JP5748014B1 - 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷において、非常に高い硬化性と吐出安定性を有し、様々な基材への密着性を有するインキの提供である。【解決手段】沸点が140℃〜300℃の溶剤をインキ総量に対して0.1〜10重量%含有し、且つ重合性モノマーとしてアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。溶剤が、アルカンジオールなどであることを特徴とする、上記活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。【選択図】なし

Description

本発明は、非常に高い硬化性と吐出安定性を有し、様々な基材への密着性を有する活性エネルギー線硬化型インキジェットインキに関する。
インクジェット印刷方式とは、被印刷基材に対して、インクジェットヘッドからインキ組成物の微小液滴を飛翔、着弾させて画像や文字を印刷する印刷方式であり、版を必要としないことを特徴とする。版を必要としない印刷方式としては、電子写真方式が広く認知されているが、インクジェット印刷方式は電子写真方式に比べて装置のイニシャルコストや印刷時のランニングコスト、装置サイズ、高速印刷特性等の面で優れている。
従来インクジェット印刷に使用されるインキ組成物としては、溶剤系、水系、油系など多岐にわたっているが、プラスチックやガラスなどの非吸収性の基材にも適用できること、溶剤の揮発量を低減させ環境負荷を低減させられることから、近年は活性エネルギー線硬化型インクジェットインキの需要が増加している。特に工業用インクジェット印刷においては、上記に加え印刷物の耐水性、インキの乾燥エネルギー、インキの乾燥によるヘッドへのインキ成分の付着などの点から、溶剤系や水系から活性エネルギー線硬化型のインクジェットインキへの置き換えが期待されている。
また近年、インクジェットヘッドの性能向上に伴い、オフセット印刷等による既存印刷市場への応用が期待されている。既存印刷市場においては生産性が非常に肝要であるが、サイン市場で用いられているマルチパス印刷方式では、所望の生産性を実現することが困難であった。そのため、既存印刷市場に用いられるインクジェット印刷方式は、マルチパス印刷方式で得られない生産性を実現するため、高速印刷が可能なシングルパス印刷方式を用いることが望ましい。
更に、サイン市場で用いられている基材の多くは塩化ビニルシートであったが、既存印刷市場では各種コート紙や各種フィルムなどの多様な基材が使用されている。ところが、基材によってインキの濡れ拡がり性や基材への密着性が異なるため、多様な基材に同一のインキで対応するためには、どのような基材に対しても印刷画質をはじめとする印刷品位を一定レベル以上で確保することが重要である。生産性と多基材汎用性を同時に達成するためには、高速印刷が可能で、かつ、多くの基材で密着性が確保できる、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキが最適である。
高速印刷が可能なシングルパス印刷方式のためには、インクジェットヘッドからインキを円滑に吐出させるために、低粘度で最適な粘度範囲に設計することが好ましい。そのため、低粘度のモノマーを使用してインキを設計することが一般的である。
しかしながら、低粘度の重合性モノマーは皮膚刺激性が強いことから、好適に使用できる種類や量がごく限られている。
そこで、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキの組成中に有機溶剤を添加することで低粘度化を実現することが特許文献1に記載されている。しかしながら特許文献1では加熱による有機溶剤の乾燥工程を必要としており、活性エネルギー線を使用した際の利点である高速硬化性や乾燥コスト低減化を犠牲にしているという課題がある。
特許文献2では種々の基材への密着性と耐光性を付与するため、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルと反応性希釈剤としての感光性モノマー、及びアクリル樹脂を使用している。しかしながら、アクリル樹脂を併用することはインクジェットインキ自体の低粘度化に対する弊害となることから、高速印刷時の吐出安定性に課題があった。また、特許文献2には膜厚調整用に有機溶剤を添加してもよい、と記載されているが、本発明において、硬化性、吐出安定性、多基材密着性を付与するために有機溶剤を意図的に含有しているものとは、発想の根本から異なるものである。
特表2013−502479号公報 特開2008−280383号公報
本発明の目的は、活性エネルギー線硬化型インクジェット印刷において、非常に高い硬化性と吐出安定性を有し、様々な基材への密着性を有するインキの提供である。
本発明は、沸点が140℃〜300℃の溶剤をインキ総量に対して0.1〜10重量%含有し、且つ重合性モノマーとしてアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関する。
更に、本発明は、溶剤が、下記一般式(1)〜(7)いずれかで表現される有機溶剤、及び/又はアルカンジオール、及び/又は環状エーテルであることを特徴とする、活性エネルギー線硬化型インクジェットインキに関するものである。
Figure 0005748014
7−(OX1)x−O−R8 一般式(3)

