JP2012072373A - インク - Google Patents

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Abstract

【課題】光及びオゾンに対して堅牢な画像を形成することができ、更に、インクセットを構成する各インク間の耐光性や耐オゾン性のバランスが良く、かつ複数色のインクを組み合わせて形成した着色画像(混色部分)のブロンズ現象を起こさないインクを提供する。
【解決手段】少なくとも、第1の色材、第2の色材、及び第3の色材を含有してなるインクであって、前記第1の色材が、下記一般式(BkI−1)で表される化合物であり、前記第2の色材が、第1の色材とは異なる特定の化合物であり、前記第3の色材が、第1の色材及び第2の色材とは異なる特定の化合物であることを特徴とするインク。
Figure 2012072373

【選択図】なし

Description

本発明は、インクに関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙や光沢メディアなどの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。また、インクジェット記録方法により得られる画像の高画質化が進んだことに加えて、デジタルカメラの急速な普及に伴い、銀塩写真に匹敵する画像の出力方法として広く一般的になっている。
インクジェット記録方法の問題点のひとつとして、得られた記録物の画像保存性が挙げられる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較して、その画像保存性に劣るという問題がある。より具体的には、記録物が、光、湿度、熱、又は空気中に存在する環境ガスなどに長時間さらされた場合には、記録物上の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいという問題がある。ブラックインクで形成した画像における耐光性は、色材の劣化による色調の変化を伴うことが多く、特に劣化が顕著に認識されるため、従来から解決すべき課題として捉えられ、多くの提案がなされている。
このような問題に対して、特許文献1及び2には耐光性に優れた構造を有する色材を含有するインクを用いることで、画像の耐光性を向上させることに関する提案がなされている。
一方、上述したカラー画像の形成に用いられるインク組成物には、各色ごとのインク組成物自身が良好な発色性を有していることに加え、複数色のインク組成物を組み合わせたときに得られる記録物が保存中に変退色しないこと、及びブロンズ現象が起こらないこと等が求められる。
インクセットにおいて、特定のインク組成物の耐光性や耐オゾン性が、他のインク組成物よりも著しく低い場合、その特定のインク組成物によって形成された色が、他の色よりも早く退色や変色してしまい、画像全体の色調のバランスが悪くなる。従って、インクセットを構成する各インク組成物の耐光性や耐オゾン性を向上させることに併せて、各インク組成物によって形成される画像の光やオゾンによる劣化速度、例えば退色速度もできるだけ同じであることが好ましい。言い換えれば、インクセットを構成する各インクの耐光性や耐オゾン性が優れているとともに、各インク間の耐光性や耐オゾン性の差が小さいことが好ましい。
また、光学濃度が高い記録画像を形成させた場合、乾燥するにつれて染料の結晶が受像材料表面に析出して、記録画像が光を反射して金属光沢を放つという、いわゆるブロンズ現象が生じるという問題があった。この現象は、耐水性を向上させるために染料の水溶解性を下げたり、染料構造中に水素結合基のアミノ基を導入したりすることにより、染料の会合性(凝集性)が高まることによって生じやすくなると考えられる。ブロンズ現象の発生によって光を反射するので、記録画像の光学濃度が低下してしまうばかりでなく、記録画像の色相も所望のものとは大きく異なってしまうため、ブロンズ現象を抑制することはインクジェットインクに要求される性能として重要なものの一つである。
特開2009−30023号公報 特開2009−185133号公報
公知のブラック染料の多くは、画像に光を照射する耐光性試験後に、画像の色調が黄味に変化する傾向がある。つまり、公知のブラック染料を含有するインクを用いて形成した画像は、イエロー波長領域の光学濃度と比較して、マゼンタ波長領域や特にシアン波長領域における光学濃度の低下の程度が大きい傾向にある。なお、各波長領域における光学濃度は、分光光度計を用いて、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各成分の光学濃度を測定する(分光感度特性;ISOステータスAを使用)ことで、求めることができる。
これに対して、一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1)で表される化合物は、耐光性試験に対する色調(色味)の変化が起こりにくい特性をもつことがわかった。一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1)で表される化合物を含有するインクを用いて形成した画像の色調は黒であり、ブラックインクに適用できる可能性があることもわかった。
そこで本発明者らは、一般式(BkI−1)で表される化合物と、一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1)で表される化合物と、イエロー系の色調を有する化合物を併用してインクの色調を調整することについて検討を行ったところ、イエロー系の色調を有する化合物として一般式(Y−1)で表される化合物を用いることで、ブロンズ現象を抑制し、かつ、光及びオゾンに対して堅牢な画像を形成することができることを見出すに至った。
本発明の目的は、上記した少なくとも1つの課題を解決することにある。具体的には、光及びオゾンに対して堅牢な画像を形成することができるインクを提供することにある。
更に、インクセットを構成する各インク間の耐光性や耐オゾン性のバランスが良く、かつ複数色のインクを組み合わせて形成した着色画像(混色部分)のブロンズ現象を起こさないインクを提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。
〔1〕
少なくとも、第1の色材、第2の色材、及び第3の色材を含有してなるインクであって、
前記第1の色材が、下記一般式(BkI−1)で表される化合物であり、
前記第2の色材が、第1の色材とは異なる化合物であり、下記一般式(BkII−1)で表される化合物又は下記一般式(BkIII−1)で表される化合物であり、
前記第3の色材が、下記一般式(Y−I)で表される化合物であることを特徴とするインク。
Figure 2012072373
(一般式(BkI−1)中、Aは置換されていてもよいアリール基又はヘテロ環基であり、Bは下記一般式(1)〜(5)で表されるいずれかの基であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2012072373
(一般式(1)〜(5)中、R1〜R9はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アニリノ基及び複素環アミノ基を含むアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル若しくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基であり、各基は更に置換されていてもよい。)
Figure 2012072373
(一般式(BkII−1)中、Gは窒素原子又は−C(R12)=を表す。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。X11、X12、X13、X14、X15、X16及びX17はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
Figure 2012072373
(一般式(BkIII−1)中、Aはアリール基、又は含窒素5員ヘテロ環基を表す。Gは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。Y22、Y23及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。Y22、Y23及びY24は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
Figure 2012072373
(一般式(Y−1)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Rはそれぞれ独立に−OR又は−NHRを表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立に2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。)
〔2〕
前記一般式(BkI−1)で表される化合物におけるAが、置換されていてもよいナフチル基であり、Bが、前記一般式(2)で表される基である〔1〕に記載のインク。
〔3〕
前記一般式(BkII−1)で表される化合物が、下記一般式(BkII−2)で表される化合物である〔1〕又は〔2〕に記載のインク。
Figure 2012072373
(一般式(BkII−2)、Gは窒素原子又は−C(R12)=を表す。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。X12、X14、及びX16はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。R13は、1価の置換基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
〔4〕
前記一般式(BkIII−1)で表される化合物が、一般式(BkIII−2)で表される化合物ある〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のインク。
Figure 2012072373
(一般式(BkIII−2)中、Gは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。R23は、1価の置換基を表す。Aはアリール基、又は5員含窒素ヘテロ環基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
〔5〕
インク中における前記第2の色材の含有量(質量)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量)に対して、45質量%以上75質量%以下である〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のインク。
〔6〕
インク中における前記第3の色材の含有量(質量)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量)に対して、20質量%以上45質量%以下である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のインク。
〔7〕
インク中における前記第2の色材の含有量(質量)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量)に対して60質量%以上であり、かつ、インク中における前記第3の色材の含有量(質量)が、インク中における前記第1の色材の含有量(質量)に対して、1倍以上である〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のインク。
