JP5282414B2 - インクジェット用インク - Google Patents
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Description
ポリイミドを所望のパターン膜として使用する場合、従来はエッチングや感光性ポリイミドを用いてパターンを形成することが一般的であったが、フォトレジスト、現像液、エッチング液、剥離液などの多種大量の薬液が必要であり、さらに煩雑な工程を要するものであった。
そこで、近年、インクジェットにより所望のパターン膜を形成する方法が検討されている。
インクジェット用インクは各種提案されているが(例えば、特許文献4〜5参照。)、ポリイミド系のインクジェット用インクを調製しようとすると、インク組成物に含まれる溶媒がN−メチルー2−ピロリドン等のアミド系溶媒に限定されてしまうため、インクジェットヘッドの耐久性低下やジェッティングの精度低下を招く問題がある。
例えば、ポリアミド酸の重量平均分子量を10,000〜50,000に制御することによりインクの低粘度化を図り、ポリアミド酸の含有量を大きくすることが提案されている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、重量平均分子量が10,000より小さくなると十分な機械的強度が得られないため、ポリマー濃度が15〜20重量%程度と小さいものであった。また、粘度も15〜25mPa・sと比較的高いためインクジェット吐出不良が生じ易いという問題がある。
本発明は以下のようなインクジェット用インク等を提供する。
[1] 下記一般式(1)
(式中、R1とR2はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有し、 下記一般式(21)および一般式(22)
(式中、R3はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜20のアルキル又は炭素数1〜20のアルコキシであり、R4はそれぞれ独立して炭素数1〜20の有機基である。)
で表される分子末端基の群から選ばれる1以上の分子末端基を有する重量平均分子量が1,000〜7,500であるポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インク。
[2] さらに溶媒(B)を含む[1]に記載のインクジェット用インク。
[3] 溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノンおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、[2]に記載のインクジェット用インク。
[4] 溶媒(B)が、溶媒全重量に対してアミド系溶媒を20重量%以上含まない、[2]または[3]に記載のインクジェット用インク。
[5] 溶媒(B)が、アミド系溶媒を含まない、[2]または[3]に記載のインクジェット用インク。
[6] ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜4,500である、[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
[7] ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜3,500である、[6]に記載のインクジェット用インク。
[8] インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)25〜60重量部を含む[1]〜[7]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
[9] インクジェット用インクに含まれる水分量が10,000ppm以下である、[1]〜[8]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
[10] インクジェット用インクに含まれる水分量が5,000ppm以下である、[1]〜[8]のいずれかに記載のインクジェット用インク。
[11] 少なくとも、下記一般式(31)で表されるモノアミン(a3)、および下記一般式(32)で表される酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させる工程を有する、重量平均分子量が1,000〜7,500であるポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インクの製造方法。
(式中、R3はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜20のアルキル又は炭素数1〜20のアルコキシであり、R4はそれぞれ独立して炭素数1〜20の有機基である。)
[12] 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)が、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4ージカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上である、[11]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[13] ジアミン(a2)が、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−メチルシクロヘキサン、 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、下記式(4)
(式中、R5およびR6は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R7は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。)
で表される化合物および下記式(IX)
(式中、A3は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−または−(CH2)m−(式中、mは1〜6の整数である)であり、
R6は、ステロイド骨格を有する基、シクロヘキサン環とベンゼン環とからなる群から選ばれる1以上を有する基、または、ベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラ位のときは炭素数1〜30のアルキル、もしくは該位置関係がメタのときは炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり、
該アルキルにおいては、任意の−CH2−が−CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、−CH3が−CH2F、−CHF2または−CF3で置き換えられていてもよく
