JP2006208484A - フルカラー画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フルカラー画像形成装置において、多色のカラートナーからなる画像であっても、低温定着性と耐ホットオフセット性を兼ね備え、中間色の色再現性や発色性の優れた混色性の高いフルカラー画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 静電潜像体担持体上に形成された静電潜像を少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる複数のフルカラートナーで順次現像して形成されたトナー画像を記録媒体上に転写させた後の記録媒体上のトナー画像を定着させる定着装置であって、該トナー画像は、前記記録媒体上に重ね合わせるように形成されたフルカラートナーのうち、トナー粒子表面の着色剤の存在量(以下、表面着色剤存在量という)比の最も高いフルカラートナーが上層にあり、該表面着色剤存在量比が、1.3〜2.0であることを特徴とする定着装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を現像するための現像剤として使用されるトナーおよびその製造方法、該トナーを用いる画像形成方法に関する。更に、直接または間接電子写真現像方式を用いた複写機、レーザープリンタ、普通紙ファックス等の電子写真現像装置に使用される電子写真用トナー、および画像形成方法に関する。更に、直接または間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンタ、フルカラー普通紙ファックス等の電子写真現像装置に使用される電子写真用トナー、および画像形成方法に関する。
従来から、電子写真装置、静電記録装置等において、電気的または磁気的に形成された潜像は、トナーによって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、加熱等の方法により紙等の転写材上に定着される。また、感光体は再び潜像を形成するためにクリーニング部材によりクリーニングされる。静電荷像の現像に使用されるトナーは、一般に、トナーバインンダー中に、着色剤、帯電制御剤、その他の添加剤を含有させた着色粒子であり、その種類には、大別して粉砕トナーとケミカルトナーがある。
近年では、高品位、高画質の画像を得るために、ケミカルトナーの需要が高まっている。ケミカルトナーの製法は、粒子の形状を球形等に均一にすることが可能であり、小粒径、且つ、シャープな粒度分布を持たせることができる。特に、粒子形状を球形とすることで、転写効率の向上を図り、トナーの消費量を減少させて画像の抜けの無い高品位の画像を得たり、ランニングコストを低減させることができる。転写効率が非常に良いならば、感光体や転写媒体から未転写トナーを取り除くためのクリーニングユニットが必要なくなり、機器の小型化、低コスト化が図れ、廃棄トナーも無くなるというメリットも同時に有しているからである。
現在では、様々なケミカルトナー製造法が考案され、例えば、懸濁重合法、乳化重合凝集法、ポリマー溶解懸濁法によるトナー製造法が検討されているが、トナーの小径化が進むにつれて転写性、定着性が低下し、貧弱な画像となってしまう問題がある。特に、定着においては、ハーフトーン部の定着性が悪くなる。これは、ハーフトーン部は、トナーの付着量が小さいため、転写材上の凹部に転写されたトナーは、定着ローラから与えられる熱量が極端に少なく、オフセット現像を発生しやすくなるという欠点があるためである。
特に、中間転写体を用いる画像形成方式では、トナーの転写性が低い場合に、トナー像の一部が転写されず、中抜けや転写チリなどが発生する。更には、カラー画像の場合は、中間転写体上に1色から3色のトナー層が、積層して付着することになるため、転写不良による画像品質の低下が大きく、また、記録媒体上に転写されたトナー層を定着する際には、十分な熱量をトナー層全体に与えづらく、コールドオフセットや耐スミア性、発色性を低下させてしまう。
これまでに、例えば、特許文献1、2に記載されているように、特定の着色剤を用いることで色再現性や、発色性を改善したものが数多く開示されていたが、それらは材料が限定される上、着色剤例えば顔料の存在状態によっては高温域における定着性の悪化を招く原因となっていた。
特許文献3では、特定の結着樹脂と帯電制御剤を含有し、帯電制御剤の存在状態やDSC測定の吸熱ピーク温度、貯蔵弾性率を規定することで定着性や中間色の透明性を高める手法が開示されているが、特定の帯電制御剤を使用する必要性があるため汎用的なものではなかった。
特開2003−316080号公報 特開2004−117649号公報 特開2003−280265号公報
加熱定着方式により定着されるフルカラー画像形成装置において、記録媒体上に形成された多色からなるトナー層において、下層に存在するトナー程、定着ローラからの熱が伝導しにくく、コールドオフセットを発生したり、対スミア性が悪化する。また、トナー同士が溶融できないため、混色性が悪くなり、中間色の色再現性や発色性が低下する。特にOHPシート上における透明性と発色性に大きな影響を及ぼす。
本発明の目的は、フルカラー画像形成装置において、多色のカラートナーからなる画像であっても、低温定着性と耐ホットオフセット性を兼ね備え、中間色の色再現性や発色性の優れた混色性の高いフルカラー画像形成装置を提供することである。
本発明者等は上記の問題点について検討を重ねた結果、フルカラートナーのトナー粒子表面の着色剤存在量比(以下、表面着色剤存在量比という)を規定し、記録媒体上に形成された多色からなるトナー層のうち、表面着色剤存在量比の最も高いフルカラートナーが上層にある画像形成装置を用いることで、上記の問題点を解決することができることを見出した。
一般的に、トナー粒子表面に存在する顔料等の着色剤(以下、着色剤の典型例としての顔料の場合について説明する)は低温定着を阻害するため、表面着色剤存在量比が少ない程、低温定着性は有利に働く。多色のカラートナーが積層した未定着画像が定着部において加熱定着される際、下層に存在するトナー程、熱が伝導しにくく、定着性が悪化するが、最も上層にあるトナーの表面着色剤存在量比を最適に保ち、且つ、下層のトナーの表面着色剤存在量比を上層のトナーのトナー粒子の表面着色剤存在量比よりも少なくすることで、少ない熱量でトナー同士を溶融させ、その結果、色再現性や発色性を高めることができると考えられる。
即ち、本発明の課題は以下の技術的手段、手法により解決される。
(1)「静電潜像体担持体上に形成された静電潜像を少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる複数のフルカラートナーで順次現像して形成されたトナー画像を記録媒体上に転写させた後の記録媒体上のトナー画像を定着させる定着装置であって、該トナー画像は、前記記録媒体上に重ね合わせるように形成されたフルカラートナーのうち、トナー粒子表面の着色剤の存在量(以下、表面着色剤存在量という)比の最も高いフルカラートナーが上層にあり、該表面着色剤存在量比が、1.3〜2.0であることを特徴とする定着装置」、
(2)「少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる複数のフルカラートナーで順次形成された静電潜像を現像し、画像を形成する現像手段と、形成された画像を記録媒体上に転写させた後の記録媒体上の画像を定着させる定着手段を有するフルカラー画像形成装置であって、前記記録媒体上に重ね合わせるように形成されたフルカラートナーのうち、表面着色剤存在量比の最も高いフルカラートナーが上層にあり、該表面着色剤存在量比が、1.3〜2.0であることを特徴とするフルカラー画像形成装置」、
(3)「前記最も表面着色剤存在量比の高いトナーがイエロートナーであることを特徴とする前記第(2)項に記載のフルカラー画像形成装置」、
(4)「前記フルカラートナーが、イエロー、マゼンタ、シアントナーから成り、それぞれの表面着色剤存在量比(Py、Pm、Pc)が、Py>Pm、Py>Pcであることを特徴とする前記第(2)項又は(3)項に記載のフルカラー画像形成装置」、
(5)「前記マゼンタトナーの表面着色剤存在量比Pmが1.2〜1.7であり、前記シアントナーの表面着色剤存在量比Pcが1.0〜1.7であり、且つ、イエロートナーの表面着色剤存在量比Py>Pm、Py>Pcであることを特徴とする前記第(4)項に記載のフルカラー画像形成装置」、
(6)「前記最も表面着色剤存在量比の高いトナーの着色剤が、アゾ系顔料、または、キナクリドン系顔料であることを特徴とする前記第(2)項乃至(5)項のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置」、
(7)「前記トナーのトナー母体粒子が、少なくとも活性水素基を有する化合物と活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤を溶解または分散させた有機溶媒を、水系媒体中に分散させ、前記活性水素基を有する化合物と活性水素基と反応可能な部位を有する重合体を反応させた後、もしくは反応させながら、前記有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得られたトナーであることを特徴とする前記第(2)項乃至(6)項のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置」、
(8)「前記トナーのトナー粒子の体積平均粒径(Dv)が3.0〜7.0μmであり、且つ、体積平均粒径(Dv)と数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)の値が1.25以下であることを特徴とする前記第(2)項乃至(7)項のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置」、
(9)「前記トナーのトナー粒子の平均円形度が0.94〜0.99であることを特徴とする前記第(2)項乃至(8)項のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置」、
(10)「未定着画像が形成された前記記録媒体を、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有する定着手段の、前記フィルムと前記加圧部材の間を通過させて前記未定着画像を加熱定着することを特徴とする前記第(2)項乃至(9)項のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置」、
(11)「未定着画像が形成された前記記録媒体を、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラとの間に張り渡され、前記加熱ローラにより加熱されるとともにこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、前記トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されるとともに、前記トナー加熱媒体の回転移動方向に対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着手段の、前記トナー加熱媒体と前記加圧ローラの間を通過させて、前記未定着画像を加熱定着することを特徴とする前記第(2)項乃至(10)項のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置」、
(12)「静電潜像体担持体上に形成された静電潜像を少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる複数のフルカラートナーで順次現像して形成されたトナー画像を記録媒体上に転写させた後の記録媒体上のトナー画像を定着させる定着装置に用いられ、少なくともイエロー、マゼンタ、シアントナーからなるフルカラートナーキッドであって、前記トナー画像は、前記記録媒体上に重ね合わせるように形成されたフルカラートナーのうち、表面着色剤存在量比の最も高いフルカラートナーが上層にあり、該表面着色剤存在量比が、1.3〜2.0であることを特徴とするフルカラートナーキッド」。
本発明によれば、中間転写体を用いるフルカラー画像形成装置において、多色のカラートナーからなる画像であっても、低温定着性、耐ホットオフセット性、発色性のいずれもが同時に優れた、画像再現性の高い、高品位のフルカラー画像を得られるフルカラー画像形成装置が提供されるという極めて優れた効果が発揮される。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
ここで、本発明に用いられるトナー、現像剤の製法や材料、および電子写真プロセスに関するシステム全般に関しては条件を満たせば、公知のものが使用可能である。
<表面着色剤存在比>
本発明におけるトナーの表面着色剤存在比とは、トナー粒子に含有される総着色剤量(対トナー重量部)に対する、トナー粒子の表面近傍に存在する着色剤量(対トナー表面近傍重量部)で表わすが、但し、顔料がトナー粒子に均一分散されている状態を表面着色剤存在比1とする。表面着色剤存在比が1より小さい程内部に偏在し、1より大きい程表面偏在度が高いと言える。ここで、本発明におけるトナーの表面近傍とは、トナーのトナー粒子の最表面からトナー粒子の内部におよそ1.0μmの領域を指している。
