JP2014034643A - インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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亮佑 長尾
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Abstract

【課題】耐光性及び発色性が高いレベルで両立された画像を記録可能なインクを提供する。
【解決手段】第1の色材及び第2の色材を含有するインクである。第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物の少なくとも一方であり、第2の色材が、C.I.ピグメントイエロー128及びC.I.ピグメントイエロー155の少なくとも一方であり、インク全質量を基準とした、第1の色材の含有量(質量%)が、第2の色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上0.30倍以下である。
Figure 2014034643

【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法は、インク小滴を普通紙などの記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、記録速度の向上により、急速に普及が進んでいる。一方、インクジェット記録方法の問題点として、得られた記録物の画像保存性に劣ることが挙げられる。一般に、インクジェット記録方法で得られた記録物は、銀塩写真と比較してその画像保存性が低い。特に、記録物が、光、湿度、熱、空気中に存在するオゾンガスなどの環境ガスに長時間さらされた際に、記録物の色材が劣化し、画像の色調変化や褪色が発生しやすいといった問題がある。
カラーインデックス(C.I.)番号が付与されている従来公知の色材では、インクジェット用のインクに要求される画像の光学濃度(発色性)と画像保存性とを両立させることは困難である。特に、イエローインクでは、画像の耐光性と発色性の両立が課題となっており、新規の構造を有する色材についての検討が広くなされている。例えば、光学濃度が良好であり、かつ、画像の耐光性に優れたビスアゾ化合物が提案されている(特許文献1及び2)。また、顔料と染料を併用したインクについて提案されている(特許文献3)。
特開2004−083903号公報 国際公開第2006/082669号 特開2007−016224号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、上記の特許文献において提案された技術であっても以下の課題があることが判明した。特許文献1及び2に記載された染料を含有するインクを用いて記録した画像は、耐光性が不十分であった。一方、従来のイエロー顔料を含有するインクを用いて記録した画像は、発色性が不十分であった。また、特許文献3の記載にしたがって、染料と顔料を含有するイエローインクを用いて記録した画像であっても、耐光性、彩度、及び光学濃度の全てを近年要求されるレベルを満たす程度にまで向上させるのは困難であった。
したがって、本発明の目的は、耐光性及び発色性が高いレベルで両立された画像を記録可能なインクを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、第1の色材及び第2の色材を含有するインクであって、前記第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物の少なくとも一方であり、前記第2の色材が、C.I.ピグメントイエロー128及びC.I.ピグメントイエロー155の少なくとも一方であり、インク全質量を基準とした、前記第1の色材の含有量(質量%)が、前記第2の色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上0.30倍以下であることを特徴とするインクが提供される。
Figure 2014034643
(前記一般式(I)中、R1は1価の基を表し、R2は−OR3又は−NHR4を表し(R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す)、R5はアルキル基、アリール基、又は1価のトリアジン環基を表し、R6はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R7は2価の連結基を表し、mは0又は1を表す)
Figure 2014034643
(前記一般式(II)中、R10及びR11はそれぞれ独立に1価の基を表し、R12はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
本発明によれば、耐光性及び発色性が高いレベルで両立された画像を記録可能なインクを提供することができる。また、本発明によれば、このインクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。
前述のように、イエローインクでは、記録される画像の耐光性と発色性とを両立させることが課題となっている。そこで、本発明者らはイエローインクに用いる色材について種々検討を行った。その結果、染料である一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物が、他の染料と比較して、耐光性及び発色性に特に優れていることに着目した。また、発色性については前記2種類の染料に劣るものの、C.I.ピグメントイエロー128及びC.I.ピグメントイエロー155が、他の顔料と比較して、耐光性に優れていることに着目した。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく検討を行った結果、以下に示す(i)〜(iii)の要件を満たすことで、上記課題を解決しうることを見出した。
(i)一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物を少なくとも一方を第1の色材とする。
(ii)C.I.ピグメントイエロー128及びC.I.ピグメントイエロー155の少なくとも一方を第2の色材とする。
(iii)第1の色材と第2の色材の質量比率を特定の範囲にする。
本発明のインクの重要な特徴の一つは、第1の色材と第2の色材のインク中での質量比率を特定の範囲に設定した点にある。第1の色材と第2の色材の質量比率を特定の範囲にすることで、第2の色材の高い耐光性と、第1の色材の優れた発色性を両立させることが可能となる。また、C.I.ピグメントイエロー128及びC.I.ピグメントイエロー155の少なくとも一方を第2の色材として選択することで、記録媒体の表面に定着した耐光性に優れた第2の色材が、記録媒体に定着した第1の色材を光から保護する。このため、第1の色材が有する高い発色性が発揮されるとともに、耐光性をも高めることができる。したがって、本発明のインクを用いれば、インクジェット記録方法のフルカラー画像に要求される高い耐光性を有し、さらに発色性に優れた画像を記録することができる。
<インク>
以下、本発明のインクを構成する成分やインクの物性について説明する。本発明のインクには、第1の色材及び第2の色材を含有させる。第1の色材は、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物の少なくとも一方である。また、第2の色材は、C.I.ピグメントイエロー128及びC.I.ピグメントイエロー155の少なくとも1種のイエロー顔料である。本発明の効果を損なわない限り、第1の色材及び第2の色材以外の色材をさらに含有させてもよい。
本発明においては、インク全質量を基準とした、第1の色材の含有量(質量%)が、第2の色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上0.30倍以下であることを要する。上記の質量比率が0.10倍未満であると、画像の発色性が不十分となる。一方、上記の質量比率が0.30倍を超えると、画像の耐光性が不十分となる。
(第1の色材)
本発明のインクに含有される第1の色材は、一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)で表される化合物の少なくとも一方である。インク中の第1の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上0.9質量%以下であることが好ましい。第1の色材の含有量が0.1質量%未満であると、十分な発色性を有する画像が得られない場合がある。一方、第1の色材の含有量が0.9質量%を超えると、画像の発色性は十分であるものの、耐光性が十分に得られない場合がある。
〔一般式(I)で表される化合物〕
Figure 2014034643
一般式(I)中のR1は、1価の基を表す。1価の基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基(塩型でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホン酸基(塩型でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。
アルキル基には、置換又は無置換のアルキル基が含まれる。置換又は無置換のアルキル基としては、炭素数1乃至30のアルキル基が好ましい。置換基としては、前述の1価の基の具体例として挙げたものと同様のものを挙げることができる。それらの中でも、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホン酸基(塩型でもよい)、カルボキシ基(塩型でもよい)が好ましい。アルキル基としては、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル、4−スルホブチル、4−カルボキシブチルなどを挙げることができる。
