JP2012051124A - インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物 - Google Patents

インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な光沢性の特性を発現する樹脂インク層を得ることが可能なインクジェット
記録方法を提供する。
【解決手段】記録媒体に、樹脂成分を含有する樹脂インクを塗布する第1の塗布工程を行
うことにより第1の樹脂インク層を生成し、前記生成した第1の樹脂インク層に対して樹
脂インクを塗布する第2の塗布工程を行うことにより第2の樹脂インク層を生成して、樹
脂インク層を形成し、前記第1の塗布工程及び前記第2の塗布工程は、それぞれ、塗布し
た樹脂インクを乾燥する乾燥工程を含む、インクジェット記録方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置および記録物に関する。
記録媒体へのインク組成物の印刷に先立って塗布して下地膜を形成できる印刷下地組成
物が知られている。例えば、スチレン−アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂と、環状エステ
ルや環状アミドなどの有機溶剤と水などを含む印刷下地組成物を用いて、インク組成物の
印刷に先立って印刷して下地層を形成し、その上に、インク組成物を印刷することが知ら
れている。
国際公開第2006/106931号パンフレット
しかしながら、上記の下地組成物のような樹脂インクを使用して、記録媒体に樹脂イン
ク層による光沢性を付与しようとする際の樹脂インク層の光沢性や、樹脂インク層の上に
色材などを含有するインク組成物を印刷した際の印刷物の画質として充分なものは得られ
ていなかった。また、種々の記録媒体に対して用いた場合でも良好な特性を発現する樹脂
インク層として充分なものは得られていなかった。
本発明の解決しようとする課題は、良好な光沢性の特性を発現する樹脂インク層を得る
ことである。また、種々の記録媒体に対して、良好な特性を発現する樹脂インク層を得る
ことである。また、樹脂インク層の上に色材などを含有するインク組成物を用いて記録し
たときに、良好な記録物品質を得ることである。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
(適用例1)記録媒体に、樹脂成分を含有する樹脂インクを塗布する第1の塗布工程を
行うことによって第1の樹脂インク層を生成し、前記生成した第1の樹脂インク層に対し
て樹脂インクを塗布する第2の塗布工程を行い第2の樹脂インク層を生成することによっ
て、樹脂インク層を形成し、前記第1の塗布工程及び前記第2の塗布工程は、それぞれ、
塗布した樹脂インクを乾燥する乾燥工程を含む、インクジェット記録方法。
これにより優れた光沢性を有する記録物を得ることができる。
(適用例2)前記第2の塗布工程を行う際の、前記第1の塗布工程で生成した第1の樹
脂インク層の乾燥量が、Vo/Unvo≦1(式中:Unvoは記録媒体上の樹脂インク
層における単位面積あたり不揮発成分の質量、Voは記録媒体上の樹脂インク層における
単位面積あたりの揮発成分の残存質量)である。
これにより優れた光沢性を有する記録物を得ることができる。
(適用例3)前記第1の塗布工程によって生成する樹脂インク層の樹脂の量が、樹脂の
量として0.4〜10mg/inch2である、インクジェット記録方法。
これにより優れた光沢性を有する記録物を得ることができる。
(適用例4)前記形成される樹脂インク層が、樹脂の量として0.6〜15mg/in
ch2である、インクジェット記録方法。
これにより優れた光沢性を有する記録物を得ることができる。
(適用例5)前記形成した樹脂インク層に対して、光輝性顔料あるいは色材を含有する
インク組成物を塗布する、インクジェット記録方法。
これにより優れた光沢性を有する記録物を得ることができる。
(適用例6)前記樹脂インクにおける樹脂の含有量が2〜25質量%である、インクジ
ェット記録方法。
これにより優れた光沢性を有する記録物を得ることができる。
(適用例7)前記樹脂インクに含有する揮発性有機溶剤の沸点が250℃以下である。
これにより優れた光沢性を有する記録物を得ることができる。
(適用例8)前記インクジェット記録方法によって記録を行なうインクジェット記録装
置。
これにより優れた光沢性を有する記録物を得ることができる。
(適用例9)前記インクジェット記録方法によって記録された記録物。
これにより優れた光沢性を有する記録物を得ることができる。
インクジェット記録装置の概略構成を示す斜視図である。 インクジェット記録装置の他の例の概略構成を示す側面図である。
1.1.インクジェット記録装置
以下、本発明の一実施形態を、記録装置としてインクジェット式プリンターを用いた例
により、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンター1(以下、プリンタ
ー1という)は、フレーム2を有している。フレーム2には、プラテン3が設けられ、プ
ラテン3上には、記録媒体送りモーター4の駆動により用紙Pが給送されるようになって
いる。また、フレーム2には、プラテン3の長手方向と平行に、棒状のガイド部材5が設
けられている。
ガイド部材5には、キャリッジ6がガイド部材5の軸線方向に往復移動可能に支持され
ている。キャリッジ6は、フレーム2内に設けられたタイミングベルト7を介して、キャ
リッジモーター8に連結されている。そして、キャリッジ6は、キャリッジモーター8の
駆動により、ガイド部材5に沿って往復移動されるようになっている。
キャリッジ6には、ヘッド9が設けられるとともに、ヘッド9に液体としてのインクを
供給するためのインクカートリッジ10が着脱可能に配置されている。インクカートリッ
ジ10内のインクは、ヘッド9に備えられた図示しない圧電素子の駆動により、インクカ
ートリッジ10からヘッド9へと供給され、ヘッド9のノズル形成面に形成された複数の
ノズルから、プラテン3上に給送された記録媒体Pに対して吐出されるようになっている
。これにより記録物を製造することが可能となる。また、プラテン3の下には図示しない
ヒーターが備えられており。プラテンを加熱することが可能である。
図2は、インクジェット式プリンターを用いた他の例である。記録媒体は、搬送ユニッ
ト100の搬送ローラー12A〜12Fによって搬送され、供給機構11から巻取機構1
3まで搬送される。ヒーターユニット40は、ホットプラテン41と乾燥機構42からな
る。ホットプラテンは、図示しないヒーターによりプラテンが加熱される。また、ホット
プラテン41には図示しない吸着機構が備えられており、記録媒体を吸着し、ホットプラ
テン41上に吸着された記録媒体に対して、ヘッド31からインクを吐出して記録媒体に
記録が行なわれる。ヘッド31はキャリッジユニット20のキャリッジ21に備えられて
おり、キャリッジ21はガイド22に沿って図の左右方向のいずれかの方向に沿って移動
しながらインクを記録媒体に向けて吐出を行う走査動作(走査)を行う。ホットプラテン
上に固定された記録媒体におけるヘッド31と対向しうる記録領域に対して、ヘッド31
により1回または複数回の走査を行うことにより記録が行われる。
ヘッド31の走査方向に直行する方向の距離が記録媒体の走査方向に直交する方向の距
離より短い場合や、及びあるいは、ヘッド31に設けられインクを吐出するノズルアレイ
の走査方向に直交する方向のノズル解像度が、走査方向に直交する方向の記録解像度より
も低い場合は、複数回の走査により記録領域への記録を行う。一方、ヘッド31の走査方
向に直行する方向の距離が記録媒体の走査方向に直交する方向の距離以上であり、かつ、
ヘッド31に設けられインクを吐出するノズルアレイの走査方向に直交する方向のノズル
解像度が、走査方向に直交する方向の記録解像度以上であれば、1回の走査により記録領
域への記録を行わせてもよいし、複数回の走査により記録領域への記録を行わせてもよい
。1回の記録が完了したら、記録媒体を図2の右方向に記録領域の距離を搬送させて、次
の記録領域をヘッド31に対向させて次の記録が行われる。図2のインクジェット式プリ
ンターは、例えば、特開2010−762や特開2009−90636のようにして実現
することができる。
記録方法としては、サーマルジェット(バブルジェット(登録商標))方式でも良い。
また、従来公知の方法はいずれも使用できる。
1.2.インクジェット記録方法
1.2.1.樹脂インクの層の形成
本実施形態にかかるインクジェット記録方法における樹脂インクの層の形成は、後述の
樹脂インクを記録媒体に対して塗布し層を形成する工程である。形成手段については、公
知の技術を選択することができる。例えば、前述のインクジェット記録装置を用いて形成
すればよい。インクジェット記録装置を用いる場合には、任意の箇所に層を形成可能であ
る点で優れている。
本工程で形成される層の特性の一つとしては、樹脂インク層によって記録媒体に光沢性
を付与することがある。また、樹脂インク層上に、光輝性顔料や色材などを含有させたイ
ンク組成物を印刷した際のこれらインク組成物による層の耐擦性などの優れた特性を発現
させることにある。また、種々の記録媒体に樹脂インクによって樹脂インク層を形成した
場合でも上記の特性を発現させることにある。このような特性を発現する樹脂インク層の
機能としては、記録媒体上に形成する樹脂インク層の平坦性を向上させることが考えられ
る。また、光輝性顔料や色材を含有するインク組成物中の溶媒が樹脂インク層に浸透する
ことによって、樹脂インク層の表面に迅速に、光輝性顔料や色材を定着させることが考え
られる。また、樹脂インク層の表面に形成される光輝性顔料の層の平坦性を向上させるこ
とが考えられる。なお、樹脂インク層は、光輝性顔料や色材の層との界面が明確に分離し
ている場合と、該界面が必ずしも明確に分離していない場合とがある。
樹脂インクの層の形成は、形成された最終の樹脂インクの層の表層の表面粗さ(Ra)
が15以内であることが好ましい。これによって、より表面が粗い普通紙のような記録媒
体であっても、樹脂インク層が平坦になり、また、光輝性顔料が平滑に配列し高い光沢(
光輝性)を発揮するようになる。
さらに、形成される樹脂インクの層の厚さ(樹脂インクの量)は、記録媒体の種類によ
って変化させても良い。たとえば、平滑な表層を有する記録媒体であればインクの消費量
の観点と、記録物として凹凸防止の観点から、光輝性インクなどのインク組成物中の溶媒
の受容限界を超えない範囲で樹脂インクの層は薄い方が好ましい。しかし、一方インク受
容層の無い記録媒体であってインク組成物の溶媒に対する溶解度が極めて低い記録媒体の
場合は、インク組成物中の分散媒が表層であふれ、光輝性顔料が平滑に配列しなくなって
しまうのが一層起こりやすいので、他の記録媒体の種類より樹脂インクの層の膜厚を厚く
形成すると好ましい。分散媒が良好に受容されていない状態で乾燥が進むと表層の光輝性
顔料が平滑に配列しづらくなる。
記録媒体の表面が粗い場合は、その表面を平滑にするために、塗布する樹脂インクの量
を増やし樹脂インク層の量を増やす必要があるが、一方で記録媒体の表面が比較的平坦で
ある場合は、樹脂インクの層の量を少なくしても平滑性を出すことが可能となる。
樹脂インク層の量を増やす手段としては、インクジェット記録方法の場合、1画素あた
りに吐出するインク滴の吐出量を大きくするか、あるいは、記録すべき領域に該当する画
素に対する記録密度(duty)を上昇させるのが良い。ここで、ここで、「duty」
とは、下式で算出される値である。
duty(%)=実記録画素数/(縦解像度×横解像度)×100(式中、「実記録画
素数」は単位面積当たりの実際にインク滴を吐出する画素数、「縦解像度」および「横解
像度」はそれぞれ単位面積当たりの記録解像度である。(縦解像度×横解像度)は単位面
積当たりの画素数を表す。)
1画素あたりに吐出するインク滴の吐出量を大きくする場合は、ヘッドを駆動する駆動
信号を調整して1インク滴の質量を多くするか、1画素に吐出するインク滴の数を増やせ
ばよい。Dutyを上昇させるには、実記録画素数を大きくするようインクジェットプリ
ンターを制御させればよい。
本発明において、樹脂インク層の形成においては、少なくとも2回の樹脂インクの塗布
工程が行われる。記録媒体における樹脂インク層を形成すべき領域に該当する各画素に対
して、まず、第1の塗布工程における塗布によって樹脂インクが記録媒体に付着される。
塗布は、インクジェットヘッドからインクの液滴を吐出して記録媒体にインクを付着させ
る工程である。画素は、記録解像度によって規定されるインクの塗布をおこなう最小塗布
単位領域(最小インク滴吐出領域)である。第1の塗布工程は、この、第1の塗布工程の
塗布によって付着された樹脂インクを乾燥させる第1の乾燥工程を含むものである。第1
の乾燥工程によって乾燥させることにより、第1の塗布工程による第1の樹脂インク層の
生成がされる。なお、第1の樹脂インク層は、最終の樹脂インク層と比較して樹脂インク
塗布量が少なく、平坦な層であるとは限らない。この第1の樹脂インク層によって、記録
媒体が粗面を有するものであり微小な凹凸が存在する場合に、これの目詰めを行う。及び
あるいは、記録媒体の表面に樹脂インクの薄い層を生成することにより、この後で行なわ
れる第2の塗布工程によって最終的な樹脂インク層を形成した際の樹脂インク層の表面の
平坦性をより向上させることができる。なお、塗布工程が乾燥工程を含む、とは、塗布と
並行して乾燥工程を行う場合、及び、塗布を終えた後に乾燥工程を行う場合をいう。つま
り、乾燥工程を含めた一体的な工程が塗布工程となる。
第1の塗布工程の後、第2の塗布工程を行なう。第2の塗布工程はインクジェットヘッ
ドからの樹脂インクの吐出により樹脂インクを記録媒体に付着して、上述の樹脂インク層
を形成すべき領域に該当する各画素に対して、樹脂インクの塗布を行なうものである。よ
って、記録媒体上の同一の場所(画素)に2回の塗布工程が行なわれる。第2の塗布工程
は、この第2の塗布工程の塗布で付着した樹脂インクを乾燥する第2の乾燥工程を含む。
第2の塗布工程によって第2の樹脂インク層が生成され、第1の樹脂インク層と第2の樹
脂インク層とからなる平坦な層である最終の樹脂インク層が形成される。第2の樹脂イン
ク層は、最終の樹脂インク層としての充分な溶媒吸収性を確保し、かつ充分な表面平坦性
を確保するように設けるものである。最終の樹脂インク層においては、第1の樹脂インク
層と第2の樹脂インク層の境界が明確に存在しているとは限らない。なお、第1の塗布工
程の塗布は、インクジェットヘッドを記録媒体に対して行う走査動作を1回で行なっても
良いし複数回でおこなってもよい。第2の塗布工程の塗布も同様である。なお、塗布工程
は第1の塗布工程と第2の塗布工程を含む少なくとも2回の塗布工程によって樹脂インク
層の形成を行なえばよく、第2の塗布工程の後にさらに塗布工程を行い、合計3回以上の
塗布工程により樹脂インク層の形成を行ってもよい。
第1の塗布工程によって生成される樹脂インク層の量は、樹脂インクの樹脂の量として
、0.4〜10mg/inch2が好ましい。特に、記録媒体が粗面を有する記録媒体の
場合は、2〜10mg/inch2が好ましく、また、上記以外の記録媒体である場合は
、0.4〜10mg/inch2が好ましい。第1の樹脂インク層の樹脂の量が下限に満
たない場合は、第1樹脂インク層による目詰めや平坦化の効果が不十分であり、第1樹脂
層の上に第2樹脂層を生成しても光沢感が劣る。何れの記録媒体の場合でも、特に4〜1
0mg/inch2とすることが特に好ましい。また、上限値を超える場合は、第1の乾
燥工程による第1の樹脂インク層の生成に長時間を要し作業性が劣る。なお、上述の樹脂
インクの樹脂とは、後述の樹脂インクに含有する樹脂の他に、樹脂インクがワックスを含
有する場合はワックスも含めたものであり、実質的に樹脂インク層を構成し、樹脂インク
層の平坦化に寄与する成分である。塗布した樹脂の量は、樹脂インク層の単位面積当たり
にヘッドから吐出した樹脂インクの吐出量と樹脂インクに含有する樹脂の含有量から求め
られる。後述の乾燥工程において、不揮発成分の質量が乾燥時間によらず一定になった時
点の不揮発成分の質量のうち、界面活性剤など樹脂以外の微量の不揮発成分の質量を除い
たものであると考えてもよい。界面活性剤などは微量であるため、ほぼ、不揮発成分の質