本発明によれば、光及びオゾンに対して堅牢な画像を形成することができるインクを提供することができる。
更に、インクセットを構成する各インク間の耐光性や耐オゾン性のバランスが良く、かつ複数色のインクを組み合わせて形成した着色画像(混色部分)のブロンズ現象を起こさないインクを提供することができる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を挙げて、詳細に説明する。
まず、本発明において、置換基群A、置換基群J、イオン性親水性基、ハメットの置換基定数σp値について定義する。
(置換基群A)
炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、スルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(カルボキシル基、スルホ基など)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
(置換基群J)
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Jから選択される基を挙げることができる。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソi−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
(イオン性親水性基)
スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩が更に好ましい。
(ハメットの置換基定数σp値)
本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明にかかる化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。
本発明者らは、後述の、一般式(BkI−1)で表される化合物と、一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1)で表される化合物とを含有するインクを用いて得られる画像の色調及び耐光性についての検討を行う過程で、新たに、後述の一般式(Y−I)で表される化合物に着目するに至った。本発明者らの検討によると、一般式(BkI−I)の化合物のみを含有するインクを用いて得られた画像は、青味の色調を有している。また、一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−I)の化合物のみを含有するインクで形成された画像の耐光性試験後の各波長領域における光学濃度の低下の程度は、イエロー波長領域、マゼンタ波長領域、シアン波長領域の順に大きくなるが、光学濃度の残存率はいずれも高いことがわかった。
そこで、本発明者らは、色材として、一般式(BkI−1)の化合物と一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1)で表される化合物、更に、これらに加えて一般式(Y−I)の化合物を含有してなるインクについて、詳細な検討を行った。その結果、これらの3つの色材を含有するインクを用いて、記録デューティを100%として形成した画像(初期の画像)の色調は良好であった。また、前記画像は、耐光性に関しても、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各波長領域における光学濃度の低下の程度が同程度であり、耐光性試験後も色調変化が小さく、高い堅牢性を示すことがわかった。本発明はかかる知見に基づいてなされたものである。
更に、本発明者らは、インク中における、一般式(BkI−1)の化合物、一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1)で表される化合物、及び一般式(Y−I)の化合物の含有量の比率を検討した。その結果、これらの3つの色材の含有量の質量比率をある範囲とすることで、耐光性試験後の色調変化がより小さく、高い堅牢性を有するだけでなく、ブロンズ現象が発生しやすい条件においても、ブロンズ現象を抑制した画像となることがわかった。
本発明のインクは、少なくとも、一般式(BkI−1)の化合物、一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1)で表される化合物、及び一般式(Y−I)の化合物を含有することを特徴とする。これらの3つの化合物(色材)を組み合わせて含有するインクで形成した画像において、耐光性試験後の色調変化が抑えられ、色調変化のバランスが良好となるという効果が得られる。
<インク>
本発明のインクは、少なくとも、第1の色材、第2の色材、及び第3の色材を含有してなるインクであって、前記第1の色材が、下記一般式(BkI−1)で表される化合物であり、前記第2の色材が、第1の色材とは異なる化合物であり、下記一般式(BkII−1)で表される化合物又は下記一般式(BkIII−1)で表される化合物であり、前記第3の色材が、下記一般式(Y−I)で表される化合物であることを特徴とする。
以下、本発明にかかるインクを構成する成分や、インクの物性などについて詳細に述べる。
(色材)
〔第1の色材:一般式(BkI−1)で表される化合物〕
本発明のインクは、下記一般式(BkI−1)の化合物を、第1の色材として含有することが必要である。
Figure 2012072373
(一般式(BkI−1)中、Aは置換されていてもよい芳香族基又は複素環基であり、Bは下記一般式(1)〜(5)で表されるいずれかの基であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
Figure 2012072373
(一般式(1)〜(5)中、R1〜R9はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アニリノ基及び複素環アミノ基を含むアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル若しくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基であり、各基は更に置換されていてもよい。)
一般式(BkI−1)におけるAは、置換されていてもよい芳香族基又は複素環基であり、具体的には以下の置換基とすることができる。ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、及びベンゾイソチアゾール環などが挙げられる。上記の中でも特に、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、又はベンゾチアゾール環が好ましく、ベンゼン環又はナフタレン環がより好ましい。
一般式(BkI−1)におけるBは、上記に示した一般式(1)〜(5)で表されるいずれかの基である。一般式(1)〜(5)におけるR1〜R9はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アニリノ基及び複素環アミノ基を含むアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル若しくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基であり、各基は更に置換されていてもよい。
これらの基は、前記置換基群Jにおける各基と同様の基があげられ、好ましい基も同様である。
一般式(BkI−1)におけるMはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。前記アルカリ金属としては、具体的には、リチウム、ナトリウム、及びカリウムなどが挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、具体的には、アセトアミド、ベンズアミド、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルアミノ、及びトリエタノールアミノなどが挙げられる。
本発明で用いる一般式(BkI−1)の化合物においては、Aが置換されていてもよいナフチル基であり、Bが上記一般式(2)で表される基であることが好ましく、更には、上記一般式(2)におけるR3がアリール基又はピリジル基であることがより好ましい。アリール基又はピリジル基としては、具体的には、以下に挙げるものが好ましい。フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基など。また、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基など。また、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基など。また、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基など。また、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基など。また、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基など。上記の中でも特に、フェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが好ましい。
Aは無置換又はハメットのσp値が0.3未満の置換基により置換されたアリール基であることが好ましく、イオン性親水性基のみにより置換されたアリール基であることがより好ましく、イオン性親水性基のみにより置換されたナフチル基であることが更に好ましい。イオン性親水性基としては、−SOM又は−COMが好ましく、−SOMがより好ましく、−SOLiが特に好ましい。Mは一般式(BkI−1)中のMと同義であり好ましいものも同一である。
また、ナフチル基に置換するイオン性親水性基の数は1〜3が好ましく、2又は3がより好ましく、3が特に好ましい。
Aは、具体的には下記の置換基(A1)〜(A5)より選択される基であることが好ましく、置換基(A1)〜(A4)より選択される基であることがより好ましい。
また、Aが、置換フェニル基である場合、一般式(BkI−1)中のR1〜R9はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アニリノ基及び複素環アミノ基を含むアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキル若しくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基であり、各基は更に置換されていてもよい基であることが好ましい。
下記具体例中Mは一般式(BkI−1)中のMと同義であり好ましいものも同一である。*は一般式(BkI−1)との結合位置を表す。
Figure 2012072373
前記一般式(BkI−1)の化合物は、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が590nm以上620nm以下であることが好ましい。
前記一般式(BkI−1)の化合物の好ましい具体例としては、下記の例示化合物I−1〜I−12が挙げられる。なお、本発明は、前記一般式(BkI−1)の構造に包含されるものであれば、下記の例示化合物に限られるものではない。本発明においては、下記の例示化合物の中でも、特に、例示化合物I−3、I−5、I−6、I−8、I−9、I−10、I−11、及びI−12を用いることが好ましく、更に例示化合物I−3、I−5、及びI−10を用いることがより好ましい。下記具体例中Mは一般式(BkI−1)中のMと同義であり好ましいものも同一である。