9−(OX1x−COCH3 一般式(4)

CH3CO(OX1xOCOCH3 一般式(5)

x2x+1−O−COCH(CH3)OH 一般式(6)

10−O−C24−CON(R112 一般式(7)

1、およびR2はそれぞれ独立して、−NR6−、または酸素原子、
3はCmHnであらわされる炭化水素基で、mは2〜8の整数、nは2m-4、2m−2、または2mいずれかの整数を表し、分岐構造があってもよく、
6は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基または水素原子を表す。
7、R9、R10、およびR11は単結合のみで構成される炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、分岐構造があってもよい。
8は水素原子、または単結合のみで構成される炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、分岐構造があってもよい。
1は単結合のみで構成される炭素数が2〜4の炭化水素基を表し、分岐構造があってもよい。
xは1〜4の整数を表す。
本発明により、硬化性に優れ、吐出安定性が高く、多基材への密着性を示す活性エネルギー線硬化型インクジェットインキを提供することができた。
以下、本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ(本発明において、単に「インキ」ともいう)について詳細に説明する。なお、以下、特にことわりのない限り、「部」「%」は、「重量部」「重量%」をあらわす。
<溶剤>
本発明で使用する溶剤は、沸点が140〜300℃のものが好ましい。140℃以上ではインクジェット吐出安定性が優れ、300℃以下ではインキ塗膜の乾燥性が優れるため好ましい。上記範囲の沸点を有する溶剤を使用することで、様々な基材への密着性が優れる。ただし、重合性モノマーである場合を除く。
本発明で使用する溶剤として、例えば、下記一般式(1)〜(7)いずれかで表現される有機溶剤、及び/又はアルカンジオール、及び/又は環状エーテル等が挙げられる。

7−(OX1)x−O−R8 一般式(3)
9−(OX1x−COOCH3 一般式(4)
CH3CO(OX1xOCOCH3 一般式(5)
x2x+1−O−COCH(CH3)OH 一般式(6)
10−O−C24−CON(R112 一般式(7)