シクロアルキル基には、置換又は無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換又は無置換のシクロアルキル基としては、炭素数5乃至30のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルなどを挙げることができる。
アラルキル基には、置換又は無置換のアラルキル基が含まれる。置換又は無置換のアラルキル基としては、炭素数7乃至30のアラルキル基が好ましい。アラルキル基としては、ベンジル、2−フェネチルなどを挙げることができる。
アルケニル基には、直鎖、分岐、又は環状の、置換又は無置換のアルケニル基が含まれる。置換又は無置換のアルケニル基としては、炭素数2乃至30のアルケニル基が好ましい。アルケニル基としては、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどを挙げることができる。
アルキニル基には、置換又は無置換のアルキニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキニル基としては、炭素数2乃至30のアルキニル基が好ましい。アルキニル基としては、エチニル、プロパルギルなどを挙げることができる。
アリール基には、置換又は無置換のアリール基が含まれる。置換又は無置換のアリール基としては、炭素数6乃至30のアリール基が好ましい。アリール基としては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどを挙げることができる。
ヘテロ環基には、置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環基としては、炭素数3乃至30の、5員又は6員の芳香族ヘテロ環基が好ましい。このような芳香族ヘテロ環基としては、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリルなどを挙げることができる。
アルコキシ基には、置換又は無置換のアルコキシ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシ基としては、炭素数1乃至30のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシなどを挙げることができる。
アリールオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシ基としては、炭素数6乃至30のアリールオキシ基が好ましい。アリールオキシ基としては、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどを挙げることができる。
シリルオキシ基としては、炭素数3乃至20のシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基としては、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどを挙げることができる。
ヘテロ環オキシ基には、置換又は無置換のヘテロ環オキシ基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環オキシ基としては、炭素数2乃至30のヘテロ環オキシ基が好ましい。ヘテロ環オキシ基としては、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどを挙げることができる。
アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどを挙げることができる。
カルバモイルオキシ基には、置換又は無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のカルバモイルオキシ基としては、炭素数1乃至30のカルバモイルオキシ基が好ましい。カルバモイルオキシ基としては、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−(n−ヘキサデシルオキシ)フェノキシカルボニルオキシなどを挙げることができる。
アルキルアミノ基には、置換又は無置換のアルキルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアルキルアミノ基が好ましい。アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、ジメチルアミノなどを挙げることができる。
アニリノ基には、置換又は無置換のアニリノ基が含まれる。置換又は無置換のアニリノ基としては、炭素数6乃至30のアニリノ基が好ましい。アニリノ基としては、アニリノ、N−メチルアニリノ、ジフェニルアミノなどを挙げることができる。
アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アミノカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。アミノカルボニルアミノ基としては、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノなどを挙げることができる。
スルファモイルアミノ基には、置換又は無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のスルファモイルアミノ基としては、炭素数0乃至30のスルファモイルアミノ基が好ましい。スルファモイルアミノ基としては、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N,N−オクチルアミノスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アルキルスルホニルアミノ基には、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルホニルアミノ基が好ましい。アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アリールスルホニルアミノ基には、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数6乃至30のアリールスルホニルアミノ基が好ましい。アリールスルホニルアミノ基としては、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アルキルチオ基には、置換又は無置換のアルキルチオ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルチオ基としては、炭素数1乃至30のアルキルチオ基が好ましい。アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどを挙げることができる。
アリールチオ基には、置換又は無置換のアリールチオ基が含まれる。置換又は無置換のアリールチオ基としては、炭素数6乃至30のアリールチオ基が好ましい。アリールチオ基としては、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどを挙げることができる。
ヘテロ環チオ基には、置換又は無置換のヘテロ環チオ基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環チオ基としては、炭素数2乃至30のヘテロ環チオ基が好ましい。ヘテロ環チオ基としては、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどを挙げることができる。
スルファモイル基には、置換又は無置換のスルファモイル基が含まれる。置換又は無置換のスルファモイル基としては、炭素数0乃至30のスルファモイル基が好ましい。スルファモイル基としては、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)などを挙げることができる。
アルキルスルフィニル基には、置換又は無置換のアルキルスルフィニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルフィニル基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルフィニル基が好ましい。アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなどを挙げることができる。
アリールスルフィニル基には、置換又は無置換のアリールスルフィニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルフィニル基としては、炭素数6乃至30のアリールスルフィニル基が好ましい。アリールスルフィニル基としては、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどを挙げることができる。
アルキルスルホニル基には、置換又は無置換のアルキルスルホニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルホニル基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルホニル基が好ましい。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニルなどを挙げることができる。
アリールスルホニル基には、置換又は無置換のアリールスルホニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルホニル基としては、炭素数6乃至30のアリールスルホニル基が好ましい。アリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルなどを挙げることができる。
