JPWO2016159037A1 - インクジェット記録用マゼンタインキ - Google Patents

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Abstract

本発明は、C.I.ピグメントレッド147、150、176、266、および269のうち少なくとも1種を、インキの全質量を基準として0.5〜10質量%含む、インクジェット記録用マゼンタインキに関する。本発明によれば、耐光性、発色性、および保存安定性の面で総合的に優れたマゼンタインキを提供することができる。また、インキセットを構成する各インキの耐光性および発色性に優れたインキセット、および該インキセットを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。

Description

本発明はインクジェット記録方法に用いられるマゼンタインキ、それを備えたインキセット、及びそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
インクジェット印刷方式とは、被印刷基材に対して、インクジェットヘッドからインキの微小液滴を飛翔、及び着弾させて、上記基材上に画像や文字を形成する印刷方式であり、版を必要としないことを特徴とする。版を必要としない印刷方式として、電子写真方式が広く認知されている。しかし、インクジェット印刷方式は、電子写真方式に比べて装置のイニシャルコストや印刷時のランニングコスト、装置サイズ、高速印刷特性等の面で優れている。
インクジェット印刷方式に使用されるインキとしては、溶剤系、水系、油系などの多岐に渡るインキが従来から使用されている。しかし、近年、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキの需要が増加している。これは、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキは、プラスチックやガラスなどの非吸収性の基材にも適用できること、溶剤の揮発量を低減させ環境負荷を低減出来るという利点に起因する。特に工業用途のインクジェット印刷においては、上記に加え、印刷物の耐水性、インキの乾燥エネルギー、インキの乾燥によるヘッドへのインキ成分の付着などの点から、溶剤系や水系から、活性エネルギー線硬化型のインクジェットインキへの置き換えが期待されている。
また近年、インクジェットヘッドの性能向上に伴い、オフセット印刷等の既存印刷市場へのインクジェット印刷方式の応用が期待されている。既存印刷市場では、生産性が非常に重要である。しかし、サイン市場では、マルチパス印刷方式が使用されており、この印刷方式では、既存印刷市場の所望の生産性を実現することが困難である。そのため、既存印刷市場において、インクジェット印刷方式を用いるためには、高速印刷が可能なシングルパス印刷方式を用いることが望ましい。
一方で、オフセット印刷に代表される既存印刷市場の印刷物は、多くの特色(オレンジ、レッド、グリーン、ブルー、バイオレット等)を用いて印刷されるため、色再現性が非常に優れている特長がある。従って、既存印刷市場へのインクジェット印刷方式の応用を実現するには、優れた色再現性を持つことが重要である。さらに、得られる印刷物には、保存中に変退色しないことが求められている。
インクジェットインキはイエロー、マゼンタ、シアンの3色がどの程度の色再現ポテンシャルを持ち得るかにより、形成される画質の色再現性が大きく変化するため、顔料選定が非常に重要な因子であることは、特許文献1〜3に記載されている。
特許文献1及び2は適切な顔料選択により所望の色域を確保しているが、水系インクジェットインキに関するものである。本発明は非水系のインクジェットインキであり、非水系のインクジェットインキは一般に、分散溶媒が重合性モノマー等の非水系溶媒であることから、顔料分散が非常に困難であるという特徴を持つため、更なる改善が望まれる。
特許文献3では、無置換キナクリドンと2,9−ジクロルキナクリドンが同一結晶内に溶け合った、いわゆる固溶体をマゼンタ顔料として選択し、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキにおいて色再現を向上させる方法が検討されている。しかし、キナクリドン顔料は発色性に劣るという問題がある。更に、固溶体を使用した顔料分散体は保存安定性に乏しい。その上、固溶体を使用した活性エネルギー線硬化型インクジェットインクは、硬化速度が遅い傾向にあり、高速印刷が望まれる昨今の風潮から鑑みて、キナクリドン固溶体の使用は好ましくないと考えられる。
また、オフセット並の発色性を再現させるためには、複数の特色を搭載したインキセットにすることが簡単であるが、ヘッド数の増加により装置価格が上がってしまい、インクジェットの利点の一つである低コストの効果が小さくなってしまうという問題がある。
特開2009−024072号公報 特開2009−102661号公報 国際公開第2008/043692号パンフレット
本発明は、耐光性、発色性、および保存安定性の面で総合的に優れたマゼンタインキの提供を目的とする。また、インキセットを構成する各インキの耐光性および発色性に優れたインキセット、および該インキセットを用いたインクジェット記録方法の提供をその目的としている。
〔1〕本発明の一態様は、C.I.ピグメントレッド147、150、176、266、および、269からなる群より選ばれる少なくとも1種を、インキの全質量を基準として0.5〜10質量%含む、非水系インクジェット記録用マゼンタインキに関する。
〔2〕本発明の更なる一態様は、さらに、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含む、上記非水系インクジェット記録用マゼンタインキに関する。
〔3〕本発明の更なる一態様は、前記重合性モノマーが、単官能(メタ)アクリレートおよび2官能(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、上記非水系インクジェット記録用マゼンタインキに関する。
〔4〕本発明の更なる一態様は、前記重合性モノマーが、エチレンオキシド単位およびプロピレンオキシド単位の少なくとも一方を有する重合性モノマーを、重合性モノマーの全質量を基準として70〜100質量%含む、上記非水系インクジェット記録用マゼンタインキに関する。
〔5〕本発明の別の一態様は、少なくともマゼンタインキ、イエローインキ、およびシアンインキを備えた非水系インクジェット記録用インキセットであって、
マゼンタインキが、上記非水系インクジェット記録用マゼンタインキであり、
イエローインキが、C.I.ピグメントイエロー150、151、180および185からなる群より選ばれる少なくとも1種を、イエローインキの全質量を基準として1〜10質量%含む、非水系インクジェット記録用インキセットに関する。
〔6〕本発明の更なる一態様は、さらに、オレンジインキおよびバイオレットインキの少なくとも一方を備えた、上記非水系インクジェット記録用インキセットに関する。
〔7〕本発明の別の一態様は、上記非水系インクジェット記録用マゼンタインキ、または、上記非水系インクジェット記録用インキセットを用いたインクジェット記録方法であって、
前記非水系インクジェット記録用マゼンタインキ、または前記非水系インクジェット記録用インキセットのインクを、基材上にインクジェットヘッドから吐出する吐出工程、および、
活性エネルギー線を照射して吐出された前記インキを硬化させる工程、
を含む、インクジェット記録方法に関する。
本発明の実施形態によれば、マゼンタインキの、耐光性、発色性、及び保存安定性を総合的に向上させることができる。また、本発明の一実施形態によれば、インキセットを構成する各インキの耐光性及び発色性に優れたインキセット、及び該インキセットを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、本実施形態のインクジェットインキについて説明する。以下、単に「インキ」ともいう。
なお、特にことわりのない限り、「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」をあらわす。
<インクジェットインキ>
本発明者らは、今般、カラーインクジェット記録方法において、特定の顔料を含んだマゼンタインキが良好な画像を実現できるとの知見を得た。さらに、このマゼンタインキと、特定のカラーインキとを組み合わせて用いることで、カラーバランスが良好な画像が得られるとの知見を得た。
本実施形態のマゼンタインキは、耐光性、発色性、及び保存安定性の面から総合的に優れている。そして、該マゼンタインキを備えたインクジェット用インキセットは、マゼンタインキ以外のカラーインキとの退色バランスにも優れ、経年変化による画像の劣化を効果的に防止することができる。
本実施形態のマゼンタインキは、非水系のインクジェットインキであり、顔料の他に、非水系の媒体を含む。非水系の媒体としては、例えば、有機溶剤や重合性モノマーといった有機化合物が挙げられる。
媒体として、水を含有する場合は、水の含有量は、インキ全質量を基準として、3質量%未満であることが好ましく、2質量%未満であることがより好ましく、1質量%未満であることが特に好ましい。水の含有量は、カールフィッシャー法により測定することが出来る。
本実施形態のマゼンタインキは、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキであることが好ましい。
本実施形態のマゼンタインキを活性エネルギー線硬化型インクジェットインキとして用いる場合には、さらに、重合性モノマー、光重合開始剤等を含む。
本発明で言う「活性エネルギー線」は、その照射によりインキ中において開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本実施形態のインクジェットインキは、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインキ組成物が好ましい。
<マゼンタインキの顔料>
マゼンタインキに含まれる顔料としては、発色性、耐光性の点からC.I.ピグメントレッド147、150、176、266、および、269が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、特に最良な発色性と耐光性、更には保存安定性を兼ね備えている点からC.I.ピグメントレッド266を用いることが好ましい。
これらの顔料を使用することによって、従来使用されてきたキナクリドン顔料と比較して、発色性、耐光性に優れるマゼンタインキを提供できる。さらに、キナクリドン顔料と比較して、紫外線の透過効率が良くなり、硬化性が高まり、基材への密着性も向上させることができる。
また、本実施形態のマゼンタインキに加えて、イエローインキ、シアンインキ等を備えたカラーインキセットとして使用する場合に、良好な色再現性を得ることが出来る。