トナー中に含有される総着色剤量は、トナー製造時において、顔料等の着色剤が十分に結着樹脂中に分散され、且つ、トナー粒子中にロス無く十分に含有することができるものであれば、処方量から求めることは容易である。また、着色剤量が未知のトナーであっても、様々な手法により着色剤量を求めることができ、その手法は特に限定されるものではないが、例えば、THF(テトラヒドロフラン)やクロロホルムのような適当な溶媒で着色剤を抽出し、抽出量から求めることができる。更に、銅フタロシアニン中の銅元素の様に、使用される顔料構造中に特異的な元素があるのであれば、ICP−MS(高周波誘導結合プラズマ質量分析)による絶対定量値や、検量線を利用して蛍光X線分析により容易に求めること可能である。本発明の実施例における総着色剤量は、処方量が既知であったため、これより計算して求められた。
トナーの表面近傍に存在する着色剤量は、FTIR(フーリエ変換赤外分光分析)−ATR法(全反射法)によって容易に測定することが可能である。詳細な手順例を以下に記述する。
あらかじめ、量の分かっている顔料等の着色剤や結着樹脂等のトナーの原料を、瑪瑙乳鉢等により十分に均一微分散させ、成型器を用いてペレット試料を作成する。ペレット試料の表面に対して上記の測定を行ない、X軸が波数(cm−1)、Y軸が吸光度からなるIRスペクトルを得る。得られたスペクトルにおいて、結着樹脂の構造に由来し、且つ、試料中のその他の原料の構造に由来するピークと重なることが無い特徴的なピークのピーク強度をPrとする。同様にして、顔料等の着色剤の構造に由来し、且つ、試料中のその他の原料の構造に由来するピークと重なることが無い特徴的なピークのピーク強度をPpとする。ピークの吸光度をピーク強度としても問題ないが、測定するピークの前後にあるピーク間の谷間を接線で結び、前記接線をベースラインとし、ピークトップ(A)と、Aを通るX軸の垂線と前記ベースラインの交点(B)間の距離(AB)をピーク強度とするのが好ましい。また、条件を満たしていれば、どのピークのピーク強度を用いても構わず、特に限定されるものではない。本発明においては、結着樹脂の構造に含まれる芳香環の面外骨格振動に由来する、828cm−1付近に見られるピークのピーク強度をPrとし、着色剤の構造に含まれる芳香環のC−H面外変角振動に由来する、755cm−1付近に見られるピークのピーク強度をPpとした。なお、ATR法による分析深度は、波長依存性があり、本発明においては着色剤由来ピークの波長が755cm−1であるので、約1.0μmである。これより、表面近傍の着色剤由来のピーク強度比(P)は、P=Pp/Prより求めることができる。以上の手法により、ピーク強度比(P)と表面近傍の等の着色剤量の検量線を作成した。
次いで、成型器によってペレット試料にされたトナーの表面のIRスペクトルを測定し、上記の手法と同様にして表面近傍の着色剤由来のピーク強度比(P)を求め、検量線法によって、表面の着色剤存在比を求めることができる。本発明では、成型器を用いて、トナー3gに6tの加重を1分間掛けてペレット試料を作成し、その表面をFTIR顕微ATR装置Spectrum One(Perkin Elmer社製)を用いて測定を行なった。
本発明において、イエロートナーのトナー粒子表面の着色剤存在比(Py)は、1.3〜2.0である必要があり、好ましくは1.5〜1.8であり、より好ましくは1.6〜1.8である。この値より小さいと、本発明にとって適正な量の着色剤が表面近傍に無いため、ホットオフセットが発生しやすくなり、また、この値より大きいと、表面の着色剤例えば顔料が定着性を阻害し、コールドオフセットや耐スミア性が悪化したり、着色剤が過度に表面偏在するため、十分な色再現性や発色性を得ることができない。更に、表面の顔料等の着色剤によって適正な帯電特性を得ることができなくなったりするので問題である。
イエロートナー以外のカラートナーは、条件を満たしていれば、どのようなものでも使用できるが、マゼンタトナーとシアントナーを用いることが、一般的であり、且つ、フルカラー画像の色再現性の面から好ましい。マゼンタトナーの表面着色剤存在量(Pm)の比は、1.2〜1.7が最適な範囲であり、好ましくは1.3〜1.5である。また、シアントナーの表面着色剤存在量(Pc)の比は、1.0〜1.7が最適な範囲であり、好ましくは1.3〜1.5である。これらの値より小さいと、イエロートナーと同様にホットオフセットが発生しやすくなる。また、これらの値より大きいと、イエロートナー同様に、定着性、色再現性、発色性、帯電特性の悪化を招く。また、Pm<Py、若しくはPc<Pyの関係を満たすことで、より本発明の効果を得ることができ、定着性、色再現性、発色性を飛躍的に改善できる。
本発明において、中間色であるR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)を再現するY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の重ね合わせ状態において、少なくとも一色の中間色で、最も表面着色剤存在量比の高いトナーが上層になっていれば良いが、2色以上の中間色で、最も表面着色剤存在量比の高いトナーが上層となるのが、本発明効果をよい顕著に発揮させる観点から望ましい。
また、中間色であるRを再現するY、Cの重ね合わせ状態、及び、中間色であるGを再現するY、Mの重ね合わせ状態において、少なくとも1色の中間色で、Yが上層となれば良いが、RとGの両方の重ね合わせ状態において、Yが両方共上層にあるのが好ましい。
<体積平均粒径・数平均粒径>
本発明のトナーは、トナー粒子の体積平均粒径(Dv)が3.0〜7.0μmであることが好ましく、更に3.5〜6.0μmであることがより好ましい。また、その数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)の値が、1.25以下であることが好ましく、更に好ましくは1.10〜1.20、特に好ましくは1.10〜1.15の範囲内であることが好ましい。ここで、体積平均粒径は、Dv=〔(Σ(nD)/Σn)1/3(式中、nは粒子個数、Dは粒子径である)と定義される。本発明のトナーのトナー粒子の体積平均粒径(Dv)および前記比(Dv/Dn)の値を上記の範囲とすることにより、細線再現性、粒状性に優れた高画質な画像を得ることができる。一般的には、トナーの粒子径は小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であるといわれているが、この範囲より小さいと、転写性およびクリーニング性が悪化する。逆に、トナーの粒子径がこの値より大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行なわれた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。また、体積平均粒子径/個数平均粒子径(Dv/Dn)が大きすぎる場合も同様であることが明らかとなった。更に、(Dv/Dn)が小さすぎると、トナーの挙動の安定化および帯電量の均一化の点からみて好ましい面もあるが、トナーの帯電が不十分になる場合が見られ、また、クリーニング性を悪化させる場合があることが明らかとなった。
なお、上記体積平均粒径(Dv)および体積平均粒径(Dv)と数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)の測定は、COULTER TA−II(COULTER ELECTRONICS,INC製)等により自動的に測定される。またアパーチャー径は100μmである。
<円形度および円形度分布>
本発明におけるトナーは、特定の形状と形状の分布を有することが好ましく、その平均円形度が0.940〜0.990であるものが好ましく、平均円形度が0.960〜0.985で円形度が0.94未満の粒子が15%以下であるものがより好ましい。前記平均円形度の範囲内の実質上球形のトナーは、転写効率に優れ、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効である。また、細線画像における転写抜けの少ない良好な画像が得られる。これは、トナー表面が十分に滑らかなため、像支持体との接点が減少し、転写材へのトナーの虫食い転写不良が減少するためと考えられる。この範囲より小さく、球状からあまりに離れた不定形の形状のトナーでは、転写性が悪化する傾向となり、逆に、この範囲より大きく、球体に近いものである場合には、転写性に優れるものの、ブレードクリーニング等を採用しているシステムにおいて、感光体上および転写ベルト等のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。例えば、画像面積率の低い現像乃至転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が特に問題となることはないが、カラー写真画像等画像面積率の高いものの場合、更には、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、これが蓄積すると画像の地汚れを発生してしまう。また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等をも汚染してしまい、本来の帯電能力が発揮されなくなってしまうという問題がある。
平均円形度の測定はフロー式粒子像分析装置FPIA−2100 ((株)SYSMEX製)を用いて測定することができる。測定は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調整した後0.45μmのフィルターを通した液50〜100mlに分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、試料を1〜10mg加える。これを、超音波分散機で1分間の分散処理を行ない、粒子濃度を5000〜15000個/μlに調整した分散液を用いて測定を行なった。CCDカメラで撮像した2次元の画像面積と、同一の面積を有する円の直径を円相当径として、円相当径で0.6μm以上をCCDの画素の精度から有効とし平均円形度の算出に用いた。平均円形度は、各粒子の円形度の算出を行ない、この各粒子の円形度を足し合わせ、全粒子数で割り算することによって得ることができる。各粒子の平均円形度は、粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割ることにより算出することができる。
<静電荷像現像用トナー>
本発明に用いられるトナーの製法や材料は、条件を満たしていれば、公知のものが使用可能であり、特に限定されるものではない。しかしながら、低温定着性の点から、用いる結着樹脂は、ポリエステル系樹脂が好ましい。本発明においては、トナーが、少なくとも活性水素基を有する化合物と活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、離型剤、着色剤を溶解または分散した有機溶媒の該溶液または分散液を水系媒体中に滴滴上に分散させ、該活性水素基を有する化合物と活性水素基と反応可能な部位を有する重合体を反応させた後、もしくは反応させながら、該有機溶媒等を除去し、洗浄、乾燥したことを特徴とする静電荷像現像用トナーを使用した。上記の重合トナーの製法は、樹脂の選択性が高く、低温定着性の高いポリエステル樹脂を用いることができる。また、造粒性に優れ、粒径、粒度分布、形状の制御が容易である。更には、着色剤の分散工程において、分散条件によって容易に表面着色剤存在比率を制御することが可能であるため、上記の製法で製造されるトナーであることが好ましい。
以下に、上記製法と用いられる材料について説明する。
[有機溶媒相]
〜有機溶媒〜
本発明で有機溶媒相の形成に用いられる有機溶媒は、少なくとも後記官能基含有ポリエステル樹脂を溶解することができるものであれば、特に限定することなく使用することができる。中でも、後述する水系媒体相中への有機溶媒相の分散工程の後、該有機溶媒は留去される必要があることから、該留去工程を容易なものとするため、沸点が150℃未満の揮発性の有機溶媒を用いることが好ましい。
本発明で用いられる有機溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、酢酸メチル、酢酸エチル等の非親水性有機溶媒の他、メチルエチルケトン、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上組合せても使用することができる。これらの中でも、特に、非ハロゲン系溶媒であり、安全性の面から、酢酸メチル、酢酸エチルが好ましい。トナー組成物100部に対する溶剤の使用量は、通常40〜300部、好ましくは60〜140部、更に好ましくは80〜120部である。
〜着色剤〜
本発明で用いる着色剤としては、公知の染料および顔料が使用でき、例えばイエロー系着色剤としてのナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー等を使用することができる他、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンおよびそれらの混合物が使用できる。
以上の中でも、イエロー着色剤に関しては、アゾ系顔料、若しくはキナクリドン系顔料を用いることが、トナー表面の電気抵抗を適正に保つのに最も優れているので好ましい。
着色剤の使用量は、本発明のトナー中の含有量として、通常、1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%となる量である。
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。
マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂(結着樹脂)としては、例えば、上記ウレア変性ポリエステル樹脂、非反応性ポリエステル樹脂の他に、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレンおよびその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高剪断力をかけて混合・混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。
混合混練するには3本ロールミル等の高剪断分散装置が好ましく用いられる。
また、着色剤またはマスターバッチは、上記有機溶媒相中に溶解または分散させることができるが、これに限定されるものではない。
〜官能基含有ポリエステル系樹脂〜
本発明においては活性水素基と反応可能な部位を有する重合体として、官能基含有ポリエステル系樹脂を好ましく用いることができる。本発明で用いる官能基含有ポリエステル系樹脂は、上記有機溶媒に溶解し、後述するように、水系媒体中において、後記活性水素含有化合物と伸長反応および/または架橋反応して、より高分子量のトナーバインダー(結着樹脂)を形成する成分である。
前記官能基含有ポリエステル系樹脂としては、例えば、インシアネート基等の活性水素と反応する官能基を有するポリエステルプレポリマー等が挙げられる。
本発明で好ましく使用されるポリエステルプレポリマーは、このイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)である。このポリエステルプレポリマー(A)は、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルに、ポリイソシアネート(PIC)を反応させることによって製造される。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基およびフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。ポリオールとしては、ジオール(DIO)および3価以上のポリオール(TO)が挙げられ、DIO単独、またはDIOと少量のTOとの混合物が好ましい。ジオールとしては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。
これらの中でも、炭素原子数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が好ましい。特に好ましくは、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素原子数2〜12のアルキレングリコールとの組み合わせである。3価以上のポリオールとしては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等);前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)および3価以上のポリカルボン酸(TC)が挙げられ、DIC単独、およびDICと少量のTCとの組み合わせが好ましい。ジカルボン酸としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素原子数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素原子数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸としては、炭素原子数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。なお、ポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)としてポリオールと縮合反応させてもよい。
アルコール性水酸基を末端に有するポリエステルを重縮合反応により調製するため、ポリオール成分とポリカルボン酸成分と使用比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常、2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、更に好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
上記ポリエステルのアルコール性水酸基と反応させて、ポリエステルプレポリマー(A)を調製するために用いられるポリイソシアネート(PIC)としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの;およびこれら2種以上の組み合わせが挙げられる。
ポリイソシアネートの使用比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常、5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、更に好ましくは2.5/1〜1.5/1である。前記当量比が高すぎると得られるトナーの低温定着性が悪化する場合があり、逆に低すぎると、アミン類との反応生成物中の尿素結合含量が低くなり、得られるトナーの耐ホットオフセット性が悪化する場合があるので好ましくない。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネート基は、通常、1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、更に好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明において、このポリエステルプレポリマー(A)は、上記のとおり、有機溶媒相中に溶解して用いられるが、その使用量・配合量は、トナー母体中の含有量として、10〜55重量%、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは15〜30重量%である。
〜非反応性低分子量ポリエステルの併用〜
本発明においては、トナーバインダー(結着樹脂)成分として、上記官能基含有ポリエステル系樹脂と後記活性水素化合物との伸長反応および/または架橋反応生成物のみではなく、非反応性のポリエステル(PE)を有機溶媒相中に溶解して併用することができる。このPEを併用することで、本発明のトナーの低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、前記伸長反応および/または架橋反応生成物を単独で使用する場合よりも好ましい。PEとしては、上記のポリイソシアネート(PIC)との反応に供されるポリエステルと同様のポリオールとポリカルボン酸との重縮合物等が挙げられ、好ましいものについても上記と同様である。
また、PEは変性されていないポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。トナーに形成された場合に、前記伸長反応および/または架橋反応生成物とPEは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性および耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、上記ポリエステルプレポリマー(A)とPEは類似の組成が好ましい。
本発明においては、PEを有機溶媒相中に含有させる場合、その配合量は、ポリエステルプレポリマー(A)とPEの重量比として、10/90〜55/45、好ましくは10/90〜40/60、更に好ましくは15/85〜30/70である。ポリエステルプレポリマー(A)の重量比が低すぎると、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性を両立させることが困難となる。
PEのGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定される重量平均分子量のピーク分子量は、本発明においては、5000〜25000、好ましくは8000〜20000、更に好ましくは13000〜18000である。前記分子量が低すぎると耐熱保存性が悪化し、逆に高すぎると低温定着性が悪化する。
本発明においては、PEの酸価は、15〜45mgKOH/g、好ましくは20〜35mgKOH/gである。このように、中〜高酸価なPE樹脂とすることで、耐ホットオフセット性を損なわずに、低温定着性を向上させることができる。酸価がこの範囲より低いと、低温定着性の向上はあまり見込めないし、逆に高すぎると、活性水素とプレポリマーの反応を阻害しやすくなり、造粒性が低下したり、負帯電性が強すぎてしまう傾向があり、好ましくない。
また、PEの水酸基価は5以上であることが好ましく、更に好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。前記水酸基価が低すぎると耐熱保存性と低温定着性を両立させることが困難となる。
なお、有機溶媒相には、上記以外のトナーバインダー(結着樹脂)成分、例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合等の従来から公知のトナーバインダー成分が更に配合されていても差し支えない。
[活性水素含有化合物]
後述するように、上記のイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)は、活性水素化合物と伸長反応および/または架橋反応させることにより、より高分子量のものとされる。
本発明で用いる活性水素化合物としては、アミン類(B)を用いることが好ましく、上記ポリエステルプレポリマー(A)のイソシアネート基との反応により、ウレア変性ポリエステル系樹脂(UMPE)を得ることができる。このものは、トナーバインダー(結着樹脂)成分としてすぐれた性能を有する。
前記アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、および(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)等が挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。(B1)〜(B5)のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記(B1)〜(B5)のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物等が挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、(B1)、および(B1)と少量の(B2)の組み合わせである。
更に、必要により、伸長停止剤を用いてウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)等が挙げられる。
このアミン類(B)の使用比率は、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx](xは1または2)の当量比[NCO]/[NHx]として、通常、1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、更に好ましくは1.2/1〜1/1.2である。前記当量比が高すぎたり、低すぎたりするとウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、得られるトナーの耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明においては、ウレア結合で変性されたポリエステル中に、ウレア結合(−NH(CO)NH−)と共にウレタン結合(−O(CO)NH−)を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常、100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、更に好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
〜トナーバインダー(結着樹脂)の性状等〜
本発明では、上記のとおり、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応によって得られるウレア変性ポリエステル系樹脂をトナーバインダー成分として用いることを特徴としており、また、非反応性ポリエステル等の他の成分(後記着色剤マスターバッチの調製の際に用いる樹脂を含む)も併用される。
本発明において、トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は、50〜70℃、好ましくは55〜65℃である。Tgが低すぎると、トナーの耐熱保存性が悪化し、逆に高すぎると低温定着性が不十分となる。本発明の乾式トナーにおいては、ウレア変性ポリエステル系樹脂等の使用により、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。また、トナーバインダーの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて1000Paとなる温度(TG’)が、通常、100℃以上、好ましくは110〜200℃である。該TG’が低すぎると耐ホットオフセット性が悪化する。トナーバインダーの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて100Pa・sとなる温度(Tη)が、通常、180℃以下、好ましくは90〜160℃である。前記Tηが高すぎると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。更に好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。更に好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