アシル基としては、ホルミル基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、炭素数4乃至30の置換又は無置換の、炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。アシル基としては、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−(n−オクチルオキシ)フェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニル基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニル基が好ましい。アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−(t−ブチル)フェノキシカルボニルなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニル基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどを挙げることができる。
カルバモイル基には、置換又は無置換のカルバモイル基が含まれる。置換又は無置換のカルバモイル基としては、炭素数1乃至30のカルバモイル基が好ましい。カルバモイル基としては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどを挙げることができる。
イミド基には、置換又は無置換のイミド基が含まれる。置換又は無置換のイミド基としては、炭素数4乃至30のイミド基が好ましい。イミド基としては、スクシンイミド、フタルイミド、グルタルイミド、ヘキサンイミドなどを挙げることができる。
ホスフィノ基には、置換又は無置換のホスフィノ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィノ基としては、炭素数2乃至30のホスフィノ基が好ましい。ホスフィノ基としては、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどを挙げることができる。
ホスフィニル基には、置換又は無置換のホスフィニル基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニル基としては、炭素数2乃至30のホスフィニル基が好ましい。ホスフィニル基としては、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどを挙げることができる。
ホスフィニルオキシ基には、置換又は無置換のホスフィニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニルオキシ基としては、炭素数2乃至30のホスフィニルオキシ基が好ましい。ホスフィニルオキシ基としては、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどを挙げることができる。
ホスフィニルアミノ基には、置換又は無置換のホスフィニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニルアミノ基としては、炭素数2乃至30のホスフィニルアミノ基が好ましい。ホスフィニルアミノ基としては、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどを挙げることができる。
シリル基には、置換又は無置換のシリル基が含まれる。置換又は無置換のシリル基としては、炭素数3乃至30のシリル基の好ましい。シリル基としては、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどを挙げることができる。
上述の1価の基の中で水素原子を有するものは、この水素原子が前述の1価の基で置換されていてもよい。そのような置換基としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基などが挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基などを挙げることができる。
一般式(I)中のR2は、−OR3又は−NHR4を表す。また、R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す。この1価の基としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。R2としては、−OH又は−NH2が好ましく、−NH2がさらに好ましい。
一般式(I)中のR5は、アルキル基、アリール基、又は1価のトリアジン環基を表す。R5で表されるアルキル基には、置換又は無置換のアルキル基が含まれる。R5で表されるアルキル基としては、前述のR1で表される1価の基のうちのアルキル基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。R5で表されるアリール基には、置換又は無置換のアリール基が含まれる。R5で表されるアリール基としては、前述のR1で表される1価の基のうちのアリール基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。R5で表される1価のトリアジン環基には、置換又は無置換のトリアジン環基が含まれる。なお、R5の各基が置換基を有する場合、置換基としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中のR6は、アリーレン基又は2価のヘテロ環基を表す。R6で表されるアリーレン基には、置換又は無置換のアリーレン基が含まれる。置換若しくは無置換のアリーレン基としては、炭素数6乃至30のアリーレン基が好ましい。置換基の例としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと同様のものを挙げることができる。前記アリーレン基としては、フェニレン、ナフチレンなどを挙げることができる。
6で表される2価のヘテロ環基は5員環又は6員環であることが好ましい。これらの2価のヘテロ環はさらに縮環していてもよく、芳香族ヘテロ環であっても、非芳香族ヘテロ環であってもよい。一般的に、ヘテロ環基はI型とII型に分類することができる。I型のヘテロ環基は、酸性核として知られている。I型のヘテロ環基としては、5−ピラゾロン環、5−アミノピラゾール環、オキサゾロン環、バルビツール酸環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾリジンジオン環、ピラゾロピリドン環、メルドラム酸環などを挙げることができる。なかでも、5−ピラゾロン環、及び5−アミノピラゾール環が好ましい。II型のヘテロ環基は、塩基性核として知られている。II型のヘテロ環基としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどを挙げることができる。なかでも、芳香族ヘテロ環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールがさらに好ましく、耐光性の観点からチアジアゾールが特に好ましい。2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中のR7は、2価の連結基を表し、mは0又は1を表す。mが0である場合、2つのR6が互いに結合した構造であることを意味する。
7で表される2価の連結基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンなどのアルキレン基;エテニレン、プロぺニレンなどのアルケニレン基;エチニレン、プロピニレンなどのアルキニレン基;フェニレン、ナフチレンなどのアリーレン基;6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基などの2価のヘテロ環基;−O−;−CO−;−NR9−(R9は水素原子、アルキル基又はアリール基);−S−;−SO2−;−SO−;及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、R9で表されるアルキル基及びアリール基は、いずれも置換基を有していてもよい。置換基としては、前述のR1で表される1価の基について例示したものと同様のものを挙げることができる。R9で表されるアルキル基及びアリール基としては、前述のR1で表される1価の基のうちのアルキル基及びアリール基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中のR7は、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−、又はこれらの組み合わせであることがさらに好ましい。これらのなかでも、−S−とアルキレン基との組み合わせであることが、一般式(I)で表される化合物の安定性の観点から特に好ましい。
7で表される2価の連結基の総炭素数は、0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがさらに好ましく、0乃至10であることが特に好ましい。
一般式(I)で表される化合物のなかでも、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
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一般式(III)中、R1は1価の基を表し、R2は−OR3又は−NHR4を表す(R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す)。R6はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R7は2価の連結基を表し、mは0又は1を表す。R8はイオン性基を表し、nは1又は2を表す。
