JP2008297483A - インクジェット用インク及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存後のインクを使用した場合にも、活性エネルギー線照射時のインクの増粘性を安定させ、インク吸収性に劣るコート紙やアート紙などのインクジェット記録媒体に印字してもビーディングやカラーブリードの発生が防止され、かつ記録媒体に対する定着性にも優れたインクジェット用インク及び該インクを用いるインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】少なくとも色剤、水、光重合開始剤、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基を結合した高分子化合物を含有するインクジェット用インクであって、該インクのpHがpH緩衝剤により6.5〜11.0に調整されていることを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】なし

Description

本発明はインクジェット用インクに関し、詳しくは、インク吸収性に劣るインクジェット記録媒体に印字しても、ビーディングやカラーブリードの発生が防止され、かつ記録媒体に対する定着性に優れ、印字品質の高いインクジェット用インク(以下、単にインクとも記す)に関する。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で高精細な画像記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。又、用途も多岐に亘り、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクジェット用インクが使用される。特に、近年では、記録速度の大幅な向上が図られ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。しかしながら、インクジェットプリンタにおいて、その性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクジェット用インクは、多種多様な記録媒体への定着性が良好で、印刷物を擦っても汚れたりせず、又、定着後の擦過性も良好なこと、記録媒体に対して、色むら、色混じり、滲みのない高品位な画像が得られること、ノズルからインク液滴が安定して吐出され、目詰まりを生じないこと等の性質が必要となって来る。
インク溶媒として主に水を用いた活性エネルギー硬化型インクが提案されている(例えば特許文献1参照)。この方法によれば、紫外線を照射してインクを十分に硬化することで、十分な耐擦性を有し、重合反応によって生成した皮膜に亀裂や剥離が生じるのを防ぐことができる。しかしながら、このようなインクの場合、十分な硬化性が得られる量の硬化成分を含有すると、インク膜厚が厚くなり、印字画像の光沢性や質感が損なわれるという課題があった。
上記課題に対し、ポリビニルアルコールに光架橋基が結合した化合物を含有する水性紫外線硬化型インクジェット用インクが提案されている(例えば特許文献2参照)。この水性紫外線硬化型インクでは、紫外線照射時の硬化性を維持しながら、インクの膜厚を小さくできるので、画像品質の低下を防ぐことができる。しかしながら、このようなインクでは、長期に保存した場合、十分な増粘性や硬化性が得られなくなり、インク吸収性に劣るコート紙やアート紙などの記録媒体に印字すると、ビーディングやカラーブリードが発生し、画像品質が低下するという課題があった。又、インクジェット記録媒体表面に対する密着性も不十分なため、インクの定着性に問題を抱えていた。
特開2004−359919号公報 特表2007−501289号公報
本発明は上記課題に鑑み為されたものであり、その目的は、保存後のインクを使用した場合にも、活性エネルギー線照射時のインクの増粘性を安定させ、インク吸収性に劣るコート紙やアート紙などのインクジェット記録媒体に印字してもビーディングやカラーブリードの発生が防止され、かつ記録媒体に対する定着性にも優れたインクジェット用インク及び該インクを用いるインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.
少なくとも色剤、水、光重合開始剤、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基を結合した高分子化合物を含有するインクジェット用インクであって、該インクのpHがpH緩衝剤により6.5〜11.0に調整されていることを特徴とするインクジェット用インク。
2.
高分子化合物の、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基がアセタール結合により得られることを特徴とする前記1項に記載のインクジェット用インク。
3.
pH緩衝剤がpKa6.0以上の弱酸から成ることを特徴とする前記1又は2項に記載のインクジェット用インク。
4.
インクのpHが8.0〜10.0に調整されていることを特徴とする前記1、2又は3項に記載のインクジェット用インク。
5.
