JP2007191541A - 活性光線硬化型インクジェット用インクおよび画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、文字品質に優れ、色混じりの発生のない、高精細な画像を再現性よく非常に安定に、特に光沢の不自然さが改善されて、記録することができる活性光線硬化型インクジェット用インク、および画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】少なくとも色材、分散剤、水、親水性主鎖に複数の側鎖を有し活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物、を含有する活性光線硬化型インクジェット用インクに含まれる粒子の粒径を粒径測定機(動的光散乱法)を用いて測定した際、該粒子の平均粒径が0.08〜0.25μmであり、かつ、粒径1μm以上の粗大粒子の個数が6.0×105個/μl未満であることを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェット用インクおよび画像形成方法に関し、普通紙への記録に際してフェザリングや特に光沢の不自然さが改善された、さらにはインク吸収性の少ない又はインク吸収性のない媒体への記録に際してビーディングやカラーブリードがない、特に光沢の不自然さが改善された記録に適する活性光線硬化型インクジェット用インクおよび画像形成方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいてその性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクの吸収性があまり無いコート紙やアート紙、もしくは吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こすいわゆるブリード等の課題があり、インクジェットに対して記録媒体の多様性をもたせる上で課題となっていた。
上記の課題において、室温において固体のワックス等を素材とするホットメルト型インク組成物を用い、加熱等により液化し、何らかのエネルギーを加えて噴射させ、記録媒体上に付着しつつ冷却固化して記録ドットを形成せしめるホットメルト型インクジェット記録方法が提案されている。
このインクは室温で固体であるために取り扱い時に汚れることが無く、また、溶融時のインク蒸発量が実質無いためノズルの目詰まりがない。さらに、付着後直ちに固化するため色にじみも少なく、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物が提案されている(特許文献1、2参照)。
しかしながらこのような方法で記録された画像は、インクドットが柔らかいワックス状であるため、ドットの盛り上がりに起因する品質の劣化や、擦過性能の不足等の課題があった。
一方、紫外線を露光することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(特許文献3参照)。また、顔料が必須に含有され、かつ重合性材料として三官能以上のポリアクリレートが必須とされており、かつ、ケトン、アルコールを主溶剤とするいわゆる非水系インクが提案されている(特許文献4参照)。
また、水系の紫外線重合モノマーを用いたインクが提案されている(特許文献5参照)。
これらの方法では、インク自身を硬化成分により硬化させるため非吸収性の媒体に対しても記録が可能となったが、色剤以外の硬化成分が多量に含有され、かつ揮発しないため記録面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせた。
また、粗大粒子の個数を規定することが特許文献に開示されているが(特許文献6、7、8、9参照)、いずれもインク保存性、濃度むら、定着性の改善を目的としたもので光沢についての記載は無い。
米国特許第4,391,369号明細書 米国特許第4,484,948号明細書 米国特許第4,228,438号明細書 特公平5−64667号公報 特開平7−224241号公報 特開平11−140356号公報 特開2000−204305号公報 特開2004−59913号公報 特開2005−187726号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、文字品質に優れ、色混じりの発生のない、高精細な画像を再現性よく非常に安定に、特に光沢の不自然さが改善されて、記録することができる活性光線硬化型インクジェット用インク、および画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.少なくとも色材、分散剤、水、親水性主鎖に複数の側鎖を有し活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物、を含有する活性光線硬化型インクジェット用インクに含まれる粒子の粒径を粒径測定機(動的光散乱法)を用いて測定した際、該粒子の平均粒径が0.08〜0.25μmであり、かつ、粒径1μm以上の粗大粒子の個数が6.0×105個/μl未満であることを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク。
2.前記色材の活性光線硬化型インクジェット用インク全質量に対する質量濃度が、0.5〜4.8質量%であることを特徴とする1に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
3.前記高分子化合物を活性光線硬化型インクジェット用インク全質量に対して0.8〜5.0質量%含有し、かつ、高分子化合物の親水性主鎖がケン化度77%以上、99%以下のポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつ重合度が200以上、4000以下、側鎖の変性率が0.3モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする1または2に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
4.インクジェット記録ヘッドより、1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクを記録材料上に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェット用インクが着弾した後、0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
5.インクジェット記録ヘッドより、1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクを記録材料上に噴射して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェット用インクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が、0.1〜10μmであることを特徴とする画像形成方法。
