JP2007204622A - インクジェット用インク、インクジェット用インクセットおよびインクジェット記録方法 - Google Patents

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JP2007204622A
JP2007204622A JP2006025540A JP2006025540A JP2007204622A JP 2007204622 A JP2007204622 A JP 2007204622A JP 2006025540 A JP2006025540 A JP 2006025540A JP 2006025540 A JP2006025540 A JP 2006025540A JP 2007204622 A JP2007204622 A JP 2007204622A
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正好 山内
Masaki Nakamura
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Abstract

【課題】インク吸収性の少ない、又はインク吸収性のない媒体に対してビーディングやカラーブリードの発生がなく、出射安定性が大幅に向上しラインヘッド適性を備えたインクジェット用インク、インクセットおよび記録方法を提供する。
【解決手段】少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、かつ活性エネルギー線を照射することにより該側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有する、インクジェット用インクにおいて、該親水性主鎖が一部を疎水性基で変性したポリマーであることを特徴とするインクジェット用インク、インクセットおよび記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インク吸収性の少ない、又はインク吸収性のない媒体に対してビーディングやカラーブリードの発生がなく、出射安定性が大幅に向上しラインヘッド適性を備えたインクジェット用インク、インクセットおよび記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいてその性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクの吸収性があまり無いコート紙やアート紙、もしくは吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こすいわゆるブリード等の課題があり、インクジェットに対して記録媒体の多様性をもたせる上で課題となっていた。
上記の課題において、室温において固体のワックス等を素材とするホットメルト型インク組成物を用い、加熱等により液化し、何らかのエネルギーを加えて噴射させ、記録媒体上に付着しつつ冷却固化して記録ドットを形成するホットメルト型インクジェット記録方法が提案されている。
このインクは室温で固体であるために取り扱い時に汚れることが無く、また、溶融時のインク蒸発量が実質無いためノズルの目詰まりがない。さらに、付着後直ちに固化するため色にじみも少なく、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながらこのような方法で記録された画像は、インクドットが柔らかいワックス状であるため、ドットの盛り上がりに起因する品質の劣化や、擦過性能の不足等の課題があった。
一方、紫外線を露光することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、顔料が必須に含有され、かつ重合性材料として三官能以上のポリアクリレートが必須とされており、かつ、ケトン、アルコールを主溶剤とするいわゆる非水系インクが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、水系の紫外線重合モノマーを用いたインクが提案されている(例えば、特許文献5参照)。
これらの方法では、インク自身を硬化成分により硬化させるため非吸収性の媒体に対しても記録が可能となったが、色剤以外の硬化成分が多量に含有し、かつ揮発しないため記録面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせた。
さらに、従来公知の硬化成分に対しては安全上の懸念点があり、たとえ安全性をクリアしたとしても物質選択の狭さがあり素材、物性の自由な設計を行えないという課題があった。
われわれは、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物をインクに含有することで上記課題を解決することを見出した。しかしながら、画像によっては耐水性が不十分であることがわかった。また、ラインヘッドプリンターに対しては適性の低い場合があることがわかった。
米国特許第4,391,369号明細書 米国特許第4,484,948号明細書 米国特許第4,228,438号明細書 特公平5−64667号公報 特開平7−224241号公報
従って、本発明の目的は、インク吸収性の少ない、又はインク吸収性のない媒体に対してビーディングやカラーブリードの発生がなく、出射安定性が大幅に向上しラインヘッド適性を備えたインクジェット用インク、インクセットおよび記録方法を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、かつ活性エネルギー線を照射することにより該側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有する、インクジェット用インクにおいて、該親水性主鎖が一部を疎水性基で変性したポリマーであることを特徴とするインクジェット用インク。
2.前記親水性主鎖が疎水性基変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする前記1に記載のインクジェット用インク。
3.前記疎水性基がアルキル基であることを特徴とする前記1又は2に記載のインクジェット用インク。
4.前記高分子化合物をインク全質量に対して、0.8〜5.0質量%含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
5.前記親水性主鎖のJIS K 6726で測定したケン化度が77〜99%、重合度が200〜4000であることを特徴とする前記2〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
6.前記親水性主鎖に対する前記架橋性側鎖の変性率が0.8モル%以上4モル%以下であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
7.水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
