JPWO2019239923A1 - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、より多様な金属光沢を発現可能な画像形成方法を提供することを目的とする。上記目的は、プレコート剤を基材の表面に付与し、プレコート層を形成する工程と、光輝性顔料を含む光輝性インクを、前記プレコート層の表面に、インクジェット法で付与し、前記光輝性インクにより形成されたドットが集合してなるインク層を形成する工程と、を含む、画像の形成方法によって達成される。上記方法では、前記インク層に含まれる一のドットに対応する前記プレコート層または前記インク層の膜厚と、前記インク層に含まれる他のドットに対応する前記プレコート層または前記インク層の膜厚と、を異なる厚みとして、形成された画像で反射された反射光の明度または反射強度のピークの高さおよびベースラインの高さを、前記一のドットを含む領域と前記他のドットを含む領域とで異なる値とする。

Description

本発明は、画像形成方法に関する。
ラベル、パッケージ、公告印刷物および写真などの記録物に金属光沢を発現させる目的で、アルミニウム顔料およびパール顔料などが用いられている。これらの顔料は、インク組成物として、オフセット印刷、グラビア印刷およびスクリーン印刷などを含むアナログ印刷技術によって基材上に付与され、画像形成物中に金属光沢色を発する領域を形成する。
近年は、金属光沢色を発する領域をより高精細にした記録物を作製するため、金、銀および銅などの金属を含むナノサイズの粒子(以下、単に「金属ナノ粒子」ともいう。)を基材表面に付与して、上記金属ナノ粒子を含む金属光沢層を基材上に形成する方法が開発されている。
また、特許文献1には、インクジェット法により、1つの印刷工程で、1つの画像形成物に光沢度が異なる複数の金属光沢を形成する方法が記載されている。特許文献1によると、インクジェット法により吐出したインク組成物を基材上に付着させて基材表面の算術粗さ(Ra)を領域ごとに変化させ、これにより領域ごとに異なる程度に疎面化させた基材に、平板状粒子を含む光沢インク組成物を付着させることで、当該領域ごとに異なる光沢度を発現させ得るとされている。
特開2010−030139号公報
特許文献1に記載の方法によれば、基材表面へのインク組成物(プレコート剤)の付与量を多くするほど、基材表面はより粗面化されて、画像形成物の光沢度は低下するとされている。しかし、金属光沢には明るい光沢からくすんだ光沢まで様々な度合いの光沢が存在するところ、特許文献1に記載の方法で光沢度を変化させても、上記様々な度合いの光沢を十分に再現しきれてはいなかった。
また、特許文献1に記載の方法のように基材表面を粗面化する方法では、ひとつのドットの厚みに応じた程度にしか光沢の度合いを変更できなく、画像形成装置により形成可能な画像の解像度よりも細かく基材表面の粗さを微調整することができない。そのため、表面粗さをさらに細かく調整したいときには、微細な表面粗さを有する基材を使用するほかなかった。しかし、基材によって表面粗さを調整しようとすると、画像中で領域ごとに光沢を変更することができない。このように、従来、画像中で光沢を微細に変更させた画像形成物の形成は困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、より多様な金属光沢を発現可能であり、かつ、同一の基材表面に形成した画像中で光沢を微細に変更させた画像形成物を形成可能な画像形成方法を提供することを、その目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一形態は、プレコート剤を基材の表面に付与し、プレコート層を形成する工程と、前記プレコート層の表面に、光輝性顔料を含む光輝性インクをインクジェット法で付与し、前記光輝性インクにより形成されたドットが集合してなるインク層を形成する工程と、を含む、画像の形成方法である。上記方法では、前記インク層に含まれる一のドットに対応する前記プレコート層または前記インク層の膜厚と、前記インク層に含まれる他のドットに対応する前記プレコート層または前記インク層の膜厚と、を異なる厚みとして、形成された画像で反射された反射光の明度または反射強度のピークの高さおよびベースラインの高さを、前記一のドットを含む領域と前記他のドットを含む領域とで異なる値とする。
また、上記課題を解決するための本発明の別の形態は、基材の表面に、光輝性顔料を含む光輝性インクをインクジェット法で付与し、前記光輝性インクにより形成されたドットが集合してなるインク層を形成する工程と、前記インク層を構成する前記ドットの表面にオーバーコート剤を付与し、オーバーコート層を形成する工程と、を含む、画像の形成方法である。上記方法では、前記インク層に含まれる一のドットに対応する前記インク層および前記オーバーコート層の膜厚と、前記インク層に含まれる他のドットに対応する前記インク層および前記オーバーコート層の膜厚と、を異なる厚みとして、形成された画像で反射された反射光の明度または反射強度のピークの高さおよび前記ピークの半値幅の大きさを、前記一のドットを含む領域と前記他のドットを含む領域とで異なる値とする。
本発明により、より多様な金属光沢を発現可能であり、かつ、同一の基材表面に形成した画像中で光沢を微細に変更させた画像形成物を形成可能な画像形成方法が提供される。
図1Aは、物体に入射した入射光の一部が正反射した光となり、他の一部が拡散反射した光となる様子を示す模式図であり、図1Bは、図1Aの様子を、軸に受光角度(θ)を、縦軸に明度(L)をプロットした分布情報のグラフにおいて説明する模式図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に関する画像形成方法のフローチャートである。 図3は、本発明の第2の実施形態に関する画像形成方法のフローチャートである。 図4は、本発明の第2の実施形態に関する別の画像形成方法のフローチャートである。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を行い、画像形成物から知覚される光沢は、上記画像形成物で反射された光を知覚する際に、正反射成分および拡散反射成分のそれぞれが知覚に寄与する寄与分に影響されることを見出した。
つまり、一般の色と比較して、光沢色は、物体に入射した光のうち、より多くを正反射光として指向的に反射する。そのため、光沢色で反射されて知覚される光の空間分布には大きな指向性が生じ、人が目視で感じる光沢色の色調にはこの指向性の影響が大きいと考えられる。
具体的には、観察者によって知覚される物体の光沢の程度は、当該物体に入射した光が反射してなる反射光の明度または反射強度の、正反射する角度へ集中して分布する度合い(空間分布の指向性)に影響される。図1Aに示すように、物体に入射した入射光Iは、一部が正反射した光Pとなり、一部が拡散反射した光Bとなる(図1Aでは、正反射した光Pおよび拡散反射した光Bの明度または反射強度を、入射光Iが入射した地点Lからの距離(正反射した光Pを示す実線の矢印の長さおよび拡散反射した光Bを示す破線の矢印の長さ)で示す。なお、光Pおよび光Bの明度または反射強度は、理解を容易にするため調整されており、実際に測定されて算出される明度または反射強度を正確には反映していない。)。
図1Bは、異なる複数の受光角度と、当該受光角度で測定した放射強度と、のデータをもとに、明度または反射強度(反射率もしくは輝度)の分布情報を示す、横軸に受光角度を、縦軸に明度または反射強度をプロットしたグラフである。このとき、上記空間分布の指向性は、図1Bに示す分布情報における、ピークの高さ(H)、ベースラインの高さ(B)、およびピークの半値幅(W)によって表現され、物体の光沢も、上記ピークの高さ(H)、ベースラインの高さ(B)、およびピークの半値幅(W)によって表現することができる。たとえば、ピークの高さ(H)とベースラインの高さ(B)との差が大きいほど光沢は強く知覚され、また、ピークの半値幅(W)が小さいほど光沢は鋭く知覚される。上記知見によれば、上記ピークの高さ(H)、ベースラインの高さ(B)、およびピークの半値幅(W)が変化されるように画像を形成すれば、形成される画像から知覚される光沢もそれに応じて変化させることができる。
本発明者らのさらなる検討によると、プレコート層と、光輝性顔料を含むインク層と、を有する画像形成物において、プレコート層の膜厚とインク層の膜厚とを独立して変化させることによって、ピークの高さ(H)およびベースラインの高さ(B)を変化させることができる。また、プレコート層と、光輝性顔料を含むインク層と、オーバーコート層と、を有する画像形成物において、オーバーコート層の膜厚を独立して変化させることによって、ピークの高さ(H)およびピークの半値幅(W)をさらに変化させることができる。
本発明は、上記新たな知見に基づいてなされたものであり、プレコート層、インク層およびオーバーコート層の膜厚を独立して変化させることで、上記ピークの高さ(H)、ベースラインの高さ(B)、およびピークの半値幅(W)を変化させ、形成された画像から知覚される光沢をこれにより変化させるものである。
1.第1の実施形態
本発明の第1の実施形態は、プレコート剤を用いてプレコート層を基材の表面に形成し、上記プレコート層の表面に、光輝性顔料を含む光輝性インクを用いてインク層を形成する、画像形成方法に関する。なお、プレコート剤は、水系、溶剤系および活性光線硬化型などのいずれのプレコート剤でもよいが、プレコート剤が濡れ広がりすぎる前に硬化させることによって膜厚の制御を容易とし、かつ、膜厚をより厚くすることも容易とする観点から、基材の表面に付与して硬化させる工程を繰り返して複数の層を形成することが可能な、活性光線硬化型のプレコート剤であることが好ましい。また、光輝性インクは、水系インク、溶剤系インクおよび活性光線硬化型インクなどのいずれのインクでもよいが、光輝性顔料以外の成分がインク層に含有されることによる光沢の低下を抑制する観点からは、水系インクであることが好ましい。
上記プレコート剤の付与方法は特に限定されず、ロールコーターやスピンコーターなどを用いて上記プレコート剤を基材の表面に塗布してもよいし、スプレー塗布、浸漬法、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などの方法で上記プレコート剤を基材の表面に付与してもよいし、インクジェット法で上記プレコート剤を基材の表面に着弾させてもよい。これらのうち、より精細な記録物を形成する観点からは、スクリーン印刷およびインクジェット法が好ましく、インクジェット法がより好ましい。
一方で、上記光輝性インクは、インクジェット法で前記プレコート層の表面に付与される。その後、上記光輝性インクを乾燥させて液体成分を除去するか、あるいは上記光輝性インクに活性光線を付与して上記光輝性インクを硬化させるなどすることにより、上記光輝性インクにより形成されたドットが集合してなるインク層が形成される。