量が乾燥時間によらず一定になった時点の不揮発成分の質量を樹脂の質量と考えてもよい
第1の塗布工程に続く少なくとも第2の塗布工程を行うことにより最終的に形成される
樹脂インク層の合計の量は、樹脂インクの樹脂の量として、0.6〜15mg/inch
2が好ましい。特に、記録媒体が粗面を有する記録媒体の場合は、3〜10mg/inc
2が好ましく、また、記録媒体が上記以外の記録媒体である場合は、0.6〜10mg
/inch2が好ましい。樹脂インク層の量が下限に満たない場合は、樹脂インク層によ
る記録媒体の平坦化が不足し光沢性付与の効果が充分得られない。また、樹脂インク層の
上にインク組成物を印刷した際の、インク組成物の溶媒の吸収能力が不足し印刷物の画質
が得られない。また、上限値を超える場合は、第2の乾燥工程に長時間を要し樹脂インク
使用量が無駄になる。第1の塗布工程では記録媒体に対して最終的に形成される樹脂イン
ク層の塗布量よりも少ない量を塗布し、乾燥させることによって、記録媒体に対する目詰
めや薄い樹脂層の生成による光沢性付与の効果をより効果的に発現させることができる。
これに対して、第1の塗布工程によって、形成すべき最終の樹脂インク層の塗布量を塗布
し、第2の塗布工程を行わない場合は、形成した樹脂インク層の塗布量は同じであったと
しても、充分な目詰めや光沢性付与の効果が得られない。
第1の乾燥工程及び第2の乾燥工程は、それぞれ、樹脂インクを所定の乾燥状態(乾燥
量)まで乾燥させるものであり、乾燥機構として、ヒーターなどの加熱機構による加熱や
ファンなどの送風手段により記録媒体を加熱するか、あるいは特に乾燥機構を用いずに環
境温度で所定時間記録媒体を乾燥させることにより行なわれる。所要時間を短縮するため
に乾燥機構を用いることが好ましい。また、乾燥機構は、プラテンを加熱するものの他に
、記録媒体に対して、直接的に乾燥を促すエネルギーを付与する放射線などを放射するも
のでもよい。乾燥工程を設けることで、乾燥して表層が良好な平滑性を有した樹脂インク
の層を生成することが可能となり、乾燥工程を設けない場合に比べて樹脂インク層の高い
光沢(あるいは光輝性顔料を含有するインク組成物による光輝性)を有する記録物を得る
ことが出来る。乾燥機構としては、他の公知の加熱手段を用いてもよい。乾燥機構による
加熱温度は記録媒体の耐熱性等に応じて適宜決定することができる。例えば、記録媒体と
して、普通紙を選択した場合は、プラスチック等の熱に弱い層を有さないので、高い温度
、たとえば、20〜150℃、好ましくは25〜110℃、さらに好ましくは30〜10
0℃、特に好ましくは40〜90℃で行われることができる。このようにすれば、樹脂イ
ンクの乾燥速度を高めることができる。
第1の塗布工程によって含む乾燥工程によって生成する記録媒体上の樹脂インク層の、
第2の塗布工程を行う時点の乾燥量Dとしては、好ましくは、下記の式を満たすことが好
ましい。
D=Vo/Unvo≦1・・・(1)
(式中、Unvoは記録媒体上の樹脂インク層の所定面積当たりの不揮発成分の質量、
Voは記録媒体上の樹脂インク層の所定面積当たりの揮発成分の残存質量)
上記の式を満たさない場合、生成した樹脂インク層の上に第2の塗布工程で樹脂インク
層を生成した場合に、第2塗布工程を行なうにもかかわらず最終の樹脂インク層の平坦性
が不十分となり、光沢性が劣り、最終的に形成した樹脂インク層の上にインク組成物を記
録した際の記録物の画質が劣る。記録媒体上の樹脂インク層を指で軽く触れても、樹脂イ
ンク層に触った痕が残らない状態まで乾燥させることが特に好ましく、この状態における
乾燥量Dは、0.1以下である。また、第1の塗布工程における塗布が完了するまではD
≦1を満たさず、塗布が完了した後に満たすことが好ましい。塗布の完了とは、塗布が1
回の走査で行われる場合は走査の完了、塗布を複数回の走査で行う場合は、最後の走査の
完了である。
形成した樹脂インク層の上にインク組成物を塗布する場合は、インク組成物を塗布する
際の、形成された樹脂インク層全体について、D≦1を満たすことが望ましく、特にD≦
0.1を満たすことが特に好ましい。D≦1を満たさない場合、インク組成物による光輝
性やむらが劣る。なお、形成した樹脂インク層の上にインク組成物を塗布しない場合は、
樹脂インク層全体についてD≦0.1にすることが好ましい。D≦0.1とすることで、
記録物を使用するのに適した状態とすることができる。
式(1)を満たすように、インクジェット式プリンターの乾燥工程における温度及び乾
燥時間を予め調整する。乾燥工程を調整する方法としては、例えば、以下の方法で行なう
ことができる。まず、図2のようなインクジェット式プリンターのプラテンに記録媒体を
セットし、ヘッドにて記録媒体の樹脂インク層を形成する領域に樹脂インクを塗布する。
塗布後、乾燥を行い、所定の時間が経過した時における記録媒体の質量を測り、これから
、塗布前の記録媒体の質量を引いた値が、時間の経過によらず一定になった時点の値を式
(1)のUnvoとする。次に、塗布後の所定の時間H1を経過した状態の記録媒体の質
量から記録前の記録媒体の質量を引いた値を求め、これから更に上記Unvoの値を引い
た値を、時間H1における式(1)のVoとし、時間H1におけるVo/Unvoの値が
、1以下になるような所定の時間H1を求める。ヘッドにて第1の塗布工程における塗布
が完了してから、第2の塗布工程の塗布を開始するまでのヘッドの休止時間を、上記で求
めた所定の時間H1に設定し、この時間H1をインクジェット式プリンターの記憶部に記
憶させる。この所定時間H1は、樹脂インクの種類や、記録媒体の種類、乾燥温度によっ
て変る可能性があるため、これらの条件ごとに求める。また必要に応じて、第1の塗布工
程、第2の塗布工程、後述する光輝性層あるいは色材層の形成に係わる塗布工程ごとに所
定時間を求める。求めた各所定時間も同様にインクジェット式プリンターの記憶部に記憶
させる。
次に、樹脂インク層の形成方法を説明する。図2のインクジェット式プリンターを使う
場合は、ホットプラテン41に吸着された記録媒体の記録領域に、まず、ヘッド31の1
回または複数回の走査による樹脂インクの塗布を行い、ヘッド31を時間H1休止させて
第1の樹脂インク層を生成する。次に、記録媒体をホットプラテン41にあるままとして
、ヘッド31の1回または複数回の走査による樹脂インクの塗布を行い、ヘッド31を所
定時間休止させて第2の樹脂インク層を生成する。次に、後述する光輝性層あるいは色材
層の形成を行なう場合は、記録媒体をホットプラテン41にあるままとして、それらに係
わるインク組成物の塗布を同様にヘッド31によって行い、ヘッド31の休止時間を設け
て光輝性層あるいは色材層を形成した後に、記録媒体の記録領域をホットプラテン41か
ら搬送方向下流側に搬送させる。あるいは、光輝性層あるいは色材層の形成を行なわない
場合は、樹脂インク層の形成後、直ちに記録媒体の記録領域をホットプラテン41から搬
送方向下流側に搬送させる。
また、図1のインクジェット式プリンターを使う場合は以下の様に行なえばよい。第1
の方法として、プラテン3に位置する、ヘッド9の1回の走査によって対向しうる記録媒
体の記録領域に対して、ヘッド9による樹脂インクの塗布と必要に応じヘッド9の休止と
による第1の塗布工程を行い、次に、同様に樹脂インクの塗布とヘッド9の休止による第
2の塗布工程を行なって樹脂インク層を形成する。この間、記録媒体の記録領域はプラテ
ン3にある。次に、記録媒体を搬送して、記録媒体の次の記録領域へ、同様に樹脂インク
層の形成を行なわせれば良い。光輝性層あるいは色材層の形成を行なう場合は、同様に、
ヘッド9の1回の走査によって対向しうるプラテン3上の記録媒体の記録領域ごとに層の
形成を行なえば良い。あるいは、第2の方法として、ヘッド9による走査と記録媒体の搬
送とを繰り返し行い、1枚の記録媒体へ樹脂インクの塗布を行い、記録媒体をプリンター
から排出させて、プリンターとは別体の図示しない乾燥装置にて乾燥工程を行い第1の樹
脂インク層を生成した後、記録媒体を再度プリンターに搬入し、同様に樹脂インク層の塗
布を行い、記録媒体をプリンターから排出させて、乾燥装置にて乾燥工程を行い第2の樹
脂インク層の生成を行なう。光輝性層あるいは色材層の形成を行なう場合は、同様に、記
録媒体をプリンターに再度、搬入して行なう。なお、樹脂インク層の形成方法(及び光輝
性層あるいは色材層の形成方法)は、上記の形成方法に限られず、乾燥工程を含む塗布工
程により行なえばよい。
1.2.2.記録媒体
本発明では、記録対象となる記録媒体は、特に限定されず、例えば、インク非吸収性お
よび低吸収性の記録媒体であっても好適に用いることが可能である。また、粗面を有する
記録媒体であっても好適に用いることが可能である。
インク非吸収性または低吸収性の記録媒体とは、インクの受容層を備えていない、ある
いは、インクの受容層が乏しい記録媒体をいう。より定量的には、インク非吸収性および
低吸収性の記録媒体とは、記録面が、ブリストー(Bristow)法において接触開始
から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体を示す。このブ
リストー法は、短時間での液体吸収量の測定方法として最も普及している方法であり、日
本紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)でも採用されている。試験方法の詳細は
「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板
紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に述べられている。
インク非吸収性記録媒体としては、例えば、インクジェット記録用に表面処理をしてい
ない(すなわち、インク受容層を有していない)プラスチックフィルム、紙等の基材上に
プラスチックがコーティングされているものやプラスチックフィルムが接着されているも
の等が挙げられる。ここでいうプラスチックとしては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等が挙げられる。
インク低吸収性記録媒体としては塗工紙が挙げられ、微塗工紙、アート紙、コート紙、
マット紙、キャスト紙等の記録本紙(印刷本紙)等が挙げられる。
塗工紙は、表面に塗料を塗布し、美感や平滑さを高めた紙。塗料は、タルク、パイロフ
ィライト、クレー(カオリン)、酸化チタン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの
顔料と、デンプン、ポリビニルアルコールなどの接着剤を混合して作る。塗料は、紙の製
造工程の中でコーターという機械を使って塗布する。コーターには、抄紙機と直結するこ
とで抄紙・塗工を1工程とするオンマシン式と、抄紙とは別工程とするオフマシン式があ
る。主に記録に用いられ、経済産業省の「生産動態統計分類」では印刷用塗工紙に分類さ
れる。
微塗工紙とは、塗料の塗工量が12g/m2以下の記録用紙のことをいう。アート紙と
は、上級記録用紙(上質紙、化学パルプ使用率100%の紙)に40g/m2前後の塗料
を塗工した記録用紙のことをいう。コート紙とは、20g/m2−40g/m2程度の塗料
を塗工した記録用紙のことをいう。キャスト紙とは、アート紙やコート紙を、キャストド
ラムという機械で表面に圧力をかけることで、光沢や記録効果がより高くなるように仕上
げた記録用紙のことをいう。
粗面を有する記録媒体とは、記録領域となる記録媒体表面のJIS B0601:20
01に規定される算術的表面粗さ(Ra)が20〜100である記録媒体をいう。算術的
表面粗さ(Ra)は、例えば、表面粗さ計や光干渉型顕微鏡を用いて測定することが可能
である。粗面を有する記録媒体として、例えば、XeroxP(富士ゼロックス社製;R
a=29.2)、55PW8R(リンテック社製)、ユポ80(リンテック社製)、プレ
イン・デザインペーパー ブラックペーパー(トチマン(株)社製;Ra=30.2)、
およびスーパーファイン紙(セイコーエプソン社製;Ra=36.6)等が挙げられる。
本発明は、記録媒体として、粗面を有しない記録媒体であっても好適に使用可能である
。粗面を有しない記録媒体として、PET50A(リンテック社製)、K2411(リン
テック社製)、Oミラー73/F41/U8C(王子タック社製)、NPコート_PW8
E(リンテック社製)、LLEX(ローランド社製)が上げられる。また、写真用紙<光
沢>(セイコーエプソン社製;Ra=1.1)、および写真用紙エントリー(セイコーエ
プソン社製;Ra=2.4)等も挙げられる。表面粗さの測定装置としては、段差・表面
粗さ・微細形状測定装置P−15(KLA−Tencor社製)等がある。
1.2.3.光輝性層或いは色材層を形成する工程
本発明においては、樹脂インク層の上に、光輝性層あるいは色材層を形成する工程を備
えていてもよい。光輝性層あるいは色材層を形成する工程はインク組成物の塗布工程によ
り行われる。例えばインクジェット記録装置を用い、樹脂インク層の上に、光輝性顔料あ
るいは色材を含有するインク組成物の液滴をヘッドから吐出して、記録媒体に付着させる
塗布により塗布工程が行われ、光輝性層或いは色材層を形成する。インク組成物の塗布工
程には、前述の樹脂インク層の塗布工程と同様に乾燥工程を含んでいてもよい。本工程で
形成される光輝性層の機能の一つとしては、記録媒体に光輝性面を形成することが挙げら
れる。光輝性層や色材層の塗布量は、これらの層において単位面積当たりに塗布するイン
ク組成物の質量として、好ましくは0.1〜20mg/inch2であるが、記録物の光
輝性や着色の濃度に応じて塗布量を調整すればよく、塗布量は限られない。インク組成物
の質量は、塗布したインク組成物の質量であり、溶媒など不揮発成分も含めたものである
。インク組成物を塗布した直後の記録媒体の質量からインク組成物の塗布前の記録媒体の
質量を引いた値である。また、インク滴当たりのインクの質量と、記録媒体の単位面積あ
たりに塗布したインク滴数とから求めることもできる。
樹脂インク層の形成工程の後に光輝性層あるいは色材層を形成する工程を行なう場合は
、光輝性層あるいは色材層を形成する工程により記録を完了する。光輝性インクやカラー
インクの塗布工程における乾燥工程によるインク組成物の乾燥量は、記録媒体の光輝性層
あるいは色材層の単位面積当たりの不揮発成分の質量と揮発成分の残存量とから式(1)
同様に求めたDが≦0.1であることが好ましい。Dが≦0.1とすることで、記録物を
使用するのに適した記録媒体となる。
光輝性インクやカラーインクの塗布工程に含む乾燥工程は、たとえば、室温で行うこと
ができ、さらに高い温度で行われてもよい。記録媒体として、普通紙を選択した場合は、
これらの層を形成する工程は、高い温度、たとえば、20〜150℃、好ましくは25〜
110℃、さらに好ましくは30〜100℃、特に好ましくは40〜90℃で行われるこ
とができる。このようにすれば、インク組成物に溶媒が含有されるときの乾燥速度を高め
ることができる。
2.インク
本実施形態にかかるインクジェット記録用のインクは、記録媒体に対しインクジェット
記録装置を用いて、光沢性を付与するために用いられるインクであって、少なくとも樹脂
インクを備える。また、記録媒体に光輝性や有彩色を付与する場合は、更に加えて、光輝
性顔料を含有するインク組成物(光輝性インクあるいは光輝性顔料インクともいう)、及
び或いは、色材を含有するインク組成物(カラーインクともいう)を備えても良い。光輝
性インク、カラーインクはそれぞれ、非水系インクでもよく水系インクでもよい。また、
上記インクとして、少なくとも樹脂インク、光輝性インク、カラーインクを例示する。上
記の各インクをそれぞれ単独または複数備えたインクセットとしてもよいし、さらに一ま
たは複数の他のインクを含むインクを備えたインクセットとしてもよい。インクセットに
備えることができる他のインクとしては、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、
ライトマゼンタ、ダークイエロー、レッド、グリーン、ブルー、オレンジ、バイオレット
等のカラーインク、ブラックインク、ライトブラックインク等が挙げられる。
2.1.樹脂インク
本実施形態にかかる樹脂インクは、水溶性樹脂溶剤と、樹脂成分として、前記水溶性樹
脂溶剤には相溶する樹脂を含んでいる。相溶とは、前記水溶性樹脂溶剤中に樹脂を混ぜる
と溶解あるいは粒子が膨潤する組み合わせを指す。なお、本発明において樹脂インクは、