該フェニルの環形成炭素に結合している水素は、−F、−CH3、−OCH3、−OCH2F、−OCHF2または−OCF3と置き換えられていてもよい。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上である、[11]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[14] インクジェット用インクが溶媒(B)をさらに含む、請求項[11]〜[13]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[15] 溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノンおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、[14]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[16] 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)が、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上であり、
ジアミン(a2)が、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、式(4)
(式中、R5およびR6は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R7は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。)の化合物、p−フェニレンジアミン、および式(IX−1)〜(IX−11)
(式中、R18、R19は炭素数1〜30の有機基である。)の化合物からなる群から選ばれる1以上であり、
モノアミン(a3)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上であり、
酸無水物基を1つ有する化合物(a4)が、p−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、p−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、トリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、下記式(α)で表される化合物、および、下記式(β)で表される化合物からなる群から選ばれる1以上であり、
溶媒(B)が、乳酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチルおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、[14]または[15]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[17] 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)が、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物からなる群から選ばれる1以上であり、
ジアミン(a2)が、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、式(4)
(式中、R5およびR6は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R7は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜15の整数である。)の化合物、p−フェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンおよび式(10)の化合物からなる群から選ばれる1以上であり、
モノアミン(a3)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランおよび3−アミノプロピルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上であり、
酸無水物基を1つ有する化合物(a4)が、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドおよびトリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドからなる群から選ばれる1つ以上であり、
溶媒(B)が、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、[14]または[15]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[18] 溶媒(B)が、溶媒全重量に対してアミド系溶媒を20重量%以上含まないことを特徴とする[14]〜[17]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[19] 溶媒(B)が、アミド系溶媒を含まない[14]〜[17]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[20] ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜4,500である、[11]〜[19]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[21] ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜3,500である、[20]に記載のインクジェット用インクの製造方法。
[22] インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)25〜60重量部を含む、[11]〜[21]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
[23] [11]〜[21]のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法を用いて製造されたインクジェット用インク。
[24] [1]〜[10]および[23]のいずれかに記載のインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布してポリアミド酸膜を形成する工程、および、ポリアミド酸膜を加熱処理してポリイミド膜を形成する工程、を経て得られたポリイミド膜またはパターン状ポリイミド膜。
[25] [1]〜[10]および[23]のいずれかに記載のインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布してから乾燥させてポリアミド酸膜を形成する工程、および、ポリアミド酸膜を加熱処理してポリイミド膜を形成する工程を含むインク塗布方法。
[26] [25]に記載のインク塗布方法を用いてポリイミド膜を形成する、ポリイミド膜形成方法。
[27] [26]に記載のポリイミド膜形成方法で基板上にポリイミド膜が形成されたフィルム基板。
[28] [27]に記載のフィルム基板を有する電子部品。