6.インクジェット記録ヘッドより、1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクを記録材料上に噴射して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が、2〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、文字品質に優れ、色混じりの発生のない、高精細な画像を再現性よく非常に安定に、特に光沢の不自然さが改善されて、記録することができる活性光線硬化型インクジェット用インク、および画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明を更に詳しく説明する。本発明者は、鋭意研究した結果、親水性主鎖に複数の側鎖を有し活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を用い、更に、得られた活性光線硬化型インクジェット用インク(単に、インクともいう。)に含まれる粒子の平均粒径が0.08〜0.25μmであり、かつ、粒径1μm以上の粗大粒子の個数が6.0×105個/μl未満であるようにすることで文字品質、特に光沢に優れ、色混じりの発生のない、高精細な画像を再現性よく非常に安定に記録できることを見出した。
〈活性エネルギー線架橋性高分子化合物〉
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、その重合度は200以上4000以下が好ましく、200以上2000以下がハンドリングの観点からより好ましく、200以上1700以下が更に好ましい。主鎖に対する側鎖の変性率は0.3モル%以上4モル%以下が好ましく、0.5モル%以上4モル%以下がより好ましく、0.8モル%以上4モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2007191541
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され、4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
Figure 2007191541
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2007191541
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2007191541
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007191541
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐
状のアルキレン基を表す。
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂は、インク全質量に対して0.8質量%から5.0質量%含有することが、好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディングやカラーブリードがより好ましくなる。5.0質量%以下の場合は、インク物性やインクヘッド内状態に悪影響しにくくなり、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
本発明の活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に用いられる樹脂においては架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクが色剤以外のほぼ全量が硬化性分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる樹脂においては必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
(光重合開始剤、増感剤)
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はないが、水溶性の物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007191541
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
(活性エネルギー線、照射方法)
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が上げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として例えば0.1kPaから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
(インク着弾後の光照射条件)
活性光線の照射条件として、本発明においては、インク着弾後0.001〜2.0秒の間に活性光線が照射されることであり、0.001〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
(ランプの設置)
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
〔着色剤〕
本発明のインクジェット用インクに用いられる色材としては、分散染料または顔料を用いることが好ましい。
以下、本発明のインクジェット用インクに適用可能な分散染料又は顔料の具体例を列挙するが、本発明では、これらに限定されるものではない。
[分散染料]
また、分散染料としては、アゾ系分散染料、キノン系分散染料、アントラキノン系分散
染料、キノフタロン系分散染料等種々の分散染料を用いることができ、以下にその具体的
化合物を挙げる。
〈C.I.Disperse Yellow〉
3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232、
〈C.I.Disperse Orange〉
1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142、
〈C.I.Disperse Red〉
1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、
〈C.I.Disperse Violet〉
1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、
〈C.I.Disperse Green〉
9、
〈C.I.Disperse Brown〉
1、2、4、9、13、19、
〈C.I.Disperse Blue〉
3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、
〈C.I.Disperse Black〉
1、3、10、24
等が挙げられる。
《顔料》
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できるが、アニオン性顔料である。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
本発明に係るインクにおいては、顔料表面にスルホン酸、カルボン酸等の極性基をペンダントした自己分散顔料、あるいは高分子分散剤を用いて分散した顔料が好ましい。
