JP2012179756A - インクジェット記録方法及び印刷物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被記録媒体上に透明インクを付与する透明インク付与工程、被記録媒体上に効果顔料インクを吐出して画像形成を行う画像形成工程、及び、被記録媒体上の透明インク及び効果顔料インクを硬化させる硬化工程をこの順で有し、前記透明インク付与工程と前記画像形成工程との間に、透明インクを硬化する工程を有しないか、又は、有する場合には、透明インクの硬化率が85%以下であり、前記効果顔料インクは、効果顔料、重合開始剤、及び、重合性化合物を含有し、前記透明インクは、重合開始剤、及び、重合性化合物を含有し、かつ、実質的に顔料を含有しないことを特徴とするインクジェット記録方法。
【選択図】図1
Description
従来の家庭用又はオフィス用のインクジェットインクに対して、ワイドフォーマットインクジェットプリンタに使用されるインクには、プラスチックなどの非浸透性の記録媒体にも密着性を有すること、折り曲げや切り出しなどの加工時に印刷物が割れや剥がれなどの故障が発生しないことが強く要求される。また、印刷物が屋外に設置されることがあるため、使用する顔料には耐候性に優れていることが要求される。更に、従来の写真印刷や文書印刷に広く用いられている小型のインクジェットプリンタと比較して、ワイドフォーマットインクジェットプリンタは、広告やディスプレイ用途に用いられることが多く、広く色再現性や特徴的な色特性が求められる。例えば、メタリックやパール効果の印刷が可能なインクジェットプリンタが注目を集めている。
<1> 被記録媒体上に透明インクを付与する透明インク付与工程、被記録媒体上に効果顔料インクを吐出して画像形成を行う画像形成工程、及び、被記録媒体上の透明インク及び効果顔料インクを硬化させる硬化工程をこの順で有し、前記透明インク付与工程と前記画像形成工程との間に、透明インクを硬化する工程を有しないか、又は、有する場合には、透明インクの硬化率が85%以下であり、前記効果顔料インクは、効果顔料、重合開始剤、及び、重合性化合物を含有し、前記透明インクは、重合開始剤、及び、重合性化合物を含有し、かつ、実質的に顔料を含有しないことを特徴とするインクジェット記録方法、
<2> 前記透明インク付与工程と前記画像形成工程との間に、透明インクを硬化する工程を有しないか、又は、有する場合には、透明インクの硬化率が60%以下である、<1>に記載のインクジェット記録方法、
<3> 前記画像形成工程において、効果顔料インクは、被記録媒体上に付与された透明インクと重なりを有して吐出される、<1>又は<2>に記載のインクジェット記録方法、
<4> 前記画像形成工程において、効果顔料インクは、被記録媒体上の透明インクが付与された領域に吐出される、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<5> 前記効果顔料が平板状粒子であり、効果顔料の形状が下記式(1)及び式(2)を満たす、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
0.5μm≦R50≦5μm (1)
R50/d>5 (2)
(式(1)及び式(2)中、R50は粒子の平面の面積より求めた円相当径における50%平均粒子径であり、dは平板厚みである。)
<6> 前記効果顔料が金属顔料又はパール顔料である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<7> 前記効果顔料が、薄層の多重層から形成された平板状粒子である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<8> 前記効果顔料の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<9> 前記効果顔料インクの表面張力をγkとし、前記透明インクの表面張力をγsとしたとき、下記式(3)を満たす、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
−10≦γk−γs≦5mN/m (3)
<10> 前記効果顔料インクの表面張力をγkとし、前記透明インクの表面張力をγsとしたとき、下記式(4)を満たす、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
30mN/m≦γk<γs≦40mN/m (4)
<11> 前記効果顔料インクが、下記グループ1よりなる群から選択される重合性化合物を、重合性化合物全体の40重量%以上含有する、<1>〜<10>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
(グループ1)
オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソフォリルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
<12> 前記透明インクが、下記グループ2よりなる群から選択される重合性化合物を、重合性化合物全体の60重量%以上含有する、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
(グループ2)
N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、テトラヒドロフルフリルアクリレート、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
<13> 前記透明インクが、下記グループ3よりなる群から選択される重合性化合物を、重合性化合物全体の60重量%以上含有する、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
(グループ3)
N−ビニルカプロラクタム、2−フェノキシエチルアクリレート
<14> 前記効果顔料インクが、界面活性剤を更に含有する、<1>〜<13>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<15> 前記界面活性剤が、非イオン系の界面活性剤である、<14>に記載のインクジェット記録方法、
<16> 前記界面活性剤が、ポリ(メタ)アクリレート骨格を有する重合体である、<14>又は<15>に記載のインクジェット記録方法。
<16> 前記透明インクが、効果顔料インクの下層に設けられ、効果顔料インク中の重合性化合物の一部が透明インク中に拡散することによって、効果顔料インクの初期状態よりも効果顔料を高濃度状態に保持する機能を有する、<1>〜<16>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法、
<18> <1>〜<17>のいずれか1つに記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
なお、本発明において、数値範囲を表す「A〜B」(但し、A<B)の記載は、A以上B以下を表し、「X〜Y」(但し、X>Y)の記載は、X以下Y以上を表す。すなわち、端点を含む数値範囲を表す。
また、本発明において、単に「インク」と記載した場合には、透明インク、効果顔料インク、及び、必要に応じて着色インクを含む意である。
本発明のインクジェット記録方法は、(1)被記録媒体上に透明インクを付与する透明インク付与工程、(2)被記録媒体上に効果顔料インクを吐出して画像形成を行う画像形成工程、及び、(3)被記録媒体上の透明インク及び効果顔料インクを硬化させる硬化工程をこの順で有する。なお、前記(1)〜(3)の工程を複数繰り返してもよい。
従来の溶剤型の効果顔料を含むインクを使用した場合には、メタリック感やパール感(光沢感)は得られるものの、耐擦過性の点で十分ではなかった、一方、従来の紫外線効果型のインク組成物では、耐擦過性は得られるものの、メタリック感やパール感(光沢感)が十分ではなかった。
作用機序は明確ではないが、透明インクを付与した被記録媒体上に効果顔料インクを吐出して画像形成を行うことによって、効果顔料インク中の効果顔料の配向性が高まり、メタリック感やパール感(光沢感)と耐擦過性に優れた画像が得られることを見いだしたものである。
推定される作用機序としては、効果顔料インクの下層に設けられた透明インク層により、効果顔料インク中の重合性化合物の一部が透明インク中に拡散し、効果顔料インクの初期状態よりも効果顔料を高濃度状態に保持することができ、効果顔料の配列状態が向上し、光沢感を良好にすることができるものと考えられる。
図1は、効果顔料インクが透明インクと重なりを有して吐出された際の上面図及び断面図の模式図である。
図1(A)では、効果顔料インク液滴Kは、透明インク液滴Sに完全に包含されており、効果顔料インク液滴Kは完全に透明インク液滴Sの上に付与されている。