一般式(III)中のR1乃至R4、R6、及びR7は、前記一般式(I)中のR1乃至R4、R6、及びR7と同義であり、好ましい基及びその組み合わせも、前記一般式(I)中のR1乃至R4、R6、及びR7と同様である。一般式(III)中、R8で表されるイオン性基は塩型であってもよい。イオン性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。塩を形成する場合のカウンターイオンとしては、アルカリ金属;アンモニア(NH3);有機アンモニウムなどのカチオンを挙げることができる。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などの有機アンモニウムなどを挙げることができる。なお、一般式(I)で表される化合物が、1価の基や置換基としてイオン性基を有する場合にも、R8と同様に塩型であってもよく、この場合のカウンターイオンとしては、上述のカチオンと同様のものを挙げることができる。
本発明においては、一般式(I)で表される化合物が、以下の構造を有するものであることが特に好ましい。R2はアミノ基であることが好ましい。R6はヘテロ環基であることが好ましく、チアジアゾールであることがさらに好ましい。また、R7はアルキレン基又はヘテロ原子を含むアルキレン基であることが好ましく、ヘテロ原子を含むアルキレン基であることがさらに好ましい。
一般式(I)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、以下に示す例示化合物1乃至41を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(I)の構造及びその定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも、例示化合物10〜22、27〜31、33、34、41が好ましく、例示化合物11がさらに好ましい。
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〔一般式(II)で表される化合物〕
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一般式(II)中のR10及びR11は、それぞれ独立に1価の基を表す。1価の基としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、アミド基、アミノカルボニルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、イミド基を挙げることができる。
上記した1価の基のなかでも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、及びアルコキシカルボニル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びヘテロ環基がさらに好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、及びアルキルスルホニル基が特に好ましい。また、一般式(II)中のR11は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、及びヘテロ環基が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。
アルキル基には、置換又は無置換のアルキル基が含まれる。置換又は無置換のアルキル基としては、炭素数1乃至30のアルキル基が好ましい。置換基としては、前述の1価の基の具体例として挙げたものと同様のものを挙げることができる。それらの中でも、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホ基(塩型でもよい)及びカルボキシル基(塩型でもよい)が好ましい。アルキル基として、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル、4−スルホブチル、4−カルボキシブチルなどを挙げることができる。
シクロアルキル基には、置換又は無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換又は無置換のシクロアルキル基としては、炭素数5乃至30のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルなどを挙げることができる。
アラルキル基には、置換又は無置換のアラルキル基が含まれる。置換又は無置換のアラルキル基としては、炭素数7乃至30のアラルキル基が好ましい。アラルキル基としては、ベンジル、2−フェネチルなどを挙げることができる。
アルケニル基には、直鎖、分岐、又は環状の、置換又は無置換のアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルケニル基が好ましい。アルケニル基としては、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどを挙げることができる。
アルキニル基には、置換又は無置換のアルキニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキニル基としては、炭素数2乃至30のアルキニル基が好ましい。アルキニル基としては、エチニル、プロパルギルなどを挙げることができる。
アリール基には、置換又は無置換のアリール基が含まれる。置換又は無置換のアリール基としては、炭素数6乃至30のアリール基が好ましい。アリール基としては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどを挙げることができる。
ヘテロ環基には、置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が含まれる。これらのヘテロ環基は、さらに縮環していてもよい。置換又は無置換のヘテロ環基としては、炭素数3乃至50の、5員又は6員の芳香族ヘテロ環基が好ましい。このようなへテロ環基を、置換位置を限定しないで例示すると、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどを挙げることができる。
アルコキシ基には、置換又は無置換のアルコキシ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシ基としては、炭素数1乃至30のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシなどを挙げることができる。
アリールオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシ基としては、炭素数6乃至30のアリールオキシ基が好ましい。アリールオキシ基としては、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどを挙げることができる。
シリルオキシ基としては、炭素数3乃至20のシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基としては、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどを挙げることができる。
ヘテロ環オキシ基には、置換又は無置換のヘテロ環オキシ基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環オキシ基としては、炭素数2乃至30のヘテロ環オキシ基が好ましい。ヘテロ環オキシ基としては、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどを挙げることができる。
アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどを挙げることができる。
カルバモイルオキシ基には、置換又は無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のカルバモイルオキシ基としては、炭素数1乃至30のカルバモイルオキシ基が好ましい。カルバモイルオキシ基としては、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシなどを挙げることができる。
アルキルアミノ基には、置換又は無置換のアルキルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアルキルアミノ基が好ましい。アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ヒドロキシエチルアミノ、カルボキシエチルアミノ、スルフォエチルアミノなどを挙げることができる。
アニリノ基には、置換又は無置換のアニリノ基が含まれる。置換又は無置換のアニリノ基としては、炭素数6乃至30のアニリノ基が好ましい。アニリノ基としては、アニリノ、N−メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ、3,5−ジカルボキシアニリノなどを挙げることができる。
アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アミノカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。アミノカルボニルアミノ基としては、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどを挙げることができる。
ウレイド基としては、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイドなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノなどを挙げることができる。