前記1〜4項のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを、インクジェットヘッドを用いて記録媒体に吐出する工程と、記録媒体に吐出した該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射する工程とを含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明によれば、インク吸収性に劣るコート紙やアート紙などのインクジェット記録媒体(以下、単に記録媒体と称す)に印字しても、ビーディングやカラーブリードの発生が防止され、かつ記録媒体に対する定着性に優れ、印字品質の高いインクジェット用インク及びインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明者らは上記課題について鋭意検討を行った結果、少なくとも色剤、水、光重合開始剤と、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基を結合した高分子化合物を含有した水性インクであって、インクのpHが6.5〜11.0に調整されているインクを用いることで、インク吸収性に劣るコート紙やアート紙などの記録媒体に印字してもビーディングやカラーブリードの発生が抑制され、かつ記録媒体に対する定着性に優れ、印字品質の高いインクジェット記録を実現できることを見い出し、本発明を為すに到った。
本発明に係るインクは、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基を結合した高分子化合物を含有するので、活性エネルギー線の照射によりインクが増粘するが、該インクを長期保存した場合、インクのpHが低下して行くことが判り、特に高温保存においてこの現象は顕著であった。これは、ポリ酢酸ビニル鹸化物から酢酸基が脱離することが原因だと考えられる。即ち、インクのpHの低下は、ポリ酢酸ビニル鹸化物から架橋又は重合可能な部位を含む機能性基をアセタール結合の加水分解により遊離させ、活性エネルギー線照射時のインクの増粘性の低下を引き起こすものと考えられる。
本発明では、pH緩衝剤でインクのpHを6.5〜11.0に調製することで、ポリ酢酸ビニル鹸化物から酢酸基が脱離することによる保存中のインクのpH低下を抑制し、インクの増粘性の低下を防げるものと推測している。インクのpHは6.5〜11.0の時、該高分子化合物は機能性基が脱離することなく安定に存在できると考えられる。
インク中のポリ酢酸ビニル鹸化物から酢酸基が脱離することによる酸発生量は、下記式に従って求めた(式中、PVAcはポリ酢酸ビニルを表す)。
pH緩衝剤は、下記式より求めたインクの酸発生量の約30%の酸が生じても、pHが6.5〜11.0の範囲に入る量を加えることで、機能性基の脱離による増粘性の大幅な低下を抑えることが可能である。
酸発生量(モル)=[(インク質量×インク中のPVAc鹸化物の割合)/PVAc鹸化物の1ユニット当たりの質量平均分子量]×[1−PVAcの鹸化度(割合)]
以下、本発明の詳細について説明する。
(活性エネルギー線架橋型高分子化合物)
本発明のインクでは、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基を結合した高分子化合物を含有することを特徴の一つとする。
ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基を結合した高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニル鹸化物に光2量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。
ポリ酢酸ビニル鹸化物においては、機能性基を導入に対する簡便性や、取扱い上の観点からポリ酢酸ビニルの鹸化物が好ましく、鹸化度は77〜99%であることが好ましい。重合度は200〜3,000であることが好ましく、300〜1,500であることが取扱い上の観点からより好ましい。
ポリ酢酸ビニル鹸化物に対する側鎖の変性率は1.0〜6.0モル%であることが好ましく、1.0〜5.0モル%であることが反応性の観点からより好ましい。1.0モル%以上であると十分な架橋性が得られ、6.0モル%以下であると膜の強度に優れる。
光2量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾニウム基、スチルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば特開昭60−129742号等に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。該特許に記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾニウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2008297483
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
又、下記一般式(2)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2008297483
式中、Rはアルキレン基又はアリーレン基を表す。好ましくはフェニレン基である。
光重合型の変性基としては、例えば特開2000−181062号、同2004−189841号に示される下記一般式(3)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2008297483
式中、R2はメチル基又は水素原子、nは1又は2を表し、Xは−(CH2mCOO−、−CH2COO−又は−O−を表し、Yはアリーレン基又は単結合を表し、mは0〜6の整数を表す。
本発明のインクには、水溶性光重合開始剤を添加するのも好ましい。これらの化合物は、溶媒に溶解又は分散した状態か、もしくは活性エネルギー線架橋型高分子化合物に対して化学的に結合されてもよい。
適用される光重合開始剤について特に制限はないが、水溶性の化合物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
更に、樹脂との相溶性の観点から、下記一般式(4)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2008297483
式中、nは1〜5の整数を表す。
