JP2013040328A - 熱硬化性インクジェットインクおよびその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
[11]前記溶媒(F)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1種以上を含有する溶媒である、[10]に記載の熱硬化性インクジェットインク。
[13]前記界面活性剤が、熱硬化性インクジェットインク100重量%に対し、0.00001重量%以上、1.0重量%以下の量で含まれる、[12]に記載の熱硬化性インクジェットインク。
前記塗膜を加熱処理して硬化膜を形成する工程
を有する、硬化膜の製造方法。
[16][15]に記載の硬化膜を有する、電子材料用基板。
[17][16]に記載の電子材料用基板を有する電子部品。
本発明の熱硬化性インクジェットインク(以下「本発明のインク」ともいう。)は、前記式(1)で表される化合物(以下「化合物(A)」ともいう。)を含む。
本発明のインクは、所望の目的に応じ、さらに、化合物(A)以外の他の成分を含んでもよい。
具体的には、
本発明のインクは、低温硬化性のインクを得る等の点から、化合物(A)、エポキシ化合物(C)および酸無水物(D)を含むことが好ましい。また、低温硬化性のインクおよび電気的信頼性の高い硬化膜を得る等の点から、化合物(A)、エポキシ化合物(C)、酸無水物(D)および化合物(E)を含むことがより好ましい。さらに、ジェッティング性および低温硬化性に優れるインクならびに電気的信頼性の高い硬化膜を得る等の点から、化合物(A)、エポキシ化合物(C)、酸無水物(D)、化合物(E)および溶媒(F)を含むことがさらに好ましく、化合物(A)、エポキシ化合物(C)、酸無水物(D)、化合物(E)、溶媒(F)および界面活性剤を含むことが特に好ましい。
化合物(A)は、前記式(1)で表される化合物である。
前記式(3)におけるR7としては、前記式(1)におけるR1で例示した有機基と同様の基等が挙げられる(ただし、これらの例示中、炭素数が95以上の基を除く)。
前記式(4)におけるR8としては、これらの中でも、ビニレンなどが好ましい。
前記式(2−1)におけるRBおよび前記式(2−2)におけるREは、それぞれ独立に炭素数1〜10の有機基であり、好ましくは炭素数1〜5の炭化水素基であり、より好ましくはメチレン、エチレンまたはプロピレンである。
前記式(2−1)におけるRCは、炭素数1〜5の有機基であり、好ましくは炭素数1〜3の炭化水素基であり、より好ましくはメチルまたはエチルである。
本明細書における架橋性基としては、例えば、架橋性の不飽和結合を有する基またはアルコキシシリルが挙げられ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルケニレン、アクリル、メタクリル、アルキルジエニル、アルコキシシリルが好ましい。
化合物(A)としては、前記式(1)におけるR1が架橋性基を有する基である化合物が好ましく、前記式(4)におけるR8が架橋性基を有する基である化合物がより好ましい。
前記化合物(A)の合成に用いることができるアミン(1−B)としては、特に制限されないが、アミノ基を2つ以上有する化合物が好ましく、このようなアミンとして、アミノ基を2つ有する化合物であるジアミン、アミノ基を3つ有する化合物であるトリアミンおよびアミノ基を4つ有する化合物であるテトラアミンを挙げることができる。
これらの中でもジアミンが好ましい。
前記ジアミンとしては、例えば、disperse black9、disperse black3(以上商品名、アルドリッチジャパン(株))、N−(3−aminopropyl)diethanolamineおよび下記式(15)で表される化合物が挙げられる。
前記式(III)、(V)および(VII)中、A2は独立に単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−(CH2)n−、−O−(CH2)n−O−または−S−(CH2)n−S−であり、ここでnは1〜6の整数である。
前記式(VI)および(VII)中、A3は独立に単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−または炭素数1〜3のアルキレンである。
1,4−シクロヘキシレンであり、hは0または1である。
前記式(XI−4)〜(XI−9)中、R30は独立に水素または炭素数1〜20のアルキルであり、水素または炭素数1〜10のアルキルであることが好ましい。
前記トリアミンとしては、特に制限されないが、例えば、下記式(16)で表される化合物が挙げられる。
前記テトラアミンとしては、特に制限されないが、例えば、下記式(17)で表される化合物やN,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミンが挙げられる。
前記化合物(A)の合成に用いることができるエポキシ化合物(1−C)としては、特に制限されないが、例えば、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、水添ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、トリスフェノールメタン型、テトラフェニロールエタン型、ビキシレノール型、ビフェノール型、グリシジルエステル型のエポキシ化合物;脂環式または複素環式のエポキシ化合物;ジシクロペンタジエン型またはナフタレン型の構造を有するエポキシ化合物;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン;1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン;N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン;N−グリシジルフタルイミド;前記式(C1)〜(C3)および(C5)で表される化合物;グリシジル(メタ)アクリレート;3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート;メチルグリシジル(メタ)アクリレート;3