JP2008213151A - インクジェットプリント製品及びその製造方法並びに前記インクジェットプリント製品を用いたサンドブラスト工芸品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】質感を維持しつつ耐久性の優れたインクジェットプリント製品及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】プリント基材10の上に画像形成層11を有するインクジェットプリント製品Pである。プリント基材10と画像形成層11との間にUV硬化型透明接着剤からなる透明下地層12が介在され、かつ、画像形成層11の上には、UV硬化型透明接着剤からなる透明被覆層13が付与されている。
【選択図】図1

Description

本発明はプリント基材の質感が生かされたUV硬化型プリンタを用いたインクジェットプリント製品及びその製造方法並びに前記インクジェットプリント製品を用いたサンドブラスト工芸品の製造方法に関する。
UV硬化型インクを用いたインクジェットプリンタは、プリントと同時にインクを硬化させるため、乾燥時間を必要としないほか、溶剤を必要としないので作業環境的にも優れているということでその需要が近年急速に増大しつつある。
従来、ガラス、タイル、金属板などの平滑性基材にこのようなインクジェットプリンタにより文字又は模様を印刷しようとすると、UV硬化型インクと平滑性基材との接着性が弱く、結果として爪等により画像形成層であるコーティング部分が削り取られ、耐久性がないインクジェットプリント製品となるという課題があった。
このため、例えば、市販のインクジェットプリンタを用いたコーティングシステムでは、このような平滑性基材にプリントするに際しては付属のUVコーティングシステムにより前/後加工をすることが推奨されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
非特許文献1に記載のコーティングシステムを用いる場合には、図10に示すように、平滑性基材1の全面に、前工程として透明樹脂からなるプライマー層2が付与され、プライマー層2の上にパターン状の画像形成層3が付与される。そして、後工程として、画像形成層3を含む平滑性基材1の全面に亘って透明樹脂からなるオーバーコート層4が付与されてプリント製品Pが得られている。そして、このようなプリント製品Pは、画像形成層3がプライマー層2及びオーバーコート層4により上下面から挟み込まれて被覆されているので、画像形成層3の耐久性は良好である。
また、特許文献1に記載の写真装飾方法によれば、ガラス面の全面にスプレー塗装によりプライマー層及びアンダーコート層を付与した後に、インクジェットプリンタによる印刷が行われ、その上にトップコート層が同様にスプレー塗装により付与されている。これにより、大略、図10に示すプリント製品Pと同様な構造のプリント製品が得られ、印刷部分がプライマー層及びアンダーコート層からなる下層とトップコート層により上下面から挟み込まれて被覆されているので、印刷部分の耐久性は良好である。
特開2004−34675号公報 日本オセ株式会社カタログ、UVインクフラットベッドプリンタ、Oce Arizona T220UV
しかしながら、従来のプリント製品Pでは、プライマー層2及びオーバーコート層4は平滑性基材1の全面にわたって付与されているので、画像形成層3が付与されていない部分(非画像形成部分)5にもプライマー層2,オーバーコート層4(又はプライマー層、アンダーコート層、トップコート層)が付与されることにより平滑性基材1の表面が直接露出することなく、平滑性基材1の質感が損なわれるという課題が発生している。
そこで、本発明は、質感を維持しつつ耐久性の優れたインクジェットプリント製品及びその製造方法を提供することを目的とする。
一般に、UV硬化型インクジェットプリンタ用のインクは、細いインクノズルから所定量のインクを高精度、かつ定量的に吐出する必要があり、このためにインクの濃度は5cps〜20cps程度の低粘度が必要とされている。また、UV硬化型インクは、UV硬化型樹脂に顔料を混合させて調整されている。ここで、UV硬化型樹脂に顔料を混合させると一般にUV硬化型樹脂の粘度が増大する。このため、インクジェットプリンタ用としての最適の粘度を維持させた汎用のUV硬化型インクでは、ガラス、陶器、金属板などへの印刷を行うには接着力が不十分であるという課題がある。
本発明者等は、顔料を実質的に混入させないクリア(透明)なUV硬化型樹脂は、インクジェットプリンタ用のインクとしての所望の粘度を維持しつつ、高い接着力を発揮させ、さらに好都合には耐傷性にも優れるという特性を有していることに着目した。そして、このような樹脂により画像形成層を包み込めば画像形成層に用いるインクとしての耐久性や接着性が不十分な汎用のインクの接着性を高められ、しいてはガラス、タイル、金属板などの平滑性基材に対しての接着力や、画像形成層の耐傷性を高められるのではないかと考えた。
さらに本発明者等は、インクジェット用プリンタによれば、ヘッドの送り方向のギャップ(ヘッドtoヘッド)と左右描画方向の位置合わせを自動的に、かつ、精確に行えること、また、駆動パルス等をソフト的に変化させるという簡易な手段により吐出させるべきインクの吐出量を自由に制御できることに着目した。これにより、このような機能を備えたインクジェットプリンタを用いれば、画像形成層に付与されるインクの吐出量と、包み込むべきインクの吐出量とを自由に制御できるので、画像形成層を形成するインクをUV硬化型透明接着剤により所望の形態で包み込むことが可能であると考えた。
