JP7390888B2 - インクジェットインク - Google Patents

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本発明は、白色を除く任意の色の印刷に用いるインクジェットインクに関するものである。
黒色等の明度の低い被印刷体の表面や、透明材料からなる被印刷体の表面などに、視認性のある鮮やかな色味の文字などをインクジェット印刷法によって印刷するために、隠蔽性を有するインクジェットインクを用いる場合がある。
従来、インクジェットインクに隠蔽性を付与するためには、着色剤として、任意の色の染料、顔料とともに、高い隠蔽力と着色力とを有する白色顔料である酸化チタンなどを併用するのが一般的である(特許文献1等参照)。
しかし、酸化チタンなどの隠蔽力の高い白色顔料はいずれも、比重が大きく短期間で沈降しやすいため、インクジェットインクの分散安定性が不十分になる場合がある。
特開2013-227369号公報
本発明の目的は、酸化チタン等の沈降しやすい白色顔料を含まない(除く)ため分散安定性に優れる上、当該白色顔料を含む場合と同等の高い隠蔽性を有する文字などを印刷できるインクジェットインクを提供することにある。
本発明は、着色剤、2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含むラジカル重合性成分、揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を含み、前記多官能モノマーは、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを、前記多官能モノマーの総量中に30質量%以上の割合で含み、前記単官能モノマーの割合は、前記ラジカル重合性成分の総量中の5質量%以上、70質量%以下、前記揮発性溶剤の割合は、前記ラジカル重合性成分の総量に対して50質量%以上、400質量%以下であるインクジェットインクである。
本発明によれば、酸化チタン等の沈降しやすい白色顔料を含まないため分散安定性に優れる上、当該白色顔料を含む場合と同等の高い隠蔽性を有する文字などを印刷できるインクジェットインクを提供することができる。
上述したように、本発明のインクジェットインクは、着色剤、2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含むラジカル重合性成分、揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を含み、上記多官能モノマーは、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを、当該多官能モノマーの総量中に30質量%以上の割合で含み、単官能モノマーの割合は、上記ラジカル重合性成分の総量中の5質量%以上、70質量%以下、揮発性溶剤の割合は、当該ラジカル重合性成分の総量に対して50質量%以上、400質量%以下であることを特徴とするものである。
なお本発明では、高Tg多官能モノマーを含む多官能モノマー、および単官能モノマーのガラス転移温度Tg(℃)を、下記の方法によって測定した結果から求めた値でもって表すこととする。
すなわち、まずガラス転移温度Tg(℃)を求めるモノマーを単独で重合させて、当該モノマーのホモポリマーからなる測定用のサンプルを作製する。
具体的にはモノマーを、300W/inchの中圧水銀アークランプを用いてUV処理速度:25ft/min、積算照射量:1.5J/cmの条件で紫外線を照射することで重合させて、サンプルを作製する。
この際、積算照射量は、International Light Technologies社製のIL390B放射計を用いて測定する。
次いで、作製したサンプルを用いて、示差走査熱量測定(DSC)、またはモノマーの種類によっては動的粘弾性測定(DMA)による測定結果から、ガラス転移温度Tg(℃)を求める。
上記測定方法は、多官能モノマー、単官能モノマーのメーカーであるARKEMA(アルケマ)社のカタログに記載の測定方法に準拠したものである。
上記本発明のインクジェットインクによって文字などを印刷したのち、紫外線などで露光すると、光ラジカル重合開始剤の機能によってラジカル重合性成分がラジカル重合反応して、主に多官能モノマーの機能によって三次元網目状構造が形成される。
すなわち、ラジカル重合性成分が硬化反応して、文字などを形成する硬化物が生成される。
また、この硬化反応と前後して揮発性溶剤が揮発して硬化物が多孔質化されるため、当該硬化物中で光の乱反射を生じて、文字などに隠蔽性を付与することができる。
しかも本発明によれば、多官能モノマーとして、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを選択して用いることによって、硬化物の多孔質化による文字などの隠蔽性の度合い、つまり隠蔽率を高めることができる。
そのため、酸化チタン等の白色顔料を用いることなしに、文字などの隠蔽性を、当該白色顔料を含む場合と同等程度まで高めることができる。
とくにインクジェットインクの硬化物の隠蔽率は、45%以上とするのが好ましい。
隠蔽率がこの範囲より小さい場合には、文字などの隠蔽性が不足して、下地の表面の色味や模様などが反映されやすくなり、たとえば、ベタ印刷をした際に色むらが目立ったり、バーコードを印刷した際に掠れや欠けに見えたりしてしまう場合がある。
これに対し、インクジェットインクの硬化物の隠蔽率を上記の範囲とすることにより、文字などの隠蔽性を高めて、たとえば、ベタ印刷をした際に色むらが目立ったり、バーコードを印刷した際に掠れや欠けに見えたりするのを抑制することができる。
なお本発明では、インクジェットインクの硬化物の隠蔽率を、常温(5~35℃)環境下、日本産業規格JIS K5600-4-1:1999「塗料一般試験方法-第4部:塗膜の視覚特性-第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)」所載の「方法B(隠ぺい率試験紙)」に準拠して測定した値でもって表すこととする。
すなわち、上記規格に準拠する隠ぺい率試験紙の、白黒色分けされた表面に、インクジェットインクを、硬化後の膜厚が3~10μmになるように塗布し、印刷から0.15秒以内にUVランプを用いて露光して硬化反応させた後、その白部上および黒部上の各々5箇所で三刺激値を測定して、平均の三刺激値YとYを求める。
隠蔽率試験紙の表面にインクジェットインクを塗布するには、インクジェットプリンタを用いたベタ印刷や、あるいはバーコーター、スプレー等を用いた塗布方法等が採用できる。
そして、求めた平均の三刺激値Y、Yから、隠蔽率Y/Yを、百分率で算出する。
硬化物をより確実に多孔質化して、文字などの隠蔽性をさらに高めるためには、硬化反応の進行から遅れて揮発性溶剤が揮発するのが好ましく、とくに硬化反応がほぼ終了した後に揮発性溶剤が揮発するのが好ましい。
そのためには、たとえば、ラジカル重合性成分の種類と組み合わせ、ならびに揮発性溶剤の種類と組み合わせを適宜選択すればよい。
なおインクジェットインクは、その色味によって、発色の具合と隠蔽力との間の関係が異なることが知られている。
たとえば、フルカラー印刷において組み合わせて用いるシアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の3色の場合、隠蔽率の下限は、上述した範囲内でも、それぞれ下記の範囲とするのが、より高い隠蔽性を有する文字などを印刷する上で好ましい。
シアン:50%以上、中でも60%以上、とくに75%以上。
マゼンタ:50%以上、中でも55%以上、とくに65%以上。
イエロー:50%以上、中でも55%以上、とくに60%以上。
ただし、1回の印刷で隠蔽率が低くても、2回、3回と重ねて印刷することで、隠蔽率を向上することは可能である。
また本発明では、多官能モノマーとともに単官能モノマーを併用することで、文字などを形成する硬化物に適度の柔軟性を付与することができる。
そのため、たとえば、紙やフィルム等の柔軟な被印刷体の表面に印刷した文字などの、当該被印刷体の屈曲に対する追従性を高めて、被印刷体を屈曲した際等に文字などが剥離したりするのを抑制することもできる。
また、単官能モノマーは一般に、多官能モノマーに比べて硬化反応の速度が高いため、単官能モノマーを併用することで、ラジカル重合性成分の全体での硬化反応の速度を高めて、上述したように硬化反応がほぼ終了した後に揮発性溶剤を揮発させることもできる。
その結果、硬化物をより確実に多孔質化して、文字などの隠蔽性を、さらに高めることができる。
その上、単官能モノマーは一般に、多官能モノマーに比べて低粘度であるため、同様に粘度低下に寄与する揮発性溶剤とともに併用することで、インクジェットインクの粘度を、インクジェットプリンタのノズルからの吐出に適した範囲に抑制することもできる。
なお本発明において、前述したように、多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合(以下「Rmh」の符号を付する場合がある。)が30質量%以上に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、高Tg多官能モノマーの割合Rmhがこの範囲未満では、当該高Tg多官能モノマーを選択して用いることによる、文字などの隠蔽性を高める効果が得られない場合がある。
これに対し、高Tg多官能モノマーの割合Rmhを上記の範囲とすることにより、硬化物の隠蔽率を高めて、隠蔽性に優れた文字などを印刷することが可能となる。
また本発明において、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合(以下「Rs」の符号を付する場合がある。)が5質量%以上、70質量%以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち単官能モノマーの割合Rsがこの範囲未満では、当該単官能モノマーを併用することによる、硬化物に適度の柔軟性を付与したり、硬化反応の速度を高めたり、インクジェットインクの全体の粘度が高くなるのを抑制したりする効果が得られない場合がある。
一方、単官能モノマーの割合Rsが上記の範囲を超える場合には、相対的に、三次元網目状構造のもとになる多官能モノマーが不足し、形成される三次元網目状構造が粗になって、硬化物の強靭性や、文字などの耐擦過性が不足する場合がある。
これに対し、単官能モノマーの割合Rsを上記の範囲とすることで、当該単官能モノマーを併用することによる効果を維持しながら、なおかつ硬化物の強靭性や文字などの耐擦過性の不足を抑制することが可能となる。
さらに本発明において、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合(以下「Rv」の符号を付する場合がある。)が、50質量%以上、400質量%以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、硬化物を多孔質化するもとになる揮発性溶剤の割合Rvがこの範囲未満では、当該硬化物を多孔質化して文字などの隠蔽性を高める効果が得られない場合がある。
また前述したように、粘度低下に寄与する揮発性溶剤の割合が不足することにもなるため、全体の粘度が、インクジェットインクとして適した範囲を超えてしまい、インクジェットプリンタのノズルから良好に吐出できない不良を生じる場合もある。
一方、揮発性溶剤の割合Rvが上記の範囲を超える場合には、インクジェットインク中の固形分濃度が不足する結果、被印刷体の表面に、十分な厚みを有し、耐擦過性に優れた文字などを印刷できない場合がある。
これに対し、揮発性溶剤の割合Rvを上記の範囲とすれば、インクジェットインクの全体の粘度を吐出に適した範囲に抑制して吐出不良の発生を抑えつつ、十分な厚みを有し耐擦過性に優れる上、隠蔽性の高い文字などを印刷することができる。
これらのことは、後述する実施例、比較例の結果からも明らかである。
《ラジカル重合性成分》
〈高Tg多官能モノマー〉
高Tg多官能モノマーとしては、1分子中にラジカル重合性基を2つ以上有する、すなわち2官能以上で、かつガラス転移温度Tgが40℃以上の種々のモノマーを用いることができる。
高Tg多官能モノマーの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
(2官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMER(サートマー、登録商標)シリーズのうち、SR213〔1,4-ブタンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:45℃〕、SR238F〔1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:43℃〕、SR238NS〔1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:43℃〕、SR272〔トリエチレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:48℃〕、SR9209〔アルコキシ化脂肪酸ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:48℃〕、SR212〔1,3-ブチレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:101℃〕、SR230〔ジエチレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:100℃〕、SR247〔ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:107℃〕、SR306H〔トリプロピレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、SR306NS〔トリプロピレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、SR349〔エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:67℃〕、SR349NS〔エトキシ化(3)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:67℃〕、SR508〔ジプロピレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:104℃〕、SR508NS〔ジプロピレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:104℃〕、CD595〔ドデカンジアクリレート、ガラス転移温度Tg:91℃〕、SR601〔エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:60℃〕、SR601NS〔エトキシ化(4)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:60℃〕、SR833〔トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:186℃〕、SR833NS〔トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:186℃〕
