JPH117172A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH117172A
JPH117172A JP9176510A JP17651097A JPH117172A JP H117172 A JPH117172 A JP H117172A JP 9176510 A JP9176510 A JP 9176510A JP 17651097 A JP17651097 A JP 17651097A JP H117172 A JPH117172 A JP H117172A
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JP
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toner
fixing
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image forming
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JP9176510A
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English (en)
Inventor
Masahiro Suzuki
雅博 鈴木
Takao Kume
隆生 久米
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 定着不良を発生しやすい多色画像を良好に定
着して、高品質な多色画像を得ることを可能とした画像
形成装置にある。 【解決手段】 イエロー、マゼンタ、シアンの3色のト
ナーから2色を用いて色重ねして、レッド(赤)、グリ
ーン(緑)、ブルー(青)の2次色画像を記録材上に形
成し、定着する場合、レッドは、記録材上でマゼンタよ
りもイエローが下層に位置する方が、ブルーは、マゼン
タよりもシアンが下層に位置する方が、グリーンは、シ
アンよりもイエローが下層に位置する方が、それぞれそ
の逆の積層順よりも定着性が高いので、この積層順に画
像を形成し定着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた画像形成装置に関し、特に複数色のトナーを用いて
カラー画像を得る画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式の複写機やレーザプ
リンタ等のフルカラー化が進んでいる。一般に、電子写
真方式のカラー画像形成装置は、イエロー、マゼンタ、
シアン、ブラックの4色のトナーの混合により、種々な
色のカラー画像を形成する。
【0003】このようなカラー画像形成装置において
は、フルカラー画像の広範囲な色再現性および彩度を実
現するために、定着器での溶融時の粘弾特性を低くした
トナーを用いて、各色のトナー同士の混色性を高めてい
る。
【0004】その結果、定着器の定着ローラへのトナー
のオフセットや、それにともなう定着ローラへの記録材
の巻き付きが発生しやすい。これらを防止するために、
定着ローラ表面にシリコーンオイル等の離型剤オイルを
含有させたり、塗布して、定着ローラ・トナー間の離型
性を高めている。
【0005】最近、上記のオイルを用いた定着の代わり
に、オイル塗布をしないいわゆるオイルレス定着が実現
されている。このオイルレス定着に使用される定着器
は、画像形成部でトナー像が転写された記録材を定着ロ
ーラおよび加圧ローラのニップ部で挟持搬送しつつ熱と
圧力を加えて、未定着トナーを記録材に定着するヒート
ローラ方式を採っている。
【0006】これらのローラは、ヒータを内包した中空
の芯金の表面に、シリコーンゴムの弾性層を設け、さら
にその表層に離型層を設けて構成されている。離型層と
しては、PFAチューブやFEPコート層などの離型性
の高い材料が用いられる。
【0007】オイルレス定着に用いられるトナーとして
は、現像剤の主成分である樹脂中にワックスを内包させ
た重合トナーが開発されている。定着時に、このトナー
の樹脂中に内包されたワックスを溶融して滲み出させる
ことにより、従来のオイルの役割を果させ、定着ローラ
へのトナーのオフセットおよび記録材の巻き付きを防止
するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このオ