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン;3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン;3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン;3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン;2−フェニル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン;2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン;4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン;p−ビニルフェニル−3−エチルオキセタ−3−イルメチルエーテル;(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート;オキシランを有するモノマーの重合体;オキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体;オキセタンを有するモノマー;およびオキセタンを有するモノマーと他のモノマーとの反応生成物が挙げられる。
化合物(1−C)の市販品としては、例えば、
TECHMORE VG3101L(商品名;三井化学(株))、jER828、同834、同1001、同1004、同1010、同YX8800(商品名;三菱化学(株))、エピクロン840、同850、同1050、同2055(商品名;DIC(株))、エポトートYD−011、同YD−013、同YD−127、同YD−128(商品名;新日鐵化学(株))、D.E.R.317、同331、同661、同664(商品名;ダウ・ケミカル日本(株))、アラルダイト6071、同6084、同GY250、同GY260(商品名;ハンツマン・ジャパン(株))、スミ−エポキシESA−011、同ESA−014、同ELA−115、同ELA−128(商品名;住友化学工業(株))、A.E.R.330、同331、同661、同664(商品名;旭化成イーマテリアルズ(株))等のビスフェノールA型エポキシ化合物;
jER152、同154(商品名;三菱化学(株))、D.E.R.431、同438(商品名;ダウ・ケミカル日本(株))、エピクロンN−730、同N−770、同N−865(商品名;DIC(株))、エポトートYDCN−701、同YDCN−704(商品名;新日鐵化学(株))、アラルダイトECN1235、同ECN1273、同ECN1299(商品名;ハンツマン・ジャパン(株))、XPY307、EPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306(商品名;日本化薬(株))、スミ−エポキシESCN−195X、同ESCN−220(商品名;住友化学工業(株))、A.E.R.ECN−235、同ECN−299(商品名;(株)ADEKA)等のノボラック型エポキシ化合物;
エピクロン830(商品名;DIC(株))、jER807(商品名;三菱化学(株))、エポトートYDF−170(商品名;新日鐵化学(株))、YDF−175、YDF−2001、YDF−2004、アラルダイトXPY306(商品名;ハンツマン・ジャパン(株))等のビスフェノールF型エポキシ化合物;
エポトートST−2004、同ST−2007、同ST−3000(商品名;新日鐵化学(株))等の水添ビスフェノールA型エポキシ化合物;
セロキサイド2021(商品名;ダイセル化学工業(株))、アラルダイトCY175、同CY179、同CY184(商品名;ハンツマン・ジャパン(株))等の脂環式エポキシ化合物;
YL−933(商品名;三菱化学(株))、EPPN−501、EPPN−502(商品名;ダウ・ケミカル日本(株))等のトリスフェノールメタン型エポキシ化合物;
YL−6056、YX−4000、YL−6121(商品名;三菱化学(株))等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ化合物またはこれらの混合物;
EBPS−200(商品名;日本化薬(株))、EPX−30(商品名;(株)ADEKA)、EXA−1514(商品名;DIC(株))等のビスフェノールS型エポキシ化合物;
jER157S(商品名;三菱化学(株))等のビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物;
YL−931(商品名;三菱化学(株))、アラルダイト163(商品名;ハンツマン・ジャパン(株))等のテトラフェニロールエタン型エポキシ化合物;
アラルダイトPT810(商品名;ハンツマン・ジャパン(株))、TEPIC(商品名;日産化学工業(株))等の複素環式エポキシ化合物;
HP−4032、EXA−4750、EXA−4700(商品名;DIC(株))等のナフタレン含有エポキシ化合物;
HP−7200、HP−7200H、HP−7200HH(商品名;DIC(株))等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ化合物;
jER871、同872、(商品名;三菱化学(株))等のダイマー酸骨格を有するエポキシ化合物が挙げられる。
前記化合物(A)の合成に用いることができる酸無水物基を1つ有する化合物(1−D)としては、特に制限されないが、例えば、下記式(18)で表される化合物が挙げられる。
4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、イタコン酸無水物、cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、アリルこはく酸無水物、2−ブテン−1−イルこはく酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルナジック酸無水物、テトラデセニルこはく酸無水物、オクタデセニルこはく酸無水物、p−(トリメトキシシリル)フェニルこはく酸無水物、p−(トリエトキシシリル)フェニルこはく酸無水物、m−(トリメトキシシリル)フェニルこはく酸無水物、m−(トリエトキシシリル)フェニルこはく酸無水物、トリメトキシシリルプロピルこはく酸無水物、トリエトキシシリルプロピルこはく酸無水物、下記式(α)で表される化合物、下記式(β)で表される化合物などの架橋性基を有する化合物;
