JP7391546B2 - 積層体 - Google Patents

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本発明は、積層体、積層体の生産方法、及び、印刷システムに関する。
意匠性向上のために、金属光沢面又は亜金属光沢面(以下、総称して金属調光沢面ともいう。)を各種部材の表面に形成する技術が開発されている。このような技術として、特許文献1には、メタリックインクによる印刷により金属光沢面を形成する方法が開示されている。
特開2011-194610号公報
本願発明者は、上記のような金属調光沢面(特許文献1の技術で形成されたものの他、例えば、金属板、蒸着等で形成された金属膜等の表面であってもよい)に、適切に制御された態様のカラー層を印刷することで、着色された金属調光沢を得ることができることを見出した。
本発明は、着色された金属調光沢を有する積層体、着色された金属調光沢を有する積層体の生産方法、及び、着色された金属調光沢を有する積層体を生産できる印刷システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る積層体は、
金属調光沢を有する金属調光沢面を備える基材と、
前記金属調光沢面に積層されたカラー層と、を備え、
前記カラー層は、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.1067x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有する。
以上の構成によれば、前記の特性を有するカラー層により、着色された金属調光沢を得ることができる。
前記金属調光沢面に積層された前記カラー層は、金属調光沢面を覆うように形成されたものであってもよいし、金属調光沢面の一部に設けられたものであってもよい(以下、金属調光沢面に積層されたカラー層について同じ)。基材の金属光沢面は、例えば、基材の少なくとも一面の少なくとも一部であればよい(以下、金属調光沢面について同じ)。
前記カラー層は、10以上のΔL*と、300以上のLogHAZEと、を有する、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、前記の特性を有するカラー層により、着色された金属調光沢を得ることができる。
前記カラー層の前記算術平均高さ及び前記透過濃度は、前記座標上で、(y=-0.133x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、前記の特性を有するカラー層により、着色された金属調光沢を得ることができる。
前記基材は、ベース部材と、当該ベース部材上にメタリックインクにより形成され、前記金属調光沢面を有する金属調光沢層と、を備える、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、金属調光沢層を設けることで、着色された金属調光沢を得ることができる。前記金属調光沢層は、例えば、ベース部材の少なくとも一面の少なくとも一部に設けられればよい。
本発明の第2の観点に係る積層体は、
金属調光沢を有する金属調光沢面を備える基材と、
前記金属調光沢面に積層されたカラー層と、を備え、
前記カラー層は、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.0625x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有する。
以上の構成によれば、前記の特性を有するカラー層により、着色された金属調光沢を得ることができる。
前記カラー層は、35以上のΔL*と700以上のLogHAZEとを有する、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、前記の特性を有するカラー層により、マット調かつ着色された金属調光沢を得ることができる。
前記カラー層は、50以上のRspecを有する、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、前記の特性を有するカラー層により、鏡面調かつ着色された金属調光沢を得ることができる。
前記カラー層は、35以上のΔL*と700以上のLogHAZEとを有する第1部分と、50以上のRspecを有する第2部分と、を備える、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、前記第1部分及び第2部分によって質感の異なる金属調光沢を表現できる。
前記基材は、少なくとも前記金属調光沢面が金属製である、
ようにしてもよい。
上記構成によれば、金属調光沢面が金属製であることにより、金属調光沢を容易に得ることができる。なお、前記基材は、例えば、金属製であってもよいし、非金属の基材に金属調光沢面を形成している金属膜等が形成されたものであってもよい。
本発明の第3の観点に係る積層体は、
金属調光沢を有する金属調光沢面を備える基材と、
前記金属調光沢面に積層されたカラー層と、を備え、
前記カラー層は、その少なくとも一部が、前記金属調光沢面により反射された光が透過可能な厚さで形成されており、前記金属調光沢に色を付加している。
以上の構成によれば、カラー層が光を透過可能であることにより、着色された金属調光沢を得ることができる。
前記カラー層は、凹凸形状を有し、少なくとも凹部が前記金属調光沢面により反射された光を透過する、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、凹部が光を透過可能であることにより、着色された金属調光沢を得ることができる。
本発明の第4の観点に係る積層体の生産方法は、
金属調光沢を有する金属調光沢面を備える基材を用意する第1工程と、
前記金属調光沢面に、インクジェット方式でカラー層を印刷する第2工程と、を有し、
前記第2工程では、前記カラー層の少なくとも一部を、前記金属調光沢面により反射された光が透過可能な厚さで形成する。
以上の構成によれば、前記光を透過可能なカラー層により、着色された金属調光沢を得ることができる。
前記第2工程は、
前記金属調光沢に色を付加する前記カラー層を印刷するための予め用意された複数の印刷条件のうちのいずれかを選択する第2-1工程と、
前記第2-1工程で選択された前記印刷条件に基づいて前記カラー層を印刷する第2-2工程と、を備える、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、予め用意された印刷条件を用いることで、着色された金属調光沢を容易に得ることができる。
前記第1工程は、前記基材として、(1)ベース部材と、当該ベース部材の少なくとも一部上にメタリックインクにより形成され、前記金属調光沢面を有する金属調光沢層と、を備える第1基材と、(2)前記金属調光沢面を形成している金属部分を有する第2基材と、のいずれを使用するか選択する選択工程を備え、
前記選択工程で前記第1基材が選択された場合の前記複数の印刷条件それぞれは、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.1067x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有する前記カラー層を印刷する条件であり、
前記選択工程で前記第2基材が選択された場合の前記複数の印刷条件それぞれは、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.0625x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有する前記カラー層を印刷する条件である、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、金属調光沢面の材料に応じて、着色された金属調光沢を得るための好適な印刷条件でカラー層を印刷できる。
本発明の第5の観点に係る印刷システムは、
金属調光沢を有する金属調光沢面に、インクジェット方式で放射線硬化型インクにより印刷を行うことが可能な印刷機構と、
前記印刷機構を制御し、当該印刷機構により前記金属調光沢面にカラー層を印刷する印刷制御部と、を備え、
前記印刷制御部は、前記カラー層を、当該カラー層の少なくとも一部が前記金属調光沢面により反射された光が透過可能な厚さとなるように印刷する。
以上の構成によれば、前記光を透過可能なカラー層により、着色された金属調光沢を得ることができる。
前記印刷制御部は、前記金属調光沢に色を付加する前記カラー層を印刷するための複数の印刷条件を記憶する記憶部から前記複数の印刷条件のうちの少なくとも1つの印刷条件を取得し、取得した前記少なくとも1つの印刷条件に基づいて前記カラー層を印刷する、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、ユーザが印刷条件を設定する必要がなく、着色された金属調光沢を容易に得ることができる。
前記印刷条件は、ユーザにより編集可能であり、
