JP2004148301A - 空洞パターンの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明は、内部構造を制御することができる上に、乾燥工程も必要としない容易なプロセスで空洞パターンを得ることができる空洞パターンの形成方法を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の空洞パターンの形成方法は、少なくとも下記(1)〜(3)の工程を含む手段によって、面内に空洞を含有するパターンを形成することを特徴とするものである。
(1)光重合性化合物、溶剤および光重合開始剤からなる液状塗剤を用いて、該光重合性化合物と該溶剤との相溶状態が温度によって変化する塗膜を形成する工程。
(2)該光重合性化合物と該溶剤とが相溶状態で、活性エネルギー線を照射して実質的に空洞を含有しない相を形成する工程。
(3)該光重合性化合物と該溶剤とが相分離状態で、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させた後に、該塗膜中に分散している溶剤を揮発させることにより、空洞を含有する相を形成する工程。
【選択図】 なし

Description

本発明は、空洞パターンの形成方法に関するものであって、空洞を含有する層と実質的に空洞を含有しない層からなる空洞パターンの形成方法に関する。
内部に空洞を含有する構造体は、様々な分野で使用されている。例えば、クッション材、断熱材などに利用される発泡体や、超純水の製造、薬液の精製、水処理などに使用される分離膜、衣料、サニタリー用途に使用される防水透湿性フィルム、電池セパレータなどに利用される多孔質膜、また、液晶ディスプレイや各種照明器具の反射基材として利用される空洞含有シートなど、あらゆる産業分野で利用されている。
これら構造体の製造方法は以下の方法に分類される。
(1)原料樹脂に熱発泡材を混練してシート化したのち、電子線等を照射することによって架橋後、加熱により発泡させる方法(例えば、特許文献1参照)。
(2)原料樹脂に光分解性化合物を添加し、基材上に塗布後、全面に活性エネルギー線を照射して分解させ発泡させる方法(例えば、特許文献2参照)。
(3)原料樹脂を良溶媒に溶解して、中空糸、フィルム等の任意の形状に成形し、得られた成形体を貧溶媒に浸漬させ、その際に生じる二相分離現象を利用する相転換法で得る方法(例えば、非特許文献1参照)。
(4)原料樹脂に、シリカ、アルミナ、無機塩類などの無機充填剤または非相溶の樹脂からなる粒子を加えて成形した後、得られた成形体を延伸し、樹脂と無機充填剤等との界面を剥離させて多孔化する界面剥離法による方法(例えば、特許文献3参照)。
(5)熱可塑性樹脂と、その熱可塑性樹脂に対し、室温付近では非溶剤だが高温では溶剤となる潜在的溶剤を加熱混合していったん相溶させた後、冷却固化することにより、樹脂相と溶剤相とに相分離させ、その後高温溶剤を抽出等により除去して多孔体を得る熱誘起相分離法を用いた方法(例えば、非特許文献2参照)。
特開平3−221542号公報(2頁) 特開平5−72727号公報(3頁) 特開平5−138844号公報(3〜4頁) 川上浩良, 膜, 26(3), 110-115(2001) 松山秀人, 膜, 26(3), 116-123(2001)
しかしながら、これらの方法には種々の問題を有する。
(1)及び(2)の発泡体を用いる方法では、発泡径を制御することが難しい。また、発泡性化合物の安定性にも問題がある。(3)では、溶媒への浸漬または抽出工程を要し、多くの時間を要する。(4)の方法では、成形体を延伸するための巨大な装置を必要とする。また、(5)においても分離した高温溶剤の抽出を要する。
また、全体として、原料樹脂のシート化に際して、高温で溶融するなどの操作が必要でる。
さらに、これらは全面を空洞化する方法であり、空洞のパターン化については(2)の方法を応用した形成方法した知られていない。(2)の方法による空洞のパターン化については、先にも述べたように発泡径の制御が難しいことや、発泡して欲しくない部位にも発泡体が混入しているためにコントラストをとるためのプロセスが複雑なこと、さらに該発泡体が着色しているものが大半であるため無彩色化することが難しいことなどの問題点が挙げられる。
このように、これらの方法は空洞形状の制御、工程の複雑さ、大がかりな装置などといった問題点があり、さらに面内において思い通りの空洞パターンを作製することはできなかった。
また、樹脂組成物をコーティングして塗膜を形成する方法において、塗布性を向上させるため系の粘度を調整するためだけに添加される溶剤などの希釈剤は、塗布後に乾燥させる必要があるが、特に厚膜の場合など乾燥させるには非常に長い時間を要するという欠点があった。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、内部構造を制御することができる上に、乾燥工程も必要としない容易なプロセスで空洞パターンを得ることができる空洞パターンの形成方法を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の空洞パターンの形成方法は、少なくとも下記(1)〜(3)の工程を含む手段によって、面内に空洞を含有するパターンを形成することを特徴とするものである。
