JP2000007967A - 水性インク組成物とこれを用いたインクジェット記録方法、ならびに、これらを用いて記録された記録物 - Google Patents

水性インク組成物とこれを用いたインクジェット記録方法、ならびに、これらを用いて記録された記録物

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JP2000007967A
JP2000007967A JP17788798A JP17788798A JP2000007967A JP 2000007967 A JP2000007967 A JP 2000007967A JP 17788798 A JP17788798 A JP 17788798A JP 17788798 A JP17788798 A JP 17788798A JP 2000007967 A JP2000007967 A JP 2000007967A
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Toshiyuki Miyabayashi
利行 宮林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光性に優れた印刷画像を実現するインク組
成物の提供。 【解決手段】 顔料を紫外線吸収能及び/又は光安定化
能を有する高分子分散剤で分散せしめた顔料分散液を用
いることによって、インク組成物の耐光性を向上させる
ことができる。さらに、皮膜形成能を有するポリマー微
粒子を含有することによって、耐擦性を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク組成物に関
する。更に詳しくは、インクジェット記録方法に好まし
く用いられるインク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インク組成物を用いた記録方法にあって
は、色材を溶解または分散させる溶媒成分が必須であ
る。この溶媒成分は安全性の観点から水および水溶性有
機溶媒との混合溶媒が広く用いられている。インク組成
物が記録媒体上に適用されると、この溶媒成分が記録媒
体にしみ込むか、または蒸発することで、色材成分を記
録媒体上に定着させ、文字または画像の記録が行われ
る。得られた画像には種々の性能が要求される。
【0003】それら要求性能の中で耐光性については、
その性能を改善するために種々の提案がなされている。
一般に色材に顔料を用いた場合は、染料を用いた場合に
比べて、記録物の耐光性が良好であるとされているが、
カーボンブラックのような無機顔料および銅フタロシア
ニン顔料のような含金属有機顔料は耐光性に優れるが、
他の有機顔料の多くは十分な耐光性が得られないことが
指摘されていた。よって、このような有機顔料を色材と
して用いたインク組成物の耐光性を向上させる方法が求
められている。
【0004】また、近年、インクを吐出口から小液滴と
して吐出、飛翔させ、紙等の記録媒体表面に付着させて
記録を行うインクジェット記録方法を用いる印刷方法が
広く普及してきている。この方法は、比較的安価な装置
で高解像度、高品位の画像を、高速で印刷可能という特
徴を持つ。特に、カラーインクジェット記録装置は、画
質品質が向上し、写真の出力機としても利用され、デジ
タル印刷機、プロッター、CAD出力デバイス等として
も利用されるに至っている。この様な広く利用されるに
至っているカラーインクジェット記録装置によって印刷
された画像は、様々な利用の形態が考えられ、特に写真
仕様の印刷物などはディスプレイとして長時間蛍光燈ま
たは屋外等の直射日光に暴露される場所に置かれること
が多い。したがって、インクジェット記録方法によって
記録された記録物においても耐光性が極めて重要な要求
性能となってきている。
【0005】インク組成物の耐光性を向上させる手段と
して、比較的耐光性に優れた色材を選択したり、色材自
体の耐光性を向上することも行われるが、望む色調と耐
光性とが一致しないことも多い。そこで、市販の紫外線
吸収剤または光安定剤のインク組成物中への添加が考え
られが、これらの多くは油溶性であることから、水溶性
インク組成物には十分な量を存在させることが難しい。
また、紫外線吸収剤または光安定剤が水溶性である場合
には、紙等の多孔性の記録媒体では、これらが水、水溶
性有機溶媒とともに記録媒体内部に浸透してしまうため
に効果が得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐光
性に優れた印刷画像を実現するインク組成物の提供にあ
る。さらに、本発明は、耐光性のみならず、耐擦過性、
耐水性に優れた印刷画像を得ることのできるインク組成
物の提供をその目的としている。そしてまた、本発明
は、前記インク組成物を用いて記録された記録物の提供
もその目的としている。
【0007】さらに、本発明は、前記インク組成物を用
いたインクジェット記録ヘッドのインク吐出孔からイン
クの液滴を吐出し、記録媒体に付着させて画像を形成す
るインクジェット記録方法、かかる記録方法を実現する
ためのインクジェット記録装置、ならびにこれらにより
記録された記録物の提供をその目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、今般、顔料
を紫外線吸収能および/または光安定可能を有する高分
子分散剤で分散せしめた顔料分散液を用いたインク組成
物によって、記録物の耐光性を向上させる手法を提案す
る。
【0009】すなわち、本発明によるインク組成物は、
顔料を紫外線吸収能及び/又は光安定化能を有する高分
子分散剤で分散せしめた顔料分散液を用いることを特徴
とするものであり、さらに詳しくは、かかる高分子分散
剤が、構造中に疎水性基と親水性基とを有し、かつ、2
00〜400nmの紫外域に吸収を有するものであるこ
とを特徴とするものである。かかる高分子分散剤は、構
造中に疎水性基と親水性基と、紫外線吸収能及び/又は
光安定化能を有する部位とを有するものである。
【0010】本発明においては、本発明の紫外線吸収能
及び/又は光安定化能を有する高分子分散剤を用いて顔
料を分散せしめると、前記高分子分散剤が顔料粒子表面
に吸着し、顔料粒子を包み込んだ状態となる。したがっ
て、200〜400nmの紫外線がかかる高分子分散剤
で遮断され、顔料、特に有機顔料の光による退色が抑え
られ、本発明のインク組成物による記録物は耐光性の優
れたものとなる。ただし、この理論は本発明の高分子分
散剤を用いた場合の耐光性における効果を説明するため
に述べたものであって、本発明はこの理論によって限定
されるものではない。
【0011】なお、本発明において紫外線吸収能と、光
安定可能とは、当業界において理解されている定義に従
うものである。すなわち、その作用機序から、紫外線吸
収能とは、一般に紫外線の持つ強力なエネルギーをケト
・エノール型互変異性により徐々に熱エネルギーに変換
して放出し、安定化するものを意味し、一方光安定化能
とは、ラジカルの捕捉、ヒドロペルオキシドの分解、重
金属の捕捉、一重項酸素の消光によって安定化するもの
を意味する。本発明にあっては、そのいずれかが存在す
れば良いが、本発明の好ましい態様に依れば、その両方