8.2種以上のインクジェット用インクから構成され、かつ該インクジェット用インクの少なくとも1種が前記1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット用インクセット。
9.前記1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
10.前記8記載のインクジェット用インクセットを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明により、インク吸収性の少ない、又はインク吸収性のない媒体に対してビーディングやカラーブリードの発生がなく、出射安定性が大幅に向上しラインヘッド適性を備えたインクジェット用インク、インクセットおよび記録方法を提供することができた。
本発明を更に詳しく説明する。本発明では、親水性主鎖の一部が疎水性基で変性されており、活性エネルギー線を照射することで架橋する側鎖を有し、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物(活性エネルギー線架橋性高分子化合物)、をインク中に含有することにより、印字した後にインク自身が記録媒体上で増粘し、異色間の色混じり(カラーブリード)やインクあふれによるまだら(ビーディング)の発生を抑制することができる。したがって、吸収性のない記録媒体の直接印字が可能である。
従来も、このように活性エネルギー線で硬化する成分をインクに入れる技術はあったが、硬化する成分がモノマーであり、エネルギー効率が悪く、インク中にかなりの量を添加しないと、非吸収性の記録媒体にそのまま印字することができなかった。そのため、画像部の盛り上がりが大きくなり、平滑感の高い画像は得られなかった。
本発明では、硬化成分が少量で済みインク中の総固形分量を10%程度に抑えることができるので、揮発成分が揮発した後の画像部の盛り上がりは非常に薄い。そのため、印刷用紙のような吸収性の低い、あるいは吸収性のない記録媒体に、高画質で平滑性の高い画像をそのまま印字することが可能である。
また、親水性主鎖の一部が疎水性基で変性されていることにより、有機溶剤の比率の多い溶剤系に溶解することができる。有機溶剤の多い溶剤系のインクでは、インクジェットヘッド部が乾燥しにくいため、インク中の固形分が析出しないため、いわゆるラインヘッド適性を持たせることができる。
また、上記高分子化合物の水に対する膨潤性が抑制され、印字された画像の耐水性が向上する。
〈活性エネルギー線架橋性高分子化合物〉
本発明に係る親水性主鎖が一部を疎水性基で変性したポリマーであり、該主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、一部を疎水性基で変性したポリマー主鎖の側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の架橋性変性基を導入したものである。光重合型の架橋性変性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、その重合度は200以上4000以下が好ましく、200以上2000以下がハンドリングの観点からより好ましい。主鎖に対する架橋性側鎖の変性率は0.3モル%以上4モル%以下が好ましく0.8モル%以上4モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
また、疎水性基としては、特に限定はないが、炭化水素が好ましい。直鎖型、分岐型、環状のいずれでもよい。また、不飽和結合を有していてもよい。
さらに親水性主鎖に対する変性のしやすさの点からアルキル基がより好ましい。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾリウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、具体的には、以下の一般式(1)〜(4)で表される公知の感光性樹脂(組成物)を挙げることができる。
ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾリウム基を導入した化合物として、下記一般式(1)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007204622
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
また、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され、4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物も好ましく用いられる。
Figure 2007204622
更に、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2007204622
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば、下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2007204622
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
また、光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007204622
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐
状のアルキレン基を表す。
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂は、インク全質量に対して0.8質量%から5.0質量%含有することが、好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディングやカラーブリードがより好ましくなる。5.0質量%以下の場合は、インク物性やインクヘッド内状態に悪影響しにくくなり、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
本発明の活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に用いられる樹脂においては架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクが色剤以外のほぼ全量が硬化性分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる樹脂においては必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
(光重合開始剤、増感剤)
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はないが、水溶性の物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007204622