イルレス定着には以下に述べるような問題があった。樹
脂中にワックスを内包した重合トナーを用いることによ
り、オイルレス定着を可能にしているが、4色フルカラ
ー画像などの多色画像では、記録材上のトナーの載り量
が多くなり、トナー層厚が厚くなるために、定着ローラ
表面近傍のトナー(表層側トナー)には熱が十分に伝わ
るが、記録材表面近傍にあるトナー(下層側トナー)に
は、樹脂中のワックスを十分に溶融させるだけの熱が伝
わらない。その結果、表層側のトナーだけが溶け、下層
側のトナーが溶けないために、記録材にトナーが固着さ
れず、皮膨れ状の定着不良が発生しやすくなるという問
題が生じる。
【0009】このような定着不良を解消するためには、
トナー層に十分な熱量を供給できる定着条件を実現する
必要がある。具体的には、定着温度の増加、定着スピー
ドの低速化、定着ローラや加圧ローラの大径化、その弾
性層のゴム厚増加によるニップ幅の増加などが考えられ
る。
【0010】しかしながら、これらの方法は、消費電力
の増加や画像形成装置の機内温度上昇による他要素への
熱の影響、スループットダウンによるスペック低下(プ
リント生産速度低下による性能低下)、装置の大型化、
定着ローラ、加圧ローラの熱応答性の低下といった弊害
が発生する。また定着時にトナーに供給する熱量をます
と、定着画像の光沢が高くなる。そのためビジネスユー
スの書類では、画像が高光沢すぎてまぶしく、読みづら
いといった問題が発生する。
【0011】本発明の目的は、定着不良を発生しやすい
多色画像を良好に定着して、高品質な多色画像を得るこ
とを可能とした画像形成装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にか
かる画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明
は、複数色のトナー像を1色づつ記録材上に重ね合わせ
て転写し、転写した複数色のトナー像を定着手段により
記録材に定着する画像形成装置において、前記複数色の
トナー像のうち定着性が高いトナーによるトナー像ほ
ど、記録材上で下層に配置したことを特徴とする画像形
成装置である。
【0013】本発明の他の一態様は、複数色のトナー像
を1色づつ記録材上に重ね合わせて転写し、転写した複
数色のトナー像を定着手段により記録材に定着する画像
形成装置において、前記複数色のトナー像のうちトナー
に外添した無機材料からなる外添剤の添加量が少ないト
ナーによるトナー像ほど、記録材上で下層に配置したこ
とを特徴とする画像形成装置である。
【0014】本発明のさらに他の一態様は、複数色のト
ナー像を1色づつ記録材上に重ね合わせて転写し、転写
した複数色のトナー像を定着手段により記録材に定着す
る画像形成装置において、前記複数色のトナー像のうち
溶融時の粘性項が低いトナーによるトナー像ほど、記録
材上で下層に配置したことを特徴とする画像形成装置で
る。
【0015】本発明によれば、前記トナーは、ワックス
を含有したコア層と、そのコア層を被覆した着色剤を含
有する樹脂層と、その樹脂層の表面を覆う表層とからな
ることができる。また前記定着手段は、熱源を内包する
定着ローラとこの定着ローラに圧接した加圧ローラとを
備え、定着ローラの表面への離型剤の含有も塗布も行な
わずに、これら定着ローラと加圧ローラの圧接部で、複
数色のトナー像を転写した記録材を挟持して熱および圧
力を加えることにより、前記転写した複数色のトナー像
を記録材に定着する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0017】実施例1 図1は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構
成図である。本画像形成装置は、イエロー、マゼンタ、
シアン、ブラックの4色のトナーを用いてフルカラー画
像を形成するフルカラーレーザビームプリンタに構成さ
れている。
【0018】画像形成装置全体の概略構成を説明する
と、装置本外A内のほぼ中央にドラム型の像担持体、す
なわち感光ドラム31が配置されている。感光ドラム3
1の周囲には、その回転方向に沿って順に、感光ドラム
の表面を均一に帯電する接触配置した帯電ローラ32、
感光ドラムの表面にレーザ光を照射して画像情報に応じ
た静電潜像を形成する露光装置33、静電潜像にトナー