前記印刷制御部は、編集後の前記印刷条件に基づいて前記カラー層を印刷する、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、ユーザの好みに着色された金属調光沢を容易に得ることができる。
前記複数の印刷条件それぞれは、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.1067x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有する前記カラー層を印刷する条件である、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、前記の特性のカラー層により、着色された金属調光沢を得ることができる。
前記複数の印刷条件それぞれは、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.0625x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有する前記カラー層を印刷する条件である、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、前記の特性のカラー層により、着色された金属調光沢を得ることができる。
前記複数の印刷条件は、
前記金属調光沢面を備える基材が、ベース部材と、当該ベース部材の少なくとも一部上にメタリックインクにより形成され、前記金属調光沢面を有する金属調光沢層と、を備える第1基材であるときに、前記印刷制御部により取得される1つ以上の第1印刷条件と、
前記基材が、前記金属調光沢面を形成している金属部分を有する第2基材であるときに、前記印刷制御部により取得される1つ以上の第2印刷条件と、を含み、
1つ以上の前記第1印刷条件のうちの少なくとも1つと、1つ以上の前記第2印刷条件の少なくとも1つとが異なっている、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、金属調光沢面の材料に応じて、着色された金属調光沢を得ることができる。
1つ以上の前記第1印刷条件は、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.1067x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有する前記カラー層を印刷する条件を含み(全ての第1印刷条件が当該条件であることが好ましい)、
1つ以上の前記第2印刷条件は、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.0625x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有する前記カラー層を印刷する条件を含む(全ての第2印刷条件が当該条件であることが好ましい)、
ようにしてもよい。
以上の構成によれば、金属調光沢面の材料に応じて、着色された金属調光沢を得るための好適な印刷条件でカラー層を印刷できる。
本発明によれば、着色された金属調光沢を有する積層体、着色された金属調光沢を有する積層体の生産方法、及び、着色された金属調光沢を有する積層体を生産できる印刷システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る印刷物の生産方法の流れ図 本発明の実施の形態1に係る基材の模式断面図 本発明の実施の形態1に係る、基材にカラー層を設けた印刷物の模式断面図 ドットの形成パターンを示す模式図 変形例に係る印刷物の模式断面図 変形例に係る印刷物の模式断面図 本発明の実施の形態1に係るインクジェットプリンタの概略構成図 実施の形態2に係る、基材にカラー層を設けた印刷物の模式断面図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットプリンタの概略構成図 本発明の実施の形態3に係る第1印刷情報(図10のA)及び第2印刷情報(図10のB)の内容を示す図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットプリンタにより印刷される画像の例を示す図 本発明の実施の形態3に係るインクジェットプリンタで実行される印刷処理のフローチャート 実施例1におけるΔLとLogHAZEとの関係を示すグラフ 実施例1におけるSaと透過濃度との関係を示すグラフ 実施例2におけるΔLとLogHAZEとの関係を示すグラフ 実施例2におけるSaと透過濃度との関係を示すグラフ
(実施の形態1)
(積層体の生産方法及び印刷物)
本発明の実施の形態1に係る積層体(印刷物)の生産方法について説明する。本生産方法では、図1に示すように、金属調光沢面を備える基材を準備する第1工程S1と、金属調光沢面にカラー層を印刷する第2工程S2と、を有する。なお、金属調光沢は、金属光沢及び亜金属光沢を含む。
第1工程S1で用意される基材は、金属調光沢を有する金属調光沢面を備えるものであればよい。例えば、図2のような、合成樹脂製のシート11に、メタリックインクにより金属調光沢(金属光沢又は亜金属光沢)を有する金属調光沢層12を形成した基材10を用意する。当該基材10は、金属板であってもよく、所定部材にメッキ、蒸着等により金属膜を金属調光沢層12として形成した部材などであってもよい。シート11は、合成樹脂製でなくてもよい。例えば、紙、布帛等であってもよい。
第2工程S2では、所定色を有するUV(紫外線)硬化型インクによりカラー層20を基材10の金属調光沢層12上に印刷する。これにより、図3に示すような、基材10にカラー層20が印刷された印刷物Pが形成される。カラー層20は、画像を形成している。つまり、第2工程S2では、カラー層20により表現される画像が印刷される。カラー層20は、単色であってもよく、2色以上の色を用いてもよい。
UV(紫外線)硬化型インクは、カラー層の色となる色材の他、重合開始剤と、紫外線の照射を受けることで重合するモノマー又はオリゴマー等の樹脂(アクリレート等)と、を含有する。
カラー層20は、インクジェットプリンタによりインクジェット方式で形成される。インクジェット方式で射出されたUV硬化型インクが硬化し、前記基材10に定着することで、カラー層20が形成される。カラー層20は、画像を構成する複数(多数)のドット21から構成されている。各ドット21は、インクジェットプリンタのプリントヘッドから吐出された一滴又は複数滴のUV硬化型インクを、基材10の所定箇所に着弾させた後に、紫外線照射により硬化させ定着させたものである。各ドット21の間には隙間22が形成されている。この隙間22は、図4(a)に示すように、隣接するドット21同士が離間していることにより形成されたものでもよいし、図4(b)に示すように、部分的に重複するドット21の間に形成されたものでもよい。
各ドット21の隙間22からは金属調光沢層12が露出している。ドット21は、金属調光沢層12が反射(例えば、正反射)した光を透過させないが、隙間22(カラー層20における厚さが「0」の部分。この部分もカラー層20の一部である)は、金属調光沢層12が反射(例えば、正反射)した光を透過させる。従って、印刷物Pを見る者(以下、観察者ともいう。)は、カラー層20のドット21とともに、隙間22を介して金属調光沢層12を視認する。これにより、印刷物Pは、ドット21の色(カラー層20の色)の金属調光沢(カラーメタリック光沢)を有するように視認される。特に、隙間22を肉眼では確認できない又は確認し難いほど微細にすることにより、印刷物Pは、カラー層20が設けられた部分が一様に着色された金属調光沢を有するように視認される。
隙間22の大きさ(カラー層20等を平面視したときの大きさ。ドット21の大きさ等も同様)等を調整することで、印刷物Pの見え方を制御することができる。隙間22が大き過ぎると、ドット21が荒くなり、着色が一様に見えない、又は、着色された色が視認できない(特に、ドット21が小さい場合)。また、隙間22が小さ過ぎると、金属調光沢層12の大部分がドット21それぞれに隠れてしまい、金属調光沢が失われてしまう。
なお、図4(b)のようにドット21とドット21とが繋がっている場合、当該繋がった部分(重複部分)である薄膜部分を、金属調光沢層12が反射(例えば、正反射)した光を透過させる厚さとしてもよい。これによっても、着色された金属調光沢を有するように視認される。また、図4(a)、(b)両者において、ドット21((b)の場合は薄膜部分以外の部分)も、光を透過可能な厚さに形成されてもよい。(b)の場合、ドット21は、薄膜部分よりも光を透過しない。これによっても、着色された金属調光沢を有するように視認される。