(1)光重合性化合物、溶剤および光重合開始剤からなる液状塗剤を用いて、該光重合性化合物と該溶剤との相溶状態が温度によって変化する塗膜を形成する工程。
(2)該光重合性化合物と該溶剤とが相溶状態で、活性エネルギー線を照射して実質的に空洞を含有しない相を形成する工程。
(3)該光重合性化合物と該溶剤とが相分離状態で、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させた後に、該塗膜中に分散している溶剤を揮発させることにより、空洞を含有する相を形成する工程。
本発明によれば、所望の位置に空洞層を形成することが可能となる。よって、位置選択的なクッション材、断熱材、分離膜、防水透湿性フィルム、多孔質膜、液晶ディスプレイや各種照明器具の反射基材などが容易に形成できるようになる。さらに、液晶ディスプレイの分野においては、空洞層をルーバー状又は格子状にパターン化することによって、視野角制御、輝度向上膜として利用することができる。
本発明は、前記課題、つまり内部構造を制御することができる上に、乾燥工程も必要としない容易なプロセスで空洞パターンを得ることができる空洞パターンの形成方法について、鋭意検討し、塗膜形成工程、相溶状態での活性エネルギー線照射工程、および、相分離状態での活性エネルギー線照射工程の3種の工程を組み込んだ手段を採用してみたところ、かかる課題を一挙に解決する空洞パターンの形成方法を提供することができることを究明したものである。
すなわち、本発明の空洞パターンの形成方法は、少なくとも、下記(1)〜(3)の工程を含むことによって、面内に空洞を含有するパターンを形成するものである。
(1)光重合性化合物、溶剤、光重合開始剤からなる液状塗剤を用いて、光重合性化合物と溶剤との相溶状態が温度によって変化する塗膜を形成する工程。
(2)該光重合性化合物と該溶剤とが相溶状態で、活性エネルギー線を照射して実質的に空洞を含有しない相を形成する工程。
(3)該光重合性化合物と該溶剤とが相分離状態で活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させた後に、分散する溶剤を揮発させることにより空洞を含有する相を形成する工程。
本発明の空洞パターンの形成方法のコンセプトは、
(A)光重合性化合物と溶剤との相溶−相分離状態を変化させること
(B)溶媒が光重合性化合物中に分散して相分離し、その形状を保持したままマトリックスだけが硬化すること(この部分が空洞相となる)
(C)光重合性化合物と溶剤とを相溶状態で硬化し透明相とすること
(D)最後に溶媒を揮発させて空洞化すること
である。
まず、相状態が変化することが重要である。相状態は、温度、電場、磁場などの作用により変化させることが好ましい。中では温度により変化させるのが簡便で好ましい。変化は可逆的、不可逆的のどちらでも好ましく用いられる。可逆変化である方が、組成物としての安定性がよいので好ましい。
ここでいう相状態の変化とは、本発明では、光重合性化合物と溶剤との相溶状態−相分離状態変化のことをいう。つまり、溶剤が光重合性化合物中に分散して相分離を起こす。本発明は、この相溶状態−相分離状態の変化を巧みに用いて、パターンを形成するものである。
次に、光重合性化合物中に分散した溶剤の形状を保持したままマトリックスである周囲の光重合性化合物だけを硬化する。これが、空洞相の前駆体である。
本発明では、空洞を含有する相と、実質的に空洞を含有しない相(透明相)とからなるパターンを形成するものである。ここでは、光重合性化合物と溶剤とが相溶している状態で硬化することにより透明相を形成する。ここでいう透明相とは、高コントラストを得るという意味ではヘイズ10%程度以下の所謂光学的に透明な相であることが好ましいが、空洞相に比べて低ヘイズな相であれば透明相と呼ぶことにする。
最後に、空洞相の前駆体から溶媒を揮発させて空洞化させる。ここでは、溶媒は光重合性化合物中に分散して相分離するが、光重合せず、揮発する性質を持つ溶媒を選ぶことがポイントとなる。
本発明の空洞パターンの形成方法には、次の好ましい態様があり、これらの方法について、図面を用いて説明する。
(a)まず、常温で光重合性化合物と溶剤が相溶した塗膜に、フォトマスクを介して活性エネルギー線を照射して照射部分を硬化させ、次いで未照射部分における溶剤を相分離させた状態で全面に活性エネルギー線を照射することにより全面を硬化し、さらに塗膜に含まれる溶剤を揮発させることにより、後で照射した部分のみ空洞化する方法である。
この場合、常温では光重合性化合物と溶剤が相溶して透明状態であり、好ましくは温度のような外的作用により溶剤が光重合性化合物中に相分離する系である。
この方法について、そのフローを図1に示す。光重合性化合物と溶剤が相溶している状態の塗膜(透明)に、パターン露光(工程A)した後、加熱(工程B)することにより未露光部の塗膜内部に溶剤(1)を相分離させる。次いで、全面露光(工程C)し、最後に溶剤(1)を揮発させる(工程D)ことにより、塗膜内部に空洞(2)を生成させ、空洞パターンを形成する。