を付着してトナー像として現像する現像装置34、感光
ドラム上のトナー像を紙などの記録材に転写する転写装
置35、感光ドラム表面の転写残りのトナーを除去する
クリーニング装置36が配置されている。
【0019】現像装置34は、ロータリー34Aに4色
の現像器、すなわちイエロー現像器34a、マゼンタ現
像器34b、シアン現像器34cおよびブラック現像器
34dを有し、ロータリー34が矢印R34方向に回転
することにより、現像に使用する現像器を感光ドラム3
1に対向した現像位置に配置する。
【0020】転写装置35は、記録材担持体としての円
筒状の転写ドラム35a、転写ドラムに設けられたグリ
ッパ35b、転写ドラム内に配置された転写手段35c
を有する。この転写ドラム35aの周囲には、クリーニ
ング装置41および分離爪39が配置され、分離爪39
の近くには定着装置40が配置されている。また、転写
ドラム35aおよび現像装置34の下方には、記録材P
を収納した給紙カセット37が配置されている。
【0021】上記画像形成装置の画像形成動作を簡単に
説明する。図示しないプリンタコントローラからプリン
ト信号が送られると、感光ドラム31が駆動手段により
矢印R31方向に回転駆動され、この感光ドラム31の
表面が帯電ローラ32によって所定の電位に均一に帯電
される。続いて、感光ドラム31の表面に露光装置33
から画像情報に基づいたレーザ光が照射され、表面の照
射部分の電荷が除電されて、これにより感光ドラム31
の表面に目的のカラー画像の1色目成分像、たとえばイ
エロー像用の静電潜像が形成される。この静電潜像は、
予め現像位置に配置されたイエロー現像器34aによっ
てイエロートナーが付着され、イエロートナー像として
現像される。
【0022】一方、記録材Pが給紙カセット37から供
給ローラ38により、矢印R35方向へ回転する転写ド
ラム35aへ搬送される。記録材Pは、転写ドラム35
aのグリッパ35bによって先端を把持されるととも
に、図示しない吸着帯電器によって転写ドラム35aの
表面に静電吸着され、転写ドラム35aの回転にともな
い感光ドラム31と対向した転写部へ搬送される。
【0023】感光ドラム31上のイエロートナー像は、
感光ドラムの回転にともなって転写部に搬送され、転写
部において転写帯電器35cの作用により記録材P上に
転写される。トナー像転写後の感光ドラム31は、転写
により残留した表面のトナーをクリーニング装置36に
より除去した後、次のマゼンタの画像形成に供される。
【0024】以上の帯電、露光、現像、転写およびクリ
ーニングの一連の画像形成プロセスを、残りのマゼン
タ、シアン、ブラックの3色についても同様に繰り返
し、これにより記録材上に目的のカラー画像に対応した
4色のトナー像が重なったカラー画像が得られる。
【0025】4色のトナー像を転写した記録材Pは、分
離爪39により転写ドラム35aから剥されて定着装置
40に搬送され、そこでトナー像が定着される。本実施
例で用いた定着装置40の概略構成を図2に示す。
【0026】本定着装置40は、加圧力をかけて当接し
た2本のローラ1、2を回転し、そのニップ部で記録材
を挟持して搬送しながら、記録材に熱と圧力を加えて定
着する熱ローラ方式を採用している。便宜上、上側に位
置するローラ1を定着ローラ、下側に位置するローラ2
を加圧ローラと称している。本実施例では、この定着ロ
ーラ1の表面への離型剤の含有も塗布も行なわずに、こ
れら定着ローラ1と加圧ローラ2による加熱および加圧
で、4色のトナー像を記録材Pに定着するオイルレス定
着を実現するために、定着ローラ1、加圧ローラ2を以
下のように構成した。
【0027】本例では、定着ローラ1、加圧ローラ2は
同一構成とした。定着ローラ1、加圧ローラ2は、金属
製の中空芯金11の表面に、シリコーンゴムの弾性層1
2を設け、さらにその表層に、離型性を高めるために、
フッ素系材料のチューブやコート層からなる離型層13
を設けており、各ローラの芯金11内にハロゲンランプ
ヒータ3を内包している。
【0028】本発明では、弾性層12の厚さを1.5〜
2.5mm、そこに使用したシリコーンゴムの硬度を、
JISA規格で5°以下もしくはアスカーC(Asker C)
で20°以下とし、離型層13の厚さを30〜50μm
とする。これによって、ローラとしての製品硬度をアス
カーCで、定着ローラ1は65°以下、加圧ローラ2は
