JP5895732B2 - 熱硬化性インク組成物およびその用途 - Google Patents

熱硬化性インク組成物およびその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP5895732B2
JP5895732B2 JP2012139754A JP2012139754A JP5895732B2 JP 5895732 B2 JP5895732 B2 JP 5895732B2 JP 2012139754 A JP2012139754 A JP 2012139754A JP 2012139754 A JP2012139754 A JP 2012139754A JP 5895732 B2 JP5895732 B2 JP 5895732B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
dianhydride
ether
formula
bis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012139754A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013032501A (ja
Inventor
信太 諸越
信太 諸越
智嗣 古田
智嗣 古田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
JNC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JNC Corp filed Critical JNC Corp
Priority to JP2012139754A priority Critical patent/JP5895732B2/ja
Priority to TW101123152A priority patent/TWI532795B/zh
Priority to KR1020120071070A priority patent/KR101984017B1/ko
Publication of JP2013032501A publication Critical patent/JP2013032501A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5895732B2 publication Critical patent/JP5895732B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/38Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/06Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain of the macromolecule
    • C08G73/10Polyimides; Polyester-imides; Polyamide-imides; Polyamide acids or similar polyimide precursors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets

Description

本発明は、熱硬化性インク組成物およびその用途に関し、例えば電子部品製作において絶縁膜を形成するためのインク、前記インクの塗布方法、前記インクを用いて形成されるポリイミド膜およびその製造方法、前記ポリイミド膜を有するフィルム基板、ならびに前記フィルム基板を有する電子部品に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化および高性能化が急速に進んでおり、これらの発展は電子部品の薄型化または小型化により達成されている。特にプリント配線板の分野では、折りたたみ可能なフレキシブル配線板が電子機器の小型化や軽量化に大きく貢献している。
これに伴い、電子部品で使用される各部材の諸物性に様々な要求が出ている。例えば電子部品中で使用される硬化膜には、耐熱性、絶縁性、基板に対する密着性、プロセス上で使用される薬品に対する耐性、低吸水性等が求められる。
ポリイミドは、耐熱性および絶縁性に優れるため、上記分野で広く用いられている。近年、インクジェット法により所望のポリイミドからなる硬化膜を形成する方法が検討されている。
特許文献1には、特定構造のポリアミド酸を含有するインクジェット用インクが開示されている。しかしながら、特許文献1には、銅基板あるいはめっき銅に対する密着性、アルカリ水溶液に対する耐性、および低吸水性等を兼ね備える硬化膜を形成することが可能なインクジェット用インクについては、なんら検討されていない。
特許文献2には、特定構造のポリアミド酸と光重合性化合物と光重合開始剤とを含有する感光性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、前記ポリアミド酸は分子末端に架橋性有機基を有しておらず、前記ポリアミド酸単体では、アルカリ水溶液に対する充分な耐性を有する硬化膜が得られない。さらに、前記組成物は、主にディスペンス法、スクリーン印刷法およびスタンピング法等により塗布されており、粘度の設計(1Pa・s以上)という点で、前記組成物をインクジェット法に用いることはできない。
特許文献3および4には、特定構造のポリイミドを含有する樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献3および4には、アルカリ水溶液に対する良好な耐性および絶縁性等を有する硬化膜を形成することが可能なインクジェット用インクについては、なんら検討されていない。
特許文献5には、特定構造のポリイミド前駆体が開示されている。しかしながら、ポリイミド前駆体を構成するジアミン成分の例示には、後述するようなダイマー酸から誘導されるジアミンに関する言及はされていない。さらに、特許文献5には、ポリイミド前駆体を含む組成物の熱硬化性インク組成物としての使用はなんら検討されておらず、濃度や粘度の設計を含んだインクジェット法の利用に関しても言及はされていない。
特開2010−159402号公報 特開2010−256532号公報 米国特許第7157587 B2号明細書 米国特許第7208566 B2号明細書 特開2006−321924号公報
本発明の課題は、優れた絶縁性(例:低誘電率)、めっき銅等に対する良好な密着性、アルカリ水溶液等に対する良好な耐性、および低吸水性を有する硬化膜を形成することが可能な熱硬化性インク組成物、ならびにその用途を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討を行った。特に、インクの含有成分として好ましく用いられる、酸二無水物とジアミンと末端架橋剤とを反応させて得られるアミド酸において、前記ジアミンを各種検討した。
例えば、特許文献1の実施例3で使用しているポリアミド酸(3)は、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物と2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンとから形成された繰返し構成単位を有し、マレイン酸無水物から形成された分子末端基を有する。しかしながら、ポリアミド酸(3)を含むインクを用いた場合、得られる硬化膜は、吸水率が3%台と高くなり、めっき銅に対する密着性も低く、アルカリ水溶液に対する耐性も低かった(本明細書の比較例2参照)。
また、ジアミンとしてジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテルを用いた場合も、得られた硬化膜は、吸水率が3%台と高くなり、めっき銅に対する密着性も低く、アルカリ水溶液に対する耐性も低かった(本明細書の比較例1参照)。
本発明者らは、吸水率や密着性、アルカリ耐性にはジアミン中のエーテル結合が悪影響を及ぼすものと考え、上記ジアミンの代わりに、2つのアミノ基間に長鎖アルキレン基を有する1,8−ジアミノオクタンや1,12−ジアミノドデカンの使用を試みた(本明細書の比較例8〜11参照)。しかしながら、この場合、得られたポリアミド酸を溶媒中に溶解させることが困難となり、通常用途に使用可能なインクが得られなかった。
本発明者らは、上記知見をふまえて、その他に様々なジアミンを検討した結果、下記構成を有する熱硬化性インク組成物により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、例えば以下の[1]〜[17]に関する。
[1]式(A1)で表されるアミド酸、式(A2)で表されるアミド酸、ならびにダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)を含む1種以上のジアミン(a12)と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)と、式(T1)で表される末端架橋剤,式(T2)で表される末端架橋剤の一方または双方の末端架橋剤とを反応させて得られる、分子末端に架橋性有機基を有するポリアミド酸から選択される少なくとも1種のアミド酸(A)を含有する、熱硬化性インク組成物。
Figure 0005895732
[式(A1)および(A2)中、R1はダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)の残基であり、R2は炭素数2〜100の二価の架橋性有機基である。]
Figure 0005895732
[式(T1)中、R2は炭素数2〜100の二価の架橋性有機基であり、式(T2)中、R3は炭素数2〜100の一価の架橋性有機基である。]
[2]インクジェット用インクである、前記[1]記載の熱硬化性インク組成物。
[3]ダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)が、不飽和脂肪酸から得られたダイマー酸の還元的アミノ化反応によって得られた、1種または2種以上のジアミンであり、前記不飽和脂肪酸が、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、セオペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびニシン酸から選択される、前記[1]または[2]記載の熱硬化性インク組成物。
[4]ジアミン(a12)が、ダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)以外に、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、2,5−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、9,9−ビス(3−アミノプロピル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、式(VIII)で表される化合物、式(XIII)で表される化合物、および式(i)で表される化合物から選択される少なくとも1種をさらに含む、前記[1]〜[3]のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
Figure 0005895732
[式(VIII)中、A4は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−(CH2p−、−(CH2p−O−または−O−(CH2p−であり、ここでpは1〜6の整数であり;R10はステロイド骨格を有する基、または、シクロヘキサン環およびベンゼン環から選択される少なくとも1種の環構造を有する基であり;ただしベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラ位のときは、R10は炭素数1〜30のアルキルであってもよく、前記位置関係がメタ位のときは、R10は炭素数1〜30のアルキルまたはフェニルであってもよく、前記アルキルの少なくとも1つの−CH2−は−CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−および−C≡C−から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよく、前記アルキルの少なくとも1つの−CH3は−CH2F、−CHF2および−CF3から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよく、前記フェニルの環形成炭素に結合している水素は−F、−CH3、−OCH3、−OCH2F、−OCHF2および−OCF3から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよい。]
Figure 0005895732
[式(XIII)中、R28およびR29はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R30はメチレン、フェニレンまたは少なくとも1つの水素が炭素数1〜10のアルキルで置き換えられたフェニレンであり、2つのxはそれぞれ独立に1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。]
Figure 0005895732
[式(i)中、nは1〜50の整数である。]
[5]酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)が、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホンビストリメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸,[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ジ−4,1−フェニレンエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸オキシジ−4,1−フェニレンエステル、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレン琥珀酸二無水物、および下記式で表される化合物
Figure 0005895732
から選択される少なくとも1種である、前記[1]〜[4]のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
[6]式(T1)で表される末端架橋剤が、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、アリルナジック酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物および3−(トリエトキシシリル)プロピルこはく酸無水物から選択される少なくとも1種である、前記[1]〜[5]のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