一方、図1(B)及び(C)では、効果顔料インク液滴Kと、透明インク液滴Sに重なりを有している部分があるものの、効果顔料インク液滴Kの一部は、透明インク液滴S上に付与されず、直接被記録媒体上に付与されている。
効果顔料インク液滴Kと、透明インク液滴Sとが重なりを有している部分が、光学的効果(光沢性)の向上に優れているため、図1(A)に示すように、完全に効果顔料インク液滴Kが透明インク液滴Sに包含されるように、被記録媒体上に透明インク及び効果顔料インクを付与することが好ましい。すなわち、効果顔料インクは、被記録媒体上の透明インクが付与された領域に吐出されることが好ましい。
また、透明インクの塗布層を設けて、その上に効果顔料インクを吐出する方法も好ましい。
従って、透明インク付与工程と、画像形成工程との間には、透明インクの硬化工程(例えば、紫外線照射工程等)を有しないことが好ましい。また、透明インクの硬化工程を有する場合であっても、透明インクの硬化率は85%以下であり、60%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、30%以下であることが更に好ましい。硬化率を下げ、より未硬化の状態とすることによって、透明インクの流動性が保持され、効果顔料の配列までの時間を短くすることができ、印刷速度を向上させることができる。また、得られる画像は、光学的効果に優れるので好ましい。
ここで、硬化率は、非浸透性の記録媒体上に透明インクを付与し、画像形成工程の直前に転写試験を実施して、以下のようにして求めることができる。
硬化率=画像形成工程直前の被記録媒体に残留した重さ/透明インク付与工程直後の記録媒体上の重さ×100
なお、転写試験は、普通紙を被記録媒体上の透明インク上に5〜10秒間、A4サイズ当たり5kgの力を与えて押しつけ、その普通紙を剥がすことによって行う。
(1)透明インク付与工程
前記、透明インク付与工程において、透明インクは、効果顔料インクの液滴の吐出によって形成される画像と同一領域もしくは該画像より広い領域に付与することが好ましい。
また、透明インクの付与量(単位面積あたりの重量比)としては、効果顔料インクの最大付与量を1とした場合に0.05以上5以下の範囲内であることが好ましく、0.07以上4以下の範囲内がより好ましく、0.1以上3以下の範囲内が特に好ましい。
前記塗布装置としては、特に制限はなく、公知の塗布装置の中から目的等に応じて適宜選択することができ、例えば、エアドクターコーター、ブレードコーター、ロットコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバースロールコーター、トランスファーロールコーター、グラビアコーター、キスロールコーター、キャストコーター、スプレイコーター、カーテンコーター、押出コーター等が挙げられる。詳しくは、原崎勇次著「コーティング工学」を参照できる。
中でも、装置コストの点で、透明インクの被記録媒体上への付与は、比較的安価なバーコーター又はスピンコーターを用いた塗布、あるいはインクジェット法による付与が好ましい。
本発明において、効果顔料インクは、0.1pL(ピコリットル;以下同様)以上100pL以下の液滴サイズにて(好ましくはインクジェットノズルにより)打滴されることが好ましい。液滴サイズが前記範囲内であると、高鮮鋭度の画像を高い濃度で描写でき、高い光学特性が得られる点で有効である。また、より好ましくは0.5pL以上50pL以下である。
また、被記録媒体上に付与する効果顔料インクの最大液量は、光沢性、硬化性、画像表面の平滑性等の観点から、0.01g/cm2以上0.200g/cm2以下が好ましく、0.02g/cm2以上0.150g/cm2以下が好ましく、0.03g/cm2以上0.100g/cm2以下が特に好ましい。
なお、「被記録媒体上」とは、被記録媒体の上部であればよく、必ずしも被記録媒体に接している必要はない。
透明インクの付与後、効果顔料インク液滴が打滴されるまでの打滴間隔としては、5μ秒以上10秒以下の範囲内であることが好ましい。打滴間隔が前記範囲内であると、本発明の効果を顕著に奏し得る点で有効である。効果顔料インク液滴の打滴間隔は、より好ましくは10μ秒以上5秒以下であり、特に好ましくは20μ秒以上5秒以下である。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、インクを含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pL、より好ましくは3〜42pL、更に好ましくは8〜30pLのマルチサイズドットを、好ましくは300×300〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
硬化工程において、活性エネルギー線又は熱の付与により被記録媒体上の透明インク及び効果顔料インクを硬化させることが好ましい。
なお、前述のように、透明インク付与工程後にも硬化工程を有していてもよいが、透明インクの流動性を保持するためには、透明インク付与工程後の硬化工程を有していないことが好ましく、透明インク付与工程及び画像形成工程の後に、透明インク及び効果顔料インクを一括で硬化させる硬化工程を有することが好ましい。
前記活性エネルギー線としては、紫外線のほか、例えば可視光線、α線、γ線、X線、電子線などが使用可能である。これらのうち、活性エネルギー線としては、コスト及び安全性の点で、電子線、紫外線、可視光線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
硬化反応に必要なエネルギー量は、組成、特に重合開始剤の種類や含有量などによって異なるが、一般には100mJ/cm2以上10,000mJ/cm2以下程度であることが好ましい。
活性エネルギー線を照射する好適な装置としては、メタルハライドランプ、水銀灯、LED光源等が挙げられる。
効果顔料インクの後に着色インクを吐出する場合には、透明インク付与工程及び効果顔料インクによる画像形成工程の後に、着色インクによる画像形成工程を有する。効果顔料インクによる画像形成工程の後に、効果顔料インクの硬化工程を行い、その後、着色インクによる画像形成工程及び着色インクの硬化工程を行ってもよく、また、着色インクによる画像形成の後に、効果顔料インク及び着色インクを一括で硬化させることもできる。また、効果顔料インクによる画像形成工程後の硬化工程において、効果顔料インクを完全に硬化させず、硬化率を10〜80%となるようにすることも好ましい。また、複数の着色インクを使用する場合には、一色毎に硬化させてもよく、全色が吐出された後に硬化させてもよい。
フルカラー画像を得るためには、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの着色インク又はイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、ホワイトの5つの着色インクを使用することが好ましい。更に、本発明はこれに限定されず、シアン、ライトシアン、マゼンタ、ライトマゼンタ、グレー、ブラック、ホワイト、イエローの8つの着色インクを使用することもできる。
本発明において、被記録媒体に用いる材料としては、特に限定されずいずれの材料を使用してもよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。本発明において、被記録媒体として、非吸収性被記録媒体が好適に使用される。
以下、本発明のインクジェット記録方法に使用されるインクセット(本発明のインクセットともいう。)について説明する。前記インクセットは、透明インク及び効果顔料インクから構成される。また、インクセットは、更に、着色インクを有していてもよく、着色インクとしては、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ホワイト等の各色のインクが例示される。また、着色インクは前記の各色には限定されず、ライトシアン、ライトマゼンタ等の淡色インクであってもよい。
本発明において、透明インクは、重合開始剤及び重合性化合物を含有し、かつ、実質的に顔料を含有しない。
ここで、前記「実質的に顔料を含有しない」とは、無色透明の顔料の含有や、視認できない程度のごく微量の含有をも除外するものではない。その許容量としては、透明インク全重量に対して1重量%以下であることが好ましく、含有しないことが特に好ましい。
また、後述するように、透明インクは、増感剤を含有することが好ましく、特に、後述する式(I)で表される増感剤を含有することが好ましい。
本発明において、効果顔料インクは、効果顔料、重合開始剤、及び、重合性化合物を含有する。また、効果顔料インクは、後述するように、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法において、前記透明インク及び効果顔料インクに加えて、必要に応じて、着色インクを使用してもよい。
着色インクは、着色剤、重合性化合物、及び、重合性化合物を含有する。なお、前記着色剤は、効果顔料を除く着色剤を意味する。