が共に存在していることが好ましい。
【0012】具体的には、本発明によるインク組成物
は、前記の顔料分散液と、水と、水溶性有機溶媒とを少
なくとも含んでなるものである。または、本発明による
インク組成物は、前記の顔料分散液と、水と、水溶性有
機溶媒と、ポリマー微粒子とを少なくとも含んでなるも
のである。前記ポリマー微粒子が皮膜形成能を有する場
合においては、本発明によるインク組成物が紙等の記録
媒体に付着すると、水溶性有機溶媒成分は記録媒体内に
浸透して減少し、ポリマー微粒子同士が合一し、融着す
る。したがって、得られる記録物は耐擦性、耐水性、紙
等との定着性に優れたものとなる。
【0013】特に、常温での皮膜形成能を得るために
は、ポリマー微粒子のガラス転移点が30℃以下であ
り、また、ポリマー微粒子が水中に分散されたポリマー
エマルジョンの分散粒子であってその最低成膜温度が3
0℃以下であることが適する。本発明のインク組成物を
インクジェット記録ヘッドのインク吐出孔からインクの
液滴を吐出し、記録媒体に付着させて画像を形成するイ
ンクジェット記録方法に用いる場合には、吐出安定性、
保存安定性の面から沸点が180℃以上の水溶性有機溶
媒が用いられる。
【0014】
【発明の実施の形態】1.インク組成物 本発明によるインク組成物はインク組成物を用いた記録
方式に用いられる。インク組成物を用いた記録方法と
は、例えば、インクジェト記録方式、ペン等による筆記
具による記録方式、その他各種の印字方式が挙げられ
る。特に、本発明によるインク組成物は、インクジェッ
ト記録方法に好ましく用いられる。
【0015】本発明によるインク組成物は、基本的に、
顔料を紫外線吸収能及び/又は光安定化能を有する高分
子分散剤で分散せしめた顔料分散液と、水と、水溶性有
機溶媒とを含んでなる。別の態様に依れば、顔料を紫外
線吸収能及び/又は光安定化能を有する高分子分散剤で
分散せしめた顔料分散液と、水と、水溶性有機溶媒と、
粒子径が5〜200nmであるポリマー微粒子を含んで
なる。そして、このポリマー微粒子は最低成膜温度が3
0℃以下であるポリマーエマルジョンの分散粒子であっ
て、皮膜形成能を有するものである。
【0016】2.高分子分散剤 本発明によるインク組成物において用いられる高分子分
散剤は、紫外線吸収能及び/又は光安定化能を有するも
のである。
【0017】すなわち、本発明の好ましい態様に依れ
ば、高分子分散剤が、200〜400nmの紫外域に吸
収を有するものが好ましい。さらに、本発明の好ましい
態様に依れば、高分子分散剤が構造中に疎水性基と親水
性基と、紫外線吸収能及び/又は光安定化能を有する部
位とを有するものが好ましい。
【0018】本発明の高分子分散剤の基礎骨格をなす高
分子としては天然高分子が挙げられ、その具体例として
は、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミンなどのタ
ンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然
ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸及び
アルギン酸プロピレングリコールエステルアルギン酸ト
リエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのア
ルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒド
ロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げら
れる。
【0019】さらに、本発明の好ましい態様に依れば、
高分子分散剤の基礎骨格をなす高分子として合成高分子
が挙げられ、アクリルコポリマー系、ポリエステル系、
ポリアミド系、ポリウレタン系等の水に溶解する水溶性
高分子を成分とすることが好ましい。これらの中で、特
に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーと
の共重合体、及び疎水性基と親水性基を分子構造中に併
せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。
【0020】さらに、好ましくはポリビニルアルコール
類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリ
ル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム
−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸
エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共
重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共
重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−
メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン
−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステ
ル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−
マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナ
フタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチ
レン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重
合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸
ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸
共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が
挙げられる。さらに、高分子分散剤の平均分子量が10
00〜50000であることが好ましい。これらの水溶
性高分子は必要に応じて、アンモニウム、アミン、無機
アルカリ等の中和剤で適宜調製して用いられる。
【0021】本発明の好ましい態様に依れば、本発明の
高分子分散剤は、アクリルコポリマーを成分とするもの
が好ましく、公知の溶液重合によって得ることができ
る。具体的には、紫外線吸収能及び/または光安定化能
を有する部位を有するモノマーと他のモノマーの種類を
勘案して適宜選択される重合方法によって重合し、製造
することができる。
【0022】本発明の好ましい態様に依れば、紫外線吸
収能及び/又は光安定化能を有する部位は芳香族単環炭
化水素基、縮合多環芳香族炭化水素基、複素単環基、縮
合複素環基からなる群から選択されるものである。
【0023】この態様において利用可能な紫外線吸収能
を有する部位としては、ベンゾフェノン骨格、ベンゾト
リアゾール骨格、ヒンダードフェノール骨格、サリチレ