(b)次の方法は、常温で溶剤が光重合性化合物中に分散して相分離している塗膜に、フォトマスクを介して活性エネルギー線の照射により硬化し、次いで加熱により未照射部の光重合性化合物と溶剤とを相溶化した後に全面に活性エネルギー線を照射して全面を硬化させ、最後に溶剤を揮発させることにより、先に照射した部分のみ空洞を形成する方法である。
この方法を用いた場合、形成される空洞は塗剤を調製した時の相分離状態を反映した構造となる。よって、塗剤調製の時点で、求める空洞径や密度となるように相分離状態を設計することができるため、構造制御が容易な方法である。
ここでは、常温での相分離状態に大きく分けて2種類存在する。
一つは、相分離して混ざり合う2相(光重合性化合物と溶剤)の屈折率が大きく異なる状態、つまり白濁している状態である。この場合、フォトマスクを介してパターン露光した照射部分がそのまま白濁した状態で硬化し、次いで未照射部の光重合性化合物と溶剤とを相溶化させて透明化した後に全面露光する。ここでも、相溶化には加熱工程が好ましく用いられる。ただし、この方法の場合、白濁した塗膜により活性エネルギー線の散乱が顕著になるため、パターンの再現性が悪化する傾向にはある。
この方法について、そのフローを図2に示す。光重合性化合物に溶剤(1)が分散して相分離している塗膜(白濁)に、パターン露光(工程A)した後、加熱(工程B)することにより未露光部の塗膜内部の溶剤(1)を相溶させる。次いで、全面露光(工程C)し、最後に溶剤(1)を揮発させる(工程D)ことにより、塗膜内部に空洞(2)を生成させ、空洞パターンを形成する。
もう一つは、相分離しているが、混ざり合う2相(光重合性化合物と溶剤)の屈折率がほぼ等しく、ほぼ透明な状態である。ここでいう屈折率が等しく透明な状態とは、パターン露光に用いる活性エネルギー線の照射波長領域において、光重合性化合物と溶剤の屈折率が実質的に整合しており、該照射波長領域において透明であるということを示す。さらに、屈折率が実質的に整合しているとは、例えば、相分離しているそれぞれの相の屈折率差が0.03以下、好ましくは0.02以下であることをいい、また、この場合の透明であるとは、該照射波長領域でヘイズを測定した時に、ヘイズ値が30%以下、好ましくは20%以下である状態のことをいうが、屈折率の整合状態は、ヘイズ値を測定し上記範囲内に収まっていることが確認できればよい。
パターン露光に用いる活性エネルギー線の照射波長領域において屈折率を整合させることにより、パターン形成プロセスにおいて活性エネルギー線の散乱が抑制できるため、硬化部におけるパターン幅および底部の太りといった問題点が解消され、パターン再現性が良くなり好ましい。
また、光重合性化合物と溶剤との屈折率が異なる場合に、屈折率を整合させるため屈折率調整剤を添加することも好ましい態様である。この場合、光重合性化合物、溶剤のどちらかの屈折率を高く、または低く調整して整合させる。高屈折率化するための好ましい屈折率調整剤の例としては、分子中に芳香環、ハロゲン(フッ素を除く)、硫黄を含有する低分子または高分子化合物、平均一次粒子径が1〜100nmの金属または金属酸化物の超微粒子などが挙げられる。また、低屈折率化するための好ましい屈折率調整剤の例としては、平均一次粒子径が1〜100nmの中空超微粒子、ナノ空隙をもつ化合物などが挙げられる。これら屈折率調整剤は、光重合性化合物または溶剤のいずれかの屈折率を調整して整合させるものであるから、塗剤調製時において光重合性化合物または溶剤のいずれかの相に多く配分されるのが好ましく、さらに好ましくはいずれかの相にすべて存在するのがよい。
また、溶剤に屈折率調整剤を添加する場合、該屈折率調整剤が常温で固体、又は活性エネルギー線を照射することにより固化するものであることも好ましい。活性エネルギー線を照射することにより固化するものとは、例えば分子内にエチレン性不飽和二重結合を有する感光性化合物などである。これらを用いた場合、空洞内部にさらに樹脂または微粒子などの塊が存在する入れ子構造の空洞を形成することが可能となる。入れ子構造の空洞にすることにより、気固界面が増加するため、光反射性能が向上するなど特性向上がみられるため好ましい。
この方法について、そのフローを図3に示す。光重合性化合物に溶剤(1)が分散して相分離している塗膜(ここでは透明)に、パターン露光(工程A)した後、加熱(工程B)することにより未露光部の塗膜内部の溶剤(1)を相溶させる。次いで、全面露光(工程C)し、最後に溶剤(1)を揮発させる(工程D)ことにより、塗膜内部に空洞(2)を生成させ、空洞パターンを形成する。
どちらの場合においても、先に照射した部分が空洞相となる。
(c)常温で溶剤が光重合性化合物中に分散して相分離している塗膜を、相溶化した状態でフォトマスクを介して活性エネルギー線を照射して照射部分を硬化し、次いで未照射部分における溶剤を再度相分離させた後、全面に活性エネルギー線を照射して全面を硬化させ、さらに塗膜に含まれる溶剤を揮発させることにより後で照射した部分のみ空洞化する方法。