透明インクの表面張力を、効果顔料インクの表面張力よりも低くし過ぎると、光学的効果が小さくなるため、透明インクの表面張力は、高めに設定することが好ましい。透明インクの表面張力が効果顔料インクの表面張力より低い場合、その差は5mN/m以下であることが好ましく、より好ましくは、透明インクの表面張力が効果顔料インクの表面張力より高いことである。
すなわち、効果顔料インクの25℃における表面張力をγk、透明インクの25℃における表面張力をγsとしたとき、γk−γs≦5mN/mであることが好ましく、γk−γs<0であることがより好ましい。
なお、γk−γsの下限は特に限定されないが、−10mN/m以上であることが好ましく、−8mN/m以上であることがより好ましく、−5mN/m以上であることが更に好ましい。
前記表面張力は、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP−Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定される値である。
透明インクの25℃における表面張力(γs)は、被記録媒体上でのはじきを防ぐ点、及び、効果顔料インクとの表面張力を適切に保つ点などの観点から、30〜40mN/mであることが好ましく、32〜40mN/mであることがより好ましく、32〜38mN/mであることが更に好ましい。
使用する重合性化合物の選択や、界面活性剤の添加等により、所望の表面張力となるように適宜調整することが好ましい。
本発明のインク、特に、効果顔料インク及び着色インクは、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、7〜30mPa・sであることが更に好ましい。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインクは、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となるので好ましい。更に、インク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
(重合性化合物)
本発明において、インク(透明インク、効果顔料インク及び着色インク)が含有する重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物が好ましい。
透明インクにラジカル重合性化合物が好適に用いられる理由は、(1)被記録媒体上に透明インクを付与する透明インク付与工程、及び、(2)被記録媒体上に効果顔料インクを吐出して画像形成を行う画像形成工程の間に、透明インクを硬化させる工程を設けた場合、ラジカル重合に特有の酸素重合阻害によって、透明インクの硬化率を85%以下の流動性を保持した状態を保つことが容易であるためである。
一方、効果顔料インクにラジカル重合性化合物が好適に用いられる理由は、ラジカル重合性化合物を用いた場合に、効果顔料インクの保存安定性がカチオン重合性化合物などの比較して良好であるためである。
ラジカル重合性化合物としては、何らかのエネルギー付与によりラジカル重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、特に、後述するラジカル重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、光ラジカル重合性モノマーとして知られる各種公知のラジカル重合性のモノマーを使用することができる。また、ラジカル重合性化合物は単官能化合物であっても、多官能化合物であってもよい。
本発明に用いられる(メタ)アクリレートとしては、例えば以下のものが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソフォリル(メタ)アクリレート(3,5,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート)、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
四官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
(グループ1)
オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソフォリルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及びPO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
グループ1に例示された重合性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、3−メチルー1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及びPO変性トリメチロールプロパントリアクリレートがより好ましい。
また、効果顔料インク中の重合性化合物の含有量は、効果顔料インク全体の20〜80重量%であることが好ましく、30〜70重量%であることがより好ましく、40〜60重量%であることが更に好ましい。
前記グループ1以外の重合性化合物としては、特に限定されず、上述の単官能モノマー、多官能モノマー及び後述するグループ2に例示されたモノマーから適宜選択すればよい。
(グループ2)
N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、テトラヒドロフルフリルアクリレート、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びEO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
これらの中でも、以下のグループ2’がより好ましく、グループ3が更に好ましい。
(グループ2’)N−ビニルカプロラクタム、2−フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート及びサイクリックトリメチロールプロパンフォルマルアクリレート
(グループ3)N−ビニルカプロラクタム及び2−フェノキシエチルアクリレート
グループ2、グループ2’及びグループ3に例示された重合性化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記グループ3よりなる群から選択された重合性化合物を、重合性化合物全体の60重量%以上含有することが好ましく、70重量%含有することがより好ましく、80重量%以上含有することが更に好ましい。
透明インク中の重合性化合物の含有量は、透明インク全体の50〜99重量%であることが好ましく、60〜98重量%であることがより好ましく、70〜97重量%であることが更に好ましい。
前記グループ2、グループ2’及びグループ3以外の重合性化合物としては、特に限定されず、上述の単官能モノマー、多官能モノマー及びグループ1に例示されたモノマーから適宜選択すればよい。
着色インク中の重合性化合物の含有量は、着色インク全体の50〜95重量%であることが好ましく、60〜90重量%であることがより好ましく、70〜85重量%であることが更に好ましい。
本発明のインク(透明インク、効果顔料インク及び着色インク)は、重合開始剤を含有する。
重合開始剤は、前記活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物である。重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いることができる重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく挙げられ、光ラジカル重合開始剤がより好ましく挙げられ、α−アミノアセトフェノン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、及び、炭素ハロゲン結合を有する化合物等が更に好ましく挙げられる。これらの重合開始剤の具体例としては、特開2008−208190号公報、特開2010−013574号公報に記載のラジカル重合開始剤が挙げられる。
透明インク中の重合開始剤の総含有量は、硬化性、均一な硬化性の観点から、透明インク全体の15〜2重量%であることが好ましく、12〜4重量%であることがより好ましく、10〜5重量%であることが更に好ましい。重合開始剤は1種単独でしてもよく、2種以上を併用してもよい。
効果顔料インク中の重合開始剤の総含有量は、硬化性、硬化の均一性の観点から、効果顔料インク全体の20〜4重量%であることが好ましく、18〜5重量%であることがより好ましく、16〜6重量%であることが更に好ましい。重合開始剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