日本化薬(株)製のKAYARAD(カヤラッド、登録商標)シリーズのうち、NPGDA〔ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:107℃〕。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATE(ライトアクリレート、登録商標)シリーズのうち、NP-A〔ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:107℃〕。
(2官能メタクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR206NS〔エチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:58℃〕、SR214NS〔1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:55℃〕、CD541〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:54℃〕、SR541〔エトキシ化(6)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:54℃〕、SR101〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:122℃〕、SR231〔ジエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:66℃〕、SR231NS〔ジエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:66℃〕、SR297〔1,3-ブチレンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:85℃〕、CD540〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:108℃〕、SR540〔エトキシ化(4)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:108℃〕。
(3官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR368〔トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアネートトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:272℃〕、SR368NS〔トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアネートトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:272℃〕、SR444〔ペンタエリスリトールトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、SR444NS〔ペンタエリスリトールトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、SR351〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、SR351S〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、SR351NS〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕。
日本化薬(株)製のKAYARADシリーズのうち、TMPTA〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATEシリーズのうち、TMP-A〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕、PE-3A〔ペンタエリスリトールトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕。
新中村化学工業(株)製のA-TMPT〔トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:62℃〕。
(4官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR295〔ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、SR295NS〔ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、SR355〔ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:98℃〕、SR355NS〔ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:98℃〕。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATEシリーズのうち、PE-4A〔ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕。
新中村化学工業(株)製のA-TMMT〔ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:103℃〕、AD-TMP〔ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ガラス転移温度Tg:98℃〕。
(5官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR399〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ガラス転移温度Tg:90℃〕、SR399NS〔ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ガラス転移温度Tg:90℃〕、SR9041〔ペンタアクリレートエステル、ガラス転移温度Tg:102℃〕。
なお、前述した効果をさらに向上することを考慮すると、高Tg多官能モノマーとしては、上記例示の中から3官能以上である化合物、中でも3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが90℃以上である化合物を選択して用いるのが好ましい。
とくに3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが200℃以上、300℃以下である化合物、あるいは4官能以上で、かつガラス転移温度Tgが100℃以上、200℃未満である化合物等を選択して用いるのがより一層好ましい。
〈単官能モノマー〉
単官能モノマーとしては、上記高Tg多官能モノマーと共重合可能な、1分子中にラジカル重合性基を1つのみ有する種々のモノマーを用いることができる。
単官能モノマーの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
(N-ビニルラクタムモノマー)
式(1)
Figure 0007390888000001
〔式中nは1~7を示す。〕
で表されるN-ビニルラクタムモノマー。
N-ビニルラクタムモノマーの具体例としては、たとえば、式(1)中のnが3である、式(1-1):
Figure 0007390888000002
で表されるN-ビニル-2-ピロリドン、および式(1)中のnが5である、式(1-2):
Figure 0007390888000003
で表されるN-ビニル-ε-カプロラクタム(以下「VCAP」と略記する場合がある。)等の少なくとも1種を用いることができる。
N-ビニルラクタムモノマーは、文字などを形成する硬化物の、被印刷体の表面に対する定着性と、それに伴う耐擦過性とを高める効果に優れている。
そのため、紙やフィルム等の柔軟な被印刷体の表面に印刷した文字などの、当該被印刷体の屈曲に対する追従性をさらに向上して、被印刷体を屈曲した際等に文字などが剥離したりするのをより一層良好に抑制することができる。
またN-ビニルラクタムモノマーは、光ラジカル重合開始剤の増感剤として、インクジェットインクの光感度を向上して、硬化反応の速度を高める効果をも有している。
とくに式(1-2)のVCAPは、これらの効果に優れており、単官能モノマーとして好適に用いることができる。
(他の単官能モノマー)
単官能モノマーとしては、N-ビニルラクタムモノマーとともに、あるいはN-ビニルラクタムモノマーに代えて、他の単官能モノマーを用いることもできる。
後述するように、インクジェットインクがさらにバインダ樹脂を含む場合、N-ビニルラクタムモノマーはバインダ樹脂との相性が悪く、併用が難しいため、当該N-ビニルラクタムモノマーに代えて、それ以外の他の単官能モノマーを用いることが好ましい。
他の単官能モノマーとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸やその塩またはエステル、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレンまたはその誘導体、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ポリウレタン、アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物、単官能(メタ)アクリレート化合物、単官能ビニルエーテル化合物、単官能(メタ)アクリルアミド化合物等の1種または2種以上が挙げられる。
また、このうち単官能アクリレート化合物の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR217NS〔4-tert-ブチルシクロヘキサノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR256〔2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-54℃〕、SR257〔ステアリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:35℃〕、SR285〔テトラヒドロフルフリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-15℃〕、SR335〔ラウリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-30℃〕、SR339A〔2-フェノキシエチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:5℃〕、SR339NS〔2-フェノキシエチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:5℃〕、SR395〔イソデシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-60℃〕、SR395NS〔イソデシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-60℃〕、SR420NS〔3,3,5-トリメチルシクロヘキサノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:29℃〕、SR440〔イソオクチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-54℃〕、SR484〔オクチル/デシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-57℃〕、SR489〔トリデシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-55℃〕、SR489D〔トリデシルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-55℃〕、SR495〔カプロラクトンアクリレート、ガラス転移温度Tg:-53℃〕、SR495NS〔カプロラクトンアクリレート、ガラス転移温度Tg:-53℃〕、SR504〔エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR504NS〔エトキシ化(4)ノニルフェノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:-27℃〕、SR506〔イソボルニルアクリレート、ガラス転移温度Tg:88℃〕、SR506NS〔イソボルニルアクリレート、ガラス転移温度Tg:88℃〕、SR531〔環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、ガラス転移温度Tg:32℃〕、SR551〔メトキシポリエチレングリコール(350)モノアクリレート、ガラス転移温度Tg:-57℃〕、SR611〔アルコキシ化テトラヒドロフルフリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-51℃〕、CD614〔アルコキシ化ノニルフェニルアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、CD9075〔アルコキシ化ラウリルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-45℃〕、SR9087〔アルコキシ化フェノールアクリレート、ガラス転移温度Tg:-24℃〕、CD9087〔アルコキシ化2-フェノキシエチルアクリレート、ガラス転移温度Tg:-23.5℃〕。
