JP2007077316A - インクジェット用インク、およびインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用インク、およびインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 特に連続式のインクジェット記録方式に用いられるインクであり、普通紙記録に際しては、インク吸収性が少なく滲みがなく、フェザリングが良好で、さらにまた、インク吸収性のない媒体に対しては、基材への接着性が高く、ビーディングやカラーブリード等のない高品位のインクジェット記録が行えるインクジェットインクおよびインクジェットインク記録方法を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有し、導電率が1〜15mS/cmであることを特徴とするインクジェット用インク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特に連続式のインクジェット記録方式による画像記録に適したインクであり、普通紙記録に際しては、滲みがなく、フェザリングが良好で、また、インク吸収性のない媒体に対しては、ビーディングやカラーブリード等のない高品位のインクジェット記録が行えるインクジェットインクと、インクジェットインク記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能を持つプリンタの開発も行われている。
しかしながら、インクジェットプリンタにおいてその性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
インクの吸収性があまりないコート紙やアート紙、もしくは吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こすいわゆるブリード等の課題がある。
上記の課題に対し、室温において固体のワックス等を素材とするホットメルト型インク組成物を用いるホットメルト型インクジェット記録方法が提案されている。
このインクは室温で固体であるために、付着後直ちに固化するため色にじみも少なく、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物である。
また、紫外線により硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(特許文献1参照)。また、顔料を含有し、三官能以上のポリアクリレートが重合性材料として含有された非水系インクも提案されている(特許文献2参照)。
また、水系の紫外線重合モノマーを用いたインクジェット用インクも提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、ホットメルト型インクジェット記録方法は、基材上に形成されるインクドットが柔らかいワックス状であり、ドットの盛り上がりに起因する品質の劣化や、擦過性能の不足等の課題があった。
また、硬化性のインクは、インク自身を硬化成分により硬化させるため非吸収性の媒体に対しても記録が可能であるが、色剤以外の硬化成分が多く、かつ揮発しないため記録面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせる。水系インクにおいては、この点は改良されているが、連続式のインクジェット記録用としては、非水系のインクと同様に硬化が遅く不適であった。
さらに、非水系のインクにおいて従来公知の硬化成分に対しては安全上の懸念点があり、たとえ安全性をクリアしたとしても物質選択の狭さがあり素材、物性の自由な設計を行えないという課題があった。
一方、連続式インクジェット記録方式は、印字を使用しない状態でも、連続的にインク液滴を生成、吐出させ、インクを循環させているため、より高速な印字が可能であることが知られている(特許文献4,5)。これら連続式インクジェット記録方式では、インクを帯電し、振動効果により連続噴射させ、途中の電界で軌道を制御することで、記録媒体上に画像を形成している。画像形成に用いないインク粒子は回収されて再利用される。
インク滴を帯電させた形で吐出させるインクジェット記録方式としてはその他にも静電気力によってインクを吐出させる静電吸引型インクジェット方式(例えば特許文献6)が、また、インクの着弾精度向上のためインク滴の飛翔を電界で制御する方式(特許文献7)等がある。これらのインクは導電率が低すぎるとインク液滴が充分に帯電されず適度な導電性が必要である。
また通電発熱方式のインクジェット記録法においても、インク中に通電し、発生した熱で泡を発生させてインクを吐出するために、インクには所定の比抵抗値(導電性)が付与される(例えば特許文献8)。
これらのインクジェット方式、特に、連続式インクジェット記録方式に用いられるインクジェットインクにおいて、普通紙やインクの吸収性があまり無いコート紙やアート紙はもとより、インク吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際にも液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こすいわゆるブリードのない、インクが望まれていた。
米国特許第4,228,438号明細書 特公平5−64667号公報 特開平7−224241号公報 特開2001−81387号公報 特開2001−262015号公報 特開2004−114370号公報 特開2000−33690号公報 特開平8−109343号公報
本発明は、特に連続式のインクジェット記録方式に用いられるインクであり、普通紙記録に際しては、インク吸収性が少なく滲みがなく、フェザリングが良好で、さらにまた、インク吸収性のない媒体に対しては、基材への接着性が高く、ビーディングやカラーブリードのない高品位のインクジェット記録が行えるインクジェットインクおよびインクジェットインク記録方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の手段により達成される。
1.少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有し、導電率が1〜15mS/cmであることを特徴とするインクジェット用インク。
2.前記高分子化合物をインク全質量に対して、0.8〜5.0質量%含有することを特徴とする前記1に記載のインクジェット用インク。
3.前記親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつケン化度が77〜99%、重合度が200〜2000であることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット用インク。