カラー層20は、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.1067x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有するとよい。換言すると、カラー層20の算術平均高さxと透過濃度yとは、y<-8/75x+0.8の関係を満たすとよい。さらに、基材10に積層された後のカラー層20のΔL*が10以上(より好ましくは10以上25以下)、LogHAZEが300以上(より好ましくは400以上)であるようするとよい。さらに、カラー層20の算術平均高さ及び透過濃度は、前記座標上で、(y=-0.133x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する、とより好ましい。換言すると、カラー層20の算術平均高さxと透過濃度yとは、y<-2/15x+0.8の関係を満たすとよい。このような特性を有するよう、1ドット当たりのUV硬化型インクの吐出量(この量が多いほど1ドットの直径が大きくなる)、ドットの密度(単位面積当たりのドットの数)、及び、UV硬化型インクを吐出させて基材10に着弾させてから当該インクを硬化させるまでの期間(当該期間が長ければ、その間にインクが広がるので、隙間22が小さくなり、また、前記薄膜部分が厚くなる)を調整するとよい。なお、カラー層20は、反射濃度が0.5以上であることが好ましい。
算術平均高さ(Sa)は、Ra(線の算術平均高さ)を面に拡張したパラメータで、表面の平均面に対して、各点の高さの差の絶対値の平均を表すものであり、値が高くなるほど面の粗さが大きいとされる。当該算術平均高さ(Sa)は、例えばKEYENCE社製の形状解析レーザー顕微鏡:型番VK-X200Series等により測定できる。
透過濃度は、物体(カラー層20)が光を透過しないほど高くなる。入射光束I0、透過光束Iとすると透過濃度Drは、-log10(I/I)で計算される。透過濃度には、物体に垂直に入射光を当て、物体から垂直方向に透過した光を測定する平行光濃度と、すべての方向の透過光を測定する拡散光濃度の2種類があるが、本明細書における透過濃度は、平行光濃度である。当該透過濃度は、例えば、サカタインクスエンジニアリング社製のD200-II透過濃度計、エックスライト社製の361T卓上式透過濃度計により測定できる。
カラー層20の透過濃度が低いと基材10の金属調光沢が視認され金属感が得られるので、透過濃度は基本的に低いほど好ましい。一方、算術表面高さが大きいと、カラー層20の表面で乱反射を起こして金属感及びカラー感が失われる(金属調光沢に見えなくなったり、カラー層20による色が見えなくなったりする)。そこで、カラー層20の算術平均高さxと透過濃度yとがy<-8/75x+0.8の関係を満たすと、好ましい金属感及びカラー感が得られる。カラー層20の算術平均高さxと透過濃度yとがy<-2/15x+0.8の関係を満たすと、より好ましい金属感及びカラー感が得られる。なお、上述のように、透過濃度は基本的に低いほど好ましいが、低すぎると着色度合いが低下するのでカラー感が失われる恐れがある。このため、透過濃度は0.01以上が好ましく、0.05以上であることがより好ましい。
ΔL*の値は、下記のようにして測定される。まず、測定試料面(カラー層印刷面)に垂直である軸を0°(基準)とし、当該0°から25°、45°、及び、75°それぞれの位置に置かれる光源から照射される光を印刷面に反射させ、0°の位置で反射光を受光することにより明度を測定する。ここでそれぞれの光源からの光が印刷面で反射されて得た明度を、L25(25°の光源の場合)、L45、(45°の光源の場合)、L75(75°の光源の場合)とし、L25とL75の明度差をΔL*として計算する。この値は、例えば、コニカミノルタ社製の分光測色計により測定できる。
LogHAZEのHAZEの値は、ASTM E430/ISO 13803に基づいて20°の入射光角度で測定したときのヘイズ(単位:HAZE UNIT(HU))である。この値は、例えば、コニカミノルタ社製のRHOPOINT-IQ又はBYKガードナー社製のマイクロヘイズプラスにより測定できる。LogHAZEの値は、LogHAZE=1285×log[(HAZE値/20)+1](但し、logは常用対数)により求められる。LogHAZEの値が高いほど、測定表面(カラー層20)に映る反射像が曇っており(カラー層20が凸凹しており)、LogHAZE値が低いほど、測定表面(カラー層20)に映る反射像のコントラストが高い(カラー層20が凸凹していない)といえる。
反射濃度は、物体(カラー層20)が光を反射するほど高くなる。入射光束I0、反射光束Iとすると反射濃度Drは、-log10(I/I)で計算される。当該反射濃度は、例えば、エックスライト社製の500シリーズ分光濃度計により測定できる。
(インクジェットプリンタ)
カラー層20を印刷するインジェットプリンタとして、例えば、図7に示すインクジェットプリンタ100を用いてもよい。インクジェットプリンタ100は、搬送機構110と、インクタンク120と、インク供給機構130と、プリントヘッド140と、駆動機構150と、放射線照射部160と、制御部(コントローラ)170と、を備える。
搬送機構110は、基材10を、前後方向に沿って搬送する。搬送機構110は、ベルトコンベアから構成される。搬送機構110は、基材10が置かれるテーブル及びテーブルを駆動する駆動機構を備えるものであってもよい。
インクタンク120は、放射線硬化型インク(例えば、UV硬化型インク)を貯蔵するインクカートリッジ又はインクボトルであり、インクジェットプリンタ100に取り付けられる。
インク供給機構130は、インクタンク120内の放射線硬化型インクをプリントヘッド140に供給する機構である。インク供給機構130は、放射線硬化型インクを貯留するサブタンクと、インクタンク120内の放射線硬化型インクをサブタンクに供給する供給管と、サブタンクに貯留した放射線硬化型インクを、プリントヘッド140を介して循環させる循環路を形成する循環管と、循環路における放射線硬化型インクの循環を制御する弁と、当該弁を駆動する駆動装置と、を備える。
プリントヘッド140は、インク供給機構130から供給される放射線硬化型インクをインクジェット方式で吐出し、基材10に塗布する。プリントヘッド140は、インク供給機構130の前記循環路を循環するインクを貯留する貯留室と、貯留室に貯留されている放射線硬化型インクを押し出す圧電素子又はヒータと、押し出された放射線硬化型インクを吐出するノズルと、を備える。なお、複数組の貯留室と、圧電素子又はヒータと、ノズルと、を後述の主走査方向に沿って並べて配置してもよい。これにより、主走査方向に沿って並ぶ複数の画素について同時に放射線硬化型インクを吐出できる。
駆動機構150は、プリントヘッド140を基材10の搬送方向(副走査方向)に直交する方向に移動させる。駆動機構150は、プリントヘッド140を搭載するキャリッジと、キャリッジを副走査方向に直交する主走査方向に移動させる移動機構と、を備える。前記移動機構は、キャリッジを主走査方向に移動可能に支持するガイドレール、キャリッジを牽引する牽引索及び牽引索を巻き取る巻き取り機構(ガイドレールの両端部それぞれに一組ずつ配置される)を含んで構成される。
放射線照射部160は、基材10に着弾した放射線硬化型インクに放射線(例えば、紫外線)を照射するライトなどを含む。放射線照射部160は、上述のキャリッジ上に搭載されている。
制御部170は、搬送機構110(例えば、上記ベルトコンベア又は駆動機構)と、インク供給機構130(例えば、上記駆動装置)と、プリントヘッド140(例えば、上記圧電素子又はヒータ)と、駆動機構150(例えば、上記巻き取り機構)と、光照射部160と、を制御し、基材10に放射線硬化型インクを塗布する印刷処理を行う。
当該処理を行うため、制御部170は、プログラム、各種データを記憶する記憶装置(ハードディスク、フラッシュメモリ等)と、記憶装置に記憶されたプログラムを実行し、各種データを用いることで前記印刷処理を実際に実行するプロセッサ(CPU(Central Processing Unit)等)と、当該プロセッサのメインメモリと、各種インターフェースと、を含んで構成される。制御部170は、例えば、パーソナルコンピュータであってもよい。
(印刷処理)
印刷処理は、外部のホストコンピュータ等から画像データが供給されたことを契機として開始される。前記画像データは、画素毎の放射線硬化型インクの吐出の有無のデータを含んでいる。なお、ここでは、インクの吐出量を一定とするが、吐出量を画素に応じて変化させてもよい。
制御部170は、まず、搬送機構110を制御して基材10を印刷開始位置まで移動させる。次に、制御部170は、駆動機構150を制御し、プリントヘッド140を基材10に対して相対的に一定の搬送速度で主走査方向に移動させる。この移動中、制御部170は、プリントヘッド140が備えるノズルが放射線硬化型インクを吐出する画素の位置(画像データにより指定される)に到達したタイミングで、当該プリントヘッド140を制御し当該ノズルから放射線硬化型インクを液滴の形で吐出させる。この間、放射線照射部160は、プリントヘッド140に追従して移動し、基材10に着弾した放射線硬化型インクに放射線を照射して、当該放射線硬化型インクを硬化(定着)させる。なお、放射線照射部160とプリントヘッド140のノズルとの間隔により、放射線硬化型インクの硬化タイミングを制御できる(つまり、インクの広がり度合いにより、隙間22の大きさや前記薄膜部分の厚さを制御できる)。なお、基材10にインクが着弾してから、放射線を照射するまでの間隔は、例えば、1~60秒、より好ましくは20~30秒とするとよい。