スルファモイルアミノ基には、置換又は無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のスルファモイルアミノ基炭素数0乃至30のとしては、スルファモイルアミノ基が好ましい。スルファモイルアミノ基としては、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アルキルスルホニルアミノ基には、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換アルキルスルホニルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルホニルアミノ基が好ましい。アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アリールスルホニルアミノ基には、置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数6乃至30のアリールスルホニルアミノ基が好ましい。アリールスルホニルアミノ基としては、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アルキルチオ基には、置換又は無置換のアルキルチオ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルチオ基としては、炭素数1乃至30のアルキルチオ基が好ましい。アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどを挙げることができる。
アリールチオ基には、置換又は無置換のアリールチオ基が含まれる。置換又は無置換のアリールチオ基としては、炭素数6乃至30のアリールチオ基が好ましい。アリールチオ基としては、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどを挙げることができる。
ヘテロ環チオ基には、置換又は無置換のヘテロ環チオ基が含まれる。置換又は無置換のアリールチオ基としては、炭素数2乃至30のアリールチオ基が好ましい。ヘテロ環チオ基としては、2−ベンゾチアゾリルチオ、及び1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどを挙げることができる。
スルファモイル基には、置換又は無置換のスルファモイル基が含まれる。置換又は無置換のスルファモイル基としては、炭素数0乃至30のスルファモイル基が好ましい。スルファモイル基としては、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイルなどを挙げることができる。
アルキルスルフィニル基には、置換又は無置換のアルキルスルフィニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルフィニル基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルフィニル基が好ましい。アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなどを挙げることができる。
アリールスルフィニル基には、置換又は無置換のアリールスルフィニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルフィニル基としては、炭素数6乃至30のアリールスルフィニル基が好ましい。アリールスルフィニル基としては、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどを挙げることができる。
アルキルスルホニル基には、置換又は無置換のアルキルスルホニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルホニル基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルホニル基が好ましい。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニルなどを挙げることができる。
アリールスルホニル基には、置換又は無置換のアリールスルホニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルホニル基としては、炭素数6乃至30のアリールスルホニル基が好ましい。アリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルなどを挙げることができる。
アシル基としては、ホルミル基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、炭素数4乃至30の置換又は無置換の、炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。アシル基としては、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニルなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニル基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニル基が好ましい。アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニルなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニル基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどを挙げることができる。
カルバモイル基には、置換又は無置換のカルバモイル基が含まれる。置換又は無置換のカルバモイル基としては、炭素数1乃至30のカルバモイル基が好ましい。カルバモイル基としては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどを挙げることができる。
ホスフィノ基には、置換又は無置換のホスフィノ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィノ基としては、炭素数2乃至30のホスフィノ基が好ましい。ホスフィノ基としては、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどを挙げることができる。
ホスフィニル基には、置換又は無置換のホスフィニル基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニル基としては、炭素数2乃至30のホスフィニル基が好ましい。ホスフィニル基としては、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどを挙げることができる。
ホスフィニルオキシ基には、置換又は無置換のホスフィニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニルオキシ基としては、炭素数2乃至30のホスフィニルオキシ基が好ましい。ホスフィニルオキシ基としては、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどを挙げることができる。
ホスフィニルアミノ基には、置換又は無置換のホスフィニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニルアミノ基としては、炭素数2乃至30のホスフィニルアミノ基が好ましい。ホスフィニルアミノ基としては、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどを挙げることができる。
シリル基には、置換又は無置換のシリル基が含まれる。置換又は無置換のシリル基としては、炭素数3乃至30のシリル基が好ましい。シリル基としては、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどを挙げることができる。
アゾ基としては、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾなどを挙げることができる。
イミド基としては、N−スクシンイミド、N−フタルイミドなどを挙げることができる。
上述の1価の基の中で水素原子を有するものは、この水素原子が置換されていてもよい。そのような置換基としては、炭素数1乃至12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7乃至18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2乃至12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2乃至12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3乃至12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3乃至12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基などを挙げることができる。これらの置換基は、色材の溶解性やインクの安定性を優れたものとするために、分岐鎖を有するものが好ましく、不斉炭素を有するものがさらに好ましい。