水系のインク(水分含有量が50%以上)、非水系(水分含有量が50%未満)のインク
のいずれであってもよい。以下、水系のインクの場合を具体例にして各成分を説明する。
(1)水
水は、水性インクの主な媒体であり、好ましい水は、イオン性の不純物を極力低減する
ことを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水
を用いることができる。また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用
いると、顔料分散液及びこれを用いた水性インクを長期保存する場合にカビやバクテリア
の発生を防止することができるので好適である。
(2)水溶性樹脂溶剤
水溶性樹脂溶剤は、樹脂インクに同時に添加している樹脂と相溶する水溶性溶剤から選
ばれる。用いる樹脂によって最適な組み合わせはあるが、例えば、水溶性の複素環式化合
物、水溶性のアルキレングリコールアルキルエーテル等が好ましく、N−メチル−2−ピ
ロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、および2−ピロ
リドン等のピロリドン類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジメチルスルホキシド等
のスルホキシド類、ε−カプロラクタム等のラクタム類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸
イソプロピル、および乳酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル、ジエチレングリコールイソプロピルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチル
ヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジ
メチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール
ジメチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のオキシアル
キレングリコールエーテル類、1,4−ジオキサン等の環式エーテル類が好ましい。特に
、樹脂インクの保存安定性、十分な乾燥速度、と下地層の皮膜化促進の点で、ピロリドン
類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエー
テル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のアルキレングリコールモノアル
キルエーテル類が特に好ましい。
水溶性樹脂溶剤は後述する理由から、樹脂インクによる皮膜をさらに強化する為に有効
である。
水溶性樹脂溶剤添加量は、樹脂インクの全量に対して、好ましくは1.0質量%〜50
.0質量%、さらに好ましくは2.0質量%〜25.0質量%である。水溶性樹脂溶剤添
加量が、1質量%未満である場合、樹脂インク中の樹脂および下地形成ワックスの皮膜形
成に支障が生じ、結果的に樹脂インクの固化・定着が不充分となる場合がある。一方、水
溶性樹脂溶剤添加量が50質量%を超えた場合、樹脂インクの保存安定性に劣化を生じる
場合がある。
(3)樹脂
樹脂は、水溶性樹脂溶剤と相溶することで、樹脂インクの乾燥後に強固な樹脂膜を形成
することができ、かつ樹脂の元々のガラス転移温度より低い温度で造膜することができる
インクジェット記録装置に用いる場合には、水に不溶な樹脂を用いることで、樹脂イン
ク中に十分な量の樹脂成分を添加しつつ、各インクの粘度を低く抑えることができ、高速
記録において吐出安定性を確保することができるため好ましい。樹脂は、インクが、記録
媒体上にヘッドから吐出され、乾燥されると、まずインク中の主成分である水などが代表
例の溶媒が蒸発しはじめ、その結果インク中での水溶性樹脂溶剤が濃縮されることで、樹
脂が溶解状態となる。最終的には水溶性樹脂溶剤成分の蒸発にともない、溶解していた樹
脂(溶解している為、粒子ではなくなっている)が、強固な皮膜を形成する。
このような水不溶性の樹脂の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、
ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合体、
ポリブタジエン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ
素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン−アクリル酸共
重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド
共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化
ビニリデン樹脂、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース系樹脂、酢酸ビニル
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂
、ポリウレタン、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
樹脂は、微粒子粉末として水性インク中の他の成分と混合されても良いが、樹脂エマル
ジョンの形態でインク中に含まれることが好ましい。その理由は、樹脂粒子としてインク
中に添加しても該樹脂粒子の分散が不十分となる場合があるため、分散性の観点からはエ
マルジョンの形態が好ましいからである。また、エマルジョンとしては、樹脂インクの保
存安定性の観点から、アクリルエマルジョンが好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体
エマルジョンがさらに好ましい。また、耐擦性の観点から、スチレン−アクリル樹脂が好
ましい。
本願明細書において、「樹脂粒子」とは、水に不溶性の樹脂が主として水からなる分散
媒中に粒子状に分散しているもの、あるいは水に不溶性の樹脂を主として水からなる分散
媒中に粒子状に分散させたもの、更にはその乾燥物をも包含したものを意味する。また、
「エマルジョン」というときは、ディスパージョン、ラテックス、サスペンジョンと呼ば
れる固/液の分散体をも包含したものを意味するものとする。
樹脂をエマルジョンの状態で得る場合には、樹脂粒子を場合により界面活性剤と共に水
に混合することによって調製することができる。例えば、アクリル系樹脂またはスチレン
−アクリル酸共重合体系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステルの樹脂又は
スチレン−(メタ)アクリル酸エステルの樹脂と、場合により(メタ)アクリル酸樹脂と
、界面活性剤とを水に混合することによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤と
の混合の割合は、通常50:1〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が
前記範囲に満たない場合には、エマルジョンが形成されにくく、また前記範囲を越える場
合には、インクの耐水性が低下したり、密着性が悪化したりする場合があるので好ましく
ない。
樹脂エマルジョンとして、市販の樹脂エマルジョンを利用することも可能であり、例え
ばマイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン
;日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン;大日
本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマル
ジョン;大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE1014(スチレン−アクリル系樹
脂エマルジョン;日本ゼオン株式会社製)、レザミンD−1060(ウレタン系樹脂エマ
ルジョン;大日精化工業株式会社製)、またはサイビノールSK−200(アクリル系樹
脂エマルジョン;サイデン化学株式会社製)などを挙げることができる。
樹脂は、樹脂インク全量に対して、固形分換算で1質量%〜50質量%の範囲で含まれ
ることが好ましく、2質量%〜25質量%の範囲で含まれることがより好ましい。これら
樹脂の含有量の好適範囲は、樹脂インクのインクジェット適正物性値、信頼性(目詰まり
や吐出安定性等)の観点から上限値を規定し、本発明の効果(耐擦性等)をより有効に得
る観点から下限値を規定したものである。
(4)ワックス
水系樹脂インクは、さらにワックスを添加してもよい。これにより、乾燥後のインク膜
表面の摩擦抵抗を低減する特性を有する。このようなワックスを構成する成分としては、
例えばカルナバワックス、キャンデリワックス、みつろう、ライスワックス、ラノリン等
の植物・動物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエ
チレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス;モンタ
ンワックス、オゾケライト等の鉱物系ワックス;カーボンワックス、ヘキストワックス、
ポリオレフィンワックス、ステアリン酸アミド等の合成ワックス類、α−オレフィン・無
水マレイン酸共重合体等の天然・合成ワックスエマルジョンや配合ワックス等を単独ある
いは複数種を混合して用いることができる。この中で好ましいワックスの種類としては、
ポリオレフィンワックス、特にポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスであり、
さらには、インク非吸収性又は低吸収性の記録媒体に対する耐擦性の観点から、ポリエチ
レンワックスがより好ましい。ワックスとしては市販品をそのまま利用することもでき、
例えばノプコートPEM17(商品名、サンノプコ株式会社製)、ケミパールW4005
(商品名、三井化学株式会社製)、AQUACER515、AQUACER593(以上
商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)等が挙げられる。
水系樹脂インクのワックス含有量は、樹脂インク中において、固形分換算で好ましくは
0.5質量%〜6質量%であり、より好ましくは1質量%〜3質量%である。これらワッ
クスの含有量の好適範囲は、樹脂インクのインクジェット適正物性値、信頼性(目詰まり
や吐出安定性等)の観点から上限値を規定し、本発明の効果(耐擦性等)をより有効に得
る観点から下限値を規定したものである。
上述した樹脂インクで層を形成しその上から光輝性顔料の層を記録した記録物は、光輝
性顔料が表層で平滑に配列させることが可能となり、光沢が上昇する。また、これによっ
て従来光輝性を発揮できなかった記録媒体にも光輝性を発揮させることが可能となる。さ
らに記録物としての耐擦性が良好となり、強固な下地層の形成が可能となる。耐擦性が良
好となる理由はいまだ明らかではないが、下記のように推察される。樹脂は、記録媒体上
に定着するとともに、乾燥後の被膜を堅固にする特性を有する。一方、ワックスは、前記
皮膜表面の摩擦抵抗を低減する特性を有する。これにより、外部から擦れによって削れに
くく、かつ記録媒体から剥がれにくい樹脂被膜を形成することができるため、記録物の耐
擦性が向上するものと推察される。また、樹脂インクで層を形成していると、その樹脂イ
ンクがインク需要層としての機能をも発揮し、光輝性顔料の記録媒体上でのブリードを抑
える効果があり良好な記録を行うことが可能となる。また、光輝性インク自体の定着性と
乾燥性を仮に飛躍的に向上させることが可能となったに場合でも、光沢性確保の為に顔料
粒子の平均粒径を大きめにする必要がある為、ヘッドから記録を行う際に記録信頼性が低
下し、目詰まりや記録不良を一層起こす可能性もあるので、そういった課題を抱えない点
から考慮しても樹脂インクの層を形成することは有利である。
(5)その他の成分
その他の成分として、樹脂インクは、必要に応じて、水溶性溶剤や、界面活性剤を含む
。これらの添加量は、記録媒体やインクの種類に応じて適宜調整できる。さらに必要に応
じて添加するものとして、保湿剤、防腐剤・防かび剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止
剤・紫外線吸収剤、金属トラップ剤などがあげられる。
(5−1)水溶性溶剤
水溶性溶剤は、後述する界面活性剤と相乗して、記録媒体に対する樹脂インクの濡れ性
を高めて均一に濡らす作用を有する。そのため、樹脂インクに水溶性溶剤を含有させるこ
とは、均一に下地層を形成できるという観点から好ましい。このような水溶性溶剤として
は、1価アルコール、または多価アルコールおよびその誘導体が挙げられる。
1価アルコールとしては、特に炭素数1〜4の1価アルコール、例えば、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、またはn−ブタノールなどを用いる
ことができる。
多価アルコールおよびその誘導体としては、炭素数2〜6の2価〜5価アルコール、お
よびそれらと炭素数1〜4の低級アルコールとの完全または部分エーテルを用いることが
できる。ここで多価アルコール誘導体とは、少なくとも1個のヒドロキシル基がエーテル
化されたアルコール誘導体であり、エーテル化されたヒドロキシル基を含まない多価アル
コールそれ自体を意味するものではない。
これらの多価アルコールおよびそれらの低級アルキルエーテルの具体例としては、1,
2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,3
−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,3−オクタンジオール、1,2−
ペンタンジオール等のジオール類、モノ、ジ若しくはトリエチレングリコール−モノ若し
くはジ−アルキルエーテル、モノ、ジ若しくはトリプロピレングリコール−モノ若しくは
ジ−アルキルエーテルが挙げられ、好ましくは1,2−ヘキサンジオール、トリエチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、または
プロピレングリコールモノブチルエーテルなどを挙げることができる。
水溶性溶剤の含有量は、例えば、各色のインク全量に対して0.5質量%〜15.0質
量%、好ましくは、1.0質量%〜8.0質量%である。
(5−2)界面活性剤
界面活性剤は、上述した水溶性溶剤と相乗して、記録媒体に対する色インクの濡れ性を
高めて均一に濡らす作用を有する。界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤とアセチ
レングリコール系界面活性剤が好ましい。
シリコン系界面活性剤は、記録媒体上でインクの記録ムラや滲みを生じないように均一
に広げる作用を有する。
シリコン系界面活性剤としては、ポリシロキサン系化合物等が好ましく用いられ、例え
ば、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。例えば、BYK−306、B
YK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−345、BYK−346、B
YK−347、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、K
F−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF
−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−602
0、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015、KF−6
017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられ、BYK−348が好ましい。
シリコン系界面活性剤の含有量は、各色のインク全量に対して、好ましくは0.1質量
%〜1.5質量%である。シリコン系界面活性剤の含有量が0.1質量%未満であると、