ート骨格、及びシアノアクリレート骨格が挙げられ、ま
た光安定可能を有する部位としてはヒンダードアミン骨
格が挙げられる。
【0024】これらの骨格の具体的構造を示せば、ベン
ゾフェノン骨格:
【0025】
【化1】
【0026】ベンゾトリアゾール骨格:
【0027】
【化2】
【0028】ヒンダードフェノール骨格:
【0029】
【化3】
【0030】サリチレート骨格:
【0031】
【化4】
【0032】シアノアクリレート骨格:
【0033】
【化5】
【0034】及び、ヒンダードアミン骨格:
【0035】
【化6】
【0036】である。
【0037】紫外線吸収能及び/または光安定可能を有
する部位を有するモノマーの具体例は、上記した紫外線
吸収能および/または光安定化能を有する部位と、メタ
クロイル基、アクロイル基、ビニル基、アリル基等のエ
チレン性不飽和基を有するものである。
【0038】そのようなモノマーの具体例としては、次
のものが挙げられる。まず、ベンゾフェノン骨格を有す
る紫外線吸収部位を有するモノマーの具体例としては、
次のものが挙げられる。
【0039】
【化7】
【0040】
【化8】
【0041】また、ベンゾトリアゾール骨格を有する紫
外線吸収部位を有するモノマーの具体例としては、次の
ものが挙げられる。
【0042】
【化9】
【0043】
【化10】
【0044】
【化11】
【0045】さらに、ヒンダードフェノール骨格を有す
る紫外線吸収部位を有するモノマーの具体例としては、
次のものが挙げられる。
【0046】
【化12】
【0047】また、ヒンダードアミン骨格を有する光安
定部位を有するモノマーの具体例としては、次のものが
挙げられる。
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】紫外線吸収能および/または光安定可能を
有する部位を有するモノマーとして、市販されているも
のを利用することも可能であり、市販品の例としては、
ベンゾトリアゾール骨格を有する紫外線吸収部位を有す
るモノマーとして、大塚化学株式会社から入手可能なR
UVA−93(2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルア
クリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ール)が挙げられる。
【0051】また、ヒンダードアミン骨格を有する光安
定化部位を有するモノマーとして、旭電化工業株式会社
から入手可能なアデカスタブLA−82(1,2,2,
6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレー
ト)、同LA−87(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジルメタクリレート)が挙げられる。
【0052】本発明に用いられる高分子分散剤は、公知
の溶液重合によって得ることができる。具体的には、ポ
リマーを構成するモノマー成分と、紫外線吸収能及び/
または光安定化能を有する部位を有するモノマーとを、
重合触媒の存在下に溶媒中において溶液重合することに
よって得ることができる。公知の溶液重合法の具体例と
しては、特開昭59−162163号公報、特公平2−
11542号公報、特公平2−7901号公報、特公平
2−7897号公報等が挙げられる。
【0053】この態様において用いることができるポリ
マーを構成するモノマー成分の具体例としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イ
ソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−
アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリ
レート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アク
リレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メ
タ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシルエチ(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジルメタク
リレート、グリシジルアクリレート、アリルグリシジル
エーテル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エ
ステル及び酢酸ビニル等のビニルエステル類や、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等、スチレン、2−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、
クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレ
ン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル類、塩化ビニリ
デン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン類、
エチレン、プロピレン、イソプロピレンブタジエン、ビ
ニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニル
ケトン、クロロプレン等と、カルボキシル基を含むアク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸またはそのモノアル
キルエステエル、イタコン酸またはそのモノアルキルエ
ステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステルなど
のエチレン性不飽和カルボン酸や、アミド基を有するア
クリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等、ア
ミノ基を含むN−メチルアミノエチルメタクリレート、
N−メチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチル
アミノエチルメタクリレート等のアクリル酸またはメタ
クリル酸のアルキルアミノエステル類や、N−(2−ジ
メチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメ
チルアミノエチル)メタクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、等のアルキルアミノ
基を有する不飽和アミド類等と、ビニルピリジン等のモ
ノビニルピリジン類、ジメチルアミノエチルビニルエー
テルなどのアルキルアミノ基を有するビニルエーテル
類、ビニルイミダゾール等、ビニルスルホン酸、スチレ
ンスルホン酸及びその塩、2−アクリロイルアミノ−2
−メチルスルホン酸およびその塩等のスルホン基を有す
るものが挙げられる。これらのモノマーは、単独または
2種以上を混合して用いることができる。
【0054】本発明の好ましい態様による高分子分散剤