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
(活性エネルギー線、照射方法)
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が上げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として例えば0.1kPaから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
(インク着弾後の光照射条件)
活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
(ランプの設置)
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
〔着色剤〕
本発明のインクジェット用インクに用いられる色材としては、染料または顔料を用いることが好ましい。
(染料)
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。
以下、本発明のインクジェット用インクに適用可能な染料の具体例を列挙するが、本発明では、これら例示する染料にのみ限定されるものではない。
[水溶性染料]
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができる。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、357、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.ベイシックイエロー〉
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91、
〈C.I.ベイシックオレンジ〉
2、21、22、
〈C.I.ベイシックレッド〉
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109、
〈C.I.ベイシックバイオレット〉
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39、
〈C.I.ベイシックブルー〉
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151、
〈C.I.ベイシックグリーン〉
1、4、
〈C.I.ベイシックブラウン〉
1、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
更に、染料として、下記一般式(8)で表される化合物または一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007204622
上記一般式(8)において、R1は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはフェニルカルボニル基が好ましい。R2は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子が好ましい。R3は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましい。R4は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子、アリールオキシ基が好ましい。R5は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、スルホン酸基が好ましい。n1は1〜4の整数を表し、m1は1〜5の整数を表す。
上記一般式(9)において、X1はフェニル基またはナフチル基を表し、置換可能な置換基で置換されていてもよく、スルホン酸基またはカルボキシル基で置換されていることが好ましい。Y1は水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表す。R6は異なってもよく水素原子またはナフタレン環に置換可能な置換基を表す。qは1または2を表す。pは1〜4の整数を表す。ただし、q+p=5である。Z1は置換可能な置換基を表し、カルボニル基、スルホニル基または下記一般式(10)で表される基を表し、特に、下記一般式(10)で表される基が好ましい。
Figure 2007204622
上記一般式(10)において、W1、W2はそれぞれ異なっていてもよいハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表し、ハロゲン原子、水酸基またはアルキルアミノ基が好ましい。
[分散染料]
また、分散染料としては、アゾ系分散染料、キノン系分散染料、アントラキノン系分散染料、キノフタロン系分散染料等種々の分散染料を用いることができ、以下にその具体的化合物を挙げる。
〈C.I.Disperse Yellow〉
3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232、
〈C.I.Disperse Orange〉
1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142、
〈C.I.Disperse Red〉
1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、
〈C.I.Disperse Violet〉
1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、
〈C.I.Disperse Green〉
9、
〈C.I.Disperse Brown〉
1、2、4、9、13、19、
〈C.I.Disperse Blue〉
3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、
〈C.I.Disperse Black〉
1、3、10、24
等が挙げられる。
《顔料》
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できるが、アニオン性顔料である。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
本発明に係るインクにおいては、顔料表面にスルホン酸、カルボン酸等の極性基をペンダントした自己分散顔料、あるいは高分子分散剤を用いて分散した顔料が好ましい。
本発明に係る高分子分散剤としては、特に制限はなく、水溶性樹脂または非水溶性樹脂が用いられる。これらの高分子としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた単一の単量体からなる重合体、あるいは2種以上の単量体からなる共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。またポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ゼラチン、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子も用いることができる。
