JP2011256140A - 新規なシリコンイミド化合物およびその製造方法、ならびにその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(1)で表されるシリコン化合物および式(2)で表されるシリコン化合物から選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物(A)と、加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とを用いて合成されたシリコンアミド酸化合物を、イミド化して得られるシリコンイミド化合物。
[式(1)および(2)中、R1、R5およびR6はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシまたはアセトキシであり、R2〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル等である。]
【選択図】なし
Description
例えば、(A)特定構造のポリアミド酸および特定構造の可溶性ポリイミドからなるマトリックス樹脂の群の少なくとも1種と、(B)M(OR6)nR7mで表される化合物、特定構造の硝酸化合物および特定構造のジピバロイルメタン化合物からなる金属化合物の群の少なくとも一種と、(C)特定構造のアミン化合物、特定構造の酢酸化合物、特定構造のアセトン化合物、特定構造のアミド酸および下記に示される分子鎖末端にアルコキシル基を有するイミド(イミド化合物)からなる安定剤の群の少なくとも一種とからなる高誘電性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献8参照)。前記組成物は、耐熱性の高いポリアミド酸および可溶性ポリイミドの少なくとも一種からなるマトリックス樹脂と、高誘電性の金属化合物と、安定剤としてのイミド化合物とを、水とともに混合して得られる、特殊な高誘電性樹脂組成物である。
また、(a)ポリシロキサン、(b)キノンジアジド化合物、(c)溶剤、(d)下記に示されるイミドシラン化合物(イミド化合物)を含有する感光性シロキサン組成物が提案されている(例えば、特許文献9参照)。
で置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシまたは任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシであり、R2〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルである。]
[2]前記化合物(A)と、前記化合物(B)と、さらに、酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)および一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)とを用いて合成されたシリコンアミド酸化合物を、イミド化して得られる前記[1]に記載のシリコンイミド化合物。
[3]加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)が式(3)で表される化合物であり、加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)が式(4)で表される化合物である前記[1]または[2]に記載のシリコンイミド化合物。
任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、且つR9〜R11の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシ
から選ばれる基である。
式(4)中、Bは炭素数1〜20の二価の有機基であり、R12〜R14はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、且つR12〜R14の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシから選ばれる基である。]
[4]酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)が式(5)で表されるテトラカルボン酸無水物であり、一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)が式(6)で表されるジアミンである前記[2]に記載のシリコンイミド化合物。
[5]加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)が、p−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、p−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドおよびトリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドからなる群から選ばれる1種以上であり、
加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1種以上である
前記[1]〜[4]の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物。
[6](I)式(1)で表されるシリコン化合物および式(2)で表されるシリコン化合物から選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物(A)と、加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とを用いて、シリコンアミド酸化合物を合成する工程、ならびに
(II)前記シリコンアミド酸化合物をイミド化する工程
を有するシリコンイミド化合物の製造方法。
で置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシまたは任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシであり、R2〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルである。]
[7]工程(I)において、前記化合物(A)と、前記化合物(B)と、さらに、酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)および一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)とを用いる前記[6]に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
[8]加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)が式(3)で表される化合物であり、加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)が式(4)で表される化合物である前記[6]または[7]に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、且つR9〜R11の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシ
から選ばれる基である。
式(4)中、Bは炭素数1〜20の二価の有機基であり、R12〜R14はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、且つR12〜R14の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシから選ばれる基である。]
[9]酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)が式(5)で表されるテトラカルボン酸無水物であり、一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)が式(6)で表されるジアミンである前記[7]に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
