JP2016190959A - インクセット、並びに印刷物及びその製造方法 - Google Patents

インクセット、並びに印刷物及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016190959A
JP2016190959A JP2015072010A JP2015072010A JP2016190959A JP 2016190959 A JP2016190959 A JP 2016190959A JP 2015072010 A JP2015072010 A JP 2015072010A JP 2015072010 A JP2015072010 A JP 2015072010A JP 2016190959 A JP2016190959 A JP 2016190959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
color
white
acrylate
clear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015072010A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6058058B2 (ja
Inventor
洋平 大宅
Yohei Oya
洋平 大宅
武裕 小寺
Takehiro Kodera
武裕 小寺
林 宏樹
Hiroki Hayashi
宏樹 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Toryo KK
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Toryo KK filed Critical Dai Nippon Toryo KK
Priority to JP2015072010A priority Critical patent/JP6058058B2/ja
Publication of JP2016190959A publication Critical patent/JP2016190959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6058058B2 publication Critical patent/JP6058058B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】活性エネルギー線硬化型インクジェットインクから形成される印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現できるインクセットを提供する。【解決手段】一種以上のカラーインクと、クリアインク又は白インクとを組み合わせてなるインクセットであって、前記カラーインク、クリアインク及び白インクが、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクであり、前記クリアインク及び白インクがアクリル系表面調整剤を含み、前記カラーインクが1種からなる場合、前記クリアインク及び白インクの表面張力が該カラーインクの表面張力より高く、前記カラーインクが複数からなる場合、前記クリアインク及び白インクの表面張力が、該カラーインクのうち表面張力が最も低いカラーインクの表面張力より高いことを特徴とするインクセットである。【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット並びに該インクセットを用いた印刷物の製造方法及び該製造方法により得られる印刷物に関し、より詳しくは、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクから形成される印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現できるインクセットに関するものである。なお、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクとは、インクジェットプリンタ用のインク組成物であって、紫外線等の活性エネルギー線照射により硬化させることができるインク組成物を意味する。
近年、種々の活性エネルギー線硬化型インクジェットインクが提案されており、カラーインクと白インクを備えるインクセットやカラーインクとクリアインクを備えるインクセットが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。白色インクは、基材等の下地を隠蔽する目的で、カラーインクの印刷の前に印刷される。また、クリアインクは、印刷層の付着性の向上やカラーインクの定着といったプライマー機能を発揮させる目的で使用でき、カラーインクの印刷の前に印刷されたり、カラーインクにより表現される画像を保護する目的で使用でき、カラーインクの印刷の後に印刷されたりする。しかしながら、クリアインク又は白インクから形成される印刷層の上にカラーインクの液滴を吐出させる場合、インク液滴同士の相溶化が起こると、画像ににじみが生じ、得られる印刷物の精細さに欠けるといった課題があった。
この課題に対し、特許文献4は、カラーインク及び白インクから構成されるインクジェットインクセットを記載し、白インクの表面張力をカラーインクの表面張力よりも低くすることで、透明な記録媒体や明度の低い記録媒体に対しても、視認性に優れた高精細な画像が得られると記載している。
特開2014−196497号公報 特開2014−177572号公報 特開2013−181163号公報 特許第4877224号公報
特許文献4に記載されるインクセットによれば、高精細な画像が得られるものの、白インクの表面張力を低下させるため、実際にはシリコーンオイルを表面調整剤として使用することが必要となる。しかしながら、シリコーンオイルをインクに配合すると、得られる印刷層の付着性を低下させる課題がある。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクから形成される印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現できるインクセットを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、基材又は下塗り塗膜に対する印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現できる印刷物及び該印刷物の製造方法を提供することにある。
本発明者は、シリコーンオイルをインクに配合した際に印刷層の付着性の低下が見られる原因について検討したところ、シリコーンオイルは分子間の相互作用を大きく抑制する能力を有する点に理由があると推定しており、このシリコーンオイルの能力は、インクの表面張力を低下させる上で有効に作用するものの、印刷層中のシリコーンオイルもその能力を発揮してしまう。このため、基材とカラーインクから形成される印刷層の間に、シリコーンオイルを含む白インク又クリアインクから形成される印刷層が存在すると、層間の付着性を低下させることになる。
そこで、本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクからなるインクセットにおいて、シリコーン系表面調整剤を含むインクに代えてアクリル系表面調整剤を含むインクをクリアインク又は白インクとして用いると、該インクの表面張力がカラーインクの表面張力より高くても、高精細な画像を十分に表現できる上、得られる印刷層の付着性を十分に確保できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のインクセットは、一種以上のカラーインクと、クリアインク又は白インクとを組み合わせてなるインクセットであって、
前記カラーインク、クリアインク及び白インクが、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクであり、
前記カラーインクが、少なくとも白色の着色剤以外の着色剤を含み、
前記白インクが、少なくとも白色の着色剤及びアクリル系表面調整剤を含み、
前記クリアインクが、少なくともアクリル系表面調整剤を含み、
前記カラーインクが1種からなる場合、前記クリアインク及び白インクの表面張力が該カラーインクの表面張力より高く、
前記カラーインクが複数からなる場合、前記クリアインク及び白インクの表面張力が、該カラーインクのうち表面張力が最も低いカラーインクの表面張力より高いことを特徴とする。
本発明のインクセットの好適例において、前記アクリル系表面調整剤は、SP値が8.5〜10.5であり、重量平均分子量が3,000〜100,000である。
本発明のインクセットの他の好適例においては、前記アクリル系表面調整剤が、ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも一種のアクリレートモノマーを構成単位として含むポリマーである。
本発明のインクセットの他の好適例において、前記カラーインク、クリアインク及び白インクは、40℃におけるインクの粘度が5〜15mPa・sであり、かつ25℃におけるインクの表面張力が25〜40mN/mである。
本発明のインクセットの他の好適例においては、前記クリアインク又は白インクから形成される第一層と、該第一層上に前記カラーインクから形成される第二層とを備える印刷層を形成するためのインクセットである。
また、本発明の第一の印刷物の製造方法は、上記のインクセットを備えるインクジェットプリンタによってインクを基材表面に吐出させ、印刷層を形成させる工程を含むことを特徴とする。
更に、本発明の第二の印刷物の製造方法は、基材表面に下塗り塗料を塗布し、下塗り塗膜を形成させる工程と、上記のインクセットを備えるインクジェットプリンタによってインクを前記下塗り塗膜上に吐出させ、印刷層を形成させる工程とを含むことを特徴とする。
本発明の第一及び第二の印刷物の製造方法の好適例においては、前記印刷層上に上塗り塗料を塗布し、該印刷層を覆うように上塗り塗膜を形成させる工程を更に含む。
また更に、本発明の印刷物は、上記の印刷物の製造方法によって得られることを特徴とする。
本発明のインクセットによれば、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクから形成される印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現できるインクセットを提供することができる。