単官能メタクリレートの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR203〔テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:23℃〕、SR242〔イソデシルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR313〔ラウリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-65℃〕、SR313NS〔ラウリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-28℃〕、SR324〔ステアリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:38℃〕、SR324NS〔ステアリルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:38℃〕、SR340〔2-フェノキシエチルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:54℃〕、CD421〔3,3,5-トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:145℃〕、SR423〔イソボルニルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:110℃〕、SR423NS〔イソボルニルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:110℃〕、SR493〔トリデシルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-32℃〕、SR493D〔トリデシルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-40℃〕、CD535〔ジシクロペンタジエニルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:91℃〕、CD545〔ジエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:57℃〕、SR550〔メトキシポリエチレングリコール(350)モノメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-62℃〕、CD550〔メトキシポリエチレングリコール(350)モノメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-62℃〕、CD552〔メトキシポリエチレングリコール(550)モノメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-65℃〕、SR604〔ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、CD730〔トリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-7℃〕。
単官能(メタ)アクリレートのさらに他の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
2-ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、エポキシアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ-ポリエチレングリコールアクリレート、2-アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマールアクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、3-メトキシブチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2-アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、フェノキシ-ポリエチレングリコールアクリレート、2-アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性アクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラクトン変性アクリレート等のアクリレート化合物;メチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート等のメタクリレート化合物。
単官能ビニルエーテル化合物の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、n-オクタデシルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、n-ノニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4-メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2-ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、4-ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、イソプロペニルエーテル-O-プロピレンカーボネート。
さらに単官能(メタ)アクリルアミド化合物の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-sec-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-フェニル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、1-(メタ)アクリロイルピロリジン、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-(メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)(メタ)アクリルアミド、4-(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド。
〈他のラジカル重合性成分〉
高Tg多官能モノマー、単官能モノマーと併用してもよい他のラジカル重合性成分としては、たとえば、1分子中にラジカル重合性基を2つ以上有する2官能以上で、かつガラス転移温度Tgが40℃未満の多官能モノマーや、オリゴマー等が挙げられる。
このうち2官能以上で、かつガラス転移温度Tgが40℃未満の他の多官能モノマーの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
(2官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR259〔ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:13℃〕、SR268〔テトラエチレングリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:23℃〕、SR344〔ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:3℃〕、SR344NS〔ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:-25℃〕、CD406〔シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:21℃〕、CD560〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:1.5℃〕、CD561〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:-38℃〕、SR562〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:37℃〕、CD563〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:14℃〕、CD564〔アルコキシ化ヘキサンジオールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:14℃〕、SR602〔エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:2℃〕、SR602NS〔エトキシ化(10)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:2℃〕、SR610〔ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:-42℃〕、SR610NS〔ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、ガラス転移温度Tg:-42℃〕、SR833S〔トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR9003〔プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:32℃〕、SR9003NS〔プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:32℃〕、SR9038〔エトキシ化(30)ビスフェノールAジアクリレート、ガラス転移温度Tg:-42℃〕、CD9043〔アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:-35℃〕、SR9045〔アルコキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕。
日本化薬(株)製のKAYARADシリーズのうち、PEG400DA〔ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート〕、FM-400〔ネオペンチルグリコールヒドロキシピバリン酸エステルジアクリレート〕、R-167、HX-220、HX-620、R-551、R-712、R-604、R-684。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATEシリーズのうち、3EG-A〔トリエチレングリコールジアクリレート〕、4EG-A〔PEG200#ジアクリレート〕、9EG-A〔PEG400#ジアクリレート〕、14-EG-A〔PEG600#ジアクリレート〕、PTMGA-250〔ポリテトラメチレングリコ―ルジアクリレート〕、MPD-A〔3-メチル-1,5-ペンタンジオールジアクリレート〕、1.6HX-A〔1,6-ヘキサンジオールジアクリレート〕、1.9ND-A〔1,9-ノナンジオールジアクリレート〕、DCP-A〔ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート〕、BP-4EAL〔ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート〕、BP-4PA〔ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート〕、HPP-A〔ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールアクリル酸付加物〕。
