JP2015067643A - アゾ色素、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐湿性に優れるアゾ色素及び着色組成物、並びに、該着色組成物を含有するインクジェット記録用インク、該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される色素。(R1b、R1c、R1d、及びR1eはそれぞれ独立に水素原子又は置換基、置換基同士で結合して環を形成してもよい、Y1は窒素原子、又は水素原子若しくは置換基を有する炭素原子、A1は置換基を有してもよい芳香族基、A1が表す芳香族基はヘテロ原子を含有していてもよい、Q1は2価の連結基)【選択図】なし
Description
本発明は、アゾ色素、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物に関する。
インクジェット記録方法は、材料費が安価であること、高速記録が可能なこと、記録時の騒音が少ないこと、更にカラー記録が容易であることから、急速に普及し、更に発展しつつある。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を求引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
インクジェット記録方法には、連続的に液滴を飛翔させるコンティニュアス方式と画像情報信号に応じて液滴を飛翔させるオンデマンド方式が有り、その吐出方式にはピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を求引吐出させる方式がある。また、インクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
特許文献1及び2には、特定のアゾ化合物を含有し、黒色用インクとして良好な色相を有し、保存安定性(特にブロンズ光沢抑制)に優れたインク組成物が記載されている。
特許文献1及び2に記載されたインク組成物は、上記のように優れた性能を示すものであるが、耐湿性について、更なる性能の向上が望まれている。
本発明は、耐湿性に優れるアゾ色素及び着色組成物を提供することを目的とする。また、該アゾ色素、及び該着色組成物を含有するインクジェット記録用インク、該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討し、特定のビスアゾ化合物をニ量化した化合物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。特定のビスアゾ化合物を二量化することで、色価を落とさずに分子量を大きくして耐湿性を向上させることができたものと考えられる。
すなわち、上記の本発明の課題は、下記の手段によって達せられる。
すなわち、上記の本発明の課題は、下記の手段によって達せられる。
[1]
下記一般式(1)で表される色素。
下記一般式(1)で表される色素。
[一般式(1)中、R1b、R1c、R1d、及びR1eはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、置換基同士で結合して環を形成してもよい。Y1は窒素原子、又は水素原子若しくは置換基を有する炭素原子を表す。A1は置換基を有してもよい芳香族基を表す。A1が表す芳香族基はヘテロ原子を含有していてもよい。Q1は2価の連結基を表す。]
[2]
上記一般式(1)のA1が置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基である[1]に記載の色素。
[3]
上記一般式(1)のA1がイオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又はイオン性親水性基を置換基として有するナフチル基である[1]又は[2]に記載の色素。
[4]
上記一般式(1)のQ1が下記一般式(a)〜(h)のいずれかで表される2価の連結基である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の色素。
[2]
上記一般式(1)のA1が置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基である[1]に記載の色素。
[3]
上記一般式(1)のA1がイオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又はイオン性親水性基を置換基として有するナフチル基である[1]又は[2]に記載の色素。
[4]
上記一般式(1)のQ1が下記一般式(a)〜(h)のいずれかで表される2価の連結基である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の色素。
一般式(a)〜(h)において、Q2は2価の連結基を表す。*はQ1と結合する炭素原子との結合位置を表す。
[5]
上記一般式(a)〜(h)において、Q2が−NH−、−CO−、アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基である[4]に記載の色素。
[6]
上記Q2が下記一般式(i)〜(iii)のいずれかで表される2価の連結基である[4]又は[5]に記載の色素。
[5]
上記一般式(a)〜(h)において、Q2が−NH−、−CO−、アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基である[4]に記載の色素。
[6]
上記Q2が下記一般式(i)〜(iii)のいずれかで表される2価の連結基である[4]又は[5]に記載の色素。
一般式(i)〜(iii)中、Q3はアルキレン基、アリーレン基、又は2価の芳香族へテロ環基を表し、上記アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基は置換基を有してもよい。*はQ2と結合する炭素原子との結合位置を表す。
[7]
R1d及びR1eが、各々独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基である[1]〜[6]のいずれか一項に記載の色素。
[8]
R1d及びR1eが、各々独立に、置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基である[7]に記載の色素。
[9]
R1d及びR1eが、各々独立に、イオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又は、イオン性親水性基を置換基として有するナフチル基である[8]に記載の色素。
[10]
Y1は置換基を有する炭素原子である[1]〜[9]のいずれか一項に記載の色素。
[11]
Y1は置換基としてシアノ基を有する炭素原子である[10]に記載の色素。
[12]
R1cがシアノ基である[1]〜[11]のいずれか一項に記載の色素。
[13]
R1bが炭素数1〜5のアルキル基である[1]〜[12]のいずれか一項に記載の色素。
[14]
6個以上のイオン性親水性基を有する[1]〜[13]のいずれか一項に記載の色素。
[15]
イオン性親水性基がスルホ基である[14]に記載の色素。
[16]
[1]〜[15]のいずれか一項に記載の色素を含有する着色組成物。
[17]
[16]に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
[18]
[17]に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
[19]
[17]に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
[20]
[17]に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
[7]
R1d及びR1eが、各々独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基である[1]〜[6]のいずれか一項に記載の色素。
[8]
R1d及びR1eが、各々独立に、置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基である[7]に記載の色素。
[9]
R1d及びR1eが、各々独立に、イオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又は、イオン性親水性基を置換基として有するナフチル基である[8]に記載の色素。
[10]
Y1は置換基を有する炭素原子である[1]〜[9]のいずれか一項に記載の色素。
[11]
Y1は置換基としてシアノ基を有する炭素原子である[10]に記載の色素。
[12]
R1cがシアノ基である[1]〜[11]のいずれか一項に記載の色素。
[13]
R1bが炭素数1〜5のアルキル基である[1]〜[12]のいずれか一項に記載の色素。
[14]
6個以上のイオン性親水性基を有する[1]〜[13]のいずれか一項に記載の色素。
[15]
イオン性親水性基がスルホ基である[14]に記載の色素。
[16]
[1]〜[15]のいずれか一項に記載の色素を含有する着色組成物。
[17]
[16]に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
[18]
[17]に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
[19]
[17]に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
[20]
[17]に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
本発明によれば、耐湿性に優れるアゾ色素及び着色組成物を提供することができる。また、該アゾ色素、及び該着色組成物を含有するインクジェット記録用インク、該インクジェット記録用インクを用いたインクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物を提供することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
まず、本発明において、置換基群A’、置換基群J、イオン性親水性基、ハメットの置換基定数σp値について定義する。
まず、本発明において、置換基群A’、置換基群J、イオン性親水性基、ハメットの置換基定数σp値について定義する。
(置換基群A’)
炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(カルボキシル基、スルホ基など)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群A’から選択される基を挙げることができる。
炭素数1〜12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7〜18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基(例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、2−メチルスルホニルエチル、3−フェノキシプロピル、トリフルオロメチル、シクロペンチル)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子)、アリール基(例えば、フェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4−ジ−t−アミルフェニル)、ヘテロ環基(例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシ基、アミノ基、アルキルオキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、3−t−ブチルオキシカルボニルフェノキシ、3−メトキシカルボニルフェニルオキシ、アシルアミノ基(例えば、アセトアミド、ベンズアミド、4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブタンアミド)、アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルブチルアミノ)、アリールアミノ基(例えば、フェニルアミノ、2−クロロアニリノ)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド、メチルウレイド、N,N−ジブチルウレイド)、スルファモイルアミノ基(例えば、N,N−ジプロピルスルファモイルアミノ)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、オクチルチオ、2−フェノキシエチルチオ)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ、2−カルボキシフェニルチオ)、アルキルオキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ)、アルキルスルホニルアミノ基及びアリールスルホニルアミノ基(例えば、メチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、p−トルエンスルホニルアミノ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−フェニルスルファモイル)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、オクチルスルホニル)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル、p−トルエンスルホニル)、アルキルオキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル)、ヘテロ環オキシ基(例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アゾ基(例えば、フェニルアゾ、4−メトキシフェニルアゾ、4−ピバロイルアミノフェニルアゾ、2−ヒドロキシ−4−プロパノイルフェニルアゾ)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイルオキシ基(例えば、N−メチルカルバモイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ)、シリルオキシ基(例えば、トリメチルシリルオキシ、ジブチルメチルシリルオキシ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェノキシカルボニルアミノ)、イミド基(例えば、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、2−ピリジルチオ)、スルフィニル基(例えば、3−フェノキシプロピルスルフィニル)、ホスホニル基(例えば、フェノキシホスホニル、オクチルオキシホスホニル、フェニルホスホニル)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル)、アシル基(例えば、アセチル、3−フェニルプロパノイル、ベンゾイル)、イオン性親水性基(カルボキシル基、スルホ基など)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群A’から選択される基を挙げることができる。