1、およびR2はそれぞれ独立して、−NR6−、または酸素原子、
3はCmHnであらわされる炭化水素基で、mは2〜8の整数、nは2m-4、2m−2、または2mいずれかの整数を表し、分岐構造があってもよく、
6は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基または水素原子を表す。
7、R9、R10、およびR11は単結合のみで構成される炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、分岐構造があってもよい。
8は水素原子、または単結合のみで構成される炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、分岐構造があってもよい。
1は単結合のみで構成される炭素数が2〜4の炭化水素基を表し、分岐構造があってもよい。
xは1〜4の整数を表す。
これら有機溶剤は単独で使用しても、2種以上併用してもよい。なお、有機溶剤の粘度は吐出安定性をより高めるために、25℃環境下で15mPa・s以下のものを選択することが好ましい。
一般式(1)で表される有機溶剤の具体例として、下記表1が挙げられる。
Figure 0005748014
中でも、3−メチル−2−オキサゾリジノン(化合物13)、3−エチル−2−オキサゾリジノン(化合物14)が好ましく用いられる。
一般式(2)で表される溶剤は、例えば、2−ピロリドン(γ−ブチロラクタム)、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、γ−バレロラクタム、γ−ヘキサラクタム、γ−ヘプタラクタム、γ−オクタラクタム、γ−ノナラクタム、γ−デカラクタム、γ−ウンデカラクタム、δ−バレロラクタム、δ−ヘキサラクタム、δ−ヘプタラクタム、δ−オクタラクタム、δ−ノナラクタム、δ−デカラクタム、δ−ウンデカラクタム、ε−カプロラクタム等のラクタム構造を持つ溶剤、
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン構造をもつ溶剤、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等の含酸素系溶剤等が挙げられる。
光重合開始剤の溶解性や吐出安定性の面から7員環以下であることが好ましい。
前記一般式(2)で表される溶剤の中では、2−ピロリドン(γ−ブチロラクタム)、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、プロピレンカーボネートが、インキ安定性、多基材密着性の点から好ましく用いられる。
一般式(1)〜(2)で表される環状構造を有する有機溶剤は、光重合開始剤の溶解性や吐出安定性の面から7員環以下であることが好ましい。
一般式(3)で表される有機溶剤として、
アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテルが挙げられ、具体的には、
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとして、例えば、
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、更に、
アルキレングリコールジアルキルエーテルとして、例えば、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール−ジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−ジ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールエチルメチルエーテル、
等のアルキレングリコールジアルキルエーテル
が挙げられる。
好ましくはジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルが挙げられる。
一般式(4)で表される有機溶剤として、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、エチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルブチレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルブチレート、プロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルブチレート等の
アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられる。
一般式(5)で表される有機溶剤として、例えば、
エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールアセテートプロピオネート、エチレングリコールアセテートブチレート、エチレングリコールプロピオネートブチレート、エチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールアセテートジブチレート、ジエチレングリコールアセテートプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートブチレート、ジエチレングリコールプロピオネートブチレート、ジエチレングリコールジプロピオネート、ジエチレングリコールアセテートジブチレート、プロピレングリコールアセテートプロピオネート、プロピレングリコールアセテートブチレート、プロピレングリコールプロピオネートブチレート、プロピレングリコールジプロピオネート、プロピレングリコールアセテートジブチレート、ジプロピレングリコールアセテートプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートブチレート、ジプロピレングリコールプロピオネートブチレート、ジプロピレングリコールジプロピオネート、ジプロピレングリコールアセテートジブチレート等の
アルキレングリコールジアセテートが挙げられる。
一般式(6)で表される有機溶剤として、例えば、
乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等の乳酸エステルが挙げられる。
一般式(7)で表される有機溶剤として、例えば、
N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−2−エチルヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−オクトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−オクトキシプロピオンアミド等が挙げられる。
中でも、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジブチル−β−ブトキシプロピオンアミドは、多基材密着性が優れるため好ましく用いられる。
アルカンジオールとして、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
環状エーテルとして、例えば、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランとその誘導体等が挙げられる。
これら溶剤の中でも、一般式(3),(4),(5)で表されるアルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールジアルキルエーテル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキレングリコールジアセテートに代表される直鎖系有機溶剤は、吐出安定性の点から、25℃環境下で7mPa・s以下の粘度であることが好ましい。また、これら直鎖系有機溶剤は、アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチルとの相溶性から、25℃環境下での表面張力が20〜40mN/mであることが望ましい。
さらに、一般式(3),(4),(5)で表されるアルキレングリコール骨格をもつ有機溶剤は、硬化性、密着性に特に優れる。この理由は定かでは無いが、有機溶剤のその構造がアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルの構造と類似していることから、相溶性が良化し、硬化速度が向上するためと考えられる。
中でも、一般式(3)において、xが2〜4で表される(ジ、トリ、テトラ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、または(ジ、トリ、テトラ)アルキレングリコールジアルキルエーテル、一般式(4)においてxが2〜4で表される(ジ、トリ、テトラ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが更に好ましい。
有機溶剤の添加量は、インキ組成物に対し0.1〜10重量%が好ましく、硬化性の点から、0.2〜5重量%がより好ましい。
〈重合性モノマー〉