すなわち、本発明は、プリント基材と、該プリント基材の上に画像形成層を有するインクジェットプリント製品であって、前記プリント基材と前記画像形成層との間にUV硬化型透明接着剤からなる透明下地層が介在され、かつ、該画像形成層の上には、UV硬化型透明接着剤からなる透明被覆層が付与されていることを特徴とするインクジェットプリント製品(以下、第1の発明ということがある。)である。
また、本発明は、UV硬化型インクを用いるインクジェットプリンタを用いてプリント基材の上に画像をプリントすることによりインクジェットプリント製品を製造する方法において、プリント基材の上に画像形成層と略同一のパターンを形成するUV硬化型透明接着剤からなる透明下地層を付与する下地層付与工程、該透明下地層の上にUV硬化型インクからなる画像形成層を付与する画像形成層付与工程、UV硬化型透明接着剤からなる透明被覆層を前記画像形成層の上に略同一パターンで形成させる透明被覆層付与工程を順次行うことを特徴とするインクジェットプリント製品の製造方法(以下、第1の発明の方法ということがある。)である。
実質的に透明なUV硬化型接着剤(UV硬化型透明接着剤)であれば、例えば、接着強さを30Kg/cm2以上に保持しつつ粘度を5cps〜20cpsに維持することができる。これにより、このようなUV硬化型透明接着剤を画像形成層とプリント基材との間に介在させる透明下地層として採用すれば、画像形成層はUV硬化型透明接着剤により平滑性基材と接着されているので、UV硬化型透明接着剤の高い接着性によりプリント基材との接着性が良好となる。
さらに本発明によれば、UV硬化型透明接着剤からなる透明被覆層が画像形成層の上に略同一パターンで形成されているので、画像形成層の耐傷性を向上させることができる。これは、UV硬化型透明接着剤では、例えば、鉛筆高度で3H以上、場合によっては4H以上の塗膜を容易に形成できるためである。
さらに本発明によれば、画像が形成されていない非画像形成部分は透明下地層、画像形成層などの樹脂成分は付与されていないので、プリント基材が有する質感をそのまま維持することができる。
これにより、本発明に従えば、質感を維持しつつ耐久性の優れたインクジェットプリント製品及びその製造方法を提供することができる。
さらに、本発明に従うインクジェットプリント製品及びその製造方法によれば、画像形成層と略同一パターンのみにインク及び接着剤が付与されるので、同一素材に複数回のプリントを繰り返すことがインクジェットプリント製品の高価値化を付与させる上で有利に作用する。例えば、部分的につや消し調を有するインクジェットプリント製品、又は部分的に光沢調を有するインクジェットプリント製品、又はつや消し調及び光沢調の混在されたインクジェットプリント製品、さらには曇り度(又は光沢度)にグラデーションを付与することもできる。
さらに、画像形成層を複層付与することなどにより、厚みを変えたインクジェットプリント製品を容易に得ることもできる。
また、以上説明の第1の発明に係るインクジェットプリント製品では、画像が形成されていない非画像形成部分は透明下地層、画像形成層などの樹脂成分は付与されていないので、さらに別の応用が期待される。すなわち、第1の発明に係るインクジェットプリント製品の非画像形成部分又は第1の発明に係るインクジェットプリント製品で非画像形成部分と予定する部分(これを含めて非画像形成部分という。)には、公知の他の加工を施すことができる。
この点、本発明者等が本出願と同日に出願する発明は、感度が優れているということを除いては、基本的にUV硬化型透明接着剤をインクとして用いているので、第1の発明に用いると同一の基材に対して適用可能であるという特徴を備える。その発明は、透明被覆層を形成する接着剤を瞬時に硬化させることにより、仕上げ面を乱反射させて曇り度を増大(光沢度を減少)させるの発明(以下、第2の発明の方法ということがある。)である。そして、この第2の発明の方法は、UV硬化型透明インクの感度、UV硬化型透明インクの塗布量、UV硬化型透明接着剤の吐出時に照射されるUV照射光量の少なくとも一つを調整することにより、塗膜に微細な凹凸を付与することにより、表面をサンドブラスト調又はマット調面とする発明である。
すなわち、第2の発明の方法は、第1の発明に係るインクジェットプリント製品の非画像形成部分又は第1の発明に係るインクジェットプリント製品で非画像形成部分と予定する部分に向けて、インクジェットプリンタのノズルからUV硬化型透明接着剤からなるUV硬化型インクを基材の表面に吐出すると同時に紫外線を照射させてUV硬化型透明インクを曇りガラス調に硬化させて前記基材の表面にサンドブラスト調の塗膜を形成させることを特徴とするサンドブラスト調工芸品の製造方法である。
このように構成すれば、部分的にサンドブラスト調を備え、かつ質感を維持しつつ耐久性の優れたインクジェットプリント製品であって、高精細なサンドブラスト調工芸品としての特徴を有するインクジェットプリント製品を提供することができる。
すなわち、第1の発明又は第2の発明の方法は、同一のインクジェットプリンタを用いて製造できるという特徴を備えている。それ故、同一のインクジェットプリンタを用いれば、位置合わせが精確に行えるので、イメージを重ねてプリントする回数をソフト的に選択することにより、プリントする回数を適宜設定することができる。
これにより、例えば、第1の発明と第2の発明とを併用するインクジェットプリント製品の製造方法によれば、同一基材に複数回のプリントを繰り返すことがインクジェットプリント製品の高価値化を付与させる上で有利に作用する。
実質的に透明なUV硬化型接着剤(UV硬化型透明接着剤)であれば、例えば、硬化スピード(硬化させるに必要な紫外線照射量)を通常の1000−2000mj/cm2程度を、500mj/cm2以下、例えば、250mj/cm2程度へと高感度にさせつつ粘度を5cps〜20cpsに維持することができる。さらに、このようなUV硬化型透明接着剤は30Kg/cm2以上という、強い接着強さ(ガラス/SUSの引張接着力)を有している。以下、このような第2の発明で用いる高感度なUV硬化型透明接着剤を単に、高感度UV硬化型透明接着剤ということがある。