75°以下に抑え、良好な定着性を確保している。定
着、加圧ローラ1、2の当接圧(総加圧力)は30〜7
0kgfがよい。
【0029】本実施例によれば、定着ローラ1、加圧ロ
ーラ2の外径を46.0mm、長さを313mmとし、
弾性層12のシリコーンゴム硬度をアスカーCで11
°、弾性層12の厚さを定着ローラ1で2.5mm、加
圧ローラ2で1.5mmとし、離型層13を厚さ50μ
mのPFAチューブ製とした。定着、加圧ローラ1、2
当接圧は40kgfとした。またプロセス条件として、
定着温度を180℃、定着速度を117mm/秒に設定
した。
【0030】本実施例で用いたトナーについて説明す
る。本実施例では、オイルレス定着を実現するために、
重合法、たとえば懸濁重合法で製造した、低軟化物質を
5〜30重量%含み、平均粒径5〜7μmの微粒径で実
質的に球形の非磁性重合トナーを用いた。この重合トナ
ーの概略構成を図3に示す。図3に示すように、重合ト
ナー100は、その製造法上、球形を有しており、本実
施例では、エステル系ワックスを内包したコア101
と、コアを囲むスチレン−ブチルアクリレートの樹脂層
102と、その外周面を被覆したスチレン−ポリエステ
ルの表層103とから構成した。イエロー、マゼンタ、
シアン、ブラック等の着色剤としての顔料は、少なくと
も樹脂層102に添加される。重合トナー100の全体
としての比重は約1.05である。
【0031】本実施例によれば、定着時に、この重合ト
ナー100から滲み出すワックス101の効果と、上述
の離型効果を高めた構成の定着器ローラ表面の効果によ
り、オイルレス定着が達成される。
【0032】さて、トナーの定着性は、全ての色のトナ
ーで同等というわけではない。本実施例で用いたイエロ
ー、マゼンタ、シアンの各色のトナーの単色画像の定着
性を比較した結果を図4に示す。
【0033】これらトナーは、定着に大きな影響を与え
る外添剤量および粘弾特性を同一としてあり、着色剤の
顔料成分だけがトナー間で異なる。記録材は、本実施例
の画像形成装置がLDRサイズ対応機であるので、定着
性が最も厳しい紙サイズであるLDRサイズを使用し
た。具体的には、Xerox4024−75g/m2
90g/m2 、105g/m2 の3種類のLDRサイズ
の紙を用いた。定着性は、紙種が厚くなるほど、またト
ナーの載り量が多くなるほど、定着に必要な熱が多くな
って厳しくなるので、105g/m2 の厚紙で最大トナ
ー載り量1.8mg/cm2 まで定着性を評価した。つ
まり、上記3種の紙種において、単位面積当たりのトナ
ーの乗り量を1.3〜1.8mg/cm2 まで段階的に
変更して単色画像を形成し、定着して、定着性を評価し
た。
【0034】上記において、定着性とは、定着時に紙上
のトナーが定着ローラ(や加圧ローラ)へ付着するオフ
セットの発生度合、定着したトナーが紙から剥れて、気
泡のように固着した火脹れ状画像不良の不良程度および
発生面積割合を意味する。定着性の評価は目視によっ
た。正常に定着されている「定着不良なし」状態を○と
して、以下、×まで4段階に相対的評価をした。図4に
おいて、符号は、○:定着不良なし、○△:ほぼ定着な
しのレベルであるが、若干定着不良あり、△:局所的に
定着不良あり、×:画像全面に定着不良あり、を示す。
【0035】図4に示すように、イエロー、シアン、マ
ゼンタの3色についてのトナー単色画像の定着性は、イ
エロー>シアン>マゼンタの順に前ほど、紙種およびト
ナーの載り量の可能範囲が広く、定着性が高いことが分
かる。これは、後者のトナーほど、その顔料がトナーと
紙界面の付着力を低下させるためであると思われる。
【0036】そこで、上記の3色のトナーから2色を用
いて色重ねした2次色画像を記録材に形成し、定着し
て、色の積層順による定着性を比較した。2次色にはレ
ッド(赤)、グリーン(緑)、ブルー(青)があり、レ
ッドはイエローとマゼンタ、グリーンはイエローとシア
ン、ブルーはシアンとマゼンタの2色を積層して再現さ
れる。記録材にはLDRサイズの105g/m2 の紙を
用い、トナーの載り量は2色あたり1.5mg/cm2
とした。結果を図5に示す。図5において、符号の意味
は図4と同じである。
【0037】図5に示されるように、2次色画像のレッ
ドの定着性を見ると、紙(記録材)上でマゼンタよりも
イエローが下層に位置する方が、その逆の積層順よりも
定着性が高いことが分かる。図4の結果によれば、単色