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
〔第2の色材:一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1)で表される化合物〕
本発明のインクは、第1の色材とは異なる化合物であって、下記一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1)で表される化合物を、第2の色材として含有することが必要である。
〔一般式(BkII−1)で表される化合物〕
一般式(BkII−1)で表されるアゾ化合物(以下「一般式(BkII−1)で表される化合物」と称する場合がある)について説明する。
Figure 2012072373
(一般式(BkII−1)中、Gは窒素原子又は−C(R12)=を表す。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。X11、X12、X13、X14、X15、X16及びX17はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkII−1)において、Y12、Y13、及びY14はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアルキルスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが特に好ましい。
12、Y13、及びY14が表すカルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては、それぞれ独立に、イオン性親水性基(例えば、−CO11、−SO11:M11は一価のカウンターカチオン)であることがより好ましい。
12、Y13、及びY14は、互いに結合して環を形成しても良く、Y12、Y13、及びY14は互いに結合して形成する環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、ベンゼン環であることがこのましい。
12、Y13、及びY14は更に置換基を有していてもよく、置換基を表す場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができ、好ましくは水酸基、又はイオン性親水性基を有していてもよいアリール基、ヘテロ環基を挙げることができる。
一般式(BkII−1)においてイオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
一般式(BkII−1)において、X11、X12、X13、X14、X15、X16、及びX17はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X11、X12、X13、X14、X15、X16、及びX17が置換基を表す場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができる。
11、X12、X13、X14、X15、X16、及びX17はそれぞれ独立に水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。
一般式(BkII−1)において、X11、X13、X15及びX17はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基群Jのいずれかであることが好ましく、更に、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表すことが好ましい。
一般式(BkII−1)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)Gは窒素原子又は−C(R12)=を表し、−C(R12)=であることが好ましい。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、カルバモイル基(−CONH基)又はシアノ基であることが好ましく、シアノ基であることがより好ましい。
(ロ)Y12、Y13、及びY14はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが特に好ましい。
12、及びY14は水素原子を表し、Y13はイオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが最も好ましい。
(ハ)イオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
(ニ)前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
(ホ)X11、X12、X13、X14、X15、X16、及びX17はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。X11、X13、X15及びX17はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基群Jのいずれかであることが好ましく、更に、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表すことが好ましい。
この構造が好ましい要因としては、一般式(BkII−1)のアゾ化合物の水溶性が向上し、良好な色相と着色力及び高い保存安定性を両立することができるアゾ色素構造を電子的・立体的に付与することができることが挙げられる。
その結果、水溶液としての貯蔵安定性が向上し、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
上記一般式(BkII−1)で表される化合物は、下記一般式(BkII−2)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkII−2)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 2012072373
(一般式(BkII−2)、Gは窒素原子又は−C(R12)=を表す。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。X12、X14、及びX16はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。R13は、1価の置換基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkII−2)中のG、R12、及びMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkII−1)中のG、R12及びMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(2)において、X12、X14、及びX16はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X12、X14、及びX16が置換基を表す場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができる。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。
12、X14、及びX16はそれぞれ独立に水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。
更に、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。ハメットの置換基定数σp値の上限としては1.0以下の電子求引性基である。
12、X14、及びX16の少なくとも一つが、σp値がこの範囲の電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。
σp値が0.3以上の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.3以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ニトロ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基であり、より好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、ニトロ基である。
色相、着色力、水溶液の貯蔵安定性の観点から、上記の中でも、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはイオン性親水性基であることが好ましく、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であることが好ましく、X14がハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であって、X12、及びX16がイオン性親水性基であることがより好ましい。イオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11(M11=Li、K、Ca、Mg、Ba)が好ましく、−CO11がより好ましく、−COLiが特に好ましい。
一般式(BkII−2)中のR13が表す1価の置換基としては、置換基群A’を挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、アリール基であることがより好ましい。
上記一般式(BkII−2)で表される化合物は、下記一般式(BkII−3)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkII−3)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 2012072373
(一般式(BkII−3)中、R13は1価の置換基を表す。X12、X14、及びX16はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(3)中のM、R12、R13、X12、X14、及びX16の例は、それぞれ独立に上記一般式(BkII−2)中のM、R12、R13、X12、X14、及びX16の例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkII−2)及び(BkII−3)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ニ)を含むものである。
(イ)R13が表す1価の置換基としては、置換基群A’を挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、アリール基であることがより好ましい。
(ロ)イオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
(ハ)前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
(ニ)X12、X14、及びX16の少なくとも一つはイオン性親水性基であることが好ましく、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であることが好ましく、X14がハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であって、X12、及びX16がイオン性親水性基であることがより好ましい。