が挙げられる。
前記溶媒(1−S)としては、下記溶媒(F)が好ましく、必要に応じて、下記溶媒(F)と溶媒(F)とは異なる他の溶媒とを混合して用いることもできる。
本発明のインク中の化合物(A)の含有量は、該インク100重量部に対し、100重量部以下であることが好ましく、90重量部以下であることがより好ましい。本発明のインク中の化合物(A)の含有量の下限は、該インク100重量部に対し、好ましくは0.1重量部程度である。化合物(A)の含有量が前記範囲にあることで、低温硬化性に優れるインクが得られ、得られる硬化膜の熱的・機械的特性が良好となるため好ましい。
本発明のインクは、低温硬化性に優れるインクを得ることができるなどの点からエポキシ化合物(C)を含むことが好ましい。
化合物(C)としては、オキシランやオキセタンを有する化合物であれば特に限定されず、前記化合物(1−C)として挙げた化合物等を用いることができる。
本発明のインクは、低温硬化性に優れるインクを得ることができるなどの点から酸無水物(D)を含むことが好ましい。
酸無水物(D)は、酸無水物基を1つ有する化合物であれば特に限定はされず、前記化合物(1−D)として挙げた化合物等を用いることができる。
本発明のインクは、化合物(E)を含むことが好ましい。
前記化合物(E)としては、特に制限されないが、前記式(5)〜(12)で表される化合物ならびに前記式(13)および/または式(14)で表される構造単位を有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
を脱水閉環したイミド化合物が挙げられる。
前記アルコールアミン(E−B−1)としては、特に制限されないが、例えば、下記式(19)で表される化合物が挙げられる。
前記ジアミン(E−B−2)としては、特に制限されず、前記アミン(1−B)で挙げた化合物等を用いることができる。
これらの中でも、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ポレアSL−100A(商品名;イハラケミカル工業(株))が好ましい。
前記モノアミン(E−B−3)としては、アミノ基を1つ有する化合物であり、例えば、下記式(20)で表される化合物が挙げられる。
前記酸無水物基を1つ有する化合物(E−D−1)としては、特に制限されず、前記化合物(1−D)で挙げた化合物等を用いることができる。
前記化合物(E−D−1)としては、架橋性基を有する化合物が好ましい。
前記酸無水物基を2つ以上有する化合物(E−D−2)としては、特に制限されないが、例えば、酸無水物基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体、テトラカルボン酸二無水物が挙げられ、テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
前記化合物(E)の合成は、前記化合物(A)を合成する際の反応条件(反応温度、反応時間など)と同様の条件で行うことができる。
なお、反応物を脱水閉環する方法としては、反応物を、90〜350℃、好ましくは95〜300℃で、さらに好ましくは100℃〜280℃で加熱する方法が挙げられる。
溶媒(E−S)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記化合物(E)の重量平均分子量(Mw)は、通常300〜20,000、好ましくは350〜10,000、より好ましくは400〜5,000である。
Mwが前記下限値以上である化合物(E)を用いると、下記加熱工程において、蒸発しにくく、化学的・機械的に安定な硬化膜を得ることができる。また、Mwが前記上限値以下である化合物(E)は、下記溶媒(F)に対する溶解性が良好であり、インクを低粘度化することができるので、膜厚の厚い硬化膜を容易に形成することができる。
例えば、
化合物(E)の合成後に得られた成分と、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)とを混合することで化合物(E)の濃度が約1重量%の溶液を調製した。
この溶液を用いて、カラムとして、東ソー(株)製カラムG4000HXL、G3000HXL、G2500HXLおよびG2000HXLの4本をこの順序に接続したものを使用し、カラム温度40℃、流速1.0ml/minの条件で、DMFを展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めることができる。
本発明のインク中の化合物(E)の含有量は、化合物(A)100重量部に対し、好ましくは0〜2000重量部であり、より好ましくは100〜2000重量部であり、さらに好ましくは500〜1500重量部である。化合物(E)の含有量が前記範囲にあることで、絶縁性等の電気的信頼性に優れる硬化膜が得られるため好ましい。
本発明のインクは、前記化合物(A)、ならびに、必要により、化合物(C)、化合物(D)、化合物(E)、界面活性剤および/または添加剤を溶媒(F)に溶解することで得られるインクが好ましい。
したがって、前記溶媒(F)は、前記化合物(A)を溶解することができる溶媒であれば特に制限されないが、吐出性に優れるインクが得られ、膜厚の厚い硬化膜を容易に形成できるなどの点から、化合物(A)および化合物(C)〜(E)を溶解することができる溶媒が好ましく、化合物(A)〜(E)および界面活性剤を溶解することができる溶媒がより好ましい。
本発明のインクは、界面活性剤を含むことが好ましい。
前記界面活性剤としては、インクの表面張力の調節、塗布性を向上できる点から、フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤が好ましい。
本発明のインクは、目的とする特性に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤を含んでもよい。