このとき、付与されるプレコート剤または光輝性インクによってそれぞれ形成されるプレコート層またはインク層の膜厚を、上記インク層を構成するドットごとに独立して変化させることにより、画像形成物の光沢をドットごとに独立して変化させる。このようにして、上記インク層に含まれる一のドットに対応する上記プレコート層(具体的には、プレコート層のうち、上記一のドットの直下に位置する部分)または上記インク層の膜厚と、上記インク層に含まれる他のドットに対応する上記プレコート層(具体的には、プレコート層のうち、上記他のドットの直下に位置する部分)または上記インク層の膜厚と、を異なる厚みとすることで、上記一のドットを含む領域と上記他のドットを含む領域との間で、上記分布情報におけるピークの高さ(H)とベースラインの高さ(B)を異なる値として、上記それぞれの領域から、異なる度合いの光沢を知覚させることができる。光輝性インクをインクジェット法によって付与することで、上記インク層の厚みをドットごとに変化させて、知覚される光沢をより高精度に変化させた画像を形成することが可能である。さらには、プレコート剤もインクジェット法によって付与すると、上記プレコート層の厚みもドットごとに変化させて、知覚される光沢をさらに高精度に変化させた画像を形成することが可能である。なお、上記一のドットと他のドットとは、同一の基材の同一の表面に形成されたインク層に含まれる。その際、複数個の上記一のドットにより形成される領域と複数個の他のドットにより形成される領域とを、隣接して形成して、微細な光沢グラデーションを有する画像を形成することも可能である。
具体的には、プレコート層の膜厚は、プレコート剤中の固形分濃度(樹脂などの濃度)、プレコート剤を塗布してプレコート層を形成する回数、ならびに、インクジェットヘッドのノズルから吐出したプレコート剤の液滴を基材の表面に付与する際の、上記液滴のサイズ(液滴量)およびドットごとに付与する液滴の数(液滴数)などによって調整することができる。たとえば、画像中の領域ごとに、上記プレコート層を形成する回数または液滴量および液滴数を変えることで、インク層に含まれる対応するドットごとに、プレコート層の膜厚を変化させることができる。また、インク層の膜厚は、インクジェットヘッドのノズルから吐出した光輝性インクの液滴をプレコート層の表面に付与する際の、上記液滴のサイズ(液滴量)および光輝性インク中の固形分濃度(光輝性顔料および定着樹脂などの濃度)によって調整することができる。
上記プレコート剤(インクジェット法により付与されるとき)または光輝性インクの液滴量は、いずれも、0.5pl以上50pl以下の範囲で調整されることが好ましく、高精細の画像を形成するためには、0.5pl以上20pl以下の範囲で調整されることがより好ましく、0.5pl以上10pl以下の範囲で調整されることがさらに好ましい。
上記プレコート剤(インクジェット法により付与されるとき)の液滴数は、0滴以上10滴以下の範囲で調整されることが好ましく、0滴以上5滴以下の範囲で調整されることがより好ましい。
なお、エンボス調の画像を形成するときなどには、インクジェット法により付与される上記プレコート剤の液滴数を0滴以上5滴以下の範囲で調整した領域と、インクジェット法により付与される上記プレコート剤の液滴数を6滴以上10滴以下の範囲で調整した領域と、を画像中に形成することで、画像に微小な凹凸を形成することが可能である。
上記プレコート剤(インクジェット法により付与されるとき)または光輝性インクをインクジェットヘッドのノズルから吐出するときの駆動周波数は、5kHz以上100kHzの範囲で調整されることが好ましく、5kHz以上20kHzの範囲で調整されることがより好ましい。
なお、濃度が異なる複数の領域を含む画像を形成するときなどには、領域ごとに駆動周波数を独立して変化させることにより、それぞれの領域に含まれる単位面積あたりに形成されるドットの数を変化させてもよい。駆動周波数をより大きくして単位面積あたりに形成されるドットの数をより大きくすると、より濃度が薄い領域が形成され、駆動周波数をより小さくして単位面積あたりに形成されるドットの数をより小さくすると、より濃度が濃い領域が形成される。
また、基材は特に限定されず、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙およびキャスト紙を含む塗工紙ならびに非塗工紙を含む吸収性の媒体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブタジエンテレフタレートを含むプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体(プラスチック基材)、ならびに金属類およびガラス等の非吸収性の無機記録媒体とすることができる。これらのうち、上記吸収性の媒体などの、表面の平滑性が低い基材(表面が粗面である基材)は、従来は光輝性顔料が整列しにくく、拡散反射成分が顕著に多くなりやすい(ベースラインの高さ(B)が顕著に高くなりやすい)ため、光沢の度合いの調整が困難であった。しかし、本実施形態によれば、このような表面の平滑性が低い基材でも、表面の平滑性を調整することによって拡散反射成分を調整し、光沢の度合いを容易に調整することができる。
本実施形態では、プレコート剤が付与されてなるプレコート層の膜厚と、光輝性インクが付与されてなるインク層の膜厚とを、それぞれ独立してドットごとに変化させることにより、上記分布情報におけるピークの高さ(H)およびベースラインの高さ(B)をドットごとに変化させる。
具体的には、上記吸収性の媒体などの表面の平滑性が低い基材では、プレコート層の膜厚を高めることにより、より平滑になるように基材表面の粗さを調整できる。これにより、光輝性顔料をより緻密に配列させやすくして、正反射成分を増加させてピークの高さ(H)を高くし、拡散反射成分を減少させてベースラインの高さ(B)を低くするように光沢を調整することができる。
プレコート層の膜厚は、画像形成物の各領域に形成しようとする光沢の度合いに応じて上記領域ごと(または上記領域に含まれるドットごと)に設定すればよい。なお、上記吸収性の媒体などの表面の平滑性が低い基材では、プレコート層が基材の表面を完全に被覆しないように、プレコート剤の付与量を調整することが好ましい。このようにして、上記一のドットまたは他のドットを含む領域において、プレコート層が基材の表面を完全には被覆せず、基材の表面の一部が露出するようにして、基材に由来する表面の粗さをある程度は残しながら、プレコート層によって基材表面の粗さを調整することで、ピークの高さ(H)およびベースラインの高さ(B)をより広い範囲で調整することができる。
また、インク層の膜厚を高めることにより、ドットに含まれる光輝性顔料の量をより多くして、ピークの高さ(H)およびベースの高さ(B)を高くするように調整することができる。
インク層の膜厚は、画像形成物の各領域に形成しようとする光沢の度合いに応じて上記領域に含まれるドットごとに設定すればよい。
なお、プレコート層およびインク層の膜厚は、プレコート剤および光輝性インクの組成や、活性光線硬化型であるプレコート剤が吐出されて基材表面に着弾してから活性光線を照射するまでの時間、などによっても変化させることができる。これらの条件をもとに、所望の度合いの光沢が得られるように、プレコート剤および光輝性インクの付与量を調整すればよい。
特許文献1に記載の方法によれば、基材表面へのインク組成物(プレコート剤)の付与量を変更して、基材の表面粗さを変化させることで、光沢度が異なる複数の領域を画像形成物に形成することができる。具体的には、上記インク組成物の付与量を多くするほど、基材表面はより粗面化されて、画像形成物の光沢度は低下するとされている。しかし、当該方法は、その適用可能な基材が、表面が平滑な基材(たとえば塩化ビニルなどの樹脂シート)にほぼ限定されている。紙基材などの表面が粗い基材では、インク組成物の付与量と画像形成物の光沢度とは必ずしも対応せず、所望の光沢を有する画像を形成することはできない。これに対し、本発明によれば、基材の表面粗さを問わず、所望の程度の光沢を有する画像を形成することが可能である。
また、特許文献1に記載の方法のように基材表面を粗面化する方法では、ひとつのドットの厚みに応じた程度にしか光沢の度合いを変更できなく、画像形成装置により形成可能な画像の解像度よりも細かく基材表面の粗さを微調整することができない。そのため、表面粗さをさらに細かく調整したいときには、微細な表面粗さを有する基材を使用するほかなかった。しかし、基材によって表面粗さを調整しようとすると、画像中で領域ごとに光沢を変更することができない。このように、従来、画像中で光沢を微細に変更させた画像形成物の形成は困難であった。これに対し、本発明では、各層の膜厚を変化させることで、より細かく光沢を調整することが可能である。また、本発明によれば、基材の表面粗さのみに依存せずに金属光沢の表現を制御できることから、同じ表面粗さの表面において異なる金属光沢を表現したり、また異なる表面粗さの表面において同じ金属光沢を表現したりすることが可能となる。
1−1.プレコート剤
プレコート剤は、基材の表面に付与されて、上記表面に層を形成できるインク組成物であればよい。
たとえば、プレコート剤は、水系インクであるときは、水、樹脂および任意に水溶性有機溶剤を含有することができる。また、プレコート剤は、溶剤系インクであるときは、有機溶剤および樹脂を含有することができる。また、プレコート剤は、活性光線硬化型インクであるときは、活性光線の照射によって重合および架橋する光重合性化合物および任意に光重合開始剤を含有することができる。
プレコート剤は、さらに、必要に応じて、界面活性剤、重合禁止剤および紫外線吸収剤などを含有してもよい。上記その他の成分は、プレコート剤中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
プレコート剤は、プレコート剤が濡れ広がりすぎる前に硬化させることによって膜厚の制御を容易とし、かつ、膜厚をより厚くすることも容易とする観点から、基材の表面に付与して硬化させる工程を繰り返して複数の層を形成することが可能な、活性光線硬化型のプレコート剤であることが好ましい。
プレコート剤が水系インクであるときの上記水溶性有機溶剤の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノールおよびt−ブタノールを含むアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、およびペンタンジオールを含むグリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールおよび1,2−ヘプタンジオールを含む多価アルコール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミンおよびテトラメチルプロピレンジアミンを含むアミン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドを含むアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドンおよび1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを含む複素環化合物、ジメチルスルホキシドを含むスルホキシド、ならびにエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノブチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを含むグリコールエーテルが含まれる。
プレコート剤が水系インクであるときの上記水溶性有機溶剤の含有量は、たとえば、プレコート剤の全質量に対して5.0質量%以上30質量%以下とすることができる。
また、プレコート剤をインクジェット法で基材に付与する際に、インクジェットヘッドからの吐出時にノズル近傍で水系インクが乾燥することによるノズル詰まりの発生を抑制する観点からは、上記水溶性有機溶媒は、多価アルコールを含むことが好ましい。このとき、プレコート剤中の多価アルコールの含有量は、プレコート剤の全質量に対して1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