このような高感度UV硬化型透明接着剤をUV硬化型インクジェットプリンタのインクとして採用すれば、基材面に付与されたインクは、瞬時に硬化して、基材面に微細な凹凸面を付与させる。
接着剤の塗布量を増減させたり、UV照射光量を調整することにより塗膜面の微細な凹凸形状を調整させることにより、曇り度を段階的又は無段階に調整することもできる。
すなわち、接着剤の塗布量を多くすることにより曇り度を増大(光沢度を減少)させることができる。また、UV照射光量を増大させることにより曇り度を増大(光沢度を減少)させることができる。さらに、UV硬化型透明接着剤として感度の優れたものを用いることにより曇り度を増大(光沢度を減少)させることができる。
これにより、第2の発明に係るサンドブラスト調工芸品は、塗膜の曇り度又は光沢度を調整することが容易となり、高級感を増大させることができる。
さらに第2の発明にかかる高感度UV硬化型透明接着剤は、耐傷性が良好であり、例えば、鉛筆高度で3H以上、場合によっては4H以上の耐傷性を備えている。
さらに、第2の発明に従うガラス工芸品の製造方法によれば、インクジェットプリントによる印刷であるので、一般的な印刷と本発明に従うサンドブラスト調工芸品の製造方法を組み合わせて使用することもできる。すなわち、同一機種のインクジェットプリンタを用いれば、位置合わせなどを自動調整させることにより、同一素材に複数回のプリントを繰り返すことで製品の高価値化を付与させる上で有利に作用する。
例えば、部分的にサンドブラスト調加工を施したインクジェットプリント製品など、通常のインクジェットプリント製品が混在されたインクジェットプリント製品とすることもできる。
さらに、サンドブラスト調仕上げ層を複層付与することなどにより、厚みを変えたインクジェットプリント製品を容易に得ることもできる。
本発明に従えば、質感を維持しつつ耐久性の優れたインクジェットプリント製品及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明に従えば、上記発明の作用効果に加え、インクジェットプリント製品であって、表面に傷を付けることがなく、かつ、簡易に高精細なサンドブラスト調工芸品を提供することができ、これにより、ガラス製品の強度を保持させることにより、サンドブラスト製品の建材等への応用が期待される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。
先ず、図2は本発明に係るインクジェットプリント製品P(P1,P2)を示し、プリントされる基材(プリント基材10)の上には、画像としての文字「A」がインクジェットプリンタにより印刷されている。なお、この図では、説明の簡略化のために文字を一例として示すが、文字以外の模様、風景、人物画などの自由な画像を選択してもよい。
つぎに、図1は、図2のインクジェットプリント製品PのX−X線で切断した際の断面を模式的に拡大して示す図であり、プリント基材10と、プリント基材10の上に付与される画像形成層11との間に、プリント基材10と画像形成層11との密着性を改善するための透明下地層12が介在されている。
また図1(a)に示すインクジェットプリント製品P1では、この画像形成層11の上には、画像形成層11の耐傷性を高めるための透明被覆層13が形成され、その透明被覆層13の末端13aは、基材面10aまで達している。これにより、画像形成層11は透明被覆層13により全体を覆われている。一方、画像形成層11が付与されていないプリント基材10の表面(基材面10a)は非画像形成部分14としてそのまま露出している。
また図1(b)に示すインクジェットプリント製品P2では、透明被覆層13は画像形成層11の上にのみ形成されており、これにより、画像形成層11は透明下地層12と透明被覆層13とによりサンドイッチ状となっている。一方、画像形成層11が付与されていないプリント基材10の表面(基材面10a)は非画像形成部分14としてそのまま露出している。
このようなプリント製品P1、P2は、例えば、UV硬化型インクを用いるインクジェットプリンタを用いてプリント基材10の上に画像をプリントすることにより得ることができる。
(プリント基材)
ここで、第1の発明に用いるプリント基材としては、通常のインクジェット用インクを用いたのではインクの付着性が劣るとされる基材を用いることができる。それらは例えば、ガラス板、金属板、陶板などのような汎用のUV硬化型インクジェットプリンタ用のインクにより直接印刷することが困難な素材を採用することができる。
また、本発明を第2の発明に適用する場合には、用いられるプリント基材としては、サンドブラスト調の工芸品を製造するに相応しく、かつ、インクジェットプリンタにより印刷可能な基材であればどのようなものでもよい。一般的には、ガラス板などのガラス製品であるが、陶器などであっても、また、金属板であってもよい。いずれのプリント基材もサンドブラスト調を強調させるためには光沢のある基材であることがよい。
(プリンタ装置)
第1の発明に用いるインクジェットプリンターとしては、吐出されたインクが紫外線の照射を受けて硬化できれば、どのようなインクジェットプリンタを用いてもよい。その一例は、例えば、図3に示すプリンタヘッドユニット15を備えたUV硬化型インクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタは、ソフト的に照射光量を調節可能な紫外線照射装置(不図示)を備え、吐出されたインクは直ちに紫外線により硬化されるように構成されている。このような特性を備えた紫外線硬化型インクジェット用プリンタの一例としては、オセ社製のUVインクフラットベッドプリンタ、Oce Arizona T220UV(商品名)を挙げることができる。
