JP2016002729A - 記録方法およびプリンター - Google Patents

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Abstract

【課題】光輝性および耐擦性の双方に優れた光輝性画像を記録できる記録方法、およびこれを実現するためのプリンターを提供する。【解決手段】本発明に係る記録方法は、コート紙またはフィルムに対する、光輝性顔料インクと、実質的に色材を含まないクリアインクと、を用いた記録方法であって、前記光輝性顔料インクを記録する前に前記クリアインクを下塗りする工程(A)、および前記光輝性顔料インクの記録時に同一走査で前記クリアインクを記録する工程(B)、の少なくとも一方の工程と、前記光輝性顔料インク記録後に、前記クリアインクを上塗りする工程(C)と、を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、記録方法および該記録方法に用いられるプリンターに関する。
従来、記録媒体上に画像を記録する様々な方法が知られている。例えばインクジェット記録方法では、インクジェット記録用ヘッドのノズルから吐出させた微小なインク滴によって、記録媒体上に画像を記録する。
記録媒体上に記録された画像は、鮮明さや明瞭さ等の点から、良好な光沢性を備えていることが求められている。例えば特許文献1には、着色剤を含むインクおよび着色剤を含まないインクを用いて、記録媒体上の着色剤を含むインクが存在しない位置にのみ、着色剤を含まないインクを印刷することで、記録媒体上に均一な光沢性を備えた画像を記録できることが開示されている。
近年では、このような光沢性という性質の中でも、独特の意匠性を備えていることから、金属等の光沢により生じる光輝性を備えた画像が注目されている。例えば特許文献2や特許文献3には、光輝性顔料(例えば、真鍮、アルミニウム微粒子等から作製された金粉、銀粉)を含有する光輝性インクを用いて、光輝性画像を形成することが開示されている。
また、特許文献4や特許文献5には、金属顔料等の光輝性顔料を含むインクにより金属光沢を有する画像を形成し、当該画像を無色透明インクで保護することが開示されている。
特表2005−532924号公報 特開2008−174712号公報 特開2011−137164号公報 特開2010−18651号公報 特開2013−91761号公報
しかしながら、表面にカリオン、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の白色顔料と、ラテックス、でんぷんなどのバインダーを塗布したようなコート紙では、ミクロンオーダー凹凸が表面に形成されているため、光輝性顔料がリーフィングしても、メディアの凹凸の影響を受け、光の乱反射が発生し易い。そのため、良好な光輝性を有する画像が得られにくいという課題があった。また、無色透明インクによって得られた光輝性画像を被覆すると、無色透明インクのわずかな吸光特性や表面凹凸が影響し、さらに光輝性が低下すると共に、無色透明インクの被覆が不十分な場合は、十分な耐擦性が得られない場合もあった。
一方、ポリ塩化ビニルやPETのようなフィルム上に光輝性顔料インクを吐出して光輝性画像を形成すると、光輝性顔料インクに樹脂を添加した場合であっても、一般に無機物である光輝性顔料と樹脂との、硬度、線膨張係数の差から、良好な均一膜が形成されず、結果として耐擦性が不十分となりやすい。
以上のように、光輝性画像の良好な光輝性と、光輝性画像の耐擦性と、を両立させることは、従来の技術では困難であった。
本発明に係る幾つかの態様は、上記課題の少なくとも一部を解決することで、光輝性および耐擦性の双方に優れた光輝性画像を記録できる記録方法、および該記録方法に用いられるプリンターを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る記録方法の一態様は、
コート紙またはフィルムに対する、光輝性顔料インクと、実質的に色材を含まないクリアインクと、を用いた記録方法であって、
前記光輝性顔料インクを記録する前に前記クリアインクを下塗りする工程(A)、および前記光輝性顔料インクの記録時に同一走査で前記クリアインクを記録する工程(B)、の少なくとも一方の工程と、
前記光輝性顔料インク記録後に、前記クリアインクを上塗りする工程(C)と、を含むことを特徴とする。
適用例1の記録方法によれば、前記工程(A)および前記工程(B)の少なくとも一方の工程と、前記工程(C)と、を組み合わせることにより、光輝性および耐擦性の双方に優れた光輝性画像を記録することができる。
[適用例2]
適用例1の記録方法において、
前記光輝性顔料インク中に含まれる光輝性顔料の単位面積当たりの打ち込み重量を1としたときに、前記クリアインク中に含まれる樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量が、下記条件(1)および下記条件(2)を満たすことができる。
(1)前記工程(A)におけるクリアインク中の樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量および前記工程(B)におけるクリアインク中の樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量の合計量が、0.4以上2.7以下であること。
(2)前記工程(C)におけるクリアインク中に含まれる樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量が2.0以上10.5以下であること。
[適用例3]
適用例1または適用例2の記録方法において、
前記光輝性顔料インク中の樹脂が占める体積が、光輝性顔料が占める体積の0.6倍以上5倍以下であることができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか一例の記録方法において、
前記光輝性顔料インク中に含まれる樹脂の粒子径および/または前記クリアインク中に含まれる樹脂の粒子径が、前記光輝性顔料インク中に含まれる光輝性顔料の厚みの5〜20倍であることができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか一例の記録方法において、
前記光輝性顔料インク中の光輝性顔料の含有量が、0.5質量%以上2質量%以下であ
ることができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか一例の記録方法において、
前記クリアインク中の樹脂の含有量が、0.5質量%以上8質量%以下であることができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか一例の記録方法において、
前記光輝性顔料インクに含まれる光輝性顔料が、平板状であることができる。
[適用例8]
本発明に係るプリンターの一態様は、
メディアの種類に応じて、光輝性顔料インクとクリアインクの打ち込み量比率を調整するモードを備えることを特徴とする。
本実施の形態に係る記録方法に用いられるプリンターの構成を示す斜視図。 本実施の形態に係る記録方法に用いられるプリンターのノズル面を示す概略図。
以下に本発明の好適な実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。なお、以下の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.記録方法
本発明の一実施形態に係る記録方法は、コート紙またはフィルムに対する、光輝性顔料インクと、実質的に色材を含まないクリアインクと、を用いた記録方法であって、前記光輝性顔料インクを記録する前に前記クリアインクを下塗りする工程(A)、および前記光輝性顔料インクの記録時に同一走査で前記クリアインクを記録する工程(B)、の少なくとも一方の工程と、前記光輝性顔料インク記録後に前記クリアインクを上塗りする工程(C)と、を含むことを特徴とする。以下、クリアインク、光輝性顔料インク、装置構成、記録方法の各工程についてこの順に説明する。
1.1.クリアインク
本実施の形態に係る記録方法で使用されるクリアインクは、実質的に色材を含まない、透明性を有するインクである。なお、本発明において、「Aを実質的に含まない」とは、Aを添加する意義を十分に達成する量を超えて添加しない程度の意味である。「実質的に含まない」の具体例としては、たとえば1.0質量%以上含まない、好ましくは0.5質量%以上含まない、より好ましくは0.1質量%以上含まない、さらに好ましくは0.05質量%以上含まない、特に好ましくは0.01質量%以上含まない、一層好ましくは0.001質量%以上含まないことである。
本実施の形態に係る記録方法で使用されるクリアインクは、以下のような目的で使用されるため、樹脂を含有することが好ましい。
クリアインクは、工程(A)では下塗り層を形成する目的で使用される。下塗り層を形成することにより、記録媒体との密着性が向上すると共に、平滑な面が得られやすく、そ