プレコート剤が水系インクであるときの上記樹脂の例には、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン−アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、および酢酸ビニル系樹脂などが含まれる。上記樹脂は、インク中に分散して分散体を形成するラテックスであってもよいし、水または有機溶剤によりインク中に溶解する溶解性樹脂(水溶性樹脂または有機溶剤溶解性樹脂)であってもよい。
プレコート剤が水系インクであるときの上記樹脂の含有量は、たとえば、固形分量としてプレコート剤の全質量に対して1質量%以上20質量%以下とすることができる。なお、上記樹脂の含有量は、1回の塗布によって形成されるプレコート層の膜厚およびインクジェット法により付与される1回の液体によって形成されるプレコート層の膜厚などに応じて調整すればよい。
プレコート剤が溶剤系インクであるときの上記有機溶剤の例には、上記水系インクに用いられ得る水溶性有機溶剤および非水溶性有機溶剤が含まれる。
上記非水溶性有機溶剤の例には、ペンタン、ヘキサン、i−ヘキサン、ヘプタン、i−ヘプタン、オクタン、i−オクタン、およびデカンを含む炭素数が5以上15以下の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘプタン、およびシクロオクタンを含む炭素数が5以上15以下の脂環族炭化水素、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、1,1,3,5,7−シクロオクタテトラエン、シクロドデセンを含む炭素数が5以上15以下の環状不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、クメン、o−キシレン、m−キシレンおよびp−キシレンを含む炭素数が6以上12以下の芳香族炭化水素、ヘプタノール、ヘキサノール、メチルヘキサノール、エチルヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ウンデシルアルコール、およびラウリルアルコールを含む炭素数が5以上15以下の1価のアルコール、メチル−i−ブチルケトン、ジ−i−ブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、およびシクロオクタノンを含む炭素数が5以上15以下の脂環族ケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸−i−プロピル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、酢酸アミル、酢酸−i−アミル、酢酸2−エチルヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ヘキシル、プロピオン酸アミル、吉草酸エチル、ヘキサン酸エチル、ヘプタン酸エチル、オクタン酸エチル、デカン酸エチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸シクロオクチル、酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、およびフタル酸ジブチルを含むエステル化合物、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロペンタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ニトロトルエン、およびニトロキシレンを含むニトロ化合物、アセトニトリル、ベンゾニトリルを含むニトリル類、ならびにγ−ブチロラクトン、およびε−カプロラクトンを含むラクトン類が含まれる。
プレコート剤が溶剤系インクであるときの上記非水溶性有機溶剤の含有量は、たとえば、プレコート剤の全質量に対して1.0質量%以上98質量%以下とすることができ、20質量%以上95質量%以下とすることがより好ましく、40質量%以上90質量%以下とすることがさらに好ましい。
プレコート剤が溶剤系インクであるときの上記樹脂の例には、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン−アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、および酢酸ビニル系樹脂などが含まれる。上記樹脂は、インク中に分散して分散体を形成するラテックスであってもよいし、水または有機溶剤によりインク中に溶解する溶解性樹脂(水溶性樹脂または有機溶剤溶解性樹脂)であってもよい。
プレコート剤が溶剤系インクであるときの上記樹脂の含有量は、たとえば、固形分量としてプレコート剤の全質量に対して1質量%以上20質量%以下とすることができる。なお、上記樹脂の含有量は、1回の塗布によって形成されるプレコート層の膜厚およびインクジェット法により付与される1回の液体によって形成されるプレコート層の膜厚などに応じて調整すればよい。
プレコート剤が活性光線硬化型インクであるときの上記光重合性化合物の例には、ラジカル重合性化合物およびカチオン重合性化合物が含まれる。光重合性化合物は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマーあるいはこれらの混合物のいずれであってもよい。
ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレートであることがより好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを意味し、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルまたはメタクリロイルを意味する。
単官能の(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸およびt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが含まれる。
多官能の(メタ)アクリレートの例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートおよびトリプロピレングリコールジアクリレートを含む2官能の(メタ)アクリレート、ならびに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートを含む3官能以上の(メタ)アクリレートが含まれる。
ラジカル重合性化合物は、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドで変性された(メタ)アクリレート(以下、単に「変性(メタ)アクリレート」ともいう。)を含むことが好ましい。変性(メタ)アクリレートは、感光性がより高い。また、変性(メタ)アクリレートは、高温下でも他の成分とより相溶しやすい。さらには、変性(メタ)アクリレートは、硬化収縮が少ないため活性光線照射時の印刷物のカールがより生じにくい。
カチオン重合性化合物の例には、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物およびオキセタン化合物が含まれる。
上記エポキシ化合物の例には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサンおよびビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルなどの脂環式エポキシ樹脂、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびグリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドなど)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどを含む脂肪族エポキシ化合物、ならびに、ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、およびノボラック型エポキシ樹脂などを含む芳香族エポキシ化合物などが含まれる。
上記ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、およびオクタデシルビニルエーテルなどを含むモノビニルエーテル化合物、ならびにエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、およびトリメチロールプロパントリビニルエーテルなどを含むジまたはトリビニルエーテル化合物などが含まれる。
上記オキセタン化合物の例には、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ノルマルブチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ベンジルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシブチル−3−メチルオキセタン、1,4ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンおよびジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルなどが含まれる。
プレコート剤中の上記光重合性化合物の含有量は、たとえば、プレコート剤の全質量に対して1.0質量%以上97質量%以下とすることができ、30質量%以上90質量%以下とすることが好ましい。
上記プレコート剤は、光重合開始剤をさらに含有してもよい。上記光重合開始剤は、上記光重合性化合物の重合を開始できるものであればよい。たとえばプレコート剤がラジカル重合性化合物を有するときは、光重合開始剤は光ラジカル開始剤とすることができ、プレコート剤がカチオン重合性化合物を有するときは、光重合開始剤は光カチオン開始剤(光酸発生剤)とすることができる。
上記光重合開始剤の含有量は、活性光線の照射によってプレコート剤の硬化が開始される範囲において、任意に設定することができ、たとえば、プレコート剤の全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下、好ましくは1.0質量%以上12質量%以下とすることができる。なお、電子線の照射によりプレコート剤を半硬化させるときなど、光重合開始剤がなくてもプレコート剤の硬化が開始されるときは、光重合開始剤は不要である。
プレコート剤は、多価金属イオンおよび多価有機酸などの、光輝性インクが含有する光輝性顔料を析出または凝集させる成分を含んでもよい。これらの成分は、光輝性インク中の光輝性顔料を析出または凝集させて、光輝性インクのドット径をより安定化させることができる。
プレコート剤をインクジェット法で基材に付与する際に、インクジェットヘッドのノズルからの吐出安定性をより高める観点からは、プレコート剤の粘度は1cP以上100cP未満であることが好ましく、1cP以上50cP以下であることがより好ましく、1cP以上15cP以下であることがさらに好ましい。
1−2.光輝性インク
光輝性インクは、光輝性顔料を含有する、インクジェット法で吐出可能なインク組成物であればよい。