(2官能メタクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR150〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR205〔トリエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR205NS〔トリエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-8℃〕、SR206〔エチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR209〔テトラエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-8℃〕、SR210〔ポリエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR210NS〔ポリエチレングリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR214〔1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR239NS〔1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:30℃〕、SR248〔ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR252〔ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR252NS〔ポリエチレングリコール(600)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-39℃〕、SR262〔1,12-ドデカンジオールジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-37℃〕、SR348〔エトキシ化(2)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR348NS〔エトキシ化(2)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:6℃〕、SR480〔エトキシ化(10)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-1℃〕、SR480NS〔エトキシ化(10)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-1℃〕、CD542〔エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕、SR603〔ポリエチレングリコール(400)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-21℃〕、SR644〔ポリプロピレングリコール(400)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-5℃〕、SR740〔ポリエチレングリコール(1000)ジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-118℃〕、SR9036〔エトキシ化(30)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-43℃〕。
(アクリレート/メタクリレート(2官能))
共栄社化学(株)製のライトエステルG-201P〔2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ガラス転移温度Tg:-118℃〕、SR9036〔エトキシ化(30)ビスフェノールAジメタクリレート、ガラス転移温度Tg:なし〕。
(3官能アクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR415〔エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:38℃〕、SR454〔エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-40℃〕、SR454NS〔エトキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-40℃〕、SR492〔プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-15℃〕、SR492TFN〔プロポキシ化(3)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-15℃〕、SR499〔エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-8℃〕、SR499NS〔エトキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-8℃〕、CD501〔プロポキシ化(6)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-2℃〕、SR502〔エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-19℃〕、SR502NS〔エトキシ化(9)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-19℃〕、SR9020〔プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:18℃〕、SR9020NS〔プロポキシ化(3)グリセリルトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:18℃〕、CD9021〔高プロポキシ化(5.5)グリセリルトリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-11℃〕、SR9035〔エトキシ化(15)トリメチロールプロパントリアクリレート、ガラス転移温度Tg:-32℃〕。
日本化薬(株)製のKAYARADシリーズのうち、GPO-303、PET-30。
(3官能メタクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR350〔トリメチロールプロパントリメタクリレート、ガラス転移温度Tg:27℃〕、SR350NS〔トリメチロールプロパントリメタクリレート、ガラス転移温度Tg:27℃〕。
(4官能以上のアクリレート)
ARKEMA社製のSARTOMERシリーズのうち、SR494〔エトキシ化(4)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能、ガラス転移温度Tg:2℃〕、SR494NS〔アルコキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能、ガラス転移温度Tg:2℃〕、DPHA NS〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能、ガラス転移温度Tg:なし〕。
日本化薬(株)製のKAYARADシリーズのうち、T-1420(T)〔ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能〕、RP-1040〔エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、4官能〕、DPHA〔4官能と6官能の混合物〕、DPEA-12〔6官能〕、D-310〔5官能〕、DPCA-20〔6官能〕、DPCA-30〔6官能〕、DPCA-60〔6官能〕、DPCA-120〔6官能〕。
共栄社化学(株)製のLIGHT ACRYLATEシリーズのうち、DPE-6A〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能〕。
新中村化学工業(株)製のA-DHP〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、6官能〕。
〈ラジカル重合性成分の割合〉
前述したように、多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、30質量%以上に限定される。
この理由は、先に説明したとおりである。
すなわち、高Tg多官能モノマーの割合Rmhを上記の範囲とすることにより、硬化物を多孔質化してその隠蔽率を高めて、隠蔽性の高い文字などを印刷することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、上記の範囲でも、50質量%以上であるのが好ましい。
また、高Tg多官能モノマーの割合Rmhの上限はとくに限定されず、多官能モノマーの全量が高Tg多官能モノマーであってもよい。
つまり、多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは、100質量%であってもよい。
高Tg多官能モノマーの割合Rmhを、多官能モノマーの総量中の100質量%とすれば、硬化物をさらに多孔質化してその隠蔽率をさらに向上して、より一層隠蔽性の高い文字などを印刷することが可能となる。
高Tg多官能モノマー以外の他の多官能モノマーの、多官能モノマーの総量中の割合は、高Tg多官能モノマーの残量である。
すなわち、高Tg多官能モノマーの割合Rmhを上記範囲内の所定値に設定した際に、多官能モノマーの総量が100質量%となるように、他の多官能モノマーの割合を設定すればよい。
また、インクジェットインクの総量中の高Tg多官能モノマーの割合は、7質量%以上であるのが好ましく、50質量%以下であるのが好ましい。
高Tg多官能モノマーの割合がこの範囲未満では、前述した、当該高Tg多官能モノマーを選択して用いることによる、文字などの隠蔽性を高める効果が得られない場合がある。
一方、高Tg多官能モノマーの割合が上記の範囲を超える場合には、単官能モノマーの割合にもよるが、柔軟性が低下して硬化物が硬もろくなって、当該硬化物からなる文字などの耐擦過性が不足する場合がある。
これに対し、高Tg多官能モノマーの割合を上記の範囲とすることにより、文字などの耐擦過性の不足を抑制しながら、当該文字などの隠蔽性をさらに高めることが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、インクジェットインクの総量中の高Tg多官能モノマーの割合は、上記の範囲でも、12質量%以上であるのが好ましく、40質量%以下であるのが好ましい。
また、インクジェットインクの総量中の他の多官能モノマーの割合は、18質量%以下、とくに13質量%以下であるのが好ましい。
他の多官能モノマーの割合がこの範囲を超える場合には、相対的に、高Tg多官能モノマーの割合が少なくなって、文字などの隠蔽性を高める効果が得られない場合がある。
また、相対的に単官能モノマーの割合が少なくなって、硬化物に適度の柔軟性を付与したり、硬化反応の速度を高めたり、インクジェットインクの粘度を抑制したりする効果が得られない場合もある。
なお、他の多官能モノマーの割合の下限はとくに限定されず、前述したように、多官能モノマーの全量が高Tg多官能モノマーであって、他の多官能モノマーは含まない(除く)ことも可能である。
すなわち、他の多官能モノマーの割合は、インクジェットインクの総量中の0質量%であってもよい。
ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは、5質量%以上、70質量%以下に限定される。
この理由も、先に説明したとおりである。
すなわち、単官能モノマーの割合Rsを上記の範囲とすることで、当該単官能モノマーを併用することによる効果を維持しながら、なおかつ硬化物の強靭性や文字などの耐擦過性の不足を抑制することが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは、上記の範囲でも、10質量%以上であるのが好ましく、65質量%以下であるのが好ましい。
また、インクジェットインクの総量中の単官能モノマーの割合は、2.3質量%以上であるのが好ましく、32質量%以下であるのが好ましい。
単官能モノマーの割合がこの範囲未満では、多官能モノマーの割合にもよるが、前述した、当該単官能モノマーを併用することによる効果が得られない場合がある。
すなわち、硬化物に適度の柔軟性を付与したり、硬化反応の速度を高めたり、インクジェットインクの粘度を抑制したりする効果が得られないことがある。
一方、単官能モノマーの割合が上記の範囲を超える場合には、三次元網目状構造のもとになる多官能モノマーが不足し、形成される三次元網目状構造が粗になって、硬化物の強靭性や文字などの耐擦過性が不足する場合がある。
また、高Tg多官能モノマーが不足して、文字などの隠蔽性を高める効果が十分に得られない場合もある。
これに対し、単官能モノマーの割合を上記の範囲とすることにより、当該単官能モノマーを併用することによる効果を維持し、なおかつ硬化物の強靭性や文字などの耐擦過性の不足を抑制しながら、当該文字などの隠蔽性をさらに高めることが可能となる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、インクジェットインクの総量中の単官能モノマーの割合は、上記の範囲でも、3.3質量%以上であるのが好ましく、30質量%以下であるのが好ましい。
《着色剤》
着色剤としては、インクジェットインクの色味に応じた、白以外の(白を除く)各色の、種々の顔料、染料等を用いることができる。
とくに、文字などの耐光性や耐擦過性、耐アルコール性を向上することを考慮すると、種々の無機顔料および/または有機顔料が好ましい。
このうち無機顔料としては、たとえば、酸化チタン、酸化鉄(ベンガラ、鉄黒等)、酸化クロムグリーン、水酸化アルミニウム等の金属化合物や、黒鉛、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造された中性、酸性、塩基性等の種々のカーボンブラックが挙げられる。