の上に塗布される光輝性顔料が、平滑にリーフィングしやすくなる。また、下塗り層は、受容層としての機能を有しており、光輝性顔料インク中の樹脂成分との親和性が高いため、その上に塗布される光輝性顔料、ならびに樹脂成分が均一に塗れ広がり、結果として平坦な光輝性顔料のリーフィングが実現可能となる。これらにより、良好な光輝性を有する画像が得られやすい。したがって、工程(A)は、表面が凸凹しているようなコート紙等の記録媒体上に光輝性画像を記録する場合に特に好適である。
本実施の形態に係る記録方法で使用されるコート紙としては、表面にカリオン、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の白色顔料と、ラテックス、でんぷんなどのバインダーを塗布した塗工紙であれば特に制限されるものではない。
クリアインクは、工程(B)では光輝性顔料インクの記録時に同一走査で記録されることにより、樹脂の効果によって記録媒体との密着性が向上すると共に、光輝性顔料と樹脂とが密となる層が形成される。この樹脂間の隙間に光輝性顔料がリーフィングするため、良好な光輝性を有する画像が得られやすい。したがって、工程(B)は、元々平滑な面を有しているポリ塩化ビニルやPETのようなフィルム等の記録媒体上に光輝性画像を記録する場合に好適である。
本実施の形態に係る記録方法で使用されるフィルムとしては、例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等のプラスチック材料で構成された成形体が挙げられる。
クリアインクは、工程(C)では上塗り層を形成する目的で使用される。上塗り層を形成することにより、樹脂による皮膜が形成されるため、耐擦性が良好となる。
クリアインクに含まれる樹脂としては、例えばウレタン系樹脂、エステル系樹脂、フルオレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル系樹脂等の樹脂や、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。これらの中でも、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、フルオレン系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。また、光輝性の観点では、用いる樹脂エマルションの分散粒径は、膜の平坦性の観点から、より小さいことが望ましく、具体的には、分散粒径が100nm以下の樹脂、もしくは溶解タイプの樹脂を用いることが望ましい。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。上記の各工程で使用されるクリアインクには、同じ樹脂を使用してもよく、工程ごとに異なる樹脂を使用してもよい。
工程ごとに異なる樹脂を使用する場合、例えば工程(B)で使用されるクリアインクや光輝性顔料インクには、ガラス転移温度(Tg)が25℃未満の樹脂を使用することが好ましい。Tgが25℃未満の樹脂を使用することで、速やかに皮膜が形成されるので、光輝性顔料がリーフィングしやすくなり、良好な光輝性を有する画像が得られやすい。
一方、工程ごとに異なる樹脂を使用する場合、例えば工程(A)や工程(C)で使用されるクリアインクには、ガラス転移温度(Tg)が25℃以上の樹脂を使用することが好ましい。Tgが25℃以上の樹脂を使用することで、記録媒体と画像との密着性や画像の耐擦性が良好となりやすい。
クリアインク中の樹脂の含有量は、クリアインク中の全質量に対して、固形分換算で0.5質量%以上8質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。樹脂の含有量が上記範囲内、とりわけ下限値を下回らずにあることで、樹脂が十分に皮膜化するので、光輝性画像の耐擦性が一層良好となる。また、樹脂の含有量が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、樹脂により形成される皮膜が平坦となりやすく、画像の光輝性が一層良好となる。以下、クリアインク中に含まれ得る各成分について詳細に説明する。
1.1.1.樹脂
1.1.1.1.ウレタン系樹脂
ウレタン系樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて合成されるポリマーである。ウレタン系樹脂の合成は、公知の方法で実施できる。
ポリイソシアネートとしては、例えばテトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の鎖状の脂肪族イソシアネート;1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の環状構造を有する脂肪族イソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネートが挙げられる。ウレタン系樹脂を合成する際には、上記のポリイソシアネートは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリオールとしては、ポリエーテルポリオールおよびポリカーボネートポリオール等を挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、あるいは、ポリテトラメチレングリコール等のようなジオール類と、ホスゲン、ジメチルカーボネート等のジアルキルカーボネート、あるいは、エチレンカーボネート等の環式カーボネートとの反応生成物等が挙げられる。
ウレタン系樹脂を合成する際には、上記のポリオールは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ウレタン系樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が、−70℃以上80℃以下であるポリマーを用いることが好ましく、−20℃以上80℃以下であるポリマーを用いることがより好ましく、0℃以上70℃以下のポリマーを用いることが特に好ましい。ウレタン系樹脂のガラス転移温度が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、べた付きの少ないクリア画像を形成できる。また、ウレタン系樹脂のガラス転移温度が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、クリア画像が皮膜化しやすくなるので、画像の光輝性が一層低下しにくくなる。
上記ウレタン系樹脂は、クリアインク中に含まれる溶媒に溶解した状態で存在する溶液タイプであるものや、クリアインク中でウレタン系樹脂が粒子状となって分散したエマルションタイプであるものを用いることができる。これらの中でも、ウレタン系樹脂は、エマルションタイプであることが好ましい。エマルションタイプのウレタン系樹脂は、粒子状であるために、溶液タイプのウレタン樹脂と比較して、光輝性画像内に浸透しにくくなる。そのため、画像中の光輝性顔料は、ウレタン系樹脂に配列を乱されることが少なくなり、光輝性に優れた画像が得られやすい。
エマルションタイプの樹脂は、樹脂中に親水基等を導入して当該樹脂を分散させた自己乳化型と、界面活性剤等の乳化剤を用いて樹脂を分散させた強制乳化型と、に分類できる。これらの中でも、エマルションタイプのウレタン系樹脂は、当該ウレタン系樹脂に親水基が導入された自己乳化型であることが好ましい。自己乳化型のエマルションタイプのウレタン系樹脂は、強制乳化型のものに比べて、耐水性を一層高めることができる。
自己乳化型のエマルションタイプのウレタン系樹脂としては、例えばカルボキシル基の塩(例えば、カルボキシラート塩)構造を備えるウレタン樹脂や、カルボキシル基を有するウレタン樹脂、カーボネート骨格を有するウレタン樹脂、スルホン基を有するウレタン樹脂が挙げられる。
また、自己乳化型のエマルションタイプのウレタン系樹脂としては、市販品を使用することができ、例えばSF210(商品名、第一工業製薬株式会社製)、WBR−2018(商品名、大成ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
ウレタン系樹脂をエマルション状態で用いる場合において、ウレタン系樹脂の平均粒子径は、10nm以上135nm以下であることが好ましく、10nm以上110nm以下であることがより好ましく、20nm以上80nm以下であることが特に好ましい。ウレタン系樹脂の平均粒子径が上記範囲内、とりわけ下限値を下回らずにあることで、ウレタン系樹脂が光輝性画像内部に入り込んだり、光輝性画像内部を通過して記録媒体に接したりすることを低減できるので、光輝性画像を一層良好に被覆できる。また、ウレタン系樹脂の平均粒子径が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、樹脂により形成される皮膜が平坦となり、散乱光の発生を低減できるので、画像の光輝性が一層低下しにくくなる。