本発明において、重合性モノマーとして、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含有することを特徴とする。アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルは、例えば、日本触媒社製の「VEEA」、「VEEA−AI」としてとして市販されている。
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルは、粘度が低く反応性が高い重合性モノマーであるため、低粘度で高感度のインキを作製する材料として優れている。
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルは、インキ総量に対し10重量%以上70重量%未満含有するのが好ましく、10%以上50%未満含有するのがより好ましい。前記範囲内では、インキ組成物の粘度が好適な範囲になり、かつ、その他重合性モノマーとの重合反応性が向上し、印刷速度が早い場合でも吐出が安定になり十分に硬化する。
特に、一般式(3)または一般式(4)で表されるグリコール系溶剤を使用した際には、前述したように、重合性モノマーやその他添加剤との相溶性が良好であるため、吐出安定性に優れ、硬化性、各種基材密着性が向上する。
アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル以外の重合性モノマーとしては、従来既知の材料を必要に応じて使用することができる。
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、および「(メタ)アクリロイルオキシ」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」、「アクリレートおよび/またはメタクリレート」、および「アクリロイルオキシおよび/またはメタクリロイルオキシ」を表すものとする。
具体的には、単官能モノマーとしてベンジル(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル) (メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等を挙げることができる。
また多官能モノマーとして、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化) 1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(またはテトラ) (メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(またはテトラ) (メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能の(メタ)アクリレート、
ブタンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ)ビニルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリ(またはテトラ)アリルエーテル等のビニル基を複数含有するモノマーを挙げることができる。
以上の材料は、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
中でも硬化性の面から、EO(エチレンオキサイド−CH2−CH2−O−)変性またはPO(プロピレンオキサイド−CH2−CH2−CH2−O−)変性骨格をもつ重合性モノマーを含有することが好ましい。詳細は明らかではないが、EO/PO骨格が有する酸素原子が分子中の電子を引き寄せることで、分子内の双極子モーメントに偏りが生じ、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルや有機溶剤と互いに引き付け合うことから、分子間距離が縮まり、重合反応が効率的に進行すると推察される。
前記その他の重合性モノマーを使用する場合、重合性モノマー全量に対するその他の重合性モノマーの配合量としては10〜50重量%であることが好ましく、20〜40重量%であることがより好ましい。
〈光重合開始剤〉
本発明において紫外線等の活性エネルギー線を用いてインキを硬化させる場合には、光重合開始剤を配合する。本発明で用いることができる光重合開始剤としては公知の光重合開始剤を使用することができ、分子開裂型や水素引き抜き型でラジカルを発生させる光重合開始剤を使用することが好ましい。本発明に用いることができる光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、ラジカルを発生させる光重合開始剤とカチオンを発生させる光重合開始剤とを併用してもよい。
光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタノン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−、1−(O−アセチルオキシム)、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィドなどを挙げることができる。
中でも、硬化性、保存安定性の点から、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチル−ジフェニルスルフィド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1が好ましく用いられる。
また上記光重合開始剤に対し、増感剤として、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、トリエタノールアミン、p−ジエチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、N,N−ジメチルベンジルアミン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、および4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの、重合性モノマーと付加反応を起こさないアミン類等を併用することもできる。中でも、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが特に好ましく用いられる。上記光重合開始剤や増感剤は、インキ組成物中での溶解性に優れ、紫外線透過性を阻害しないものを選択して用いることが好ましい。
上記光重合開始剤は、重合性モノマーに対し、2〜20重量%含有することが好ましい。さらには、5〜15重量%であることがより好ましい。2重量%以上であると硬化性が良好で、20重量%以下だと、効率的に硬化速度を早くすることができ、低温度においても光重合開始剤の未溶解成分が発生せず、インクジェット吐出性が良好である。
〈添加剤〉
本発明のインクジェットインキには、前記重合性モノマー、光重合開始剤の他に、表面調整剤、顔料、顔料分散剤、添加剤を含んでも良い。添加剤としては、例えば、重合禁止剤、消泡剤、酸化防止剤などが挙げられる。
〈表面調整剤〉
本発明で配合される表面調整剤とは、添加により表面張力を低下させる物質を示すものをいう。本発明における表面調整剤とは、表面調整剤を配合していないインキに対し、表面調整剤を1.0重量%添加した時に、インキの静的表面張力を3mN/m以上低下させる能力を有する材料を示す。
表面調整剤として、例えば、シリコーン系表面調整剤、フッ素系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、アセチレングリコール系表面調整剤等が挙げられる。
表面張力低下能、重合性モノマーとの相溶性との観点から、シリコーン系表面調製剤を使用することが好ましい。
具体的なシリコーン系表面調整剤として、ジメチルシロキサン骨格の変性体が挙げられ、中でも、ポリエーテル変性シロキサン系表面調整剤が好ましい。ポリエーテルとは例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドをいう。一般的な製品として、ビックケミー社より代表品としてBYK(登録商標)−378、348、349、などのポリエーテル変性シロキサン、BYK―UV3500、UV3510などのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、エボニックデグサ社より、TEGO(登録商標) GLIDE 450、440、435、432、410、406、130、110、100などのポリエーテル変性シロキサンコポリマー等のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を好ましく使用できる。これらの中でも、良好な画質形成の観点から、BYK−378、348、TEGO GLIDE 450、440、432、410等のポリエーテル変性シリコーン系表面調整剤が、好ましい。
また、これらシリコーン系表面調整剤は、表面調整剤を配合していないインキに対し表面調整剤を1.0重量%添加した時に、インキの静的表面張力を3mN/m以上低下させることが確認できたシリコーン形表面調整剤である。各種基材に対応するために、より好ましくはインキの静的表面張力を4mN/m以上下げるシリコーン系表面調整剤を好適に用いることができる。