マゼンタインキに含まれるマゼンタ顔料は、インキ中、インキの全質量を基準として0.1〜10質量%含むことが好ましく、1質量%〜10質量%であることがより好ましく、2〜7質量%が特に好ましい。
前記顔料の含有量のマゼンタインキ以外に、ライトマゼンタインキとして、これらの含有量より少ないマゼンタインキを排除するものではない。例えば、ライトマゼンタインキに含まれる顔料は、インキ中0.05〜1質量%が好ましく、0.2〜1質量%がより好ましく、0.5〜1質量%がさらに好ましい。
マゼンタインキに含まれるマゼンタ顔料のうち、C.I.ピグメントレッド147、150、176、266、および、269は、全マゼンタ顔料の60質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上(100質量%を含む)含むことが特に好ましい。なお、上記の顔料を2種以上含有する場合は、その含有量の合計が上記範囲内であることが好ましい。
特に、C.I.ピグメントレッド266を全マゼンタ顔料の60質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上(100質量%を含む)含むことが特に好ましい。
C.I.ピグメントレッド266を1種単独で使用することが特に好ましい場合もある。また、C.I.ピグメントレッド266の含有量が前記範囲であると、紫外線透過効率がより良くなり、硬化性、及び密着性がより優れる。
マゼンタ顔料は、粒径として、レーザー回折法で測定したD50が、50〜500nmであることが好ましく、100〜400nmであることがより好ましい。(ただし、D50は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の50%であることを意味する粒子径を表わす。)この粒径分布であると、発色性、インキの保存安定性、及び吐出性がより優れる。
粒径は、インキを酢酸エチルで200〜1000倍に希釈し、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックUPA150」)にて測定した値である。
求められる耐候性や発色性などの観点から、必要に応じて一般的に使用されるマゼンタ顔料を混合して使用することができる。
併用できるマゼンタ顔料は、赤又はマゼンタ色を呈するものが挙げられ、例えば、
C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド)、185等のモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB)等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)等のアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR)等の縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ)等の酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G'レーキ)等の塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド)等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー)等のチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド)等のペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット)等のペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122、202(キナクリドンマゼンタ)等のキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT)等のイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ)等のアリザリンレーキ顔料等が挙げられるがこれらに限定されない。中でも、インキ安定性、色再現性等の点からキナクリドン顔料が好ましい。
求められる発色性に応じて一般的に使用されるイエロー顔料、オレンジ顔料、バイオレット顔料等も混合して使用することができる。特に、以下に挙げられるイエローインキ、オレンジインキ、及びバイオレットインキに使用される顔料であることが好ましい。
<シアンインキの顔料>
シアンインキに含まれるシアン顔料としては、青色又はシアン色を呈する顔料が好ましく、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15:3、15:4、15:34、16、22、60、C.I.バットブルー4、60等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、フタロシアニン顔料が好ましく、特にC.I.ピグメントブルー15:3及び/又は15:4を含むことが好ましい。
シアンインキに含まれるシアン顔料は、インキ中、インキの全質量の0.1〜10質量%含むことが好ましく、1質量%〜10質量%であることがより好ましく、2質量%〜10質量%であることが更に好ましい。
シアンインキに含まれる全顔料中、C.I.ピグメントブルー15:3及び/又は15:4は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、99質量%以上が特に好ましい。
シアンインキには、前記シアン顔料に加えて、イエロー顔料及び/又はグリーン顔料を含んで色相を調整しても良い。
シアンインキに含まれるイエロー顔料またはグリーン顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、128、129、138、139、147、150、151、154、155、180、185、C.I.ピグメントグリーン7、36、58等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、C.I.ピグメントイエロー150、180、185、及びC.I.ピグメントグリーン7が好ましい。
シアンインキに含まれるイエロー顔料及び/又はグリーン顔料の含有量は、シアンインキに含まれる全顔料中0.01〜10質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましい。イエロー顔料とグリーン顔料の両方を含有する場合は、それらの含有量の合計が上記範囲内であることが好ましい。シアンインキに、イエロー顔料及び/又はグリーン顔料を含むことにより、グリーン領域の色再現性がより高くなる。
<イエローインキの顔料>
イエローインキに含まれるイエロー顔料としては、アゾ顔料、アゾメチン顔料もしくはイソインドリン顔料が好ましく、たとえば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、12、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、128、129、138、139、147、150、151、154、155、180、185等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
アゾ顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、73、74、97、98等のモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、16、17、55、83、87、114等のジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー93、95、128等のポリアゾ(縮合アゾ)顔料、C.I.ピグメントイエロー150、153等のニッケルアゾイエロー顔料、C.I.ピグメントイエロー151、154、180等のベンズイミダゾロン骨格を有するアゾ顔料(以下「ベンズイミダゾロン顔料」と記載することもある);
アゾメチン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー129、及び、C.I.ピグメントイエロー109、110等のイソインドリノン顔料;
イソインドリン顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー139、185等が挙げられるがこれらに限定されない。
ニッケルアゾイエロー顔料、ベンズイミダゾロン顔料もしくはイソインドリン顔料が発色性、耐光性の点から更に好ましく、ニッケルアゾイエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー150、ベンズイミダゾロン顔料としてC.I.ピグメントイエロー151、180、イソインドリン顔料としてC.I.ピグメントイエロー185が好ましい。
特に、C.I.ピグメントイエロー150、151、180及び185から選ばれる1種以上を含むイエローインキは、本実施形態のマゼンタインキと組み合わせることによって、赤色領域の色再現性に優れるため好ましい。
C.I.ピグメントイエロー150、151、180及び185は、粒径として、レーザー回折法で測定したD50が、50〜500nmであることが好ましく、150〜450nmであることがより好ましい。(ただし、D50は、この粒子径以下の粒子数が全粒子数の50%であることを意味する粒子径を表わす。)この粒径分布であると、発色性、インキの保存安定性、及び吐出性がより優れる。
イエローインキに含まれるイエロー顔料は、インキ中0.1〜10質量%含むことが好ましく、1質量%〜10質量%であることがより好ましく、2質量%〜10質量%であることが更に好ましい。
前記顔料の含有量のイエローインキ以外に、ライトイエローインキとして、これらの含有量より少ないイエローインキを排除するものではない。
イエローインキに含まれる顔料のうち、C.I.ピグメントイエロー150、151、180及び185から選ばれる1種以上を、全イエロー顔料の50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上(100質量%を含む)含むことが特に好ましい。
特に、C.I.ピグメントイエロー180及び/又は185は、全イエロー顔料の50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上(100質量%を含む)含むことが特に好ましい。
なお、上記例示した顔料を2種以上含有する場合は、それらの含有量の合計が上記範囲内であることが好ましい。
求められる耐候性や発色性など必要に応じて一般的に使用されるイエロー顔料を混合して使用することができる。
<オレンジインキの顔料>
