
して用いるもので、本実施例の評価では用いないので、効果には関与しない。
次いで、出力はインクジェット用専用記録用紙(「OHPシート」セイコーエプソン株
式会社製)に対して、720×720dpiの解像度で行った。印刷パターンは、100
%dutyベタパターンとした。
本明細書において、「duty」とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実印字ドット数/(縦解像度×横解像度)×100
(式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字ドット数であり、「縦解像度」及
び「横解像度」はそれぞれ単位面積当たりの解像度である。100%dutyとは、画素
に対する単色の最大インク質量を意味する。)
次いで、白色インク組成物により印刷されたOHPシートを1時間、室温において乾燥
させた。乾燥後、試験担当者の「爪による擦り試験」と「不織布による擦り試験」の二通
りの試験を行った。爪による擦り試験は、爪で印刷面を2,3回はじくように擦る試験方
法である。また不織布による擦り試験とは、不織布(ベンコット ラボ(旭化成せんい社
製))に200g相当の荷重をかけた状態で、印刷面を擦る試験方法である。評価基準は
、以下の通りである。
<爪による擦り試験>
A:印刷面に変化が認められない。
B:印刷面に擦った跡が認められるが、剥がれるには至らない。
C:印刷面が剥がれる。
D:軽く触れただけで印刷面が剥がれる。
<不織布による擦り試験>
A:印刷面に変化が認められない。
B:印刷面に擦った跡が認められるが、剥がれるには至らない。
C:印刷面が剥がれる。
D:軽く触れただけで印刷面が剥がれる。
(2−2.間欠印字特性の評価)
インクジェットプリンタPX−20000(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を
用いて間欠印字試験をおこなった。このプリンタ用のカートリッジに実施例1〜2、及び
比較例1〜2の白色インク組成物をそれぞれ充填し、上記プリンタに装着し、温度32℃
湿度20%の環境下で、すべてのノズルが正常に吐出していることを確認し、44インチ
幅の連続印字を30分行った後、全ノズルからの吐出を行い、インク滴の飛行曲がり、ノ
ズル抜け(ドット抜け)が生じていないかを評価した。上記の評価を30分で1セットと
し、3回繰り返し評価を行った。評価基準は、以下の通りである。
AA:30分×3までノズル抜けなし、及び飛行曲がりなし。
A :30分×2までノズル抜けなし、及び飛行曲がりなし。
B :30分×1までノズル抜けなし、及び飛行曲がりなし。
C :30分でノズル抜ける、もしくは飛行曲がりが有る。
(2−3.白+カラー印刷後のカラー色味変化の評価)
白の印刷には、表1に記載の白色インク組成物を、インクジェットプリンタ(「PX−
G930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれ
ぞれ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンタに装着し、印刷
試験を行った。一方、カラーの印刷には、市販のインクジェットプリンタ(「PX−G5
500」セイコーエプソン株式会社製)及びインクセット(EPSON IC9CL33
37 フォトブラック、マットブラック、グレー、ライトグレー、イエロー、シアン、ラ
イトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ)を用いて、印刷試験を行った。
次いで、出力はインクジェット用専用記録用紙(「OHPシート」セイコーエプソン株
式会社製)に対して、720×720dpiの解像度で行った。印刷パターンは、白、カ
ラーともに100%dutyベタパターンとした。
印刷は、メディア上に白色以外のカラーインク組成物によるカラー画像層を形成した後
、前記カラー画像層上に白色インク組成物を用いて白色画像層を形成することにより行な
った。
得られた印刷物の高湿度条件下によるカラー色味変化の評価を行なった。評価基準は下
記の通りである。結果を表1に示す。
なお、L*値の測定は、市販の黒が基板となっている測色機、例えばGretag M
acbeth Spetroscan及びSpectrolino(X−Rite社製)
を用いた。
A:27℃35%の環境に24時間保持した後、27℃65%の環境に24時間保持し
たとき、白+カラー部分のカラーインクのL*値の低下が5未満、
B:27℃35%の環境に24時間保持した後、27℃65%の環境に24時間保持し
たとき、白+カラー部分のカラーインクのL*値の低下が5以上10未満、
C:27℃35%の環境に24時間保持した後、27℃65%の環境に24時間保持し
たとき、白+カラー部分のカラーインクのL*値の低下が10以上。
(2−4.白+カラー印刷後の白色画像領域側の境界部分での透明化の評価)
白の印刷には表1に記載の白色インク組成物を、インクジェットプリンタ(「PX−G
930」セイコーエプソン株式会社製)の専用カートリッジのブラックインク室にそれぞ
れ充填した。このようにして作製されたインクカートリッジをプリンタに装着し、印刷試
験を行った。カラーの印刷には市販のインクジェットプリンタ(「PX−G5500」セ
イコーエプソン株式会社製)及びインクセット(EPSON IC9CL3337 フォ
トブラック、マットブラック、グレー、ライトグレー、イエロー、シアン、ライトシアン
、マゼンタ、ライトマゼンタ)を用いて、印刷試験を行った。
次いで、出力はインクジェット用専用記録用紙(「OHPシート」セイコーエプソン株
式会社製)に対して、720×720dpiの解像度で行った。印刷パターンは、白、カ