なお、静的表面張力の測定は、協和界面科学社製 自動表面張力計CBVP−Zを用いて、25℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの静的表面張力を確認することにより測定することができる。
シリコーン系表面調整剤の量は、インキ総量に対して0.1重量%以上5.0重量%未満含有することが好ましい。0.1重量%以上含有することにより、インキの基材への濡れ性が向上し、5.0重量%未満含有することで、インキの保存安定性を確保することが出来る。
〈顔料〉
本発明のインクジェットインキは、着色剤として顔料を使用することができる。顔料としては一般的に印刷用途、塗料用途のインク組成物に使用される顔料を用いることができ、発色性、耐光性などの必要用途に応じて選択することができる。顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無彩色の顔料、または有彩色の有機顔料が使用できる。
例えば、マゼンタの顔料として、C.I.Pigment Violet19、C.I.Pigment Red122、176、185、202、269、
イエローの顔料として、C.I.Pigment Yellow120、139、150、151、155、180、185、
シアンの顔料として、C.I.Pigment Blue15:3、15:4、
グリーンの顔料として、C.I.Pigment Green7、36、
オレンジの顔料として、C.I.Pigment Orange43、64、
バイオレットの顔料として、C.I.Pigment Violet23、
ブラックの顔料として、C.I.Pigment Black7等は、耐光性に優れるため、好適に用いることができる。
本発明では上述した顔料に限定されるものではなく、その他の顔料を使用したオレンジ、グリーン、バイオレット以外の特色および調色インキや、ホワイトインキや、顔料を含まないクリアインキを組み合わせたインキセットとして使用することができる。
顔料の含有量としては、インキ組成中0.1〜20重量%の範囲が、印刷物の色濃度や耐光性の点で好ましい。
〈顔料分散剤〉
前記顔料の分散性およびインキ組成物の保存安定性を向上させるために顔料分散樹脂を含有するのが好ましい。顔料分散樹脂としては、従来既知のものが使用できる。中でも、塩基性分散樹脂、さらには、ウレタン骨格をもつ樹脂型分散剤は、高周波数特性に優れ、かつ保存安定性良好な顔料分散体が得られるため好ましい。具体的には、ルーブリゾール社製ソルスパース32000、76400、76500、J100、J180およびDisperbyk−161、162、163、164、165、166、167、168等の顔料分散樹脂が挙げられる。
分散樹脂の添加量は、所望の安定性を確保する上で任意に選択される。インキの流動特性に優れるのは、顔料100重量部に対し分散樹脂が25〜150重量部の場合である。この範囲内ではインキの分散安定性が良好となり、長期経時後も初期と同等の品質を示すため、好適に用いることができる。さらに顔料に対し分散樹脂が40〜100重量部の場合、分散性と吐出性の点で好ましい。
〈重合禁止剤〉
インキの経時での粘度安定性、経時後の吐出安定性、インクジェット記録装置内での粘度安定性を高めるため、重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、フェノチアジン系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物が特に好適に使用される。具体的には、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、フェノチアジン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアルミニウム塩などが挙げられる。硬化性を維持しつつ経時安定性を高める点から、インキ組成物全体に対して0.01〜2重量%の割合で配合することが好ましい。
インキの硬化方法として、一般的にはヘッドとヘッドの間で活性エネルギー線を照射し印刷基材上に射出されたインキを都度固定するタイプ(ピンキュアタイプ)と、インキを都度固定せずに同時に硬化させるタイプ(ピンキュアレスタイプ)が存在する。ピンキュアタイプは、例えば4色印刷には最低4つのランプが必要となり、装置コストが高くなる上、装置が大型化するため用途が限定されるケースが多く、普及しにくい。本発明は、ピンキュアタイプだけでなく、特にピンキュアレスタイプのプリンタでも高画質な印刷物を得ることができることが特徴である。
インキを硬化させる活性エネルギー線として、電子線、紫外線、赤外線などの被照射体の電子軌道に影響を与え、ラジカル、カチオン、アニオンなどの重合反応を誘発させるエネルギー線であれば、これに限定しない。本発明では、紫外線が好ましく用いられる。
紫外線の光源としては、例えば高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、LED、および太陽光を使用することができる。利便性や価格などの面から、発光極大波長が300nm〜400nmの、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LED等を使用することが好ましい。
<印刷基材>
印刷基材については特に限定はないが、ポリカーボネート、硬質塩ビ、軟質塩ビ、ポリスチレン、発泡スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PETなどのプラスチック基材やこれら混合または変性品、上質紙、アートコート紙、セミグロスコート紙、キャストコート紙などの紙基材、ガラス基材、ステンレス、アルミニウム蒸着紙などの金属基材などが挙げられる。これらは印刷媒体の表面が滑らかであっても、凹凸のついたものであっても良いし、透明、半透明、不透明のいずれであっても良い。また、これらの印刷媒体の2種以上を互いに張り合わせたものでも良い。更に印字面の反対側に剥離粘着層等を設けても良く、又印字後、印字面に粘着層等を設けても良い。
特に、本発明のインキは、インキ総量に対して0.1〜10重量%有機溶剤と、重合性モノマーとしてアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含有することで、前記各種基材への濡れ拡がり性、密着性が優れる。
以下に、本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。なお、実施例における「部」は、「重量部」を表す。
(インキの作成)
使用した原料を表2に示す。表3記載の配合通りモノマーと光重合開始剤、重合禁止剤、及び有機溶剤の混合液をゆっくりと添加し撹拌し、その後、表面張力調整剤を添加した後、シェーカーにて6時間振盪しインキを作製した。得られたインキをポア径0.5ミクロンのPTFEフィルターで濾過を行い、粉塵や粗大粒子を除去し、評価インキを調整した。なお、上記混合液は順不同で混合可能である。
Figure 0005748014
Figure 0005748014
Figure 0005748014
Figure 0005748014
評価方法
(硬化性)
硬化性は、リンテック社製基材PET50 K2411上に膜厚12μmでバーコート塗布したサンプルをノードソン社製UVランプ(240W)にて、コンベア速度50m/分、25m/分、10m/分の3水準、1パスにて硬化させ、塗膜を綿棒で10往復こすった。50m/分で塗膜に傷がつかない場合を◎、50m/分で傷つくが25m/分で傷つかない場合を○、25m/分で傷つくが10m/分で傷つかない場合を△、10m/分でも傷つく場合を×と規定した。
(吐出安定性)
吐出安定性は、(株)トライテック社製Dot view(インク滴観察装置)、及びOnePassJETにて評価した。調整したインキは、シリンジにより京セラ社ヘッドに注入され、ヘッド温度40℃で印字した。
サテライト、ミストはDot viewにて評価しデキャップ性はOnePassJETにて評価した。なお、デキャップ性の評価は以下の通りである。ヘッドに調整したインキを充填し、初期でノズル抜けがないことを印字確認したのち、ヘッドを40℃に加温したまま10分間放置し、再度印字した。このときノズル抜けが発生する場合を「デキャップする」と判定した。
吐出安定性は、サテライト、ミスト、デキャップ性の全て問題ない場合を◎、一部サテライトが発生するがデキャップせず印刷品位に問題ないレベルを○、サテライトが目立つがデキャップしない場合を△、分滴が激しいがデキャップしない場合を×、デキャップする場合を××と規定した。
(密着性)
密着性は各種基材に対して、膜厚6μmでバーコート塗布したサンプルをノードソン社製UVランプ(240W)にて硬化させた塗膜で評価した。塗膜の2箇所をセロハンテープ剥離で評価。2回とも剥離しない場合を◎、50%程度の剥離が2回に1回起こる場合を○、50%程度の剥離が2回とも起こる場合を△、2回とも完全に剥離する場合を×と規定した。
基材は、PET、PP、PVC、ガラス、コート紙を使用した。