[7]式(T2)で表される末端架橋剤が、4−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、プロパギルアミン、3−アミノブチン、4−アミノブチン、5−アミノペンチン、4−アミノペンチン、アリルアミン、7−アミノヘプチン、m−アミノスチレン、p−アミノスチレン、m−アミノ−α−メチルスチレン、3−アミノフェニルアセチレン、4−アミノフェニルアセチレン、3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび3−アミノプロピルトリメトキシシランから選択される少なくとも1種である、前記[1]〜[6]のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
[8]さらに溶媒(B)を含有する、前記[1]〜[7]のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
[9]溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、アニソール、安息香酸メチル、安息香酸エチル、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびγ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種である、前記[8]記載の熱硬化性インク組成物。
[10]25℃かつ20rpmにおける粘度が5〜20mPa・sである、前記[8]または[9]記載の熱硬化性インク組成物。
[11]前記ポリアミド酸のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜10,000である、前記[1]〜[10]のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
[12]熱硬化性インク組成物中のアミド酸(A)の含有量が15〜60質量%である、前記[1]〜[11]のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
[13]前記[1]〜[12]のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物をインクジェット塗布方法によって塗布して塗膜を形成する工程、および前記塗膜を硬化処理する工程を有する、インクの塗布方法。
[14]前記[1]〜[12]のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物をインクジェット塗布方法によって塗布して塗膜を形成する工程、および前記塗膜を硬化処理してポリイミド膜を形成する工程を有する、ポリイミド膜の製造方法。
[15]前記[14]記載のポリイミド膜の製造方法を用いて得られたポリイミド膜。
[16]フィルムと、前記[14]記載のポリイミド膜の製造方法を用いて前記フィルム上に形成されたポリイミド膜とを有するフィルム基板。
[17]前記[16]記載のフィルム基板を有する電子部品。
[用語説明]
本明細書で使用される用語を、具体例を含めて説明する。
「ダイマー酸から誘導されるジアミン」とは、ダイマー酸の2つのカルボキシル基を除外してなる構造を有するジアミンを意味する。ダイマー酸の還元的アミノ化反応にもよるが、ダイマー酸から誘導されるジアミンとしては、例えば、ダイマー酸の2つのカルボキシル基(−COOH)を、アミノメチル基(−CH2−NH2)またはアミノ基(−NH2)に置き換えてなるジアミンが挙げられる。
「ダイマー酸から誘導されるジアミンの残基」とは、ダイマー酸から誘導されるジアミン(H2N−R1−NH2)において、2つのアミノ基を除外してなる二価の基、すなわち−R1−で表される二価の基を意味する。
「架橋性有機基」とは、架橋性を有する有機基のことであり、例えば、架橋性不飽和結合を有する炭素数2〜100の一価または二価の有機基、式(α)で表される二価の有機基、式(β)で表される一価の有機基が挙げられる。
Figure 0005895732
式(α)および(β)中、複数あるRaはそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数1〜20のアルコキシである。ただし、Raの少なくとも1個は前記アルコキシである。Rbは炭素数1〜20の3価の有機基(例:脂肪族基、芳香族基)である。Rcは炭素数1〜20の2価の有機基(例:アルキレン、アリーレン)である。
「架橋性不飽和結合」とは、例えば、二重結合、三重結合をいう。架橋性有機基中の架橋性不飽和結合数は、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、特に好ましくは1個である。
「架橋性不飽和結合を有する炭素数2〜100の一価の有機基」としては、例えば、炭素数2〜20(好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6)のアルケニル;炭素数2〜20(好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6)のアルキニル;炭素数4〜20(好ましくは4〜10、より好ましくは4〜6)のアルキルジエニル;炭素数3〜20(好ましくは4〜10)のシクロアルケニル;−OR、−SR、−SO2R(前記各式中、Rは前記アルケニルまたは前記アルキニルである);炭素数6〜30(好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)のアリール中の1以上の水素を、前記アルケニルまたは前記アルキニルに置き換えてなる基;−OAr、−SAr、−SO2Ar(前記各式中、Arは炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12のアリール中の1以上の水素を、前記アルケニルまたは前記アルキニルに置き換えてなる基である)が挙げられる。
「架橋性不飽和結合を有する炭素数2〜100の二価の有機基」としては、例えば、炭素数2〜20(好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6)のアルケニレンまたはアルキニレン;炭素数3〜20(好ましくは4〜10)のシクロアルケニレン;−OR−、−SR−、−SO2R−(前記各式中、Rは前記アルケニレンまたは前記アルキニレンである);炭素数6〜30(好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12)のアリーレン中の1以上の水素を、上記アルケニル、上記アルキニル、アリールアルケニルまたはアリールアルキニルに置き換えてなる基;−OAr−、−SAr−、−SO2Ar−(前記各式中、Arは炭素数6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12のアリーレン中の1以上の水素を、上記アルケニルまたは上記アルキニルに置き換えてなる基である);下記式で表される二価の基が挙げられる。
Figure 0005895732
式中、Rは水素原子またはアリルであり、Aはメチレンまたは酸素原子である。
各式の説明において「少なくとも1つの“A”は“B”で置き換えられてもよい」の表現は、“A”が1つのとき、“A”の位置は任意であり、“A”の数が2つ以上のときも、それらの位置は制限なく選択できることを意味する。
例えば、「少なくとも1つの“A”は“B”、“C”および“D”から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよい」という表現は、任意の“A”が“B”で置き換えられる場合、任意の“A”が“C”で置き換えられる場合、および任意の“A”が“D”で置き換えられる場合、さらに複数の“A”が“B”、“C”および“D”の少なくとも2つで置き換えられる場合を含む。
本発明によれば、インク中の含有成分の溶媒可溶性を損なわずに低吸水率化を実現した硬化膜を形成することが可能であり、且つ、優れた絶縁性(例:低誘電率)、めっき銅等に対する良好な密着性、およびアルカリ水溶液等に対する良好な耐性を有する硬化膜を形成することが可能な熱硬化性インク組成物、ならびにその用途を提供することができる。
したがって、本発明の熱硬化性インク組成物から形成されたポリイミド膜は、例えば、吸水率が充分に低く、絶縁性が高く、基板に対する密着性に優れ、且つ薬品耐性に優れている。このため、当該インクを用いることにより、電子部品の信頼性および歩留まりを向上させることができる。
以下、本発明の熱硬化性インク組成物、インクの塗布方法、ポリイミド膜およびその製造方法、フィルム基板、ならびに電子部品について詳細に説明する。本発明の熱硬化性インク組成物を単に「本発明のインク」ともいう。
1.熱硬化性インク組成物
本発明の熱硬化性インク組成物は、特定のアミド酸(A)を含有し、好ましくはさらに溶媒(B)を含有する。本発明のインクは、前記成分のほか、添加剤を含有してもよい。本発明のインクは、有色、無色のどちらであってもよい。
1.1 アミド酸(A)
アミド酸(A)としては、以下の化合物が挙げられる。
・式(A1)で表されるアミド酸(以下「アミド酸(A1)」ともいう)。
・式(A2)で表されるアミド酸(以下「アミド酸(A2)」ともいう)。
・ダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)を含む1種以上のジアミン(a12)と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)と、式(T1)で表される末端架橋剤,式(T2)で表される末端架橋剤の一方または双方の末端架橋剤とを反応させて得られる、分子末端に架橋性有機基を有するポリアミド酸(以下「ポリアミド酸(A3)ともいう)。
すなわち、本発明において熱硬化性インク組成物の含有成分であるアミド酸(A)は、アミド酸(A1)、アミド酸(A2)およびポリアミド酸(A3)から選択される少なくとも1種である。
Figure 0005895732
式(A1)および(A2)中、R1はダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)の残基である。R2は炭素数2〜100の二価の架橋性有機基であり、好ましくは式(T1)で表される末端架橋剤に由来する基である。
Figure 0005895732
式(T1)中、R2は炭素数2〜100の二価の架橋性有機基である。式(T2)中、R3は炭素数2〜100の一価の架橋性有機基である。
ポリアミド酸(A3)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは500〜10,000である。ポリアミド酸(A3)の溶媒(B)に対する溶解性をさらに向上させ、インクを低粘度化するためには、その重量平均分子量は、より好ましくは500〜9,000、さらに好ましくは500〜8,000である。なお、アミド酸(A1)および(A2)はモノマー型であるが、本発明ではこれらの分子量も、GPC法で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量で規定される。アミド酸(A1)および(A2)の重量平均分子量は、好ましくは500〜10,000、より好ましくは500〜9,000、さらに好ましくは500〜8,000である。
重量平均分子量が上記下限値以上の(ポリ)アミド酸は、加熱処理によってポリイミド膜を形成する工程において、蒸発することがなく、化学的・機械的に安定である。重量平均分子量が上記上限値以下の(ポリ)アミド酸は、溶媒(B)に対する溶解性が大きいことから、当該ポリアミド酸を用いることにより、15質量%以上の高濃度化とインクジェット印刷に適した低粘度化との両立が可能であり、したがってインクの吐出安定性が向上するとともに、得られる塗膜の膜厚を大きくすることが可能である。
アミド酸(A)の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定することができる。具体的には、得られたアミド酸(A)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)でアミド酸(A)濃度が約1質量%になるように希釈して希釈液となし、昭和電工(株)製カラムGF−510HQ、GF−310HQの2本をこの順序に接続して使用し、カラム温度40℃、流速0.5ml/minの条件で、上記希釈液を展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めることができる。
上記3種のアミド酸(A)は、いずれもダイマー酸から誘導されるジアミン構造を有する。前記構造を有するアミド酸(A)は、得られる硬化膜の低吸水率化や、薬品(例:アルカリ水溶液)に対する耐性および基板(例:めっき銅)に対する密着性の向上に大きく寄与する。また、溶媒(B)への溶解性も高いため、インクジェット用などの、通常用途に使用されるインクの調製も容易である。
上記3種のアミド酸(A)は、いずれも分子末端に架橋性有機基を有するため、本発明のインクを加熱することによってアミド酸(A)由来の架橋構造が形成される。したがって、本発明では重量平均分子量が例えば500〜10,000程度という小さな分子量のアミド酸(A)から、充分な機械的強度を有するポリイミド膜が得られる。
アミド酸(A)の含有量は、本発明の熱硬化性インク組成物の、通常15〜60質量%、好ましくは15〜55質量%、さらに好ましくは15〜50質量%である。この濃度範囲であると、本発明のインクをインクジェット用途で使用する際、インクジェットに好適な粘度となり、1回のインクジェッティングで得られる膜の厚さが最適となり、ジェッティング精度が高くなるので好ましい。
本明細書では、ダイマー酸から誘導されるジアミンを「ダイマー酸型ジアミン(a1)」ともいい、ダイマー酸から誘導されるジアミン以外のジアミンを「他のジアミン(a2)」ともいい、ダイマー酸型ジアミン(a1)および必要に応じて他のジアミン(a2)を含む1種以上のジアミンを「ジアミン(a12)」ともいい、酸無水物基を2つ以上有する化合物を「酸無水物(a3)」ともいい、式(T1)で表される末端架橋剤を「末端架橋剤(T1)」ともいい、式(T2)で表される末端架橋剤を「末端架橋剤(T2)」ともいう。
以下、アミド酸(A)を得るために用いることができる、ダイマー酸型ジアミン(a1)、他のジアミン(a2)、酸無水物(a3)、末端架橋剤(T1)および末端架橋剤(T2)について説明する。
1.1.1 ダイマー酸型ジアミン(a1)
ダイマー酸型ジアミン(a1)は、例えば、ダイマー酸の還元的アミノ化反応によって得られる。前記反応は、例えば、アンモニアおよび触媒を使用する還元法等、公知の方法(例:特開平9−12712号公報)によって行うことができる。
ダイマー酸とは、不飽和脂肪酸が分子間重合反応等によって二量化して得られる二塩基酸である。合成条件および精製条件にもよるが、通常はダイマー酸の他、モノマー酸やトリマー酸等も少量含まれる。前記反応後には得られた分子内に二重結合が残存するが、本発明では、水素添加反応により、分子内に存在する二重結合が還元されて飽和二塩基酸となったものもダイマー酸に含めるものとする。