たとえば、光輝性インクは、水系インクであるときは、水および任意に水溶性有機溶剤を含有することができる。また、光輝性インクは、溶剤系インクであるときは、有機溶剤を含有することができる。また、光輝性インクは、活性光線硬化型インクであるときは、活性光線の照射によって重合および架橋する光重合性化合物および任意に光重合開始剤を含有することができる。光輝性インクが含有し得る上記水、水溶性有機溶剤、有機溶剤、光重合性化合物および光重合開始剤の種類および含有量は、上述したプレコート剤と同様とし得る。
光輝性インクは、さらに、必要に応じて、光輝性顔料を分散させるための分散剤、光輝性顔料を基材に定着させるための定着樹脂、界面活性剤、重合禁止剤および紫外線吸収剤などを含有してもよい。上記その他の成分は、光輝性インク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
上記光輝性顔料は、アルミニウム顔料およびパール顔料などの、画像に光沢を発現させるために用いられる公知の顔料であればよいが、顔料を整列させて光の反射をより精密に制御する観点からは、金属粒子であることが好ましい。
金属粒子は、金属を主成分とする粒子であり、金属光沢を発現することができる粒子であれば特に制限されない。金属粒子を構成する金属の例には、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、白金、アルミニウム、亜鉛、クロム、鉄、コバルト、モリブデン、ジルコニウム、ルテニウム、イリジウム、タンタル、水銀、インジウム、スズ、鉛、およびタングステンなどが含まれる。これらの中で、高い光沢を発現可能であり、かつ、安価であることから、金、銀、銅、ニッケル、コバルト、スズ、鉛、クロム、亜鉛およびアルミニウムが好ましく、金、銀、銅、スズ、クロム、鉛およびアルミニウムがより好ましく、金および銀がさらに好ましく、銀が特に好ましい。これらの金属は、1種を単独で、または2種類以上を合金または混合物として用いることができる。また、金属の種類または組成が異なる2種類以上の金属粒子を組み合わせて用いてもよい。金属粒子は、これらの金属を主成分とすればよく、不可避的に含まれる他の成分を微量に含んでいてもよいし、分散安定性を高めるためにクエン酸などで表面処理されていてもよい。また、これらの金属は、酸化物を含有してもよい。
金属粒子の平均粒子径は特に限定されないが、金属インク中での分散安定性および保存安定性を高める観点、ならびにグラデーションの視認性を高める観点からは、金属粒子は、平均粒子径がナノサイズである金属ナノ粒子であることが好ましい。金属粒子の平均粒子径は、3nm以上100nm以下であることが好ましく、5nm以上80nm以下であることがより好ましく、10nm以上60nm以下であることがさらに好ましく、15nm以上55nm以下であることが特に好ましい。
金属粒子の平均粒子径は、金属粒子分散液をSEMにより観察し、ナノ粒子の体積平均粒子径を求めることで行い、具体的には、以下の手順で実施する。
1)ガラス板上に分散液を塗布した後、真空脱気して溶媒成分を揮発させてサンプルを得る。得られたサンプルの分散液について、走査電子顕微鏡JSM−7401F(日本電子株式会社製)を用いてSEM観察を行い、任意の300個の金属粒子の粒子径をそれぞれ測定する。
2)得られた測定データに基づいて、画像処理ソフトImage Jを用いて体積基準の粒度分布を求め、そのD50(メジアン径)を体積換算の平均粒子径(体積平均粒子径)とする。
光輝性インク中の金属ナノ粒子の含有量は特に限定されないが、光輝性インクの全質量に対して0.5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、0.75質量%以上12.5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
上記分散剤は、上記光輝性顔料を十分に分散させることができればよい。特に、光輝性顔料が金属ナノ粒子であるときは、上記分散剤は、高分子分散剤であることが好ましい。
高分子分散剤は、上記金属ナノ粒子の表面に吸着可能な吸着基および親水性の構造を有する化合物である。上記吸着基の例には、カルボキシル基およびチオール基などが含まれる。
高分子分散剤を構成する樹脂は、親水性モノマーの単独重合体または共重合体が好ましい。親水性モノマーの共重合体は、親水性モノマーと疎水性モノマーとの共重合体であってもよい。
親水性モノマーの例には、カルボキシル基または酸無水物基を含有するモノマー((メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽和多価カルボン酸、ならびに無水マレイン酸など)、ならびにアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸エステルモノマー(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど)などが含まれる。なお、本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリルおよびメタクリルの双方またはいずれかを意味する。
疎水性モノマーの例には、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、スチレン、α−メチルスチレンおよびビニルトルエンなどのスチレン系モノマー、エチレン、プロピレン、および1−ブテンなどのα−オレフィン系モノマー、ならびに、酢酸ビニルおよび酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが含まれる。
高分子分散剤は、共重合体である場合、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体およびくし型共重合体などとすることができる。中でも、金属ナノ粒子の分散性をより高める観点からは、高分子分散剤は、くし型ブロック共重合体であることが好ましい。
くし型ブロック共重合体とは、主鎖を形成する直鎖状のポリマーと、主鎖を構成するモノマー由来の構成単位に対してグラフト重合した別の種類のポリマーとを含むコポリマーを意味する。くし型ブロック共重合体の好ましい例には、主鎖が(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含み、かつ、側鎖がポリアルキレンオキサイド基(エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合基などを含む長鎖ポリアルキレンオキサイド基)を含む、くし型ブロック共重合体が含まれる。くし型ブロックコポリマーは、グラフト重合した側鎖が立体障害を生じるため、金属ナノ粒子同士の凝集をより高度に抑制し得る。それにより、金属ナノ粒子の分散性が高まるので、凝集した金属ナノ粒子による吐出不良をより抑制しやすい。
光輝性インク中の上記高分子分散剤の含有量は特に限定されないが、光輝性インク中での金属ナノ粒子の分散性および基材への密着性を十分に高める観点からは、金属ナノ粒子の総質量に対して、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上8質量%以下であることがさらに好ましい。
上記定着樹脂の例には、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、マレイン酸樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、およびアルキド樹脂が含まれる。
これらのうち、上記金属ナノ粒子の表面に吸着した高分子分散剤と相互作用して、金属ナノ粒子の基材への密着性を高める観点からは、定着樹脂はアニオン性樹脂のエマルションであることが好ましい。
上記アニオン性樹脂は、高分子分散剤との親和性が高い樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(例えばポリ塩化ビニル重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体)、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、フッ素樹脂、スチレン共重合体(例えばスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等)、および酢酸ビニル共重合体(例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等)などから適宜選択して使用することができる。形成される画像の耐水性をより高める観点からは、上記アニオン性樹脂は、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサン樹脂、フッ素樹脂、スチレン共重合体、および酢酸ビニル共重合体などから選択されることが好ましく、ウレタン樹脂および(メタ)アクリル樹脂から選択されることが好ましい。
アニオン性樹脂のエマルションの平均粒子径は、10nm以上200nm以下であることが好ましく、30nm以上100nm以下であることがより好ましい。エマルションの平均粒子径は、動的光散乱法に基づく粒子径分布測定装置を使用して求めた体積平均粒子径とすることができる。
光輝性インク中の上記エマルションの固形分含有量は、金属ナノ粒子および高分子分散剤を合計した全質量に対して、0.01質量%以上0.1質量%以下であることが好ましい。上記固形分含有量が0.01質量%以上だと、形成される画像の耐擦性をより高めることができる。上記固形分含有量が0.1質量%以下だと、形成される画像の光輝性(反射率)をより高めることができる。上記観点から、光輝性インク中の上記エマルションの固形分含有量は、0.02質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましく、0.03質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましい。
上記界面活性剤の例には、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類および脂肪酸塩類を含むアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類を含むノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類および第四級アンモニウム塩類を含むカチオン性界面活性剤、シリコーン系の界面活性剤、ならびにフッ素系の界面活性剤が含まれる。
界面活性剤の含有量は、光輝性インクの全質量に対して、0.001質量%以上1.0質量%未満であることが好ましい。
インク層の反射率をより高める観点からは、光輝性インクは、実質的に上記高分子分散剤が吸着した金属ナノ粒子、上記アニオン性樹脂のエマルションおよび溶媒、ならびに任意に必要量の界面活性剤からなることが好ましい。上記高分子分散剤が吸着した金属ナノ粒子、上記アニオン性樹脂のエマルションおよび溶媒の含有量の合計は、光輝性インクの全質量に対して90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
インクジェットヘッドのノズルからの吐出安定性をより高める観点からは、光輝性インクの粘度は1cP以上100cP未満であることが好ましく、1cP以上50cP以下であることがより好ましく、1cP以上15cP以下であることがさらに好ましい。
1−3.画像形成方法