(置換基群J)
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Jから選択される基を挙げることができる。
例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール又はヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、イオン性親水性基が例として挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Jから選択される基を挙げることができる。
更に詳しくは、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルキル基が挙げられ、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。詳細には、アルキル基としては、好ましくは、炭素数1から30のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が挙げられ、シクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換又は無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等が挙げられ、ビシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5から30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、置換若しくは無置換のアラルキル基が挙げられ、置換若しくは無置換のアラルキル基としては、炭素原子数が7〜30のアラルキル基が好ましい。例えばベンジル基及び2−フェネチル基を挙げられる。
アルケニル基としては、直鎖、分岐、環状の置換若しくは無置換のアルケニル基が挙げられ、シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を包含する。詳細には、アルケニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基等が挙げられ、シクロアルケニル基としては、好ましくは、炭素数3から30の置換若しくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3から30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基等が挙げられ、ビシクロアルケニル基としては、置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5から30の置換若しくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アリール基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリール基、例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、5又は6員の置換若しくは無置換の芳香族若しくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3から30の5又は6員の芳香族のヘテロ環基、例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等が挙げられる。
シリルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から20の置換若しくは無置換のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換のヘテロ環オキシ基、例えば、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、好ましくは、ホルミルオキシ基、炭素数2から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
カルバモイルオキシ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含み、好ましくは、アミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアニリノ基、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基、トリアジニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、t−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは、炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換又は無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基等が挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルフィニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基等が挙げられる。
アルキル又はアリールスルホニル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換又は無置換のアルキルスルホニル基、6から30の置換又は無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基等が挙げられる。
アシル基としては、好ましくは、ホルミル基、炭素数2から30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数2から30の置換若しくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数7から30の置換若しくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−t−ブチルフェノキシカルボニル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、好ましくは、炭素数2から30の置換若しくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは、炭素数1から30の置換若しくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等が挙げられる。
アリール又はヘテロ環アゾ基としては、好ましくは炭素数6から30の置換若しくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3から30の置換若しくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ等が挙げられる。
イミド基としては、好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基等が挙げられる。
ホスフィノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙げられる。
ホスフィニル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が挙げられる。
ホスフィニルオキシ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基等が挙げられる。
ホスフィニルアミノ基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基が挙げられる。
シリル基としては、好ましくは、炭素数0から30の置換若しくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基等が挙げられる。
(イオン性親水性基)
スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
スルホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基などが挙げられる。特に好ましくはスルホ基、カルボキシル基である。またカルボキシル基、ホスホノ基及びスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対カチオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれ、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が好ましく、リチウム塩又はリチウム塩を主成分とする混合塩が更に好ましく、リチウム塩が最も好ましい。
本発明のアゾ化合物が含有するイオン性親水性基の対カチオン(一価のカウンターカチオン)は主成分としてリチウムイオンを含むことが好ましい。対カチオンはすべてリチウムイオンでなくてもよいが、上記各インク組成物中のリチウムイオン濃度は、各インク組成物中の対カチオン全体に対して、50質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは75質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。
このような存在比率の条件下において、水素イオン、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど)、4級アンモニウムイオン、4級ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどを対カチオンとして含むことができる。
このような存在比率の条件下において、水素イオン、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなど)、4級アンモニウムイオン、4級ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどを対カチオンとして含むことができる。
上記着色剤の対カチオンの種類及び比率については、日本化学会編“新実験化学講座9 分析化学”(1977年 丸善)及び日本化学会編“第4版 実験化学講座15 分析”(1991年 丸善)に、分析方法や元素についての各論が記載されているので、これを参考にして分析方法を選び、分析及び定量することができる。中でもイオンクロマトグラフィー、原子吸光法、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP)などの分析法によって決定することが容易である。
対カチオンがリチウムイオンを含む本発明の着色剤を得る方法としては、いずれの方法を使用してもよい。例えば、(1)イオン交換樹脂を用いて対カチオンを別のカチオンからリチウムイオンに変換する方法、(2)リチウムイオンを含む系から酸析又は塩析する方法、(3)対カチオンがリチウムイオンである原料及び合成中間体を用いて着色剤を形成させる方法、(4)対カチオンがリチウムイオンである反応剤を用いて、各色着色剤の官能基変換によってイオン性親水性基を導入する方法、(5)着色剤中のイオン性親水性基の対カチオンが銀イオンである化合物を合成し、これをリチウムハロゲン化物溶液と反応させ析出したハロゲン化銀を除去することで対カチオンをリチウムイオンにする方法、などが挙げられる。