オレンジインキに含まれる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ5,13,43,62及び64並びにC.I.ピグメントレッド17,49:2,112,149,177,178,188,255及び264からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。
これらのうち、インキの保存安定性やインクジェット吐出安定性の点から、C.I.ピグメントオレンジ64を含むことが好ましい。この場合、前記シアン、イエロー、マゼンタインキと共に使用した際に、より広域な色再現性を実現できる。
オレンジインキに含まれる顔料は、インキ中0.1〜10質量%含むことが好ましく、2質量%〜10質量%であることがより好ましく、3〜7質量%が更に好ましい。
オレンジインキに含まれる顔料のうち、C.I.ピグメントオレンジ64は、全オレンジ顔料の50質量%以上含むことが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上(100質量%を含む)含むことが特に好ましい。
オレンジインキには、前記オレンジ顔料に加えて、更にマゼンタ顔料を含むことが好ましい。
オレンジインキに含まれるマゼンタ顔料としては、キナクリドン顔料が好ましく、具体的にはC.I.ピグメントレッド122,202,209及びC.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、C.I.ピグメントレッド122、及びC.I.ピグメントバイオレット19が好ましい。これらの顔料を含有することにより、活性エネルギー線の透過効率が良くなり、オレンジ顔料単体のときに比べ、硬化性が高まる。
オレンジインキにキナクリドン顔料を含む場合は、オレンジインキに含まれる全顔料100質量%に対して、マゼンタ顔料を1〜50質量%含むことが好ましく、10〜45質量%であることがより好ましく、15〜40質量%であることが更に好ましい。
オレンジインキに、マゼンタ顔料を含むことにより、本実施形態のマゼンタインキと組み合わせることでレッド領域の色再現性が高くなる。
<バイオレットインキの顔料>
バイオレットインキに含まれる顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット1、3、23、27、32、及び37からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。
これらのうち、インキ安定性やインクジェット吐出安定性の点から、C.I.ピグメントバイオレット23を含むことが好ましい。この場合、前記シアン、イエロー、マゼンタインキ等と共に使用した際に、より広域な色再現性を実現できる。
バイオレットインキに含まれる顔料は、インキ中0.1〜10質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。
バイオレットインキに含まれる顔料のうち、C.I.ピグメントバイオレット1、3、23、27、32、及び37は、全バイオレット顔料の50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上(100質量%を含む)含むことが特に好ましい。上記の顔料を2種以上含有する場合は、含有量の合計が上記範囲内であることが好ましい。
特に、C.I.ピグメントバイオレット23は、全バイオレット顔料の50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上(100質量%を含む)含むことが特に好ましい。
本実施形態のマゼンタインキの記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°は、330〜360°及び0〜80°が好ましく、0〜80°がより好ましい。
本実施形態のマゼンタインキを含むカラーインキセットにおいて、シアンインキの色相角H°は、200〜260°が好ましく、220〜260°がより好ましい。イエローインキの色相角H°は、80〜110°が好ましく、90〜110°がより好ましい。
各カラーインキの色相角を前記範囲内にすることによって、発色性及び色再現性に優れた良好な画質を得ることが出来る。
なお、色相角∠H°は、
∠H°=tan−1(b*/a*)+180(a*<0のとき)、又は、
∠H°=tan−1(b*/a*)+360(a*>0かつb*<0のとき)
又は、
∠H°=tan−1(b*/a*)(a*>0かつb*≧0の場合)
により算出される。
式中、a*及びb*は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表す。
マゼンタインキの発色性は、記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される彩度により評価することができる。本実施形態のマゼンタインキは、彩度75以上が好ましく、80以上がより好ましい。彩度75以上であることにより、他のカラーインキとのセットで良好な色再現性を得ることができる。
彩度は、以下により算出される。
=[(a+(b1/2
式中、a*及びb*は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表す。
<インキセット>
本実施形態のマゼンタインキは、イエローインキ、及びシアンインキとのカラーセットによって、色再現性の高く、耐光性の優れるインキセットを構成することができる。
更に、バイオレットインキ及び/またはオレンジインキを含むセットによって、より色再現性の高いカラーインキセットを構成することができる。特に、本実施形態のマゼンタインキは、イエローインキ、シアンインキ、及びバイオレットインキとのカラーセットによって、色再現性がより優れる。
オレンジインキの記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°は、0〜80°が好ましい。バイオレットインキの色相角は、260〜330°が好ましい。
本発明の実施形態のカラーインキセットは、本実施形態のマゼンタインキに加えて、シアンインキにフタロシアニン顔料を含み、イエローインキにアゾ顔料、アゾメチン顔料もしくはイソインドリン顔料を含むインクジェット用インキセットに関する。
色再現性の点から、カラーインキセットには、顔料としてピグメントレッド266を含有するマゼンタインキと、顔料としてピグメントイエロー150、151、180、及び185のいずれか1種以上を含有するイエローインキを使用することが好ましい。
本実施形態のカラーインキセットには、更にブラックインキを含むことが出来る。ブラックインキを併用することで、文字の表現やコントラスト表現が優れ、より高精細な画像を得ることができる。
ブラックインキに含まれる顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類(C.I.ピグメントブラック7)、酸化鉄顔料等の無機顔料;アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等が挙げられる。特に、カーボンブラックを用いることが好ましい。
ブラックインキに含まれる顔料は、インキ中0.1〜10質量%であることが好ましく、2〜10質量%であることがより好ましい。
前記顔料の含有量のブラックインキ以外に、ライトブラックインキやグレーインキとして、これらの含有量より少ないブラックインキを排除するものではない。
ブラックインキに含まれる顔料のうち、カーボンブラックは、全顔料の60質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上(100質量%を含む)含むことが特に好ましい。
本実施形態のインキセットには、ホワイトインキを含むことが出来る。ホワイトインキを併用することで、透明な記録媒体や、明度が低い記録媒体に対して良好な視認性を有し、特にカラーインキセットと併用することで、白色媒体に記録する時と同様な鮮明で高精細なフルカラー画像を提供することができる。
ホワイトインキに含まれる顔料としては、無機または有機の白色顔料を用いることができる。無機の白色顔料としては、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。隠蔽性や着色力の点から酸化チタンが好ましい。
ホワイト顔料の平均粒径は、レーザー回折法で測定したD50が、50〜500nmであることが好ましく、50nm以上であると隠蔽性の観点で好ましく、500nm以下であると、インキ保存性や吐出性の劣化を抑制する観点で好ましい。より好ましくは100〜300nmである。
前記D50は、インキを酢酸エチルで200〜1000倍に希釈し、動的光散乱式粒度分布測定装置(日機装社製「マイクロトラックUPA150」)にて測定した値である。
ホワイトインキに含まれる顔料は、ホワイトインキ中3〜50質量%含むことが好ましく、5〜30質量%含むことがより好ましく、10〜25質量%が更に好ましい。
本実施形態のシアン、イエロー、及びマゼンタインキを含むインキセットによって紙基材のみならず、PET基材、PE基材、PP基材、PVC等のプラスチック基材など様々な基材に対して高い色再現性が可能となる。
また、更に特色インキとしてバイオレットインキを併用することで、高い色再現性を得ることができる。
また、用途や画質に応じて、インキ中の顔料濃度が低いライトイエロー、ライトマゼンタ、ライトシアンなどの淡色インキ等も併用することができる。
<重合性モノマー>
本実施形態のインクジェットインキを活性エネルギー線硬化型で用いる場合には、重合性モノマー(単に「モノマー」ともいう。)を含む。重合性モノマーとしては、何らかのエネルギー付与により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができるが、特に、所望により添加される重合開始剤から発生する開始種により重合反応を生起する、ラジカル重合性モノマーとして当該技術分野で知られる各種重合性モノマーが好ましい。
本実施形態のインクジェットインキが活性エネルギー線硬化型インキとして使用される場合、重合性モノマーは、インキ全質量を基準として30〜99質量%含むことが好ましく、50〜95質量%含むことがより好ましく、60〜90質量%が更に好ましい。
重合性モノマーは、反応速度、硬化膜の物性、インキの物性等を調整する目的で、1種又は複数を混合して用いることができる。また、重合性モノマーは、単官能モノマーであっても、二官能以上の多官能モノマーであってもよい。単官能モノマーの割合が大きいと硬化膜は柔軟なものになりやすく、多官能モノマーの割合が大きいと硬化性に優れる傾向がある。
したがって、単官能モノマーと多官能モノマーとの割合は用途に応じて任意に決定されるものである。
