JP2003207948A - 乾式トナー及び画像形成方法 - Google Patents

乾式トナー及び画像形成方法

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JP2003207948A JP2002007829A JP2002007829A JP2003207948A JP 2003207948 A JP2003207948 A JP 2003207948A JP 2002007829 A JP2002007829 A JP 2002007829A JP 2002007829 A JP2002007829 A JP 2002007829A JP 2003207948 A JP2003207948 A JP 2003207948A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて良好な帯電特性と定着特性を有し、画
像形成装置とのマッチングに優れた乾式トナーを提供す
ることにある。 【解決手段】 少なくとも結着樹脂、ワックス成分、及
び下記構造式(1)で示されるモノアゾ系着色剤を含有
するトナー粒子と外部添加剤を含有する乾式トナーであ
って、 【化1】 該トナー1gを25mlのメタノールに溶解又は分散さ
せた後、ポアサイズが45nmのフィルターで濾別する
ことにより得られるメタノール溶液又は分散液におい
て、500〜600nmの領域に現れる着色剤由来の最
大吸収ピークが示す透過率が70〜98%であることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は電子写真法、静電記
録法、磁気記録法、トナージェット法に用いられる乾式
トナーに関する。更には、該トナーを用いた画像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルフルカラー複写機やプリ
ンターが実用化され、解像力,階調性はもとより色むら
のない色再現性に優れた高画質画像が得られるようにな
ってきた。
【0003】カラートナーの中でも、マゼンタトナー
は、肌色を再現するのに重要であり、さらに、人物像に
おける肌の色調はハーフトーンであることから、優れた
現像性も要求される。
【0004】従来、電子写真方式には熱可塑性樹脂と共
に着色剤である顔料と帯電制御剤などとを混練し粉砕し
たトナーが一般に用いられている。この場合、特にマゼ
ンタトナーにおいては、着色剤である顔料が分散されに
くいため、分散粒子が光を散乱させ、トナーの透明性を
低下させるという問題を生じやすかった。このため、複
数のカラートナーを重ね合わせて形成した多色画像の色
再現性が劣り、またオーバーヘッドプロジェクター(O
HP)用の透明シートに転写・定着して形成した画像の
投影画像は、暗く、彩度が低くなるという欠点を有して
いた。さらにマゼンタトナーにおいては、着色度が低
い、あるいは色調が理想的なマゼンタ色とはならない等
の欠点があった。
【0005】これらの問題に対しては、主にマゼンタト
ナーに用いる顔料や染料の改良、顔料や染料の併用によ
る改良が提案されている。例えば特開平1−22477
7号公報には、キナクリドン系顔料及びキサンテン系染
料を併用することにより鮮明なマゼンタ色のトナーが得
られ、耐光性が向上することが開示されている。また特
開平2−13968号公報には、キナクリドン系顔料及
びメチン系顔料を併用することにより定着ローラーを汚
染することなく鮮明なカラー画像が得られることが開示
されている。
【0006】しかしながら、これらの提案おいて、確か
に鮮明性、高着色力、透明性において改善は見られたも
のの、トナー表面に存在する着色剤に由来した、摩擦帯
電性の悪化により、現像性や転写性の低下が見られた
り、定着特性の低下が見られた。
【0007】更に、トナーの流動特性、帯電特性等を改
善する目的でトナー粒子に外部添加剤(すなわち、外添
剤)として無機微粉末を添加する方法が提案され、広く
用いられている。
【0008】例えば、特開平5−66608号公報、特
開平4−9860号公報等に疎水化処理を施した無機微
粉末あるいは疎水化処理した後さらにシリコーンオイル
等で処理した無機微粉末を添加する方法、または特開昭
61−249059号公報、特開平4−264453号
公報、特開平5−346682号公報に疎水化処理した
無機微粉末とシリコーンオイル処理した無機微粉末とを
併用添加する方法が開示されている。
【0009】また、外部添加剤として現像剤に導電性微
粉末を添加する方法は数多く提案されている。例えば、
導電性微粉末としてのカーボンブラックは、トナーに導
電性を付与するために、またはトナーの過剰な帯電を抑
制しトリボ分布を均一化させるため等の目的で、トナー
粒子表面に付着または固着するための外部添加剤として
用いられることが広く知られている。また、特開昭57
−151952号公報、特開昭59−168458号公
報、特開昭60−69660号公報には、高抵抗磁性ト
ナーに酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタンの導電性微粉末
をそれぞれ外部添加することが開示されている。また、
特開昭56−142540号公報では、高抵抗磁性トナ
ーに酸化鉄、鉄粉、フェライトの如き導電性磁性粒子を
添加し、導電性磁性粒子に磁性トナーへの電荷誘導を促
進させることで現像性と転写性を両立する現像剤が提案
されている。更に、特開昭61−275864号公報、
特開昭62−258472号公報、特開昭61−141
452号公報、特開平02−120865号公報では、
トナーにグラファイト、マグネタイト、ポリピロール導
電性粒子、ポリアニリン導電性粒子を添加することが開
示されているほか、多種多様な導電性微粉末をトナーに
添加することが知られている。
【0010】しかし何れの場合も、トナー表面近傍に存
在する着色剤と外部添加剤との相互作用や定着性につい
て言及されていない。
【0011】摩擦帯電特性を改良する方法としては、荷
電制御剤をトナーに添加する方法が広く知られている。
荷電制御剤としては、負帯電性のものとして、モノアゾ
染料の金属錯塩、サリチル酸の金属錯塩、ナフトエ酸の
金属錯塩、ジカルボン酸の金属錯塩、銅フタロシアニン
顔料等が挙げられる。上記の荷電制御剤の多くは、電荷
付与能力としては十分に高いものが多いが、制御性に乏
しいため、使用し得る結着樹脂や他の材料に制限があっ
た。
【0012】一方、特開昭63−184762号公報で
は、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸を構成モ
ノマーとして有する荷電制御樹脂を含有するトナー、ま
た、特開平8−123096号公報では、該荷電制御樹
脂と特定のモノアゾ染料のFe錯塩を併用し、且つ、該
モノアゾ染料のFe錯塩のトナー中の存在比を規定した
トナーに関する技術が開示されている。しかしながら、
該荷電制御樹脂は結着樹脂に対する分散性が良好である
ため、前者の場合には効率良く荷電制御能力を発揮する
には添加量を増やす必要を生じた。また、後者の場合、
該モノアゾ染料のFe錯塩のトナー中の存在比を規定す
ることにより画像形成装置とのマッチングがある程度改
善されるが、トナーの帯電性自身については使用環境の
影響に対して改善の余地があるばかりか、有彩色の荷電
制御剤を用いることを必須としているため、カラー用ト
ナーへの適応を非常に困難なものとしている。
【0013】一方、定着特性を改善する目的でトナー中
に離型剤としてワックスを含有させることは広く知られ
ている。例えば特公昭52−3304号公報、特公昭5
2−3305号公報、特開昭57−52574号公報等
に技術が提案されている。
【0014】特開平3−50559号公報、特開平2−
79860号公報、特開平1−109359号公報、特
開昭62−14166号公報、特開昭61−27355
4号公報、特開昭61−94062号公報、特開昭61
−138259号公報、特開昭60−252361号公
報、特開昭60−252360号公報、特開昭60−2
17366号公報などにワックス類を含有させることが
提案されている。
【0015】ワックス類は、トナーの低温時や高温時の
トナーの耐オフセット性の向上や、低温時の定着性の向
上のために用いられているが反面、耐ブロッキング性を
悪化させたり、複写機等の昇温などによって熱にさらさ
れると現像性が悪化したり、また長期トナーを放置した
際にワックスがトナー表面にマイグレーションして現像
性が悪化したりする。
【0016】従来のトナーでは、これらの面をすべて満
足するものは無く、何らかの問題点が生じていた。例え
ば、耐高温オフセット性や現像性は優れているが低温定
着性が今一歩であったり、耐低温オフセットや低温定着
性には優れているが、耐ブロッキング性にやや劣り、機
内昇温で現像性が低下するなどの弊害があったり、低温
時と高温時の耐オフセット性が両立できなかったり、O
HP透明性が極度に悪かったりしていた。
【0017】特にOHPの透明性に関しては、ワックス
自身の結晶化を抑制するために、結晶化核剤等をワック
スに添加する提案(特開平4−149559号公報、特
開平4−107467号公報)や、ワックス自身の結晶
化度の小さいワックスを使用する提案(特開平3−09
1108号公報、特開平3−242397号公報)や、
バインダーとの相溶性が良好で、バインダーより溶融粘
度が低い物質をバインダー中に添加することにより、定
着後のトナー層の表面平滑性を良好にする提案が特開平
3−212652号公報などでされている。
【0018】しかしながら、これらは、いずれもOHP
の透明性やヘーズ(曇価)の点から十分に満足されるも
のではない。
【0019】また、トナー画像を定着工程に関しても、
多数枚のプリントアウトにより、トナーは現像機内でス
トレスを受けるため、トナー表面の特性が大きく変化す
る。トナーの表面の変化に伴い、定着特性が大きく低下
する傾向があり、定着特性に対しても多数枚のプリント
アウトに対して安定したトナーが待望されている。
【0020】上記問題点を解決させるためにハード面か
らの対策も要求される。定着装置には、一般には回転加
熱部材としての加熱ローラーと、回転加圧部材としての
加圧ローラー(以下、両者を合わせて定着ローラーと称
す)とを用いた熱ローラー方式の加熱定着手段が用いら
れているが、画像形成をより高速で行う場合には、高い
加圧力を加えながら、瞬時に多くの熱エネルギーを必要
とする。このため、定着装置の大型化や起動時の予熱時
間が長く必要になるといった好ましくない事態を生じて
いる。これらの観点より、上記の如き画像形成装置に用
いられるトナーには、加熱時に高いシャープメルト性を
呈することが好ましい。また、この様なトナーは低温定
着性だけでなく、フルカラー画像形成時の混色性にも優
れるため、得られる定着画像の色再現範囲を広げること
も可能となっている。
【0021】しかしながら、上記の如きトナーは、一般
に定着ローラーとの親和性が高いため、定着時に定着ロ
ーラー表面に転移するオフセット現象を生じ易い傾向に
あり、特に、転写材上にイエロートナー、マゼンタトナ
ー、シアントナー及びブラックトナーによる複数のトナ
ー層が形成されるカラー画像形成時には顕著に発生す
る。
【0022】これに対し、定着ローラー表面にトナーを
付着させない目的で、例えば、定着ローラーの表面材質
にシリコーンゴムやフッ素系樹脂の如きトナーに対して
離型性の優れた材料を用いた上で、更にオフセット現象
と定着ローラー表面の劣化を防止することを目的として
オフセット防止用液体の薄膜で定着ローラー表面を被覆
することが行なわれている。
【0023】しかしながら、上記の如き方法はオフセッ
ト現象を防止する点では極めて有効であるものの、
(1)オフセット防止用液体を供給するための装置が必
要なため、定着装置が複雑になり、小型で安価な画像形
成装置を設計する上での阻害因子となっている;(2)
塗布したオフセット防止用液体が加熱時に定着ローラー
中に滲み込み、定着ローラーを構成している各層間の剥
離を誘発し、結果的に定着ローラーの寿命を短かくして
しまう;(3)得られる定着画像にオフセット防止用液
体が付着するため、ベタ付き感を生じたり、特にプレゼ
ンテーション用としてオーバーヘッドプロジェクターに
利用されるトランスペアレンシーフィルムを転写材とし
た場合には透明性が損なわれるため、所望の色再現性が
得られない;(4)オフセット防止用液体が画像形成装
置内を汚染する、等の弊害を生じてしまう。
【0024】近年、現像装置自体の小型・軽量化という
観点で一成分現像方式が好適に用いられている。一成分
現像方式の中でも半導電性の現像ローラーまたは、表面
に誘電層を形成した現像ローラーを用いて感光体表面層
に押し当てる構成にて現像を行う一成分接触現像方法が
広く提案されている。例えば、Japan Hardc
opy ’89論文集 25〜28頁、FUJITSU
Sci.Tech.J.,284,pp.473−4
80(December 1992)、特開平5−18
8765号公報及び特開平5−188752号公報に一
成分接触現像に関する技術が記載されている。
【0025】一成分接触現像方法においては、感光体表
面と現像電極が接触しているため、現像のエッジ効果を
低減できるなどの利点がある。
【0026】エッジ効果をより効果的に防止するため
に、トナー担持体を感光体に押し当て、更に感光体表面
移動速度よりもトナー担持体表面移動速度を速くする
と、感光体の静電荷潜像に対し、トナー担持体上のトナ
ーが容易に感光体に移行し、静電荷潜像に非常に忠実な
エッジ効果のないトナー像を得ることが可能である。
【0027】一成分接触現像方法は上記のようなメリッ
トがあるものの、感光体表面とトナー担持体表面が接触
しているため、トナー担持体表面に存在するトナーにか
かるストレスは大きい。従って、多数枚のプリントアウ
トを行うと、感光体表面やトナー担持体へのトナー融着
を生じたり、トナーとの摩擦による傷が発生し、電子写
真画像への悪影響を与える場合がある。感光体表面移動
速度とトナー担持体表面移動速度の差が大きくなるほど
この傾向は顕著である。
【0028】感光体のクリーニング工程については、従
来ブレードクリーニング,ファーブラシクリーニング,
ローラークリーニング等の手段が用いられていた。該手
段は力学的に感光体上の転写残トナーを掻き落とすか、
またはせき止めて廃トナー容器へと転写残トナーを捕集
するものであった。よって、このような手段を構成する
部材が感光体表面に押し当てられることに起因し、問題
が生じやすかった。例えば、クリーニング部材を強く押
し当てることにより感光体表面が摩耗される。
【0029】従来、特開平5−2287号公報に記載さ
れているように、現像同時クリーニング又はクリーナー
レスと呼ばれた技術は、転写残トナーの影響によるトナ
ー像上のポジメモリ,ネガメモリなどに焦点を当てたも
のであった。しかし、電子写真の利用が進んでいる今
日、様々な転写材に対してトナー像を転写する必要性が
でてきており、この意味で従来技術は様々な転写材に対
し満足するものではなかった。
【0030】さらには、クリーナーレスに関連する技術
の提案を行っている特開昭59−133573号公報、
特開昭62−203182号公報、特開昭63−133
179号公報、特開昭64−20587号公報、特開平
2−302772号公報、特開平5−2289号公報、
特開平5−53482号公報、特開平5−61383号
公報においてはクリーナーレスに好適に使用されるトナ
ーの表面硬さとの関係について言及されていない。
【0031】また、トナーをキャリアと混合した二成分
系現像剤を使用する現像方法は、高画質を要求されるフ
ルカラー複写機又はプリンタに好適に用いられている。
【0032】この現像方法においては、キャリアは摩擦
帯電により適当量の正又は負の帯電量をトナーに付与
し、また、該摩擦帯電の静電引力により、その表面にト
ナーを担持する。
【0033】トナーとキャリアを有する現像剤は、磁石
を内包する現像スリーブ上に現像剤層厚規制部材により
所定の層厚にコートされ、磁気力を利用することによっ
て、感光体と該現像スリーブとの間に形成される現像領
域に搬送される。
【0034】感光体と現像スリーブとの間には、ある所
定の現像バイアス電圧が印加されており、上記トナー
は、該現像領域において、上記感光体上に現像される。
【0035】上記キャリアに対して要求される特性は種
々あるが、特に重要な特性として適当な帯電性、印加電
界に対する耐圧性、耐衝撃性、耐摩耗性、耐スペント
性、現像性等が挙げられる。
【0036】例えば、現像剤を長期使用した場合には、
キャリアの表面にスペントトナーと呼ばれる現像に寄与
せぬトナーが融着し、トナーフィルミングが起こり、そ
の結果、現像剤の劣化と、それに伴う現像画像の画像劣
化が生じる。
【0037】一般に、キャリアの真比重が大きすぎる
と、現像剤を上記現像剤層厚規制部材で現像スリーブ上
に所定の層厚にする際に、或いは、現像器内での現像剤
の撹拌の際に現像剤にかかる負荷が大きくなり、現像剤
の長期使用において、(a)トナーフィルミング、
(b)キャリア破壊、(c)トナーの劣化が生じ易くな
る。その結果、現像剤の劣化と、それに伴う現像画像の
画質劣化が生じ易くなる。
【0038】また、キャリアの粒径が大きくなると、上
記と同様に現像剤にかかる負荷が大きくなる為に、上記
(a)〜(c)が生じ易くなり、その結果、現像剤の劣
化が生じ易くなる。また、(d)現像画像の細線再現性
が低下しやすい。
【0039】従って、上記(a)〜(c)が生じ易いキ
ャリアにおいては、定期的に現像剤を交換する手数を要
し、かつ、不経済である為に、現像剤にかかる負荷を減
少させるか、或いは、キャリアの耐衝撃性、耐スペント
性を改良することにより、上記(a)〜(c)を防止し
現像剤寿命を延ばすことが好ましい。
【0040】キャリアの粒径を小さくすると、(e)静
電荷像担持体にキャリアが付着しやすくなる。また、ト
ナー粒径が一定でキャリアのみの粒径を小さくする場合
には、(f)トナーの帯電量分布が広がり、特に低湿環
境下における現像の際に帯電が高くなりすぎる(チャー
ジアップ)トナーが非画像部へ飛翔して、カブリが発生
しやすくなる。
【0041】上記(a)〜(f)の課題を解決するため
のキャリアとして、磁性微粒子分散型樹脂キャリアが挙
げられる。このキャリアは、粒子に形状的な歪みが少な
く、粒子強度が高い球状にすることが比較的容易であ
り、流動性に優れている。更に粒子サイズも広範囲に制
御できることから、現像スリーブ又はスリーブ内の磁石
の回転数が大きい高速複写機や高速レーザービームプリ
ンタ等に適している。
【0042】磁性微粒子分散型樹脂キャリアは、特開昭
54−66134号公報、特開昭61−9659号公報
に提案がなされている。しかしながら、上記磁性粒子キ
ャリアは、磁性体を多量に含有せしめない場合には、そ
の粒径に対して、飽和磁化が小さく、現像時に静電荷像
担持体上にキャリア付着が生じやすく、現像剤の補充、
或いは、付着キャリアの回収機構を画像形成装置内に具
備する必要がある場合がある。
【0043】また、磁性微粒子分散型樹脂キャリアにお
いて、磁性体を多量に含有せしめた場合には、結着樹脂
に対して磁性体の量が増加するために耐衝撃性が弱くな
り、現像剤を上記現像剤層厚規制部材でスリーブ上に所
定の層厚にする際に、キャリアからの磁性体の欠落が生
じ易く、結果として、現像剤の劣化が生じ易くなる。
【0044】また、上記磁性微粒子分散型樹脂キャリア
において、磁性体を多量に含有せしめた場合には、比抵
抗の低い磁性体の量が増加する為にキャリアの比抵抗が
下がり、その結果、現像時に印加するバイアス電圧のリ
ークによる画像不良が生じ易くなる。
【0045】特開昭58−21750号公報に、キャリ
アコアを樹脂で被覆する技術が提案されている。樹脂に
より被覆されたキャリアは、耐スペント性、耐衝撃性、
印加電圧に対する耐圧性を改良することができる。ま
た、被覆する樹脂の帯電特性によりトナーの帯電特性を
制御することが可能である為、被覆する樹脂を選択する
ことによりトナーに所望の帯電電荷を付与することがで
きる。
【0046】しかしながら、上記樹脂被覆キャリアにお
いても、被覆樹脂の量が多くキャリアの比抵抗が高い場
合には、低湿環境下でトナーのチャージアップ現象が生
じ易くなる。また、被覆樹脂の量が少ない場合には、キ
ャリアの比抵抗が低くなりすぎる為に、現像バイアス電
圧のリークによる画像不良が生じ易い。
【0047】また、被覆樹脂によっては、該樹脂で被覆
されたキャリアの比抵抗が測定上適正比抵抗と考えられ
るものでも、現像バイアス電圧のリークによる画像不良
が生じ易い、或いは、低湿環境下でのチャージアップ現
象が生じ易いものもある。
【0048】また、耐表面汚染性、耐衝撃性、帯電の環
境依存性、帯電の立上がり性及び電荷交換性等を改良し
たキャリアとして、特開平4−198946号公報に
は、磁性芯材粒子表面にアミノシランカップリング剤を
処理し、それと反応し得る官能基を有する樹脂からなる
被覆層を有する磁性キャリアが記載され、特開平7−1
0452号公報、特開平10−39547号公報、特開
平10−39589号公報等には、シランカップリング
剤を含有するシリコーン樹脂被覆層を設けた磁性キャリ
ア等が記載されている。しかしながら、上記公報では、
シランカップリング剤の反応性を制御することが難し
く、結果として、残存官能基、未反応物の影響等で、帯
電特性が変動しやすく、更には抵抗も制御しにくくな
り、環境変動が少なく、十分な帯電性を安定してトナー
に付与するには課題を残している。更に提案されている
現像剤においては、被覆樹脂の密着強度が十分でなく、
トナー消費量の多い大画像面積を多数枚プリントアウト
した場合には、被覆樹脂の欠落が起こりやすく、トナー
の帯電量が変化しやすい。
【0049】この様に、今日求められる厳しい品質上の
要求、例えば多数枚のプリントアウトを行っても、画像
濃度が安定し、カブリ、転写性も良好で、更には定着性
が良好で安定しているトナー及びそれにマッチングした
画像形成方法が待望されている。
【0050】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の問題点を解決した乾式トナー及び画像形成
方法を提供することにある。
【0051】すなわち本発明の目的は、画像濃度が安定
し、カブリが少ない乾式トナー及び画像形成方法を提供
することにある。
【0052】また、本発明の目的は、転写性に優れ、転
写残トナーが少ない乾式トナー及び画像形成方法を提供
することにある。
【0053】さらに本発明の目的は定着温度において低
温から高温にわたって定着性に優れ、定着温度のラチチ
ュードが十分に広く、且つ、多数枚のプリントアウトを
行っても安定した定着性能を示す乾式トナー及び画像形
成方法を提供することにある。
【0054】さらに本発明の目的は、一成分方式による
現像に適した乾式トナー及び画像形成方法を提供するこ
とにある。
【0055】さらに本発明の目的は、二成分方式による
現像に適した乾式トナー及び画像形成方法を提供するこ
とにある。
【0056】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも結
着樹脂、ワックス成分、及び下記構造式(1)で示され
るモノアゾ系着色剤を含有するトナー粒子と外部添加剤
を含有する乾式トナーであって、
【0057】
【化3】
【0058】該トナー1gを25mlのメタノールに溶
解又は分散させた後、ポアサイズが45nmのフィルタ
ーで濾別することにより得られるメタノール溶液又は分
散液において、500〜600nmの領域に現れる着色
剤由来の最大吸収ピークが示す透過率が70〜98%で
あることを特徴とする乾式トナーに関する。
【0059】更には、本発明は、少なくとも(a)静電
潜像を担持するための像担持体を帯電する帯電工程;