画像の定着性は、マゼンタよりもイエローの方が高い。
同様に、2次色画像のブルーでは、紙上でマゼンタより
もシアンが下層に位置する方が、その逆の積層順よりも
定着性が高く、図4の単色画像の結果では、マゼンタよ
りもシアンの方が定着性が高い。2次画像のグリーンで
は、紙上でシアンよりもイエローが下層に位置する方
が、その逆の積層順よりも定着性が高く、単色画像の結
果はシアンよりもイエローの方が定着性が高い。
【0038】以上から、複数色のトナー像を重ねて形成
する多色画像では、単色画像の定着性、つまりトナーの
定着性が高いものほど記録材上で下層に配置するように
積層した方が、多色画像の定着性が高く良好であること
が結論される。そこで、本実施例では、多色画像を、定
着性が高いトナーによるトナー像ほど記録材上で下層と
する積層順に配置して、定着するものである。
【0039】従って、本実施例によれば、定着不良を発
生しやすい多色画像を、定着温度を上げることなく良好
に定着することができ、さらに厚い記録材にも多色画像
を良好に定着することができる。また定着温度を上げる
必要がないので、画像の光沢度を抑制することもでき、
画像形成装置の消費電力増加および機内温度上昇の弊害
を避けることもできる。
【0040】実施例2 トナーには、現像性を向上させるために、無機材料であ
る外添剤が添加されている。たとえば、トナーは現像器
内での撹拌等により現像に適した極性の電荷を付与され
るが、このトナーに流動性を高めて帯電電荷量を安定化
させるために、外添剤が添加される。また現像性は、各
色のトナーで、すなわち顔料の成分の違いで異なる。そ
こで、各色トナーの現像性を同等にするために、各色ト
ナーによって添加される外添剤の量が異なる場合もあ
る。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、アルミナな
どが挙げられる。
【0041】しかしながら、トナーにシリカなどの無機
材料の外添剤を添加すると、溶けにくい外添剤がトナー
と記録材との界面に位置することになるので、画像の定
着性が低下する。
【0042】本実施例において、トナーに外添剤として
シリカを添加量1.5%、2.0%、2.5%の3種類
に変えて添加し、そのシリカ添加量が異なる3種類のト
ナーを用いて、トナー像を3層に積層した画像を記録材
に形成し、定着して、3種のトナーの積層順による定着
性を比較した。記録材には、Xerox4024−75
g/m2 、90g/m2 、105g/m2 の3種類のL
DRサイズの紙を用い、トナー像の紙単位面積当たりの
トナーの乗り量を3層合計で1.3〜1.8mg/cm
2 まで段階的に変更した。定着性の評価は目視によっ
た。評価は5段階とした。結果を図6に示す。図6にお
いて、符号○〜×は図4の場合と同じである。符号××
は、定着せずを示す。
【0043】図6に示されるように、紙(記録材)上で
外添剤の少ないトナーほど下層になるように積層した方
が、その逆に積層するよりも定着性が格段に良いことが
分かる。
【0044】以上から、複数色のトナーを重ねて形成す
る多色画像では、外添剤の少ないトナーによるトナー像
ほど記録材上で下層に配置するように積層した方が、多
色画像の定着性が高く、良好であることが結論される。
【0045】そこで、本実施例では、複数色のトナーを
重ねる多色画像を、外添剤の少ないトナーによるトナー
像ほど記録材上で下層とする積層順に配置して、定着す
るものである。
【0046】従って、本実施例においても、定着不良を
発生しやすい多色画像を、定着温度を上げることなく良
好に定着することができ、厚い記録材にも良好に定着す
ることができる。また定着温度を上げる必要がないの
で、画像の光沢度を抑制することもでき、画像形成装置
の消費電力増加および機内温度上昇の弊害を避けること
もできる。
【0047】本実施例によれば、定着性の範囲が広がる
ので、それにともない外添剤の添加量の制約が解除され
て添加量範囲が広がるので、結果的に、定着性を確保し
た上で現像性を向上させることができる。またトナーの
外添剤量によって各色のトナーの積層順を設定するの
で、実施例1とは異なる色順にすることが可能となる。
【0048】実施例3 ヒートローラ方式の定着装置においては、トナーの定着
性は、弾性項G′および粘性項G″で表されるトナーの
粘弾特性によって左右される。特に通常使用される定着