着色インクの重合開始剤の総含有量は、硬化性の観点から、着色インク全体の20〜4重量%であることが好ましく、18〜5重量%であることがより好ましく、16〜6重量%であることが更に好ましい。重合開始剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
増感剤を用いる場合、インクにおける増感剤の含有量は、インクの着色性の観点から、インクの全重量に対して、0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜15重量%がより好ましく、0.5〜10重量%が更に好ましい。
本発明において、透明インクは、増感剤として、下記式(I)で表される化合物を含有することが好ましい。式(I)で表される化合物を含有することにより、感度が向上し、また、重合開始剤等に由来する着色を抑制することができるので好ましい。
なお、効果顔料インク及び/又は着色インクが、下記式(I)で表される化合物を含有することを排除するものではない。
前記式(I)において、nは、0又は1を表す。
Xとしては、O又はSであることが好ましく、Sであることがより好ましい。
なお、nが0の場合、R7及びR8と結合した炭素原子は存在せず、ヘテロ原子を含むXと、R5及びR6と結合した炭素原子と、が直接結合して、Xを含む5員のヘテロ環を構成することになる。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8における一価の置換基としては、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基、アリールアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基、カルボキシル基又はスルホ基などが挙げられる。中でも、アルキル基又はハロゲン原子であることが好ましい。
同様に、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基のような炭素数1〜4個のものが好ましく挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
これらが環を形成する場合の環構造としては、5又は6員環の脂肪族環、芳香族環などが挙げられ、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。更にこれらの環構造は、前記式(I)において、R1乃至R8が一価の置換基を表す場合に例示した置換基を更に有していてもよい。形成された環構造が複素環である場合のヘテロ原子の例としては、N、O及びSを挙げることができる。
更にこれらの環構造は、前記式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が一価の置換基を表す場合に例示した各置換基を更に有していてもよい。環構造が複素環の場合、ヘテロ原子の例としては、N、O及びSを挙げることができる。
更にこれらの環構造は、前記式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が一価の置換基を表す場合に例示した各置換基を更に有していてもよい。環構造が複素環の場合、ヘテロ原子の例としては、N、O及びSを挙げることができる。
R1C、R2C、R3C及びR4Cは、それぞれ隣接する2つが互いに縮合して5又は6員環の脂肪族環、芳香族環を形成していてもよく、これらの環は、炭素原子以外の元素を含む複素環であってもよく、また、形成された環同士が更に組み合わさって2核環、例えば、縮合環を形成していてもよい。R5C又はR6Cと、R7C又はR8Cは互いに連結して脂肪族環を形成してもよいが、芳香族環を形成することはない。
更にこれらの環構造は、前記式(I)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8が一価の置換基を表す場合に例示した各置換基を更に有していてもよい。環構造が複素環の場合、ヘテロ原子の例としては、N、O及びSを挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができ、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
アルコキシカルボニル基としては炭素数2〜10個の脂肪族アルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数が2〜5個のアルコキシカルボニル基がより好ましい。
なお、式(I)で表される化合物は、可視光領域における吸収が殆どないため、増感剤としての効果を発現しうる量を添加してもインクの色相に影響を与える懸念がないという利点をも有するものである。特に、透明インクの場合、増感剤を使用すると、インクの色相が変化しやすいという問題があるが、上記式(I)で表される化合物は、このような色相の変化を生じることなく透明インクに高い硬化性を(高感度性)を付与することができる。
本発明のインク(透明インク、効果顔料インク及び着色インク)には、特定の活性エネルギー線を吸収して重合開始剤の分解を促進させるため、その他の増感剤を含有してもよい。
その他の増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)、チオキサントン類(例えば、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン等)等が挙げられる。
これらの中でも、チオキサントン類が好ましく例示できる。
また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、効果顔料とは、薄板状構造を有し、表面被覆に特別な装飾的色効果を提供する全ての顔料を意味する。効果顔料としては、例えば、アルミニウム、鉄、又は、銅のような純粋な金属顔料、二酸化チタンでコートされた雲母、酸化鉄でコートされた雲母、混合酸化物でコートされた雲母(例えば、二酸化チタンとFe2O3とで、又は、二酸化チタンとCr2O3とでコートされたもの)、金属酸化物でコートされたアルミニウムのような干渉顔料又は液晶顔料が挙げられる。
これらの中でも、効果顔料としては、金属顔料又はパール顔料であることが好ましい。
0.5μm≦R50≦5μm (1)
R50/d>5 (2)
(式(1)及び式(2)中、R50は粒子の平面の面積より求めた円相当径における50%平均粒子径であり、dは平板厚みである。)
平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、R50は該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径である。
円相当径は、平板状粒子の略平坦な面(X−Y平面)を、当該粒子の投影面積と同じ投影面積を有する円と想定したときの、当該円の直径である。平板状粒子の略平坦な面(X−Y平面)が多角形である場合、その多角形の投影面を円に変換して得られた当該円の直径を、その平板状粒子の円相当径であるという。
また、厚みdは、SEM画像によって測定することができる。
平板状粒子であるパール顔料としては、雲母、タルク、カオリン、ベントナイト、スメクタイト、セピオライト、バミキュライト、モンモリロナイト、セリサイトなどの層状の構造を有する粘土鉱物が例示できる。また、平板状に加工した材料、例えば、平板状に加工した雲母を、二酸化チタンや酸化鉄で被覆することにより、薄膜の多重層から形成されたものとすることで、よりパール光沢を向上させた平板状顔料も好適に使用される。
なお、前記(1)の方法では、金属又は金属合金の層を複数積層することもできる。また、前記(1)及び(2)の方法では、金属又は金属合金の層に他の層を積層することもでき、他の層としては保護層が例示できる。保護層としては、酸化ケイ素、アルミナ、酸化チタン等の金属酸化物、及び/又は、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、セルロース誘導体等の有機ポリマーから形成される層が例示できる。
また、効果顔料は、入手容易性及び光輝性の観点から、その材質がアルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。
本発明において、透明インク、効果顔料インク及び着色インクは、界面活性剤を含有してもよい。特に効果顔料インクは、透明インクに対して相対的に低い表面張力を有することが好ましいことから、効果顔料インクは界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に使用される界面活性剤としては、下記の界面活性剤が例示できる。例えば、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記公知の界面活性剤として、有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8から17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