(b)帯電された像担持体に露光によって静電潜像を形
成する露光工程;(c)該静電潜像をトナー担持体の表
面に担持されているトナーによって現像し、トナー像を
形成する現像工程;及び(d)該像担持体の表面に形成
されたトナー像を中間転写体を介して、又は介さずに転
写材に転写する転写工程;(e)転写材に転写されたト
ナー像を加熱加圧することにより、転写材にトナー像を
固着させる定着工程;を有する画像形成方法において、
前記加熱加圧手段は、(i)少なくとも加熱体を有する
回転過熱部材と、該回転加熱部材と相互厚接してニップ
部を形成する回転加圧部材とを有し、(ii)転写材上
のトナー画像との接触面に塗布されるオフセット防止用
液体の消費量が0〜0.025mg/cm2(転写材の
単位表面積基準)に設定されており、(iii)前記ニ
ップ部で転写材上のトナー画像を加熱加圧するものであ
り、少なくとも結着樹脂、ワックス成分、及び下記構造
式(1)で示されるモノアゾ系着色剤を含有するトナー
粒子と外部添加剤を含有する乾式トナーであって、
【0060】
【化4】
【0061】該トナー1gを25mlのメタノールに溶
解又は分散させた後、ポアサイズが45nmのフィルタ
ーで濾別することにより得られるメタノール溶液又は分
散液において、500〜600nmの領域に現れる着色
剤由来の最大吸収ピークが示す透過率が70〜98%で
あることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0062】
【発明の実施の形態】本発明者らは、鋭意検討の結果、
特定の着色剤を含有するトナーにおいて、該トナーから
抽出される着色剤の含有量を透過率で特定することによ
り、極めて良好な帯電特性と定着特性を有し、画像形成
装置とのマッチングに優れたトナーを発明するに至っ
た。
【0063】まずトナーについて説明する。
【0064】本発明に用いられる着色剤としては、色
彩、耐光性、透明性、現像性、転写性の観点から、下記
構造式(1)で示される顔料組成物であることが好まし
い。
【0065】
【化5】 (式中、R5〜R8は、−H、−Cl、−CH3、−OC
3、−OC25、−NO 2、又は−NHCOCH3から
選ばれる置換基を示す。) R2=−H、−Cl、−CH3、−OCH3、−NO2、−
COOCH33=−H、−Cl、−CH3、−NO2、−CONH2 −SO2NHCH3、−NHCOC654=−H、−Cl、−NO2、−SO2OC64NO2
−SO2OC64CO2CH3、−SO2N(C252
−CONHC65、−CONHC64−CONH2、−
CONHC63Cl2、−CONH2、−SO2CH26
5、−OCH3、−CH3
【0066】上記構造式で示される顔料組成物のなかで
も耐光性や色彩の観点から、C.I.Pigment
Red 5、C.I.Pigment Red 31、
C.I.Pigment Red 146、C.I.P
igment Red 147、C.I.Pigmen
t Red 150、C.I.Pigment Red
184、又はC.I.Pigment Red 26
9 (それぞれカラーインデックス第4版記載の名称に
よる)の群から選ばれることがより好ましい。
【0067】また、本発明のトナーに用いる着色剤は本
発明のトナー用顔料組成物を単独で用いても良いし、必
要に応じて、他の着色剤と併用しても良い。併用できる
着色剤としては、従来公知の着色剤が併用できるが、例
えばキナクリドン系着色剤、チオインジゴ系着色剤、キ
サンテン系着色剤、ペリレン系着色剤、ジケトピロロピ
ロール系着色剤等が挙げられる。
【0068】更に、着色剤はロジン化合物で処理されて
いてもよく、着色剤を好ましく処理できるロジン化合物
としては、トール油ロジン酸、ガムロジン酸、ロッドロ
ジン酸等の天然ロジン酸、水添ロジン酸、不均一化ロジ
ン酸、重合ロジン酸等の変性ロジン酸、スチレンアクリ
ルロジン酸等の合成ロジン、更には、上記ロジン酸のア
ルカリ金属やエステル化合物を挙げることができる。
【0069】上記の如きロジン酸化合物により、着色剤
を処理する方法としては、(1)ロジン酸化合物と着色
剤を乾式混合した後、必要に応じて溶融混練等の熱処理
を施す乾式混合法、(2)着色剤製造時の着色剤の合成
溶液中にロジン酸のアルカリ水溶液を加えた後、カルシ
ウム、バリウム、ストロンチウム、又はマンガン等のレ
ーキ金属塩を添加し、ロジン酸を不溶化することで着色
剤表面に被服処理を施す湿式処理法、等が挙げられる。
【0070】本発明のトナーに用いられる着色剤にはロ
ジン化合物を着色剤に対して、1〜40質量%、好まし
くは5〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%添
加すると良い。ロジン化合物の添加量が1質量%未満で
は、着色剤の分散効果が発現せず、40質量%を超える
と、トナーの帯電特性に悪影響を与える。
【0071】更に本発明のトナーは、該トナー1gを2
5mlのメタノールに溶解又は分散させた後、ポアサイ
ズが45nmのフィルターで濾別することにより得られ
るメタノール溶液又は分散液において、500〜600
nmの領域に現れる着色剤由来の最大吸収ピークが示す
透過率が70〜98%であることが必須であり、より好
ましくは85〜98%である。
【0072】本発明のトナーにおいて、上記着色剤を添
加することによりトナー中の着色剤が存在している部分
は適度な硬さを持つ。その理由は必ずしも明らかではな
いが、トナー中に存在する着色剤はバインダーの一部と
弱い分子間の結合を形成しており、着色剤自身が架橋剤
として働いているものと考えられる。すなわち、メタノ
ールで抽出される着色剤の溶液又は分散液が98%を超
えるときは、着色剤はトナー表面に殆ど存在しないこと
を表し、トナー表面は着色剤による適度な硬さを得るこ
とができない。そのため、十分な摩擦帯電を得られなか
ったり、多数枚のプリントアウトを行うとトナー表面の
外部添加剤が埋没したりして画像濃度の低下やカブリを
引き起こす。更には定着工程において高温側で容易にオ
フセットを生じやすくなる。
【0073】またメタノールの溶液又は分散液が70%
未満の場合、着色剤がトナー表面に偏在していることを
表し、トナーの表面が硬くなりすぎる。そのため、摩擦
帯電が強く働きすぎ、チャージアップを引き起こした
り、多数枚のプリントアウトを行うとトナー表面の着色
剤の影響による帯電不良のため、画像濃度の低下やカブ
リなどを引き起こす。更には定着工程において低温側で
容易にオフセットを生じやすくなる。また後述する二成
分現像法において、キャリアとの摩擦帯電により、キャ
リア表面が着色剤で汚染され、帯電不良を起こす。
【0074】メタノールで抽出される着色剤の溶液又は
分散液の透過率が上記条件を満足するためには、例えば
トナーを懸濁重合のような水系媒体中で製造する場合、
(1)水系媒体中のpH(2)後述するスルホン酸基を
有する重合体中の(メタ)アクリルアミド系モノマーの
共重合比(3)後述するワックス成分の添加量及び融点
によって決定される。
【0075】本発明において、メタノールで抽出される
着色剤の溶液又は分散液の透過率は以下の方法によって
測定した。
【0076】100mlの三角フラスコに、メタノール
25gとトナー1gを秤量して加え、スターラーを用い
て50rpmで撹拌し、均一に分散させる。1時間トナ
ーの分散処理を行った後、メンブランフィルター(ポア
サイズ:0.45μm)を用いて濾過し、得られた濾液
の吸収スペクトルを分光光度計により測定し、500〜
600nmでの吸光度の最小値を求める。なお、吸光度
の値は、800nmでの吸光度を100%とした時の値
である。
【0077】本発明のトナーは外部添加剤を含有させる
ことは、現像性、転写性、帯電安定性、流動性及び耐久
性向上のために必須である。
【0078】本発明のトナーにおいて、外部添加剤の含
有量は0.5〜4質量%であることが好ましい。
【0079】外部添加剤の含有量が0.5質量%未満の
場合、流動性が低下し転写性が悪化しやすく、含有量が
4質量%を超えると外添剤の遊離により、カブリが悪化
する。
【0080】更に外部添加剤は、少なくとも平均一次粒
径が1〜25nmである微粉状無機微粒子と、一次粒子
又は二次粒子の状態で存在している平均長径が30〜4
00nmの粗粉状粒子の2種類以上で構成されているこ
とが好ましい。
【0081】一般にトナーは、多数枚のプリントアウト
中に大きなストレスがかかり、トナー表面の比較的平均
一次粒径が小さい微粉状無機微粉体は埋没する傾向があ
る。しかし本発明のトナーは、前述したようにトナー表
面近傍に適量の着色剤が存在し、適度な硬さを保持して
いるので、微粉状無機微粉体が埋没するのを抑制するこ
とができる。更には、トナー表面近傍の着色剤の極性基
と微粉体との間に相互作用が存在しており、トナーから
外部添加剤が遊離しにくく、多数枚のプリントアウトを
行ってもトナーの帯電不良の悪化を抑制することができ
る。また、適量の粗粉状粒子の存在も、微粉状無機微粉
体が埋没するのを抑制する働きがある。
【0082】本発明のトナーにおいて、微粉状無機微粉
体の平均一次粒径が1nm未満の場合、粗粉状粒子が存
在していても、埋没しやすくなり、25nmを超えると
流動性としての効果が発現しなくなる。また微粉状無機
微粉体はメタノール濡れ性が90%以上になるようにシ
リコーンオイル又は/及びシリコーンワニスにより、メ
タノール濡れ性が90%以上になるように疎水化処理さ
れていることが好ましい。メタノール濡れ性が90%未
満の場合、吸湿に伴うトナーの帯電性の低下が発生す
る。
【0083】本発明に係る該微粉状無機微粉体としては
公知のものが使用可能であるが、シリカ、アルミナ、チ
タニアあるいはその複酸化物の中から選ばれることが好
ましい。中でも、シリカであることがより好ましい。か
かるとしては、シリカは硅素ハロゲン化物やアルコキシ
ドの蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒ
ュームドシリカと称される乾式シリカ及びアルコキシ
ド、水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両
者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部に
あるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 2-等の
製造残渣の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式
シリカにおいては、製造工程において例えば、塩化アル
ミニウム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物を硅素
ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他
の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能でありそれ
らも包含する。
【0084】粗粉状粒子は平均長径が30〜400nm
であることが好ましい。平均長径が30nm未満の場
合、微粉状無機微粉体の埋没を抑制することが出来ず、
400nmを超えると粗粉状粒子自体が遊離気味となっ
て、多数枚のプリントアウトを行うと、カブリが発生し
やすくなる。
【0085】本発明に係る粗粉状粒子としては、シリ
カ、アルミナ、チタニアあるいはその複酸化物の他、有
機微粒子を用いることも可能であり、スチレンやアクリ
ル酸等のビニル基を持つモノマーを水系媒体中で乳化重
合やソープフリー重合によって製造することができる。
粗粉状粒子についてもメタノール濡れ性が75〜95%
となるように疎水化処理されていることが好ましい。メ
タノール濡れ性が75%未満の場合、同様に吸湿に伴う
トナーの帯電性の低下が発生し、95%を超えるとチャ
ージアップに伴うトナーの帯電性の悪化が起こる。
【0086】微粉状無機粒子と粗粉状粒子は7:1〜
1:3の割合でトナー中に含有されていることが好まし
い。この範囲の割合で微粉状無機粒子と粗粉状粒子が存
在している時、微粉状無機微粉体が埋没するのを最も効
果的に抑制することができる。
【0087】本発明のトナーにおいては、実質的な悪影
響を与えない範囲内で更に他の添加剤、例えばポリフッ
化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビ
ニリデン粉末の如き滑剤粉末;酸化セリウム粉末、炭化
硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;
例えば酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末の如き流
動性付与剤;ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボ
ンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導
電性付与剤、また、逆極性の有機微粒子及び無機微粒子
を現像性向上剤として少量用いることもできる。
【0088】本発明のトナーにスルホン酸基を有する重
合体を含有させることは、好ましい実施形態の一つであ
る。
【0089】本発明者の知見によれば、トナー表面に最
適に顔料が存在し、且つ、スルホン酸基を有する重合体
を含有させることによって、トナーの帯電特性と画像形
成装置とのマッチングが著しく改善される。これらの理
由については必ずしも明らかではないが、トナー粒子表
面では、粒子表面に存在するスルホン酸基を有する重合
体の荷電制御効果によって、トナー粒子への帯電付与と
逆電荷保持の防止が行われると共に、トナー表面に適度
に存在する着色剤と相互的に作用するためトナー表面は
適度な硬さと極性基を有しトナー粒子に好ましい帯電特
性を付与することができるので、トナー粒子に迅速で均
一な帯電特性を付与することが可能となる。更に、定着
においても着色剤とスルホン酸基を有する重合体が共存
し、トナー表面は良好な硬さとなっているため、多数枚
のプリントアウトを行っても、トナーの表面状態は変化
することなく、低温側から高温側にわたって安定した定
着性を示すことが可能になった。
【0090】上記の如き効果は、トナー粒子表面にスル
ホン酸基を有する重合体を容易に存在させることが可能
である懸濁重合法を利用して製造されたトナーにおいて
顕著である。また、この場合、該重合体がトナー粒子表
面に偏在したとしても、本発明の着色剤を共存させるこ
とで、トナーの帯電や画像形成装置とのマッチングに関
わる問題を未然に防ぐことができる。
【0091】本発明に好ましく用いられるスルホン酸基
を有する重合体としては、側鎖にスルホン酸基を有する
高分子型化合物等が挙げられ、特にスルホン酸基含有モ
ノマーを共重合比で1〜10質量%含有し、ガラス転移
温度(Tg)が40〜90℃のスチレン及び/又はスチ
レン(メタ)アクリル酸エステル共重合体であり、且
つ、ピーク分子量(Mp)が5000〜50000から
なる高分子型化合物を用いた場合、好ましい帯電特性を
享受することができる。モノマー比が1質量%未満の場
合、トナー中の着色剤はトナーの内部の方へ偏在する傾
向があり、トナーの表面が柔らかくなりやすい。また1
0質量%を超えると、着色剤はトナーの表面の方へ偏在
しやすくなり、トナー表面が硬くなりやすい。またスル
ホン酸基を有する重合体のガラス転移温度及びピーク分
子量が上記条件から外れると、帯電悪化に伴うカブリが
発生しやすくなる。
【0092】例えばトナーを懸濁重合法で製造する場
合、スルホン酸基を有する重合体として、(メタ)アク
リルアミド系モノマーを適度に含有する共重合はトナー
表面の着色剤の存在量を容易に制御することが可能であ
る。
【0093】上記のスルホン酸基含有(メタ)アクリル
アミド系モノマーとしては、下記一般式で表せるものが
好ましく、具体的には、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパン酸(AMPS)や2−メタクリルアミド−2
−メチルプロパン酸等が挙げられる。
【0094】
【化6】 X=H、アルカリ金属、アルカリ土類金属 [上記一般式中、R1は水素原子、又はメチル基を示
し、R1とR3は、それぞれ水素原子、C1〜C10のアル
キル基、アルケニル基、アリール基、又はアルコキシ基
を示し、nは1〜10の整数を示す。]
【0095】本発明に係るスルホン酸基を含有する重合
体は、トナー製造時にアルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属を含有する無機化合物を添加することによっ
て、スルホン酸基の部分に塩構造が形成されるので、特
に上記の如きスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド
系モノマーを用いた高分子型化合物の場合、分子内での
スルホベタイン構造の生成が抑制され、水和を防止しな
がら本発明の着色剤との相互作用を確保することができ
るので、環境変動に対するトナーの帯電性が一層良好な
ものとなる。特に、懸濁重合法によってトナーを製造す
る際、後述するようなアルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属を含有する分散安定剤を用いると、スルホン酸
基との塩構造を容易に形成することができるので好まし
い。
【0096】上記の如きスルホン酸基と塩構造を形成し
得るアルカリ金属、もしくはアルカリ土類金属として
は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、バリウム、ベリリウム、マグネシウム等が挙げら
れ、中でもカルシウムが好ましい。
【0097】本発明のトナーにはワックス成分の添加量
に応じても、トナー表面の顔料の存在量を制御すること
が可能である。例えばトナーを懸濁重合のような水系媒
体中で製造する場合、ワックス成分の含有量が少ないと
着色剤は水との相互作用により、内部の方へ偏在し、ワ
ックス成分が多いと着色剤は表面の方へ偏在する。
【0098】本発明に用いられるワックスはトナーに対
して5〜18質量%含有されていることが好ましい。含
有量が5質量%未満の場合、定着時の離型性が低下し、
また着色剤がトナーの中心付近に偏在しすぎることに伴
う弊害が生じる。また、18質量%を超える場合は着色
剤がトナー表面に偏在しすぎることに伴う弊害が生じ
る。
【0099】本発明に用いられるワックス成分として
は、「ASTM D3418−82」に準じて測定され
たDSC曲線における主体吸熱ピーク温度(融点)が5
5〜95℃の範囲にある化合物が好ましい。
【0100】さらに、本発明のトナーは上記ワックス成
分と共に、融点が97〜120℃のワックス成分を併用
することで高温オフセットも未然に防ぐことが可能であ
る。
【0101】上記の如き熱特性を呈するワックス成分を
用いることにより、トナー表面の着色剤の存在量も良好
なものとなる。更には、得られるトナーは、該ワックス
成分による離型効果が効率良く発現され、十分な定着温
度領域が確保されると共に、従来から知られるワックス
成分による現像性、耐ブロッキング性や画像形成装置へ
の悪影響を排除することができる。特に、トナーの粒子
形状が球形化するに従い、トナーの比表面積は減少して
いくので、ワックス成分の熱特性と分散状態を制御する
ことは非常に効果的なものとなる。
【0102】ワックス成分の主体吸熱ピーク温度(融
点)の測定には、例えば「DSC−7」(パーキンエル
マー社製)を用いる。装置検出部の温度補正にはイリジ
ウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはイリジ
ウムの融解熱を用いる。測定に際しては、測定サンプル
をアルミニウム製パンに入れたものと、対照用にアルミ
ニウム製パンのみのもの(空パン)をセットし、20〜
180℃の測定領域を昇温速度10℃/minで昇温し
た時に得られるDSC曲線から主体吸熱ピーク温度(融
点)が求められる。なお、ワックス成分のみを測定する
場合には、測定時と同一条件で昇温−高温を行って前履
歴を取り除いた後に測定を開始する。また、トナー中に
含まれた状態のワックス成分を測定する場合には、前履
歴を取り除く操作を行わず、そのままの状態で測定を行
なう。
【0103】更に、本発明で用いるワックス成分は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により
測定された分子量分布において、数平均分子量(Mn)
が200〜2000、重量平均分子量(Mw)が400
〜3000、更にMw/Mnが3.0以下であるものを
使用することが好ましい。ワックス成分の数平均分子量
が200未満、或いは重量平均分子量が400未満であ
ると低分子量成分の比率が多くなり、結果としてトナー
の帯電性や画像形成装置とのマッチングに問題を生じる
ため、好ましくない。また、ワックス成分の数平均分子
量が2000を超える場合、或いは重量平均分子量が3
000を超える場合には、定着画像表面を適度に平滑化
させることが困難となり、混色性低下の点から好ましく
なく、また、重合法によりトナー粒子を得る場合におい
ては、水系分散媒体中で造粒・重合を行なうため、主に
造粒中にワックス成分が析出してくるので好ましくな
い。
【0104】本発明において、ワックス成分の分子量分
布は以下の条件で測定される。
【0105】<GPC測定条件> 装置:GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:GMH−HT(東ソ−社製)の2連 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:濃度0.15質量%の試料を0.4ml注入 以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単
分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲
線を使用し、Mark−Houwink粘度式から導き
出される換算式でポリエチレン換算することによって求
めた。
【0106】本発明に用いられるトナーの結着樹脂とし
ては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アク
リル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチ
レン−ブタジェン共重合体が挙げられる。重合法により
直接トナー粒子を得る方法においては、それらを形成す
るための単量体が用いられる。具体的にはスチレン;o
−(m−,p−)メチルスチレン、m−(p−)エチル
スチレンの如きスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸
メチル,(メタ)アクリル酸エチル,アクリル酸プロピ
ル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オ
クチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリ
ル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチル
アミノエチルの如き(メタ)アクリル酸エステル系単量
体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メ
タ)アクリロニトリル,アクリル酸アミドの如きエン系
単量体が好ましく用いられる。これらは、単独、また
は、一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版II
I−P139〜192(John Wiley&Son