上記の置換基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、及びシクロペンチルなどの置換又は無置換のアルキル基;塩素原子、及び臭素原子などのハロゲン原子;フェニル、4−t−ブチルフェニル、及び2,4−ジ−t−アミルフェニルなどのアリール基;イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、及び2−ベンゾチアゾリルなどのヘテロ環基;シアノ基;ヒドロキシ基;ニトロ基;カルボキシ基;アミノ基;メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、及び2−メチルスルホニルエトキシなどのアルキルオキシ基;フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、及び3−メトキシカルボニルフェニルオキシなどのアリールオキシ基;アセトアミド、ベンズアミド、及び4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミドなどのアシルアミノ基;メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、及びメチルブチルアミノなどのアルキルアミノ基;フェニルアミノ、及び2−クロロアニリノなどのアニリノ基;フェニルウレイド、メチルウレイド、及びN,N−ジブチルウレイドなどのウレイド基;N,N−ジプロピルスルファモイルアミノなどのスルファモイルアミノ基;メチルチオ、オクチルチオ、及び2−フェノキシエチルチオなどのアルキルチオ基;フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、及び2−カルボキシフェニルチオなどのアリールチオ基;メトキシカルボニルアミノなどのアルキルオキシカルボニルアミノ基;メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、及びp−トルエンスルホニルアミノなどのアルキル又はアリールスルホニルアミノ基;N−エチルカルバモイル、及びN,N−ジブチルカルバモイルなどのカルバモイル基;N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、及びN−フェニルスルファモイルなどのスルファモイル基;メチルスルホニル、オクチルスルホニル、フェニルスルホニル、及びp−トルエンスルホニルなどのスルホニル基;メトキシカルボニル、及びブチルオキシカルボニルなどのアルキルオキシカルボニル基;1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、及び2−テトラヒドロピラニルオキシなどのヘテロ環オキシ基;フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、及び2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾなどのアゾ基;アセトキシなどのアシルオキシ基;N−メチルカルバモイルオキシ、及びN−フェニルカルバモイルオキシなどのカルバモイルオキシ基;トリメチルシリルオキシ、及びジブチルメチルシリルオキシなどのシリルオキシ基;フェノキシカルボニルアミノなどのアリールオキシカルボニルアミノ基;N−スクシンイミド、及びN−フタルイミドなどのイミド基;2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、及び2−ピリジルチオなどのヘテロ環チオ基;3−フェノキシプロピルスルフィニルなどのスルフィニル基;フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、及びフェニルホスホニルなどのホスホニル基;フェノキシカルボニルなどのアリールオキシカルボニル基;アセチル、3−フェニルプロパノイル、及びベンゾイルなどのアシル基;カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホノ基、及び4級アンモニウム基などのイオン性親水基などを挙げることができる。
一般式(II)中のR12は、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。ここで、ハメット則及びハメットの置換基定数σp値(以下、「ハメットのσp値」と記す)について説明する。ハメット則は、ベンゼン誘導体の反応や平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために、1935年にL.P.Hammettにより提唱された経験則であり、今日では広く妥当性が認められている。ハメット則により求められる置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に記載がある。例えば、J.A.Dean編、Lange’s Handbook of Chemistry 第12版、1979年、McGraw−Hillや、化学の領域、増刊、122号、96〜103頁、1979年、南光堂に詳細な記載がある。
なお、本発明においては、各置換基をハメットのσp値により規定している。しかし、本発明では、上記したような文献に具体的にσp値が記載された置換基のみに限定されるものではない。本発明は、上記したような文献にσp値が記載されていない置換基であっても、ハメット則に基づいてσp値を算出した場合に、その範囲内に含まれる置換基をも含む。一般式(II)で表される化合物はいずれもベンゼン誘導体ではないが、本発明においては、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を用いるものとする。以下に、一般式(II)で表される化合物の有する置換基において、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基として用いることができる置換基の具体例を、ハメットのσp値の範囲ごとに列挙する。
ハメットのσp値が0.60以上の電子吸引性基としては、シアノ基;ニトロ基;メタンスルホニル基などのアルキルスルホニル基;ベンゼンスルホニル基などのアリールスルホニル基などを挙げることができる。
ハメットのσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えて、アセチル基などのアシル基;ドデシルオキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;m−クロロフェノキシカルボニル基などのアリールオキシカルボニル基;n−プロピルスルフィニル基などのアルキルスルフィニル基;フェニルスルフィニル基などのアリールスルフィニル基;N−エチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基などのスルファモイル基;トリフロロメチル基などのハロゲン化アルキル基などを挙げることができる。
ハメットのσp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加えて、アセトキシ基などのアシルオキシ基;N−エチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基などのカルバモイル基;トリフロロメチルオキシ基などのハロゲン化アルコキシ基;ペンタフロロフェニルオキシ基などのハロゲン化アリールオキシ基;メチルスルホニルオキシ基などのスルホニルオキシ基;ジフロロメチルチオ基などのハロゲン化アルキルチオ基;2,4−ジニトロフェニル基、ペンタクロロフェニル基などの、σp値が0.15以上の2つ以上の電子吸引性基で置換されたアリール基;2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル基などの複素環基などを挙げることができる。
ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基としては、上記に加えて、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などハロゲン原子などを挙げることができる。
一般式(II)中のR13は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。R13で表される基としては、前述のR10及びR11で表される1価の基について例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。また、R13で表される各基が置換基を有する場合、この置換基としては、前記1価の基と同様のものを挙げることができる。
一般式(II)中のMは、それぞれ独立に水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1乃至3のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1乃至4のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などを挙げることができる。
一般式(II)で表される化合物のなかでも、下記一般式(IV)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014034643
(一般式(IV)中、R10及びR11はそれぞれ独立に1価の基を表し、R12はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。R14はイオン性基を表し、xは1又は2を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。)
一般式(IV)中のR10乃至R12は、一般式(II)中のR10乃至R12と同義であり、好ましい基及びその組み合わせも、一般式(II)中のR10乃至R12と同様である。一般式(IV)中のR14はイオン性基を表し、塩型であってもよい。イオン性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。塩を形成する場合のカウンターイオンとしては、アルカリ金属;アンモニア(NH3);有機アンモニウムなどのカチオンを挙げることができる。アルカリ金属及び有機アンモニウムの好ましいものは、一般式(II)中のMとして挙げたものと同様である。
一般式(II)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、以下に示す例示化合物42乃至55を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(II)の構造及びその定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、以下に示す例示化合物のなかでも、例示化合物46〜49、51が好ましく、例示化合物46がさらに好ましい。
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
(第1の色材の検証方法)