本発明のポリアミド酸は、重量平均分子量が1,000〜7,500の範囲でありながら、製膜時に十分な機械的強度が得られるものである。重量平均分子量が小さいことから、インクジェット印刷に適した低粘度化と25重量%以上の高濃度化の両立を可能としたものである。
また、パターン状ポリイミド膜の形成のために、本発明の好ましい態様に係るインクジェット用インクを用いる場合、インクジェット印刷により必要な部分のみに描画するため材料使用量は圧倒的に少なく、フォトマスクを使用する必要がないので多品種大量生産が可能であり、また、製造に要する工程数が少ないものである。
本発明のインクジェット用インクから形成されたポリイミド膜は、例えば、耐熱性、電気絶縁性が高く、電子部品の信頼性、歩留まりを向上させる。
(式中、R3はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜20のアルキル又は炭素数1〜20のアルコキシであり、R4はそれぞれ独立して炭素数1〜20の有機基である。)
(式中、R1とR2はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位が形成され、モノアミン(a3)と酸無水物基との反応により下記一般式(21)で表される分子末端基が形成され、酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とアミノ基との反応により下記一般式(22)で表される分子末端基が形成される。
(式中、R3はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜20のアルキル又は炭素数1〜20のアルコキシであり、R4はそれぞれ独立して炭素数1〜20の有機基である。
一方、上記分子末端基は、一般的にエポキシ樹脂、フェノール樹脂と併用すると、シランカップリング剤として作用して、金属と反応或いは錯体を形成するため膜の密着性が高くなることが予測される。
さらに、上記一般式(21)および一般式(22)で表される分子末端基が、加熱することによって加水分解、脱水縮合して、シリコン化合物の三次元架橋構造となるため、重量平均分子量が1,000〜7,500と小さなポリアミド酸(A)から強固な膜が得られることを見出した。
本発明でポリアミド酸(A)の合成に用いられる酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)の具体例としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体、メタクリル酸メチル−無水マレイン酸共重合体等の無水物基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体やテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。テトラカルボン酸二無水物としては、例えば2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、エタンテトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、下記式a1−1〜a1-73で表される化合物等のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
本発明において、ポリアミド酸(A)の合成に用いられるジアミン(a2)はアミノ基を2つ有していれば特に限定されるものではないが、例えば上記一般式(9)で表される化合物が挙げられる。上記一般式(9)で表される化合物の具体例としては、下記一般式(II)〜(VIII)で表される化合物が挙げられる。
[式(II)中、
A1は、−(CH2)m−であり、ここでmは1〜6の整数であり、
式(IV)、(VI)および(VIII)中、
A1は、単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−(CH2)m−、−O−(CH2)m−O−、−S−(CH2)m−S−であり、ここでmは1〜6の整数であり、
式(VII)および(VIII)中、
A2は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−または炭素数1〜3のアルキレンであり、
シクロヘキサン環またはベンゼン環に結合している水素は、−F、−CH3と置き換えられていてもよい。]
[式(IX)中、
A3は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−または−(CH2)m−(式中、mは1〜6の整数である)であり、
R6は、ステロイド骨格を有する基、シクロヘキサン環とベンゼン環とからなる群から選ばれる1以上を有する基、または、ベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラ位のときは炭素数1〜30のアルキル、もしくは該位置関係がメタのときは炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり、
該アルキルにおいては、任意の−CH2−が−CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、−CH3が−CH2F、−CHF2または−CF3で置き換えられていてもよく
該フェニルの環形成炭素に結合している水素は、−F、−CH3、−OCH3、−OCH2F、−OCHF2または−OCF3と置き換えられていてもよい。]
一般式(IX)で表されるジアミンとしては、例えば下記式(IX−1)〜(IX−11)で表されるジアミンが挙げられる。
R10は水素または−CH3であり、
R11はそれぞれ独立して、水素または炭素数1〜20のアルキルもしくは炭素数2〜20アルケニルであり、A6はそれぞれ独立して、単結合、−C(=O)−または−CH2−であり、
式(XII)中、
R13およびR14はそれぞれ独立して、水素、炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルである。]
一般式(XI)で表されるジアミンとしては、例えば式(XI−1)〜(XI−4)で表されるジアミンが挙げられる。
一般式(XII)で表されるジアミンとしては、例えば式(XII−1)〜(XII−8)で表されるジアミンが挙げられる。
[式(XIII)中、R15は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、該アルキルのうち炭素数2〜20のアルキルの任意の−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられてもよく、
A7はそれぞれ独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり、
A8は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、
環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、
hは0または1である。]
[式(XIV)中、
R16は炭素数2〜30のアルキルであり、これらの中でも炭素6〜20のアルキルが好ましい。R17は水素または炭素数1〜30のアルキルであり、これらの中でも炭素1〜10のアルキルが好ましい。