[水系媒体相]
〜水系媒体〜
本発明において、後記樹脂微粒子を分散させて水系媒体相を形成する水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。
更に、上記有機溶媒相に含まれる樹脂成分が水系媒体中に分散された際の粘度を低くするために、上記ポリエステルプレポリマー(A)が可溶である溶剤を併用することもできる。該溶剤を用いた方がトナー粒子の粒度分布がシャープになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であると、その留去が容易となる点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;および酢酸メチル、酢酸エチルが好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常、0〜300部、好ましくは0〜100部、更に好ましくは25〜70部である。該溶剤を使用した場合は、ウレア変性ポリエステルの形成後に、他の有機溶媒と同様に常圧または減圧下にて加温して留去する。
〜樹脂微粒子〜
本発明においては、水系媒体相として、樹脂微粒子を分散させたものを好ましく用いることができる。本発明において、水系媒体中に分散されて用いられる樹脂微粒子の平均粒径は、5〜200nm、好ましくは20〜300nmのものである。そして、該樹脂微粒子は、水系媒体相に上記有機媒体が分散されて形成される分散粒子の表面乃至表層部に結合し、形成されるトナー粒子を被覆する外添剤的に機能する成分である。
この樹脂微粒子としては、そのガラス転移点(Tg)が40〜90℃であることが好ましく、更に50〜70℃の範囲内であることが好ましい。前記Tgが低すぎると、トナー保存性が悪化してしまい、保管時および現像機内でブロッキングを発生してしまう。逆に高すぎると、樹脂微粒子(B)が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまい、十分な定着温度幅を確保できないため、低温定着システムの複写機では定着できない、または定着画像を擦ると剥がれてしまうといった不具合が発生する。
また、その重量平均分子量は20万以下であることが好ましく、更に5万以下であることが好ましい。その下限値は、通常、4000である。前記重量平均分子量が高すぎると、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。
この樹脂微粒子は、水系媒体中で分散体を形成しうる樹脂であれば公知の樹脂が使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよいが、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。中でも好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂またはそれらの組み合わせである。ビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等が挙げられる。
この樹脂微粒子の水系媒体中における分散・配合量は、有機溶媒相に対して0.5〜10wt%とするのが好ましく、この範囲でないと乳化不良の原因となり、造粒できない。また、より好ましくは1〜3wt%である。
上記でも少し述べたが、該樹脂微粒子は、トナー形状(円形度、粒度分布等)を制御する(揃える)こと等を目的として使用され、主として形成されるトナー粒子の表面上に偏在する。トナー粒子に対する樹脂微粒子による表面被覆率が1〜90%の範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜80%の範囲である。前記表面被覆率が高すぎると、トナー粒子表面は樹脂微粒子により、ほぼ完全に被覆されている状態となり、トナー粒子内部の離型剤のトナー粒子表面へのブリードアウトが阻害され、離型性効果が発揮されなくなることから、定着ローラへのオフセットが発生してしまうという問題がある。また、逆に前記表面被覆率が低すぎると、トナー粒子間の付着力が働きやすくなり、トナーが凝集しやすくなる。そのため、トナーの流動性が悪化するので、好ましくない。
[他の配合成分]
〜離型剤〜
本発明のトナーにおいては、結着樹脂、着色剤とともに離型剤(ワックス)を含有させることもできる。ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックス等);カルボニル基含有ワックス等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、多価アルコールカルボン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等);多価カルボンエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等);多価アミンカルボン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等);多価カルボン酸アミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトン等)等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の多価アルコールカルボン酸エステルである。本発明で用いるワックスの融点は、通常、40〜160℃であり、好ましくは50〜100℃、更に好ましくは50〜70℃である。前記融点が低すぎるワックスは、耐熱保存性に悪影響を与え、逆に前記融点が高すぎるワックスは、低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000mPa・sが好ましく、更に好ましくは10〜100mPa・sである。前記溶融粘度が高すぎるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。
ワックスの使用量は、本発明のトナー母体中の含有量として、通常、0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%となる量である。
また、ワックスは、上記有機溶媒相中に溶解または分散させることができるが、これに限定されるものではない。
〜帯電制御剤〜
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩および、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、コピーチャージNX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くばかりでなく、トナー表面近傍に存在する着色剤による本発明の効果が得られにくくなる。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解または分散する際に加えてもよいが、トナー母体粒子調製後にその表面に固定化させることが好ましい。
[トナー粒子の調製]
本発明におけるトナー粒子は、下記の方法によって調製することができる。
〜有機溶媒相の分散・反応〜
上記のとおり、トナー粒子は、上記ポリエステルプレポリマー(A)を含む有機溶媒相をアミン類(B)とともに、上記水系媒体相中に分散させて、水系媒体相中で伸長反応および/または架橋反応させ、ウレア変性ポリエステルを形成する工程を経て形成する。
ポリエステルプレポリマー(A)と、上記非反応性ポリエステルとともに、着色剤もしくは着色剤マスターバッチ、離型剤および荷電制御剤は、予め有機溶媒相中に溶解または分散させておくことが、表面着色剤存在比を制御する上で最も好ましいが、着色剤もしくは着色剤マスターバッチ、離型剤および荷電制御剤は、水系媒体中に有機溶媒相中を分散させる際に混合してもよい。また、本発明においては、着色剤もしくは着色剤マスターバッチおよび荷電制御剤は、トナー粒子を形成せしめた後に添加・配合してもよい。例えば、荷電制御剤はトナー粒子を形成せしめた後に打ち込むことが好ましく、また、着色剤を含まないトナー粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
表面着色剤存在比は、上述した着色剤と結着樹脂である非反応性ポリエステルの混合・分散工程で容易に制御することが可能である。本発明においては、着色剤が十分に微分散した着色剤マスターバッチと非反応性ポリエステルを、酢酸エチルのような非親水性溶媒とMEK(メチルエチルケトン)のような水混和性溶媒の混合溶媒(例えば酢酸エチル:MEK=4:1)と共に分散される。分散方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、低速せん断方式、高速せん断方式、摩擦方式、高圧ジェット方式、超音波等の公知の方法が適用できる。分散が均一、且つ、微分散する程、表面着色剤存在比は低下する傾向にある。分散がよくなされていない場合は、顔料が結着樹脂中を比較的自由に移動することができ、乳化工程の段階で油水分配により水相側に移動することで、着色剤の表面偏在が発生するものと考えられる。逆に、十分な分散がなされた場合は、着色剤によるフィラー効果が働き、結着樹脂の構造粘性が増加し、乳化時に水相側に移動しにくくなるためと考えられる。また、共に混合される溶媒の選択も重要であり、これは乳化時に結着樹脂中を水相側へ移動する溶媒の速度や量によって、着色剤の移動性が大きく影響を受けるためである。
有機溶媒相中のポリエステルプレポリマー(A)と(特に、ブロックされたケチミン等の)アミン類(B)との混合は、水系媒体中への分散前に行なってもよい。アミン類(B)として、ブロックされたケチミン等を用いた場合、水系媒体中においてブロックが外れて、ポリエステルプレポリマー(A)との伸長および/または架橋反応を行うことが可能となる。また、有機溶媒相を水系媒体中へ分散した後にアミン類(B)を加えてもよい。アミン類(B)を有機溶媒相の分散後に加えると、分散粒子界面から反応が開始され、調製されるトナー粒子表面から優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
水系媒体中に有機溶媒相およびアミン類(B)の分散体を安定して形成させる方法としては、せん断力を作用させて分散させる方法等が挙げられる。
前記分散方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、低速せん断方式、高速せん断方式、摩擦方式、高圧ジェット方式、超音波等の公知の方法が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにすることが好ましく、このためには、高速せん断方式によることが好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常、1000〜30,000rpm、好ましくは5000〜20,000rpmである。分散時間は、処理量に依存し、特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常、0.1〜5分程度である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。分散時の温度が高温である方が、有機溶媒分散相に含まれるポリエステルプレポリマー(A)等の粘度を低くすることができ、分散が容易な点で好ましい。
有機溶媒相に含まれる固形分100部に対する水系媒体(樹脂微粒子を除く)の使用量は、通常、50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。前記使用量が少なすぎると、有機溶媒相の分散状態が不均一となり、所定の粒径のトナー粒子が得られない。また、逆に多すぎても、特に効果はなく、コスト面で不利となり、経済的でない。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いた方が、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