4.前記親水性主鎖に対する前記側鎖の変性率が0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを帯電させた状態で吐出させ、紫外線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
6.前記1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを、通電による発熱でバブルを形成することによって吐出させ、紫外線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明により、普通紙記録に際してフェザリングが良好であり、さらにインク吸収性が少ない、もしくはインク吸収性が全くない媒体に対してもビーディングやカラーブリードが無い高品位のインクジェット記録が行える、特に連続式のインクジェット記録方式に適したインクジェットインクが得られた。
次に本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本発明は、少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクであって、前記インクの導電率が1〜15mS/cmの範囲にあることを特徴とするインクジェット用インクである。
本発明に係わるインクは、親水性の架橋性化合物を含有することで、水系インクであるにもかかわらず、基体に着弾後、活性光線の照射によって、架橋、硬化することで、普通紙記録に際しても、滲みがなく、フェザリングが良好であり、またインク吸収性のない媒体においても、ビーディングやカラーブリード等のない高品位のインクジェット記録が行える。更に、これに加え硬化が速く、連続式インクジェット記録に適用できるものである。
連続式インクジェット記録方式で用いられる装置においては、圧電素子を一定間隔で振動させることでインクに圧力をかけ、振動効果により連続してインクを噴射させる。印字ヘッドで形成されたインク粒子は更に帯電され、途中の電界により偏向させて軌道を制御することで、記録媒体上に画像を形成する。一方で画像形成に用いられないインク粒子は回収され、再利用される。
連続式インクジェット記録方式においては、インクがオリフィスプレートより連続噴射され、振動子の例えば100Hzの振動によりインク滴が形成される。例えば毎秒100,000粒のインク滴が、一つのノズルより吐出される。オリフィスプレートより噴射されたインクが振動でインク滴を形成するとき、一滴ごとに基材上の画線部、非画線部を形成するための信号が与えられる。即ち、画線部形成用のインク滴はまっすぐ飛翔し印刷面に着弾するが、非画線部のインク滴はインク滴形成直後、チャージ電極の前を通過する際に、プラスの電荷をかけられる。その結果、インク滴自身のもっているプラス電荷が反撥し、インク滴自身はマイナスに帯電する。マイナス帯電したインク滴は、耐電直後、プラス電荷を帯びたバキューム装置付きのキャッチャーに吸い寄せられ、印刷面に到達しないでバキューム装置から回収される。
従って、連続式インクジェット記録用のインクとするためには、インク滴を帯電させる必要がある。インク液滴に、これを偏向させるに必要なだけ帯電させるには、インクに導電性が必要である。
しかしながら、これらのインクは導電率が低すぎると充分にインク滴が帯電されず、又、逆に導電率を必要以上に高くしても効果がない。
本発明においては、インクの導電率が1〜15mS/cmの範囲とするものである。
ここにおいて、導電率は、単位面積、単位長当たりの液体の電気抵抗の逆数で表され、各種導電率計を用いて測定することができる。
本発明においては、上記インクの導電率は、下記導電率調節剤を用い、後述するインク成分中に、適宜これを加え調整することができる。
導電率調節剤としては、例えば塩化アンモニウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウム等の無機塩類、取りエタノールアミン塩酸塩、トリエタノールアミン硫酸塩などが挙げられる。
インク中の他の成分、架橋性高分子化合物やその他の添加剤、例えば、蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、水溶性多価金属塩、酸化防止剤、表面張力調整剤等に化学的に影響を与えない塩類が好ましい。しかしながら、導電率調節剤を多く加えすぎるとインクの不安定さが増加するため、通常好ましくは0.1質量%以上10質量%以下の範囲である。
連続式インクジェット記録方式に、本発明に係わるインクジェット用インクを用いる場合、連続式インクジェット記録方式で用いられる装置においては、インクカートリッジ、インクカートリッジからノズルまでのインク流路、また、飛翔中の非画線部のインク滴、キャッチャーで回収されてから再度噴射に使用されるまでのインク流路は、光が当たってインクが架橋、固化するとインクの供給や回収がスムーズに行われなくなったり、噴射が安定に行われなくなったりする可能性があるので、遮光することが好ましい。特に着弾後の架橋、硬化に使う活性エネルギー線が照射されることのないように遮ることが好ましい。
また、本発明に係わる帯電性のインクは、通電加熱方式のインクジェット方式に用いることもできる。
通電加熱方式のインクジェットヘッドは、例えば前記特開平8−109343号公報に記載されているが、圧力室内の電極によりインクに通電し、発生した熱で、泡が発生し、この泡発生による圧力で圧力室内の圧が高まりノズルからインク滴が吐出されるというものである。
例えば通電加熱方式のインクヘッドにおいては、ノズルとは対向して圧力室の底面基板に形成された電極間に、信号発生装置からの信号発生により電位をかけインク中に通電することで、インクを加熱してインクを沸騰させ泡を形成させ、泡の膨張によりノズルからインク滴が吐出され飛翔し印字されるものである。
インクへの通電、そして泡発生には適度なインクの導電性が必要とされるため、本発明に係わる前記の導電率を有する水性架橋性のインクが適している。
また、静電界印加用電極部と対向電極部との間に、数千Vの負電圧と数百Vの高圧電圧とを重畳し、この重畳電界によってノズル孔から帯電したインク滴を吐出することで着弾精度を高めた静電吸引型インクジェット方式(特開2004−114370号参照)においても、本発明に係わるインクは同様に適用可能である。
本発明に係わるインクは、少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有するインクであり、活性エネルギー線の照射により、側鎖間で架橋結合、硬化するインクであるが、同時に、インク滴を帯電させた状態で吐出させる用途に適した導電率を有している。従って、連続インクジェット方式、また通電加熱方式、また静電吸引型インクジェット記録方式以外にも、インク滴を帯電させ吐出させるインクジェット方式であれば適用可能である。