本発明の第一の印刷物の製造方法によれば、基材に対する印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現できる印刷物を提供することができる。また、本発明の第二の印刷物の製造方法によれば、下塗り塗膜に対する印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現できる印刷物を提供することができる。本発明の印刷物によれば、印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現することができる。
以下に、本発明のインクセットを詳細に説明する。本発明のインクセットは、一種以上のカラーインクと、クリアインク又は白インクとを組み合わせてなるインクセットである。即ち、本発明のインクセットは、カラーインクとクリアインクを備えるインクセットであるか又はカラーインクと白インクを備えるインクセットである。カラーインクは、単独で使用されてもよいが、複数を組み合わせることもできる。
本発明のインクセットにおいては、カラーインクが1種からなる場合、クリアインク及び白インクの表面張力が該カラーインクの表面張力より高く、また、カラーインクが複数からなる場合、クリアインク及び白インクの表面張力が、該カラーインクのうち表面張力が最も低いカラーインクの表面張力より高い。本発明のインクセットは、クリアインク及び白インクのうち一方のインクを備えるが、該インクの表面張力より表面張力が低いカラーインクは、通常、インク液滴同士の相溶化が起こる傾向にあるため、インクセットがクリアインク及び白インクの表面張力より表面張力が低いカラーインクを備えると、高精細な画像を表現することが困難になる。しかしながら、本発明のインクセットにおいては、後述するように、クリアインク及び白インクがアクリル系表面調整剤を含むため、インクセットがクリアインク及び白インクの表面張力より表面張力が低いカラーインクを備えていても、高精細な画像を十分に表現することができる。
また、本発明のインクセットにおいて、クリアインク及び白インクと、該クリアインク及び白インクの表面張力より表面張力が低いカラーインクは、その25℃における表面張力の差が0.1〜5.0mN/mの範囲内にあることが好ましく、0.1〜3.0mN/mの範囲にあることが更に好ましい。かかる表面張力の差が大きすぎると、高精細な画像を表現することが困難になる場合もある。
なお、本発明のインクセットにおいて、インクの表面張力は、プレート法により測定され、測定温度は25℃である。
本発明のインクセットにおいて、カラーインクは、白色の着色剤以外の着色剤を少なくとも含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクである。上記カラーインクに用いる着色剤は、白色の着色剤以外であれば特に制限されず、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の様々な色の着色剤が挙げられる。着色剤は、一般に染料や顔料に分類されるが、耐候性の観点から、顔料であることが好ましい。なお、着色剤の含有量は、例えばカラーインクの全質量中0.1〜10質量%である。また、着色剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記カラーインクに用いる着色剤の具体例としては、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、7、9、10、12、13、14、15、16、17、24、32、34、35、36、37、41、42、43、49、53、55、60、61、62、63、65、73、74、75、77、81、83、87、93、94、95、97、98、99、100、101、104、105、106、108、109、110、111、113、114、116、117、119、120、123、124、126、127、128、129、130、133、138、139、150、151、152、153、154、155、165、167、168、169、170、172、173、174、175、176、179、180、181、182、183、184、185、191、193、194、199、205、206、209、212、213、214、215、219、
C.I.Pigment Orange 1、2、3、4、5、13、15、16、17、19、20、21、24、31、34、36、38、40、43、46、48、49、51、60、61、62、64、65、66、67、68、69、71、72、73、74、81、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、21、22、23、31、32、38、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、52、52:1、52:2、53:1、54、57:1、58、60:1、63、64:1、68、81:1、83、88、89、95、101、104、105、108、112、114、119、122、123、136、144、146、147、149、150、164、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、211、213、214、216、220、220、221、224、226、237、238、239、242、245、247、248、251、253、254、255、256、257、258、260、262、263、264、266、268、269、270、271、272、279、
C.I.Pigment Violet 1、2、3、3:1、3:3、5:1、13、15、16、17、19、23、25、27、29、31、32、36、37、38、42、50、
C.I.Pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:5、15:6、16、17:1、24、24:1、25、26、27、28、29、36、56、60、61、62、63、75、79、80、
C.I.Pigment Green 1、4、7、8、10、15、17、26、36、50、
C.I.Pigment Brown 5、6、23、24、25、32、41、42、
C.I.Pigment Black 1、6、7、9、10、11、20、31、32、34、
アルミニウムフレーク、ガラスフレーク、及び中空粒子等が挙げられる。
これらの中でも、印刷層の耐候性と色再現性の観点から、
C.I.PigmentBlack7、
C.I.PigmentBlue15:3、C.I.PigmentBlue15:4、C.I.PigmentBlue28、
C.I.PigmentRed101、C.I.PigmentRed122、
C.I.PigmentRed202、C.I.PigmentRed254、
C.I.PigmentRed282、
C.I.PigmentViolet19、
C.I.PigmentYellow42、C.I.PigmentYellow120、
C.I.PigmentYellow138、C.I.PigmentYellow139、C.I.PigmentYellow150、C.I.PigmentYellow151、C.I.PigmentYellow155、C.I.PigmentYellow213が好ましい。
本発明のインクセットにおいて、白インクは、白色の着色剤及びアクリル系表面調整剤を少なくとも含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクである。上記白インクに用いる着色剤は、白色の着色剤に限定され、具体例としては、C.I.Pigment White 1、2、4、5、6、7、11、12、18、19、21、22、23、26、27、28等が挙げられ、印刷層の耐候性と色再現性の観点から、C.I.PigmentWhite7が好ましい。これら白色の着色剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上述したように、着色剤は、耐候性の観点から、顔料であることが好ましい。また、白色の着色剤の含有量は、例えば白インクの全質量中0.1〜10質量%である。
上記カラーインク及び白インクに用いる着色剤が顔料である場合、吐出安定性の観点から、インク中に分散している顔料粒子は、体積平均粒子径が0.05〜0.4μmであり且つ体積最大粒子径が0.2〜1μmであることが好ましい。体積平均粒子径が0.4μmより大きく且つ体積最大粒子径が1μmよりも大きいと、インクを安定に吐出することが困難となる傾向がある。なお、体積平均粒子径及び体積最大粒子径は、動的光散乱法を用いた測定機器によって測定できる。
本発明のインクセットにおいて、クリアインクは、アクリル系表面調整剤を少なくとも含む活性エネルギー線硬化型インクジェットインクである。なお、クリアインクは、着色剤を含まない。
上記クリアインク及び白インクに用いるアクリル系表面調整剤は、ポリ(メタ)アクリレート骨格を備える表面調整剤であり、上記クリアインク及び白インクから形成される印刷層のレベリング性を向上させることができる。また、アクリル系表面調整剤は、シリコーンオイル等のシリコーン系表面調整剤と比較して、分子間の相互作用を抑制する能力が低いため、アクリル系表面調整剤をインクに配合しても、得られる印刷層の付着性の低下を防ぐことができる。更に、印刷層中のアクリル系表面調整剤は、印刷層の表面に存在している傾向にあるため、クリアインク又は白インクにより形成される印刷層上でのカラーインクの液滴同士の相溶化を防ぎ、高精細な画像を十分に表現することができる。