前記分散剤を用いる場合、分散剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量の使用で分散効果を発揮することができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素原子数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸およびその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)およびその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−l02、(ダイキン工業社製);メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族第一アミン、第二アミンもしくは第二アミン酸、パーフルオロアルキル(C6−C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。商品名としては、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製);ユニダインDS−202(ダイキン工業社製);メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製);エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製);フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。また、水に難溶性の無機化合物系分散剤としてリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等も用いることができる。更に、高分子系保護コロイドを用いて分散液滴を安定化させてもよい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸等の酸類;水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等;ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等;ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば、酢酸ピニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等;また、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ピニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子、またはその複素環を有するもの等のビニル系単量体のホモポリマーまたは共重合体を用いることができる。また、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等も使用できる。なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩等の酸またはアルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する等の方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他、酵素による分解等の操作によっても除去できる。分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との伸長および/または架橋反応が完了した後、洗浄等により除去する方が本発明のトナーの帯電特性の点から好ましい。
〜トナー粒子の成形〜
得られた分散液から有機溶媒等を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいは、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。前記乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライアー、ベルトドライアー、ロータリーキルン等による短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
〜外添剤の適用等〜
上述のとおりの操作・工程により得られたトナー粒子(母体)は、更にその表面を外添剤により処理して、流動性、現像性、帯電性等が向上された本発明のトナーが得られる。前記補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5nm〜2μmであることが好ましく、特に5nm〜500nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナー粒子に対してその0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を挙げることができる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
無機微粒子以外であっても、高分子系微粒子、例えば、ソープフリー乳化重合懸濁重合または分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステル系もしくはアクリル酸エステル系共重合体やシリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド等の重縮合系または熱硬化性樹脂等の重合体粒子を用いることができる。
この流動化等の向上のために用いられる外添剤は、予め表面処理を行なって、疎水化しておくことにより、高湿度下においてもトナーの流動特性、帯電特性等が悪化することを防止することができる。前記、表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が好ましく例示される。
また、感光体および一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去する際のクリーニング性を向上させることを目的として、トナー粒子(母体)を、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等脂肪酸金属塩;例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合等によって製造された、ポリマー微粒子等により処理することができる。使用されるポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
<二成分用現像剤>
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましく、更に5〜10重量部の範囲とすることが好ましい。
前記磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリア等、従来から公知のものが使用できる。
また、磁性キャリアの被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂;ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂;ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂:ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。
また、必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー、または非磁性トナーとしても用いることができる。
<画像形成装置>
以下、本発明の電子写真用トナー、または前記トナーとキャリアからなる二成分系現像剤を使用する画像形成装置について説明する。
なお、本発明の画像形成装置は、以下で説明されるものに限定されるものではなく、請求項に示す条件を満たしていれば、どのような画像形成装置であっても用いることができる。
〜タンデム型カラー画像形成装置〜
本発明のタンデム型カラー画像形成装置の実施形態について説明する。タンデム型の電子写真装置には、図1に示すように、各感光体(1)上の画像を転写手段(2)により、シート搬送ベルト(3)で搬送するシート(s)に順次転写する直接転写方式のものと、図2に示すように、各感光体1上の画像を1次転写手段(2)によりいったん中間転写体(4)に順次転写して後、その中間転写体4上の画像を2次転写手段(5)によりシート(s)に一括転写する間接転写方式のものとがある。転写手段(5)は転写搬送ベルトであるが、ローラ形状のものもある。
直接転写方式のものと、間接転写方式のものとを比較すると、前者は、感光体(1を並べたタンデム型画像形成装置(T)の上流側に給紙装置(6)を、下流側に定着手段(7)を配置しなければならず、シート搬送方向に大型化する欠点がある。これに対し後者は、2次転写位置を比較的自由に設置することができる。給紙装置(6)、および定着手段(7)をタンデム型画像形成装置(T)と重ねて配置することができ、小型化が可能となる利点がある。
また、前者は、シート搬送方向に大型化しないためには、定着手段(7)をタンデム型画像形成装置(T)に接近して配置することとなる。そのため、シート(s)がたわむことができる十分な余裕をもって定着手段(7)を配置することができず、シート(s)の先端が定着手段(7)に進入するときの衝撃(特に厚いシートで顕著となる)や、定着手段(7)を通過するときのシート搬送速度と、転写搬送ベルトによるシート搬送速度との速度差により、定着手段(7)が上流側の画像形成に影響を及ぼしやすい欠点がある。これに対し後者は、シート(s)がたわむことができる十分な余裕をもって定着手段(7)を配置することができるから、定着装置7がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。
以上のようなことから、最近は、タンデム型電子写真装置の中の、特に間接転写方式のものが注目されてきている。
そして、この種のカラー電子写真装置では、図2に示すように、1次転写後に感光体(1)上に残留する転写残トナーを、感光体クリーニング手段(8)で除去して感光体(1)表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。また、2次転写後に中間転写体(4)上に残留する転写残トナーを、中間転写体クリーニング手段(9)で除去して中間転写体(4)表面をクリーニングし、再度の画像形成に備えていた。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態につき説明する。
図3は、この発明の一実施の形態を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真装置である。図中符号(101)は複写装置本体、(200)はそれを載せる給紙テーブル、(300)は複写装置本体(101)上に取り付けるスキャナ、(400)は更にその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。複写装置本体(101)には、中央に、無端ベルト状の中間転写体(10)を設ける。
そして、図3に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ(14),(15),(16)に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ(15)の左に、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング手段(17)を設ける。
また、3つのなかで第1の支持ローラ(14)と第2の支持ローラ(15)間に張り渡した中間転写体(10)上には、その搬送方向に沿って、イエロー,シアン,マゼンタ,ブラックの4つの画像形成手段(18)を横に並べて配置してタンデム画像形成装置(20)を構成する。
そのタンデム画像形成装置(20)の上には、図3に示すように、更に露光手段(21)を設ける。一方、中間転写体(10)を挟んでタンデム画像形成装置(20)と反対の側には、2次転写手段(22)を備える。2次転写手段(22)は、図示例では、2つのローラ(23)(23)間に、無端ベルトである2次転写ベルト(24)を掛け渡して構成し、中間転写体(10)を介して第3の支持ローラ(16)に押し当てて配置し、中間転写体(10)上の画像をシートに転写する。
2次転写手段(22)の横には、シート上の転写画像を定着する定着手段(25)を設ける。定着手段(25)は、無端ベルトである定着ベルト(26)に加圧ローラ(27)を押し当てて構成する。
上述した2次転写手段(22)には、画像転写後のシートをこの定着手段(25)へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、2次転写手段(22)として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、このような2次転写手段(22)および定着手段(25)の下に、上述したタンデム画像形成装置(20)と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転手段(28)を備える。