本発明に係る分散剤として用いられる高分子分散剤としては、特に制限はなく、水溶性樹脂または非水溶性樹脂が用いられる。これらの高分子としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた単一の単量体からなる重合体、あるいは2種以上の単量体からなる共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。またポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ゼラチン、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子も用いることができる。
これら水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。また、これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
本発明においては、インク化後の顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.25μmとし、かつ、粒径1μm以上の粗大粒子の個数が6.0×105個/μl未満であることが必要である。本発明における平均粒径とは、Malvern Instruments Ltd製Zetasizer Nanoシリーズのような粒径測定機(動的光散乱法)を用いて測定した体積平均粒径値のことを指し、平均粒径が0.08μm未満であると分散安定性が問題となり、0.25μmを超えると、記録ヘッド内のインク流路での滞留が問題となる。また、本発明における粒径1μm以上の粗大粒子の個数のカウントは、インクを3μm厚さにバー塗布した一定面積膜中の粒径1μm以上の粗大粒子の個数を光学顕微鏡5000倍の倍率でカウントし、インク1μl中の個数に換算したものである。平均粒径は、顔料種、分散剤種、分散条件の選定により調整し、粗大粒子の個数は、ろ過条件(フィルターの選定、多段濾過、遠心分離の有無、など)により適宜調整をすることができる。粒径1μm以上の粗大粒子の個数が6.0×105個/μlを越えると画像表面の凹凸が顕著になり光沢が劣化する。
また本発明のインクにおいては、顔料濃度が0.5〜4.8%であることが好ましい。
本発明者は、インク中の顔料濃度が4.8%を越えると吐出安定性が得られにくいことを
見出し、前述の平均粒径及び粗大粒子の制御をした場合でも記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が2〜15plと少ない場合には顔料濃度が4.8%以下であるようにすることが吐出安定化のポイントとなることを見出した。顔料濃度が0.5%未満の場合には発色が足らずインクとしての意味がなくなる。
〈水溶性溶媒〉
本発明に係る溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
〈界面活性剤〉
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることが出来、特にアニオン性及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
〈各種添加剤〉
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
〈記録用紙〉
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編、などに詳細に記載されている。
普通紙としては、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
〈各種フィルム〉
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
〈各種インクジェット用記録媒体〉
各種インクジェット用記録媒体としては、基材に吸収性支持体や非吸収性支持体を用いて、表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。
膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は2次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
近年は、基材に、紙基材の両面をオレフィン樹脂で被覆したRCペーパーを用いて上記微細空隙層を設けたインクジェット記録媒体が、写真画像の面で好んで用いられている。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。また、特に断りない限り、実施例中の「部」は「質量部」を表す。
実施例1
〈高分子化合物の合成〉
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度300、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをPVAに対して変性率が3モル%になる様に加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え1時間攪拌した。その後イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合しその後イオン交換水にて希釈して10%の高分子化合物水溶液を得た。
〔顔料分散液の調製〕
(マゼンタ顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼンタ顔料の含有量が10%のマゼンダ顔料分散液を調製した。分散は平均粒径が80nmに到達したところで停止した。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
C.I.ピグメントレッド122 10部
ジョンクリル61(アクリルスチレン系樹脂分散剤、ジョンソン社製) 3部
グリセリン 15部
イオン交換水 72部
(ブラック顔料分散液の調製)
Cabot社製のカーボンブラック自己分散物cabo−jet300をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のブラック顔料分散液を調製した。得られたブラック顔料分散液に含まれるカーボンブラック粒子の平均粒径は153nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
〔インクの作製〕
以下によりインクを作製した。
マゼンタ顔料分散液 30部
10%の高分子化合物水溶液 30部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にイオン交換水を加え全量を100部とし、遠心分離を3000rpmで1時間かけた後、ADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行いマゼンダインク(インク−1)を得た。
同様にインクを作製し、遠心分離は行なわずに、0.8μmメンブランフィルターで濾過を行い、マゼンダインク(インク−2)を得た。
同様にインク作製、遠心分離を行い、0.8μmメンブランフィルターで濾過を行い、マゼンダインク(インク−3)を得た。