上記アクリル系表面調整剤は、特に限定されるものではないが、ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも一種のアクリレートモノマーを構成単位として含むポリマーであることが好ましい。なお、これらのアクリレートモノマーからなる構成単位は、ポリマーの50〜100質量%を占めることが好ましい。また、上記ポリマーは、上述のアクリレートモノマー以外のモノマーを構成単位として含むことができる。例えば、上記ポリマーは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選択される少なくとも一種のカルボキシル基含有モノマーを構成単位として含んでもよい。また、上記ポリマーは、ヒドロキシエチルアクリレートのようなヒドロキシル基含有モノマーを構成単位として含んでもよい。なお、上記ポリマーは、上述のアクリレートモノマー以外のアルキル(メタ)アクリレートやアルケニル(メタ)アクリレートを構成単位として含んでもよく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらモノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アクリル系表面調整剤は、SP値が8.5〜10.5であることが好ましい。アクリル系表面調整剤のSP値(溶解パラメータ)が8.5未満であったり、10.5を超えたりすると、クリアインク及び白インク中における相溶性に問題が生じ、吐出安定性が低下する場合がある。なお、SP値とは、相溶性を判断する際の目安となるもので、種々の計算方法や実測方法があるが、本発明においては、Hoyの提唱した蒸気圧法によるSP値を用いて求めた分子引力定数を使用し、文献〔K. L. Hoy, J. Paint Technology, 42, [541], 76(1970)〕に記載された方法に準拠して計算した値を意味する。具体的には、SP値は、δ=(dΣG)/Mで表され、dはポリマーの密度、Mはポリマーの基本構造単位の分子量、ΣGは該基本構造単位中に存在する原子(団)に対応する分子引力定数Gの総和である。
また、上記アクリル系表面調整剤は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3,000〜100,000であることが好ましい。該アクリル系表面調整剤の重量平均分子量が3,000未満では、レベリング性の向上効果が十分に得られない場合があり、また、100,000を超えると、クリアインク及び白インク中における相溶性に問題が生じ、吐出安定性が低下する場合がある。なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定される値であり、標準物質にはポリスチレンが使用される。
上記クリアインク及び白インク中において、上記アクリル系表面調整剤の含有量は、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.02〜2質量%であることが更に好ましい。上記アクリル系表面調整剤の含有量が0.01質量%未満では、レベリング性の向上効果が十分に得られないことに加えて、画像の精細さを低下させる恐れもある。また、上記アクリル系表面調整剤の含有量が5質量%を超えると、印刷層が硬化不良となることがある。
本発明のインクセットにおいては、クリアインク又は白インクから形成される印刷層によって基材や下塗り塗膜に対する付着性を十分に確保することが可能となり、また、クリアインク又は白インクから形成される印刷層上にカラーインクを用いて画像を印刷することで、高精細な画像を表現することができる。このため、本発明のインクセットは、クリアインク又は白インクから形成される第一層と、該第一層上にカラーインクから形成される第二層とを備える印刷層を形成するためのインクセットであることが好ましい。
上記カラーインク、クリアインク及び白インクは、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクであり、官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマーを含むことが好ましい。官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマーを用いることで、印刷層の硬化性や印刷層の強度のコントロールが可能になる。なお、本発明において、官能基とは、活性エネルギー線照射時に反応性を示す官能基を指す。また、上記ラジカル重合性モノマーは、分子量が1,000以下であることが好ましい。
上記官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマーは、特に限定されるものではなく、後述するように、官能基数が1である単官能モノマー及び官能基数が2である2官能モノマーが挙げられる。なお、上記ラジカル重合性モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記単官能モノマーの具体例としては、ステアリルアクリレート、アクリロイルモルホリン、トリデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、デシルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、イソオクチルアクリレート、オクチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、イソアミルアクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、EO(エチレンオキシド)変性2−エチルヘキシルアクリレート、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、テトラヒドロフルフリルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、及び2−(2’−ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、エトキシ−ジエチレングリコールアクリレート、及びテトラヒドロフルフリルアクリレートが好ましい。なお、これら単官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記2官能モノマーの具体例としては、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,7−ヘプタンジオールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、及びジプロピレングリコールジアクリレート等が挙げられる。これらの中でも、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート及びネオペンチルグリコールジアクリレートが好ましい。なお、これら2官能モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインクセットにおいて、上記カラーインク、クリアインク及び白インク中における官能基数が1〜2であるラジカル重合性モノマーの含有量は、印刷層の硬化性や印刷層の強度のコントロールの観点から、50〜90質量%であることが好ましい。
上記カラーインク、クリアインク及び白インクにおいては、印刷層の硬化性や印刷層の強度を上げるため、官能基数が3以上である3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーを使用してもよい。また、上記3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーは、分子量が2,000未満であることが好ましい。なお、3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーの含有量は、例えば、インク中1〜20質量%である。
上記3官能以上の多官能ラジカル重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO変性ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。なお、これら多官能ラジカル重合性モノマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記カラーインク、クリアインク及び白インクにおいては、印刷層の強度を向上させるため、アクリレートオリゴマーを使用してもよい。アクリレートオリゴマーとは、アクリロイルオキシ基(CH2=CHCOO−)を一つ以上有するオリゴマーであり、官能基数は3〜6であることが好ましい。また、アクリレートオリゴマーは、分子量が2,000〜20,000であることが好ましい。なお、該分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量である。そして、アクリレートオリゴマーの具体例としては、アミノアクリレートオリゴマー[アミノ基(−NH)を複数持つアクリレートオリゴマー]、ウレタンアクリレートオリゴマー[ウレタン結合(−NHCOO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エポキシアクリレートオリゴマー[エポキシ基を複数持つアクリレートオリゴマー]、シリコーンアクリレートオリゴマー[シロキサン結合(−SiO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]、エステルアクリレートオリゴマー[エステル結合(−COO−)を複数持つアクリレートオリゴマー]及びブタジエンアクリレートオリゴマー[ブタジエン単位を複数持つアクリレートオリゴマー]等が挙げられる。これらの中でも、耐候性や密着性の観点から、ウレタンアクリレートオリゴマーが好ましく、構造中に芳香環を持たない脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーが更に好ましい。なお、アクリレートオリゴマーの含有量は、例えば、インク中1〜10質量%である。
アクリレートオリゴマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。なお、これらアクリレートオリゴマーは、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
ビームセット502H、ビームセット505A−6、ビームセット550B、ビームセット575、ビームセットAQ−17(荒川化学工業社製)、
UA−306H、UA−306I、UA−510H、UF−8001G(共栄社化学社製)、