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置(400)の原稿台(30)上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置(400)を開いてスキャナ(300)のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置(400)を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置(400)に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス(32)上へと移動して後、他方コンタクトガラス(32)上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ(300)を駆動し、第1走行体(33)および第2走行体(34)を走行する。そして、第1走行体(33)で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光を更に反射して第2走行体(34)に向け、第2走行体(34)のミラーで反射して結像レンズ(35)を通して読取りセンサ(36)に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ(14),(15),(16)の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体(10)を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段(18)でその感光体(140)を回転して各感光体(140)上にそれぞれ、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体(10)の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体(10)上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル(200)の給紙ローラ(42)の1つを選択回転し、ペーパーバンク(43)に多段に備える給紙カセット(44)の1つからシートを繰り出し、分離ローラ(45)で1枚ずつ分離して給紙路(46)に入れ、搬送ローラ(47)で搬送して複写機本体(101)内の給紙路(48)に導き、レジストローラ(49)に突き当てて止める。
または、給紙ローラ(50)を回転して手差しトレイ(51)上のシートを繰り出し、分離ローラ(52)で1枚ずつ分離して手差し給紙路(53)に入れ、同じくレジストローラ(49)に突き当てて止める。
そして、中間転写体(10)上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ(49)を回転し、中間転写体(10)と2次転写手段(22)との間にシートを送り込み、2次転写手段(22)で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、2次転写手段(22)で搬送して定着手段(25)へと送り込み、定着手段(25)で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪(55)で切り換えて排出ローラ(56)で排出し、排紙トレイ(57)上にスタックする。または、切換爪(55)で切り換えてシート反転手段(28)に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ(56)で排紙トレイ(57)上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写体(10)は、中間転写体クリーニング手段(17)で、画像転写後に中間転写体(10)上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置(20)による再度の画像形成に備える。
ここで、レジストローラ(49)は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
上述したタンデム画像形成装置(20)において、個々の画像形成手段(18)は、詳しくは、例えば図4に示すように、ドラム状の感光体(140)のまわりに、帯電手段(160)、現像手段(61)、1次転写手段(62)、感光体クリーニング手段(63)、除電手段(64)等を備えてある。図4に記載された符号について説明すると(65)は現像スリーブ上現像剤、(68)は撹拌パドル、(69)は仕切り板、(71)はトナー濃度センサ、(72)は現像スリーブ、(73)はドクター、(75)はクリーニングブレード、(76)はクリーニングブラシ、(77)はクリーニングローラ、(78)はクリーニングブレード、(79)はトナー排出オーガー、(80)は駆動装置である。
〜定着手段(サーフ定着装置)〜
本発明における定着手段は、図5に示すような、定着フィルムを回転させて定着する、いわゆるサーフ定着装置を用いた。以下詳説すると、定着フィルムはエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、該フィルムの支持回転体である駆動ローラと、従動ローラと、この両ローラ間の下方に設けたヒータ支持体に保持させて固定支持させて配設した加熱体と、に懸回張設してある。
従動ローラは定着フィルムのテンションローラを兼ね、定着フィルムは駆動ローラの図中時計回転方向の回転駆動によって、時計回転方向に向かって回転駆動される。この回転駆動速度は、加圧ローラと定着フィルムが接する定着ニップ領域Lにおいて転写材と定着フィルムの速度が等しくなる速度に調節される。
ここで、加圧ローラはシリコンゴム等の離型性のよいゴム弾性層を有するローラであり、反時計周りに回転しつつ、前記定着ニップ領域Lに対して総圧4〜10kgの当接圧をもって圧接させてある。
また定着フィルムは、耐熱性、離型性、耐久性に優れたものが好ましく、総厚100μm以下、好ましくは40μm以下の薄肉のものを使用する。例えばポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等の耐熱樹脂の単層フィルム、或いは複合層フィルム、例えば20μm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)、PFA等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものや、フッ素ゴム、シリコンゴム等の弾性層を施したものである。
図5において本実施形態の加熱体は平面基板および定着ヒータから構成されており、平面基板は、アルミナ等の高熱伝導度且つ高電気抵抗率を有する材料からなっており、定着フィルムと接触する表面には抵抗発熱体で構成した定着ヒータを長手方向に設置してある。かかる定着ヒータは、例えばAg/Pd、TaN等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により線状もしくは帯状に塗工したものである。また、前記定着ヒータの両端部には、図示しない電極が形成され、この電極間に通電することで抵抗発熱体が発熱する。更に、前記基板の定着ヒータが具備させてある面と逆の面にはサーミスタによって構成した定着温度センサが設けられている。
定着温度センサによって検出された基板の温度情報は図示しない制御手段に送られ、かかる制御手段により定着ヒータに供給される電力量が制御され、加熱体は所定の温度に制御される。
本発明で用いられる定着手段はもちろん上記のようなサーフ定着装置に限定されるものではないが、色再現性、発色性に優れ、効率が良く立ち上がり時間を短縮可能な定着手段を用いた画像形成装置が得られるので、サーフ定着装置を用いることが好ましい。
〜定着手段(電磁誘導加熱方式(IH定着装置))〜
本発明における定着手段は、その加熱手段が、図6(a)に示すように、交番磁界により磁性金属部材に発生した渦電流でジュール熱を生じさせ、金属部材を含む加熱体を電磁誘導発熱させる手段である、いわゆる電磁誘導加熱方式定着装置(IH定着装置)を用いた。
図6(a)に示す定着手段は、誘導加熱手段(86)の電磁誘導により加熱される加熱ローラ(81)と、加熱ローラ(81)と平行に配置された定着ローラ(82)と、加熱ローラ(81)と定着ローラ(82)とに張け渡され、加熱ローラ(81)により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)(83)と、ベルト(83)を介して定着ローラ(82)に圧接されるとともにベルト(83)に対して順方向に回転する加圧ローラ(84)とから構成されている。加熱ローラ(81)はたとえば鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、低熱容量で昇温の速い構成となっている。定着ローラ(82)は、たとえばステンレススチール等の金属製の芯金(82a)と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金(82a)を被覆した弾性部材(82b)とからなる。そして、加圧ローラ(84)からの押圧力でこの加圧ローラ(84)と定着ローラ(82)との間に所定幅の接触部を形成するために外径を加熱ローラ(81)より大きくしている。この構成により、加熱ローラ(81)の熱容量は定着ローラ(82)の熱容量より小さくなり、加熱ローラ(81)が急速に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。加熱ローラ(81)と定着ローラ(82)とに張り渡されたベルト83は、誘導加熱手段86により加熱される加熱ローラ81との接触部位(W1)で加熱される。そして、ローラ(81),(82)の回転によってベルト(83)の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。加圧ローラ(84)は、たとえば銅またはアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金(84a)と、この芯金(84a)の表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材(84b)とから構成されている。芯金(84a)には上記金属以外にSUSを使用しても良い。加圧ローラ(84)はベルト(83)を介して定着ローラ(82)を押圧して定着ニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ(84)の硬度を定着ローラ(82)に比べて硬くすることによって、加圧ローラ(84)が定着ローラ(82)(及びベルト83)へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録材(91)は加圧ローラ(84)表面の円周形状に沿うため、記録材(91)がベルト(83)表面から離れやすくなる効果を持たせている。
電磁誘導により加熱ローラ(81)を加熱する誘導加熱手段(86)は、図6(a)および図6(b)A、Bに示すように、磁界発生手段である励磁コイル(87)と、この励磁コイル(87)が巻き回されたコイルガイド板(88)とを有している。コイルガイド板(88)は加熱ローラ(81)の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、図6(b)Bに示すように、励磁コイル87は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板88に沿って加熱ローラ(81)の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル(87)は、発振回路が周波数可変の駆動電源(図示せず)に接続されている。励磁コイル(87)の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア(89)が、励磁コイルコア支持部材(90)に固定されて励磁コイル(87)に近接配置されている。なお、本実施の形態において、励磁コイルコア(89)は比透磁率が2500のものを使用している。励磁コイル(87)には駆動電源から10kHz〜1MHzの高周波交流電流、好ましくは20kHz〜800kHzの高周波交流電流が給電され、これにより交番磁界を発生する。そして、加熱ローラ(81)と耐熱性ベルト(83)との接触領域(W1)およびその近傍部においてこの交番磁界が加熱ローラ(81)およびベルト(83)の発熱層に作用し、これらの内部では交番磁界の変化を妨げる方向Bに渦電流Iが流れる。この渦電流Iが加熱ローラ(81)およびベルト(83)の発熱層の抵抗に応じたジュール熱を発生させ、主として加熱ローラ(81)とベルト(83)との接触領域およびその近傍部において加熱ローラ(81)および発熱層を有するベルト(83)が電磁誘導加熱される。
このようにして加熱されたベルト(83)は、定着ニップ部(N)の入口側近傍においてベルト(83)の内面側に当接して配置されたサーミスタなどの熱応答性の高い感温素子からなる温度検出手段(85)により、ベルト内面温度が検知される。
本発明で用いられる定着手段はもちろん上記のようなIH定着装置に限定されるものではないが、特に優れた色再現性と発色性を持った高品質画像が得られ、且つ、熱ローラ方式の定着装置よりも伝熱効率が高く、ウォームアップ時間の短縮が図れ、クイックスタート化や省エネルギー化が可能な定着装置を用いた画像形成装置が得られるので、IH定着装置を用いることが好ましい。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。また、以下の例おいて、「部」および「%」は、特に断りのない限り重量基準である。
<二成分現像剤の作成>
本実施例および比較例において複写画像の画質等を評価する場合、二成分系現像剤として本発明のトナーの性能を評価した。
二成分系現像剤に用いられるキャリアとしては、シリコーン樹脂により0.5μmの平均厚さでコーティングされた平均粒径35μmのフェライトキャリアを用い、かつ該キャリア100重量部に対しトナー7重量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、現像剤を作成した。