この方法について、そのフローを図4に示す。光重合性化合物に溶剤(1)が相分離している塗膜(白濁)を、加熱(工程B)して溶剤(1)を相溶させ、次にパターン露光(工程A)した後、冷却(工程E)することにより未露光部の塗膜内部に溶剤(1)を再度相分離させる。次いで、全面露光(工程C)し、最後に溶剤(1)を揮発させる(工程D)ことにより、塗膜内部に空洞(2)を生成させ、空洞パターンを形成する。
この場合にも常温での相分離状態には(b)で述べたのと同様に2種類存在する。こちらの場合には、まず、相分離状態にある光重合性化合物と溶剤とを相溶させて、先に透明相を形成してから、再度相分離状態に戻して空洞相を形成する方法である。初期相分離状態と最終相分離状態は、相変化が可逆変化であるか不可逆変化であるかによって、同じ構造であったり異なる構造であったりする。この場合も、好ましくは温度により相変化を起こす。つまり、パターン露光する時には加熱して透明化し、相分離させるには冷却することになる。
本発明の空洞パターンの形成方法において、相溶状態と相分離状態間の相変化によるパターニングだけではなく、相分離状態から相分離状態への変化によるパターニングも可能である。つまり、空洞含有率が少ない状態と多い状態からなる微細パターンが形成できる。これには、例えば、常温で溶剤が光重合性化合物中に分散して相分離して白濁している塗膜を加熱することでさらに相分離状態を変化させる(ヘイズが増減する)ことにより達成される。塗剤の組成とプロセス条件を適宜選ぶことにより、所望のヘイズを有するパターンが形成できる。
本発明の空洞パターンの形成方法における、塗膜塗布方法としては、マルチロールコーティング、ブレードコーティング、ワイヤーバーコーティング、スリットダイコーティング、グラビアコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、スプレコーティング、オフセットグラビアコーティング、スピンコーティング等の方法で行うことができる。
本発明の形成方法において、塗布後の乾燥工程は必要としない。厚膜の場合、この工程が律速となることがあるため、省略することにより高生産性が実現できる。
ここでは、工程途中の溶剤の蒸発を避けることが好ましい。例えば、水などを分散させた塗膜からの水の蒸発を避けるためには、塗布工程中の徹底した湿度管理により可能である。また、塗膜面にカバーフィルムを貼り付けるなどの処置をしてもよい。
ここでいう活性エネルギー線とは、紫外線、可視光、電子線、X線等が例として挙げられるが、中では、一般に広く使用されている紫外線、または電子線が好ましい。さらに、照射中にそれら活性エネルギー線により塗膜が加熱されると、溶剤が蒸発してしまうため、照射装置中に熱線カットフィルターなどが装着されていることが好ましい。
分散した溶剤を揮発させるために、加熱したり減圧乾燥したりする
以上の工程により、簡便に空洞層が形成される。
また、ここでは光重合性化合物と溶剤の相分離状態を活性エネルギー線により硬化して空洞を形成することを特徴としているが、組成物の組み合わせによっては、光重合性化合物と溶剤とが相溶している状態の塗膜を硬化した後に溶剤を揮発させても空洞含有層が形成されることがある。相溶しているため分散径が相分離の系に比べ小さいことが特徴である。
本発明で用いる光重合性化合物としては、固形分100%の状態で液状のものを用いる。つまり、コーティング剤として用いる場合に、希釈剤を用いなくても塗布すじが顕著に現れることのない、塗布性が良好であるものを指し、例えば、25℃で粘度を測定したとき、好ましくは300〜10万mPa・s、より好ましくは5000〜3万mPa・sであるものなどをいう。光重合性化合物とは、光照射により重合するモノマー、オリゴマーのことであり、エチレン性不飽和重合性化合物が好ましく、2以上のエチレン性不飽和重合性基を有する化合物が特に好ましい。
光重合性化合物の例としては、ヘキサンジオールトリアクリレート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸ジアクリレート、エトキシ化パラクミルフェノールアクリレート、エチルヘキシルカルビトールアクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、イソボルニルアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどが例示される。
これらの光重合性化合物は単独で用いても、複数を混合して用いてもよい。形態保持性や塗膜強度を高めるために、少なくともエチレン性不飽和基を3つ有する化合物を含有させることで3次元に架橋することが可能となり好ましい。
硬化後の塗膜特性を鑑み、ポリエステルアクリレートやウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどの感光性オリゴマーを使用することが好ましい。
本発明で用いる溶剤は、上記光重合性化合物と常温または加熱状態で相分離する溶剤である。常温で相分離するとは、例えば、25℃で混ぜ合わせた場合において溶け合わない状態をいう。また、加熱状態で相分離するとは、例えば、常温では相溶して透明である組成物を加熱することにより、相溶性を低下させて相分離させるもののことなどをいう。これには例えば、常温で水素結合の作用により相溶していた2成分が、加熱により該水素結合が切れ、それぞれの成分が凝集することにより相分離状態が生成する場合などが挙げられる。ただし、加熱する場合には、当然ながら溶剤の沸点より十分に低い温度領域において処理する必要がある。