又、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルホスフィンオキシド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられる。上記は単独で使用しても混合して使用しても構わない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸−i−アミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対してグラフト化されていても好ましい。
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々、或る程度の重合度を持ったポリ酢酸ビニル鹸化物に結合した架橋又は重合可能な部位を含む機能性基が架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては、架橋点の数は制御不可能であるため、硬化後の膜物性をコントロールすることができず、硬くて脆い膜となり易い。
本発明に用いられる樹脂は、架橋点の数はポリ酢酸ビニル鹸化物の長さと、架橋又は重合可能な部位を含む機能性基の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
更に、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクが、色剤以外のほぼ全量が硬化性分であるため、硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる樹脂では、硬化性分の必要量が少量で済み、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
(pH緩衝剤)
本発明のインクは、保存によるインク品質保持の観点から、pH緩衝剤によりインクのpHが6.5〜11.0に調整されていることが特徴である。
pH緩衝剤としては、クエン酸、琥珀酸、フタル酸、フマル酸、酢酸、乳酸、酒石酸、炭酸、燐酸、硼酸等の無機酸、酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム等の酢酸塩、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の炭酸塩、乳酸ナトリウム、燐酸リチウム、燐酸1ナトリウム、燐酸2ナトリウム、燐酸3ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸2カリウム、燐酸3カリウム、燐酸2水素カリウム、燐酸1アンモニウム、燐酸2アンモニウム、燐酸3アンモニウム等の燐酸塩、4硼酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エタノールアミン等の有機塩基等の緩衝剤を単独で、もしくは適宜組み合わせて使用できる。特にpka6.0以上の弱酸であるクエン酸、燐酸、炭酸、硼酸等を含むものが、インクの適当なpH範囲で緩衝能力が大きいので好ましい。具体的には、クエン酸/クエン酸ナトリウム、クエン酸/クエン酸カリウム、琥珀酸/琥珀酸ナトリム、琥珀酸/4硼酸ナトリウム、酢酸/酢酸ナトリウム、乳酸/乳酸ナトリウム、酒石酸/酒石酸ナトリウム、燐酸2水素ナトリウム/燐酸水素2ナトリウム、炭酸/炭酸水素ナトリウム、炭酸/炭酸水素カリウム、硼酸/硼酸ナトリウム、硼酸/硼酸カリウム等が挙げられるが、これらの組合せに限定されるものではない。
(活性エネルギー線照射)
本発明のインクジェット記録方法においては、架橋又は重合可能な機能性基を有する高分子化合物を含有するインクを、インクジェットヘッドを用いて記録媒体に吐出した後、インクに活性エネルギー線を照射して増粘(硬化)させることを特徴とする。
本発明で言う活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、X線等が挙げられるが、人体への危険性や取扱いが容易で、かつ工業的にも、その利用が普及している点で紫外線が好ましい。
紫外線の光源としては、例えば100Pa〜1MPaの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられるが、光源の波長分布と言う観点で高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましい。
特に、照射エネルギーが10mJ/cm2以上の場合に架橋効率に優れ、本発明の効果を十分に得ることができる。従って、ランプの出力としては500W〜30kW、照度としては10mW〜1,000W/cm2であり、好ましくは10mW〜200W/cm2である。本発明の照射エネルギーとしては、10〜1,000mJ/cm2である。
同一積算光量(mJ/cm2)を与える場合、照度に好ましい範囲があることは、その光の透過率が変化することに起因する。紫外線の透過性により、発生した架橋反応種の濃度分布が異なり、紫外線照度が高い場合、表層に高濃度の架橋反応種が発生し、塗膜表層に堅い緻密な膜が形成されてしまう。
(色剤)
本発明のインクは色剤を含有する。色剤としては染料を用いることが好ましく、更に水溶性染料、例えば酸性染料、直接染料、反応性染料あるいは分散染料を用いることが好ましい。
水溶性染料としては、酸性染料、塩基性染料、反応性染料などが挙げられる。特に好ましいものとして、
C.I.ダイレクトレッド2、26、31、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、221、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247、
C.I.ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101、
C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163、
C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291、
C.I.ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199、
C.I.アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397、
C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126、
C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227、
C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326、
C.I.アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172、