この構造が好ましい要因としては、一般式(BkII−2)及び(BkII−3)のアゾ化合物の水溶性と水溶液中のアゾ色素の会合性が著しく向上し、特に水溶液中の高い貯蔵安定性向上することが挙げられる。
その結果、長期保存安定性が可能となり、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
上記一般式(BkII−1)又は(BkII−2)で表される化合物は、下記一般式(BkII−4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2012072373
(一般式(BkII−4)中、R13は1価の置換基を表す。X12、X14及びX16はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkII−4)中のR13、X12、X14、X16及びMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkII−3)中のR13、X12、X14、X16及びMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物は、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が550nm以上700nm以下であることが好ましく、更に580nm〜650nmであることが特に好ましい。
また、本発明では、一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物は少なくとも3つ以上のイオン性親水性基を有することが好ましい。より好ましくはイオン性親水性基を3〜6個有し、更に好ましくはイオン性親水性基を4〜5個有する。これにより本発明のアゾ化合物の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できる点という効果を奏する。
また、本発明では、一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
以下に前記一般式(BkII−1)〜(BkII−4)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 2012072373
前記一般式(BkII−1)で表されるアゾ化合物は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号に記載がある。
〔一般式(BkIII−1)で表される化合物〕
一般式(BkIII−1)で表される化合物について説明する。
一般式(BkIII−1)で表されるアゾ化合物(以下「一般式(BkIII−1)で表される化合物」と称する場合がある)について説明する。
Figure 2012072373
(一般式(BkIII−1)中、Aはアリール基、又は含窒素5員ヘテロ環基を表す。Gは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。Y22、Y23及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。Y22、Y23及びY24は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkIII−1)におけるGは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、カルバモイル基が置換基を有する場合の置換基としてはアルキル基(メチル基、エチル基)、アリール基(フェニル基)を挙げることができる。
22、Y23、及びY24はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y22、Y23、及びY24が置換基を表す場合の置換基としては、それぞれ独立に前記置換基群Jを挙げることができる。
一般式(BkIII−1)において、Y22、Y23、及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアルキルスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが特に好ましい。
22、Y23、及びY24が表すカルバモイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基が置換基を有する場合の置換基としては、それぞれ独立に、イオン性親水性基(例えば、−CO11、−SO11:M11は一価のカウンターカチオン)であることがより好ましい。
22、Y23、及びY24は、互いに結合して環を形成しても良く、Y22、Y23、及びY24は互いに結合して形成する環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環が挙げられ、ベンゼン環であることがこのましい。
22、Y23、及びY24は更に置換基を有していてもよく、更なる置換基としては、水酸基、又はイオン性親水性基を有していてもよいアリール基、ヘテロ環基を挙げることができる。
はアリール基、単環又は縮環のヘテロ環基を表す。アリール基としては、置換若しくは無置換のアリール基が含まれる。更に詳しくは、置換基群Jを有するアリール基が挙げられる。
が表すアリール基は、炭素数6〜30の置換若しくは無置換のアリール基が好ましく、置換若しくは無置換のフェニル基がより好ましい。置換基の例としては、前述の置換基の項で述べた基が挙げられ、前記イオン性親水性基又は前記ハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基が好ましい。
が表すヘテロ環基は、置換若しくは無置換のへテロ環基が含まれる。Aが表すへテロ環基としては、5若しくは6員の、置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数3〜30の5若しくは6員の芳香族へテロ環基がより好ましい。置換基の例としては、前述の置換基Jの項で述べた基が挙げられる。前記へテロ環基の例としては、5員含窒素ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環が挙げられる。
6員含窒素ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環が挙げられる。
は置換基を有するアリール基であることが好ましく、イオン性親水性基又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を有するアリール基であることがより好ましく、イオン性親水性基又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を有するフェニル基であることが更に好ましい。
一般式(BkIII−1)におけるイオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
一般式(BkIII−1)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)Gは窒素原子又は−C(R22)=を表し、−C(R22)=であることが好ましい。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、カルバモイル基(−CONH基)又はシアノ基であることが好ましく、シアノ基であることがより好ましい。
(ロ)Aは置換基を有するアリール基であることが好ましく、イオン性親水性基又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を有するアリール基であることがより好ましく、イオン性親水性基を2個有するフェニル基であることが更に好ましい。
(ハ)Y22、Y23、及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基、アシルアミノ基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが特に好ましい。
22、及びY24は水素原子を表し、Y23はイオン性親水性基を置換基として有するアリールスルホニルアミノ基、イオン性親水性基を置換基として有するアシルアミノ基であることが最も好ましい。
(ニ)イオン性親水性基としては、−SO11又は−CO11が好ましく、−SO11がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
(ホ)前記M及びM11はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
この構造が好ましい要因としては、一般式(BkIII−1)のアゾ化合物の水溶性が向上し、良好な色相と着色力及び高い保存安定性を両立することができるアゾ色素構造を電子的・立体的に付与することができることが挙げられる。
その結果、水溶液としての貯蔵安定性が向上し、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
上記一般式(BkIII−1)で表される化合物は、下記一般式(BkIII−2)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkIII−2)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 2012072373
(一般式(BkIII−2)中、Gは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。R23は、1価の置換基を表す。Aはアリール基、又は5員含窒素ヘテロ環基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkIII−2)中のG、R22及びMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkIII−1)中のG、R22、及びMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkIII−2)中のR23が表す1価の置換基としては、置換基群A’を挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、アリール基であることがより好ましい。
上記一般式(BkIII−2)で表される化合物は、下記一般式(BkIII−3)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkIII−3)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 2012072373
(一般式(BkIII−3)中、R23は1価の置換基を表す。X21、X22、X23、X24、及びX25はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkIII−3)中のMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkIII−2)中のMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkIII−3)中のR23が表す1価の置換基としては、置換基群A’を挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、アリール基であることがより好ましい。
一般式(BkIII−3)において、X21、X22、X23、X24、及びX25はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。X21、X22、X23、X24、及びX25が置換基を表す場合の置換基としては、前記の置換基Jを挙げることができる。