以下、本発明に係わるインクの各成分、また構成について詳細に説明する。
〈活性エネルギー線架橋性高分子化合物〉
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
また、組み合わせる色材との反応性の観点から、側鎖としてはノニオン性、アニオン性、両性(ベタイン化合物)が好ましく、特に、色材としてアニオン性染料あるいはアニオン性顔料と組み合わせる場合には、側鎖はノニオン性またはアニオン性であることが好ましく、特に好ましくはノニオン性である。
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、その重合度は200以上2000以下が好ましく、200以上500以下が更に好ましい。
重合度が200未満では、架橋反応時の粘度上昇が不充分となり、後述するカラー婦リードやビーディングが充分に防止できないことがある。また、重合度が2000を超えると、インクに添加した際の粘度が高くなり、出射安定性に支障をきたす場合がある。
主鎖に対する側鎖の変性率は0.3モル%以上4モル%以下が好ましく0.8モル%以上4モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾリウム基、スチリルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾリウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2007077316
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され、4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
Figure 2007077316
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
Figure 2007077316
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
Figure 2007077316
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
Figure 2007077316
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂は、インク全質量に対して0.8質量%から5.0質量%含有することが、好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディングやカラーブリードがより好ましくなる。5.0質量%以下の場合は、インク物性やインクヘッド内状態に悪影響しにくくなり、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
本発明の活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
本発明に用いられる樹脂においては架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクが色剤以外のほぼ全量が硬化性分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる樹脂においては必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
(光重合開始剤、増感剤)
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのが好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はないが、水溶性の物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
Figure 2007077316
式中、nは1〜5の整数を表す。
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
(活性エネルギー線、照射方法)
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が上げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
紫外線を用いる場合は、光源として例えば0.1kPaから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
(インク着弾後の光照射条件)
活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
(ランプの設置)
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性光線の照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
〔着色剤〕
本発明のインクジェット用インクに用いられる色材としては、染料または顔料を用いることが好ましい。
(染料)
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。
以下、本発明のインクジェット用インクに適用可能な染料の具体例を列挙するが、本発明では、これら例示する染料にのみ限定されるものではない。
[水溶性染料]
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができる。
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、37、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、 〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.ベイシックイエロー〉
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91、
〈C.I.ベイシックオレンジ〉
2、21、22、
〈C.I.ベイシックレッド〉
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109、
〈C.I.ベイシックバイオレット〉
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39、
〈C.I.ベイシックブルー〉
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151、
〈C.I.ベイシックグリーン〉