対カチオンがリチウムイオンを含む本発明の着色剤を得る方法としては、いずれの方法を使用してもよい。例えば、(1)イオン交換樹脂を用いて対カチオンを別のカチオンからリチウムイオンに変換する方法、(2)リチウムイオンを含む系から酸析又は塩析する方法、(3)対カチオンがリチウムイオンである原料及び合成中間体を用いて着色剤を形成させる方法、(4)対カチオンがリチウムイオンである反応剤を用いて、各色着色剤の官能基変換によってイオン性親水性基を導入する方法、(5)着色剤中のイオン性親水性基の対カチオンが銀イオンである化合物を合成し、これをリチウムハロゲン化物溶液と反応させ析出したハロゲン化銀を除去することで対カチオンをリチウムイオンにする方法、などが挙げられる。
各色着色剤中のイオン性親水性基としては、イオン性解離基である限りいかなるものであってもよい。好ましいイオン性親水性基としては、スルホ基(塩でもよい)、カルボキシル基(塩でもよい)、水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよい)及び4級アンモニウム基、アシルスルファモイル基(塩でもよい)、スルホニルカルバモイル基(塩でもよい)、スルホニルスルファモイル基(塩でもよい)等が含まれる。
好ましくはスルホ基、カルボキシル基、又は水酸基(それらの塩を含む)である。イオン性親水性基が塩の場合、好ましいカウンターカチオンはリチウム又はリチウムを主成分とするアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム、及び有機のカチオン(例えばピリジニウム、テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム)混合塩を挙げることができ、その中でもリチウム又はリチウムを主成分とするアルカリ金属混合塩が好ましく、特にスルホ基のリチウム塩、カルボキシ基のリチウム塩が、水酸基のリチウム塩が好ましい。
好ましくはスルホ基、カルボキシル基、又は水酸基(それらの塩を含む)である。イオン性親水性基が塩の場合、好ましいカウンターカチオンはリチウム又はリチウムを主成分とするアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム、及び有機のカチオン(例えばピリジニウム、テトラメチルアンモニウム、グアニジニウム)混合塩を挙げることができ、その中でもリチウム又はリチウムを主成分とするアルカリ金属混合塩が好ましく、特にスルホ基のリチウム塩、カルボキシ基のリチウム塩が、水酸基のリチウム塩が好ましい。
(ハメットの置換基定数σp値)
本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明にかかる化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明にかかる化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
なお、本発明においては、化合物が塩である場合は、水溶液及びインク組成物中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。
〔一般式(1)で表されるアゾ色素〕
一般式(1)で表されるアゾ色素について説明する。
一般式(1)で表されるアゾ色素について説明する。
[一般式(1)中、R1b、R1c、R1d、及びR1eはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、置換基同士で結合して環を形成してもよい。Y1は窒素原子、又は水素原子若しくは置換基を有する炭素原子を表す。A1は置換基を有してもよい芳香族基を表す。A1が表す芳香族基はヘテロ原子を含有していてもよい。Q1は2価の連結基を表す。]
一般式(1)中、R1b、R1c、R1d、及びR1eはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、置換基同士で結合して環を形成してもよい。
R1b、R1c、R1d、及びR1eが置換基を表す場合の置換基としては、前記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、イオン性親水性基、アリール基が好ましい。また、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
R1b、R1c、R1d、及びR1eは置換基同士で結合して環を形成してもよい。置換基同士で結合して環を形成しても良い。形成される環としては特に限定されないが、芳香族環であることが好ましく、ベンゼン環であることが好ましい。
R1b、R1c、R1d、及びR1eが置換基を表す場合の置換基としては、前記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、シアノ基、イオン性親水性基、アリール基が好ましい。また、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
R1b、R1c、R1d、及びR1eは置換基同士で結合して環を形成してもよい。置換基同士で結合して環を形成しても良い。形成される環としては特に限定されないが、芳香族環であることが好ましく、ベンゼン環であることが好ましい。
光堅牢性の観点から、R1bは水素原子、アリール基、又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることが更に好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
オゾン堅牢性の観点から、R1cはカルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、シアノ基であることが好ましく、シアノ基であることがより好ましい。
R1d及びR1eは、各々独立に、置換若しくは無置換のアルキル基、又は、置換若しくは無置換のアリール基であることが好ましく、置換若しくは無置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6〜15のアリール基であることがより好ましく、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基であることが更に好ましく、置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基であることが特に好ましい。該アルキル基、アリール基が有してもよい置換基としては、イオン性親水性基、ハロゲン原子、アルキル基、又はアルコキシ基が好ましく、イオン性親水性基がより好ましい。
R1d及びR1eは、各々独立に、イオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又は、イオン性親水性基を置換基として有するナフチル基であることが特に好ましい。
R1d及びR1eは同じでも異なっていてもよい。
R1d及びR1eは、各々独立に、イオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又は、イオン性親水性基を置換基として有するナフチル基であることが特に好ましい。
R1d及びR1eは同じでも異なっていてもよい。
吸収波長が長波化して、色調に優れる黒色インクが得られるという観点からは、R1d及びR1eがフェニル基であり、該フェニル基が結合する窒素原子に対してパラ位にハロゲン原子、アルキル基、又はアルコキシ基が置換していることが好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数1〜10のアルコキシ基が置換していることがより好ましく、塩素原子、メチル基、又はメトキシ基が置換していることが更に好ましい。
色調の観点からは、R1d及びR1eがフェニル基であり、該フェニル基が結合する窒素原子に対してメタ位にスルホ基が置換していることが好ましい。該スルホ基は、−SO3Mで表され、Mは水素原子又は1価のカウンターカチオンを表す。上記1価のカウンターカチオンとしては、例えばアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)及び有機カチオン(例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が挙げられる。
ブロンズ抑制の観点から、Mは1価のカウンターカチオンを表すことが好ましく、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを表すことがより好ましく、アルカリ金属イオンを表すことが更に好ましく、リチウムイオン、カリウムイオン又はナトリウムイオンを表すことが特に好ましい。
ブロンズ抑制の観点から、Mは1価のカウンターカチオンを表すことが好ましく、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンを表すことがより好ましく、アルカリ金属イオンを表すことが更に好ましく、リチウムイオン、カリウムイオン又はナトリウムイオンを表すことが特に好ましい。
本発明においては、一般式(1)で表される化合物は塩の形態であってもよい。
一般式(1)で表されるアゾ化合物が混合塩である場合、水に対する溶解性、水溶液の粘度、表面張力、高濃度水溶液の貯蔵安定性の観点から、リチウム塩とナトリウム塩の混合塩であることが好ましく、複数のMの一部がリチウムイオンを表し残りのMがナトリウムイオンを表す態様であっても、一般式(1)中の全てのMがリチウムイオンを表す化合物と、一般式(1)中の全てのMがナトリウムイオンを表す化合物とを混合した態様であってもよい。
該混合塩のカチオンの比は、イオンクロマト分析により測定することができる。
一般式(1)で表されるアゾ化合物が混合塩である場合、水に対する溶解性、水溶液の粘度、表面張力、高濃度水溶液の貯蔵安定性の観点から、リチウム塩とナトリウム塩の混合塩であることが好ましく、複数のMの一部がリチウムイオンを表し残りのMがナトリウムイオンを表す態様であっても、一般式(1)中の全てのMがリチウムイオンを表す化合物と、一般式(1)中の全てのMがナトリウムイオンを表す化合物とを混合した態様であってもよい。
該混合塩のカチオンの比は、イオンクロマト分析により測定することができる。
一般式(1)におけるY1は窒素原子又は、水素原子若しくは置換基を有する炭素原子を表す。上記水素原子若しくは置換基を有する炭素原子は、−C(R)=を表すことが好ましい。Rは、水素原子、スルホ基、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又はシアノ基を表し、カルバモイル基が置換基を有する場合の置換基としてはアルキル基(好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜8のアリール基であり、より好ましくはフェニル基)を挙げることができる。R1は、カルボキシ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、シアノ基が好ましく、シアノ基がより好ましい。
オゾン堅牢性の観点から、Y1は窒素原子、又は、置換基としてシアノ基を有する炭素原子を表すことが好ましく、置換基としてシアノ基を有する炭素原子を表すことが最も好ましい。
オゾン堅牢性の観点から、Y1は窒素原子、又は、置換基としてシアノ基を有する炭素原子を表すことが好ましく、置換基としてシアノ基を有する炭素原子を表すことが最も好ましい。
一般式(1)におけるA1は芳香族基を表す。A1が表す芳香族基はヘテロ原子を含有していても良く、置換基を有していても良い。A1は炭素数6〜12の芳香族基を表すことが好ましく、炭素数6〜8の芳香族基を表すことがより好ましい。上記ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、又は酸素原子が好ましく、窒素原子又は硫黄原子がより好ましい。A1は置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のナフチル基、又は置換若しくは無置換の含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基を表すことが更に好ましい。上記含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基は更に縮環構造を有していてもよい。
A1が含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基を表す場合、含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基としては、5員の、芳香族若しくは非芳香族のへテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が好ましく、炭素数2〜4の5員の芳香族へテロ環基がより好ましい。前記含窒素5員ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環が挙げられ、チアゾール環が好ましい。含窒素6員ヘテロ環基としては、置換位置を限定しないで表すと、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環が挙げられ、ピリジン環が好ましい。
含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基は更に縮環構造を有していてもよく、好ましくはベンゼン環が縮環していてもよい。縮環構造を有する場合のA1としては、ベンゾチアゾール環が好ましい。
含窒素5員若しくは6員のヘテロ環基は更に縮環構造を有していてもよく、好ましくはベンゼン環が縮環していてもよい。縮環構造を有する場合のA1としては、ベンゾチアゾール環が好ましい。