添加剤としては、例えば、アクリル樹脂、重合性モノマー、ポリアミド、ポリエステル、帯電防止剤、カップリング剤、硬化剤(例:エポキシ硬化剤、アルケニル置換ナジイミドの硬化剤)、着色剤、シロキサンポリマー、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマーが挙げられる。
前記アクリル樹脂としては、アクリロイル基および/またはメタクリロイル基を有するモノマーの単独または共重合体であれば特に限定されない。
アクリル樹脂としては、例えば、ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基を有しない単官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレートまたは三官能以上の多官能(メタ)アクリレートの単独重合体、これら(メタ)アクリレートの共重合体およびこれら(メタ)アクリレートとその他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
また、重合性を有する基の数が1つである場合を単官能、2つある場合を二官能と表現する。三官能や多官能の意味も、重合性基の数に基づく表現である。
前記重合性モノマーとしては、例えば、ヒドロキシル基を有する単官能(メタ)アクリレート、ヒドロキシル基を有しない単官能(メタ)アクリレート、二官能(メタ)アクリレート、三官能以上の多官能(メタ)アクリレート、その他のモノマーが挙げられ、その具体例は上述のアクリル樹脂の説明において記載したとおりである。
前記帯電防止剤は、本発明のインクや得られる硬化膜の帯電を防止するために使用することができる。帯電防止剤としては、例えば、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物などの金属酸化物;四級アンモニウム塩が挙げられる。
前記カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、トリアルコキシシラン化合物、ジアルコキシシラン化合物が挙げられる。好ましいシランカップリング剤としては、例えば、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
エポキシ硬化剤としては、例えば、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾールおよびその誘導体、ジシアンジアミド、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物が挙げられる。さらに具体的には、ジシアンジアミドなどのジシアンジアミド類;アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインなどの有機酸ジヒドラジド;2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体等が挙げられる。
本発明のインク中にアルケニル置換ナジイミドが含まれる時は、本発明のインクは、アルケニル置換ナジイミドの硬化剤を含んでもよい。
アルケニル置換ナジイミドの硬化剤として、例えば、アゾビス系の化合物および酸を発生する化合物が挙げられ、アゾビス系の化合物が好ましい。これらの硬化剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記着色剤としては、有機系着色剤および無機系着色剤が挙げられ、カラーインクには高い色純度、耐薬品性および耐熱性が求められることから、色純度、耐薬品性および耐熱性に優れる有機染料、無機顔料が好ましい。
有機染料は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
シロキサンポリマーとしては、シラン混合物を加水分解および縮合させることによって得られるものであれば特に限定されない。
シロキサンポリマーとしては、例えば、下記式(Si−1)で表される1官能シラン、下記式(Si−2)で表される2官能シラン、および下記式(Si−3)で表される3官能シランを含有する成分、および/または下記式(Si−4)で表される4官能シランを少なくとも一種含む成分を加水分解および縮合させることによって得られるシロキサンポリマーが挙げられる。
前記式(Si−1)で表される1官能シランとしては、例えば、トリメチルメトキシシランおよびトリメチルエトキシシランが挙げられる。
前記式(Si−2)で表される2官能シランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランおよびメチルフェニルジエトキシシランが挙げられる。
前記式(Si−3)で表される3官能シランとしては、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシメチルシランおよびトリエトキシフェニルシランが挙げられる。
前記式(Si−4)で表される4官能シランとしては、例えば、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランが挙げられる。
シロキサンポリマーは、例えば、前記式(Si−1)で表される1官能シラン、式(Si−2)で表される2官能シラン、式(Si−3)で表される3官能シラン、式(Si−4)で表される4官能シランを少なくとも1種含有する成分を加水分解および縮合させることによって得られる。
酸触媒としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、硫酸、塩酸、フッ酸、ホウ酸、リン酸、陽イオン交換樹脂等が挙げられ、また塩基触媒としてはアンモニア、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、陰イオン交換樹脂等が挙げられる。
本発明のインクは、化合物(A)、および必要により化合物(C)、酸無水物(D)、化合物(E)、溶媒(F)、界面活性剤および/または添加剤などを均一に混合することによって、調製することができる。
本発明のインクは、低温硬化性に優れ、良好なインクジェット印刷性(例えば描画性、厚膜形成性)を示し、保存安定性にも優れ、また、熱的・電気的・機械的特性および耐薬品性が良好で各種支持体に対する密着性にも優れた硬化膜を形成できる。