ダイマー酸は、例えば、ルイス酸およびブレンステッド酸を触媒として用いて、不飽和脂肪酸の重合を行うことによって得られる。ダイマー酸は、公知の方法(例:特開平9−12712号公報)によって製造することができる。
不飽和脂肪酸としては、例えば、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、セオペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ニシン酸が挙げられる。不飽和脂肪酸の炭素数は、通常4〜24、好ましくは14〜20である。
例えば、リノール酸を用いてダイマー酸を製造する場合、得られる混合物は一般的に炭素数36のダイマー酸を主成分として含むが、炭素数18のモノマー酸および炭素数54のトリマー酸も副成分として少量含むのが一般的であり、原料由来の様々な構造を含む。
ダイマー酸型ジアミン(a1)は、例えば、下記式(a)〜(e)で表される構造を有する1種または2種以上の混合物である。ダイマー酸型ジアミン(a1)は水素添加されていてもよく、例えば、下記式(c)または(e)で表される構造を有する。
Figure 0005895732
式(a)〜(e)中、m、n、p、qはそれぞれ独立して0〜15の整数である。
ダイマー酸型ジアミン(a1)の市販品としては、例えば、バーサミン551(商品名、コグニスジャパン社製)、プリアミン1074(商品名、クローダジャパン(株)製)が挙げられる。ダイマー酸型ジアミン(a1)は、ダイマー酸の還元的アミノ化反応によって得られたジアミンを水素添加してなる化合物も含み、その市販品としては、例えば、バーサミン552(商品名、コグニスジャパン社製)が挙げられる。
1.1.2 他のジアミン(a2)
他のジアミン(a2)の詳細は、後述の「6.化合物の例示」に記載する。
1.1.3 酸無水物(a3)
酸無水物(a3)の詳細は、後述の「6.化合物の例示」に記載する。
1.1.4 末端架橋剤(T1)
末端架橋剤(T1)は、式(T1)で表される。
Figure 0005895732
式(T1)中、R2は炭素数2〜100の二価の架橋性有機基であり、好ましくは架橋性不飽和結合を有する炭素数2〜100の二価の有機基、または上記式(α)で表される二価の有機基である。
末端架橋剤(T1)としては、例えば、
マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アリルナジック酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、アリルこはく酸無水物などの架橋性不飽和結合を有する化合物;
p−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、p−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリメトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、m−(トリエトキシシリル)フェニルサクシニックアンヒドリド、3−(トリメトキシシリル)プロピルこはく酸無水物、3−(トリエトキシシリル)プロピルこはく酸無水物などの式(α)で表される二価の有機基を有する化合物;
が挙げられる。
末端架橋剤(T1)の中でも、得られる膜の耐久性が優れるという点から、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、アリルナジック酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物および3−(トリエトキシシリル)プロピルこはく酸無水物が好ましい。
末端架橋剤(T1)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、架橋密度を均一に制御するという観点からすると、1種のみを使用することが好ましい。
1.1.5 末端架橋剤(T2)
末端架橋剤(T2)は、式(T2)で表される。
Figure 0005895732
式(T2)中、R3は炭素数2〜100の一価の架橋性有機基であり、好ましくは架橋性不飽和結合を有する炭素数2〜100の一価の有機基、または上記式(β)で表される一価の有機基である。
末端架橋剤(T2)としては、例えば、
4−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、プロパルギルアミン、3−アミノブチン、4−アミノブチン、5−アミノペンチン、4−アミノペンチン、アリルアミン、7−アミノヘプチン、m−アミノスチレン、p−アミノスチレン、m−アミノ−α−メチルスチレン、3−アミノフェニルアセチレン、4−アミノフェニルアセチレンなどの架橋性不飽和結合を有する化合物;
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルトリエトキシシラン、m−アミノフェニルメチルジエトキシシランなどの式(β)で表される一価の有機基を有する化合物;
が挙げられる。
末端架橋剤(T2)の中でも、得られる膜の耐久性が優れるという点から、架橋性不飽和結合を有する化合物、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましく、4−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、m−アミノスチレン、p−アミノスチレン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランがより好ましい。
末端架橋剤(T2)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、架橋密度を均一に制御するという観点からすると、1種のみを使用することが好ましい。
1.1.6 アミド酸(A)の合成条件
以下、アミド酸(A)の好ましい合成条件について説明する。
《アミド酸(A1)および(A2)の合成》
アミド酸(A1)および(A2)は、例えば、ダイマー酸型ジアミン(a1)の1個または2個のアミノ基を末端架橋剤(T1)と反応させることにより、合成することができる。
《ポリアミド酸(A3)の合成》
ポリアミド酸(A3)は、例えば、ジアミン(a12)と、酸無水物(a3)とを反応させた後、得られた反応物の末端アミノ基を末端架橋剤(T1)と反応させることにより、および/または得られた反応物の末端酸無水物基を末端架橋剤(T2)と反応させることにより、合成することができる。
例えば、ジアミン(a12)と酸無水物(a3)との反応により、式(A3−1)で表される構成単位が形成され、末端架橋剤(T1)とアミノ基との反応により式(T1’)で表される分子末端基が形成され、末端架橋剤(T2)と酸無水物基との反応により式(T2’)で表される分子末端基が形成される。ポリアミド酸(A3)は、前記の分子末端基を少なくとも一つ有する。
Figure 0005895732
式(A3−1)中、Xは炭素数2〜100の有機基であり、具体的には酸無水物(a3)の残基であり、Yはジアミン(a12)の残基であり、ただし当該構成単位の少なくとも一部のYはダイマー酸型ジアミン(a1)の残基(−R1−)である。
Figure 0005895732
式(T1’)中、R2は炭素数2〜100の二価の架橋性有機基であり、式(T2’)中、R3は炭素数2〜100の一価の架橋性有機基である。式(T1’)で表される分子末端基は末端架橋剤(T1)の残基であり、式(T2’)で表される分子末端基は末端架橋剤(T2)の残基である。
上記式(T1’)および上記式(T2’)から選択される少なくとも1種で表される分子末端基がポリアミド酸の末端封止剤として作用するので、末端架橋剤(T1)および末端架橋剤(T2)から選択される少なくとも1種の末端架橋剤の使用量を適宜調整することにより、ポリアミド酸(A3)の重量平均分子量を500〜10,000に制御することができる。
ポリアミド酸(A3)は、例えば、反応に用いる、ダイマー酸型ジアミン(a1)のモル数をn1、ジアミン(a12)のモル数をn2、酸無水物(a3)のモル数をn3、および末端架橋剤(T1)のモル数をn4としたとき、それぞれのモル数が、(1)0.1≦n1/n2≦1.0および(2)0.5≦(n3+0.5×n4)/n2≦1.3の関係になるように反応モル比を調整することが好ましい。
ポリアミド酸(A3)は、例えば、反応に用いる、ダイマー酸型ジアミン(a1)のモル数をn1、ジアミン(a12)のモル数をn2、酸無水物(a3)のモル数をn3、および末端架橋剤(T2)のモル数をn5としたとき、それぞれのモル数が、(1’)0.1≦n1/n2≦1.0および(2’)0.3≦n3/(n2+0.5×n5)≦1.3の関係になるように反応モル比を調整することが好ましい。
式(1)または(1’)を満たすようにして製造されたポリアミド酸(A3)を用いることで、耐熱性と、密着性、低誘電率性および低吸水率性とのバランスに優れたポリイミド膜が得られる。式(2)において上記比が0.5以上であることにより、あるいは式(2’)において上記比が0.3以上であることにより、得られるポリイミド膜の耐アルカリ性およびめっき密着性が向上する。式(2)および(2’)において上記比が1.3以下であることにより、得られるポリアミド酸(A3)の溶媒可溶性が向上する。
このように、式(1)および(2)(あるいは式(1’)および(2’))をいずれも満たすようにして製造されたポリアミド酸(A3)を用いることで、良好な絶縁性、低吸水率性、めっき銅に対する良好な密着性、アルカリ水溶液に対する良好な耐性を有する、バランスのとれたポリイミド膜を形成することが可能である。
《反応溶媒》
アミド酸(A)の合成時に使用することのできる反応溶媒としては、例えば、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、アニソール、安息香酸メチル、安息香酸エチル、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、出光興産(株)製エクアミド(商品名)、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトンが挙げられる。
反応溶媒の中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびγ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種を反応溶媒として用いると、インクジェットヘッドへのダメージが少ないインクとすることができるので好ましい。
これらの反応溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記反応溶媒以外に他の溶媒を混合して用いることもできる。
反応溶媒の使用量は、反応がスムーズに進行する点で、反応原料100質量部に対して100質量部以上が好ましく、100〜600質量部がより好ましい。反応条件は、好ましくは、反応温度が0〜100℃であり、反応時間が0.2〜20時間である。反応原料は、ジアミン(a12)、酸無水物(a3)、末端架橋剤(T1)および末端架橋剤(T2)の総量である。
《反応系への添加順序》
反応原料の反応系への添加順序は特に限定されない。
例えば、ジアミン(a12)と、酸無水物(a3)と、末端架橋剤(T1),末端架橋剤(T2)の一方または双方の末端架橋剤とを同時に反応溶媒に添加する方法;ジアミン(a12)と酸無水物(a3)とをあらかじめ反応させて重合体を合成した後に、当該重合体に末端架橋剤(T1),末端架橋剤(T2)の一方または双方の末端架橋剤を反応させる方法;ジアミン(a12)と末端架橋剤(T1)とを反応溶媒中に溶解させた後に、酸無水物(a3)と必要に応じて末端架橋剤(T2)とを添加する方法;ジアミン(a12)と末端架橋剤(T2)とを反応溶媒中に溶解させた後に、酸無水物(a3)と必要に応じて末端架橋剤(T1)とを添加する方法;酸無水物(a3)と末端架橋剤(T2)とを反応溶媒中に溶解させた後に、ジアミン(a12)と必要に応じて末端架橋剤(T1)とを添加する方法;が挙げられる。
1.2 溶媒(B)
本発明の熱硬化性インク組成物は、例えば、アミド酸(A)を溶媒(B)に溶解して得ることができる。したがって、本発明のインクに含まれる溶媒(B)は、アミド酸(A)を溶解することができる溶媒であれば特に制限されない。また、単独ではアミド酸(A)を溶解しない溶媒であっても、他の溶媒と混合することによって、溶媒(B)として用いることが可能である。
溶媒(B)としては、例えば、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、アニソール、安息香酸メチル、安息香酸エチル、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、出光興産(株)製エクアミド(商品名)、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトンが挙げられる。
溶媒(B)の中でも、例えばインクジェットヘッドの耐久性向上の点で、本発明のインク組成物は、乳酸エチル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチルおよびγ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種を、溶媒(B)として含むことが好ましい。
なお、以上例示した溶媒の中で、インクジェットヘッドの耐久性が問題となる場合、アミド系溶媒の使用を低減することも好ましい。このような場合、アミド系溶媒の含有量は、溶媒(B)全量の80質量%未満であることが好ましく、60質量%未満であることがより好ましい。
アミド系溶媒としては、例えば、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、出光興産(株)製エクアミド(商品名)、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンが挙げられる。
溶媒(B)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶媒(B)は、本発明のインクにおける固形分濃度が通常15〜80質量%、特に20〜80質量%となる量で用いられることが好ましい。本発明において固形分濃度とは、溶媒(B)以外の全成分の合計濃度をいう。溶媒(B)の含有量が前記下限値以上であれば、インクの粘度が大きくなり過ぎず、ジェッティング特性が良好となる。溶媒(B)の含有量が前記上限値以下であれば、1回のジェッティングで形成できるポリイミド膜が薄くなり過ぎることがない。このように本発明のインクをインクジェット用途に好適に用いることができる。
1.3 添加剤
本発明の熱硬化性インク組成物には、目的とする特性に応じて、添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、重合性モノマー、界面活性剤、帯電防止剤、カップリング剤、エポキシ硬化剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー、顔料、あるいは染料が挙げられる。添加剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1.3.1 エポキシ樹脂