図2は、本実施形態に関する画像形成方法のフローチャートである。本実施形態では、上記プレコート剤を用いて基材の表面に接してプレコート層を形成し(工程S110)、上記光輝性インクを用いて形成されたプレコート層の表面に接してインク層を形成する(工程S120)。
1−3−1.プレコート層の形成(工程S110)
まず、上記プレコート剤を基材の表面に付与し、プレコート層を形成する。
たとえば、搬送路を搬送され、移動させられている基材の表面に対して、インクジェットヘッドのノズルから上記プレコート剤の液滴を吐出する。吐出された液滴は、基材の表面に着弾する。あるいは、スクリーン印刷などの公知の方法で、基材の表面にプレコート剤を付与する。
このとき、形成されるプレコート層の膜厚を、インク層に含まれる対応するドット(具体的には、プレコート層の当該部分に接して形成されるインク層のドット)を含む領域において発現されるべき光沢の度合いに応じて調整する。プレコート層の膜厚は、使用するプレコート剤および光輝性インクの種類に応じて予め定められた、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート層およびインク層の膜厚と、の関係を予め求めた対応表を参照するなどして、決定することができる。あるいは、プレコート層の膜厚は、機械学習などを施した処理装置に、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート層およびインク層の膜厚と、の関係を算出させたりして、決定することができる。
具体的には、インクジェットヘッドのノズルから吐出したプレコート剤の液滴を基材の表面に付与する際の、上記液滴のサイズ(液滴量)およびドットごとに付与する液滴の数(液滴数)、あるいはスクリーン印刷などを繰り返し行う回数などによって、形成されるプレコート層の膜厚を調整すればよい。
基材の搬送速度は、特に限定されないが、例えば1m/s以上1000m/s以下の間で設定され得る。搬送速度が速いほど画像形成速度が速まる。
プレコート剤をインクジェット法で基材に付与する際の、インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型等の電気−機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型等の電気−熱変換方式等のいずれでもよい。
このとき、インク流路を加熱して、吐出されるプレコート剤の温度を調整してもよい。吐出されるプレコート剤の温度は、特に限定されないが、50℃以上90℃以下であることが好ましい。
また、プレコート剤の吐出条件を調整することで、形成される画像の解像度を調整することもできる。形成される画像の解像度は、600dpi以上1440dpi以下とすることができるが、より高精細な画像を形成する観点からは、1200dpi以上1440dpi以下とすることが好ましい。
その後、基材に付与されたプレコート剤の液滴に活性光線を照射したり、基材に付与されたプレコート剤を乾燥させたりして、プレコート剤が硬化してなるプレコート層を形成する。
上記活性光線は、紫外線LEDからの紫外線であることが好ましい。一般的な紫外線の光源として、メタルハライドランプなどが知られているが、紫外線LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によって硬化膜が溶けることによる硬化膜表面に硬化不良が生じることを抑制できる。上記液滴を適切に硬化させる観点からは、紫外線LEDのピーク波長は、385nm以上400nm以下であることが好ましい。紫外線LEDを有する光源の例には、Phoseon Technology社製の水冷式の紫外線照射ユニット(ピーク波長:395nm)が含まれる。
活性光線の照射条件は、プレコート剤の組成などに応じて適宜設定され得る。たとえば、紫外線LEDを有する光源を、基材上の液滴の表面における最高照度が0.5W/cm以上10.0W/cm以下、より好ましくは1W/cm以上5W/cm以下となるように設置すればよい。
1−3−2.インク層の形成(工程S120)
次に、上記光輝性インクを、上記プレコート層を構成する上記プレコート剤が硬化したドットの表面に、ドットごとにインクジェット法で付与する。その後、光輝性インクの種類に応じて、たとえば光輝性インクが水系インクまたは溶剤系インクであるときは乾燥などにより液体成分を除去したり、あるいは光輝性インクが活性光線硬化型インクであるときは活性光線の照射により光輝性インクを硬化させたりして、光輝性インクにより形成されたドットが集合してなるインク層を形成する。上記乾燥条件および上記活性光線の照射条件は、光輝性インクの組成に応じて適宜定めればよい。たとえば、上記活性光線の照射条件は、プレコート剤の液滴を硬化させるときの条件と同一とし得る。
また、インクジェットヘッドからの吐出方式は、特に限定されず、プレコート層を形成する際の条件と同様とし得る。
このとき、形成されるインク層の膜厚を、付与される光輝性インクによって形成されるドットを含む領域において発現されるべき光沢の度合いに応じて調整する。インク層の膜厚は、使用するプレコート剤および光輝性インクの種類に応じて予め定められた、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート層およびインク層の膜厚と、の関係を予め求めた対応表を参照するなどして、決定することができる。あるいは、インク層の膜厚は、機械学習などを施した処理装置に、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート層およびインク層の膜厚と、の関係を算出させたりして、決定することができる。
具体的には、光輝性インクの固形分濃度と、形成されるドットの大きさと、などに応じて、インクジェットヘッドのノズルから吐出したプレコート剤の液滴を基材の表面に付与する際の、上記液滴のサイズ(液滴量)およびドットごとに付与する液滴の数(液滴数)などを変化させて、形成されるインク層の膜厚を調整すればよい。
また、このとき、光輝性インクの付与量は、付与される光輝性インクによって形成されるドットの大きさがプレコート剤によって形成されたドットの大きさと略同一になるように調整すればよい。
2.第2の実施形態
本発明の第2の実施形態は、上述した第1の実施形態と同様にしてプレコート層およびインク層を形成した後に、上記インク層の表面に、オーバーコート剤を用いてオーバーコート層を形成する、画像形成方法に関する。なお、オーバーコート剤は、水系、溶剤系および活性光線硬化型などのいずれのオーバーコート剤でもよいが、オーバーコート剤が濡れ広がりすぎる前に硬化させることによって膜厚の制御を容易とし、かつ、膜厚をより厚くすることも容易とする観点から、基材の表面に付与して硬化させる工程を繰り返して複数の層を形成することが可能な、活性光線硬化型のオーバーコート剤であることが好ましい。
上記オーバーコート剤の付与方法は特に限定されず、ロールコーターやスピンコーターなどを用いて上記オーバーコート剤をインク層の表面に塗布してもよいし、スプレー塗布、浸漬法、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などの方法で上記オーバーコート剤をインク層の表面に付与してもよいし、インクジェット法で上記オーバーコート剤をインク層の表面に着弾させてもよい。これらのうち、より精細な記録物を形成する観点からは、スクリーン印刷およびインクジェット法が好ましく、インクジェット法がより好ましい。
このとき、付与されるオーバーコート剤によって形成されるオーバーコート層の膜厚を、ドットごとに独立して変化させることにより、画像形成物の光沢をドットごとに独立してさらに変化させることができ、光沢をより高精度に変化させた画像を形成することが可能である。このようにして、上記インク層に含まれる一のドットに対応する上記オーバーコート層(具体的には、オーバーコート層のうち、上記一のドットの直下に位置する部分)の膜厚と、上記インク層に含まれる他のドットに対応する上記オーバーコート層(具体的には、オーバーコート層のうち、上記他のドットの直下に位置する部分)の膜厚と、を異なる厚みとすることで、上記一のドットを含む領域と上記他のドットを含む領域との間で、上記分布情報におけるピークの高さ(H)およびピークの半値幅(W)を異なる値として、上記それぞれの領域から、異なる度合いの光沢を知覚させることができる。また、オーバーコート剤をインクジェット法によって付与することで、上記オーバーコート層の厚みをドットごとに変化させて、知覚される光沢をより高精度に変化させた画像を形成することも可能である。
具体的には、オーバーコート層の膜厚は、プレコート剤を塗布してプレコート層を形成する回数、ならびに、インクジェットヘッドのノズルから吐出したオーバーコート剤の液滴をインク層の表面に付与する際の、上記液滴のサイズ(液滴量)およびドットごとに付与する液滴の数(液滴数)によって調整することができる。たとえば、画像中の領域ごとに、上記プレコート層を形成する回数または液滴量および液滴数を変えることで、インク層に含まれる対応するドットごとに、プレコート層の膜厚を変化させることができる。
上記オーバーコート剤(インクジェット法により付与されるとき)の液滴量は、0.5pl以上50pl以下の範囲で調整されることが好ましく、高精細の画像を形成するためには、0.5pl以上20pl以下の範囲で調整されることがより好ましく、0.5pl以上10pl以下の範囲で調整されることがさらに好ましい。
上記オーバーコート剤(インクジェット法により付与されるとき)の液滴数は、0滴以上10滴以下の範囲で調整されることが好ましく、0滴以上5滴以下の範囲で調整されることがより好ましい。
上記オーバーコート剤(インクジェット法により付与されるとき)をインクジェットヘッドのノズルから吐出するときの駆動周波数は、5kHz以上100kHzの範囲で調整されることが好ましく、5kHz以上20kHzの範囲で調整されることがより好ましい。
本実施形態では、オーバーコート剤が付与されて活性光線の照射によって硬化されてなるオーバーコート層の膜厚を独立してドットごとに変化させることにより、上記分布情報におけるピークの高さ(H)およびピークの半値幅(W)をドットごとに変化させる。
具体的には、オーバーコート層の膜厚を高めることにより、ドットから出射する正反射光の光量を少なくして、ピークの高さ(H)を微減させるように光沢を調整することができる。さらに、オーバーコート層の膜厚を高めることにより、ドットの表面をより粗くなるように調整し、ドットから出射する光が正反射光により集中しにくくして、ピークの半値幅(W)をより広げるように調整することができる。
オーバーコート層の膜厚は、当該ドットにより形成しようとする光沢の度合いに応じて設定すればよい。
なお、オーバーコート層の膜厚は、オーバーコート剤が吐出されて基材表面に着弾してから活性光線を照射するまでの時間、プレコート剤および光輝性インクの組成、などによっても変化させることができる。これらの条件をもとに、所望の度合いの光沢が得られるように、オーバーコート剤の付与量を調整すればよい。
オーバーコート層は、非光輝性の色材を含有してもよい。非光輝性の色材は、黄(イエロー)、赤またはマゼンタ、青またはシアンおよびブラック、ならびにその他の特色を呈する画像を形成するために用いる公知の顔料または染料とすることができる。オーバーコート層が非光輝性の色材を含有することにより、形成された光沢に色味を付与して、たとえば赤銀、青銀、金などの様々な光沢色を発現させることができる。