[10]工程(II)において、前記シリコンアミド酸化合物を、70〜230℃で1.5〜10時間加熱還流する前記[6]〜[9]の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
[11]工程(II)において、反応溶媒の存在下で加熱還流し、加熱還流後に反応溶媒ならびに前記化合物(A)および前記化合物(B)の未反応物を留去する前記[10]に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
[12]工程(II)において、前記シリコンアミド酸化合物をアルコール系溶媒の存在下でイミド化する前記[6]〜[11]の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
[13]前記[1]〜[5]の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物を含むコーティング用組成物。
[14]前記[1]〜[5]の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物と溶媒(D)とを含むインクジェットコーティング用組成物。
[15]前記シリコンイミド化合物の含有量が、組成物全量に対して、5〜95重量%である前記[14]に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[16]インクジェット吐出温度における粘度が、1〜50mPa・sである前記[14]または[15]に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[17]溶媒(D)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、
ジフェニルジメトキシシランおよびジフェニルジエトキシシランからなる群から選ばれる1種以上を含有する溶媒である前記[14]〜[16]の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[18]溶媒(D)全量に対して、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−ビニル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムおよびカルバミド酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒の含有量が、0を越え、20重量%以下である前記[14]〜[17]の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[19]溶媒(D)全量に対して、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−ビニル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムおよびカルバミド酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒の含有量が、0重量%である前記[14]〜[17]の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[20]溶媒(D)の含有量が、組成物全量に対して、5〜95重量%である前記[14]〜[19]の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[21]溶媒(D)の含有量が、組成物全量に対して、30〜75重量%である前記[14]〜[19]の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[22]さらに、高分子化合物、アルケニル置換ナジイミド化合物、シリコンアミド酸化合物、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤およびエポキシ硬化剤からなる群から選ばれる1種以上を含む前記[14]〜[21]の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[23]高分子化合物が、テトラカルボン酸二無水物(e1)とジアミン(e2)とを少なくとも用いて得られ、式(7)で表される構成単位を有するポリアミド酸またはそのイミド化重合体である前記[22]に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[24]高分子化合物が、重量平均分子量1,000〜10,000のポリアミド酸またはそのイミド化重合体である前記[23]に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[25]エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキシランを有するモノマーの重合体、およびオキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体からなる群から選ばれる1種以上である前記[22]に記載のインクジェットコーティング用組成物。
[26]エポキシ樹脂が、式(I)〜(V)からなる群から選ばれる1種以上である前記[22]に記載のインクジェットコーティング用組成物。
る。]
[27]前記[13]〜[26]の何れか一項に記載のコーティング用組成物から得られる硬化膜。
[28]前記[13]〜[26]の何れか一項に記載のコーティング用組成物から得られる、イミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜。
[29]前記[13]〜[26]の何れか一項に記載のコーティング用組成物をインクジェット塗布方法によって基板上に塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を硬化処理して得られる、イミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜。
[30]前記[13]〜[26]の何れか一項に記載のコーティング用組成物をインクジェット塗布方法によって基板上に塗布して塗膜を形成する工程、および前記塗膜を硬化処理する工程を含む、イミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜の形成方法。
[31]前記[27]に記載の硬化膜を保護膜あるいは絶縁膜として用いた液晶表示素子。
[32]前記[28]または[29]に記載のイミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜が基板上に形成されたフィルム基板。
[33]前記[32]に記載のフィルム基板を有する電子部品。
[34]前記[28]または[29]に記載のイミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜が基板上に形成されたシリコンウエハー基板。
[35]前記[34]に記載のシリコンウエハー基板を有する電子部品。
さらに、(3)粘度、溶剤の沸点などの様々なパラメータをインクジェット用に最適化したインクジェットコーティング用組成物であって、インクジェットヘッドの耐久性を低下させない溶媒を使用できるインクジェットコーティング用組成物を提供することもできる。また、前述の特性(1)および(2)、好ましくはさらに特性(3)を有するコーティング用組成物を実現可能な、新規なイミド化合物を提供することができる。
[1.シリコンイミド化合物]
本発明のシリコンイミド化合物は、後述するシリコン化合物(A)と、加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とを少なくとも用いて合成されたシリコンアミド酸化合物を、イミド化して得られる。
(イ)加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)を用いる場合、例えば、上記酸無水物基を有する化合物を、必要に応じて上記一級アミノ基を有する化合物とともに用いればよい。
(ロ)加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)を用いる場合、例えば、上記一級アミノ基を有する化合物を、必要に応じて上記酸無水物基を有する化合物とともに用いればよい。