温度付近では、その粘性項G″に大きく影響される。な
お、ここで言う弾性項G′は貯蔵弾性係数であり、粘性
項G″は損失弾性係数のことである(「ゴム材料の選び
方・使い方」宇佐美民雄他著、オーム社出版)。
【0049】弾性項G′はトナーの凝集力に関する指標
で、値が高いほどトナーが凝集しやすい。ヒートローラ
方式のような接触加熱定着では、定着性の確保だけでな
く、トナーの一部が分断して定着ローラ表面に付着する
ホットオフセット現象を防ぐことが必要である。このた
めトナーの凝集力を適当に高めて、ホットオフセット現
象を防いでいる。
【0050】粘性項G″は、トナーの溶けやすさに関す
る指標で、溶融したトナーは、紙などの繊維の中に入り
込んで、アンカー効果等による定着作用を発揮するの
で、粘性項G″はトナーの定着性を大きく支配する。こ
の粘性項G″は、値が低いほどトナーの粘性が低く、溶
けやすく、従って定着性が高い。トナーの定着性は、定
着温度が高くなるほど増すが、これは、粘性項G″が温
度の上昇とともに低下するからである。
【0051】この粘性項は、各色トナーによって異なる
ように製造することがある。たとえばイエロー、シア
ン、マゼンタ、ブラックの4色のトナーを用いる場合、
OHTの透明性を向上させるために、イエロー、シア
ン、マゼンタの粘性を下げる。しかし、ブラックに関し
ては、その色自体の性質から透明性を上げる必要がない
ため、粘性が他の色より高い、すなわち溶けにくくする
必要がある。
【0052】本実施例において、100℃における粘性
項G″を1.0×105 、4.0×105 、1.0×1
6 dyn/cm2 に設計した3種類のトナーを用い
て、トナー像を3層に積層した画像を記録材に形成し、
定着して、3種のトナーの積層順による定着性を比較し
た。
【0053】トナーの外添剤としては、3種類のトナー
全てに同一量のシリカを加えた。記録材には、Xero
x4024−75g/m2 、90g/m2 、105g/
2の3種類のLDRサイズの紙を用い、各層のトナー
像の紙単位面積当たりのトナーの乗り量を1.3〜1.
8mg/cm2 まで段階的に変更した。定着性の評価は
目視によった。評価は5段階とした。結果を図7に示
す。図7において、符号○〜××は図6の場合と同じで
ある。
【0054】図7に示されるように、紙(記録材)上で
粘性項G″が低く、溶けやすいトナーほど下層になるよ
うに積層した場合は、全ての紙種、トナー載り量で定着
不良が発生しないのに対し、その逆の積層順では、厚紙
やトナーの載り量が多いときに、定着不良が発生してお
り、前者の方が格段に定着性が良い。これは、紙上に粘
性の低いトナーを積層させることにより、トナーと紙界
面の付着力を増加させているからであると考えられる。
【0055】以上から、複数色のトナーを重ねて形成す
る多色画像では、粘性項G″の値がが低く、溶けやすい
トナーほど下層になるように積層した方が、多色画像の
定着性が高く、良好であることが結論される。
【0056】そこで、本実施例では、複数色のトナーを
重ねる多色画像を、粘性項G″が低いトナーによるトナ
ー像ほど記録材上で下層とする積層順に配置して、定着
するものである。
【0057】本実施例によっても、定着不良を発生しや
すい多色画像を、定着温度を上げることなく良好に定着
することができ、厚い記録材にも良好に定着することが
できる。また定着温度を上げる必要がないので、画像の
光沢度を抑制することもでき、画像形成装置の消費電力
増加および機内温度上昇の弊害を避けることもできる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
定着不良を発生しやすい多色画像を、定着温度を高くす
ることなく良好に定着して、高品質な多色画像を得るこ
とができる。また、厚い記録材でも多色画像を良好に定
着することができる。さらに、定着温度を上げる必要が
ないので、画像の光沢度を抑制することもでき、画像形
成装置の消費電力増加および機内温度上昇の弊害を避け
ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す概略構
成図である。
【図2】図1の画像形成装置に設置された定着装置の概
略構成を示す断面図である。
【図3】本発明で使用する重合トナーの層構成を示す断
面図である。
【図4】イエロー、マゼンタ、シアン各色のトナーの単
色画像の定着性を比較した結果を示す説明図である。