このプリンタヘッドユニット15は、図3に示すように、透明下地層12を付与するためのノズルN12,画像形成層11を付与するためのノズルN11(Y,M,C,K)及び透明被覆層13を付与するためのノズルN13を備えている。これらの各ノズルN11〜13は、図示のように、ノズルN12,ノズルN11(Y,M,C,K)、ノズルN13の順にヘッドの進行方向x(図面上、左右方向)及び進行方向xに直交するヘッドの送り方向y(図面上、上下方向)に、それぞれ所定の間隔で配設されている。各ノズルN…は、それぞれのインクタンクに接続されて制御された駆動パルスに従って、ソフト的に所定量のインクをプリント基材に吐出可能とされている。
すなわち、ノズルN11(Y,M,C,K)からは、従来の画像形成用のインクが吐出される。画像形成用インクが3色であれば、画像形成用ノズルN11は3個でよいし、5色のインクジェットプリンタであれば、画像形成用ノズルN11は5色必要であることはいうまでもない。また、黒色インク用ノズル、白色インク用ノズルなどのノズルが独自に又は単独で設けられたものであってもよい。
ノズルN12及びノズルN13には、本発明で特定されたUV硬化型透明接着剤が吐出されるように構成されている。
なお、プリンタヘッドユニット15の一例は図3で示したが、例えば各ノズルの配列が一直線上に配列されているプリンタヘッドユニットであっても本発明の方法が適用されることはいうまでもない。本発明においては、本発明で特定されたUV硬化型透明接着剤が画像形成層の付与(印刷工程)の前後で、独立に行えればどのようなプリンターヘッドユニットでもよい。
また、インクジェットプリンタとしては、駆動パルスの変動により吐出量(液滴の大きさ)を調整できるものを用いてもよい。この場合にも吐出量の調整により曇り度を調整することができる。
また、上述のプリンタはインクの吐出量が38ピコリットルであったが、インクジェットプリンタとして、インクの吐出量が6ピコリットル程度のものを用いれば、高精細な画像を転写することもできる。
つぎに、第2の発明に用いるインクジェットプリンタとしては、公知の光硬化型インクジェットプリンタであって、第1の発明に用いるインクジェットプリンタと同一であるのが好ましいが、同一でなくても用いることができる。インクジェットプリンタには、溶剤揮発型があるが、瞬時にインクを硬化できるのは、光硬化型インクジェットプリンタである。
このような光硬化型インクジェットプリンタの一例は、オセ社製のUVインクフラットベッドプリンタ、Oce Arizona T220UV(商品名)を挙げることができる。このインクジェットプリンタでは、インクの吐出量が38ピコリットル程度であり、その吐出量は、液滴数を最小0%から最大100%までソフト的に無段階で調整できる。また、このインクジェットプリンタでは、最小35%から最大100%の範囲内で紫外線の照射光量をソフト的に無段階で調整できる。
これにより、高感度のUV硬化型透明インクを用い、吐出量及び紫外線照射量を調節し、乱反射に好適な微細な凹凸が付与できる最適条件(UV硬化型透明インクの急速硬化条件を含む最適条件)に設定することができる。
また、高感度のUV硬化型透明インクに小割合の白色インクを混ぜ合わせることにより、透過光量を市販のサンドブラスト製品の透過光量と概略一致させることにより、本発明に係るサンドブラスト工芸品の商品価値を一層向上させることができる。
このUV硬化型インクジェットプリンタは、例えば、図3に示すプリンタヘッドユニット15を備え、不図示の紫外線照射装置により、吐出されたインクは直ちに紫外線により硬化されるように構成されている。
このプリンタヘッドユニット15は、第2の発明に係るサンドブラスト調模様を形成させるためのノズルN12に加え、画像形成層を付与するためのノズルN11(Y,M,C,K)及び予備のオーバーコート層を付与するためのノズルN13を備えている。これらの各ノズルN11〜13は、図示のように、ノズルN12,ノズルN11(Y,M,C,K)、ノズルN13の順にヘッドの進行方向x(図面上、左右方向)及び進行方向xに直交するヘッドの送り方向y(図面上、上下方向)に、それぞれ所定の間隔で配設されている。各ノズルN…は、それぞれのインクタンクに接続されて制御された駆動パルスに従って、所定量のインクをプリント基材に吐出可能とされている。
ここで、ノズルN12には、第2の発明で特定されたUV硬化型透明接着剤からなるインクが吐出されるように構成されている。
すなわち、ノズルN11(Y,M,C,K)からは、従来の画像形成用のインクが吐出される。画像形成用インクが3色であれば、画像形成用ノズルN11は3個でよいし、5色のインクジェットプリンタであれば、画像形成用ノズルN11は5色必要であることはいうまでもない。また、黒色インク用ノズル、白色インク用ノズルなどのノズルが独自に又は単独で設けられたものであってもよい。
また、プリンタヘッドユニット15の一例は図3で示したが、例えば各ノズルの配列が一直線上に配列されているプリンタヘッドユニットであっても本発明の方法が適用されることはいうまでもない。第2の発明においては、当該発明で特定されたUV硬化型透明接着剤が画像形成層の付与(印刷工程)の前後で、独立に行えればどのようなプリンターヘッドユニットでもよい。
また、インクジェットプリンタとしては、駆動パルスの変動により吐出量(液滴の大きさ)を調整できるものを用いてもよい。この場合にも吐出量の調整により曇り度を調整することができる。
(透明下地層)