s社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40
〜75℃を示すように単量体を適宜混合して用いられ
る。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合にはトナー
の保存安定性や耐久安定性の面から問題が生じやすく、
一方75℃を超える場合はトナーの定着点の上昇をもた
らす。
【0107】さらに、本発明においては、トナー粒子の
機械的強度を高めるために結着樹脂の合成時に架橋剤を
用いることが好ましい。
【0108】本発明のトナーに用いられる架橋剤として
は、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス
(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、
エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコール#200、#400、#600の各
ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエ
ステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び
上記のジアクリレートをジメタクリレートに代えたもの
が挙げられる。
【0109】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスト
ールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエ
ステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−
ビズ(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プ
ロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート及びトリアリルトリメ
リテートが挙げられる。
【0110】これらの架橋剤は、前記単量体100質量
部に対して、好ましくは0.05〜10質量部、より好
ましくは0.1〜5質量部用いることが良い。
【0111】本発明においては、上述の結着樹脂と共に
ポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂の如き極性を
有する樹脂(以下、「極性樹脂」と称す)を併用するこ
とができる。トナー中に極性樹脂を添加することによっ
て、トナー中の着色剤の含有状態を上述の如き特定の状
態に制御することが容易となる。
【0112】例えば、後述する懸濁重合法により直接ト
ナーを製造する場合には、分散工程から重合工程に至る
重合反応時に上記の如き極性樹脂を添加すると、トナー
粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈する
極性のバランスに応じて、添加した極性樹脂がトナー粒
子の表面に薄層を形成したり、トナー粒子表面から中心
に向け傾斜性をもって存在するように制御することがで
きる。この時、着色剤との相互作用を有するような極性
樹脂を用いることによって、トナー中への着色剤の存在
状態を望ましい形態にすることが可能である。特に酸価
が1〜20mgKOH/gを呈する極性樹脂を用いると
着色剤の存在状態を制御することが容易となる。
【0113】上記極性樹脂の添加量は、結着樹脂100
質量部に対して1〜25質量部使用するのが好ましく、
より好ましくは2〜15質量部である。1質量部未満で
はトナー粒子中での極性樹脂の存在状態が不均一となり
やすく、逆に25質量部を超えるとトナー粒子表面に形
成される極性樹脂の薄層が厚くなるため、何れの場合も
着色剤の含有状態を制御するのが困難になり、その機能
を十分に発現することができない。
【0114】係る極性樹脂として用いられる代表的なポ
リエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0115】ポリエステル樹脂のアルコール成分として
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジール、2,3−
ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル
1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、
下記(ア)式で表わされるビスフェノール誘導体及び下
記(イ)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0116】
【化7】 (式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x及び
yはそれぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値
は2〜10である。)
【0117】
【化8】
【0118】また、極性樹脂として反応性ポリエステル
樹脂やポリカーボネート樹脂を用いた場合には、トナー
の帯電特性が向上し、画像カブリや飛び散りが改善され
ると共に、ドット再現性に優れる高品位な画像を得るこ
とができる。また、トナー粒子に適度な機械的強度を付
与することが可能となり、画像形成装置から受けるトナ
ー劣化の影響を最小限にとどめ、多数枚のプリントアウ
トに対する耐久性や後述する画像形成装置とのマッチン
グも向上する。更には、トナーの形状分布を達成するた
めのトナーの球形化処理や重合法によってトナーを直接
製造する際の乾燥処理等のトナー製造工程から受ける影
響を最小限とすることができる。また、極性樹脂は2種
類以上を組み合わせて用いることも可能で、それ自身の
有する帯電性を利用することもできる。
【0119】本発明に係わる反応性ポリエステルとは、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、
マレイン酸、コハク酸、セバシン酸、チオジグリコール
酸、ジグリコール酸、マロン酸、グルタン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、しょうのう酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸の如き多塩基酸
と;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、
1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフ
ェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの
如き多価アルコール類とを縮合重合したものであって、
得られた縮合重合体の主鎖又は側鎖に反応性基を有する
ものである。反応性基としては、カルボン酸(又はその
塩)、スルホン酸(又はその塩)、エチレンイミノ酸、
エポキシ基、イソシアネート基、二重結合、酸無水物、
ハロゲン原子が挙げられ、この反応性ポリエステル樹脂
をお互いに反応させて、あるいは多官能性の架橋剤(例
えば多価アルコール、多塩基酸など)と反応させて、さ
らに反応性ポリエステルとビニル系単量体を反応(例え
ばエステル化、共重合など)させてTHF不溶分を得る
ことができる。例えば重合法によりトナーを得る場合に
は、反応性ポリエステル樹脂として不飽和ポリエステル
樹脂を用い、これとビニル系単量体(必要に応じてジビ
ニルベンゼン等の架橋剤も含む)を共重合する。この場
合には、極性を有する不飽和ポリエステル樹脂は、重合
の進行と共にトナー表面付近に移行し、トナー粒子の表
面に薄層を形成するため、耐ブロッキング性や耐オフセ
ット性が特に優れたトナーを得ることが可能である。
【0120】本発明で使用できる反応性ポリエステル樹
脂は、前述の如き反応性基を含有していればどんなもの
でも使用可能であるが、あまり分子量が低すぎると架橋
反応にあずからないポリエステル樹脂がトナー表面に存
在してしまうことがあり、耐ブロッキング性が低下する
ことがある。逆に、あまり高分子量であると、例えば重
合法によりトナーを得る場合には、ビニル系単量体への
該反応性ポリエステル樹脂の溶解が困難となるため、製
造が困難となる。従って、反応性ポリエステル樹脂の重
量平均分子量は、3,000〜100,000程度が特
に性能の優れたトナーを得るのに好適である。
【0121】本発明には、スルホン酸基を有する重合体
と共に公知の荷電制御剤を併用することができ、特に帯
電スピードが速く、且つ、一定の帯電量を安定して維持
できる荷電制御剤が好ましい。更に、トナー粒子を直接
重合法を用いて製造する場合には、重合阻害性が無く水
系分散媒体への可溶化物の無い荷電制御剤が好ましい。
具体的化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチ
ル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボ
ン酸の金属化合物;カルボン酸基を側鎖に持つ高分子型
化合物;ホウ素化合物;尿素化合物;ケイ素化合物;カ
リークスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤とし
て、四級アンモニウム塩;該四級アンモニウム塩を側鎖
に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;イミダゾ
ール化合物が挙げられる。
【0122】しかしながら、本発明において荷電制御剤
の添加は必須ではない。例えば二成分現像方法を用いた
場合においては、キャリアとの摩擦帯電を利用し、ま
た、一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合
においては、ブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電
を積極的に利用することでトナー粒子中に必ずしも荷電
制御剤を含む必要はない。
【0123】本発明のトナーの製造方法において、懸濁
重合法で製造する場合、水系分散媒体に添加する分散剤
としては、公知の無機系及び有機系の分散剤を用いるこ
とができる。具体的には、無機系の分散剤としては、例
えば、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン
酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸
カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミ
ナが挙げられる。また、有機系の分散剤としては、例え
ば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロー
ス、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、
デンプンを用いることができる。
【0124】また、市販のノニオン、アニオン、カチオ
ン型の界面活性剤の利用も可能である。例えば、ドデシ
ル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペン
タデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オ
レイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリ
ン酸カリウム、オレイン酸カルシウムを用いることがで
きる。
【0125】本発明のトナーの製造方法においては、無
機系の難水溶性の分散剤が好ましく、しかも酸に可溶性
である難水溶性無機分散剤を用いるとよい。また、本発
明においては、難水溶性無機分散剤を用い、水系分散媒
体を調製する場合に、これらの分散剤が重合性ビニル系
単量体100質量部に対して、0.2〜2.0質量部と
なるような割合で使用することが好ましい。また、本発
明においては、重合性単量体組成物100質量部に対し
て100〜3,000質量部の水を用いて水系分散媒体
を調製することが好ましい。
【0126】本発明において、上記したような難水溶性
無機分散剤が分散された水系分散媒体を調製する場合に
は、市販の分散剤をそのまま用いて分散させてもよい
が、細かい均一な粒度を有する分散剤粒子を得るため
に、水等の液媒体中で、高速撹拌下、上記したような難
水溶性無機分散剤を生成させて調製してもよい。例え
ば、リン酸三カルシウムを分散剤として使用する場合、
高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム
水溶液を混合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成す
ることで、好ましい分散剤を得ることができる。
【0127】また、本発明のトナーを懸濁重合法で製造
する場合、用いる重合開始剤としては、具体的には、
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,
1,−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2、2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの
如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオ
キシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロ
ピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロ
イルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いら
れる。これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合
度により変化するが、一般的には、重合性ビニル系単量
体100質量部に対して5〜20質量部用いられる。重
合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時
間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
【0128】重合性単量体組成物中には、重合度を制御
するため、公知の架橋剤、連鎖移動剤及び重合禁止剤等
を更に添加し用いてもよい。これらの添加剤は、前記重
合性単量体組成物中に予め添加しておくこともできる
し、また、必要に応じて、重合反応の途中で適宜に添加
することもできる。
【0129】次に本発明に好適に用いられる画像形成方
法について説明する。
【0130】本発明の画像形成方法において「加熱加圧
手段」とは、転写材上のトナー画像を加熱加圧定着して
定着画像を形成するものであり、前記加熱加圧手段は、
(i)少なくとも加熱体を有する回転加熱部材と、該回
転加熱部材と相互圧接してニップ部を形成する回転加圧
部材とを有し、(ii)転写材上のトナー画像との接触
面に塗布されるオフセット防止用液体の消費量が0〜
0.025mg/cm2(転写材の単位面積基準)に設
定されており、(iii)前記ニップ部で転写材を挟持
搬送しながら、前記回転加熱部材と回転加圧部材によっ
て転写材上のトナー画像を加熱加圧するものである。
【0131】加熱定着手段の一部を構成する「回転加熱
部材」とは、転写材上のトナー画像を定着するための熱
を付与するためのものであって、後述する(i)熱ロー
ラー方式の加熱加圧手段に用いられ、トナー画像に熱を
付与する為の加熱体を内部に有する円筒状部材;(i
i)フィルム方式の加熱加圧手段に用いられ、トナー画
像に熱を付与する為の支持体に固定支持させた加熱体を
内部に有し、該加熱体に圧接されながら移動駆動する円
筒状の耐熱性エンドレスフィルム状部材;(iii)電
磁誘導方式の加熱加圧手段に用いられ、内部に磁界発生
手段を有し、該磁界発生手段の作用で電磁誘導発熱する
ことによってトナー画像に熱を付与する為の発熱層を有
する円筒状の耐熱性エンドレスフィルム状部材、等であ
る。
【0132】また、「回転加圧部材」とは、前記回転加
熱部材と相互圧接してニップ部を形成し、該ニップ部で
転写材を挟持搬送しながら転写材上のトナー画像を加熱
加圧するものである。
【0133】本発明の画像形成方法において、転写材上
のトナー画像との接触面に塗布されるオフセット防止用
液体の消費量は0〜0.025mg/cm2(転写材の
単位面積基準)で、より好ましくは、オフセット防止用
液体が全く塗布されない状態に設定される。これによっ
て上記の如きオフセット防止用液体に起因する問題点を
未然に解決することができると共に、後述するトナーを
用いることで上記の如き加熱加圧手段の性能を長期にわ
たって維持し、優れた定着画像を得ることが可能とな
る。
【0134】オフセット防止用液体の消費量の測定に
は、対象となる加熱加圧手段の最大通紙域に対応した一
般事務用再生紙(再生パルプの配合率≧70%)を用
い、該再生紙を100枚分通紙した際に消費されるオフ
セット防止用液体の質量(mg)を、用いた再生紙の総
面積(cm2)で除した値(mg/cm2)をもって定義
される。
【0135】本発明に係るオフセット防止用液体として
は、−15℃から300℃近くまで液状を保ち、離型性
に優れるものが用いられる。具体的には、ジメチルシリ
コーンオイルやメチル基の一部分を他の置換基に置き換
えた変性シリコーン、及びこれらを混合したものや界面
活性剤を少量添加したもの等が挙げられ、100〜10
000cStのものが好ましく用いられる。
【0136】上記の如きオフセット防止用液体の定着ロ
ーラーへの塗布方法としては、従来公知の方法が用いら
れ、塗布フェルト、フェルトパット、フェルトローラ
ー、ウェブ、ポアフロンロッド等に染み込ませて塗布す
る方法やオイルパン、汲み上げローラー等により直接塗
布する方法が挙げられる。
【0137】本発明の画像形成方法に用いられる好適な
加熱加圧手段を添付図面を参照しながら説明する。
【0138】図1は、加熱体を内部に有する円筒状の加
熱ローラーを回転加熱部材とし、該加熱ローラーの表面
に、定着残余のトナーを除去する為のクリーニング部材
と転写材の巻き付き防止用の分離部材が配設されていな
い、熱ローラー方式の加熱加圧手段の一例の概略図であ
る。
【0139】ヒーター11aの如き加熱体を内部に有す
る円筒状の加熱ローラー11からなる回転加熱部材と、
回転加圧部材としての円筒状の加圧ローラー12とは、
相互圧接してニップ部を形成し、作動時には各々は矢印
の方向に回転する。
【0140】未定着トナーTをトナー画像として担持し
た被加熱材としての転写材Pは、搬送ベルト13によっ
て図面右方(上流側)より搬送され、加熱ローラー11
と加圧ローラー12とのニップ部で転写材Pを挟持搬送
しながら加熱加圧することによって、転写材P上に定着
画像を形成し、図面左方(下流側)に排出される。
【0141】また、本発明に係る加熱加圧手段では、図
2(a)や(b)に示したような、転写材Pを加熱ロー
ラー11や加圧ローラー12から分離する為の分離爪1
4aや14bを有さない。
【0142】さらに、図2(a)に図示したような、加
熱ローラー11の表面の定着残余のトナーを除去しなが
らオフセット防止用液体の塗布を行うことを目的とした
ブラシ状繊維を円筒状に植設したクリーニングローラー
15や、オフセット防止用液体を含浸させたフェルト状
オイルパッド16、更には、図2(b)に図示したよう
な、オフセット防止用液体を含浸させたクリーニングロ
ーラー17を配設した場合には、転写材に対するオフセ
ット防止用液体の消費量が0〜0.025mg/cm2
の範囲となるように設定される。
【0143】従来、オフセット防止用液体は加熱ローラ
ーや加圧ローラーの表面保護の役割も兼ねている為、オ
フセット防止用液体の消費量を上記の如き範囲に設定し
た場合には、その役割が十分なものとならず、長期使用
によって加熱ローラー11や加圧ローラー12の表面に
生じる傷や削れ、更にはそれらに起因する離型性の低下
等を生じ易い。このような状態の加熱加圧手段では、加
熱ローラーや加圧ローラーへの転写材の巻き付き現象が
発生し易く、上記の如き分離爪を排除した場合には重大
な問題を生じるが、本発明のトナーを用いることによっ
て上記の如き加熱加圧手段に対する負荷が軽減され、長
期にわたって優れた定着画像を得ることが可能となる。
【0144】本発明に係る加熱加圧手段に用いられる加
熱ローラー11には、例えば、厚み2〜5mm程度のア
ルミニウムのパイプを芯金とし、この外周面に厚み20
0〜500μmのシリコーンゴム、或はフッ素ゴムをコ
ーティングしたもの等が用いられる。
【0145】また、加圧ローラー12としては、例え
ば、直径10mmのSUSのパイプを芯金とし、その外
周面にシリコーンゴムを厚み3mm程度で被覆したもの
が用いられる。
【0146】加熱ローラー11の内部に設けられたヒー
ター11aには、ハロゲンランプなどの管状発熱ヒータ
ーが用いられ、所定の電圧が印加されることによって発
熱し、その輻射熱によって加熱ローラー11が加熱され
る。この際、加熱ローラー11やそれに圧接する加圧ロ
ーラー12は比較的緩やかに加熱されていくものの、一
般にそれらの熱容量は大きい為、長時間にわたって加熱
される場合が多く、加熱ローラー11や加圧ローラー1
2は熱劣化を受け易い。特に、再生紙を使用したり、オ
フセット防止用液体の塗布量が少ない場合には、加熱ロ
ーラー11や加圧ローラー12に傷や削れが発生し易い
ので、熱劣化が促進され、ローラー表面の離型性の低下
に起因する問題を生じる。しかし、本発明のトナーを用
いることによって上記の如き加熱加圧手段に対する負荷
が軽減され、長期にわたって優れた定着画像を得ること
が可能となる。
【0147】図3(a)は、支持体に固定支持させた加
熱体を内部に有し、該加熱体に圧接されながら移動駆動
する円筒状の耐熱性エンドレスフィルムを回転加熱部材
とし、該エンドレスフィルムを介してトナー画像を加熱
加圧するフィルム方式の加熱加圧手段の一例の分解斜視
図であり、図3(b)は、上記加熱加圧手段の要部の拡
大横断面図である。
【0148】支持体に固定支持させた加熱体31を内部
に有する円筒状の耐熱性エンドレスフィルム32からな
る回転加熱部材と、耐熱性エンドレスフィルム32を介
して回転加圧部材としての円筒状の加圧ローラー33と
は、相互圧接してニップ部を形成すると共に、作動時に
は矢印の方向に回転し、トナー画像を担持した被加熱体
としての転写材を耐熱性エンドレスフィルム32に密着
させて加熱体31に圧接し、耐熱性エンドレスフィルム
32と共に移動駆動させる。
【0149】固定支持された低熱容量線状加熱体31
は、ヒータ基板31a、通電発熱抵抗体(発熱体)31
b、表面保護層31c及び検温素子31d等よりなる。
【0150】ヒータ基板31aには、耐熱性、絶縁性、
低熱容量及び高熱伝導性を呈する部材が好ましく、例え
ば、厚み1mm,巾10mmで、長さ240mmのアル
ミナ基板である。
【0151】発熱体31bは、ヒータ基板31aの下面
(フィルム32との対面側)の略中央部に長手に沿っ
て、例えば、Ag−Pd(銀パラジウム)、Ta2N,
RuO2等の電気抵抗材料を厚み約10μm,巾1〜3
mmの線状又は細帯状にスクリーン印刷等により塗工
し、その上に表面保護層31cとして耐熱ガラスを約1
0μmコートしたものである。
【0152】検温素子31dは、例えば、ヒータ基板3
1aの上面(発熱体31bを設けた面とは反対側面)の
略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させた