本発明では、オキシラン環またはオキセタン環を1つ以上有する化合物をエポキシ樹脂という。本発明において、エポキシ樹脂としては、オキシラン環を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。
本発明のインク中のエポキシ樹脂の濃度は特に限定されないが、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。この濃度範囲であると、本発明のインクから形成された塗膜の耐熱性、耐薬品性、平坦性が良好である。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、オキシラン環を有するモノマーの重合体、オキシラン環を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
オキシラン環を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
オキシラン環を有するモノマーと共重合を行う他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドが挙げられる。
オキシラン環を有するモノマーの重合体およびオキシラン環を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体の好ましい具体例としては、ポリグリシジルメタクリレート、メチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、ベンジルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、n−ブチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートとの共重合体、スチレンとグリシジルメタクリレートとの共重合体が挙げられる。本発明のインクがこれらのエポキシ樹脂を含有すると、当該インクから形成された塗膜の耐熱性が良好となるため好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂「807」、「815」、「825」、「827」、「828」、「190P」、「191P」、「1004」、「1256」(以上、三菱化学製、なお、これらのエポキシ樹脂は、かつてジャパンエポキシレジン(株)からエピコート(商品名)として販売されていた。)、商品名「アラルダイトCY177」、商品名「アラルダイトCY184」(BASF製)、商品名「セロキサイド2021P」、「セロキサイド3000」、「EHPE−3150」(ダイセル化学工業(株)製)、商品名「テクモアVG3101L」(三井化学(株)製)、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンが挙げられる。これらの中でも、商品名「アラルダイトCY184」、商品名「セロキサイド2021P」、商品名「テクモアVG3101L」、エポキシ樹脂「828」は、得られるポリイミド膜の平坦性が特に良好であるため好ましい。
エポキシ樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1.3.2 ポリイミド樹脂
ポリイミド樹脂としては、イミド基を有していれば特に限定されない。また、ポリイミド樹脂はダイマー酸から誘導される構造を含んでいてもよい。
本発明のインク中のポリイミド樹脂の濃度は特に限定されないが、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましい。この濃度範囲であると、本発明のインクから形成された塗膜の耐熱性、耐薬品性、耐折性が良好である。
ポリイミド樹脂は、例えば、酸二無水物とジアミンとを反応させて得られるアミド酸を、イミド化することで得られる。酸二無水物としては、例えば、アミド酸(A)の合成に用いることのできる酸無水物(a3)のうちの酸無水物基を2つ有する化合物が挙げられる。ジアミンとしては、例えば、アミド酸(A)の合成に用いることのできるダイマー酸型ジアミン(a1)および他のジアミン(a2)が挙げられる。
ポリイミド樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1.3.3 重合性モノマー
重合性モノマーとしては、例えば、ヒドロキシルを有する単官能重合性モノマー、ヒドロキシルを有しない単官能重合性モノマー、二官能(メタ)アクリレート、三官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
本発明のインク中の重合性モノマーの濃度は特に限定されないが、0.1〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がさらに好ましい。この濃度範囲であると、本発明のインクから形成された塗膜の耐熱性、耐薬品性、平坦性が良好である。
ヒドロキシルを有する単官能重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、形成される膜を柔軟にできる点から、4−ヒドロキシブチルアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートが好ましい。
ヒドロキシルを有しない単官能重合性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、5−テトラヒドロフルフリルオキシカルボニルペンチル(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、3−エチル−3−(メタ)アクリロキシエチルオキセタン、p−ビニルフェニル−3−エチルオキセタ−3−イルメチルエーテル、2−フェニル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、2−トリフロロメチル−3−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、4−トリフロロメチル−2−(メタ)アクリロキシメチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルメチルスチレン、ビニルトルエン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリン、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、ケイ皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、こはく酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、マレイン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]、シクロヘキセン−3,4−ジカルボン酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]が挙げられる。
二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールFエチレンオキシド変性ジアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレートが挙げられる。
三官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
重合性モノマーは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1.3.4 界面活性剤
界面活性剤は、本発明のインクの下地基板への濡れ性、レベリング性、または塗布性を向上させるために使用することができ、本発明のインク中、0.01〜1質量%の量で用いられることが好ましい。
界面活性剤としては、本発明のインクの塗布性を向上できる点から、例えば、商品名「Byk−300」、「Byk−306」、「Byk−335」、「Byk−310」、「Byk−341」、「Byk−344」、「Byk−370」(ビックケミー(株)製)等のシリコン系界面活性剤;商品名「Byk−354」、「ByK−358」、「Byk−361」(ビックケミー(株)製)等のアクリル系界面活性剤;商品名「DFX−18」、「フタージェント250」、「フタージェント251」((株)ネオス製)等のフッ素系界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1.3.5 帯電防止剤
帯電防止剤は、本発明のインクの帯電を防止するために使用することができ、本発明のインク中、0.01〜1質量%の量で用いられることが好ましい。
帯電防止剤としては、公知の帯電防止剤を用いることができる。具体的には、酸化錫、酸化錫・酸化アンチモン複合酸化物、酸化錫・酸化インジウム複合酸化物などの金属酸化物;四級アンモニウム塩が挙げられる。
帯電防止剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1.3.6 カップリング剤
カップリング剤としては、特に限定されるものではなく、シランカップリング剤などの公知のカップリング剤を用いることができる。カップリング剤は、本発明のインク中、0.01〜3質量%の量で用いられることが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、トリアルコキシシラン化合物、ジアルコキシシラン化合物が挙げられる。好ましくは、例えば、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニルプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−アミノエチル−γ−イミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルトエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランである。
これらの中でも、γ−ビニルプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
カップリング剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1.3.7 エポキシ硬化剤
エポキシ硬化剤としては、特に限定されるものではなく、公知のエポキシ硬化剤を用いることができる。エポキシ硬化剤は、本発明のインク中、0.2〜5質量%の量で用いられることが好ましい。
エポキシ硬化剤としては、例えば、有機酸ジヒドラジド化合物、イミダゾールおよびその誘導体、ジシアンジアミド類、芳香族アミン、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物が挙げられる。さらに具体的には、アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等の有機酸ジヒドラジド化合物;2,4−ジアミノ−6−[2’−エチルイミダゾリル−(1’)]−エチルトリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド等のジシアンジアミド類;トリメリット酸等の多価カルボン酸;無水フタル酸、無水トリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物等の多価カルボン酸無水物が挙げられる。これらの中でも、透明性が良好なトリメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸−1,2−無水物が好ましい。
エポキシ硬化剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
1.3.8 顔料、あるいは染料
顔料としては、例えば、窒化硼素、窒化アルミニウム、炭化珪素、アルミナ、マグネシア、シリカ、ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、低次酸化チタンおよび黒鉛からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。ルチル型酸化チタンは、TiO2で示される白色の酸化チタンをいう。低次酸化チタンは、Ti35、Ti23、TiOなどの黒色の酸化チタンをいう。例えば、チタンブラックとして知られている低次酸化チタン(黒色)には、赤穂化成(株)製ティラックD(商品名)があり、市販されている。染料としては、例えば、アゾ染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料が挙げられる。
1.4 本発明の熱硬化性インク組成物の物性
本発明の熱硬化性インク組成物は、常温保存における保存安定性が良好である。さらに、当該インクを用いることで、低吸水性や、良好な絶縁性、薬品耐性および基板密着性を有する、バランスのとれたポリイミド膜を形成することが可能である。
特に、本発明では固形分濃度の15質量%以上の高濃度化とインクジェット印刷に適した低粘度化との両立が可能であり、したがってインクの吐出安定性が向上するとともに、得られる塗膜の膜厚を大きくすることが可能である。このような特性を有する本発明のインクは、インクジェット用インクとして特に好適に用いられる。
1.4.1 粘度
本発明の熱硬化性インク組成物をインクジェット用途に用いる場合、当該インク組成物の25℃かつ20rpmにおける粘度は、通常1〜50mPa・s、好ましくは5〜30mPa・s、より好ましくは5〜20mPa・s、更に好ましくは8〜20mPa・sである。25℃における粘度が前記範囲にあると、インクジェット塗布方法によるジェッティング精度が向上する。25℃における粘度が前記上限値以下であると、インクジェット吐出不良が生じにくい。
インクジェットヘッドを加熱してジェッティングを行う場合、当該インク組成物の加熱温度(吐出温度;好ましくは30〜120℃)かつ20rpmにおける粘度は、通常1〜50mPa・s、好ましくは5〜30mPa・s、より好ましくは8〜20mPa・s、更に好ましくは5〜15mPa・sである。粘度が前記範囲にあると、インクジェット塗布方法によるジェッティング精度が向上する。粘度が前記上限値以下であると、インクジェット吐出不良が生じにくい。
なお、粘度はE型粘度計を用いて測定される。
1.4.2 表面張力
本発明の熱硬化性インク組成物の25℃における表面張力は、通常20〜70mN/m、好ましくは20〜40mN/mである。表面張力が前記範囲にあると、ジェッティングにより良好な液滴が形成でき、かつメニスカスを形成することができる。
2.インクの塗布方法およびポリイミド膜の製造方法
本発明のインクの塗布方法は、(1)本発明のインクをインクジェット塗布方法によって基板上に塗布して塗膜を形成する工程(塗膜形成工程)、および(2)前記塗膜を硬化処理する工程(硬化処理工程)を有する。本発明のポリイミド膜の製造方法は、前記塗布方法を用いて、ポリイミド膜を形成する方法である。