その後、制御部170は、搬送機構110を制御して基材10を副走査方向に1画素分だけ送る。その後、制御部170は、前記と同様に副走査方向にプリントヘッド140を移動させながらインクを吐出させ、2行目を印刷する。制御部170は、このようなことを繰り返し、各行を印刷する。各行の印刷により、カラー層20(画像)全体が印刷される。このようにして、制御部170は、プリントヘッド140の基材10に対する相対的な移動(基材10側を移動させてもよい)を制御し、カラー層20のいずれかを印刷する。
プリントヘッド140に主走査方向に沿って複数のノズルを設けてもよく、その場合には、制御部170は、当該ノズルの数の画素分だけメディアを主走査方向に送る。
放射線照射部160とプリントヘッド140のノズルとの間隔等によりUV硬化型インクの硬化タイミングを調整する他、制御部170側で、インクを吐出する間隔(ドット密度)、1ドット当たりのインクの量を制御することで、隙間22の大きさや前記薄膜部分の厚さを制御でき、これにより、上記ΔL*等の各数値を制御でき、印刷物Pの見え方(金属調光沢に対する着色度合いなど)も制御できる。
(変形例1)
印刷物Pの他の態様として、図5に示すような印刷物Qを形成してもよい。印刷物Qは、カラー層20の代わりにカラー層30を備える。カラー層30は、上記ドット21に対応するドット31の他、当該ドット31それぞれを繋げる薄膜部分32を備える。薄膜部分32は、ドット31と一体的に、UV硬化型インクにより形成されている。薄膜部分32は、前記プリントヘッド140からの一滴のUV硬化型インクが基材10から着弾してから、当該UV硬化型インクに紫外線を照射するまでの時間を図3の場合よりも長く取ることで形成できる。前記時間を長く取ることで、その分、各ドット31を構成するUV硬化型インクが広がって繋がり、薄膜部分32を形成できる。なお、前記時間の調整に加え又は代えて、ドット当たりのインクの量を多くしたり、ドット密度を高くしたりしても、薄膜部分32を形成できる場合がある。薄膜部分32とドット部分31とで、凹凸が形成される。薄膜部分32の厚さは、光を透過可能な厚さに形成され、金属調光沢層12が反射(例えば、正反射)した光を透過する。観察者は、カラー層30のドット31とともに、薄膜部分32を介して金属調光沢層12を視認する。これにより、印刷物Qは、ドット31の色(カラー層30の色)の金属調光沢を有するように視認される。特に、薄膜部分32とドット31により形成される凹凸を、肉眼では確認できない又は確認し難いほど微細にすることにより、印刷物Qは、カラー層30が設けられた部分が一様に着色された金属調光沢を有するように視認される。なお、ドット31も、光を透過可能な厚さに形成されてもよい。この場合、ドット31は、薄膜部分32よりも光を透過しない。このような場合であっても、印刷物Qは、ドット31の色(カラー層30の色)の金属調光沢を有するように視認される。
(変形例2)
印刷物Pの他の態様として、図6に示すような印刷物Rを形成してもよい。印刷物Rは、カラー層20の代わりにカラー層40を備える。カラー層40は、一様な厚さを有する平坦な層である。カラー層40は、前記プリントヘッド140からの一滴のUV硬化型インクが基材10から着弾してから、当該UV硬化型インクに紫外線を照射するまでの時間を図3及び5の場合よりも長く取ることで形成できる。前記時間を長く取ることで、その分、各ドットを構成するUV硬化型インクが広がって繋がり、最終的に凹凸が無くなり、UV硬化型インクを硬化させて得られるカラー層40の厚さが一様となる。なお、前記時間の調整に加え又は代えて、ドット当たりのインクの量を多くしたり、ドット密度を高くしたりしても、カラー層40を形成できる場合がある。カラー層40の厚さは、光を透過可能な厚さに形成され、金属調光沢層12が反射(例えば、正反射)した光を透過する。観察者は、カラー層40を介して金属調光沢層12を視認する。これにより、印刷物Rは、カラー層40の色の金属調光沢を有するように視認される。
(変形例3)
上記カラー層30やカラー層40についても、上述したカラー層20の特性(算術平均高さxと透過濃度yとは、y<-8/75x+0.8の関係を満たすなど)と同様の特性を有するとよい。
(変形例4)
カラー層20、30、40を形成するために使用するインクは、UV硬化型インクに限らず、放射線により硬化する放射線硬化型インクであればよい。放射線硬化型インクとしては、上記UV硬化型樹脂の他、電子線により硬化する電子線硬化型樹脂等が挙げられる。また、カラー層20、30、40を形成するために使用するインクは、インクジェットプリンタで印刷可能なインクな他種のインク、例えば、水性インク(ラテックスインク含む)、ソルベントインクなどでもよい。また、インクジェットプリンタ100は、こうした他種のインクを印刷可能に構成されたものでもよい。
(変形例5)
カラー層20、30のドット密度は一様でなくてもよい。例えば、ドット密度の高い箇所と低い箇所とを設けることで、カラー層20、30に、任意の模様、例えば、グラデーション模様を形成してもよい。この場合、当該模様に応じた色を持つ金属調光沢、例えば、色のグラデーションを呈する金属調光沢を得ることができる。
(変形例6)
基材10上にカラー層20、30、40を積層する手段は、インクジェットプリンタに限らず、所定の隙間22を備えた微細なドットを形成できるのであれば、スクリーン印刷法等の他の任意の積層装置を用いてもよい。
(変形例7)
図2、3、5、6では、金属調光沢層12の表面を平坦に示したが、金属調光沢層12の表面は凹凸を有していてもよい。金属調光沢層12の表面の凹凸は、金属調光沢層12に積層されるカラー層20、30、40の表面のパラメータ(例えば、算術平均高さ等)に影響し得るが、最終的に金属調光沢層12の表面上に形成されたカラー層20、30、40のパラメータが上述の所定の範囲にあるのであれば、問題ない。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2について説明するが、下記の説明で言及されない説明は、上記実施の形態1及び変形例(以下、実施の形態1等という)の説明に準じる。
(印刷物)
図8に、実施の形態2に係る印刷物(積層体)Sを示す。印刷物Sは、基材50と、カラー層60と、を有する。基材50は、金属製の金属板等からなる。基材50の表面は、金属調光沢(ここでは、特に金属光沢)を有する金属調光沢面である。基材50は、金属製の板状または金属製のシート状のものであってもよく、金属以外の材料、例えばPET(Polyethylene terephthalate)シート、アクリル板等の合成樹脂製シート、紙、布帛等にメッキ、蒸着等により金属膜が形成されている部材などであってもよい。基材50は、例えば、少なくともカラー層60が印刷される面が金属製(前記金属膜も含む)であればよい。前記各金属としては、アルミ、鉄、銅、ステンレスなどが挙げられる。
カラー層60は、カラー層30と同様に、UV硬化型インクによりインクジェット方式の印刷により形成される。カラー層60は、カラー層30と同様に、凸部となっているドット61と、当該ドット61それぞれに繋がる薄膜部分62と、を備える。薄膜部分62は、ドット61と一体的に、UV硬化型インクにより形成されている。薄膜部分62とドット61とで、凹凸が形成される。カラー層60の説明は、カラー層30の説明を参照できる。ドット61は、カラー層30のドット31に対応し、薄膜部分62は、カラー層30の薄膜部分32に対応する。カラー層60は、カラー層20が有するようなドット61間の隙間を有していなくてもよいし、カラー層20のように隙間(当該隙間もカラー層60の一部とする)を有してもよいし、カラー層40のように平坦であってもよい(これら説明は、カラー層20及び40の説明を参照できる)。カラー層60(前記のように隙間をする場合及び平坦である場合を含む)は、外部からの光を一部透過し、他の一部を反射する。前記外部からの光のうち、カラー層60を透過した一部の光は、基材50の金属調光沢面にて反射され、再度カラー層60を透過して、カラー層60の外部に出射される。カラー層60を透過した前記一部の光及びカラー層60で反射された光が人の目に入ることで、印刷物Sは、金属調光沢面による金属調光沢にカラー層60が持つ色を付加された見た目で当該人に視認される(着色された金属調光沢が得られる)。