Claims (1)

  1. 沸点が140℃〜300℃の溶剤をインキ総量に対して0.1〜10重量%含有し、且つ重合性モノマーとしてアクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキであって、
    溶剤が、下記一般式(1)〜(7)いずれかで表現される有機溶剤、及び/又はアルカンジオールであり、
    金属粉末を含まないことを特徴とする活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ。
    Figure 0005748014

    7−(OX1)x−O−R8 一般式(3)

    9−(OX1x−COOCH3 一般式(4)

    CH3CO(OX1xOCOCH3 一般式(5)

    x2x+1−O−COCH(CH3)OH 一般式(6)

    10−O−C24−CON(R112 一般式(7)

    1、およびR2はそれぞれ独立して、−NR6−、または酸素原子、
    3はCmHnであらわされる炭化水素基で、mは2〜8の整数、nは2m-4、2m−2、または2mいずれかの整数を表し、分岐構造があってもよく、
    6は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基または水素原子を表す。R7、R9、R10、およびR11は単結合のみで構成される炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、分岐構造があってもよい。
    8は水素原子、または単結合のみで構成される炭素数が1〜5の炭化水素基を表し、分岐構造があってもよい。
    1は単結合のみで構成される炭素数が2〜4の炭化水素基を表し、分岐構造があってもよい。
    xは1〜4の整数を表す。
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