は構造中に疎水性基と親水性基を有するものであるのが
好ましく、親水基はカルボキシル基、スルホン酸基、燐
酸基、アミド基、アミノ基のいずれかの官能基を有する
ものであるのが好ましく、単独または2種以上で用いる
ことができる。親水性基の高分子分散剤への導入は、前
記親水性基を有するモノマーを用いることによって行う
ことができる。
【0055】親水性基を有するモノマーの具体例は、カ
ルボキシル基を含むアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸またはそのモノアルキルエステエル、イタコン酸ま
たはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモ
ノアルキルエステルなどのエチレン性不飽和カルボン
酸、アミド基を有するアクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアクリルアミド等、アミノ基を含むN−メチルアミノ
エチルメタクリレート、N−メチルアミノエチルアクリ
レート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチ
ルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメ
タクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等
のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルアミノエス
テル類や、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリル
アミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリル
アミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、等のアルキルアミノ基を有する不飽和アミド類等
と、ビニルピリジン等のモノビニルピリジン類、ジメチ
ルアミノエチルビニルエーテルなどのアルキルアミノ基
を有するビニルエーテル類、ビニルイミダゾール等、ビ
ニルスルホン酸、スチレンスルホン酸及びその塩、2−
アクリロイルアミノ−2−メチルスルホン酸およびその
塩等のスルホン基を有するものが挙げられる。
【0056】疎水基はアルキル基、置換アルキル基、芳
香族単環炭化水素基、縮合多環芳香族炭化水素基、複素
単環基、縮合複素環基のいずれかの官能基を有するもの
であるのが好ましく、単独または2種以上で用いること
ができる。
【0057】本発明の好ましい態様による高分子分散剤
は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共
重合体のいずれからなるものであり、適宜選択される重
合方法によって重合し、製造することができる。
【0058】3.色材 本発明の好ましい態様に依れば、本発明のインク組成物
に含まれる色材は顔料が好ましい。顔料としては、無機
顔料、有機顔料のいずれも使用することができる。無機
顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタ
クト法、ファーネスト法、サーマル法などの公知の方法
によって製造されたカーボンブラックを使用することが
できる。また、有機顔料としては、アゾ染料(アゾレー
キ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料
などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔
料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔
料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジ
ゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料な
ど)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、
酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔
料、アニリンブラックなどを使用できる。顔料の粒径
は、10μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.1
μm以下である。
【0059】特に黒インクとして使用されるカーボンブ
ラックとしては、三菱化学製のNo.2300,No.900,MCF88,N
o.33,No.40,No.45,No.52,MA7,MA8,MA100,No2200B 等
が、コロンビア社製の Raven5750,Raven5250,Raven500
0,Raven3500,Raven1255,Raven700 等が、キャボット社
製のRegal 400R,Regal 330R,Rega l660R,Mogul L,Monar
ch700, Monarch 800, Monarch 880, Monarch 900, Mona
rch 1000, Monarch 1100,Monarch 1300, Monarch 1400
等が、デグッサ社製の Color Black FW1,ColorBlack F
W2, Color Black FW2V, Color Black FW18, Color Blac
k FW200, ColorBlack S150, Color Black S160, Color
Black S170, Printex 35, Printex U,Printex V, Print
ex 140U, Special Black 6, Special Black 5, Special
Black4A, Special Black 4 等が使用できる。
【0060】また、有機顔料としては、アゾ染料 (ア
ゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートア
ゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシア
ニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノ
ン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオイ
ンジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料
など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレー
ト、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ
顔料、アニリンブラックなどを使用できる。
【0061】イエローインクに使用される顔料として
は、 C.I.Pigment Yellow 1, C.I.Pigment Yellow 2,
C.I.Pigment Yellow 3, C.I.Pigment Yellow 12, C.I.