カラー層60は、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.0625x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有するとよい。換言すると、カラー層60の算術平均高さxと透過濃度yとは、y<-1/16x+0.8の関係を満たすとよい。このような関係により、カラー層60は、基材50の金属調光沢に色を付加することができ、カラー層60により着色された金属調光沢が表現される(基材10のときよりも、基材50の方が、つまり、基材50の金属調光沢が金属により表現されている場合の方が、前記条件が緩和されている)。前記条件(y<-1/16x+0.8)に加え、カラー層60のΔL*が35以上で、LogHAZEが700以上であるとよい。この数値により、印刷物Sは、カラー層60により着色され、質感がざらついた(マット調の)金属調光沢を有する見た目となる。又は、前記条件(y<-1/16x+0.8)に加え、カラー層60のRspecが50以上であってもよい。この数値により、印刷物Sは、カラー層60により着色され、質感が滑らか(鏡面調の)金属調光沢を有する見た目となる。前記特性を有するよう、1ドット当たりのUV硬化型インクの吐出量(この量が多いほど1ドットの直径が大きくなる)、ドットの密度(単位面積当たりのドットの数)、及び、UV硬化型インクを吐出させて基材50に着弾させてから当該インクを硬化させるまでの期間(当該期間が長ければ、その間にインクが広がるので、ドット間の隙間が小さくなり、薄膜部分が厚くなる)を調整するとよい。
(変形例1)
基材50は、表面の少なくとも一部が金属製であればよい。当該金属製の部分が、金属調光沢を有すればよい。カラー層60は、基材50のうち、金属製の部分の少なくとも一部を含む領域に形成されればよい。基材50は、シート状のものの他、シート状でないものであってもよい。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3について説明するが、下記の説明で言及されない説明は、上記実施の形態1等、実施の形態2及び変形例(以下、実施の形態2等ともいう。)の説明に準じる。
(印刷システムPS)
実施の形態3は、基材カラー層のいずれかを形成する印刷システムに関する。図9に示すように、実施の形態3に係る印刷システムPSは、実施の形態1で説明したインクジェットプリンタ100と、コンピュータ300と、を備える。印刷システムPSは、基材10にカラー層20~40のいずれか、基材50にカラー層60を印刷し、印刷物P~Sのいずれかを形成する。なお、以下、基材10及び50を総称して基材BS、カラー層20~40及び60を総称して、カラー層CLともいう。
インクジェットプリンタ100の説明は、実施の形態1を参照できるが、特に、インクタンク120は、カラー層CLを形成するための複数の放射線硬化型インク(例えば、CMYK(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック)の各色などの色の異なる複数のインク)を、インク毎に個別に貯蔵する。インク供給機構130は、インクタンク120内の複数の放射線硬化型インクそれぞれを個別にプリントヘッド140に供給する。プリントヘッド140は、インク供給機構130から供給される複数の放射線硬化型インクそれぞれを個別にインクジェット方式で吐出し、基材10又は50に着弾させる。なお、複数の放射線硬化型インクそれぞれについて、上記貯留室と圧電素子又はヒータとノズルとを副走査方向及び又は主走査方向に沿って複数組設けてもよい。放射線硬化型インクの吐出/非吐出や吐出量は、ノズル毎に個別に制御される。
コンピュータ300は、パーソナルコンピュータ等からの各種コンピュータからなり、記憶部310と、制御部320と、操作部330と、表示部340と、を備える。コンピュータ300は、ここでは、インクジェットプリンタ100を制御する(印刷を指示等する)ホストコンピュータである。
記憶部310は、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置からなる。記憶部310は、各種プログラム、印刷情報を示すデータなどを記憶している。
前記の各種プログラムは、制御部320により実行され、これにより、各種処理が実行される(詳細は後述する)。
印刷情報は、カラー層CLを印刷するときの印刷条件(詳細は後述)を含む。印刷条件は、ユーザにより選択される。ユーザとは、例えば、印刷システムPSを利用して印刷物を印刷する作業者、印刷システムPSの購入者であり、コンピュータ300を操作等してインクジェットプリンタ100に印刷を行わせるものである。選択された印刷条件に基づいてカラー層CLが印刷される。印刷情報の例を図10に示す。印刷情報としては、カラー層CLを印刷する対象の基材が基材10(金属調光沢層12が設けられた基材)であるときに使用される第1印刷情報と、基材が基材50(金属製の基材)であるときに使用される第2印刷情報と、が用意されている。
記憶部310には、1又は複数(ここでは、複数)の第1印刷情報及び1又は複数(ここでは、複数)の第2印刷情報が記憶されるとよい。1つの第1印刷情報及び1つの第2印刷情報は、それぞれ、ID、印刷条件、プレビューデータを含む。ID、印刷条件、プレビュー画像は、1つの第1印刷情報及び1つの第2印刷情報ごとに互いに対応付けて記憶部310に記憶されている。
IDは、第1印刷情報及び第2印刷情報それぞれを特定する情報(「A1」、「A2」、「B1」、「B2」等)である。
印刷条件は、カラー層CLを印刷するときの印刷条件であり、各インクの吐出量、及び、照射モードなどを含む。吐出量は、プリントヘッド140の各ノズルからの1ドット当りのインクの吐出量(例えば、1回のインクの吐出量が定量であるときには、インクの吐出回数により吐出量が規定される)を放射線硬化型インク(ここでは、CMYKのインクとする)毎に指定する情報(「Cの吐出量」、「Mの吐出量」等)である。照射モードは、UV硬化型インクを吐出させて基材BSに着弾させてから当該インクを硬化させるまでの期間を特定する情報である。インクジェットプリンタ100では、放射線照射部160とプリントヘッド140とが一緒に主走査方向に移動するので、照射モードに応じて、当該移動速度を変えることで、前記期間を変化させることができる。なお、プリントヘッド140及び放射線照射部160を副走査方向における同じ位置にて、主走査方向に1回又は複数回移動させる際にインクの吐出のみを行い、その後、前記同じ位置にてプリントヘッド140及び放射線照射部160を再度主走査方向に1回移動させる際に放射線の照射を行うようにしてもよく、この場合、インクの吐出のための移動から放射線の照射のための移動までの間の待機時間を調整することで、放射線硬化型インクを吐出させて基材BSに着弾させてから当該インクを硬化させるまでの期間を調整することができる。印刷条件は、カラー層CLの特性(算術平均高さ、透過濃度、ΔL*、LogHAZE、反射濃度)が所望の特性となる条件を特定するものであればよく、1インチ四方当たりのドット数等を含んでもよい。印刷条件は、ユーザにより適宜編集される。
記憶部310に記憶されている全ての第1印刷情報の印刷条件それぞれは、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.1067x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有するカラー層20~40を印刷する条件であるとよい。さらに、当該印刷条件それぞれ又は少なくとも1つは、ΔL*が10以上(より好ましくは10以上25以下)、LogHAZEが300以上(より好ましくは400以上)であるカラー層20~40を印刷する条件であるとよい。当該印刷条件それぞれ又は少なくとも1つは、前記座標上で、(y=-0.133x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有するカラー層20~40を印刷する条件であるとよい。さらに、当該印刷条件それぞれ又は少なくとも1つは、反射濃度が0.5以上であるカラー層20~40を印刷する条件であるとよい。これら条件により、基材10の金属調光沢に色を付加するカラー層20~40のいずれかを得ることができる。
記憶部310に記憶されている全ての第2印刷情報の印刷条件それぞれは、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.0625x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有するカラー層60を印刷する条件であるとよい。この条件に加え、当該印刷条件それぞれ又は少なくとも1つは、(1)カラー層60のΔL*が35以上で、LogHAZEが700以上であるか、(2)カラー層60のRspecが50以上であるカラー層60を印刷する条件であるとよい。これら条件により、基材10の金属調光沢に色を付加するカラー層60のいずれかを得ることができる。前記(1)の条件で印刷されたカラー層60により、ざらついた(マット感のある)質感の金属調光沢が得られる。前記(2)の条件で印刷されたカラー層60により、滑らかな(鏡面に近い)質感の金属調光沢が得られる。記憶部310に記憶されている全ての第2印刷情報の印刷条件が、上記(1)の条件と上記(2)の条件とのいずれかであってもよいし、当該印刷条件の一部が上記(1)の条件で、他の一部が上記(2)の条件で、残りの一部が他の一以上の条件であってもよい。このように、記憶部310に記憶されている複数の第2印刷情報それぞれの複数の印刷条件は、上記(1)の条件と、上記(2)の条件とを含むとよく、これにより、異なる質感の金属調光沢が表現可能となる。