記録媒体上でインクが均一に濡れ広がりにくいため、インクの記録ムラや滲みが発生しや
すい。一方、シリコン系界面活性剤の含有量が1.5質量%を超えた場合、水性インクの
保存安定性・吐出安定性が確保できない場合がある。
アセチレングリコール系界面活性剤は、他の界面活性剤と比較して、表面張力および界
面張力を適正に保つ能力に優れており、かつ起泡性がほとんどないという特性を有する。
これにより、アセチレングリコール系界面活性剤を含有する色インクは、表面張力および
ヘッドノズル面等のインクと接触するプリンター部材との界面張力を適正に保つことがで
きるため、これをインクジェット記録方式に適用した場合、吐出安定性を高めることがで
きる。また、アセチレングリコール系界面活性剤を含有する色インクは、記録媒体に対し
て良好な濡れ性・浸透性を示すため、インクの記録ムラや滲みの少ない高精細な画像を得
ることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール(登録商標)1
04、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104
PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、6
1、82、DF37、DF110D、CT111、CT121、CT131、CT136
、TG、GA(以上全て商品名、Air Products and Chemical
s. Inc.社製)、オルフィン(登録商標)B、Y、P、A、STG、SPC、E1
004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、E
XP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、
AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化学工業株式会社製)、アセ
チレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカ
ル株式会社製)等が挙げられ、サーフィノール104PG−50、DF110Dが好まし
い。
アセチレングリコール系界面活性剤の含有量は、各色のインク全量に対して、好ましく
は0.05質量%〜1.0質量%である。アセチレングリコール系界面活性剤の含有量が
0.05質量%未満であると、記録媒体上でインクが均一に濡れ広がりにくいため、イン
クの記録ムラや滲みが発生しやすい。一方、アセチレングリコール系界面活性剤の含有量
が1.0質量%を超えた場合、色インクの保存安定性・吐出安定性が確保できない場合が
ある。
特に好ましくは、シリコン系界面活性剤とHLB値が6以下のアセチレングリコール系
界面活性剤とを同時に含む組み合わせである。
上述の水溶性溶剤と界面活性剤を組み合わせて、水性インクの表面張力を20.0mN
/m〜40.0mN/mの範囲で用いることが好ましく、より好ましくは22.0mN/
m〜35.0mN/mの範囲である。
(5−3)保湿剤
保湿剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール
、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキ
シレングリコール、2,3−ブタンジオール等の多価アルコール、または糖類および糖ア
ルコール等が挙げられる。
(5−4)防腐剤・防かび剤
防腐剤・防かび剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリ
ウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒ
ドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(ICI社のプロキセル
CRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)
などが挙げられる。
(5−5)pH調整剤
pH調整剤としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、プロパノールアミ
ン、モルホリン等のアミン類及びそれらの変成物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウムなどの無機塩類、水酸化アンモニウム、四級アンモニウム水酸化物(テト
ラメチルアンモニウムなど)、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム等の炭酸塩
類その他燐酸塩等があげられる。
(5−6)溶解助剤
溶解助剤としては、尿素、チオ尿素、ジメチル尿素、テトラエチル尿素などがあげられ
る。
(5−7)酸化防止剤・紫外線吸収剤
酸化防止剤・紫外線吸収剤としては、アロハネート、メチルアロハネート、などのアロ
ハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレッ
ト類など、L−アスコルビン酸およびその塩等、チバガイギー社製のTinuvin32
8、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、I
rgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD10
24など、あるいはランタニドの酸化物等があげられる。
(5−8)金属トラップ剤
金属トラップ剤としては、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム等のキレート剤などが
あげられる。
本発明で用いる樹脂インクは、上記の水溶性樹脂溶剤や水溶性溶剤や保湿剤等として樹
脂インクに含有する有機溶剤の沸点が250℃以下であることが好ましい。樹脂インクに
含有する有機溶剤の沸点が250℃以下であると、樹脂インクの塗布工程において好まし
い乾燥量を得るのに要する時間を短くすることができる。特にホットプラテンで樹脂イン
ク層の塗布工程とインク組成物の塗布工程とを行なう場合は、インク組成物の塗布工程の
開始を早く行うために、樹脂インクの乾燥時間に要する時間を短くできることが好ましい
2.2.光輝性インク
2.2.1非水系光輝性インク
非水系光輝性インクは、光輝性顔料と、有機溶剤とを含有し、有機溶剤をインク組成物
中に50質量%以上含有する。以下に非水系光輝性インクに含有される成分について説明
する。
(1)光輝性顔料
非水系光輝性インクに含有される光輝性顔料としては、インクジェット記録方法によっ
て当該インクの液滴を吐出できる範囲内で、任意のものを用いることができる。光輝性顔
料は、光輝性インクが樹脂インクの層の上に付着したときに、光輝性を付与する機能を有
し、また、付着物に光輝性を付与することもできる。このような光輝性顔料としては、パ
ール顔料や光輝性顔料があげられる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲
母、魚鱗箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。一方光
輝性顔料としてはアルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウ
ム、チタン、銅などの粒子を挙げることができ、これらの単体またはこれらの合金および
これらの混合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本実施形態で使用される光輝性顔料は、光沢度(光輝性)の高さおよびコストの観点、
から、アルミニウムまたはアルミニウム合金であることが好ましい。アルミニウム合金を
用いる場合、アルミニウムに添加する他の金属元素または非金属元素としては、光輝性を
有するものであれば特に限定されるものではないが、銀、金、白金、ニッケル、クロム、
錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅などを挙げることができ、これらから選ばれる少なく
とも1種を好ましく用いることができる。また、光輝性インクに用いる後述の有機溶剤は
、金属に対する反応性が低いものを適宜選択することで、本発明に用いる光輝性顔料は特
殊な表面処理を必要としない。
本実施形態に係る光輝性顔料は、光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)が
0.8〜1.2μmのものである。
光散乱法による球換算50%平均粒子径は、下記のようにして測定、導出されるもので
ある。すなわち、分散媒中の粒子に光を照射することにより、発生する回折散乱光に関し
て、前方・側方・後方の各部位にディテクターを配置し測定し、計測される平均粒子径の
積算百分率の分布曲線が50%の積算百分率の横軸と交差するポイントを50%平均粒子
径(d50)とする。また、球換算平均粒子径とは、本来は不定形である粒子を、球形で
あると仮定し、測定結果より求めた平均粒子径を指している。測定装置としては、例えば
、株式会社セイシン企業製 レーザー回折散乱式粒度分布測定器 LMS−2000eな
どが挙げられる。光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)が上記範囲にあるこ
とで、記録物上に高い光輝性を有する塗膜が形成できると共に、インクのノズルからの吐
出安定性も高くなる。
光輝性顔料は、金属蒸着膜を破砕して作製されたものであると好ましく、また、平板状
粒子であると好ましい。光輝性顔料が平板状粒子である場合、該平板状粒子の平面上の長
径をX、短径をY、厚みをZとしたとき、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円
相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであると好ましく、R50/Z>5の
条件を満たすものであると好ましい。
「平板状粒子」とは、略平坦な面(X−Y平面)を有し、かつ、厚み(Z)が略均一で
ある粒子をいう。平板状粒子は金属蒸着膜を破砕して作製されたものであるため、略平坦
な面と、略均一な厚みの金属粒子を得ることができる。従って、この平板状粒子の平面上
の長径をX、短径をY、厚みをZと定義することができる。
「円相当径」は、光輝性顔料の平板状粒子の略平坦な面(X−Y平面)を、当該光輝性
顔料の粒子の投影面積と同じ投影面積を持つ円と想定したときの当該円の直径である。例
えば、光輝性顔料の平板粒子の略平坦な面(X−Y平面)が多角形である場合、その多角
形の投影面を円に変換して得られた当該円の直径を、その光輝性顔料の平板粒子の円相当
径という。
前記平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50は、
光輝性、記録安定性の観点から0.5〜3μmであることがより好ましく、0.75〜2
μmであることがさらに好ましい。50%平均粒子径R50が0.5μm未満の場合は、
光沢不足となる。一方、50%平均粒子径R50が3μmを超える場合、記録安定性が低
下する。
また、前記円相当径の50%平均粒子径R50と厚みZとの関係においては高い光輝性
を確保する観点からは、R50/Z>5である。R50/Zが5以下の場合は、光輝性が
不足するという問題がある。
前記平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の最大粒子径Rmaxは、イン
クジェット記録装置におけるインクの目詰まり防止の観点から、10μm以下であること
が好ましい。Rmaxを10μm以下にすることで、インクジェット記録装置のノズル、
インク流路内に設けられたメッシュフィルターなどの目詰まりを防止することができる。
前記光輝性顔料の製造方法は、例えば、シート状基材面に剥離用樹脂層と金属又は合金
層とが順次積層された構造からなる複合化顔料原体の前記金属又は合金層と前記剥離用樹
脂層の界面を境界として前記シート状基材より剥離し粉砕し微細化して平板状粒子を得る
。そして、得られた平板状粒子のうち、光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50
)が0.8〜1.2μmのものを分取する。あるいは、得られた平板状粒子の平面上の長
径をX、短径をY、厚みをZとした場合、該平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円
相当径の累積地50となる%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/
Z>5の条件を満たすものを分取する。
前記光輝性顔料の平面上の長径X、短径Y及び円相当径は、粒子像分析装置を用いて測
定することができる。粒子像分析装置としては、例えば、シスメックス株式会社製のフロ
ー式粒子像分析装置FPIA−2100、FPIA−3000、FPIA−3000Sを
利用することができる。
前記光輝性顔料の粒度分布(CV値)は、下記の式で求められる。
CV値=粒度分布の標準偏差/粒子径の平均値×100・・・(2)
ここで、得られるCV値は60以下であることが好ましく、50以下であることがより
好ましく、40以下であることが更に好ましい。CV値が60以下の光輝性顔料を選択す
ることで、記録安定性に優れるという効果が得られる。
前記金属又は合金層は、真空蒸着、イオンプレーティング又はスパッタリング法によっ
て形成されることが好ましい。
前記金属又は合金層の厚さは、好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは
20nm以上100nm以下で形成される。これにより、平均厚みが、好ましくは5nm
以上100nm以下、より好ましくは20nm以上100nm以下の顔料が得られる。5
nm以上にすることで、反射性、光輝性に優れ、光輝性顔料としての性能が高くなり、1
00nm以下にすることで、見かけ比重の増加を抑え、光輝性顔料の分散安定性を確保す
ることができる。
前記複合化顔料原体における剥離用樹脂層は、前記金属又は合金層のアンダーコート層
であるが、シート状基材面との剥離性を向上させるための剥離性層である。この剥離用樹
脂層に用いる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポ
リエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロースアセテートブ
チレート(CAB)などのセルロース誘導体、アクリル酸重合体又は変性ナイロン樹脂が
好ましい。上記の一種又は二種以上の混合物の溶液を記録媒体に塗布し、乾燥等を施して
層が形成される。塗布後は粘度調節剤等の添加剤を含有させることができる。
前記剥離用樹脂層の塗布は、一般的に用いられているグラビア塗布、ロール塗布、ブレ
ード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート法等により形成される
。塗布・乾燥後、必要であれば、カレンダー処理により、表面の平滑化を行う。
剥離用樹脂層の厚さは、特に限定されないが、0.5〜50μmが好ましく、より好ま
しくは1〜10μmである。0.5μm未満では分散樹脂としての量が不足し、50μm
を超えるとロール化した場合、顔料層と界面で剥離しやすいものとなってしまう。
前記シート状基材としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、6
6ナイロン、6ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセ
テートフィルム、ポリイミドフィルム等の離型性フィルムが挙げられる。好ましいシート
状基材としては、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体である。これらのシー
ト状基材の厚さは、特に限定されないが、10〜150μmが好ましい。10μm以上で
あれば、工程等で取り扱い性に問題がなく、150μm以下であれば、柔軟性に富み、ロ
ール化、剥離等に問題がない。
また、前記金属又は合金層は、特開2005−68250号公報に例示されるように、
保護層で挟まれていてもよい。該保護層としては、酸化ケイ素層、保護用樹脂層が挙げら