【図5】本発明の一実施例における、2色を用いて色重
ねした2次色画像を定着したときの、色の積層順による
定着性を比較した結果を示す説明図である。
【図6】本発明の他の一実施例における、シリカ添加量
が異なる3種類のトナーによるトナー像を3層に積層し
た画像を定着したときの、3種のトナーの積層順による
定着性を比較した結果を示す説明図である。
【図7】本発明のさらに他の一実施例における、100
℃における粘性項G″が異なる3種類のトナーによるト
ナー像を3層に積層した画像を定着したときの、3種の
トナーの積層順による定着性を比較した結果を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 加圧ローラ 3 ハロゲンヒータランプ 11 芯金 12 弾性層 13 離型層 31 感光ドラム 35a 転写ドラム 40 定着装置 100 重合トナー 102 樹脂層 103 表層 P 記録材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数色のトナー像を1色づつ記録材上に
    重ね合わせて転写し、転写した複数色のトナー像を定着
    手段により記録材に定着する画像形成装置において、前
    記複数色のトナー像のうち定着性が高いトナーによるト
    ナー像ほど、記録材上で下層に配置したことを特徴とす
    る画像形成装置。
  2. 【請求項2】 複数色のトナー像を1色づつ記録材上に
    重ね合わせて転写し、転写した複数色のトナー像を定着
    手段により記録材に定着する画像形成装置において、前
    記複数色のトナー像のうちトナーに外添した無機材料か
    らなる外添剤の添加量が少ないトナーによるトナー像ほ
    ど、記録材上で下層に配置したことを特徴とする画像形
    成装置。
  3. 【請求項3】 複数色のトナー像を1色づつ記録材上に
    重ね合わせて転写し、転写した複数色のトナー像を定着
    手段により記録材に定着する画像形成装置において、前
    記複数色のトナー像のうち溶融時の粘性項が低いトナー
    によるトナー像ほど、記録材上で下層に配置したことを
    特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記トナーは、ワックスを含有したコア
    層と、そのコア層を被覆した着色剤を含有する樹脂層
    と、その樹脂層の表面を覆う表層とからなる請求項1〜
    3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記定着手段は、熱源を内包する定着ロ
    ーラとこの定着ローラに圧接した加圧ローラとを備え、
    定着ローラの表面への離型剤の含有も塗布も行なわず
    に、これら定着ローラと加圧ローラの圧接部で、複数色
    のトナー像を転写した記録材を挟持して熱および圧力を
    加えることにより、前記転写した複数色のトナー像を記
    録材に定着する請求項1〜4のいずれかの項に記載の画
    像形成装置。
JP9176510A 1997-06-17 1997-06-17 画像形成装置 Pending JPH117172A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4839304A (en) * 1986-12-18 1989-06-13 Nec Corporation Method of making a field effect transistor with overlay gate structure
JP2002023459A (ja) * 2000-07-06 2002-01-23 Fujitsu Ltd カラー画像形成装置
JP2006208484A (ja) * 2005-01-25 2006-08-10 Ricoh Co Ltd フルカラー画像形成装置
JP2012173345A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
EP2743774A4 (en) * 2011-07-15 2015-03-18 Canon Kk IMAGE TRAINING UNIT

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