(ハ)加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)をともに用いる場合、シリコン化合物(A)以外に他の反応原料を用いる必要はないが、必要に応じて上記酸無水物基を有する化合物および/または上記一級アミノ基を有する化合物を用いてもよい。
挙げられ、前記アルコキシが好ましい。
シリコン化合物(A)は、下記式(1)で表されるシリコン化合物および下記式(2)で表されるシリコン化合物から選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物である。シリコン化合物(A)を用いることにより、化合物(B)に由来する加水分解性シリル同士の脱水・縮合反応が抑制された(保存安定性に優れた)、本発明のシリコンイミド化合物を得ることができる。
で置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシまたは任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシであり、R2〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルである。R2〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に前記アルキルまたは前記アリールであることが好ましい。ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
1.2.1 加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)
加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)としては、例えば、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、且つR9〜R11の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシ
から選ばれる基である。R9〜R11はそれぞれ独立に前記アルコキシであることが好まし
い。ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記Aにおける炭素数1〜20の二価の有機基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基などが挙げられる。
加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)は1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)としては、例えば、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
アルケニルであり、且つR12〜R14の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシから選ばれる基である。R12〜R14はそれぞれ独立に前記アルコキシまたは前記アルキルであることが好ましい。ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記Bにおける炭素数1〜20の二価の有機基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基などが挙げられる。
加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)は1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1.3.1 酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)
酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)としては、好ましくは、下記式(5)で表されるテトラカルボン酸無水物が挙げられる。
−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、3,3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン琥珀酸二無水物および下記式a1−1〜a1−61で表される化合物が挙げられる。
酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)は1種で用いてもよく、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)としては、例えば、下記式(6)で表されるジアミンが挙げられる。前記化合物(c2)の一級アミノ基数は、好ましくは2である。
れる。
式(III)、(V)および(VII)中、A2は、単結合、−O−、−S−、−S−S−、
−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−(CH2)n−、−O−(CH2)n−O−または−S−(CH2)n−S−であり、
ここでnは1〜6の整数である。
式(VI)および(VII)中、2つ存在するA3は、それぞれ独立に単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−または炭素数1〜3のアルキレンである。
以上の式(I)〜(VII)において、シクロヘキサン環またはベンゼン環が有する少な
くとも1つの水素は、−Fまたは−CH3で置き換えられていてもよい。
される化合物が挙げられる。
表される化合物が挙げられる。
〜(IV−5)、式(V−1)〜(V−13)、式(V−26)、式(V−27)、式(V−30)、式(VI−1)、式(VI−2)、式(VI−6)、式(VII−1)〜(VII−5)、式(VII−8)、式(VII−10)で表される化合物である。
ミノフェノキシ)フェニル]プロパン(VII−8)、2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(VII−10)が特に好ましい。
NH−または−(CH2)p−であり、ここでpは1〜6の整数である。R6は、ステロイ
ド骨格を有する基、または、シクロヘキサン環およびベンゼン環からなる群より選ばれる少なくとも1種の環構造を有する基である。なお、ベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラ位のときは、R6は炭素数1〜30のアルキルであってもよく、前
記位置関係がメタ位のときは、R6は炭素数1〜10のアルキル、または−F、−CH3、−OCH3、−OCH2F、−OCHF2もしくは−OCF3で置き換えられていてもよいフェニルであってもよい。
状であっても分岐を有してもよい。これらのアルキルにおいては、任意の−CH2−が−
CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−または−C≡C−に置き換えられていて
もよく、任意の−CH3が−CH2F、−CHF2または−CF3に置き換えられていてもよい。
〜30の有機基であり、炭素数3〜12のアルキルまたは炭素数3〜12のアルコキシであることが好ましく、炭素数5〜12のアルキルまたは炭素数5〜12のアルコキシであることがさらに好ましい。
1〜30の有機基であり、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシであることが好ましく、炭素数3〜10のアルキルまたは炭素数3〜10のアルコキシであることがさらに好ましい。
4〜16のアルキルであることが好ましく、炭素数6〜16のアルキルであることがさらに好ましい。
〜12のアルコキシであることが好ましい。
ぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルであり、2つ存在するA6はそれぞれ独立に単結合、−C(=O)−または−CH2−である。
の結合位置に対して、メタ位またはパラ位に結合していることが好ましい。
に対してメタ位またはパラ位に結合していることが好ましい。
もよく、2つ存在するA7はそれぞれ独立に−O−または炭素数1〜6のアルキレンであ
り、A8は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、環Tは1,4−フェニレンま