C.I.リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55、
C.I.リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34、
C.I.リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、
25、26、27、29、35、37、41、42、
C.I.リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38、
C.I.リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34、
C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46、
C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48、
C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40、
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71、
C.I.ベーシックブラック8等が挙げられる。
分散染料としては、
ディスパーズイエロー3、4、42、71、79、114、180、199、227、
ディスパーズオレンジ29、32、73、ディスパーズレッド11、58、73、180、184、283、
ディスパーズバイオレット1、26、48、
ディスパーズブルー73、102、167、184等を好ましく挙げることができる。
又、色剤として顔料を用いることも好ましい。
顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用でき、例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタ又はレッド用の顔料としては、
C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、15、16、48:1、53:1、57:1、122、123、139、144、149、166、177、178、222等。
オレンジ又はイエロー用の顔料としては、
C.I.ピグメントオレンジ31、43、
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、74、93、94、128、138、ピグメントイエロー180等。
グリーン又はシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、15:2、15:3、16、60、
C.I.ピグメントグリーン7等。
これら色剤の含有量としては1〜20質量%が好ましく、1〜7質量%がより好ましく、1〜5質量%が特に好ましい。
本発明のインクで適用する顔料は、通常、分散剤を用いて公知の分散手段により分散されるが、適用可能な分散剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、又は水溶性高分子分散剤を挙げることができる。
好ましく用いることができる水溶性高分子分散剤としては、下記の水溶性樹脂を用いることが吐出安定性の観点から好ましい。
水溶性樹脂として好ましくは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等のような樹脂である。
水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては0.05〜10質量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜5質量%である。これらの水溶性樹脂は2種以上併用することも可能である。
又、分散手段としては、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー、高圧ホモジナイザー等の各種分散機を用いることができる。又、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
本発明のインクにおいて、顔料分散体の平均粒径は500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
(界面活性剤)
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル燐酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル燐酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤;グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤;アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
(親水性有機溶媒)
本発明のインクは親水性溶媒を含有するものであり、親水性溶媒としては、水及び水溶性有機溶媒等の混合溶媒が好ましい。好ましく用いられる水溶性有機溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、i−プロパノール、ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール等)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。
本発明のインクには、上記以外にも、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防黴剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができ、例えば流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号等に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載の退色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載される蛍光増白剤等を挙げることができる。
(インクジェット記録方法)
インクジェット記録方法で使用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又、吐出方式としては、電気−機械変換方式(シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(スパークジェット型等)等を具体的な例として挙げることができるが、何れの吐出方式を用いても構わない。又、印字方式としては、シリアルヘッド方式、ラインヘッド方式等を制限なく用いることができる。