21、X22、X23、X24、及びX25はそれぞれ独立に水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、置換又は無置換のアルキルスルホニル基、置換又は無置換のアリールスルホニル基、ニトロ基、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基であることが好ましく、水素原子、イオン性親水性基、シアノ基、メタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、ニトロ基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基であることがより好ましく、水素原子、イオン性親水性基、又はシアノ基であることが特に好ましい。
一般式(BkIII−3)において、X22及びX24はそれぞれ独立に、水素原子又はイオン性親水性基であることが好ましい。X21、X23、及びX25はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基群Jのいずれかであることが好ましく、更に、X21、X23及びX25の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表すことが好ましい。ハメットの置換基定数σp値の上限としては1.0以下の電子求引性基である。
21、X23、及びX25の少なくとも一つが、σp値がこの範囲の電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。
σp値が0.3以上の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.3以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ニトロ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基であり、より好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、ニトロ基である。
色相、着色力、水溶性の貯蔵安定性の観点から、上記の中でも、X22、X23、及びX24の少なくとも一つはイオン性親水性基であることが好ましく、X21及びX25が水素原子又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基であることが好ましく、X21、X23、及びX25が水素原子であって、X22、及びX24がイオン性親水性基であることがより好ましい。イオン性親水性基としては、−SO21又は−CO21(M21=Li、K、Ca、Mg、Ba)が好ましく、−CO21がより好ましく、−COLiが特に好ましい。
一般式(BkIII−3)で表される化合物として特に好ましい組み合わせは、以下の(イ)〜(ホ)を含むものである。
(イ)Aは置換基を有するアリール基であることが好ましく、イオン性親水性基又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を有するアリール基であることがより好ましく、イオン性親水性基を2個有するフェニル基であることが更に好ましい。
(ロ)Gは窒素原子又は−C(R22)=を表し、−C(R22)=であることが好ましい。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、カルバモイル基(−CONH基)又はシアノ基であることが好ましく、シアノ基であることがより好ましい。
(ハ)R23が表す1価の置換基としては、置換基群A’を挙げることができ、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、ヘテロ環基であることが好ましく、イオン性親水性基で置換されたアルキル基、アリール基であることがより好ましい。
(ニ)イオン性親水性基としては、−SO21又は−CO21が好ましく、−SO21がより好ましく、−SOLiが特に好ましい。
(ホ)前記M及びM21はそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、一価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウムイオン)が挙げられ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩がもっとも好ましい。
この構造が好ましい要因としては、一般式(BkIII−3)のアゾ化合物の水溶性と水溶液中のアゾ色素の会合性が著しく向上し、特に水溶液中の高い貯蔵安定性向上することが挙げられる。
その結果、長期保存安定性が可能となり、インクの要求性能である、光堅牢性、熱安定性、湿熱安定性、耐水性、耐ガス性及び又は耐溶剤性が大幅に向上するため、最も好ましい例となる。
上記一般式(BkIII−1)又は(BkIII−2)で表される化合物は、下記一般式(BkIII−4)で表される化合物であることが好ましい。
以下、一般式(BkIII−4)により表される化合物、又はその塩について詳細に説明する。
Figure 2012072373
(一般式(BkIII−4)中、R23は1価の置換基を表す。X21、X22、X23、X24、及びX25はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
一般式(BkIII−4)中のR23、及びMの例は、それぞれ独立に上記一般式(BkIII−3)中のR23、及びMの例と同義であり、好ましい例も同じである。
一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物は、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が550nm以上700nm以下であることが好ましく、更に580nm〜650nmであることが特に好ましい。
また、本発明では、一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物は少なくとも3つ以上のイオン性親水性基を有することが好ましい。より好ましくはイオン性親水性基を3〜6個有し、更に好ましくはイオン性親水性基を4〜5個有する。これにより本発明のアゾ化合物の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できる点という効果を奏する。
また、本発明では、一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
以下に前記一般式(BkIII−1)〜(BkIII−4)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる化合物は、下記の例に限定されるものではない。
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
前記一般式(BkIII−1)で表されるアゾ化合物は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号公報や特開2005−139427号公報に記載がある。
〔第3色材:一般式(Y−1)〕
以下、一般式(Y−1)で表される染料について説明する。
Figure 2012072373
(一般式(Y−1)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Rはそれぞれ独立に−OR又は−NHRを表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立に2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。)
一般式(Y−1)について説明する。
一般式(Y−1)において、Xは2価の連結基を表す。Xで表される2価の連結基としては、アルキレン基(例、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン)、アルケニレン基(例、エテニレン、プロぺニレン)、アルキニレン基(例、エチニレン、プロピニレン)、アリーレン基(例、フェニレン、ナフチレン)、2価のヘテロ環基(例、1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基)、−O−、−CO−、−NR−(Rは水素原子、アルキル基又はアリール基)、−S−、−SO−、−SO−又はこれらの組み合わせが挙げられる。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、又はRで表されるアルキル基若しくはアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前述の置換基Aの項で述べた基が挙げられるが、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、アミノ基、スルホ基(塩の形でもよい)及びカルボキシル基(塩の形でもよい)が好ましい。
としては、好ましくは、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−又はこれらの組み合わせである。
で表される2価の連結基の総炭素数は0〜50であることが好ましく、0〜30であることがより好ましく、0〜10であることが最も好ましい。
は0又は1であり、1が好ましい。
Arは2価のヘテロ環基を表す。へテロ環としては、5員又は6員環のものが好ましく、それらは更に縮環していてもよい。また、芳香族ヘテロ環であっても非芳香族ヘテロ環であってもよい。具体的には、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどが挙げられる。
なかでも、芳香族ヘテロ環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールが好ましく、チアジアゾールが最も好ましい。
Arが表す2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよく、置換基の例としては、置換基群Jの各基が挙げられる。
Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。
Arが表すアルキル基及びアリール基は、置換基群Jのアルキル基及びアリール基と同義であり、好ましいものも同じである。
Arとしては、アリール基又は1価のトリアジン環基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニルが更に好ましい。
Arはアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基は、更に置換基を有していてもよく、置換基の例としては、前述の置換基群Jの各基が挙げられ、なかでもスルホ基又はカルボキシル基好ましい。
一般式(Y−1)において、複数のR、複数のR、複数のAr及び複数のArは、それぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
本発明の一般式(Y−1)で表される化合物はイエロー染料として用いられる。このため、溶解性を上げる点から、R、R又はRとしてイオン性親水性基を有する、あるいはR、R、R、Ar又はArが有する置換基としてイオン性親水性基を有することが好ましい。