特に本発明において使用される界面活性剤は、上記界面活性剤に限定されることはなく、添加濃度に対して効率的に表面張力を低下させる能力のある添加剤であればよい。
非イオン性炭化水素系界面活性剤としては、長鎖アルキルアクリレート重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、カルボン酸アルカノールアミド等が例示でき、重合性モノマーとの相溶性に優れる観点から、長鎖アルキルアクリレート重合体が好ましく使用される。
本発明においては、着色インクは、少なくとも着色剤を含有する。
本発明において用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の顔料、染料を適宜選択して用いることができる。中でも、着色インクに含まれる着色剤としては、特に耐光性に優れるとの観点から顔料であることが好ましい。なお、着色インクが含有する着色剤は、効果顔料以外の着色剤を意味する。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。更に、市販の顔料分散体や表面処理された顔料、例えば、顔料を分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等も、本発明の効果を損なわない限りにおいて用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W. Herbst, K. Hunger, Industrial Organic Pigments、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。従って、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
着色剤の分散を行う際には、界面活性剤等の分散剤を添加することができる。
また、着色剤を添加するにあたっては、必要に応じて、分散助剤として、各種着色剤に応じたシナージストを用いることも可能である。分散助剤は、着色剤100重量部に対し、1重量部以上50重量部以下添加することが好ましい。
着色インク中における着色剤の粒径は、公知の測定方法で測定することができる。具体的には遠心沈降光透過法、X線透過法、レーザー回折・散乱法、動的光散乱法により測定することができる。本発明においては、レーザー回折・散乱法を用いた測定により得られた値を採用する。
本発明において、インク、特に、効果顔料インク及び着色インクは、分散剤を含有することが好ましい。特に顔料を使用する場合において、顔料をインク中に安定に分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
効果顔料の分散剤としては、酸性分散剤及び塩基性分散剤を好ましく用いることができるが、より好ましくは用いる効果顔料の表面の酸及び塩基価によって使い分けることが好ましい。すなわち、表面酸価が比較的に高い場合は塩基性分散剤が特に好ましく用いられ、表面塩基価が比較的に高い場合は酸性分散剤が特に好ましく用いることができる。
本発明において、インク中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク全体の重量に対し、0.05〜15重量%であることが好ましい。
本発明におけるインクには、前記重合性化合物、重合開始剤など加え、目的に応じて種々の添加剤を併用することができる。例えば、耐候性向上の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。また、安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。
更に、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤、吐出物性の制御を目的としたチオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類、インクと被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することができる。
また、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
なお、「部」及び「%」は、特に断りの無い限り、「重量部」及び「重量%」を意味する。
表1に記載の液体AをSILVERSON社製ミキサーで3分間撹拌し(1,000〜1,500rpm)、均一な予備分散液を得た。その後、EIGER社製の循環型ビーズミル装置(Laboratory Mini Mill)を用いて分散を実施した。分散条件は直径0.65mmのジルコニアビーズを100cc充填し、周速を9m/sとし、分散時間は、5時間で行った。
・アルミ顔料溶剤分散体A:アルミ顔料20wt%IPA(イソプロピルアルコール)分散体、METALURE W−52012 IL(ECKART社製)
・酸性分散剤A:Solsperse36000(Luburizol社製)
分散後の分散物をIPAに希釈して、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置((株)堀場製作所製、LA−950)にて測定し、R50=3.5μm、であることを確認した。一方、セトンを用いて洗浄してから、乾燥させたサンプルを走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、JEOL6500)で観察し、d=56nmであることを確認した。
表2に記載の組成をSILVERSON社製ミキサーで15分間撹拌し(1,000〜1,500rpm)、均一な効果顔料インク(メタリックインク)を得た。表面張力を測定した結果を表2に示す。
また、表3に記載の組成をSILVERSON社製ミキサーで10分間撹拌し(1,000〜1,500rpm)、均一な透明インクを得た。表面張力を測定した結果を表3に示す。
・HDDA:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(SR238、SARTMER社製)
・3MPDDA:3メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート(SR341、SARTMER社製)
・DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート(ST508、SARTMER社製)
・(PO)TMPTA:PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR492、SARTMER社製)
・EOEOEA:2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート(SR256、SARTMER社製)
・PEA:2−フェノキシエチルアクリレート(SR339、SARTMER社製)
・IBOA:イソボルニルアクリレート(SR506、SARTMER社製)
・ODA:オクチル/デシルアクリレート(SR484、SARTMER社製)
・NVC:N−ビニルカプロラクタム(NVC、BASF社製)
・THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート(SR506、SARTMER社製)
・CTFA:サイクリックトリメチロールプロパンフォルマルアクリレート(SR531、SARTMER社製)
・TEGDA:トリエチレングリコールジアクリレート(SR268、SARTMER社製)
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート(SR351、SARTMER社製)
・(EO)TMPTA:EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(SR454、SARTMER社製)
・TPO:Lucirin TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、BASF社製)
・Irg819:Irgacure 819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、BASF社製)
・Irg184:Irgacure 184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、BASF社製)
・Irg907:Irgacure 907(2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、BASF社製)
・ITX:2−イソプロピルチオキサントンと4−イソプロピルチオキサントンの混合物(Lambson社製、商品名:Speedcure ITX)
・Cl−チオクロマノン:下記化合物A
・M−チオクロマノン:下記化合物B
・アクリル重合体A:ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、MW=96,000