溶剤の例としては、光重合性化合物に合わせて多種多様のものが挙げられるが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、水などを挙げることができる。これらのうちでは、安全衛生上や引火性による取扱い上の問題、および自然環境に対する影響の観点から、水を用いることが好ましい。
コーティング剤中の該溶剤量は、1〜50wt%が好ましく、1〜30wt%がさらに好ましい。溶剤量が多すぎる場合、活性光線を照射してもコーティングした膜の硬化を阻害するため好ましくないし、少なすぎる場合には、元々の含量が少なく、また揮発するなどの影響により十分な空洞が形成されないため好ましくない。
また、空洞含有層を作製する工程において、該溶剤の沸点が高すぎる場合、空洞を生成させるための溶剤の蒸発が困難となり、また、沸点が低すぎる場合、工程途中での揮発が顕著となり塗膜中の溶剤量を保持するのが難しく安定した製造が困難となる。このため、好ましい溶剤の沸点としては50〜180℃、さらに好ましくは60〜150℃である。
光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン類、ベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のケトン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケタール類、などが挙げられる。これら光重合開始剤は、各々の感光波長、活性エネルギー線の波長、コーティング膜の厚みなどを加味して選ばれるため、単独で用いるだけでなく、複数のものを組み合わせて用いることも好ましい。添加量としては、感光性の成分に対して、0.1〜10wt%添加して用いられる。
本発明においては界面活性剤が好ましく添加される。界面活性剤を添加することにより、溶剤の安定分散が実現され、経時でも分散状態が保持される。また、内部構造の制御も可能となる。さらに、界面活性剤を添加することにより、相変化が可逆的になりやすい傾向にあり好ましい。
本発明で好ましく用いられる界面活性剤の例としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が使用できる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンステロールエーテル型、ポリオキシエチレンラノリン誘導体型、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル型、脂肪酸グリセリド型、ポリグリセリン脂肪酸エステル型、ソルビタン脂肪酸エステル型、プロピレングリココール脂肪酸エステル型、脂肪酸アルカノールアミド型、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド型、ポリオキシエチレンアルキルアミン型、アルキルアミンオキサイド型等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、脂肪族の第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩や、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼントニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸及びその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチドなどのカルボン酸塩、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩などの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩などのスルホン酸塩、アルキルエーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩などの燐酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリニウムベタイン型、レシチン型等が挙げられる。
界面活性剤の特性を表す数値としてHLB値挙げられる。HLB値が低い場合は油中水型、HLB値が高い場合は水中油型の分散状態が得られる傾向にある。
このため、本発明のコーティング剤に添加する界面活性剤の種類により、溶剤の分散形態を容易に変化させることが可能となり、このコーティング剤を用いて作製した空洞含有層の内部構造を制御することができるようになる。
本発明で好ましく用いられる界面活性剤の添加量は、1〜30wt%である。