ここで、イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基等が含まれる。イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、及びスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。アルカリ金属塩の中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リチウムイオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオンが最も好ましい。
一般式(Y−1)においては、特にArがイオン性親水性基を有していることが好ましい。
以下に、一般式(Y−1)で表される色材の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるわけではない。具体例中、Etはエチルを、Phはフェニルを意味する。
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
本発明の一般式(Y−1)で表される化合物は特開2004-83903号公報に記載の方法により合成できる。
一般式(Y−1)で表される化合物は、色再現性の観点から、水溶液中で380〜490nmの最大吸収波長(λmax)を有することが好ましく、400〜480nmのλmaxを有することが更に好ましく、420〜460nmにλmaxを有することが特に好ましい。
〔色材の検証方法〕
本発明で用いる色材がインク中に含まれているか否かの検証には、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法が適用できる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての極大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)、M/Z(nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下に示す通りである。先ず、純水で約1,000倍に希釈した液体(インク)を調製し、測定用サンプルとした。そして、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)、及び、ピークの極大吸収波長を測定した。
・カラム:SunFire C18(日本ウォーターズ製)2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:表1
Figure 2012072373
〔色材の含有量〕
インク中における、第1の色材(一般式(BkI−1)の化合物)の含有量、第2の色材(一般式(BkII−1)で表される化合物又は一般式(BkIII−1))の含有量及び第3の色材(一般式(Y−I)の化合物)の含有量は、色調及び耐光性の観点から以下に述べるように設定することが好ましい。
第2の色材のインク中における含有量(質量)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量)に対して、つまり[第2の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、45質量%以上75質量%以下であることが好ましい。上記の範囲であれば、階調性を有する画像(初期の画像)において、ブラックインクとして好ましい色調が得られる。
第3の色材のインク中における含有量(質量%)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して、つまり[第3の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、20質量%以上45質量%以下であることが好ましい。階調性を有する画像においても、耐光性試験後の当該画像においても、ブラックインクとしての色調が、より好ましく、ブロンズ現象をより抑制するものとなる。
第1の色材のインク中における含有量(質量%)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量%)に対して、つまり[第1の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、20%以下であることが好ましい。上記の範囲であると、階調性を有する画像(初期の画像及び耐光性試験後)において、ブラックインクとして好ましい色調が得られる。更には、[第1の色材/インク中の全ての色材]×100の値が、10%以下であることが好ましい。
本発明においては、各色材の含有量に関して、以下の2つの条件を満たすインクとすることが特に好ましい。第2の色材のインク中における含有量(質量)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量)に対して60質量%以上であり、かつ、第3の色材の含有量(質量)が、第1の色材の含有量(質量)に対して、質量で、1倍以上であることが好ましく、1.5倍〜2.5倍であることがより好ましい。
本発明では、インク中の第1の色材、第2の色材、及び第3の色材の含有量の合計(質量%)が、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましい。更には、これらの含有量の合計(質量%)が、0.5質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。上記の範囲であると、発色性が十分に得られ、また、耐固着性などのインクジェット特性が十分に得られる。
なお、本発明におけるブラックインクとして好ましい色調、すなわち、ニュートラルであり好ましい画像を与える色調とは、具体的には、以下のことを意味する。ブラックインクを用いて記録デューティを100%から記録デューティを落として形成した階調性を有する画像について、CIE(国際照明委員会)により規定されたL***表示系におけるa*及びb*を測定する。そして、少なくとも記録デューティが100%である部分におけるa*及びb*の値が、−5≦a*≦5かつ−5≦b*≦5であるインクを、本発明においてはブラックインクとして好ましい色調を有するインクであるとしている。更には、以下の規定を満たすインクを、本発明においてはブラックインクとしてより好ましい色調を有するインクであるとしている。すなわち、記録デューティが100%である部分におけるa*及びb*の値が−5≦a*≦5かつ−5≦b*≦5、更に、記録デューティを落として形成した各階調においてはa*及びb*の値が−10≦a*≦10かつ−10≦b*≦10であることが好ましい。なお、前記a*及びb*の値は、例えば、分光光度計(商品名:Spectrolino;Gretag Macbeth製)を用いて測定することができる。勿論、本発明はこれに限られるものではない。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、更には10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より少ないと、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に吐出安定性などの信頼性が得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より多いと、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類。アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトン又はケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、チオジグリコールなどのグリコール類。1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチルー1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオ−ルなどのアルキレン基が2〜6個の炭素原子を持つアルキレングリコール類。ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホン。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの低級アルキルエーテルアセテート類。エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテルなどの多価アルコールのアルキルエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど。勿論、本発明はこれらに限られるものではない。これらの水溶性有機溶剤は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。更に、本発明のインクは必要に応じて、サーフィノール等の界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性ポリマーなど、種々の添加剤を含有してもよい。
(その他のインク)
また、フルカラーの画像などを形成するために、本発明のインクを、本発明のインクとは別の色調を有するインクと組み合わせて用いることができる。本発明のインクは、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク及びブルーインクなどから選択される少なくともいずれか1種のインクと共に用いることが好ましい。また、これらのインクと実質的に同一の色調を有する、所謂淡インクを更に組み合わせて用いることもできる。これらのインク又は淡インクの色材は、公知の染料であっても、新規に合成された色材であっても用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の記載で、「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
実施例及び比較例で使用した化合物の構造を以下に示す。
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
Figure 2012072373
なお、第1の色材の具体例である染料6〜8は特開2009−30023号公報に記載の方法に従って合成した。なお、染料6におけるMはLiである。
第3の色材の具体例であるY1〜Y3は特開2004−83903号公報に記載の方法に従って合成した。
〔第2の色材の具体例であるB1〜B4の合成〕
〔合成例1〕
B1(BLACK−11)の合成スキームを下記に示す。
Figure 2012072373

(1)中間体(B−12)の合成:
p−アミノアセトフェノン(A−12;東京化成品) 20.3gをアセトニトリル 150mLに添加し、室温で攪拌することで完溶させた。続いて、ピリジン 13.4mLを添加し、氷浴下で内温を4℃に保った。無水酢酸 11.8gを滴下し、内温4℃で15分攪拌した。反応液に水 300mL、続いて12N塩酸を5mL添加し、結晶を濾別した。結晶を水 100mLで洗浄後、80℃で乾燥し中間体(B−12)の白色結晶を18.6g得た。
(2)中間体(C−12)の合成:
ディーンスタークトラップを装着した100mL三つ口フラスコに、中間体(B−12)17.7g、マロノニトリル 7.3g、酢酸 4.6mL、酢酸アンモニウム 1.5gとトルエン 20mLを投入し、125℃のオイルバスで還流させた。1時間攪拌後、酢酸 4.6mLと酢酸アンモニウム 1.5gを追添し、還流条件で2時間攪拌した。放冷後、メタノール 30mL添加し、氷浴で30分攪拌した。結晶を濾別後、冷メタノール20mLで洗浄し乾燥させた。中間体(C−12)の白色結晶を12.1g得た。