たは1,4−シクロヘキシレンであり、hは0または1である。
のアルキルが好ましい。R19は水素または炭素数1〜30のアルキルであり、これらの中でも炭素1〜10のアルキルが好ましい。2つ存在するA9はそれぞれ独立に−O−また
は炭素数1〜6のアルキレンである。
てメタ位またはパラに結合していることが好ましい。また、式(XII)中、2つのアミノ
基はそれぞれフェニル環炭素に結合しているが、A9に対してメタ位またはパラ位に結合
していることが好ましい。
式(XI−4)〜(XI−9)中、R21は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、水素または炭素数1〜10のアルキルであることが好ましい。
る化合物が挙げられる。
ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,6−ビス(4−((4−アミノフェニル)メチル)フェニル)ヘキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン,N,N’−ビス(3−アミノプロピル
)エチレンジアミン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンおよびネオペンチルグリコールビス(4−アミノフェニル)エーテルも挙げられる。
一級アミノ基を2つ以上有する化合物も用いることができる。例えば、ナフタレン構造を有するナフタレン系ジアミン、フルオレン構造を有するフルオレン系ジアミン、またはシロキサン結合を有するシロキサン系ジアミンなどを単独で、または他の一級アミノ基を2つ以上有する化合物として挙げた化合物と混合して用いることができる。
2つのxはそれぞれ独立に1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。複数存在するR3、R4およびR5は、それぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
なく、本発明の目的が達成される範囲内で、他にも種々の形態の一級アミノ基を2つ以上有する化合物を用いることができる。
本発明のシリコンイミド化合物の製造方法は、(I)シリコン化合物(A)と、加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とを少なくとも用いて、シリコンアミド酸化合物を合成する工程、ならびに(II)前記シリコンアミド酸化合物をイミド化する工程を有する。
所望のシリコンアミド酸化合物を合成できれば、反応原料の組合せは特に限定されないが、工程(I)において、シリコン化合物(A)および加水分解性シリルを有する化合物(B)に加えて、さらに酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)および一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を用いることが好ましい。
反応原料の詳細は、上述したとおりである。
上記シリコンアミド酸化合物は、シリコン化合物(A)と、加水分解性シリルを有する化合物(B)と、必要に応じて前記成分以外の反応原料(例えば、上記化合物(C))とを加えて、穏やかな反応条件下で合成することができる。
シリコン化合物(A)および加水分解性シリルを有する化合物(B)の仕込み量は、加水分解性シリルを有する化合物(B)1モルに対して、シリコン化合物(A)を0.5〜10.0モル用いることが好ましく、0.7〜5.0モル用いることがより好ましく、1.0〜3.0モル用いることがさらに好ましい。
以上有する化合物(c1)および一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)の仕込み量は、加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)と酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)とを合わせた酸無水物基当量1モルに対して、加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)と一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)とを合わせたアミノ基当量で0.5〜2.0モル用いることが好ましく、0.7〜1.5モル用いることがより好ましく、1.0〜1.2モル用いることがさらに好ましい。
上記シリコンアミド酸化合物(およびシリコンアミド化合物)を合成する際に用いられる反応溶媒は、シリコンアミド酸化合物(およびシリコンアミド化合物)が合成できれば特に限定されるものではない。
して、50重量部以上用いることが好ましい。
反応原料の反応系への添加順序は、特に限定されない。例えば、
・シリコン化合物(A)、加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、ならびに酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)および一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を同時に反応溶媒に加える方法、・シリコン化合物(A)、加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)および一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)を反応溶媒中に溶解させた後に、前記反応溶媒に加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)を添加する方法、
・加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)、ならびに酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)および一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を同時に反応溶媒に添加した後、前記反応溶媒にシリコン化合物(A)を添加する方法、
など何れの方法も用いることができる。
本発明のシリコンイミド化合物は、上記シリコンアミド酸化合物をイミド化することにより製造することができる。イミド化は、熱的方法あるいは脱水触媒および脱水剤を用いた化学的方法により進めることができるが、精製処理を行わないで使用できる熱的方法により進めることが好ましい。
[3.コーティング用組成物、インクジェットコーティング用組成物]
本発明のコーティング用組成物は、上述のシリコンイミド化合物を含み、好ましくはシリコンイミド化合物と溶媒(D)とを含む。本発明のコーティング用組成物は、さらにその他の添加剤を含んでもよい。なお、本発明のコーティング用組成物は、有色または無色のどちらであっても構わない。本発明のコーティング用組成物は、インクジェットコーティング用組成物として好ましく用いることができる。また、本発明のインクジェットコーティング用組成物は、有色または無色のどちらであっても構わない。
本発明のコーティング用組成物は、上述のシリコンイミド化合物を含む。前記コーティング用組成物中のシリコンイミド化合物の含有量は、5〜95重量%であることが好ましく、25〜70重量%であることがより好ましく、30〜50重量%であることがさらに好ましい。このような濃度範囲であると、本発明のコーティング用組成物をインクジェット印刷に用いた場合に、一回のジェッティングで比較的厚いポリイミド膜(例えば2μm以上)を形成することが可能であり、しかも、該組成物の粘度をインクジェット印刷可能な粘度範囲に調整することができる。
本発明のコーティング用組成物は、溶媒(D)を含むことが好ましい。溶媒(D)は、本発明のシリコンイミド化合物を溶解することができる溶媒であれば、特に制限されない。また、単独ではシリコンイミド化合物を溶解しない溶媒であっても、他の溶媒と混合することによってシリコンイミド化合物を溶解するようになるのであれば、そのような混合溶媒を、上記溶媒(D)として用いることが可能である。
溶媒(D)の沸点は、通常150〜300℃、好ましくは150〜250℃である。
ジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル(1−ブトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(1−エトキシ−2−プロパノール)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ−2−プロパノール)、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランおよびジフェニルジエトキシシランを含有する溶媒を挙げることができる。
溶媒(D)は1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
目的とする特性によっては、本発明のコーティング用組成物は、高分子化合物、アルケニル置換ナジイミド化合物、シリコンアミド酸化合物、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤およびエポキシ硬化剤からなる群から選ばれる1種以上、さらに、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、顔料、染料などの添加剤を含んでもよい。
高分子化合物としては、例えば、ポリアミド酸、可溶性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸エステル、ポリエステル、アクリル酸ポリマー、アクリレートポリマー、ポリビニルアルコールおよびポリオキシエチレンが挙げられ、ポリアミド酸および可溶性ポリイミドなどのポリイミド系高分子化合物が好ましい。
00である。
重量平均分子量が1,000以上であると、加熱処理によって蒸発することがなく、化学的・機械的に安定である。また重量平均分子量が2,000以下であると、高分子化合物の溶媒(D)に対する溶解性が特に高いので、コーティング用組成物中の高分子化合物濃度を高くすることができる。このため、コーティング用組成物をインクジェットに適用した場合の、コーティング用組成物を塗布して得られる塗膜の柔軟性と耐熱性とを向上させることができる。
アルケニル置換ナジイミド化合物は、分子内に少なくとも1つのアルケニル置換ナジイミド構造を有する化合物であれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、国際公開第2008/059986号パンフレットに記載されている、式(II-1)で表されるアルケニル置換ナジイミド化合物等が挙げられる。
n=1のとき、R16は水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリール、ベンジル、−{(CqH2q)Ot(CrH2rO)uCsH2sX}(ここで、q、r、sはそれぞれ独立に2〜
6の整数、tは0または1の整数、uは1〜30の整数、Xは水素または水酸基である)で表されるポリオキシアルキレンアルキル、−(R)a−C6H4−R17(ここで、aは0
または1の整数、Rは炭素数1〜4のアルキレン、R17は水素または炭素数1〜4のアルキルを表す)で表される基、−C6H4−T−C6H5(ここで、Tは−CH2−、−C(C
H3)2−、−CO−、−S−またはSO2−である)で表される基、またはこれらの基の
芳香環に直結した1〜3個の水素が水酸基で置き換えられた基であり、
n=2のとき、R16は−CpH2p−(ここで、pは2〜20の整数である)で表される
アルキレン、炭素数5〜8のシクロアルキレン、−{(CqH2qO)t(CrH2rO)uCs
H2s}−(ここで、q、r、sはそれぞれ独立に2〜6の整数、tは0または1の整数、uは1〜30の整数である)で表されるポリオキシアルキレン、炭素数6〜12のアリーレン、−(R17)a−C6H4−R18−(ここで、aは0または1の整数、R17およびR18
はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレンである)で表される基、−C6H4−T−C6
H4−(ここで、Tは−CH2−、−C(CH3)2−、−CO−、−O−、−OC6H4C(CH3)2C6H4O−、−S−、−SO2−である)で表される基、またはこれらの基の芳
香環に直結する1〜3個の水素が水酸基で置き換えられた基である。
R14およびR15がそれぞれ独立に水素、炭素数1〜12のアルキル、炭素数3〜6のアルケニル、炭素数5〜8のシクロアルキル、炭素数6〜12のアリールまたはベンジルであり、
nが2であり、
R16が、−CpH2p−(ここで、pは2〜10の整数である)で表されるアルキレン、
−(R17)a−C6H4−R18−(ここで、aは0または1の整数、R17およびR18はそれ
ぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレンである)で表される基、または−C6H4−T−C6
H4−(ここで、Tは−CH2−、−C(CH3)2−、−CO−、−O−、−OC6H4C(CH3)2C6H4O−、−S−または−SO2−である)で表される基である、
アルケニル置換ナジイミド化合物が好ましい。
シリコンアミド酸化合物は、分子内にアミド酸構造を有するシリコンアミド酸化合物であれば特に限定されないが、例えば、国際公開第2008/123190号パンフレットに記載されている、分子内に少なくとも2つのアミド酸構造を有する、下記式(III)で
表されるシリコンアミド酸または下記式(IV)で表されるシリコンアミド酸が挙げられる。
(III-3)で表されるシリコンアミド酸が好ましい。式(IV)で表されるシリコンアミド
酸の中でも、下記式(IV-1)、(IV-2)、(IV-3)または(IV-4)で表されるシリコンアミド酸が好ましい。
なくとも一つは炭素数1〜20のアルコキシ基を含み、aは1〜20の整数である。
00の一価の有機基であり、Y’は炭素数1〜20の三価の有機基であり、X’は炭素数
1〜100の二価の有機基である。
立に水素、ハロゲンまたは炭素数1〜100の一価の有機基であり、R1、R2およびR3
の内の少なくとも一つは炭素数1〜20のアルコキシ基を含み、aは1〜20の整数である。式(IV-3)中のRは炭素数2〜30の一価の有機基である。式(IV-4)のRは水素または炭素数1〜20のアルキルである。
エポキシ樹脂は、オキシランやオキセタンを有する化合物であれば特に限定されないが、オキシランを2つ以上有する化合物が好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキシランを有するモノマーの重合体、オキシランを有するモノマーと他のモノマーと
の共重合体が挙げられる。
エポキシ樹脂は1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
である。
Rc、RdおよびReと同義である。
30の直鎖状または分枝状の二価の有機基であり、環構造または酸素を含んでいてもよく、環構造としては、フェニル、シクロヘキシル、ナフチル、シクロヘキセニル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルなどが挙げられる。
式(V−1)で表されるテトラカルボン酸二無水物1モルに対して、式(V−2)で表されるヒドロキシルを有する化合物を1.9〜2.1モル用いることが好ましく、式(V−2)で表されるヒドロキシルを有する化合物を1.95〜2.05モル用いることがさらに好ましく、式(V−2)で表されるヒドロキシルを有する化合物を2モル用いることが特に好ましい。式(V−2)で表されるヒドロキシルを有する化合物は、2種以上の化合物を併用してもよいが、1種であることが好ましい。
エポキシ樹脂は1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
アクリル樹脂は、アクリル基またはメタクリル基を有する樹脂であれば特に限定されない。アクリル樹脂としては、例えば、ヒドロキシルを有する単官能重合性モノマー、ヒドロキシルを有しない単官能重合性モノマー、二官能(メタ)アクリレートまたは三官能以上の多官能(メタ)アクリレートの単独重合体、あるいはこれらのモノマーの共重合体が挙げられる。
−ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが好ましい。
ルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、N−アクリロイルモルホリン、5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペンチル(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]およびシクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]を挙げることができる。
、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレートおよびウレタン(メタ)アクリレートを挙げることができる。
アクリル樹脂は1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
界面活性剤は、本発明のコーティング用組成物の下地基板への濡れ性、レベリング性、または塗布性を向上させるために使用することができ、その濃度は本発明のコーティング用組成物100重量%中、0〜1重量%であることが好ましい。
界面活性剤は1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
帯電防止剤は、本発明のコーティング用組成物の帯電を防止するために使用することができ、その濃度は本発明のコーティング用組成物100重量%中、0〜1重量%であることが好ましい。
帯電防止剤は1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
カップリング剤は、特に限定されるものではなく、公知のカップリング剤を用いることができ、その濃度は本発明のコーティング用組成物100重量%中、0〜3重量%であることが好ましい。
タクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランを挙げることができる。これらの中でも、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシランおよびγ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
カップリング剤は1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
エポキシ硬化剤は、特に限定されるものではなく、公知のエポキシ硬化剤を用いることができ、その濃度は本発明のコーティング用組成物100重量%中、0〜5重量%であることが好ましい。
エポキシ硬化剤は1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明のインクジェットコーティング用組成物の、インクジェットヘッドから吐出するときの温度(インクジェット吐出温度)における粘度は、通常1〜50mPa・s、好ましくは5〜30mPa・s、より好ましくは5〜20mPa・s、さらに好ましくは8〜15mPa・sである。粘度が前記範囲にあると、インクジェット塗布方法によるジェッティング精度が向上する。粘度が15mPa・sより小さいと、インクジェット吐出不良が生じることがない。
り小さいと、インクジェット吐出不良が生じることがない。
本発明のインクジェットコーティング用組成物の25℃における表面張力は、通常20〜45mN/m、好ましくは25〜35mN/mである。表面張力が前記範囲にあると、ジェッティングにより良好な液滴が形成でき、かつメニスカスを形成することができる。
本発明のインクジェットコーティング用組成物中の水分量は、10,000ppm以下が好ましく、5,000ppm以下がさらに好ましい。水分量が前記範囲にあると、インクジェットコーティング用組成物の粘度変化が少なく、保存安定性に優れる。
本発明の硬化膜は、本発明のコーティング用組成物から得られる。前記硬化膜は各種素子の保護膜あるいは絶縁膜として好適に用いられる。適用例としては、例えば、前記硬化膜を保護膜あるいは絶縁膜として用いた液晶表示素子を挙げることができる。
本発明のコーティング用組成物は、含有成分を適正に選択することにより、様々な方法で吐出が可能である。インクジェット塗布方法によれば、本発明のコーティング用組成物を予め定められたパターン状に塗布することができる。
した形態などを採用することができる。塗布装置は、シリアル塗布方式を採るもののほか、塗布媒体の全幅に対応した範囲にわたって塗布素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。
本発明のイミド化合物の膜の形成方法は、本発明のコーティング用組成物をインクジェット塗布方法によって基板上に塗布して塗膜を形成する工程、および前記塗膜を硬化処理する工程を含む。
本発明のイミド化合物の膜の膜厚は、通常0.5μm以上、好ましくは0.5〜5μmである。
本発明のフィルム基板は、例えば、配線が形成されたポリイミドフィルム等の基板上に、本発明のコーティング用組成物をインクジェット塗布方法等の方法によって全面または所定のパターン状(ライン状等)に塗布し、その後、上記で説明したように基板を乾燥し、さらに加熱してポリイミド膜を形成させて得られる。
本発明の電子部品は、上述のフィルム基板を有する電子部品、あるいは上述のシリコンウエハー基板を有する電子部品である。このように本発明のフィルム基板を利用して、フレキシブルな電子部品が得られる。また、本発明のシリコンウエハー基板を利用して、半導体電子部品が得られる。
TMES:トリメチルエトキシシラン
加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)
TESA:3−(トリエトキシシリル)プロピルサクシニックアンヒドリド
加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)
APSE:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)
ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
TMHQ:p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)
一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)
DDS :3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
3o2o2o3DA:ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル
溶媒(D)
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
GBL:γ−ブチロラクトン
NMP:1−メチル−2−ピロリドン
EtOH:エタノール
実施例における各物性の測定方法は、以下の通りである。
溶液の粘度は、25℃にて、E型粘度計(TOKYO KEIKI製 VISCONIC ELD)で測定した。また、保存安定性を見るために、室温(25℃)で180日保存後の粘度を測定した。
株式会社キーエンス製のカラーレーザー顕微鏡VK8710で観察した。ライン幅は、装置に付属している解析ソフトを用いて測定した。また、エッジの直線性は、目視で確認した。
KLA−Tencor Japan株式会社製の触針式膜厚計αステップ200を使用し、3箇所の測定値の平均値を膜厚とした。
コーティング用組成物をクロム基板上に塗布し、スピンコートにより薄膜を形成した後、所定の条件(所定の温度、時間)で乾燥させ、さらにオーブンに入れて所定の条件(所定の温度、時間)で硬化させた(イミド化合物の膜の厚み:2μm)。その後、得られたイミド化合物の膜上にアルミニウムを蒸着させて電極を作成した。
誘電率、誘電正接はLCR METER(HEWLETT PACKERD社製)を用いて、体積抵抗率、絶縁耐力はULTRAHIGH RESISTANCE METER 4263B(ADVANTEST社製)を用いて測定した。
温度計、攪拌機および原料投入口(ジムロート差込口)を備えた50mLの三つ口フラスコに、APSE(1.01g)、DDS(0.57g)、TMES(1.61g)およびODPA(1.42g)を投入し、溶媒であるEDM(5.56g)、GBL(1.45g)およびEtOH(4.13g)に溶解し、室温で終夜攪拌した。続いて、オイルバス設定130℃で3時間還流を行い、反応後の溶液を減圧してEtOHおよび未反応のTMESを重量減少がこれ以上見られなくなるまで留去し、25℃における粘度31.7mPa・sの黄色透明液を得た。この溶液を還流ジイミド(1)とした。