本発明においては、界面活性剤を添加することにより、塗膜における溶剤の安定分散が可能になるばかりか、内部構造を制御することができるようになるため、添加することが好ましい。添加しない場合でも、もちろん相分離させることは可能であるが、分散状態の経時安定性が劣り、光重合性化合物と溶剤とが容易に二層分離してしまう。
また、本発明には光重合性乳化剤を好ましく用いることができるが、これは、先に挙げた界面活性剤の骨格に、重合性の炭素−炭素不飽和二重結合を分子中に有するものなどを指す。界面活性能を有する重合性化合物を用いることにより、硬化後の滲み出しなどを抑制することが可能となるため好ましい。光重合性乳化剤の場合、添加量は上記界面活性剤のそれに準ずる。
本発明で用いる組成物は、温度など各種外的作用によって相溶性が変化するものであり、好ましい組み合わせが存在する。外的作用により相溶性を変化させるためには、該外的作用により溶剤と光重合性化合物との分子間相互作用が変化するものを選ぶことが重要となる。
例えば、1種類の光重合性化合物と、溶剤、光重合開始剤の3元系組成物であれば、光重合性化合物の骨格中に溶剤と適切な相互作用を発現する置換基をもつことが好ましい。この置換基は溶剤の種類、例えば親油・親水性などによって適宜選ぶことになる。ここでいう適切な相互作用とは、全く相互作用を持たない水と油のような組み合わせではなく、また、骨格などが似かよっていて溶解度パラメーターがほぼ等しく分子状で完全に混ざり合うような組み合わせでもなく、その中間であり、範囲としては幅広く存在する。範囲が幅広いため、所望の分散状態に制御できることになる。3元系で使用される光重合性化合物としては、例えば、骨格中に親水性部分と親油性部分の両方をもつ両親媒性の化合物などが好ましく使用される。
また、光重合性化合物と溶剤とが水と油のように全く溶け合わない組み合わせを用いる場合には、それらの間を取り持つ化合物を添加することにより達成される。両親媒性の光重合性化合物や界面活性剤、乳化剤などがこれらの例として好ましく挙げられる。この場合も、光重合性化合物や溶剤の組み合わせにより添加する化合物の種類が適宜選択されることになる。
本発明のコーティング材には各種添加剤を用いることができる。かかる添加剤としては、無機粒子などの充填材、造膜助剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、熱安定化剤、顔料、染料、可塑剤、粘度調整剤、酸化防止剤等が例示される。
本発明の空洞含有層の内部構造は、空洞中に樹脂粒子が分散した構造、樹脂中に空洞が分散した構造、樹脂と空洞の共連続構造などである。
空洞中に樹脂粒子が分散した構造とは水中油滴型である。例えば、表面および底面に樹脂層があり、それらに挟まれた空間に樹脂粒子が含まれているような構造などが挙げられる。
樹脂中に空洞が分散した構造とは油中水滴型である。また、樹脂と空洞の共連続構造とはそれらの中間である。
これらのうち、どの構造をとるかは用いる組成物、特に界面活性剤または光重合性乳化剤などの組み合わせによって任意に変えることが可能である。
また、空洞相の断面形状としては、三角形、長方形、台形またはこれらの変形したものなど特に限定されず好ましく形成できる。さらに、断面方向には上から下まで一様に分布していてもよいし、表面だけに分布しても良いし、分布状態にも限定なく好ましく用いられる。
塗膜の厚みとしては、特に限定されないが、例えば、5〜300μmの範囲であれば容易に作製可能であり好ましい。
本発明の空洞含有層は、単層で用いることもできるし、基材とともに積層体として用いることも可能である。
単層で用いる場合でも、その製造において、一度基材上に塗布して形態を整えた後、基材と剥離して用いる。
積層体の場合、用いる基材の例としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂等の有機フィルム基材、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鋼、チタン等の金属基材、スレート、コンクリート等の無機基材、などに適用可能である。また、かかる基材は、下地調整材、下塗り材などの処理が施されたものであっても良い。これら基材は透明、着色、白濁状態など、特に限定されずにどんなものにも好ましく積層される。つまり、他の機能をもった基材との複合体としての構成も好ましい。
基材の厚みは特に限定されないし、基材種類によって異なる。例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム基材を用いる場合、機械的強度等の面から20〜500μm、より好ましくは30〜300μm、さらに好ましくは50〜200μmである。
このようにして得られた空洞含有相と透明相からなるパターンの用途としては、従来から利用されている、クッション材、断熱材、分離膜、防水透湿性フィルム、多孔質膜、液晶ディスプレイや各種照明器具の反射基材などの分野において、所望の部分だけに空洞がパターン化されたフィルムとして利用できる。またさらに、ルーバー状に空洞層をパターニングすることによって、視野角制御、輝度向上フィルムとして利用することもできる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”QT40 膜厚100μm)上に下記組成物1をブレードコーターを用いて、厚み80μmで塗布した。塗布後、塗膜面上にカバーフィルムとしてPETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”T60 膜厚100μm)を貼り合わせた。次いで、下記プロセス1に沿って求めるパターンを得た。