上記ウレタン系樹脂の平均粒子径は、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。このような粒度分布測定装置としては、例えば、周波数解析法としてヘテロダイン法を採用した日機装株式会社製の「マイクロトラックUPA」(商品名)が挙げられる。なお、本明細書では、「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指すものとする。
1.1.1.2.エステル系樹脂
エステル系樹脂は、ポリオールとポリカルボン酸とを重縮合させて得られるポリマーである。エステル系樹脂は、公知の方法で合成できる。
ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。エステル系樹脂を合成する際には、上記のポリオールは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ポリカルボン酸としては、例えばシュウ酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸等が挙げられる。エステル系樹脂を合成する際には、上記のポリカルボン酸は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−70℃以上80℃以下であることが好ましく、−20℃以上80℃以下であることがより好ましく、0℃以上70℃以下であることが特に好ましい。エステル系樹脂のガラス転移温度が上記範囲内にあることが好ましい理由は、上述したウレタン系樹脂と同様である。
エステル系樹脂は、クリアインク中に含まれる溶媒に溶解した状態で存在する溶液タイプであるものや、クリアインク組成物中でエステル系樹脂が粒子状となって分散したエマルションタイプであるものを用いることができる。これらの中でも、エステル系樹脂は、エマルションタイプであることが好ましい。エマルションタイプのエステル系樹脂が好ましい理由は、上述したウレタン系樹脂と同様である。
エマルションタイプのエステル系樹脂は、強制乳化型、自己乳化型のいずれのタイプも用いることができるが、上記のウレタン系樹脂と同様の理由から、自己乳化型であることが好ましい。
自己乳化型のエマルションタイプのエステル系樹脂としては、市販品を用いることができ、例えばEastek 1100、1300(以上、商品名、イーストマンケミカルジャパン社製)、エリーテル KZA−1449、KZA−3556(以上、商品名、ユニチカ株式会社製)等が挙げられる。
エステル系樹脂をエマルション状態で用いる場合において、エステル系樹脂の平均粒子径は、10nm以上135nm以下であることが好ましく、10nm以上110nm以下であることがより好ましく、20nm以上80nm以下であることが特に好ましい。エステル系樹脂の平均粒子径が上記範囲内であることが好ましい理由は、上述したウレタン系樹脂と同様である。エステル系樹脂の平均粒子径についても、上記ウレタン系樹脂と同様にして測定できる。
1.1.1.3.フルオレン系樹脂
フルオレン系樹脂は、フルオレン骨格を含有する第1のジオールおよび親水性基を有する第2のジオールを含むポリオール成分と、ポリイソシアネート化合物を含むポリイソシアネート成分と、を反応させることにより得ることができる。フルオレン系樹脂は、画像の光輝性を保持しつつ、耐擦性を向上させる機能に加えて、画像の耐光性および耐ガス性を向上できる点で好適である。
フルオレン骨格を含有する第1のジオールとしては、例えば9,9−ビス(4−(ヒドロキシメトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシトルイル)フルオレン、9,9−ビス(ヒドロキシアルキル)フルオレン等が挙げられる。なお、前記第1のジオールとしては、市販品を用いてもよく、例えばビスフェノキシエタノールフルオレン、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン(以上、商品名、大阪ガスケミカル株式会社製)等が挙げられる。
これらフルオレン骨格を含有する第1のジオールは、1種単独または2種以上を併用し
てもよく、好ましくは9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンが挙げられる。
また、フルオレン骨格を含有する第1のジオールは、フルオレン系樹脂に対して、例えば40〜60質量%の割合で配合することができる。フルオレン骨格を含有する第1のジオールの含有量が、上記の範囲であることで、耐擦性および透明性が良好となる。
第2のジオールは、親水性基を有することができる。親水性基としては、例えばポリオキシエチレン基などのノニオン性基や、カルボキシル基、スルホニル基、リン酸基およびスルホベタイン基などのイオン性基などが挙げられる。
カルボキシル基を有する第2のジオールの具体例としては、2,2−ジメチロール酢酸、2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸などのジヒドロキシルカルボン酸;リジン、アルギニンなどのジアミノカルボン酸などが挙げられる。
また、スルホニル基を有する第2のジオールの具体例としては、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、ジアミノブタンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、2,4−ジアミノ−5−トルエンスルホン酸などが挙げられる。
また、リン酸基を有する第2のジオールの具体例としては、2,3−ジヒドロキシプロピルフェニルホスフェートなどが挙げられる。
また、ベタイン構造含有基を有する第2のジオールの具体例としては、N−メチルジエタノールアミンなどの3級アミンと1,3−プロパンスルトンとの反応によって得られるスルホベタイン基含有化合物などが挙げられる。
さらに、第2のジオールとして、第2のジオールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドが付加されているアルキレンオキサイド変性体を挙げることもできる。
これら第2のジオールは、1種単独または2種以上を併用してもよく、好ましくは、カルボキシル基を有する第2のジオールが挙げられ、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸が挙げられる。
親水性基を有する第1のジオールは、フルオレン系樹脂に対して、例えば5〜15質量%の割合で配合することができる。フルオレン骨格を含有する第1のジオールの含有量が、上記範囲内にあると、耐擦性および透明性が良好となる。
第2のジオールは、フルオレン系樹脂の酸価が、10〜130KOHmg/g、好ましくは20〜60KOHmg/gとなるように配合することができる。
また、フルオレン系樹脂は、必要に応じて、ポリオール化合物を含ませることもできる。ポリオール化合物は、2つ以上の水酸基を有する化合物であって、低分子量ポリオールおよび高分子量ポリオールが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は、2つ以上のイソシアネート基を有する化合物、好ましくは2つのイソシアネート基を有する化合物であって、例えば脂肪族ポリイソシアネート、
脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート(3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート)、4,4’−、2,4’−または2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートもしくはその混合物などが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼンもしくはその混合物などが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば4,4’−、2,4’−または2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートもしくはその混合物、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネートもしくはその混合物、4,4’−トルイジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、ポリイソシアネート化合物としては、上記した各種ポリイソシアネート化合物の多量体(例えば、二量体、三量体など)や、例えば上記した各種ポリイソシアネート化合物あるいはその多量体と、水との反応により生成するビウレット変性体、アルコールまたは上記した低分子量ポリオールとの反応により生成するアロファネート変性体、炭酸ガスとの反応により生成するオキサジアジントリオン変性体、さらには上記した低分子量ポリオールとの反応により生成するポリオール変性体などが挙げられる。
これらポリイソシアネート化合物は、1種単独または2種以上を併用してもよく、好ましくは脂環族ポリイソシアネートが挙げられ、例えばイソホロンジイソシアネートが挙げられる。