CN929、CN940、CN944B85、CN959、CN961E75、CN961H81、CN962、CN963A80、CN963B80、CN963E75、CN963E80、CN963J75、CN964、CN964A85、CN964E75、CN965、CN965A80、CN966A80、CN966B85、CN966H90、CN966J75、CN966R60、CN968、CN980、CN981、CN981A75、CN981B88、CN982A75、CN982B88、CN982E75、CN982P90、CN983、CN985B88、CN989、CN991、CN996、CN9001、CN9002、CN9004、CN9005、CN9006、CN9007、CN9008、CN9009、CN9010、CN9011、CN9014、CN9178、CN9788、CN9893(サートマー社製)、
U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−1100H、UA−53H、UA−33H、U−200PA、UA−4200、UA−122P(新中村化学工業社製)、
ニューフロンティアR−1214、ニューフロンティアR−1301、ニューフロンティアR−1304、ニューフロンティアR−1306X、ニューフロンティアR−1150D(第一工業製薬社製)、
EBECRYL230、EBECRYL244、EBECRYL245、EBECRYL264、EBECRYL265、EBECRYL270、EBECRYL284、EBECRYL285、EBECRYL294、EBECRYL1290、EBECRYL4820、EBECRYL5129、EBECRYL8201、EBECRYL8402、(ダイセル・サイテック社製)、
UV−1700B、UV−7600B、UV−7605B、UV−6630B、UV−7000B、UV−7461TE、UV−3000B、UV−3310B、UV−3520TL、UV−3700B(日本合成化学社製)、
アートレジンUN−333、UN−1255、UN−2600、UN−2700、UN−5500、UN−5507、UN−6060P、UN−6200、UN−6300、UN−6301、UN−7600、UN−7700、UN−9000PEP、UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HC、UN−904(根上工業社製)
本発明のインクセットにおいて、上記カラーインク、クリアインク及び白インクは、光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は、活性エネルギー線を照射されることによって、上述したラジカル重合性モノマー及びアクリレートオリゴマーの重合を開始させる作用を有する。また、上記光重合開始剤の含有量は、インク中1〜25質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることが更に好ましい。上記光重合開始剤の含有量が1質量%未満では、印刷層が硬化不良となることがあり、25質量%を超えると、低温時に析出物が発生してインクの吐出が不安定になることがある。更に、光重合開始剤の開始反応を促進させるため、光増感剤等の助剤を併用することも可能である。
上記光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物等が挙げられるが、硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光重合開始剤の吸収波長ができるだけ重複するものが好ましい。
上記光重合開始剤の具体例としては、
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
ベンゾフェノン、
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、
2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、
フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、
2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、
2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、
ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、
2,4−ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン等が挙げられる。これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドが、印刷層の硬化性の観点から好ましい。なお、これら光重合開始剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインクセットにおいて、上記カラーインク、クリアインク及び白インクは、光安定剤を更に含有してもよい。光安定剤は、紫外線を吸収し、紫外線による劣化を防止する作用を有する。光安定剤としては、シアノアクリレート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、ベンジリデンカンファー系化合物、無機微粒子等が挙げられ、中でも、紫外線吸収がより短波長にあるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物がインクの硬化性の観点から好ましい。硬化性の観点から、照射する活性エネルギー線の波長と光安定剤の吸収波長が出来るだけ重複しないものが好ましい。なお、光安定剤の含有量は、インク中0.1〜15質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることが更に好ましい。該光安定剤を0.1質量%以上配合することで、充分な紫外線の吸収効果が得られることから耐候性が向上し、また、光安定剤の含有量を15質量%以上とすると、印刷層の硬化性が低下し、優れた印刷物が得られない。
上記光安定剤の具体例としては、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルフォニックアシッド、
2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン−2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、
ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2―ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−(ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、
メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチレングリコールとの縮合物、
2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,6−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、
ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。なお、これら光安定剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインクセットにおいて、上記カラーインク及び白インクは、顔料を分散させるために、必要に応じて顔料分散剤を更に含有してもよい。なお、顔料分散剤の含有量は、例えばインク中0.1〜5質量%である。また、顔料分散剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記顔料分散剤の具体例としては、
ANTI−TERRA−U、ANTI−TERRA−U100、
ANTI−TERRA−204、ANTI−TERRA−205、
DISPERBYK−101、DISPERBYK−102、
DISPERBYK−103、DISPERBYK−106、
DISPERBYK−108、DISPERBYK−109、
DISPERBYK−110、DISPERBYK−111、
DISPERBYK−112、DISPERBYK−116、
DISPERBYK−130、DISPERBYK−140、
DISPERBYK−142、DISPERBYK−145、
DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、
DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、
DISPERBYK−166、DISPERBYK−167、
DISPERBYK−168、DISPERBYK−170、
DISPERBYK−171、DISPERBYK−174、
DISPERBYK−180、DISPERBYK−182、
DISPERBYK−183、DISPERBYK−184、
DISPERBYK−185、DISPERBYK−2000、
DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2008、
DISPERBYK−2009、DISPERBYK−2020、
DISPERBYK−2025、DISPERBYK−2050、
DISPERBYK−2070、DISPERBYK−2096、
DISPERBYK−2150、DISPERBYK−2155、
DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、
BYK−P104、BYK−P104S、BYK−P105、
BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S、BYKJET−9150、BYKJET−9151(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、
Solsperse3000、Solsperse5000、
Solsperse9000、Solsperse11200、
Solsperse13240、Solsperse13650、
Solsperse13940、Solsperse16000、
Solsperse17000、Solsperse18000、
Solsperse20000、Solsperse21000、
Solsperse24000SC、Solsperse24000GR、
Solsperse26000、Solsperse27000、
Solsperse28000、Solsperse32000、
Solsperse32500、Solsperse32550、