(3)中間体(D−12)の合成
中間体(C−12) 11.3gとエタノール 20mLの溶液に硫黄 1.5gを添加し、続いてトリエチルアミン6.6mLを滴下した。内温50℃で30分攪拌後、酢酸エチル500mLと水300mLを加え、振盪後、分液を実施した。有機層に食塩水200mLを加え振盪後分液し、有機層に硫酸マグネシウムを添加し乾燥させた。有機溶媒を留去後、イソプロパノールを50mL添加し、懸濁攪拌後に結晶を濾別した。80℃で乾燥後、中間体(D−12)の白色結晶 8.1gを得た。
(4)中間体(F−12)の合成
中間体(E−11) 6.0gを水 60mLに加え室温で撹拌し、12N塩酸 5.6mLを滴下後、内温4℃まで冷却した。内温5℃以下で亜硝酸ナトリウム 1.3gの水溶液 4mLを滴下した。内温5℃以下で2時間攪拌した後に、尿素 0.1gを加え、15分撹拌しジアゾニウム溶液を得た。
別途、中間体(D−12) 3.4gと酢酸リチウム 12.0gをメタノール 90mLとジメチルアセトアミド 10mLに室温で溶解し、内温4℃まで冷却後、先のジアゾニウム溶液を内温5℃以下で15分滴下した。内温4℃以下で1.5時間撹拌した後、塩化リチウム 20.0g添加し、アセトニトリル 75mLを滴下した。結晶を濾別後、アセトニトリルで洗浄した。単離結晶をイソプロピルアルコール 75mLを用いて内温50℃で懸濁洗浄した。結晶を濾別後イソプロピルアルコールで洗浄した。80℃で乾燥後、中間体(F−12)の茶色結晶を6.4g得た。
(5)B1の合成
中間体(F−12) 5.0gと(G) 3.7g及び水 50mLの溶液を12N塩酸水でpH2以下に調整し、内温35―40℃で亜硝酸イソアミル 1.2gを滴下した。内温40℃で3時間撹拌後、塩化リチウム 50.0gを加え内温25℃まで冷却した。結晶を濾別後、イソプロピルアルコール 150mLで洗浄した。単離結晶をメタノール 200mLに加え内温40℃まで昇温後、アセトニトリル 800mLを滴下した。滴下後15分撹拌し、内温25℃まで冷却した。結晶を濾別後、水 150mLに加え、室温でイソプロピルアルコール 450mLを滴下した。結晶を濾別後、水 50mLに加え、pH8.3になるまで4M水酸化リチウム水溶液を加えた。この溶液にイソプロピルアルコール 150mLを滴下し析出した結晶を濾別した。イソプロピルアルコール 50mLで洗浄後、80℃で乾燥しB1の黒色結晶4.3gを得た。
〔合成例2〕
B2(BLACK−13)の合成スキームを下記に示す。
Figure 2012072373

(1)中間体(c−6)の合成:
アセトナフトン 12.7gと酢酸 50mLの溶液を内温15℃で攪拌し、臭素 4.2mLを滴下した。室温まで昇温後1時間攪拌した。反応混合物を200gの氷水にあけ結晶を濾別した。水 50mLで洗浄し、中間体(c−6)のウエットケーキ 22.5gを得た。
(2)中間体(d−6)の合成:
中間体(c−6)のウエットケーキ 22.5gを水 110mLに懸濁し、チオ尿素
5.7gを添加した。内温95℃で2時間攪拌後、室温まで冷却した。25%のアンモニア水で反応液を中和後、結晶を濾別し、水 50mLで洗浄した。この結晶をメタノール 10mLとエタノール 10mLに懸濁させ、30分還流下で攪拌した。内温15℃まで冷却後、結晶を濾別し中間体(d−6)の白色結晶 5.4gを得た。
(3)中間体(f−6)の合成
5−アミノイソフタル酸(e−4) 4.2gを水 23mLに懸濁させ、12N塩酸
6.5mLを室温で滴下した。氷浴で内温4℃まで冷却後、内温を0−4℃に保ちながら亜硝酸ナトリウム1.8gの水溶液 5.4mLを滴下し、内温5℃以下で2時間攪拌した。その後、尿素 0.1gを添加し、引き続き内温5℃で15分撹拌しジアゾニウム溶液を得た。
別途、中間体(d−6) 4.5gと酢酸リチウム 10.0gをメタノール 50mL、ジメチルアセトアミド 14mLに溶かし、内温4℃まで冷却後、ジアゾニウム溶液を内温5℃以下で15分かけて滴下した。内温を5℃以下に保ち1.5時間撹拌した後、イソプロピルアルコール 60mLを滴下した。結晶を濾別後イソプロピルアルコール 100mLで洗浄した。この結晶を水 20mLに溶解し、内温50℃でイソプロピルアルコール 60mLを滴下した。結晶を濾別後イソプロピルアルコール 50mLで洗浄した後に、80℃で乾燥して、中間体(f−6)の茶色結晶を7.8g得た。
(4)B2の合成
中間体(f−6) 7.0gと中間体(g) 7.7gをジメチルアセトアミド 32mLに内温40℃で添加し、そこへ亜硝酸イソアミル 3.0gを滴下した。内温40℃で4時間撹拌後、イソプロピルアルコール 32mLを添加し、内温25℃まで冷却した。析出した結晶を濾別し、イソプロピルアルコール 50mLで洗浄した。水 56mLに得られた結晶を内温40℃で加え、イソプロピルアルコール 224mLを20分かけて滴下した後、15分撹拌した。内温25℃まで冷却後、結晶を濾別し、水 19mLに得られた結晶を加え撹拌し、pH8.3になるまで4M水酸化リチウム水溶液を加えた。そこへイソプロピルアルコール 80mLを滴下した。析出した結晶を濾別後、イソプロピルアルコール 30mLで洗浄した。80℃で乾燥し、B2の黒色結晶1.1gを単離した。
〔合成例3〕
B3(BLACK−27)の合成スキームを下記に示す。
Figure 2012072373

(1)中間体(b−1)の合成:
チオ尿素 12.5gの水溶液 120mlに2−ブロモ−4’−ニトロアセトフェノン(a−1;和光純薬品) 40.0gを添加し、70℃で5時間攪拌した。結晶を濾別後、5%水酸化ナトリウム水溶液 400mlを加え、室温で3時間攪拌した後、結晶を濾別した。50℃で乾燥後、中間体(b−1)の黄色結晶を35.5g得た。
(2)中間体(c−1)の合成:
還元鉄 57.0g、塩化アンモニウム 5.0g、水 35ml及びイソプロピルアルコール 250mlを30分還流し、中間体(b−1) 22.0gを添加し、1時間還流攪拌した。濾過した後、濾液を濃縮乾固し、中間体(c−1)の黄色結晶を15.0g得た。
(3)中間体(d−1)の合成:
中間体(c−1) 9.6g、3,5−ジスルホ安息香酸 19.5g、水100ml及びアセトニトリル 90mlの溶液に1−Ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)−carbodiimido hydrochoride(東京化成品) 12.0g を加え、室温で4時間攪拌した。塩化リチウム 30.0gを添加し、析出した結晶を濾別し、中間体(d−1)の黄色結晶 20.0gを得た。
(4)中間体(f−1)の合成:
2−アミノベンゾニトリル(e−1;東京化成品) 1.2g及び水 10mlに濃塩酸 2.6mlを加え、5℃以下で亜硝酸ナトリウム 0.7gを含む水溶液 3mlを添加した。そのまま30分攪拌し、中間体(d−1) 4.7gを水 50ml及びメタノール 25mlで溶解した溶液の中に20℃以下で添加した。そのまま2時間攪拌し、析出した結晶を濾別し、中間体(f−1)の茶色結晶 4.9gを得た。単離収率は73%だった。
(5)B3BLACK−21の合成:
中間体(f−1) 4.9g、中間体(g) 3.7g及び水 30mlの溶液を塩酸でpH2.0以下にして、亜硝酸イソアミル 3.3mlを加え、40℃で2時間攪拌した。反応終了後、水酸化リチウムでpH8.4に調整し、イソプロピルアルコール 200mlを添加し、析出した結晶を濾別し、黒色結晶B3(BLACK−27) 6.7gを得た。
〔合成例4A〕
B4(BLACK−21)の合成スキームを下記に示す。
Figure 2012072373
(1)中間体(b−5)の合成:
p−アミノアセトフェノン(a−2;東京化成品) 20.3gをアセトニトリル 150mLに添加し、室温で攪拌することで完溶させた。続いて、ピリジン 13.4mLを添加し、氷浴下で内温を4℃に保った。無水酢酸 11.8gを滴下し、内温4℃で15分攪拌した。反応液に水 300mL、続いて12N塩酸を5mL添加し、結晶を濾別した。水 100mLで洗浄後80℃で乾燥し中間体(b−5)の白色結晶を18.6g得た。
(2)中間体(c−5)の合成:
ディーンスタークトラップを装着した100mL三つ口フラスコに、中間体(b−5)17.7g、マロノニトリル 7.3g、酢酸 4.6mL、酢酸アンモニウム 1.5gとトルエン 20mLを投入し、125℃のオイルバスで還流させた。1時間攪拌後、酢酸 4.6mLと酢酸アンモニウム 1.5gを追添し、還流条件で2時間攪拌した。放冷後、メタノール 30mL添加し、氷浴で30分攪拌した。結晶を濾別後、冷メタノール20mLで洗浄し乾燥させた。中間体(c−5)の白色結晶を12.1g得た。
(3)中間体(d−5)の合成:
中間体(c−5) 11.3gとエタノール 20mLの溶液に硫黄 1.5gを添加し、続いてトリエチルアミン6.6mLを滴下した。内温50℃で30分攪拌後、酢酸エチル500mLと水300mLを加え、振盪後、分液を実施した。有機層に食塩水200mLを加え振盪後分液し、有機層に硫酸マグネシウムを添加し乾燥させた。有機溶媒を留去後、イソプロパノールを50mL添加し、懸濁攪拌後に結晶を濾別した。80℃で乾燥後、中間体(d−5)の白色結晶 8.1gを得た。
(4)中間体(f−5)の合成:
中間体(e−4) 18.1gを水 100mLに加え室温で撹拌し、12N塩酸水 25.7mLを滴下した。内温5℃以下で亜硝酸ナトリウム 6.9gの水溶液 21 mLを滴下し2時間攪拌した。尿素 0.7gを添加し、更に内温5℃で15分撹拌しジアゾニウム溶液を得た。別途、中間体(d−5) 25.7gと酢酸リチウム30.0gをメタノール 200mLとジメチルアセトアミド 70mLに溶かし、先のジアゾニウム溶液を内温5℃以下で25分かけて滴下した。2時間撹拌後、イソプロピルアルコール
200mLを滴下し、結晶を濾別した。イソプロピルアルコール 100mLで洗浄後、結晶を水 150mLに加え内温50℃で30分撹拌した。イソプロピルアルコール 400mLを滴下した後、結晶を濾別し、イソプロピルアルコールで洗浄した。80℃で乾燥後、中間体(f−5)の茶色結晶 35.0gを得た。
(5)B4の合成:
中間体(f−5) 23.0g、中間体(g) 27.6g及び水 460mLの溶液を12N塩酸でpH2以下に調整した後、内温25℃で亜硝酸イソアミル 17.6gを滴下し、その後、内温25℃で6時間撹拌した。この混合液に塩化リチウム 69.0gを加え結晶を濾別後、イソプロピルアルコール 100mLで洗浄した。単離結晶を水 400mLに加え、内温40℃で攪拌した。そこへイソプロピルアルコール 700mLを30分かけて滴下した。15分撹拌した後に内温25℃まで冷却し、結晶を濾別した。得られた結晶を水 100mLに加え内温40℃で攪拌し、イソプロピルアルコール 300mLを滴下した。内温25℃まで冷却後結晶を濾別した。単離結晶を、水 80mLとメタノール80 mLの混合溶媒に内温40℃で溶解させ、イソプロピルアルコール 300mLを滴下した。析出した結晶を濾別後、水 50mLに加え、pH8.3になるまで4M水酸化リチウム水溶液を加えた。そこへイソプロピルアルコール 200mLを滴下した。析出した結晶を濾別後、イソプロピルアルコール 100mLで洗浄した。80℃で乾燥し、B4の黒色結晶2.0gを得た。
〔合成例4B〕
B4の合成スキームを下記に示す。
Figure 2012072373
(1)中間体(B−5)の合成:
ディーンスタークトラップを装着した三つ口フラスコに、アミノアセトフェノン(a−2) 14.1g、マロノニトリル 8.3g、酢酸アンモニウム 8.4g 、酢酸 9.8gとトルエン 50mLを添加し、内温100℃まで昇温した。2時間攪拌後、内温を25℃まで冷却し、析出した結晶を濾別した。結晶をイソプロパノール 100mLで2回洗浄後、80℃で乾燥し黄色結晶の中間体B−5 18.4gを得た。
(2)中間体(C−5)の合成:
中間体(B−5) 13.3g、硫黄 4.6gをジメチルアセトアミド 270mL、アセトニトリル 130mL、水 130mLに懸濁し、室温で攪拌した。炭酸水素ナトリウム 12.3gを添加し40℃まで昇温した。1時間攪拌後、室温まで放冷し除塵濾過し、中間体(C−5)の3.1wt%茶色溶液 509.8gを得た。
(3)中間体(d−5)の合成:
中間体(C−5)の3.1wt%の茶色溶液 192.7gを室温下で攪拌し、無水酢酸 2.8gを添加した。30分攪拌後、更に無水酢酸 0.2gを追添した。70分攪拌後、酢酸リチウム 5.5gを添加して、中間体(d−5)の5.1wt%茶色溶液 199.6gを得た。
(4)中間体(f−5)の合成:
5−アミノイソフタル酸(e−4) 7.4gを水 75mLに懸濁させ、12N塩酸
10.0mLを室温で滴下した。氷浴で内温4℃まで冷却後、内温5℃以下で亜硝酸ナトリウム 2.8gの水溶液 5.7mLを滴下し、2時間攪拌した。その後、アミド硫酸 0.5gを添加し、引き続き内温5℃で15分撹拌しジアゾニウム溶液を得た。別途、中間体(d−5) 199.6gを内温4℃まで冷却後、先のジアゾニウム溶液を内温6℃以下で25分かけて滴下した。内温を5℃以下で2時間撹拌した後、内温40℃まで昇温した。1.5時間攪拌後、結晶を濾別しイソプロピルアルコール 50mLで2回洗浄した。80℃で乾燥して、中間体(f−5)の茶色結晶を14.1g得た。
(5)B4の合成:
中間体(f−5) 14.0g、中間体(g) 16.8g及び水 280mLの溶液を12N塩酸でpH2以下に調整した後、内温25℃で亜硝酸イソアミル 10.7gを滴下した。内温25℃で6時間攪拌後、pH8.3となるまで4M水酸化リチウム水溶液を滴下した。続いてイソプロピルアルコール 840mLを滴下し、結晶を濾別後、イソプロパノール 200mLで2回洗浄した。単離結晶を水 500mLに加え、内温40℃で攪拌した。そこへイソプロピルアルコール 1000mLを30分かけて滴下した。15分撹拌した後に内温25℃まで冷却し、結晶を濾別した。得られた結晶を水 400mLに加え内温40℃で攪拌し、イソプロピルアルコール 800mLを滴下した。内温25℃まで冷却後結晶を濾別後、イソプロピルアルコール 200mLで2回洗浄した。80℃で乾燥し、B4の黒色結晶17.6gを得た。
<インクの調製>
上記で得られた各色材を用いて、下記のようにしてインクをそれぞれ調製した。先ず、下記表2及び3に示した各成分に水を加えて1000mlにしたものをそれぞれ混合して、十分撹拌した。その後、ポアサイズ0.2μmのフィルターにて加圧ろ過を行い、実施例1〜9及び比較例1〜9のブラックインクを調製した。なお、表2及び3中の数値の単位はgである。
<評価>
〔堅牢性評価〕
各インクをセイコーエプソン社製PX−V630のイエローインク液のカートリッジに装填し、受像シートは富士フイルム社製、インクジェットペーパーフォト光沢紙「画彩」にプリントした。
<光堅牢性>
光堅牢性は印画直後の画像濃度CiをX−rite310(X−Rite社製)にて測定した後、アトラス社製ウェザーメーターを用い画像にキセノン光(10万ルックス)を10日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、画像残存率Cf/Ci×100を求め評価を行った。
画像残像率について画像濃度が1、1.5、2の3点にて下記の基準に従い評価した。
◎いずれの濃度でも画像残存率が80%以上
○2つの濃度で画像残存率が80%未満
×全ての濃度で80%未満
画像残存率の値が大きいほど耐光性に優れる。
<オゾン堅牢性>
オゾンガス5ppm(25℃:50%)に設定されたボックス内に10日間放置し、オゾンガス下放置後の画像濃度をX−Rite310を用いて測定した。
画像残像率について画像濃度が1、1.5、2の3点にて下記の基準に従い評価した。
Ci濃度が1、1.5、2の画像について残存率Ci/Cfを求めた。
◎いずれの濃度でも80%以上
○2つの濃度で80%未満。
×全ての濃度で80%未満。
画像残存率の値が大きいほど耐オゾン性に優れる。
<ブロンズ現象>
前記画像を形成したフォト光沢紙を、24時間乾燥させた後で、目視にて観察してブロンズ現象発生の有無を評価した。ブロンズ現象が全く確認できなかったものを◎、ブロンズ現象が僅かに確認できたものを○、ブロンズ現象発生が確認されたものを×とした。なお、ブロンズ現象が発生すると印字濃度はブロンズ現象がない場合よりも低くなることによっても確認できる。
Figure 2012072373

Figure 2012072373
各インク組成物に用いた化合物の詳細を以下に示す。
サーフィノール:エアープロダクスジャパン製、界面活性剤
プロキセルXL2:Arch社製、防腐剤

Claims (7)

  1. 少なくとも、第1の色材、第2の色材、及び第3の色材を含有してなるインクであって、
    前記第1の色材が、下記一般式(BkI−1)で表される化合物であり、
    前記第2の色材が、第1の色材とは異なる化合物であり、下記一般式(BkII−1)で表される化合物又は下記一般式(BkIII−1)で表される化合物であり、
    前記第3の色材が、下記一般式(Y−I)で表される化合物であることを特徴とするインク。
    Figure 2012072373

    (一般式(BkI−1)中、Aは置換されていてもよいアリール基又はヘテロ環基であり、Bは下記一般式(1)〜(5)で表されるいずれかの基であり、Mはそれぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムである。)
    Figure 2012072373
    (一般式(1)〜(5)中、R1〜R9はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アニリノ基及び複素環アミノ基を含むアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル若しくはアリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル若しくはアリールチオ基、複素環チオ基、アルキル若しくはアリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキル若しくはアリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基であり、各基は更に置換されていてもよい。)
    Figure 2012072373
    (一般式(BkII−1)中、Gは窒素原子又は−C(R12)=を表す。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。X11、X12、X13、X14、X15、X16及びX17はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。Y12、Y13、及びY14は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
    Figure 2012072373
    (一般式(BkIII−1)中、Aはアリール基、又は含窒素5員ヘテロ環基を表す。Gは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。Y22、Y23及びY24はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の置換基を表す。Y22、Y23及びY24は、互いに結合して環を形成しても良い。Mはそれぞれ独立に、水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
    Figure 2012072373
    (一般式(Y−1)中、Rはそれぞれ独立に1価の基を表し、Rはそれぞれ独立に−OR又は−NHRを表し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は1価の基を表し、Xは2価の連結基を表し、nは0又は1であり、Arはそれぞれ独立に2価のヘテロ環基を表し、Arはそれぞれ独立にアルキル基、アリール基又は1価のトリアジン環基を表す。)
  2. 前記一般式(BkI−1)で表される化合物におけるAが、置換されていてもよいナフチル基であり、Bが、前記一般式(2)で表される基である請求項1に記載のインク。
  3. 前記一般式(BkII−1)で表される化合物が、下記一般式(BkII−2)で表される化合物である請求項1又は2に記載のインク。
    Figure 2012072373
    (一般式(BkII−2)、Gは窒素原子又は−C(R12)=を表す。R12は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。X12、X14、及びX16はそれぞれ独立に水素原子、又は1価の置換基を表す。但し、X12、X14、及びX16の少なくとも一つはハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基を表す。R13は、1価の置換基を表す。Mはそれぞれ独立に水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
  4. 前記一般式(BkIII−1)で表される化合物が、一般式(BkIII−2)で表される化合物ある請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク。
    Figure 2012072373
    (一般式(BkIII−2)中、Gは窒素原子又は−C(R22)=を表す。R22は、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換又は無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表す。R23は、1価の置換基を表す。Aはアリール基、又は5員含窒素ヘテロ環基を表す。Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表す。)
  5. インク中における前記第2の色材の含有量(質量)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量)に対して、45質量%以上75質量%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク。
  6. インク中における前記第3の色材の含有量(質量)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量)に対して、20質量%以上45質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク。
  7. インク中における前記第2の色材の含有量(質量)が、インク中における全ての色材の含有量の合計(質量)に対して60質量%以上であり、かつ、インク中における前記第3の色材の含有量(質量)が、インク中における前記第1の色材の含有量(質量)に対して、1倍以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク。
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