合成例1で用いたのと同様のフラスコに、BAPP(1.76g)、TMES(2.01g)およびTESA(2.61g)を投入し、溶媒であるEtOH(3.60g)に溶解して、室温で終夜攪拌して赤橙色の透明溶液を得た。続いて、オイルバス設定150℃で3時間還流を行い、合成例1と同様にEtOHおよび未反応のTMESを留去し、赤橙色粉末を得た。この粉末を濃度が30重量%となるようEDM/GBL=1/1(重量比)の混合溶媒に溶解したところ、25℃における粘度25.0mPa・sの黄色透明液体を得た。この溶液を還流ジイミド(2)とした。
合成例1で用いたのと同様のフラスコに、APSE(2.06g)、TMES(2.20g)およびTMHQ(2.14g)を投入し、溶媒であるEtOH(3.62g)に溶解して、室温で終夜攪拌して黄色透明液を得た。続いて、オイルバス設定130℃で3時間還流を行い、合成例1と同様にEtOHおよび未反応のTMESを留去し、粘調な赤橙色液体を得た。この液体を濃度が30重量%となるようEDM/NMP=1/1(重量比)の混合溶媒に溶解したところ、25℃における粘度32.4mPa・sの黄色透明液体を得た。この溶液を還流ジイミド(3)とした。
合成例1で用いたのと同様のフラスコに、3o2o2o3DA(1.63g)、TMES(3.48g)およびTESA(4.49g)を投入し、溶媒であるEtOH(5.40g)に溶解して、室温で終夜攪拌して黄色透明液を得た。続いて、オイルバス設定100℃で3時間還流を行い、合成例1と同様にEtOHおよび未反応のTMESを留去し、粘調な赤橙色液体を得た。この液体を濃度が30重量%となるようEDM/NMP=1/1(重量比)の混合溶媒に溶解したところ、25℃における粘度15.2mPa・sの黄色透明液体を得た。この溶液を還流ジイミド(4)とした。
合成例1で用いたのと同様のフラスコに、3o2o2o3DA(2.66g)、TMES(2.37g)、TESA(3.07g)およびTMHQ(0.92)を投入し、溶媒であるEtOH(6.00g)に溶解して、室温で終夜攪拌して黄色透明液を得た。続いて、オイルバス設定130℃で3時間還流を行い、合成例1と同様にEtOHおよび未反応のTMESを留去し、粘調な赤橙色液体を得た。この液体を濃度が30重量%となるようEDM/NMP=1/1(重量比)の混合溶媒に溶解したところ、25℃における粘度45.2mPa・sの黄色透明液体を得た。この溶液を還流ジイミド(5)とした。
合成例1〜5で合成された還流ジイミド(1)〜(5)について、それぞれ保存安定性を見るために、室温(25℃)で180日保存後の粘度を測定した。その結果を初期粘度と併せて表1に示す。
合成例1〜5で合成された還流ジイミド(コーティング用組成物)をクロム基板上に1mL塗布し、スピンコートにより薄膜を形成した後、80℃で5分間ホットプレート上で乾燥させ、180℃で60分間オーブンに入れて硬化させた。その後、得られたイミド化合物の膜上にアルミニウムを蒸着させて電極を作成した。電気的特性の評価結果を表2に示す。
合成例1で合成された還流ジイミド(1)を濃度が20重量%となるようEDM/GBL=1/1(重量比)の混合溶媒で希釈し、インクジェットコーティング用組成物(1)
とした。
合成例4で合成された還流ジイミド(4)を、そのままインクジェットコーティング用組成物(2)とした。
インクジェットコーティング用組成物(1)、(2)をそれぞれ用い、FUJIFILM Dimatix社製インクジェット塗布装置DMP−2831で、基板(1.5mm厚のガラスエポキシ樹脂両面銅張り板)上に、1ドット幅でドットピッチ40ミクロンに設定した長さ5cmのライン塗布を加温(40℃)で行った。インクジェットヘッドのヒーターの設定をOFFとし、ピエゾ電圧は16V、駆動周波数は5kHzとした。基板を80℃のホットプレートで5分間乾燥した後、180℃のオーブンで60分間加熱し、ライン状に形成されたイミド化合物の絶縁膜を得た。
合成例1で用いたのと同様のフラスコに、BAPP(1.76g)およびTESA(2.61g)を投入し、溶媒であるEtOH(3.60g)に溶解して、室温で終夜攪拌して赤橙色の透明液を得た。続いて、オイルバス設定150℃で3時間還流を行ったところ、反応溶液はゲル化してしまい、コーティング用組成物として取り出すことができなかった。
Claims (35)
- 式(1)で表されるシリコン化合物および式(2)で表されるシリコン化合物から選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物(A)と、加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とを用いて合成されたシリコンアミド酸化合物を、イミド化して得られるシリコンイミド化合物。
で置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシまたは任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシであり、R2〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルである。] - 前記化合物(A)と、前記化合物(B)と、さらに、酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)および一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)とを用いて合成されたシリコンアミド酸化合物を、イミド化して得られる請求項1に記載のシリコンイミド化合物。
- 加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)が式(3)で表される化合物であり、加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)が式(4)で表される化合物である請求項1または2に記載のシリコンイミド化合物。
任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、且つR9〜R11の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシ
から選ばれる基である。
式(4)中、Bは炭素数1〜20の二価の有機基であり、R12〜R14はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、且つR12〜R14の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシから選ばれる基である。] - 加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)が、p−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、p−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒド
リド、m−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、トリメトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドおよびトリエトキシシリルプロピルサクシニックアンヒドリドからなる群から選ばれる1種以上であり、
加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシランおよびm−アミノフェニルメチルジエトキシシランからなる群から選ばれる1種以上である
請求項1〜4の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物。 - (I)式(1)で表されるシリコン化合物および式(2)で表されるシリコン化合物から選ばれる少なくとも1種のシリコン化合物(A)と、加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)および加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とを用いて、シリコンアミド酸化合物を合成する工程、ならびに
(II)前記シリコンアミド酸化合物をイミド化する工程
を有するシリコンイミド化合物の製造方法。