2−1.プレコート剤およびオーバーコート剤
プレコート剤およびオーバーコート剤は、第1の実施形態で使用するプレコート剤と同様のものを使用できるので、詳しい説明は省略する。
なお、同一のドットを形成するために使用されるプレコート剤およびオーバーコート剤は、同一の組成を有していてもよいし、互いに異なる組成を有していてもよい。
オーバーコート剤は、非光輝性の色材を含有してもよい。
上記非光輝性の色材には、非光輝性の染料および非光輝性の顔料が含まれる。
耐候性の良好な画像を得る観点からは、上記非光輝性の色材は非光輝性の顔料であることが好ましい。非光輝性の顔料は、形成すべき画像の色彩などに応じて、たとえば、黄(イエロー)顔料、赤またはマゼンタ顔料、青またはシアン顔料、緑顔料および黒顔料から選択することができる。また、その他の特色を形成するための、ピンク、グリーン、オレンジなどの顔料を用いてもよい。
黄顔料の例には、C.I.Pigment Yellow(以下、単に「PY」ともいう。) 1、PY3、PY12、PY13、PY14、PY17、PY34、PY35、PY37、PY55、PY74、PY81、PY83、PY93、PY94,PY95、PY97、PY108、PY109、PY110、PY137、PY138、PY139、PY153、PY154、PY155、PY157、PY166、PY167、PY168、PY180、PY185、およびPY193などが含まれる。
赤あるいはマゼンタ顔料の例には、C.I.Pigment Red(以下、単に「PR」ともいう。) 3、PR5、PR19、PR22、PR31、PR38、PR43、PR48:1、PR48:2、PR48:3、PR48:4、PR48:5、PR49:1、PR53:1、PR57:1、PR57:2、PR58:4、PR63:1、PR81、PR81:1、PR81:2、PR81:3、PR81:4、PR88、PR104、PR108、PR112、PR122、PR123、PR144、PR146、PR149、PR166、PR168、PR169、PR170、PR177、PR178、PR179、PR184、PR185、PR208、PR216、PR226、およびPR257、C.I.Pigment Violet(以下、単に「PV」ともいう。) 3、PV19、PV23、PV29、PV30、PV37、PV50、およびPV88、ならびに、C.I.Pigment Orange(以下、単に「PO」ともいう。) 13、PO16、PO20、およびPO36などが含まれる。
青またはシアン顔料の例には、C.I.Pigment Blue(以下、単に「PB」ともいう。) 1、PB15、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:6、PB16、PB17−1、PB22、PB27、PB28、PB29、PB36、およびPB60などが含まれる。
緑顔料の例には、C.I.Pigment Green(以下、単に「PG」ともいう。) 7、PG26、PG36、およびPG50などが含まれる。
黒顔料の例には、C.I.Pigment Black(以下、単に「PBk」ともいう。) 7、PBk26、およびPBk28などが含まれる。
2−2.光輝性インク
光輝性インクは、第1の実施形態で使用する光輝性インクと同様のものを使用できるので、詳しい説明は省略する。
2−3.画像形成方法
図3は、本実施形態に関する画像形成方法のフローチャートである。本実施形態では、上記プレコート剤を用いて基材の表面に接してプレコート層を形成し(工程S110)、上記光輝性インクを用いてプレコート層の表面に接してインク層を形成し(工程S120)、さらに、上記オーバーコート剤を用いてインク層を形成する(工程S130)。
2−3−1.プレコート層の形成(工程S110)
プレコート層は、第1の実施形態と同様に形成できるので、詳しい説明を省略する。
なお、このとき、形成されるプレコート層の膜厚を、インク層に含まれる対応するドットを含む領域において発現されるべき光沢の度合いに応じて調整する。プレコート層の膜厚は、使用するプレコート剤、光輝性インクおよびオーバーコート剤の種類に応じて予め定められた、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート剤、光輝性インクおよびオーバーコート剤の付与量と、の関係を予め求めた対応表を参照するなどして、決定することができる。あるいは、プレコート層の膜厚は、機械学習などを施した処理装置に、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート剤、光輝性インクおよびオーバーコート剤の膜厚と、の関係を算出させた後に、当該膜厚のプレコート層を形成するためのプレコート剤の付与量を算出したりして、決定することができる。
具体的には、インクジェットヘッドのノズルから吐出したプレコート剤の液滴を基材の表面に付与する際の、上記液滴のサイズ(液滴量)およびドットごとに付与する液滴の数(液滴数)、あるいはスクリーン印刷などを繰り返し行う回数などによって、形成されるプレコート層の膜厚を調整すればよい。
2−3−2.インク層の形成(工程S120)
インク層も、第1の実施形態と同様に形成できるので、詳しい説明を省略する。
なお、このとき、形成されるインク層の膜厚を、付与される光輝性インクによって形成されるドットを含む領域において発現されるべき光沢の度合いに応じて調整する。インク層の膜厚は、使用するプレコート剤、光輝性インクおよびオーバーコート剤の種類に応じて予め定められた、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート剤、光輝性インクおよびオーバーコート剤の付与量と、の関係を予め求めた対応表を参照するなどして、決定することができる。あるいは、インク層の膜厚は、機械学習などを施した処理装置に、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート剤、光輝性インクおよびオーバーコート剤の膜厚と、の関係を算出させた後に、当該膜厚のプレコート層を形成するためのプレコート剤の付与量を算出したりして、決定することができる。
具体的には、光輝性インクの固形分濃度と、形成されるドットの大きさと、などに応じて、インクジェットヘッドのノズルから吐出したプレコート剤の液滴を基材の表面に付与する際の、上記液滴のサイズ(液滴量)およびドットごとに付与する液滴の数(液滴数)などを変化させて、形成されるインク層の膜厚を調整すればよい。
また、このとき、光輝性インクの付与量は、付与される光輝性インクによって形成されるドットの大きさがプレコート剤によって形成されたドットの大きさと略同一になるように調整すればよい。
2−3−3.オーバーコート層の形成(工程S130)
その後、上記オーバーコート剤を、上記インク層を構成する上記光輝性インクにより形成されたドットの表面に付与し、オーバーコート層を形成する。
このとき、形成されるオーバーコート層の膜厚を、インク層に含まれる対応するドットを含む領域において発現されるべき光沢の度合いに応じて調整する。オーバーコート層の膜厚は、使用するプレコート剤、光輝性インクおよびオーバーコート剤の種類に応じて予め定められた、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート剤、光輝性インクおよびオーバーコート剤の付与量と、の関係を予め求めた対応表を参照するなどして、決定することができる。あるいは、オーバーコート層の膜厚は、機械学習などを施した処理装置に、発現すべき光沢の度合いと、形成すべきプレコート剤、光輝性インクおよびオーバーコート剤の膜厚と、の関係を算出させた後に、当該膜厚のプレコート層を形成するためのプレコート剤の付与量を算出したりして、決定することができる。
具体的には、インクジェットヘッドのノズルから吐出したオーバーコート剤の液滴を基材の表面に付与する際の、上記液滴のサイズ(液滴量)およびドットごとに付与する液滴の数(液滴数)、あるいはスクリーン印刷などを繰り返し行う回数などによって、形成されるオーバーコート層の膜厚を調整すればよい。
オーバーコート剤をインクジェット法で基材に付与する際の、インクジェットヘッドからの吐出方式は、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドは、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型等の電気−機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(バブルジェットはキヤノン社の登録商標)型等の電気−熱変換方式等のいずれでもよい。
このとき、インク流路を加熱して、吐出されるオーバーコート剤の温度を調整してもよい。吐出されるオーバーコート剤の温度は、特に限定されないが、50℃以上90℃以下であることが好ましい。
また、オーバーコート剤の吐出条件を調整することで、形成される画像の解像度を調整することもできる。形成される画像の解像度は、600dpi以上1440dpi以下とすることができるが、より高精細な画像を形成する観点からは、1200dpi以上1440dpi以下とすることが好ましい。
その後、インク層の表面に着弾したオーバーコート剤の液滴に活性光線を照射したり、基材に付与されたプレコート剤を乾燥させたりして、上記オーバーコート剤が硬化してなるオーバーコート層を形成する。
上記活性光線は、紫外線LEDからの紫外線であることが好ましい。一般的な紫外線の光源として、メタルハライドランプなどが知られているが、紫外線LEDを光源とすることで、光源の輻射熱によって硬化膜が溶けることによる硬化膜表面に硬化不良が生じることを抑制できる。上記液滴を適切に硬化させる観点からは、紫外線LEDのピーク波長は、385nm以上400nm以下であることが好ましい。紫外線LEDを有する光源の例には、Phoseon Technology社製の水冷式の紫外線照射ユニット(ピーク波長:395nm)が含まれる。
活性光線の照射条件は、オーバーコート剤の組成などに応じて適宜設定され得る。たとえば、紫外線LEDを有する光源を、基材上の液滴の表面における最高照度が0.5W/cm以上10.0W/cm以下、より好ましくは1W/cm以上5W/cm以下となるように設置すればよい。
なお、本実施形態では、プレコート層、インク層およびオーバーコート層を有する画像を形成したが、形成すべき画像の光沢に応じて、プレコート層を形成せずに、インク層およびオーバーコート層を有する画像を形成してもよい(図4参照)。このときも、オーバーコート層の膜厚を独立してドットごとに変化させることにより、上記分布情報におけるピークの高さ(H)およびピークの半値幅(W)をドットごとに変化させることができる。
以下、本発明の具体的な実施例を比較例とともに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.光輝性インクの調製
1−1.銀ナノ粒子分散液の調製
平板状の撹拌翼と邪魔板を有する、1Lのセパラブルフラスコに、8.6gのDISPERBYK−190(ビックケミー社製)、および269gのイオン交換水を投入し、撹拌を行ってDISPERBYK−190を溶解させた。続いて、上記セパラブルフラスコに、269gのイオン交換水に溶解させた55gの硝酸銀を攪拌しながら投入した。さらに、70gのアンモニア水を添加して撹拌を行い、その後、上記セパラブルフラスコをウォーターバスに入れ、溶液の温度が80℃に安定するまで加熱撹拌した。その後、144gのジメチルアミノエタノールをセパラブルフラスコに添加し、更に80℃に保ちながら6時間攪拌を続け、銀ナノ粒子を含む反応液を得た。