A7はそれぞれ独立して−O−または炭素数1〜6のアルキレンである。
一般式(XIII)で表されるジアミンとしては、例えば式(XIII−1)〜(XIII−9)で表されるジアミンが挙げられる。
上記式(XIII-1)〜(XIII-3)において、R24は炭素数水素または1〜20のアルキルが好ましく、(XIII-4)〜(XIII-9)において、R25は水素または炭素数1〜10のアルキルがさらに好ましい。
一般式(XIV)で表されるジアミンとしては、例えば(XIV−1)〜(XIV−3)で表されるジアミンが挙げられる。
(式中、R30およびR31は独立して炭素数3〜20のアルキルである。)
また、本発明のインクジェット用組成物に含まれるポリアミド酸(A)を合成するために用いることができるジアミン(a2)は、1種単独、または、2種以上を組み合わせて用いることができる。すなわち、2種以上の組み合わせとしては、上記ジアミン同士、上記ジアミンとそれ以外のジアミン、または、上記ジアミン以外のジアミン同士を用いることができる。
R3が炭素数1〜20のアルキル、炭素数2〜20のアルコキシである場合、インクの保存安定性が高いため特に好ましい。R3がすべて炭素数1〜20のアルコキシで、且つR4が炭素数1〜20のアルキルである場合、製膜時の膜の強度がより高まることから特に好ましい。
これらの中でも、インクの保存安定性の点から、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランが好ましく、
得られる膜の耐久性が優れるという点から、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシランおよび4−アミノブチルトリエトキシシラン、が好ましく、3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび4−アミノブチルトリエトキシシランが特に好ましい。
これらのモノアミンは一種単独でまたは二種以上組み合わせても使用できる。
本発明のインクジェット用組成物に含まれるポリアミド酸(A)の合成に任意に用いることができる酸無水物基を1つ有する化合物(a4)は、下記一般式(32)で表されるものであれば特に限定されない。
R3がすべて炭素数1〜20のアルコキシで、且つR4が炭素数1〜20のアルキルである場合、製膜時の膜の強度がより高まることから特に好ましい。
これらの中でも、得られる膜の耐久性が優れるという点から、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドおよびトリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、が好ましい。
ポリアミド酸(A)は、例えば、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させて合成できる。
ポリアミド酸(A)の合成にモノアミン(a3)を用いる場合、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)1モルに対して、ジアミン(a2)0.01〜0.5モルおよびモノアミン(a3)1〜1.98モル用いることが好ましく、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)1モルに対して、ジアミン(a2)0.15〜0.25モルおよびモノアミン(a3)1.5〜1.7モル用いることがさらに好ましい。
また、ポリアミド酸(A)の合成に酸無水物基を1つ有する化合物(a4)を用いる場合、ジアミン(a2)1モルに対して、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)0.01〜0.5モルおよび酸無水物基を1つ有する化合物(a4)1〜1.98モル用いることが好ましく、ジアミン(a2)1モルに対して、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)0.15〜0.25モルおよび酸無水物基を1つ有する化合物(a4)1.5〜1.7モル用いることがさらに好ましい。
例えば、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させてポリアミド酸(A)を合成するために用いられる溶媒は、当該ポリアミド酸(A)が合成できれば特に限定されるものではないが、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、およびN,N−ジメチルアセトアミド、などを挙げることができる。
これらの中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルおよびジエチレングリコールジメチルエーテルを用いると、インクジェットヘッドへのダメージが少ないインクとすることができるので好ましい。
これらの反応溶媒は単独でも、2種以上の混合溶媒としても使用できる。また、上記反応溶媒以外に他の溶媒を混合して用いることもできる。
また、反応原料の反応系への添加順序に特に限定されない。すなわち、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)とジアミン(a2)とモノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とを同時に反応溶媒に加える、ジアミン(a2)とモノアミン(a3)を反応溶媒中に溶解させた後に酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)または酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)を添加する、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)を反応溶媒中に溶解させた後にモノアミン(a3)をあらかじめ反応させた後にジアミン(a2)を添加する、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)とジアミン(a2)とをあらかじめ反応させて共重合体を合成した後に、その共重合体にモノアミン(a3)を添加する、などいずれの方法も用いることができる。
本発明のインクジェット用インクに含まれるポリアミド酸(A)は、例えば、上記一般式(1)で表される構成単位を有し、上記一般式(21)および一般式(22)で表される分子末端基の群から選ばれる1以上の分子末端基を有する。
このポリアミド酸(A)は、例えば、上述した、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる化合物の群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させることによって合成できる。すなわち、ポリアミド酸(A)の繰り返し単位となる上記一般式(1)は、重合基を2つ以上有する酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と重合基を2つ有するジアミン(a2)との反応によって得ることができる。他方、モノアミン(a3)と酸無水物基を1つ有する化合物(a4)は重合基を1つしか有さないので、これらの化合物はポリアミド酸(A)において分子末端基を構成する。すなわち、上記式(21)のR3はモノアミン(a3)の残基であり、上記式(22)のR4は酸無水物基を1つ有する化合物(a4)の残基である。なお、当該のポリアミド酸(A)の構成とモノマーとの関係は一例に過ぎない。また、ポリアミド酸(A)の製造方法も当該方法に限定されない。