(組成物1)
ポリエステルアクリレート 10 重量部
アロニックス8060(東亜合成(株)製)
N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド 1.75重量部
((株)興人 製)
水 2.5 重量部
光重合開始剤 0.05重量部
イルガキュア907(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)
上記組成物は混合後、30分静置したのち塗布した。静置後の組成物には相分離構造は見られず常温では相溶しており透明状態であった。
(プロセス1)
得られた塗膜のカバーフィルム側にフォトマスク(開口幅30μm、ピッチ1200μm、ストライプパターン)を置き、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2露光した。次いで、フォトマスクを外し、カバーフィルムを付けたままフィルムを80℃で15秒間加熱した。この時、パターン未露光部分が白濁した。
加熱状態を保ったままフィルム全面に100mJ/cm2露光し、カバーフィルムを外した後、常温で20分間真空乾燥することで求めるフィルムを形成した。
得られたフィルムには、パターン露光部が透明相(ヘイズ3%)、その後加熱により白濁させ真空乾燥によって形成された空洞相(ヘイズ85%)からなる、ほぼフォトマスクのパターンに応じた、空洞相と空洞を含有しない相からなる微細パターンが観察された。
(実施例2,3)
実施例1の組成物において、水の添加量を1重量部(実施例2)、5重量部(実施例3)、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドの添加量を0.7重量部(実施例2)、3.5重量部(実施例3)とした以外は、実施例1と同様にして微細パターンを形成した。
得られたフィルムには、パターン露光部の透明相(ヘイズ3%(実施例2,3))、その後加熱により白濁させ真空乾燥によって形成された空洞相(ヘイズ56%(実施例2)、ヘイズ92%(実施例3))からなる、ほぼフォトマスクのパターンに応じた、空洞相と空洞を含有しない相からなる微細パターンが観察された。
(実施例4)
PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”QT40 膜厚100μm)上に下記組成物2をブレードコーターを用いて、厚み80μmで塗布した。塗布後、塗膜面上にカバーフィルムとしてPETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”T60 膜厚100μm)を貼り合わせた。次いで、下記プロセス2に沿って求めるパターンを得た。
(組成物2)
ポリエステルアクリレート 10 重量部
アロニックス8060(東亜合成(株)製)
界面活性剤
ノイゲン ET−135(第一工業製薬(株)製) 1.25重量部
水 2.5 重量部
光重合開始剤 0.05重量部
イルガキュア651(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)
上記組成物は混合後、30分静置したのち塗布した。静置後の組成物には相分離構造は見られ白濁していた。
(プロセス2)
得られた塗膜のカバーフィルム側にフォトマスク(開口幅300μm、ピッチ1200μm)を置き、超高圧水銀灯を用いて200mJ/cm2露光した。次いで、フォトマスクを外し、カバーフィルムを付けたままフィルムを80℃で60秒間加熱した。この時、パターン未露光部分が透明化した。
加熱状態を保ったままフィルム全面に200mJ/cm2露光し、カバーフィルムを外した後、常温で20分間真空乾燥することで求めるフィルムを形成した。
得られたフィルムには、パターン露光部が空洞相(ヘイズ75%)、その後加熱により透明化した相(ヘイズ7%)からなる微細パターンが観察された。また、パターン露光部(空洞相)は約500μmとなり、フォトマスクの開口幅300μmに比べ太り傾向にあった。
(実施例5)
PETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”QT40 膜厚100μm)上に下記組成物3をブレードコーターを用いて、厚み80μmで塗布した。塗布後、塗膜面上にカバーフィルムとしてPETフィルム(東レ(株)製“ルミラー”T60 膜厚100μm)を貼り合わせた。次いで、下記プロセス3に沿って求めるパターンを得た。
(組成物3)
ポリエステルアクリレート 10 重量部
アロニックス8060(東亜合成(株)製)
界面活性剤
ノイゲン ET−143(第一工業製薬(株)製) 1.25重量部
水 1.25重量部
光重合開始剤 0.05重量部