Pigment Yellow 13, C.I.Pigment Yellow 14C, C.I.Pig
ment Yellow 16 ,C.I.PigmentYellow 17, C.I.Pigment
Yellow 73, C.I.Pigment Yellow 74, C.I.Pigment Yell
ow 75, C.I.Pigment Yellow 83, C.I.Pigment Yellow 9
3, C.I.Pigment Yellow95, C.I.Pigment Yellow97, C.
I.Pigment Yellow 98, C.I.Pigment Yellow114,C.I.Pig
ment Yellow128, C.I.Pigment Yellow129, C.I.Pigment
Yellow151, C.I.Pigment Yellow154 等が挙げられる。
【0062】また、マゼンタインクに使用される顔料と
しては、C.I.Pigment Red 5, C.I.Pigment Red 7, C.I.
Pigment Red 12, C.I.Pigment Red 48(Ca), C.I.Pigmen
t Red 48(Mn), C.I.Pigment Red 57(Ca), C.I.Pigment
Red 57:1, C.I.Pigment Red112, C.I.Pigment Red 123,
C.I.Pigment Red 168, C.I.Pigment Red 184, C.I.Pi
gment Red 202 等が挙げられる。
【0063】シアンインクに使用される顔料としては、
C.I.Pigment Blue 1, C.I.PigmentBlue 2, C.I.Pigment
Blue 3, C.I.Pigment Blue 15:3, C.I.Pigment Blue 1
5:34, C.I.Pigment Blue 16, C.I.Pigment Blue 22, C.
I.Pigment Blue 60, C.I.Vat Blue 4 , C.I.Vat Blue 6
0 等が挙げられる。ただし、これらに限定されるもので
はない。
【0064】これらの顔料の粒径は、10μm以下が好
ましく、さらに好ましくは0.1μm以下である。
【0065】本発明の好ましい態様に依れば、これらの
顔料は前記高分子分散剤で水性媒体中に分散させて得ら
れた顔料分散液としてインクに添加されるのが好まし
い。さらに、界面活性剤を併用しても構わない。
【0066】4.水溶性有機溶媒 本発明の好ましい態様に依れば、本発明に使用するイン
ク組成物は、高沸点有機溶媒からなる湿潤剤を含んでな
ることが好ましい。高沸点溶媒の好ましい例としては、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリ
コール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコ
ール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタメチレン
グリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−
1,4−ジオール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−2,4ーペンタンジオールなどの多
価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル、トリエチレングリコールエイルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、など
の多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピ
ロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノンなどが挙げられる。これら
水溶性有機溶媒の本発明のインク組成物中の含有量は、
総量でインク組成物の10〜40重量%、より好ましく
は10〜20重量%の範囲である。
【0067】さらに、インクの乾燥時間を短くする目的
で、上記の高沸点有機溶媒に加えて、低沸点有機溶剤を
さらに添加しても構わない。用いる低沸点有機溶剤の好
ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロ
ピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブ
タノール、sec−ブタノール、tert−ブタノー
ル、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげ
られる。特に一価のアルコールが好ましい。
【0068】5.その他の添加剤 更に本発明の好ましい態様に依れば、本発明によるイン
ク組成物は、水酸化アルカリ、三級アミン、またはアン
モニアを含有してなるのが好ましい。これらの添加によ
って、長時間の保管においても色材の凝集や粘度の上昇
がなく保存安定性に優れ、また、開放状態(室温で空気
に触れている状態)で放置しても流動性と再分散性を長
時間維持し、更に、印字中もしくは印字中断後の再起動
時にノズルの目詰まりが生じることもなく吐出安定性が
高いインク組成物が得られる。
【0069】本発明によるインク組成物に添加すること
のできる水酸化アルカリは、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化リチウムであり、本発明のインク組成
物への添加量は、0.01〜5重量%であり、好ましく
は0.05〜3重量%である。
【0070】本発明によるインク組成物に添加すること
のできる三級アミンは、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールア
ミン、ジエチルエタノールアミン、トリイソプロペノー
ルアミン、ブチルジエタノールアミン等が挙げられる。
これらは、単独で使用しても併用しても構わない。これ
ら三級アミンの本発明のインク組成物への添加量は、
0.1〜10重量%、より好ましくは、0.5〜5重量