前記キャリアは、次のとおりにして調製した。芯材として、Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)5000部、並びに、被覆材として、トルエン450部、シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%)450部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)10部、およびカーボンブラック10部をスターラーで10分間分散して調製されたコート液を用いて、前記芯材とこのコート液と流動床内において回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、当該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間の条件で焼成し、上記キャリアを得た。
<複写画像の画質評価機>
下記実施例および比較例で得られたトナーは、4色の現像部が現像剤をそれぞれの色に対応した4つの感光体に各色順次現像し、記録媒体上にブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーの順に順次直接転写される方式であり、オイルレスのサーフ定着装置を設けて調整されたフルカラーレーザープリンター(リコー社製IPSiO Color 8100改造機)である評価機Aと、前記評価機Aにおいて、記録媒体上にブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの順に順次直接転写するように改良されたこと以外は、評価機Aと同様である評価機Bと、評価機Aの定着手段(定着装置)をオイルレスのIH定着装置に改良した評価機Cにより評価した。
<評価項目>
下記項目について、実施例および比較例で得たトナーの性能を評価した。
(1)画像粒状性・鮮鋭性
評価機A、B、Cを用い、フルカラーモードでフルカラー写真画像を10,000枚ランニング出力を行ない、粒状性および鮮鋭性の度合いを目視にて評価した。ランク1〜5の5段階で評価し、ランク5が最も優れ、ランク1が最も劣る。表2に、前記度合いが、オフセット印刷並の場合は5で、従来の電子写真画像程度よりわずかに良い場合は4で、従来の電子写真画像程度の場合は3で、従来の電子写真画像より少し悪い場合は2で、および、従来の電子写真画像よりかなり悪い場合は1で表示した。
(2)細線再現性
評価機A、B、Cを用い、フルカラーモードで50%画像面積のフルカラー画像チャートを30,000枚ランニング出力した後、600dpiのフルカラー細線画像をリコー社製タイプ6000ペーパーに出力させ、細線のにじみ度合いを段階見本と比較した。ランク1〜5の5段階で評価し、ランク5が最も細線再現性に優れ、ランク1が最も劣る。表2に、前記度合いが、オフセット印刷並の場合は5で、従来の電子写真画像程度よりわずかに良い場合は4で、従来の電子写真画像程度の場合は3で、従来の電子写真画像より少し悪い場合は2で、および、従来の電子写真画像よりかなり悪い場合は1で表示した。
(3)耐ホットオフセット性・低温定着性
評価機A、B、Cを用い、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の2色重ね合わせベタ画像(30mm×80mm)を、各0.80±0.1mg/cm(トナー1色につき0.40±0.05mg/cm)のトナー付着量で、普通紙および厚紙の転写紙(リコー製 タイプ6200およびNBSリコー製複写印刷用紙<135>)に出力させ、定着性能を評価した。定着ベルトの温度を変化させて定着試験を行ない、普通紙でホットオフセットの発生しない上限温度を定着上限温度とした。表2に、結果を1〜5のランクで表し、定着上限温度が220℃以上の場合は5で、200〜219℃の場合は4で、185〜199℃の場合は3で、170〜184℃の場合は2で、169℃以下の場合は1とした。
また、厚紙で定着下限温度を測定した。定着下限温度は、得られた定着画像を描画試験器を用いて、荷重50gで描画して、画像の削れが殆ど無くなる定着ローラー温度をもって定着下限温度とした。表2に、結果を1〜5のランクで表し、定着下限温度が130℃以下の場合は5で、131〜140℃の場合は4で、141〜150℃の場合は3で、151〜160℃の場合は2で、161℃以上の場合は1とした。
(4)ヘイズ度
評価機A、B、Cを用い、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の2色重ね合わせベタ画像(30mm×80mm)を、各0.80±0.1mg/cm(トナー1色につき0.40±0.05mg/cm)のトナー付着量で、リコー製 OHPシート タイプPPC−DXに出力させ(定着温度160±2℃)、各ベタ画像のヘイズ度を直読ヘイズ度コンピューター HGM−2DP型(スガ試験機(株)社製)により測定した。ヘイズ度は、曇り度とも言われ、トナーの透明性を示す尺度として測定され、値が低い程透明性が高く、OHPシートを用いた場合の発色性が良好なものとなる。表2に、結果を1〜5のランクで表し、ヘイズ度が20%以下の場合は5で、21〜30%の場合は4で、31〜50%の場合は3で、51〜70%の場合は2で、71%以上の場合は1とした。
実施例1
〜水相の調製〜
水990部、ビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水分散液80部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業製)45部、および酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相]とする。
〜ケチミンの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、アミンのブロック化体を得た。これを[ケチミン化合物]とする。この[ケチミン化合物]のアミン価は418であった。
〜マスターバッチの調製〜
水1200部、カーボンブラック(キャボット社製、リーガル400R)50部、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)50部を、更には水30部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕して、カーボンブラックマスターバッチを得た。これを[Bkマスターバッチ]とする。また、C.I.PigmentRed 269、C.I.Pigment Blue 15:2、C.I.Pigment Yellow 155をそれぞれカーボンブラックの代わりに使用すること以外は同様にして、マゼンタマスターバッチ[Mマスターバッチ]、シアンマスターバッチ[Cマスターバッチ]、イエローマスターバッチ[Yマスターバッチ]を作成した。
〜油相の調製〜
撹拌棒および温度計をセットした容器に、ポリエステル樹脂(三洋化成製、RS801)500部、カルナバワックス30部、および酢酸エチル850部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問かけて30℃にまで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度:1Kg/hr、ディスク周速度:6m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:3回の条件で、ワックスの分散を行った。次いで、容器に[Bkマスターバッチ]110部、および酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合して溶解物を得た。これを[Bk原料溶解液]とする。また、[Bkマスターバッチ]の代わりに[Mマスターバッチ]、[Cマスターバッチ]、[Yマスターバッチ]を使用したこと以外同様にして、それぞれ[M原料溶解液]、[C原料溶解液]、[Y原料溶解液]を得た。
[Bk原料溶解液]900部を容器に移し、酢酸エチル50部と、MEK165部を加え、上記のビーズミルを用いて、送液速度:1Kg/hr、ディスク周速度:8m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:3回の条件で、分散液を得た。これを[Bk顔料・ワックス分散液]とする。また、[Bk原料溶解液]の代わりに[M原料溶解液]を用い、ビーズミル分散条件を、送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:12m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:3回の条件に変更して作られた分散液を、[M顔料・ワックス分散液]とする。また、[Bk原料溶解液]の代わりに[C原料溶解液]を用い、ビーズミル分散条件を、送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:5回の条件に変更して作られた分散液を、[C顔料・ワックス分散液]とする。また、[Bk原料溶解液]の代わりに[Y原料溶解液]を用い、ビーズミル分散条件を、送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、0.5mmジルコニアビーズ充填量:80体積%、パス数:3回の条件に変更して作られた分散液を、[Y顔料・ワックス分散液]とする。
〜乳化〜
[Bk顔料・ワックス分散液]1772部、プレポリマーの50%酢酸エチル溶液(数平均分子量3800、重量平均分子量15000、Tg60℃、酸価0.5、水酸基価51、および遊離イソシアネート含有量は、1.53重量%)100部、および[ケチミン化合物]7.5部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)を用いて5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水相]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数7,500rpmで20分間混合して、水系媒体分散液を得た。これを、[Bk乳化スラリー]とする。また、[Bk顔料・ワックス分散液]の代わりに[M顔料・ワックス分散液]、[C顔料・ワックス分散液]、[Y顔料・ワックス分散液]を使用したこと以外は同様にして、それぞれ[M乳化スラリー]、[C乳化スラリー]、[Y乳化スラリー]を得た。
〜脱有機溶媒・洗浄・乾燥〜
撹拌機および温度計をセットした容器に、[Bk乳化スラリー]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行ない、有機溶媒が留去された分散液を得た。この
分散液100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行ない、濾過ケーキを得た。
この濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。これを[Bkトナー母体]とする。また、[Bk乳化スラリー]の代わりに[M乳化スラリー]、[C乳化スラリー]、[Y乳化スラリー]を使用したこと以外は同様にして、それぞれ[Mトナー母体]、[Cトナー母体]、[Yトナー母体]を得た。
〜外添剤の混合〜
上記で得られた[Bkトナー母体]100重量部と、外添剤として疎水性シリカ(クラリアントジャパン製)1.0重量部、および、疎水性酸化チタン(テイカ製)0.5重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、目開き38μmの篩を通過させて凝集物を取り除くことによって、トナーを得た。これをブラックトナー[Bkトナー1]とする。また、[Bkトナー母体]の代わりに[Mトナー母体]、[Cトナー母体]、[Yトナー母体]を使用したこと以外は同様にして、それぞれマゼンタトナー[Mトナー1]、シアントナー[Cトナー1]、イエロートナー[Yトナー1]を得た。
得られた4色のトナーの表面着色剤存在比、体積平均粒径(Dv)、Dv/Dn、平均円形度は表1に示した通りだった。
次いで、前記のトナーを用いて、上記<二成分現像剤の作成>に示した方法で現像剤を作成し、表2に、上記<評価項目>についての各評価結果を示した。評価機としては、評価機Aを用いた。
比較例1
実施例1に記載の油相の調整における、[Y顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件を以下の様に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、[Yトナー2]を得た。
得られたトナーの表面着色剤存在比、体積平均粒径(Dv)、Dv/Dn、平均円形度は表1に示した通りだった。
トナーとして[Bkトナー1]、[Mトナー1]、[Cトナー1]、[Yトナー2]を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行ない、各測定値および評価結果を表2に示した。
[Y顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:1Kg/hr、ディスク周速度:8m/秒、パス数:2回
比較例2
実施例1に記載の油相の調整における、[Y顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件を以下の様に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、[Yトナー3]を得た。
得られたトナーの表面着色剤存在比、体積平均粒径(Dv)、Dv/Dn、平均円形度は表1に示した通りだった。
トナーとして[Bkトナー1]、[Mトナー1]、[Cトナー1]、[Yトナー3]を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行ない、各測定値および評価結果を表2に示した。