常温(25℃)でインクの吐出を行う場合は、本発明のインクの粘度は、好ましくは1〜50mPa・sであり、より好ましくは5〜30mPa・sであり、さらに好ましくは6〜20mPa・sである。吐出時の粘度が前記範囲にあると、ジェッティング精度が向上する。粘度が前記上限値以下であると、吐出不良が起こりにくい。
本発明の硬化膜は、上述の本発明のインクから製造される。この硬化膜としてはポリイミド膜が好ましい。本発明の硬化膜は、熱的・電気的・機械的特性および耐薬品性が良好であり、例えば耐熱性および電気絶縁性に優れた絶縁膜であり、各種支持体に対する密着性にも優れ、電子部品の信頼性、歩留まりを向上させることができる。
本発明の硬化膜は、特に制限されないが、好ましくは、本発明のインクをインクジェット法によって支持体上に塗布して塗膜を形成する工程(塗膜形成工程)、および前記塗膜を加熱処理して硬化膜を形成する工程(加熱工程)を有する方法で製造される硬化膜が好ましい。この方法では、本発明のインクを支持体上に塗布する前に、支持体を表面処理する工程(表面処理工程)を設け、前記表面処理された支持体上に本発明のインクを塗布して塗膜を形成することが好ましい。
前記表面処理工程を含むことで、支持体との密着性に優れる硬化膜を得ることができる。前記表面処理としては、例えば、シランカップリング剤処理、UVオゾンアッシング処理、プラズマ処理、アルカリエッチング処理、酸エッチング処理、プライマー処理が挙げられる。
前記インクジェット法としては、インクの吐出方法により各種のタイプが挙げられ、例えば、圧電素子型、バブルジェット(登録商標)型、連続噴射型、静電誘導型の吐出方法が挙げられる。
本発明のインクを用いて塗布を行う際の好ましい吐出方法は、圧電素子型の吐出方法である。
前記塗布装置は、シリアルプリンタであってもよく、塗布媒体の全幅に対応した範囲にわたって塗布素子を整列させてなるラインプリンタであってもよい。
前記加熱処理は例えばホットプレートまたはオーブンを用いて行い、これにより、支持体上の全面または所定の部分(パターン状(例えばライン状))に硬化膜が形成される。また、硬化膜の形成には、加熱処理と併せて、必要により、UV処理、イオンビーム、電子線、ガンマ線、赤外線などの処理を用いてもよい。
通常ポリアミド酸を硬化(イミド化)するためには、180〜350℃、好ましくは180〜300℃での加熱処理が必要である。しかし、本発明のインクは、前記化合物(A)を含んでなるため低温硬化可能であり、特に、前記化合物(A)、化合物(C)および酸無水物(D)を含むインクは、加熱処理中にイミド化が進行し、同時に化合物(A)あるいは化合物(E)のカルボン酸残基と化合物(C)が反応することにより、硬化膜が得られるため、上記温度での塗膜の硬化が可能である。
加熱時間は、例えば、オーブンを用いた場合には30〜120分であり、ホットプレートを用いた場合には5〜90分である。
本発明の電子材料用基板は、上述の硬化膜を有する。本発明の電子材料用基板としては、フィルム基板、半導体ウェハ基板などが挙げられる。
前記フィルム基板としては、例えば、インクジェット法などにより予め配線が形成されたポリイミドフィルムなどのフィルム状の支持体上に、本発明のインクをインクジェット法によって全面または所定のパターン状(ライン状等)に塗布して塗膜を形成し、その後、当該塗膜を乾燥・加熱することによって、得られる基板が挙げられる。
本発明の電子部品は、上述の基板を有する。
・SL−100A:ポレアSL−100A(イハラケミカル工業(株))
・3,3’−DDS:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
・DB3:disperse black3(アルドリッチジャパン(株))
・TAP:N−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン
・AEE:2−(2−アミノエトキシ)エタノール
・APE−OH:2−(4−アミノフェニル)エタノール
・S510:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・GPAI:N−グリシジルフタルイミド
・OXT101:3−エチル−3−オキセタンメタノール
・ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
・TMA:トリメリット酸無水物
・TESA:トリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド
・MA:マレイン酸無水物
・VG3101L:TECHMORE VG3101L(三井化学(株))
・EDM:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル
・NMP:N−メチル−2−ピロリドン
・EtOH:エタノール
・PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
OXT101(6.507g)、EDM(18g)およびMA(5.493g)をスクリュー管瓶に入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌し、均一な溶液を得た。この溶液をOXT101+MAとした(反応生成物の濃度は40重量%である)。
窒素でシールされている300mlナスフラスコにODPA(26.82g)とEtOH(45g)とを入れ、該フラスコを氷浴で冷却しながらフラスコの内温が4℃になるまで攪拌した。氷浴したままAEE(18.18g)をフラスコの内温が35℃を超えないように入れて、3時間攪拌した。その後フラスコを氷浴から取り出し、100℃のオイルバスにつけ、リフラックスを3時間行った。その後、EtOHを常圧蒸留し、濃縮した。冷却後にアセトンを200ml加えて一晩冷却後、沈殿物を吸引ろ過で漉し取り、ろ物(化合物)を取得した。この化合物をイミド化合物1とした。