れる。
酸化ケイ素層は、酸化ケイ素を含有する層であれば特に制限されるものではないが、ゾ
ル−ゲル法によって、テトラアルコキシシラン等のシリコンアルコキシド又はその重合体
から形成されることが好ましい。上記シリコンアルコキシド又はその重合体を溶解したア
ルコール溶液を塗布し、加熱焼成することにより、酸化ケイ素層の塗膜を形成する。
前記保護用樹脂層としては、分散媒に溶解しない樹脂であれば特に限定されるものでは
ないが、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリ
アクリルアミドまたはセルロース誘導体等が挙げられるが、ポリビニルアルコール又はセ
ルロースアセテートブチレートなどのセルロース誘導体から形成されることが好ましい。
上記樹脂一種または二種以上の混合物の水溶液を塗布し、乾燥等を施した層が形成される
。塗布液には粘度調節剤等の添加剤を含有させることができる。
上記酸化ケイ素および樹脂の塗布は、上記剥離用樹脂層の塗布と同様の手法により行わ
れる。
上記保護層の厚さは、特に限定されないが、50〜150nmの範囲が好ましい。50
nm未満では機械的強度が不足であり、150nmを超えると強度が高くなりすぎるため
粉砕・分散が困難となり、また金属又は合金層との界面で剥離してしまう場合がある。
前記複合化顔料原体としては、前記剥離用樹脂層と金属又は合金層と保護層の順次積層
構造を複数有する層構成も可能である。その際、複数の金属又は合金層からなる積層構造
の全体の厚み、即ち、シート状基材とその直上の剥離用樹脂層を除いた、金属又は合金−
剥離用樹脂層−金属又は合金層、又は剥離用樹脂層−金属又は合金層の厚みは5000n
m以下であることが好ましい。5000nm以下であると、複合化顔料原体をロール状に
丸めた場合でも、ひび割れ、剥離を生じ難く、保存性に優れる。また、顔料化した場合も
、光輝性に優れており好ましいものである。また、シート状基材面の両面に、剥離用樹脂
層と金属又は合金層とが順次積層された構造も挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
前記シート状基材からの剥離処理法としては、特に限定されないが、前記複合化顔料原
体に対して液体(溶媒)を噴射し、噴射された後の複合化顔料原体の金属又は合金層を掻
き取り収集する方法、前記複合化顔料原体を液体中に浸漬することによりなされる方法、
また液体中に浸漬すると同時に超音波処理を行い、剥離処理と剥離した複合化顔料の粉砕
処理を行う方法が好ましい。これらの方法では、剥離された金属又は合金層に加えて、剥
離処理に用いた液体も回収することができる。かかる剥離処理法に用いられる液体(溶媒
)としては、例えば、グリコールエーテル系若しくはラクトン系溶媒、あるいはそれらの
混合物が挙げられる。剥離した金属又は合金層を粉砕し微細化する方法は、特に限定され
ず、ボールミル、ビーズミル、超音波又はジェットミルなどを用いる従来公知の方法であ
ればよい。こうして、光輝性顔料が得られる。
上記のようにして得られる顔料は、剥離用樹脂層が保護コロイドの役割を有し、溶剤中
での分散処理を行うだけで安定な分散液を得ることが可能である。また、該顔料を用いた
インクにおいては、前記剥離用樹脂層由来の樹脂は紙等の記録媒体に対する接着性を付与
する機能も担う。
前記光輝性顔料のインク中の濃度は、インクセットの中で1種類だけがメタリックイン
クである場合には、0.5〜2質量%であることが好ましい。また、前記光輝性顔料のイ
ンク中の濃度が0.5質量%以上1.7質量%未満の場合、記録面を十分にカバーしきれ
ないインク量を吐出することでハーフミラー様の光沢面、即ち光沢感は感じられるが、背
景も透けて見えるような風合いを記録可能となり、記録面をカバーするに十分なインク量
を吐出することで高光沢の光輝性面を形成することができる。そのため、例えば、透明記
録媒体においてハーフミラー画を形成する場合や高光沢の光輝性面を表現する場合に適し
ている。また、前記光輝性顔料のインク中の濃度が1.7質量%以上2.0質量%以下の
場合、光輝性顔料が記録面にランダムに配列する為、高光沢は得られず、マット調の光輝
性面を形成することができる。そのため、例えば、透明な記録媒体において遮蔽層を形成
する場合に適している。
(2)有機溶剤
前記有機溶剤としては、好ましくは極性有機溶媒、例えば、アルコール類(例えば、メ
チルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、又はフッ化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチ
ルケトン、又はシクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、又はプロピオン酸エチル等
)、又はエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、又はジオキサン等)等を用いることができる。特に、前記有機溶剤は、常温常圧下
で液体であるアルキレングリコールエーテルを1種類以上含む、ことが好ましい。
アルキレングリコールエーテルは、メチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル
、i−ブチル、ヘキシル、そして2−エチルヘキシルの脂肪族、二重結合を有するアリル
並びにフェニルの各基をベースとするエチレングリコール系エーテルとプロピレングリコ
ール系エーテルがあり、無色で臭いも少なく、分子内にエーテル基と水酸基を有している
ので、アルコール類とエーテル類の両方の特性を備えた、常温で液体のものである。また
、片方の水酸基だけを置換したモノエーテル型と両方の水酸基を置換したジエーテル型が
あり、これらを複数種組み合わせて用いることができる。特に、前記有機溶剤は、アルキ
レングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテル、及びラクトンの混合物
であることが好ましい。
アルキレングリコールモノエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル
、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル
、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジ
エチレングリコール−2−エチルヘキシルへーテル、トリエチエレングリコールモノメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げら
れる。
アルキレングリコールジエーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エ
チレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリ
コールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレング
リコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレ
ングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレング
リコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレング
リコールジエチルエーテル等が挙げられる。
またラクトンとしては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクト
ン等が挙げられる。
このような好適な構成とすることにより、本発明の目的をより一層有効且つ確実に達成
することができる。特に、上記有機溶剤の組合せとして、ジエチレングリコールジエチル
エーテルと、γ−ブチロラクトン及び/又はテトラエチレングリコールジメチルエーテル
と、テトラエチレングリコールモノブチルエーテルとの組合せがより好ましい。
(3)定着用樹脂
前記インクに用いられる定着用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン−アク
リル樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポ
キシ樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、繊維素系樹脂(例えば、
セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリビニルブチラ
ール、ポリアクリルポリオール、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等が挙げられる。
また、非水系のエマルジョン型ポリマー微粒子(NAD=Non Aqueous Dispersion)も
定着用樹脂として用いることができる。これはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、アクリ
ルポリオール樹脂等の微粒子が有機溶剤中に安定に分散している分散液のことである。例
えば、ポリウレタン樹脂では三洋化成工業社製のサンプレンIB−501、サンプレンI
B−F370、が挙げられ、アクリルポリオール樹脂ではハリマ化成社製のN−2043
−60MEXが挙げられる。
樹脂エマルジョンは、記録媒体への顔料の定着性を一層向上させるため、インク中、0
.1質量%以上10質量%以下添加することが好ましい。添加量が過剰であると記録安定
性が得られず、過少であれば、定着性が不十分となる。
前記インク中の定着用樹脂は、ポリビニルブチラール、セルロースアセテートブチレー
ト及びポリアクリルポリオールからなる群より選択される少なくとも1種以上であること
が好ましく、セルロースアセテートブチレートであることがより好ましい。このような好
適な構成とすることにより、乾燥時の良好な耐擦性、定着性、高光輝性という好ましい効
果を得ることができる。
(4)その他
前記インクは、必要に応じて、少なくとも1種類以上のグリセリン、ポリアルキレング
リコール、又は糖類を含むことができる。これら1種類以上のグリセリン、ポリアルキレ
ングリコール、又は糖類の合計量は、インク中0.1質量%以上10質量%以下添加され
ることが好ましい。このような好ましい構成とすることにより、インクの乾燥を抑え、目
詰まりを防止しつつ、インクの吐出を安定化し、記録物の画像品質を良好にすることがで
きる。ポリアルキレングリコールとしては、主鎖中にエーテル結合の繰り返し構造を有す
る線状高分子化合物であり、例えば環状エーテルの開環重合等によって製造される。
ポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等の重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体およびそ
の誘導体等が挙げられる。共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グ
ラフト共重合体、交互共重合体等のいずれの共重合体も用いることができる。
ポリアルキレングリコールの好ましい具体例として、下式で表されるものが挙げられる
。HO−(Cn2nO)m−H(上記式中、nは、1〜5の整数を表し、mは、1〜100
の整数を表す)。なお、上記式中、(Cn2nO)mは、整数値nの範囲内において、一の
定数または二種以上の数の組合せであってよい。例えば、nが3の場合は(C36O)m
であり、nが1と4との組合せの場合は(CH2O−C48O)mである。また、整数値m
は、その範囲内において、一の定数または二種以上の数の組合せであってよい。例えば、
上記の例において、mが20と40との組合せの場合は(CH2O)20−(C24O)40
であり、mが10と30の組合せの場合は(CH2O)10−(C48O)30である。さら
に、整数値nとmとは上記の範囲内で任意に組み合わせてもよい。
糖類としては、ペントース、ヘキトース、ヘプトース、オクトース等の単糖類、あるい
は二糖類、三糖類、四糖類 といった多糖類、またはこれらの誘導体である糖アルコール
、デオキシ酸といった還元誘導体、アルドン酸、ウロン酸といった酸化誘導体、グリコセ
エンといった脱水誘導体、アミノ酸、チオ糖等が挙げられる。多糖類とは広義の糖を指し
、アルギン酸やデキストリン、セルロース等の自然界に広く存在する物質も含む。
光輝性インクは、界面活性剤を含有してもよい。用いうる界面活性剤としては、たとえ
ば、アセチレングリコール系界面活剤が挙げられる。具体的には、2,4,7,9−テト
ラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−
ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等が例示され、市販品としては
サーフィノール104、82、465、485、またはTG(いずれもAir Prod
ucts and Chemicals.1nc.より入手可能)、オルフィンSTG、オ
ルフィンE1010(日信化学社製)、ニッサンノニオンA−10R、A−13R(日本
油脂株式会社製)、フローレンTG−740W、D−90(共栄社化学株式会社製)、エ
マルゲンA−90、A−60(花王株式会社製)、ノイゲンCX−100(第一工業製薬
株式会社製)等が挙げられる。これらのポリオキシエチレン誘導体は単独、または混合し
て添加してよい。各界面活性剤は、たとえば、光輝性インクに揮発抑制性を付与すること
により、インクカートリッジからプリンターヘッドにインク組成物を輸送するチューブ内
での光輝性インクの蒸発を抑制してチューブ内での固形分の堆積を防止ないし軽減するこ
とができる。
さらにまた、界面活性剤として、室温、大気圧下で液状の非イオン性ポリオキシエチレ
ン誘導体を添加してもよい。その具体例としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル類であるニッサンノニオンP−208(日本油脂株式会社製)等のポリオキシ
エチレンセチルエーテル類、ニッサンノニオンE−202S、E−205S(日本油脂株
式会社製)等のポリオキシエチレンオレイルエーテル類、エマルゲン106、108(花
王株式会社製)等のポリオキシエチレンラウリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェノールエーテル類であるニッサンノニオンHS−204、HS−205、HS−2
06、HS−208(日本油脂株式会社製)等のポリオキシエチレンオクチルフェノール
エーテル、ソルビタンモノエステル類であるニッサンノニオンCP−08R(日本油脂株
式会社製)等のソルビタンモノカプリレート、ニッサンノニオンLP−20R(日本油脂
株式会社製)等のソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノエステ
ル類であるニッサンノニオンOT−221(日本油脂株式会社製)等のポリオキシエチレ
ンソルピタンモノステアレート類、フローレンG−70(共栄社化学株式会社製)等のポ
リカルボン酸系高分子活剤、エマルゲン707、709(花王株式会社製)等のポリオキ
シエチレン高級アルコールエーテル類、ポエムJ−4581(理研ビタミン株式会社製)
等のテトラグリセリンオレート類、アデカトールNP−620、NP−650、NP−6
60、NP−675、NP−683、NP−686(旭電化工業株式会社製)等のノニル
フェノールエトキシレート、アデカコールCS−141E、TS−230E(旭電化工業
株式会社製)等の脂肪族リン酸エステル類、ソルゲン30(第一工業製薬株式会社製等の
ソルビタンセスキオレート、ソルゲン40(第一工業製薬株式会社製)等のソルビタンモ
ノオレート、ソルゲンTW−20(第一工業製薬株式会社製)等のポリエチレングリコー
ルソルビタンモノラウレート、ソルゲンTW−80(第一工業製薬株式会社製)等のポリ
エチレングリコールソルビタンモノオレートが例示される。
前記インクは、公知の慣用方法によって調製することができる。例えば、最初に、前述
した光輝性顔料、分散剤、及び前記液媒を混合した後、必要に応じてボールミル、ビーズ
ミル、超音波、又はジェットミル等で顔料分散液を調製し、所望のインク特性を有するよ