そして、ポリオール成分(すなわち、フルオレン骨格を含有する第1のジオールと、親水性基を有する第2のジオールと、必要によりポリオール化合物)と、ポリイソシアネート成分(すなわち、ポリイソシアネート化合物)とを反応させるには、公知の方法でよく、例えばポリオール成分のドロキシ基に対するポリイソシアネート成分のイソシアネート基の当量比(NCO/ヒドロキシ基)が、例えば0.4〜1.0となる割合で配合することができ、好ましくは0.8〜0.95となる割合である。したがって、フルオレン系樹脂に対して、例えば30〜45質量%の割合で配合することができる。フルオレン骨格を含有する第1のジオールの含有量が、上記の範囲であることで、定着性および透明性に優れる。
フルオレン系樹脂としては、水不溶性樹脂(エマルジョン)、水溶性樹脂どちらの形態でも用いることができるが、水溶性樹脂の形態で用いることが好ましい。また、フルオレン系樹脂の重量平均分子量は3000〜20000の範囲であることが好ましく、5000〜15000であることがより好ましく、6000〜12000であることが特に好ましい。さらに、フルオレン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは0℃以上であり、より好ましくは0℃以上250℃以下、さらに好ましくは40℃以上250℃以下、より一層好ましくは80℃以上250℃以下、特に好ましくは120℃以上250℃以下である。
1.1.1.4.アクリル系樹脂
アクリル系樹脂は、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸もしくはメタクリル酸エステルの単独重合体;またはこれらの単量体と、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、塩化ビニリデン等との共重合体が挙げられる。なお、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれの形態でも用いることができる。
アクリル系樹脂としては、例えば大成ファインケミカル株式会社製の3MFシリーズ 3MF−309S、3MF−320、3MF−333、3MF−407、3MF−574、3MF−587;DIC株式会社製のアクリル系エマルジョン ボンコート40−418EF;高松油脂株式会社製のES−960MC;三井化学株式会社製のEPG1200が挙げられる。
1.1.2.ポリオレフィンワックス
クリアインクには、ポリオレフィンワックスを添加してもよい。ポリオレフィンワックスの機能の一つとしては、形成された皮膜の滑り性を高めることが挙げられる。これにより、上塗り層の耐擦性をより一層向上できる。
ポリオレフィンワックスとしては、特に限定されるものではなく、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンまたはその誘導体から製造されたワックスおよびそのコポリマーが挙げられる。ポリオレフィンワックスの具体例としては、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリブチレン系ワックス、パラフィン系ワックス等が挙げられる。これらのポリオレフィンワックスは、1種単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリオレフィンワックスは、市販品を用いることができ、例えば三井化学株式会社製のケミパール W4005(ポリエチレン系)等のケミパールシリーズや、ビックケミー・ジャパン株式会社製のAQUACER 513、515、531、552、840(以上、すべてポリエチレン系)、498、537、539(以上、すべてパラフィン系)等のAQUACERシリーズや、ハイテックE−7025P、ハイテックE-2213、ハイテックE-9460、ハイテックE-9015、ハイテックE−4A、ハイテックE−5403P、ハイテックE−8237(以上、東邦化学株式会社製)等のハイテックシリーズ、ノプコートPEM−17(サンノプコ社製、ポリエチレンエマルション、粒径40nm)等が挙げられる。これらは、常法によりポリオレフィンワックスを水中に分散させた水系エマルションの形態で市販されている。本実施の形態に係る記録方法で用いられるクリアインクにおいては、水系エマルションの形態のまま直接添加することができる。
ポリオレフィンワックスを含有する場合には、その含有量が、クリアインクの全質量に対して、固形分換算で0.05質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。ポリオレフィンワックスの含有量が上記範囲内にあると、画像の光輝性を保持しつつ、耐擦性を一層向上できる場合がある。
1.1.3.水溶性有機溶剤
クリアインクには、水溶性有機溶剤を添加してもよい。水溶性有機溶剤としては、例えば多価アルコール、ピロリドン誘導体が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらの多価アルコールは、クリアインクをインクジェット記録装置のノズル孔から吐出させる場合に、ノズル孔の目詰まりを低減させる効果がある。
ピロリドン誘導体としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
クリアインクが水溶性有機溶剤を含有する場合には、その含有量は、クリアインクの全質量に対して、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上45質量%以下であることがより好ましい。
1.1.4.界面活性剤
クリアインクには、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤は、クリアインクの表面張力や、クリアインクと接触するノズル等のプリンター部材との界面張力を適正な値に制御することができる。したがって、これをインクジェット記録装置に用いた場合、吐出安定性を高めることができる。また、記録媒体上で均一に濡れ拡げる効果を有する。
このような界面活性剤としては、特に限定されないがノニオン系界面活性剤であることが好ましい。ノニオン系界面活性剤の中でも、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤がより好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物等が好ましく用いられ、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。より詳しくは、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤として、例えばサーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上全て商品名、Air Products and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
なお、上記以外の界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、
両性界面活性剤等をさらに添加してもよい。
クリアインクが界面活性剤を含有する場合には、その含有量は、クリアインクの全質量に対して、0.05質量%以上2質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。
1.1.5.pH調整剤
pH調整剤としては、例えばリン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
1.1.6.水
クリアインクの主溶媒としては水が好適である。水は、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生が防止されるので好ましい。
1.1.7.その他の成分
クリアインクには、必要に応じて、防腐剤・防カビ剤、防錆剤、キレート化剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
1.2.光輝性顔料インク
1.2.1.光輝性顔料
本実施の形態に係る記録方法で使用される光輝性顔料インクは、光輝性顔料を含有する。光輝性顔料としては、記録媒体に付着されたときに光輝性を呈しうるものであれば特に限定されないが、例えばアルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、および銅からなる群より選択される1種または2種以上の合金(以下、「金属顔料」ともいう。)や、パール光沢を有するパール顔料を挙げることができる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。また、光輝性顔料は、水との反応を抑制するための表面処理が施されていてもよい。インクに光輝性顔料を含有させることで、優れた光輝性を有する画像を形成することができる。
光輝性顔料インクの形状は、球状、紡錘形状、針状等、いかなる形状のものであってもよいが、平板状であることが好ましい。卑金属顔料の形状が平板状である場合、光反射性が良好となるため、光輝性に優れた画像を記録することができる。