インクジェット記録方法で適用できる記録媒体としては、例えば普通紙、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、インクジェット専用紙等が広く用いられる。その中でも、インクの吸収性を余り持たない支持体であるアート紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙を用いることが、本発明のインクの持つ優れた特性を発揮させることができ好ましい。
紙には塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2当たりの塗工量が、それぞれ片面20g前後のアート紙、片面10g前後のコート紙、片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。
非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、70%以上使用の印刷用紙B、40%以上70%未満使用の印刷用紙C、40%未満使用の印刷用紙Dや機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編,テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編などに詳細に記載される。
普通紙としては、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属する80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いる普通紙としては、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他、情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、特に、これらに限定されるものではない。
OK上質紙、OKプリンス上質紙、OKいしかり、OKエバーライト、OKサワークリーム、OKシュークリーム、OKソフトクリームバニラ、OKムーンライトクリーム、OKクリアホワイト、OKトップコート+、OKトップコートS、OKトップコートマットN、OKH、OKH−D、地図用紙、OKフォームグリーン100(以上、王子製紙社製)、スーパーマットアートA、菱アート両面N、菱アート片面N、パールコートN、ニューVマット、パールソフト(以上、三菱製紙社製)しらおい、リサイクル上質、オペラクリーム、オペラクリームラフ、オペラクリームSK、ホワイトランド、ピレーヌ、ハイランド、グリーンランド、アルプス、はやぶさ、ダイナピュアホワイト、ネプチューン、ジャック、ペガサス、エスプリコートC(以上、日本製紙社製)、ミューマット、αマット、ハミング、L書籍、キンマリSW、キンマリV、クリームキンマリ、マリコピー、セミ上質、Sシロマリ(以上、北越製紙社製)淡クリームせんだい、雷鳥上質、雷鳥スーパーアートN、雷鳥ダルアートN、雷鳥コートN、雷鳥マットコートN、レジーナ(以上、中越パルプ工業社製)、NIP・KPF、BOD用紙、ファインPPC、ファインFC、カラーインクジェット専用紙(以上、紀州製紙社製)、オードリー、ユトリロプラス、ゲーテコート、カントエクセル、デカルトエクセル、ダンテエクセル、プラトンバルキークリーム、ダンテ、タイオウバル(以上、大王製紙社製)、ニューブライト、汎用PPC用紙、マルチプリンタ用紙(以上、名古屋パルプ社製)、ドリームコート、チェリーホワイトダル、チェリーホワイト、チェリー1スーパー、スターリンデンAW、スターエルム、スターローレル、ブルーガム、やしま1(以上、丸住製紙社製)等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〈高分子化合物Aの合成〉
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、85℃の湯浴中で10時間攪拌した。次に、重合度300、鹸化度98%のポリ酢酸ビニル鹸化物45gをイオン交換水225gに分散した後、燐酸4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンズアルデヒドを、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して変性率が3モル%になるように加え、90度で8時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加えて1時間攪拌した。その後、イオン交換樹脂を濾過し、ここに重合開始剤としてイルガキュア2959(チバガイギー社製)を上記溶液100gに対して0.25gの割合で混合し、その後、イオン交換樹脂にて希釈して15%の高分子化合物Aを得た。
〈高分子化合物Bの合成〉
上記高分子化合物Aの合成において、ポリ酢酸ビニル鹸化物の重合度を300、鹸化度を88%とした以外は同様にして、高分子化合物Bを合成した。
〈燐酸緩衝液の調製〉
燐酸2水素ナトリウム250mmolと燐酸水素2ナトリウム250mmolを採り、蒸留水にて全量を1Lとして、500mM燐酸緩衝液を得た。
〈炭酸緩衝液の調製〉
炭酸250mmolと炭酸水素ナトリウム250mmolを採り、蒸留水にて全量を1Lとして、500mM炭酸緩衝液を得た。
〈酢酸緩衝液の調製〉
酢酸250mmolと酢酸ナトリウム250mmolを採り、蒸留水にて全量を1Lとして、500mM酢酸緩衝液を得た。
〈硼酸緩衝液の調製〉
硼酸250mmolと4硼酸ナトリウム250mmolを採り、蒸留水にて全量を1Lとして、500mM硼酸緩衝液を得た。
〈トリス塩酸緩衝液の調製〉
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン500mmolを蒸留水に溶解し、1mol/Lの塩酸でpH8.5に調整した後、蒸留水にて全量を1Lとして、500mMトリス塩酸緩衝液を得た。
〈マゼンタ顔料分散液の調製〉
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼンタ顔料含有量が10%のマゼンタ顔料分散液を得た。このマゼンタ顔料分散液に含まれるマゼンタ顔料粒子の平均粒径は83nmであった。尚、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザー1000HSにより行った。
C.I.ピグメントレッド12 12部
ジョンクリル61(アクリルスチレン系樹脂分散剤:ジョンソンポリマー社製)3部
グリセリン 15部
イオン交換水 70部
〈イエロー顔料分散液の調製〉