第1印刷情報の印刷条件それぞれと第2印刷情報の印刷条件それぞれとの一部は、同じ条件であってもよい。但し、基材10と基材50とで、色が付加された金属調光沢の見た目が異なる場合がある。また、印刷条件は、基材10と基材50とで共通としてもよい。例えば、第1印刷情報のみを採用してもよい(基材10(メタリックインク製の金属光沢層12)上に、着色された金属調光沢を生じさせるカラー層を印刷する印刷条件であれば、基材50上でも、着色された金属調光沢を生じさせるカラー層が得られるため)。
上記各印刷条件は、実験等で得られる。具体的に、各種の印刷条件でカラー層を基材BSに印刷し、当該各種の印刷条件のうち、印刷したカラー層が、基材BSの金属調光沢を着色する(金属調光沢を失わせずに色を付加する)カラー層CL(上記各条件を満たすカラー層CL)となった条件が、上記各印刷情報の印刷条件として採用される。
プレビュー画像は、対応する印刷条件にてカラー層CLを印刷したときの、印刷物P~Sいずれかの表面、つまり、着色された金属調光沢を表す画像である。当該プレビュー画像は、ユーザが印刷条件を選択する際に参考として表示部340に表示される。当該プレビュー画像は、例えば、銀色の金属調光沢面にカラー層CLを印刷したときに得られる、着色された金属光沢の画像とするとよい。この場合、プレビュー画像に合わせ、印刷に用いる基材10や基材50の金属調光沢面も銀色とするとよい。印刷に用いる基材10や基材50が銀色でない場合でも、ユーザは、前記プレビュー画像を参考にして、カラー層CL形成後の金属調光沢の態様をある程度把握することができる。基材10や基材50が銀色以外の色(例えば、銅色等)である場合も考慮し、種々の色の金属調光沢面それぞれにカラー層CLを印刷したときの、印刷物P~Sいずれかの表面、つまり、着色された金属調光沢を表す各画像のデータを前記画像のデータとして用意してもよい。
制御部320は、記憶部310に記憶されている各種プログラムを実行することにより、コンピュータ300により実行される処理(印刷条件の選択を受け付ける処理、プレビュー画像を表示する処理、印刷条件を編集する処理、印刷条件に基づいてインクジェットプリンタ100にカラー層CLの印刷を行わせる処理等)を実際に実行する。
操作部330は、ユーザの操作(印刷条件を選ぶ操作、印刷条件を編集する操作など)を受け付ける。操作部330は、キーボード、マウス等から構成される。
表示部340は、上記プレビュー画像等を表示するものであり、液晶表示装置等を含んで構成される。
(印刷システムPSの動作)
以下、印刷システムPSの動作を説明する。なお、ここでは、カラー層CLにより表される画像(実際に印刷される画像)の元となる元画像として、図11の元画像Gが用意されているものとする。元画像Gは、コンピュータ300等の描画ソフトにより作成される。元画像Gは、第1画像G1と、第2画像G2(例えば、第1画像G1に隣接する周囲の画像)と、を含む。なお、元画像Gは、図11の形態に限らず、種々の形態となり得る。
コンピュータ300の制御部320は、記憶部310に記憶されているプログラムに従って、図12に示す印刷処理を実行する。なお、当該処理の実行前に、インクジェットプリンタ100に基材10又は基材50がセットされているものとする。
制御部320は、印刷処理において、まず、インクジェットプリンタ100にセットされている基材が基材10であるか基材50であるかを選択するための画面を表示部340に表示し、ユーザによる操作部330を用いた基材の選択操作を受け付ける(ステップS21)。
制御部320は、前記選択操作を受け付けると、印刷条件の選択を受け付ける(ステップS22)。具体的に、ユーザが操作部330により基材10を選択した場合、制御部320は、元画像Gとともに、第1印刷情報それぞれに含まれるプレビュー画像を表示部340に表示する。ユーザが操作部330により基材50を選択した場合、制御部320は、元画像Gとともに、第2印刷情報それぞれに含まれるプレビュー画像を表示部340に表示する。その後、制御部320は、元画像Gの各部分(第1画像G1及び第2画像G2)についてどの印刷条件を適用するかの操作を受け付ける(ステップS22)。例えば、ユーザは、操作部330を用いて、ドラッグ及びドロップを行うことで、所望のプレビュー画像を元画像Gの各部分に移動させる。これにより、各部分について、移動させたプレビュー画像に対応する印刷条件が当該移動先の部分に適用(選択)される。
制御部320は、印刷条件の選択を受け付けると、当該印刷条件の内容(特に、吐出量等の数値)を表示部340に表示し、印刷条件の編集操作を受け付ける(ステップS23)。なお、編集されたあとの印刷条件は、編集後印刷条件として、記憶部310に格納されてもよい(次回以降の印刷条件の選択の際に選択可能としてもよい)。
編集操作がなされずに編集を終了する旨の操作が行われた場合、又は、編集操作が行われた場合、制御部320は、ステップS22で選択された印刷条件(編集がない場合)、又は、編集後印刷条件にて元画像Gを印刷する指示をインクジェットプリンタ100に供給する(ステップS24)。例えば、制御部320は、元画像Gの各部分に前記印刷条件又は編集後印刷条件を適用した新たな画像データを作成し、作成した当該画像データを印刷の指示とともに、インクジェットプリンタ100に供給する。インクジェットプリンタ100の制御部170は、供給された前記指示(例えば、前記の画像データ)に基づいて印刷動作を行い、基材BSにカラー層CLを印刷する。これにより、ステップS22で選択された印刷条件又は編集後印刷条件に従ったカラー層CLの印刷が行われ、当該カラー層CLにより表される画像が印刷される。なお、編集後印刷条件は、ステップS22で選択された印刷条件に基づくものなので、編集後印刷条件に従ったカラー層CLの印刷は、ステップS22で選択された印刷条件に基づく印刷ともいえる。
以上のような処理により、例えば、インクジェットプリンタ100にセットされた基材が基材50であり(第2印刷情報の印刷条件が選択される場合)、カラー層CLのうち画像Gの第1画像G1に相当する部分の印刷条件として、下記の条件Aが選択され、カラー層CLのうち画像Gの第2画像G2に相当する部分の印刷条件として、下記の条件Bが選択されることがある。条件Aは、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.0625x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有し、ΔL*が35以上で、LogHAZEが700以上であるカラー層を印刷する印刷条件である。条件Bは、算術平均高さxと透過濃度yとの座標上で、(y=-0.0625x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有し、Rspecが50以上であるカラー層を印刷する印刷条件である。これら各印刷条件にてカラー層CLが印刷された印刷物Sは、画像Gの第1画像G1の部分が、ざらついた質感(マット調)の金属調光沢を有し、画像Gの第2画像G2の部分が、滑らかな質感(鏡面調)の金属調光沢を有する。従って、印刷物Sは、印刷が施されたそれぞれの領域又は観察者が視認する位置により質感が異なる高い意匠性を有する。例えば、第1画像G1と第2画像G2とを同じ色、例えば、同じインク(前記色を複数色のインクで表現する場合には第1画像G1と第2画像G2とで同じ比率の吐出量のインク)で印刷してもよく、この場合でも、同様の色で質感の異なる金属調光沢が得られ、高い意匠性が得られる。第1画像G1と第2画像G2とを異なる色、例えば、異なるインク(第1画像G1と第2画像G2とで同じ複数のインクが使用される場合は、比率が異なる吐出量のインク)で印刷してもよく、この場合でも、異なる色かつ質感の異なる金属調光沢が得られ、高い意匠性が得られる。
実際に印刷される画像(カラー層CLにより表される画像)は、上記のような方法で作成されるものに限られない。例えば、印刷したい画像を用意し、当該画像のうち、カラー層CLで印刷したい部分(つまり、着色された金属調光沢を表現したい部分)及びその印刷条件を、ユーザにより選択ないし入力(編集を含む)することにより(カラー層CLを印刷した部分以外の部分は例えば、ベタに着色され、金属調光沢が表れないようにしてもよい)、実際に印刷する画像を作成してもよい。また、上記で印刷される画像は、カラー層CLの位置及びその印刷条件も含めて描画ソフト等により予め作成されたものであってもよい。
基材10が選択され第1印刷情報の印刷条件が選択される場合、第1画像G1はカラー層CLが印刷されている部分となり、第2画像G2はカラー層CLが印刷されていない部分になってもよい。このように、基材10、基材50の一部についてのみカラー層CLの印刷を行い、他の部分については、印刷を行わなくてもよい。
上記構成によれば、従来のインクジェットのメタリックインクを用いて銀色又はステンレス鋼のような色等、金属調の色を表現できる上で、カラーインクを用いるカラー層の印刷により様々な色調まで表現することが可能になる。上記構成では、メタリックインクにカラーインクを混合したカラーメタリックインクを用いるのではなく、予め用意した金属調光沢面、例えば、PETシート、紙等の非メタリック素材のシートにメタリックインクを用いて金属調光沢面を形成した基材10の一面、アルミホイル等の金属製のシート状の基材50の一面に、カラーインクを用いて印刷することで、着色された金属調光沢(カラーの金属調光沢)を表現することが可能になる。