・ST−1:FIRSTCURE ST−1(Albemarle社製、重合禁止剤)
・BYK307:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BY307、ビックケミー社製)
印刷に使用したシャトルスキャン型インクジェット記録用プリンタ1の概略構成図を図2に示す。また、図3には、インクジェット記録用ヘッドユニット部2の概略構成斜視図を示す。
上記インクをインクタンク8に収容した。インクタンク8から、インク供給用チューブを通して、インクジェット記録用ヘッドユニット部2にインクを供給した。
該インクジェット記録用ヘッドユニット部2は、長軸の金属軸からなる固定軸5で固定し、往復運動が可能な動力部4によって、可変スピードで往復運動を行う。なお、往復運動が可能な動力部4には、インク供給用チューブ(不図示)とヘッド制御用の電気配線(不図示)が内蔵されている。
該インクジェット記録用ヘッドユニット部2の固定軸5の両端には、ヘッドのメンテナンス及びクリーニングを実施するためのメンテナンス部3を具備する。更にこれらの外側には、インクジェット記録用プリンタをコントロールするための制御部6(例えば、パーソナルコンピュータ)、及び、インクタンク8を配置した。
インクジェット記録用ヘッドユニット部2は、市販ヘッド(東芝テック(株)製ヘッドCA4)を1色当たり2つ配列して300npiにしたヘッドセットを7組(図3中、21〜27)と、市販の紫外線硬化型ランプ(メタルハライドランプ)2基(図3中、28及び29)で構成した。なお、ヘッドセットは、透明インク用インクジェットヘッド21と27、シアンインク用インクジェットヘッド22、マゼンタインク用インクジェットヘッド23、イエローインク用インクジェットヘッド24、ブラックインク用インクジェットヘッド25、メタリックインク(効果顔料インク)用インクジェットヘッド26の順で配置した。
メタリックインク(効果顔料インク)用インクジェットヘッドに使用する市販ヘッド(東芝テック(株)製ヘッドCA4)には備付のメッシュフィルターを取り外し、ディスクフィルター30(Pall社製LastChanceFilterAcro37(LCF−23100))をヘッドとタンク間に設置した。
ヘッドの吐出周波数とヘッド往復運動のスピードを制御し、1回のスキャンで常に300×600dpiの打滴密度で画像を印刷するように設定した。また、メタルハライドランプからの照射強度は、被記録媒体上で、スリット開口時が約1,000mW/cm2、スリット閉口時が約0mW/cm2、である。
印刷に使用したシングルパス型インクジェット記録用プリンタの概略構成図を図4に示す。
33、35、37、39、40のインクジェット記録用ヘッドユニット部は、市販ヘッド(東芝テック(株)製ヘッドCA4)を1色当たり2つ配列して600npiフルライン配列したヘッドセットで構成した。メタリックインク用インクジェットヘッド33に使用する市販ヘッド(東芝テック(株)製ヘッドCA4)には備付のメッシュフィルターを取り外し、ディスクフィルター(Pall社製LastChanceFilterAcro37(LCF−23100))をヘッドとタンク間に設置した。
ヘッドは記録媒体搬送方向上流からメタリックインク用33、シアン用35、マゼンタ用37、イエロー用39、ブラック用40という順で機体に固定して、メタリックインク用ヘッド33の上流に透明インク用ロールコーター31を設置した。ヘッドの直下を被記録媒体44が移動可能な構造に構成すると共に、各ヘッドに対して被記録媒体の進行方向にそれぞれ光源32,34,36,38(365nm紫外線LED)を配置し、ブラックインクヘッド下流にはメタルハライドランプ41(光強度3,000mW/cm2)を設置した。
被記録媒体の搬送はロール搬送とし、送り出し機42及び巻取機43で搬送している。記録媒体上には600dpi×600dpiの画像を形成した。
シャトルスキャン型インクジェット記録用プリンタ1に表4に記載の組み合わせのインクセットをそれぞれメタリックインク用インクジェットヘッドMe、透明インク用インクジェットヘッドT1、T2に充填し、下記手順で印刷を実施した。なお、被記録媒体としてはPET(ビューフル、(株)きもと製)及びコート紙(OKトップコート、王子製紙(株)製)を用いた。
1)1回目の送りスキャン:図中の矢印A方向にヘッドが移動する。最初に、透明インク用インクジェットヘッドT1から300dpi×1,200dpiの打滴密度で透明インクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。続いて、メタリックインク用インクジェットヘッドMeから300dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。その直後に、UV2紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。
なお、インクジェットヘッドT1からのドットとインクジェットヘッドMeからのドットの中心点が一致するように、副走査方向のノズル位置と角度、及び、吐出時間を調整してある。
2)1回目の戻りスキャン:図中の矢印B方向にヘッドが移動する。最初に、透明インク用インクジェットヘッドT2から300dpi×1,200dpiの打滴密度で透明インクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。続いて、メタリックインク用インクジェットヘッドMeから300dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。その直後に、UV1紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。
なお、インクジェットヘッドT2からのドットとインクジェットヘッドMeからのドットの中心点が一致するように、副走査方向のノズル位置と角度、及び、吐出時間を調整してある。
3)被記録媒体のフィード:ヘッドの幅(53.6mm)の分から、1cm少ない52.6mmだけ被記録媒体をフィードした。
4)上記手順の1)〜3)を繰り返し、約30cm×約30cmの面積の印刷物を作製した。
5)印刷後、メタリック感、被覆、及び擦過性を下記評価基準にて評価した。
20度、60度、85度の光沢度を測定することによって、メタリック感の有無を表現することができる。光沢度の測定には、光沢度計(Tri−Glossmaster u(Sheen社))を使用した。
○:光沢値(60度)>光沢値(20度)>光沢値(85度)、かつ、
光沢値(60度)>80を満たす
△:光沢値(60度)>光沢値(20度)>光沢値(85度)、かつ、
光沢値(60度)>60を満たす
×:上記を満たさない。
透過型マイクロスコープでドットの重なり具合を目視評価し、メタリックインク(効果顔料インク)ドット同士が重なり、漏れ光を確認できないものは『完全被覆』、漏れ光が視認されるものを『隙間有』とした。この場合は、完全被覆であることが好ましい。
キムワイプで10往復表面を擦り、表面が剥がれ落ちないものは○、落ちたものは×とした。
シャトルスキャン型インクジェット記録用プリンタ1において、メタリックインクAをメタリックインク用インクジェットヘッドMeに充填し、下記手順で印刷を実施した。なお、被記録媒体としてはPET(ビューフル、(株)きもと製)を用いた。
1)1回目の送りスキャン:図中の矢印A方向にヘッドが移動する。最初に、メタリックインク用インクジェットヘッドMeから300dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。
その直後に、UV2紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。
2)1回目の戻りスキャン:図中の矢印B方向にヘッドが移動する。メタリックインク用インクジェットヘッドMeから300dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。その直後に、UV1紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。
3)被記録媒体のフィード:ヘッドの幅(53.6mm)の分から、1cm少ない52.6mmだけ被記録媒体をフィードした。
4)上記手順の1)〜3)を繰り返し、約30cm×約30cmの面積の印刷物を作製した。
5)印刷後、メタリック感、被覆、及び擦過性を前記評価基準にて評価した。
シャトルスキャン型インクジェット記録用プリンタ1にメタリックインクAをメタリックインク用インクジェットヘッドMeを充填し、下記手順で印刷を実施した。なお、被記録媒体としてはPET(ビューフル、(株)きもと製)を用いた。
1)印刷を始める前に、被記録媒体上の印刷部に透明インクAをバー塗布(6μm)し、UV照射して完全に硬化した。