透明下地層12を付与するためのUV硬化型透明接着剤は、プリント基材10との接着力が高いものが採用され、好ましくは、ガラス/SUSの引張接着力が30kg/cm2以上有するものである。
上述のUV硬化型透明接着剤は、UV光の照射により短時間で硬化でき、プリント基材との接着性に優れ、かつ、低粘度であることによりインクジェットノズルから吐出できれば特には限定されないが、通常、実質的に透明であり、顔料などの色材を含まないものが好ましい。ここで、実質的に透明とは、例えば、光線透過率が90%以上である。
添加される顔料などの色材の種類により左右されるが、一般に顔料を添加することにより透明UV硬化型透明接着剤の粘度が増大してインクジェット用のインクとしては不適切になり、また、プリント基材との接着力も低下する。本発明者等の経験によれば、インクジェット用のインクが通常10重量%程度の顔料を含んで組成されているのに対して、本発明に係るUV硬化型透明接着剤では、顔料が含まれる場合であっても高々2重量%未満であり、通常は1重量%未満である。
以上の条件を満足するUV硬化型透明接着剤としては、例えば、株式会社テスク社製のアクリルモノマー類と光開始剤とを含む一液型のアクリル系紫外線硬化性樹脂が例示される。その一例は商品名A−1892であり、この紫外線硬化性樹脂は、低粘度液体であり、インクジェットインク用として適切である。また、紫外線照射による短時間硬化により強靱な硬化被膜を形成することができ、かつ、耐湿性、耐薬品性、耐熱性などの耐久性に優れるという特徴を備える目視淡黄色透明液体であって以下の物性を有する。
ブルックフィールドBL型回転粘度計で測定した25℃の粘度が7CPS、比重カップ法で測定した比重が1.06、塗膜硬度は25℃で85(ショアーD)、ガラス/SUSの引張接着力が35kg/cm2、被着材をガラスとした場合の温水25℃/1時間での浸漬試験において剥離が生じない、硬化させるに必要な紫外線照射量が2000mj/cm2
(透明被覆層)
透明被覆層13は、UV硬化型透明接着剤からなるインクジェット塗膜であり、塗膜の表面硬度が高く、かつ、接着力がおおきいものが好ましい。また、プリント基材に対する引張接着強さが30kg/cm2以上有するものであればさらに好ましい。
ここで、プリント製品P2では、透明被覆層13は、画像形成層11の上面に付与されており、また、プリント製品P1では、透明被覆層13は、画像形成層11の上面のみならず全体を被覆し、その一部は、画像形成層11周辺の基材面10aまで達している。
これにより、上述のプリント製品P1,P2は、UV硬化型透明接着剤からなる透明被覆層の作用により耐傷性を高めることができ、例えば、鉛筆高度で3H以上、場合によっては4H以上の耐傷性を有することができる。
また、プリント製品P1では、その透明被覆層13の末端13aが基材面10aまで達して基材面10aと透明被覆層13の一部が接着されていることにより、画像形成層11の耐久性は一層向上されている。
このような透明被覆層を形成するUV硬化型透明接着剤は、UV光の照射により短時間で硬化でき、十分な塗膜硬度を備え、かつ、低粘度であることによりインクジェットノズルから吐出できれば特には限定されないが、通常、実質的に透明であり、顔料などの色材を含まないものが好ましい。ここで、実質的に透明とは、例えば、光線透過率が90%以上である。
添加される顔料などの色材の種類により左右されるが、一般に顔料を添加することによりUV硬化型透明接着剤の粘度が増大してインクジェット用のインクとしては不適切になり、また、プリント基材との接着力も低下する。本発明者等の経験によれば、インクジェット用のインクが通常10重量%程度の顔料を含んで組成されているのに対して、本発明に係るUV硬化型透明接着剤では、顔料が含まれる場合であっても高々2重量%未満であり、通常は1重量%未満である。
以上の条件を満足するUV硬化型透明接着剤としては、例えば、株式会社テスク社製のアクリルモノマー類と光開始剤とを含む一液型のアクリル系紫外線硬化性樹脂が例示される。その一例は商品名A−1892であり、この紫外線硬化性樹脂は、低粘度液体であり、インクジェットインク用として適切である。また、紫外線照射による短時間硬化により強靱な硬化被膜を形成することができ、かつ、耐湿性、耐薬品性、耐熱性などの耐久性に優れるという特徴を備える目視淡黄色透明液体であって以下の物性を有する。
ブルックフィールドBL型回転粘度計で測定した25℃の粘度が7CPS、比重カップ法で測定した比重が1.06、塗膜硬度は25℃で85(ショアーD)、ガラス/SUSの引張接着力が35kg/cm2、被着材をガラスとした場合の温水25℃/1時間での浸漬試験において剥離が生じない、硬化させるに必要な紫外線照射量が2000mj/cm2
(高感度UV硬化型透明接着剤)
第2の発明で用いるノズルN12から吐出される高感度UV硬化型透明インクは、硬化させるに必要な紫外線照射量が500mj/cm2以下と高感度であることに加え、基材1との接着力が高いものが採用され、好ましくは、ガラス/SUSの引張接着力が30kg/cm2以上有するものである。
このような高感度UV硬化型透明接着剤は、UV光の照射により瞬時に硬化でき、プリント基材との接着性に優れ、かつ、低粘度であることによりインクジェットノズルから吐出できれば特には限定されないが、通常、実質的に透明であり、顔料などの色材を含まないものが好ましい。ここで、実質的に透明とは、例えば、塗膜厚みにおける光線透過率が90%以上である。
添加される顔料などの色材の種類により左右されるが、一般に顔料を添加することにより透明UV硬化型透明接着剤の粘度が増大してインクジェット用のインクとしては不適切になり、また、プリント基材との接着力も低下する。本発明者等の経験によれば、インクジェット用のインクが通常10重量%程度の顔料を含んで組成されているのに対して、第2の発明に係る高感度UV硬化型透明接着剤では、顔料が含まれる場合であっても高々2重量%未満であり、通常は1重量%未満である。