本発明において、「平板状」とは、所定の角度から観察した際(平面視した際)の面積が、当該観察方向と直交する角度から観察した際の面積よりも大きい形状のことをいい、特に、投影面積が最大となる方向から観察した際(平面視した際)の面積S[μm]と、当該観察方向と直交する方向のうち観察した際の面積が最大となる方向から観察した際の面積S[μm]に対する比率(S/S)が、好ましくは2以上であり、より好ましくは5以上であり、特に好ましくは8以上である。この値としては、例えば任意の10個の粒子について観察を行い、これらの粒子について算出される値の平均値を採用することができる。
光輝性顔料が平板状である場合において、光輝性顔料の平均粒子径は、0.25〜3μmであることが好ましく、0.25〜1.5μmであることがより好ましく、0.25μm以上1.0μm未満が特に好ましい。また、光輝性顔料の平均厚みは、1〜100nm
であることが好ましく、5〜50nmであることがより好ましい。光輝性顔料の平均粒子径及び平均厚みが上記範囲にあることで、リーフィングしやすくなるため、光輝性に優れた画像を記録することができる。
ここでいう平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて回折散乱光の光強度分布パターンを検出し、その光強度分布パターンを光散乱理論に基づいて計算することにより体積基準の粒度分布を求め、その粒度分布から算出された体積平均粒子径のことをいう。このようなレーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えばナノトラックUPA、マイクロトラックUPA(どちらも、日機装株式会社製)が挙げられる。
なお、平均厚みとは、透過型電子顕微鏡(TEM)または走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて卑金属顔料の側面画像を撮影し、10個の卑金属顔料の厚みをそれぞれ求め、それらを平均したものである。透過型電子顕微鏡(TEM)としては、日本電子株式会社製の型式「JEM−2000EX」等が、走査型電子顕微鏡としては、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の型式「S−4700」等がそれぞれ挙げられる。
光輝性顔料の含有量は、光輝性顔料インクの全質量に対して、0.5質量%以上2質量%以下が好ましく、0.8質量%以上1.5質量%以下がより好ましい。光輝性顔料の含有量が上記範囲内にあると、インクジェット記録装置のノズルからの吐出安定性、光輝性インクの保存安定性を優れたものとすることができる。
本実施形態に係る記録方法で使用される光輝性顔料インクは、上記光輝性顔料の中でも、金属顔料を用いることが好ましい。金属顔料は、記録される画像に優れた光輝性を付与することができるためである。
1.2.2.その他の成分
1.2.2.1.樹脂
本実施の形態に係る記録方法で使用される光輝性顔料インクには、樹脂を添加してもよい。光輝性顔料インクに樹脂を添加することで、樹脂の効果によって記録媒体との密着性が向上すると共に、光輝性顔料と樹脂とが密となる層が形成される。この樹脂間の隙間に光輝性顔料がリーフィングするため、良好な光輝性を有する画像が得られやすい。
樹脂の種類としては、上記のクリアインクで例示した樹脂が挙げられる。ここで、光輝性顔料インク中の樹脂が占める体積は、光輝性顔料が占める体積の0.6倍以上5倍以下であることが好ましく、0.7倍以上4倍以下であることがより好ましい。このような体積の関係を有することで、画像の良好な光輝性と耐擦性とを両立できる。なお、樹脂が占める体積が、光輝性顔料が占める体積の5倍以上であると、光輝性顔料間の距離が広くなりやすく、画像の光輝性が損なわれる場合がある。
また、光輝性顔料インク中に含まれる樹脂の粒子径および/またはクリアインク中に含まれる樹脂の粒子径は、光輝性顔料インク中に含まれる光輝性顔料の厚みの5〜20倍であることが好ましい。このような大きさの関係を有することで、光輝性顔料インクにおける光輝性顔料の分散性が良好となるため、良好な光輝性を有する画像が得られる。また、このような大きさの関係にあれば、光輝性顔料がもたらす光輝性を樹脂粒子が阻害する作用は小さいと考えられる。さらに、樹脂による耐擦性の付与効果がさらに向上すると考えられる。
1.2.2.2.その他の成分
本実施の形態に係る記録方法で用いられる光輝性顔料インクは、必要に応じて、クリアインクで説明した水溶性有機溶剤、界面活性剤、pH調整剤、水、防腐剤・防カビ剤、防
錆剤、キレート化剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。
なお、光輝性顔料インクは、主となる溶媒(光輝性顔料インク組成物の全質量に対して、例えば50質量%以上含まれる溶媒)が水である水系インクであってもよいし、主となる溶媒が有機溶媒(例えば、アルコール類、ケトン類、カルボン酸エステル類、エーテル類等)であるインクであってもよい。
1.3.装置構成
次に、本実施の形態に係る記録方法に適用可能なインクジェット記録装置(以下、単に「インクジェット記録装置」ともいう。)について、図1および図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。本実施の形態では、インクジェット記録装置としてインクジェットプリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例示する。なお、本発明はこの装置構成に限定されるわけではない。
図1は、本実施の形態に係る記録方法に適用可能なプリンター1の構成を示す斜視図である。図1に示すプリンター1は、シリアルプリンターである。シリアルプリンターとは、所定の方向に移動するキャリッジにヘッドが搭載されており、キャリッジの移動に伴ってヘッドが移動することにより記録媒体上に液滴を吐出するもののことをいう。
図1に示すように、プリンター1は、ヘッド2を搭載すると共にインクカートリッジ3を着脱可能に装着するキャリッジ4と、ヘッド2の下方に配設され記録媒体Pが搬送されるプラテン5と、キャリッジ4を記録媒体Pの媒体幅方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、記録媒体Pを媒体送り方向に搬送する媒体送り機構8と、を有するものである。また、プリンター1は、当該プリンター1全体の動作を制御する制御部CONTを有している。なお、上記媒体幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)である。上記媒体送り方向とは、副走査方向(主走査方向に直交する方向)である。
制御部CONTは、上述したキャリッジ4、ヘッド2、キャリッジ移動機構7、媒体送り機構8等の各動作の実行タイミング等を制御したり、連携させたりする実行動作を行うことができる。かかるCONTには、記録媒体の種類に応じて、クリアインクと光輝性顔料インクの打ち込み重量比率を調整するモードを搭載させることができる。上述したように、一般的にコート紙とフィルムでは、表面の凹凸状態が異なっており、インクの吸収性についても異なっている。例えばインク吸収性の低いフィルムでは、クリアインクの必要打ち込み重量が増大すると考えられる。一方、コート紙の場合、表面に凹凸が形成されているためアンカー効果が寄与し、またインクがコート紙に浸透する際、光輝性顔料が均一に表面に並ぶため、クリアインクの必要打ち込み重量がフィルムに比べて少なくてもよいと考えられる。このように、クリアインクと光輝性顔料インクの打ち込み重量比率を適宜調整するモードを備えることで、画像の光輝性や耐擦性、記録媒体との密着性が良好となる場合があるため、上記モードを搭載することが望ましい。
図2は、上記プリンター1のヘッド2のノズル面15を示す概略図である。図2に示すように、ヘッド2は、ノズル面15を備える。インクの吐出面でもあるノズル面15には、複数のノズル列16が配列されている。複数のノズル列16は、ノズル列毎にインクを吐出するためのノズル開口部17を複数有する。
ヘッド2は、インクを微小粒径の液滴にしてノズル開口部17から吐出して、記録媒体P上に付着させる。ヘッド2は、上記の機能を有すれば特に限定されず、どのようなインクジェット記録方式を用いてもよい。ヘッド2のインクジェット記録方式としては、例えばノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のイ
ンクを連続的に吐出させ、インクの液滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏光電極に与えて記録する方式またはインクの液滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して吐出させる方式(静電吸引方式);小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインクの液滴を吐出させる方式;インクに圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インクの液滴を吐出・記録させる方式(ピエゾ方式);インクを印刷情報信号にしたがって微小電極で加熱発泡させ、インク滴を吐出・記録させる方式(サーマルジェット方式)等が挙げられる。