これら水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。また、これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
本発明のインクジェット用インクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下がより好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
〈水溶性溶媒〉
本発明に係る溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
〈界面活性剤〉
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることが出来、特にアニオン性及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
〈各種添加剤〉
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、非抵抗調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
〈記録用紙〉
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編、などに詳細に記載されている。
普通紙とは、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
〈各種フィルム〉
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
〈各種インクジェット用記録媒体〉
各種インクジェット用記録媒体としては、基材に吸収性支持体や非吸収性支持体を用いて、表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。
膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は2次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
近年は、基材に、紙基材の両面をオレフィン樹脂で被覆したRCペーパーを用いて上記微細空隙層を設けたインクジェット記録媒体が、写真画像の面で好んで用いられている。
〈ラインヘッド方式インクジェット記録装置〉
図1は、ラインヘッド方式インクジェット記録装置の要部の構成の上面図である。ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている活性エネルギー線照射手段4が設けられている。
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び活性エネルギー線照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
以下、本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。
〈高分子化合物1の合成〉
グリシジルメタクリレートを56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒドを48g、ピリジンを2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩を1g、それぞれ反応容器に入れ、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、アルキル変性PVA(クラレ製 MP−103)の45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸を4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをアルキル変性PVAに対して変性率が3モル%になる条件で添加し、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂を30g加えて1時間攪拌した。次いで、イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を、15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合し、その後イオン交換水にて希釈して高分子化合物1の10%水溶液を得た。
〈高分子化合物2の合成〉
高分子化合物1の合成においてアルキル変性PVAの活性エネルギー線架橋基変性率を0.4mol%に変更した以外は高分子化合物1と同様にして高分子化合物2の10%水溶液を得た。
〈高分子化合物3の合成〉
高分子化合物1の合成においてアルキル変性PVAの活性エネルギー線架橋基変性率を4.5mol%に変更した以外は高分子化合物1と同様にして高分子化合物2の10%水溶液を得た。
〈高分子化合物4の合成〉
高分子化合物1の合成においてアルキル変性PVAを重合度1700の普通のPVA(クラレ製PVA235)に変更した以外は高分子化合物1と同様にして高分子化合物4の10%水溶液を得た。
<インクの作製>
〔顔料分散液の調製〕
(イエロー顔料分散液1の調製)
以下の各添加剤を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にポリプロピレン製のポリ瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーを用いて5時間分散し、イエロー顔料の含有量が15%のイエロー顔料分散液1を調製した。
C.I.ピグメントイエロー150 15部
ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製) 5部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 40部
イオン交換水 40部
(マゼンタ顔料分散液1の調製)
以下の各添加剤を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にポリプロピレン製のポリ瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーを用いて5時間分散し、マゼンタ顔料の含有量が15%のマゼンダ顔料分散液1を調製した。
C.I.ピグメントレッド122 15部
ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製) 5部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 40部
イオン交換水 40部
(シアン顔料分散液1の調製)