インクジェット用インクをパターン状(例:ライン状、正方形状)に印刷した場合には、パターン状のポリイミド膜が形成される。本明細書では特に言及のない限り、ポリイミド膜はパターン状のポリイミド膜を含むものとする。
2.1 塗膜形成工程
インクジェット塗布方法としては、インクの吐出方法により各種のタイプがある。吐出方法としては、例えば、圧電素子型、バブルジェット(登録商標)型、連続噴射型、静電誘導型が挙げられる。
本発明のインクを用いて塗布を行う際の好ましい吐出方法は、圧電素子型である。この圧電素子型のヘッドは、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクとを備えた、オンデマンドインクジェット塗布ヘッドであり、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させる。
インクジェット塗布装置は、塗布ヘッドとインク収容部とが別体となった構成に限らず、それらが分離不能に一体になった構成を用いてもよい。また、インク収容部は、塗布ヘッドに対して、分離可能または分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもののほか、装置の固定部位に設けられて、インク供給部材、例えば、チューブを介して塗布ヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。
また、塗布ヘッドに対して、好ましい負圧を作用させるための構成をインクタンクに設ける場合には、インクタンクのインク収納部に吸収体を配置した形態、あるいは可撓性のインク収容袋とこれに対しその内容積を拡張する方向の付勢力を作用させるバネ部とを有した形態などを採用することができる。塗布装置は、シリアル塗布方式を採るもののほか、塗布媒体の全幅に対応した範囲にわたって塗布素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。
なお、本発明のインクの粘度が高い場合、インクジェットヘッドを好ましくは30〜80℃で加熱することによりインクを加熱して、インクの粘度を下げたうえで塗布を行えばよい。
本発明のインクをインクジェット塗布方法によって基板上に塗布した後、ホットプレートまたはオーブンなどで乾燥(溶媒を除去)することにより、塗膜を形成することができる。前記乾燥により、基板上に形状を保持できる程度の塗膜が形成される。
乾燥条件はインクの含有成分の種類および配合割合によって異なるが、通常70〜120℃で、オーブンを用いた場合には5〜15分間、ホットプレートを用いた場合には1〜15分間である。
2.2 硬化処理工程
硬化処理は、塗膜の耐熱性、耐薬品性、平坦性、さらには充分な機械的強度を得るために、例えば、ホットプレートまたはオーブンなどで行い、これにより、全面または所定のパターン状(例:ライン状、正方形状)のポリイミド膜が形成される。
硬化処理は、通常180〜350℃、好ましくは200〜300℃で行う。硬化処理時間(加熱時間)は、例えば、オーブンを用いた場合には30〜90分間、ホットプレートを用いた場合には5〜30分間である。また、硬化処理としては、加熱処理に限定されず、UV処理やイオンビーム、電子線、ガンマ線等の照射などの処理でもよい。以上のようにして、ポリイミド膜が形成される。
パターン状のポリイミド膜を製造する場合、本発明ではインクジェット印刷により必要な部分のみにインクを吐出(描画)するため、従来のポリイミド膜の形成に採用されていたフォトリソグラフィーにおけるエッチング等の他の方法に比べて、材料使用量が圧倒的に少なく、またフォトマスクを使用する必要もない。このため、本発明では、多品種のポリイミド膜の大量生産が可能であり、また製造に要する工程数も低減できる。
3.ポリイミド膜
本発明のポリイミド膜は、上述の熱硬化性インク組成物から得られる。例えば、本発明の熱硬化性インク組成物をインクジェット塗布方法によって基板上に塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を硬化処理して得られる。
本発明のインクでは、上述のように固形分濃度を高く設定できる。このため、本発明では1回のインクジェッティングで厚みが通常2μm以上、好ましくは2〜10μmのポリイミド膜を得ることができ、当該膜厚は従来のインクから得られるポリイミド膜の膜厚よりも大きい。例えば、10μm程度の厚い絶縁膜を形成する場合、本発明のインクを用いることにより、従来のインクよりも重ね塗りの回数を減らすことができ、絶縁膜の製造工程を短縮することができる。
本発明のポリイミド膜からなる絶縁膜は、例えば、吸水性が低く、プリント配線板用途(特にフレキシブル配線板用途)で基板との良好な密着性を示し、薬品に対する良好な耐性を示し、耐熱性および電気絶縁性が高く、充分な機械的強度を有し、電子部品の信頼性や歩留まりを向上させることができる。
4.フィルム基板
本発明のフィルム基板は、フィルムと、前記フィルム上に形成された上述のポリイミド膜とを有する。フィルム基板は、例えば、配線が形成されたフィルム(例:ポリイミドフィルム)上に、上述のポリイミド膜の製造方法に従ってポリイミド膜を形成することにより、製造することができる。
本発明のポリイミド膜は、好ましくはポリイミドフィルム等のフィルム上に形成されるが、特にこれに限定されるものではなく、公知の基板上に形成することができる。
本発明に適用可能な基板としては、例えば、FR−1、FR−3、FR−4、CEM−3、またはE668等の各種規格に適合する、ガラスエポキシ基板、ガラスコンポジット基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、グリーンエポキシ基板およびBTレジン基板が挙げられる。
本発明に適用可能な他の基板としては、例えば、銅、黄銅、リン青銅、ベリリウム銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、スズ、クロム、ステンレス等の金属からなる基板(それらの金属を表面に有する基板であってもよい);酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、ジルコニウムのケイ酸塩(ジルコン)、酸化マグネシウム(マグネシア)、チタン酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、硫化カドニウム、硫化モリブデン、酸化ベリリウム(ベリリア)、酸化ケイ素(シリカ)、炭化ケイ素(シリコンカーバイト)、窒化ケイ素(シリコンナイトライド)、窒化ホウ素(ボロンナイトライド)、酸化亜鉛、ムライト、フェライト、ステアタイト、ホルステライト、スピネル、スポジュメン等のセラミックスからなる基板(それらのセラミックスを表面に有する基板であってもよい);PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂、PCT(ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、テフロン(登録商標)、熱可塑性エラストマー、液晶ポリマー等の樹脂からなる基板(それらの樹脂を表面に有する基板であってもよい);シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素等の半導体基板;ガラス基板;酸化スズ、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウムスズ)、ATO(酸化アンチモンスズ)等の電極材料が表面に形成された基板;αGEL(アルファゲル)、βGEL(ベータゲル)、θGEL(シータゲル)、γGEL(ガンマゲル)(以上、(株)タイカの登録商標)等のゲルシートが挙げられる。
5.電子部品
本発明の電子部品は、上述のフィルム基板を有する電子部品である。このように本発明のフィルム基板を利用して、フレキシブルな電子部品が得られる。本発明の活用法としては、例えば、フレキシブル配線用絶縁膜、それを用いた電子部品が挙げられる。
6.化合物の例示
以下、本発明においてアミド酸(A)の合成に使用することのできる他のジアミン(a2)および酸無水物(a3)について、好ましい具体例も含めて詳細に説明する。
6.1 他のジアミン(a2)
他のジアミン(a2)としては、アミノ基を2つ有しており、且つダイマー酸から誘導されるジアミンを除いたものであれば特に限定されるものではないが、例えば、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,5−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、式(I)〜(VII)で表される化合物、および式(i)〜(iii)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005895732
式(I)中、A1は−(CH2m−であり、ここでmは1〜6の整数である。
式(III)、(V)および(VII)中、A2は単結合、−O−、−S−、−S−S−、−SO2−、−CO−、−CONH−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−(CH2n−、−O−(CH2n−O−または−S−(CH2n−S−であり、ここでnは1〜6の整数である。
式(VI)および(VII)中、2つ存在するA3はそれぞれ独立に単結合、−O−、−S−、−CO−、−C(CH32−、−C(CF32−または炭素数1〜3のアルキレンである。
式(I)〜(VII)において、シクロヘキサン環またはベンゼン環が有する少なくとも一つの水素は、−Fおよび−CH3から選択される少なくとも1種で置き換えられていてもよい。
Figure 0005895732
式(i)中、nは1〜50の整数である。式(i)で表される化合物の市販品としては、例えばこれらの混合体で、ジェファーミンD−230(商品名、ハンツマン社製)、ジェファーミンD−400(商品名、ハンツマン社製)が挙げられる。
Figure 0005895732
式(ii)中、Yは1〜40の整数であり、X+Zは1〜6の整数である。式(ii)で表される化合物の市販品としては、例えばこれらの混合体で、ジェファーミンHK−511(商品名、ハンツマン社製)、ジェファーミンED−600(商品名、ハンツマン社製)、ジェファーミンED−900(商品名、ハンツマン社製)、ジェファーミンED−2003(商品名、ハンツマン社製)が挙げられる。
Figure 0005895732
式(iii)中、nは1〜10の整数であり、Xは1〜10の整数である。式(iii)で表される化合物の市販品としては、例えば、ジェファーミンEDR−148(商品名、ハンツマン社製)、ジェファーミンEDR−176(商品名、ハンツマン社製)、nが2でXが3のジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル(アルドリッチ社製)が挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、例えば、式(I−1)〜(I−3)で表される化合物が挙げられる。式(II)で表される化合物としては、例えば、式(II−1)〜(II−2)で表される化合物が挙げられる。式(III)で表される化合物としては、例えば、式(III−1)〜(III−3)で表される化合物が挙げられる。式(IV)で表される化合物としては、例えば、式(IV−1)〜(IV−5)で表される化合物が挙げられる。式(V)で表される化合物としては、例えば、式(V−1)〜(V−30)で表される化合物が挙げられる。式(VI)で表される化合物としては、例えば、式(VI−1)〜(VI−6)で表される化合物が挙げられる。式(VII)で表される化合物としては、例えば、式(VII−1)〜(VII−12)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
他のジアミン(a2)の中でも、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、2,5−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンが好ましい。
他のジアミン(a2)としては、式(VIII)で表される化合物も挙げられる。
Figure 0005895732
式(VIII)中、A4は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−(CH2p−、−(CH2p−O−または−O−(CH2p−であり、ここでpは1〜6の整数である。R10はステロイド骨格を有する基、または、シクロヘキサン環およびベンゼン環から選択される少なくとも1種の環構造を有する基であり;ただしベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラ位のときは、R10は炭素数1〜30のアルキルであってもよく、前記位置関係がメタ位のときは、R10は炭素数1〜30のアルキルまたはフェニルであってもよい。
10における上記炭素数1〜30のアルキルは、直鎖状であっても分岐状であってもよい。これらのアルキルの少なくとも1つの−CH2−は−CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−および−C≡C−から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよく、これらのアルキルの少なくとも1つの−CH3は−CH2F、−CHF2および−CF3から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよい。
10における上記フェニルの環形成炭素に結合している水素は−F、−CH3、−OCH3、−OCH2F、−OCHF2および−OCF3から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよい。
式(VIII)において、2つのアミノ基はフェニル環炭素に結合しているが、2つのアミノ基の結合位置関係は、メタ位またはパラ位であることが好ましい。さらに2つのアミノ基はそれぞれ、「R10−A4−」のベンゼン環への結合位置を1位としたときに、3位および5位、または2位および5位に結合していることが好ましい。
式(VIII)で表される化合物としては、例えば、式(VIII−1)〜(VIII−11)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005895732
Figure 0005895732
式(VIII−1)、(VIII−2)、(VIII−7)および(VIII−8)中、R11は炭素数1〜30の有機基であり、炭素数3〜12のアルキルまたは炭素数3〜12のアルコキシであることが好ましく、炭素数5〜12のアルキルまたは炭素数5〜12のアルコキシであることがさらに好ましい。
式(VIII−3)〜(VIII−6)および(VIII−9)〜(VIII−11)中、R12は炭素数1〜30の有機基であり、炭素数1〜10のアルキルまたは炭素数1〜10のアルコキシであることが好ましく、炭素数3〜10のアルキルまたは炭素数3〜10のアルコキシであることがさらに好ましい。