得られた反応液をステンレスカップに入れて、さらに2Lのイオン交換水を加えてから、ポンプを稼働して限外濾過を行った。ステンレスカップ内の溶液が減少したら、再びイオン交換水を入れて、ろ液の伝導度が100μS/cm以下になるまで精製を繰り返し行った。その後、ろ液を濃縮して、固形分30wt%の銀ナノ粒子分散液を得た。
なお、限外濾過装置は、限外濾過モジュールAHP1010(旭化成株式会社製、分画分子量:50000、使用膜本数:400本)、チューブポンプ(Masterflex社製)をタイゴンチューブでつないだものを使用した。
1−2.エマルション樹脂粒子分散液の調製
脱水装置を備えたフラスコ中に酸成分としての10質量部のテレフタル酸、190質量部のイソフタル酸および170質量部のアジピン酸と、グリコール成分としての32質量部のエチレングリコールおよび510質量部のネオペンチルグリコールとを仕込み、反応触媒として0.2質量部のテトライソプロピルチタネート添加した後、酸価1.0以下、水分0.05%以下となるまで220℃で縮合反応を行い、ポリエステルグリコールを得た。
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコに、488質量部の上記得られたポリエステルグリコール、13質量部のトリメチロールプロパン、88質量部のジメチロールプロピオン酸、252質量部のイソホロンジイソシアネート、および670質量部のメチルエチルケトンを加え、75℃で4時間反応させて、ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液を40℃まで冷却し、そこに40質量部のトリエチルアミンを加えて中和した。その後、1850質量部のイオン交換水を徐々に加え、ホモジナイザーを使用して乳化分散し、1時間攪拌した。これを減圧下、50℃で脱溶剤を行い、さらにイオン交換水を加えて、不揮発分約20%のポリウレタンからなるエマルション樹脂粒子分散液を得た。
1−3.光輝性インク1〜光輝性インク3の調製
(光輝性インク1)
以下の成分を以下の組成で混合して、光輝性インク1を得た。
銀ナノ粒子分散液 5 質量部
エマルション樹脂粒子分散液 0.35質量部
水 59.2 質量部
プロピレングリコール 10 質量部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 25.4 質量部
界面活性剤(BYK−348:ビックケミー社製) 0.1 質量部
(光輝性インク2)
銀ナノ粒子分散液の配合量を2.5質量部とし、エマルション樹脂粒子分散液の配合量を0.18重量部とした以外は光輝性インク1と同様にして、光輝性インク2を得た。
(光輝性インク3)
銀ナノ粒子分散液の配合量を1.2質量部とし、エマルション樹脂粒子分散液の配合量を0.09重量部とした以外は光輝性インク1と同様にして、光輝性インク3を得た。
(光輝性インク4)
特開2005−123456号公報に記載された方法で、アルミニウム顔料を含有する光輝性インク4を得た。
2.プレコート剤およびオーバーコート剤の調製
(プレコート剤1およびオーバーコート剤1)
以下の成分を以下の組成で混合して、プレコート剤1およびオーバーコート剤1を得た。プレコート剤1とオーバーコート剤1とは同じ組成を有する。
ポリエチレングリコール#400ジアクリレート 34 重量部
4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート 23 重量部
6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 31 重量部
光重合開始剤(ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(DAROCUR TPO、BASF社製))
7 重量部
増感助剤(p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(KayacureEPA、日本化薬社製))
2 重量部
界面活性剤(KF−352:信越化学工業株式会社製) 0.1重量部
(プレコート剤2)
以下の成分を以下の組成で混合して、プレコート剤2を得た。
ポリエステルエマルション(東洋紡株式会社製、バイロナール MD1500(固形分30wt%))
17.5重量部
トリエチレングリコールモノメチルエーテル 8 重量部
プロピレングリコール 2 重量部
水 12.5重量部
(オーバーコート剤2)
9質量部のアジスパーPB824および71質量部のトリプロピレングリコールジアクリレートを、ステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌して溶解させた。
上記溶液を室温まで冷却した後、20質量部のPigment Yellow 180(クロモファインイエロー6280JC、大日精化社製)を添加し、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓した。これをペイントシェーカーにて所定の時間(顔料1:5時間)分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液を得た。
12重量部の上記得られた顔料分散液をオーバーコート剤1に添加し、80℃に加熱して攪拌した。得られた溶液を加熱下、ADVATEC社製テフロン(登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過して、オーバーコート剤2を得た。
3.画像形成
3−1.基材
以下の基材に画像を形成した。
基材1: OKトップコート紙(表面粗さRa:0.25μm)
基材2: コート紙(表面粗さRa:0.43μm)
基材3: PETフィルム(表面粗さRa:0.05μm)
3−2.プレコート層の形成
プレコート剤1またはプレコート剤2を、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェットヘッドを有するインクジェット記録装置に装填した。インクジェット記録装置は、インクタンク、インク供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、およびピエゾ型のインクジェットヘッドを、インクが流通する上流側から下流側に向けて、この順で有していた。液滴量7plのインクジェットヘッドを用い、印字速度0.5m/sec、射出周波数10.5kHzの条件で駆動して、プレコート剤の液滴を吐出して基材上に着弾させた。
プレコート剤1については、着弾後、Phoseon Technology社製水冷ユニット付きのLEDランプから活性光線(395nm、8W/cm)を照射し、プレコート剤が硬化したドットが集合してなるプレコート層を形成した。ランプから着弾したプレコート剤の表面までの距離は20mmとした。
プレコート剤2については、着弾後、60℃で1分間乾燥させて、プレコート剤が硬化したドットが集合してなるプレコート層を形成した。
このとき、プレコート剤の液滴を吐出する回数(液滴数)を、0回〜7回の間で変化させた。プレコート剤の液滴を吐出する回数(液滴数)が0回のときは、活性光線の照射を行わなかった。
3−3.インク層の形成
上記光輝性インク1〜光輝性インク3のいずれかを、上記プレコート層を形成したときに使用したものと同一のインクジェット記録装置に装填した。液滴量7plのインクジェットヘッドを用い、印字速度0.5m/sec、射出周波数10.5kHzの条件で駆動して、光輝性インクの液滴を1回吐出して、プレコート層の上に着弾させた。
着弾後、60℃で10分程度、光輝性インクの乾燥処理を行い、光輝性インクにより形成されたドットが集合してなるインク層を形成した。
3−4.オーバーコート層の形成
上記オーバーコート剤1およびオーバーコート剤2のいずれかを、上記プレコート層を形成したときに使用したものと同一のインクジェット記録装置に装填した。液滴量7plのインクジェットヘッドを用い、印字速度0.5m/sec、射出周波数10.5kHzの条件で駆動して、オーバーコート剤の液滴を吐出して、インク層の上に着弾させた。
着弾後、Phoseon Technology社製水冷ユニット付きのLEDランプから活性光線(395nm、8W/cm)を照射し、オーバーコート剤が硬化したドットが集合してなるオーバーコート層を形成した。ランプから着弾したオーバーコート剤の表面までの距離は20mmとした。
3−5.各層の形成条件
3−5−1.サンプル1〜サンプル4
光輝性インクとして光輝性インク1を用い、基材として基材1を用い、インク層の厚みを0.2μmに固定し、プレコート剤1の吐出条件を0drop(吐出せず)〜3dropの4水準で変化させて画像形成を行い、それぞれ、サンプル1〜サンプル4を得た。
3−5−2.サンプル5〜サンプル6
光輝性インクとして光輝性インク2および光輝性インク3を用いてインク層の厚みを変更した以外はサンプル3と同様にして、それぞれ、サンプル5およびサンプル6を得た。
3−5−3.サンプル7〜サンプル8
オーバーコート剤としてオーバーコート剤1を用い、オーバーコート剤の吐出条件を1dropおよび2dropとした以外はサンプル3と同様にして、それぞれ、サンプル7およびサンプル8を得た。
3−5−4.サンプル9〜サンプル10
オーバーコート剤としてオーバーコート剤1を用い、オーバーコート剤の吐出条件を1dropおよび2dropとした以外はサンプル1と同様にして、それぞれ、サンプル9およびサンプル10を得た。
3−5−5.サンプル11〜サンプル14
基材として基材2を用いた以外はサンプル1〜サンプル4と同様にして、それぞれ、サンプル11〜サンプル14を得た。
3−5−6.サンプル15〜サンプル17
基材として基材3を用いた以外はサンプル1〜サンプル3と同様にして、それぞれ、サンプル15〜サンプル17を得た。
3−5−7.サンプル18〜サンプル20
同一の基材(基材1)の同一の表面上に設定した3つの領域に、それぞれサンプル1〜サンプル3と同様にして画像を隣接させて形成し、階調画像を得た。同一基材に画像を形成した3つの領域のうち、サンプル1と同様にして画像を形成した領域をサンプル18、サンプル2と同様にして画像を形成した領域をサンプル19、サンプル3と同様にして画像を形成した領域をサンプル20とした。
3−5−8.サンプル21〜サンプル23
光輝性インクを光輝性インク4とした以外はサンプル2、サンプル3およびサンプル7と同様にして、それぞれ、サンプル21〜サンプル23を得た。
3−5−9.サンプル24〜サンプル25
オーバーコート剤としてオーバーコート剤2を用い、プレコート剤1の吐出条件を1dropおよび2dropとし、オーバーコート剤2の吐出条件を2dropとした以外はサンプル9と同様にして、それぞれ、サンプル24〜サンプル25を得た。
3−5−10.サンプル26
プレコート剤1の吐出条件を9dropとした以外はサンプル1と同様にして、サンプル26を得た。
3−5−11.サンプル27〜サンプル28
駆動周波数を21kHzとした以外はサンプル5〜サンプル6と同様にして、それぞれ、サンプル27〜サンプル28を得た。
3−5−12.サンプル29
スクリーン印刷により、膜厚が10μmであるプレコート層を形成した以外はサンプル1と同様にして、サンプル29を得た。
3−5−13.サンプル30〜サンプル31
プレコート剤としてプレコート剤2を用い、プレコート剤1の吐出条件を1dropおよび2dropとした以外はサンプル2と同様にして、それぞれ、サンプル30およびサンプル31を得た。