以上の条件を満足する高感度UV硬化型透明接着剤としては、例えば、株式会社テスク社製のアクリルモノマー類と光開始剤とを含む一液型のアクリル系紫外線硬化性樹脂が例示される。
その一例は商品名A−1919Eであり、この紫外線硬化性樹脂は、低粘度液体であり、インクジェットインク用として適切である。また、紫外線照射による短時間硬化により強靱な硬化被膜を形成することができ、かつ、耐湿性、耐薬品性、耐熱性などの耐久性に優れるという特徴を備える目視淡黄色透明液体であって以下の物性を有する。
ブルックフィールドBL型回転粘度計で測定した25℃の粘度が7CPS、比重カップ法で測定した比重が1.06、塗膜硬度は25℃で85(ショアーD)、被着材をガラスとした場合の温水25℃/1時間での浸漬試験において剥離が生じない、硬化させるに必要な紫外線照射量が250mj/cm2
(プリント製品P2の製造方法)
以上に説明したプリンタ装置を用い、画像に応じたパターンにより、第1ステップ(下地層付与工程)として、ノズルN12から透明下地層11が付与される。ついで、第2ステップ(画像形成層付与工程)として、ノズルN11Y、ノズルN11M,ノズルN11C、ノズルN11Kから順次それぞれの画像形成層が付与され、最後のステップ(透明被覆層付与工程)としてノズルN13から透明被覆層13が付与される。
ヘッドの送り方向のギャップ(ヘッドtoヘッド)と左右描画方向の位置合わせを行うことにより、画像形成層11と基材面10aとの間に透明下地層12を確実に介在させることができる。また、画像形成層11の上面に透明被覆層13を付与させることができる。これにより、図1(b)に示すプリント製品P2を得ることができる。
(プリント製品P1の製造方法)
プリント製品P2の製造方法において、透明被覆層13を構成するUV硬化型透明接着剤の吐出量を多くすることにより、その一部は流動性により画像形成層11からはみ出させることもできる。また、透明被覆層13を付与する範囲を画像形成層11のパターンの周囲の領域を含んで付与させることもインクジェットプリンタでは容易である。これにより、画像形成層11に付与するUV硬化型透明接着剤の一部を画像形成層11の側面を流下させることにより、図1(a)に示すプリント製品P1を得ることもできる。
(プリント製品製造の変形例)
プリント製品P1又はプリント製品P2の製造方法において、透明下地層12の被覆位置を画像形成層11のパターンからはみ出させることもできる。例えば、透明下地層12の吐出量を多くすることにより、流動性により画像パターンからはみ出させることもできる。また、透明下地層12を付与する範囲を画像形成層11のパターンの周囲の領域を含んで付与させることもインクジェットプリンタでは容易である。
このように、インクジェットプリンタを用いれば、吐出位置を精確に制御でき、かつ、駆動パルスを変化させたり、ソフト的な簡易な手段により吐出させるべきインクの吐出量を自由に制御できるので、透明下地層12及び又は透明被覆層13を形成するUV硬化型透明接着剤の吐出量を増大させたり、塗布面積を画像形成層11のパターンの周辺領域まで拡大させることにより、画像形成層11を包み込むこともできる。
このようなプリント製品P1、P2によれば、画像形成層11はUV硬化型透明接着剤を透明下地層12として平滑性基材に接着されているので、耐久性が優れる。
また、上述のプリント製品P1,P2によれば、UV硬化型透明接着剤からなる透明被覆層13が画像形成層11の上に形成されているので、画像形成層11の耐傷性を、例えば、鉛筆高度で4H以上とすることができる。
また、画像が形成されていない非画像形成部分14には透明下地層12、画像形成層11などの樹脂は付与されていないので、基材面10aがそのまま露出され、プリント基材10の有する質感をそのまま維持することができる。
(改良例1)
以上の実施例に従う透明被覆層13として、又は透明被覆層13の上に、任意の仕上げ層を付与させることができる。このような仕上げ層の一例は、艶消し材が含有された透明インクの付与である。この仕上げ層は、仕上げ面の全面に行うこともでき、また、部分的に行うこともできる。さらには、グラデーションを段階的に付与することもできる。
(プリント製品2Pの製造)
以上に説明により得られたプリント製品P1,P2の非画像形成部分14に第2の方法を適用した例である。
(製造方法1)
第1の発明で使用したプリンタ装置及び株式会社テスク社製の高感度UV硬化型透明インク(商品名A−1919E)を用い、プリント製品P1、P2の非画像形成部分14の上に、常法により取り込んだ画像情報に基づいてノズルN12からインクを吐出し、インク吐出と同時に紫外線を照射することにより、UV硬化型透明インクを瞬時に硬化させて曇りガラス調の塗膜面を得た。
ソフト的に紫外線の照射量を35%から100%の範囲内、吐出量を0%から100%の範囲内でそれぞれ変化させて最適条件を抽出したところ、吐出量100%、紫外線の照射量は35%〜100%の全範囲で曇りガラス調の塗膜面が得られ、特に紫外線の照射量が60%〜70%程度の範囲内で良好な曇りガラス調の塗膜面となった。
(対照例)
UV硬化型接着剤として、硬化スピードが1000−2000mj/cm2程度のもの(例えば、株式会社テスク社製のUV硬化型透明インク(商品名A−1892:硬化スピード2000mj/cm2;商品名A1892B:硬化スピード1000mj/cm2)を用いた場合には、吐出量100%及び照射光量を最大(100%)にしても、ガラス調とはならいない光沢のある塗膜しか形成できなかった。