また有機顔料としては、たとえば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、ベンズイミダゾロン顔料、多環式顔料(たとえば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、インダンスロン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(たとえば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等が挙げられる。
顔料の具体例としては、下記の各種顔料が挙げられる。
(イエロー顔料)
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、14C、16、17、20、24、42、73、74、75、81、83、86、87、93、94、95、97、98、108、109、110、114、117、120、125、128、129、130、137、138、139、147、148、150、151、154、155、166、168、180、184、185、213、214
(マゼンタ顔料)
C.I.ピグメントレッド5、7、9、12、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、52、53:1、57、57:1、63:1、97、101、102、112、122、123、144、146、149、168、177、178、179、180、184、185、190、202、206、207、209、224、242、254、255、270
(シアン顔料)
C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、27、29、60
(ブラック顔料)
C.I.ピグメントブラック7
(オレンジ顔料)
C.I.ピグメントオレンジ36、43、51、55、59、61、71、74
(グリーン顔料)
C.I.ピグメントグリーン7、36
(バイオレット顔料)
C.I.ピグメントバイオレット19、23、29、30、37、40、50
顔料は、インクジェットインクの色味に応じて、1種または2種以上を用いることができる。
顔料は、インクジェットインク中での分散安定性を向上するために、表面を処理してもよい。
また顔料は、前述した単官能モノマーや、後述する揮発性溶剤などを分散媒として用いて、当該分散媒中に分散させた顔料分散液の状態で、インクジェットインクの製造に用いてもよい。
顔料分散液には、顔料を良好に分散させるために、分散剤等を添加してもよい。
分散剤としては、たとえば、高分子系分散剤、界面活性剤等の種々の分散剤が、いずれも使用可能である。
顔料等の着色剤の割合は、当該着色剤の種類やインクジェットインクの色味等に応じて、任意に設定することができる。
ただし着色剤の割合は、ラジカル重合性成分の総量に対して4.8質量%以上であるのが好ましく、18質量%以下であるのが好ましい。
着色剤の割合がこの範囲未満では、前述した、ラジカル重合性成分の硬化物に起因する隠蔽力に対して着色剤の着色力が弱すぎて、十分な色濃度を有する文字などを印刷できない場合がある。
一方、着色剤の割合が上記の範囲を超える場合には、とくに顔料の場合、インクジェットインクの全体の粘度が高くなりすぎたり、過剰の顔料がインクジェットインク中で凝集したりしやすくなって、吐出不良を生じやすくなる場合がある。
また、インクジェットインクの硬化が阻害されて、硬化物の多孔質化による文字などの隠蔽性を向上する効果が十分に得られなかったり、被印刷体の表面に、定着性や耐擦過性に優れた文字などを印刷できなかったりする場合もある。
これに対し、着色剤の割合を上記の範囲とすることにより、吐出不良の発生を抑えつつ、定着性や耐擦過性に優れる上、隠蔽性が高く、しかも十分な色濃度を有する文字などを印刷することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、着色剤の割合は、上記の範囲でも、ラジカル重合性成分の総量に対して6.5質量%以上、とくに7.5質量%以上であるのが好ましく、15質量%以下であるのが好ましい。
なお、着色剤として顔料分散液を用いる場合、上記着色剤の割合は、顔料分散液中の有効成分である顔料自体の、ラジカル重合性成分の総量に対する割合とする。
《バインダ樹脂》
本発明のインクジェットインクには、被印刷体の表面に対する文字などの定着性と、それに伴う耐擦過性とを高めるために、バインダ樹脂を配合してもよい。
バインダ樹脂としては、揮発性溶剤やラジカル重合性成分に良好に溶解または分散しうる種々のバインダ樹脂を用いることができる。
かかるバインダ樹脂としては、特に揮発性溶剤への溶解性に優れた各種の、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、およびフェノール樹脂が挙げられる。
これらのバインダ樹脂等の、1種または2種以上を用いることができる。
〈ポリアミド樹脂〉
ポリアミド樹脂としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種ポリアミド樹脂等の1種または2種以上を用いることができる。
BASFジャパン(株)製のバーサミド(登録商標)シリーズのうち725、744、756、759、エアープロダクツジャパン(株)製のサンマイドシリーズのうち615A、640、(株)ティーアンドケイ東華製のトーマイド(登録商標)シリーズのうち90、92、391、394-N、395、TXC-135-G。
〈アクリル樹脂〉
アクリル樹脂としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種アクリル樹脂等の1種または2種以上を用いることができる。
(株)日本触媒製のポリメント(登録商標)シリーズのうちNK-350、NK-380、Rohm & Haas(ローム アンド ハース)社製のPARALOID(パラロイド、登録商標)シリーズのうちB-67、DSM(ディーエスエム)社製のネオクリル(登録商標)シリーズのうちB-813、B-817、B-818。
〈フェノール樹脂〉
フェノール樹脂としては、とくに熱可塑性樹脂であるノボラック樹脂が好ましく、ノボラック樹脂としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種ノボラック樹脂等の1種または2種以上を用いることができる。
DIC(株)製のフェノライト(登録商標)シリーズのうちTD-2131、TD-2106、TD-2093、TD-2093Y、TD-2090、TD-2091、アイカ工業(株)製のショウノール(登録商標)シリーズのうちBRG-555、BRG-564、CKM-2432。
バインダ樹脂の割合は、インクジェットインクの総量中の1質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下であるのが好ましい。
バインダ樹脂の割合がこの範囲未満では、当該バインダ樹脂を配合することによる、被印刷体の表面に対する文字などの定着性や耐擦過性を高める効果が十分に得られない場合がある。
一方、バインダ樹脂の割合が上記の範囲を超える場合には、とくにインクジェットインクをサーマル方式のインクジェットプリンタに使用した際に、いわゆるコゲーションを生じる場合がある。
これに対し、バインダ樹脂の割合を上記の範囲とすることにより、コゲーションの発生を抑制しながら、被印刷体の表面に対する文字などの定着性や耐擦過性を十分に高めることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、バインダ樹脂の割合は、上記の範囲でも、インクジェットインクの総量中の1.5質量%以上であるのが好ましく、8質量%以下であるのが好ましい。
《揮発性溶剤》
揮発性溶剤としては、ラジカル重合性成分やバインダ樹脂を良好に溶解または分散できる上、揮発性を有する種々の揮発性溶剤を用いることができる。
とくに、被印刷体の表面に印刷後、好ましくはラジカル重合性成分の硬化反応の進行から遅れて、とくに硬化反応がほぼ終了した後に揮発しうる揮発性溶剤が好ましい。
かかる揮発性溶剤としては、たとえば、各種のアルコール、ケトン、エーテル、エステル等の1種または2種以上が挙げられる。
〈炭素数1~3のアルコール〉
とくに揮発性溶剤としては、上述した適度の揮発性を有する上、インクジェットプリンタのヘッドにダメージを及ぼしたりしにくい、炭素数1~3のアルコールが好ましい。
炭素数1~3のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1-プロパノールおよび2-プロパノールのうちの1種または2種以上が挙げられる。
〈他の揮発性溶剤〉
また揮発性溶剤としては、炭素数1~3のアルコールとともに、炭素数4以上のアルコール、ケトン、エーテル、エステル等の他の揮発性溶剤の少なくとも1種を併用してもよい。
これら他の揮発性溶剤は、いずれもラジカル重合性成分やバインダ樹脂の溶解性に優れている。
そのため、これら他の揮発性溶剤を適宜選択して併用するとともに、その割合を調整すれば、硬化反応の進行と揮発性溶剤の揮発のタイミングを任意に制御することができる。
また、ラジカル重合性成分やバインダ樹脂の溶解性を補助して、これらの成分の溶解性を任意に制御することもできる。
上記他の揮発性溶剤のうち炭素数4以上のアルコールとしては、1ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアルコール、およびtert-ブチルアルコール等の1種または2種以上を用いることができる。
ケトンの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種ケトン等の1種または2種以上を用いることができる。
2-ブタノン〔メチルエチルケトン(MEK)〕、アセトン〔ジメチルケトン〕、2-ペンタノン〔メチルプロピルケトン(MPK)〕、3-ペンタノン〔ジエチルケトン(DEK)〕、3-メチル-2-ブタノン〔メチルイソプロピルケトン(MIPK)〕、2-メチル-4-ペンタノン〔メチルイソブチルケトン(MIBK)〕、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン〔ジイソブチルケトン(DIBK)〕、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタン-2-オン〔ジアセトンアルコール〕。
エーテルの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種エーテル等の1種または2種以上を用いることができる。
1,4-ジオキサン〔ジオキサン〕、1,1-ジメチルジエチルエーテル〔ジイソプロピルエーテル〕、2-エトキシエタノール〔エチルセロソルブ(EGMEE)〕、2-ブトキシエタノール〔ブチルセロソルブ(EGMBE)〕、tert-ブチルメチルエーテル〔MTBE〕。
またエーテルとしては、グリコールエーテルを用いることもできる。
グリコールエーテルの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種グリコールエーテル等の1種または2種以上を用いることができる。
1-メトキシ-2-プロパノール〔プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM)〕、2-(2-メトキシエトキシ)エタノール〔メチルカルビトール〕、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール〔エチルカルビトール〕、2-(2-ブトキシエトキシ)エタノール〔ブチルカルビトール〕、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エタノール〔メチルトリグリコール〕、1-ブトキシ-2-プロパノール〔プロピレングリコール-1-モノブチルエーテル(PNB)〕、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール〔メチルメトキシブタノール(MMB)〕、2-[2-(ヘキシルオキシ)エトキシ]エタノール〔ヘキシルジグリコール〕、1-(メトキシメチル)エチル=プロピオナート〔メトテート〕、1または2-(メトキシメチルエトキシ)プロパノール〔ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、異性体混合物〕。
エステルの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種エステル等の1種または2種以上を用いることができる。
酢酸エチル〔エチルアセテート〕、酢酸メチル〔メチルアセテート〕、酢酸n-ブチル〔n-ブチルアセテート〕、酢酸sec-ブチル〔sec-ブチルアセテート〕、3-メトキシブチルアセテート〔酢酸3-メトキシブチル〕、エタン酸ペンチル〔酢酸アミル〕、酢酸プロピル〔酢酸n-プロピル〕、エタン酸イソプロピル〔酢酸イソプロピル〕、エチル(R)-2-ヒドロキシプロパノエート〔乳酸エチル〕、メチル-2-ヒドロキシプロパノエート〔乳酸メチル〕、ブチル-2-ヒドロキシプロパノエート〔乳酸ブチル〕。
またエステルとしては、グリコールエステルを用いることもできる。
グリコールエステルの具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種グリコールエステル等の1種または2種以上を用いることができる。
1-アセトキシ-2-エトキシエタン〔エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート〕、1-メトキシ-2-プロパニルアセテート〔プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)〕、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセテート〔ブチルカルビトールアセテート〕、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアセテート〔エチルカルビトールアセテート〕。