1、4、
〈C.I.ベイシックブラウン〉
1、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、 〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
更に、染料として、下記一般式(8)で表される化合物または一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007077316
上記一般式(8)において、R1は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはフェニルカルボニル基が好ましい。R2は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子が好ましい。R3は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましい。R4は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子、アリールオキシ基が好ましい。R5は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、スルホン酸基が好ましい。nは1〜4の整数を表し、mは1〜5の整数を表す。
上記一般式(9)において、Xはフェニル基またはナフチル基を表し、置換可能な置換基で置換されていてもよく、スルホン酸基またはカルボキシル基で置換されていることが好ましい。Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表す。R6は異なってもよく水素原子またはナフタレン環に置換可能な置換基を表す。qは1または2を表す。pは1〜4の整数を表す。ただし、q+p=5である。Zは置換可能な置換基を表し、カルボニル基、スルホニル基または下記一般式(10)で表される基を表し、特に、下記一般式(10)で表される基が好ましい。
Figure 2007077316
上記一般式(10)において、W1、W2はそれぞれ異なっていてもよいハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表し、ハロゲン原子、水酸基またはアルキルアミノ基が好ましい。
[分散染料]
また、分散染料としては、アゾ系分散染料、キノン系分散染料、アントラキノン系分散染料、キノフタロン系分散染料等種々の分散染料を用いることができ、以下にその具体的化合物を挙げる。
〈C.I.Disperse Yellow〉
3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232、
〈C.I.Disperse Orange〉
1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142、
〈C.I.Disperse Red〉
1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、
〈C.I.Disperse Violet〉
1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、
〈C.I.Disperse Green〉
9、
〈C.I.Disperse Brown〉
1、2、4、9、13、19、
〈C.I.Disperse Blue〉
3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、
〈C.I.Disperse Black〉
1、3、10、24
等が挙げられる。
《顔料》
本発明に使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できるが、アニオン性顔料である。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
具体的な有機顔料を以下に例示する。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
本発明に係るインクにおいては、顔料表面にスルホン酸、カルボン酸等の極性基をペンダントした自己分散顔料、あるいは高分子分散剤を用いて分散した顔料が好ましい。
本発明に係る高分子分散剤としては、特に制限はなく、水溶性樹脂または非水溶性樹脂が用いられる。これらの高分子としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた単一の単量体からなる重合体、あるいは2種以上の単量体からなる共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。またポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ゼラチン、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子も用いることができる。
これら水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。また、これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
本発明のインクジェット用インクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下がより好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
〈水溶性溶媒〉
本発明に係る溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
〈界面活性剤〉
本発明のインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることが出来、特にアニオン性及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
〈各種添加剤〉
本発明においては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、表面張力調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
〈記録用紙〉
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編、などに詳細に記載されている。
普通紙とは、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
〈各種フィルム〉
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