A1が有しても良い置換基としては、上記置換基群Jから選ばれる置換基が挙げられ、イオン性親水性基又はハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基が好ましく、ハロゲン原子(好ましくは塩素原子)、ニトロ基、−SO3M又は−CO2M(Mは水素原子又は一価のカウンターカチオンを表し、具体例及び好ましい範囲は前記したものと同じ)がより好ましく、−SO3Li又は−CO2Liが更に好ましい。
上記ハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.3以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ニトロ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基であり、より好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、ニトロ基である。σp値がこの範囲の電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。ハメットの置換基定数σp値の上限としては1.0以下の電子求引性基であることが好ましい。
A1は置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基であることが特に好ましく、イオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又はイオン性親水性基を置換基として有するナフチル基であることが最も好ましい。
上記ハメットのσp値が0.3以上の電子求引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.3以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ニトロ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、メトキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基であり、より好ましくはシアノ基、メチルスルホニル基、ニトロ基である。σp値がこの範囲の電子求引性基であれば、アゾ化合物の色相調整と光堅牢性及びオゾンガス堅牢性向上が可能であり、インクジェット記録黒インク用水溶性染料として使用する点で効果を得ることができる。ハメットの置換基定数σp値の上限としては1.0以下の電子求引性基であることが好ましい。
A1は置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基であることが特に好ましく、イオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又はイオン性親水性基を置換基として有するナフチル基であることが最も好ましい。
A1の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。下記具体例において*はA1と結合する窒素原子との結合位置を表す。
一般式(1)中、Q1は2価の連結基を表す。
Q1は、−NH−、−CO−、アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基であることが好ましい。上記アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基は置換基を有してもよい。
Q1は、−NH−、−CO−、アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基であることが好ましい。上記アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基は置換基を有してもよい。
Q1としては下記一般式(a)〜(h)のいずれかで表される2価の連結基が好ましく、一般式(a)又は(b)で表される2価の連結基が更に好ましく、一般式(b)で表される2価の連結基が特に好ましい。
上記一般式(a)〜(h)において、Q2は2価の連結基を表す。*はQ1と結合する炭素原子との結合位置を表す。
Q2は、−NH−、−CO−、アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基であることが好ましい。上記アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基は置換基を有してもよい。Q2は下記一般式(i)〜(iii)のいずれかで表される2価の連結基であることがより好ましい。
Q2は、−NH−、−CO−、アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基であることが好ましい。上記アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基は置換基を有してもよい。Q2は下記一般式(i)〜(iii)のいずれかで表される2価の連結基であることがより好ましい。
上記一般式(i)〜(iii)中、Q3はアルキレン基、アリーレン基、又は2価の芳香族へテロ環基を表し、該アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基は置換基を有してもよい。*はQ2と結合する炭素原子との結合位置を表す。
Q3がアルキレン基を表す場合、炭素数1〜12のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基であることが更に好ましい。アルキレン基は鎖状でも環状でもよい。アルキレン基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基がより好ましい。
Q3がアリーレン基を表す場合、炭素数6〜14のアリーレン基であることが好ましく、炭素数6〜10のアリーレン基であることがより好ましく、炭素数6〜8のアリーレン基であることが更に好ましい。アリーレン基としては、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましく、1,3−フェニレン基又は1,4−フェニレン基が更に好ましく、1,4−フェニレン基が特に好ましい。
Q3が2価の芳香族へテロ環基を表す場合、該芳香族へテロ環としては、含窒素芳香族環が好ましく、6員の含窒素芳香族環がより好ましく、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環が好ましく、トリアジン環がより好ましい。
Q3が表すアルキレン基、アリーレン基、又は2価の芳香族へテロ環基は置換基を有してもよく、該置換基としては前記置換基群A’から選ばれる置換基が挙げられ、ヒドロキシル基又はその塩が好ましい。
一般式(1)で表される化合物は、溶解性の観点から6個以上のイオン性親水性基を有することが好ましく、8個以上のイオン性親水性基を有することがより好ましく、10個以上のイオン性親水性基を有することが更に好ましい。イオン性親水性基の具体例及び好ましい範囲は前述のとおりであるが、スルホ基が最も好ましい。
6個以上のイオン性親水性基を有することにより本発明のアゾ色素の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できる点という効果を奏する。
6個以上のイオン性親水性基を有することにより本発明のアゾ色素の水溶性、水溶液貯蔵安定性が向上し、インクジェット記録黒インク用水溶性染料としての要求性能を高いレベルで満足し更にインクジェット記録用インクとして使用した際のインクジェット印画物の画質を更に向上できる点という効果を奏する。
一般式(1)で表される化合物は、水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)が550nm以上700nm以下であることが好ましく、更に580nm〜650nmであることが特に好ましい。
また、本発明では、一般式(1)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
また、本発明では、一般式(1)で表される化合物中に同位元素(例えば、2H、3H、13C、15N)を含有していても適用できる。
以下に前記一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔合成方法〕
前記一般式(1)で表されるアゾ化合物は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号公報、及び特開2005−139427号公報に記載がある。
前記一般式(1)で表されるアゾ化合物は、ジアゾ成分とカプラーとのカップリング反応によって合成することができるが、それらについては、特開2003−306623号公報、及び特開2005−139427号公報に記載がある。
〔水溶液〕
本発明は、一般式(1)で表される色素を含有する水溶液にも関する。
一般式(1)で表される色素を含有する水溶液は、色素が水溶性である場合には、水性媒体に溶解して調製し、色素が油溶性である場合には、親油性媒体及び/又は水性媒体に溶解及び/又は分散させて調製することが好ましい。水性媒体とは、水を主体に含む溶媒であり、所望により水混和性有機溶剤等の有機溶媒が含まれる。この有機溶媒は、粘度低下剤としての機能を有していてもよい。親油性媒体とは、有機溶媒を主体とするものである。
上記水溶液において、主たる溶媒は水であり、好ましくは全溶媒中の水の含有量が50質量%〜100質量%であり、より好ましくは全溶媒中の水の含有量が60質量%〜100質量%である。また、上記水溶液は、水以外に、水混和性有機溶剤、及び親油性媒体を含んでいてもよい。
本発明は、一般式(1)で表される色素を含有する水溶液にも関する。
一般式(1)で表される色素を含有する水溶液は、色素が水溶性である場合には、水性媒体に溶解して調製し、色素が油溶性である場合には、親油性媒体及び/又は水性媒体に溶解及び/又は分散させて調製することが好ましい。水性媒体とは、水を主体に含む溶媒であり、所望により水混和性有機溶剤等の有機溶媒が含まれる。この有機溶媒は、粘度低下剤としての機能を有していてもよい。親油性媒体とは、有機溶媒を主体とするものである。
上記水溶液において、主たる溶媒は水であり、好ましくは全溶媒中の水の含有量が50質量%〜100質量%であり、より好ましくは全溶媒中の水の含有量が60質量%〜100質量%である。また、上記水溶液は、水以外に、水混和性有機溶剤、及び親油性媒体を含んでいてもよい。
上記水溶液においては、一般式(1)で表される色素は、溶媒中に溶解又は分散しており、好ましくは溶解している。水溶液において、一般式(1)で表される色素の含有量は、水溶液の全質量に対して、好ましくは1質量%〜25質量%であり、より好ましくは2質量%〜20質量%であリ、更に好ましくは2質量%〜15質量%である。含有量を上記の範囲とすることで水溶液の貯蔵安定性が良好でありかつインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
上記水溶液は25℃でのpHが7.0〜9.0であることが好ましく、7.5〜8.5であることがより好ましい。pHを上記の範囲とすることで水溶液中のアゾ化合物の高い溶液安定性を付与できることとインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
上記水溶液を「インク原液」と称する場合がある。
上記水溶液の用途は、特に制限はないが、インクジェット用に用いることが好ましい。
上記水溶液は25℃でのpHが7.0〜9.0であることが好ましく、7.5〜8.5であることがより好ましい。pHを上記の範囲とすることで水溶液中のアゾ化合物の高い溶液安定性を付与できることとインクジェット用水溶性インクの調液が容易という効果がある。
上記水溶液を「インク原液」と称する場合がある。
上記水溶液の用途は、特に制限はないが、インクジェット用に用いることが好ましい。
〔防腐剤〕
上記水溶液は、腐敗による不溶解物の生成が問題となることがある。これを防止するために、水溶液には防腐剤を添加することができる。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル(PROXEL)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール・イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール・チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
防腐剤としてはフェノール誘導体、ヘテロ環化合物が好ましく、ヘテロ環化合物がより好ましく、ヘテロ環化合物(プロキセルXL−II:フジフイルムイメージングカララント社製)が更に好ましい。
防腐剤は単独で添加することも、2種以上を組み合わせ水溶液に添加することもできる。これらの防腐剤は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の防腐剤である。
中でも、少なくとも1種の防腐剤が、ヘテロ環化合物であることが好ましい。本発明では、防腐剤を2種以上併用して使用すると、本発明の効果が更に良好に発揮される。例えば、ヘテロ環化合物と抗生物質の組み合わせ、ヘテロ環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ等が好ましく挙げられる。2種の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、防腐剤A/防腐剤B=0.01〜100(質量比)の範囲が好ましい。