窒素でシールされている300mlナスフラスコにODPA(11.94g)とNMP(67.5g)を入れ、該フラスコを氷浴で冷却しながらフラスコの内温が4℃になるまで攪拌した。氷浴したままAPE−OH(10.74g)をフラスコの内温が35℃を超えないように入れて、3時間攪拌した。その後フラスコを氷浴から取り出し、100℃のオイルバスにつけ、リフラックスを3時間行ったところ、白色沈殿が生じた。冷却後にアセトンを200ml加えて一晩冷却後、沈殿物を吸引ろ過で漉し取り、ろ物(化合物)を取得した。この化合物をイミド化合物2とした。
FM3311(JNC(株))(3.344g)とEDM(16g)とをスクリュー管瓶に入れた後、さらにMA(0.6559g)を入れて反応させたところ、均一なアミド酸溶液が得られた。この溶液をFM3311/MA溶液とした。
以下合成例1〜5、12および13により化合物(A)を合成した。
スクリュー管瓶にBAPP(3.7652g)とEDM(21g)とを入れ、溶解するまで攪拌後、MA(0.8994g)を入れて3時間攪拌した。その後S510(4.3354g)を入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液を化合物A−1とした(反応生成物の濃度は30重量%である)。
スクリュー管瓶にSL−100A(6.16g)とEDM(21g)を入れ、溶解するまで攪拌後、MA(0.4879g)を入れて3時間攪拌した。その後S510(2.352g)を入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液を化合物A−2とした(反応生成物の濃度は30重量%である)。
スクリュー管瓶にDB3(3.353g)とEDM(24g)を入れ、溶解するまで攪拌後、TESA(2.647g)を入れて3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液を化合物A−3とした(反応生成物の濃度は20重量%である)。
スクリュー管瓶にBAPP(4.038g)とEDM(21g)を入れ、溶解するまで攪拌後、MA(0.964g)を入れて3時間攪拌した。その後GPAI(3.997g)を入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液を化合物A−4とした(反応生成物の濃度は30重量%である)。
スクリュー管瓶にBAPP(3.231g)とEDM(21g)を入れ、溶解するまで攪拌後、TESA(2.396g)を入れて3時間攪拌した。その後OXT101+MA(3.373g)を入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液を化合物A−5とした(反応生成物の濃度は30重量%である)。
なお、前記OXT101+MAの配合量(g)、および、表1中のOXT101+MAの配合量(g)は、OXT101+MA中の反応生成物の濃度から計算した反応生成物の量である。
スクリュー管瓶に3,3’−DDS(2.828g)とEDM(18g)を入れ、溶解するまで攪拌後、TMA(1.094g)を入れて3時間攪拌した。その後S510(8.076g)を入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液を化合物A−6とした(反応生成物の濃度は40重量%である)。
スクリュー管瓶にTAP(4.171g)とEDM(9g)、PGME(9g)を入れ、溶解するまで攪拌後、TESA(7.828g)を入れて3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液を化合物A−7とした(反応生成物の濃度は40重量%である)。
以下合成例6〜11により化合物(E)を合成した。
化合物(E)を含む溶液に、化合物(E)の濃度が約1重量%となるようにN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を加え、溶液を調製した。得られた溶液を、GPC装置:日本分光(株)製、JASCO GULLIVER 1500(インテリジェント示差屈折率計RI−1530)を用いて、DMFを展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。カラムは、東ソー(株)製カラムG4000HXL、G3000HXL、G2500HXLおよびG2000HXLの4本をこの順序に接続したものを使用し、カラム温度40℃、流速1.0ml/minの条件で測定した。
スクリュー管瓶にAEE(2.393g)とEDM(21g)を入れ、さらにMA(2.232g)を入れて3時間攪拌した。その後TMA(4.374g)を入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液をアミド酸化合物E−1とした(反応生成物の濃度は30重量%である)。
スクリュー管瓶にAEE(4.188g)とEDM(21g)とを入れ、さらにMA(3.906g)を入れて3時間攪拌した。その後MA(3.906g)を入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液をアミド酸化合物E−2とした(反応生成物の濃度は30重量%である)。
スクリュー管瓶にSL−100A(10.36g)とEDM(21g)とを入れ、さらにMA(1.641g)を入れて3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液をアミド酸化合物E−3とした(反応生成物の濃度は30重量%である)。
スクリュー管瓶にSL−100A(9.72g)とEDM(21g)とを入れ、さらにMA(0.77g)とTMA(1.51g)とを入れて3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液をアミド酸化合物E−4とした(反応生成物の濃度は30重量%である)。
スクリュー管瓶にイミド化合物1(10.68g)とEDM(15g)とを入れ、さらにMA(4.32g)を入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液をイミド化合物E−5とした(反応生成物の濃度は50重量%である)。
スクリュー管瓶にイミド化合物2(8.838g)とNMP(18g)とを入れ、さらにMA(3.862g)を入れて110℃のホットスターラー上で3時間攪拌したところ均一な溶液が作製された。この溶液をイミド化合物E−6とした(反応生成物の濃度は40重量%である)。