Solsperse32600、Solsperse33000、
Solsperse34750、Solsperse35100、
Solsperse35200、Solsperse36000、
Solsperse36600、Solsperse37500、
Solsperse38500、Solsperse39000、
Solsperse41000、Solsperse54000、
Solsperse55000、Solsperse56000、
Solsperse71000、Solsperse76500、
SolsperseX300(以上、ルブリゾール社製)、
ディスパロンDA−7301、ディスパロンDA−325、
ディスパロンDA−375、ディスパロンDA−234(以上、楠本化成社製)、
フローレンAF−1000、フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−15BHFS、フローレンDOPA−17HF、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−33、フローレンG−600、フローレンG−700、フローレンG−700AMP、フローレンG−700DMEA、フローレンG−820、フローレンG−900、フローレンGW−1500、フローレンKDG−2400、フローレンNC−500、フローレンWK−13E、(以上、共栄社化学社製)、
TEGO Dispers610、TEGO Dispers610S、
TEGO Dispers630、TEGO Dispers650、
TEGO Dispers652、TEGO Dispers655、
TEGO Dispers662C、TEGO Dispers670、
TEGO Dispers685、TEGO Dispers700、
TEGO Dispers710、TEGO Dispers740W、
LIPOTIN A、LIPOTIN BL、
LIPOTIN DB、LIPOTIN SB(以上、エボニック・デグサ社製)、
PB821、PB822、PN411、PA111(以上、味の素ファインテクノ社製)、
テキサホール963、テキサホール964、テキサホール987、テキサホールP60、テキサホールP61、テキサホールP63、テキサホール3250、テキサホールSF71、テキサホールUV20、テキサホールUV21(以上、コグニス社製)、
BorchiGenSN88、BorchiGen0451(以上、ボーシャス社製)等が挙げられる。
本発明のインクセットにおいて、上記カラーインク、クリアインク及び白インクには、その他の成分として、重合禁止剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、防錆剤、溶剤、非反応性ポリマー、充填剤、pH調整剤、消泡剤、荷電制御剤、応力緩和剤、浸透剤、導光材、光輝材、磁性材、蛍光体等の添加剤を必要に応じて使用してもよい。
本発明のインクセットにおいて、上記カラーインク、クリアインク及び白インクは、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合し、必要に応じて、使用するインクジェットプリントヘッドのノズル径の約1/10以下のポアサイズを持つフィルターを用い、得られた混合物を濾過することによって、調製できる。なお、本発明のインクセットにおいては、上記カラーインクに用いるラジカル重合性モノマーの配合比を調整したり、上記クリアインク及び白インクに用いるラジカル重合性モノマー及びアクリル系表面調整剤の配合比を調整したりすることによって、所望の粘度及び表面張力を達成することができる。
本発明のインクセットにおいて、上記カラーインク、クリアインク及び白インクは、その40℃における粘度が、5〜15mPa・sであることが好ましく、5〜10mPa・sであることが更に好ましい。40℃におけるインクの粘度が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インクの粘度は、B型粘度計を用いて測定できる。
本発明のインクセットにおいて、上記カラーインク、クリアインク及び白インクの表面張力は、上述した関係を満たすものであれば特に制限されるものではないが、例えば、25℃における各インクの表面張力は、25〜40mN/mであることが好ましく、30〜40mN/mであることが更に好ましく、32〜38mN/mであることが一層好ましい。25℃におけるインクの表面張力が上記特定した範囲内にあれば、良好な吐出安定性が得られる。なお、インクの表面張力は、プレート法により測定できる。
本発明のインクセットは、種々のインクジェットプリンタに使用することができる。インクジェットプリンタとしては、例えば、荷電制御方式又はピエゾ方式によりインク組成物を噴出させるインクジェットプリンタを挙げることができる。また、本発明のインクセットは、特に大型インクジェットプリンタ、具体例としては工業ラインで生産される物品への印刷を目的としたインクジェットプリンタに好適に適用できる。なお、インクジェットプリンタによる印刷後、活性エネルギー線を照射して印刷層を硬化させることによって、耐候性が良好な印刷層を形成することができる。また、上記印刷層を硬化させるために照射する活性エネルギー線の波長は、光重合開始剤の吸収波長と重複していることが好ましく、本発明のインクセットに対しては、活性エネルギー線の主波長が、360〜425nmであることが好ましい。
次に、本発明の印刷物の製造方法を詳細に説明する。本発明の第一の印刷物の製造方法は、上述の本発明のインクセットを備えるインクジェットプリンタによってインクを基材表面に吐出させ、印刷層を形成させる工程を含むことを特徴とする。本発明の第一の印刷物の製造方法によれば、基材に対する印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現できる印刷物を提供することができる。また、本発明の第二の印刷物の製造方法は、基材表面に下塗り塗料を塗布し、下塗り塗膜を形成させる工程と、上述の本発明のインクセットを備えるインクジェットプリンタによってインクを前記下塗り塗膜上に吐出させ、印刷層を形成させる工程とを含むことを特徴とする。本発明の第二の印刷物の製造方法によれば、下塗り塗膜に対する印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現できる印刷物を提供することができる。
本発明の第一及び第二の印刷物の製造方法において、印刷手段であるインクジェットプリンタには、上述のように、種々のインクジェットプリンタを使用することができる。また、上述したように、活性エネルギー線を照射することによって、基材又は下塗り塗膜上に形成された印刷層を硬化させることが好ましい。詳細には、基材又は下塗り塗膜上にクリアインク又は白インクを吐出させ、該インクに活性エネルギー線を照射することで第一層を形成し、該第一層上にカラーインクを吐出させ、該インクに活性エネルギー線を照射することで第二層を形成し、第一層及び第二層を備える印刷層を作製することが好ましい。これにより、基材又は下塗り塗膜に対する印刷層の付着性を低下させずに、カラーインクから形成される第二層によって高精細な画像が表現することができる。
本発明の第一及び第二の印刷物の製造方法において、基材は、特に限定されるものではないが、工業ラインで用いられる基材が好適に挙げられる。また、基材の形状としては、例えば、板状等がある。更に、基材の材質としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)等のプラスチック、ステンレス、アルミニウム等の金属、木材及びガラス等が挙げられる。
本発明の第二の印刷物の製造方法において、下塗り塗料には、主溶媒として有機溶剤を用いる有機溶剤系塗料、主溶媒として水を用いる水系塗料、無溶剤系塗料、粉体塗料の各種エナメル又はクリア塗料等の従来から公知の各種塗料が利用可能である。また、下塗り塗料に使用できる樹脂としては、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂等の各種合成樹脂が挙げられる。なお、これら樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。下塗り塗料の塗装方法は、エアスプレー、エアレススプレー、ロールコーター及びフローコーター等の従来から使用されている各種塗装手段が利用できるが、インクジェットプリンタによる印刷手段を利用してもよい。
本発明の第一及び第二の印刷物の製造方法は、上記印刷層上に上塗り塗料を塗布し、該印刷層を覆うように上塗り塗膜を形成させる工程を更に含むことが好ましい。上塗り塗膜を形成させることで、基材又は下塗り塗膜に対する印刷層の付着性を向上させることができる。また、上塗り塗膜の形成によって、印刷物に対して耐候性や耐擦傷等の効果を付与することが可能となる。例えば、基材や下塗り塗膜の表面全体が印刷層で被覆されている場合、上塗り塗膜は、印刷層の表面にのみ形成されるが、基材や下塗り塗膜の一部が露出している場合、上塗り塗膜は、印刷層の表面にのみ形成される場合と、印刷層の表面と露出した基材や下塗り塗膜の表面にも形成される場合がある。
本発明の第一及び第二の印刷物の製造方法において、上塗り塗料には、主溶媒として有機溶剤を用いる有機溶剤系塗料、主溶媒として水を用いる水系塗料、無溶剤系塗料、粉体塗料の各種エナメル又はクリア塗料等の従来から公知の各種塗料が利用可能である。また、上塗り塗料に使用できる樹脂としては、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂等の各種合成樹脂が挙げられる。なお、これら樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上塗り塗料の塗装方法は、エアスプレー、エアレススプレー、ロールコーター及びフローコーター等の従来から使用されている各種塗装手段が利用できるが、インクジェットプリンタによる印刷手段を利用してもよい。
次に、本発明の印刷物を詳細に説明する。本発明の印刷物は、上述の印刷方法によって得られることを特徴とし、基材と印刷層とを備えるが、基材と印刷層の間に下塗り塗膜を備えていてもよく、更には印刷層を覆うように上塗り塗膜を備えることが好ましい。本発明の印刷物によれば、印刷層の付着性を低下させずに高精細な画像を表現することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(表面調整剤1の調製例)