なお、サンプル1〜サンプル17およびサンプル21〜サンプル31は、それぞれ別の基材の表面に形成されて、ひとつの基材上にひとつの画像が形成されたサンプルである。サンプル18〜サンプル20は、ひとつの基材の表面に設定した異なる領域に画像を形成して、ひとつの基材上に3つの画像(サンプル)が形成されたサンプルである。
4.評価
それぞれのサンプルにおける画像を15mm×50mmのサイズに裁断した。変角光度計(株式会社村上色彩技術研究所社製、製品名GCMS−4)を用いて、受光角度を変化させながら、それぞれの光沢値測定法サンプルに45°の入射角で入射光を照射して、0°〜50°の反射強度を5°ごとに測定した。それぞれの受光角度における得られた反射強度から反射率を算出して、受光角度と反射率との関係を示す、反射の空間分布プロフィールを得た。
得られた反射の空間分布プロフィールの形状を、1つのローレンツ関数にフィッティングさせ、最小二乗法およびマイクロソフト社製エクセル(登録商標)が有するソルバー(登録商標)により、ピークの高さ(H)、ピークの半値幅(W)、およびベースラインの高さ(B)を求めた。
各サンプルの形成条件および評価の結果を表1および表2に示す。なお、表1および表2において、「PC剤」は画像形成に使用したプレコート剤の種類を、「インク」は画像形成に使用した光輝性インクの種類を、「OC剤」は画像形成に使用したオーバーコート剤の種類を、それぞれ示す。
Figure 2019239923
Figure 2019239923
プレコート層およびインク層の膜厚を変化させることにより、形成された画像に照射された測定光が反射してなる反射光を測定して得られる受光角度に対する明度または反射強度の分布情報における、前記明度または反射強度のピークの高さ(H)およびベースラインの高さ(B)を、変化させることができた。具体的には、プレコート剤の付与量を変化させて、形成されるプレコート層の膜厚を厚くすると、上記分布情報におけるピークの高さ(H)をより高く、ベースの高さ(B)をより低くすることができた(サンプル1〜サンプル4)。また、光輝性インクの固形分濃度を変化させて、形成されるインク層の膜厚を厚くすると、上記分布情報におけるピークの高さ(H)をより高く、ベースの高さ(B)をより高くすることができた(サンプル3、サンプル5、サンプル6)。
さらに、オーバーコート層の膜厚を変化させることにより、上記分布情報における、前記明度または反射強度のピークの高さ(H)およびピークの半値幅(W)を、変化させることができた。具体的には、オーバーコート剤の付与量を変化させて、形成されるオーバーコート層の膜厚を厚くすると、上記分布情報におけるピークの高さ(H)をより低く、ピークの半値幅(W)をより広くすることができた。この傾向は、プレコート層を形成したとき(サンプル3、サンプル7、サンプル8)も、プレコート層を形成しなかったとき(サンプル1、サンプル9、サンプル10)も、同様だった。
なお、表面粗さRaが異なる基材に同様に画像を形成しても、プレコート剤の付与量を変化させて、形成されるプレコート層の膜厚を厚くすると、上記分布情報におけるピークの高さ(H)をより高く、ベースの高さ(B)をより低くすることができた(サンプル11〜サンプル17)。
また、同一の基材の同一の表面に含まれる異なる領域に、プレコート層の膜厚が異なる複数の領域を隣接して形成することにより、光沢が異なる複数の領域を隣接して形成することができた(サンプル18〜サンプル20)。
また、金属ナノ粒子以外のみならず、公知のアルミニウム顔料を用いたときも、形成されるプレコート層の膜厚を厚くすると、上記分布情報におけるピークの高さ(H)をより高く、ベースの高さ(B)をより低くすることができ(サンプル21、サンプル22)、形成されるオーバーコート層の膜厚を厚くすると、上記分布情報におけるピークの高さ(H)をより低く、ピークの半値幅(W)をより広くすることができた(サンプル22、サンプル23)。
さらには、オーバーコート層に色材を含有させることで、黄色に着色した光沢を有する画像を形成することができた。このときも、プレコート剤の付与量を変化させて、形成されるプレコート層の膜厚を厚くすると、上記分布情報におけるピークの高さ(H)をより高く、ベースの高さ(B)をより低くすることができた(サンプル24、サンプル25)。
また、プレコート層の厚みを変化させることで、基材から画像表面までの高さを変化させて、エンボス調の画像を形成することもできた(サンプル26)。
また、射出周波数を変化させて単位面積あたりに形成されるドットの数を変化させることで、濃度を変化させたうえで、光沢も変化させた画像を形成することができた(サンプル3、サンプル27、サンプル28)。
また、プレコート層をスクリーン印刷で形成したときも、インクジェット法により略同程度の膜厚のプレコート層を作製したとき(サンプル14)と同様の光沢を有する画像を得ることができた(サンプル29)。
また、プレコート剤を水系インクとして、インクジェット法によりプレコート層を作製したときも、形成されるプレコート層の膜厚を厚くすると、上記分布情報におけるピークの高さ(H)をより高く、ベースの高さ(B)をより低くすることができた(サンプル30〜サンプル31)。なお、プレコート剤2を用いたサンプル30、サンプル31と、プレコート剤1を用いたサンプル2、サンプル3との間で光沢指標(特に上記分布情報におけるピークの高さ(H)およびベースの高さ(B))が異なるのは、これらのプレコート剤の1滴あたり形成されるプレコート層の厚みが異なるからだと考えられる。
本出願は、2018年6月13日出願の日本国出願番号2018−112756号に基づく優先権を主張する出願であり、当該出願の特許請求の範囲、明細書および図面に記載された内容は本出願に援用される。
本発明の画像形成方法は、形成される画像により多様な金属光沢を発現させることができる。そのため、本発明は、光輝性を有する記録物の適用の幅を広げ、同分野の技術の進展および普及に貢献することが期待される。

Claims (15)

  1. プレコート剤を基材の表面に付与し、プレコート層を形成する工程と、
    前記プレコート層の表面に、光輝性顔料を含む光輝性インクをインクジェット法で付与し、前記光輝性インクにより形成されたドットが集合してなるインク層を形成する工程と、
    を含む、画像の形成方法であって、
    前記インク層に含まれる一のドットに対応する前記プレコート層または前記インク層の膜厚と、
    前記インク層に含まれる他のドットに対応する前記プレコート層または前記インク層の膜厚と、を異なる厚みとして、
    形成された画像で反射された反射光の明度または反射強度のピークの高さおよびベースラインの高さを、前記一のドットを含む領域と前記他のドットを含む領域とで異なる値とする、
    画像形成方法。
  2. 前記インク層の膜厚は、前記インク層に含まれるドットごとに独立して変化される、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記プレコート層を形成する工程は、前記プレコート剤をインクジェット法により前記基材の表面に付与して、前記付与されたプレコート剤により形成されたドットが集合してなるプレコート層を形成する工程であり、
    前記インク層を形成する工程は、前記プレコート層を構成する前記ドットの表面に、前記光輝性インクを付与する工程である、
    請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記プレコート層の膜厚は、前記プレコート層を構成する前記ドットごとに独立して変化される、請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 前記プレコート剤は、活性光線硬化型のプレコート剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. さらに、前記インク層を構成する前記ドットの表面にオーバーコート剤を付与して、オーバーコート層を形成する工程を含み、
    前記一のドットを形成に対応する前記オーバーコート層の膜厚と、
    前記他のドットを形成に対応する前記オーバーコート層の膜厚と、を異なる厚みとして、
    前記明度または反射強度のピークの高さおよび前記ピークの半値幅の大きさを、前記一のドットを含む領域と前記他のドットを含む領域とで異なる値とする、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 基材の表面に、光輝性顔料を含む光輝性インクをインクジェット法で付与し、前記光輝性インクにより形成されたドットが集合してなるインク層を形成する工程と、
    前記インク層を構成する前記ドットの表面にオーバーコート剤を付与し、オーバーコート層を形成する工程と、
    を含む、画像の形成方法であって、
    前記インク層に含まれる一のドットに対応する前記インク層および前記オーバーコート層の膜厚と、
    前記インク層に含まれる他のドットに対応する前記インク層および前記オーバーコート層の膜厚と、を異なる厚みとして、
    形成された画像で反射された反射光の明度または反射強度のピークの高さおよび前記ピークの半値幅の大きさを、前記一のドットを含む領域と前記他のドットを含む領域とで異なる値とする、
    画像形成方法。
  8. 前記オーバーコート層を形成する工程は、前記オーバーコート剤をインクジェット法により前記インク層を構成する前記ドットの表面に付与して、前記付与されたオーバーコート剤により形成されたドットが集合してなるオーバーコート層を形成する工程である、
    請求項6または7に記載の画像形成方法。
  9. 前記オーバーコート剤の膜厚は、前記オーバーコート層を構成する前記ドットごとに独立して変化される、請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 前記オーバーコート剤は、活性光線硬化型のオーバーコート剤である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  11. 前記オーバーコート剤は、非光輝性の色材を含有する、請求項6〜10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  12. 前記一のドットおよび前記他のドットは、同一の基材の同一の表面に付与される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  13. 単位面積あたりに形成される前記ドットの数が異なる複数の領域を形成する、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  14. 複数個の前記一のドットが形成されて、複数個の前記一のドットにより発現された光沢を有する一の領域と、
    複数個の前記他のドットが形成されて、複数個の前記他のドットにより発現された光沢を有する他の領域と、
    を隣接して形成する、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  15. 前記光輝性顔料は、金属ナノ粒子である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成方法。

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