[実施例1]
表2に記載の配合量(重量(g))となるように化合物A−1、VG3101L、TMA、EDM、アミド酸化合物E−1、およびアミド酸化合物E−2をスクリュー管瓶に入れて、攪拌し、均一な溶液を得た。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク1を得た。
表2に記載の配合量(重量(g))となるように化合物A−2、VG3101L、TMA、EDM、イミド化合物E−5、アミド酸化合物E−3、およびアミド酸化合物E−4をスクリュー管瓶に入れて、攪拌し、均一な溶液を得た。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク2を得た。
表2に記載の配合量(重量(g))となるように化合物A−3、VG3101L、TMA、EDM、およびイミド化合物E−5をスクリュー管瓶に入れて、攪拌し、均一な溶液を得た。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク3を得た。
表2に記載の配合量(重量(g))となるように化合物A−4、VG3101L、TMA、EDM、およびイミド化合物E−5をスクリュー管瓶に入れて、攪拌し、均一な溶液を得た。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク4を得た。
表2に記載の配合量(重量(g))となるように化合物A−5、VG3101L、TMA、EDM、およびイミド化合物E−5をスクリュー管瓶に入れて、攪拌し、均一な溶液を得た。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク5を得た。
表2に記載の配合量(重量(g))となるように化合物A−2、VG3101L、TMA、EDM、NMP、およびイミド化合物E−6をスクリュー管瓶に入れて、攪拌し、均一な溶液を得た。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク6を得た。
表2に記載の配合量(重量(g))となるように化合物A−6、VG3101L、EDMをスクリュー管瓶に入れて、攪拌し、均一な溶液を得た。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク7を得た。
表2に記載の配合量(重量(g))となるように化合物A−7、VG3101L、EDMをスクリュー管瓶に入れて、攪拌し、均一な溶液を得た。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク8を得た。
表3に記載の配合量(重量(g))となるようにVG3101L、TMA、EDM、およびイミド化合物E−5をスクリュー管瓶に入れて、攪拌し、均一な溶液を得た。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク9を得た。
表3に記載の配合量(重量(g))となるようにEDM、ジシアンジアミド、VG3101L、TMA、およびアミド酸化合物E−1をこの順にスクリュー管瓶に入れて、攪拌したところ、VG3101Lを入れたところで沈殿物が生じた。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク10を得た。
表3に記載の配合量(重量(g))となるようにEDM、4−ベンジルピペリジン、VG3101L、TMA、およびアミド酸化合物E−1をこの順にスクリュー管瓶に入れて、攪拌したところ、VG3101Lを入れたところで沈殿が生じた。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク11を得た。
表3に記載の配合量(重量(g))となるようにEDM、VG3101L、およびTMAをこの順にスクリュー管瓶に入れて攪拌した。その後FM3311/MA溶液(0.01g)を加えて、インク12を得た。
塗布装置として、インクジェット塗布装置DMP−2831(FUJIFILM Dimatix社)を用い、実施例および比較例で得られたインク1〜9および12を用いて、0.75mm厚のガラス支持体上に長さ5cmのライン塗布を常温(25℃)で行った(塗布条件:ドットピッチ;25μm、インクジェットヘッドの温度;30℃、ピエゾ電圧;20V、駆動周波数;10kHz)。なお、インク10および11は、インクジェット塗布装置を用いてインクを吐出することができなかった。
インクの粘度は、25℃にて、E型粘度計(TOKYO KEIKI、 VISCONIC ELD)を用いて測定した。
塗布装置として、インクジェット塗布装置DMP−2831(FUJIFILM Dimatix社)を用い、実施例および比較例で得られたインク1〜9および12を用いて、吐出の様子を観察した(インクジェットヘッドの温度;30℃、ピエゾ電圧;20V、駆動周波数;10kHz)。吐出できた場合を○とする。なお、インク10および11は、インクジェット塗布装置を用いてインクを吐出することができなかった。
硬化膜のライン幅は、光学顕微鏡を用いて測定し、膜厚は触針式段差計XP−200を用いて測定した。
硬化膜の膜厚の測定には、触針式段差計XP−200(Ambios Technology社)を使用した。3箇所の測定結果を平均して、硬化膜の膜厚とした。
アルカリ性の溶液に硬化膜を浸漬させた場合の、浸漬前後の膜厚の変化を測定することにより、硬化膜のアルカリ耐性を調べた。具体的には、以下のようにして測定した。
スピンコート法によりガラスからなる支持体上にインク1を塗布して、80℃で5分間乾燥させた。次いで、得られた支持体付乾燥塗膜をオーブンに入れて、140℃で120分間加熱して、膜厚およそ2μmの硬化膜を形成し、触針式段差計XP−200(Ambios Technology社)を用いて膜厚を測定した。
得られた支持体付硬化膜を50℃に加熱した2規定の水酸化ナトリウム水溶液に10分間浸漬させた後の膜の厚みを触針式段差計XP−200(Ambios Technology社)を用いて測定し、浸漬前の膜厚と浸漬後の膜厚の差から、浸漬中に溶出した膜の厚みを算出した。また、インク2〜9および12を用いて、同様の方法で硬化膜のアルカリ耐性を測定した。