%である。
【0071】本発明のインク組成物は、さらに界面活性
剤を含有することができる。界面活性剤の例としては、
アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩
など)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン
アルキルアミドなど)および、アセチレングリコール
(オレフィンY、サーフィノール 82、104、46
5、および485(いずれもAir Products
and Chemicals Inc.製)が挙げられ
る。これらは単独使用または二種以上で併用することが
できる。
【0072】更に、本発明のインク組成物には、糖を含
有することができる。本発明のインク組成物に用いるこ
とのできる糖は、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類
および四糖類を含む)及び多糖類があげられ、好ましく
はグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、
キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン
酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロ
ビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マ
ルトトリオース、などがあげられる。ここで、多糖類と
は広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキスト
リン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む
意味に用いることとする。
【0073】また、これらの糖類の誘導体としては、前
記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式H
OCH( CHOH)CHOH(ここで、n=2
〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、ア
ルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などがあ
げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例として
はマルチトール、ソルビットなどがあげられる。
【0074】これら糖類の含有量は、インクの0.1〜
40重量%、より好ましくは1〜30重量%の範囲であ
る。
【0075】更に、本発明のインク組成物には、ポリマ
ー微粒子を含有することができる。本発明に用いられる
ポリマー微粒子は汎用のものを用いることができ、かか
るポリマー微粒子としては、アクリル系ポリマー、酢酸
ビニル系ポリマー、スチレン−ブタジエン系コポリマ
ー、アクリル−スチレン系コポリマー、ブタジエン系ポ
リマー、スチレン系ポリマーなどが挙げられる。また、
これらのポリマー微粒子の粒子径は200nm程度以下
が好ましく、より好ましくは5〜200nm程度であ
る。本発明の好ましい態様に依れば、ポリマー微粒子
は、ポリマーエマルジョンの分散粒子としてインク組成
物中に分散されてなるのが好ましい。
【0076】すなわち、本発明によるインク組成物を調
製するにあたり、ポリマー微粒子は、ポリマーエマルジ
ョンの形態で、インク組成物を構成する成分と混合され
るのが好ましい。これらのポリマー微粒子はポリマーエ
マルジョンの形態として市販されているものを使用する
ことも可能であり、例えばマイクロジェルE1002、
E−5002(スチレン−アクリル系ポリマーエマルジ
ョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001
( アクリル系ポリマーエマルジョン、大日本インキ化
学工業株式会社)ボンコート5454(スチレン−アク
リル系ポリマーエマルジョン、大日本インキ化学工業株
式会社)、SAE−1014( スチレン−アクリル系
ポリマーエマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイ
ビノールSK−200(アクリル系ポリマーエマルジョ
ン、サイデン化学株式会社製)、などが挙げられる。
【0077】本発明の好ましい態様に依れば、ポリマー
微粒子を構成するポリマーのガラス転移点が30℃以下
であるものが好ましい。このようなポリマーを用いるこ
とで本発明によるインク組成物は、常温において確実に
皮膜を形成する。
【0078】更に本発明の好ましい態様に依れば、ポリ
マー微粒子がポリマーエマルジョンの分散粒子としてイ
ンク組成物中に分散されてなる場合、ポリマーエマルジ
ョンの最低成膜温度が30℃以下であることが好まし
い。ここで、最低成膜温度とは、ポリマーエマルジョン
をアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上
げていった時に透明な連続フィルムの形成される温度を
いう。この態様に依れば、印刷物の速乾性、指触性、耐
擦性、および耐水性の向上を図ることができる。
【0079】その他、必要に応じて、pH調整剤、防腐
剤、防かび剤、りん系酸化防止剤等を添加しても良い。
【0080】本発明によるインク組成物は、前記成分を
適当な方法で分散、混合することによって製造すること
ができる。好ましくは、まず顔料と本発明の好ましい態
様に用いられる紫外線吸収能及び/又は光安定化能を有
する高分子分散剤と水を適当な分散機(例えば、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテ
ータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波
ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなど)で混
合し、均一な顔料分散液を調製する。次いで、水に水溶
性有機溶媒を加えて充分溶解させインク溶媒を調製す
る。また、必要に応じて、水酸化アルカリ、三級アミ