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、遠心分離と限外濾過で精製濃縮して、イエロー顔料含有量が12%のイエロー顔料分散液を得た。このイエロー顔料分散液に含まれるイエロー顔料粒子の平均粒径は125nmであった。尚、粒径測定はゼータサイザー1000HS(前出)により行った。
C.I.ピグメントイエロー128 12部
高分子分散剤:ポリマーB(スチレン/ブチルメタクリレート/ステアリルアクリレート/メタクリル酸共重合体(5/2/3/4モル比)ナトリウム塩中和) 4部
ジエチレングリコール 20部
イオン交換水 64部
〈インクセットの調製〉
〈マゼンタインク1の調製〉
下記の方法に従い、マゼンタ顔料インク及び該インクにより形成したインクジェット画像を得た。
高分子化合物A 20部
マゼンタ顔料分散液 20部
燐酸緩衝液 10部
オルフィンe1010(日信化学社製:界面活性剤) 0.1部
エチレングリコール 20部
以上の各物質を混合した後、イオン交換水を加えて全量を100部とし、マゼンタインク1を得た。
(マゼンタインク2〜13の調製)
マゼンタインク1と同様に、各物質を表1に示す添加量となるように加えてマゼンタインク2〜13を得た。
Figure 2008297483
〈イエローインク1〜13の調製〉
表1のマゼンタ顔料分散液をイエロー顔料分散液に変えた以外は同様にして、表1に示す添加量となるように加えてイエローインク1〜13を得た。
〈インクの保存〉
調製した各インクは、それぞれ遮光瓶に入れて25℃で30日間静置した。
〈インクジェット画像の作製と評価〉
保存後の各インクを用いてインクジェット記録し、以下の評価を行った。
《ビーディング耐性》
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpi(dpiは1インチ即ち2.54cm当たりのドット数を示す。以下、同じ)であるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタに、調製した各インクセットをそれぞれ装填し、コート紙(王子製紙社製:OKトップコート+)に5cm×5cmのマゼンタベタをプリントした後、目視観察し、以下の基準に従ってビーディング耐性を評価した。
尚、各インクを連続吐出し、着弾した0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製:MAL 400NL,電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:全面均一な画像である
○:よく見ると判る斑状のノイズが7箇所未満存在する
△:よく見ると判る斑状のノイズが7箇所〜15箇所未満存在する
×:はっきりとした斑状のノイズが20箇所以上存在する。
《カラーブリード耐性》
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタに、調製した各インクセットをそれぞれ装填し、コート紙(王子製紙製 OKトップコート+)にイエローベタ地の上に巾200μmのマゼンタ細線をプリントした後、目視観察し、以下の基準に従ってブリード耐性を評価した。
尚、各インクを連続吐出し、着弾した0.1秒後に、ピエゾ型ヘッドの両端に配置した120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製:MAL 400NL,電源電力3kW・hr)を照射した。
◎:細線とベタの境界線がはっきりしている
○:僅かに境界が滲んでいる箇所があるが、問題ない品質である
△:境界部に滲みが認められるが、許容限界内の品質である
×:細線とベタ部の境界が不明瞭な品質であり、ブリード耐性が極めて乏しい。
《画像定着性》
ノズル口径25μm、駆動周波数12kHz、ノズル数128、ノズル密度180dpiであるピエゾ型ヘッドを備え、最大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のインクジェットプリンタに、調製した各インクセットをそれぞれ装填し、コート紙(王子製紙社製:OKトップコート+)に巾250μm、長さ5cmのマゼンタ細線を印字し、各々、上記カラーブリード耐性評価と同じ条件で紫外線を照射し、10分後にマゼンタ細線画像を一定荷重(50g/cm2)のブラシで5回擦った後、画像の残存度を目視で観察し、以下の基準に則り画像定着を評価した。
◎:画像には全く変化が認められない
○:僅かに画像の変化が認められる
△:一部の画像で剥離が認められるが、許容範囲である
×:殆ど全ての画像が剥離してしまう。
結果を纏めて表2に示す。
Figure 2008297483
表2の結果より明らかな様に、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基を結合した高分子化合物を含有する水性インクジェット用インクであって、pH緩衝剤によりインクのpHが6.5〜11.0に調整されている本発明のインクは、保存後もビーディングやカラーブリードの発生が防止され、更に記録媒体に対する定着性にも優れている。

Claims (5)

  1. 少なくとも色剤、水、光重合開始剤、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基を結合した高分子化合物を含有するインクジェット用インクであって、該インクのpHがpH緩衝剤により6.5〜11.0に調整されていることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 高分子化合物の、ポリ酢酸ビニル鹸化物に対して架橋又は重合可能な部位を含む機能性基がアセタール結合により得られることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. pH緩衝剤がpKa6.0以上の弱酸から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット用インク。
  4. インクのpHが8.0〜10.0に調整されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のインクジェット用インク。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを、インクジェットヘッドを用いて記録媒体に吐出する工程と、記録媒体に吐出した該インクジェット用インクに活性エネルギー線を照射する工程とを含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
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