本実施形態のインキは、硬化性、及び硬化膜物性の点から、単官能モノマー及び/または二官能モノマーを含むことが好ましい。単官能モノマー及び/または二官能モノマーは、インキ全質量を基準として30〜99質量%含むことが好ましく、50〜95質量%含むことがより好ましく、60〜90質量%が更に好ましい。単官能モノマー及び二官能モノマーの両方を含有する場合は、それらの含有量の合計が上記範囲内であることが好ましい。
ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリレート化合物、ビニルエーテル化合物、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基を持つ化合物、アリル化合物、N−ビニル化合物、不飽和カルボン酸類等が挙げられるがこれらに限定されない。
中でも、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリレート基とビニルエーテル基を持つ化合物、及びN−ビニル化合物から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
ここで、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」、及び「(メタ)アクリレート」といった記載は、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」、及び「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を意味する。
単官能の(メタ)アクリレート化合物として、
ベンジル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールPO変性アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性アクリレート、2−エチルヘキシルEO変性アクリレート、β−カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等が挙げられるがこれらに限定されない。
単官能のN−ビニル化合物としては、例えば、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド等が挙げられるがこれらに限定されない。
本実施形態のインキに単官能モノマーを含む場合は、インキ中の重合性モノマー全質量を基準として、1〜90質量%が好ましく、3〜50質量%がより好ましく、5〜40質量%が更に好ましく、5〜30質量%が更に好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。この範囲であると、硬化シワがより抑制され、より高い発色性を示すことができる。
一方、単官能モノマーが重合性モノマー全質量を基準として、20質量%以下であると、硬化性がより良好となり、基材への密着性がより良くなる。
単官能モノマーを含む場合、環状構造を持たない脂肪族エチレン性重合性化合物を含む場合が好ましい。単官能の環状構造を持たない脂肪族エチレン性重合性化合物は、モノマー全質量を基準として、1〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%が更に好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。
単官能の環状構造を持たない脂肪族エチレン性重合性化合物としては、
2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート;イソノニルアクリレート、ステアリルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、イソデシルアクリレート、トリデシルアクリレート等の炭素数8〜18の直鎖又は分岐アルキル基を有するアクリレート化合物;カプロラクトンアクリレート等が好ましく、ラウリルアクリレートを含むことがより好ましい。
二官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ(またはプロポキシ)化1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が挙げられるがこれらに限定されない。
三官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート(例えば、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート等)、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート等が挙げられるがこれらに限定されない。
四官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられるがこれらに限定されない。
五官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられるがこれらに限定されない。
六官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキシド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられるがこれらに限定されない。
(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基を持つ化合物(二官能以上の重合性モノマー)として、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、メタクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等が挙げられるがこれらに限定されない。
二官能以上の多官能モノマーを含む場合、インキ中のモノマー全質量を基準として、10〜100質量%が好ましく、50〜95質量%がより好ましく、60〜95質量%がさらに好ましい。
これらの重合性モノマーは、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
上記重合性モノマーの中でも、単官能の重合性モノマーとして、2−フェノキシエチルアクリレート、N−ビニルカプロラクタム、ノニルフェノールEO変性アクリレート、ラウリルアクリレートを含むことが低粘度かつ高反応性のため好ましい。
二官能の多官能(メタ)アクリレートとしては、1,9−ノナンジオールアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートが低粘度かつ高反応性のため好ましく、中でも1,9−ノナンジオールアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレートが低臭気のためより好ましい。
三官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが硬化性の点で好ましい。
(メタ)アクリロイル基とビニルエーテル基を持つ化合物として、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルが低粘度かつ硬化性の点から好ましい。
本実施形態のインキは、EO/PO骨格を有する重合性モノマー、すなわち、分子内にエチレンオキシド単位(EO)及びプロピレンオキシド単位(PO)の少なくとも一方を含む重合性モノマーを含むことが好ましい。
EO/PO骨格は、例えば、下記式で表すことができる:
−[(EO)(PO)]−
式中、EOはエチレンオキシド単位(−CH−CH−O−)を表し、POはプロピレンオキシド単位(−CH−CH−CH−O−、−CH(CH)−CH−O−、又は−CH−CH(CH)−O−)を表す。xは0〜8の整数であり、yは0〜8の整数であり、x+y≧1である。xが0〜4の整数であり、yが0〜4の整数であり、x+yが1〜4であることが好ましい。EO及びPOの付加形態の例としては、ランダム共重合、ブロック共重合、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
EO/PO骨格を有する重合性モノマーとして、具体的には、2−フェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、及びアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。硬化性、吐出安定性の点から、2−フェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
EO/PO骨格を有する重合性モノマーは、重合性モノマーの全質量を基準として60〜100質量%含有することが、高反応性による印刷速度向上のために好ましい。より好ましくは70〜100質量%、さらに好ましくは80〜98質量%である。この配合量において、反応性が高くなり、塗膜の上下の硬化性をより均一にすることができる。これにより、塗膜表面のみが硬化することにより発生する塗膜表面の硬化シワが発生しにくくなるため、好ましい。特に5μm以上の膜厚になるインクジェットインキ塗膜においては、EO/PO骨格を有する重合性モノマーを重合性モノマー中70〜100質量%含有することでシワがより抑制され、高い発色性を示すことができる。
EO/PO骨格を有する重合性モノマーの分子量は、160〜450が好ましく、180〜290がより好ましい。分子量が180〜290のEO/PO骨格を有する重合性モノマーは、重合性モノマーの全質量を基準として、60質量%以上含有することが好ましく、70〜100質量%含有することがより好ましく、80〜98質量%含有することが更に好ましい。
EO/PO骨格を有する重合性モノマーは二官能モノマーを含むことが好ましい。EO/PO骨格を有する二官能モノマーは、重合性モノマー中60〜100質量%含有することが好ましく、70〜100質量%がより好ましく、80〜100質量%がさらに好ましい。
中でも、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含むことが好ましい。アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルは、粘度が低く、かつ反応性が高い重合性モノマーである。そのため、吐出安定性が良好で、硬化性に優れたマゼンタインキを提供することができる。アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルの含有量は、インキ全質量を基準として、5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、10〜40質量%が更に好ましい。上記含有量が上記範囲内であれば、インキ組成物の粘度が好適な範囲になる。また、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル以外の重合性モノマーとの重合反応性が向上し、印刷速度が早い場合であっても吐出が安定し、十分な硬化性が得られる。