重量平均分子量が1,000〜7,500であるポリアミド酸(A)が特に低粘度で溶媒に対する溶解性が優れていてインクジェット用インクとして好ましい。
本発明において、ポリアミド酸(A)の溶媒に対する「溶解性」をさらに向上させ、低粘度化するために、その重量平均分子量は1,000〜4,500であることが好ましく、1,000〜3,500であることがさらに好ましい。
また、1,000以上の重量平均分子量を有するポリアミド酸(A)は、加熱処理によってポリイミド膜を形成するステップにおいて蒸発することがなく、化学的・機械的に安定であり、7,500以下の重量平均分子量を有するポリアミド酸(A)は、溶媒に対する溶解性を向上させ、低粘度化することができるので、得られる塗膜の膜厚を大きくすることが可能であり、インクジェット用インクとして好ましく用いることができることから、ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜7,500であることが最も好ましい。
本発明のインクジェット用インクは、例えば、ポリアミド酸(A)を溶媒(B)に溶解して得ることができる。したがって、本発明のインクジェット用インクに含まれる溶媒は、ポリアミド酸(A)を溶解することができる溶媒であれば特に制限されない。また、単独ではポリアミド酸(A)を溶解しない溶媒であっても、他の溶媒と混合することによって、インクジェット用インクに含まれる溶媒(B)として用いることが可能である。
本発明においてインクジェット用インク中のポリアミド酸(A)の濃度は特に限定されないが、インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)を25〜60重量部含むことが好ましく、25〜55重量部含むことがさらに好ましく、30〜50重量部含むことが特に好ましい。これらの濃度範囲であると、1回のインクジェッティングで得られる膜の厚さが最適となり、ジェッティング精度が高いので好ましい。
本発明においてインクジェット用インク中の水分量は特に限定されないが、10,000ppm以下が好ましく、5,000ppm以下がさらに好ましい。これらの水分量であると、インクジェット用インクの粘度変化が少なく保存安定性に優れるので好ましい。
目的とする特性によっては、インクジェット用インクは、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、トリメリット酸などのエポキシ硬化剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、顔料、染料などの添加剤を必要により選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。
インクジェット用インクは、エポキシ樹脂をさらに含んでもよい。インクジェット用インクに含まれるエポキシ樹脂は、オキシランやオキセタンを有すれば特に限定されないが、オキシランを2つ以上有する化合物が好ましい。
また、オキシランを有するモノマーと共重合を行う他のモノマーとの具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド及びN−フェニルマレイミド等を挙げることができる。
これらの中でも、商品名「アラルダイトCY184」、商品名「セロキサイド2021P」、商品名「テクモアVG3101L」、商品名「エピコート828」は、得られるポリイミド膜の平坦性が特に良好であるため好ましい。
インクジェット用インクは、アクリル樹脂をさらに含んでもよい。インクジェット用インクに含まれるアクリル樹脂は、アクリル基やメタクリル基を有すれば特に限定されない。
これらのアクリル樹脂は1種のみを用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。
4.3 界面活性剤
インクジェット用インクの塗布性の向上を望むときには、かかる目的に沿った界面活性剤を添加できる。界面活性剤の具体例としては、商品名「Byk−300」、「Byk−306」、「Byk−335」、「Byk−310」、「Byk−341」、「Byk−344」、「Byk−370」(ビック・ケミー(株)製)等のシリコン系界面活性剤;商品名「Byk−354」、「ByK−358」、「Byk−361」(ビック・ケミー(株)製)等のアクリル系界面活性剤、商品名「DFX−18」、「フタージェント250」、「フタージェント251」(ネオス(株)製)等のフッ素系界面活性剤を挙げることができる。
これらの界面活性剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤は、下地基板への濡れ性、レベリング性、又は塗布性を向上させるために使用するものであり、インクジェット用インク100重量部に対し0.01〜1重量部添加して用いられることが好ましい。
帯電防止剤は、特に限定されるものではなく、公知の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物などの金属酸化物や四級アンモニウム塩などが挙げられる。
これらの帯電防止剤は、1種のみを用いてもよく、また、2種以上を混合して用いてもよい。
帯電防止剤は、帯電を防止するために使用するものであり、インクジェット用インク100重量部に対し0.01〜1重量部添加して用いられることが好ましい。
カップリング剤は、特に限定されるものではなく、公知のカップリング剤を用いることができる。添加されるカップリング剤はシランカップリング剤が好ましく、具体的には、トリアルコキシシラン化合物又はジアルコキシシラン化合物などを挙げることができる。好ましくは、例えば、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が例示できる。これらの中でも、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
カップリング剤は、インクジェット用インク100重量部に対し0.01〜3重量部添加して用いられることが好ましい。
エポキシ硬化剤は、特に限定されるものではなく、公知のエポキシ硬化剤を用いることができる。具体的には、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾール及びその誘導体、ジシアンジアミド、芳香族アミン、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物などが挙げられる。さらに具体的には、ジシアンジアミド等のジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の有機酸ジヒドラジド、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチルイミダゾリル−(1')]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物などの酸無水物などが挙げられる。