ン、糖、pH調節剤、防腐剤、防黴剤を添加し充分に溶
解させインク溶媒を調製する。
【0081】さらにポリマー微粒子を添加する場合は、
かかるポリマー微粒子を分散粒子とするポリマーエマル
ジョンを前記インク溶媒に添加し充分に攪拌して調製す
る。かかるインク溶媒を、適当な分散機で攪拌状態の前
記顔料分散液に徐々に滴下し、さらに充分に攪拌する。
充分に攪拌した後に、目詰まりの原因となる粗大粒子お
よび異物を除去するために、濾過を行って目的のインク
組成物を得る。
【0082】6.インクジェット記録方法 本発明のインク組成物は、インクジェット記録方法に好
ましく用いられる。本発明のインク組成物をインクジェ
ット記録用として用いた場合には、インクジェット記録
方式を用いたプリンターであれば、如何なるプリンター
においても使用することができる。例えば、プリンター
ヘッドに圧電素子を利用した圧電記録方法のプリンター
およびプリンターヘッドに発熱抵抗素子のヒーター等の
熱エネルギーを利用した熱ジェット記録方法のプリンタ
ーの何れにも使用することができる。
【0083】更に、本発明によるインク組成物は、複数
のカラーインク組成物を用いたカラーインクジェット記
録方法に好ましく用いられる。
【0084】
【実施例】<高分子分散剤1>スチレン(30g)、R
UVA−93(2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルア
クリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾ
ール)(20g)、メタクリル酸(50g)と重合開始
剤のα,α’,−アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)2gをトルエン(200g)に溶解する。混合物を
脱気したのち、窒素置換しながら、60℃で反応させ
る。反応終了後に冷却し、生成したポリマーをメタノー
ルで沈殿し、濾過してポリマー粉末を得る。
【0085】次いで、得られたポリマー粉末を脱イオン
水中に水酸化カリウムで中和し、透明な水溶液を得る。
GPCにて分子量を測定したところ、分子量は7000
であった。
【0086】<高分子分散剤2>スチレン(50g)、
メタクリル酸(50g)と重合開始剤のα,α’,−ア
ゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2gをトルエン
(200g)に溶解する。混合物を脱気したのち、窒素
置換しながら、60℃で反応させる。反応終了後に冷却
し、生成したポリマーをメタノールで沈殿し、濾過して
ポリマー粉末を得る。
【0087】次いで、得られたポリマー粉末を脱イオン
水中に水酸化カリウムで中和し、透明な水溶液を得る。
GPCにて分子量を測定したところ、分子量は7000
であった。
【0088】<ポリマーエマルジョン1>攪拌機、還流
冷却器、滴下装置および温度計と窒素導入管を備えた反
応容器に、蒸留水200ml、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.6gを仕込み、窒素雰囲気中で、攪
拌しながら70℃まで加温し、さらに過硫酸カリウム2
gを添加した。一方、ブチルアクリレート40g、スチ
レン50g、アクリル酸5g、t−ドデシルメルカプタ
ン0.10gとを混合溶解して、これを前記反応容器中
に滴下する。さらに、70℃で6時間反応させた後、常
温まで冷却し、中和剤としてアンモニア水を添加してP
Hを調製し、10μmのフィルターで濾過して、ポリマ
ー微粒子を分散粒子とするポリマーエマルジョンを得
る。
【0089】<ポリマーエマルジョンのガラス転移点
(Tg)及び最低成膜温度(MFT)の測定)> (ガラス転移点の測定)前記ポリマーエマルジョンの水
分を乾燥させて得られたフィルムを示差走査熱量測定装
置(DSC)にて昇温速度10℃/minで測定した。
【0090】(最低成膜温度の測定)最低成膜温度測定
装置をセットし、アルミニウム製の試料板上の温度勾配
が平衡に達したところで、試料の前記ポリマーエマルジ
ョンを薄く延ばして乾燥させた。乾燥終了後に試料板上
を観察すると、最低成膜温度以上の温度領域では透明な
連続フィルムが形成されるが、最低成膜温度以下の温度
領域では白色粉末状となる。この境界の温度を最低成膜
温度として測定した。
【0091】 <評価試験> <評価1:耐光性> (印字方法)セイコーエプソン製インクジェットプリン
ターMJ8000Cを用いて、イエローインク1〜6を
普通紙Xerox 4024、Xerox P及びインク
ジェット専用紙(セイコーエプソン(株)製)に100
%dutyで印字し、3cm×3cmのベタ画像を得
る。 (実施例1)上記の印字方法でイェローインク1を用い
て得られた記録物。 (実施例2)上記の印字方法でイェローインク2を用い
て得られた記録物。 (実施例3)上記の印字方法でイェローインク3を用い
て得られた記録物。 (比較例1)上記の印字方法でイェローインク4を用い
て得られた記録物。 (比較例2)上記の印字方法でイェローインク5を用い
て得られた記録物。 (比較例3)上記の印字方法でイェローインク6を用い
て得られた記録物。
【0092】(評価方法)上記の方法で得られたベタ画
像の記録物をキセノンフェードメーターを用い600時
間の暴露試験を行い、ベタ画像部分の暴露前の色と暴露
後の色を、Macbeth CE−7000分光光度計
(Macbeth製)で測定し、CIEで規定されるL
色差表示法で示し、ベタ画像部分の暴露前後
の色変化を次式で求める色差で表わす。
【0093】色差:ΔE ab=[(ΔL+(Δ
+(Δb1/2 以下の基準で評価した。 また、ベタ画像部分の暴露前の色濃度と暴露後の色濃度
を、Macbeth濃度計TR927(Macbeth
製)で測定し、ベタ画像部分の暴露前後の色濃度変化を
以下の基準で評価する。
【0094】評価結果は次に示される通りである。
【0095】
【表1】
【0096】<評価2 耐擦性試験(耐ラインマーカー
性)>評価1で印字した記録物を24時間常温で乾燥さ
せた後に、ゼブラ社水性蛍光ペン ZEBRA PEN2
(商標)を用いて、かかる記録物の印刷文字を筆圧4.