特に、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルと、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含む場合は、低粘度、低臭気、高反応性の点から好ましく、硬化シワの低減された発色性の良い印刷物を得ることができる。
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルと、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートの合計含有量は、インキ全質量を基準として、30〜99質量%が好ましく、40〜95質量%がより好ましく、40〜85質量%が更に好ましく、また、50〜80質量%が特に好ましい場合もある。
インキセットを構成するそれぞれのカラーインキのモノマー組成は同じであっても異なっていてもよい。一実施形態では、カラー印字の硬化シワ抑制の観点から、カラーインキ間のモノマー組成が近い方が好ましく、例えば、それぞれのカラーインキに同程度の単官能モノマーを含むことが好ましい場合がある。例えば、カラーインキ間における、インキ全質量を基準とした単官能モノマーの含有量の差が、10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることが好ましい。
本実施形態のインキセットにおいて、それぞれのカラーインキに同程度の、好ましくは同重量の単官能モノマーを含むか、全てに単官能モノマーを含まないことがより好ましい。
<光重合開始剤>
本実施形態のインクジェットインキを活性エネルギー線硬化型で用いる場合には、インキに光重合開始剤を配合することが好ましい。本実施形態で用いることができる光重合開始剤は、当該技術分野で知られている各種光重合開始剤であってよい。例えば、分子開裂型や水素引き抜き型でラジカルを発生させる光重合開始剤を使用することが好ましい。本実施形態において、光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカルを発生させる光重合開始剤とカチオンを発生させる光重合開始剤とを併用してもよい。
光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社製「IRGACURE651」)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製「IRGACURE184」)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(BASF社製「DAROCURE1173」)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(BASF社製「IRGACURE2959」)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(BASF社製「IRGACURE127」)、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(BASF社製「DAROCURE MBF」)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製「IRGACURE907」)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASF社製「IRGACURE369」)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタノン−1−オン(BASF社製「IRGACURE379」)、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)(Lamberti社製、「ESACURE ONE」、「ESACURE KIP150」)等のアルキルフェノン系光重合開始剤;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製「IRGACURE819」)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製「IRGACURE TPO」)等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤;
1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF社製「IRGACUREOXE 01」)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(BASF社製「IRGACURE OXE 02」)等のオキシムエステル系光重合開始剤;
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド(日本化薬社製「KAYACURE BMS」)、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン−1−オン(Lamberti社製「ESACURE1001M」)等のベンゾフェノン系光重合開始剤などが挙げられるがこれらに限定されない。
中でも、硬化性、保存安定性の点から、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、及び2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。
硬化性の点から、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤とベンゾフェノン系光重合開始剤を含有することが好ましく、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤とベンゾフェノン系光重合開始剤とアルキルフェノン系光重合開始剤を含有することがより好ましい。
また、上記光重合開始剤に対する増感剤を使用してもよい。増感剤の一例として、重合性モノマーと付加反応を起こさないアミン類及びチオキサントン類等が挙げられる。
アミン類の一例として、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、および4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン類の一例として、例えば、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどがあげられる。
硬化性、シワの抑制の点から、上記光重合開始剤に加えて、アミン類を含むことが好ましい。アミン類の中でも、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、及び4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましく、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエートがより好ましい。
アミン類として、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン及び、チオキサントン類として、2−イソプロピルチオキサントンが好ましく用いられ、エチル−4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート、2−イソプロピルチオキサントンがより好ましく用いられる。上記光重合開始剤や増感剤は、インキ組成物中での溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
更には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド、及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1からなる群から選択される少なくとも1種の光重合開始剤に加え、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、及び/又は4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンからなる群から選択される少なくとも1種の増感剤を併用することで、紫外線を効率的に吸収し高反応率でラジカルを発生し、塗膜内部まで均一に硬化させることができる。これにより、硬化ムラによる塗膜表面のシワ発生による、発色性劣化を抑制することができる。特に5μm以上の膜厚になるインクジェットインキ塗膜においては、高い発色性を示すことができる。
上記光重合開始剤及び増感剤の含有量は、これらの合計で、重合性モノマーの全質量に対し、2〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましく、10〜20質量%が更に好ましい。上記光重合開始剤の含有量を2質量%以上とした場合、良好な硬化性を得ることが容易である。一方、上記含有量を20質量%以下にした場合、効率的に硬化速度を早くすることができ、低温度においても光重合開始剤の未溶解成分が発生せず、インクジェットの良好な吐出性を得ることが容易である。
<禁止剤>
本実施形態のインクジェットインキを活性エネルギー線硬化型インキとして用いる場合には、インキの経時での粘度安定性、経時後の吐出安定性、インクジェット記録装置内での粘度安定性を高めるため、重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、フェノチアジン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物が特に好適に使用される。具体的には、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩などが挙げられる。硬化性を維持しつつ経時安定性を高める点から、インキ組成物全体の質量に対して0.01〜2質量%の割合で配合することが好ましい。
<溶剤>
本実施形態のインクジェットインキを活性エネルギー線硬化型インキとして用いる場合には、低粘度化および基材への濡れ広がり性を向上させるために、有機溶剤を含有させてもよい。
その場合、有機溶剤はインキ全質量を基準として0.01〜30質量%含むことが好ましく、0.1〜20質量%含むことがより好ましく、0.2〜10質量%が更に好ましい。
本実施形態のインクジェットインキを、活性エネルギー線による硬化工程を含まない溶剤型インクジェットインキとして用いる場合には、有機溶剤はインキ全質量を基準として60〜99.5質量%含むことが好ましく、75〜99質量%含むことがより好ましく、85〜95質量%が更に好ましい。
有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルモノアセテート類の有機溶剤、
エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレート等のアルキレングリコールジアセテート類の有機溶剤
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類の有機溶剤、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール等のアルカンジオール類の有機溶剤、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール−ジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−ジ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールエチルメチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類の有機溶剤、
3−メチル−2−オキサゾリジノン、及び3−エチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン構造を有する有機溶剤、
2−ピロリドン(γ−ブチロラクタム)、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、γ−バレロラクタム、γ−ヘキサラクタム、γ−ヘプタラクタム、γ−オクタラクタム、γ−ノナラクタム、γ−デカラクタム、γ−ウンデカラクタム、δ−バレロラクタム、δ−ヘキサラクタム、δ−ヘプタラクタム、δ−オクタラクタム、δ−ノナラクタム、δ−デカラクタム、δ−ウンデカラクタム、ε−カプロラクタム等のラクタム構造を有する有機溶剤、
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン構造を有する有機溶剤、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等の含酸素系有機溶剤、
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、及び乳酸ブチル等の乳酸エステル類の有機溶剤、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジブチル−β−ブトキシプロピオンアミド等のアルコキシアルキルアミドを含む有機溶剤等が挙げられるがこれらに限定されない。
なかでも、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
更にこの中でも、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルが特に好ましい。
<表面調整剤>
本明細書で記載する表面調整剤とは、添加により表面張力を低下させる物質を意味する。本発明の一実施形態において、上記表面調整剤とは、表面調整剤を1.0質量%添加した時に、表面調整剤を含まないインキに対して、その静的表面張力を3mN/m以上低下させる能力を有する物質を示す。
表面調整剤として、例えば、シリコーン系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、アセチレングリコール系表面調整剤等が挙げられる。
表面張力低下の能力、重合性モノマーとの相溶性との観点から、シリコーン系表面調製剤を使用することが好ましい。
具体的なシリコーン系表面調整剤として、ジメチルシロキサン骨格の変性体が挙げられ、中でも、ポリエーテル変性シロキサン系表面調整剤が好ましい。ポリエーテルとは例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドをいう。一般的な製品として、ビックケミー社より代表品としてBYK(登録商標)−378、348、349、などのポリエーテル変性シロキサン、BYK−UV3500、UV3510などのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、エボニックデグサ社より、TEGO(登録商標) GLIDE450、440、435、432、410、406、130、110、100などのポリエーテル変性シロキサンコポリマー等のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を好ましく使用できる。これらの中でも、良好な画質形成の観点から、BYK−378、348、UV3510、TEGO GLIDE 450、440、432、410等のポリエーテル変性シリコーン系表面調整剤が、好ましい。
シリコーン系表面調整剤の含有量は、インキ全質量に対して、0.1質量%以上、5.0質量%未満の範囲が好ましく、0.15質量%以上、3.0質量%未満がより好ましい。上記含有量を0.1質量%以上にすることにより、インキの基材への濡れ性を容易に向上できる。一方、上記含有量を5.0質量%未満にすることより、インキの保存安定性を確保することが容易となる。
<顔料分散剤>
本発明の一実施形態としてカラーインキを構成する場合、顔料の分散性およびインキの保存安定性を向上させるために、インキは顔料分散剤(顔料分散樹脂とも言う)を含むことが好ましい。顔料分散樹脂としては、従来既知のものを使用することできる。中でも、塩基性官能基を有する塩基性分散樹脂、さらには、ウレタン骨格をもつ樹脂型分散剤が好ましい。ウレタン骨格をもつ樹脂型分散剤を使用した場合、高周波数特性に優れ、かつ保存安定性良好な顔料分散体が容易に得られるため好ましい。このような顔料分散樹脂の具体例として、ルーブリゾール社製のソルスパース32000、76400、76500、J100、J180およびDisperbyk−161、162、163、164、165、166、167、168等が挙げられる。
一実施形態では、長期保存安定性の点から、顔料分散樹脂がアクリル系ブロック共重合体であることが好ましい。さらに、塩基性官能基としてピリジン骨格を有するものが好ましい。例えば、モノマー単位として、4−ビニルピリジン、アルキル(メタ)アクリレート、(ポリ)オキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を有する共重合体であることが好ましい。
このような顔料分散樹脂の市販例として、EFKA7701(アミン価40.0mgKOH/g)が好ましく例示できる。
本実施形態で使用される顔料分散剤の質量平均分子量(以下Mw)は、5,000〜100,000が好ましく、10,000〜50,000がより好ましく、15,000〜30,000が更に好ましい。前記範囲であれば、非水性溶媒での顔料分散剤の相溶性が良好のため顔料の分散安定性が向上する。また、顔料分散樹脂によるインキ塗膜の白化現象が抑制され、発色性が良好になる。
「Mw」は、一般的なゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPC)によりスチレン換算分子量として求めることができる。例えば、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒にDMFを用いたときのポリスチレン換算分子量で示すことができる。なお、高分子分散剤の質量平均分子量としてカタログ値がある場合は、カタログ値を採用することもできる。
顔料分散剤のアミン価は5〜50mgKOH/gが好ましく、10〜50mgKOH/gがより好ましく、20〜45が更に好ましい。
顔料分散剤の酸価は5〜25mgKOH/gが好ましく、5〜20mgKOH/gがより好ましい。
分散剤の酸価、アミン価が上記の範囲内である場合、顔料分散工程において、顔料分散体の粘度がインクジェットインキに相応しい程度の低粘度になるまでの時間が短くなる。
さらに、インキの保存安定性が良好になり、印刷時のインキ混色部分の彩度が優れ、色再現性にも優れる。
「アミン価」とは、分散剤固形1gあたりのアミン価を表し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
「酸価」とは、分散剤固形分1gあたりの酸価を表し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めることが出来る。
本実施形態で用いられる顔料分散剤は、保存安定性、インクジェット吐出安定性の点から、Mwが10,000〜50,000で、かつ、アミン価が5〜50mgKOH/gである顔料分散剤がより好ましい。
顔料分散樹脂の添加量は、所望の安定性を確保する上で任意に選択される。インキの流動特性に優れるのは、顔料100質量部に対して顔料分散樹脂を15〜250質量部とした場合である。この範囲内で顔料分散樹脂を使用した場合、インキの分散安定性が良好となり、長期経時後も初期と同等の品質を示す傾向があるため、好ましい。さらに顔料100質量部に対して顔料分散樹脂を20〜200質量部がより好ましい。この場合、インキの分散性と吐出性の双方の観点で好ましい。
顔料分散剤が、ウレタン骨格をもつ樹脂型分散剤の場合、顔料100質量部に対して顔料分散樹脂を15〜150質量部が好ましく、20〜100質量部がより好ましい。
顔料分散剤が、アクリル系ブロック共重合体である塩基性分散剤の場合、顔料100質量部に対して顔料分散樹脂を50〜250質量部が好ましく、60〜200質量部がより好ましい。
<インキ物性>
インキは、25℃での粘度が5〜25mPa・sであることが好ましい。5mPa・s以上では、吐出が良好である。25mPa・s以下だと、吐出精度が低下することがなく、画質の低下が少ない。さらに高速印刷に対応するための高周波数適性を持たせるためには8〜14mPa・sが好ましい。粘度の測定は、東機産業社製 TVE25L型粘度計を用いて、25℃環境下で、50rpm時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
吐出安定性、着弾後のドット形成の信頼性とのバランスの観点から、25℃における表面張力が20mN/m以上50mN/m以下であることが好ましく、25mN/m以上40mN/m以下であることがより好ましい。表面張力の測定は、協和界面科学社製の自動表面張力計CBVP−Zを用いて、25℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
<インキの製造方法>
本実施形態のインキは当該技術分野で知られている各種の方法によって製造することができるが、具体的には、以下のように行われる。まず始めに、単一もしくは混合有機溶剤及び/又は重合性モノマー、顔料、顔料分散剤等を混合した後、ペイントシェーカー、サンドミル、ロールミル、メディアレス分散機等によって顔料を分散することで顔料分散体を調整する。得られた顔料分散体に、所望のインキ特性を有するように、有機溶剤及び/又は重合性モノマーの残部、バインダー樹脂、光重合開始剤、その他添加剤(たとえば表面調整剤、重合禁止剤等)を添加することで得られる。