うに調整する。続いて、バインダー樹脂、前記液媒、及びその他の添加剤(例えば、分散
助剤や粘度調整剤)を撹拌下に加えて顔料インクを得ることができる。
その他、複合化顔料原体を、一旦液媒中で超音波処理して複合化顔料分散液とした後、
必要なインク用液媒と混合しても良く、また、複合化顔料原体を直接インク用液媒中で超
音波処理してそのままインクとすることもできる。また、インク中の固形分濃度を調整す
るために、加圧ろ過、遠心分離等の従来公知の方法を用いることもできる。
前記インクの物性は特に限定されるものではないが、例えば、その表面張力は好ましく
は20〜50mN/mである。表面張力が20mN/m未満になると、インクがインクジ
ェット記録用プリンターヘッドの表面に濡れ広がるか、又は滲み出してしまい、インク滴
の吐出が困難になることがあり、表面張力が50mN/mを越えると、記録媒体の表面に
おいて濡れ広がらず、良好な記録ができないことがある。
上記の有機溶剤を主成分とした光輝性インクと、樹脂インクとを併用することで、滲み
がなく、高い光輝性を有する画像を得ることができる。その理由としては定かではないが
、例えば、下地層に含まれる樹脂との相溶性が高い有機溶剤を用いることで、光輝性イン
ク中の有機溶剤が吸収され、または下地層が光輝性インクに溶解することによって、特に
配向した平板状光輝性顔料の平滑性が保持されるとともに、滲みが抑制され、さらに高い
耐擦性が確保できているものと推察できる。
2.2.2.水系光輝性インク
水系光輝性インクは、光輝性顔料と、水を50質量%以上含有する(水系インク)。水
系光輝性インクに含有される光輝性顔料としては、インクジェット記録方法によって当該
インクの液滴を吐出できる範囲内で、任意のものを用いることができる。光輝性顔料は、
光輝性インクが樹脂インクの層の上に付着したときに、光輝性を付与する機能を有し、ま
た、付着物に光輝性を付与することもできる。このような光輝性顔料としては、パール顔
料や金属粒子があげられる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗
箔、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられる。一方、金属粒子
としてはアルミニウム、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタ
ン、銅等の粒子を挙げることができ、これらの単体またはこれらの合金およびこれらの混
合物から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本実施形態で使用される光輝性顔料は、光沢度(光輝性)の高さの観点から、銀粒子を
用いることが好ましい。以下、光輝性インクの具体例として銀インクを用いて説明する。
(1)銀粒子
上述したように、本実施形態に係る銀インクは、銀粒子を含むものである。このように
、銀インクが、銀粒子を含むものであることにより(特に、所定の条件を満足するワック
スとともに含むことにより)、優れた金属光沢を有する画像を形成することができる。ま
た、銀は、各種金属の中でも、白色度の高い金属であるため、他色のインクと重ね合わせ
ることにより、金色、銅色等の様々な金属色を表現することができる。
銀粒子の平均粒径は、10nm以上100nm以下であるのが好ましく、20nm以上
65nm以下であるのが好ましい。これにより、銀インクを用いて形成される画像の光沢
感(光輝性)および耐擦性を特に優れたものとすることができる。また、インクジェット
方式によるインクの吐出安定性(着弾位置精度、吐出量の安定性等)を特に優れたものと
することができ、長期間にわたって所望の画質の画像をより確実に形成することができる
。なお、本明細書では、「平均粒径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒径の
ことを指すものとする。平均粒子径は、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測
定装置により測定することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置として、例えば、
動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装
株式会社製)を用いることができる。
銀インク中における銀粒子の含有率は、0.5質量%以上30質量%以下であるのが好
ましく、5.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。これにより、インク
のインクジェット方式による吐出安定性、インクの保存安定性を特に優れたものとするこ
とができる。また、記録物とされたときの記録媒体上での銀粒子の密度(単位面積当たり
の含有量)が低い場合から高い場合まで、広い密度の範囲で、良好な画質、耐擦性を実現
することができる。
銀粒子は、いかなる方法で調製されたものであってもよく、例えば、銀イオンを含む溶
液を用意し、この銀イオンを還元ずることにより、好適に形成することができる。
(2)樹脂
本発明に係る銀インクは、樹脂を含有していても良く、これを含有することで定着性や
耐擦性が向上する。樹脂としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアク
リル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエ
ン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ
化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン−アクリル酸共重合体、スチ
レン−メタクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン−アクリルアミド共重合体、ポリ
イソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセター
ル、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂
、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン
、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
(3)水
本発明にかかるインクは、水を含むものである。
インク中において、水は、主に銀粒子およびワックス粒子を分散させる分散媒として機
能する。インクが水を含むことにより、銀粒子等の分散安定性等を優れたものとすること
ができ、また、後述するような液滴吐出装置のノズル付近でのインクの不本意な乾燥(分
散媒の蒸発)を防止しつつ、インクが付与される記録媒体上での乾燥を速やかに行うこと
ができるため、所望の画像の高速記録を、長期間にわたって好適に行うことができる。イ
ンク中における水の含有率は、特に限定されないが、20質量%以上80質量%以下であ
るのが好ましく、25質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。
(4)多価アルコール
本発明に係るインクは、多価アルコールを含有することが好ましい。多価アルコールは
、本実施形態に係るインクをインクジェット式記録装置に適用した場合に、インクの乾燥
を抑制し、インクジェット式記録ヘッド部分におけるインクによる目詰まりを防止するこ
とができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、
ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,
2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオールなどが挙げられる。中でも、炭素数が
4〜8アルカンジオールが好ましく、炭素数が6〜8のアルカンジオールがより好ましい
。これにより、記録媒体への浸透性を特に高いものとすることができる。インク中におけ
る多価アルコールの含有率は、特に限定されないが、0.1質量%以上20質量%以下で
あるのが好ましく、0.5質量%以上20質量%以下であるのがより好ましい。
上記の多価アルコールの中でも、インクは、1,2−ヘキサンジオール、プロピレング
リコールを含むものであるのが好ましい。これにより、インク中における銀粒子の分散安
定性を特に優れたものとすることができ、インクの保存安定性を特に優れたものとするこ
とができるとともに、インクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
(5)グリコールエーテル
本発明に係るインクは、グリコールエーテルを含有することが好ましい。グリコールエ
ーテルを含有することにより、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透
性を高めることができる。
グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル
、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエ
ーテルを挙げることができる。この中でも、トリエチレングリコールモノブチルエーテル
を用いると良好な記録品質を得ることができる。インク中におけるグリコールエーテルの
含有率は、特に限定されないが、0.2質量%以上20質量%以下であるのが好ましく、
0.3質量%以上10質量%以下であるのがより好ましい。
(6)界面活性剤
本発明に係るインクは、アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロキサン系界
面活性剤を含有することが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤またはポリシロ
キサン系界面活性剤は、記録媒体などの被記録面への濡れ性を高めてインクの浸透性を高
めることができる。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル
−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール
、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−
オールなどが挙げられる。また、アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品を利用す
ることもでき、例えば、オルフィンE1010、STG、Y(以上、日信化学社製)、サ
ーフィノール104、82、465、485、TG、104PG50、DF110D(以
上、Air Products and Chemicals Inc.製)が挙げられる。
ポリシロキサン系界面活性剤としては、市販品を利用することができ、例えば、BYK
−347、BYK−348(ビックケミー・ジャパン社製)などが挙げられる。
さらに、本発明に係るインクは、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性
界面活性剤などのその他の界面活性剤を含有することもできる。
インク中における上記界面活性剤の含有率は、特に限定されないが、0.01質量%以
上5.0質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以上0.5質量%以下であるのが
より好ましい。
(7)その他の成分
本発明に係るインクは、上記以外の成分(その他の成分)を含むものであってもよい。
このような成分としては、例えば、pH調整剤、浸透剤、有機バインダー、尿素系化合物
、アルカノールアミン(トリエタノールアミン等)等の乾燥抑制剤、チオ尿素等が挙げら
れる。
2.2.カラーインク
2.2.3.非水系カラーインク
非水系カラーインクは、色材と、50質量%以上の有機溶剤とを含有する。非水系カラ
ーインクは、前述の非水系光輝性インクに含有する光輝性顔料の代わりに色材、及び必要
に応じて分散剤、を含有する以外は、非水系光輝性インクに含有するものと同じ成分を使
用することができる。以下に非水系カラーインクに含有される成分のうち前述されていな
い成分について説明する。
(1)色材および分散剤
非水系カラーインクは、色材およびその分散剤を含有することができる。カラーインク
を印刷すると、樹脂インク層は着色される。
非水系カラーインクには、一般の非水系カラーインクに使用することのできる色材を特
に制限なく用いることができる。色材としては、染料および顔料が挙げられる。
染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、
建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料、など通常インクジェット記録に使用される各
種染料を使用することができる。以下の具体例では、油性染料の色を青色系、赤色系、お
よび黄色系に大別して記載する。また中間色すなわち緑色系や紫色系についても前記分類
のいずれかに含めて記載する。
青色系の油性染料としては、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料、カッ
プリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、シアニン染料、オキ
ソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリ
フェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、フタロシアニン染料、
アントラキノン染料、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類
を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料等を挙げるこ
とができる。
青色系の油性染料の具体例としては、マクロレックスブルーRR、FR(バイエル社製
)、スミプラストグリーンG(住友化学社製)、Vali Fast Blue 260
6、Oil BlueBOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon
Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、Neopen Blue 808、Neo
pen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社
製)、オイルバイオレット#730(オリエント化学社製)、C.I.SolventB
lue−2、−11、−25、−35、−38、−43、−67、−70、−134、C
.I.Solvent Green−1、−3、−7、−20、−33、C.I.Sol
vent Violet−2、−3、−11、−47等が挙げられる。
赤色系の油性染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール
類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、カップリング成分としてピ
ラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、アリーリデン染料、スチ
リル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料、ジフェニルメタン
染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、ナフトキノ
ン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料、ジオキサジン染料等
のような縮合多環系染料等を挙げることができる。
赤色系の油性染料の具体例としては、オイルレッド5303(有本化学社製)、オイル
レッド5B、Oil Pink 312、Oil Scarlet 308(オリエント
化学社製)、オイルレッドXO(カントー化学社製)、Neopen Mazenta
SE1378(BASF社製)、オイルブラウンGR(オリエント化学社製)、C.I.