酸性の溶液に硬化膜を浸漬させた場合の、浸漬前後の膜厚の変化を測定することにより、硬化膜の酸耐性を調べた。具体的には、以下のようにして測定した。
スピンコート法によりガラスからなる支持体上にインク1を塗布して、80℃で5分間乾燥させた。次いで、得られた支持体付乾燥塗膜をオーブンに入れて、140℃で120分間加熱して、膜厚およそ2μmの硬化膜を形成した。
得られた支持体付硬化膜を50℃に加熱した2規定の塩酸に10分間浸漬させた後の膜の厚みを触針式段差計XP−200(Ambios Technology社)を用いて測定し浸漬前の膜厚と浸漬後の膜厚の差から、浸漬中に溶出した膜の厚みを算出した。また、インク2〜9および12を用いて、同様の方法で硬化膜の酸耐性を測定した。
アプリケーターを用いてインク1を支持体(アルミホイル)上に塗布し、ホットプレートを用いて、80℃で5分間乾燥させた。次いで、得られた支持体付乾燥塗膜をオーブンに入れて、140℃で120分間加熱して、基材の片面に硬化膜(試料片)を形成した。支持体から試料片を剥離した後、該試料片の5%重量減温度を示差熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ(株)、SSC5200)を用いて測定した。また、インク2〜9および12を用いて、同様の方法で硬化膜の5%重量減温度を測定した。
昇温開始温度:30℃
昇温終了温度:500℃
昇温速度:10℃/min
雰囲気:空気中
5%重量減温度の測定と同様の方法で硬化膜を形成し、該硬化膜を長さ10mm、幅3mmに切り出すことで試料片を得た。該試料片を熱・応力・歪測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)、TMA/SS6100)を用いて熱線膨張係数を測定した。インク12から作成した硬化膜は脆く測定できなかった。
昇温開始温度:30℃
昇温終了温度:300℃
昇温速度:10℃/min
雰囲気:空気中
線膨張係数の算出:50〜125℃(ファーストスキャン)
5%重量減温度の測定と同様の方法で硬化膜を形成し、該硬化膜を長さ50mm、幅5mmに切り出すことで試料片を得た。該試料片を熱・応力・歪測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)、DMS/SS6400)を用いてガラス転移点(℃)[Tg]を測定した。インク12から作成した硬化膜は脆く測定できなかった。
昇温開始温度:30℃
昇温終了温度:300℃
昇温速度:10℃/min
雰囲気:空気中
Tgの算出:Tanδのピーク温度(℃)
スピンコート法によりクロムからなる支持体上にインク1を塗布して、80℃で5分間乾燥させた。次いで、得られた支持体付乾燥塗膜をオーブンに入れて、140℃で120分間加熱して、膜厚およそ2μmの硬化膜を形成した。その後、硬化膜上にアルミニウムを蒸着させ、電極を作成した。
得られた電極付き硬化膜の誘電率をプレシジョンLCRメーター E4980A(Agilent Technologies社)を用いて測定し、体積抵抗率および耐電圧をディジタル超絶縁/微少電流計 DSM−8104(日置電機(株))を用いて測定した。また、インク2〜9および12を用いて、同様の方法で硬化膜の誘電率、体積抵抗率および耐電圧を測定した。
なお、表2および3では、例えば、1.0×1010を1.E+10と記載する。
Claims (17)
- 前記架橋性基が、アルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アルコキシシリル、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルケニレン、アルキルジエニル、アクリルおよびメタクリルからなる群より選ばれる少なくとも1つの基である、請求項1に記載の熱硬化性インクジェットインク。
- 前記化合物(A)が、アミン(1−B)と、エポキシ化合物(1−C)および酸無水物基を1つ有する化合物(1−D)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物との反応によって生じる化合物である、請求項1〜4の何れか一項に記載の熱硬化性インクジェットインク。
- 前記エポキシ化合物(1−C)が、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−グリシジルフタルイミドおよび3−エチル−3−オキセタンメタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1〜5の何れか一項に記載の熱硬化性インクジェットインク。
- 前記化合物(A)とエポキシ化合物(C)と酸無水物(D)とを含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の熱硬化性インクジェットインク。
- 溶媒(F)をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱硬化性インクジェットインク。
- 前記溶媒(F)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1種以上を含有する溶媒である、請求項10に記載の熱硬化性インクジェットインク。
- 界面活性剤をさらに含む、請求項1〜11の何れか一項に記載の熱硬化性インクジェットインク。
- 前記界面活性剤が、熱硬化性インクジェットインク100重量%に対し、0.00001重量%以上、1.0重量%以下の量で含まれる、請求項12に記載の熱硬化性インクジェットインク。
- 請求項1〜13の何れか一項に記載の熱硬化性インクジェットインクをインクジェット法によって支持体上に塗布して塗膜を形成する工程、および
前記塗膜を加熱処理して硬化膜を形成する工程
を有する、硬化膜の製造方法。 - 請求項14に記載の製造方法により形成された硬化膜。
- 請求項15に記載の硬化膜を有する、電子材料用基板。
- 請求項16に記載の電子材料用基板を有する電子部品。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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