2)1回目の送りスキャン:図中の矢印A方向にヘッドが移動する。最初に、メタリックインク用インクジェットヘッドMeから300dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。
その直後に、UV2紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。
3)1回目の戻りスキャン:図中の矢印B方向にヘッドが移動する。メタリックインク用インクジェットヘッドMeから300dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。その直後に、UV1紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。
4)被記録媒体のフィード:ヘッドの幅(53.6mm)の分から、1cm少ない52.6mmだけ被記録媒体をフィードした。
5)上記手順の1)〜4)を繰り返し、約30cm×約30cmの面積の印刷物を作製した。
6)印刷後、メタリック感、被覆、及び擦過性を前記評価基準にて評価した。
シャトルスキャン型プリンタ1にメタリックインクA及び透明インクAを充填し、下記手順で印刷を実施した。なお、被記録媒体としてはPET(ビューフル、(株)きもと製)を用いた。
1)1回目の送りスキャン:図中の矢印A方向にヘッドが移動する。最初に、透明インク用インクジェットヘッドT1から300dpi×1,200dpiの打滴密度で透明インクAを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。その直後に、UV2紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。なお、この時の硬化率は80−85%になるように、スリットの開口幅を狭く設定した。
2)1回目の戻りスキャン:図中の矢印B方向にヘッドが移動する。メタリックインク用インクジェットヘッドMeから300dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクAを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。
なお、インクジェットヘッドT1からのドットとインクジェットヘッドMeからのドットの中心点が一致するように、副走査方向のノズル位置と角度、及び、吐出時間を調整してある。その直後に、UV2紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。なお、この時の硬化率が90%以上になるように、スリットの開口幅を広く設定した。
3)2回目の送りスキャン:図中の矢印A方向にヘッドが移動する。透明インク用インクジェットヘッドT1から300dpi×1,200dpiの打滴密度で透明インクAを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。その直後に、UV2紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。なお、この時の硬化率は80〜85%になるように、スリットの開口幅を狭く設定した。
4)2回目の戻りスキャン:図中の矢印B方向にヘッドが移動する。メタリックインク用インクジェットヘッドMeから300dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクAを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は42pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。
なお、インクジェットヘッドT1からのドットとインクジェットヘッドMeからのドットの中心点が一致するように、副走査方向のノズル位置と角度、及び、吐出時間を調整してある。その直後に、UV2紫外線照射用ランプにて紫外線を被記録媒体に向けて照射した。なお、この時の硬化率が90%以上になるように、スリットの開口幅を広く設定した。
5)被記録媒体のフィード:ヘッドの幅(53.6mm)の分から、1cm少ない52.6mmだけ被記録媒体をフィードした。
6)上記手順の1)〜5)を繰り返し、約30cm×約30cmの面積の印刷物を作製した。
7)印刷後、メタリック感、被覆、及び擦過性の評価を行った。結果は下記の通りであった。
実施例2において、前記1)及び3)における透明インクの硬化率を55%とした以外は、実施例2と同様にして印刷物を作製し、メタリック感、被覆、及び、擦過性の評価を行った。結果を以下の表に示す。
図4に示すシングルパス型プリンタにメタリックインクA及び透明インクAを充填し、下記手順で印刷を実施した。なお、被記録媒体としてはPET(ビューフル、(株)きもと製)を用いた。
1)図4中の矢印方向に送り出し機42と巻取機43が回転することによって、被記録媒体が搬送される。最初に、透明インク用ロールコーター31にて、被記録媒体上に厚み6μm透明インク層を形成した。
2)メタリックインク用インクジェットヘッド33から600dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクAを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は21pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。
3)メタルハライドランプ41で照射して、メタリックインク/透明インク層を硬化した。
4)上記手順にて、約10cm×30cmの面積の印刷物を作成した。
5)印刷後、メタリック感、被覆、及び擦過性の評価を行った。結果は下記の通りであった。
図4に示すシングルパス型プリンタにメタリックインクA及び透明インクAを充填し、下記手順で印刷を実施した。なお、被記録媒体としてはPET(ビューフル、(株)きもと製)を用いた。
1)図4中の矢印方向に送り出し機42と巻取機43が回転することによって、被記録媒体が搬送される。最初に、透明インク用ロールコーター31にて、被記録媒体上に厚み6μm透明インク層を形成した。
2)光源(紫外線LED)32にて透明インクに紫外線を照射した。なお、硬化率が80〜85%となるようにLED出力を調整した。
3)メタリックインク用インクジェットヘッド33から600dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクAを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は21pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。
4)メタルハライドランプ41で照射して、メタリックインク/透明インク層を硬化した。
5)上記手順にて、約10cm×30cmの面積の印刷物を作成した。
6)印刷後、メタリック感、被覆、及び擦過性の評価結果は下記の通りであった。
図4に示すシングルパス型プリンタにメタリックインクA及び透明インクAを充填し、下記手順で印刷を実施した。なお、被記録媒体としてはPET(ビューフル、(株)きもと製)を用いた。
1)図4中の矢印方向に送り出し機42と巻取機43が回転することによって、被記録媒体が搬送される。最初に、透明インク用ロールコーター31にて、被記録媒体上に厚み6μm透明インク層を形成した。
2)光源(紫外線LED)32にて透明インクに紫外線を照射した。なお、硬化率が85%超となるようにLED出力を調整した。
3)メタリックインク用インクジェットヘッド33から600dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクAを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は21pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。
4)メタルハライドランプ41で照射して、メタリックインク/透明インク層を硬化した。
5)上記手順にて、約10cm×30cmの面積の印刷物を作成した。
6)印刷後、メタリック感、被覆、及び擦過性の評価結果は下記の通りであった。
図4に示すシングルパス型プリンタにメタリックインクA及び透明インクAを充填し、下記手順で印刷を実施した。なお、被記録媒体としてはPET(ビューフル、(株)きもと製)を用いた。なお、カラーインクとしてFUJIFILM Speciality Ink Systems社製UVJetシリーズの、シアンKO215、マゼンタKO867、イエローKI052、ブラックKI004を使用した。
1)図4中の矢印方向に送り出し機42と巻取機43が回転することによって、被記録媒体が搬送される。最初に、透明インク用ロールコーター31にて、被記録媒体上に厚み6μm透明インク層50を形成した(図5)。
2)光源(紫外線LED)32にて透明インクに紫外線を照射した。なお、硬化率が80%〜85%となるようにLED出力を調整した。