Pt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。尚、低熱容量
のサーミスタ等による代用も可能である。
【0153】加熱体31は、発熱体31bに対して画像
形成スタート信号により所定のタイミングにて通電する
ことで発熱体31bを略全長にわたって発熱させる。
【0154】通電はAC100Vであり、検温素子31
cの検知温度に応じてトライアックを含む通電制御回路
(不図示)により通電する位相角を制御することにより
供給電力を制御している。
【0155】加熱体31は、ヒータ基板31a、発熱体
31b及び表面保護層31cの熱容量が小さいので、発
熱体31bへの通電によって加熱体31の表面が所望の
定着温度まで急速に温度上昇したり、未使用時には室温
付近まで急冷する為、耐熱性エンドレスフィルム32や
回転加圧部材としての加圧ローラー33に与える熱衝撃
は大きく、離型性のものとなっているが、本発明のトナ
ーを用いることによって上記の如き加熱加圧手段に対す
る負荷を軽減し、長期にわたって優れた定着画像を得る
ことが可能となる。
【0156】回転加熱部材と回転加圧部材との間に位置
する円筒状の耐熱性エンドレスフィルム32には、耐熱
性、強度確保、耐久性及び低熱容量の観点から、厚さ2
0〜100μmの単層、或いは複合層からなる耐熱性シ
ートであることが好ましく、例えば、ポリイミド、ポリ
エーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルホン(P
ES)、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体樹脂(PFA)、ポリエーテルエー
テルケトン(PEEK)、ポリパラバン酸(PPA)、
或いは複合層フィルム、例えば、厚さ20μmのポリイ
ミドフィルムの少なくともトナー画像当接面側に4フッ
化エチレン樹脂(PTFE)、PAF、FEP等のフッ
素樹脂やシリコーン樹脂等、更にはそれにカーボンブラ
ック、グラファイト、導電性ウイスカ等の導電材を添加
した離型性コート層を厚み10μmに施したもの等が好
ましい。
【0157】また、回転加圧部材である加圧ローラー3
3は、上記の如き耐熱性エンドレスフィルム32を移動
駆動させる為の駆動ローラーを兼ねているので、トナー
等に対する離型性に優れるだけでなく、耐熱性エンドレ
スフィルム32との密着性を有することが好ましく、例
えば、シリコーンゴム等のゴム弾性体が用いられる。上
述したように加圧ローラー33に加わる熱衝撃は大き
く、長期使用による加圧ローラー33の表面劣化は上記
の如き加熱加圧手段の駆動機能そのものにも影響を及ぼ
すが、本発明のトナーを用いることによって上記の如き
加熱加圧手段に対する負荷を軽減し、長期にわたって優
れた定着画像を得ることが可能となる。
【0158】図4は、内部に磁界発生手段を有し、該磁
界発生手段の作用で電磁誘導発熱する発熱層を有する円
筒状の耐熱性エンドレスフィルムからなる回転加熱部材
を有する電磁誘導方式の加熱加圧手段の一例の模式図で
ある。
【0159】内部に、励磁コイル40、励磁コイル40
が巻き付けられるコイル芯材(磁性体)42、及び励磁
コイル40を支持しながら耐熱性エンドレスフィルム4
7の走行をガイドする滑板43からなる磁界発生手段を
有し、該磁界発生手段に圧接されながら移動駆動する円
筒状の耐熱性エンドレスフィルム47からなる回転加熱
部材と、耐熱性エンドレスフィルム47を介して回転加
圧部材としての円筒状の加圧ローラー48とは相互圧接
してニップ部Nを形成すると共に、作動時には矢印の方
向に回転し、トナー画像Tを担持した被加熱体としての
転写材Pを耐熱性エンドレスフィルム47に密着させて
磁界発生手段に圧接し、耐熱性エンドレスフィルム47
と共に移動駆動させる。
【0160】この時、上記磁界発生手段によって発生す
る磁界は、励磁回路(不図示)から10〜500kHz
の周波数の交番電流が印加されることによって励磁コイ
ル40の周囲に矢印で示した磁束Hが生成・消滅を繰り
返す。この変動する磁界中を移動する耐熱性エンドレス
フィルム47中の導電層(誘導磁性材)47bには、電
磁誘導によってその磁界の変化を少なくするように矢印
で示したような渦電流Aが発生する。この渦電流は導電
層の表皮抵抗によってジュール熱に変換され、結果的に
耐熱性エンドレスフィルム47中の導電層が発熱層とな
る。このように耐熱性エンドレスフィルム47の表層近
くが直接発熱するので、フィルム基層の熱伝導率、熱容
量、及び耐熱性エンドレスフィルムの厚さにも依存しな
い急速加熱が実現できる。
【0161】トナー画像Tを担持した被加熱体としての
転写材Pは、耐熱性エンドレスフィルム47に密着して
ニップ部Nを通過することによって、転写材P上に定着
画像を得ることができる。
【0162】本発明に係る加熱加圧手段に用いられる円
筒状の耐熱性エンドレスフィルム47は、少なくともフ
ィルム基層47a、導電層47b、及び表面層47cの
3層からなるものが好ましく用いられ、例えば、厚み1
0〜100μmのポリイミド等の耐熱性樹脂をフィルム
基層47aとし、その基層47aの外周面上(被加熱体
圧接面側)に導電層47bを、例えばNi,Cu,Cr
等の金属を厚み1〜100μmでメッキ等の処理によっ
て形成している。更にその導電層47bの自由面に、例
えば、PFAやPTFE等のトナー離型の良好な耐熱性
樹脂を混合、又は単独で被覆して表面層47cを形成し
たものである。また、フィルム基層47aに導電層の役
割を持たせ2層構成としてもよい。
【0163】コイル芯材42は、例えば、フェライトパ
ーマロイ等の高透磁率で残留磁束密度の低いもので形成
されている。残留磁束密度の低い材質をコイル芯材42
に用いることで、芯材自身に発生する過電流を抑制する
ことができるので、コイル芯材42からの発熱がなくな
り効率が上がる。また、高透磁率の材質を用いることに
よって、コイル芯材42が磁束Hの通り道になり、外部
への磁束漏れを可能な限り抑えることができる。
【0164】励磁コイル40は、導線(電線)として一
本ずつが各々絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねた
もの(束線)を用い、これを複数回巻いたもので構成さ
れる。また、励磁コイルパターンをガラス入りエポキシ
樹脂(汎用電気基板)やセラミック等の非磁性体の基板
平面上に多層印刷したシートコイル基板を用いてもよ
い。
【0165】滑板43は、液晶ポリマーやフェノール等
の耐熱樹脂で構成され、耐熱性エンドレスフィルム47
との対向面には耐熱性エンドレスフィルム47との摩擦
抵抗を減少させる為に、例えば、PFAやPTFE等の
樹脂コート、もしくは滑り性に富むガラスコートが施さ
れている。
【0166】加圧ローラ48は、芯金の周囲にシリコー
ンゴムやフッ素ゴム等を巻いて構成される。この加圧ロ
ーラ48は、軸受手段と付勢手段(いずれも不図示)に
より所定の押圧力Fをもって耐熱性エンドレスフィルム
47を介して滑板43の下面に圧接させて配設してあ
り、滑板43との間に耐熱性エンドレスフィルム47を
挟持しながらニップ部Nを形成する。
【0167】ニップ部Nでは、磁界発生手段によって発
生する磁界が集中している為、電磁誘導発熱によって耐
熱性エンドレスフィルム47の表層付近が急速に直接発
熱する。この結果、耐熱性エンドレスフィルム47の表
面や加圧ローラー48には大きな熱衝撃が与えられ、ト
ナー等に対する離型性や耐熱性エンドレスフィルム47
との密着性が低下することになるが、本発明のトナーを
用いることによって上記の如き加熱加圧手段に対する負
荷を軽減し、長期にわたって優れた定着画像を得ること
が可能となる。
【0168】次に本発明の画像形成方法において、一成
分現像について説明する。
【0169】まず、帯電工程について説明する。
【0170】帯電方法としては、コロトロンあるいはス
コロトロンなどと呼ばれる公知のコロナ帯電方法が用い
られるほか、ピン電極を用いた方法も使用できる。ま
た、感光体表面に帯電部材を当接させて帯電を行う接触
帯電法も同様に使用できる。中でも、接触帯電法は、高
電圧が不要であり、帯電時のオゾンの発生量が少なく好
ましい方法である。
【0171】本発明において、帯電手段が帯電部材を感
光体表面に当接させる接触帯電法の場合に、特に本発明
のトナーは効果を発揮する。通常のトナーでは、帯電手
段が感光体表面に接することのない非接地コロナ放電に
比べて、帯電ローラーが転写残トナーによって汚染され
る。しかしながら、本発明に係るトナーは、トナー表面
が適度な固さを持ち、摩擦帯電も良好であるため、帯電
ローラーにトナーが付着しても、速やかにドラムへ吐き
出される。そのため、帯電ローラーがトナーで汚染され
ることもない。さらに、本発明のトナーはトナー表面が
適度な硬さを持つため、帯電ローラーにトナー融着や傷
が発生することがない。
【0172】接触帯電部材として帯電ローラーを用いた
ときの好ましいプロセス条件としては、帯電ローラーの
当接圧が4.9〜490N/m(5〜500g/c
m)、より好ましくは9.8〜392N/m(10〜4
00g/cm)であり、さらに、転写残余のトナーの極
性を感光体の帯電極性と同じ極性に揃え、現像時での回
収を容易にするため、直流電圧の印加がよいが、直流電
圧に交流電圧を重畳したものを用いたときには、2×V
th(V)〔Vth;直流印加における放電開始電圧
(V)〕未満のピーク間電圧を有する交流電圧を直流電
圧に重畳することが好ましい。
【0173】この他の接触帯電手段としては、帯電ブレ
ードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法があ
る。
【0174】接触帯電部材としては、ローラーまたはブ
レードの場合は、導電性基体として、鉄、銅、ステンレ
スの如き金属、カーボン分散樹脂、金属あるいは金属酸
化物分散樹脂が用いられる。ブレードの場合には、その
形状としては棒状、板状のものが使用できる。弾性ロー
ラーの構成としては、導電性基体上に弾性層、導電層、
抵抗層を設けたものが用いられる。
【0175】弾性層としては、クロロプレンゴム、イソ
プレンゴム、EPDMゴム、ポリウレタンゴム、エポキ
シゴム、ブチルゴムの如きゴム又はスポンジや、スチレ
ン−ブタジエンサーモプラスチックエラストマー、ポリ
ウレタン系サーモプラスチックエラストマー、ポリエス
テル系サーモプラスチックエラストマー、エチレン−酢
ビサーモプラスチックエラストマーの如きサーモプラス
チックエラストマーを用いることができる。
【0176】導電層としては、体積抵抗率が107Ω・
cm以下、望ましくは106Ω・cm以下のものが好ま
しく用いられる。例えば、金属蒸着膜、導電性粒子分散
樹脂、導電性樹脂が用いられ、具体例としては、アルミ
ニウム、インジウム、ニッケル、銅、鉄の蒸着膜、導電
性粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アルミニウ
ム、ニッケル、酸化チタンの如き導電性粒子をウレタ
ン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、
ポリメタクリル酸メチルの如き樹脂中に分散したものが
挙げられる。導電性樹脂としては、4級アンモニウム塩
含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリン、ポ
リビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチレンイ
ミンが挙げられる。
【0177】抵抗層は、体積抵抗率が106〜1012Ω
・cmの層であり、例えば半導性樹脂、導電性粒子分散
絶縁樹脂を用いることができる。半導性樹脂としては、
エチルセルロース、ニトロセルロース、メトキシメチル
化ナイロン、エトキシメチル化ナイロン、共重合ナイロ
ン、ポリビニルヒドリン、カゼインの如き樹脂が用いら
れる。導電粒子分散樹脂の例としては、カーボン、アル
ミニウム、酸化インジウム、酸化チタンの如き導電性粒
子をウレタン、ポリエステル、酢酸ビニル−塩化ビニル
共重合体、ポリメタクル酸メチルの如き絶縁性樹脂中に
少量分散したものが挙げられる。
【0178】接触帯電部材としてのブラシは、一般に用
いられている繊維に導電材を分散させて抵抗調整された
ものが用いられる。繊維としては、一般に知られている
繊維が使用可能であり、例えばナイロン、アクリル、レ
ーヨン、ポリカーボネート、ポリエステルが挙げられ
る。また導電材としては、これも一般に知られている導
電材が使用可能であり、銅、ニッケル、鉄、アルミニウ
ム、金、銀の如き金属あるいは酸化鉄、酸化亜鉛、酸化
スズ、酸化アンチモン、酸化チタンの如き金属酸化物、
さらにはカーボンブラックの如き導電粉が挙げられる。
なおこれら導電粉は必要に応じ疎水化、抵抗調整の目的
で表面処理が施されていてもよい。使用に際しては、繊
維との分散性や生産性を考慮して選択して用いる。ブラ
シの形状としては、繊維の太さが1〜20デニール(繊
維径10〜500μm程度)、ブラシの繊維の長さは1
〜15mm、ブラシ密度は1平方インチ当たり1万〜3
0万本(1平方メートル当り1.5×107〜4.5×
108本程度)のものが好ましく用いられる。
【0179】本発明の画像形成方法に用いられる現像装
置としては、トナー担持体、表面に一成分系現像剤であ
るトナーを塗布し、トナー層を形成し、このトナー層を
像担持体としての感光体表面と接触或いは離して現像を
行う一成分現像法が好適に用いられる。
【0180】一成分現像法においては、トナーは、磁性
又は非磁性のいずれで良い。該トナー担持体と感光体表
面が接している一成分接触現像の場合、トナーを介し
て、感光体と感光体表面に対向するトナー担持体として
の弾性ローラーとの間に電界を形成することによって、
エッジ効果の抑制された画像を得ることができる。この
ため、弾性ローラーの低抵抗の芯材の表面に弾性ゴムに
よって形成される弾性層が中抵抗領域に抵抗制御されて
感光体表面との導通を防ぎつつ電界を保つこと、または
低抵抗の導電性ローラーの表面層に薄層の絶縁層を設け
ることもできる。さらには、導電性ローラー上に感光体
表面に対向する表面側を絶縁性物質により被覆した構
成、あるいは、絶縁性スリーブで感光体に対向しない内
面側に導電層を設けた構成も可能である。また、トナー
担持体として剛体ローラーを用い、感光体をベルトの如
きフレキシブルなものとした構成も可能である。
【0181】本発明の一成分現像法では、トナーを担持
するためのトナー担持体としての現像ローラー表面と感
光体表面とは、同方向に回転していても良いし、逆方向
に回転していても良い。その回転方向が同方向である場
合には、現像ローラー表面の周速は、感光体の周速に対
して、周速比で100%よりも大きいことが好ましい。
100%以下であると、ラインの切れが悪いなどの画像
品質に問題を残す。周速比が高まれば高まるほど、現像
部位に供給されるトナーの量は多く、潜像に対しトナー
の脱着頻度が多くなり、不要な部分は掻き落とされ必要
な部分には付与されるという繰り返しにより、潜像に忠
実な画像が得られる。しかし周速比が300%を超える
と飛散が発生しやすくなる。具体的には、トナー担持体
表面の移動速度が感光体表面の移動速度に対して、1.
05〜3.0倍の速度であることが好ましい。
【0182】本発明においては、転写工程で転写されず
に像担持体の表面に存在している転写残余のトナーを除
去するためのクリーニング工程を有する場合、このクリ
ーニング工程としては、転写工程後であって現像工程前
に像担持体表面にクリーニング部材を当接させてクリー
ニングを行う「現像前クリーニング方式」を用いること
ができる。
【0183】この現像前クリーニング方式においては、
転写部と帯電部との間に、像担持体の表面に当接し、か
つ像担持体の表面に存在する転写残余のトナーを除去す
るためのクリーニング部材によるクリーニング部を設け
ることが、帯電部材に対する転写残余のトナーの影響を
少なくできることから好ましい。
【0184】本発明において、現像前クリーニング方式
に用いられるクリーニング部材としては、ブレード、ロ
ーラー、ファーブラシ又は磁気ブラシを用いることがで
きる。これらのクリーニング部材の2種類以上を組み合
わせて使用しても良い。
【0185】本発明者らは、トナー表面に存在する着色
剤の存在量を特定することにより、感光体上の現像トナ
ーの表面の硬さと帯電量を適正に制御できるため、転写
残余のトナー融着、トナーによるドラム傷、及びトナー
の過剰帯電に起因するクリーニング性の低下を防止し得
ることを見出した。
【0186】すなわち、トナー表面が硬すぎるとドラム
傷が発生しやすくなり柔らかすぎると感光体やクリーニ
ングブレードへのトナー融着が発生し画像への悪影響を
与える。
【0187】更に、転写残余のトナーが過剰に帯電して
しまうと、感光体への転写残余のトナーの付着力が高い
ためにクリーニング性が低下しやすい。特に、懸濁重合
法の如き重合法によって作製されたトナーのように、ト
ナー粒子の形状が球形に近い場合、クリーニング工程で
のスクレイプ性の低下、クリーニング部材からのすり抜
けが生じやすく、クリーニングに不利であり、さらに、
転写残余のトナーの過剰帯電はクリーニング性を著しく
低下させる。
【0188】転写残余のトナーの帯電状態は、転写バイ
アス条件、軽写材の抵抗によっても大きく変化する。転
写バイアスは一般にトナーの帯電極性とは逆極性の電圧
が印加されるが、現像が正現像(トナー帯電極性と感光
体帯電極性が逆)である場合、転写材が厚紙やOHTフ
ィルムのように高抵抗なものであると、高い帯電を持っ
たトナー粒子が感光体との強い付着力によって転写され
ることなく、そのままの帯電極性でクリーニング工程へ
と進むことから、クリーニングしきれなくなりやすい。
【0189】したがって、トナーとしては、感光体上の
現像されたトナー表面の硬さと帯電量が適正に制御され
ていることが好ましい。
【0190】本発明に係るトナーは、トナー表面に適度
な硬さと帯電量を付与することができ、クリーニング工
程でのクリーニング性が改善される。また、トナーの現
像特性も向上する。
【0191】一方、本発明においては、転写工程で転写
されずに像担持体の表面に存在している転写残余のトナ
ーを除去するためのクリーニング工程を現像時に現像工
程と同時に行う「現像兼クリーニング方式」を用いた画
像形成方法も好ましい態様の一つである。
【0192】現像が反転現像(トナー帯電極性と感光体
帯電極性が同極性)の場合、転写材が薄紙のように電界
を通しやすいものであると、転写バイアスによって逆極
性に強く帯電されるトナー粒子ができ、この逆極性に強
く帯電したトナー粒子は、やはり感光体との強い付着力
を持ちクリーニングしきれなくなりやすい。
【0193】これに対して、本発明に係るトナーは良好
な帯電量を保持しているので、過剰に逆帯電したトナー
粒子の生成を抑制することが可能となった。また、本発
明に係るトナーは適度な硬さを持つことから、ある程度
逆極性に帯電したトナーでも良好にクリーニングするこ
とができる。
【0194】現像兼クリーニング方式の原理は、電子写
真各工程における感光体上のトナーの帯電極性及び帯電
量を制御することと、反転現像方法を用いることにあ
る。
【0195】例を挙げて説明すると、マイナス帯電性の
感光体及びマイナス帯電性のトナーを用いた場合、その
転写工程において、プラス極性の転写部材によって可視
化された像を転写材に転写することになるが、転写材の
種類(厚み、抵抗、誘電率の違い)と画像面積の関係に
より、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナ
スまで変動する。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯
電する際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面
と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプ
ラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯
電極性を揃えることができる。それゆえ、現像時に一様
にマイナス極性に帯電したトナー粒子が感光体表面に存
在していても、現像方法として反転現像を用いた場合、
マイナスに帯電された転写残余のトナーは、トナーの現
像されるべき明部電位部には残り、トナーの現像される
べきでない暗部電位には、現像電界の関係上トナー担持
体の方に引き寄せられるため、残留しない。
【0196】しかしながら、現像兼クリーニング方式を
用いて、より高速なプロセススピードの画像形成を行お
うとする場合には、感光体単位面積あたりの帯電時間の
減少に相関して、帯電部材により感光体表面を帯電する
と共に、転写残余のトナーの帯電極性を一様に揃えるこ
とが困難となる。このため、現像方法として反転現像を
用いた場合、トナーの現像されるべきでない暗部電位上
の転写残余のトナーが、現像電界によってトナー担持体
の方に引き寄せられ回収することも困難となる。さら
に、トナー担持体に摺擦の如き機械的力によって回収さ
れたとしても、転写残余のトナーの帯電が均一に揃えら
れていないと、トナー担持体上のトナーの帯電性に悪影
響を及ぼし、現像特性を低下させる。
【0197】帯電工程において、感光体の帯電と同時に
転写残余のトナーの帯電極性を制御することにより、現
像兼クリーニング方式を用いた画像形成方法が成立す
る。しかし、このように、より高速なプロセススピード
の画像形成において、現像兼クリーニング方式を用いた
画像形成方法を適用する場合には、転写残余のトナーの
帯電極性制御が困難になり現像での回収不良を起こしや
すくなり、現像自体も高速化されるため現像工程で回収
される転写残余のトナーの帯電が現像特性により大きく
影響し、現像性能の低下を招きやすくなるという問題点
がある。
【0198】さらに、高速なプロセススピードの画像形
成において、現像兼クリーニング方式を用いた場合に
は、帯電部材の汚染による帯電不良も起こしやすくな
る。
【0199】本発明者らの検討により、現像兼クリーニ
ング方式を用いた画像形成方法において、現像ローラー
のプロセススピードが120mm/sec以上、更には
150mm/sec以上である様な高速なプロセススピ
ードの画像形成を行う場合、現像時の転写残余のトナー
の回収を行うためには、トナーに適切な硬さを与え、且
つ帯電極性制御がより迅速に行われなければならず、現
像性能の保持には、帯電部材を通過する際、転写残余の
トナーがより確実に、且つ、均一に帯電極性制御されね
ばならないことが判明した。
【0200】そこで、本発明者らは、様々なトナーにつ
いて鋭意検討を行い、現像兼クリーニング方式を用いた
画像形成方法においては、トナーの帯電部材通過時のト
ナーの表面硬さと帯電制御特性が、これら耐久特性や画
像品質特性と密接につながりがあることを見出し、特に
本発明のトナーのようにトナー表面が適度な硬さを保持
している場合、良好に帯電部材を通過できることを見出
した。
【0201】以下、本発明の画像形成方法に適用可能な
転写工程について具体的に説明する。
【0202】転写工程においては、感光体と転写材を介
して転写手段を当接しながらトナー画像を転写材に静電
転写する接触転写方式を用いることが好ましい。転写手
段の感光体表面に対する当接圧力としては、線圧2.9
N/m(3g/cm)以上であることが好ましく、より
好ましくは9.8〜490N/m(10〜500g/c
m)である。当接圧力としての線圧が2.9N/m(3
g/cm)未満であると、転写材の搬送ずれや転写不良
の発生が起こりやすくなるため好ましくない。当接圧力
が高すぎる場合には、感光体表面の劣化やトナーの付着