Solvent Red−1、−3、−8、−18、−24、−27、−43、−49、
−51、−72、−73、−109、−111、−229、−122、−132、−21
9、C.I.Solvent Brown−1、−12、−58、ORASET RED
BG(チバ・スペシャルティケミカル社製)等が挙げられる。
黄色系の油性染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール
類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリ
ールもしくはヘテリルアゾ染料を挙げることができる。また例えば、カップリング成分と
して開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料、ベンジリデン染料やモノメチ
ンオキソノール染料等のようなメチン染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料等の
ようなキノン系染料等を挙げることができる。さらに、これ以外のイエロー染料種として
はキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙
げることができる。
黄色系の油性染料の具体例としては、Oil Yellow 3G、Oil Yell
ow 129、Oil Yellow 105(オリエント化学社製)、ファーストオレ
ンジG、Neopen Yellow 075(BASF社製)、ORASET YEL
LOW 3GN(チバ・スペシャルティケミカル社製)、C.I.Solvent Ye
llow−1、−14、−16、−19、−25:1、−29、−30、−56、−82
、−93、−162、−172、C.I.Solvent Orange−1、−2、−
40:1、−99等が挙げられる。
インク組成物には、上述の染料を複数組み合わせて含有させることができる。染料を複
数組み合わせた場合、無彩色となる組み合わせも生じることもある。
以下に黒色油性染料の具体例を記す。
黒色系の染料の具体例としては、スーダンブラックX60(BASF社製)、Nubi
an Black PC−0850、Oil Black HBB(オリエント化学社製
)、C.I.SolventBlack−3、−7、−22:1、−27、−29、−3
4、−50等が挙げられる。
また、顔料としては、特別な制限なしに無機顔料、有機顔料を使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サ
ーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる
。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キ
レートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(たとえば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔
料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオイ
ンジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(たとえば
、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニ
リンブラックなどを使用することができる。
顔料の具体例としては、カーボンブラックとして、C.I.ピグメントブラック7、三
菱化学社製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、N
o.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等が、コロンビ
ア社製のRaven5750、同5250、同5000、同3500、同1255、同7
00等が、キャボット社製のRegal 400R、同330R、同660R、Mogu
l L、同700、Monarch800、同880、同900、同1000、同110
0、同1300、同1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、同
FW2、同FW2V、同FW18、同FW200、Color Black S150、
同S160、同S170、Printex 35、同U、同V、同140U、Speci
alBlack 6、同5、同4A、同4等が挙げられる。
イエロー顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、
16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、11
4、120、128、129、138、150、151、154、155、180、18
5、213等が挙げられる。
また、マゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)
、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、
202、209、C.I.ピグメントヴァイオレット 19等が挙げられる。
さらに、シアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15
:4、60、16、22が挙げられる。
ホワイト顔料としては、C.I.ピグメントホワイト6等が挙げられる。
非水系カラーインクに顔料を用いる場合は、その平均粒径が10〜200nmの範囲に
あるものが好ましく、より好ましくは50〜150nm程度のものである。
非水系カラーインクに色材を用いる場合、色材の添加量は、0.1〜25質量%程度の
範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%程度の範囲である。
非水系カラーインクに顔料を用いる場合は、分散剤または界面活性剤で媒体中に分散さ
せて得られた顔料分散液を用いることができる。好ましい分散剤としては、顔料分散液を
調製するのに慣用されている分散剤、たとえば高分子分散剤を使用することができる。
また、本実施形態の非水系カラーインクが色材を含有する場合、色材を複数含有するも
のであっても良い。たとえば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの基本4色に加え
て、それぞれの色毎に同系列の濃色や淡色を加えることができる。すなわち、マゼンタに
加えて淡色のライトマゼンタ、シアンに加えて淡色のライトシアン、濃色のレッド、濃色
のブルー、ブラックに加えて淡色であるグレイ、ライトブラック、濃色であるマットブラ
ックを含有させることが例示できる。
分散剤としては、通常のインクにおいて用いられている任意の分散剤を用いることがで
きる。分散剤としては、有機溶媒の溶解度パラメーターが8〜11であるときに有効に作
用する分散剤を用いるのが好ましい。こうした分散剤としては市販品を利用することが可
能であり、その具体例としてはヒノアクトKF1−M、T−6000、T−7000、T
−8000、T−8350P、T−8000EL(武生ファインケミカル株式会社製)等
のポリエステル系高分子化合物、solsperse20000、24000、3200
0、32500、33500、34000、35200(アビシア株式会社製)、dis
perbyk−161、162、163、164、166、180、190、191、1
92(ビック・ケミー社製)、フローレンDOPA−17、22、33、G−700(共
栄社化学株式会社製)、アジスパーPB821、PB711(味の素株式会社製)、LP
4010、LP4050、LP4055、POLYMER400、401、402、40
3、450、451、453(EFKAケミカルズ社製)の単独、または混合したものを
挙げることができる。
非水系カラーインクにおける分散剤の含有量は、金属インク中の色材(特には顔料)の
含有量に対して、5〜200質量%、好ましくは30〜120質量%であり、分散すべき
色材によって適宜選択するとよい。
2.2.4.水系カラーインク
水系カラーインクは、色材と、50質量%以上の水とを含有する。水系カラーインクは
、前述の樹脂インクに色材と必要に応じて分散剤を加えたこと以外は、樹脂インクと同様
のものが使用可能である。このようなインク組成物として例えば、特開2010−606
2に記載のインクが使用可能である。あるいは、水系カラーインクは、前述の水系光輝性
インクに含有する光輝性顔料の代わりに色材、及び必要に応じて分散剤を含有する以外は
、水系光輝性インクと同様のものが使用可能である。以下に水系カラーインクに含有され
る成分のうち前述されていない成分について説明する。
(1)色材
水系カラーインクは、色材およびその分散剤を含有することができる。カラーインクを
印刷すると、樹脂インク層は着色される。水系カラーインクには、一般の水系カラーイン
クに使用することのできる色材を特に制限なく用いることができる。本発明において、水
性カラーインク組成物は、水系インクジェット記録用カラーインク組成物において従来か
ら使用されている任意の色材、染料や顔料を含むことができるが、特に顔料が好ましい。
顔料としては、例えば、インクジェット記録用インク組成物において従来から使用されて
いる有機顔料または無機顔料を用いることができる。顔料は、水溶性樹脂や界面活性剤等
の分散剤とともに分散した樹脂分散顔料、または顔料表面に親水性基を導入し分散剤の使
用なしで水系媒体に分散もしくは溶解可能とした表面処理顔料として、インク組成物に添
加することができる。なお、顔料を樹脂分散剤で分散する場合、熱可塑性樹脂を分散剤と
して使用してもよい。また、顔料は2種以上を組合せて用いてもよい。分散剤は、インク
ジェット記録用水系インク組成物において従来から使用されている分散剤が使用可能であ
る。
無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄や、コンタクト法、ファーネスト法、また
はサーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを利用することがで
きる。
有機顔料としては、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、
またはキレートアゾ顔料)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、
ベリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジ
ゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料)、染料キレート(例えば、塩
基性染料型キレート、または酸性染料型キレート)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、または
アニリンブラックなどを利用することができる。これらの顔料のうち、水との親和性が良
好な顔料を用いるのが好ましい。
より具体的には、黒色インク用顔料として、例えば、ファーネスブラック、ランプブラ
ック、アセチレンブラック、若しくはチャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I
.ピグメントブラック7)類、または銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック
11)、若しくは酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラッ
ク1)等の有機顔料を挙げることができる。
好適なカーボンブラックの具体例としては、三菱化学株式会社製のカーボンブラックと
して、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、
No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等が挙げられる
。デグサ社製のカーボンブラックとして、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、F
W18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、14
0U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250等が挙げられる。コロンビアカーボ
ン社製のカーボンブラックとして、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750
、5250、5000、3500、1255、700等が挙げられる。キャボット社製の
カーボンブラックとして、キャボット社製のリガール400R、330R、660R、モ
グルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1
400、エルフテックス12等が挙げられる。
カラーインク用顔料としてはC.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、
3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、23、24、34、35、3
7、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、9
5、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、
138、153、154;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリ
リアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド
2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネン
トレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、5
2:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63
:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら
)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(
キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、
177、178、179、185、190、193、209、219;またはC.I.ピ
グメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:
3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16
、17:1、56、60、63;等を使用することができる。
顔料の粒径は、特に限定されるものではないが、平均粒径として、好ましくは25μm
以下、より好ましくは1μm以下である。平均粒径が25μm以下の顔料を用いることに
より、目詰まりの発生を抑制することができ、一層充分な吐出安定性を実現することがで
きる。色材の含有量は、インク組成物全体に対して、好ましくは0.5〜25重量%、よ
り好ましくは2〜15重量%である。
本発明で用いる各樹脂インク、インク組成物の20℃における粘度は、好ましくは2〜
15mPa・sであり、より好ましくは3〜8mPa・sである。各インク組成物の20
℃における粘度が上記範囲内にあると、インクジェット記録装置にさらに好適となり、ノ
ズルから組成物が適量吐出され、組成物の飛行曲がりや飛散を一層低減することができる
3.記録物
本発明にかかるインクジェット記録方法によって得られる記録物は、記録媒体に光沢度
の高い領域が記録されている。またインク組成物を更に使用したインクジェット記録方法
によって得られる記録物は、高画質の光輝性層や着色層が設けられている。
4.インクカートリッジ
本実施形態にかかるインクカートリッジとして、上記の樹脂インクと、インク組成物と
からなるインクセットを充填したインクカートリッジがあげられる。インクカートリッジ
によれば、上記の各樹脂インク及びインク組成物を容易に運搬することができる。インク
カートリッジは一体型インクカートリッジでもよいし、各インクごと別体のインクカート
リッジでもよい。
5.実験例
以下、実施例および比較例としての実験例によって本発明を具体的に説明するが、これ
らは、本発明の範囲を限定するものではない。
5.1.樹脂インクの調製
樹脂インクは、表1に記載の組成になるように、樹脂成分、水溶性有機溶媒、界面活性
剤、ワックス、およびイオン交換水を混合し調製した。その後、常温で1時間混合撹拌し
て、表1に記載の樹脂インク1〜4を得た。
表1中で示した成分は、下記のとおりである。なお、表中の単位は質量%である。
(1)樹脂成分
・スチレン−アクリル酸共重合体(熱可塑性樹脂粒子、平均粒子径50nm、分子量5
5000、ガラス転移温度80℃、酸価130)
・ポリウレタン(レザミンD−2020、大日精化社製)
(2)水溶性有機溶媒
・1,2−ヘキサンジオール
・2−ピロリドン
・プロピレングリコール
(3)界面活性剤
・シリコン系界面活性剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「BYK−34
8」、ポリエーテル変性シロキサン)
・アセチレングリコール系界面活性剤(日信化学工業株式会社製、商品名「サーフィノ
ール104PG−50」)
(4)ポリオレフィンワックス
・ポリエチレンワックス(ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名「AQUACE
R−515」)
Figure 2012051124
5.2.非水系光輝性顔料インクの調製
光輝性顔料インクに添加される光輝性顔料を得るために、まず以下のように光輝性顔料
分散液を作成した。
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率