式(VIII)で表される化合物としては、例えば、式(VIII−12)〜(VIII−17)で表される化合物も挙げられる。
Figure 0005895732
式(VIII−12)〜(VIII−15)中、R13は炭素数1〜30のアルキルであり、炭素数4〜16のアルキルであることが好ましく、炭素数6〜16のアルキルであることがさらに好ましい。
式(VIII−16)および式(VIII−17)中、R14は炭素数1〜30のアルキルであり、炭素数6〜20のアルキルであることが好ましく、炭素数8〜20のアルキルであることがさらに好ましい。
式(VIII)で表される化合物としては、例えば、式(VIII−18)〜(VIII−38)で表される化合物も挙げられる。
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
式(VIII−18)、(VIII−19)、(VIII−22)、(VIII−24)、(VIII−25)、(VIII−28)、(VIII−30)、(VIII−31)、(VIII−36)および(VIII−37)中、R15は炭素数1〜30の有機基であり、炭素数1〜12のアルキルまたは炭素数1〜12のアルコキシであることが好ましく、炭素数3〜12のアルキルまたは炭素数3〜12のアルコキシであることがさらに好ましい。
式(VIII−20)、(VIII−21)、(VIII−23)、(VIII−26)、(VIII−27)、(VIII−29)、(VIII−32)〜(VIII−35)および(VIII−38)中、R16は水素、−F、炭素数1〜12のアルキル、炭素数1〜12のアルコキシ、−CN、−OCH2F、−OCHF2または−OCF3であり、炭素数3〜12のアルキルまたは炭素数3〜12のアルコキシであることが好ましい。
式(VIII−33)と(VIII−34)中、A5は炭素数1〜12のアルキレンである。
式(VIII)で表される化合物としては、例えば、式(VIII−39)〜(VIII−48)で表される化合物も挙げられる。
Figure 0005895732
Figure 0005895732
式(VIII)で表される化合物のうち、式(VIII−1)〜式(VIII−11)で表される化合物が好ましく、式(VIII−2)、式(VIII−4)、式(VIII−5)および式(VIII−6)で表される化合物がさらに好ましい。
他のジアミン(a2)としては、式(IX)〜(X)で表される化合物も挙げられる。
Figure 0005895732
Figure 0005895732
式(IX)および(X)中、R17は水素または−CH3であり、2つ存在するR18はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキルまたは炭素数2〜20のアルケニルであり、2つ存在するA6はそれぞれ独立に単結合、−C(=O)−または−CH2−である。式(X)中、R19およびR20はそれぞれ独立に水素、炭素数1〜20のアルキルまたはフェニルである。
式(IX)中、ステロイド核のB環に結合した2つの「NH2−Ph−A6−O−」(−Ph−は、フェニレンを示す)は、一方がステロイド核の3位に結合し、もう一方が6位に結合していることが好ましい。また、2つのアミノ基は、それぞれフェニル環炭素に結合しているが、A6のフェニル環への結合位置に対して、メタ位またはパラ位に結合していることが好ましい。
式(X)中、2つの「NH2−(R20−)Ph−A6−O−」(−Ph−は、フェニレンを示す)は、それぞれフェニル環炭素に結合しているが、該フェニル環にステロイド核および「NH2−(R20−)Ph−A6−O−」が結合していると考えた場合、ステロイド核と「NH2−(R20−)Ph−A6−O−」との位置関係は、メタ位またはパラ位であることが好ましい。また、2つのアミノ基はそれぞれフェニル環炭素に結合しているが、A6に対してメタ位またはパラ位に結合していることが好ましい。
式(IX)で表される化合物としては、例えば、式(IX−1)〜(IX−4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005895732
式(X)で表される化合物としては、例えば、式(X−1)〜(X−8)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005895732
Figure 0005895732
他のジアミン(a2)としては、式(XI)で表される化合物、および式(XII)で表される化合物も挙げられる。
Figure 0005895732
式(XI)中、R21は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、該アルキルにおいて、少なくとも1つの−CH2−は、−O−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、2つ存在するA7はそれぞれ独立に−O−または炭素数1〜6のアルキレンであり、A8は単結合または炭素数1〜3のアルキレンであり、環Tは1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンであり、hは0または1である。
Figure 0005895732
式(XII)中、R22は炭素数2〜30のアルキルであり、これらの中でも炭素6〜20のアルキルが好ましい。R23は水素または炭素数1〜30のアルキルであり、これらの中でも炭素1〜10のアルキルが好ましい。2つ存在するA9はそれぞれ独立に−O−または炭素数1〜6のアルキレンである。
式(XI)中、2つのアミノ基はそれぞれフェニル環炭素に結合しているが、A7に対してメタ位またはパラ位に結合していることが好ましい。また、式(XII)中、2つのアミノ基はそれぞれフェニル環炭素に結合しているが、A9に対してメタ位またはパラ位に結合していることが好ましい。
式(XI)で表される化合物としては、例えば、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサンなどの、式(XI−1)〜(XI−9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005895732
Figure 0005895732
式(XI−1)〜(XI−3)中、R24は水素または炭素数1〜20のアルキルである。
式(XI−4)〜(XI−9)中、R25は水素または炭素数1〜20のアルキルであり、水素または炭素数1〜10のアルキルであることが好ましい。
式(XII)で表される化合物としては、例えば、式(XII−1)〜(XII−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005895732
式(XII−1)〜(XII−3)中、R26は炭素数2〜30のアルキルであり、これらの中でも炭素数6〜20のアルキルが好ましく、R27は水素または炭素数1〜30のアルキルであり、これらの中でも水素または炭素数1〜10のアルキルが好ましい。
上述のとおり、他のジアミン(a2)としては、例えば、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,5−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、上記式(I)〜(XII)で表される化合物、および上記式(i)〜(iii)で表される化合物から選択される少なくとも1種を用いることができるが、これらの化合物以外のジアミンも用いることができる。例えば、ナフタレン構造を有するナフタレン系ジアミン、フルオレン構造を有するフルオレン系ジアミン、シロキサン結合を有するシロキサン系ジアミンなどを単独で、または上記式(I)〜(XII)で表される化合物等の上記例示のジアミンと混合して用いることができる。
シロキサン系ジアミンとしては、例えば、式(XIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005895732
式(XIII)中、R28およびR29はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R30はメチレン、フェニレンまたは少なくとも1つの水素が炭素数1〜10のアルキルで置き換えられたフェニレンであり、2つのxはそれぞれ独立に1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。熱硬化性インク組成物の用途によっては高い透明性が必要とされるが、そのような場合には、yは1〜15の整数であることが特に好ましい。複数存在するR28、R29およびR30は、それぞれ互いに同じでも異なっていてもよい。
フルオレン系ジアミンとしては、例えば、9,9−ビス(3−アミノプロピル)フルオレン、9,9―ビス(4−アミノフェニル)フルオレンが挙げられる。
他のジアミン(a2)としては、式(11)〜(18)で表される化合物も挙げられる。
Figure 0005895732
式(11)〜(18)中、R31およびR32はそれぞれ独立に炭素数3〜20のアルキルである。
アミド酸(A)を合成するために用いることができる他のジアミン(a2)は、上記例示のジアミンに限定されることなく、本発明の目的が達成される範囲内で他にも種々の形態のジアミンを用いることができる。
アミド酸(A)を合成するために用いることができる他のジアミン(a2)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。すなわち、2種以上の組み合わせとしては、上記例示のジアミン同士、上記例示のジアミンとそれ以外のジアミン、上記例示のジアミン以外のジアミン同士が挙げられる。特に、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,5−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、式(I)〜(VII)で表される化合物、式(VIII)で表される化合物、式(i)で表される化合物、シロキサン系ジアミンおよびフルオレン系ジアミンから選ばれる少なくとも1種が好適である。
6.2 酸無水物(a3)
酸無水物(a3)としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物;無水マレイン酸とスチレンとの共重合体、無水マレイン酸とメタクリル酸メチルとの共重合体等の酸無水物基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホンビストリメリット酸二無水物(BPS−TME)、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物(6FDA)、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸,[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ジ−4,1−フェニレンエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物(TMBPA)、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸オキシジ−4,1−フェニレンエステル、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(TMHQ)、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物(BPDA−H)、ビシクロ[2,2,2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物(BSAA)、エチレンジアミン四酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレン琥珀酸二無水物および下記式1−1〜1−57で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
テトラカルボン酸二無水物の上記具体例の中でも、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、BPS−TME、TMBPA、OPPBP−TMEを用いることにより、溶媒(B)への溶解性の高いアミド酸(A)が得られ、高濃度のインクを調製できるので好ましい。
また、インクジェット用インクの用途によっては高い透明性が必要とされるが、このような場合には、無水マレイン酸とスチレンとの共重合体、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、BPS−TME、TMBPA、OPPBP−TMEが特に好ましい。
酸無水物(a3)は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例および比較例で用いる、ダイマー酸型ジアミン(a1)、他のジアミン(a2)、酸無水物(a3)、末端架橋剤(T1)、末端架橋剤(T2)および溶媒(B)の名称を略号で示す。以下の記述にはこの略号を使用する。
ダイマー酸型ジアミン(a1)
P−1074 :プリアミン1074(商品名、クローダジャパン(株)製)
他のジアミン(a2)
BAPP :2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン
BAPS−M:ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン
BAPPF :9,9−ビス(3−アミノプロピル)フルオレン(下記化合物1)
Figure 0005895732
BAPF :9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(下記化合物2)
Figure 0005895732
D-400:ジェファーミンD−400(製品名、ハンツマン社製)(下記化合物3)
Figure 0005895732
式中、nは平均値で6.1の混合物
NBDA :2,5−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよび2,6−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンの混合物(下記化合物4)
Figure 0005895732
3o2o2o3DA:ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル
DDE :4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
DA8 :1,8−ジアミノオクタン
DA12:1,12−ジアミノドデカン
酸無水物(a3)
BSAA:4,4’-[(イソプロピリデン)ビス(p-フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物
BPS−TME:4,4'-ジヒドロキシフェニルスルホンビストリメリット酸二無水物
(下記化合物5)
Figure 0005895732