水溶液への防腐剤の添加量は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは、0.001〜10質量%、より好ましくは、0.1〜5質量%である。防腐剤の含有量を上記の範囲とすることで水溶液中の菌の増殖を抑制するという効果がある。
上記水溶液は、腐敗による不溶解物の生成が問題となることがある。これを防止するために、水溶液には防腐剤を添加することができる。
本発明に使用可能な防腐剤としては、種々のものが使用可能である。
防腐剤としては、重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤(銀イオン含有物など)や塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル(PROXEL)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール・イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、チアゾール・チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、及びその塩など種々のものが使用可能である。また、防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用し得る。
防腐剤としてはフェノール誘導体、ヘテロ環化合物が好ましく、ヘテロ環化合物がより好ましく、ヘテロ環化合物(プロキセルXL−II:フジフイルムイメージングカララント社製)が更に好ましい。
防腐剤は単独で添加することも、2種以上を組み合わせ水溶液に添加することもできる。これらの防腐剤は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の防腐剤である。
中でも、少なくとも1種の防腐剤が、ヘテロ環化合物であることが好ましい。本発明では、防腐剤を2種以上併用して使用すると、本発明の効果が更に良好に発揮される。例えば、ヘテロ環化合物と抗生物質の組み合わせ、ヘテロ環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ等が好ましく挙げられる。2種の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、防腐剤A/防腐剤B=0.01〜100(質量比)の範囲が好ましい。
水溶液への防腐剤の添加量は広い範囲で使用可能であるが、好ましくは、0.001〜10質量%、より好ましくは、0.1〜5質量%である。防腐剤の含有量を上記の範囲とすることで水溶液中の菌の増殖を抑制するという効果がある。
本発明の水溶液は、更に、pH調整剤を含有することができる。
また、上記水溶液には、一般式(1)で表される色素とともに他の着色剤を併用して、より好ましい色相に調整してもよい。併用する染料としては、任意の染料が用いられ得る。
〔着色組成物〕
本発明の着色組成物は、上記一般式(1)で表される色素を含有する。
本発明の着色組成物は、上記一般式(1)で表される色素を含有する。
一般式(1)で表される色素の着色組成物中での含有量は、0.2〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、1.0〜8.0質量%が特に好ましい。
本発明の着色組成物は、全染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜10質量%含有し、特に好ましくは1.0〜8.0質量%含有する。
本発明の着色組成物は、全染料を好ましくは、0.2〜20質量%含有し、より好ましくは、0.5〜10質量%含有し、特に好ましくは1.0〜8.0質量%含有する。
本発明の着色組成物はpH調整剤により、25℃での着色組成物のpHが7.0〜10.0に調整されていることが好ましく、pHが7.5〜9.5に調整されていることがより好ましい。pHが7.0以上である場合は染料の溶解性が向上してノズルの詰まりを防止できる。また、pHが10.5以下であればインクの長期貯蔵安定性に優れる傾向がある。
着色組成物に用いられるpH調整剤としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましく、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
本発明の着色組成物の用途は、特に制限されるべきものではなく、インクジェットなどの印刷用のインク組成物、感熱記録材料におけるインクシート、電子写真用のカラートナー、LCD、PDPなどのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター、各種繊維の染色のための染色液などの調製に好ましく用いることができるが、特にインクジェット記録用インク組成物が好ましい。
着色組成物の製造方法は、上記水溶液を用いることができる。
着色組成物は、ブラックインクが好適であるが、ブラックインクに制限されるべきものではなく、他の染料あるいは顔料との混合により任意の色のインクを包含することができる。
着色組成物の製造方法は、少なくとも水溶液を用いて上記粘度範囲の所望のインク組成物を作製する工程(以下、調液工程ともいう)を含む。
調液工程とは、上記のようにして得られた水溶液を特定の粘度を有し、かつ所望の用途のインク組成物に調液する工程であり、最終製品であってもよいし、中間製品であってもよい。この調液工程には水溶液を媒体、好ましくは水性媒体で希釈する工程が少なくとも含まれる。油溶性染料を含む水溶液は、この希釈工程で使用する媒体に特に制限はないが、水性媒体中に乳化分散され、水性インク組成物として調製されることが好ましい。当該媒体には、必要な濃度の各種成分が含まれていてもよいし、当該成分を別途水溶液に添加するようにしてもよいし、それら両者を組みあわせてもよい。
本発明により製造された着色組成物は、染料濃度が高濃度な水溶液を用いて製造されたために通常の方法で製造された着色組成物よりも染料の溶解性が向上し、ひいては吐出安定性が向上する。
着色組成物に用いられるpH調整剤としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが好ましく、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
本発明の着色組成物の用途は、特に制限されるべきものではなく、インクジェットなどの印刷用のインク組成物、感熱記録材料におけるインクシート、電子写真用のカラートナー、LCD、PDPなどのディスプレイやCCDなどの撮像素子で用いられるカラーフィルター、各種繊維の染色のための染色液などの調製に好ましく用いることができるが、特にインクジェット記録用インク組成物が好ましい。
着色組成物の製造方法は、上記水溶液を用いることができる。
着色組成物は、ブラックインクが好適であるが、ブラックインクに制限されるべきものではなく、他の染料あるいは顔料との混合により任意の色のインクを包含することができる。
着色組成物の製造方法は、少なくとも水溶液を用いて上記粘度範囲の所望のインク組成物を作製する工程(以下、調液工程ともいう)を含む。
調液工程とは、上記のようにして得られた水溶液を特定の粘度を有し、かつ所望の用途のインク組成物に調液する工程であり、最終製品であってもよいし、中間製品であってもよい。この調液工程には水溶液を媒体、好ましくは水性媒体で希釈する工程が少なくとも含まれる。油溶性染料を含む水溶液は、この希釈工程で使用する媒体に特に制限はないが、水性媒体中に乳化分散され、水性インク組成物として調製されることが好ましい。当該媒体には、必要な濃度の各種成分が含まれていてもよいし、当該成分を別途水溶液に添加するようにしてもよいし、それら両者を組みあわせてもよい。
本発明により製造された着色組成物は、染料濃度が高濃度な水溶液を用いて製造されたために通常の方法で製造された着色組成物よりも染料の溶解性が向上し、ひいては吐出安定性が向上する。
水溶液を作製する際には、濾過により固形分であるゴミを除く工程(濾過工程)を加えることが好ましい。この作業には濾過フィルターを使用するが、このときの濾過フィルターとは、有効径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下のフィルターを用いる。フィルターの材質としては種々のものが使用できるが、特に水溶性染料の水溶液の場合には、水系の溶媒用に作製されたフィルターを用いるのが好ましい。中でも特にゴミの出にくい、ポリマー材料で作製されたジャケット型のフィルターを用いるのが好ましい。濾過法としては送液によりジャケットを通過させてもよいし、加圧濾過、減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
本発明では、粘度低下剤を用いていてもよく、上記濾過処理を抵抗なく行うことができる。
本発明では、粘度低下剤を用いていてもよく、上記濾過処理を抵抗なく行うことができる。
水溶液を作製する工程や調液工程において、染料やその他の成分を溶解する方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
次に、本発明の水溶液及び着色組成物に用いられる染料について説明する。この染料としては、特に制限はないが、λmaxが500nmから700nmにあり、かつ吸光度1.0に規格化した希薄溶液の吸収スペクトルにおける半値幅(Wλ,1/2)が100nm以上、好ましくは120nm以上500nm以下、更に好ましくは120nm以上350nm以下である一般式(1)で表されるアゾ化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
この一般式(1)で表される色素単独で、画像品質の高い「(しまりのよい)黒」=観察光源によらず、かつB,G,Rのいずれかの色調が強調されにくい黒を実現できる場合は、この染料を単独で水溶液又はインク組成物の原料として使用することも可能であるが、通常、インク組成物としてはこの染料の吸収が低い領域をカバーする染料と併用するのが一般的である。通常、一般式(1)で表されるアゾ化合物を用いるインク組成物の場合は、イエロー領域に主吸収(λmaxが350nmから500nm)を有する他の染料と併用するのが好ましい。また、更に他の染料と併用してインク組成物を作製することも可能である。
他の染料は、水溶液に用いることができるが、好ましくはインク組成物の調製のときに混合して用いることが保存安定性の観点から好ましい。
他の染料は、水溶液に用いることができるが、好ましくはインク組成物の調製のときに混合して用いることが保存安定性の観点から好ましい。
本発明の着色組成物は、必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有しうる。その他の添加剤としては、後述のインクジェット記録用インクに使用しうる添加剤が挙げられる。
[インクジェット記録用インク]
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インクは、本発明の着色組成物を含有する。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記一般式(1)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いたインクである。
必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
次に本発明のインクジェット記録用インクについて説明する。
本発明のインクジェット記録用インクは、本発明の着色組成物を含有する。
インクジェット記録用インクは、親油性媒体や水性媒体中に前記一般式(1)で表される化合物を溶解及び/又は分散させることによって作製することができる。好ましくは、水性媒体を用いたインクである。
必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有することができる。その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、水溶性インクの場合にはインク液に直接添加する。油溶性染料を分散物の形で用いる場合には、染料分散物の調製後分散物に添加するのが一般的であるが、調製時に油相又は水相に添加してもよい。
本発明のインクジェット記録用インク100質量部中、前記一般式(1)で表される色素を0.2質量部以上10質量部以下含有するのが好ましく、1質量部以上6質量部以下含有するのがより好ましい。また、本発明のインクジェット記録用インクには、前記一般式(1)で表される色素とともに、他の色素を併用してもよい。2種類以上の色素を併用する場合は、色素の含有量の合計が前記範囲となっているのが好ましい。
本発明のインクジェット記録用インクは、粘度が30mPa・s以下であるのが好ましい。また、その表面張力は25mN/m以上70mN/m以下であるのが好ましい。粘度及び表面張力は、種々の添加剤、例えば、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、防黴剤、防錆剤、分散剤及び界面活性剤を添加することによって、調整できる。
本発明のインクジェット記録用インクは、単色の画像形成のみならず、フルカラーの画像形成に用いることができる。フルカラー画像を形成するために、マゼンタ色調インク、シアン色調インク、及びイエロー色調インクを用いることができ、また、色調を整えるために、更にブラック色調インクを用いてもよい。