本発明で用いる第1の色材が各インク中に含まれているか否かを検証するには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた下記(1)〜(3)の検証方法を適用することができる。
(1)ピークの保持時間
(2)(1)のピークについての極大吸収波長
(3)(1)のピークについてのマススペクトルのM/Z(posi)、M/Z(nega)
高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、以下に示す通りである。純水で約1,000倍に希釈した液体(インク)を測定用サンプルとする。そして、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーでの分析を行い、ピークの保持時間(retention time)、及びピークの極大吸収波長を測定する。
・カラム:SunFire C18(日本ウォーターズ製)2.1mm×150mm
・カラム温度:40℃
・流速:0.2mL/min
・PDA:200nm〜700nm
・移動相及びグラジエント条件:表1
Figure 2014034643
また、マススペクトルの分析条件は以下に示す通りである。得られたピークについて、下記の条件でマススペクトルを測定し、最も強く検出されたM/Zをposi及びnegaのそれぞれに対して測定する。
・イオン化法:ESI
・キャピラリ電圧:3.5kV
・脱溶媒ガス:300℃
・イオン源温度:120℃
・検出器:
posi;40V 200〜1500amu/0.9sec
nega;40V 200〜1500amu/0.9sec
上記した方法及び条件下で、一般式(I)で表される化合物の具体例である例示化合物11について測定を行った。さらに、同一の方法及び条件下で、一般式(II)で表される化合物の具体例である例示化合物46について測定を行った。その結果、得られた保持時間、極大吸収波長、M/Z(posi)、及びM/Z(nega)の値を表2に示す。未知のインクについて、上記と同様の方法及び条件下で測定を行って、得られた測定値が表2に示す値に該当する場合、本発明のインクに用いる化合物を含有すると判断することができる。
Figure 2014034643
(第2の色材)
本発明のインクに含有される第2の色材は、C.I.ピグメントイエロー128及びC.I.ピグメントイエロー155の少なくとも一方の顔料である。これらの顔料は、発色性は第1の色材に劣るものの、高い耐光性を有する。高い耐光性を有するこれらの顔料が記録媒体の表面に定着し、照射された光を遮ることで記録媒体に浸透して存在する第1の色材への光の照射量を低減し、第1の色材の退色を抑制する。これにより、高い発色性を有しながら、耐光性にも優れた画像を記録することが可能となる。
インク中の第2の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。第2の色材の含有量が3.0質量%を超えると、記録媒体の表面に定着した第2の色材が、記録媒体に浸透して存在する第1の色材と重なり合うことにより、染料の発色が阻害される場合がある。このため、期待した発色性を得ることができない場合がある。一方、第2の色材の含有量が1.0質量%未満である場合、記録される画像の耐光性が低下する場合がある。
顔料を水性媒体中に分散させる分散方式はどのような方式であってもよい。顔料としては、分散剤として樹脂を用いて顔料を分散する樹脂分散顔料や、顔料粒子の表面にアニオン性基などの親水性基を直接又は他の原子団を介して結合した自己分散顔料を挙げることができる。また、顔料粒子の表面に高分子を含む有機基を化学的に結合させた樹脂結合型の自己分散顔料、顔料粒子の表面の少なくとも一部を樹脂などにより被覆したマイクロカプセル顔料などを挙げることができる。勿論、分散方式の異なる顔料を組み合わせて使用してもよい。
(水性媒体)
本発明のインクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を用いることができる。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より少ないと、インクをインクジェット記録装置に用いる場合に吐出安定性などの信頼性が得られない場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が上記した範囲より多いと、インクの粘度が上昇して、インクの供給不良が起きる場合がある。
(その他の添加剤)
本発明のインクは、上記した成分以外にも必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類や、尿素、エチレン尿素などの尿素誘導体などの、常温で固体の水溶性有機化合物を含有してもよい。さらに、本発明のインクは、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂など、種々の添加剤を含有してもよい。
(その他のインク)
また、フルカラーの画像などを形成するために、本発明のインクと、本発明のインクとは別の色相を有するその他のインクとを組み合わせて用いることができる。その他のインクとしては、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、レッドインク、グリーンインク、及びブルーインクからなる群より選択される少なくとも一種のインクを挙げることができる。また、これらのインクと実質的に同一の色相を有する、いわゆる淡インクをさらに組み合わせて用いることもできる。その他のインクや淡インクに用いられる色材は、公知の染料であっても、新規に合成された染料であってもよい。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22,24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。
図2は、本発明のインクジェット記録方法に用いられるインクジェット記録装置の一例を模式的に示す図であり、(a)はインクジェット記録装置の主要部の斜視図、(b)はヘッドカートリッジの斜視図である。インクジェット記録装置には、記録媒体32を搬送する搬送手段(不図示)、及びキャリッジシャフト34が設けられている。キャリッジシャフト34にはヘッドカートリッジ36が搭載可能となっている。ヘッドカートリッジ36は記録ヘッド38及び40を具備しており、インクカートリッジ42がセットされるように構成されている。ヘッドカートリッジ36がキャリッジシャフト34に沿って主走査方向に搬送される間に、記録ヘッド38及び40から記録媒体32に向かってインク(不図示)が吐出される。そして、記録媒体32が搬送手段(不図示)により副走査方向に搬送されることによって、記録媒体32に画像が記録される。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<色材の合成>
(化合物A)
(a)
下記式(1)で表される化合物13.3gをメタノール100mLに溶解させて得た溶液に、水酸化カリウム4.5gを水に溶解させて得た水溶液20mLと、1,2−ジブロムエタン10.0gとを加えた。2時間還流した後、析出した結晶をろ過して下記式(2)で表される化合物13.0gを得た。
Figure 2014034643
Figure 2014034643
(b)
下記式(3)で表される化合物59.8g、ピバロイルアセトニトリル32.0g、炭酸水素ナトリウム65.0g、水340mL、及びエタノール340mLの混合液を2時間加熱した後、塩酸60mLを加えた。さらに2時間加温した後、析出した結晶をろ過して下記式(4)で表される化合物61.0gを得た。
Figure 2014034643
Figure 2014034643
(c)
前記手順(b)で得た式(4)で表される化合物6.0g、メタノール80mL、及び酢酸ソーダ30gの混合液を10℃以下に冷却した。また、前記手順(a)で得た式(2)で表される化合物3.0g及び亜硝酸ナトリウムを混合してジアゾ液を得た。このジアゾ液を10℃以下で混合液に加え、室温で2時間撹拌した。析出した結晶をろ過した後、セファデックス(商品名)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、さらに塩酸を添加してpHを1.0以下に調整して、遊離酸型として下記式(5)で表される化合物A 4.3gを得た。
Figure 2014034643
(d)
前記手順(c)で得た遊離酸型の化合物Aに水酸化カリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整し、カリウム塩型の化合物Aを得た。
(化合物B)
(e)
炭酸水素ナトリウム25.5g及びイオン交換水150mLを混合して40℃に加温し、これに塩化シアヌル(下記式(6)で表される化合物;東京化成製)25.0gを5等分して10分ごとに添加し、1時間撹拌して溶液を調製した。得られた溶液を、ヒドラジン一水和物52.8mL及びイオン交換水47mLの混液(8℃)中に、内温が10℃を超えないようにして滴下した。その後、内温を50℃に昇温して30分撹拌した。析出した結晶をろ過して、下記式(7)で表される化合物(ヒドラジン誘導体、融点>300℃)23.4gを得た。収率は94.7%であった。
Figure 2014034643
Figure 2014034643
(f)
前記手順(e)で得た式(7)で表される化合物35.0gをエチレングリコール420mLに懸濁し、内温を50℃にして撹拌した。これに、濃塩酸59mLを添加し、次にピバロイルアセトニトリル(東京化成製)60.1gを添加し、温度50℃で10時間撹拌した。濃塩酸95mL及びメタノール145mLをさらに添加して、8時間撹拌した。室温になるまで冷却した後、析出した結晶をろ過して、下記式(8)で表される化合物(5−アミノピラゾール誘導体、融点=233〜235℃)81.6gを得た。収率は94.2%であった。
Figure 2014034643
(g)