TMHQ:p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)
(下記化合物6)
Figure 0005895732
TMBPA:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物(下記化合物7)
Figure 0005895732
DSDA:3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物
6FDA:2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物
OPPBP−TME:下記化合物8
Figure 0005895732
ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸二無水物
BPDA−H:3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物
末端架橋剤(T1)
MA:マレイン酸無水物
TESA:3−(トリエトキシシリル)プロピルこはく酸無水物
ANA:アリルナジック酸無水物
4−EPA:4−フェニルエチニルフタル酸無水物
末端架橋剤(T2)
APSE:3−アミノプロピルトリエトキシシラン
溶媒(B)(反応溶媒)
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
GBL:γ―ブチロラクトン
〔物性測定〕
熱硬化性インク組成物(溶液)の25℃かつ20rpmにおける粘度は、E型粘度計(TOKYO KEIKI製 VISCONIC ELD)を用いて測定した。
アミド酸(A)の重量平均分子量は、得られたアミド酸(A)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)でアミド酸(A)濃度が約1質量%になるように希釈して希釈液となし、GPC装置:日本分光(株)製、JASCO GULLIVER 1500(インテリジェント示差屈折率計RI−1530)を用いて、上記希釈液を展開剤としてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。カラムは、昭和電工(株)製カラムGF−510HQ、GF−310HQの2本をこの順序に接続して使用し、カラム温度40℃、流速0.5ml/minの条件で測定した。
[実施例1]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた300mlの四つ口フラスコに、溶媒(B)としてEDMを31.50g、NMPを31.50g、ダイマー酸型ジアミン(a1)としてP−1074を27.12g仕込み、乾燥窒素気流下で攪拌しながら末端架橋剤(T1)としてMAを9.88g加え、40℃で5時間攪拌した。その結果、淡黄色透明なアミド酸(A)の37質量%溶液(インク)を得た。このインクの粘度は14.8mPa・s(25℃)であり、アミド酸(A)の重量平均分子量は800であった。
[実施例2]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた300mlの四つ口フラスコに、溶媒(B)としてEDMを39.50g、NMPを39.50g、ダイマー酸型ジアミン(a1)としてP−1074を12.60g仕込み、乾燥窒素気流下で攪拌しながら末端架橋剤(T1)としてMAを2.30g加え、40℃で1時間攪拌した。次にここへ、酸無水物(a3)としてBSAAを6.10g加え、40℃で5時間攪拌した。その結果、黄色透明なアミド酸(A)の21質量%溶液(インク)を得た。このインクの粘度は16.1mPa・s(25℃)であり、アミド酸(A)の重量平均分子量は6,000であった。
[実施例3〜5、7〜10]
実施例2において、表1に示すとおりに原料を仕込むこと以外は実施例2と同じ投入順序・反応条件でアミド酸(A)の溶液(インク)を調製し、得られたアミド酸(A)の重量平均分子量およびインクの25℃における粘度を測定した。
[実施例6]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた300mlの四つ口フラスコに、溶媒(B)としてEDMを41.50g、NMPを41.50g、ダイマー酸型ジアミン(a1)としてP−1074を9.99g仕込み、乾燥窒素気流下で攪拌しながら末端架橋剤(T1)としてMAを1.66g加え、40℃で1時間攪拌した。次にここへ、酸無水物(a3)としてBPS−TME3.03g、TMHQ2.32gを同時に加え、40℃で5時間攪拌した。その結果、黄色透明なアミド酸(A)の17質量%溶液(インク)を得た。このインクの粘度は14.0mPa・s(25℃)であり、アミド酸(A)の重量平均分子量は7,500であった。
[実施例11]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた300mlの四つ口フラスコに、溶媒(B)としてEDMを39.00g、NMPを39.00g、ダイマー酸型ジアミン(a1)としてP−1074を7.28g、他のジアミン(a2)としてBAPPを3.71g仕込み、乾燥窒素気流下で攪拌しながら末端架橋剤(T1)としてMAを2.21g加え、40℃で1時間攪拌した。次にここへ、酸無水物(a3)としてBSAAを8.80g加え、40℃で5時間攪拌した。その結果、黄色透明なアミド酸(A)の22質量%溶液(インク)を得た。このインクの粘度は14.5mPa・s(25℃)であり、アミド酸(A)の重量平均分子量は5,000であった。
[実施例12〜17、21〜23]
実施例11において、表2に示すとおりに原料を仕込むこと以外は実施例11と同じ投入順序・反応条件でアミド酸(A)の溶液(インク)を調製し、得られたアミド酸(A)の重量平均分子量およびインクの25℃における粘度を測定した。
[実施例18]
温度計、攪拌機、原料投入仕込み口および窒素ガス導入口を備えた300mlの四つ口フラスコに、溶媒(B)としてEDMを39.00g、NMPを39.00g、ダイマー酸型ジアミン(a1)としてP−1074を11.61g、末端架橋剤(T2)としてAPSEを4.78g仕込み、乾燥窒素気流下で攪拌しながら酸無水物(a3)としてBSAAを5.61g加え、40℃で5時間攪拌した。その結果、黄色透明なアミド酸(A)の22質量%溶液(インク)を得た。このインクの粘度は14.1mPa・s(25℃)であり、アミド酸(A)の重量平均分子量は1,800であった。
[実施例19〜20]
実施例18において、表2に示すとおりに原料を仕込むこと以外は実施例18と同じ投入順序・反応条件でアミド酸(A)の溶液(インク)を調製し、得られたアミド酸(A)の重量平均分子量およびインクの25℃における粘度を測定した。
[比較例1〜11]
実施例11において、表3に示すとおりに原料を仕込むこと以外は実施例11と同じ投入順序・反応条件でアミド酸溶液(インク)を調製し、得られたアミド酸の重量平均分子量およびインクの25℃における粘度を測定した。ただし、比較例8〜11では、析出物があり、可溶化した均一なインクは調製することができなかった。
実施例および比較例の各条件および物性の詳細を表1〜表4に示す。
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
Figure 0005895732
実施例および比較例で得られたインクの評価方法を以下に記す。
〔インク特性〕
(i)安定した吐出時間の評価
実施例および比較例で得られたインクをインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM Dimatix社製のDMP−2800)に装着し、10pl用のヘッドを用いて、吐出電圧(ピエゾ電圧)16V、ヘッド温度30℃、駆動周波数5kHzの条件下で吐出の様子を観察した。ジェッティング中に、インクが垂直方向に吐出され、かつノズルからインクが滴下される際に本来画像記録に寄与するインク滴の他に微小液滴が発生する(すなわち、正確に一滴として吐出されない)サテライトという現象が発生しない状態を正常な吐出として、ジェッティング開始から正常に吐出を続ける時間を観察した。観察はジェッティング開始から20分間行い、安定吐出時間の最大値は20分とした。
〔硬化膜の形成〕
実施例および比較例で得られたインクをインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM Dimatix社製のDMP−2811)に装着し、10pl用のヘッドを用いて、吐出電圧(ピエゾ電圧)16V、ヘッド温度30℃、駆動周波数5kHz、塗布回数はアミド酸濃度が20質量%未満のインクは4回、20質量%以上25質量%以下のインクは3回、25質量%より高濃度のインクは2回の吐出条件で、銅箔(厚さ12.5μm)をポリイミド上に積層した基板[(三井化学(株)製)ネオフレックスNEX−13FE(商品名)]の銅箔面上に40mm×40mmの正方形のパターンを形成した。その後、80℃のホットプレート上で10分間乾燥し、さらにオーブンを用いて表5に示すそれぞれの温度条件で焼成して、膜厚8〜11μmの硬化膜をそれぞれ得た。
(ii)アルカリ水溶液耐性
上記で得られた硬化膜を、2規定のNaOH水溶液中に室温で15分間浸漬して、水洗の後に60℃で30分間乾燥した。硬化膜と銅箔との界面を光学顕微鏡により観察し、以下の評価基準により、アルカリ水溶液耐性を評価した。
・AA:硬化膜と銅箔との界面に染込みが生じず、さらに剥離等の異常がみられない。
・CC:硬化膜と銅箔との界面に染込みが生じ、一部剥離等の異常がみられる。
(iii)めっき試験
上記で得られた硬化膜に対して、上村工業(株)製の無電解銅めっき液PEAを用いて無電解銅めっきを行い、以下の評価基準により、めっきの付着性を観察した。
・AA:硬化膜上にめっきが付着した。
・CC:硬化膜が溶解して、めっきが付着しなかった。
次に、無電解銅めっき後の硬化膜に対して、上村工業(株)製の電解銅めっき液EPLを用いて、厚さ20μmの銅めっき層を形成した。この銅めっき層にカッターで2mm×30mmの切込みを入れ、切込み端部の銅めっき層と硬化膜との界面を引き剥がしてピール試験用サンプルとした。このサンプルを(株)島津製作所製の引張試験機EZGraphにセットしてピール強度を測定した。
(iv)吸水率測定
形成対象である基板をアルミ箔に変更したこと以外は上記〔硬化膜の形成〕と同様にして硬化膜を作製し、アルミ箔を引き剥がして単独膜を得た。これを超純水中に室温で24時間浸漬して、不織布で膜表面に付着している水滴をふき取り、天秤で膜の重量変化を観察した。吸水率(%)=(吸水前後の膜の重量変化分×100)/(吸水前の膜重量)とした。
(v)誘電率測定
実施例および比較例で得られたインクをインクジェットカートリッジに注入し、これをインクジェット装置(FUJIFILM Dimatix社製のDMP−2811)に装着し、10pl用のヘッドを用いて、吐出電圧(ピエゾ電圧)16V、ヘッド温度30℃、駆動周波数5kHz、塗布回数はアミド酸濃度が25質量%以下のインクは2回、25質量%より高濃度のインクは1回の吐出条件で、クロム基板上に70mm×50mmの正方形のパターンを形成した。その後、80℃のホットプレート上で10分間乾燥し、さらにオーブンを用いて表5に示すそれぞれの温度条件で焼成して、膜厚2〜4μmの硬化膜をそれぞれ得た。その後、硬化膜上にアルミニウムを蒸着させて、電極を形成した。誘電率は、プレシジョンLCRメーター E4980A(アジレント・テクノロジー(株)製)を使用して測定した。
実施例および比較例につき、以上の評価結果を表5に示す。
Figure 0005895732
本発明の熱硬化性インク組成物をインクジェット用インクとして用いた場合に、当該インクは、インクジェットヘッドからの吐出安定性に優れ、さらに、当該インクから得られた硬化膜は、アルカリ水溶液に対する耐性および銅めっき層に対する密着性に優れ、誘電率および吸水率が低く、絶縁膜として良好な結果を示した。

Claims (16)

  1. 式(A1)で表されるアミド酸、
    式(A2)で表されるアミド酸、ならびに
    ダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)を含む1種以上のジアミン(a12)と、酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)と、式(T1)で表される末端架橋剤,式(T2)で表される末端架橋剤の一方または双方の末端架橋剤とを反応させて得られる、分子末端に架橋性有機基を有するポリアミド酸
    から選択される少なくとも1種のアミド酸(A)を含有する、熱硬化性インク組成物。
    Figure 0005895732
    [式(A1)および(A2)中、R1はダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)の残基であり、R2は炭素数2〜100の二価の架橋性有機基である。]
    Figure 0005895732
    [式(T1)中、R2は炭素数2〜100の二価の架橋性有機基であり、式(T2)中、R3は炭素数2〜100の一価の架橋性有機基である。]
  2. インクジェット用インクである、請求項1記載の熱硬化性インク組成物。
  3. ダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)が、不飽和脂肪酸から得られたダイマー酸の還元的アミノ化反応によって得られた、1種または2種以上のジアミンであり、
    前記不飽和脂肪酸が、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、セオペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびニシン酸から選択される、
    請求項1または2記載の熱硬化性インク組成物。
  4. ジアミン(a12)が、ダイマー酸から誘導されるジアミン(a1)以外に、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルプロパン、ベンジジン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]シクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス[4−(4−アミノベンジル)フェニル]メタン、2,5−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6−ビスアミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン、9,9−ビス(3−アミノプロピル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、式(VIII)で表される化合物、式(XIII)で表される化合物、および式(i)で表される化合物から選択される少なくとも1種をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
    Figure 0005895732