なお揮発性溶剤としては、高Tg多官能モノマーとの屈折率の差ができるだけ大きいものを選択して用いるのが好ましい。
具体的には、高Tg多官能モノマーの屈折率に対する屈折率の差ΔRが±0.03以上である揮発性溶剤を、選択して用いるのが好ましい。
差ΔRが±0.03未満である揮発性溶剤を用いると、硬化物中に残留する揮発性溶剤の影響で、とくに印刷し、ラジカル重合性成分を硬化反応させて形成した直後の文字などの隠蔽性が低下する傾向がある。
これに対し、差ΔRが±0.03以上である揮発性溶剤を選択して用いることにより、文字などの隠蔽性が低下するのを抑制して、形成直後から、文字などに高い隠蔽性を付与することができる。
高Tg多官能モノマーの屈折率を、本発明では、ガラス転移温度Tgと同様に、当該高Tg多官能モノマーを単独で重合させて作製した、当該高Tg多官能モノマーのホモポリマーからなる測定用のサンプルを用いて測定した値でもって表すこととする。
また、高Tg多官能モノマー、および揮発性溶剤の屈折率は、いずれも温度20±0.2℃の環境下で測定した値でもって表すこととする。
なお、高Tg多官能モノマーとして2種以上を併用する場合は、その70質量%以上を占める主モノマーとしての1種の高Tg多官能モノマーの屈折率を高Tgモノマーの屈折率として、揮発性溶剤の屈折率との差ΔRを求めることとする。
また、揮発性溶剤として2種以上を併用する場合は、その70質量%以上を占める主溶剤としての1種の揮発性溶剤の屈折率を揮発性溶剤の屈折率として、高Tgモノマーの屈折率との差ΔRを求めることとする。
〈揮発性溶剤の割合〉
前述したように、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、50質量%以上、400質量%以下に限定される。
この理由は、先に説明したとおりである。
すなわち、揮発性溶剤の割合Rvを上記の範囲とすれば、インクジェットインクの全体の粘度を吐出に適した範囲に抑制して吐出不良の発生を抑えつつ、十分な厚みを有し耐擦過性に優れる上、隠蔽性の高い文字などを印刷することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、上記の範囲でも、70質量%以上、とくに130質量%以上であるのが好ましく、370質量%以下であるのが好ましい。
また、インクジェットインクの総量中の揮発性溶剤の割合は、14質量%以上であるのが好ましく、55質量%以下であるのが好ましい。
揮発性溶剤の割合がこの範囲未満では、前述した、硬化物を多孔質化して文字などの隠蔽性を高める効果が得られない場合がある。
また、粘度低下に寄与する揮発性溶剤の割合が不足して、インクジェットインクの粘度が、インクジェットプリンタのノズルからの吐出に適した範囲を超えてしまい、当該ノズルから良好に吐出できない不良を生じる場合もある。
一方、揮発性溶剤の割合が上記の範囲を超える場合には、インクジェットインク中の固形分濃度が不足する結果、被印刷体の表面に、十分な厚みを有し、耐擦過性に優れた文字などを印刷できない場合がある。
これに対し、揮発性溶剤の割合を上記の範囲とすれば、インクジェットインクの全体の粘度を吐出に適した範囲に抑制して吐出不良の発生を抑えつつ、十分な厚みを有し耐擦過性に優れる上、隠蔽性の高い文字などを印刷することができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、インクジェットインクの総量中の揮発性溶剤の割合は、25質量%以上であるのが好ましく、53質量%以下であるのが好ましい。
上記揮発性溶剤の割合は、いずれの場合も、当該揮発性溶剤として、炭素数1~3のアルコールのみを用いる場合は、当該炭素数1~3のアルコールの割合であり、炭素数1~3のアルコールと他の揮発性溶剤とを併用する場合は、その合計の割合である。
また、他の揮発性溶剤の割合は、揮発性溶剤の総量中の15質量%以下であるのが好ましい。
他の揮発性溶剤の割合がこの範囲を超える場合には、溶解性が強くなりすぎて、たとえば、インクジェットプリンタのヘッドにダメージを及ぼしたりするおそれがある。
これに対し、他の揮発性溶剤の割合を上記の範囲とすることにより、インクジェットプリンタのヘッドにダメージを及ぼすことなしに、硬化反応の進行と揮発性溶剤の揮発のタイミングを適度に制御することができる。
また、ラジカル重合性成分やバインダ樹脂の溶解性を補助することもできる。
なお、上述したそれぞれの揮発性溶剤の割合はいずれも、たとえば、着色剤として前述した顔料分散液等を使用する場合には、当該顔料分散液中に含まれる揮発性溶剤をも含めた割合とする。
《光ラジカル重合開始剤》
光ラジカル重合開始剤としては、任意の波長の光の照射によってラジカルを発生させて、ラジカル重合性成分をラジカル重合反応させることができる種々の化合物が、いずれも使用可能である。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、これに限定されないが、たとえば、下記の各種化合物等の1種または2種以上を用いることができる。
ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、2-クロロベンゾフェノン、4,4′-ジクロロベンゾフェノン、4,4′-ビスジエチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′-ビスジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4-メトキシ-4′-ジメチルアミノベンゾフェノン、特開2008-280427号公報の一般式(1)で表されるベンゾフェノン化合物等のベンゾフェノン類またはその塩。
チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン、特開2008-280427号公報の一般式(2)で表されるチオキサントン化合物等のチオキサントン類またはその塩。
エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。
アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシフェニルアセトフェノン、4′-ジメチルアミノアセトフェノン、ジメチルヒドロキシアセトフェノン等のアセトフェノン類。
2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(m-メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2-ジ(p-メトキシフェニル)-5-フェニルイミダゾール2量体、2-(2,4-ジメトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5-トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類。
ベンジルジメチルケタール、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ‐1‐(4-モルホリノフェニルブタン)-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、9,10-フェナンスレンキノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル等のベンゾイン類。
9-フェニルアクリジン、1,7-ビス(9,9′-アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体。
ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類。
2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}2-メチルプロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルフォリン-4-イル-フェニル)ブタン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、メチルベンゾイルフォーメート、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6-トリハロメチルトリアジン、ベンジル、メチルベンゾイル、ベンゾイル蟻酸メチル、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-4-モルフォリノブチロフェノン等。
光ラジカル重合開始剤の割合は、任意に設定することができる。
ただし、インクジェットインクに良好な光硬化性を付与することを考慮すると、光ラジカル重合開始剤の割合は、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上であるのが好ましく、12質量%以下であるのが好ましい。
2種以上の光ラジカル重合開始剤を併用する場合は、その合計の割合を、上記の範囲とすればよい。
《その他の成分》
インクジェットインクには、上記各成分に加えて、さらに各種の添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、たとえば、増感剤、ラジカル重合禁止剤、界面活性剤、粘着付与剤、着色剤等が挙げられる。
〈増感剤〉
増感剤は、紫外線の照射によって励起状態となり、光ラジカル重合開始剤と相互作用して、当該光ラジカル重合開始剤におけるラジカルの発生を助けるために機能する。
とくに、光源としてLED硬化ランプを使用する場合には、その波長域が狭いことから、インクジェットインクが感度を有する波長域を広げて感度を向上する、すなわち増感するために増感剤を配合するのが好ましい。
増感剤としては、前述した光ラジカル重合開始剤のうち、たとえば、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントンと4-イソプロピルチオキサントンの混合物などのチオキサントン類またはその塩や、ベンゾフェノンと2,3-および4-メチルベンゾフェノンの共晶混合物、メチル-2-ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4′-メチルフェニルサルファイド、4-メチルベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン類またはその塩、2-エチルアントラキノン、4,4′-ビスジエチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)などが挙げられる。
また、その他の増感剤としては、たとえば、エチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2-エチル-4-(ジメチルアミノベンゾエート)等のベンゾエート化合物、ナフタレンベンゾオキサゾリル誘導体、チオフェンベンゾオキサゾリル誘導体、スチルベンベンゾオキサゾリル誘導体、クマリン誘導体、スチレンビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体、スチルベン誘導体、ベンゼン及びビフェニルのスチリル誘導体、ビス(ベンザゾールー2-イル)誘導体、カルボスチリル、ナフタルイミド、ジベンゾチオフェン-5,5’-ジオキシドの誘導体、ピレン誘導体、ピリドトリアゾール、p-ジメチルアミノ安息香酸エチル、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
増感剤としては、以上で説明した各種の増感剤の中から、光源からの光の波長域、および光ラジカル重合開始剤の吸収波長域に応じて増感に適した吸収波長域を有する化合物を、それぞれ1種または2種以上用いることができる。
増感剤の割合は、任意に設定することができる。
〈ラジカル重合禁止剤〉
ラジカル重合禁止剤は、インクジェットインクを貯蔵中、あるいはパッケージに封入して保管中などに、ラジカル重合性成分がラジカル重合反応してインクジェットインクがゲル化するのを防止するために機能する。
ラジカル重合禁止剤としては、上記の機能を有する種々の化合物がいずれも使用可能である。
ラジカル重合禁止剤としては、たとえば、ニトロソアミン系化合物、ハイドロキノン類、カテコール類、ヒンダードアミン類、フェノール類、フェノチアジン類、縮合芳香族環のキノン類、あるいはジ-2-エチルヘキシルマレエート等の1種または2種以上が挙げられる。
このうち、ニトロソアミン系化合物としては、たとえば、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩(アンモニウム-N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン)、N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩(アルミニウム-N-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン)等の1種または2種以上が挙げられる。
ハイドロキノン類としては、たとえば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、1-o-2,3,5-トリメチロールハイドロキノン、2-tert-ブチルハイドロキノン等の1種または2種以上が挙げられる。
カテコール類としては、たとえば、カテコール、4-メチルカテコール、4-tert-ブチルカテコール等の1種または2種以上が挙げられる。
ヒンダードアミン類としては、重合禁止効果を有する任意のヒンダードアミン類の1種または2種以上が好ましい。
フェノール類としては、たとえば、フェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ピロガロール、没食子酸アルキルエステル、ヒンダードフェノール類等の1種または2種以上が挙げられる。