中でも透明性が良好なトリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物が好ましい。
エポキシ硬化剤は、インクジェット用インク100重量部に対し0.2〜5重量部添加して用いられることが好ましい。
本発明においてインクジェット用インクの粘度は特に限定されないが、常温(25℃)でジェッティングを行う場合は、その粘度が1〜50mPa・sであると、インクジェット塗布方法によるジェッティング精度が向上する点で好ましい。また、25℃におけるインクジェット用インクの粘度は、より好ましくは5〜30mPa・s、さらに好ましくは8〜15mPa・s(25℃)である。粘度が15mPa・s(25℃)より小さいと、インクジェット吐出不良が生じることがない。
インクヘッドを加熱してジェッティングを行う場合は、加熱温度(好ましくは40〜120℃)におけるインクジェット用インクの粘度は1〜50mPa・sが好ましく、5〜30mPa・sであればさらに好ましく、8〜15mPa・sが特に好ましい。加熱温度における粘度が15mPa・sより小さいと、インクジェット吐出不良が生じることがない。
本発明のインクジェット用インクを、基板表面にインクジェットにより塗布し、ホットプレート、またはオーブンなどで加熱処理して全面または所定のパターン状(例えばライン状)のポリイミド膜が形成される。また、本発明のポリイミド膜の形成は、加熱処理に限定されず、UV処理やイオンビーム、電子線、ガンマ線などの処理でもよい。
インクジェット塗布方法には、インクの吐出方法により各種のタイプがある。吐出方法としては、例えば圧電素子型、バブルジェット(登録商標)型、連続噴射型、静電誘導型などが挙げられる。本発明にかかるインクは、インクに含まれる各成分を適正に選択することにより、様々な方法でジェッティングが可能であり、インクジェット用インクを予め定められたパターン状に塗布することができる。
インクジェット塗布方法を用いて、基板上に、本発明のインクジェット用インクをインクジェットによって塗布した後、ホットプレート、またはオーブンなどでの加熱により溶媒を気化等させて除去する、すなわち乾燥することによってポリアミド酸の膜を形成することができる。
加熱条件は各成分の種類および配合割合によって異なるが、通常70〜120℃で、オーブンを用いた場合5〜15分間、ホットプレートを用いた場合1〜5分間でポリアミド酸の膜が形成される。
ポリアミド酸の膜を形成後、ポリアミド酸をイミド化させるために180〜350℃、好ましくは200〜300℃で、オーブンを用いた場合30〜90分間、ホットプレートを用いた場合5〜30分間加熱処理することによってポリイミド膜を得ることができる。
ポリアミド酸の膜がパターン状に形成されている場合には、パターン状のポリイミド膜が形成される。本明細書では、特に言及のない限り、ポリイミド膜は、パターン状のポリイミド膜を含むものとする。
本発明のフィルム基板は、例えば、インクジェット等の方法により配線が形成されたポリイミドフィルム等の基板上に、本発明のインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって全面または所定のパターン状(ライン状等)に塗布し、その後、当該基板を乾燥し、さらに加熱してポリイミド膜が形成されて得られる。
例えば、予め配線が形成されたポリイミドフィルム等のフィルム基板上に、本発明のインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布し、その後、当該フィルム基板を乾燥し、さらに加熱することによって、絶縁性を有するポリイミド膜で被覆されたフレキシブルな電子部品が得られる。
3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物:ODPA
3,3',4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物:BTDA
2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物:6FDA
ジアミン(a2)
3,3'−ジアミノジフェニルスルホン:DDS
上記式(4)において、R5、R6がともにメチルであり、R7がメチレンであり、xが3でありyが10〜15程度である化合物の混合物:FM3311(商品名、チッソ(株)製)
p−フェニレンジアミン:PDA
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン:HFBA
上記式(10)で表される化合物:7H2H
モノアミン(a3)
3−アミノプロピルトリエトキシシラン:S330
酸無水物基を2つ以上有する化合物(a4)
トリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド:TESA
溶媒(B)
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル:EDM
γ−ブチロラクトン:GBL
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた500mlの四つ口フラスコに、表1に示すとおりに原料を仕込み、乾燥窒素気流下40℃で5hr攪拌したところ、淡黄色透明なポリアミド酸の25重量%溶液を得た。この溶液の粘度は7.3mPa・s(25℃)であり、重量平均分子量は3,400であった。
表1に示すとおりに原料を仕込むこと以外は合成例1と同じ条件でポリアミド酸溶液を調製し、それぞれをポリアミド酸(2)〜(10)として使用した。
得られたポリアミド酸(2)〜(10)の重量平均分子量を合成例1と同じ条件で測定した。これらの測定結果は表1に示すとおりであった。
合成例1で合成されたポリアミド酸(1)0.2gと合成例2で合成されたポリアミド酸(2)99.8g混合してインクジェット用インク(1)とした。
得られたインクジェット用インク(1)の粘度を合成例1と同じ条件で測定したところ、12.2mPa・s(25℃)であった。
FUJIFILM Dimatix社製インクジェット塗布装置DMP−2831で1.5mm厚のガラスエポキシ樹脂両面銅張り板上に1ドット幅でドットピッチ40ミクロンに設定し、長さ5cmのライン塗布を常温(25℃)で行った。インクジェットヘッドのヒーターの設定をOFFとし、ピエゾ電圧は16V、駆動周波数は5kHzとした。基板を80℃のホットプレートで5分間乾燥した後、230℃のオーブンで30分間加熱し、ライン状に形成された絶縁性のポリイミド膜(1)を得た。
得られたポリイミド膜のライン幅、エッジの直線性を光学顕微鏡で観察し、膜厚を測定した。膜厚はKLA−Tencor Japan株式会社製触針式膜厚計αステップ200を使用し、3箇所の測定値の平均値を膜厚とした。その結果を表2に示す。ライン幅はほぼ塗布したときの幅を維持しており、ラインのエッジの直線性も良好であり、ラインは十分な厚みを有している。