以下の各添加剤を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にポリプロピレン製のポリ瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーを用いて5時間分散し、シアン顔料の含有量が15%のシアン顔料分散液1を調製した。
C.I.ピグメントブルー15:3 15部
ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製) 5部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 40部
イオン交換水 40部
(ブラック顔料分散液1の調製)
以下の各添加剤を混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にポリプロピレン製のポリ瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーを用いて5時間分散し、ブラック顔料の含有量が15%のブラック顔料分散液1を調製した。
C.I.ピグメントブラック7 15部
ジョンクリル501(ジョンソンポリマー社製) 5部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 40部
イオン交換水 40部
以下、顔料タイプのインクセット1〜6を作製した。
<インクセット1の作製>
以下によりイエローインクY1、マゼンタインクM1、シアンインクC1、ブラックインクK1からなるインクセット1を作製した。
(イエローインクY1の作製)
イエロー顔料分散液1 20部
高分子化合物1の10%の水溶液 20部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にトリプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え全量を100部とし、イエローインクY1を作製した。
(マゼンタインクM1の作製)
イエローインクY1の作製においてイエロー顔料分散液1をマゼンダ顔料分散液1に変更した以外はイエローインクY1と同様にしてマゼンダインクM1を作製した。
(シアンインクC1の作製)
イエローインクY1の作製においてイエロー顔料分散液1をシアン顔料分散液1に変更した以外はイエローインクY1と同様にしてシアンインクC1を作製した。
(ブラックーインクK1の作製)
イエローインクY1の作製においてイエロー顔料分散液1をブラック顔料分散液1に変更した以外はイエローインクY1と同様にしてブラックインクK1を作製した。
<インクセット2の作製>
以下によりイエローインクY2、マゼンタインクM2、シアンインクC2、ブラックインクK2からなるインクセット2を作製した。
(イエローインクY2の作製)
上記イエローインクY1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物2の10%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY2を作製した。
(マゼンタインクM2の作製)
上記マゼンタインクM1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物2の10%水溶液を用いた以外は同様にして、マゼンタインクM2を作製した。
(シアンインクC2の作製)
上記シアンインクC1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物2の10%水溶液を用いた以外は同様にして、シアンインクC2を作製した。
(ブラックーインクK2の作製)
上記ブラックインクK1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物2の10%水溶液を用いた以外は同様にして、ブラックインクK2を作製した。
<インクセット3の作製>
以下によりイエローインクY3、マゼンタインクM3、シアンインクC3、ブラックインクK3からなるインクセット3を作製した。
(イエローインクY3の作製)
上記イエローインクY1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物3の10%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY3を作製した。
(マゼンタインクM3の作製)
上記マゼンタインクM1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物3の10%水溶液を用いた以外は同様にして、マゼンタインクM3を作製した。
(シアンインクC3の作製)
上記シアンインクC1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物3の10%水溶液を用いた以外は同様にして、シアンインクC3を作製した。
(ブラックーインクK3の作製)
上記ブラックインクK1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物3の10%水溶液を用いた以外は同様にして、ブラックインクK3を作製した。
<インクセット4の作製>
以下によりイエローインクY4、マゼンタインクM4、シアンインクC4、ブラックインクK4からなるインクセット4を作製した。
(イエローインクY4の作製)
イエロー顔料分散液1 20部
高分子化合物1の10%の水溶液 5部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
イオン交換水 14部
以上にトリプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え全量を100部とし、イエローインクY4を作製した。
(マゼンタインクM4の作製)
イエローインクY4の作製においてイエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外はイエローインクY4と同様にしてマゼンダインクM4を作製した。
(シアンインクC4の作製)
イエローインクY4の作製においてイエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外はイエローインクY4と同様にしてシアンインクC4を作製した。
(ブラックーインクK4の作製)
イエローインクY4の作製においてイエロー顔料分散液をブラック顔料分散液に変更した以外はイエローインクY4と同様にしてブラックインクK4を作製した。
<インクセット5の作製>
以下によりイエローインクY5、マゼンタインクM5、シアンインクC5、ブラックインクK5からなるインクセット5を作製した。
(イエローインクY5の作製)
イエロー顔料分散液1 20部
高分子化合物1の20%の水溶液(濃縮した) 26部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にトリプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え全量を100部とし、イエローインクY5を作製した。