本発明のインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピングなどの記録方法に使用でき、特にインクジェット記録方法における使用に適する。
[インクジェット記録方法]
本発明は、本発明の着色組成物又はインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
本発明は、本発明の着色組成物又はインクジェット記録用インクを用いて、画像形成するインクジェット記録方法にも関する。
[インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物]
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、本発明のインクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
本発明のインクジェット記録用インクカートリッジは、上記した本発明のインクジェット記録用インクを充填したものである。また、本発明のインクジェット記録物は、上記した本発明のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したものである。
以下に、本発明のインクを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
記録紙及び記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/m2が望ましい。
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バックコート層を含む)には、ポリマーラテックスを添加してもよい。ポリマーラテックスは、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマーラテックスについては、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマーラテックスを媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマーラテックスをバックコート層に添加しても、カールを防止することができる。
本発明のインクは、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して、放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式等に用いられる。インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」及び「部」は、「質量%」及び「質量部」を表し、分子量とは質量平均分子量のことを示す。
<色素の合成>
(例示化合物1の合成)
合成スキームを下記に示す。
(例示化合物1の合成)
合成スキームを下記に示す。
<中間体aの合成>
三つ口フラスコに、4−アミノアセトフェノン135g(1モル)、マロノニトリル79g(1.2モル)、酢酸アンモニウム77g(1モル) 、酢酸100gとトルエン350mLを添加し、内温100℃まで昇温した。2時間攪拌後、内温を25℃まで冷却し、メタノール350mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をメタノール70mLで2回洗浄後、50℃で乾燥し中間体a138gを得た。
三つ口フラスコに、4−アミノアセトフェノン135g(1モル)、マロノニトリル79g(1.2モル)、酢酸アンモニウム77g(1モル) 、酢酸100gとトルエン350mLを添加し、内温100℃まで昇温した。2時間攪拌後、内温を25℃まで冷却し、メタノール350mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をメタノール70mLで2回洗浄後、50℃で乾燥し中間体a138gを得た。
<中間体bの合成>
三つ口フラスコに、中間体a83g(0.5モル)、硫黄14gとエタノール450mLを添加した。この懸濁液へ炭酸水素ナトリウム3gを添加し、内温60℃まで昇温した。3時間攪拌後、内温15℃まで冷却し、12N塩酸45mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をIPA(イソプロピルアルコール)100mLで洗浄後、50℃で乾燥し中間体b80gを得た。
三つ口フラスコに、中間体a83g(0.5モル)、硫黄14gとエタノール450mLを添加した。この懸濁液へ炭酸水素ナトリウム3gを添加し、内温60℃まで昇温した。3時間攪拌後、内温15℃まで冷却し、12N塩酸45mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をIPA(イソプロピルアルコール)100mLで洗浄後、50℃で乾燥し中間体b80gを得た。
<中間体cの合成>
三つ口フラスコに、中間体b54g(0.25モル)、ピリジン20g(0.25モル)とアセトニトリル500mLを添加した。この懸濁液へクロロギ酸フェニル39g(0.25モル)を滴下し、3時間攪拌した。攪拌後、IPA1500mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をIPA200mLで2回洗浄後、50℃で乾燥し中間体c61gを得た。
三つ口フラスコに、中間体b54g(0.25モル)、ピリジン20g(0.25モル)とアセトニトリル500mLを添加した。この懸濁液へクロロギ酸フェニル39g(0.25モル)を滴下し、3時間攪拌した。攪拌後、IPA1500mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をIPA200mLで2回洗浄後、50℃で乾燥し中間体c61gを得た。
<中間体dの合成>
2,6−ジクロロ−3−シアノ−4−メチルピリジン56g(0.3モル)、4−クロロアニリン−3−スルホン酸121g(0.7モル)、炭酸ナトリウム64g(0.6モル)をNMP(N−メチルピロリドン)150mLに分散させ、200℃で8時間攪拌した。60℃まで冷却後、メタノール600mLを滴下した後、結晶を濾別し、メタノールで洗浄した。50℃で乾燥して、中間体dを120g得た。
2,6−ジクロロ−3−シアノ−4−メチルピリジン56g(0.3モル)、4−クロロアニリン−3−スルホン酸121g(0.7モル)、炭酸ナトリウム64g(0.6モル)をNMP(N−メチルピロリドン)150mLに分散させ、200℃で8時間攪拌した。60℃まで冷却後、メタノール600mLを滴下した後、結晶を濾別し、メタノールで洗浄した。50℃で乾燥して、中間体dを120g得た。
<中間体eの合成>
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸51g(0.25モル)を水200mLに懸濁させ、12N塩酸63mLを室温で滴下した。氷浴で内温4℃まで冷却後、内温5℃以下で亜硝酸ナトリウム9g(0.26モル)の水溶液50mLを滴下し、30分間攪拌した。その後、アミド硫酸2.5gを添加し、引き続き内温5℃で10分撹拌しジアゾニウム溶液を得た。別途、中間体c42g(0.25モル)にメタノール500mL、12N塩酸13mLを加え、先のジアゾニウム溶液を室温で20分かけて滴下した。2時間撹拌した後、水500mLを滴下した後に、結晶を濾別し、アセトン1000mLで洗浄した。50℃で乾燥して、中間体eを64g得た。
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸51g(0.25モル)を水200mLに懸濁させ、12N塩酸63mLを室温で滴下した。氷浴で内温4℃まで冷却後、内温5℃以下で亜硝酸ナトリウム9g(0.26モル)の水溶液50mLを滴下し、30分間攪拌した。その後、アミド硫酸2.5gを添加し、引き続き内温5℃で10分撹拌しジアゾニウム溶液を得た。別途、中間体c42g(0.25モル)にメタノール500mL、12N塩酸13mLを加え、先のジアゾニウム溶液を室温で20分かけて滴下した。2時間撹拌した後、水500mLを滴下した後に、結晶を濾別し、アセトン1000mLで洗浄した。50℃で乾燥して、中間体eを64g得た。
<中間体fの合成>
中間体e37g(0.05モル)、中間体d29g(0.05モル)、12N塩酸50mL及び水1500mLの懸濁液に室温で亜硝酸ナトリウム3.5g(0.05モル)の水溶液40mLを滴下した。内温25℃で1時間攪拌後、アミド硫酸0.5gを添加した。IPA4500mLを滴下した後に、結晶を濾別し、IPA250mLで洗浄した。50℃で乾燥して、中間体fを55g得た。
中間体e37g(0.05モル)、中間体d29g(0.05モル)、12N塩酸50mL及び水1500mLの懸濁液に室温で亜硝酸ナトリウム3.5g(0.05モル)の水溶液40mLを滴下した。内温25℃で1時間攪拌後、アミド硫酸0.5gを添加した。IPA4500mLを滴下した後に、結晶を濾別し、IPA250mLで洗浄した。50℃で乾燥して、中間体fを55g得た。
<中間体gの合成>
三つ口フラスコに、中間体f40g(0.03モル)、炭酸リチウム1.18g(0.02モル)と水430mLを添加し、内温70℃まで昇温した。8時間攪拌後、内温を25℃まで冷却し、IPA1700mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をIPA100mLで2回洗浄後、50℃で乾燥し中間体g33gを得た。
三つ口フラスコに、中間体f40g(0.03モル)、炭酸リチウム1.18g(0.02モル)と水430mLを添加し、内温70℃まで昇温した。8時間攪拌後、内温を25℃まで冷却し、IPA1700mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をIPA100mLで2回洗浄後、50℃で乾燥し中間体g33gを得た。
<例示化合物1の合成>
三つ口フラスコに、中間体g27g(0.02モル)、NMP540mLを添加し、氷浴で内温4℃まで冷却後、アジポイルクロリド1.8g(0.01モル)を添加した。2時間攪拌後、酢酸エチル1000mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶を酢酸エチル100mLで2回洗浄後、水100mLを加え、pH8.3となるまで4M水酸化リチウム水溶液を滴下した。続いてイソプロピルアルコール400mLを滴下し、結晶を濾別後、イソプロピルアルコールで洗浄した。得られた結晶を水に溶解し、リチウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物1の黒色結晶10gを得た。
Mass:2407([M+1]、100%)
三つ口フラスコに、中間体g27g(0.02モル)、NMP540mLを添加し、氷浴で内温4℃まで冷却後、アジポイルクロリド1.8g(0.01モル)を添加した。2時間攪拌後、酢酸エチル1000mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶を酢酸エチル100mLで2回洗浄後、水100mLを加え、pH8.3となるまで4M水酸化リチウム水溶液を滴下した。続いてイソプロピルアルコール400mLを滴下し、結晶を濾別後、イソプロピルアルコールで洗浄した。得られた結晶を水に溶解し、リチウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物1の黒色結晶10gを得た。
Mass:2407([M+1]、100%)
(例示化合物2の合成)
アジポイルクロリドの代わりにテレフタロイルクロリドを用いたこと以外は、例示化合物1の合成法と同様にして、例示化合物2の黒色結晶4gを得た。
Mass:2427([M+1]、100%)
Mass:2427([M+1]、100%)
(例示化合物3の合成)
合成スキームを下記に示す。
合成スキームを下記に示す。
三つ口フラスコに、中間体f13g(0.01モル)、1,2−ジアミノエタン0.6g(0.008モル)、炭酸リチウム1.5g(0.02モル)と水250mLを添加し、15時間攪拌後、pH8.3となるまで4M水酸化リチウム水溶液を滴下した。続いてIPA300mLを加え、析出した結晶を濾別した。単離結晶を水100mLに加え、そこへIPA300mLを滴下した。5分撹拌した後に、結晶を濾別し、IPAで洗浄した。得られた結晶を水に溶解し、リチウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物3の黒色結晶5gを得た。
Mass:2409([M+1]、100%)
Mass:2409([M+1]、100%)
(例示化合物5の合成)
合成スキームを下記に示す。
合成スキームを下記に示す。
<中間体hの合成>
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸43g(0.11モル)を水200mLに懸濁させ、12N塩酸50mLを室温で滴下した。氷浴で内温4℃まで冷却後、内温5℃以下で亜硝酸ナトリウム7.6g(0.11モル)の水溶液50mLを滴下し、1時間攪拌した。その後、アミド硫酸2.5gを添加し、引き続き内温5℃で10分撹拌しジアゾニウム溶液を得た。別途、中間体b22g(0.1モル)に水400mL、12N塩酸10mLを加え、先のジアゾニウム溶液を室温で20分かけて滴下した。2時間撹拌した後、IPA2000mLを滴下した後に、結晶を濾別し、IPA100mLで洗浄した。50℃で乾燥して、中間体hを57g得た。