複数のノズル列16は、ノズル列毎に、例えば異なる組成のインクを吐出可能になっている。図2の例では、ノズル列がインクの組成に対応して2列設けられており、各ノズル列が主走査方向に沿って配列されている。具体的には、クリアインクを吐出可能なノズル列16A、光輝性顔料インクを吐出可能なノズル列16Bからなる。図2の例では、ノズル列が2列の場合を示したが、これに限定されずノズル列を3列以上としてもよい。
図2の例では、ノズル列16A〜16Bは、それぞれ、ノズル面15上で主走査方向に対して交差する副走査方向に延びているが、これに限定されず、ノズル面15内で主走査方向に対して交差する方向に角度を与えられて配置されていてもよい。
ノズル開口部17は、所定のパターンで複数配列されることにより、ノズル列を形成する。本実施の形態では、ノズル開口部17は、ノズル面15における副走査方向に複数並べられて配置されているが、これに限定されず、例えばノズル面15における主走査方向と直交する方向に沿ってジグザグ状に配置されていてもよい。なお、ノズル列を構成するノズル開口部17の数は、特に限定されるものではない。
複数のノズル列16は、副走査方向に向かって、所定数のノズル開口部17を含む複数の領域に分割して用いることができる。図2の例では、ノズル列16A〜16Bは、副走査方向の上流側T1にある第1群と、該第1群よりも副走査方向の下流側T2にある第2群と、該第2群よりもさらに副走査方向の下流側T2にある第3群と、からなる。なお、1つの群を構成するノズル開口部17の数は、特に限定されるものではない。また、群を構成するノズル開口部17の数は、群毎に同一であっても、異なっていてもよい。また、ノズル列は、4分割以上して用いてもよい。
上述のようにシリアルヘッドタイプのプリンター(記録装置)を中心に説明したが、この態様に限定されない。具体的には、記録ヘッドが固定化され副走査方向に順に配列されているラインヘッドタイプのプリンター、特開2002−225255号公報に記載されたようなX方向、Y方向(主走査方向、副走査方向)移動する以降機構が設けられたヘッド(キャリッジ)を備えるラテラルタイプのプリンターであっても良い。例えば、surepressL−4033A(セイコーエプソン株式会社製)は、ラテラルタイプのプリンターである。
これらの中でも、シリアルヘッドのノズル列を分割して画像を記録する記録装置、若しくは、ラテラルタイプの記録装置を用いることが好ましい。これらを用いることで、光輝性インクとクリアインクとのインクセットを使用する場合には、クリアインクで下塗り層を形成する工程(工程(A))、光輝性顔料インクとクリアインクとを同一走査で記録する工程(工程(B))や、クリアインクで上塗り層を形成する工程(工程(C))を一の記録装置で行うことが容易になる。
1.4.記録方法の各工程
本実施の形態に係る記録方法は、上述のように、光輝性顔料インクを記録する前にクリアインクを下塗りする工程(A)、および光輝性顔料インクの記録時に同一走査でクリア
インクを記録する工程(B)、の少なくとも一方の工程と、光輝性顔料インク記録後に、クリアインクを上塗りする工程(C)と、を含む。以下、各工程について詳細に説明する。なお、本発明において「画像」とは、ドット(液滴)群から形成される印字パターンを示し、テキスト印字、ベタ印字も含める。
1.4.1.工程(A)
工程(A)は、光輝性顔料インクを記録する前にクリアインクを下塗りする工程である。
図1のプリンター1を用いた場合には、工程(A)は次のように行われる。まず、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら、ノズル列16Aのノズル開口部17からクリアインクの液滴を吐出させて、記録媒体上にクリアインクの液滴を付着させる。これにより、記録媒体上にクリアインクからなる透明な下塗り層が形成される。
この下塗り層は、記録媒体の全面を覆うように形成されてもよいし、一部を覆うように形成されていてもよい。ただし、工程(A)を実施する場合には、これ以降の工程において光輝性顔料インクの液滴を吐出させる領域には下塗り層が形成されている必要がある。
工程(A)を実施する場合には、次いで工程(B)を実施してもよく、光輝性顔料インクの液滴のみを記録媒体上に吐出する工程を実施してもよい。
この下塗り層を形成することにより、記録媒体との密着性が向上すると共に、平滑な面が得られ、その上に塗布される光輝性顔料がリーフィングしやすくなる。また、下塗り層は、受容層としての機能を有しており、光輝性顔料インク中の成分との親和性が高く、これが下塗り層に浸透することにより、その上に塗布される光輝性顔料がリーフィングしやすくなる。これらにより、良好な光輝性を有する画像が得られやすい。したがって、工程(A)は、表面が凸凹しているようなコート紙等の記録媒体上に光輝性画像を記録する場合に特に好適である。
1.4.2.工程(B)
工程(B)は、光輝性顔料インクの記録時に同一走査でクリアインクを記録する工程である。
図1のプリンター1を用いた場合には、工程(B)は次のように行われる。まず、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら、ノズル列16Aのノズル開口部17からクリアインクの液滴を吐出させると共に、ノズル列16Bのノズル開口部17から光輝性顔料インクの液滴を吐出させて、記録媒体上もしくは前記下塗り層にこれらの液滴を付着させる。これにより、記録媒体との密着性が向上すると共に、光輝性顔料と樹脂とが密となる混合層が形成される。この樹脂間の隙間に光輝性顔料がリーフィングするため、良好な光輝性を有する画像が得られやすい。したがって、工程(B)は、元々平滑な面を有している塩化ビニルやPETのようなフィルム等の記録媒体上に光輝性画像を記録する場合に好適である。
また、工程(B)で使用するクリアインクは、工程(A)で使用したクリアインクと同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。異なる組成である場合、工程(A)で使用されるクリアインクに含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)は、25℃以上であることが好ましい。一方、工程(B)で使用されるクリアインクに含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)は、25℃未満であることが好ましい。図1のプリンター1を用いる場合、ノズル16Aから吐出されるクリアインクとノズル16Cから吐出されるクリアインクとを別々の組成とすることで実施可能である。
工程(A)を実施する場合には、工程(B)は工程(A)の後に実施する。工程(A)を実施しない場合には、工程(B)を実施することにより記録媒体上に直接混合層が形成される。
なお、本発明における「光輝性」とは、例えば得られる画像の鏡面光沢度(日本工業規格(JIS)Z8741を参照。)によって特徴付けられる性質のことを指す。例えば、光輝性の種類としては、光を鏡面反射するような光輝性や、いわゆるマット調の光輝性などがあり、それぞれ、例えば鏡面光沢度の高低によって特徴付けることができる。
以上のように、本実施の形態に係る記録方法では、工程(A)および工程(B)の少なくとも一方の工程を含むことにより、記録媒体上との密着性に優れた光輝性画像を記録することができる。
1.4.3.工程(C)
工程(C)は、光輝性顔料インク記録後にクリアインクを上塗りする工程であり、本実施の形態に係る記録方法では必須工程である。
図1のプリンター1を用いた場合には、工程(C)は次のように行われる。上述のように光輝性顔料インクを用いて光輝性画像を記録した後に、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら、ノズル列16Aのノズル開口部17からクリアインクの液滴を光輝性画像上に吐出して、光輝性画像の表面を被覆する上塗り層を形成する。つまり、上塗り層と光輝性画像とは、互いに接触している。
また、上塗り層は、光輝性画像の全体を覆うことが望ましいが、光輝性画像の一部を覆うものであってもよい。また、上塗り層は、光輝性画像上において、連続した一の皮膜を形成していてもよいし、独立した2以上の膜を形成するものであってもよい。また、上塗り層は、光輝性画像の表面の少なくとも一部を被覆していれば、光輝性画像の形成されていない記録媒体上の領域に形成されてもよい。
本実施形態に係る記録方法における工程(C)では、クリアインクは、記録媒体上の光輝性顔料インクの液滴と混ざり合わないタイミングで吐出されることが好ましい。つまり、光輝性画像の表面を十分に乾燥させた後、光輝性画像の表面にクリアインクの液滴を付着させればよい。このようにすることで、光輝性画像中の光輝性顔料の配列の乱れを低減できるので、光輝性に一層優れた光輝性画像が得られる。