イルガキュア651(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)
上記組成物は混合後、30分静置したのち塗布した。静置後の組成物は相分離して白濁している以外に、泡を噛み混んでいた。
(プロセス3)
得られた塗膜を80℃で60秒間加熱した。この時、塗膜は透明化していた。加熱状態を保ったまま、カバーフィルム側にフォトマスク(開口幅300μm、ピッチ1200μm)を置き、超高圧水銀灯を用いて200mJ/cm2露光した。次いで、塗膜を室温まで冷却したところ、未露光部が白濁した。冷却後、フィルム全面に200mJ/cm2露光し、カバーフィルムを外した後、常温で20分間真空乾燥することで求めるフィルムを形成した。
得られたフィルムには、加熱してパターン露光した透明相(ヘイズ5%)、その後冷却により白濁した空洞相(ヘイズ57%)からなる微細パターンが観察された。また、パターンは、ほぼフォトマスクのサイズを再現していた。
本発明の空洞パターンの形成方法の説明図であり、常温で相溶状態(透明)の塗膜にパターン露光し、次いで未露光部を相分離状態(白濁)にしてパターンを形成する方法を示す。 本発明の空洞パターンの形成方法の説明図であり、常温で相分離状態(白濁)の塗膜にパターン露光し、次いで未露光部を相溶状態(透明)にしてパターンを形成する方法を示す。 本発明の空洞パターンの形成方法の説明図であり、常温で相分離状態(透明)の塗膜にパターン露光し、次いで未露光部を相溶状態(透明)にしてパターンを形成する方法を示す。 本発明の空洞パターンの形成方法の説明図であり、常温で相分離状態(白濁)の塗膜を加熱して相溶状態(透明)にした後にパターン露光し、次いで未露光部を冷却して再度相分離状態(白濁)にしてパターンを形成する方法を示す。
符号の説明
1 溶剤
2 空洞
A パターン露光工程
B 加熱工程
C 全面露光工程
D 溶剤揮発工程
E 冷却工程

Claims (10)

  1. 少なくとも下記(1)〜(3)の工程を含む手段によって、面内に空洞を含有するパターンを形成することを特徴とする空洞パターンの形成方法。
    (1)光重合性化合物、溶剤および光重合開始剤からなる液状塗剤を用いて、該光重合性化合物と該溶剤との相溶状態が温度によって変化する塗膜を形成する工程。
    (2)該光重合性化合物と該溶剤とが相溶状態で、活性エネルギー線を照射して実質的に空洞を含有しない相を形成する工程。
    (3)該光重合性化合物と該溶剤とが相分離状態で、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化させた後に、該塗膜中に分散している溶剤を揮発させることにより、空洞を含有する相を形成する工程。
  2. 常温で該光重合性化合物に該溶剤が相溶した塗膜に、フォトマスクを介して活性エネルギー線を照射して照射部分を硬化させ、次いで未照射部分を相分離させた状態で、全面に活性エネルギー線を照射することにより、全面を硬化し、さらに塗膜に含まれる溶剤を揮発させることにより、後で照射した部分のみ空洞化することを特徴とする請求項1記載の空洞パターンの形成方法。
  3. 常温で該光重合性化合物と該溶剤とが相分離している塗膜に、フォトマスクを介して活性エネルギー線の照射により硬化し、次いで未照射部を相溶化した後に全面に活性エネルギー線を照射して全面を硬化させ、最後に溶剤を揮発させることにより、先に照射した部分のみ空洞を形成する請求項1記載の空洞パターンの形成方法。
  4. 光重合性化合物と溶剤とが相分離している塗膜において、該光重合性化合物と該溶剤の、活性エネルギー線の照射波長領域における屈折率を実質的に整合させることを特徴とする請求項3記載の空洞パターンの形成方法。
  5. 光重合性化合物と溶剤とが相分離している塗膜において、光重合性化合物からなる相または溶剤からなる相に、屈折率調整剤を添加することにより屈折率を整合させることを特徴とする請求項4記載の空洞パターンの形成方法。
  6. 溶剤相に添加された屈折率調整剤が、常温で固体または活性エネルギー線の照射により固化するものであり、形成される空洞が入れ子構造である請求項5記載の空洞パターンの形成方法。
  7. 常温で該光重合性化合物と該溶剤とが相分離している塗膜を、相溶化した状態で、フォトマスクを介して活性エネルギー線を照射して照射部分を硬化し、次いで未照射部分を再度相分離させた後、全面に活性エネルギー線を照射して全面を硬化させ、さらに塗膜に含まれる溶剤を揮発させることにより後で照射した部分のみ空洞化することを特徴とする請求項1記載の空洞パターンの形成方法。
  8. 該液状塗剤および該塗膜が、界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空洞パターンの形成方法。
  9. 該溶剤が、水であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の空洞パターンの形成方法。
  10. 該溶剤が、有機溶剤を含有しないことを特徴とする請求項9記載の空洞パターンの形成方法。
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