表2に示すとおりにポリアミド酸を混合すること以外は実施例1と同じ条件でインクジェット用インクを調製し、それぞれをインクジェット用インク(2)〜(9)とした。得られたインクジェット用インクの粘度をそれぞれ表2に示す。
インクジェット用インク(2)〜(9)を使用して、実施例1と同じ条件でポリイミド膜(2)〜(9)を得た。
得られたポリイミド膜について、実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果を表2に示す。すべてのインクジェット用インクにおいてライン幅はほぼ塗布したときの幅を維持しており、ラインのエッジの直線性も良好であり、ラインは十分な厚みを有している。
合成例1で用いた500mlの四つ口フラスコに、以下に示すとおりに原料を仕込み、乾燥窒素気流下40℃で5hr攪拌して、淡黄色透明なポリアミド酸(C1)の18重量%溶液を得た。この溶液の粘度は19.0mPa・s(25℃)であり、重量平均分子量は9,500であった。
ODPA 16.6g
FM3311 35.6g
S330 7.8g
EDM 273.3g
ポリアミド酸(C1)の溶液をそのままインクジェット用インク(C1)とした。
インクジェット用インク(C1)をインクジェット用インクとして使用した以外は、実施例1と同じ条件でポリイミドの絶縁膜(C1)を得た。
得られたポリイミド膜(C1)について、実施例1と同じ条件で評価を行った。その結果、ポリイミド膜(C1)のライン幅は110〜170μmとなり、塗布したときの幅より大幅に広がってしまった。また、得られたポリイミド膜(C1)のラインのエッジの直線性も不十分でギザギザがあった。ポリアミド酸の濃度が小さいため得られたポリイミド膜(C1)のラインの膜厚は0.2μmであり、充分な厚さが得られなかった。
また、インクジェット用インク(2)〜(9)および(C1)の水分量を、メトロームシバタ社製KFティトリーノ787型水分計(カールフィッシャー法)により測定した。これらの測定結果は表2に示すとおりであった。
実施例1で得られたインクジェット用インク(1)を使用し、FUJIFILM Dimatix社製インクジェット塗布装置DMP−2831で750um厚のガラス基板上にドットピッチ40ミクロンに設定し、図1の左側に示すようなパターン塗布を30℃で行った。インクジェットヘッドのヒーターの設定をONとし、ピエゾ電圧は15V、駆動周波数は20kHzとした。基板を80℃のホットプレートで5分間乾燥した後、230℃のオーブンで30分間加熱し、パターン状に形成された絶縁性のポリイミド膜(10)を得た。
インクジェット用インク(1)を塗布して得られたポリイミド膜(10)のパターンおよびこのパターンの均一性を光学顕微鏡で観察した。その結果を図1の右側に示す。
図1に示されるように、実施例10のポリイミド膜はパターンどおりの樹脂膜が形成された。
Claims (26)
- 下記一般式(1)
(式中、R1とR2はそれぞれ独立して炭素数2〜100の有機基である。)
で表される構成単位を有し、下記一般式(21)および一般式(22)
(式中、R3はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜20のアルキル又は炭素数1〜20のアルコキシであり、R4はそれぞれ独立して炭素数1〜20の有機基である。)
で表される分子末端基の群から選ばれる1以上の分子末端基を有する重量平均分子量が1,000〜4,500であるポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インク。 - さらに溶媒(B)を含む請求項1に記載のインクジェット用インク。
- 溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノンおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、請求項2に記載のインクジェット用インク。
- 溶媒(B)が、溶媒全重量に対してアミド系溶媒を20重量%以上含まない、請求項2または3に記載のインクジェット用インク。
- 溶媒(B)が、アミド系溶媒を含まない、請求項2または3に記載のインクジェット用インク。
- ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜3,500である、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)25〜60重量部を含む請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インクジェット用インクに含まれる水分量が10,000ppm以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- インクジェット用インクに含まれる水分量が5,000ppm以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット用インク。
- 少なくとも、下記一般式(31)で表されるモノアミン(a3)、および下記一般式(32)で表される酸無水物基を1つ有する化合物(a4)とからなる群から選ばれる1以上と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)と、ジアミン(a2)とを反応させる工程を有する、重量平均分子量が1,000〜4,500であるポリアミド酸(A)を含むインクジェット用インクの製造方法。
(式中、R3はそれぞれ独立して水素、炭素数1〜20のアルキル又は炭素数1〜20のアルコキシであり、R4はそれぞれ独立して炭素数1〜20の有機基である。) - 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)が、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4ージカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上である、請求項10に記載のインクジェット用インクの製造方法。
- ジアミン(a2)が、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]4−メチルシクロヘキサン、 1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、下記式(4)
(式中、R5およびR6は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R7は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。)
で表される化合物および下記式(IX)
(式中、A3は、単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−または−(CH2)m−(式中、mは1〜6の整数である)であり、
R6は、ステロイド骨格を有する基、シクロヘキサン環とベンゼン環とからなる群から選ばれる1以上を有する基、または、ベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラ位のときは炭素数1〜30のアルキル、もしくは該位置関係がメタのときは炭素数1〜10のアルキルまたはフェニルであり、