で置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシまたは任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシであり、R2〜R4、R7およびR8はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルである。] - 工程(I)において、前記化合物(A)と、前記化合物(B)と、さらに、酸無水物基を2つ以上有する化合物(c1)および一級アミノ基を2つ以上有する化合物(c2)から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)とを用いる請求項6に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
- 加水分解性シリルを有する酸無水物(b1)が式(3)で表される化合物であり、加水分解性シリルを有する一級アミン(b2)が式(4)で表される化合物である請求項6または7に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、且つR9〜R11の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシ
から選ばれる基である。
式(4)中、Bは炭素数1〜20の二価の有機基であり、R12〜R14はそれぞれ独立に任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいアセトキシ、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数6〜10のアリール、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよいシクロヘキシル、任意の水素がハロゲンで置き換えられていてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、且つR12〜R14の少なくとも1つは前記アルコキシおよびアセトキシから選ばれる基である。] - 工程(II)において、前記シリコンアミド酸化合物を、70〜230℃で1.5〜10時間加熱還流する請求項6〜9の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
- 工程(II)において、反応溶媒の存在下で加熱還流し、加熱還流後に反応溶媒ならびに前記化合物(A)および前記化合物(B)の未反応物を留去する請求項10に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
- 工程(II)において、前記シリコンアミド酸化合物をアルコール系溶媒の存在下でイミド化する請求項6〜11の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物の製造方法。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物を含むコーティング用組成物。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載のシリコンイミド化合物と溶媒(D)とを含むインクジェットコーティング用組成物。
- 前記シリコンイミド化合物の含有量が、組成物全量に対して、5〜95重量%である請求項14に記載のインクジェットコーティング用組成物。
- インクジェット吐出温度における粘度が、1〜50mPa・sである請求項14または15に記載のインクジェットコーティング用組成物。
- 溶媒(D)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランおよびジフェニルジエトキシシランからなる群から選ばれる1種以上を含有する溶媒である請求項14〜16の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
- 溶媒(D)全量に対して、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−ビニル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムおよびカルバミド酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒の含有量が、0を越え、20重量%以下である請求項14〜17の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
- 溶媒(D)全量に対して、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−ビニル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン
、1−アセチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルカプロラクタムおよびカルバミド酸エステルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒の含有量が、0重量%である請求項14〜17の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。 - 溶媒(D)の含有量が、組成物全量に対して、5〜95重量%である請求項14〜19の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
- 溶媒(D)の含有量が、組成物全量に対して、30〜75重量%である請求項14〜19の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
- さらに、高分子化合物、アルケニル置換ナジイミド化合物、シリコンアミド酸化合物、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤およびエポキシ硬化剤からなる群から選ばれる1種以上を含む請求項14〜21の何れか一項に記載のインクジェットコーティング用組成物。
- 高分子化合物が、重量平均分子量1,000〜10,000のポリアミド酸またはそのイミド化重合体である請求項23に記載のインクジェットコーティング用組成物。
- エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキシランを有するモノマーの重合体、およびオキシランを有するモノマーと他のモノマーとの共重合体からなる群から選ばれる1種以上である請求項22に記載のインクジェットコーティング用組成物。
- 請求項13〜26の何れか一項に記載のコーティング用組成物から得られる硬化膜。
- 請求項13〜26の何れか一項に記載のコーティング用組成物から得られる、イミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜。
- 請求項13〜26の何れか一項に記載のコーティング用組成物をインクジェット塗布方法によって基板上に塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を硬化処理して得られる、イミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜。
- 請求項13〜26の何れか一項に記載のコーティング用組成物をインクジェット塗布方法によって基板上に塗布して塗膜を形成する工程、および前記塗膜を硬化処理する工程を含む、イミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜の形成方法。
- 請求項27に記載の硬化膜を保護膜あるいは絶縁膜として用いた液晶表示素子。
- 請求項28または29に記載のイミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜が基板上に形成されたフィルム基板。
- 請求項32に記載のフィルム基板を有する電子部品。
- 請求項28または29に記載のイミド化合物の膜またはイミド化合物のパターン膜が基板上に形成されたシリコンウエハー基板。
- 請求項34に記載のシリコンウエハー基板を有する電子部品。
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