環流冷却器、温度計、攪拌機及び滴下槽を備えた重合装置に、キシレン25質量部を入れ、窒素雰囲気下で、以下の配合処方に従う混合物溶液を110℃に保持しながら約3時間かけて均一滴下し、共重合物(表面調整剤1)を得た。
ブチルアクリレート:49質量部
2−エチルヘキシルアクリレート:20.9質量部
アクリル酸:0.1質量部
(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド[重合開始剤]:0.8質量部
この共重合物は、TSKgelカラム(東ソー(株)社製)を備えたゲル・パーミュエイション・クロマトグラフィ(GPC)分析装置(RIを装備した東ソー(株)社製;HLC−8220GPC)により、分子量分布の分析を行った結果、ポリスチレン換算重量平均分子量が約19000であった。GPCの条件は、展開溶媒がテトラヒドロフランであり、流速が0.35ml/分であり、温度が40℃であった。また、表面調整剤1は、SP値が9.5であり、Tgが−64℃であった。
(表面調整剤2の調製例)
以下の配合処方に従う混合物溶液を用いた以外は、表面調整剤1の調製例と同様にして重合を行い、共重合物(表面調整剤2)を得た。なお、表面調整剤2は、ポリスチレン換算重量平均分子量が6,000であり、SP値が9.5であり、Tgが−64℃であった。
ブチルアクリレート:49.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート:20.9質量部
アクリル酸:0.1質量部
(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド[重合開始剤]:0.4質量部
(表面調整剤3の調製例)
以下の配合処方に従う混合物溶液を用いた以外は、表面調整剤1の調製例と同様にして重合を行い、共重合物(表面調整剤3)を得た。なお、表面調整剤3は、ポリスチレン換算重量平均分子量が110,000であり、SP値が8.9であり、Tgが−64℃であった。
ブチルアクリレート:49.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート:20.9質量部
アクリル酸:0.1質量部
(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド[重合開始剤]:0.2質量部
(表面調整剤4の調製例)
以下の配合処方に従う混合物溶液を用いた以外は、表面調整剤1の調製例と同様にして重合を行い、共重合物(表面調整剤4)を得た。なお、表面調整剤4は、ポリスチレン換算が20,000であり、SP値が10.6であり、Tgが−44℃であった。
ブチルアクリレート:49.0質量部
ヒドロキシエチルアクリレート:20.9質量部
アクリル酸:0.1質量部
(2−エチルヘキサノイル)(tert−ブチル)ペルオキシド[重合開始剤]:0.8質量部
<インク調製方法>
表1に示す配合処方に従う混合物を得、これをビーズミルで練合して均質にし、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4種のカラーインクを調製した。
Figure 2016190959
a)Disperbyk−168;ビッグケミー・ジャパン社製、顔料分散剤
b)Darocur TPO;BASF社製、光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
クリアインクについては、表2〜3に示す配合処方に従う混合物を調製し、これをクリアインクとした。また、白インクについては、表2〜3に示す配合処方に従う混合物をビーズミルで練合して均質にし、白インクを調製した。
Figure 2016190959
Figure 2016190959
a)Disperbyk−168;ビッグケミー・ジャパン社製、顔料分散剤
b)Darocur TPO;BASF社製、光重合開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
c)KF6020;信越シリコーン社製、シリコーン系表面調整剤
次いで、カラーインク、クリアインク及び白インクに関して、下記の方法により、粘度及び表面張力を測定し、吐出安定性を評価した。カラーインクの結果を表1に示し、クリアインク及び白インクの結果を表2〜3に示す。
<粘度測定方法>
40℃におけるインクの粘度をB型粘度計を用いて測定した。
<表面張力測定方法>
25℃におけるインクの表面張力をプレート法により測定した。
<吐出安定性の評価>
インクジェットプリンタによって基材上にインクを吐出させて、画像を印刷し、その吐出安定性を下記の基準に従い目視で評価した。
○:ノズル詰まりを起こすことなく、画像を所定の位置に印刷することができる。
△:ノズル詰まりは発生しないが、わずかに飛行曲りが発生する。
×:ノズル詰まりが発生して、画像に抜けが生じ、更には、インクを所定の位置に付着できず、綺麗な画像を印刷することができない。
次いで、表1に示す4種のカラーインクと、表2〜3に示すクリアインク又は白インクとを組み合わせて、インクセットを用意し、下記の方法により、印刷層の付着性及び画像の精細さについて評価した。結果を表2〜3に示す。インクセットは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク及び白インクから構成されるか又はシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク及びクリアインクから構成される。
<付着性の評価>
インクセットを備えるインクジェットプリンタによって、表2又は表3に記載される材質の板状基材上にクリアインク又は白インクを吐出させて、該基材の一面全体を覆う第一層を形成し、次いでLEDランプを用いて主波長380〜390nmの活性エネルギー線を照射させることで第一層を硬化させた(積算光量:300mJ/cm)。
続いて、第一層上にカラーインクを吐出させて、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックからなる4本のカラーバーの画像(第二層)を印刷し、次いでLEDランプを用いて主波長380〜390nmの活性エネルギー線を照射させることで画像を硬化させた(積算光量:300mJ/cm)。
次に、第一層及び第二層からなる印刷層に1mm幅100マスのクロスカットを施し、カット部にセロハンテープをしっかりと貼り付けた。その後、セロハンテープを剥離して、印刷層の付着性を以下の基準に従い評価した。
○:カット部に剥離が確認されない。
△:カット部に一部剥離が確認できる。
×:カット部全体に剥離ができる。
<画像の精細さの評価>
インクセットを備えるインクジェットプリンタによって、表2又は表3に記載される材質の板状基材上にクリアインク又は白インクを吐出させて、該基材の一面全体を覆う第一層を印刷し、次いでLEDランプを用いて主波長380〜390nmの活性エネルギー線を照射させることで第一層を硬化させた(積算光量:300mJ/cm)。
続いて、第一層上にカラーインクを吐出させて、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックからなる4本のカラーバーの画像(第二層)を印刷し、次いでLEDランプを用いて主波長380〜390nmの活性エネルギー線を照射させることで画像を硬化させた(積算光量:300mJ/cm)。
次に、ルーペを用いて画像を観察し、画像を形成するカラーインクのドット形状を以下の基準に従い評価した。
○:隣接するドット同士が、合一せず、独立して存在している。
△:隣接するドット同士が合一しているものが一部存在する。
×:隣接するドット同士が合一しているものが多数存在する。
次いで、実施例1のインクセットを用いて、表4に示す材料から得られる印刷物(実施例14〜19)を作製した。具体的には、実施例14、15、17及び18については、表中に記載される材質の板状基材上に表中に記載される下塗り塗料を塗布して下塗り塗膜を形成させ、下塗り塗膜上で印刷を行った。実施例16及び19については、表中に記載される材質の板状基材上で印刷を行った。印刷層の作製は、まず、インクセットを備えるインクジェットプリンタによって、基材又は下塗り塗膜上に白インクを吐出させて、該基材の一面全体を覆う第一層を形成し、次いでLEDランプを用いて主波長380〜390nmの活性エネルギー線を照射させることで第一層を硬化させた(積算光量:300mJ/cm)。続いて、第一層上にカラーインクを吐出させて、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックからなる4本のカラーバーの画像(第二層)を印刷し、次いでLEDランプを用いて主波長380〜390nmの活性エネルギー線を照射させることで画像を硬化させ(積算光量:300mJ/cm)、印刷層を得た。実施例15、16、18及び19については、表中に記載される上塗り塗料を印刷層上に塗布し、該印刷層を覆うように上塗り塗膜を形成させた。
実施例14〜19の印刷物に関して、下記の方法により、印刷層の付着性及び画像の精細さについて評価した。結果を表4に示す。
<付着性の評価>
実施例14及び17については、印刷層に1mm幅100マスのクロスカットを施し、カット部にセロハンテープをしっかりと貼り付け、その後、セロハンテープを剥離した。
実施例15、16、18及び19については、上塗り塗膜の上から1mm幅100マスのクロスカットを施し、カット部にセロハンテープをしっかりと貼り付け、その後、セロハンテープを剥離した。
印刷層の付着性を以下の基準に従い評価した。
○:カット部に剥離が確認されない。
△:カット部に一部剥離が確認できる。
×:カット部全体に剥離ができる。
<画像の精細さの評価>
ルーペを用いて画像を観察し、画像を形成するカラーインクのドット形状を以下の基準に従い評価した。なお、実施例15、16、18及び19については、上塗り塗膜の上から画像を観察した。
○:隣接するドット同士が、合一せず、独立して存在している。
△:隣接するドット同士が合一しているものが一部存在する。
×:隣接するドット同士が合一しているものが多数存在する。
Figure 2016190959
塗料A:アクリル塗料「PPコートプライマー」(大日本塗料社製)
塗料B:ポリエステルメラミン塗料「PEプライマー」(大日本塗料社製)
塗料C:アクリルウレタン塗料「アクリタンSSCM−200」(大日本塗料社製)