比較として、遠心分離をかけないで濾過も行なわないインク(インク−4)、遠心分離をかけないでADVATEC社製CMF10μmメンブランフィルターで濾過したインク(インク−5)も作製した。
マゼンタ顔料分散液の代わりにブラック顔料分散液を用い、同様にしてブラックインクを得た(インク−6〜10)。
平均粒径は、Malvern Instruments Ltd製Zetasizer Nanoシリーズを用いて測定した体積平均粒径値である。
粒径1μm以上の粗大粒子の個数のカウントは、インクを3μm厚さにバー塗布した一定面積膜中の粒径1μm以上の粗大粒子の個数を光学顕微鏡(KEYENCEデジタルマイクロスコープVHX−100、レンズVH−2100)でカウントし、インクμl中の個数に換算した。
《インクジェット画像形成方法および評価》
〔画像部の光沢違和感〕
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(dpiとは、1インチ(2.54cm)当たりのドット数を表す。)であるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に、10cm×10cmの黒ベタプリント後、目視観察し、下記の基準に従って画像部光沢違和感の評価を行った。
◎:画像部の光沢が一様である
○:画像部の光沢がわずかに乱れるが、許容できるレベル
△:画像部の光沢が少し乱れるが、許容できるレベル
×:画像部の光沢が乱れ、肉眼でもはっきりと確認でき、許容されないレベル
××:画像部の光沢がドット盛り上がりにより完全に乱れ、完全に許容されないレベル
×以下は商品として許容されないレベルである。
〔白地部と画像部との光沢違和感〕
〔白地光沢違和感〕
同様にしてアート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に、5mm×10cmの黒線を5mm間隔で10本プリントし、目視観察し、下記の基準に従って白地部と画像部との光沢違和感の評価を行った。
◎:記録面と下地の光沢度差がほとんど無く自然である
○:記録面と下地の光沢度が少し異なるが、許容できるレベル
△:記録面と下地の光沢度が少し異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が著しく下地より高い
×:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が著しく下地より高い
××:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が著しく下地より低い
×以下は商品として許容されないレベルである。
〔連続吐出性〕
20℃、30%RHの環境下で、ノズル孔径20μm、駆動周波数10kHz、ノズル数128のピエゾ型ヘッドを備えたインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、1滴あたり12plを吐出する条件で、クリーニングをせずに1時間連続して吐出を続けた後の状態を目視観察し、下記に示す基準に従って吐出安定性を評価した。
◎:全ノズルから正常に出射
○:1〜3ノズルに目詰まりが見られるが、ノズル面からの吸引クリーニングにより回復
△:4ノズル以上に目詰まりが発生し、吸引クリーニングにより回復不可能な目詰まりが1ノズル発生するが、実用上許容できる範囲にある
×:7ノズル以上に目詰まりが発生し、吸引クリーニングにより回復不可能な目詰まりが2ノズル発生
××:10ノズル以上に目詰まりが発生し、吸引クリーニングにより回復不可能な目詰まりが3ノズル以上発生
結果を、表1に示す。
Figure 2007191541
表1から、本発明の場合には、画像部の光沢違和感、白地部と画像部との光沢違和感、連続吐出性、に優れていることがわかる。
そして、本発明により、文字品質に優れ、色混じりの発生のない、高精細な画像を再現性よく非常に安定に、特に光沢の不自然さが改善されて、記録することができる活性光線硬化型インクジェット用インク、および画像形成方法を提供することができる。
本発明の場合には、種々の記録メディアへの記録が可能であり、フェザリング、ブリードが防止され、特に光沢の不自然さが改善されて光沢等の印字品質の高い、吐出安定性の良いインクジェット用インクを提供することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも色材、分散剤、水、親水性主鎖に複数の側鎖を有し活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物、を含有する活性光線硬化型インクジェット用インクに含まれる粒子の粒径を粒径測定機(動的光散乱法)を用いて測定した際、該粒子の平均粒径が0.08〜0.25μmであり、かつ、粒径1μm以上の粗大粒子の個数が6.0×105個/μl未満であることを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク。
  2. 前記色材の活性光線硬化型インクジェット用インク全質量に対する質量濃度が、0.5〜4.8質量%であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
  3. 前記高分子化合物を活性光線硬化型インクジェット用インク全質量に対して0.8〜5.0質量%含有し、かつ、高分子化合物の親水性主鎖がケン化度77%以上、99%以下のポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつ重合度が200以上、4000以下、側鎖の変性率が0.3モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
  4. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクを記録材料上に噴射し、該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェット用インクが着弾した後、0.001〜2.0秒の間に活性光線を照射することを特徴とする画像形成方法。
  5. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクを記録材料上に噴射して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該活性光線硬化型インクジェット用インクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が、0.1〜10μmであることを特徴とする画像形成方法。
  6. インクジェット記録ヘッドより、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクを記録材料上に噴射して該記録材料上に印刷を行う画像形成方法であって、該インクジェット記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が、2〜15plであることを特徴とする画像形成方法。
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