を招き、結果として感光体表面のトナー融着を生じるよ
うになる。
【0203】また、接触転写工程における転写手段とし
ては、転写ローラーあるいは転写ベルトを有する装置が
使用される。転写ローラーは少なくとも芯金と導電性弾
性層からなり、導電性弾性層はカーボンの如き導電性微
粒子を分散させたウレタンやEPDMの如き体積抵抗1
9〜1010Ω・cm程度の弾性体である。
【0204】本発明は、感光体の表面が有機化合物であ
る様な画像形成装置において特に有効に用いられる。即
ち、有機化合物が感光体の表面層を形成している場合に
は、無機材料を用いた他の感光体よりもトナー粒子に含
まれる結着樹脂との接着性が高いことから、転写性がよ
り低下する傾向にあるという技術課題を有している。従
って、本発明で用いるトナーによる高い転写性による効
果は、より顕著となる。
【0205】本発明の画像形成方法を添付図面を参照し
ながら説明する。
【0206】図5は、本発明の画像形成方法の実施例の
一例としてプロセスカートリッジを有する画像形成装置
を模式的に示した図であり、現像前クリーニング方式を
用いたものである。
【0207】バイアス印加手段64によりバイアスが印
加されている接触帯電手段である帯電ローラー51によ
り感光体56を帯電し、レーザー光60で画像部分を露
光して静電潜像を形成する。現像器52に収納されてい
るトナー50をトナー塗布ローラー55及び塗布ブレー
ド53によりトナー担持体54上に塗布し、トナー担持
体54上のトナー層を感光体56の表面に接触させて感
光体56上の静電潜像を反転現像法により現像し、トナ
ー画像を感光体56上に形成する。トナー担持体54に
は、バイアス印加手段61により少なくとも直流バイア
スが印加される。感光体56上のトナー画像は、搬送さ
れてくる転写材としての記録材58上へ、バイアス印加
手段62によりバイアスが印加されている転写手段であ
る転写ローラー57により転写され、記録材上に転写さ
れたトナー画像は、加熱ローラーと加圧ローラーとを有
する加熱加圧定着手段63により定着される。
【0208】画像形成装置は、転写ローラー57による
転写部と帯電ローラー51による帯電部との間に、感光
体56の表面に当接するブレード状のクリーニング部材
59を有している。転写工程後の感光体56上の転写残
余のトナーは、クリーニング部材59によって掻き取ら
れクリーナーによって回収される。転写残余のトナーが
除去された感光体56は、再度、帯電ローラー51で帯
電され、帯電後にレーザー光60の露光により静電潜像
が形成される。感光体56上の静電潜像は、トナー担持
体54上のトナーにより現像される。現像工程後の感光
体56上のトナー画像は、搬送されてくる記録材58上
に転写ローラー57により転写される。転写工程後の感
光体56は、クリーニング部材により転写残余のトナー
の除去が行われた後、帯電ローラー51により再度帯電
され、以後同様な工程が繰り返し実施される。
【0209】図6は、トナー担持体としての現像スリー
ブに対するトナーの供給に加えて、現像スリーブからの
現像に寄与されたトナーのはぎ取りを、より円滑に行う
ことができる画像形成装置の他の例を示す。
【0210】図6において、71は感光ドラムで、その
周囲に接触帯電手段である一次帯電ローラー72、現像
手段である現像器78、接触転写手段である転写帯電ロ
ーラー91、レジスタローラー89が設けられている。
そして感光ドラム71は一次帯電ローラー72によって
例えば−700Vに帯電される。バイアス印加手段75
による印加電圧は直流電圧が例えば−1350Vであ
る。そして、レーザー発生装置76によりレーザー光7
7を感光ドラム71に照射することによって露光され、
デジタルな静電潜像が形成される。感光ドラム71上の
静電潜像は、現像器78の有する一成分系トナー85で
現像され、転写材としての記録材90を介して感光ドラ
ム71に当接されたバイアス印加手段94でバイアス電
圧が印加されている転写ローラー91により、記録材9
0上へ転写される。トナー画像96をのせた記録材90
は、搬送ベルト95により加熱ローラー98及び加圧ロ
ーラー99を有する加熱加圧定着器97へ運ばれ、トナ
ー画像は記録材90上に定着される。102は、クリー
ニング部材101を有するクリーナーであり、転写工程
後の感光ドラム上の転写残余のトナーは、クリーニング
部材101で掻き取られクリーナー102によって回収
される。
【0211】帯電ローラー72は、中心の芯金74とそ
の外周を形成した導電性弾性層73とを基本構成とする
ものである。
【0212】転写ローラー91は、中心の芯金92とそ
の外周を形成した導電性弾性層93とを基本構成とする
ものである。
【0213】現像器78は、図9に示すように、感光ド
ラム71にトナー担持体としての現像スリーブ79上の
トナー層が接触し、バイアス印加手段88でバイアスが
印加されている芯金80及び弾性層81を有する弾性ロ
ーラー79からなるトナー担持体としての現像スリーブ
が配設されている。現像器78内には、バイアス印加手
段87でバイアスが印加されている芯金83と弾性層8
4を有するトナー塗布ローラー82が配設されている。
現像スリーブ79に付着して搬送されるトナー量を規制
する部材として、トナー規制ブレード86が配設され、
トナー規制ブレード86の現像スリーブ79に対する当
接圧により、現像領域に搬送されるトナー量(トナー層
厚)が制御される。現像領域では、現像スリーブ79に
少なくとも直流の現像バイアスが印加され、現像スリー
ブ上トナー層は、感光ドラム71表面に接触し、静電潜
像に応じて感光ドラム71上に転移してトナー画像を形
成する。
【0214】感光ドラム71の明部電位が0〜250V
であり、暗部電位が300〜1000Vである場合に、
バイアス印加手段87により印加される供給バイアス電
圧が100〜900Vであり、バイアス印加手段88に
より印加される現像バイアス電圧が100〜900Vで
あることが好ましい。
【0215】さらに、バイアス印加手段87により印加
される供給バイアス電圧は、バイアス印加手段88によ
り印加される現像バイアス電圧よりも絶対値で10〜4
00V大きい方が、トナー85の現像スリーブ79へ供
給及びトナーの現像スリーブ79からのはぎ取りが円滑
に行われるので好ましい。
【0216】現像スリーブ79の回転方向に対して、ト
ナー塗布ローラー82は、矢印で示す通りお互いの表面
がカウンター方向に移動する(回転方向は同方向)こと
が、トナーの供給及びはぎ取りの点で好ましい。
【0217】上記図5又は図6で示す画像形成装置にお
いては、中間転写体を用いず像担持体上に形成されたト
ナー画像を直接記録材に転写するタイプの画像形成方法
を採用するものである。
【0218】次に、像担持体上に形成されたトナー画像
を転写材としての中間転写体に第1の転写を行い、中間
転写体上に転写されたトナー画像を記録材に第2の転写
を行う画像形成方法について、図10に示す画像形成装
置を用いて説明する。
【0219】図10において、像担持体としての感光体
ドラム111に対向し接触回転する帯電ローラー112
により感光体ドラム111上に表面電位を持たせ、露光
手段113により静電潜像を形成する。静電潜像は、現
像器114,115,116,117によりマゼンタト
ナー、シアントナー、イエロートナー及びブラックトナ
ーの4色のトナーによって現像され、フルカラーのトナ
ー画像が形成される。現像時には、各現像器114,1
15,116及び117のいずれか一つが移動すること
により、感光体ドラム111の表面に現像器のトナー担
持体が近接又は当接して現像が行われ、現像後に再度元
の位置に現像器が移動することにより感光体ドラム11
1からトナー担持体が離間する。この動作が各現像器ご
とに4回繰り返される。該トナー画像は一色ごとに中間
転写体118上に転写され、複数回繰り返されることに
より、多重トナー像が形成される。
【0220】中間転写体118はドラム状のものが用い
られ、外周面に保持部材を張設したもの、基材上に導電
付与部材、例えばカーボンブラック,酸化亜鉛,酸化
錫,炭化珪素又は酸化チタンを十分分散させた弾性層
(例えばニトリルブタジエンラバー)を有するものが用
いられる。ベルト状の中間転写体を用いても良い。
【0221】中間転写体118は、支持部材119の表
面に形成した硬度が10〜50度(JIS K−630
1)の弾性層120を有するドラム状のものや、転写ベ
ルトの場合では転写材(記録材)への転写部でこの硬度
を有する弾性層を持つ支持部材で構成されていることが
好ましい。
【0222】感光体ドラム111から中間転写体118
への転写は、電源126より中間転写体118の支持部
材としての芯金119上にバイアスを付与することで転
写電流が得られトナー画像の転写が行われる。保持部材
又はベルトの背面からのコロナ放電やローラー帯電を利
用しても良い。
【0223】中間転写体118上の多重トナー画像は、
転写手段121により記録材S上に一括転写される。転
写手段はコロナ帯電器や転写ローラー、転写ベルトを用
いた接触静電転写手段が用いられる。
【0224】トナー画像を有する記録材Sは、加熱体1
27を内部に有する定着部材としての定着ローラー12
8と、これと圧接する加圧ローラー129とを有する加
熱定着装置130の定着ローラー128と加圧ローラー
129との当接ニップ部を、記録材Sが通過することに
より、記録材Sにトナー画像の定着が行われる。
【0225】図10において、123は、第1の転写後
に感光体ドラム111の表面上に残存するトナーを除去
するためのクリーニング部材122を有するクリーナー
(第1のクリーニング手段)であり、クリーニング部材
122は、感光体ドラム111の表面に当接している。
125は、第2の転写後に中間転写体118の表面上に
残存するトナーを除去するためのクリーニング部材12
4を有するクリーナー(第2のクリーニング手段)であ
る。
【0226】一方、図7は、本発明の画像形成方法の実
施例の一例として、クリーニングブレードの如きクリー
ニング部材を有するクリーニングユニットを除去したプ
ロセスカートリッジを有する画像形成装置を模式的に示
した図である。図面上は、図5中のクリーニングブレー
ド59が存在しない以外は図5と同様である。
【0227】反転現像方法において、現像兼クリーニン
グを実施するための好ましい現像条件としては、感光体
表面の暗部電位(Vd)と明部電位(V1)とトナー担持
体に印加される直流バイアス(VDC)とが、|Vd−V
DC|>|V1−VDC|の関係を満足するように設定する
のが良い。より好ましくは、|Vd−VDC|の値が|V1
−VDC|の値よりも10V以上大きい方が良い。
【0228】また図8は、トナー担持体としての現像ス
リーブに対するトナーの供給に加えて、現像スリーブか
らの現像に寄与されたトナーのはぎ取りを、より円滑に
行うことができる画像形成装置の他の例を示す。図面上
は、図6中のクリーニング部102が存在しない以外は
図6と同様である。
【0229】ここで、現像兼クリーニングを実施するた
めには、感光ドラム71の明部電位が0〜250Vであ
り、暗部電位の絶対値が300〜1000Vである場合
に、バイアス印加手段87により印加される供給バイア
ス電圧の絶対値が100〜900Vであり、バイアス印
加手段88により印加される現像バイアス電圧の絶対値
が100〜900Vであることが好ましい。さらに、バ
イアス印加手段87により印加される供給バイアス電圧
は、バイアス印加手段88により印加される現像バイア
ス電圧よりも絶対値で10〜400V大きい方が、非磁
性トナー85の現像スリーブ79へ供給及び非磁性トナ
ーの現像スリーブ79からのはぎ取りが円滑に行われる
ので好ましい。
【0230】また、図11は、像担持体上に形成された
トナー画像を転写材としての中間転写体に第1の転写を
行い、中間転写体上に転写されたトナー画像を記録材に
第2の転写を行う画像形成方法であって、図10中のク
リーニング部123が存在しない以外は図10と同様で
ある。
【0231】本発明のトナーは一成分現像剤としても優
れた性能を発揮することができるが、以下に述べる磁性
キャリアと混合した二成分現像剤として用いることで、
さらに優れた画像を提供することができる。
【0232】本発明に用いられるキャリアは109〜1
15Ω・cmと高抵抗キャリアであり、好ましくは磁性
微粒子分散型樹脂キャリア(以下「磁性樹脂キャリア」
と称す)が挙げられる。高抵抗キャリアを用いること
で、本発明の着色剤による帯電性の悪影響を最小限に抑
え、良好な帯電性を維持することが可能である。本発明
のキャリアの抵抗値について、109Ω・cm未満の場
合、電荷がリークしやすくトナーに十分な帯電量を与え
ることができずカブリやすく、1015Ω・cmを超える
とチャージアップ傾向となりトナーの帯電量分布がブロ
ードとなる為、やはりカブリやすい傾向となる。
【0233】特に特定のカップリング剤で粒子表面が処
理されている複合体粒子で形成されており、無機化合物
粒子を分散させてなるものである。
【0234】本発明における複合体粒子を構成する無機
化合物粒子粉末は、水に溶解せず、又は水によって変質
・変性しないものであればよい。磁性無機化合物粒子粉
末としては、マグネタイト粒子粉末、マグヘマイト粒子
粉末、これらにコバルトを被着させ又は含有させた粒子
粉末、バリウム、ストロンチウム又はバリウム−ストロ
ンチウムを含むマグネトプランバイト型フェライト粒子
粉末、マンガン、ニッケル、亜鉛、リチウム及びマグネ
シウム等から選ばれた1種又は2種以上を含むスピネル
型フェライト粒子粉末等の各種磁性粒子粉末が使用でき
る。非磁性無機化合物粒子粉末としては、ヘマタイト粒
子粉末、含水酸化第二鉄粒子粉末、酸化チタン粒子粉
末、シリカ粒子粉末、タルク粒子粉末、アルミナ粒子粉
末、硫酸バリウム粒子粉末、炭酸バリウム粒子粉末、カ
ドミウムイエロー粒子粉末、炭酸カルシウム粒子粉末、
亜鉛華粒子粉末等が使用できる。
【0235】無機化合物粒子粉末の粒子形態は、立方体
状、多面体状、球状、針状、板状等のいずれの形態の粒
子をも使用することができる。平均粒子径は、複合体粒
子の平均粒子径よりも小さい粒子であればよく、0.0
2〜5.0μm、特に、磁性粒子粉末(a)が0.02
〜2μm、非磁性粒子粉末(b)が0.05〜5μm、
1.5a<bが好ましい。
【0236】磁性粒子粉末と非磁性粒子粉末との混合割
合は、磁性粒子粉末が少なくとも30質量%含有されて
いることが好ましい。
【0237】無機化合物粒子粉末は、その全部又は一部
が親油化処理剤で処理されている。
【0238】親油化処理剤としては、エポキシ基、アミ
ノ基、メルカプト基、有機酸基、エステル基、ケトン
基、ハロゲン化アルキル基及びアルデヒド基からから選
ばれた1種又は2種以上の官能基を有する有機化合物や
それらの混合物が使用でき、いずれも本発明の目的を達
成することができる。これらのうち、官能基を含むカッ
プリング剤が好ましく、特にシラン系カップリング剤が
好ましい。さらに、好ましい官能基としては、エポキシ
基、アミノ基及びメルカプト基が、キャリアの粒度分布
がシャープになる点で好ましく、さらには、エポキシ基
が、温湿度の影響を受けにくく、キャリアの帯電付与能
が安定する点で好ましい。
【0239】エポキシ基を有する有機化合物としては、
エピクロルヒドリン、グリシドール、スチレン−(メ
タ)アクリル酸グリシジル共重合体等がある。
【0240】エポキシ基を有するシラン系カップリング
剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメト
キシシラン等がある。
【0241】アミノ基を有する有機化合物としては、エ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、スチレン−
(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体等が
ある。
【0242】アミノ基を有するシラン系カップリング剤
としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等がある。
【0243】アミノ基を有するチタン系カップリング剤
としては、イソプロピルトリ(N−アミノエチル)チタ
ネート等がある。
【0244】メルカプト基を有する有機化合物として
は、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸等
がある。
【0245】メルカプト基を有するシラン系カップリン
グ剤としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン等がある。
【0246】有機酸基を有する有機化合物としては、オ
レイン酸、ステアリン酸、スチレン−アクリル酸等があ
る。
【0247】エステル基を有する有機化合物としては、
ステアリン酸エチル、スチレン−メタクリル酸メチル等
がある。
【0248】ケトン基を有する有機化合物としては、シ
クロヘキサノン、アセトフェノン、メチルエチルケトン
樹脂等がある。
【0249】ハロゲン化アルキル基を有する有機化合物
としては、クロロヘキサデカン、クロロデカン等があ
る。
【0250】アルデヒド基を有する有機化合物として
は、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド等があ
る。
【0251】本発明における親油化処理剤の量は、無機
化合物粒子粉末に対し0.1〜5.0質量%が好まし
い。
【0252】0.1質量%未満の場合には、樹脂の被覆
を複合体粒子表面に密着させることが困難となり、ま
た、親油化処理が不十分なために無機化合物粒子の含有
量の高い複合体粒子が得ることができない。
【0253】5.0質量%を超える場合には、樹脂の被
覆を複合体粒子表面に密着させることはできるが、生成
した複合体粒子同士の凝集が生じ、複合体粒子の粒子サ
イズの制御が困難になる。
【0254】本発明における複合体粒子を構成するバイ
ンダー樹脂としては、熱硬化性樹脂が好ましい。
【0255】熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、尿
素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、キシ
レン樹脂、アセトグアナミン樹脂、フラン樹脂、シリコ
ーン系樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂等があり、
これらの樹脂は単独でも2種以上を混合しても構わない
が、少なくともフェノール樹脂を含有していることが好
ましい。
【0256】本発明における複合体粒子を構成するバイ
ンダー樹脂と無機化合物粒子粉末との割合は、バインダ
ー樹脂1〜20質量%と無機化合物粒子粉末80〜99
質量%であることが好ましい。
【0257】本発明に係る磁性キャリアは、複合体粒子
の粒子表面がエポキシ基、アミノ基及びメルカプト基か
ら選ばれた1種又は2種以上の官能基を有するカップリ
ング剤で被覆されている。カップリング剤で被覆するこ
とにより、プリントアウトに伴う現像剤のストレスに十
分耐えることが可能となる。また、上記官能基を持つカ
ップリング剤を用いると、本発明のトナーとのマッチン
グが優れ、良好な帯電量を維持することが可能となる。
カップリング剤に含まれる官能基は、複合体粒子中の無
機化合物粒子粉末を処理している親油化処理剤に含まれ
る官能基と反応するものを選択することが好ましい。
【0258】例えば、無機化合物粒子粉末を処理した親
油化処理剤に含まれる官能基がアミノ基である場合に
は、被覆カップリング剤に含まれる官能基はエポキシ基
やメルカプト基を選択すればよい。無機化合物粒子粉末
を処理した親油化処理剤に含まれる官能基がエポキシ基
である場合には、被覆カップリング剤に含まれる官能基
はアミノ基が好ましい。
【0259】なお、被覆カップリング剤に含まれる官能
基と無機化合物粒子粉末を処理した親油化処理剤に含ま
れる官能基が例えばともに同じアミノ基であった場合に
は、弱い水素結合を形成することによって幾分かの効果
を持つが、その結合力は弱いものである。
【0260】これらの官能基の反応は、シランカップリ
ング剤を例にとると以下の通りである。
【0261】
【化9】
【0262】被覆カップリング剤の種類は、無機化合物
粒子粉末の親油化処理に用いた前述の各種カップリング
剤のいずれであってもよいが、特にシラン系カップリン
グ剤が、キャリアの流動性を損わない点で好ましい。
【0263】カップリング剤による被覆量は、複合体粒
子に対し0.001〜5.0質量%が好ましい。0.0
01質量%未満の場合には、カップリング剤の被覆を複
合体粒子表面に密着させることが困難となり、帯電量の
耐久性に問題が生じる。5.0質量%を超える場合に
は、カップリング剤の被覆を複合体粒子表面に密着させ
ることができるが、余剰のカップリング剤の存在に起因
して、長時間の使用による帯電量の変化が起きるという
問題が生じる。
【0264】さらに、樹脂被覆する場合には、その使用
量は、0.005〜4.0質量%が、樹脂の密着強度を
高める上で好ましい。
【0265】カップリング剤で被覆されている本発明に
係る磁性キャリア粉末の粒子サイズは、平均粒子径が1
0〜200μmが好ましい。平均粒子径が10μm未満
の場合は、磁性キャリア粒子自体が感光体に飛んでしま
い、画像上の欠陥を生じてしまう所謂、キャリア付着を
生じてしまう。200μmを超える場合は、鮮明な画像
を得ることが困難となる。
【0266】特に高画質化、高品位化のためには平均粒
子径が10〜50μmの範囲がより好ましく、さらには
平均粒子径15〜45μmが、写真原稿等の画像比率の
高いトナー消費量の多いオリジナル連続プリントした際
も、補給トナーの混合搬送性に優れる点で、より一層好
ましい。
【0267】本発明に係る磁性キャリアは必要により、
カップリング剤の被覆の上に更に樹脂を被覆してもよ
い。
【0268】被覆する樹脂は、公知の樹脂であればいず
れでもよく、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、
ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、スチレン系樹脂、アク
リル系樹脂、フェノール樹脂等が拳げられる。モノマー
から重合して得られる重合体でもかまわない。本発明の
トナーとのマッチングを考慮すればシリコーン樹脂が好
ましい。
【0269】シリコーン樹脂としては、置換基がメチル
基である縮合反応型シリコーン樹脂が挙げられ、市販さ
れているものとしては、SR2410およびSR241
1(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)、KR25
5およびKR251(信越シリコーン社製)等が挙げら
れる。また、樹脂変性シリコーンも使用可能であり、例
えば、エポキシ変性シリコーン樹脂としては、SR21
15およびSR2145(東レ・ダウコーニングシリコ
ーン社製)、ES1001NおよびES1002T(信
越シリコーン社製)等が挙げられる。
【0270】より好ましくは、コア粒子の結着樹脂をフ
ェノール樹脂、磁性微粒子の表面処理剤をエポキシ基含
有シランカップリング剤、シリコーンコート樹脂中に含
有またはコア剤の前処理剤としてアミノ基を含有するシ
ランカップリング剤とすることで、結着樹脂中に適度に
吸着している水分によって、アミノ基を含有するシラン
カップリング剤が加水分解して、フェノール樹脂の水酸
基と水素結合をしつつ、自己縮合し、あるいはシリコー
ン樹脂中の残存シラノール基と縮合し強固な被覆を形成
すると同時に、アミノ基と磁性体微粒子の表面処理剤の
エポキシ基とが反応し、シリコーン樹脂の密着性が向上
し、被覆樹脂の欠落等が抑制される。
【0271】樹脂の被覆量は、複合体粒子に対して0.