下記式(9)で表される化合物(東京化成製)90.57gを、水500mLに懸濁して、これに130mLの濃塩酸を添加し、添加後の内温が5℃以下になるまで冷却した。次に、亜硝酸ナトリウム36.23gを含む70mLの水溶液を内温4〜6℃の範囲で滴下し、さらに内温を5℃以下として30分撹拌した。次に、亜硫酸ナトリウム159g及び水636mLを、内温を20℃以下に保ちながら添加し、さらに内温を25℃として250mLの濃塩酸を添加し、続いて内温を90℃として1時間撹拌した。室温になるまで冷却した後、ろ過し、200mLの水で洗浄した後、風乾して、下記式(10)で表される化合物80.0gを得た。
Figure 2014034643
Figure 2014034643
(h)
前記手順(g)で得た式(10)で表される化合物23.3gを、エタノール209mLに懸濁して、これにトリエチルアミン28mLを室温で滴下した。その後、エトキシメチレンマロノニトリル(アルドリッチ製)12.2gを数回に分けて添加した。3時間還流した後、室温になるまで冷却してろ過した。イソプロピルアルコール400mLで洗浄した後、乾燥して、下記式(11)で表される化合物23.57gを得た。
Figure 2014034643
(i)
内温を4℃以下として硫酸32.4mLに酢酸145.56mLを添加した。内温を7℃以下とし、撹拌下で40.0%ニトロシル硫酸15.9mL(アルドリッチ製)を滴下した。これに、前記手順(h)で得た式(11)で表される化合物32.4gを数回に分けて添加し、内温を10℃として60分撹拌した。その後、尿素1.83gを添加した前記手順(f)で得た式(8)で表される化合物18.8gを470mLのメタノールに懸濁した溶液中に、内温を0℃未満として式(11)で表される化合物のジアゾニウム塩を滴下した。次いで、内温を0℃未満として30分撹拌した。反応液の内温を室温まで昇温させた後、ろ過した。メタノールで洗浄した後、さらに水で洗浄して粗結晶を得た。得られた粗結晶をメタノール400mLに懸濁し、還流下で60分撹拌した後、室温まで冷却してろ過した。メタノール、水、メタノールの順序で洗浄した後、75℃で一晩乾燥して、遊離酸型として下記式(12)で表される化合物B 34.4gを得た。
Figure 2014034643
(j)
前記手順(i)で得た遊離酸型の化合物Bに水酸化カリウム水溶液を添加してpHを8.0に調整し、カリウム塩型の化合物Bを得た。
<顔料分散液の調製>
10.0部のC.I.ピグメントイエロー128、樹脂水溶液50.0部、及び水40.0部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)を用いて3時間分散分散させた。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去して、顔料分散液Aを調製した。前記樹脂水溶液としては、酸価210mgKOH/g、重量平均分子量8,000のスチレン−アクリル酸共重合体(樹脂分散剤)を、10.0%水酸化ナトリウム水溶液で中和して得た、樹脂(固形分)の含有量が20.0%である水溶液を用いた。調製した顔料分散液A中の顔料の含有量は10.0%であり、樹脂の含有量は10.0%であった。また、顔料の種類をC.I.ピグメントイエロー155に変更したこと以外は、上記の顔料分散液Aの場合と同様の手順により顔料分散液Bを調製した。調製した顔料分散液B中の顔料の含有量は10.0%であり、樹脂の含有量は10.0%であった。
<インクの調製>
表3−1〜3−6の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ0.20μmのフィルターで加圧ろ過して各インクを調製した。なお、表3−1〜3−6中の「アセチレノールE100」は、ノニオン性界面活性剤(川研ファインケミカル製)の商品名である。また、表3−1〜3−6の下段には、各インク中の、第1の色材の含有量(%)及び第2の色材の含有量(%)を示した。さらに、第2の色材の含有量(%)に対する、第1の色材の含有量(%)の質量比率を「質量比率(倍)」として示した。
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
Figure 2014034643
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、熱エネルギーの作用により記録ヘッドからインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名「PIXUS iP8600」、キヤノン製)に搭載した。本実施例においては、1/600インチ×1/600インチの単位領域に22ngのインクを付与して記録したベタ画像を「記録デューティが100%である」と定義する。このインクジェット記録装置を用いて、温度23℃、相対湿度55%の環境で、記録媒体(商品名「キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナグレード]PT101」、キヤノン製)に、記録デューティが60%であるベタ画像を記録した記録物を作製した。得られた記録物を、温度23℃、相対湿度55%の環境で24時間乾燥させた。光学濃度及び彩度C*は、分光光度計(商品名「Spectrolino」、Gretag Macbeth製)を用いて、光源:D50、視野:2°の条件で測定した。本発明においては、下記の各項目の評価基準で、Cを許容できないレベル、A及びBを許容できるレベルとした。評価結果を表4に示す。
(発色性:光学濃度)
上記で得られた記録物のベタ画像の部分について光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学濃度を評価した。
A:光学濃度が1.8以上であった。
B:光学濃度が1.7以上1.8未満であった。
C:光学濃度が1.7未満であった。
(発色性:彩度)
上記で得られた記録物のベタ画像の部分について彩度C*を測定し、以下に示す評価基準にしたがって彩度を評価した。
A:C*が125以上であった。
B:C*が120以上125未満であった。
C:C*が120未満であった。
(耐光性)
上記で得られた記録物におけるベタ画像の部分の光学濃度を測定した(耐光性試験前の光学濃度)。この記録物をキセノン試験装置(商品名「アトラスウエザメータ Ci4000」、東洋精機製作所製)中に載置し、槽内温度50℃、相対湿度70%、照射強度0.39W/m2で3時間、キセノン光を照射した。その後、記録物におけるベタ画像の部分の光学濃度を測定した(耐光性試験後の光学濃度)。得られた耐光性試験前の光学濃度及び耐光性試験後の光学濃度の値から、光学濃度の残存率=耐光性試験後の光学濃度/耐光性試験前の光学濃度×100%を算出し、以下に示す評価基準にしたがって耐光性を評価した。
A:光学濃度の残存率が80%以上であった。
B:光学濃度の残存率が70%以上80%未満であった。
C:光学濃度の残存率が70%未満であった。
Figure 2014034643

Claims (5)

  1. 第1の色材及び第2の色材を含有するインクであって、
    前記第1の色材が、下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物の少なくとも一方であり、
    前記第2の色材が、C.I.ピグメントイエロー128及びC.I.ピグメントイエロー155の少なくとも一方であり、
    インク全質量を基準とした、前記第1の色材の含有量(質量%)が、前記第2の色材の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.10倍以上0.30倍以下であることを特徴とするインク。
    Figure 2014034643
    (前記一般式(I)中、R1は1価の基を表し、R2は−OR3又は−NHR4を表し(R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す)、R5はアルキル基、アリール基、又は1価のトリアジン環基を表し、R6はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R7は2価の連結基を表し、mは0又は1を表す)
    Figure 2014034643
    (前記一般式(II)中、R10及びR11はそれぞれ独立に1価の基を表し、R12はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
  2. 前記第1の色材が、下記一般式(III)で表される化合物及び下記一般式(IV)で表される化合物の少なくとも一方である請求項1に記載のインク。
    Figure 2014034643
    (前記一般式(III)中、R1は1価の基を表し、R2は−OR3又は−NHR4を表し(R3及びR4は水素原子又は1価の基を表す)、R6はアリーレン基又は2価のヘテロ環基を表し、R7は2価の連結基を表し、mは0又は1を表し、R8はイオン性基を表し、nは1又は2を表す)
    Figure 2014034643
    (前記一般式(IV)中、R10及びR11はそれぞれ独立に1価の基を表し、R12はハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、R14はイオン性基を表し、xは1又は2を表し、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
  3. 前記第2の色材の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、1.0質量%以上3.0質量%以下である請求項1又は2に記載のインク。
  4. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  5. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016068151A1 (ja) * 2014-10-30 2016-05-06 富士フイルム株式会社 アゾ化合物の製造方法

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