〈各種インクジェット用記録媒体〉
各種インクジェット用記録媒体としては、基材に吸収性支持体や非吸収性支持体を用いて、表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。
膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は2次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
近年は、基材に、紙基材の両面をオレフィン樹脂で被覆したRCペーパーを用いて上記微細空隙層を設けたインクジェット記録媒体が、写真画像の面で好んで用いられている。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g、およびN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れて、80℃の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度300、鹸化率88%のポリ酢酸ビニル鹸化物45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをPVAに対して変性率が3モル%になる様に加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え1時間攪拌した。その後イオン交換樹脂を濾過し、ここに光重合開始剤として、イルガキュア2959(チバスペシャリティケミカルズ社製)を15%水溶液100gに対して0.1gの割合で混合してその後、イオン交換水にて希釈して10%の高分子化合物水溶液を得た。
〈インクセット1の作製〉
(インクの調製)
下記のようにして染料タイプのマゼンタインクを作製した。
C.I.アシッドレッド35 5部
10%の高分子化合物水溶液 30部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上に、硝酸リチウムとイオン交換水を加え全量を100部とし、導電率が5mS/cmとなるように調整してマゼンタインクを得た。なお、導電率は、ポータブル電気伝導率計WM−22EP(東亜ディーケーケー(株)社製)を用いて測定した。
マゼンタインクのC.I.アシッドレッド35の代わりに、C.I.ダイレクトブラック19を用いて同様にして染料タイプのブラックインクを得た。
以上により作製したマゼンタ、ブラックインクによりインクセット1を作製した。
〈インクセット2の作製〉
(インクの調製)
下記のようにして顔料タイプのインクを作製した。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼンタ顔料の含有量が10%のマゼンタ顔料分散液を調製した。このマゼンタ顔料分散液に含まれるマゼンタ顔料粒子の平均粒径は83nmであった。尚、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
C.I.ピグメントレッド122 10部
ジョンクリル61(アクリルスチレン系樹脂分散剤 ジョンソン社製) 3部
グリセリン 15部
イオン交換水 72部
(ブラック顔料分散液の調製)
Cabot社製のカーボンブラック自己分散物cabo−jet300をイオン交換水で希釈して、カーボンブラック含有量が10%のブラック顔料分散液を調製した。得られたブラック顔料分散液に含まれるカーボンブラック粒子の平均粒径は153nmであった。尚、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
(マゼンタインクの調製)
マゼンタ顔料分散液 30部
10%の高分子化合物水溶液 30部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 15部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2部
オルフィンe1010(日信化学社製) 0.2部
以上に、硝酸リチウムとイオン交換水を加え全量を100部とし、導電率が5mS/cmとなるように調整して顔料タイプのマゼンタインクを得た。
(ブラックインクの調製)
マゼンタ顔料分散液の代わりにブラック顔料分散液を用い、同様にして顔料タイプのブラックインクを得た。
以上により調製したマゼンタブラックインクによりインクセット2を作製した。
(比較例1)
前記インクセット2に用いたインクにおいて、10%の前記高分子化合物水溶液30部の代わりに、
スチレン、アクリル酸、メタクリル酸メチルを5:3:2の比率で共重合し等量の水酸化ナトリウムで中和したスチレン−アクリル樹脂(重量平均分子量20000、酸価200)を5部用いるほかは、実施例と同じようにして、マゼンタインク、ブラックインクをそれぞれ調製した。
これによりインクセット3(比較1)を得た。
(比較例2)
(インクの調製)
下記のようにしてインクを調製した。
N−ビニルピロリジノン58部に、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド5部を加え、攪拌して溶解させた後、更にヘキサンジオールジアクリレート30部を加え、モノマー混合液を得た。別途、N−ビニル−2−ピロリジノン4部に、ポリビニルブチラール1部を溶解させ、カーボンブラック2部を加えた後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、ブラック顔料分散液7部を得た。このブラック顔料分散液に含まれるブラック顔料粒子の平均粒径は180nmであった。尚、粒径測定にはマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。ブラック顔料分散液を攪拌しながら、モノマー混合液をゆっくり添加した後、KSCNを加えることにより導電率を5mS/cmに調整した。0.8μmのメンブレンフィルターにより濾過を行い、ブラックインクを得た。
更に、カーボンブラックをC.I.ピグメントレッド122に変更した以外は同様の手法により、マゼンタインクを得た。
以上により作製したマゼンタ、ブラックインクによりインクセット4(比較2)作製した。
以上の、インクセットをそれぞれ用いて、以下の評価を行った。結果をともに示す。
(フェザリングの評価)
ノズル密度300dpi(以下、dpiは1インチ(2.54cm)当たりのドット数を表す。)である連続式インクジェットヘッドを搭載した記録密度300×1200dpiのプリンタを使用し、各インクセットを用いて、上質紙(コニカミノルタビジネステクノロジー社製 First Class紙)に幅250μm、長さ5cmの黒細線をプリントし、得られた細線画像のにじみの有無を目視観察して評価を行った。