該アルキルにおいては、任意の−CH2−が−CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、−CH3が−CH2F、−CHF2または−CF3で置き換えられていてもよく
該フェニルの環形成炭素に結合している水素は、−F、−CH3、−OCH3、−OCH2F、−OCHF2または−OCF3と置き換えられていてもよい。)
で表される化合物からなる群から選ばれる1以上である、請求項10に記載のインクジェット用インクの製造方法。 - インクジェット用インクが溶媒(B)をさらに含む、請求項10〜12のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノンおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、請求項13に記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)が、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物およびブタンテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上であり、
ジアミン(a2)が、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、式(4)
(式中、R5およびR6は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R7は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。)の化合物、p−フェニレンジアミン、および式(IX−1)〜(IX−11)
(式中、R18、R19は炭素数1〜30の有機基である。)の化合物からなる群から選ばれる1以上であり、
モノアミン(a3)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上であり、
酸無水物基を1つ有する化合物(a4)が、p−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、p−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、トリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリド、下記式(α)で表される化合物、および、下記式(β)で表される化合物からなる群から選ばれる1以上
であり、
溶媒(B)が、乳酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチルおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、請求項13または14に記載のインクジェット用インクの製造方法。 - 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a1)が、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物および2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物からなる群から選ばれる1以上であり、
ジアミン(a2)が、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、式(4)
(式中、R5およびR6は独立して炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R7は独立してメチレン、フェニレンまたはアルキル置換されたフェニレンであり、xは独立して1〜6の整数であり、yは1〜15の整数である。)
の化合物、p−フェニレンジアミン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンおよび式(10)の化合物からなる群から選ばれる1以上であり、
モノアミン(a3)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランおよび3−アミノプロピルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1以上であり、
酸無水物基を1つ有する化合物(a4)が、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドおよびトリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドからなる群から選ばれる1つ以上であり、
溶媒(B)が、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルおよびγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる1以上である、請求項13または14に記載のインクジェット用インクの製造方法。 - 溶媒(B)が、溶媒全重量に対してアミド系溶媒を20重量%以上含まないことを特徴とする請求項13〜16のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 溶媒(B)が、アミド系溶媒を含まない請求項13〜16のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- ポリアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜3,500である、請求項10〜18のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- インクジェット用インク100重量部に対して、ポリアミド酸(A)25〜60重量部を含む、請求項10〜19のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法。
- 請求項10〜20のいずれかに記載のインクジェット用インクの製造方法を用いて製造されたインクジェット用インク。
- 請求項1〜9および21のいずれかに記載のインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布してポリアミド酸膜を形成する工程、および、
ポリアミド酸膜を加熱処理してポリイミド膜を形成する工程、を経て得られたポリイミド膜またはパターン状ポリイミド膜。 - 請求項1〜9および21のいずれかに記載のインクジェット用インクをインクジェット塗布方法によって塗布してから乾燥させてポリアミド酸膜を形成する工程、および、ポリアミド酸膜を加熱処理してポリイミド膜を形成する工程を含むインク塗布方法。
- 請求項23に記載のインク塗布方法を用いてポリイミド膜を形成する、ポリイミド膜形成方法。
- 請求項24に記載のポリイミド膜形成方法で基板上にポリイミド膜が形成されたフィルム基板。
- 請求項25に記載のフィルム基板を有する電子部品。
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