05質量%以上が好ましく、0.05質量%未満の場合
には、不十分かつ不均一な被膜となりやすく、帯電量を
自由に制御することが困難となる。また、被覆量が多す
ぎると複合体粒子の電気抵抗が高くなりすぎ画像上の問
題が発生してしまう。より好ましくは0.1〜10質量
%、さらに好ましくは樹脂被覆時の粒子同士の合一化を
防止するために0.2〜5質量%である。
【0272】樹脂被覆中には、必要によりカップリング
剤を樹脂固形分に対し0.1〜20.0質量%含んでい
てもよい。カップリング剤としては、シラン系カップリ
ング剤が好ましい。さらに好ましくはカップリング剤の
自己縮合による強度低下を防止するために0.1〜1
0.0質量%である。
【0273】本発明の磁性樹脂キャリアは、真比重が
2.5〜4.5(好ましくは、3.0〜4.3)であ
り、真比重がこの範囲にあると、磁性樹脂キャリアとト
ナーとの撹拌混合においてトナーへの負荷が少なく、キ
ャリア表面におけるトナーによる汚染が抑制され、静電
荷像担持体への非画像部へのキャリア付着が抑制される
ので好ましい。
【0274】本発明の磁性樹脂キャリアは、比抵抗値が
109〜5×1015Ω・cmと比較的高いため、静電荷
像担持体へのキャリア付着はしにくいが、キャリア自身
のチャージのリークサイトが少なくなるため、印字比率
の高いオリジナルを連続プリントアウトした場合等、ト
ナーへの帯電付与能が低下しやすい。それでも本発明の
磁性樹脂キャリアは、比較的低抵抗のマグネタイトを分
散させた上で高抵抗キャリアとしているため、従来の高
抵抗フェライトに比べればキャリア自身のチャージアッ
プがしにくいものの、そのラチチュードは狭いものであ
る。しかしながら本発明においては、トナーの表面に存
在する着色剤量特定しているので、キャリアのチャージ
アップを防止しつつ、トナーの帯電の安定化を達成して
いるのである。その理由は明確ではないが、トナー表面
近傍に存在する着色剤が適度に存在していて比較的水分
を吸着しやすく、その水分がキャリアのチャージアップ
防止に有効に作用し、長期にわたってトナーの帯電が安
定化できるものと推測される。
【0275】キャリアの抵抗値と磁気特性とを所定の範
囲に入るようにするために、キャリアコア中には磁性微
粒子に加えて非磁性無機化合物を配合することが好まし
い。磁性微粒子と非磁性無機化合物微粒子は、合計量で
70〜99質量%(キャリア基準)(より好ましくは、
80〜99質量%)含有されていることが、キャリアの
真比重の調整と、キャリアの比抵抗値の調整と、キャリ
アコアの機械的強度との関係で好ましい。
【0276】さらに、非磁性無機化合物微粒子は、磁性
微粒子よりも比抵抗値が大きく、非磁性無機化合物微粒
子の個数平均粒径は磁性微粒子の個数平均粒径よりも大
きい方が、キャリアの比抵抗値を高め、キャリアの真比
重を小さくする上で好ましい。
【0277】磁性微粒子及び非磁性無機化合物微粒子の
総量に対して、磁性微粒子は30〜95質量%含まれて
いることが、キャリアの磁気力を調整してキャリア付着
を防止し、さらに、キャリアの比抵抗値を調整する上で
好ましい。
【0278】磁性樹脂キャリアは、適宜所定のシステム
に都合の良いようにその形状が選択される。しかしなが
ら、磁性樹脂キャリアの球形度は、100乃至130
(より好ましくは100〜120)が好ましい。磁性樹
脂キャリアは、球形度が130を超えると、現像剤とし
ての流動性が劣るようになり、トナーへの摩擦帯電付与
能力の低下や現像極において磁気ブラシの形状が不均一
になるために高画質な画像が得られにくくなる。
【0279】キャリアの球形度の測定は、日立製作所
(株)社製フィールドエミッション走査電子顕微鏡S−
800によりキャリアをランダムに300個以上抽出
し、ニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3を用い
て、次式によって導かれる球形度を求めることで行う。
【0280】
【数1】 〔式中、MXLNGはキャリアの最大径を示し、ARE
Aはキャリアの投影面積を示す。〕
【0281】ここで、SF−1は100に近いほど球形
に近いことを意味している。
【0282】次に、本発明に係る磁性キャリアの製造方
法について述べる。
【0283】無機化合物粒子粉末の親油化処理剤による
処理は、無機化合物粒子粉末にカップリング剤や有機化
合物の溶液を添加混合して被覆処理すればよい。
【0284】複合体粒子は、溶媒中に分散させた無機化
合物粒子粉末をバインダー樹脂を構成するモノマーに分
散させ、開始剤或いは触媒を添加して重合する、所謂、
重合法や、無機化合物粒子粉末を含有したバインダー樹
脂を粉砕する、所謂、混練粉砕法等によって製造するこ
とが出来る。磁性キャリアの粒径を容易に制御し、シャ
ープな粒度分布にするために重合法が好ましい。
【0285】バインダー樹脂としてフェノール樹脂を用
いた複合体粒子の製造は、例えば、水性媒体中にフェノ
ール類とアルデヒド類と親油化処理を行なった無機化合
物粒子粉末を分散させ、塩基性触媒を添加して反応させ
る方法が挙げられる。フェノール類とともにロジン等の
天然樹脂や、桐油、亜麻仁油等の乾性油を混合して反応
させる、所謂、変性フェノール樹脂を形成させる方法も
挙げられる。
【0286】バインダー樹脂が特にフェノール樹脂であ
る場合には、適度な吸着水を保持しており、カップリン
グ剤の加水分解を促進し、強固な被覆を形成するために
好ましい。
【0287】バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を用い
た複合体粒子の製造は、例えば、水性媒体中にビスフェ
ノール類とエピハロヒドリンと親油化処理を行なった無
機化合物粒子粉末を分散させ、アルカリ水性媒体中で反
応させる方法が挙げられる。
【0288】バインダー樹脂として、メラミン樹脂を用
いた複合体粒子の製造は、例えば、水性媒体中にメラミ
ン類とアルデヒド類と、親油化処理を行なった無機化合
物粒子粉末を分散させ、弱酸性触媒の存在下で反応させ
る方法が挙げられる。
【0289】その他の熱硬化性樹脂を用いた複合体粒子
の製造方法としては、例えば、親油化処理を行なった無
機化合物粒子粉末を種々の樹脂と混練した後、粉砕し、
さらには球形化処理を行なう方法等が挙げられる。
【0290】親油化処理を行なった無機化合物粒子とバ
インダー樹脂とからなる複合体粒子は、樹脂をより硬化
させるために必要により熱処理を施すことも行なわれ
る。特に減圧下あるいは不活性雰囲気下で行うことが無
機化合物微粒子等の酸化防止のために好ましい。
【0291】複合体粒子のカップリング剤による被覆処
理は、常法によりカップリング剤を水や溶剤に溶解した
ものに、複合体粒子を浸漬した後、濾過及び乾燥する方
法や、複合体粒子を撹拌しながらカップリング剤の水溶
液や溶媒液をスプレーし、乾燥する方法等が用いられ
る。特に複合体粒子の合一化を防止し、均一な被覆層を
形成するために、撹拌しながら処理する方法が好まし
い。
【0292】樹脂の被覆は、周知の方法によって行なえ
ばよく、例えば、ヘンシェルミキサーや、ハイスピード
ミキサー等を用いて複合体粒子と樹脂とを乾式混合する
方法、樹脂を含む溶剤中へ複合体粒子を含浸する方法、
スプレードライヤーを用いて複合体粒子に樹脂を吹きつ
ける方法等のいずれであってもよい。
【0293】また、複合体粒子とフェノール類、アルデ
ヒド類、或いはメラミン類及びアルデヒド類とを水性媒
体中で反応させフェノール樹脂やメラミン樹脂を被覆す
る方法や、アクリロニトリルと他のビニル系モノマーと
の混合物を水性媒体中で重合させアクリロニトリル系重
合体を被覆する方法や、ラクタム類のアニオン重合によ
りポリアミド樹脂を被覆する方法等もかまわない。
【0294】ここで、本発明の磁性キャリアに係る用い
る特性値の測定方法について述べる。
【0295】平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計
(堀場製作所株式会社製)により計測した値で示し、ま
た、粒子の粒子形態は、走査型電子顕微鏡(株式会社日
立製作所製、S−800)で観察したものである。
【0296】真比重は、マルチボリウム密度計(マイク
ロメリティクス製)で測定した値で示した。
【0297】体積固有抵抗は、ハイレジスタンスメータ
ー4329A(横河ヒューレットパッカード製)で測定
した値で示した。
【0298】本発明の磁性樹脂キャリアコアの好ましい
態様を説明する。
【0299】反応は、まず、フェノール類、ホルマリン
類、水、エポキシ基を有するカップリング剤で処理され
た磁性微粒子及び非磁性無機化合物微粒子を反応釜中に
仕込み、十分に撹拌した後、塩基性触媒を加えて撹拌し
ながら昇温し、反応温度を70〜90℃に調整し、フェ
ノール樹脂を硬化させる。この時、球形度の高い球状複
合体粒子を得るためにゆるやかに昇温させることが好ま
しい。昇温速度は、好ましくは0.5〜1.5℃/分、
より好ましくは0.8〜1.2℃/分である。
【0300】硬化後の反応物を40℃以下に冷却し、得
られた水分散液を濾過、遠心分離等の常法に従って固液
を分離した後、洗浄して乾燥することにより、磁性微粒
子と非磁性無機化合物微粒子とをフェノール樹脂をバイ
ンダー樹脂として結合してなる球状のキャリアコア粒子
が得られる。キャリアコア粒子の製造は、バッチ式でも
連続式製法でもよい。
【0301】さらに、キャリアコアの表面を樹脂で被覆
する方法としては、樹脂を溶剤中に溶解又は懸濁して調
製した塗布液をキャリアコア表面に塗布する方法が挙げ
られる。
【0302】本発明において、トナーとキャリアとを混
合して二成分系現像剤を調製する際、その混合比率は現
像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましく
は4〜13質量%にすると良好な結果が得られる。トナ
ー濃度が2質量%未満の場合には、画像濃度が低くなり
やすく、15質量%を超える場合にはカブリや機内飛散
を生じやすく、現像剤の耐用寿命も低下しやすい。
【0303】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
【0304】トナーの製造にあたって用いられた、スル
ホン酸を有する重合体、ワックス、微粉状無機微粉体、
及び粗粉状粒子について表1〜4に示す。
【0305】
【表1】
【0306】
【表2】
【0307】
【表3】
【0308】
【表4】
【0309】トナーの製造例1 四つ口容器中にイオン交換水360質量部と0.1モル
/リットルのNa3PO4水溶液430質量部を添加し、
高速撹拌装置クレアミキサーを用いて15,000rp
mで撹拌しながら、60℃に保持した。ここに1規定の
塩酸を10質量部添加した後、1.0モル/リットル−
CaCl2水溶液34質量部を徐々に添加し、微細な難
水溶性分散安定剤Ca3(PO42を含む水系分散媒体
を調製した。この時の水媒体中のpHは5.3であっ
た。
【0310】一方、分散質として、 スチレンモノマー 83質量部 n−ブチルアクリレート 17質量部 ジビニルベンゼン 0.1質量部 赤色顔料PR150[式(1)中、R1=−NH2、R2=−OCH3、R3=−H 、R4=−CONC65] 8質量部 ポリエステル樹脂(Mw=25,000、酸価15mgKOH/g)5質量部 スルホン酸基を有する重合体(1) 5質量部 ワックス(1) 12質量部 からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い
3時間分散させた後、2,2’−アゾビス(2,4−ジ
メチルバレロニトリル)3質量部を添加し、重合性単量
体組成物を調製した。
【0311】次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量
体組成物を投入し、内温60℃のN 2雰囲気下で、高速
撹拌装置の回転数を15000rpmに維持しつつ、4
分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。その
後、撹拌装置をパドル撹拌羽を具備したものに換え、2
00rpmで撹拌しながら同温度に保持し、8時間重合
を行った。
【0312】次いで、冷却後に希塩酸を添加して水系分
散媒体のpHを1.2にして難水溶性分散剤を溶解せし
めた。更に加圧濾過による固液分離の後、18000質
量部の水で洗浄を行った。その後、流動層乾燥装置(大
川原製作所)を用いて45℃で4時間乾燥させ、重量平
均径が6.5μmのマゼンタ色のトナー粒子を得た。
【0313】次に上記重合体粒子に微粉状無機微粉体
(1)を1.5質量%、粗粉状粒子(1)を0.5質量
%添加した。得られたトナーをトナー(A)とする。
【0314】トナーの製造例2〜12 トナーの製造例1において、微粉状無機微粉体と粗粉状
粒子の添加量と種類を表5のように変更することを除い
て、トナーの製造例1と同様にして製造した。得られた
トナーを表5に示したようにトナー(B)〜(L)とす
る。
【0315】トナーの製造例13 トナーの製造例1において、ワックス成分をワックス
(1)を10質量部、ワックス(2)を5質量部とし、
スルホン酸を有する重合体を(2)に変更することを除
いて、トナーの製造例1と同様にして製造した。得られ
たトナーをトナー(M)とする。
【0316】トナーの製造例14 トナーの製造例1において、スルホン酸を有する重合体
を(3)に変更することを除いて、トナーの製造例1と
同様にして製造した。得られたトナーをトナー(N)と
する。
【0317】トナーの製造例15 トナーの製造例1において、スルホン酸を有する重合体
を(4)に変更することを除いて、トナーの製造例1と
同様にして製造した。得られたトナーをトナー(O)と
する。
【0318】トナーの製造例16 トナーの製造例1において、スルホン酸を有する重合体
を(5)に変更することを除いて、トナーの製造例1と
同様にして製造した。得られたトナーをトナー(P)と
する。
【0319】トナーの製造例17 トナーの製造例1において、スルホン酸を有する重合体
を(6)に変更することを除いて、トナーの製造例1と
同様にして製造した。得られたトナーをトナー(Q)と
する。
【0320】トナーの製造例18 トナーの製造例1において、スルホン酸を有する重合体
を(7)に変更することを除いて、トナーの製造例1と
同様にして製造した。得られたトナーをトナー(R)と
する。
【0321】トナーの製造例19 トナーの製造例1において、ワックスの添加量を3質量
部に変更することを除いて、トナーの製造例1と同様に
して製造した。得られたトナーをトナー(S)とする。
【0322】トナーの製造例20 トナーの製造例1において、ワックスの添加量を30質
量部に変更することを除いて、トナーの製造例1と同様
にして製造した。得られたトナーをトナー(T)とす
る。
【0323】トナーの製造例21 トナーの製造例1において、ワックスを(3)に変更す
ることを除いて、トナーの製造例1と同様にして製造し
た。得られたトナーをトナー(U)とする。
【0324】トナーの製造例22 トナーの製造例1において、ワックスを(4)に変更す
ることを除いて、トナーの製造例1と同様にして製造し
た。得られたトナーをトナー(V)とする。
【0325】トナーの製造例23 トナーの製造例1において,重合時の水系媒体中のpH
を11.5に変更することを除いて、トナーの製造例1
と同様にして製造した。得られたトナーをトナー(W)
とする。
【0326】比較用トナーの製造例1 トナーの製造例1において、重合時の水系媒体中のpH
を12.5に変更することを除いて、トナーの製造例1
と同様にして製造した。得られたトナーをトナー(a)
とする。
【0327】比較用トナーの製造例2 トナーの製造例1において、重合時の水系媒体中のpH
を4.1に変更することを除いて、トナーの製造例1と
同様にして製造した。得られたトナーをトナー(b)と
する。
【0328】得られたトナーについては表5に詳細を記
す。なお、材料の添加量は質量%で記載する。
【0329】
【表5】
【0330】<実施例1>画像形成装置として図5に示
すような600dpiのレーザービームプリンタ(キヤ
ノン製:LBP−8Mark IV)を用意した。この
装置を改造し、プロセススピードが80mm/sとなる
ように変更した。図1に示すように、この装置は直流及
び交流成分を印加した帯電ローラー51を用い感光体5
6を一様に帯電する。このとき、直流成分は定電圧に制
御し、交流成分は定電流に制御する。なお、帯電ローラ
ーの導電層は体積抵抗率が102Ω・cm、抵抗層は1
7Ω・cmのものを用い、当接圧が230N/mとな
るように設定した。帯電に次いで、レーザー光60で画
像部分を露光することにより静電潜像を形成し、トナー
50により可視画像としてトナー画像を形成した後、電
圧を印加した転写ローラー(体積抵抗が5・109Ω・
cm)57によりトナー画像を転写材58に転写するプ
ロセスを持つ。なお、感光体と転写ローラーとの当接圧
力は線圧130N/mとなるように設定した。
【0331】次に、プロセスカートリッジにおける現像
容器52を改造した。トナー供給体としてカーボンブラ
ックを分散して抵抗を調整したシリコーンゴムからなる
中抵抗ゴムローラー(直径16mm)をトナー担持体5
4とし、感光体56に当接した。トナー担持体54の表
面の移動方向及び回転周速は、感光体ドラム表面との接
触部分において同方向であり、該感光体ドラムの回転周
速に対して150%とになるように駆動する。つまりト
ナー担持体の周速は120mm/sであり、感光体表面
に対する相対速度80mm/sである。
【0332】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、現像部分に塗布ローラー55を設け、該トナー担持
体に当接させた。接触部において、塗布ローラー55表
面の移動方向が、トナー担持体の移動方向と反対方向に
移動するように回転させることによりトナーをトナー担
持体上に塗布した。さらに、該トナー担持体上トナーの
コート層制御のために、樹脂コートしたステンレス製ブ
レード53を取り付けた。クリーニング部材59とした
ウレタンゴムからなるブレードを用いた。
【0333】感光体として感光体ドラム1を用い、トナ
ーとしてトナー(A)を用い、以下の現像条件を満足す
るようプロセス条件を設定した。 感光体暗部電位 −700V 感光体明部電位 −150V
【0334】また、現像バイアスは直流成分のみで−1
00〜−900Vの範囲で、初期の画像濃度が1.50
となるように設定し、1万枚のプリントアウト評価を行
った。
【0335】加熱ローラーには、アルミニウム製の円筒
状の芯金をプライマー処理した後、ジメチルシリコーン
ゴムの弾性層、更にプライマー層を介して厚さ50μm
のPFA製チューブによる表面層を設けたものを用い、
一方、加圧ローラーには、SUS製の芯金をプライマー
処理した後、ジメチルシリコーンゴムの弾性層を設け、
更にプライマー層を介して厚さ50μmのPFAチュー
ブにより表面層を設けたものを用いた。
【0336】また、加圧ローラーの円筒状の芯金の内部
には加圧体としてハロゲンヒーターを配設し、加熱加圧
手段の作動時に定着ローラーの表面温度が170℃とな
るようにし、更に、加熱ローラーと加圧ローラーには2
45N(25kgf)の当接圧を加え、幅5mmのニッ
プ部が形成されるように設定した。
【0337】上記条件にて転写紙(75g/m2、A4
サイズ紙)に面積比率4%印字の画像パターンで、1万
枚の連続プリントアウト試験を行い、初期、5千枚、及
び1万枚時の画像濃度、カブリ、転写性、転写中抜け、
低温定着性、及び高温定着性の評価を行った。以下に評
価方法を記す。
【0338】画像濃度 ベタ部分の画像濃度により評価した。尚、画像濃度の測
定は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社
製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリン
トアウト画像に対する相対濃度を測定した。 A:1.40以上 B:1.35以上、1.40未満 C:1.00以上、1.35未満 D:1.00未満
【0339】カブリ 「REFLECTOMETER MODEL TC−6
DS」(東京電色社製)を用いて、プリントアウト画像
の非画像部の反射率(%)を測定する。得られた反射率
を、同様にして測定した未使用のプリントアウト用紙
(標準紙)の反射率(%)から差し引いた数値(%)を
用いて評価した。数値が小さい程、画像カブリが抑制さ
れていることになる。 A:0.5未満 B:0.5以上、1.0未満 C:1.0以上、5.0未満 D:5.0以上
【0340】転写性 ベタ黒画像形成時の感光体上の転写残余のトナーをマイ
ラーテープによってテーピングして剥ぎ取り、それを紙
上に貼ったものの反射濃度を「マグベス販社濃度計 R
D918」で測定する。得られた反射濃度から、マイラ
ーテープをそのまま紙上に貼った時の反射濃度を差し引
いた数値を用いて評価した。数値が小さい程、転写性が
良好であることになる。 A:0.03未満 B:0.03以上、0.07未満 C:0.07以上、0.10未満 D:0.10以上
【0341】画像中抜け 図15(a)に示した「驚」文字パターンを厚紙(12
8g/m2)にプリントアウトした際の文字部の中抜け
(図15(b)の状態)を目視で評価した。 A:ほとんど発生せず B:軽微な中抜けが見られる C:若干の中抜けが見られる D:顕著な中抜けが見られる
【0342】低温定着性 初期、5千枚、1万枚のプリントアウト終了時に、転写
紙(75g/m2、A4サイズ紙)にベタ画像(トナー
の載り量:0.6mg/cm2)の画像を定着温度を変
えて(130〜175℃)で評価した。なお、定着温度
は定着ローラー表面を非接触の温度計を用いて測定した
値である。 A:130℃以上でオフセットせず B:150℃以上でオフセットせず、150℃未満では
オフセット発生 C:170℃以上でオフセットせず、170℃未満では
オフセット発生 D:170℃以上でもオフセット発生
【0343】高温定着性 初期、5千枚、1万枚のプリントアウト終了時に、転写
紙(75g/m2、A4サイズ紙)にベタ画像(トナー
の載り量:0.6mg/cm2)の画像を定着温度を変
えて(175〜220℃)で評価した。なお、定着温度
は定着ローラー表面を非接触の温度計を用いて測定した
値である。 A:220℃以下でオフセットせず B:200℃以下でオフセットせず、200℃を超える
とオフセット発生 C:180℃以下でオフセットせず、180℃を超える
とオフセット発生 D:180℃以下でもオフセット発生
【0344】<実施例2>実施例1において、トナー
(A)をトナー(B)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、概ね良好な結果となっ
た。これは微粉状無機微粉体の平均一次粒径が小さかっ
たためであると考えられる。
【0345】<実施例3>実施例1において、トナー
(A)をトナー(C)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、転写性、及び転写中抜
けが悪化したが、問題ないレベルであった。これは微粉
状無機微粉体の平均一次粒径が大きかったためであると
考えられる。
【0346】<実施例4>実施例1において、トナー
(A)をトナー(D)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、及びカブリ
が悪化したが、問題ないレベルであった。これは微粉状
無機微粉体のメタノール濡れ性が小さかったため、トナ
ーの帯電性が悪化したためであると考えられる。
【0347】<実施例5>実施例1において、トナー
(A)をトナー(E)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、転写中抜けが悪化した
が、問題ないレベルであった。これは粗粉状粒子の平均
長径が小さかったためであると考えられる。
【0348】<実施例6>実施例1において、トナー
(A)をトナー(F)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、カブリが悪化したが、