9×10N/mで擦り、汚れの有無を目視で観察
し、次のように評価する。 2回擦っても全く汚れが生じない。 :○ 1回の擦りでは汚れが生じる。 :× この評価結果は、次の表に示されるとおりである。
【0097】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA02 BA52 BA53 BA55 BA59 BA60 4J039 AB01 AB02 AB07 AB11 AD01 AD02 AD03 AD04 AD05 AD06 AD08 AD09 AD10 AD11 AD12 AD14 AD15 AD17 AD22 AD23 AE04 AE06 AE07 AE08 AF07 BA04 BA13 BA14 BA17 BA29 BA35 BA37 BC07 BC08 BC09 BC10 BC11 BC12 BC14 BC15 BC17 BC19 BC20 BC33 BC34 BC35 BC39 BC47 BC50 BC51 BC54 BC63 BE01 BE12 BE22 CA06 DA02 EA15 EA16 EA17 EA35 EA36 EA38 GA24

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料を200〜400nmの紫外域に吸
    収を有する高分子分散剤で分散せしめた顔料分散液と水
    と水溶性有機溶媒とを少なくとも含んでなることを特徴
    とする水性インク組成物。
  2. 【請求項2】 顔料を紫外線吸収能及び/又は光安定化
    能を有する高分子分散剤で分散せしめた顔料分散液と水
    と水溶性有機溶媒とを少なくとも含んでなることを特徴
    とする水性インク組成物。
  3. 【請求項3】 前記高分子分散剤が、構造中に疎水性基
    と親水性基と、紫外線吸収能及び/又は光安定化能を有
    する部位とを有することを特徴とする請求項1ならびに
    請求項2記載の水性インク組成物。
  4. 【請求項4】 前記紫外線吸収能及び/又は光安定化能
    を有する部位が、芳香族単環炭化水素基、縮合多環芳香
    族炭化水素基、複素単環基、縮合複素環基からなる群か
    ら選択されるものである、請求項3記載の水性インク組
    成物。
  5. 【請求項5】 前記紫外線吸収能及び/又は光安定化能
    を有する部位が、ベンゾフェノン骨格、ベンゾトリアゾ
    ール骨格、ヒンダードフェノール骨格、サリチレート骨
    格、シアノアクリレート骨格、ヒンダードアミン骨格か
    らなる群から選択されるものである、請求項3記載の水
    性インク組成物。
  6. 【請求項6】 前記高分子分散剤が、平均分子量が10
    00〜50000であることを特徴とする請求項3記載
    の水性インク組成物。
  7. 【請求項7】 前記高分子分散剤が、ランダム共重合
    体、ブロック共重合体、グラフト共重合体からなる群か
    ら選択されるものであることを特徴とする請求項3記載
    の水性インク組成物。
  8. 【請求項8】 前記高分子分散剤の親水基がカルボキシ
    ル基、スルホン酸基、燐酸基、アミド基、アミノ基から
    なる群から選択されるものである、請求項3記載の水性
    インク組成物。
  9. 【請求項9】 前記高分子分散剤の疎水基がアルキル
    基、置換アルキル基、芳香族単環炭化水素基、縮合多環
    芳香族炭化水素基、複素単環基、縮合複素環基からなる
    群から選択されるものである、請求項3記載の水性イン
    ク組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1もしくは請求項2記載の水性
    インク組成物において、粒子径が5〜200nmである
    ポリマー微粒子を少なくとも含んでなる水性インク組成
    物。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のポリマー微粒子が、
    最低成膜温度が30℃以下であるポリマーエマルジョン
    の分散粒子である水性インク組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の水性インク組成物により記録された記録物。
  13. 【請求項13】 インクジェット記録ヘッドのインク吐
    出孔からインクの液滴を吐出し、記録媒体に付着させて
    画像を形成するインクジェット記録方法において、かか
    るインクとして請求項1〜11記載のいずれか一項記載
    の水性インク組成物を用いることを特徴とするインクジ
    ェット記録方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜11記載のいずれか一項記
    載の水性インク組成物と、請求項13記載のインクジェ
    ット記録方法によって記録された、インクジェット記録
    物。
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