フェノチアジン類としては、たとえば、フェノチアジン等が挙げられる。
さらに縮合芳香族環のキノン類としては、たとえば、ナフトキノン等が挙げられる。
ラジカル重合禁止剤の割合は、インクジェットインクの総量の0.01質量%以上であるのが好ましく、3質量%以下であるのが好ましい。
〈界面活性剤〉
界面活性剤としては、たとえば、シリコーンアクリレート系界面活性剤を用いることができる。
シリコーンアクリレート系界面活性剤によれば、揮発性溶剤が被印刷体の表面で面方向に濡れ拡がるのを抑え、印刷の鮮明性を高めて画質を向上させることができる。
シリコーンアクリレート系界面活性剤等の界面活性剤の割合は、当該界面活性剤中の有効成分量換算で、インクジェットインクの総量の0.1質量%以上であるのが好ましく、5質量%以下であるのが好ましい。
上記各成分を含む本発明のインクジェットインクは、たとえば、オンデマンド型の、サーマル方式やピエゾ方式のインクジェットプリンタに、好適に使用することができる。
また被印刷体の表面に印刷した文字などを露光するためには、たとえばLED硬化ランプやUVランプなどを用いることができる。
とくに上記インクジェットプリンタに使用して印刷後、LED硬化ランプなどを用いて露光して硬化反応させることにより、黒色等の明度の低い被印刷体の表面や、透明材料からなる被印刷体の表面などに、視認性のある鮮やかな色味の文字などを印刷できる。
以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明の構成は、必ずしもこれらの例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
(シアン顔料分散液の調製)
下記の各成分を、表1に示す割合で配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させてシアン顔料分散液(以下分散液の種類として「B-01」と記載する場合がある。)を調製した。
顔料:C.I.ピグメントブルー15:4
分散剤:ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK(登録商標)-145(固形分:100%)
分散媒:エタノール
Figure 0007390888000004
(インクジェットインクの調製)
下記の各成分を、表2に示す割合で配合して十分に溶解するまで撹拌し、次いで先に調製した顔料分散液B-01を、表2に示す割合で加えてさらに撹拌したのち、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを調製した。
・ ラジカル重合性成分
高Tg多官能モノマー:トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアネートトリアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR368NS、3官能、ガラス転移温度Tg:272℃、屈折率:1.449〕
単官能モノマー:N-ビニル-ε-カプロラクタム(VCAP)
・ 揮発性溶剤
エタノール〔屈折率:1.361〕
・ 光ラジカル重合開始剤
2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド〔ランブソンジャパン(Lambson Japan)(株)製のSpeedCure(スピードキュア、登録商標)TPO〕
・ その他
増感剤:2-イソプロピルチオキサントン〔ランブソンジャパン(株)製のスピードキュア2-ITX〕
ラジカル重合禁止剤:Kroachem(クロマケム)社製のFlorstab UV-5
界面活性剤:シリコーンアクリレート系界面活性剤
Figure 0007390888000005
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例2〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、ペンタエリスリトールテトラアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR295NS、4官能、ガラス転移温度Tg:103℃、屈折率:1.478〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR295NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.117であった。
〈実施例3〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、ペンタエリスリトールトリアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR444NS、3官能、ガラス転移温度Tg:103℃、屈折率:1.480〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR444NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.119であった。
〈実施例4〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR399NS、5官能、ガラス転移温度Tg:90℃、屈折率:1.489〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR399NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.128であった。
〈実施例5〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、トリメチロールプロパントリアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR351NS、3官能、ガラス転移温度Tg:62℃、屈折率:1.472〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR351NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.111であった。
〈実施例6〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR833NS、2官能、ガラス転移温度Tg:186℃、屈折率:1.505〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR833NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.144であった。
〈実施例7〉
高Tg多官能モノマーとして、SR368NSに代えて、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR238NS、2官能、ガラス転移温度Tg:43℃、屈折率:1.456〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR238NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.095であった。
〈比較例1〉
高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSに代えて、エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR415、3官能、ガラス転移温度Tg:38℃〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは0質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
〈比較例2〉
高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSに代えて、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR9003NS、2官能、ガラス転移温度Tg:32℃〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは0質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
〈実施例8〉
揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、インクジェットインクの総量中の38質量%として、さらに1-ブタノール〔屈折率:1.399〕を、インクジェットインクの総量中の5質量%の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤のうち主溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例9〉
揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、インクジェットインクの総量中の38質量%として、さらにアセトン〔屈折率:1.359〕を、インクジェットインクの総量中の5質量%の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤のうち主溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例10〉
揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、インクジェットインクの総量中の38質量%として、さらに酢酸エチル〔屈折率:1.372〕を、インクジェットインクの総量中の5質量%の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤のうち主溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例11〉
揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、インクジェットインクの総量中の38質量%として、さらにシクロヘキサノン〔屈折率:1.426〕を、インクジェットインクの総量中の5質量%の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤のうち主溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例12〉
揮発性溶剤として、エタノールに代えて、シクロヘキサノン〔屈折率:1.426〕を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのシクロヘキサノンとの屈折率の差ΔRは0.023であった。
〈比較例3〉
揮発性溶剤としてのエタノールに代えて、超純水を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて53.3質量%であった。
〈実施例13〉
バインダ樹脂としてのポリアミド樹脂〔BASFジャパン(株)製のバーサミド725〕を、インクジェットインクの総量中の3質量%の割合で配合し、なおかつ単官能モノマーとして、VCAPに代えて、エトキシ化フェニルアクリレート〔ダイセル・オルネクス(株)製のEBECRYL(登録商標)110、EO 2mol〕を同量配合するとともに、揮発性溶剤としてのエタノールの割合を、インクジェットインクの総量中の40質量%としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて186.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例14〉
バインダ樹脂として、ポリアミド樹脂に代えて、アクリル樹脂〔DSM社製のネオクリルB-813〕を同量配合したこと以外は実施例13と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて186.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例15〉
バインダ樹脂として、ポリアミド樹脂に代えて、フェノール樹脂〔DIC(株)製のフェノライトTD-2106〕を同量配合したこと以外は実施例13と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて186.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例16~19〉
バインダ樹脂としてのポリアミド樹脂、および揮発性溶剤としてのエタノールの、インクジェットインクの総量中の割合を、それぞれ表3に示す値としたこと以外は実施例13と同様にしてインクジェットインクを調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmh、単官能モノマーの割合Rs、および顔料分散液中に含まれるエタノールも含めた揮発性溶剤の割合Rvは、それぞれ表3に示したとおりであった。
Figure 0007390888000006
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは、いずれも0.088であった。
〈実施例20~24、比較例4、5〉
高Tg多官能モノマーとしてのSR368NS、単官能モノマーとしてのVCAP、および揮発性溶剤としてのエタノールの、インクジェットインクの総量中の割合を、それぞれ表4に示す値としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmh、単官能モノマーの割合Rs、および顔料分散液中に含まれるエタノールも含めた揮発性溶剤の割合Rvは、それぞれ表4に示したとおりであった。