3)メタリックインク用インクジェットヘッド33から600dpi×1,200dpiの打滴密度でメタリックインクAを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は21pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。
なお、メタリックインクの印刷幅は6cmとし、印刷長さは切れ目なく1mとした(図5中、メタリックインク画像51)。
4)光源(紫外線LED)34にてメタリックインクに紫外線を照射した。なお、メタリックインクの硬化率が80%以下となるようにLED出力を調整した。
5)シアンインク用インクジェットヘッド35から600dpi×1,200dpiの打滴密度でシアンインクを被記録媒体上に付与した(図5中、シアンインク画像52)。
(1つのノズルからの吐出量は21pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。
なお、メタリックインクの両縁1cmの重なり持つ2cmの印刷幅とした。印刷長さは2cmとした(図5)。
6)光源(紫外線LED)36にて紫外線を照射した。なお、シアンインクの硬化率が80%以下となるようにLED出力を調整した。
7)マゼンタインク用インクジェットヘッド37から600dpi×1,200dpiの打滴密度でマゼンタインクを被記録媒体上に付与した(図5中、マゼンタ画像53)。
(1つのノズルからの吐出量は21pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。なお、メタリックインクの両縁1cmの重なり持つ2cmの印刷幅とした。また、メタリックインクの両縁1cmの重なり持つ2cmの印刷幅とした。印刷長さは2cmとし、シアン印刷部との重なりは有さない(図5)。
8)光源(紫外線LED)38にて紫外線を照射した。なお、マゼンタインクの硬化率が80%以下となるようにLED出力を調整した。
9)イエローインク用インクジェットヘッド39から600dpi×1,200dpiの打滴密度でイエローインクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は21pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。なお、メタリックインクの両縁1cmの重なり持つ2cmの印刷幅とした。また、メタリックインクの両縁1cmの重なり持つ2cmの印刷幅とした。印刷長さは2cmとし、シアン及びマゼンタ印刷部との重なりは有さない(図5中、イエローインク画像54)。
10)ブラックインク用インクジェットヘッド40から600dpi×1,200dpiの打滴密度でブラックインクを被記録媒体上に付与した(1つのノズルからの吐出量は21pLとなるように電圧とパルス数を調整してある。)。なお、メタリックインクの両縁1cmの重なり持つ2cmの印刷幅とした。また、メタリックインクの両縁1cmの重なり持つ2cmの印刷幅とした。印刷長さは2cmとし、シアン、マゼンタ、及びイエロー印刷部との重なりは有さない(図5中、ブラックインク画像55)。
11)メタルハライドランプ41で照射して、メタリックインク/カラーインク/透明インク層を硬化した。
12)上記手順にて、約6cm×100cmの面積の印刷物を作成した。
13)印刷後、メタリック感、被覆、及び擦過性の評価結果は下記の通りであった。
Claims (18)
- 被記録媒体上に透明インクを付与する透明インク付与工程、
被記録媒体上に効果顔料インクを吐出して画像形成を行う画像形成工程、及び、
被記録媒体上の透明インク及び効果顔料インクを硬化させる硬化工程をこの順で有し、
前記透明インク付与工程と前記画像形成工程との間に、透明インクを硬化する工程を有しないか、又は、有する場合には、透明インクの硬化率が85%以下であり、
前記効果顔料インクは、効果顔料、重合開始剤、及び、重合性化合物を含有し、
前記透明インクは、重合開始剤、及び、重合性化合物を含有し、かつ、実質的に顔料を含有しないことを特徴とする
インクジェット記録方法。 - 前記透明インク付与工程と前記画像形成工程との間に、透明インクを硬化する工程を有しないか、又は、有する場合には、透明インクの硬化率が60%以下である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像形成工程において、効果顔料インクは、被記録媒体上に付与された透明インクと重なりを有して吐出される、請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記画像形成工程において、効果顔料インクは、被記録媒体上の透明インクが付与された領域に吐出される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記効果顔料が平板状粒子であり、効果顔料の形状が下記式(1)及び式(2)を満たす、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
0.5μm≦R50≦5μm (1)
R50/d>5 (2)
(式(1)及び式(2)中、R50は粒子の平面の面積より求めた円相当径における50%平均粒子径であり、dは平板厚みである。) - 前記効果顔料が金属顔料又はパール顔料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記効果顔料が、薄層の多重層から形成された平板状粒子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記効果顔料の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記効果顔料インクの表面張力をγkとし、前記透明インクの表面張力をγsとしたとき、下記式(3)を満たす、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
−10mN/m≦γk−γs≦5mN/m (3) - 前記効果顔料インクの表面張力をγkとし、前記透明インクの表面張力をγsとしたとき、下記式(4)を満たす、請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
30mN/m≦γk<γs≦40mN/m (4) - 前記効果顔料インクが、下記グループ1よりなる群から選択される重合性化合物を、重合性化合物全体の40重量%以上含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(グループ1)
オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソフォリルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート - 前記透明インクが、下記グループ2よりなる群から選択される重合性化合物を、重合性化合物全体の60重量%以上含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(グループ2)
N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルフォルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、テトラヒドロフルフリルアクリレート、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート - 前記透明インクが、下記グループ3よりなる群から選択される重合性化合物を、重合性化合物全体の60重量%以上含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
(グループ3)
N−ビニルカプロラクタム、2−フェノキシエチルアクリレート - 前記効果顔料インクが、界面活性剤を更に含有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記界面活性剤が、非イオン系の界面活性剤である、請求項14に記載のインクジェット記録方法。
- 前記界面活性剤が、ポリ(メタ)アクリレート骨格を有する重合体である、請求項14又は15に記載のインクジェット記録方法。
- 前記透明インクが、効果顔料インクの下層に設けられ、効果顔料インク中の重合性化合物の一部が透明インク中に拡散することによって、効果顔料インクの初期状態よりも効果顔料を高濃度状態に保持する機能を有する、請求項1〜16のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1〜17のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法により得られた印刷物。
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