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸43g(0.11モル)を水200mLに懸濁させ、12N塩酸50mLを室温で滴下した。氷浴で内温4℃まで冷却後、内温5℃以下で亜硝酸ナトリウム7.6g(0.11モル)の水溶液50mLを滴下し、1時間攪拌した。その後、アミド硫酸2.5gを添加し、引き続き内温5℃で10分撹拌しジアゾニウム溶液を得た。別途、中間体b22g(0.1モル)に水400mL、12N塩酸10mLを加え、先のジアゾニウム溶液を室温で20分かけて滴下した。2時間撹拌した後、IPA2000mLを滴下した後に、結晶を濾別し、IPA100mLで洗浄した。50℃で乾燥して、中間体hを57g得た。
<中間体iの合成>
三つ口フラスコに、中間体h31g(0.05モル)、DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)300mLを添加し、氷浴で内温4℃まで冷却後、塩化シアヌル9.2g(0.05モル)を添加した。2時間攪拌後、アセトン1000mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をアセトン100mLで2回洗浄後、50℃で乾燥し中間体i30gを得た。
三つ口フラスコに、中間体h31g(0.05モル)、DMAc(N,N-ジメチルアセトアミド)300mLを添加し、氷浴で内温4℃まで冷却後、塩化シアヌル9.2g(0.05モル)を添加した。2時間攪拌後、アセトン1000mLを加え、析出した結晶を濾別した。結晶をアセトン100mLで2回洗浄後、50℃で乾燥し中間体i30gを得た。
<例示化合物5の合成>
中間体i6g(0.004モル)、中間体d5g(0.009モル)、及び水180mLの懸濁液に40℃で亜硝酸イソアミル1g(0.009モル)を滴下した。内温70℃で2時間攪拌後、内温を25℃まで冷却し、pH8.3となるまで4M水酸化リチウム水溶液を滴下した。続いてIPA700mLを滴下し、結晶を濾別後、イソプロピルアルコールで洗浄した。単離結晶を水150mLに加え、そこへIPA500mLを滴下した。5分撹拌した後に、結晶を濾別し、イソプロピルアルコールで洗浄した。得られた結晶を水に溶解し、リチウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物5の黒色結晶5gを得た。
Mass:2390([M+1]、100%)
中間体i6g(0.004モル)、中間体d5g(0.009モル)、及び水180mLの懸濁液に40℃で亜硝酸イソアミル1g(0.009モル)を滴下した。内温70℃で2時間攪拌後、内温を25℃まで冷却し、pH8.3となるまで4M水酸化リチウム水溶液を滴下した。続いてIPA700mLを滴下し、結晶を濾別後、イソプロピルアルコールで洗浄した。単離結晶を水150mLに加え、そこへIPA500mLを滴下した。5分撹拌した後に、結晶を濾別し、イソプロピルアルコールで洗浄した。得られた結晶を水に溶解し、リチウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物5の黒色結晶5gを得た。
Mass:2390([M+1]、100%)
(例示化合物6の合成)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに5−アミノイソフタル酸を用い、4−クロロアニリン−3−スルホン酸の代わりに3−アミノベンゼンスルホン酸を用いたこと以外は、例示化合物1の合成法と同様にして、例示化合物6の黒色結晶4gを得た。
Mass:1867([M+1]、100%)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに5−アミノイソフタル酸を用い、4−クロロアニリン−3−スルホン酸の代わりに3−アミノベンゼンスルホン酸を用いたこと以外は、例示化合物1の合成法と同様にして、例示化合物6の黒色結晶4gを得た。
Mass:1867([M+1]、100%)
(例示化合物7の合成)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに2−アミノベンゾニトリルを用い、4−クロロアニリン−3−スルホン酸の代わりに4−アミノベンゼンスルホン酸を用いたこと以外は、例示化合物2の合成法と同様にして、例示化合物7の黒色結晶3gを得た。
Mass:1761([M+1]、100%)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに2−アミノベンゾニトリルを用い、4−クロロアニリン−3−スルホン酸の代わりに4−アミノベンゼンスルホン酸を用いたこと以外は、例示化合物2の合成法と同様にして、例示化合物7の黒色結晶3gを得た。
Mass:1761([M+1]、100%)
(例示化合物8の合成)
4−アミノアセトフェノンの代わりに3−アミノアセトフェノンを用いたこと以外は、例示化合物6の合成法と同様にして、例示化合物8の黒色結晶3gを得た。
Mass:1867([M+1]、100%)
4−アミノアセトフェノンの代わりに3−アミノアセトフェノンを用いたこと以外は、例示化合物6の合成法と同様にして、例示化合物8の黒色結晶3gを得た。
Mass:1867([M+1]、100%)
(例示化合物9の合成)
アジポイルクロリドの代わりにテレフタロイルクロリドを用いたこと以外は、例示化合物8の合成法と同様にして、例示化合物9の黒色結晶4gを得た。
Mass:1761([M+1]、100%)
アジポイルクロリドの代わりにテレフタロイルクロリドを用いたこと以外は、例示化合物8の合成法と同様にして、例示化合物9の黒色結晶4gを得た。
Mass:1761([M+1]、100%)
(例示化合物10の合成)
アジポイルクロリドの代わりにイソフタロイルクロリドを用い、3−アミノベンゼンスルホン酸の代わりにp−アニシジン−3−スルホン酸を用いたこと以外は、例示化合物6の合成法と同様にして、例示化合物10の黒色結晶4gを得た。
Mass:2007([M+1]、100%)
アジポイルクロリドの代わりにイソフタロイルクロリドを用い、3−アミノベンゼンスルホン酸の代わりにp−アニシジン−3−スルホン酸を用いたこと以外は、例示化合物6の合成法と同様にして、例示化合物10の黒色結晶4gを得た。
Mass:2007([M+1]、100%)
(例示化合物11の合成)
合成スキームを下記に示す。
合成スキームを下記に示す。
<中間体jの合成>
チオ尿素12.5gと水120mlの中に原料j−1(和光純薬品)40gを添加し、70℃で5時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、5%NaOH溶液400mlを加え、室温で3時間攪拌した後、濾過し、50℃で乾燥して、中間体jを35.5g得た。
チオ尿素12.5gと水120mlの中に原料j−1(和光純薬品)40gを添加し、70℃で5時間攪拌した。析出した結晶を濾別し、5%NaOH溶液400mlを加え、室温で3時間攪拌した後、濾過し、50℃で乾燥して、中間体jを35.5g得た。
<中間体kの合成>
還元鉄57.0g、塩化アンモニウム5.0g、水35ml及びIPA250mlを30分還流し、中間体j22.0gを添加し、1時間還流攪拌した。濾過した後、濃縮し、50℃で乾燥して、中間体kを15.0g得た。
還元鉄57.0g、塩化アンモニウム5.0g、水35ml及びIPA250mlを30分還流し、中間体j22.0gを添加し、1時間還流攪拌した。濾過した後、濃縮し、50℃で乾燥して、中間体kを15.0g得た。
<例示化合物11の合成>
中間体bの代わりに中間体kを用いたこと以外は、例示化合物1の合成法と同様にして、例示化合物11の黒色結晶4gを得た。
Mass:2359([M+1]、100%)
中間体bの代わりに中間体kを用いたこと以外は、例示化合物1の合成法と同様にして、例示化合物11の黒色結晶4gを得た。
Mass:2359([M+1]、100%)
(例示化合物12の合成)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに2−アミノベンゾニトリルを用い、4−クロロアニリン−3−スルホン酸の代わりに6−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム水和物を用いたこと以外は、例示化合物1の合成法と同様にして、例示化合物12の黒色結晶3gを得た。
Mass:2261([M+1]、100%)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに2−アミノベンゾニトリルを用い、4−クロロアニリン−3−スルホン酸の代わりに6−アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム水和物を用いたこと以外は、例示化合物1の合成法と同様にして、例示化合物12の黒色結晶3gを得た。
Mass:2261([M+1]、100%)
(例示化合物13の合成)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりにスルファニル酸を用い、4−クロロアニリン−3−スルホン酸の代わりにタウリンを用いたこと以外は、例示化合物2の合成法と同様にして、例示化合物13の黒色結晶3gを得た。
Mass:1679([M+1]、100%)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりにスルファニル酸を用い、4−クロロアニリン−3−スルホン酸の代わりにタウリンを用いたこと以外は、例示化合物2の合成法と同様にして、例示化合物13の黒色結晶3gを得た。
Mass:1679([M+1]、100%)
(例示化合物14の合成)
スルファニル酸の代わりにメタニル酸を用い、テレフタロイルクロリドの代わりに2,6−ナフタレンジカルボニルジクロリドを用いたこと以外は、例示化合物13の合成法と同様にして、例示化合物14の黒色結晶2gを得た。
Mass:1729([M+1]、100%)
スルファニル酸の代わりにメタニル酸を用い、テレフタロイルクロリドの代わりに2,6−ナフタレンジカルボニルジクロリドを用いたこと以外は、例示化合物13の合成法と同様にして、例示化合物14の黒色結晶2gを得た。
Mass:1729([M+1]、100%)
(例示化合物15の合成)
合成スキームを下記に示す。
合成スキームを下記に示す。
<中間体lの合成>
4−アミノアセトフェノンの代わりに4−ヒドロキシアセトフェノンを用いたこと以外は、中間体bの合成法と同様にして、中間体l30gを得た。
4−アミノアセトフェノンの代わりに4−ヒドロキシアセトフェノンを用いたこと以外は、中間体bの合成法と同様にして、中間体l30gを得た。
<中間体mの合成>
中間体cの代わりに中間体lを用いたこと以外は、中間体fの合成法と同様にして、中間体m20gを得た。
中間体cの代わりに中間体lを用いたこと以外は、中間体fの合成法と同様にして、中間体m20gを得た。
<例示化合物15の合成>
三つ口フラスコに、中間体m12g(0.01モル)、ジブロモエタン1g(0.005モル)、炭酸リチウム1.5g(0.02モル)とDMSO(ジメチルスルホキシド)500mLを添加し、130℃で10時間攪拌後、pH8.3となるまで4M水酸化リチウム水溶液を滴下した。続いてIPA2000mLを加え、析出した結晶を濾別した。単離結晶を水100mLに加え、そこへIPA300mLを滴下した。5分撹拌した後に、結晶を濾別し、IPAで洗浄した。得られた結晶を水に溶解し、リチウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物15の黒色結晶6gを得た。
Mass:2325([M+1]、100%)
三つ口フラスコに、中間体m12g(0.01モル)、ジブロモエタン1g(0.005モル)、炭酸リチウム1.5g(0.02モル)とDMSO(ジメチルスルホキシド)500mLを添加し、130℃で10時間攪拌後、pH8.3となるまで4M水酸化リチウム水溶液を滴下した。続いてIPA2000mLを加え、析出した結晶を濾別した。単離結晶を水100mLに加え、そこへIPA300mLを滴下した。5分撹拌した後に、結晶を濾別し、IPAで洗浄した。得られた結晶を水に溶解し、リチウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物15の黒色結晶6gを得た。
Mass:2325([M+1]、100%)
(例示化合物17の合成)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに4−アミノピリジンを用いたこと以外は、例示化合物2の合成法と同様にして、例示化合物17の黒色結晶2gを得た。
Mass:1849([M+1]、100%)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに4−アミノピリジンを用いたこと以外は、例示化合物2の合成法と同様にして、例示化合物17の黒色結晶2gを得た。
Mass:1849([M+1]、100%)
(例示化合物18の合成)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに2−アミノ−5−ベンゾチアゾールスルホン酸を用いたこと以外は、例示化合物1の合成法と同様にして、例示化合物18の黒色結晶2gを得た。
Mass:1951([M+1]、100%)
7‐アミノ‐1,3,5‐ナフタレントリスルホン酸の代わりに2−アミノ−5−ベンゾチアゾールスルホン酸を用いたこと以外は、例示化合物1の合成法と同様にして、例示化合物18の黒色結晶2gを得た。
Mass:1951([M+1]、100%)
(例示化合物21の合成)