上記では、基材10用の印刷条件(第1印刷情報の印刷条件)と、基材50用の印刷条件(第2印刷情報の印刷条件)と、を用意したので、基材の金属調光沢面の材料に応じて、着色された金属調光沢を得るための好適な印刷条件でカラー層CLを印刷できる。また、印刷条件を予め用意しているので、ユーザにとっては、印刷条件を自ら設定する必要がなく、着色された金属調光沢を有する印刷物を容易に得ることができる。また、印刷条件を編集可能としたことにより、ユーザの好みも反映できる。さらに、第2印刷情報の印刷条件として、35以上のΔL*と700以上のLogHAZEとを有する前記カラー層を印刷する条件と、50以上のRspecを有する前記カラー層を印刷する条件と、を用意することで、質感(マット調又は鏡面調)の異なる、着色された金属調光沢が得られる。なお、カラー層CLは、1つの印刷条件により一様に印刷されても、上記のように基材50上の領域に応じて異なる印刷条件により印刷されてもよい。
(変形例1)
最初に、カラー層CLを印刷する基材BSとして、ベース部材(シート11の他、シート状でないものでもよい)と、当該ベース部材の少なくとも一部上にメタリックインクにより形成され、金属調光沢面を有する金属調光沢層12と、を備える基材10と、金属調光沢面を形成している金属部分を有する基材50と、のいずれを使用するかを選択してもよい。このような場合、インクジェットプリンタ100が、メタリックインクにより、金属調光沢層12を印刷する機能を有してもよく、前記基材10が選択された場合、インクジェットプリンタ100に基材10のシート11をセットし、インクジェットプリンタ100により、金属調光沢層12を印刷し、基材10を形成してもよい。基材10が選択された場合には、第1印刷情報の印刷条件でカラー層CLを印刷し、基材50が選択された場合には、第2印刷情報の印刷条件でカラー層CLを印刷するとよい。
(変形例2)
上記印刷情報(印刷条件等)は、制御部170の記憶装置など、インクジェットプリンタ100に記憶させてもよい。この場合、印刷条件の選択及び編集は、インクジェットプリンタ100が備える表示部及び操作部を用いて行われればよい。また、上記印刷情報は、コンピュータ300と通信可能なサーバ等のコンピュータ300外部に記憶され、印刷条件の選択の度にコンピュータ300に供給されてもよい。
印刷システムPSは、インクジェット方式で印刷を行う印刷機構と、当該印刷機構を制御する印刷制御部と、を有すればよい。印刷条件等がコンピュータ300又はサーバ等のコンピュータ300外部に記憶される場合、例えば、印刷機構は、インクジェットプリンタ100となり、印刷制御部は、コンピュータ300となる。印刷条件等がインクジェットプリンタ100に記憶される場合、例えば、印刷機構は、インクジェットプリンタ100のうち制御部170等の処理及びデータを記憶する部分以外の部分(特に、プリントヘッド140、当該プリントヘッド140を基材BSに対して相対的に移動させる部分)となり、印刷制御部は、インクジェットプリンタ100のうち制御部170等の処理及びデータを記憶する部分となる。
(実施例1)
(金属光沢下地の調整)
最初に、以下の組成を有する光沢インクを調整した。
・紫外線硬化樹脂(ミマキエンジニアリング社製、LH-100クリアインク) 95質量部
・アルミニウム顔料 5質量部
光沢インクの調整では、まず、表面が平滑なポリエチレンテレフタレート製のフィルム(表面粗さRaが0.02μm以下)を用意した。続いて、このフィルムの一方の面の全体にシリコーンオイルを塗布した。このシリコーンオイルを塗布した面側に、蒸着法を用いてアルミニウムで構成された膜(以下、単に「アルミニウム膜」ともいう。)を形成した。続いて、アルミニウム膜が形成されたフィルムを、LH-100クリアインク(ミマキエンジニアリング社製)中に入れ、超音波を照射することにより、フィルムからアルミニウム膜を剥離・粉砕した。次に、これをホモジナイザーに投入し約8時間粉砕処理することにより、リン片状のアルミニウム粒子が分散された光沢インクを得た。この光沢インク中におけるアルミニウム粒子の濃度は5重量%であった。
次に、インクジェットプリンタ(ミマキエンジニアリング社製、フラットベットタイプ(型番UJF-7151plus))を用いて、600×900dpi、16パスの条件で、可撓性フィルム(東山フィルム社製、HK-31WF)上に、この光沢インクを、帯状に印刷した。各パスにおいて、可撓性フィルムは、プリンタヘッドにより光沢インクが塗布されたタイミングから順次19.00秒の待機時間を置いて紫外線を照射した。この金属光沢下地は、LogHAZEが384.2、Sa(算術平均高さ)が0.76μm、塗膜厚さが4.56μm、絶対反射率が26.76%であった。
(単色印刷)
シアンの紫外線硬化型インク(ミマキエンジニアリング社製、LH-100シアン(C))を用い、下表に示す条件に従ってインクジェットプリンタ(UJF-7151plus、ミマキエンジニアリング社製)により上述の金属光沢下地上に印刷し、単色印刷サンプルを得た。
Figure 0007391546000001
(サンプル共通の印刷条件)
・ヘッド温度:45℃
・印刷環境温度(メディア含む):25℃
表中、「ドロップ数」は、1インチ四方当たりのドット数を示す。なお、例えば、C1では、ドロップ数の設定値を440464個として印刷を行っているが、設定値と実測値との間に数千個程度の誤差が出るので、表中のドロップ数の有効数字は2桁としている。
表中、「UV照射間隔」は、インクジェットノズルから吐出されたインク滴がメディアに着弾してから、着弾したインク滴に紫外線が照射されるまでに掛かる時間を示している。
表中、「ドットサイズ」は、紫外線硬化後のメディア上の1ドットの直径を示す。この直径は、光学顕微鏡マイクロスコープ(型番:VH-X6000Series、KEYENCE社製)を用いて測定した場合の相加平均値である。ドットサイズは、UJF-7151plusにおけるインク吐出の駆動波形を調節することで、所定のサイズとした。
表中、「膜厚」は、メディア上に形成された紫外線硬化後のインク層の厚さを示す。膜厚は、形状解析レーザー顕微鏡(型番VK-X200Series、KEYENCE社製)により測定した。
(混色印刷)
さらに、シアンとマゼンタの紫外線硬化型インク(ミマキエンジニアリング社製、LH-100シアン(C)及びLH-100マゼンタ(M))を用い、各インクのドットが交互に配置されるドットパターンで、下表に示す条件に従い、上述のインクジェットプリンタにより、上述の金属光沢下地上に印刷することで、ブルーの混色印刷サンプルを得た。また、同様に、シアン、マゼンタ、イエローの紫外線硬化型インク(ミマキエンジニアリング社製、LH-100シアン(C)、LH-100マゼンタ(M)、及びLH-100イエロー(Y))を用いて、プロセスブラックの混色印刷サンプルを得た。下表では、ブルーの混色印刷サンプルを「B」と数字の組み合わせ(例えば、「B1」)で、プロセスブラックの混色印刷サンプルを「PB」と数字の組み合わせ(例えば、「PB1」)で示す。
Figure 0007391546000002
なお、混色印刷において、「ドロップ数」は、全色のインクのドロップ数の合計を示す。各色のインクのドロップ数の設定値は同数なので、1色当たりのドロップ数は、表中のドロップ数を2(ブルーの場合)又は3(プロセスブラックの場合)で割って、求められる。
(実施例2)
PETシートの表面にアルミの金属膜を蒸着したシート状の基材(金属による金属調光沢面)の上に直接カラーインクでカラー層を印刷すること以外は実施例1と同様に実施して下表に示す条件に従って単色印刷及び混色印刷サンプルを得た。
Figure 0007391546000003
(各種試験)
上述の単色印刷サンプル及び混色印刷サンプルのそれぞれについて、算術平均高さ(Sa値)、透過濃度、ΔL*、LogHAZE、Rspecを測定した。また、各サンプルについて、皮膜状態及び意匠性に関する官能試験を行った。
算術平均高さ(Sa値)は、ISO-25178(表面粗さ)に基づき、形状解析レーザー顕微鏡:型番VK-X200Series(KEYENCE社製)により測定した。
反射濃度は、ISO-5/4(反射濃度測定の光学系)に基づき、500シリーズ分光濃度計(エックスライト社製)により測定した。
透過濃度は、ISO-5/2(透過濃度測定の光学系)に基づき、D200-II透過濃度計(サカタインクスエンジニアリング社製)により測定した。
ΔL*は、分光測色計CM-512m3A(コニカミノルタ社製)により測定した。測定試料面(印刷面)に垂直な軸を0°とし、当該0°からの角度で25°、45°、75°のそれぞれの位置に光源が置かれる。それぞれの光源から照射される光を印刷面に反射させ、反射光を0°の位置から受光することで、それぞれの明度であるL25、L45、L75値を得た。L25とL75の差を計算することでのΔL*を得た。
LogHAZEは、ISO-13803に基づき、光沢度計アピアランスアナライザー:型番RHOPOINT-IQ(コニカ・ミノルタ社製)により、20°の入射光角度で測定した。
Rspecは、20°の入射角度で光を照射したときの、正反射方向(20°)±0.0991°のごく狭い角度範囲のピーク反射を測定した値である。この値が高いほど、正反射(鏡面反射)が生じているといえる。Rspecは、光沢度計アピアランスアナライザー:型番RHOPOINT-IQ(コニカ・ミノルタ社製)により、20°の入射光角度で測定した。
皮膜状態(カラー感)に関する官能試験では、12人のパネリストに、各サンプルにカラー感のある着色がされていると感じるか否かを基準として判定させ、着色されていると判定したパネリストが、8人以上であれば、「◎」、5~7人であれば、「○」、4人以下であれば、「×」と評価した。
意匠性(金属光沢感)に関する官能試験では、12人のパネリストに、各サンプルの表面に金属感があるか否かを判定させ、金属感があると判定したパネリストが、8人以上であれば、「○」、8人以下であれば、「×」と評価した。
以上の試験結果を下表にまとめる。
Figure 0007391546000004
Figure 0007391546000005
Figure 0007391546000006
皮膜状態が「◎」で意匠性が「○」のサンプル、皮膜状態が「○」で意匠性が「○」のサンプル、皮膜状態又は意匠性のいずれかが「×」のサンプルについてLogHAZEをΔL*に対してプロットすると図13のようになる。また、これらのサンプルについて、透過濃度をSaに対してプロットすると図14のようになる。
まず、図13の結果から、皮膜状態が「◎」又は「○」で意匠性が「○」のサンプルは、LogHAZEが400以上、且つ、ΔL*が10以上25以下となることがわかった。
また、図14の結果から、皮膜状態が「◎」で意匠性が「○」のサンプルは、Saをx、透過濃度をyとしたときに、x及びyが、y<-8/75x+0.8という関係式を満たすことがわかった。さらに、皮膜状態が「◎」又は「○」で意匠性が「○」のサンプルは、同様に、x及びyが、y<-2/15x+0.8という関係式を満たすことがわかった。
そして、図13及び図14において、皮膜状態が「◎」で意匠性が「○」のサンプルと、皮膜状態が「○」で意匠性が「○」のサンプルとの分布を比較すると、図13では、両サンプルを特定の数値範囲で区別することは難しいが、図14では、y=-2/15x+0.8の直線を境界に区別できることがわかった。
従って、金属光沢下地に、算術平均高さ(Sa)及び透過濃度が上述の関係式のいずれかを充足するように、カラー印刷を施せば、金属光沢下地の金属感を維持しつつ、実用に耐えるカラー感を金属光沢下地に付与できることがわかった。
実施例2のサンプルも実施例1と同様に評価試験を行い、以上の試験結果を下表にまとめる。ただし、実施例2においては、上記官能試験は行わなかったが、サンプルが金属調光沢(着色された金属調光沢)を有するかの目視による確認は行った。
Figure 0007391546000007
実施例1と同様に、実施例2の各サンプルのLogHAZEをΔL*に対してプロットすると図15のようになる。また、これらのサンプルの透過濃度をSaに対してプロットすると図16のようになる。
図15では、LogHAZEが700以上、ΔL*が35以上であるサンプルを■、LogHAZEが700未満、ΔL*が35未満であるサンプルを▲、ΔL*が35以上で、LogHAZEが700未満であるサンプルを●で表示した。LogHAZEが700未満、ΔL*が35未満であるサンプル(▲)は、金属調光沢を有さなかった。LogHAZEが700以上、ΔL*が35以上であるサンプル(■)と、ΔL*が35以上で、LogHAZEが700未満であるサンプル(●)は、金属調光沢を有していた。特にΔL*が35以上で、LogHAZEが700未満であるサンプル(●)は、Rspec値が50以上であり、LogHAZEが700以上のサンプルとは異なるメタリック感(金属調光沢)を有することが分かった。LogHAZEが700以上、ΔL*が35以上であるサンプル(■)と、LogHAZEが700未満(Rspec値が50以上)であるサンプル(●)とは、ともに、着色された金属調光沢を有するが、前者はざらついた質感(マット調)の金属調光沢を有し、後者は滑らかな質感(鏡面調)の金属調光沢を有する。
実施例1と実施例2とで同じインクの種類、同じ印刷条件(例えば、ドットサイズ、ドット数、UV照射間隔等)でカラー層が印刷された2つのサンプル(2つのサンプルは、カラー層CLの下地(金属調光沢面)の材料が異なる)であって、両者ともに、着色された金属調光沢を有するサンプル同士を複数組比較すると、実施例2のサンプルは、実施例1のサンプルに対してLogHAZE及びΔL*の両方共、数値が大きく増加したことが分かった。また、実施例1における官能試験で皮膜状態と意匠性の両方が×だったサンプルの中のうちC1-2及びPB1-1と同じ印刷条件の実施例2のサンプルであるC2-1及びPB2-1それぞれは、C1-2及びPB1-1それぞれに比べ、LogHAZEが700付近に向上し、ΔL*も40以上に向上しており、従って、金属調光沢感が向上し、意匠性が向上している。このため、下地の金属調光沢感が高ければ(例えば、基材50のように、カラー層を形成する面が金属製のとき)、下地の金属調光沢感が低いとき(例えば、基材10のように、メタリックインクにより金属調光沢層を形成しているとき)に、着色された金属調光沢が得られないような印刷条件でも、カラー層により着色された金属調光沢感が得られる場合があることが分かった。
また、図16では、算術平均高さSaをx、透過濃度をyとしたときに、LogHAZEが700未満、ΔL*が35未満であるサンプル(▲)以外(つまり、金属調光沢を有するサンプル(■及び●))は、x及びyが、y<-1/16x+0.8という関係式を満たすことがわかった。当該条件は、金属調光沢層をメタリックインクで形成した基材(基材10等)にカラー層を設ける場合(実施例1の結果参照)よりも、緩和された条件である。つまり、金属調光沢面の材料が金属である基材(基材50等)にカラー層を印刷する場合には、金属調光沢層をメタリックインクで形成した基材にカラー層を印刷する場合よりも緩和された条件(y<-1/16x+0.8の条件)で印刷を行っても、着色された金属調光沢を得ることができることが分かった。さらにいうと、金属調光沢層をメタリックインクで形成した基材と、金属調光沢面の材料が金属である基材とで、着色された金属調光沢を実現できるカラー層の印刷条件を異ならせてもよいことが分かった。
(変形実施例)
カラー層を印刷する際、金属製の基材のうち第1領域については、Rspecが50以上であるサンプル(C2-7~C2-10、B2-1)の印刷条件と同条件でカラー層を印刷し、前記基材のうち第2領域については、LogHAZEが700以上でΔL*が35以上であるサンプル(C2-2~C2-6、PB2-1~PB2-2)の印刷条件と同条件でカラー層を印刷した。この場合、第1領域と第2領域とで、異なる質感の金属調光沢が得られた。前者のカラー層は、インク滴が基材の上に着弾した後レベリングされ、カラー層に凹凸がほとんどないため、当該カラー層により、鏡面のような金属調光沢を表現することができた。一方、後者のカラー層は、インク硬化後に凹凸が残った状態であるので、当該カラー層によれば、視認する角度によって見え方が異なるマット調の金属調光沢を表現することができた。このように、この実施例では、質感の異なる金属調光沢を得ることができた。
10 基材
11 シート
12 金属調光沢層
20、30、40 カラー層
50 基材
60 カラー層
21、31、61 ドット
22 隙間
32、62 薄膜部分
100 インクジェットプリンタ
110 搬送機構
120 インクタンク
130 インク供給機構
140 プリントヘッド
150 駆動機構
160 放射線照射部
170 制御部
300 コンピュータ
310 記憶部
320 制御部
330 操作部
340 表示部
G 画像
G1 第1画像
G2 第2画像
P、Q、R、S 印刷物
PS 印刷システム

Claims (2)

  1. 金属調光沢を有する金属調光沢面を備える基材と、
    前記金属調光沢面に積層されたカラー層と、を備え、
    前記カラー層は、前記金属調光沢面に積層された状態で測定して、算術平均高さx(μm)と透過濃度yとの座標上で、(y=-0.133x+0.8)として表わされる直線より下方の領域に位置する算術平均高さ及び透過濃度を有し、
    前記基材は、メタリックインクにより形成され、前記金属調光沢面を有する金属調光沢層、を備え、
    前記カラー層は、インクジェット方式で放射線硬化型インクにより形成され、且つ、間に隙間を伴うドットを有し、
    前記カラー層は、前記金属調光沢面に積層された状態で測定して、10以上のΔL*と、300以上のLogHAZEと、を有する、
    積層体。
  2. 前記基材はベース部材を備え、当該ベース部材上に前記金属調光沢層は形成される、
    請求項1に記載の積層体。
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