(マゼンタインクM5の作製)
イエローインクY5の作製においてイエロー顔料分散液をマゼンダ顔料分散液に変更した以外はイエローインクY5と同様にしてマゼンダインクM5を作製した。
(シアンインクC5の作製)
イエローインクY5の作製においてイエロー顔料分散液をシアン顔料分散液に変更した以外はイエローインクY5と同様にしてシアンインクC5を作製した。
(ブラックーインクK5の作製)
イエローインクY5の作製においてイエロー顔料分散液をブラック顔料分散液に変更した以外はイエローインクY5と同様にしてブラックインクK5を作製した。
<インクセット6の作製>
以下によりイエローインクY6、マゼンタインクM6、シアンインクC6とブラックインクK6からなるインクセット6を作製した。
(イエローインクY6の調製)
C.I.ピグメントイエロー74 10部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製) 3部
アロニックスM5700(東亞合成社製) 7部
エチレンオキシド付加1,6ヘキサンジオールアクリレート 72部
3−メトキシブチルアクリレート 8部
イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製) 5部
上記の各組成物を混合、攪拌した後、得られた溶液をフィルターでろ過して、活性光線硬化型のイエローインクY6を調製した。
(マゼンタインクM6の調製)
C.I.ピグメントRed122 10部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製) 3部
アロニックスM5700(東亞合成社製) 7部
エチレンオキシド付加1,6ヘキサンジオールアクリレート 72部
3−メトキシブチルアクリレート 8部
イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製) 5部
上記の各組成物を混合、攪拌した後、得られた溶液をフィルターでろ過して、活性光線硬化型のマゼンタインクM6を調製した。
(シアンインクC6の調製)
C.I.ピグメントブルー15:3 10部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製) 3部
アロニックスM5700(東亞合成社製) 7部
エチレンオキシド付加1,6ヘキサンジオールアクリレート 72部
3−メトキシブチルアクリレート 8部
イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製) 5部
上記の各組成物を混合、攪拌した後、得られた溶液をフィルターでろ過して、活性光線硬化型のシアンインクC6を調製した。
(ブラックインクK6の調製)
カーボンブラック(三菱化学社製、MA−7) 10部
アジスパーPB821(味の素ファインテクノ製) 3部
アロニックスM5700(東亞合成社製) 7部
エチレンオキシド付加1,6ヘキサンジオールアクリレート 72部
3−メトキシブチルアクリレート 8部
イルガキュア369(チバスペシャリティケミカルズ社製) 5部
上記の各組成物を混合、攪拌した後、得られた溶液をフィルターでろ過して、活性光線硬化型のブラックインクK6を調製した。
以下、染料タイプのインクセット7を作製した。
<インクセット7の作製>
以下によりイエローインクY7、マゼンタインクM7、シアンインクC7、ブラックインクK7からなるインクセット7を作製した。
(イエローインクY7の作製)
C.I.Acid Yellow23 3部
高分子化合物1の10%水溶液 20部
イオン交換水 8部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にトリプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え全量を100部とし、イエローインクY7を作製した。
(マゼンタインクM7の作製)
イエローインクY7の作製においてC.I.Acid Yellow23をC.I.Direct Red227に変更した以外はイエローインクY7と同様にしてマゼンダインクM7を作製した。
(シアンインクC7の作製)
イエローインクY7の作製においてC.I.Acid Yellow23をC.I.Direct Blue199に変更した以外はイエローインクY7と同様にしてシアンインクC7を作製した。
(ブラックーインクK7の作製)
C.I.Food Black2 4部
高分子化合物1の10%の水溶液 20部
イオン交換水 8部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上にトリプロピレングリコールモノメチルエーテルを加え全量を100部とし、ブラックインクK7を作製した。
<インクセット8の作製>
以下によりイエローインクY8、マゼンタインクM8、シアンインクC8、ブラックインクK8からなるインクセット8を作製した。
(イエローインクY8の作製)
上記イエローインクY1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物4の10%水溶液を用いた以外は同様にして、イエローインクY8を作製した。
(マゼンタインクM8の作製)
上記マゼンタインクM1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物4の10%水溶液を用いた以外は同様にして、マゼンタインクM8を作製した。
(シアンインクC8の作製)
上記シアンインクC1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物4の10%水溶液を用いた以外は同様にして、シアンインクC8を作製した。
(ブラックーインクK8の作製)
上記ブラックインクK1の作製において、高分子化合物1の10%水溶液に代えて、高分子化合物4の10%水溶液を用いた以外は同様にして、ブラックインクK8を作製した。
インクセット1〜12につき下記評価を行った。
《インクジェット記録方法》
(ラインへッド適性)
ピエゾ型の記録ヘッドを備え、図1に記載の構成からなるラインヘッド方式のインクジェット記録装置に、上記調製したKインクを装填し、4plのマルチサイズドットを1440×1440dpi(dpiとは1インチ、即ち2.54cm当たりのドット数を表す)の解像度で吐出できるよう駆動して、10秒間連続吐出→一定時間休止→連続吐出の間欠動作を行った。この際、吐出休止後の最初で吐出方向の乱れが発生するか否かは休止時間の長さで決まるので、吐出休止時間の長さを段階的に変えることにより間欠吐出の安定性を測定し、以下の基準で評価した。尚、評価は環境温度23℃湿度55%RHで行った。
5:60秒休止しても安定に吐出した
4:30〜50秒休止しても安定に吐出した
3:11〜20秒休止しても安定に吐出した
2:6〜10秒休止しても安定に吐出した
1:5秒以下しか安定吐出しなかった。