光輝性画像上に形成された上塗り層の膜厚は、0.1μm以上0.2μm以下であることが好ましい。上塗り層の膜厚が上記範囲内にあると、光輝性画像の光輝性を保ちつつ、耐擦性についても良好となりやすい。
1.4.4.記録方法の特徴
本実施の形態に係る記録方法において、光輝性画像に含まれる光輝性顔料の量は、10μg/inch以上100μg/inch以下であることが好ましい。光輝性画像に含まれる光輝性顔料の量が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、光輝性画像の光輝性が優れたものとなる。また、光輝性画像に含まれる光輝性顔料の量が上限値を超えると、光輝性がそれ以上向上せず平衡状態になるため、これ以上光輝性顔料が含まれていても光輝性の向上をほとんど望めない。そのため、光輝性画像に含まれる光輝性顔料の量が100μg/inch以下であることで、光輝性インクの使用量を節減することができる。
光輝性画像に含まれる光輝性顔料の量(μg/inch)とは、光輝性画像の単位面積あたりに含まれる光輝性顔料の量のことをいい、例えば光輝性画像を形成するために使用した光輝性インクの総吐出量に占める光輝性顔料の含有量(μg)を、光輝性画像の面積(inch)で除することで求められる。
本実施の形態に係る記録方法では、各工程におけるクリアインクの打ち込み重量が、工程(C)>工程(A)>工程(B)とすることにより、画像の光輝性と耐擦性との良好なバランスを図ることができる。クリアインクの打ち込み重量を、工程(B)よりも工程(A)の方が多くなるようにすることで、下塗り層の平坦性が良好となり、光輝性顔料のリーフィングが良好となりやすい。その結果、画像の光輝性が良好となる。クリアインクの打ち込み重量を、工程(A)よりも工程(C)の方が多くなるようにすることで、光輝性画像の耐擦性が良好となり、光輝性画像がくすんだりせずに良好な光輝性が得られやすい。なお、本実施の形態に係る記録方法では、各工程におけるクリアインクの打ち込み重量が、工程(C)>工程(A)+工程(B)とすることにより、画像の光輝性と耐擦性とのバランスがより良好となる。
また、本実施の形態に係る記録方法では、下記条件(1)および下記条件(2)を満たすことにより、画像の光輝性と耐擦性とのバランスがさらに良好となる。
すなわち、光輝性顔料インク中に含まれる光輝性顔料の単位面積当たりの打ち込み重量を1としたときに、クリアインク中に含まれる樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量が、(1)前記工程(A)におけるクリアインク中の樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量および前記工程(B)におけるクリアインク中の樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量の合計量が、0.4以上2.7以下であること。
(2)前記工程(C)におけるクリアインク中に含まれる樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量が2.0以上10.5以下であること。
1.4.5.ノズルの分割使用
本実施形態に係る記録方法は、ノズル列を所定数のノズル開口部を含む群毎に分割する態様を好ましく用いることができる。以下、ノズル列を分割して使用する場合の記録方法について、図2を参照しながら説明する。
図2で示すように、ノズル列16A〜16Bは、副走査方向の上流側T1にある第1群と、該第1群よりも副走査方向の下流側T2にある第2群と、該第2群よりも副走査方向の下流側T3にある第3群と、に3分割して使用する。なお、上述したクリアインクを1種類だけ使用する場合には、ノズル列を2分割して用いることもできる。
まず、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら、第1ノズル列16Aの第1群からクリアインクの液滴を吐出させて、記録媒体P上にクリアインクの液滴を付着させる(工程(A))。これにより、記録媒体P上にクリアインクからなる下塗り層が形成される。
次に、副走査方向の下流側T2方向に、副走査方向の第1群の長さ分だけ記録媒体Pを移動させる。そして、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら、第2ノズル列16Bの第2群から光輝性顔料インクの液滴を吐出させ、もしくは第2ノズル列16Aの第2群からクリアインクの液滴および第2ノズル列16Bの第2群から光輝性顔料インクの液滴を吐出させて(工程(B))、記録媒体Pに形成した下塗り層上に光輝性顔料インクの液滴を付着させる。これにより、第1光輝性画像が得られる。
その後、副走査方向の下流側T2方向に、副走査方向の第2群の長さ分だけ記録媒体Pを移動させる。そして、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら、第1ノズル列16
Aの第3群からクリアインクの液滴を吐出させて、第1光輝性画像上にクリアインクの液滴を付着させる。これにより、第1光輝性画像上に上塗り層の形成された第1光輝性画像が得られる。
なお、第2ノズル列16Bの第2群から光輝性顔料インクの液滴を吐出させて第1光輝性画像を形成する際(キャリッジ4の同一走査時)に、第1ノズル列16Aの第1群からクリアインクの液滴を再度吐出させて、記録媒体上の下塗り層が形成されていない部分(第1光輝性画像の副走査方向の上流側)に下塗り層を形成することができる。そして、第1光輝性画像を上塗り層で被覆する際(キャリッジ4の同一走査時)に、第2ノズル列16Bの第2群から光輝性顔料インクの液滴を再度吐出させて、記録媒体P上に光輝性顔料インクの液滴を付着させることができる。これにより、第1光輝性画像が記録されていない部分(第1光輝性画像の副走査方向の上流側)には、第2光輝性画像が形成される。その後(つまり、第1光輝性画像の上塗り層の形成後)、副走査方向の下流側T2方向に、副走査方向の第3群の長さ分だけ記録媒体Pを移動させて、第1ノズル列16Aの第3群からクリアインクの液滴を吐出させて、第2光輝性画像上にクリアインクの液滴を付着させることによって、第2光輝性画像上(第2樹脂膜上)に上塗り層が形成された第2光輝性画像が得られる。
このような動作を繰り返すことにより、記録媒体上に光輝性画像を形成することができる。なお、本実施の形態に係る記録方法において、工程(B)および工程(C)とする場合には、混合層と上塗り層を形成すればよいので、ノズル列を2分割とすることができる。
本実施の形態に係る記録方法は、ノズル列を分割して使用することによって、記録の高速化を図ることができる。また、ノズル列を分割して使用すると、記録媒体のバックフィードを行わない、もしくは記録媒体のバックフィードの回数を減らすことができる。これにより、記録媒体のバックフィードによって生じやすい印刷位置のずれを低減できる。
2.実施例
以下、本発明を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
2.1.光輝性顔料インクの調製
2.1.1.アルミニウム粒子分散液の調製
まず、表面が平滑なポリエチレンテレフタレート製のフィルム(表面粗さRaが0.02μm以下)を用意した。
次に、このフィルムの一方の面の全体にシリコーンオイルを塗布した。このシリコーンオイルを塗布した面側に、蒸着法を用いてアルミニウムで構成された膜(以下、単に「アルミニウム膜」ともいう。)を形成した。
次に、アルミニウム膜が形成されたフィルムを、ジエチレングリコールジエチルエーテル中に入れ、超音波を照射することにより、フィルムからアルミニウム膜を剥離・粉砕した。次に、これをホモジナイザーに投入し約8時間粉砕処理することにより、平板状のアルミニウム粒子の分散液を得た。この分散液中におけるアルミニウム粒子の濃度は10質量%であった。
次に、上記のようにして得られたアルミニウム粒子を含む分散液100質量部に対して、ジエチレングリコールジエチルエーテルを100質量部添加し、アルミニウム粒子の濃度を5質量%に調整後、アルミニウム粒子100質量部に対して2−(パーフルオロヘキ
シル)エチルホスホン酸を20質量部加え、液温55℃で、3時間超音波を照射しながら、アルミニウム粒子の表面処理を行った。その後、遠心分離機(10000rpm×30分)にて表面処理されたアルミニウム粒子を遠心沈降させ、その上澄み部分を廃棄した。そこに、フッ素系界面活性剤(DIC株式会社製、製品名「メガファックF−553」)1.5質量%、水28.5質量%、プロピレングリコール65質量%を加え、さらに超音波を照射することにより表面処理されたアルミニウム粒子を再分散させて、アルミニウム粒子を5質量%含有する分散液を得た。この分散液中におけるアルミニウム粒子の平均粒子径は0.8μm、平均厚みは10nmであった。
次に、上記で得られたアルミニウム粒子を含有する分散液を70℃に加温して、その温度を6日間維持することにより、十分にアルミニウム粒子表面を処理した。
最後に、このアルミニウム粒子を含有する分散液にヘキシレングリコールと水との混合物を加えて、超音波で撹拌処理することにより、以下の組成を有するアルミニウム粒子分散液を得た。