この現象について更に詳細に検討したところ、この曇り現象は、塗膜面の表面に付与された微細な凹凸では無いかと推定した。すなわち、塗膜の微細な凹凸が光の乱反射現象により入射光を散乱させて曇り現象が発現しているのではないかと推察された。
すなわち、インクとして高感度のインクを用いる場合には、図4(a)に示すように、インクジェットプリンタのプリントヘッド20からガラス10面に吐出されたインク30は、光により瞬時に硬化し、吐出されたインクの液滴形状を保持した状態で硬化され、結果として、図4(b)に示すように、インク塗布面は微細なインク30の凹凸が付与され、これにより、塗布面は光の散乱により曇りガラス調となる。
これに対して、インクとして通常のインクを用いる場合には、図5に示すように、インク自体の低い粘性(流動性)により、吐出されたインク30の液滴は平面方向に流れて光沢が出現すると推定される。
すなわち、従来推奨されている規格よりも著しく高感度なUV硬化型透明樹脂をインクとして用いることにより、塗膜面の曇り度を増大させることができることを認めた。
また、光の照射光量を増大させたり、また、塗布量を少なくして相対的に光の照射量を増大させることにより吐出されるUV硬化型透明樹脂が急速に硬化される条件を選択することによりこの曇り度は増大することを確認した。
(変形例1:塗布量の調整)
照射光量を100%として、吐出量を50%、80%及び100%と段階的に変化させた以外は製造方法1と同様に行い、得られた塗膜の状態を目視にて評価した。
この結果、吐出量を多くすることによりマット調を濃くすることができ、その一方で吐出量を少なくすることにより、塗膜に光沢をもたらせることが確認された。
吐出量の増減により光沢が異なる理由について考察した結果、これは、吐出量が多い場合には、図6に示すように、インク30の液滴密度が高いのでインク30に基づく微細な凹凸が基材10の表面10aに密に描かれたマット調面31となるが、その一方で、吐出量を少なくした場合には、図7に示すように、インク30の液滴密度が低いのでインク30に基づく微細な凹凸が基材10の表面10aに疎らに描かれて基材10の表面10aの大半が露出する結果、基材10としてのガラスの表面10aが強調された光沢調面32となるためと推定された。
(変形例2:塗布量の調整による混在品の製造)
変形例1を応用して、部分的に光沢の程度の異なる文字「A」を同一透明インクを用いてインクの吐出量を適宜調整することにより印刷した。この結果、図8に示すように、インク30の密度が高いマット調面31とインク30の密度が低い光沢調面32と光沢に変化のある混在品を製造することができる。
(変形例3:混在品の製造)
この変形例3は、図9に示すように、周囲にフリンジ状に印刷されたサンドブラスト調模様と、その内側に印刷された画像形成層が混在したインクジェットプリント製品を製造する例である。
上述の変形例2に準じて透明インクの吐出量を適宜調整してノズルN12からUV硬化型透明樹脂からなるインクを付与し、硬化させて、部分的に光沢の程度の異なる文字「A」をプリント基材10の周囲にフリンジ状に印刷した。
ついで、プリント製品P2の製造方法に従って、中央の非画像形成部分14に大きな文字「A」を、図9に示すように印刷する。第1ステップとして、ノズルN12からUV硬化型透明樹脂からなるインクを付与して大きな文字「A」に相当する透明下地層を付与する。ついで、第2ステップ(画像形成層付与工程)として、ノズルN11Y、ノズルN11M,ノズルN11C、ノズルN11Kから順次それぞれの画像形成層を透明下地層の上に付与する。最後のステップ(透明被覆層付与工程)として画像形成層の上のみにノズルN13から透明被覆層を付与する。
ヘッドの送り方向のギャップ(ヘッドtoヘッド)と左右描画方向の位置合わせを行うことにより、UV硬化型透明インクの層の上の所望の位置に画像形成層と透明被覆層を確実に付与させることができる。
これにより、フリンジ状に配列されたサンドブラストガラス調製品と中央に配設された画像形成層が混在した製品を得ることができる。
(製造方法2)
株式会社テスク社製のUV硬化型白色インク透明インク(商品名A−1892W:硬化スピード2000mj/cm2:樹脂成分100体積部に対して1体積部(質量%で1〜2質量%)の小割合の白色顔料を混合して調整されている。)をノズルN12に充填した。
製造方法1と同様のオセ社製のUVインクフラットベッドプリンタを用いて、透明ガラス板の上にノズルN12から濃度100%のインクを吐出させ、インク吐出と同時に紫外線照射量100%の紫外線を照射することにより、UV硬化型白色系インクを硬化させて塗膜面を得た。
重ね打ちの回数を一度打ちから五度打ちと段階的に変え、得られた各塗膜面を透過する光量(濃度又は透過度)をX−Rite社製の透過濃度計341型を用いて測定した。結果を表1に示した。ここで、この透過濃度計においては、0Dは、完全に透明であることを示し、また、5Dは完全に光遮断性である真っ黒を意味している。
なお、対照として、標準的なサンドブラスト製品の濃度を測定して結果を併せて表1に示した。
Figure 2008213151
参考までに測定された製造方法1に係る各塗膜は、濃度が0.05D−0.06Dであり、用いたガラス基材の濃度が0.05Dであるので、塗膜面の付与により透過度の減少は認められていない。
以上の結果より、僅かの白色顔料をUV硬化型透明接着剤に混ぜるだけで、濃度を0.1D乃至0.4D程度まで増大させることができるので、UV硬化型白色透明インクとして高感度(例えば、硬化スピード250mj/cm2程度)のインクを用いれば、製造方法1により得られたサンドブラストガラス調製品の透過度を市販のサンドブラスト製品の透過度に合わせることにより、表面凹凸による散乱と透過度との相乗効果によりサンドブラストガラス調製品の見栄えを一層向上させることができると期待される。