    [式(VIII)中、A4は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、−CO−、−CONH−、−(CH2p−、−(CH2p−O−または−O−(CH2p−であり、ここでpは1〜6の整数であり;R10はステロイド骨格を有する基、または、シクロヘキサン環およびベンゼン環から選択される少なくとも1種の環構造を有する基であり;ただしベンゼン環に結合している2つのアミノ基の位置関係がパラ位のときは、R10は炭素数1〜30のアルキルであってもよく、前記位置関係がメタ位のときは、R10は炭素数1〜30のアルキルまたはフェニルであってもよく、前記アルキルの少なくとも1つの−CH2−は−CF2−、−CHF−、−O−、−CH=CH−および−C≡C−から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよく、前記アルキルの少なくとも1つの−CH3は−CH2F、−CHF2および−CF3から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよく、前記フェニルの環形成炭素に結合している水素は−F、−CH3、−OCH3、−OCH2F、−OCHF2および−OCF3から選択される少なくとも1種で置き換えられてもよい。]
    Figure 0005895732
    [式(XIII)中、R28およびR29はそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキルまたはフェニルであり、R30はメチレン、フェニレンまたは少なくとも1つの水素が炭素数1〜10のアルキルで置き換えられたフェニレンであり、2つのxはそれぞれ独立に1〜6の整数であり、yは1〜70の整数である。]
    Figure 0005895732
    [式(i)中、nは1〜50の整数である。]
  5. 酸無水物基を2つ以上有する化合物(a3)が、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホンビストリメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸,[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン]ジ−4,1−フェニレンエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸オキシジ−4,1−フェニレンエステル、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロへキシルテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4,4’−[(イソプロピリデン)ビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物、エチレンジアミン四酢酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレン琥珀酸二無水物、および下記式で表される化合物
    Figure 0005895732
    から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
  6. 式(T1)で表される末端架橋剤が、マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、アリルナジック酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物および3−(トリエトキシシリル)プロピルこはく酸無水物から選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
  7. 式(T2)で表される末端架橋剤が、4−エチニルアニリン、3−エチニルアニリン、プロパギルアミン、3−アミノブチン、4−アミノブチン、5−アミノペンチン、4−アミノペンチン、アリルアミン、7−アミノヘプチン、m−アミノスチレン、p−アミノスチレン、m−アミノ−α−メチルスチレン、3−アミノフェニルアセチレン、4−アミノフェニルアセチレン、3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび3−アミノプロピルトリメトキシシランから選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
  8. さらに溶媒(B)を含有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
  9. 溶媒(B)が、乳酸エチル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラメチレングリコールモノビニルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、シクロヘキサノン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、アニソール、安息香酸メチル、安息香酸エチル、1−ビニル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびγ−ブチロラクトンから選択される少なくとも1種である、請求項8記載の熱硬化性インク組成物。
  10. 25℃かつ20rpmにおける粘度が5〜20mPa・sである、請求項8または9記載の熱硬化性インク組成物。
  11. 前記ポリアミド酸のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量が500〜10,000である、請求項1〜10のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
  12. 熱硬化性インク組成物中のアミド酸(A)の含有量が15〜60質量%である、請求項1〜11のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物をインクジェット塗布方法によって塗布して塗膜を形成する工程、および前記塗膜を硬化処理する工程を有する、インクの塗布方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項記載の熱硬化性インク組成物をインクジェット塗布方法によって塗布して塗膜を形成する工程、および前記塗膜を硬化処理してポリイミド膜を形成する工程を有する、ポリイミド膜の製造方法。
  15. フィルム上に、請求項14記載の製造方法を用いてポリイミド膜を形成する工程を有するフィルム基板の製造方法
  16. 請求項15記載の製造方法によりフィルム基板を製造する工程を有する電子部品の製造方法
JP2012139754A 2011-07-01 2012-06-21 熱硬化性インク組成物およびその用途 Active JP5895732B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012139754A JP5895732B2 (ja) 2011-07-01 2012-06-21 熱硬化性インク組成物およびその用途
TW101123152A TWI532795B (zh) 2011-07-01 2012-06-28 熱硬化性墨水組成物及其用途
KR1020120071070A KR101984017B1 (ko) 2011-07-01 2012-06-29 열경화성 잉크 조성물 및 그 용도

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011147411 2011-07-01
JP2011147411 2011-07-01
JP2012139754A JP5895732B2 (ja) 2011-07-01 2012-06-21 熱硬化性インク組成物およびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013032501A JP2013032501A (ja) 2013-02-14
JP5895732B2 true JP5895732B2 (ja) 2016-03-30

Family

ID=47788615

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012139754A Active JP5895732B2 (ja) 2011-07-01 2012-06-21 熱硬化性インク組成物およびその用途

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5895732B2 (ja)
KR (1) KR101984017B1 (ja)
TW (1) TWI532795B (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6163801B2 (ja) * 2013-03-13 2017-07-19 Jnc株式会社 硬化膜
WO2015012381A1 (ja) * 2013-07-25 2015-01-29 Jnc株式会社 熱硬化性樹脂組成物、硬化膜、硬化膜付き基板および電子部品
JP6759932B2 (ja) * 2015-09-30 2020-09-23 荒川化学工業株式会社 変性ポリイミド、接着剤組成物、樹脂付銅箔、銅張積層板、プリント配線板及び多層基板
CN106947079B (zh) * 2015-09-30 2021-08-03 荒川化学工业株式会社 改性聚酰亚胺、胶粘剂组合物、带树脂的铜箔、覆铜层叠板、印刷布线板和多层基板
TWI724033B (zh) * 2015-09-30 2021-04-11 日商荒川化學工業股份有限公司 改質聚醯亞胺、黏著劑組成物、附有樹脂之銅箔、覆銅積層板、印刷線路板及多層基板
JP6939017B2 (ja) * 2016-03-30 2021-09-22 荒川化学工業株式会社 ポリイミド、ポリイミド系接着剤、フィルム状接着材、接着層、接着シート、樹脂付銅箔、銅張積層板及びプリント配線板、並びに多層配線板及びその製造方法
CN108243612A (zh) 2016-09-28 2018-07-03 陶氏环球技术有限责任公司 用于合成聚(酰胺酸)和聚酰亚胺聚合物的基于dmpa的溶剂体系
JP7003795B2 (ja) * 2017-03-29 2022-01-21 荒川化学工業株式会社 ポリイミド、接着剤、フィルム状接着材、接着層、接着シート、樹脂付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、並びに多層配線板及びその製造方法
JP7003794B2 (ja) * 2017-03-29 2022-01-21 荒川化学工業株式会社 ポリイミド、接着剤、フィルム状接着材、接着層、接着シート、樹脂付銅箔、銅張積層板、プリント配線板、並びに多層配線板及びその製造方法
KR101953777B1 (ko) * 2017-08-25 2019-03-05 주식회사 켐트로닉스 전도성 조성물, 이를 이용하여 제조한 필름 및 상기 필름을 포함하는 화상표시장치
JP7418737B2 (ja) * 2019-01-18 2024-01-22 株式会社カネカ イミドオリゴマー、ワニス、それらの硬化物、並びにそれらを用いたプリプレグ及び繊維強化複合材料
CN113677741B (zh) * 2019-04-02 2023-10-20 日本化药株式会社 双马来酰亚胺化合物、使用其的感光性树脂组成物、其硬化物及半导体组件
TWI730757B (zh) * 2020-05-11 2021-06-11 晉一化工股份有限公司 熱固性聚醯亞胺樹脂及其製造方法、組成物、預聚物、薄膜、黏著劑、及其用途

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5380805B2 (ja) * 2006-08-31 2014-01-08 Jnc株式会社 インクジェット用インク
JP5407151B2 (ja) * 2008-02-29 2014-02-05 Jnc株式会社 インクジェット用インク
JP5617235B2 (ja) * 2008-12-12 2014-11-05 Jnc株式会社 インクジェット用インク
JP2010256532A (ja) * 2009-04-23 2010-11-11 Hitachi Chem Co Ltd 感光性樹脂組成物、感光性エレメント及びこれを用いたレジストパターンの形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013032501A (ja) 2013-02-14
KR20130004160A (ko) 2013-01-09
TWI532795B (zh) 2016-05-11
KR101984017B1 (ko) 2019-05-30
TW201302934A (zh) 2013-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5895732B2 (ja) 熱硬化性インク組成物およびその用途
JP5691508B2 (ja) ジイミド化合物ならびにインクジェット用インクおよびその用途
KR101477174B1 (ko) 잉크젯용 잉크
JP5617235B2 (ja) インクジェット用インク
KR101505899B1 (ko) 잉크젯용 잉크
JP5899605B2 (ja) 熱硬化性組成物
JP5699459B2 (ja) インクジェット用インクおよびその用途
KR101489717B1 (ko) 잉크젯용 잉크
JP6127908B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
KR20090086559A (ko) 잉크젯용 잉크
JP2010189631A (ja) インクジェット用インク
JP5569216B2 (ja) 熱硬化性組成物およびその用途
JP5282414B2 (ja) インクジェット用インク
JP6079016B2 (ja) 熱硬化性インクジェットインクおよびその用途
JP5703537B2 (ja) インクジェット用インク
JP5282415B2 (ja) インクジェット用インク
JP5699457B2 (ja) インクジェット用インクおよびその用途
JP5942348B2 (ja) 熱硬化性インクジェット用インクおよびその用途
KR101474319B1 (ko) 잉크젯용 잉크
JP2011256140A (ja) 新規なシリコンイミド化合物およびその製造方法、ならびにその用途
JP2013056964A (ja) インクジェットインク
JP2017179128A (ja) 熱硬化性樹脂組成物の硬化物、硬化物を備えた基板および電子部品の製造方法
JP2012233052A (ja) インクジェット用インクおよびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5895732

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250