<アルミニウム粒子分散液の組成>
・アルミニウム粒子(固形分) 1.20質量%
・プロピレングリコール 15.60質量%
・ヘキシレングリコール 50.00質量%
・水 32.84質量%
・メガファック553 0.36質量%
2.1.2.インクの調製
上記で得られたアルミニウム粒子分散液を遠心分離機にかけて、アルミニウム粒子を遠心沈降させ、その上澄み部分を廃棄した。そこに、プロピレングリコール28質量%、ヘキシレングリコール12質量%、シリコーン系界面活性剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、製品名「BYK−348」)0.4質量%、樹脂、残りが水となるように各々添加した後、超音波を照射してアルミニウム粒子を再分散させた。そこに、トリエタノールアミンを添加してpHを8.5に調整することにより、表1に記載の組成を有する光輝性顔料インクMa〜Mcを得た。
Figure 2016002729
表1に記載の各成分は、以下の通りである。なお、表1に記載のアルミニウム顔料およ
び樹脂の含有量は、固形分換算した値である。
・ウレタン系樹脂(商品名「W−1005E」、宇部興産株式会社製、平均粒子径69nm、Tg:−44℃)
・BYK348(商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製、ポリシロキサン系界面活性剤)
2.2.クリアインクの調製
表2に記載の各成分を混合・攪拌して、孔径5μmのメンブランフィルターにて濾過してゴミや粗大粒子等の不純物を除去することにより、クリアインクCa〜Ccを調製した。
Figure 2016002729
表2に記載の各成分は、以下の通りである。なお、表2に記載の樹脂およびワックスの含有量は、固形分換算した値である。
・フルオレン系樹脂(後述する製造方法により得られたもの。水溶性樹脂、重量平均分子量:3300)
・アクリル系樹脂(商品名「EPG1200」、三井化学株式会社製、平均粒子径41nm、Tg:75℃以上)
・パラフィンワックス(商品名「AQUACER513」、ビックケミー・ジャパン株式会社製、平均粒子径150nm)
なお、フルオレン系樹脂としては、以下のようにして合成したものを用いた。フルオレン系樹脂は、イソホロンジイソシアネート30質量部、4,4’−(9−フルオレニリデン)ビス[2−(フェノキシ)エタノール]50質量部、3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピオン酸100質量部、トリエチルアミン30質量部を量りとり十分に混合した後、触媒存在下120℃で5時間撹拌することにより合成した。得られたフルオレン系樹脂は、4,4’−(9−フルオレニリデン)ビス[2−(フェノキシ)エタノール]をモノマー構成比率略50質量%含有する、分子量3300の樹脂であった。
2.3.評価方法および結果
評価1では、上記の光輝性インク、樹脂インクをそれぞれ充填したカートリッジをインクセットとして、これを搭載したインクジェットプリンターPX−G930(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いた。
2.3.1.評価サンプルの作製
実施例1〜実施例9および比較例1〜2の評価サンプルは、以下のようにして作製した。まず、インクジェットプリンターPX−G930(セイコーエプソン株式会社製、ノズル解像度:180dpi)専用のインクカートリッジに、上記で得られた光輝性顔料インクおよびクリアインクをそれぞれ表3に記載のインク種となるように1種類ずつ充填して、当該インクカートリッジを上記のプリンターに装着した。
次いで、プリンターのノズル開口部から表3に記載の条件で光輝性インクおよびクリアインクの液滴を吐出させて、記録媒体上に光輝性画像を有する評価サンプルを作製した。なお、光輝性画像および樹脂膜の記録は、画像解像度1440dpi×1440dpiで行った。
記録媒体には、以下の3種類の記録媒体を使用した。
・PGPP(商品名、セイコーエプソン株式会社製、EPSON写真用紙)
・NPコート(商品名、リンテック株式会社製、アート紙)
・PET50A(商品名、リンテック株式会社製、ポリエステル透明)
2.3.2.評価試験
(1)光沢性(光輝性)
上記のようにして得られた各評価サンプルを目視にて観察して、メタリック感(すなわち、光輝性)の評価を行った。その評価結果を表3に併せて示す。なお、評価基準は以下の通りである。
A:鏡面光沢(写像性)のあるメタリック感。
B:鏡面光沢はないが、金属感がある。
C:金属感はなく、灰色に見える。
(2)耐擦性
上記のようにして得られた各評価サンプルにつき、JIS K5701(ISO 11628)に準じて、学振式摩擦堅牢度試験機(テスター産業株式会社製、商品名「AB−301」)を用いて耐擦性の評価を行った。すなわち、評価用サンプルの被記録面に金巾を載せ、荷重をかけて擦り、擦った後の評価サンプルの被記録面の剥離状態を目視にて観察した。その評価結果を表3に併せて示す。なお、評価基準は以下のように記録媒体毎に変えている。
<記録媒体:PGPPの場合>
A:荷重200gで50往復擦っても傷が目立たない。
B:荷重200gで25往復擦っても傷が目立たない。
C:荷重200gで数回擦るだけで傷が目立つ。
<記録媒体:NPコート、PET50Aの場合>
A:荷重500gで100往復擦っても傷が目立たない。
B:荷重500gで50往復擦っても傷が目立たない。
C:荷重500gで数回擦るだけで傷が目立つ。
2.3.3.評価結果
各評価試験の結果を表3に示す。
Figure 2016002729
実施例1〜実施例9に係る評価サンプルは、いずれも、光輝性に優れ、かつ、耐擦性、にも優れた光輝性画像を備えたものであった。一方、比較例1〜比較例2に係る評価サンプルは、画像の光輝性および耐擦性のいずれか一方が優れず、両立できなかった。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…プリンター、2…ヘッド、3…インクカートリッジ、4…キャリッジ、5…プラテン、7…キャリッジ移動機構、8…媒体送り機構、15…ノズル面、16A,16B…ノズル列、17…ノズル開口部

Claims (8)

  1. コート紙またはフィルムに対する、光輝性顔料インクと、実質的に色材を含まないクリアインクと、を用いた記録方法であって、
    前記光輝性顔料インクを記録する前に前記クリアインクを下塗りする工程(A)、および
    前記光輝性顔料インクの記録時に同一走査で前記クリアインクを記録する工程(B)、の少なくとも一方の工程と、
    前記光輝性顔料インク記録後に、前記クリアインクを上塗りする工程(C)と、を含むことを特徴とする、記録方法。
  2. 前記光輝性顔料インク中に含まれる光輝性顔料の単位面積当たりの打ち込み重量を1としたときに、前記クリアインク中に含まれる樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量が、下記条件(1)および下記条件(2)を満たす、請求項1に記載の記録方法。
    (1)前記工程(A)におけるクリアインク中の樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量および前記工程(B)におけるクリアインク中の樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量の合計量が、0.4以上2.7以下であること。
    (2)前記工程(C)におけるクリアインク中に含まれる樹脂の単位面積当たりの打ち込み重量が2.0以上10.5以下であること。
  3. 前記光輝性顔料インク中の樹脂が占める体積が、光輝性顔料が占める体積の0.6倍以上5倍以下である、請求項1または請求項2に記載の記録方法。
  4. 前記光輝性顔料インク中に含まれる樹脂の粒子径および/または前記クリアインク中に含まれる樹脂の粒子径が、前記光輝性顔料インク中に含まれる光輝性顔料の厚みの5〜20倍である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の記録方法。
  5. 前記光輝性顔料インク中の光輝性顔料の含有量が、0.5質量%以上2質量%以下である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の記録方法。
  6. 前記クリアインク中の樹脂の含有量が、0.5質量%以上8質量%以下である、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の記録方法。
  7. 前記光輝性顔料インクに含まれる光輝性顔料が、平板状である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の記録方法。
  8. メディアの種類に応じて、光輝性顔料インクとクリアインクの打ち込み量比率を調整するモードを備えたプリンター。
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