問題ないレベルであった。これは粗粉状粒子の平均長径
が大きかったためであると考えられる。
【0349】<実施例7>実施例1において、トナー
(A)をトナー(G)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、カブリ、及
び転写中抜けが悪化したが問題ないレベルであった。こ
れは粗粉状粒子の濡れ性が小さかったためであると考え
られる。
【0350】<実施例8>実施例1において、トナー
(A)をトナー(H)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、及びカブリ
が悪化したが問題ないレベルであった。これは粗粉状粒
子の濡れ性が大きかったためであると考えられる。
【0351】<実施例9>実施例1において、トナー
(A)をトナー(I)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、及びカブリ
が悪化したが問題ないレベルであった。これは微粉体量
が多かったためであると考えられる。
【0352】<実施例10>実施例1において、トナー
(A)をトナー(J)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、転写性、及び転写中抜
けが悪化したが問題ないレベルであった。これは微粉体
量が少なかったかめであると考えられる。
【0353】<実施例11>実施例1において、トナー
(A)をトナー(K)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、転写性、及び転写中抜
けが悪化したが問題ないレベルであった。これは粗粉状
粒子に対する微粉状無機微粒子の割合が小さかったため
であると考えられる。
【0354】<実施例12>実施例1において、トナー
(A)をトナー(L)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、及びカブリ
が悪化したが問題ないレベルであった。これは粗粉状粒
子に対する微粉状無機微粒子の割合が大きかったためで
あると考えられる。
【0355】<実施例13>実施例1において、トナー
(A)をトナー(M)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、カブリ、及
び低温定着性が悪化したが問題ないレベルであった。こ
れは2−アクリルアミド−2−メチルプロパノンスルホ
ン酸の含有量が少ない重合体を用いたため、やや帯電性
が悪化したためである。
【0356】<実施例14>実施例1において、トナー
(A)をトナー(N)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、カブリ、及
び低温定着性が悪化したが問題ないレベルであった。こ
れは2−アクリルアミド−2−メチルプロパノンスルホ
ン酸の含有量が多い重合体を用いたため、やや帯電性が
悪化したためである。
【0357】<実施例15>実施例1において、トナー
(A)をトナー(O)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、及びカブリ
が悪化したが問題ないレベルであった。これはガラス転
移温度が低いスルホン酸含有の重合体を用いたためであ
ると考えられる。
【0358】<実施例16>実施例1において、トナー
(A)をトナー(P)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、及びカブリ
が悪化したが問題ないレベルであった。これはガラス転
移温度が高いスルホン酸含有の重合体を用いたためであ
ると考えられる。
【0359】<実施例17>実施例1において、トナー
(A)をトナー(Q)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、及びカブリ
が悪化したが問題ないレベルであった。これはピーク分
子量が小さいスルホン酸含有の重合体を用いたためであ
ると考えられる。
【0360】<実施例18>実施例1において、トナー
(A)をトナー(R)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、及びカブリ
が悪化したが問題ないレベルであった。これはピーク分
子量が大きいスルホン酸含有の重合体を用いたためであ
ると考えられる。
【0361】<実施例19>実施例1において、トナー
(A)をトナー(S)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、カブリ、及
び高温定着性が悪化したが問題ないレベルであった。こ
れはワックス成分の含有量が少なかったためであると考
えられる。
【0362】<実施例20>実施例1において、トナー
(A)をトナー(T)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、カブリ、及
び低温定着性が悪化したが問題ないレベルであった。こ
れはワックス成分の含有量が多かったためであると考え
られる。
【0363】<実施例21>実施例1において、トナー
(A)をトナー(U)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、高温定着性が悪化した
が問題ないレベルであった。これはワックス成分の融点
が低かったためであると考えられる。
【0364】<実施例22>実施例1において、トナー
(A)をトナー(V)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、低温定着性が悪化した
が問題ないレベルであった。これはワックス成分の融点
が高かったためであると考えられる。
【0365】<実施例23>実施例1において、トナー
(A)をトナー(W)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、カブリ、及
び高温定着性が悪化したが問題ないレベルであった。こ
れはメタノールで抽出された着色剤の分散液の透過濃度
が低かったためであると考えられる。
【0366】<比較例1>実施例1において、トナー
(A)をトナー(a)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、カブリ、及
び低温定着性の著しい悪化が見られた。これはメタノー
ルで抽出された着色剤の分散液の透過濃度が低くすぎる
ためであると考えられる。
【0367】<比較例2>実施例1において、トナー
(A)をトナー(b)に代えることを除いて実施例1と
同様にして評価した。その結果、画像濃度、カブリ、及
び高温定着性の著しい悪化が見られた。これはメタノー
ルで抽出された着色剤の分散液の透過濃度が高すぎるた
めであると考えられる。
【0368】<実施例24>実施例19で用いた加熱加
圧手段の加熱ローラーにオフセット防止用液体の塗布機
構としてジメチルシリコーンオイルを含浸させたローラ
ーを当接させ、転写材上のトナー画像との接触面に塗布
されるオフセット防止用液体の消費量が0.015〜
0.020mg/cm2となるように設定することを除
いては、実施例10と同様に評価した。その結果、得ら
れた画像には若干の光沢があるものの、高温定着性に若
干の改善が見られた。
【0369】実施例1〜24及び比較例1、2の評価結
果を表6に示す。
【0370】
【表6】
【0371】<実施例25>実施例1の評価用画像形成
装置において、定着装置として分離爪やオフセット防止
用液体の塗布機構が配設されていない図3に示したフィ
ルム方式の加圧加熱手段を用いた。
【0372】耐熱性エンドレスフィルムには、転写材と
の接触面にPTFEに導電性物質を分散させた低抵抗の
離型層を有する厚さ60μmのポリイミドフィルムを用
い、加圧ローラーにはSUS製の芯金をプライマー処理
した後、ジメチルシリコーンゴムの発泡体の弾性層、更
にプライマー層を介しながらジメチルシリコーンゴムの
弾性層と厚さ20μmのPTFEの表面層を設けたもの
を用いた。
【0373】また、耐熱性エンドレスフィルムの内部に
は、加熱体としてヒータ基板に発熱抵抗体をスクリーン
印刷し、耐熱性の表面保護層を設けた低熱容量線状加熱
体を配設し、耐熱性エンドレスフィルムを介して上記加
熱体と加圧ローラーには96N(10kgf)の当接圧
を加え、幅5mmのニップ部が形成されるように設定し
た。
【0374】この定着装置を用いてトナー(A)につい
て、低温及び高温定着性の評価を行った。その結果概ね
良好な結果となった。
【0375】<実施例26>実施例25において、トナ
ー(A)をトナー(S)に変えることを除いて、実施例
25と同様に評価した。その結果、高温定着性はやや劣
るものの問題ないレベルであった。
【0376】<比較例3>実施例25において、トナー
(A)をトナー(a)に変えることを除いて、実施例2
5と同様に評価した、その結果、著しい悪化が見られ
た。
【0377】<比較例4>実施例25において、トナー
(A)をトナー(b)に変えることを除いて、実施例2
5と同様に評価した、その結果、著しい悪化が見られ
た。実施例25、26及び比較例3、4の評価結果を表
7に示す。なお、評価方法は前記方法と同様にして行わ
れた。
【0378】
【表7】
【0379】<実施例27>実施例1の評価用画像形成
装置において、分離爪やオフセット防止用液体の塗布機
構が配設されていない図4に示した電磁誘導方式の加熱
加圧手段を用いた。
【0380】耐熱性エンドレスフィルムには、厚み50
μmの円筒状のニッケルフィルム材を電磁誘導発熱する
抵抗層とし、その外周面をジメチルシリコーンゴムから
なる弾性層とPFAからなる離型層で被覆した3層構造
のものを用い、一方、加圧ローラーにはSUS製の芯金
をプライマー処理した後、ジメチルシリコーンゴムの発
泡体の弾性層、更にプライマー層を介しながらジメチル
シリコーンゴムの弾性層と厚さ50μmのPFAチュー
ブによる表面層を設けたものを用いた。
【0381】また、円筒状の耐熱性エンドレスフィルム
の内部には磁界発生手段を配設し、耐熱性エンドレスフ
ィルムを介して上記磁界発生手段と加圧ローラーには2
45N(25kgf)の当接圧を加え、幅6mmのニッ
プ部が形成されるように設定した。
【0382】この定着装置を用いてトナー(A)につい
て、低温及び高温定着性の評価を行った。その結果概ね
良好な結果となった。
【0383】<実施例28>実施例27において、トナ
ー(A)をトナー(S)に変えることを除いて、実施例
27と同様に評価した。その結果、高温定着性はやや劣
るものの問題ないレベルであった。
【0384】<比較例5>実施例27において、トナー
(A)をトナー(a)に変えることを除いて、実施例2
7と同様に評価した、その結果、著しい悪化が見られ
た。
【0385】<比較例6>実施例27において、トナー
(A)をトナー(b)に変えることを除いて、実施例2
7と同様に評価した、その結果、著しい悪化が見られ
た。実施例27、28及び比較例5、6の評価結果を表
8に示す。なお、評価方法は前記方法と同様にして行わ
れた。
【0386】
【表8】
【0387】<実施例29>下記以外は実施例1と同様
にして行った。
【0388】トナー担持体の表面の移動方向が、感光体
ドラム表面との接触部分において同方向であり、該感光
体回転周速に対し200%となるように駆動した。該ト
ナー担持体の周速は160mm/sであり、感光体表面
に対する相対速度は80mm/sである。
【0389】また、現像バイアスは直流成分のみとし、
初期の画像濃度が1.50となるように設定した。
【0390】1万枚のプリントアウト評価を行ったとこ
ろ、トナー担持体の回転周速が感光ドラムの回転周速に
対して200%にアップしたため、より厳しい条件とな
るため、実施例1と比較するとやや劣るものの、概ね良
好な結果が得られた。
【0391】<実施例30>下記以外は実施例1と同様
にして行った。
【0392】トナー担持体の表面の移動方向が、感光体
ドラム表面との接触部分において同方向であり、プロセ
ススピードが140mm/sとなるように変更した。こ
のとき該トナー担持体の周速は210mm/sとし、該
感光体回転周速に対し150%となるようにした。ま
た、現像バイアスは直流成分のみとし、初期の画像濃度
が1.50となるように設置した。
【0393】1万枚のプリントアウト評価を行ったとこ
ろ、プロセススピードが140mm/sとアップし、よ
り厳しい条件となるため、実施例1と比較するとやや劣
るものの、概ね良好な結果が得られた。
【0394】<実施例31>実施例1で用いた画像形成
装置において、現像容器52中のトナー塗布ローラー5
5として、単層構造のスポンジローラーを用い、このト
ナー塗布ローラー55に図示されていないバイアス印加
手段からバイアス電圧を印加するように変更することを
除いては、実施例1と同様にして画像形成を行い評価を
行った。
【0395】この現像時の現像ローラー54には現像バ
イアス電圧として、直流成分のみとし、初期の画像濃度
が1.50となりように設定し、その後、千枚おきに再
調整した。また、トナー塗布ローラー55には塗布バイ
アス電圧として直流成分のみを−450V印加した。
【0396】実施例1と同様に評価したところ、概ね良
好な結果が得られた。
【0397】<実施例32>トナー(A)を図10に示
す画像形成装置の現像器117に用いて画像形成を行っ
た。
【0398】画像形成装置には、図10に示す通り、第
1の転写工程後、感光体表面に残存するトナーを除去す
るための第1のクリーニング手段として、感光体表面に
当接するクリーニング部材を有するクリーナーが第1の
転写部と感光体を帯電する帯電部との間に設けられてお
り、さらに、第2の転写工程後、中間転写体表面に残存
するトナーを除去するための第2のクリーニング手段と
して、中間転写体表面に当接するクリーニング部材を有
するクリーナーが第2の転写部より下流側であり、第1
の転写部よりも下流側に設けられている。
【0399】現像器117としては、図9に示す現像器
78の構成のものを用いた。
【0400】カーボンブラックを分散して抵抗を調整し
たシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラー(直径1
6mm)をトナー担持体79とし、感光体に当接した。
トナー担持体79の表面の移動方向及び回転周速は、感
光体表面との接触部分において同方向であり、該感光体
回転周速に対し150%となるように駆動する。つま
り、トナー担持体の周速は120mm/sであり、感光
体表面に対する相対速度は80mm/sである。
【0401】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、単層構成のスポンジローラーを塗布ローラー82と
して設け、該トナー担持体に当接させた。接触部におい
て、塗布ローラーの表面の移動方向がトナー担持体の移
動方向と反対方向に移動するように回転させることによ
りトナーをトナー担持体上に塗布した。さらに、該トナ
ー担持体上トナーのコート層制御のために、樹脂をコー
トしたステンレス製ブレード86を取付けた。
【0402】トナーとしてはトナー(A)を用い、以下
の現像条件及び転写体を満足するよう画像形成条件を設
定した。 感光体暗部電位:−700V 感光体明部電位:−150V
【0403】現像ローラーに印加する現像バイアスは直
流成分のみで画像濃度が1.50となるように設定し
た。 トナー塗布ローラーに印加するバイアス:−300V
(直流成分のみ) 第1の転写工程で中間転写体に印加する転写バイアス:
300V(直流成分のみ) 第2の転写工程で転写ローラーに印加する転写バイア
ス:1000V(直流成分のみ)
【0404】上記の画像形成条件によって、記録材上に
転写されたトナー画像は、以下の加熱定着装置によっ
て、記録材に加熱定着した。
【0405】加熱定着装置130は実施例1で用いたも
のと同一なものを用いた。
【0406】上記の構成の画像形成装置を用いて、1万
枚の連続プリントアウト試験を行ったところ、概ね良好
な結果が得られた。
【0407】<実施例33>図7に示す画像形成装置と
して600dpiレーザービームプリンタ(キヤノン
製:LBP−860)を用意し、プロセススピードは、
94mm/sに改造した。
【0408】プロセスカートリッジにおけるクリーニン
グゴムブレードを取りはずし、装置の帯電方式をゴムロ
ーラーを当接する接触帯電とし、印加電圧を直流成分
(−400V)とした。プロセススピードを速めている
分、感光体の均一な帯電には厳しい条件となっている。
【0409】次に、プロセスカートリッジにおける現像
部分を改造した。トナー担時体であるステンレススリー
ブの代わりに発泡ウレタンからなる中抵抗ゴムローラー
(直径16mm、硬度ASKER C45度、抵抗10
5Ω・cm)を用いて、感光体に当接させた。該トナー
担持体の表面の移動方向は、感光体表面の移動方向と同
方向であり、該感光体回転周速に対し130%となるよ
うに駆動する。
【0410】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、現像部分に塗布ローラーを該トナー担持体に当接さ
せて設けた。さらに、該トナー担持体上にトナーのコー
ト層制御のために樹脂をコートしたステンレス製ブレー
ドを取り付けた。現像時のトナー担持体に対して印加す
る現像バイアス電圧をDC成分のみとし、画像濃度が
1.50となるように電圧を調整した。
【0411】これらのプロセスカートリッジの改造に適
合するよう画像形成装置の改造及びプロセス条件設定を
行った。
【0412】感光体帯電電位は、暗部電位を−800V
とし、明部電位を−150Vとした。転写材としては7
5g/m2の紙を用いた。
【0413】トナー(A)を用い、実施例1と同様に評
価したところ概ね良好な結果が得られた。
【0414】<実施例34>実施例18で用いた画像形
成装置において、現像容器52中のトナー塗布ローラー
55として、単層構造のスポンジローラーを用い、この
トナー塗布ローラー55に図示されていないバイアス印
加手段からバイアス電圧を印加するように変更すること
を除いては、実施例17と同様にして画像形成を行い、
評価を行った。
【0415】この現像時の現像ローラー54には現像バ
イアス電圧として、直流成分のみを−300Vを印加
し、トナー塗布ローラー55には塗布バイアス電圧とし
て直流成分のみを−480V印加した。
【0416】実施例18と同様に評価したところ、概ね
良好な結果が得られた。
【0417】<実施例35>トナー(A)を図11に示
す画像形成装置の現像器117に用いて画像形成を行っ
た。
【0418】画像形成装置には、図11に示す通り、転
写工程後感光体表面に存在するトナーを除去するための
第1のクリーニング部材を有するクリーナーは、第1の
転写部と現像部との間に設けられておらず、第2の転写
工程後、中間転写体表面に残存するトナーを除去するた
めのクリーニング手段として、中間転写体表面に当接す
るクリーニング部材を有するクリーナーが第2の転写部
より下流側であり、第1の転写部よりも下流側に設けら
れている。
【0419】現像器117としては、図9に示す現像器
78の構成のものを用いた。第1の転写後感光体ドラム
表面に残存するトナーは、帯電部で帯電バイアスの印加
により、トナーの帯電極性を負極性にそろえた後、現像
時に現像部で非画像領域に存在するトナーのみ現像器中
に回収させる構成にした。
【0420】カーボンブラックを分散して抵抗を調整し
たシリコーンゴムからなる中抵抗ゴムローラー(直径1
6mm)をトナー担持体79とし、感光体に当接した。
トナー担持体79の表面の移動方向及び回転周速は、感
光体表面との接触部分において同方向であり、該感光体
回転周速に対し150%となるように駆動する。つま
り、トナー担持体の周速は120mm/sであり、感光
体表面に対する相対速度は80mm/sである。
【0421】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、単層構成のスポンジローラーを塗布ローラー82と
して設け、該トナー担持体に当接させた。接触部におい
て、塗布ローラーの表面の移動方向がトナー担持体の移
動方向と反対方向に移動するように回転させることによ
りトナーをトナー担持体上に塗布した。さらに、該トナ
ー担持体上トナーのコート層制御のために、樹脂をコー
トしたステンレス製ブレード86を取付けた。
【0422】トナーとしては、トナー(A)を用い、以
下の現像条件及び転写体を満足するように画像形成条件
を設定した。 感光体暗部電位:−700V 感光体明部電位:−150V
【0423】現像ローラーに印加する現像バイアスは直
流成分のみで画像濃度が1.50になるように設定し
た。 トナー塗布ローラーに印加するバイアス:−300V
(直流成分のみ) 第1の転写工程で中間転写体に印加する転写バイアス:
350V(直流成分のみ) 第2の転写工程で転写ローラーに印加する転写バイア
ス:1000V(直流成分のみ)
【0424】上記の画像形成条件によって、記録材上に
転写されたトナー画像は、以下の加熱定着装置によっ
て、記録材に加熱定着した。
【0425】加熱定着装置130にはオイル塗布機能の
ない熱ロール方式の定着装置を用いた。この時上部ロー
ラー128、下部ローラー129共にフッ素系樹脂の表
面層を有するものを使用し、ローラーの直径は60mm
であった。また、定着温度は150℃、ニップ幅を7m
mに設定した。
【0426】上記の構成の画像形成装置を用いて、連続
1万枚のプリントアウト試験を行ったところ、概ね良好
な結果が得られた。
【0427】<実施例36>市販のレーザービームプリ
ンターLBP−EX(キヤノン社製)のプロセスカート
リッジを図12に示すように非磁性一成分ジャンピング
現像用に改造し、前記トナー(A)を逐次補給しながら
1万枚分のプリントアウト試験を行い、得られたプリン
トアウト画像を評価した。
【0428】また、図12に記載のプロセスカートリッ
ジを用いた画像形成方法について以下に説明する。
【0429】図12において、静電潜像担持体である感
光体ドラム20には、電子写真プロセス手段、又は静電
記録手段により潜像形成がなされる。非磁性スリーブか
らなるトナー担持体14の略右半周面はトナー容器21
内のトナー溜りに常時接触している。トナー容器21内
のトナーTは、トナー塗布ローラーであるトナー供給部
材22によってトナー担持体24上に供給される。該ト
ナー塗布ローラーの表面の移動方向は、トナー担持体2
4の移動方向と逆方向に設定されており、トナー担持体
24上へのトナー供給と併せて、現像後の未現像トナー
の剥ぎ取りも行う。トナー担持体24上に供給されたト
ナーは弾性ブレードからなるトナー層厚規制部材23に
よって薄層且つ均一に塗布される。感光ドラム20とト
ナー担持体24との間隙αは180μmに設定されてい
る。
【0430】一方、トナー担持体14にはバイアス電源
16によって感光体ドラム20との間に現像バイアスが
印加されている。
【0431】トナー担持体24の表面の移動方向及び回
転周速は、感光体表面において同方向であり、該感光体
回転周速に対し150%となるように駆動する。つま
り、トナー担持体の周速は120mm/sであり、感光
体表面に対する相対速度は80mm/sである。
【0432】以下の現像条件を満足するように画像形成
条件を設定した。 感光体暗部電位:−700V 感光体明部電位:−150V
【0433】現像ローラーに印加する現像バイアスは直
流成分に交流成分を重畳して、画像濃度が1.50にな
るように設定した。トナー塗布ローラーに印加するバイ
アス:−300V(直流成分のみ)
【0434】上記の画像形成条件によって、記録材上に
転写されたトナー画像は、実施例1と同一の加熱定着装
置によって、記録材に加熱定着した。
【0435】実施例1と同様のプリントアウト画像評価
を行った結果、概ね良好な結果が得られた。
【0436】実施例29〜36の評価結果を表9に示
す。なお、評価方法は前記方法と同様にして行われた。
【0437】
【表9】
【0438】現像用キャリアの製造例1 水媒体中にフェノール/ホルムアルデヒドモノマー(5