顔料分散体には、顔料を、顔料分散体の全質量を基準として3〜50質量%含むことが好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜30質量%が特に好ましい。
本実施形態のマゼンタインキを活性エネルギー線硬化型インキとして使用する場合は、
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド147、150、176、266、および、269のうち少なくとも1種の顔料を10〜50質量%と、顔料分散剤及び/又は重合性モノマーと、を含む混合液に、顔料分散処理を施し、顔料分散体を作製する顔料分散工程、及び、
前記顔料分散体と、少なくとも重合性モノマー及び光重合開始剤を含む液体を混合して、C.I.ピグメントレッド147、150、176、266、および、269のうち少なくとも1種の顔料の含有量がインキの全質量の1〜10質量%である活性エネルギー線硬化型インクジェットインキを製造するインキ化工程、を含むことを特徴とする。
前記活性エネルギー線硬化型インキの製造において、分散溶媒として、単官能(メタ)アクリレートモノマーまたは2官能(メタ)アクリレートが好ましい。
インキの安定性、粘度の点から、EO/PO骨格を有する重合性モノマーを含むことが好ましい。中でも、安定性の点から、2−フェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、2−フェノキシエチルアクリレートまたはジプロピレングリコールジアクリレートを含むことがより好ましい。
さらに、本発明の一実施形態は、本実施形態のマゼンタインキ又は当該マゼンタインキを備えたインキセットを用いたインクジェット記録方法、及び当該インクジェット記録方法により記録された印刷物に関する。
<インクジェット記録方法>
本実施形態は、少なくとも2個以上のインクジェットヘッドで吐出された後、それらを同時に硬化させる1パスインクジェット印刷用に好適に用いることができる。1パスインクジェット印刷とは、1つのインクジェットヘッドが1回印刷を行う印刷である。
一般的にはヘッドとヘッド間でUV照射しインキを固定するタイプ(ピンキュアタイプ)と、インキを固定せずに同時に硬化させるタイプ(ピンキュアレスタイプ)が存在する。本実施形態は、ピンキュアタイプだけでなく、ピンキュアレスタイプのプリンタでも高画質な印刷物を得ることができる。
1パスインクジェット印刷において、印刷速度は少なくとも35m/分が好ましく、少なくとも50m/分がより好ましい。本実施形態の1パスインクジェット印刷の解像度は、少なくとも180dpiが好ましく、300dpi以上がより好ましく、600dpi以上が特に好ましい。
本実施形態の活性エネルギー線硬化型インクジェットの記録方法は、(1)本実施形態のマゼンタインキ、又は本実施形態のマゼンタインキを含むインキセットに含まれるインキを記録媒体上にインクジェットヘッドから吐出する工程、及び、(2)活性エネルギー線を照射して吐出されたインキを硬化させる工程、を含有することを特徴とする。上記の(1)及び(2)の両工程を含むことにより、記録媒体上に硬化されたカラー画像の印刷物が得られる。
本実施形態のインクジェット記録方法において、吐出する各カラーインキの順番は、特に限定されるわけではない。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックインキからなるインキセットの場合には、1パス印刷の場合は、記録媒体上に同時にインキが付与されるか、又は、イエロー→マゼンタ→シアン→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。
また、これにホワイトを加えて使用する場合にはホワイト→マゼンタ→シアン→ブラックの順で記録媒体上に付与することが好ましい。更にオレンジ又はバイオレット等の特色インキを含む場合は、求められる色再現性によって、吐出する順番を変更することが好ましい。
<インクジェットインキの硬化方法>
インキを硬化させる活性エネルギー線として、電子線、紫外線、赤外線などの被照射体の電子軌道に影響を与え、ラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応を誘発させるエネルギー線であれば、これに限定しない。本実施形態では、紫外線が好ましく用いられる。
紫外線の光源としては、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、LED、および太陽光を使用することができる。利便性や価格などの面から、発光極大波長が300nm〜400nmの、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LED等を使用することが好ましい。
<記録媒体>
記録媒体は、任意に選択可能であり、当該技術分野で知られている各種記録媒体を使用することが出来る。フィルム基材としてはPET基材、PE基材、PP基材、PVC基材、ポリカーボネート基材等が好ましく使用される。紙基材としてはコート紙であることが好ましい。PET基材としては、例えばLintec社のPET50 K2411が挙げられる。
本発明は、以下の事項にも関する。
〔1〕着色剤として、C.I.ピグメントレッド147、150、176、266、および、269のうち少なくとも1種の顔料を含む、非水系インクジェット記録用マゼンタインキ。
〔2〕前記マゼンタインキに含まれる顔料の含有量が1〜10質量%である、上記〔1〕記載の非水系インクジェット記録用マゼンタインキ。
〔3〕さらに、重合性モノマーおよび開始剤を含む上記〔1〕または〔2〕記載の非水系インクジェット記録用マゼンタインキ。
〔4〕少なくともイエローインキ、シアンインキ、および、マゼンタインキを備えた非水系インクジェット記録用インキセットであって、
マゼンタインキが、上記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の非水系インクジェット記録用マゼンタインキである、非水系インクジェット記録用インキセット。
〔5〕さらに、オレンジインキおよび/またはバイオレットインキを備えた、上記〔4〕記載の非水系インクジェット記録用インキセット。
〔6〕活性エネルギー線硬化型である、上記〔4〕または〔5〕記載の非水系インクジェット記録用インキセット。
〔7〕上記〔4〕〜〔6〕いずれか記載の非水系インクジェット記録用インキセットを用いて得られる記録物。
本発明は2015年3月31日出願の日本特許出願番号2015−072695の主題に関連し、その全開示内容を参照により本明細書に取り込む。
以下に、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」の記載は、「質量部」を表す。
1.インキの作製(マゼンタインキM1〜M13,M19〜M22及びM24、イエローインキY1〜Y4、シアンインキC1,C2、オレンジインキO1、バイオレットインキV1)
インキ作製に先立ち、顔料分散液を作製した。顔料20質量部、顔料分散剤(ルーブリゾール社製「ソルスパース32000」)4質量部、DPGDA 76質量部をハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌した後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散することによって、顔料分散体を作製した。
表1〜2に記載した組成となるように、先に調製した顔料分散体に、重合性モノマー、光重合開始剤、重合禁止剤、表面調整剤、及び有機溶剤を順次撹拌しながら添加、混合し、光重合開始剤が溶解するまで穏やかに混合させた。なお、表1〜2に記載したDPGDAの配合量は、顔料分散体におけるDPGDAの量も併せた数値である。次いで、孔径1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、粗大粒子を除去することで、評価用のインクジェットインキを得た。なお、上記混合液を得るための原料の添加及び混合は順不同であってよい。
2.インキの作製(マゼンタインキM14〜18及びM23、イエローインキY5、シアンインキC3)
インキ作製に先立ち、顔料分散液を作製した。顔料15質量部、顔料分散剤(BASF社製「EFKA7701」)22.5質量部、DPGDA 62.5質量部をハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌した後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散することによって、顔料分散体を作製した。インキ作製は先に述べた方法と同様に行った。
各実験例において使用した材料の詳細は以下のとおりである。
・マゼンタ顔料−P.R.266(C.I.ピグメントレッド266)、P.R.269(C.I.ピグメントレッド269)、P.R.147(C.I.ピグメントレッド147)、P.R.150(C.I.ピグメントレッド150)、P.R.176(C.I.ピグメントレッド176)、P.R.122(C.I.ピグメントレッド122)、P.V.19(C.I.ピグメントバイオレット19)、P.R.81:2(C.I.ピグメントレッド81:2)、P.R.48:1(C.I.ピグメントレッド48:1)
・イエロー顔料−P.Y.180(C.I.ピグメントイエロー180)P.Y.185(C.I.ピグメントイエロー185)、P.Y.150(C.I.ピグメントイエロー150)、P.Y.151(C.I.ピグメントイエロー151)
・シアン顔料−P.B.15:3(C.I.ピグメントブルー15:3)、P.B.15:4(C.I.ピグメントブルー15:4)
・オレンジ顔料−P.O.64(C.I.ピグメントオレンジ64)
・バイオレット顔料−P.O.23(C.I.ピグメントバイオレット23)
・SP32000: ポリエチレンイミン系塩基性顔料分散樹脂(ルーブリゾール社製「ソルスパース32000」、Mw=25,000、酸価12、アミン価22)
・EFKA7701: アクリルブロック共重合体の塩基性分散剤(BASF社製「EFKA7701」、Mw=22,000、アミン価40)
・PEA: 2−フェノキシエチルアクリレート(大阪有機社製「ビスコート#192」)
・LA: ラウリルアクリレート(大阪有機社製「ラウリルアクリレート」)
・DPGDA: ジプロピレングリコールジアクリレート(BASF社製「Miramer M222」)
・VEEA: アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社製、「VEEA−AI」)
・Irg127: 2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(BASF社製「IRGACURE127」)
・BMS: 4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド(日本化薬社製「KAYACURE BMS」)