35〜39%、関東化学社製)3.0質量%及びジエチレングリコールジエチルエーテル
(日本乳化剤社製)97質量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法によって均一に塗布
し、60℃、10分間乾燥する事で、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。
次に、真空蒸着装置(真空デバイス社製VE−1010型真空蒸着装置)を用いて、上
記の樹脂層上に平均膜厚20nmのアルミニウム蒸着層を形成した。
次に、上記方法にて形成した積層体を、ジエチレングリコールジエチルエーテル中、V
S−150超音波分散機(アズワン社製)を用いて剥離・微細化・分散処理を同時に行い
、積算の超音波分散処理時間が12時間である光輝性顔料分散液を作成した。
得られた光輝性顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理
を行い、粗大粒子を除去した。次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレ
ーターを用いてジエチレングリコールジエチルエーテルを留去した。これにより、光輝性
顔料分散液を濃縮し、その後、その光輝性顔料分散液の濃度調整を行い、5質量%濃度の
光輝性顔料分散液1を得た。
次いで、株式会社セイシン企業製 レーザー回折散乱式粒度分布測定器 LMS−20
00eを用いて、光輝性顔料の光散乱法による球換算50%平均粒子径(d50)を測定
した結果、1.001μmであった。
上記方法にて調製した光輝性顔料分散液1を用いて、表2に示す組成にて光輝性顔料イ
ンクを調製した。溶媒及び添加剤を混合・溶解し、インク分散媒とした後に、光輝性顔料
分散液1をそのインク溶媒中へ添加して、更に常温・常圧下30分間マグネティックスタ
ーラーにて混合・撹拌して、光輝性顔料インク1〜5とした。
表2中で示した成分は、下記のとおりである。なお、表中の単位は質量%である。
(1)光輝性顔料(固形分)
(2)有機溶剤
・ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGDE)
・テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDM)
・γ−ブチロラクトン
・テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGMB)
(3)樹脂成分
・セルロースアセテートブチレート(CAB、関東化学社製;ブチル化率35〜39
%)
(4)界面活性剤
・BYK−UV3500(商品名、ビックケミー・ジャパン社製)
Figure 2012051124
5.3.水系光輝性インクの調製
(1)光輝性インク1(MA1)
ポリビニルピロリドン(PVP、重合平均分子量10,000)を70℃の条件下で1
5時間加熱して、その後室温で冷却をした。そのPVP1000gを、エチレングリコー
ル溶液500mlに添加してPVP溶液を調整した。別の容器にエチレングリコールを5
00ml入れ、硝酸銀128gを加えて電磁攪拌器で十分に攪拌をして硝酸銀溶液を調整
した。PVP溶液を120℃の条件下でオーバーヘッドミキサーを用いて攪拌しつつ、硝
酸銀溶液を添加して約80分間加熱して反応を進行させた。そして、その後室温で冷却を
させた。得られた溶液を遠心分離機で2200rpmの条件下で10分間遠心分離を行っ
た。その後、分離が出来た銀を取り出して、余分なPVPを除去するためエタノール溶液
500mlに添加した。そして、さらに遠心分離を行い、銀を取り出した。さらに、取り
出した銀を真空乾燥機で35℃、1.3Paの条件下で乾燥させた。
上記によって製造された銀粒子10質量部に、トリエチレングリコールモノブチルエー
テルを5質量部、グリセリンを5質量部、1,2−ヘキサンジオールを1.5質量部、ト
リメチロールプロパンを1.5質量部、シリコン系界面活性剤(BYK−348)1質量
部%、さらに濃度調整用のイオン交換水を添加することにより、全体を100質量部とし
て水系光輝性インクMA1とした。
(2)光輝性インク2(MA2)
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率
35〜39%、関東化学社製)3.0質量%およびジエチレングリコールジエチルエーテ
ル(日本乳化剤社製)97質量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法によって均一に塗
布し、60℃、10分間乾燥することで、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。
次いで、真空蒸着装置(「VE−1010型真空蒸着装置」、真空デバイス社製)を用
いて、上記樹脂層上に平均膜厚20nmのアルミニウム蒸着層を形成した。
次いで、上記方法にて形成した積層体を、ジエチレングリコールジエチルエーテル中、
VS−150超音波分散機(アズワン社製)を用いて、剥離・微細化・分散処理を同時に
行い、積算の超音波分散処理時間が12時間であるアルミニウム顔料分散液を作製した。
得られたアルミニウム顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにて濾
過処理を行い、粗大粒子を除去した。次いで、濾液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエ
バポレーターを用いてジエチレングリコールジエチルエーテルを留去した。これにより、
アルミニウム顔料分散液を濃縮し、その後、そのアルミニウム顔料分散液の濃度調整を行
い、5質量%のアルミニウム顔料分散液Aを得た。
次いで、得られたアルミニウム顔料分散液A100gをビーカーへ投入し、3−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、商品名「KBM−503」)26
.93gを添加して、1日間室温で攪拌することにより加水分解反応させた。このように
して、アルミニウム顔料の表面に被覆層を形成させたアルミニウム顔料分散液Bを得た。
次いで、アルミニウム顔料分散液B100gをビーカーへ投入し、トリメトキシメチル
シラン(東京化成工業社製)3.69gを添加して、1日間室温で攪拌することにより加
水分解反応させた。このようにして、アルミニウム顔料の表面に残存する水酸基をキャッ
ピング処理したアルミニウム顔料分散液Cを得た。
このアルミニウム顔料分散液Cの5質量部に、トリエチレングリコールモノブチルエー
テル5質量部、グリセリン5質量部、1,2−ヘキサンジオール1.5質量部、トリメチ
ロールプロパン1.5質量部と、シリコン系界面活性剤(BYK−348)1質量部、さ
らに濃度調整用のイオン交換水を添加することにより、全体を100質量部とし光輝性イ
ンクMA2とした。
5.4.非水系カラーインクの調整
非水系カラーインク(CS1)
ジエチレングリコールジエチルエーテル 60.0質量部
テトラエチレングリコールジメチルエーテル 15.0質量部
γ‐ブチロラクトン 15.0質量部
顔料 ピグメントイエロー150(ランクセス社製、YELLOW PIGMENT
E4GN−GT) 3.0質量部
分散剤 ルブリゾール社製「ソルスパース32000」 2.0質量部
アクリル樹脂 ロームアンドハース社「パラロイドB99N」(メチルメタアクリレー
ト/ブチルメタアクリレート共重合体)Tg82℃、重量平均分子量15、000) 5
.0質量部
上記の成分からなる、非水系インク組成物を調整した。まず、上記の溶剤のうちの一部
に対して、顔料と、分散剤を混合して、ディゾルバーで3、000rpmにて1時間撹拌
した後、ジルコニアビーズ(2mm)を充填したビーズミルで予備分散した。得られた顔
料粒子の平均粒径は5μm以下であった。更に、ジルコニアビーズで(0.3mm)を充
填したナノミルで本分散を行い、顔料分散液を得た。この本分散で得られる顔料粒子の平
均粒径は250nmであった。得られた顔料分散液に、上記樹脂と残りの溶剤を添加して
、インク組成物を調整した。
非水系カラーインク(CS2)
上記のイエロー顔料に変えて、ブラック顔料(カーボンブラック C . I . P I
G M E N T B L A C K 7)用いた以外は非水系カラーインクCS1と同
様にして非水系カラーインクCS2を調整した。
5.5.水系カラーインクの調整
水系カラーインク(CA1)
着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3を4%、着色剤の分散樹脂としてア
クリル酸−アクリル酸エステル共重合体(分子量25,000、ガラス転移温度80℃、
酸価180) 2%、樹脂エマルジョンとしてスチレンーアクリル酸共重合体(分子量5
0,000、酸価130、平均粒子径75nm) 2%、水溶性浸透溶剤として1,2−
ヘキサンジオール 5%、界面活性剤としてBYK−348(商品名、ビックケミー・ジ
ャパン(株)製のポリエーテル変性オルガノシロキサン) 0.6%、サーフィノールD
F−110D(商品名、日信化学工業株式会社製) 0.2%、水溶性樹脂溶剤として2
−ピロリドン 5%、保湿剤としてプロピレングリコール 10%、純水 残量にて、シア
ンインクを調整した(すべて重量%)。
水系カラーインク(CA2)
着色剤として、カーボンブラックのMA77(商品名、三菱化学株式会社製) 4%、
着色剤の分散樹脂としてアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体(分子量25,000
、ガラス転移温度80℃、酸価180) 2%、樹脂エマルジョンとしてスチレンーアク
リル酸共重合体(分子量50,000、酸価130、平均粒子径75nm) 2%、オク
タノール/水分配係数が0.1を超えるアルキルジオール系の水溶性浸透溶剤として1,
2−ヘキサンジオール(log Pow:0.25) 2%、グリコールモノエーテル系水
溶性有機溶剤としてジエチレングリコール−2−エチルヘキシルエーテル(log Po
w:2.38) 2%、ビニルラクタム類を含有する水溶性ポリマーとしてポリビニルピ
ロリドン(K−15) 0.2%、界面活性剤としてBYK−348(商品名、ビックケ
ミー・ジャパン(株)製のポリエーテル変性オルガノシロキサン) 0.4%、サーフィ
ノールDF−110D(商品名、日信化学工業株式会社製) 0.1%、水溶性樹脂溶剤
として2−ピロリドン 5%、保湿剤としてプロピレングリコール 8%、純水 残量にて
、ブラックインクを調整した。
5.6.記録物の作成
各実験例の記録物は、図2のインクジェット式プリンターとして、ラベル印刷機Sur
ePressL−4033A(セイコーエプソン製)を用いて作成した。該プリンターの
ヘッドが備える複数のノズル列のうちの、オーバープリント液(OP液)用のノズル列に
樹脂インクのいずれか1つを充填した。また、シアンインク用のノズル列に、光輝性イン
クとカラーインクのうちの何れか1つを充填して使用した。また、該プリンターは、プラ
テンを所定の温度に調整しプラテンの位置において、記録媒体を加熱することができるよ
うに、温度調節した。
まず、下記に示す記録媒体のそれぞれに、表3〜表5に示す塗布条件にて各インクをテ
ストパターンで印刷した。テストパターンは、記録解像度720×720dpiで、3×
3cmのベタパターンとした。表4の各例に示すインクを塗布した。まず、樹脂インク層
の生成1回目として、プラテン上に固定された記録媒体のテストパターンを印刷すべき領
域に、各表の条件で塗布を行なった。次にヘッドの走査を停止した状態で、樹脂インク層
の乾燥量が各表の値に達するまで休止時間を設けた。休止時間は予め前述の方法で設定し
、インクジェット式プリンターの記憶装置に記憶されている。次に、樹脂インク層の生成
2回目として、樹脂インク層の生成1回目で生成した樹脂インク層の上に各表の条件で塗
布を行い、塗布の完了後、休止時間を設けた。次に、生成した樹脂インク層の上に、表3
では樹脂インク層塗布工程3回目を行い、表4以降ではインク組成物の塗布を行うことに
より、各表インク組成物の塗布を行い、休止時間を設け乾燥を行ない光輝性層あるいは樹
脂インク層の着色を行った。記録物を得て評価に用いた。なお、表3〜中、空白欄を有す
る例は、該当する塗布工程を行なわず、記録物作成を完了した。各表中、樹脂インクの塗
布量は樹脂の質量であり、インク組成物の塗布量はインク組成物の質量である。
記録媒体
(1)PET1:リンテック社製、商品名「PET50A」
(2)PET2:リンテック社製、商品名「K2411」
(3)合成紙:PP延伸加工フィルム、リンテック社製、商品名「ユポ80」
(4)キャスト紙:王子タック社製、商品名「Oミラー73/F41/U8C」
(5)コート紙:リンテック社製、商品名「NPコート_PW8E」
(6)普通紙:富士ゼロックス社製、商品名「XeroxP」
(7)上質紙:リンテック社製、商品名「55PW8R」
(8)PVC:ローランド社製、商品名「LLEX」
5.7.記録物の評価
(1)光沢度
前記各実験例に係る記録物のテストパターン表面について、光沢度計(MINOLTA
MULTI GLOSS 268)を用い、煽り角度60℃での光沢度を測定し、以下
の基準に従い評価した。測定時、記録媒体の下には普通紙(XeroxP、富士ゼロックス製
)を敷いた。光沢度は、光輝性インク層の形成を行っていない例では記録面表面の平滑性
に起因する光沢性を示し、光輝性インク層の形成を行っている例では、光輝性層による光
輝性を示している。
判定基準
1:光沢度<50
2:50≦光沢度<100
3:100≦光沢度<150
4:150≦光沢度<200
5:200≦光沢度<250
6:250≦光沢度<300
7:300≦光沢度<350
8:350≦光沢度<400
9:400≦光沢度<450
10:450≦光沢度<500
11:500≦光沢度
(2)耐擦性試験
乾燥後の記録物を学振型摩耗堅牢度試験機AB−301(商品名、テスター産業株式会
社製)にセットし、接触部に白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子(
荷重;300g)にて10回擦ることで、耐摩耗性評価を実施した。以下の判断基準で評
価した。
○:記録物に摩擦による画像の乱れがなく、また白綿布にも記録物の画像から転写さ
れた汚れもない。
△:記録物の光輝性層或いは色材層に明らかな剥離は視認されないが、白綿布にも記
録物の画像から転写された顔料或いは色材成分が視認できる。
×:記録物の光輝性層或いは色材層に明らかに剥離が視認され、白綿布も記録物の画
像との接触により汚れている。
(3)むら試験
記録物のテストパターン表面を目視により評価した。
○:テストパターンに光輝性顔料或いは色材のむらが見られない。
×:テストパターンに光輝性顔料或いは色材のむらが見られる。
これらの結果を表3〜表8に合わせて示した。
表3〜表8から明らかなように、同じ樹脂インクを所定の塗布量、塗布して形成した樹
脂インク層でありながら、本発明の第1の塗布工程と第2の塗布工程とによって形成した
樹脂インク層の例は、本発明の第1の塗布工程と第2の塗布工程とによって形成していな
い樹脂インク層の例よりも、記録物の光沢度が優れていた。また、樹脂インク層の上に光
輝性層、着色層を設けた場合に、光性、耐擦性、むらが優れていた。
Figure 2012051124
Figure 2012051124
Figure 2012051124
Figure 2012051124
Figure 2012051124
Figure 2012051124
11…供給機構、12A,12B,12C,12D,12E,12F…搬送ローラー、
13…巻取機構、20…キャリッジユニット、21…キャリッジ、22…ガイド、31…
ヘッド、40…ヒーターユニット、41…ホットプラテン、42…乾燥機構、100…搬
送ユニット。

Claims (9)

  1. 記録媒体に、樹脂成分を含有する樹脂インクを塗布する第1の塗布工程を行うことによ
    り第1の樹脂インク層を生成し、前記生成した第1の樹脂インク層に対して樹脂インクを
    塗布する第2の塗布工程を行うことにより第2の樹脂インク層を生成して、樹脂インク層
    を形成し、前記第1の塗布工程及び前記第2の塗布工程は、それぞれ、塗布した樹脂イン
    クを乾燥する乾燥工程を含む、インクジェット記録方法。
  2. 前記第2の塗布工程を行う際の、前記第1の塗布工程で生成した第1の樹脂インク層の
    乾燥量が、Vo/Unvo≦1(式中:Unvoは記録媒体上の樹脂インク層における単
    位面積あたり不揮発成分の質量、Voは記録媒体上の樹脂インク層における単位面積あた
    りの揮発成分の残存質量)である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記第1の塗布工程によって生成する樹脂インク層の樹脂の量が、0.4〜10mg/
    inch2である、請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記形成される樹脂インク層の樹脂の量が0.6〜15mg/inch2である、請求
    項1から3の何れか一項に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記形成した樹脂インク層に対して、光輝性顔料あるいは色材を含有するインク組成物
    を塗布する、請求項1から4の何れか一項に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記樹脂インクにおける樹脂の含有量が2〜25質量%である、請求項1から5の何れ
    か一項に基材のインクジェット記録方法。
  7. 前記樹脂インクに含有する有機溶剤の沸点が250℃以下である、請求項1から6の何
    れか1項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 請求項1から7の何れか一項に記載の前記インクジェット記録方法によって記録を行な
    うインクジェット記録装置。
  9. 請求項1から7の何れか一項に記載のインクジェット記録方法によって記録された記録
    物。
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