塗料D:ポリエステルメラミン塗料「Vクロマ#100CW」(大日本塗料社製)

Claims (9)

  1. 一種以上のカラーインクと、クリアインク又は白インクとを組み合わせてなるインクセットであって、
    前記カラーインク、クリアインク及び白インクが、活性エネルギー線硬化型インクジェットインクであり、
    前記カラーインクが、少なくとも白色の着色剤以外の着色剤を含み、
    前記白インクが、少なくとも白色の着色剤及びアクリル系表面調整剤を含み、
    前記クリアインクが、少なくともアクリル系表面調整剤を含み、
    前記カラーインクが1種からなる場合、前記クリアインク及び白インクの表面張力が該カラーインクの表面張力より高く、
    前記カラーインクが複数からなる場合、前記クリアインク及び白インクの表面張力が、該カラーインクのうち表面張力が最も低いカラーインクの表面張力より高いことを特徴とするインクセット。
  2. 前記アクリル系表面調整剤は、SP値が8.5〜10.5であり、重量平均分子量が3,000〜100,000であることを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記アクリル系表面調整剤が、ラウリル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも一種のアクリレートモノマーを構成単位として含むポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記カラーインク、クリアインク及び白インクは、40℃におけるインクの粘度が5〜15mPa・sであり、かつ25℃におけるインクの表面張力が25〜40mN/mであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記クリアインク又は白インクから形成される第一層と、該第一層上に前記カラーインクから形成される第二層とを備える印刷層を形成するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセットを備えるインクジェットプリンタによってインクを基材表面に吐出させ、印刷層を形成させる工程を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
  7. 基材表面に下塗り塗料を塗布し、下塗り塗膜を形成させる工程と、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクセットを備えるインクジェットプリンタによってインクを前記下塗り塗膜上に吐出させ、印刷層を形成させる工程とを含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
  8. 前記印刷層上に上塗り塗料を塗布し、該印刷層を覆うように上塗り塗膜を形成させる工程を更に含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の印刷物の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の印刷物の製造方法によって得られることを特徴とする印刷物。
JP2015072010A 2015-03-31 2015-03-31 インクセット、並びに印刷物及びその製造方法 Expired - Fee Related JP6058058B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072010A JP6058058B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 インクセット、並びに印刷物及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072010A JP6058058B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 インクセット、並びに印刷物及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016190959A true JP2016190959A (ja) 2016-11-10
JP6058058B2 JP6058058B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=57246541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015072010A Expired - Fee Related JP6058058B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 インクセット、並びに印刷物及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6058058B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019176794A1 (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 大日本塗料株式会社 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物及び印刷方法
CN110544713A (zh) * 2019-09-09 2019-12-06 合肥京东方卓印科技有限公司 显示面板及其制作方法
JP2020023620A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 ゼネラル株式会社 インクジェットインク、インクセット、および印刷方法
WO2020090465A1 (ja) * 2018-11-02 2020-05-07 富士フイルム株式会社 インクセット及び画像形成方法
JP2020164572A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本塗料株式会社 水系プライマーインク、インクセット及び印刷方法
CN111886301A (zh) * 2018-03-26 2020-11-03 日本化药株式会社 白色油墨、油墨组及记录方法
JP2020179520A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 株式会社リコー 液体を吐出する装置、液体を吐出する方法、印刷装置、印刷方法、及び印刷画像の光沢度制御方法
JP2021091845A (ja) * 2019-01-22 2021-06-17 株式会社リコー インク、インクセット、インク容器、記録方法、及び、記録装置
JP6919757B1 (ja) * 2020-12-10 2021-08-18 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ及び印刷物の製造方法
WO2022219954A1 (ja) * 2021-04-16 2022-10-20 株式会社ミマキエンジニアリング 印刷方法、印刷装置及び印刷物

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1180641A (ja) * 1997-09-10 1999-03-26 Toyo Ink Mfg Co Ltd 撥水性オーバープリントニス組成物及び印刷物
JP2007072283A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルター用インクジェットインク、カラーフィルター、及び液晶表示装置
JP2007154016A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法
JP2010008637A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Seiko Epson Corp カラーフィルター用インク、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器
JP2010241955A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化型コーティングニス組成物およびその印刷物
JP2011028022A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Seiko Epson Corp カラーフィルター用インク、カラーフィルター用インクセット、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器
JP2012179756A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Fujifilm Corp インクジェット記録方法及び印刷物
JP2012192616A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd インキ組成物およびそれを用いた硬化物
JP2012203157A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd カラーフィルタ用インクジェットインキ
JP2013177530A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Seiko Epson Corp 光硬化型インクジェットインクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法
JP2013230660A (ja) * 2012-05-02 2013-11-14 Seiko Epson Corp 記録物の製造方法および記録物
WO2014175440A1 (ja) * 2013-04-25 2014-10-30 東洋インキScホールディングス株式会社 インクジェット用白色インキ

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1180641A (ja) * 1997-09-10 1999-03-26 Toyo Ink Mfg Co Ltd 撥水性オーバープリントニス組成物及び印刷物