Figure 0007390888000007
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは、いずれも0.088であった。
〈実施例25~27、比較例6〉
高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSの、インクジェットインクの総量中の割合を、それぞれ表5に示す値とするとともに、さらに他の多官能モノマーとしてのプロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート〔ARKEMA社製のSARTOMER SR9003NS、2官能、ガラス転移温度Tg:32℃〕を、同表中に示す割合で配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmh、単官能モノマーの割合Rs、および顔料分散液中に含まれるエタノールも含めた揮発性溶剤の割合Rvは、それぞれ表5に示したとおりであった。
Figure 0007390888000008
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは、いずれも0.088であった。
〈実施例28~32、比較例7、8〉
高Tg多官能モノマーとしてのSR368NS、および単官能モノマーとしてのVCAPの、インクジェットインクの総量中の割合を、それぞれ表6に示す値とするとともに、揮発性溶剤としてのエタノールの、インクジェットインクの総量中の割合を28質量%としたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
高Tg多官能モノマーの割合Rmh、単官能モノマーの割合Rs、および顔料分散液中に含まれるエタノールも含めた揮発性溶剤の割合Rvは、それぞれ表6に示したとおりであった。
Figure 0007390888000009
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは、いずれも0.088であった。
〈実施例33〉
顔料分散液B-01に代えて、下記の各成分を、表7に示す割合で配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて調製したマゼンタ顔料分散液(以下分散液の種類として「R-01」と記載する場合がある。)を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
顔料:C.I.ピグメントバイオレット19
分散剤:ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK(登録商標)-145(固形分:100%)
分散媒:エタノール
Figure 0007390888000010
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈実施例34〉
顔料分散液B-01に代えて、下記の各成分を、表8に示す割合で配合し、撹拌したのちビーズミルを用いて分散させて調製したイエロー顔料分散液(以下分散液の種類として「Y-01」と記載する場合がある。)を同量配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
顔料:C.I.ピグメントイエロー139
分散剤:ビックケミー・ジャパン(株)製のDISPERBYK(登録商標)-145(固形分:100%)
分散媒:エタノール
Figure 0007390888000011
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて196.7質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈比較例9〉
顔料分散液B-01の割合を、インクジェットインクの総量中の10質量%とするとともに、さらに白色顔料である酸化チタンを、インクジェットインクの総量中の10質量%の割合で配合したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェットインクを調製した。
多官能モノマーの総量中の高Tg多官能モノマーの割合Rmhは100質量%、ラジカル重合性成分の総量中の単官能モノマーの割合Rsは16.7質量%、ラジカル重合性成分の総量に対する揮発性溶剤の割合Rvは、顔料分散液中に含まれるエタノールも含めて170.0質量%であった。
また、高Tg多官能モノマーとしてのSR368NSと、揮発性溶剤としてのエタノールとの屈折率の差ΔRは0.088であった。
〈印刷および露光条件〉
上記各実施例、比較例で調製したインクジェットインクをインクジェットプリンタに使用して、常温(5~35℃)環境下で被印刷体の表面に印刷をし、印刷から0.15秒以内に、LED硬化ランプを用いて露光して硬化反応させる。印刷の解像度は600×600dpiとする。
〈隠蔽性評価〉
インクジェットインクの硬化物の隠蔽率を、前述した方法によって求めた。
そして、各色のインクジェットインクについて、それぞれ下記の基準で、隠蔽性を評価した。
(シアン)
○○○:75%以上
○○:60%以上、75%未満
○:50%以上、60%未満
△:45%以上、50%未満
×:45%未満
(マゼンタ)
○○○:65%以上
○○:55%以上、65%未満
○:50%以上、55%未満
△:45%以上、50%未満
×:45%未満
(イエロー)
○○○:60%以上
○○:55%以上、60%未満
○:50%以上、55%未満
△:45%以上、50%未満
×:45%未満
〈分散安定性評価〉
実施例、比較例で調製したインクジェットインクを密閉容器に入れ、常温(5~35℃)環境下、暗所で1週間静置したのち状態を確認して、下記の基準で分散安定性を評価した。
○:静置前と変化は見られなかった。
×:沈降が見られた。
〈耐擦過性評価〉
前述した印刷および露光条件で、被印刷体としてのPETフィルムの表面に、約8.5ptの文字を印刷した。
次いで、印刷した文字を綿棒で1回擦って状態を観察したのち、イソプロパノール(IPA)を浸した綿棒でさらに1回擦って状態を観察した。そして、下記の基準で耐擦過性を評価した。
○:IPAを浸していない綿棒で擦っても、文字が判読不能になる程の欠けは見られず、さらにIPAを浸した綿棒で擦っても、文字が判読不能になる程の欠けは見られなかった。
△:IPAを浸した綿棒で擦ると、文字が判読不能になる程の欠けが見られたが、その前の、IPAを浸していない綿棒で擦った際には、文字が判読不能になる程の欠けは見られなかった。
×:IPAを浸していない綿棒で擦っただけで、文字が判読不能になる程の欠けが見られた。
〈追従性評価〉
上述した印刷および露光条件で、被印刷体としての厚み5μmのPETフィルムの表面にバーコードを形成した。
次いでPETフィルムを、形成したバーコードの細線と直交方向に折り畳んだのち再度拡げた際の、細線の状態を観察するとともに、バーコードリーダーで読み取りをして、下記の基準で追従性を評価した。
○:細線に割れや欠けは見られず、バーコードリーダーで読み取りをすることもできた。
△:細線に僅かに割れや欠けは見られたものの、バーコードリーダーで読み取りをすることはできた。
×:細線に大きな割れや欠けが見られ、バーコードリーダーで読み取りをすることもできなかった。
〈吐出性評価〉
上述した印刷および露光条件で、被印刷体としてのPETフィルムの表面に文字を連続的に印刷した。そして、印刷500回目と1000回目に印刷した文字を観察して、下記の基準で吐出性を評価した。
○:1000回の印刷でも文字にかすれ等はなく、明確に判読することができた。
△:500回の印刷では文字にかすれ等はなく、明確に判読することができたが、1000回の印刷では文字がかすれて、判読することができなかった。
×:500回の印刷で文字がかすれて、判読することができなかった。
以上の結果を表9~表17に示す。
Figure 0007390888000012
Figure 0007390888000013
Figure 0007390888000014
Figure 0007390888000015
Figure 0007390888000016
Figure 0007390888000017
Figure 0007390888000018
Figure 0007390888000019
Figure 0007390888000020
表9~表17の実施例1~34、比較例1、2、9の結果より、前述した本発明の効果を得るために、インクジェットインクは、
・ 着色剤、ラジカル重合性成分、揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を含んでいる必要があること、
・ このうちラジカル重合性成分としては、2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含み、なおかつ多官能モノマーは、ガラス転移温度Tgが40℃以上である高Tg多官能モノマーを含んでいる必要があること、
・ これらの構成により、酸化チタンなどの、隠蔽力の高い白色顔料を含んでいなくても、シアン、マゼンタ、イエローなどの色味を有し、しかも十分な隠蔽性を有する印刷が可能であること、
が判った。
また、とくに実施例1、25~27、比較例6の結果より、多官能モノマーの総量中の、高Tg多官能モノマーの割合Rmhは30質量%以上である必要があり、とくに50質量%以上であるのが好ましいことが判った。
実施例1、28~32、比較例7、8の結果より、ラジカル重合性成分の総量中の、単官能モノマーの割合Rsは5質量%以上、70質量%以下である必要があり、とくに10質量%以上であるのが好ましく、65質量%以下であるのが好ましいことが判った。
実施例1、20~24、比較例4、5の結果より、ラジカル重合性成分の総量に対する、揮発性溶剤の割合Rvは50質量%以上、400質量%以下である必要があり、中でも70質量%以上、とくに130質量%以上であるのが好ましく、370質量%以下であるのが好ましいことが判った。
実施例1~7の結果より、高Tg多官能モノマーとしては、
・ 3官能以上である化合物、中でも3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが90℃以上である化合物を選択して用いるのが好ましいこと、
・ とくに3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが200℃以上、300℃以下である化合物、あるいは4官能以上で、かつガラス転移温度Tgが100℃以上、200℃未満である化合物を選択して用いるのがより一層好ましいこと、
が判った。
実施例1、8~12の結果より、揮発性溶剤としては、
・ 炭素数1~3のアルコールを単独で用いてもよいし、炭素数1~3のアルコールと、他の揮発性溶剤としての、炭素数4以上のアルコール、ケトン、エステル、またはエーテルとを併用してもよいこと、
・ 併用の場合、他の揮発性溶剤の割合は、揮発性溶剤の総量中の15質量%以下であるのが好ましいことが判った。
また実施例1~7、12の結果より、揮発性溶剤としては、高Tg多官能モノマーの屈折率に対する屈折率の差ΔRが±0.03以上である揮発性溶剤を、選択して用いるのが好ましいことが判った。
実施例1、13~15の結果より、インクジェットインクは、単官能モノマーとしてビニルカプロラクタムを含んでいるか、もしくはバインダ樹脂を含んでいるのが好ましいことが判った。
また、実施例13~15の結果より、バインダ樹脂としては、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂などが使用可能であることが判った。
さらに実施例16~19の結果より、ポリアミド樹脂などのバインダ樹脂の割合は、インクジェットインクの総量中の1質量%以上、とくに1.5質量%以上であるのが好ましく、10質量%以下、とくに8質量%以下であるのが好ましいことが判った。

Claims (6)

  1. 着色剤(ただし、白色の着色剤を除く)、2官能以上の多官能モノマーと単官能モノマーとを含むラジカル重合性成分、揮発性溶剤、および光ラジカル重合開始剤を含み、前記多官能モノマーは、ガラス転移温度Tgが40℃以上の高Tg多官能モノマーを、前記多官能モノマーの総量中に30質量%以上の割合で含み、前記単官能モノマーの割合は、前記ラジカル重合性成分の総量中の5質量%以上、70質量%以下、前記揮発性溶剤の割合は、前記ラジカル重合性成分の総量に対して50質量%以上、400質量%以下であるインクジェットインク。
  2. 前記高Tg多官能モノマーは、3官能以上である請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記高Tg多官能モノマーは、3官能以上で、かつガラス転移温度Tgが90℃以上である請求項1に記載のインクジェットインク。
  4. 前記単官能モノマーは、ビニルカプロラクタムを少なくとも含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  5. さらに、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、およびフェノール樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種のバインダ樹脂を含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
  6. JIS K5600-4-1に準拠して測定された前記インクジェットインクの隠蔽率が45%以上である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
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