以上の実施例に従うインク、画像形成層、又は透明被覆層の上に、任意の仕上げ層を付与させることができる。このような仕上げ層の一例は、艶消し材が含有された透明インクの付与である。この仕上げ層は、仕上げ面の全面に行うこともでき、また、部分的に行うこともできる。さらには、グラデーションを段階的に付与することもできる。
さらには、本発明に従うUV硬化型透明インクを付与させて瞬時に硬化させることにより、仕上げ面を乱反射させて曇り度を増大(光沢度を減少)させることもできる。
これにより、透明被覆層の曇り度又は光沢度を調整することにより、つや消し調(マット調)又は光沢調又はそれらの中間の仕上げ外観を有する画像形成層を容易に得ることができる。
また、インクジェットプリンタによれば、位置合わせが精確に行えるので、イメージを重ねてプリントする回数をソフト的に選択することにより、プリントする回数を適宜設定することができる。これにより、例えば、本発明に従うインクジェットプリント製品の製造方法によれば、画像形成層と略同一パターンのみにインク等が付与されるので、同一素材に複数回のプリントを繰り返すことがインクジェットプリント製品の高価値化を付与させる上で有利に作用する。部分的につや消し調を有するインクジェットプリント製品、又は部分的に光沢調を有するインクジェットプリント製品、又はつや消し調及び光沢調の混在されたインクジェットプリント製品、さらには曇り度(又は光沢度)にグラデーションを付与することもできる。
さらに、画像形成層を複層付与することなどにより、厚みを変えたインクジェットプリント製品を容易に得ることもできる。
図1(a)及び(b)は、それぞれ本発明に係るインクジェットプリント製品の構成を模式的な断面により説明する図である。 第1の発明に係るインクジェットプリント製品の一例を説明する図である。 第1の発明に係るインクジェットプリンタで用いられるプリントヘッドユニットの概要を説明する図である。 図4(a)及び(b)は、それぞれ第2の発明に係るインクジェットプリント製品の製造方法を模式的な断面により説明する図である。 従来のインクジェットプリント製品の製造方法を模式的に断面により説明する図である。 第2の発明に係るインクジェットプリンタで用いられるプリントヘッドユニットの概要を説明する図である。 図7(a)は、第2の発明に係るインクジェットプリント製品でマット調面が得られる理由を断面により模式的に説明する図であり、図7(b)は平面により模式的に説明する図である。 図8(a)は、第2の発明に係るインクジェットプリント製品で光沢調面が得られる理由を断面により模式的に説明する図であり、図8(b)は平面により模式的に説明する図である。 第2の発明に係るインクジェットプリンタでプリントされる一例を説明する図である。 従来例に係るインクジェットプリント製品の構成を模式的な断面により説明する図である。
符号の説明
P:インクジェットプリント製品
1:平滑性基材(ガラス)
2:プライマー層
3:画像形成層
4:オーバーコート層
5:非画像形成部分
10:プリント基材
10a:基材面(表面)
11:画像形成層
12:透明下地層
13:透明被覆層
13a:末端
14:非画像部形成分
15:プリンタヘッドユニット
20:プリントヘッド
30:インク
31:マット調面
32:光沢調面

Claims (6)

  1. プリント基材と、該プリント基材の上に画像形成層を有するインクジェットプリント製品であって、前記プリント基材と前記画像形成層との間にUV硬化型透明接着剤からなる透明下地層が介在され、かつ、該画像形成層の上には、UV硬化型透明接着剤からなる透明被覆層が付与されていることを特徴とするインクジェットプリント製品。
  2. 前記透明被覆層の一部は、画像形成層周辺のプリント基材面又は透明下地層まで達していることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリント製品。
  3. 前記透明被覆層は、部分的に光沢度が異なることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットプリント製品。
  4. UV硬化型インクを用いるインクジェットプリンタを用いてプリント基材の上に画像をプリントすることによりインクジェットプリント製品を製造する方法において、
    プリント基材の上に画像形成層と略同一のパターンを形成するUV硬化型透明接着剤からなる透明下地層を付与する下地層付与工程、該透明下地層の上にUV硬化型インクからなる画像形成層を付与する画像形成層付与工程、
    UV硬化型透明接着剤からなる透明被覆層を前記画像形成層の上に略同一パターンで形成させる透明被覆層付与工程を順次行うことを特徴とするインクジェットプリント製品の製造方法。
  5. 前記透明被覆層を形成するUV硬化型透明接着剤の感度、前記透明被覆層を形成するUV硬化型透明接着剤の塗布量、前記透明被覆層付与工程で照射されるUV照射光量の少なくとも一つを調整することを特徴とする請求項4記載のインクジェットプリント製品の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載のインクジェットプリント製品の非画像形成部分又は請求項1又は2に記載のインクジェットプリント製品で非画像形成部分と予定する部分に向けて、インクジェットプリンタのノズルからUV硬化型透明接着剤からなるUV硬化型インクを基材の表面に吐出すると同時に紫外線を照射させてUV硬化型透明インクを曇りガラス調に硬化させて前記基材の表面にサンドブラスト調の塗膜を形成させることを特徴とするサンドブラスト調工芸品の製造方法。
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