例示化合物1の黒色結晶2gを水50mLに溶解し、ナトリウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物21の黒色結晶2gを得た。
例示化合物1の黒色結晶2gを水50mLに溶解し、ナトリウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物21の黒色結晶2gを得た。
(例示化合物22の合成)
例示化合物1の黒色結晶2gを水50mLに溶解し、カリウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物22の黒色結晶2gを得た。
例示化合物1の黒色結晶2gを水50mLに溶解し、カリウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物22の黒色結晶2gを得た。
(例示化合物23の合成)
例示化合物1の黒色結晶2gを水50mLに溶解し、アンモニウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物23の黒色結晶2gを得た。
例示化合物1の黒色結晶2gを水50mLに溶解し、アンモニウムイオンで充填した陽イオン交換樹脂(オルガノ社製、アンバーライトIR−120)を通液させた後、濃縮した。得られた結晶を50℃で乾燥し、例示化合物23の黒色結晶2gを得た。
[水溶液の調製]
本発明の色素の水溶液を、ここでは「インク原液」と称する。
なお、水溶液は4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.1〜8.3に調整した。
本発明の色素の水溶液を、ここでは「インク原液」と称する。
なお、水溶液は4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.1〜8.3に調整した。
[実施例1]
例示化合物1 2gを超純水18gに室温で撹拌しながら溶解後、防腐剤(プロキセルXL−II:フジフイルムイメージングカララント社製)を固形分として0.002g添加した。4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、引き続き、有効径0.2μmのメンブランフィルターを用いて不要物のろ過を行い、インク原液−1を得た。
例示化合物1 2gを超純水18gに室温で撹拌しながら溶解後、防腐剤(プロキセルXL−II:フジフイルムイメージングカララント社製)を固形分として0.002g添加した。4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、引き続き、有効径0.2μmのメンブランフィルターを用いて不要物のろ過を行い、インク原液−1を得た。
[実施例2]
例示化合物1の代わりに例示化合物2を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−2を得た。
[実施例3]
例示化合物1の代わりに例示化合物4を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−3を得た。
[実施例4]
例示化合物1の代わりに例示化合物5を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−4を得た。
[実施例5]
例示化合物1の代わりに例示化合物8を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−5を得た。
[実施例6]
例示化合物1の代わりに例示化合物9を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−6を得た。
[実施例7]
例示化合物1の代わりに例示化合物10を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−7を得た。
[実施例8]
例示化合物1の代わりに例示化合物11を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−8を得た。
[実施例9]
例示化合物1の代わりに例示化合物12を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−9を得た。
[実施例10]
例示化合物1の代わりに例示化合物13を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−10を得た。
[実施例11]
例示化合物1の代わりに例示化合物18を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−11を得た。
[実施例12]
例示化合物1の代わりに例示化合物21を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−12を得た。
[比較例1]
例示化合物1の代わりに下記化合物(比較化合物1)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用インク原液−1を得た。
例示化合物1の代わりに例示化合物2を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−2を得た。
[実施例3]
例示化合物1の代わりに例示化合物4を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−3を得た。
[実施例4]
例示化合物1の代わりに例示化合物5を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−4を得た。
[実施例5]
例示化合物1の代わりに例示化合物8を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−5を得た。
[実施例6]
例示化合物1の代わりに例示化合物9を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−6を得た。
[実施例7]
例示化合物1の代わりに例示化合物10を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−7を得た。
[実施例8]
例示化合物1の代わりに例示化合物11を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−8を得た。
[実施例9]
例示化合物1の代わりに例示化合物12を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−9を得た。
[実施例10]
例示化合物1の代わりに例示化合物13を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−10を得た。
[実施例11]
例示化合物1の代わりに例示化合物18を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−11を得た。
[実施例12]
例示化合物1の代わりに例示化合物21を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、インク原液−12を得た。
[比較例1]
例示化合物1の代わりに下記化合物(比較化合物1)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用インク原液−1を得た。
<インクジェット記録用インクの調製>
実施例1で得られたインク原液−1を10.0g、超純水を5.0g、グリセリンを1.6g、トリエチレングリコールを0.2g、プロピレングリコールを0.1g、1,2−ヘキサンジオールを0.4g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを1.6g、オルフィンE1010(日信化学株式会社製)を0.3g、2−ピロリドンを0.8g、炭酸水素リチウムを0.02g加え、常温において30分間攪拌した後、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、得られた溶液を目開き有効径1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより、インク組成物A−1を得た。
インク組成物A−1において、インク原液−1を、インク原液−2〜インク原液−12、比較用インク原液−1にそれぞれ置き換える以外は同様にして、インク組成物A−2〜インク組成物A−12、比較用インク組成物B−1を得た。
実施例1で得られたインク原液−1を10.0g、超純水を5.0g、グリセリンを1.6g、トリエチレングリコールを0.2g、プロピレングリコールを0.1g、1,2−ヘキサンジオールを0.4g、トリエチレングリコールモノブチルエーテルを1.6g、オルフィンE1010(日信化学株式会社製)を0.3g、2−ピロリドンを0.8g、炭酸水素リチウムを0.02g加え、常温において30分間攪拌した後、4mol/L水酸化リチウム水溶液を用いて、pHを8.2に調整し、得られた溶液を目開き有効径1.0μmのメンブランフィルターを用いて濾過することにより、インク組成物A−1を得た。
インク組成物A−1において、インク原液−1を、インク原液−2〜インク原液−12、比較用インク原液−1にそれぞれ置き換える以外は同様にして、インク組成物A−2〜インク組成物A−12、比較用インク組成物B−1を得た。
〔耐湿性〕
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、インク組成物A−1〜インク組成物A−12、比較用インク組成物B−1をそれぞれ用いて、インクジェット専用記録媒体(写真用紙クリスピア<高光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製))に1mm×1mmの格子パターンの印字を行った。得られた印刷物を、45℃90%RH環境下に置き、7日後の印刷物を以下の判定基準に基づいて判定を行った。
(判定基準)
評価A:格子パターンが滲んでいない。
評価B:格子パターンの一部が滲んでいる。
評価C:格子パターンが確認できない。
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を使用し、インク組成物A−1〜インク組成物A−12、比較用インク組成物B−1をそれぞれ用いて、インクジェット専用記録媒体(写真用紙クリスピア<高光沢>(商品名、セイコーエプソン株式会社製))に1mm×1mmの格子パターンの印字を行った。得られた印刷物を、45℃90%RH環境下に置き、7日後の印刷物を以下の判定基準に基づいて判定を行った。
(判定基準)
評価A:格子パターンが滲んでいない。
評価B:格子パターンの一部が滲んでいる。
評価C:格子パターンが確認できない。
Claims (20)
- 前記一般式(1)のA1が置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基である請求項1に記載の色素。
- 前記一般式(1)のA1がイオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又はイオン性親水性基を置換基として有するナフチル基である請求項1又は2に記載の色素。
- 上記一般式(a)〜(h)において、Q2が−NH−、−CO−、アルキレン基、アリーレン基、2価の芳香族へテロ環基、又はこれらを組み合わせてなる2価の連結基である請求項4に記載の色素。
- R1d及びR1eが、各々独立に、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基である請求項1〜6のいずれか一項に記載の色素。
- R1d及びR1eが、各々独立に、置換若しくは無置換のフェニル基、又は、置換若しくは無置換のナフチル基である請求項7に記載の色素。
- R1d及びR1eが、各々独立に、イオン性親水性基を置換基として有するフェニル基、又は、イオン性親水性基を置換基として有するナフチル基である請求項8に記載の色素。
- Y1は置換基を有する炭素原子である請求項1〜9のいずれか一項に記載の色素。
- Y1は置換基としてシアノ基を有する炭素原子である請求項10に記載の色素。
- R1cがシアノ基である請求項1〜11のいずれか一項に記載の色素。
- R1bが炭素数1〜5のアルキル基である請求項1〜12のいずれか一項に記載の色素。
- 6個以上のイオン性親水性基を有する請求項1〜13のいずれか一項に記載の色素。
- イオン性親水性基がスルホ基である請求項14に記載の色素。
- 請求項1〜15のいずれか一項に記載の色素を含有する着色組成物。
- 請求項16に記載の着色組成物を含むインクジェット記録用インク。
- 請求項17に記載のインクジェット記録用インクを用いるインクジェット記録方法。
- 請求項17に記載のインクジェット記録用インクを充填したインクジェットプリンタカートリッジ。
- 請求項17に記載のインクジェット記録用インクを用いて、被記録材に着色画像を形成したインクジェット記録物。
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JP2013200601A JP2015067643A (ja) | 2013-09-26 | 2013-09-26 | アゾ色素、着色組成物、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクジェットプリンタカートリッジ、及びインクジェット記録物 |
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