尚、実施例、比較例2ではインク吐出後、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
その結果、実施例(即ちインクセット1およびインクセット2)ではフェザリングによる滲みがなく細線が再現されたのに対し、比較例(インクセット3)、比較例2(インクセット4)ではフェザリングによる滲みで細線が太り、繊維に沿った滲みがみられた。
(ビーディングの評価)
ノズル密度300dpiである連続式インクジェットヘッドを搭載した記録密度300×1200dpiのインクジェットプリンタを使用し、各インクセットにより、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に10cm×10cmのマゼンタベタをプリントおよび目視観察してビーディング耐性の評価を行った。
ビーディングとは、ベタ印字部でのまだら模様であり、視覚的には、大きさが一般に0.2〜2.0mm程度の小円状に似た色ムラである。
尚、実施例、比較例2ではインク吐出後、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
その結果、実施例、比較例2ではビーディングがなく、均一な画像が得られたのに対し、比較例ではビーディングによるまだらがみられた。
(カラーブリード耐性の評価)
ノズル密度300dpiである連続式インクジェットヘッドを搭載した記録密度300×1200dpiのインクジェットプリンタを使用し、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)にマゼンタベタ地の上に幅100μmの黒細線をプリントした後、目視観察してカラーブリード耐性の評価を行った。
カラーブリード耐性は、細線とベタの境界を観察し、境界部での細線の滲み(ボケ)や同時に細線幅の太りがみられるかで判断した。
尚、実施例、比較例2ではインク吐出後、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
その結果、実施例、比較例2ではカラーブリードがなく細線とベタの境界がはっきりしている画像が得られたのに対し、比較例ではカラーブリードにより細線とベタの境界ににじみが発生した。
(光沢感)
ノズル密度300dpiである連続式インクジェットヘッドを搭載した記録密度300×1200dpiのインクジェットプリンタを使用し、各インクセットを用いて、アート紙(王子製紙製 NKアート金藤N)に10cm×10cmの黒ベタをプリントおよび目視観察して光沢感の評価を行った。主に、記録面の光沢と、下地の光沢差を観察した。
尚、実施例、比較例2ではインク吐出後、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
その結果、実施例、比較例では記録面と下地の光沢差がなく、自然な画像が得られたのに対し、比較例2では記録面の光沢が下地の光沢よりも低い画像となった。
(濃度)
ノズル密度300dpiである連続式インクジェットヘッドを搭載した記録密度300×1200dpiのインクジェットプリンタを使用し、各インクセットを用いて、上質紙(コニカミノルタビジネステクノロジー社製 First Class紙)に10cm×10cmの黒ベタをプリントし、黒濃度をX−Rite濃度計により測定し評価した。
尚、実施例、比較例2ではインク吐出後、着弾した後0.1秒後に、120W/cmメタルハライドランプ(日本電池社製 MAL 400NL 電源電力3kW・hr)を照射した。
その結果、実施例では黒濃度が1.4であったのに対し、比較例では1.1、比較例2では1.0であった。
以上のように、本発明に係わるインクセット1,2とも、上記の評価にていずれも良好な結果であった。
比較例1(樹脂成分として架橋性成分を含まないインクセット)は、フェザリングによる滲みで細線が太り、繊維に沿った滲みがみられた。また、ビーディング耐性、カラーブリード耐性がなく、ベタ濃度も低かった。
比較例2(インクセット4)は非水性極性成分からなる重合性インクであるが、フェザリングによる滲みで細線が太り、繊維に沿った滲みがみられるほか、記録面と下地の光沢差があり自然な光沢が得られなかった。また、ベタ濃度も不充分であった。

Claims (6)

  1. 少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とを含有し、導電率が1〜15mS/cmであることを特徴とするインクジェット用インク。
  2. 前記高分子化合物をインク全質量に対して、0.8〜5.0質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク。
  3. 前記親水性主鎖がポリ酢酸ビニルのケン化物であり、かつケン化度が77〜99%、重合度が200〜2000であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット用インク。
  4. 前記親水性主鎖に対する前記側鎖の変性率が0.8モル%以上、4モル%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット用インク。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを帯電させた状態で吐出させ、紫外線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを、通電による発熱でバブルを形成することによって吐出させ、紫外線を照射後、乾燥させることを特徴とするインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010194999A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Seiko Epson Corp 流体吐出装置及び流体種類等認識方法
JP2013501831A (ja) * 2009-08-14 2013-01-17 エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 高い光沢を有する効果顔料を含むインクジェットプリンター用インキ
JP2016160388A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 日本化薬株式会社 水性インク組成物、インクジェット記録方法、及び着色体
JP2021062525A (ja) * 2019-10-11 2021-04-22 株式会社日立産機システム インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の監視方法

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