JP2007072283A (ja) * 2005-09-08 2007-03-22 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルター用インクジェットインク、カラーフィルター、及び液晶表示装置
JP2007154016A (ja) * 2005-12-05 2007-06-21 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法
JP2010008637A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Seiko Epson Corp カラーフィルター用インク、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器
JP2010241955A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化型コーティングニス組成物およびその印刷物
JP2011028022A (ja) * 2009-07-27 2011-02-10 Seiko Epson Corp カラーフィルター用インク、カラーフィルター用インクセット、カラーフィルター、画像表示装置、および、電子機器
JP2012179756A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Fujifilm Corp インクジェット記録方法及び印刷物
JP2012192616A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd インキ組成物およびそれを用いた硬化物
JP2012203157A (ja) * 2011-03-25 2012-10-22 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd カラーフィルタ用インクジェットインキ
JP2013177530A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Seiko Epson Corp 光硬化型インクジェットインクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法
JP2013230660A (ja) * 2012-05-02 2013-11-14 Seiko Epson Corp 記録物の製造方法および記録物
WO2014175440A1 (ja) * 2013-04-25 2014-10-30 東洋インキScホールディングス株式会社 インクジェット用白色インキ

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019176794A1 (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 大日本塗料株式会社 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物及び印刷方法
CN111886301A (zh) * 2018-03-26 2020-11-03 日本化药株式会社 白色油墨、油墨组及记录方法
JP7216494B2 (ja) 2018-08-07 2023-02-01 ゼネラル株式会社 インクジェットインク、インクセット、および印刷方法
JP2020023620A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 ゼネラル株式会社 インクジェットインク、インクセット、および印刷方法
WO2020090465A1 (ja) * 2018-11-02 2020-05-07 富士フイルム株式会社 インクセット及び画像形成方法
JP2021091845A (ja) * 2019-01-22 2021-06-17 株式会社リコー インク、インクセット、インク容器、記録方法、及び、記録装置
JP7470286B2 (ja) 2019-01-22 2024-04-18 株式会社リコー インク、インクセット、インク容器、記録方法、及び、記録装置
JP2020164572A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本塗料株式会社 水系プライマーインク、インクセット及び印刷方法
JP2020179520A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 株式会社リコー 液体を吐出する装置、液体を吐出する方法、印刷装置、印刷方法、及び印刷画像の光沢度制御方法
JP7310267B2 (ja) 2019-04-23 2023-07-19 株式会社リコー 液体を吐出する装置、液体を吐出する方法、印刷装置、印刷方法、及び印刷画像の光沢度制御方法
CN110544713A (zh) * 2019-09-09 2019-12-06 合肥京东方卓印科技有限公司 显示面板及其制作方法
CN110544713B (zh) * 2019-09-09 2022-08-26 合肥京东方卓印科技有限公司 显示面板及其制作方法
JP6919757B1 (ja) * 2020-12-10 2021-08-18 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ及び印刷物の製造方法
JP2022092231A (ja) * 2020-12-10 2022-06-22 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ及び印刷物の製造方法
WO2022123842A1 (ja) * 2020-12-10 2022-06-16 東洋インキScホールディングス株式会社 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ及び印刷物の製造方法
WO2022219954A1 (ja) * 2021-04-16 2022-10-20 株式会社ミマキエンジニアリング 印刷方法、印刷装置及び印刷物

Also Published As

Publication number Publication date
JP6058058B2 (ja) 2017-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6058058B2 (ja) インクセット、並びに印刷物及びその製造方法
JP5228034B2 (ja) インクジェット記録用インクセット、インクジェット記録方法及び印刷物
JP6115966B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、並びに印刷物及びその製造方法
JP6417235B2 (ja) 活性エネルギー線硬化形インクジェットインク組成物
JP6628760B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物
JP2012214603A (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物
WO2015190469A1 (ja) 三次元造形物の製造方法、三次元造形物を製造するためのキット及び三次元造形物
WO2016159037A1 (ja) インクジェット記録用マゼンタインキ
WO2019176794A1 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物及び印刷方法
JP6124353B2 (ja) 印刷方法及び印刷物
WO2019111895A1 (ja) インクセット、インクセットを使用して形成された積層体、インクセットを使用して像を形成する像形成方法及び積層体の製造方法
JP5798604B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物
JP6190514B1 (ja) 印刷物の製造方法
JP6936666B2 (ja) 印刷方法およびインク組成物
JP6089761B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェット記録用インクセット及び多次色の印字物の製造方法
JP6294519B2 (ja) 印刷方法及び印刷物
JP6047211B1 (ja) 印刷物の製造方法
JP6660082B2 (ja) 外表面に画像が形成された吸収性基材及びその製造方法
JP6305455B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物、並びに印刷物及びその製造方法
JP6919757B1 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ及び印刷物の製造方法
JP7356533B1 (ja) インクセット
JP6967624B2 (ja) 印刷物及びその製造方法
JP6890170B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型インクジェットインク組成物
JP6971532B2 (ja) 光硬化型インク組成物
JP6971531B2 (ja) 光硬化型インク組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160920

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20160920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160927

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20161013

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20161013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161018

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20161018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6058058

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees