JP6230568B2 - 化粧建築板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建材の技術分野において使用される基材の表面にインクジェット印刷により模様を印刷する前に、特定条件下でフレーム処理する、化粧建築板の製造方法に関する。
近年、インクジェット印刷により、多種多様な柄模様が簡便、安価に基材に形成することが可能であるため、様々な分野で利用されている。
例えば、特許文献1及び2では、金属系基材、ポリエステルを含むインキ受理層及びインキ受理層を有する塗装鋼板が開示されている。これらの塗装鋼板を製造する際には、金属基材上に形成されたインキ受理層の表面に、溶剤系インキをインクジェット印刷することでインキ層を形成する。このとき、溶剤系インキに含まれる有機溶媒がインキ受理層表面の一部を溶解させて粗面化するため、溶剤系インキは、インキ受理層に対して濡れ広がり、かつ密着することができる。
また、特許文献3,4には、金属系基材と、ちぢみ塗料を塗布して硬化させたインキ受理層と、インキ受理層とを有する建築板に使用する塗装鋼板が記載されている。これらの塗装鋼板を製造する際には、基材上に形成されたインキ受理層の表面に、溶剤系または水系インキをインクジェット印刷することでインキ受理層を形成する。このとき、インキは、インキ受理層表面の溝を毛細管現象により広がるため、十分に濡れ広がることができる。
インクジェット印刷について、上記の溶剤系インキに加えて、特許文献5では、様々な記録材料に高精細な画像を安定に再現できる活性光線硬化型インキを用いた画像形成方法が開示されている。そして、引用文献6では、金属系サイディング材に活性光線硬化型インキを用いてインクジェット印刷を行う、化粧建築板の製造方法が開示されている。
一方、また、特許文献7は外装材等の化粧建築板の製造方法が開示され、具体的には、フレーム処理により基材に設けられた水性エナメル塗膜表面に極性基を導入して、水系インクジェットインキと水性塗膜の濡れ性を向上させている。
特開2000−107683号公報 特開2008−272953号公報 特開2008−036549号公報 特開2008−068453号公報 特許第4539104号公報 特許第5597296号公報 特開2009−107298号公報
本発明で用いる建築板1は図1に示すように、1.5mmを超える高低差dの凹凸模様を有し、金属系基材11、及び該基材上にインキ受理層12が形成されている。なお、金属系基材11上に化成処理皮膜もしくは下塗り塗膜を設け、その上にインキ受理層12が形成されてもよい。
インキ受理層12は、金属系基材11に、樹脂および顔料を含む樹脂組成物を塗料として塗布し、乾燥(または硬化)させることにより形成される。この金属系基材はその後、エンボス加工や絞り成形加工などを行って、タイル調、レンガ調、木目調などの凹凸加工を施される。
このように形成された建築板1に溶剤系インキを用いてインクジェット印刷を行った場合にその意匠性に問題は認められなかったが、活性光線硬化型インキを用いてインクジェット印刷を行った場合に、該インキの均一な濡れ広がりが認められず、印刷画像の意匠性に問題が生じた。
上記問題について検討したところ、活性光線硬化型インキの均一な濡れ広がりを妨げているのは、活性光線硬化型インキがインキ受理層に対して非浸透性であるため、建築板1を製造する際の汚れ(異物)がインキ受理層12に付着することが原因であることが分かった。建築板1の金属系基材11は、インキ受理層12を塗装した後に成形加工などの加工工程が施される。これら複数の加工工程で、製造機器と建築板1が接触し、製造・加工機器にインキ受理層などが付着し、この樹脂が後続ロットのインキ受理層12に付着して、インキ受理層12の汚れとなる。
特に、建築板1が金属サイディング材の場合は、断熱性や防音性を高める目的で、合成樹脂発泡体などを芯材13として、アルミラミネートクラフト紙などの裏面材14で金属系基材の裏面が被覆される(図2)。これらの芯材や裏面材が被覆された後に成形加工が行われるため、芯材由来の樹脂及び添加剤なども後続ロッドのインキ受理層12に付着し、汚れが顕著になる。
本発明者らは、この汚れを除去すべく種々検討し、建築板1の表面にバーナーからの火炎を当てることで表面の汚れ(異物)を焼却すれば上記問題が解決できることと考えた。しかしながら、建築板1の表面(印刷面)に対して垂直の位置(傾斜角度0°)から火炎を噴射すると、金属系基材の凹凸の高低差dが1.5mmを超える高さであるとき、凹部でバーナーからの火炎が反射して(図1の破線矢印)、火炎が凹み部分に十分照射されないことが分かった。そのため、フレーム処理することで建築板1の凸部の印刷は汚れによる影響がないが、凹部は汚れによる影響が顕著である。
本発明者らは、更に検討を続けた結果、バーナーを特定の角度に傾けて、火炎を照射することで、火炎の反射がなく、一定方向に火炎が照射されるため、凹凸の高低差dが1.5mmを超えるような大きな値であっても、火炎が凹部に十分に当たり、汚れの焼却除去が可能であることを見出した。
具体的に、本発明は、高低差が1.5mmを超える凹凸模様を形成する金属系基材を含み、該基材上には樹脂組成物で形成されるインキ受理層が配置された建築板を、建築板の印刷面の垂直方向に対して±15〜60°の角度で傾斜したバーナーから噴射される火炎で表面処理した後、活性光線硬化型インキでインクジェット印刷することを含む、化粧建築板の製造方法を提供する。
本発明では、建築板の表面(印刷面)をインクジェット印刷前に、特定の角度に傾斜したバーナーでフレーム処理して汚れを除去することで、活性光線硬化型インキの均質な濡れ広がりが得られ、意匠性が高い化粧建築板が得られる。
本発明で用いる建築板1が建築板の印刷面に対して垂直方向の向きからバーナーでフレーム処理されている態様を表す図である。建築板1は本発明で使用する建築板であって、建築板として好ましい態様の金属サイディング材である。 本発明で用いる建築板1が金属サイディング材である場合の断面を表す図である。 本発明の実施の一態様を表す図である。 本発明の実施に使用するライン型インクジェット記録装置の一例を表す。 本発明の実施に使用するバーナーのバーナーヘッドの概略図である。 実施例における、金属系基材と芯材(合成樹脂発泡体)の接着強度測定方法の概略図である。
本発明により製造される化粧建築板は、図3で示されるように、建築板1の表面を、特定の角度Rに傾斜させたバーナーから噴射される火炎で表面処理(フレーム処理)し、その後、活性光線硬化型インキでインクジェット印刷されることで得られる。
本発明の建築板は、建材として使用される建築板であれば、その用途は特に限定されない。具体的には、壁材、床材、屋根材などが挙げられる。また、本発明の建築板は、金属サイディング材が好ましく、外壁用の金属サイディング材が更に好ましい。
本発明の建築板は金属系基材を有する。金属系基材としては、一般に建築板として使用されている金属板を使用することができる。溶融Zn−55%Al合金めっき鋼板などのめっき鋼板、普通鋼板やステンレス鋼板などの鋼板、アルミニウム板および銅板が挙げられる。これらの金属板は、当該技術分野で汎用されているエンボス加工や絞り成型加工などを行って、タイル調、レンガ調、木目調などの凹凸加工を施される。
なお、本発明で使用する金属系基材は、発明の効果を阻害しない範囲で、その表面に化成処理皮膜や下塗り塗膜などが形成されていてもよい。
また、金属系基材の厚さは特に限定されないが、建築材が金属サイディング材の場合は、金属系基材の厚さは0.15〜0.5mmである。
本発明の金属系基材は高低差が1.5mmを超える凹凸模様を形成する。ここで、「高低差が1.5mmを超える凹凸模様」とは、金属系基材が高低差dが1.5mmを超える凹凸を少なくとも1つ以上有し、その凹凸が模様を構成していることを意味する。従って、高低差が1.5mm以下の凹凸が存在してもよく、これらの凹凸が組み合わされて、タイル調や木目調などの模様を金属系基材が形成することができる。また、高低差dは1.6mm以上が好ましく、1.8mm以上が更に好ましい。
なお、高低差dに関し、インキ受理層の厚さも考慮されるべきであるが、下記の通り、インキ受理層の厚みは通常3〜30μmの範囲内であるため、インキ受理層の厚みは考慮しなくてもよい。
また、本発明の効果が奏される限り、金属系基材の高低差の上限は特に規定されないが、通常、金属系基材の凹凸の高低差は7mm以下であり、5mm以下が好ましい。金属系基材の凹凸の高低差が最大7mmであれば、建築材として十分な意匠性を有する模様を形成することができるためである。また、金属系基材の凹凸の高低差が7mmを超えると、火炎を凹部に存在する異物にあてることができず除去することが難しい場合がある。
本発明で使用するインキ受理層は、樹脂組成物を硬化させて形成される塗膜であり得る。ここでは、上記基材に塗膜を形成できる塗料として一般的に使用されている高分子化合物の樹脂を使用することができる。例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フェノール樹脂等の高分子化合物が挙げられる。中でも本発明に用いられる高分子化合物としては、高耐候性で、インキとの密着性に優れることからポリエステル樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
なお、従来の水性インキのインキ受理層として使用されてきた多孔質なインキ受理層を形成するような塗料は使用しないことが好ましい。このような多孔質なインキ受理層は耐水性、耐候性に問題がある場合があり、建築材の使用に適さない場合がある。
上記の高分子化合物の樹脂において、その性状や物性を調整するために、硬化剤を使用することができる。ポリエステル樹脂を使用する場合は、メラミン系硬化剤(メラミン樹脂硬化剤)を用いることが望ましい。例えば、メチル化メラミン(メチロールメラミンメチルエーテル)、n−ブチル化メラミン(メチロールメラミンブチルエーテル)、およびメチルとn−ブチルとの混合エーテル化メラミン等が挙げられる。このように硬化剤を用いて架橋密度を高めたインキ受理層は、非水性インキが浸透しないことから耐水性、および耐候性に優れるため特に好ましい。インキ受理層が活性光線硬化型インキに対して非浸透性であることは、インキ受理層およびインキ層の断面を100〜200倍の倍率で顕微鏡観察することにより、確認することができる。インキ受理層が非浸透性の場合は、インキ受理層とインキ層との界面を明確に識別することができるが、浸透性の場合は、界面が不明確となり識別することが困難である。
上記高分子化合物として、ポリエステル樹脂を使用する場合、その分子量はGPCで測定した場合の数平均分子量が2,000〜8,000であることが好ましい。分子量が2,000より小さくなると加工性が低下して塗膜ワレが発生しやすくなる場合がある。また、分子量が8,000より大きくなると架橋密度の低下により耐候性が低下する場合がある。加工性と耐候性のバランスから数平均分子量は3,000〜6,000が特に好ましい。
本発明のインキ受理層は、有機もしくは無機の固形粒子を含んでいてもよい。当該粒子の平均粒子径が4〜80μm、好ましくは10〜60μmである。
上記無機粒子としては、シリカ、硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスビーズ、ガラスフレークが挙げられる。また、有機粒子として、アクリル樹脂ビーズ、ポリアクリロ二トリル樹脂ビーズが挙げられる。これらの樹脂ビーズは、公知の方法を用いて製造したものでもよいし、市販品を利用してもよい。市販のアクリル樹脂ビーズの例には、東洋紡株式会社の「タフチック AR650S(平均粒径18μm)」、「タフチック AR650M(平均粒径30μm)」、「タフチック AR650MX(平均粒径40μm)」、「タフチック AR650MZ(平均粒径60μm)」、「タフチック AR650ML(平均粒径80μm)」、「タフチック AR650L(平均粒径100μm)」および「タフチック AR650LL(平均粒径150μm)」が含まれる。また、市販のポリアクリロニトリルビーズの例には、東洋紡株式会社の「タフチック A−20(平均粒径24μm)」、「タフチック YK−30(平均粒径33μm)」、「タフチック YK−50(平均粒径50μm)」および「タフチック YK−80(平均粒径80μm)」が含まれる。
このときの、有機、無機粒子は、通常、塗膜質量の2〜40質量%、好ましくは、10〜30質量%である。
上記固形粒子や着色顔料の平均粒径は、コールターカウンター法により求められる。
さらに、前記インキ受理層は着色顔料を含んでいてもよい。このときの着色顔料の平均粒子径は、通常0.2〜2.0μmである。このような着色顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、黄色酸化鉄、フタロシアニンブルー、カーボンブラック、コバルトブルーなどが挙げられる。着色顔料を加える場合、通常、塗膜質量の40〜60質量%となるように塗料に添加する。
インキ受理層の膜厚は、特に限定されないが、通常3〜30μmの範囲内である。塗膜が薄すぎる場合、塗膜の耐久性および隠蔽性が不十分となるおそれがある。一方、塗膜が厚すぎる場合、製造コストが増大するとともに、焼付け時にワキが発生しやすくなるおそれがある。
本発明の建築板が、金属サイディング材の場合は、図1及び図2に示すように、金属系基材11の裏面に芯材13及び裏面材14を有する。
芯材13は、合成樹脂発泡体で形成される。合成樹脂発泡体として、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリイソシアヌレートフォーム、フェノール樹脂フォーム、塩化ビニル樹脂フォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォーム、ユリア樹脂フォームなどを例示することができる。また、芯材13は、ロックウール、グラスウール、セラミックウールなどの無機質材を利用することもできる。
裏面材14は、アルミニウム蒸着紙、クラフト紙、アスファルトフェルト、金属箔(Al、Fe、Pb、Cu等の箔)、合成樹脂シート、ゴムシート、布シート、石膏紙、水酸化アルミニウム紙、ガラス繊維布、ガラス繊維不織布等の1種、または2種以上をラミネートしたもの、あるいは防水処理、難燃処理されたシート状物からなるものを利用することもできる。
なお、金属サイディングには相互に接続するための嵌合部があり、通常、金属系基材の幅方向両端部を、オス、メス構造を形成するように、折り曲げて作成する。
本発明の活性光線硬化型インキは、当該技術分野で一般的に使用しているインキを使用し、これには、ラジカル重合型インキとカチオン重合型インキが存在し、いずれも使用することができる。
活性光線硬化型インキは、通常、モノマーもしくはオリゴマー、光重合開始剤、色材、分散剤、界面活性剤、その他の添加剤を含む。本発明では、当該技術分野で一般的に使用されている材料を用いる。カチオン重合型インキはラジカル重合型インキと比較して体積収縮率が少なく、架橋密度を高めた非浸透性のインキ受理層に対しても高い密着性が得られることから特に好ましい。
図3は、本発明の一実施態様を示したものである。この図では、建築板1がベルトコンベア等の搬送機4により、矢印の方向(図面3の左から右方向)に搬送されている。バーナー2は、火炎が噴射される炎口21、バーナーヘッド22、空気と燃料ガスが混合された混合ガスが供給されるガス供給部(図示せず)、バーナーヘッドを所定の位置で固定する支持部(図示せず)及びバーナーヘッド22の傾斜角度を調整可能にする調整手段(図示せず)を有する。調節手段は炎口21を搬送機4上に所定の角度に回動できるようにして、その傾斜角度を固定して保持できる構造を有する。
本発明では、バーナーからの火炎を±5〜60°(これは、5〜60°及び−60〜−5°の範囲を含むことを意味する。以下も同様である。)の角度で傾斜させて噴射する。この傾斜角度は以下のように定義できる。つまり、火炎の傾斜角度は、建築板1の印刷面に対して垂直に伸びる線(破線α)とバーナー2の炎口21に対して垂直に伸びる線(破線β)が形成する角度Rである(図3)。
また、バーナーの炎口21が搬送方向に向かって傾斜しているときは、角度Rの値を正の数値とする。一方、バーナーの炎口21が搬送方向と逆方向に向かって傾斜しているときは、角度Rの値を負の数値とする。
バーナー2を、図3におけるRが、±5〜60°、好ましくは±5〜45°、更に好ましくは±5〜40°、最も好ましくは±15〜30°の角度となるように傾斜させ、火炎3を傾斜させて照射することで、火炎3が常に一定方向に照射することができる。そのため、建築板1に形成された凹部に対して均一に火炎を当てることができるので、凹部でも、均一なインキの濡れ広がりが認められる。
また、建築板1の搬送時に生じる気流を考慮すると、図3のようにバーナーの炎口21が搬送方向に向かって傾斜していること、つまり、正の角度に傾斜していることが好ましい。
角度Rが−5°を超え+5°未満であると、バーナーからの火炎が凹部で堰き止められて反射するため、十分な火炎の照射が行われない。また、角度Rが−60°より小さい、又は60°よりも大きくなると、火炎の傾きが大きくなる。後述の通り、バーナー2と建築板1の表面との距離Hは一定の距離離れている必要があり、火炎の傾きが大きいと火炎自体が建築板1の表面に届かなくなる。
バーナー2は、建築板1の印刷面からの距離Hの位置に設定する。Hは、バーナー2の印刷面からの最短の距離を意味する。つまり、Hは通常バーナーヘッド22と印刷面との距離を示すが、炎口21がバーナーヘッド22から大きく突き出した構造で炎口21と印刷面との距離がバーナーヘッド22と印刷面との距離よりも近い場合、Hは炎口21と印刷面との距離を示す。
通常、距離Hは10〜120mm、好ましくは、25〜100mm、さらに好ましくは30〜90mm、最も好ましくは40〜80mmの範囲になるように設定する。建築板1の金属系基材1はエンボス加工や絞り成形加工などの成形加工を経る。このため、金属系基材11に反りが生じてしまう場合がある。前記距離Hが10mm未満であると、金属系基材11の反りのために、バーナー2と建築板1が接触してしまう場合がある。なお、建築板1はその長さが数メートル(3〜4m)に及ぶ場合があり、このときに金属系基材11では反りが10〜20mm生じ得る。そのため、距離Hは、金属系基材11の長さ、つまり、建築板1の長さに応じて距離Hを調整する必要がある。
また、距離Hが120mmを超えると、フレーム処理の効果を奏するために高いエネルギーの火炎を照射する必要があり、非効率的であり好ましくない。
本発明の一実施形態を、図4を参照してより具体的に説明する。この実施形態では、建築板1のインキ受理層で形成される印刷面1−1を本発明で規定する範囲に傾斜させたバーナー2の火炎を照射してフレーム処理を行う。また、使用するインクジェット記録装置は4色のインキ(イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック(黒))の4色のインクジェット印刷が可能なライン式インクジェット記録装置Mである。そして、使用するインキは活性光線硬化型インキである。
図4における、ライン式インクジェット記録装置Mは、インクジェット記録ヘッド6(61〜64)、その記録ヘッドに接続するインキ供給タンク7(71〜74)及び印刷制御システム8を備えたインクジェット式塗装機5、並びに搬送機4を備える。さらに、このライン式インクジェット記録装置Mに、フレーム処理を行うためのバーナー2、活性光線照射機9が設置されている。
建築板1の印刷面(インキ受理面)1−1は、搬送機4の搬送面4−1に接する面と反対側の面である。ここに、インクジェット記録ヘッドから吐出される活性光線硬化型インキで着色され、所望の画像をインキ受理層の上に形成することができる。
図4に示されるように、建築板1の印刷面1−1はインクジェット印刷の前にバーナー2から吐出される火炎3によりフレーム処理される。
バーナーの出力は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、通常、バーナーの炎口の幅10mmあたり250kJ/時〜12000kJ/時、好ましくは、400kJ/時〜7500kJ/時、さらに好ましくは600kJ/時〜6000kJ/時、なお更に好ましくは1200kJ/時〜5000kJ/時の出力である。バーナーの炎口の幅10mmあたり250kJ/時未満であると、建築板1の表面に存在する汚れ(異物)の焼却が十分に行われない場合がある。また、バーナーの炎口の幅10mmあたり7500kJ/時以下で、火力は十分であり、これを超えると経済的にも非効率である。また、建築板1が金属サイディング材である場合、12000kJ/時を超える火力で火炎を照射すると、金属系基材1の表面温度がすぐに300℃を超えてしまうため、芯材2と金属系基材1との界面に熱歪が生じ芯材2と金属系基材1に剥離が生じる。また、金属系基材1の蓄熱性を考慮すると250℃以下が好ましい。
なお、金属系基材11の表面温度は、熱電対温度計(Kタイプ)の熱電対先端を建築板1のインキ受理層12の一部をヤスリ等で除去してから溶接し、建築板1の印刷面1−1の任意の場所で測定する。
図5(a)は、バーナー2の側面の概略図を表し、図5(b)はバーナー2の正面の概略図である。
図5(a)で示されるLは、炎口21の長さを表す。炎口21は、図3又は4における搬送方向に平行の向きにその長さLを変更することが可能である。通常、Lは3〜40mmである。なお、建築板1の搬送速度が大きくなると建築板1の移動に伴う気流が発生する。Lの値が小さいほどバーナーの火炎3がその気流の影響を受けやすくなるため、火炎3が均一に照射できない場合がある。そのため、最適条件を考慮しながら、Lと搬送速度を調整することが好ましい。
また、図5(b)は、図3又は図4のバーナー2の正面概略図である。バーナー2の炎口21の幅をWで表している。バーナーヘッド22には、支持部23及びガス供給部24が備えられている。このWは建築板1の大きさを考慮して選択されるが、通常、40〜50cmである。また、炎口の態様について特に限定されないが、通常、リボン形状や丸穴形状のバーナーを用いることができる。
また、上記の「バーナーの炎口の幅10mmあたり」記載は、図5(b)のW´が10mmであることを意味する。
このような構造のバーナーヘッドを有するバーナーは市販されており、例えば、Flynn Burner社(米国)の製品名F−3000、Finecom I&T社(韓国)の製品名FFP250などが存在する。
搬送機4による建築板1の移動速度は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、固定されているバーナー2に対し、通常、5〜70m/分である。好ましくは、10〜40m/分であり、更に好ましくは、15〜30m/分である。5m/分未満であると、作業効率が悪くなる。また、5m/分未満であると、建築板1が金属サイディング材である場合、バーナーの出力を小さくしても金属系基材11の表面温度が300℃を超え、金属系基材と芯材との剥離が生じる場合がある。また、70m/分を超えると、バーナー2の火炎3が建築板1の移動により生じる気流の影響を受けてしまい、印刷面1−1に均一に火炎を照射することができず、汚れ(異物)の除去が十分にできない場合がある。
バーナー2の燃料ガスとしては、特に制限されないが、通常、水素、液化石油ガス(LPG)、液化天然ガス(LNG)、アセチレンガス、プロパンガス、又はブタン等が使用され、またその助燃ガスとしては、空気、又は酸素が使用される。燃焼エネルギーを考慮するとLPGやLNGを使用することが好ましい。上記の燃料ガスと助燃ガスを予め混合して、ガス供給部24より、バーナーヘッド22に供給することができる。
火炎により表面処理(フレーム処理)された建築板1は、インクジェット式塗装機5でインクジェット印刷される。インキは4色使用し、インクジェット記録ヘッド61からイエロー、62からシアン、63からマゼンダ、64からブラック(黒色)のインキがそれぞれ吐出される。これらのインクジェット記録ヘッドにそれぞれインキ供給タンク(71〜74)が接続されている。上記インキは市販されている活性光線硬化型インキを使用することが可能である。
各色のインクジェット記録ヘッドから吐出されたインキ滴は、印刷面1−1に向けて鉛直方向に飛翔する。インキ滴の初速は、一般に、3m/sec〜9m/sec、好ましくは4m/sec〜7m/secに設定される。インキ滴の初速とは、記録ヘッドからの吐出時におけるインキ滴の速度である。例えば、インクジェット記録ヘッドから吐出されたインキ滴がインキ吐出部から鉛直方向に1mmの距離と、この1mmの距離を進むのに要する時間とで算出(所定の距離/時間)される。
インキ滴の初速が3m/sec未満では液滴の速度が遅すぎるため、インキ滴の着弾精度が大幅に低下する場合がある。また、9m/secを超える場合は、着弾精度は良いものの、インキのサテライトが発生して画質が低下するという問題が生じる場合がある。
インクジェット記録ヘッドのノズルから印刷面1−1に吐出される一滴のインキ滴の体積は、特に限定されないが、一般には60pl(ピコリットル)未満、好ましくは、10pl以上45pl未満に設定する。
活性光線照射機9は、インクジェット式塗装機5に対して搬送方向下流側の所定の位置に設置されている。ここで、本発明における「活性光線」とは、電子線、紫外線、α線、γ線、エックス線等が挙げられる。本発明において、安全性やハンドリング性を考慮すると電子線、紫外線を用いることが好ましく、紫外線を用いることが最も好ましい。
活性光線照射機9は、搬送機4の搬送面4−1に向けて設置された活性光線を照射するランプを備え、搬送面4−1の方向に活性光線を照射する。
印刷面1−1に着弾したインク滴を活性光線照射機9からの活性光線で硬化させる。通常、インク滴が着弾してから1.0秒以上、好ましくは2.0秒以上、さらに好ましくは2.2秒以上経過した後に活性光線を照射するように、搬送機4の搬送速度及びインクジェット式塗装機5から活性光線照射機9までの距離を調整する。また、空気中の水分がインキの重合を阻害することがあるため、インキが着弾後30秒以内に活性光線を照射する。
制御部8は、インクジェット記録装置Mで形成される画像の記録による模様付けやインクジェット記録ヘッドの温度調節を含む各種処理を制御する。制御部8は、電子部品が搭載された回路基板及び電気配線等を含む。制御部8に含まれる少なくとも一部の構成は、図4に示すようにインクジェット記録ヘッドの上部に設置されている。
ライン式インクジェット記録装置Mは、ネットワークインターフェース等の所定のインターフェース(図示せず)を備える。インクジェット記録装置Mは、インターフェースを介して、パーソナルコンピュータ等の外部装置と通信可能に接続されている。外部装置は、インクジェット記録装置Mに対し、印刷面1−1への画像の記録指令及び記録する画像を示すデータ等を入力する。記録指令が入力されたインクジェット記録装置Mでは、所定の処理が実行され、上記のインキがインクジェト記録ヘッドから吐出され、所望の画像が印刷面1−1に形成され、本発明の化粧建築板の製造方法が実行される。
以下に実施例および試験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
以下の実施例では、建築板として金属サイディング材を調製し、評価した。
1.金属サイディング材の製造
(1−1)金属系基材の製造
板厚0.27mm、A4サイズの片面当りめっき付着量90g/mの溶融Zn−55%Al合金めっき鋼板を基材として使用した。このめっき鋼板をアルカリ脱脂した後、塗布型クロメート(NRC300NS:日本ペイント株式会社製 Crとして50mg/mの付着量)、プライマー層として市販のエポキシ樹脂系プライマー塗料(日本ファインコーティングス株式会社製700P)を乾燥膜厚が5μmとなるようにロールコーターで塗装した後、最高到達板温215℃となるように焼き付けた。
(1−2)インキ受理層の製造
インキ受理層を形成するための樹脂組成物である塗料の組成は以下の通りである。樹脂としては数平均分子量5,000、ガラス転移温度30℃、水酸基価28mgKOH/gの高分子ポリエステル樹脂(DIC株式会社製)を用いた。架橋剤であるメラミン樹脂としては、メトキシ基90モル%のメチル化メラミン樹脂(三井サイテック製サイメル303)を用いた。ポリエステル樹脂とメラミン樹脂の配合比は70/30であり、着色顔料としては平均粒径0.28μmの酸化チタン(テイカ製 JR−603) 49質量%、平均粒径10μmのマイカ(株式会社ヤマグチマイカ製 SJ−010) 13質量%、平均粒径5.5μmの疎水性シリカ(サイシリア456;富士シリシア株式会社) 6質量%、平均粒径12μmの疎水性シリカ(富士シリシア化学株式会社製 サイリシア476) 2質量%を添加した。触媒はドデシルベンゼンスルフォン酸を、樹脂固形分に対して1質量%加えた。またアミンとしてジメチルアミノエタノールをドデシルベンゼンスルフォン酸の酸当量に対してアミン当量として1.25倍の量を加えた。塗料の乾燥膜厚が18μmとなるようにロールコーターで塗装した後、最高到達板温225℃となるように焼き付けた。
なお、上記マイカ、疎水性シリカ及び酸化チタンの平均粒径はコールターカウンター法により求めた。
具体的には以下のように測定した。測定装置として、コールターカウンター(米国コールターエレクトロニクス社製)TA−II型を用いた。試料約0.5gを200mlのビーカーに取り、純水約150mlを加え、超音波(ULTRASONIC CLEANER B-220)で60〜90秒分散させた。付属の電解液(ISOTON II:0.7%高純度NaCl水溶液)150mlに上記分散液をスポイトで数滴加え入れ、上記装置を用いて粒度分布を求めた。
但し、上記JR−603(酸化チタン)及びサイシリア456(疎水性シリカ)は30μmのアパッチャーチューブを使用した。また、SJ−010(マイカ)は50μmのアパッチャーチューブを使用した。平均粒径は累積粒度分布図の50%径を読み取り求めた。
(1−3)金属系基材の凹凸形成
上記のインキ受理層を有する金属系基材にエンボス加工による表面加工を行った。
アンコイラーに巻かれたインキ受理層を有する金属系基材を連続的に送り出し、ロール式エンボス成形機により、ブリック柄で高さ1.8mm〜4.0mmのエンボス形状に金属系基材を連続して成形し、御影石擬似柄の外観を施した金属系基材を形成した。
(1−4)芯材及び裏面材の形成
形成された金属系基材の裏面に、芯材となるポリイソシアヌレート原料として、ソフランR−HIPとトーヨーソフランR746−19D(いずれも株式会社ソフランウィズ製)とを、発泡機によって質量比10対7で混合しながら混合押出機により吐出した。また、発泡するポリイソシアヌレート原料層上にアルミクラフト紙(裏面材)を送り出した。そして、エンボス加工された金属系基材とアルミクラフト紙との間にポリイソシアヌレート原料層をサンドイッチした状態で加熱、加圧し、発泡成形することにより、インキ受理層を有する金属系基材、芯材およびアルミクラフト紙をこの順で有する金属サイディング材を製造した。なお、芯材の厚みは、17mmとした。芯材の厚みは、上記加熱、加圧時に金属サイディング原板をその積層方向に挟持するダブルコンベア間の距離によって調整した。
ポリイソシアヌレート原料の詳細な発泡条件は以下の通りである。
ラインスピード 40m/min
流量 6kg/min
液温 30℃
インキ受理層を有する金属系基材のプレヒート温度 35℃
オーブンキュアー温度 50℃
発泡機 低圧型アジテータミキシング発泡機
2.フレーム処理のためのバーナー
フレーム処理を行うためのバーナーとして、FFP200(Finecom I&T(韓国)社製を使用した。燃焼ガスとしてLPガスを用い、バーナーの炎口の幅10mmに対し、LPガス0.04〜1.28L/分、クリーンドライエアー 1〜32L/分をガスミキサーで混合した後に、バーナーで燃焼させてフレーム処理を行った。また、バーナーの炎口における搬送方向に平行な向きの長さ(図5(a)におけるL)が20mmのものを用いた。
また、バーナーの傾斜角度Rは、0°、5°、±15°、±30°、±40°、±45°、±60°及び65°でフレーム処理を行った。
なお、フレーム処理時の搬送速度は20m/分で行った。
3.活性光線硬化型インキによるインクジェット印刷
(3−1)
活性硬化型インキとして、ラジカル重合型紫外線硬化性黒色インキ及びカチオン重合型紫外線硬化性黒色インキを用いた。各インキの具体的な組成は以下の通りである。
(i)ラジカル重合型紫外線硬化性黒色インキ
ラジカル重合型紫外線硬化性黒色インキを、以下の成分を混合することにより調製した。具体的な組成は以下の通りである。
顔料分散液1)(顔料分:10質量%) 10質量部
反応性オリゴマー2) 25質量部
反応性オリゴマー3) 57質量部
光重合開始剤4) 5質量部
光重合開始剤5) 3質量部
1)顔料:NIPex 35、カーボン デグサジャパン(株)製、分散媒:SR9003、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート サートマージャパン(株)製
2)CN985B88、2官能脂肪族ウレタンアクリレート88質量%、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート12質量%の混合物 サートマージャパン(株)製
3)1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
4)イルガキュア184、ヒドロキシケトン類 チバ・ジャパン(株)製
5)イルガキュア819、アシルフォスフィンオキサイド類 チバ・ジャパン(株)製
(ii)カチオン重合型紫外線硬化性インキ
高分子分散剤(味の素ファインテクノ社製 PB821) 9質量部とオキセタン化合物(東亜合成社製 OXT211) 71質量部にブラック:Pigment Black 7を20質量部加えて、直径1mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れて密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、ブラックの顔料分散体を調整した。
上記分散体14質量部に、以下の光重合性化合物、塩基性化合物、界面活性剤、相溶化剤、光酸発生剤を混合して、カチオン重合型紫外線硬化性インクジェットインキを作製した。
Figure 0006230568
インキ液滴の体積を42plとし、インクジェット印刷機(株式会社トライテック製、パターニングジェット)を用いて黒色インキでドット印刷を行った。この時の印刷条件は以下のとおりである。ドット同士が重ならないようにドット間の距離は500μmとして金属サイディング材全体にブラックインキによるドット印刷を行った。ドット径はオリンパス株式会社製走査型共焦点レーザ顕微鏡 LEXT OLS3000を用いて測定した。1ドットのみが見える範囲に拡大して(200倍)、8個のドットのドット径を測定し、その平均値を示した。ドットの広がりが楕円に近い場合は、長径と短径の平均値をドット径とした。フレーム処理する前の金属系サイディングのドット径は汚れの付着度合いによって変化し、汚れ付着が多い箇所のドット径が約130μmであるのに対して、汚れ付着がほとんどのない箇所は約180μmと約50μmの差があった。
ラジカル重合型紫外線硬化インキのインクジェット印刷条件
(a)ノズル径 :35μm
(b)印加電圧 :11.5V
(c)パルス幅 :10.0μs
(d)駆動周波数 :3,483Hz
(e)解像度 :360dpi
(f)インキ液滴の体積 :42pl
(g)ヘッド加熱温度 :45℃
(h)インキ塗布量 :8.4g/m
(i)ヘッドと記録面の距離 :5.0mm
(j)インキ滴の初速 :5.9m/sec
カチオン重合型紫外線硬化インキのインクジェット印刷条件
(a)ノズル径 :35μm
(b)印加電圧 :13.2V
(c)パルス幅 :10.0μs
(d)駆動周波数 :3,483Hz
(e)解像度 :360dpi
(f)インキ液滴の体積 :42pl
(g)ヘッド加熱温度 :45℃
(h)インキ塗布量 :8.4g/m
(i)ヘッドと記録面の距離 :5.0mm
(j)インキ滴の初速 :6.1m/sec
本実施例では、活性光線として紫外線を用いた。インクジェット印刷後の以下の条件でインキの紫外線硬化を行った。紫外線照射はインク滴が着弾した5秒後に行った。
(1)ランプの種類:高圧水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ・ジャパン株式会社製 Hバルブ)
(2)ランプの出力:200W/cm
(3)積算光量:600mJ/cm(オーク製作所製紫外線光量計UV−351−25を使用して測定)
金属サイディング材表面の汚れ付着の多少に係らず、特定条件でフレーム処理することにより、均質かつ十分なインキの濡れ広がりを見せる。本実施例では、フレーム処理によりラジカル重合型紫外線硬化性インキのドット径が190〜210μmとなったものを○と評価した。また、カチオン重合型紫外線硬化性インキに関し、そのドット径が200〜220μmとなったものを○と評価した。
4.金属系基材の温度の測定
熱電対温度計(Kタイプ)(日置電機株式会社・温度ロガーLR5021)とセンサー(安立計器株式会社・テープ型多目的温度センサー)を金属サイディング材の金属系基材表面に取り付け測定した。
5.金属系基材と芯材(合成樹脂発泡体)の接着強度測定方法
金属系基材と芯材の接着強度測定方法を図6に示すように行った。まず、裏面材を除去した50mm×50mmの金属サイディング材の表裏をホットメルト接着剤101(商品名:ホットメルトスティック多用途白色 HSW−01K、ヘンケルジャパン株式会社製)で木片102(9mm×65mm×70mm)を貼り付けた。次に、引張用治具103を用いて、上下の矢印方向に引っ張り速度5mm/分で引っ張り、最大剥離強度(kg/cm)を測定した。サイディングオス側嵌合部、中央部、メス側嵌合部の3箇所の最大剥離強度を平均して金属系基材と合成樹脂発泡体の接着強度とした。接着強度が0.3g/cm以上であれば合格とした。
上記サイディング材を、上記のバーナーを用いてフレーム処理し、上記印刷条件で印刷を行った。このサンプルの黒色インキのドット径、金属系基材の温度及び金属系基材と芯材との接着強度を測定した。試験の結果を以下に示す。
なお、下記表の実施例1〜3は参考例である。
Figure 0006230568
1:建築板、1−1:印刷面、2:バーナー
11:金属系基材、12:インキ受理層、13:芯材、14:裏面材
21:炎口、22:バーナーヘッド、23:支持部、24:ガス供給部
3:火炎、4:搬送機、4−1:搬送面、5:インクジェット式塗装機、61:インクジェット記録ヘッド(イエロー)、62:インクジェット記録ヘッド(シアン)、63:インクジェット記録ヘッド(マゼンダ)、64:インクジェット記録ヘッド(ブラック)、71:インキ供給タンク(イエロー)、72:インク供給タンク(シアン)、73:インク供給タンク(マゼンダ)、74:インク供給タンク(ブラック)、8:制御部、9:活性光線照射機
101:ホットメルト接着剤、102:木片、103:引張用治具
d:金属系基材の凹凸の高低差、H:バーナー2と印刷面1−1との間の最短の距離
M:ライン式インクジェット記録装置、R:バーナー2の傾斜角度
α:印刷面に対して垂直方向に伸びる破線、β:炎口に対して垂直方向に伸びる破線

Claims (8)

  1. 高低差が1.5mmを超える凹凸模様を形成する金属系基材を含み、該基材上には樹脂組成物で形成されるインキ受理層が配置された建築板を、該建築板の印刷面の垂直方向に対して±15〜60°の角度で傾斜したバーナーから噴射される火炎で表面処理した後、活性光線硬化型インキでインクジェット印刷することを含む、化粧建築板の製造方法。
  2. 前記インキ受理層は活性光線硬化型インキに対して非浸透性である、請求項1に記載の化粧建築板の製造方法。
  3. 前記バーナーが、建築板の印刷面の垂直方向に対し±15〜40°の角度で傾斜する、請求項1又は2に記載の化粧建築板の製造方法。
  4. 前記活性光線硬化型インキが活性光線硬化型カチオン重合性インキである、請求項1又は2に記載の化粧建築板の製造方法。
  5. 前記バーナーと建築板との距離が10〜120mmである、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧建築板の製造方法。
  6. 前記建築板の搬送速度が5.0m/分〜70m/分である、請求項1〜5のいずれかに記載の化粧建築板の製造方法。
  7. 前記建築板が、前記金属系基材のインキ受理層とは反対側に芯材及び裏面材が配置された金属サイディング材である、請求項1〜6に記載いずれかに記載の化粧建築板の製造方法。
  8. 前記建築板の温度が、前記表面処理時に300℃以下である、請求項7に記載の化粧板の製造方法。
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