[Y顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:14m/秒、パス数:5回
比較例3
実施例1に記載の油相の調整における、[M顔料・ワックス分散液]、[C顔料・ワックス分散液]及び[Y顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件を以下の様に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、[Mトナー2]、[Cトナー2]、[Yトナー4]を得た。
得られたトナーの表面着色剤存在比、体積平均粒径(Dv)、Dv/Dn、平均円形度は表1に示した通りだった。
トナーとして[Bkトナー1]、[Mトナー2]、[Cトナー2]、[Yトナー4]を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行ない、各測定値および評価結果を表2に示した。
[M顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:14m/秒、パス数:3回
[C顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:1Kg/hr、ディスク周速度:8m/秒、パス数:1回
[Y顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:12m/秒、パス数:3回
[比較例4]
評価機として、評価機Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行ない、各測定値および評価結果を表2に示した。
実施例2
実施例1に記載の油相の調整における、[M顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件を以下の様に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、[Mトナー3]を得た。
得られたトナーの表面着色剤存在比、体積平均粒径(Dv)、Dv/Dn、平均円形度は表1に示した通りだった。
トナーとして[Bkトナー1]、[Mトナー3]、[Cトナー2]、[Yトナー3]を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行ない、各測定値および評価結果を表2に示した。
[M顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:1Kg/hr、ディスク周速度:8m/秒、パス数:2回
実施例3
実施例1に記載の油相の調整における、[M顔料・ワックス分散液]及び[C顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件を以下の様に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、[Mトナー4]、[Cトナー3]を得た。
得られたトナーの表面着色剤存在比、体積平均粒径(Dv)、Dv/Dn、平均円形度は表1に示した通りだった。
トナーとして[Bkトナー1]、[Mトナー4]、[Cトナー3]、[Yトナー1]を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行ない、各測定値および評価結果を表2に示した。
[M顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、パス数:2回
[C顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:8m/秒、パス数:3回
実施例4
実施例1に記載の油相の調整における、[M顔料・ワックス分散液]、[C顔料・ワックス分散液]、及び[Y顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件を以下の様に変更し、水相の調製において、水相中に、高分子保護コロイド カルボキシメチルセルロース(セロゲンBSH、三洋化成工業製)の3.0%水溶液を28部を加え、乳化工程において、水相添加後のTKホモミキサーの回転数及び撹拌時間を10,500回転、10分間に変更し、撹拌終了後に水系媒体分散液を素早く2000部の純水で希釈するように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、[Mトナー5]、[Cトナー4]、[Yトナー5]を得た。
得られたトナーの表面着色剤存在比、体積平均粒径(Dv)、Dv/Dn、平均円形度は表1に示した通りだった。
トナーとして[Bkトナー1]、[Mトナー5]、[Cトナー4]、[Yトナー5]を用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行ない、各測定値および評価結果を表2に示した。
[M顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒、パス数:2回
[C顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:8m/秒、パス数:3回
[Y顔料・ワックス分散液]のビーズミル分散条件
送液速度:0.5Kg/hr、ディスク周速度:11m/秒、パス数:3回
実施例5
トナーとして[Bkトナー1]、[Mトナー5]、[Cトナー4]、[Yトナー5]を用い、評価機として評価機Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして評価を行ない、各測定値および評価結果を表2に示した。
Figure 2006208484
Figure 2006208484
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。 本発明の画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。 サーフ定着装置の概略の説明図である。 IH定着装置の概略の説明図である。
符号の説明
1 感光体
2 1次転写手段
3 シート搬送ベルト
4 中間転写体
5 2次転写手段
6 給紙手段
7 定着手段
8 感光体クリーニング手段
9 中間転写体クリーニング手段
10 中間転写体
14,15,16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング手段
18 画像形成手段
20 タンデム画像形成装置
21 露光手段
22 2次転写手段
23 ローラ
24 2次転写ベルト
25 定着手段
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転手段
30 原稿台
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
61 現像手段
62 1次転写手段
63 感光体クリーニング手段
64 除電手段
65 現像スリーブ上現像剤
68 撹拌パドル
69 仕切り板
71 トナー濃度センサ
72 現像スリーブ
73 ドクター
75 クリーニングブレード
76 クリーニングブラシ
77 クリーニングローラ
78 クリーニングブレード
79 トナー排出オーガー
80 駆動装置
101 複写装置本体
140 感光体
160 帯電手段
200給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
s シート
T タンデム型画像形成装置
81 加熱ローラ
82 定着ローラ
82a 芯金
82b 弾性部材
83 耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)
84 加圧ローラ
84a 芯金
84b 弾性部材
85 温度検出手段
86 誘導加熱手段
87 励磁コイル
88 コイルガイド板
89 励磁コイルコア
90 励磁コイルコア支持部材
91 記録材

Claims (12)

  1. 静電潜像体担持体上に形成された静電潜像を少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる複数のフルカラートナーで順次現像して形成されたトナー画像を記録媒体上に転写させた後の記録媒体上のトナー画像を定着させる定着装置であって、該トナー画像は、前記記録媒体上に重ね合わせるように形成されたフルカラートナーのうち、トナー粒子表面の着色剤の存在量(以下、表面着色剤存在量という)比の最も高いフルカラートナーが上層にあり、該表面着色剤存在量比が、1.3〜2.0であることを特徴とする定着装置。
  2. 少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる複数のフルカラートナーで順次形成された静電潜像を現像し、画像を形成する現像手段と、形成された画像を記録媒体上に転写させた後の記録媒体上の画像を定着させる定着手段を有するフルカラー画像形成装置であって、前記記録媒体上に重ね合わせるように形成されたフルカラートナーのうち、表面着色剤存在量比の最も高いフルカラートナーが上層にあり、該表面着色剤存在量比が、1.3〜2.0であることを特徴とするフルカラー画像形成装置。
  3. 前記最も表面着色剤存在量比の高いトナーがイエロートナーであることを特徴とする請求項2に記載のフルカラー画像形成装置。
  4. 前記フルカラートナーが、イエロー、マゼンタ、シアントナーから成り、それぞれの表面着色剤存在量比(Py、Pm、Pc)が、Py>Pm、Py>Pcであることを特徴とする請求項2又は3に記載のフルカラー画像形成装置。
  5. 前記マゼンタトナーの表面着色剤存在量比Pmが1.2〜1.7であり、前記シアントナーの表面着色剤存在量比Pcが1.0〜1.7であり、且つ、イエロートナーの表面着色剤存在量比Py>Pm、Py>Pcであることを特徴とする請求項4に記載のフルカラー画像形成装置。
  6. 前記最も表面着色剤存在量比の高いトナーの着色剤が、アゾ系顔料、または、キナクリドン系顔料であることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置。
  7. 前記トナーのトナー母体粒子が、少なくとも活性水素基を有する化合物と活性水素基と反応可能な部位を有する重合体、着色剤を溶解または分散させた有機溶媒を、水系媒体中に分散させ、前記活性水素基を有する化合物と活性水素基と反応可能な部位を有する重合体を反応させた後、もしくは反応させながら、前記有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥して得られたトナーであることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置。
  8. 前記トナーのトナー粒子の体積平均粒径(Dv)が3.0〜7.0μmであり、且つ、体積平均粒径(Dv)と数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)の値が1.25以下であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置。
  9. 前記トナーのトナー粒子の平均円形度が0.94〜0.99であることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置。
  10. 未定着画像が形成された前記記録媒体を、発熱体を具備する加熱体と、前記加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有する定着手段の、前記フィルムと前記加圧部材の間を通過させて前記未定着画像を加熱定着することを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置。
  11. 未定着画像が形成された前記記録媒体を、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラとの間に張り渡され、前記加熱ローラにより加熱されるとともにこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、前記トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されるとともに、前記トナー加熱媒体の回転移動方向に対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有する定着手段の、前記トナー加熱媒体と前記加圧ローラの間を通過させて、前記未定着画像を加熱定着することを特徴とする請求項2乃至10のいずれかに記載のフルカラー画像形成装置。
  12. 静電潜像体担持体上に形成された静電潜像を少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる複数のフルカラートナーで順次現像して形成されたトナー画像を記録媒体上に転写させた後の記録媒体上のトナー画像を定着させる定着装置に用いられ、少なくともイエロー、マゼンタ、シアントナーからなるフルカラートナーキッドであって、前記トナー画像は、前記記録媒体上に重ね合わせるように形成されたフルカラートナーのうち、表面着色剤存在量比の最も高いフルカラートナーが上層にあり、該表面着色剤存在量比が、1.3〜2.0であることを特徴とするフルカラートナーキッド。
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