・EDB: エチル−4−(ジメチルアミノ)−ベンゾエート(ソート社製「SB−PI−704」)
・TPO: 2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(BASF社製「Irgacure TPO」)
・DEDG: ジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製「DEDG」)
・フェノチアジン: フェノチアジン(精工化学社製「フェノチアジン」)
・BYK−UV3510: ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYK Chemie社製「BYK−UV3510」)
評価1 : インキの保存安定性
インキを密閉できる貯蔵瓶に入れ目90%で充填し、60℃で2週間放置した。放置前後の粘度の変化率を下記の評価基準に基づき評価し、保存安定性を評価した。評価結果を表1に示す。評価AA、AおよびBを良好と判断することができる。
AA : 変化率が初期に対して5%未満である。
A : 変化率が初期に対して5%以上10%未満である。
B : 変化率が初期に対して10%以上20%未満である。
C : 変化率が初期に対して20%以上である。
評価2 : インキの吐出安定性
京セラヘッド(解像度600dpi×600dpi)を搭載したインクジェット吐出装置(トライテック社製OnePassJET)を用いて、インキ液滴量14plの印字条件で、作製したインキのノズルチェックパターンを印刷した。10万発吐出後、再度ノズルチェックパターンを印字し、ノズル抜けの個数で吐出安定性を評価した。評価基準は以下の通りであり、B以上を吐出安定性良好とする。
AA : 10万発吐出後にノズル抜けなし
A : 10万発吐出後にノズル抜け1〜2コ
B : 10万発吐出後にノズル抜け3〜5コ
C : 10万発吐出後にノズル抜け6コ以上
評価3 : インキの密着性
調製したインキを用いて印刷を行った。印刷条件は以下のとおり。
京セラヘッド(解像度600dpi×600dpi)を搭載したインクジェット吐出装置(トライテック社製OnePassJET)により、インキ液滴量14plの印字条件で、リンテック社製基材PET K2411上へ、100%ベタ画像を描画した。各インキ膜厚は約8μmであった。
コンベア速度は50m/min、光源としては、ハリソン東芝ライティング社製160W/cmメタルハライドランプ(365nm)を使用し、大気中でインキを硬化さることでインクジェット印刷物を得た。
印刷部分を2.5mm間隔で縦横6本ずつ碁盤目状の切り込みを入れた。切れ込みの入った印刷部分にセロハンテープを貼り付け、上面から消しゴムでこすり、セロハンテープの塗工面への密着を充分に行った。セロハンテープを90°で剥離させ、剥離後のマゼンタ印刷部分の剥離面積で評価した。評価基準は以下の通りであり、B以上を密着性良好とする。
AA : テープ剥離面積が5%未満
A : テープ剥離面積が5%以上〜15%未満
B : テープ剥離面積が15%以上〜25%未満
C : テープ剥離面積が25%以上
評価4 : 硬化シワ評価
調製したマゼンタ、イエロー、シアン、オレンジおよびバイオレットのインキを用いて、評価3と同様の印刷条件で、印刷を行った。
目視にて下記のように評価を行った。A〜Cの範囲であれば実用に適しており、A及びBが硬化シワ良好とする。
A : 硬化シワなく、光沢がある。
B : 硬化シワが発生している面積が硬化膜の10%未満。
C : 硬化シワが発生している面積が硬化膜の10%以上20%未満。
D : 硬化シワが発生している面積が硬化膜の20%以上
評価5 : インキセットの耐光性
調製したインキセットを用い、表3に示す様に、マゼンタ、イエロー、シアン、オレンジおよびバイオレットのインキを用いてインキセットの印刷を行った。印刷条件は以下のとおり。
京セラヘッド(解像度600dpi×600dpi)を搭載したインクジェット吐出装置(トライテック社製OnePassJET)により、インキ液滴量14plの印字条件で、リンテック社製基材PET K2411上へ、各色100%ベタ画像をそれぞれ描画した。各色のインキ膜厚は約8μmであった。
コンベア速度は50m/min、光源としては、ハリソン東芝ライティング社製160W/cmメタルハライドランプ(365nm)を使用し、大気中でインキを硬化させることでインクジェット印刷物を得た。
作製した印刷物を、スガ試験機株式会社製キセノンウェザーメーターXL75を用いて70,000Luxの照射量で400時間及び600時間曝露し、その各色のOD値を測定した。そして、曝露前のOD値を基準として、曝露後のOD値の減少率を求め、下記の評価基準に基づき印刷サンプルの耐光性を色毎に評価した。OD値の減少率が最も大きいものでA〜Cの評価を記した。結果を表3の耐光性欄に示す。評価結果がAおよびBのものを良好と判断することができる。
A : OD値の減少率が20%未満
B : OD値の減少率が20%以上30%未満
C : OD値の減少率が30%以上
評価6 : インキセットの発色性(彩度)
表3に記載したインキセットのうち、マゼンタインキのみ、マゼンタとイエローインキ、マゼンタとシアンインキ、マゼンタとオレンジインキ、マゼンタとバイオレットインキを用いて、マゼンタインキ単色、及び2次色のステップチャート印刷を行った。ステップチャート印刷は、それぞれ0〜100%の印字率において5%毎に印字率を調整しながら2色を重ねた画像である。
得られた印刷物を、X−Rite,Inc.製のX−Rite 500seriesを使用し、視野角2°、光源D65、CIE表色系にて、任意の5箇所のa及びbを測定し、平均値を求めた。下記の式を用いてCを求め、最もCの大きくなる値で評価した。
このCから、下記の評価基準により、各インキセットの彩度の比較を行った。結果を表3の発色性欄に示す。
=[(a+(b1/2
マゼンタの彩度は、マゼンタインキのみを用いた場合で、以下の基準で評価した。
A : C≧80
B : 75≦C<80
C : 70≦C<75
D : 70>C
レッドの彩度は、マゼンタとイエローインキ、又はマゼンタとオレンジインキとのインキセットのうち大きい値で、以下の基準で評価した。
A : C≧90
B : 85≦C<90
C : 80≦C<85
D : 80>C
バイオレットの彩度は、マゼンタとシアンインキ、又はマゼンタとバイオレットインキとのインキセットのうち大きい値をもちいて、以下の基準で評価した。
A : C≧60
B : 55≦C<60
C : 50≦C<55
D : 50>C
評価7 : インキセットの硬化シワ評価
評価6の2次色のステップチャート印刷のうち、印字率100%の部分の硬化シワを目視にて評価4の硬化シワ評価と同様に評価した。
Figure 2016159037
Figure 2016159037
Figure 2016159037
Figure 2016159037
上記の評価結果から、本実施例のマゼンタインキは、耐光性、発色性、及び保存安定性の面で、従来のキナクリドン顔料を使用した比較例のものに比べて総合的に優れていることがわかる。また、本実施例の中でも、特に、C.I.ピグメントマゼンタ266を用いたマゼンタインキが総合的に優れていることがわかる。
実施例2と実施例7、19及び20との比較、並びに、実施例25と実施例21〜24との比較から、本発明のインクジェットインキを活性エネルギー線硬化型で用いる場合には、重合性モノマーとしてEO/PO骨格を有する重合性モノマーを、重合性モノマー全質量を基準として70〜100%含有する場合に、硬化シワがより抑制され、より高い発色性を示すことが分かった。
マゼンタインキM7と、M12及びM13との比較から、単官能モノマーが、モノマー全質量を基準として20質量%以下であると、吐出安定性がより良好であり、硬化性、基材への密着性もより良好であることが分かった。
マゼンタインキM7とM14、M12とM16、M13とM17の各比較により、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド266を含む場合、顔料分散剤としてアクリル系ブロック共重合体の塩基性分散剤を使用することにより、インキ安定性により優れることが分かった。
実施例2と実施例16〜18の比較から、本発明のマゼンタインキは、イエローインキ、シアンインキに加えて、オレンジ及び/またはバイオレットインキのセットとすることでより良好な発色性を得ることが出来ると分かった。

Claims (7)

  1. C.I.ピグメントレッド147、150、176、266、および269からなる群より選ばれる少なくとも1種を、インキの全質量を基準として0.5〜10質量%含む、非水系インクジェット記録用マゼンタインキ。
  2. さらに、重合性モノマーおよび光重合開始剤を含む、請求項1に記載の非水系インクジェット記録用マゼンタインキ。
  3. 前記重合性モノマーが、単官能(メタ)アクリレートおよび2官能(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項2に記載の非水系インクジェット記録用マゼンタインキ。
  4. 前記重合性モノマーが、エチレンオキシド単位およびプロピレンオキシド単位の少なくとも一方を有する重合性モノマーを、重合性モノマーの全質量を基準として70〜100質量%含む、請求項2または3に記載の非水系インクジェット記録用マゼンタインキ。
  5. 少なくともマゼンタインキ、イエローインキ、およびシアンインキを備えた非水系インクジェット記録用インキセットであって、
    マゼンタインキが、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系インクジェット記録用マゼンタインキであり、
    イエローインキが、C.I.ピグメントイエロー150、151、180、および185からなる群より選ばれる少なくとも1種を、イエローインキの全質量を基準として1〜10質量%含む、非水系インクジェット記録用インキセット。
  6. さらに、オレンジインキおよびバイオレットインキの少なくとも一方を備えた、請求項5に記載の非水系インクジェット記録用インキセット。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系インクジェット記録用マゼンタインキ、または、請求項5もしくは6に記載の非水系インクジェット記録用インキセットを用いたインクジェット記録方法であって、
    前記非水系インクジェット記録用マゼンタインキ、または前記非水系インクジェット記録用インキセットのインクを、基材上にインクジェットヘッドから吐出する吐出工程、および、
    活性エネルギー線を照射して吐出された前記インキを硬化させる工程
    を含む、インクジェット記録方法。
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