ラーともに100%dutyベタパターンとした。
印刷方法としては、メディア上に、白色画像領域とカラー画像領域とを、各領域境界が
接するように画像を記録し、室温下での経時後による白色画像領域側の境界部分での透明
化の評価を行った。評価基準は下記の通りである。結果を表1に示す。
なお、白、カラーともに印刷面積は100mm×100mm(横×縦)とした。また、
透明化の測定方法は、市販の黒が基板となっている測色機、例えばGretag Mac
beth Spetroscan及びSpectrolino(X−Rite社製)を用
いて、L*値を測定し、初期状態からL*値が30以上低下している箇所を透明化が起こ
っている箇所とした。
A:1ヶ月放置後の透明化が境界から0.5mm未満で起こっている、
B:1ヶ月放置後の透明化が境界から0.5mm以上5mm未満で起こっている、
C:1ヶ月放置後の透明化が境界から5mm以上で起こっている。
Figure 2015083684
実施例1〜2は、定着樹脂としてスルホン酸基含有重合体を使用したため、耐擦性がい
ずれもA評価であり、また、間欠印字特性にも優れていることを確認した。
また、白色色材として中空樹脂粒子を含む実施例1の白色インク組成物と、保湿剤を含
む白色以外のカラーインク組成物とを組み合わせた記録物は、長時間保存下あるいは高湿
度環境下におかれても中空樹脂粒子の透明化がほぼ抑制されているため、長期に亘って高
品位の画像を維持できることが判った。
スルホン酸基含有重合体を使用しない比較例1〜2では、耐擦性が爪試験及び布試験の
いずれにおいてもC評価であった。また、間欠印字特性にも劣る結果となった。
更に、白色色材として中空樹脂粒子を含む比較例1の白色インク組成物と、保湿剤を含
む白色以外のカラーインク組成物とを組み合わせた記録物は、長時間保存下又は高湿度環
境下において、中空樹脂粒子の透明化に起因するカラー色味変化や白色画像領域側の境界
部分での透明化が観測された。
本発明は、以下の通りである。
〔1〕
金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、重量平均分子量が8000以上2万以下であるスルホン酸基含有重合体と、を含有する、インク組成物。
〔2〕
前記スルホン酸基含有重合体のガラス転移温度が5℃以上50℃以下である、前項〔1〕に記載のインク組成物。
〔3〕
前記スルホン酸基含有重合体は、ジエン系スルホン酸基含有重合体及び/又は非ジエン系スルホン酸基含有重合体である、前項〔1〕又は〔2〕に記載のインク組成物。
〔4〕
前記非ジエン系スルホン酸基含有重合体がアクリル系スルホン酸基含有重合体である、前項〔3〕に記載のインク組成物。
〔5〕
前記スルホン酸基含有重合体の酸価が100以上である、前項〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔6〕
前記中空樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmである、前項〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔7〕
前記中空樹脂粒子の含有量が5〜20質量%である、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔8〕
アルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、前項〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のインク組成物。
〔9〕
アセチレングリコール系界面活性剤又はポリシロキサン系界面活性剤を含有する、前項〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のインク組成物。

Claims (9)

  1. 金属化合物及び中空樹脂粒子から選ばれる少なくとも1種の色材と、スルホン酸基含有
    重合体と、を含有する、インク組成物。
  2. 前記スルホン酸基含有重合体が溶媒中に粒子として分散している、請求項1に記載のイ
    ンク組成物。
  3. 前記スルホン酸基含有重合体は、ジエン系スルホン酸基含有重合体及び/又は非ジエン
    系スルホン酸基含有重合体である、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 前記非ジエン系スルホン酸基含有重合体がアクリル系スルホン酸基含有重合体である、
    請求項3に記載のインク組成物。
  5. 前記スルホン酸基含有重合体の酸価が100以上である、請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のインク組成物。
  6. 前記中空樹脂粒子の平均粒子径が0.2〜1.0μmである、請求項1〜5のいずれか
    1項に記載のインク組成物。
  7. 前記中空樹脂粒子の含有量が5〜20質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記
    載のインク組成物。
  8. アルカンジオール及びグリコールエーテルから選択される少なくとも1種を含有する、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のインク組成物。
  9. アセチレングリコール系界面活性剤又はポリシロキサン系界面活性剤を含有する、請求
    項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物。
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