0:50)を混合分散した後、モノマー質量に対して、
アルミナで表面処理したマグネタイト粒子をイソプロポ
キシトリイソステアロイルチターネートで疎水化処理し
た磁性粉600質量部、イソプロポキシトリイソステア
ロイルチターネートで疎水化処理した非磁性ヘマタイト
粒子400質量部を均一に分散させ、アンモニアを適宜
添加しつつ、モノマーを重合させ、磁性粒子を内包した
球状磁性樹脂キャリア芯材を得た。
【0439】一方、トルエン20質量部、ブタノール2
0質量部、水20質量部、氷40質量部を四つ口フラス
コにとり、撹拌しながらCH3SiCl3と(CH32
iCl2とのモル比で3:2の混合物40質量部および
触媒を加え、更に30分間撹拌した後、60℃で1時間
縮合反応を行なった。その後シロキサンを水で十分に洗
浄し、トルエン−メチルエチルケトン−ブタノール混合
触媒に溶解し固形分10%のシリコーンワニスを調製し
た。
【0440】このシリコーンワニスに、シロキサン固形
分100質量部に対して2.0質量部のイオン交換水お
よび2.0質量部の下記硬化剤
【0441】
【化10】 と、2.0質量部の下記アミノシランカップリング剤
【0442】
【化11】 を同時添加し、キャリア被覆溶液Iを作製した。
【0443】この溶液Iを塗布機(岡田精工社製:スピ
ラコータ)により、前述のキャリア芯材100質量部
に、樹脂コート量が1質量部となるように塗布し、現像
用キャリア(1)を得た。
【0444】現像用キャリアの製造例2 フェノールの代わりに尿素を用いることを除いて現像用
キャリアの製造例2と同様にして製造した。得られたキ
ャリアをキャリア(2)とする。
【0445】現像用キャリアの製造例3 疎水化処理されたマグネタイト及びヘマタイトの代わり
にMg−Mn−Feフェライトを添加することを除いて
現像用キャリアの製造例1と同様にして製造した。得ら
れたキャリアをキャリア(3)とする。
【0446】現像用キャリアの製造例4 キャリア表面に用いるコート剤としてポリフッ化ビニリ
デンを用いることを除いて、現像用キャリアの製造例3
と同様にして製造した。得られたキャリアをキャリア
(4)とする。
【0447】現像用キャリアの製造例5 キャリア表面をコートしないことを除いて、現像用キャ
リアの製造例3と同様にして製造した。得られたキャリ
アをキャリア(5)とする。
【0448】現像用キャリアの製造例6 現像用キャリアの製造例1において、重合条件を変える
こと以外は、現像用キャリアの製造例1と同様にして製
造した。得られたキャリアをキャリア(6)とする。
【0449】現像用キャリアの製造例7 現像用キャリアの製造例1において、重合条件を変える
こと以外は、現像用キャリアの製造例1と同様にして製
造した。得られたキャリアをキャリア(7)とする。
【0450】現像用キャリアの製造例8 現像用キャリアの製造例1において、重合条件を変える
こと以外は、現像用キャリアの製造例1と同様にして製
造した。得られたキャリアをキャリア(8)とする。
【0451】上記現像用キャリアの製造方法で得られた
キャリアについての重量平均径、SF−1及び体積抵抗
値を表10に記す。
【0452】
【表10】
【0453】<実施例37>トナー(A)、現像用キャ
リア(1)とをトナー濃度8質量%で混合して現像剤を
調製した。次に、市販の複写機GP55(キヤノン製)
の現像装置を図13に示す如く改造した。感光体13に
対して反対方向に感光体の周速に対して120%の周速
で帯電ローラを回転させ、直流/交流電界を初期の画像
濃度が1.50となるように重畳印加し、感光体13を
帯電させた。現像コントラスト200V、カブリとり反
転コントラスト−150Vに設定し、図14の交流電界
を使用し、前述の現像剤を使用して現像を行ない、転写
材に転写し、転写材上の未定着のトナー画像は、実施例
1と同一の加圧加熱ローラによって転写材に定着した。
現像剤中のトナー濃度は、コイルのインダクタンスを利
用して透磁率変化を検知する手段によって、8質量%を
維持するように設定した。
【0454】上記条件にて転写紙(75g/m2、A4
サイズ紙)に面積比率4%印字の画像パターンで、1万
枚の連続プリントアウト試験を行い、初期、5千枚、及
び1万枚時の画像濃度、カブリ、転写性、転写中抜け、
低温定着性、及び高温定着性の評価を行った。
【0455】その結果、各項目において良好な結果が得
られた。
【0456】<実施例38>実施例37において現像用
キャリア(2)を使用すること以外は同様にして、評価
を行った。その結果、カブリは若干、悪化した。これは
尿素樹脂の硬度が若干、劣るためにトナースペントが生
じやすくなったためと考えられる。
【0457】<実施例39>実施例37において現像用
キャリア(3)を使用すること以外は同様にして、評価
を行った。その結果、カブリは若干、悪化した。これは
Mg−Mn−Fe粒子を用いたためと考えられる。
【0458】<実施例40>実施例39において現像用
キャリア(4)を使用すること以外は同様にして、評価
を行った。その結果、カブリは若干、悪化した。これ
は、コート材がポリフッ化ビニリデンであるために、帯
電量が低下したためと考えられる。
【0459】<実施例41>実施例37において現像用
キャリア(5)を使用すること以外は同様にして、評価
を行った。その結果、カブリは若干、悪化した。キャリ
ア表面がコート材で覆われていないため、現像剤の帯電
量が低下したためと考えられる。
【0460】<実施例42>実施例37において現像用
キャリア(6)を使用すること以外は同様にして、評価
を行った。その結果、カブリは若干、悪化した。これは
キャリアのSF−1の値がやや大きすぎるためと考えら
れる。
【0461】<実施例43>実施例37において現像用
キャリア(7)を使用すること以外は同様にして、評価
を行った。その結果、カブリは若干、悪化した。これは
キャリアの抵抗が大きいためであると考えられる。
【0462】<実施例44>実施例37において現像用
キャリア(8)を使用すること以外は同様にして、評価
を行った。その結果、カブリは若干、悪化した。これは
キャリアの抵抗が小さいためであると考えられる。
【0463】<比較例7>実施例38においてトナー
(a)を使用すること以外は同様にして、評価を行っ
た。その結果、全ての項目において著しく悪化した。こ
れはメタノールで抽出された着色剤の分散液の透過濃度
が低すぎため、外部添加剤が遊離したり、キャリア表面
が着色剤で汚染されたためであると考えられる。
【0464】<比較例8>実施例38においてトナー
(b)を使用すること以外は同様にして、評価を行っ
た。その結果全ての項目において著しく悪化した。これ
はメタノールで抽出された着色剤の分散液の透過濃度が
高すぎたため、初期の段階から、外部添加剤トナー表面
に埋没してしまったためであると考えられる。
【0465】実施例37〜44及び比較例7、8の評価
結果を表11に示す。なお、評価方法は前記方法と同様
にして行われた。
【0466】
【表11】
【0467】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トナー中に特定のモノアゾ系着色剤を含有とトナー粒子
と微粉体を含有する乾式トナーであって、トナー中から
メタノールで抽出される着色剤の量を特定することによ
り、画像濃度、転写性、及び定着性が極めて良好なトナ
ーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱ローラー方式の加熱加圧手段の一例の概略図
である。
【図2】熱ローラー方式の加熱加圧手段の一例の概略図
である。
【図3】フィルム方式の加熱加圧手段の一例の概略図で
ある。
【図4】電磁誘導方式の加熱加圧手段の一例の概略図で
ある。
【図5】プロセスカートリッジを有する画像形成装置の
模式図である。
【図6】画像形成装置の他の例を示す模式図である。
【図7】画像形成装置の他の例を示す模式図である。
【図8】画像形成装置の他の例を示す模式図である。
【図9】現像器の説明図である。
【図10】中間転写体を有する画像形成装置の模式図で
ある。
【図11】中間転写体を有する画像形成装置の模式図で
ある。
【図12】実施例で用いた画像形成装置の説明図であ
る。
【図13】実施例で用いた画像形成装置の説明図であ
る。
【図14】実施例の装置で使用した交流電界の説明図で
ある。
【図15】画面中抜けの様子を示す説明図である。
【符号の説明】
11 加熱ローラー 12 加圧ローラー 31 加熱体 32 フィルム 54 トナー担持体 56 感光体 78 現像器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/087 G03G 15/08 115 9/107 501A 9/113 501Z 15/02 101 15/16 103 15/08 115 15/20 101 501 102 21/00 507 9/08 361 15/16 103 325 15/20 101 9/10 331 102 351 21/00 352 354 15/08 507B (72)発明者 登坂 恵美 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA08 AA21 BA03 BA06 BA15 CA02 CA03 CA11 CA12 CA14 CA21 CB07 CB13 EA01 EA03 EA06 EA07 EA10 FA07 2H033 AA01 BA43 BA46 BA49 BA51 BB05 BB13 BB14 BB15 BB18 BB29 BB30 BB33 BE03 BE06 CA07 CA28 CA46 2H077 AA37 AC04 AC16 AD02 AD13 AD23 AD32 AD35 AE02 AE03 AE06 DA10 DA54 EA03 EA14 EA15 EA16 FA13 FA22 FA25 GA13 GA17 2H134 GA01 HA00 HB00 HD00 HF13 JA11 KH01 KJ02 2H200 FA16 GA04 GA23 GA34 GA44 GA45 GA47 GA53 GA54 GA59 GB12 GB13 GB15 GB25 GB26 GB27 GB37 HA03 HB03 HB07 HB12 HB13 HB14 HB22 HB45 HB46 HB47 HB48 JA02 JA08 JA28 JB20 JC02 JC03 JC12 JC15 JC17 JC18 LB02 LB13 MA03 MA04 MA08 MA11 MA12 MA14 MA20 MB04 MC02 MC03 NA02 NA06

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、ワックス成分、及
    び下記構造式(1)で示されるモノアゾ系着色剤を含有
    するトナー粒子と外部添加剤を含有する乾式トナーであ
    って、 【化1】 該トナー1gを25mlのメタノールに溶解又は分散さ
    せた後、ポアサイズが45nmのフィルターで濾別する
    ことにより得られるメタノール溶液又は分散液におい
    て、500〜600nmの領域に現れる着色剤由来の最
    大吸収ピークが示す透過率が70〜98%であることを
    特徴とする乾式トナー。
  2. 【請求項2】 トナーはスルホン酸基を有する重合性単
    量体を構成成分の一部とするスチレン又はスチレン−ア
    クリルの共重合体を1〜10質量%含有しており、該共
    重合体のガラス転移温度(Tg)は40〜90℃であ
    り、且つ、ピーク分子量(Mp)が5000〜5000
    0であることを特徴とする請求項1に記載の乾式トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 乾式トナー中のワックス成分の含有量は
    5〜18質量%であって、 且つ、該ワックス成分は、少なくともDSCで測定した
    ときの主体吸熱ピーク温度(融点)が55〜95℃であ
    るワックス成分で構成されていること特徴とする請求項
    1又は2に記載の乾式トナー。
  4. 【請求項4】 乾式トナー中の外部添加剤の含有量は
    0.5〜4質量%であって、 且つ、該外部添加剤は、少なくとも平均一次粒径が1〜
    25nmである微粉状無機微粒子と、一次粒子又は二次
    粒子の状態で存在している平均長径が30〜400nm
    である粗粉状粒子を7:1〜1:3の割合で含有してお
    り、 該微粉状無機粒子は、シリコーンオイル又は/及びシリ
    コーンワニスによりメタノール濡れ性が90%以上にな
    るように疎水化処理されており、且つ、該粗粉状粒子の
    メタノール濡れ性が75〜95%であることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の乾式トナー。
  5. 【請求項5】 少なくとも(a)静電潜像を担持するた
    めの像担持体を帯電する帯電工程;(b)帯電された像
    担持体に露光によって静電潜像を形成する露光工程;
    (c)該静電潜像をトナー担持体の表面に担持されてい
    るトナーによって現像し、トナー像を形成する現像工
    程;及び(d)該像担持体の表面に形成されたトナー像
    を中間転写体を介して、又は介さずに転写材に転写する
    転写工程;(e)転写材に転写されたトナー像を加熱加
    圧することにより、転写材にトナー像を固着させる定着
    工程;を有する画像形成方法において、前記加熱加圧手
    段は、(i)少なくとも加熱体を有する回転過熱部材
    と、該回転加熱部材と相互厚接してニップ部を形成する
    回転加圧部材とを有し、(ii)転写材上のトナー画像
    との接触面に塗布されるオフセット防止用液体の消費量
    が0〜0.025mg/cm2(転写材の単位表面積基
    準)に設定されており、(iii)前記ニップ部で転写
    材上のトナー画像を加熱加圧するものであり、少なくと
    も結着樹脂、ワックス成分、及び下記構造式(1)で示
    されるモノアゾ系着色剤を含有するトナー粒子と外部添
    加剤を含有する乾式トナーであって、 【化2】 該トナー1gを25mlのメタノールに溶解又は分散さ
    せた後、ポアサイズが45nmのフィルターで濾別する
    ことにより得られるメタノール溶液又は分散液におい
    て、500〜600nmの領域に現れる着色剤由来の最
    大吸収ピークが示す透過率が70〜98%であることを
    特徴とする画像形成方法。
  6. 【請求項6】 加熱体を内部に有する円筒状の加熱ロー
    ラーを回転加熱部材とし、該加熱ローラーの表面に定着
    残余のトナーを除去する為のクリーニング部材と転写材
    の巻き付き防止用分離部材が配設されていない、熱ロー
    ラー方式の加熱加圧手段を用いることを特徴とする請求
    項5に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 支持体に固定支持させた加熱体を内部に
    有し、該加熱体に圧設されながら移動駆動する円筒状の
    耐熱性エンドレスフィルムを回転部材とし、該エンドレ
    スフィルムを介してトナー画像を加熱加圧する、フィル
    ム方式の加圧過熱手段を用いることを特徴とする請求項
    5に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 磁界発生手段を内部に有し、該磁界発生
    手段の作用で電磁誘導発熱する発熱層を有する円筒状の
    耐熱性エンドレスフィルムからなる加熱体を回転加熱部
    材とする電磁誘導方式の加熱加圧手段を用いることを特
    徴とする請求項5に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 現像工程は、一成分系トナー担持体表面
    に担持されているトナーにより形成されるトナー層が該
    像担持体の表面に接触することにより、該静電潜像の現
    像が行なわれることを特徴とする請求項5乃至8のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 転写工程後に、該像担持体表面に残存
    しているトナーの回収を該現像工程において該現像装置
    が兼ねて行なう現像兼クリーニング方式により、像担持
    体のクリーニングが行なわれることを特徴とする請求項
    9に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 現像工程において、現像領域における
    トナー担持体の表面の移動速度が、像担持体の表面の移
    動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度に設定されて
    いることを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形
    成方法。
  12. 【請求項12】 現像工程において、該トナー担持体に
    担持されているトナーにトナー層厚規制部材を当接させ
    ることにより、該トナー担持体の表面にトナー層厚が規
    制されたトナー層が形成されることを特徴とする請求項
    9乃至11のいずれかに記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 該トナーは、現像器中に保有されてお
    り、該現像器中に保有されているトナーは、該トナー担
    持体にトナーを供給するためのトナー供給部材によって
    該トナー担持体に供給されることを特徴とする請求項9
    乃至12のいずれかに記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 該トナー供給部材は、トナー担持体の
    表面に当接するトナー塗布ローラーであり、該トナー塗
    布ローラーの表面の移動方向は、該トナー担持体の表面
    の移動方向と逆方向に設定されていることを特徴とする
    請求項9乃至13のいずれかに記載の画像形成方法。
  15. 【請求項15】 該トナー担持体には、該静電潜像の現
    像時に現像バイアス電圧が印加されており、該トナー塗
    布ローラーには、該トナー担持体へのトナー供給時に塗
    布バイアス電圧が印加されていることを特徴とする請求
    項9乃至14のいずれかに記載の画像形成方法。
  16. 【請求項16】 該トナー塗布ローラーに印加する塗布
    バイアス電圧は、該トナー担持体に印加する現像バイア
    ス電圧よりも絶対値で大きく設定されており、該トナー
    塗布ローラーは、該トナー担持体の表面にトナーを供給
    し、且つ、現像後に該トナー担持体の表面に残存するト
    ナーをはぎ取ることを特徴とする請求項9乃至15のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 該像担持体上の静電潜像の明部電位が
    絶対値で0〜250Vを有し、暗部電位が絶対値で30
    0〜10000Vを有し、該トナー塗布ローラーに印加
    する塗布バイアス電圧が絶対値で100〜900Vを有
    し、該トナー担持体に印加する現像バイアス電圧が絶対
    値で100〜900Vを有し、該塗布バイアス電圧は、
    該現像バイアス電圧よりも絶対値で10〜400V大き
    く設定されており、該トナー塗布ローラーは、該トナー
    担持体の表面にトナーを供給し、且つ、現像後に該トナ
    ー担持体の表面に残存するトナーをはぎ取ることを特徴
    とする請求項9乃至16のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  18. 【請求項18】 該転写工程において、外部から電圧が
    印加された転写部材を、該転写材を介して該像担持体に
    当接させることによって、該像担持体に形成されている
    該トナー像を該転写材に転写することを特徴とする請求
    項9乃至17のいずれかに記載の画像形成方法。
  19. 【請求項19】 該帯電工程において、外部から電圧が
    印加された帯電部材を該像担持体に当接させることによ
    って、該像担持体の帯電が行われることを特徴とする請
    求項9乃至18のいずれかに記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 該帯電工程において、直流電圧が該帯
    電部材に外部から印加されることを特徴とする請求項9
    乃至19のいずれかに記載の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 該帯電工程において、直流電圧及び該
    直流電圧印加における放電開始電圧の2倍未満の交流電
    圧が、該帯電部材に外部から印加されることを特徴とす
    る請求項9乃至20のいずれかに記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 現像剤は少なくともトナーとキャリア
    とを有する二成分現像剤であって、静電潜像を担持体の
    表面に担持されている二成分現像剤によって現像し、ト
    ナー像を形成し、且つ、該二成分現像剤のトナー濃度は
    コイルのインダクタンスを利用して透磁率変化を検知す
    ることにより制御することを特徴とする請求項5乃至8
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 キャリアが、少なくとも無機化合物粒
    子とバインダー樹脂とを含有する複合体粒子を有してい
    る磁性微粒子分散型樹脂キャリアであることを特徴とす
    る請求項22に記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 球形磁性粉分散型キャリアが、結着樹
    脂としてフェノール樹脂を含有していることを特徴とす
    る請求項22又は23に記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 球形磁性粉分散型キャリアが、非磁性
    金属酸化物を有していることを特徴とする請求項22乃
    至24のいずれかに記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 球形磁性粉分散型キャリアが、磁性粉
    を分散させた樹脂粒子をキャリア芯材粒子として、その
    表面を樹脂でコートしたキャリアであることを特徴とす
    る請求項22乃至25のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  27. 【請求項27】 キャリア芯材粒子の表面をコートする
    樹脂が、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはフッ素樹
    脂とアクリル樹脂との共重合体或いは混合物であること
    を特徴とする請求項22乃至26のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  28. 【請求項28】 球形磁性粉分散型キャリアの形状係数
    SF−1が、100〜130であることを特徴とする請
    求項22乃至27のいずれかに記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 球形磁性粉分散型キャリアの体積抵抗
    値が、109〜101 5Ωcmであることを特徴とする請
    求項22乃至28のいずれかに記載の画像形成方法。
  30. 【請求項30】 トナーが請求項2乃至4のいずれかに
    記載のトナーであることを特徴とする請求項5乃至29
    のいずれかに記載の画像形成方法。
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