(ビーディング耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に5cm×5cmのマゼンタベタをプリント及び目視観察し、下記の基準に従ってビーディング耐性の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:均一な画像である
○:よく見るとわかるまだら状のノイズが5箇所未満存在する
△:よく見るとわかるまだら状のノイズが10箇所未満存在する
×:はっきりとしたまだら状のノイズが10箇所以上存在する
××:まだら状のノイズが20箇所以上存在する
このうち、×、××は製品として問題があるレベルである。
(ブリード耐性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にマゼンダベタ地の上に巾200μmの黒細線をプリントした後、目視観察し、下記の基準に従ってブリード耐性の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:細線とベタの境界線がはっきりしている
○:わずかに境界がにじんでいる箇所があるが、実用上問題のない品質である
△:境界部ににじみが認められるが、実用上許容限界内の品質である
×:境界部で明らかなにじみの発生が認められ、線幅が1.5倍ほどとなり、実用上問題となる品質である
××:細線とベタ部の境界が不明瞭な品質であり、ブリード耐性が極めて乏しい。
(画像平滑感の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にJIS X 9201−1995準拠の高精細カラーデジタル標準画像のN3「果物かご」をプリントし、目視観察し、下記の基準に従って画像平滑感の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:記録面と下地の平滑感の差がほとんど無く自然である
○:記録面と下地の平滑感が少し異なるが、許容できるレベル
△:記録面の表面にざらざら感を感じるが鑑賞には問題ない
×:記録面の表面がざらざらするように観察され、明らかに平滑性がない
××:目視のみならず触診しても大きなざらざら感が感じられる。
(耐水性の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタにそれぞれのインクセットを装着し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に10cm×10cmのシアンのベタをプリントした。
なお、インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL、電源電力3kW・hr)を照射し、評価画像サンプルを作製した。
以上により作製した画像サンプル表面を、純水を含ませたBEMCOT(旭化成製)で5回こすり、画像濃度低下の程度を目視観察し、下記の基準に従って耐水性の評価を行った。
◎:色落ちの発生が全く認められない
○:若干の色落ちが見られるが、画像としては気にならない
△:色落ちがやや確認でき、画質の低下も僅かに認められるが、実用上許容できる範囲
にある
×:色落ちが大きく、画質への影響が大で、実用上許容範囲外の品質である
××:色落ちがかなり大きく、画像が激しく汚れ、実用に耐えない。
(光沢感の評価)
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを用い、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に10cm×10cmの黒ベタをプリントし、目視観察し、下記の基準に従って光沢感の評価を行った。
なお、各インクを連続吐出し、着弾した後0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:記録面と下地の光沢度差がほとんど無く自然である
○:記録面と下地の光沢度が少し異なるが、許容できるレベル
△:記録面と下地の光沢度が少し異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が著しく下地より高い
×:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が著しく下地より高い
××:記録面と下地の光沢度がはっきり異なることが目視で観察でき、かつ記録面の光沢度が著しく下地より低い。
評価結果は表1に示す。
Figure 2007204622
表1において、インクセット8は各インクにおいて高分子化合物の未溶解成と思われる析出物が発生し、上記評価は不可能であった。また、本発明の試料はいずれも、優れた効果を示した。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
4 照射手段
P 記録材料

Claims (10)

  1. 少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、かつ活性エネルギー線を照射することにより該側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有する、インクジェット用インクにおいて、該親水性主鎖が一部を疎水性基で変性したポリマーであることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記親水性主鎖が疎水性基変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記疎水性基がアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記高分子化合物をインク全質量に対して、0.8〜5.0質量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  5. 前記親水性主鎖のJIS K 6726で測定したケン化度が77〜99%、重合度が200〜4000であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  6. 前記親水性主鎖に対する前記架橋性側鎖の変性率が0.8モル%以上4モル%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  7. 水溶性光重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  8. 2種以上のインクジェット用インクから構成され、かつ該インクジェット用インクの少なくとも1種が請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクであることを特徴とするインクジェット用インクセット。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 請求項8記載のインクジェット用インクセットを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
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